(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】受発光センサ構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/12 20060101AFI20240717BHJP
H01L 31/02 20060101ALI20240717BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20240717BHJP
H01L 33/54 20100101ALI20240717BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240717BHJP
H01L 33/64 20100101ALI20240717BHJP
H01L 27/15 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H01L31/12 B
H01L31/02 B
H01L33/58
H01L33/54
H01L33/62
H01L33/64
H01L27/15 D
H01L27/15 H
(21)【出願番号】P 2023111926
(22)【出願日】2023-07-07
【審査請求日】2023-07-07
(31)【優先権主張番号】202210820313.6
(32)【優先日】2022-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【氏名又は名称】中島 彩夏
(74)【代理人】
【識別番号】100231647
【氏名又は名称】千種 美也子
(72)【発明者】
【氏名】チェン ケンメイ
(72)【発明者】
【氏名】フェン レイ
(72)【発明者】
【氏名】フアン ベンキア
(72)【発明者】
【氏名】チャオ ジャンジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジジュン
【審査官】小林 幹
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109449274(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111372352(CN,A)
【文献】特開2010-034189(JP,A)
【文献】特開平09-199762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/12-31/16
H01L 31/02
H01L 33/48-33/64
H01L 27/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮光枠に囲まれて形成された空洞を有し、前記空洞の底部に第1回路層が設けられているパッケージ基板を用意するステップ(a)と、
前記遮光枠に、前記遮光枠の切断線を越えて延びる光伝送通路を形成するステップ(b)と、
前記パッケージ基板の前記空洞内に受発光センサを取り付け、前記受発光センサを前記第1回路層に電気的に接続させるステップ(c)と、
透明パッケージ材料を用いて前記空洞及び前記光伝送通路を充填して、前記受発光センサ上に透明パッケージ層を形成するステップ(d)と、
前記透明パッケージ層に遮光層を形成するステップ(e)と、
前記遮光枠の切断線に沿って切断して、指向性光伝送通路を有する受発光センサ構造を得るステップ(g)と、を含む、ことを特徴とする受発光センサ構造の製造方法。
【請求項2】
ステップ(b)において、前記遮光枠の高さは、前記空洞内に取り付けられた受発光センサを超える、ことを特徴とする請求項1に記載の受発光センサ構造の製造方法。
【請求項3】
前記遮光枠の切断線は前記光伝送通路と交差する、ことを特徴とする請求項1に記載の受発光センサ構造の製造方法。
【請求項4】
ステップ(d)において、前記透明パッケージ層は、円弧状を呈する、ことを特徴とする請求項1に記載の受発光センサ構造の製造方法。
【請求項5】
前記第1回路層は、前記パッケージ基板を貫通する導電性導通ピラーを介して前記パッケージ基板の背面の第2回路層に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の受発光センサ構造の製造方法。
【請求項6】
ステップ(c)は、さらに、
前記受発光センサを前記パッケージ基板の第1放熱層上にマウントすることと、
前記第1放熱層を、前記パッケージ基板を貫通する放熱導通ピラーを介して前記パッケージ基板の背面の第2放熱層に接続することと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の受発光センサ構造の製造方法。
【請求項7】
前記光伝送通路の横断面は溝状である、ことを特徴とする請求項1に記載の受発光センサ構造の製造方法。
【請求項8】
透明パッケージ層材料は、OCR接着剤又はOCA接着剤である、ことを特徴とする請求項1に記載の受発光センサ構造の製造方法。
【請求項9】
前記遮光層の材質は、クロム、酸化クロム又は黒色樹脂である、ことを特徴とする請求項1に記載の受発光センサ構造の製造方法。
【請求項10】
遮光枠に囲まれて形成された空洞を有するパッケージ基板であって、前記遮光枠に外部への光伝送通路を有し、前記空洞の底部に第1回路層が設けられているパッケージ基板と、
前記空洞内に設けられ、前記第1回路層に電気的に接続される受発光センサと、
前記空洞及び前記光伝送通路内に充填された透明パッケージ層と、
前記透明パッケージ層に設けられ、前記受発光センサ
が前記光伝送通路に沿う選択的な受発光方向
で受発光を行うことができるように
設けられた遮光層と、を含む、ことを特徴とする受発光センサ構造。
【請求項11】
前記遮光枠の高さは、前記空洞内に取り付けられた受発光センサを超える、ことを特徴とする請求項10に記載の受発光センサ構造。
【請求項12】
前記透明パッケージ層は、円弧状を呈する、ことを特徴とする請求項10に記載の受発光センサ構造。
【請求項13】
前記第1回路層は、前記パッケージ基板を貫通する導電性導通ピラーを介して前記パッケージ基板の背面の第2回路層に接続される、ことを特徴とする請求項10に記載の受発光センサ構造。
【請求項14】
前記受発光センサは、前記パッケージ基板の第1放熱層上にマウントされ、
前記第1放熱層は、前記パッケージ基板を貫通する放熱導通ピラーを介して前記パッケージ基板の背面の第2放熱層に接続される、ことを特徴とする請求項10に記載の受発光センサ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子素子パッケージ技術の分野に関し、特に、受発光センサ構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子産業の発展に伴い、電子製品は、高集積化、多機能化、高性能化及び小型化の一途を辿っており、そのため、多様な素子配列を提供できる嵌め込み型パッケージ基板がますます優勢になっている。嵌め込み型パッケージ構造では、通常、金属線をデータ信号の伝送媒体とするが、金属線に多くの限界があり、例えば金属線が材料の影響を受けて達成できる導電性能が限られているため、導電性を向上させる方法で信号伝送速度を向上させることが困難であり、金属線は、信号伝送過程で外部及び相互間の電磁干渉を受けやすく、高周波伝送中で特に顕著であり、そのため、追加のシールド措置が必要となり、このようなシールド保護措置により、回路設計が相当に困難となり、また、金属線により伝送されるのはアナログ信号であり、デジタル処理を行う際に変換する必要があり、歪みが生じやすい。
【0003】
金属線の上記の多くの限界を改善するために、電気信号の代わりに光信号を用いて信号を伝送する方法が開発された。最も顕著な効果は、光信号が電磁波による干渉をほとんど受けないため、信号の伝送品質が良く、信号伝送歪みを低減できること、且つ、電磁シールド構造の設計を少なくすることができることである。したがって、光信号伝送方法は、今後の発展方向になっており、光通信を行う受発光センサのパッケージ体への埋め込みは、その小型化、集積化を実現するための必然的な選択となっている。
【0004】
既存技術における受発光センサ構造は、通常、受発光センサに透明材料を設けてパッケージ体を形成したものであるが、受発光センサの受発光方向を制御しにくく、方向性がないため、光方向選択性を有するというニーズを満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、本願は、受発光センサパッケージ構成要素及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的に基づいて、本願は、受発光センサ構造の製造方法を提供し、当該方法は、
遮光枠に囲まれて形成された空洞を有し、前記空洞の底部に第1回路層が設けられているパッケージ基板を用意するステップ(a)と、
前記遮光枠に、前記遮光枠の切断線を越えて延びる光伝送通路を形成するステップ(b)と、
前記パッケージ基板の前記空洞内に受発光センサを取り付け、前記受発光センサを前記第1回路層に電気的に接続させるステップ(c)と、
透明パッケージ材料を用いて前記空洞及び前記光伝送通路を充填して、前記受発光センサ上に透明パッケージ層を形成するステップ(d)と、
前記透明パッケージ層に遮光層を形成するステップ(e)と、
前記遮光枠の切断線に沿って切断して、指向性光伝送通路を有する受発光センサ構造を得るステップ(g)と、を含む。
【0007】
幾つかの実施例では、ステップ(b)において、前記遮光枠の高さは、前記空洞内に取り付けられた受発光センサを超える。
【0008】
幾つかの実施例では、前記遮光枠の切断線は前記光伝送通路と交差する。
【0009】
幾つかの実施例では、ステップ(d)において、前記透明パッケージ層は、円弧状を呈する。
【0010】
幾つかの実施例では、ステップ(e)において、前記第1回路層は、前記パッケージ基板を貫通する導電性導通ピラーを介して前記パッケージ基板の背面の第2回路層に接続される。
【0011】
幾つかの実施例では、ステップ(c)は、さらに、
前記受発光センサを前記パッケージ基板の第1放熱層上にマウントすることと、
前記第1放熱層を、前記パッケージ基板を貫通する放熱導通ピラーを介して前記パッケージ基板の背面の第2放熱層に接続することと、を含む。
【0012】
幾つかの実施例では、前記光伝送通路の横断面は溝状である。
【0013】
幾つかの実施例では、透明パッケージ層材料は、光学透明樹脂(OCR)接着剤又は光学透明接着剤(OCA)である。
【0014】
幾つかの実施例では、前記遮光層の材質は、クロム、酸化クロム又は黒色樹脂である。
【0015】
本願の実施例は、さらに、受発光センサ構造を提供し、上記のような受発光センサ構造の製造方法を採用して製造される。
【0016】
本願の実施例は、さらに、受発光センサ構造を提供し、
遮光枠に囲まれて形成された空洞を有するパッケージ基板であって、前記遮光枠に外部への光伝送通路を有し、前記空洞の底部に第1回路層が設けられているパッケージ基板と、
前記空洞内に設けられ、前記第1回路層に電気的に接続される受発光センサと、
前記空洞及び前記光伝送通路内に充填された透明パッケージ層と、
前記透明パッケージ層に設けられ、前記受発光センサ構造が前記光伝送通路に沿う選択的な受発光方向を有するようにした遮光層と、を含む。
【0017】
幾つかの実施例では、前記遮光枠の高さは、前記空洞内に取り付けられた受発光センサを超える。
【0018】
幾つかの実施例では、前記透明パッケージ層は、円弧状を呈する。
【0019】
幾つかの実施例では、前記第1回路層は、前記パッケージ基板を貫通する導電性導通ピラーを介して前記パッケージ基板の背面の第2回路層に接続される。
【0020】
幾つかの実施例では、前記受発光センサは、前記パッケージ基板の第1放熱層上にマウントされ、
前記第1放熱層は、前記パッケージ基板を貫通する放熱導通ピラーを介して前記パッケージ基板の背面の第2放熱層に接続される。上記から分かるように、本願にて提供される受発光センサ構造及びその製造方法は、受発光センサの周囲に遮光環境を形成して、光伝送空洞のみを介して光を伝送することにより、受発光センサが光伝送空洞のみに沿って受発光を行い、光伝送空洞に沿う固定した受発光方向を有し、それにより、選択的な方向を有する光の効果を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本願又は関連技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は関連技術の説明に用いる必要のある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は本願の実施例にすぎず、当業者にとって、創造的な労働をしない前提で、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】関連技術における受発光センサ構造の断面図である。
【
図2】本願の実施例にて提供される受発光センサ構造を示す側面図である。
【
図3】本願の実施例にて提供される受発光センサ構造を示す断面図である。
【
図4-1】(a)
図3に示す空洞パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造を示す断面模式図である。(b)
図3に示す空洞パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造を示す断面模式図である。(c)
図3に示す空洞パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造を示す断面模式図である。(d)
図3に示す空洞パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造を示す断面模式図である。
【
図4-2】(e)
図3に示す空洞パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造を示す断面模式図である。(f)
図3に示す空洞パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造を示す断面模式図である。(g)
図3に示す空洞パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造を示す断面模式図である。(h)
図3に示す空洞パッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下では具体的な実施例と併せて、図面を参照しながら、本願についてさらに詳細に説明する。
【0023】
なお、特に定義しない限り、本願の実施例に使用される技術用語又は科学用語は、本願が属する分野の一般的なスキルを有する者が理解する一般的な意味であるべきである。本願の実施例に使用される「第1」、「第2」及び類似の単語はいかなる順序、数量又は重要性を表すものではなく、異なる構成部分を区別するために用いられる。「含む」又は「備える」等の類似する単語は、当該単語の前に出現する構成要素又は物品が当該単語の後に列挙される構成要素又は物品及びその同等なものをカバーし、他の構成要素又は物品を排除しないことを意味する。「接続」又は「連結」等の類似する単語は物理的又は機械的な接続に限定されず、直接的であるか、間接的であるかに関わらず、電気的な接続を含むことができる。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対的な位置関係を示すものであり、説明対象の絶対的な位置が変化すると、それに応じて相対的な位置関係も変化する可能性がある。
【0024】
一部の受発光センサ構造の光には、方向性がなく、例えば同時に上部と周囲へ受発光することができる。固定方向への受発光等のニーズを満たすことができない。
【0025】
図1は、関連技術において、受発光センサ構造の製造方法を示し、それで製造された受発光センサ構造は、同時に上部と周囲へ受発光することができ、方向性がない。
【0026】
これに基づいて、本願の実施例は、受発光センサ構造の製造方法を提供し、受発光センサ構造の受発光に方向性がないという問題をある程度解決することができる。
【0027】
図2~
図3は、本願の実施例にて提供される受発光センサ構造を示す構造図である。ここで、
図2は、本願の実施例にて提供される受発光センサ構造を示す側面図である。
図3は、本願の実施例にて提供される受発光センサ構造を示す断面図である。
【0028】
図2~
図3を参照すると、本願の実施例にて提供される受発光センサ構造10は、遮光枠210に囲まれて形成された空洞を有するパッケージ基板100を含み得る。つまり、受発光センサ構造10は、さらに、パッケージ基板100の周囲に設けられた遮光枠210を含み、遮光枠210がパッケージ基板100を囲んで空洞を形成する。遮光枠210には、遮光枠210を貫通する外部への光伝送通路211が形成されており、光伝送通路211の断面は、溝状を呈してもよい。受発光センサ310は、空洞内に取り付けられ、空洞内のパッケージ基板上の第1回路層420に電気的に接続される。受発光センサ310には、空洞及び溝状の光伝送通路211を充填できる透明パッケージ層400が設けられている。透明パッケージ層400の上方に遮光層500が設けられている。
【0029】
本願の実施例にて提供される受発光センサ構造10は、受発光センサ310の周囲に遮光環境を形成し、光伝送通路211のみを介して光を伝送することにより、受発光センサ構造10が光伝送通路のみに沿って受発光を行い、光伝送通路211に沿う固定した受発光方向を有し、それにより、選択的な方向を有する光の効果を実現する。
【0030】
幾つかの実施例では、
図2を参照すると、パッケージ基板100の空洞から離れた背面に第2回路層410が設けられ、空洞に近い側に第1回路層420が設けられている。パッケージ基板100には、さらに、パッケージ基板100を貫通する、第1回路層420と第2回路層410との電気的な接続のための導電ピラー430が設けられている。
【0031】
前記第1回路層420は、第1放熱層450を含み、前記第2回路層410は、第2放熱層460を含み、受発光センサ310は、伝熱接着剤等を介して第1放熱層450にマウントされることができ、第1放熱層450はパッケージ基板100を貫通する放熱導通ピラー470を介して第2放熱層460に接続され、それにより、受発光センサ310によって発生される熱をパッケージ基板の外部に放熱することができる。受発光センサ310の端子面は、上向きにワイヤ311を介して第1回路層420に接続されるとともに、導電ピラー430を介して第2回路層410に電気的に接続されることができる。
【0032】
本願は、同じ発明概念に基づいて、上記任意の実施例の受発光センサ構造10に対応して、受発光センサ構造10の製造方法をさらに提供する。
【0033】
図4(a)~
図4(h)を参照すると、
図3の受発光センサ構造10の製造方法の各ステップの中間構造を示す断面模式図である。
【0034】
受発光センサ構造10の製造方法は、次のステップを含む。パッケージ基板100を用意するステップ(a)である。
図4(a)に示すように、パッケージ基板100は第1回路層420、第2回路層410、第1放熱層450、第2放熱層460、第1回路層420と第2回路層410とを導通する導電ピラー430、及び第1放熱層450と第2放熱層460とを導通する放熱導通ピラー470を含む。
【0035】
パッケージ基板100は、一般のパターニング方法により形成でき、ここでは詳細な説明を省略する。
【0036】
次に、
図4(b)に示すように、パッケージ基板100に、空洞を有する枠210を形成し、枠210は、パッケージ基板100の上面が光を透過しない材質で形成された遮光枠210であり、遮光枠210の断面は、全ての方向からの光線を遮断するように、環状であってもよい。
【0037】
次に、ステップ(b)において、遮光枠210に、前記遮光枠の切断線を越えて延びることができる光伝送通路211を形成してもよく、
図4(c)及び
図4(d)に示すとおりである。例えば、光伝送通路211の横断面は、矩形であってもよいが、任意の形状であってもよく、ここでは制限しない。
【0038】
光伝送通路211は、簡単なミリング操作で溝を形成することができ、
図4(e)に示すとおりである。こうすると、後続で透明パッケージ層400を形成する際に、透明パッケージ層400が光伝送通路211を容易に充填できる。
【0039】
次に、ステップ(c)において、パッケージ基板100に受発光センサ310を取り付けて、受発光センサの端子が第1回路層420に電気的に接続され、
図4(f)に示すとおりである。通常、ワイヤを介して受発光センサの端子を第1回路層420と電気的に接続することができる。例えば、ステップ(c)は、具体的には、
受発光センサ310を第1放熱層450に取り付けることと、
ワイヤ311を介して受発光センサ310を第1回路層420に電気的に接続することと、を含む。
【0040】
具体的には、伝熱接着剤等を介して受発光センサ310の背面又は放熱面を第1放熱層450に固定的に取り付けることにより、受発光センサ310が動作時に発生される熱が第1放熱層450を通過して、放熱導通ピラー470を介して第2放熱層460に伝導され、放熱されることができる。第2放熱層460は、さらに、放熱効率を一層向上させるために、外部の放熱器に接続されてもよい。
【0041】
その後、ステップ(d)において、受発光センサ310に透明パッケージ層400を形成するとともに、光伝送通路211を充填することにより、透明パッケージ層400が光伝送通路211を充填する。透明パッケージ層400は、遮光枠210の一部を覆うことができ、それにより、一定の弧度を有する透明パッケージ層400を形成できる。つまり、透明パッケージ層400は、受発光センサ310から離れた側では円弧状の透明パッケージ層400に形成され、
図4(g)に示すとおりである。
【0042】
透明パッケージ層400の透明パッケージ材料は、OCR(光学透明樹脂Optical Clear Resin)接着剤又はOCA(光学透明接着剤Optically Clear Adhesive)接着剤であってもよい。OCR接着剤及びOCA接着剤は、液体接着剤であり、無色透明で、光透過率が高く、接着強度に優れ、常温、中温又はUVで硬化可能であり、硬化収縮率が小さいこと及び黄変に強いことを同時に持つ等の特徴を有する。
【0043】
次に、ステップ(e)において、透明パッケージ層400に遮光層500を形成し、
図4(h)に示すとおりである。遮光層500の透明パッケージ層400に近い側は、透明パッケージ層400の形状に適合するように円弧状であってもよく、透明パッケージ層400から離れた側は平坦であってもよいし、設計のニーズに応じて任意の形状であってもよい。
【0044】
遮光層500の材質は、クロム、酸化クロム又は黒色樹脂等である。例えば、遮光層500の材質がクロムである場合、遮光層500は、光に対して反射性を有する不透明な金属膜である。こうすると、光伝送通路211から伝送される光の強度が弱い時、光伝送通路211に沿って空洞に入る光を遮光層500に反射して受発光センサ310に集光させることにより、光の強度を高めることができる。
【0045】
最後に、ステップ(g)において、遮光枠210の切断線710に沿って切断して、指向性光伝送通路を有する受発光センサ構造10を得、図(3)に示すとおりである。切断線700は、光伝送通路211を貫通できるため、切断後に光伝送通路211を露出した断面が光の出入り口を形成する。回転鋸刃、又はレーザが切断線710に沿って切断すること等の他の切断技術を使用して切断を行うことができ、
図2に示すような指向性光伝送通路を有する受発光センサ構造10を得る。
【0046】
当業者であれば、以上のいずれの実施例の説明は例示的なものにすぎず、本願の範囲(請求項を含む)がこれらの例に限定されることを意図するものではなく、本願の構想の下で、以上の実施例又は異なる実施例における技術的特徴も組み合わせることができ、ステップは任意の順序で実現でき、且つ上記のような本願の実施例の異なる態様の多くの他の変化が存在し、それらは、簡潔性のために詳細に提供されていないことを理解されたい。
【0047】
また、説明及び議論を簡単にし、また本願の実施例の理解を困難にしないために、集積回路(IC)チップ及び他の部品との公知の電源/接地接続が、提供される図面に示されてもよく、又は示されなくてもよい。また、本願の実施例の理解を困難にすることを避けるために、装置をブロック図の形で示すことができ、このブロック図の装置の実施形態に関する詳細は、本願の実施例を実施するプラットフォームに大きく依存する(即ち、これらの詳細は、完全に当業者の理解の範囲内である)という事実も考慮した。具体的な詳細(例えば、回路)を説明して本願の例示的な実施例を説明する場合、当業者にとって明らかなように、これらの具体的な詳細がない場合又はこれらの具体的な詳細が変化する場合に、本願の実施例を実施することができる。したがって、これらの説明は、限定的なものではなく、例示的なものであると考えられるべきである。
【0048】
本願の具体的な実施例を参照して本願について説明したが、これらの実施例の多くの置換、修正、及び変形は、上記の説明から当業者にとって明らかであろう。例えば、他のメモリアーキテクチャ(例えば、ダイナミックRAM(DRAM))として、論じられている実施例を使用し得る。
【0049】
本願の実施例は、添付の特許請求の範囲の広い範囲内に入る、そのような全ての置換、修正、及び変形を包含することを意図している。したがって、本願の実施例の精神及び原則内でなされた任意の省略、修正、等価置換、改良等は、いずれも本願の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0050】
10 受発光センサ構造
100 パッケージ基板
210 遮光枠、枠
211 光伝送通路
310 受発光センサ
311 ワイヤ
400 透明パッケージ層
410 第2回路層
420 第1回路層
430 導電ピラー
450 第1放熱層
460 第2放熱層
470 放熱導通ピラー
500 遮光層
710 切断線