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特許7522278プログラム、情報処理装置、マッチングサーバ及びマッチングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、マッチングサーバ及びマッチングシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/525 20140101AFI20240717BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20240717BHJP
   A63F 13/795 20140101ALI20240717BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20240717BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240717BHJP
   A63F 13/5372 20140101ALI20240717BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20240717BHJP
【FI】
A63F13/525
A63F13/55
A63F13/795
A63F13/52
A63F13/53
A63F13/5372
A63F13/65
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2023133641
(22)【出願日】2023-08-18
【審査請求日】2024-02-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼ウェブサイトの掲載日:令和 5年 2月 8日 ウェブサイトのアドレス:https://www.atpress.ne.jp/news/344903 公開者:株式会社バンダイ ▲2▼提供開始日:令和 5年 3月 1日 ウェブサイトのアドレス:https://lp.bandaicardgames-metaverselobby.com/ 公開者:株式会社バンダイ
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 雄作
(72)【発明者】
【氏名】森本 達也
(72)【発明者】
【氏名】上原 悠士朗
(72)【発明者】
【氏名】細田 一成
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-078744(JP,A)
【文献】特開2008-136693(JP,A)
【文献】特開2002-248273(JP,A)
【文献】特開2022-039059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された第1仮想空間であって、ゲームの対戦相手とのマッチングが可能な第1仮想空間を表示させる表示制御処理と、
前記第1仮想空間におけるマッチングの成立を条件として前記ゲームの実行をトリガする制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記表示制御処理は、前記第1仮想空間を、前記仮想キャラクターに対応して定められた第1視点であって、利用者の操作により画角が変更可能な第1視点で描画した第1表示状態、及び前記第1視点とは異なる第2視点であって、前記第1仮想空間を俯瞰する第2視点で描画した第2表示状態で表示させ
前記第1仮想空間には、前記ゲームのマッチング用のオブジェクトが複数配置され、
前記プログラムは、
前記マッチング用のオブジェクトの選択操作を受け付ける受付処理と、
利用者による前記マッチング用のオブジェクトのいずれかの選択操作がなされたことを条件として、当該利用者に対戦相手をマッチングするマッチング処理と、
を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記受付処理は、
前記第1仮想空間が前記第1表示状態で表示されている場合に、前記マッチング用のオブジェクトの近傍に前記仮想キャラクターが配置され、当該オブジェクトが前記第1視点の画角内に収まっていることを条件として、当該オブジェクトの選択操作を受け付け可能に制御し、
前記第1仮想空間が前記第2表示状態で表示されている場合に、複数の前記マッチング用のオブジェクトの各々の選択操作を受け付け可能に制御するプログラム。
【請求項2】
前記第1表示状態は、前記第1視点と前記仮想キャラクターの位置関係に応じた状態で前記第1仮想空間を表示し、
前記第2表示状態は、前記第2視点と前記仮想キャラクターの位置関係に応じない状態で前記第1仮想空間を表示する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記表示制御処理は、前記第1表示状態の前記第1仮想空間と前記第2表示状態の前記第1仮想空間とを同時に表示させない請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記表示制御処理は、利用者によるサービスの利用開始要求に応じて前記第1仮想空間を表示するものであり、前記サービスの利用が開始された後に前記第1仮想空間を前記第1表示状態で表示させたことを条件として、前記第1仮想空間を前記第2表示状態で表示可能に制御する請求項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記表示制御処理は、前記第1表示状態と前記第2表示状態とで形態を異ならせて前記マッチング用のオブジェクトの形態を表示させる請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1仮想空間を介してトリガされる前記ゲームは、複数のゲームタイトルを含み、
前記表示制御処理は、前記マッチング用のオブジェクトに、当該オブジェクトへの選択操作に起因したマッチングの成立を条件としてトリガされる前記ゲームのゲームタイトルを表示させる
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記表示制御処理は、利用者による前記マッチング用のオブジェクトの選択操作がなされたことを条件として、当該利用者に対応付けられた前記仮想キャラクターを、当該マッチング用のオブジェクトの近傍に配置する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記表示制御処理は、
前記第1表示状態において利用者による前記仮想キャラクターの移動操作がなされたことを条件として、当該仮想キャラクターの前記第1仮想空間中の配置位置を変更し、
前記第2表示状態において利用者による前記マッチング用のオブジェクトの選択操作がなされたことを条件として、前記仮想キャラクターの移動操作を介さずに、当該利用者に対応付けられた前記仮想キャラクターを、当該マッチング用のオブジェクトの近傍に配置する
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記表示制御処理は、
前記第1表示状態において、前記マッチング用のオブジェクトのそれぞれに識別情報を付して表示させ、
前記第2表示状態において、前記マッチング用のオブジェクトのそれぞれに前記識別情報を付さずに表示させる
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記表示制御処理は、
前記第2表示状態において、前記マッチング用のオブジェクトのそれぞれに識別情報を付して表示させ、
前記第1表示状態において、前記マッチング用のオブジェクトのそれぞれに前記識別情報を付さずに表示させる
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記プログラムは、前記マッチング処理が開始された前記マッチング用のオブジェクト、及び前記マッチング処理によるマッチングの成立を条件として前記ゲームの実行がトリガされた前記マッチング用のオブジェクトを管理する管理処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記表示制御処理は、前記第2表示状態において、前記マッチング処理が実行中である状態及び前記ゲームの実行がトリガされた状態であることを条件として、当該状態の前記マッチング用のオブジェクトに前記識別情報を付して表示させる
請求項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記プログラムは、前記マッチング処理が開始された前記マッチング用のオブジェクト、及び前記マッチング処理によるマッチングの成立を条件として前記ゲームの実行がトリガされた前記マッチング用のオブジェクトを管理する管理処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記表示制御処理は、前記第1表示状態において、前記マッチング処理が実行中である状態及び前記ゲームの実行がトリガされた状態であることを条件として、当該状態の前記マッチング用のオブジェクトに前記識別情報を付して表示させる
請求項10に記載のプログラム。
【請求項13】
前記表示制御処理は、前記第1表示状態において、前記ゲームの実行がトリガされている状態とトリガされてない状態とで、前記マッチング用のオブジェクトを異なる態様で表示させる請求項11に記載のプログラム。
【請求項14】
前記表示制御処理は、前記第1表示状態において、前記マッチング処理が実行中の状態と実行中でない状態とで、前記マッチング用のオブジェクトを異なる態様で表示させる請求項11に記載のプログラム。
【請求項15】
前記マッチング用のオブジェクトはテーブルであり、
前記表示制御処理は、
利用者による前記テーブルの選択操作がなされたことを条件として、当該利用者に対応付けられた前記仮想キャラクターを当該テーブル近傍に配置された椅子に着座状態で配置し、
トリガされた前記ゲームが終了したことを条件として、着座状態の前記仮想キャラクターを前記椅子から退席した状態で表示させる
請求項11に記載のプログラム。
【請求項16】
前記表示制御処理は、1つの前記テーブルについて、
当該テーブルを挟んで対向する位置に2つの前記椅子を配置し、
2体の前記仮想キャラクターを2つの前記椅子に着座状態で配置可能とし、
前記マッチング処理は、対応する前記テーブルを挟んで、2体の前記仮想キャラクターが対向して配置されていることを条件としてマッチングを成立させる
請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記表示制御処理は、
マッチングを行わない第2仮想空間をさらに表示させ、
前記第2仮想空間に配置された前記仮想キャラクターについて利用者による移動操作がなされたことに応じて、当該仮想キャラクターを前記第1仮想空間に配置して表示させる
請求項15に記載のプログラム。
【請求項18】
前記表示制御処理は、前記第2仮想空間を第1表示状態で表示させる一方で、前記第2表示状態では表示させない請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記表示制御処理は、トリガされた前記ゲームが終了したことを条件として、前記仮想キャラクターを前記第2仮想空間に配置して表示させる請求項17に記載のプログラム。
【請求項20】
前記プログラムは、前記制御処理による前記ゲームの実行がトリガされたことに応じて、前記ゲームを実行する実行処理を前記コンピュータにさらに実行する請求項1に記載のプログラム。
【請求項21】
前記ゲームは、実空間を撮影した撮像画像の表示を伴って進行し、
前記表示制御処理は、前記ゲームの実行がトリガされたことに応じて、前記第1仮想空間に代えて前記撮像画像を表示させる
請求項20に記載のプログラム。
【請求項22】
利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された第1仮想空間であって、ゲームの対戦相手とのマッチングが可能な第1仮想空間を表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記第1仮想空間におけるマッチングの成立を条件として前記ゲームの実行をトリガする制御手段と、
を備える情報処理装置であって
前記表示制御手段は、前記第1仮想空間を、前記仮想キャラクターに対応して定められた第1視点であって、利用者の操作により画角が変更可能な第1視点で描画した第1表示状態、及び前記第1視点とは異なる第2視点であって、前記第1仮想空間を俯瞰する第2視点で描画した第2表示状態で前記表示手段に表示させ
前記第1仮想空間には、前記ゲームのマッチング用のオブジェクトが複数配置され、
前記情報処理装置は、
前記マッチング用のオブジェクトの選択操作を受け付ける受付手段と、
利用者による前記マッチング用のオブジェクトのいずれかの選択操作がなされたことを条件として、当該利用者に対戦相手をマッチングするマッチング手段と、
をさらに備え、
前記受付手段は、
前記第1仮想空間が前記第1表示状態で表示されている場合に、前記マッチング用のオブジェクトの近傍に前記仮想キャラクターが配置され、当該オブジェクトが前記第1視点の画角内に収まっていることを条件として、当該オブジェクトの選択操作を受け付け可能に制御し、
前記第1仮想空間が前記第2表示状態で表示されている場合に、複数の前記マッチング用のオブジェクトの各々の選択操作を受け付け可能に制御する情報処理装置。
【請求項23】
利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された第1仮想空間であって、ゲームの対戦相手とのマッチングが可能な第1仮想空間を情報処理装置に表示させる表示制御手段と、
前記第1仮想空間におけるマッチングの成立を条件として前記ゲームの実行をトリガする制御手段と、
を備えるマッチングサーバであって
前記表示制御手段は、前記第1仮想空間を、前記仮想キャラクターに対応して定められた第1視点であって、利用者の操作により画角が変更可能な第1視点で描画した第1表示状態、及び前記第1視点とは異なる第2視点であって、前記第1仮想空間を俯瞰する第2視点で描画した第2表示状態で前記情報処理装置に表示させ
前記第1仮想空間には、前記ゲームのマッチング用のオブジェクトが複数配置され、
前記マッチングサーバは、
前記マッチング用のオブジェクトの選択操作を受け付ける受付手段と、
利用者による前記マッチング用のオブジェクトのいずれかの選択操作がなされたことを条件として、当該利用者に対戦相手をマッチングするマッチング手段と、
をさらに備え、
前記受付手段は、
前記第1仮想空間が前記第1表示状態で表示されている場合に、前記マッチング用のオブジェクトの近傍に前記仮想キャラクターが配置され、当該オブジェクトが前記第1視点の画角内に収まっていることを条件として、当該オブジェクトの選択操作を受け付け可能に制御し、
前記第1仮想空間が前記第2表示状態で表示されている場合に、複数の前記マッチング用のオブジェクトの各々の選択操作を受け付け可能に制御するマッチングサーバ。
【請求項24】
利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された第1仮想空間であって、ゲームの対戦相手とのマッチングが可能な第1仮想空間を情報処理装置の表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記第1仮想空間におけるマッチングの成立を条件として前記ゲームの実行をトリガする制御手段と、
を備えるマッチングシステムであって
前記表示制御手段は、前記第1仮想空間を、前記仮想キャラクターに対応して定められた第1視点であって、利用者の操作により画角が変更可能な第1視点で描画した第1表示状態、及び前記第1視点とは異なる第2視点であって、前記第1仮想空間を俯瞰する第2視点で描画した第2表示状態で前記表示手段に表示させ
前記第1仮想空間には、前記ゲームのマッチング用のオブジェクトが複数配置され、
前記マッチングシステムは、
前記マッチング用のオブジェクトの選択操作を受け付ける受付手段と、
利用者による前記マッチング用のオブジェクトのいずれかの選択操作がなされたことを条件として、当該利用者に対戦相手をマッチングするマッチング手段と、
をさらに備え、
前記受付手段は、
前記第1仮想空間が前記第1表示状態で表示されている場合に、前記マッチング用のオブジェクトの近傍に前記仮想キャラクターが配置され、当該オブジェクトが前記第1視点の画角内に収まっていることを条件として、当該オブジェクトの選択操作を受け付け可能に制御し、
前記第1仮想空間が前記第2表示状態で表示されている場合に、複数の前記マッチング用のオブジェクトの各々の選択操作を受け付け可能に制御するマッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、マッチングサーバ及びマッチングシステムに関し、特に仮想空間を利用したゲームのマッチングサービスに関する。
【背景技術】
【0002】
外部サービスで実行される対戦ゲームに係るプレイヤのマッチングを、2次元に表現された仮想空間を介して行うマッチングシステムがある(特許文献1)。また特許文献2には、仮想キャラクターを介して利用者同士が交流可能な3次元の仮想空間が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-078744号公報
【文献】特開2009-301404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、3次元の仮想空間では様々な方向を見回したり移動したりすることができるため、特許文献1のようなマッチングシステムに特許文献2に記載の技術を適用した場合、現在マッチングを待機している他の利用者が存在するか否かを、利用者が把握できない可能性があった。
【0005】
本発明は、仮想空間を利用時の利便性を高めるプログラム、情報処理装置、マッチングサーバ及びマッチングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、コンピュータに、利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された第1仮想空間であって、ゲームの対戦相手とのマッチングが可能な第1仮想空間を表示させる表示制御処理と、第1仮想空間におけるマッチングの成立を条件としてゲームの実行をトリガする制御処理と、を実行させるプログラムであって、表示制御処理は、第1仮想空間を、第1視点で描画した第1表示状態、及び第1視点とは異なる第2視点で描画した第2表示状態で表示させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、仮想空間を利用時の利便性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るマッチングシステムの構成を例示した図
図2】本発明の実施形態及び変形例に係る利用者端末100のハードウェア構成を例示した図
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るサーバ200のハードウェア構成を例示した図
図4】本発明の実施形態及び変形例に係るマッチングサービスで使用されるアバタを例示した図
図5】本発明の実施形態及び変形例に係るマッチングサービスの対戦ルームを例示した図
図6】本発明の実施形態及び変形例に係る対戦ルームにおけるマッチング機能を説明するための図
図7】本発明の実施形態及び変形例に係る対戦ゲームのプレイ画面を例示した図
図8】本発明の実施形態及び変形例に係るマッチングサービスに関して管理される各種情報の構成例を示した図
図9】本発明の実施形態及び変形例に係るエントランスルームにおけるフレンド関係にあるアバタの表示を例示した図
図10】本発明の実施形態及び変形例に係る対戦ルームにて選択可能な2種類の描画視点を説明するための図
図11】本発明の実施形態及び変形例に係る利用者端末100において実行される表示制御処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態1]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、マッチングシステムの一例としての、利用者の使用する情報処理装置(利用者端末)からの接続を受け付けるサーバが、外部サービスにおいて提供される2人対戦の対戦ゲームについてのマッチングを仮想空間を介して実現するサービスを提供するシステムに、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、複数の利用者が参加するゲームについてのマッチングを仮想空間を介して行い、ゲームの実行をトリガすることが可能な任意の機器構成で実現されるシステムに適用可能である。
【0011】
また、本明細書において、「利用者」とは、本マッチングシステムにおいてサーバ200が提供するサービス(マッチングサービス)を利用するユーザを指すものとして説明する。また便宜上、仮想空間においてマッチングが成立してゲームプレイ中となっている利用者を「プレイヤ」として言及する場合がある。
【0012】
《マッチングシステムの構成》
図1は、本実施形態に係るマッチングシステムの構成を示した図である。図示されるように、マッチングシステムでは、ネットワーク300を介することでサーバ200と複数の利用者端末100とが通信接続可能に構成されている。また本実施形態ではサーバ200は、接続中の利用者端末100の利用者を、外部サービスにより実現される対戦ゲームのプレイヤとしてマッチングし、対戦ゲームの実行をトリガするマッチングサービスを提供する。
【0013】
以下では、外部サービスは、遠隔のプレイヤ間での対戦ゲームの実行を支援するサービスであり、サービス提供にあたり該当数のプレイヤを抽出してマッチングさせるフリーマッチング方式のマッチング機能を有していないサービスであるものとして説明する。本実施形態では、外部サービスは、ホストとなるプレイヤが作成したルーム(接続先)に対し、対戦ゲームに必要な人数のプレイヤが利用者端末100を用いてアクセスすることで、利用者端末100のカメラとマイクを利用したビデオチャット機能が利用可能となり、プレイヤの存在する環境(現実世界)において展開されたゲーム用物品の状況をプレイヤ間で共有しながら進行するトレーディングカードゲーム(TCG)のゲームプレイを実現するサービスであるものとする。このため、利用者端末100は、カメラとマイクを備えるPCやスマートフォンとすることができる。
【0014】
詳細は後述するが、マッチングサービスの利用者は、使用する利用者端末100を使用してサービスログインすることで、該利用者に対応するアバタ(操作アバタ)が配置された仮想空間の表示を伴うサービスが利用可能となる。マッチングサービスは、ブラウジングアプリケーション(以下、単にブラウザと言及)を介して接続可能なWebサービスであり、サービスログインは特定のWebページにおいて利用者認証に係る手続きを完了することにより行われる。利用者は、各種操作入力を行うことで該仮想空間に配置された操作アバタを移動させ、他の利用者とアバタを介したコミュニケーション(テキストチャット等)を行い、そして外部サービスで提供される対戦ゲームについて対戦相手とマッチングすることができる。
【0015】
〈利用者端末のハードウェア構成〉
続いて、図2を用いて利用者端末100のハードウェア構成を説明する。図2は、利用者端末100のハードウェア構成を例示したブロック図である。
【0016】
制御部101は、CPU等のプロセッサであり、利用者端末100が備える各ハードウェアの動作制御を含む各種制御を行う。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102に記憶されている必要なプログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより該当の制御を行う。
【0017】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的な情報記憶が可能な装置である。記憶装置102は、利用者端末100を動作させるためのオペレーティングシステムや各種アプリケーションに係るプログラムに加え、各種制御の実現に必要となるパラメータの情報や、ブラウザに係る表示や通信機能に用いられる各種データを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各プログラムの展開領域としてだけでなく、各種ハードウェアの動作や各種制御の過程で出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられるものであってよい。
【0018】
GPU104は、利用者端末100に係る表示画面の生成に係る、各種の描画処理を実行する描画装置である。GPU104は、マッチングサービスの利用中にブラウザに提示される仮想空間に係る画面の描画処理も実行する。GPU104は、不図示のGPUメモリを含み、記憶装置102から読み出された各種グラフィックスデータを展開し、所定の演算を行って画面をはじめとする各種の画像を生成する。GPU104により生成された画面や画像は、例えば利用者端末100が具備するディスプレイ110に表示されることで、利用者に提示される。ディスプレイ110は、例えば液晶ディスプレイ等の、利用者端末100が備える、あるいは利用者端末100に着脱可能に接続された情報表示を行う装置である。ディスプレイ110は、GPU104により生成された画面を表示する。
【0019】
操作I/F105は、利用者端末100が備える操作入力を受け付けるユーザインタフェースである。操作I/F105は、操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。1つの態様において、操作I/F105は、例えば利用者端末100の外装に設けられたボタン等の操作部材や各種センサ等を含む。また本実施形態の利用者端末100が備えるディスプレイ110は、タッチ入力を検出可能に構成され、操作I/F105は、当該ディスプレイ110に設けられた、タッチ入力検出センサを含む。
【0020】
通信I/F106は、利用者端末100が備える外部装置との通信インタフェースである。通信I/F106と外部装置との間の情報通信は、インターネット等の広域通信網(WAN)を介して行われるものであってもよいし、LAN等を介して行われるものであってもよい。通信I/F106が行う情報通信は、無線で行われるものとして説明するが、有線で行われる態様を除外するものではない。
【0021】
撮像ユニット120は、例えばCCDやCMOSセンサ等の撮像素子を有する撮像装置を含んだユニットである。詳細は後述するが、撮像ユニット120は、外部サービスに係る対戦ゲームの実行中、利用者により撮像範囲に配置されたゲームカードを間欠的に撮像し、撮像画像を出力する。
【0022】
マイク130は、利用者端末100が備える音声入力インタフェースである。本実施形態では、マッチングサービスからトリガされる外部サービスに係る対戦ゲームがTCGであるものとして説明するため、マイク130はプレイヤの宣言やゲームカードの効果の読み上げ等に係る音声を取得する。またスピーカ140は、利用者端末100が備える音声出力インタフェースである。スピーカ140は、マッチングサービスに係る音声や対戦ゲームに係る音声(対戦相手のプレイヤの宣言や効果音等)を出力する。
【0023】
〈サーバのハードウェア構成〉
図3は、本実施形態に係るサーバ200のハードウェア構成を示したブロック図である。なお、以下の説明において、利用者端末100と同様の機能を実現するハードウェア構成については、利用者端末100の構成と峻別すべく「サーバ」の接頭文字を付すものとする。
【0024】
サーバ制御部201は、CPU等のプロセッサであり、サーバ200が備える各ハードウェアの動作制御、マッチングサービスに係る利用者管理及び利用者同士のマッチング機能を含む各種機能の実現に係る制御を行う。具体的にはサーバ制御部201は、例えばサーバ記憶装置202に記憶されている必要なプログラムを読み出し、サーバメモリ203に展開して実行することにより該当の制御を行う。
【0025】
サーバ記憶装置202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的な情報記憶が可能な装置である。サーバ記憶装置202は、サーバ200を動作させるためのオペレーティングシステムやマッチングに係るプログラムに加え、各種制御の実現に必要となるパラメータの情報や、マッチング機能の提供に必要な各種データを記憶する。またサーバ記憶装置202は、マッチングシステムの利用者として登録された各プレイヤの情報を管理するデータベース機能も具備するものとする。サーバメモリ203は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。サーバメモリ203は、各プログラムの展開領域としてだけでなく、各種ハードウェアの動作や各種制御の過程で出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられるものであってよい。
【0026】
サーバ通信I/F204は、サーバ200が備える外部装置との通信インタフェースである。サーバ通信I/F204と外部装置との間の情報通信は、インターネット等の広域通信網(WAN)を介して行われるものであってもよいし、LAN等を介して行われるものであってもよい。サーバ通信I/F204が行う情報通信は、有線及び無線のいずれで行われるものであってもよい。
【0027】
《マッチングサービスの概要》
以下、本実施形態のマッチングシステムで提供されるマッチングサービスの概要を、図面を参照して説明する。
【0028】
上述したようにマッチングサービスは、各利用者が使用する利用者端末100においてブラウザを起動してサービスに係るWebページ(サービスサイト)にアクセスし、サービスログインすることにより利用可能となる。
【0029】
サービスログインすると、各利用者端末100では3次元コンピュータグラフィックスで表現された仮想空間がサービス画面として表示される。サービス画面は、仮想空間を描画した画像であり、その画素数は例えばブラウザのWebページが表示される領域に合わせて設定される。仮想空間では、各利用者には、当該利用者に対応付けられた、図4に示されるような頭部、胴部及び脚部を含んで構成された人型の3次元モデルのアバタ(以下、操作アバタとして言及)が割り当てられる。各利用者は、移動に係る操作入力を行うことで、自身に対応付けられた操作アバタを仮想空間内で移動させることができる。本実施形態では仮想空間は、例えば部屋状の3次元空間として構築され、以下では、仮想空間を「ルーム」として言及する場合がある。従って、操作アバタはルーム内を、利用者の操作入力に応じて移動する。ルームはある程度の広さをもった空間として構築される。
【0030】
本実施形態のマッチングサービスでは、複数種類の仮想空間が設けられ、各利用者は用途に応じてその仮想空間を行き来して、サービス提供を受けることができる。即ち、利用者の操作アバタは、一時に1つの仮想空間にのみ配置されるようサーバ200において管理される。
【0031】
マッチングサービスで使用される仮想空間は、エントランスルームと対戦ルームの2種類が設けられる。2種類の仮想空間(ルーム)は、その用途が各々異なっており、利用者からの要求に応じてマッチングサービスの機能として実行可能になる処理は、操作アバタがいずれの仮想空間に配置されているかに応じて異なる。換言すれば、操作アバタがエントランスルームと対戦ルームのいずれに配置されているかに応じて、利用者に対して利用可能に提供されるマッチングサービスの機能は変化する。操作アバタは、利用者のサービスログイン中、いずれか1つのルームにのみ配置されるよう制御され、複数のルームに並行して配置されることはない。ルーム間の移動(移行)は、基本的には各ルームにおいて移行に係る操作入力がなされたことに応じて対応する要求が利用者端末100からサーバ200に送信され、サーバ200において操作アバタに関して管理される情報が更新されることにより行われる。
【0032】
2種類のルームのうちの対戦ルームが、利用者がプレイを所望する対戦ゲームについて、当該利用者に対戦相手をマッチングさせる機能(マッチング機能)を実際に提供する仮想空間である。対戦ルームにおいてマッチングが成立すると、対戦ゲームの実行がトリガされる。他方、エントランスルームは、基本的には利用者に対戦相手をマッチングさせる機能を提供するものではなく、操作アバタの設定や操作アバタを移行させる対戦ルームの選択等、補助的な機能(以下、補助機能として言及)を利用者に提供する仮想空間である。つまり、エントランスルームでは、マッチングは成立し得ず、対戦ゲームの実行がトリガされることもない。各ルームの特徴については、以下でさらに詳細を説明する。なお、以下の説明では、対応付けられた操作アバタがいずれかのルームに係る3次元空間に配置された状態を、当該操作アバタの利用者が当該ルームに「入室」したと表現する場合がある。
【0033】
〈エントランスルーム〉
エントランスルームは、上述したように各利用者が対戦ルームを利用するための補助機能を提供する仮想空間である。エントランスルームは、操作アバタのそれぞれについて設けられており、例えば操作アバタを一意に特定するアバタIDが関連付けられて管理される。即ち、エントランスルームは、各操作アバタ固有に設けられる仮想空間である。
【0034】
利用者がサービスサイトにおいてサービスログインを行うと、当該利用者の操作アバタはまず、当該操作アバタについて設けられたエントランスルームに配置して表示される。利用者は、例えばエントランスルームで操作アバタを移動させることで、各種補助機能の利用に係る操作入力を行うことができる。
【0035】
(外観カスタマイズ機能)
エントランスルームで利用可能な補助機能には、操作アバタの外観を変更する外観カスタマイズ機能が含まれる。操作アバタは、例えばアバタの色、頭部・胴体部等に装着するアイテム等の外観を構成する描画要素を異ならせることが可能である。エントランスルームにて、利用者は、例えば所有しているアイテムの一覧から装着させるアイテムを選択することで、操作アバタの外観を変更することができる。
【0036】
(移行機能)
また補助機能には、利用者の移行要求に応じて対戦ルームを選択し、当該利用者の操作アバタを移行させる移行機能も含まれる。
【0037】
詳細は後述するが、本実施形態のマッチングサービスでは、同時期に対戦相手のマッチングを所望する利用者の操作アバタが対戦ルームに配置され、その様子が各利用者の利用者端末100のディスプレイ110にサービス画面(ブラウザを介して利用者に提示されるマッチングサービスに係る画面)として表示される。ここで、対戦ルームの様子を示すサービス画面を生成するためには、同対戦ルーム内に配置された他のアバタの状態(マッチング中であるか否か、外観はどのようであるか等)を示す情報等が必要となる。このような情報はサーバ200において対戦ルームに関連付けて管理され、利用者の操作アバタが当該対戦ルームに配置されている場合に利用者端末100に共有されてサービス画面の生成に用いられる。
【0038】
従って、対戦ルームに配置されるアバタの数が多いほど、サービス画面の生成時に参照すべき情報量が多くなり、利用者端末100の演算負荷を増大し得る。故に、本実施形態のマッチングシステムでは、対戦ルームの各々に、当該対戦ルーム内に配置可能な操作アバタに上限数(入室可能な利用者の上限数)が設定される。一方で、同時期にマッチング機能を利用可能な人数を確保するために、対戦ルームは複数設けられる。移行機能は、このように並行して複数設けられた複数の対戦ルームのうちから、利用者の要求に基づいた対戦ルームを選択して操作アバタを移行させる処理をサーバ制御部201が行う。
【0039】
本実施形態のマッチングシステムでは、エントランスルームには例えば扉型のオブジェクト等のルーム移行用のオブジェクト(移行用オブジェクト)が設けられており、利用者は、エントランスルームにおいて操作アバタを移動させて当該移行用オブジェクトに到達させることで、対戦ルームへの操作アバタの移行要求をサーバ200に送信させることができる。即ち、操作アバタを移行用オブジェクトに到達させる移動操作がなされたことに応じて、利用者端末100からサーバ200に移行要求が送信され、いずれの対戦ルームに移行させるかがサーバ200において決定される。そして、決定した対戦ルームに操作アバタを移行させる処理が行われる。
【0040】
(訪問機能)
また補助機能には、他の利用者のアバタについて設けられたエントランスルームを訪問する訪問機能が含まれる。利用者は、例えばエントランスルームに操作アバタが配置されている場合に表示可能なメニューからエントランスルームへの移動指示に関する項目を選択することで、当該訪問機能を利用することができる。当該訪問機能により、利用者に対応付けらえた操作アバタは、他の利用者のアバタについて設けられたエントランスルームに移動配置されて表示される。訪問機能により操作アバタが配置される先のエントランスルームは、例えばサーバ制御部201によって決定されるものであってもよいし、利用者による訪問先アバタの選択に基づいて決定されるものであってもよい。
【0041】
マッチングサービスでは、操作アバタにはフレンド登録機能が設けられる。当該機能は、例えば利用者と、知人あるいは対戦したことのある利用者との間で合意がなされたことを条件として、これらの利用者に対応付けられたアバタ間に、フレンド関係を設定する。このようにすることで、例えばアバタ間にフレンド関係のある利用者はログイン状況を確認したり、簡易にエントランスルームを訪問したりすることができる。例えば、利用者の操作アバタがエントランスルームに配置されている場合に、フレンド関係にあるアバタが当該エントランスルームを訪問してきた場合、当該アバタには図9に示されるようにフレンドであることを示すアイコンが近傍に付して表示され、利用者はフレンドの訪問を知ることができる。このような明示するアバタ間の関係性は、フレンド関係があることに限られるものではなく、例えば過去に対戦ゲームで対戦したことがあること等を含むこともできる。
【0042】
このように訪問機能によれば、他の利用者に自身の操作アバタに関連付けられたエントランスルームを見せることができるため、本実施形態のマッチングサービスでは、エントランスルームは利用者ごとの独自性を演出可能なよう、ルーム内の内装や装飾を変更可能に構成される。エントランスルームに配置される内装は、例えば各利用者が入手した任意の装飾オブジェクトを配置することにより行うことができる。
【0043】
またエントランスルームに配置される内装には、当該エントランスルームに関連付けられた操作アバタの状態に応じて変化する装飾要素が含まれていてもよい。このような装飾要素には、例えば当該操作アバタを介したマッチングを経て実行された対戦ゲームについて、そのプレイ回数及び勝利回数の少なくともいずれかに応じて変化する要素を含むことができる。また対戦ゲームについて大会やプレイシーズン等が設けられる態様では、装飾要素には、例えばトロフィーやメダル等、操作アバタを介したマッチングを経て実行された対戦ゲームのプレイ結果に関する要素を含むこともできる。
【0044】
〈対戦ルーム〉
対して、対戦ルームは、マッチングサービスにおいて全利用者が対戦ゲームに係るマッチングを行うことができる仮想空間である。エントランスルームと異なり、対戦ルーム内には操作アバタだけでなく、同一のルームに入室した他の利用者のアバタも配置される。対戦ルームに入室した利用者は、移動に係る操作入力によって操作アバタを当該対戦ルーム内で移動させることができる。従って、対戦ルームでは、当該対戦ルームにアバタが配置された利用者の各々が、当該利用者に対応付けられたアバタを移動させたり、対戦ルーム固有の機能を利用したりすることができる。
【0045】
図5に示されるように、対戦ルームには複数のテーブルオブジェクト501が配置される。また各テーブルオブジェクト501には、当該テーブルオブジェクト501の近傍に椅子オブジェクト502が配置されている。マッチングを所望する利用者は、いずれかのテーブルオブジェクト501の選択操作を行うことでマッチング機能を利用することができる。マッチング機能の利用に係るマッチング要求がなされると、サーバ制御部201がマッチングに係る処理を実行する。またマッチングに係る処理を行ってマッチングが成立すると、マッチングサービスはマッチングさせた(2人の)利用者を参加させた外部サービスに係る対戦ゲームの実行をトリガする。
【0046】
(マッチング機能)
マッチング機能は、外部サービスに係る対戦ゲームについて、利用者に対戦相手をマッチングさせる。本実施形態のマッチングサービスでは、対戦ルームにおけるテーブルオブジェクトへの選択操作によってマッチング要求が受け付けられるため、利用者にマッチングされる対戦相手は、同一の対戦ルームにアバタが配置された利用者となる。
【0047】
マッチング機能により実現される対戦相手のマッチングは、サーバ200によって強制的に行われるものではなく、利用者間の合意に基づいて行われるよう構成される。より詳しくは、マッチング機能は、他の利用者から対戦を申し込まれたい利用者に対し、当該利用者との対戦を所望する利用者からの対戦申込を可能にせしめ、前者の利用者による当該対戦申込の承諾がなされた場合にマッチングを成立させるよう構成される。1つのテーブルオブジェクトの選択操作により開始される、このようなマッチングに係る処理の状況は、当該テーブルオブジェクトを用いた表示を介して提示される。
【0048】
他の利用者からの対戦申込を待機したい利用者によるテーブルオブジェクトの選択操作がなされると、例えばマッチング待機状態に移行することの確認表示の後、待機するためのマッチング要求(待機要求と言及する場合がある)がサーバ200に送信される。待機要求は、例えばテーブルオブジェクトを一意に特定する識別情報(対戦ルームを一意に特定するルームIDと、選択されたテーブルオブジェクトを当該対戦ルームにおいて一意に特定するテーブルIDの組み合わせ)と、当該待機要求を行った利用者(あるいはその操作アバタ)を一意に特定する識別情報とを含むものであってよい。サーバ制御部201は待機要求を受信すると、当該利用者の操作アバタの状態をマッチング待機状態に更新し、同一の対戦ルームに入室している利用者の利用者端末100にその情報を送信する。
【0049】
マッチング待機状態となると、利用者の操作アバタは、図6(a)に示されるように選択操作を行ったテーブルオブジェクト501の近傍に配置された椅子オブジェクト502のうちの一方に着座状態で表示される。一般的にTCGは一対一で行われるため、本実施形態のマッチングシステムでは各テーブルオブジェクトの近傍には、2脚の椅子オブジェクトが当該テーブルオブジェクトを挟んで対向するように配置される。このような着座状態のアバタの表示は、利用者が待機取り止めに係る操作入力を行うか、マッチング成立により実行された対戦ゲームが終了するまで継続される。即ち、マッチング待機状態となった利用者の操作アバタは、対戦ルームにおいてテーブルオブジェクト501近傍の椅子オブジェクト502の位置から移動しない状態で表示される。マッチング待機状態では、利用者が操作アバタの移動に係る操作入力を行ったとしても、操作アバタは移動しないよう制御される。
【0050】
1人の利用者のアバタが椅子オブジェクト502に着座してマッチング待機状態となっているテーブルオブジェクト501(以下、待機中テーブルとして言及)は、他の利用者からの対戦申込が可能な状態となる。即ち、当該テーブルオブジェクト501は、マッチング待機状態に係るマッチング処理が実行中の状態となる。テーブルオブジェクト501は、対戦申込可能な状態であることを他の利用者に知らしめるべく、マッチング待機状態に係るマッチング処理が実行されたことを契機として、例えばテーブルオブジェクト501の色が変更される等、それ以前(処理非実行時)とは異なる態様に変更されて表示される。
【0051】
対戦申込を行いたい利用者は、待機中テーブルに対する操作入力を行うことで、当該待機中テーブルに先に着いているアバタ(以下、待機アバタとして言及)の利用者(以下、待機者として言及)に対して対戦申込を行うことができる。具体的には、対戦申込を行う利用者(以下、申込者として言及)の使用する利用者端末100において待機中テーブルに対する操作入力がなされると、例えば対戦申込を行うことの確認表示の後、対戦申込を行うためのマッチング要求がサーバ200に送信される。マッチング要求は、例えば待機中テーブルを一意に特定する識別情報及び申込者(あるいはその操作アバタ)を一意に特定する識別情報を含むものであってよい。サーバ制御部201は、マッチング要求を受信すると、申込者の操作アバタ(以下、申込アバタとして言及)の状態を一時的にマッチング待機状態に更新し、同一の対戦ルームに入室している利用者の利用者端末100にその情報を共有する。
【0052】
申込アバタがマッチング待機状態となると、図6(b)に示されるように申込アバタが同様に待機中テーブル近傍の椅子オブジェクト502に着座した状態で表示され、申込アバタと待機アバタとがテーブルオブジェクト501を介して対向する状態となる。当該表示は、申込者が対戦申込の取り止めに係る操作入力を行うか、待機者による申込辞退に係る操作入力が行われるか、マッチング成立により実行された対戦ゲームが終了するまで継続される。即ち、マッチング待機状態となった申込アバタは、対戦ルームにおいて待機中テーブル近傍の椅子オブジェクト502の位置から移動しない状態で表示される。当該マッチング待機状態では、申込者が申込アバタの移動に係る操作入力を行ったとしても、申込アバタは移動しないよう制御される。
【0053】
このようにして、テーブルオブジェクト501において待機アバタと申込アバタとが対向して着座した状態となると、待機者の利用者端末100に対して、申込者からの対戦申込を受けるか否かの問い合わせがサーバ200から送信される。待機者は、申込者によりなされた対戦申込について承諾/辞退に係る操作入力を行うことができる。待機者による対戦申込の承諾がなされると、サーバ制御部201は、待機者と申込者とをマッチングさせる処理を実行し、マッチングを成立させる。そしてサーバ制御部201は、両名のアバタについて管理している状態の情報をマッチング中に更新する。即ち、マッチングが成立した待機者と申込者は、その後トリガされた対戦ゲームのプレイヤとなる。
【0054】
対戦ルームでは、当該対戦ルーム内に配置されたテーブルオブジェクトにおいてこのような手順で、同一の対戦ルームに入室した利用者同士のマッチングが可能に構成される。即ち、各対戦ルームでは、最大で当該対戦ルームに配置されたテーブルオブジェクトの数のマッチングを同時期に行うことができる。従って、サーバ200においては、対戦ルームの各テーブルオブジェクトについて、マッチング処理が実行中であるか、マッチングの成立により対戦ゲームの実行がトリガされた状態であるか、あるいはそのいずれでもないか(マッチング処理が実行中でなく、対戦ゲームの実行もトリガされていない)等の状態の情報が管理される。
【0055】
なお、テーブルオブジェクト501においてマッチングが成立し、対戦ゲームがトリガされた場合には、当該トリガされた対戦ゲームが終了するまで、テーブルオブジェクト501の態様をさらに異ならせることで、既にマッチングが成立していることを他の利用者に知らしめることができる。
【0056】
また、このように本実施形態のマッチングサービスでは、テーブルオブジェクト501を介してマッチングに関する一連の処理が実行されるため、対戦ルームにおいてテーブルオブジェクト501が配置される領域にはアバタは進入不可能に制御される。対して、当該一連の処理の中で椅子オブジェクト502が配置される領域には待機アバタ及び申込アバタが配置可能に制御される。故に、椅子オブジェクト502が配置される領域にはアバタは進入可能に制御される。この際、実際にマッチング処理に関与して椅子オブジェクト502の領域に配置されたアバタについてのみ、着座状態となるよう制御されるものとする。
【0057】
(対戦機能)
対戦機能は、対戦ルームにおいて成立したマッチングについて、関与する利用者を参加させた対戦ゲームを実行する機能である。上述したように、本実施形態のマッチングシステムでは対戦ゲームは外部サービスを利用して実現される。
【0058】
対戦ルームにおいてマッチングが成立すると、サーバ200は、外部サービスに係る不図示のゲームサーバに対して、マッチングが成立した2名のプレイヤ(待機者と申込者)の情報とともに対戦ゲームの接続先の作成要求を送信する。ゲームサーバは、作成要求に応じて新たな対戦ゲームに係る接続先を作成し、該接続先の情報をサーバ200に返送する。そして、サーバ200は、返送された接続先の情報を、各プレイヤの使用する利用者端末100に転送命令とともに送信する。転送命令を受信した利用者端末100では、ブラウザにおいて接続先への接続がトリガされ、表示がマッチングサービスから外部サービスに切り替えられる。このようにすることで、各プレイヤ自身が直接外部サービスに登録手続き等を行わなくとも、マッチングサービスにおいてマッチングされた対戦相手のプレイヤとの対戦ゲームを開始することができる。
【0059】
本実施形態では、各プレイヤが対戦を終了した後にマッチングサービスに容易に復帰可能なよう、外部サービスに移行中(外部サービスにおける対戦ゲームの実行中)もマッチングサービスのログイン状態は保持される。より詳しくは、例えば各プレイヤの利用者端末100において外部サービスに係る接続先の情報が受信された場合には、ブラウザの別タブ(または別ウィンドウ)を開いて該接続先に接続が行われ、該タブが主として表示される(表示タブとして選択されてブラウザの表示が切り替えられる(マッチングサービスのサービス画面を表示するタブに代えて外部サービスに係るタブが表示される)、または別ウィンドウが最前に表示される)ことにより、マッチングサービスから外部サービスへの一時的な移行が実現される。このとき、マッチングサービスに係るタブは移行中も存在しているため、各プレイヤは、マッチングサービスに係る対戦ルームの状況と外部サービスに係る対戦ゲームのプレイ画面とを並行して確認することもできる。
【0060】
上述したように、本実施形態のマッチングシステムがプレイヤをマッチングする外部サービスに係る対戦ゲームは、TCGである。TCGは、簡易的には、各プレイヤが実物品であるゲームカードを用いてデッキを構築し、シャッフルしたデッキから初期手札となるゲームカードを取得し、プレイヤのターンにおいて、山札からゲームカードを手札に加えつつ、必要に応じて手札を場であるプレイフィールドに配置したり、プレイフィールドに配置した手札の行動を宣言して宣言の解決に係る各種の操作を該当のプレイヤが行ったりしながら進行する。従って、対戦ゲームの進行にあたり、各プレイヤのプレイフィールドの様子を確認できることが必須となっている。このため、外部サービスを用いて実行される対戦ゲームは、ビデオチャット機能を利用して、各プレイヤの手元を撮像した映像とプレイヤが発した宣言の音声とが互いに共有されながら進行する。
【0061】
ゲームプレイ中にプレイヤの使用する利用者端末100に表示される画面(プレイ画面)は、例えば図7(a)に示されるように、対戦相手の使用する利用者端末100で撮像された実写の映像701そのものを表示するものであってよい。図7(a)の例では、対戦相手の使用する利用者端末100で撮像された映像701をそのまま全画面表示する態様を示しているが、プレイ画面は、当該映像701のフレーム画像を所定のGUIと共に配置して構成されるものであってもよい。
【0062】
外部サービスに係る対戦ゲームが終了すると、各プレイヤの使用する利用者端末100の表示は、外部サービスからマッチングサービスに復帰する。プレイヤの外部サービスの利用が終了したことに関する情報(終了情報)は、少なくともいずれかのプレイヤの利用者端末100からサーバ200に送信されるものであってもよいし、外部サービスに係るゲームサーバからサーバ200に直接送信されるものであってもよい。当該終了情報には、対戦ゲームの結果(勝敗)の情報も含まれるものとする。サーバ200では、受信した終了情報に基づいて各プレイヤに対戦ゲームの結果表示を行わせるべく、対戦ゲームの結果表示用の情報を表示要求と共に各プレイヤの使用する利用者端末100に送信する制御が行われる。各プレイヤの利用者端末100では、当該情報を受信すると、外部サービスを利用して行われた対戦ゲームの結果表示が行われる。
【0063】
またサーバ制御部201は、プレイヤ間で行われた対戦ゲームに係る結果情報を受信すると、該当の利用者について管理されている戦績の情報を更新し、当該利用者のアバタの状態をマッチング中からマッチングに関与していない状態(フリー状態)に更新する。フリー状態に変更された各利用者のアバタは、テーブルオブジェクト近傍の椅子オブジェクトへの着座状態が解除されて退席状態で表示され、マッチング待機状態となる前と同様に当該利用者の使用する利用者端末100においてなされた操作入力に応じて対戦ルーム内を再度移動可能な状態となる。
【0064】
(観戦機能)
観戦機能は、対戦ルームを介して実行がトリガされた対戦ゲームについて、プレイヤ以外の利用者による当該対戦ゲームの観戦を可能ならしめる機能である。即ち、本実施形態のマッチングサービスでは、対戦ルームに入室中、利用者がマッチングをしていなくとも楽しむことができる興趣要素として、当該対戦ルームを介して実行された対戦ゲームの観戦に係る機能が提供される。当該観戦機能は、例えば対戦ゲームに係る外部サービスにて提供される、対戦中のプレイヤの使用する利用者端末100間で送受信されているプレイ画面の公開機能を利用することで実現されるものであってよい。
【0065】
利用者は、例えばマッチングサービスのサービス画面において、対戦ゲームの実行中であるテーブルオブジェクトに対する操作入力を行うことで、当該テーブルオブジェクトを介して実現された対戦ゲームの観戦要求を行うことができる。マッチングが成立したテーブルオブジェクトに対する利用者からの観戦要求がなされたことを契機として、当該利用者の利用者端末100の表示を、そのテーブルオブジェクトに係る対戦ゲームのプレイ映像の表示に切り替える。この場合、利用者の操作アバタは、例えば当該テーブルオブジェクトの近傍において、当該テーブルオブジェクトを観賞する態様で他の利用者には表示されるよう制御されてもよい。
【0066】
当該観戦機能により、観戦要求を行った利用者の利用者端末100のディスプレイ110には、例えば図7(a)に示されるたように1人のプレイヤにフォーカスした手元映像が表示されてもよいし、図7(b)に示されるように対戦中の両プレイヤの手元映像を含んで構成された画像が表示されてもよい。
【0067】
〈視点変更〉
上述したように、本実施形態のマッチングサービスでは、利用者は対戦ルームにおいてテーブルオブジェクトの選択操作を行うことでマッチング要求を行うことができる。一方で、利用者端末100においてサービス画面が表示される領域へのタッチ操作で各種操作が行われる場合、所望のテーブルオブジェクトを選択できないことがある。
【0068】
操作対象のキャラクターが配置された3次元空間は、キャラクター基準で周囲の状況の把握を可能ならしめるべく、一般的には当該キャラクターを基準に設定された一人称視点や三人称視点の画像として描画される。本実施形態のマッチングサービスも、図10(a)に示されるような、操作アバタに対応して一定の距離を離間させて定められた視点に基づいて各仮想空間が描画される。より詳しくは、操作アバタを配置した仮想空間を描画する際に設定される視点は、当該操作アバタから所定距離離間した位置に、操作アバタに向かう方向を視線方向として設定される。このように視点設定することで、マッチングサービス利用時に利用者に提示されるサービス画面を、移動操作や視点移動操作を行ったとしても操作アバタの像が一定の位置に表れるよう構成することができる。
【0069】
しかしながら、図10(a)にも表されるように、このように設定した視点に基づいて描画されたサービス画面には、種々の距離に存在するテーブルオブジェクトの像が表れたり、視点のアングルによっては遠方のテーブルオブジェクトの像に重なる形で手前のテーブルオブジェクトの像が描画されたりし得る。前者の場合には、遠方のテーブルオブジェクトの像が小さいために利用者による選択操作が入力しづらい可能性がある。また後者の場合には、利用者の所望するテーブルオブジェクトとは異なるテーブルオブジェクトへの選択操作として誤認識される可能性がある。
【0070】
このため、利用者が所望のテーブルオブジェクトを容易に選択できるようにすべく、操作アバタから所定距離範囲内にあるテーブルオブジェクトについてのみ選択操作を受け付けるよう構成することが考えられる。即ち、利用者は、マッチングに係り選択したいテーブルオブジェクトの近傍まで操作アバタを移動させ、当該テーブルオブジェクトを視点の画角内に収める(サービス画面に捉える)よう視点操作することで、当該テーブルオブジェクトを選択してマッチング要求を行うことができる。
【0071】
一方で、このような構成とすると、利用者が対戦ルームにおいて待機アバタが着座状態のテーブルオブジェクトを見つけたとしても、当該テーブルオブジェクトを選択するために操作アバタの移動操作、視点の調整操作、及びテーブルオブジェクトの選択操作を行う必要があるため、当該待機アバタに係る利用者(待機者)とマッチングされない可能性がある。特に、利用者が仮想空間における操作アバタの移動操作に不慣れな状況では、待機アバタを発見したとしても、利用者が該当のテーブルオブジェクトの選択操作を完了するまでの間に、待機者に他の利用者がマッチングされて対戦申込ができない可能性がある。
【0072】
このため、本実施形態のマッチングサービスは、操作アバタが対戦ルームに配置されている際に、2種類の視点を切り替えることが可能に構成される。即ち、利用者は、サービス利用中、2種類の視点から選択した視点について描画した対戦ルームをサービス画面に表示させることができる。つまり、対戦ルームの描画について、2種類の視点は同時に採用されるものではない。
【0073】
2種類の視点の一方は、図10(a)に示したように操作アバタに対応して定められた視点(以下、第1視点として言及)である。つまり、第1視点の選択中には、対戦ルームは図10(a)に示されるように、操作アバタと第1視点との位置関係に応じた態様で描画される。2種類の視点の他方は、図10(b)に示されるように操作アバタには対応せず、対戦ルームを俯瞰する視点(以下、第2視点として言及)である。つまり、第2視点の選択中には、対戦ルームは図10(b)に示されるように、操作アバタと第2視点との位置関係には応じない態様で描画される。
【0074】
視点切り替えに係る視点変更機能は、対戦ルーム利用者によるサービスログインがなされ、さらに対戦ゲームの対戦相手をマッチングするために対戦ルームへの移行要求がなされたことに応じて利用可能となる。当該移行要求に応じて初期値として選択される視点は第1視点であり、その後、例えば視点切り替えアイコン1002に対する操作入力がなされたことに応じて、第2視点への切り替えがなされる。即ち、利用者の利用者端末100では、対戦ルームへの移行要求に係る操作入力を受け付けた後、第1視点について描画した対戦ルームが表示された後、視点切り替えに係る操作入力を受け付けたことに応じて第2視点について描画した対戦ルームが表示される。以下、第1視点について対戦ルームを描画したサービス画面を第1表示態様、第2視点について対戦ルームを描画したサービス画面を第2表示態様として言及する。
【0075】
なお、このような視点変更機能は、テーブルオブジェクトの選択に係る利便性を向上させるために設けられるものであり、操作アバタがエントランスルームに配置されている状態では利用不可能に構成される。エントランスルームは、操作アバタの視認性を担保すべく、第1視点が強制的に採用されるものとする。
【0076】
また対戦ルームに配置された操作アバタは、第1表示態様では利用者による移動操作に応じて対戦ルーム内を移動可能に制御される。一方で、第2表示態様では必ずしも操作アバタが表示されるわけではないため、利用者による移動操作がなされたとしても、操作アバタは対戦ルーム内を移動しないよう制御される。第2表示態様では、テーブルオブジェクトへの選択操作が受け付け可能に構成され、利用者は操作アバタの移動操作に代えて所望のテーブルオブジェクトを選択する。
【0077】
図10に示されるように、第1表示態様と第2表示態様とでは、その視点の違いによりテーブルオブジェクトの形態が少なくとも異なって表れている。より詳しくは、図10(a)に示される第1表示態様では、テーブルオブジェクト1001はその脚部を含めて立体的な態様で表示されるのに対し、図10(b)に示される第2表示態様では、テーブルオブジェクト1011は脚部を含まず平面的な円板の態様で表示される。従って、利用者は、対戦ルームにて第2視点に切り替えた場合には、円板状に表されたテーブルオブジェクトから所望のテーブルオブジェクトをピンポイントに選択することができる。
【0078】
ここで、図10(b)に示されるように、第2表示態様では各テーブルオブジェクトには、いずれのテーブルオブジェクトであるかを識別するための識別番号が付して表示される。当該識別番号は、第1表示態様におけるテーブルオブジェクトには通常は付して表示されないものとする。一方で、マッチング待機中である場合やトリガした対戦ゲームが実行中であるテーブルオブジェクトについては、第2表示態様における対戦申込に係るマッチング要求や観戦要求を容易にすべく、第1表示態様においても識別番号が付して表示されるものとする。
【0079】
即ち、いずれかの利用者による選択操作がなされてテーブルオブジェクトについてマッチング処理が開始された状態(当該利用者が待機者となり、当該テーブルオブジェクトに対応する椅子オブジェクトに待機アバタが着座状態となっている状態)では、当該利用者への対戦申込が容易になるよう、第1表示態様においても識別番号が付された状態でテーブルオブジェクトが表示される。故に、待機者とのマッチングを所望する利用者は、第2視点に切り替えて同一の識別番号が付されたテーブルオブジェクトを選択することで、容易にマッチング処理を開始することができる。
【0080】
また、マッチングが成立してテーブルオブジェクトについて外部サービスでの対戦ゲームがトリガされ、実行中である状態(マッチング成立した2人の利用者に係る操作アバタが、当該テーブルオブジェクトに対応する椅子オブジェクトに着座状態となっている状態)では、当該対戦ゲームの観戦を容易にできるよう、第1表示態様においても識別番号が付された状態でテーブルオブジェクトが表示される。故に、実行中の対戦ゲームの観戦を所望する利用者は、第2視点に切り替えて該当の識別番号が付されたテーブルオブジェクトを選択することで、容易に観戦機能の利用を開始することができる。
【0081】
なお、第2表示態様においてマッチングに係りテーブルオブジェクトの選択操作がなされた場合には、視点は第2視点から第1視点に強制的に切り替えられる。このとき、当該選択操作を行った利用者の操作アバタは、該当のテーブルオブジェクトに対応する椅子オブジェクトの位置に着座状態で配置される。即ち、第2表示態様においてテーブルオブジェクトの選択操作を行うことで、利用者は、操作アバタの移動操作を行わずとも、所望のテーブルオブジェクトの近傍に操作アバタを移動配置させることができる。
【0082】
《情報管理》
以下、このように構成された本実施形態のマッチングサービスに関して、サーバ200において管理される各種の情報の構成例を、図8を用いて説明する。
【0083】
図8(a)は、各利用者について管理される利用者情報の構成例である。図示されるように、1人の利用者に係る利用者情報は、当該利用者を一意に特定する利用者ID801に関連付けて、当該利用者のサービスログインの有無を示すログイン状態802、及び当該利用者がマッチングサービスを介して行った対戦ゲームの戦績を示す戦績803を管理する。ログイン状態802は、サービスサイトを介して利用者ID801が関連付けられたサービスログイン要求を受信した場合やサービスログアウト要求を受信した場合に対応する値に更新される。また戦績803は、マッチングの成立を経て実行された対戦ゲームの終了した際に受信する対戦結果の情報(結果情報)に基づいて更新される。結果情報は、対応する外部サービスのゲームサーバから受信するものであってもよいし、対戦ゲームに参加した各利用者により入力されるものであってもよい。
【0084】
図8(b)は、各アバタについて管理されるアバタ情報の構成例である。図示されるように、1体のアバタに係るアバタ情報は、当該アバタを一意に特定するアバタID811に関連付けて、当該アバタが対応付けられた利用者を一意に特定する利用者ID812、当該アバタについて設定された外観を示す外観情報813、当該アバタに関連付けられたエントランスルームを一意に特定する関連エントランスルームID814、及び現在の当該アバタの仮想空間への配置状況を示す配置状況情報815を管理する。外観情報813は、アバタがエントランスルームに配置されている際に、外観カスタマイズ機能に係る外観変更要求を受信した場合に更新される。配置状況情報815は、アバタが配置されているルーム(仮想空間)を一意に特定する配置ルームID821と、当該ルームにおけるアバタの状態を示す配置状態822とを含む。配置状態822により示されるアバタの状態には、マッチング待機状態、マッチング中(あるいは対戦実行中)、フリー状態が含まれる。配置状態822は、主として対戦ルームにおけるアバタの情報を示すために用いられ、アバタが対戦ルームに配置されている際にマッチング機能に関する各種要求を受信した場合に対応する値に更新される。
【0085】
図8(c)は、各ルームについて管理される仮想空間情報の構成例である。図示されるように、1つのルームに係る仮想空間情報は、当該ルームを一意に特定するルームID831に関連付けて、当該ルームがエントランスルームと対戦ルームのいずれであるかを示すルーム種別832、当該ルームに入室した状態となっているアバタに関する入室アバタ情報833、及び当該ルームに配置されたオブジェクトに関する配置オブジェクト情報834を管理する。入室アバタ情報833は例えば、ルームに入室した状態のアバタの各々について、当該アバタのアバタIDに加え、当該アバタが配置されるルーム中の位置及び姿勢、外観情報等のルームの描画に必要な情報も含む。アバタの位置及び姿勢の情報は、椅子オブジェクトの着座状態にある場合には、当該椅子オブジェクトについて固有に定められた値とすることができる。配置オブジェクト情報834は、ルームがエントランスルームの場合には、当該エントランスルームに配置される装飾の情報等を含むことができる。また配置オブジェクト情報834は、ルームが対戦ルームの場合には、ルーム内に配置されるテーブルオブジェクトの各々についてのテーブル情報を含むことができる。
【0086】
仮想空間情報は、対応するルームに配置されたアバタやテーブルオブジェクトの状態変化に応じて順次更新され、同一の仮想空間にアバタが配置されている利用者の利用者端末100に都度共有される。利用者端末100では、当該仮想空間情報を用いることで、操作アバタが配置された仮想空間を描画することができる。
【0087】
図8(d)は、対戦ルームに配置される各テーブルオブジェクトについて管理されるテーブル情報の構成例である。図示されるように、1つのテーブルオブジェクトに係るテーブル情報は、当該テーブルオブジェクトについてルーム内で割り当てられた識別番号であってよいテーブルID841と、当該ルームを一意に特定する配置ルームID842とに関連付けて、当該テーブルオブジェクトの使用状態を示すテーブル状態843、当該テーブルオブジェクトに対応付けられた椅子オブジェクトにおいて着座状態となっているアバタを一意に特定する着座アバタID844、当該テーブルオブジェクトを介して実行されているマッチング処理を一意に特定するマッチングID845、及び当該テーブルオブジェクトを介して対戦ゲームの実行がトリガされた状態であるか否かを示す実行トリガフラグ846を管理する。テーブルID841と配置ルームID842の組み合わせにより、マッチングサービスにおいて管理している全てのテーブルオブジェクトを一意に特定することができる。
【0088】
テーブル状態843により示されるテーブルオブジェクトの状態には、マッチング処理中、トリガした対戦ゲームの実行中、及びそれらのいずれでもない状態(トリガした対戦ゲームが終了した状態、あるいはマッチング処理が開始されていない状態)が含まれる。テーブル状態843は、アバタが対戦ルームに配置されている際にマッチング機能に関するマッチング要求を受信した場合や対戦ゲームの実行をトリガした場合、また対戦ゲームに係る結果情報を受信した場合に対応する値に更新される。着座アバタID844は、アバタが対戦ルームに配置されている際に当該テーブルオブジェクトの選択操作に基づくマッチング要求を受信した場合に、当該アバタの識別情報に基づいて更新される。マッチングID845は、例えば当該テーブルオブジェクトについてのマッチング処理が開始される場合に、当該マッチング処理を参照するための情報として発行されてテーブル情報に格納され、当該マッチング処理の完了(成立または中止)あるいは実行をトリガした対戦ゲームの終了に応じて削除される。実行トリガフラグ846は、例えば論理型の情報であり、マッチングが成立して外部サービスでの対戦ゲームの実行中は真(True)に設定し、対戦ゲームが実行中でない場合には偽(False)に設定するよう構成できる。
【0089】
図8(e)は、各テーブルオブジェクトについて実行中のマッチング処理について管理されるマッチング情報の構成例である。図示されるように、マッチング処理に係るマッチング情報は、当該マッチング処理を一意に特定するマッチングID851に関連付けて、当該マッチング処理におけるマッチングの対象を示す対象情報852、及び当該マッチング処理の進行状況を示すマッチング状況853を管理する。対象情報852は、例えばマッチングの対象となっている利用者の利用者ID、あるいは利用者の操作アバタのアバタID、またはその両方とすることができる。対象情報852は、該当のテーブルオブジェクトについてマッチング要求を受信したことに応じて更新される。マッチング状況853により示される進行状況には、マッチング待機中、申込がなされた状態、マッチングが成立した状態が含まれる。マッチング状況853は、テーブルオブジェクトについてマッチング処理が開始された際にマッチング待機中に設定され、当該テーブルオブジェクトについてその後に受信した対戦申込に係るマッチング要求や対戦申込に対する返答内容に応じてさらに更新される。
【0090】
これらの情報は、サーバ制御部201により生成、管理及び更新される。またこれらの情報は、サーバ記憶装置202やサーバメモリ203に代えて、あるいはこれらに加えて、外部のストレージサーバ等を利用して保持・管理することもできる。
【0091】
《表示制御処理》
以下、本実施形態の利用者端末100において、マッチングサービスの利用時の対戦ルームの表示に係り実行される表示制御処理について、図11のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本表示制御処理は、例えば利用者端末100において対戦ルームへの移行に係る操作入力が受け付けられた際に開始されるものとして説明する。また本表示制御処理の説明において、特に断りのない限りGPU104は処理の実行中において、サーバ200から受信した仮想空間情報に基づき、少なくとも利用者の操作アバタを配置した3次元空間を描画してサービス画面を生成する処理をくり返し実行するものとし、以下のフローチャートでは具体的な描画に関する処理の説明は省略する場合がある。
【0092】
S1101で、制御部101は、対戦ルームを描画する視点として第1視点を選択する。
【0093】
S1102で、制御部101は、対戦ルームを描画する視点の変更に係る操作入力がなされたか否かを判断する。制御部101は、視点の変更に係る操作入力がなされたと判断した場合は処理をS1103に移し、なされていないと判断した場合は処理をS1104に移す。
【0094】
S1103で、制御部101は、対戦ルームを描画する視点を他方の視点に変更する。即ち、現在選択中の視点が第1視点であった場合には制御部101は第2視点を描画する視点として選択し、現在選択中の視点が第2視点であった場合には制御部101は第1視点を描画する視点として選択する。
【0095】
S1104で、制御部101は、現在選択されている描画する視点が第2視点であるか否かを判断する。制御部101は、描画する視点が第2視点であると判断した場合は処理をS1111に移し、第1視点であると判断した場合は処理をS1105に移す。
【0096】
S1105で、制御部101は、第1視点について対戦ルームを描画するようGPU104の動作を制御する。
【0097】
S1106で、制御部101は、テーブルオブジェクトの選択操作がなされたか否かを判断する。第1視点を選択時のテーブルオブジェクトの選択操作は、例えば利用者によりなされた操作アバタの移動操作により、操作アバタが当該テーブルオブジェクトの近傍に配置されていることを条件として受け付けられるものとしてもよい。制御部101は、テーブルオブジェクトの選択操作がなされたと判断した場合は処理をS1107に移し、なされていないと判断した場合は処理をS1102に戻す。
【0098】
S1107で、制御部101は、マッチング要求をサーバ200に送信する。本ステップで送信されるマッチング要求は、例えば利用者による選択操作がなされたテーブルオブジェクトを一意に特定する識別情報(テーブルID及びルームID)と、利用者を一意に特定する識別情報(ユーザID)あるいは操作アバタを一意に特定する識別情報(アバタID)とを含むものであってよい。このとき、利用者端末100では、サーバ200から受信した仮想空間情報に基づき、操作アバタは選択されたテーブルオブジェクトに対応付けられた椅子オブジェクトに着座状態で表示される。
【0099】
S1108で、制御部101は、S1107において送信されたマッチング要求に基づいてサーバ200で開始されたマッチング処理においてマッチングが成立したか否かを判断する。本ステップの判断は、例えばマッチングの成立に応じて外部サービスのゲームサーバからサーバ200が取得した対戦ゲームの接続先の情報を含む転送命令が送信され、通信I/F106がこれを受信したか否かにより行うことができる。制御部101は、マッチングが成立したと判断した場合は処理をS1109に移し、成立していないと判断した場合は本ステップの処理をくり返す。
【0100】
S1109で、制御部101は、サーバ200から受信した転送命令に基づいて、対戦ゲームに係るゲーム画面に表示を切り替える。
【0101】
S1110で、制御部101は、S1109において開始された対戦ゲームが終了し、マッチングサービスに復帰したか否かを判断する。即ち、制御部101は、ディスプレイ110における表示がゲーム画面からサービス画面に切り替えられたか否かを判断する。制御部101は、マッチングサービスに復帰したと判断した場合は処理をS1102に戻し、復帰していないと判断した場合は本ステップの処理をくり返す。
【0102】
一方、S1104において描画する視点が第2視点であると判断した場合、制御部101はS1111で、第2視点について対戦ルームを描画するようGPU104の動作を制御する。
【0103】
S1112で、制御部101は、テーブルオブジェクトの選択操作がなされたか否かを判断する。第1視点とは異なり、第2視点を選択時のテーブルオブジェクトの選択操作は、利用者による操作アバタの移動操作を必要とせず、テーブルオブジェクトを直接選択することにより受け付けられる。制御部101は、テーブルオブジェクトの選択操作がなされたと判断した場合は処理をS1107に移し、なされていないと判断した場合は処理をS1102に戻す。
【0104】
以上説明したように、本実施形態のマッチングシステムによれば、仮想空間を利用時の利便性を高めることができる。
【0105】
[実施形態2]
上述した実施形態ではマッチングサービスにおいて、1つのゲームタイトルに係る対戦ゲームのマッチングを行うものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。マッチングシステムを用いてマッチング可能なゲームタイトルは複数種類あってもよい。
【0106】
このような態様では、利用者は、対戦ルームに配置されたテーブルオブジェクトの選択操作を行って、当該テーブルオブジェクトを介した新たなマッチング処理の実行を要求する際に、マッチングを所望するゲームタイトルの選択を行う。即ち、対戦ルームに配置されたテーブルオブジェクトの各々は、複数のゲームタイトルの対戦ゲームについて対戦相手のマッチングが可能に構成される。
【0107】
対戦ルームにおいてマッチング待機状態となったアバタの利用者(待機者)がいずれのゲームタイトルについて対戦相手のマッチングを所望しているかを明確にするため、テーブル状態843がマッチング処理中となったテーブルオブジェクトには、当該テーブルオブジェクトを介してマッチングが成立した場合にトリガされる対戦ゲームのゲームタイトルの情報が付して表示されるものとする。
【0108】
[変形例1]
上述した実施形態では、各対戦ルームは利用者同士のマッチング機能及び観戦機能を主として提供するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。各対戦ルームでは、例えばマッチングが提供されるゲームコンテンツの関連商品の販売/購入機能が提供されてもよい。例えば、マッチング機能が提供される対戦ゲームがTCGである場合には、当該TCGにおいて使用可能な実物品(ゲームカード)の販売/購入機能が提供されるものであってよい。販売/購入機能は、マッチングサービスにおいて決済手続きがなされるものであってもよいし、例えばECサイトの該当商品の販売ページに利用者端末100を移行させる機能により間接的に提供されるものであってもよい。
【0109】
また関連商品は実物品である必要はなく、例えばゲーム内アイテムやダウンロードコンテンツ等を含むものであってもよい。
【0110】
販売/購入機能の利用は、例えば対戦ルームにおいてマッチング機能が提供される、即ち、テーブルオブジェクトが配置される領域(第1領域)とは異なる領域(第2領域)で利用可能に構成されるものであってよい。当該態様では、例えば操作アバタが第1領域に配置されていることを条件として、マッチング機能を利用者が利用可能なよう構成され、操作アバタが第2領域に配置されていることを条件として、販売/購入機能を利用者が利用可能なよう構成される。即ち、サーバ制御部201は、利用者端末100からのマッチング要求を、当該利用者端末100の利用者の操作アバタが第1領域に配置されていることを条件に受け付けてマッチング処理を行う一方で、利用者端末100からの関連商品の購入要求を、当該利用者端末100の利用者の操作アバタが第1領域に配置されていることを条件に受け付けて販売に係る処理を行う。
【0111】
[変形例2]
上述した実施形態では、第2表示態様においてテーブルオブジェクトの各々には常に識別番号が付して表示され、第1表示態様ではマッチング待機中や対戦ゲーム実行中である場合に限り、当該テーブルオブジェクトの識別番号が表示されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、第1表示態様においてテーブルオブジェクトの各々には常に識別番号が付して表示され、第2表示態様ではマッチング待機中や対戦ゲーム実行中である場合に限り、当該テーブルオブジェクトの識別番号が表示されるものとしてもよい。このようにすることで、第2表示態様では、対戦申込が可能なテーブルオブジェクト及び観戦が可能なテーブルオブジェクトのみに識別番号が表示されるため、利用者が所望のテーブルオブジェクトの選択操作を容易に行うことができる。
【0112】
[変形例3]
上述した実施形態では対戦ゲームが終了したことを条件として、当該対戦ゲームに関与していた利用者の操作アバタは退席状態となって対戦ルームに配置されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。対戦ゲームの終了した場合、操作アバタは退席状態となって当該操作アバタに関連付けられたエントランスルームに配置されるものとしてもよい。
【0113】
[変形例4]
上述した実施形態では、対戦ルーム内に設けられたテーブルオブジェクトを介してマッチング機能の利用に係る操作入力を受け付け可能であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。マッチング機能の利用に係る操作入力は、例えば任意のオブジェクトを介することなく、対戦ルーム内に設けられた特定の位置に操作アバタが配置されている場合に実行可能に構成されるものであってもよい。
【0114】
[変形例5]
上述した実施形態では、マッチングサービスにおいてマッチングが提供される外部サービスの対戦ゲームがTCGであるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。マッチングが提供される対戦ゲームは、他のジャンルの対戦ゲームであってもよい。またマッチングが提供されるゲームは、複数人の利用者を参加させることが可能に構成されたゲームであれば、協力プレイを行うゲーム等、対戦ゲームに限られるものではない。
【0115】
またマッチングが提供されるゲームは、外部サービスを利用して実行されるものである必要はなく、マッチングサービスの一機能として設けられたゲームであってもよい。即ち、マッチングサービスは、マッチング処理によりマッチングさせた利用者を参加させたオンラインゲームを実行する機能をサービスに含んでいてもよい。当該態様では、マッチングの成立による対戦ゲームの実行のトリガは、マッチングサービスが提供するゲーム機能に対応する処理をサーバ制御部201がさらに実行する制御となる。従って、ゲーム機能により提供されるゲームがTCGの場合、サーバ制御部201は、TCGに参加する一方の利用者の利用者端末100のディスプレイ110に、他方の利用者(対戦相手)の利用者端末100の撮像ユニット120により撮像された撮像画像をサービス画面に代えて表示されるよう、各利用者端末100に送信される情報を制御する。
【0116】
[変形例6]
上述した実施形態では、表示制御処理を制御部101が実行する態様を説明したが、当該処理に対応する機能は、制御部101に同様の処理を実行させるようにサーバ制御部201が対応する表示制御命令を生成して利用者端末100に送信することにより実現されるものであってもよい。このとき、表示制御処理の過程で必要となる一部の処理の利用者端末100における判断結果等は、利用者端末100からサーバ200に送信され、サーバ制御部201が受信した情報に基づいて表示制御命令の生成に用いればよい。
【0117】
[変形例7]
上述した実施形態では、マッチングサービスはブラウザを介してサービスログインした利用者端末100に対してサーバ200によって提供されるものとして説明したが、マッチングサービスは、利用者端末100にインストールされた専用アプリケーションを介して提供されるものであってもよい。この場合、専用アプリケーションは、マッチングサービスの提供をするためにサーバ200を含む外部機器と通信接続し、一部の機能について処理要求を外部機器に送信し、その処理結果を取得して専用アプリケーションに係る表示等を制御するものであってもよい。
【0118】
[変形例8]
上述した実施形態及び変形例では、マッチングサービスにおいて提供される仮想空間が、3次元モデルを配置して表現される3次元空間であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、2次元モデルを配置して構成される2次元空間にも、本発明が適用可能であることは言うまでもない。
【0119】
[実施形態のまとめ]
上記実施形態は以下のプログラム、情報処理装置、マッチングサーバ及びマッチングシステムを少なくとも開示する。
【0120】
(1) コンピュータに、
利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された第1仮想空間であって、ゲームの対戦相手とのマッチングが可能な第1仮想空間を表示させる表示制御処理と、
前記第1仮想空間におけるマッチングの成立を条件として前記ゲームの実行をトリガする制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記表示制御処理は、前記第1仮想空間を、第1視点で描画した第1表示状態、及び前記第1視点とは異なる第2視点で描画した第2表示状態で表示させるプログラム。
【0121】
(2) 前記第1視点は、前記仮想キャラクターに対応して定められた視点であり、
前記第2視点は、前記第1仮想空間を俯瞰する視点である、(1)に記載のプログラム。
【0122】
(3) 前記第1表示状態は、前記第1視点と前記仮想キャラクターの位置関係に応じた状態で前記第1仮想空間を表示し、
前記第2表示状態は、前記第2視点と前記仮想キャラクターの位置関係に応じない状態で前記第1仮想空間を表示する、(1)または(2)に記載のプログラム。
【0123】
(4) 前記表示制御処理は、前記第1表示状態の前記第1仮想空間と前記第2表示状態の前記第1仮想空間とを同時に表示させない(1)乃至(3)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0124】
(5) 前記表示制御処理は、利用者によるサービスの利用開始要求に応じて前記第1仮想空間を表示するものであり、前記サービスの利用が開始された後に前記第1仮想空間を前記第1表示状態で表示させたことを条件として、前記第1仮想空間を前記第2表示状態で表示可能に制御する(4)に記載のプログラム。
【0125】
(6) 前記第1仮想空間には、前記ゲームのマッチング用のオブジェクトが複数配置され、
前記プログラムは、
利用者による前記マッチング用のオブジェクトのいずれかの選択操作がなされたことを条件として、当該利用者に対戦相手をマッチングするマッチング処理を前記コンピュータにさらに実行させる、(1)乃至(5)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0126】
(7) 前記表示制御処理は、前記第1表示状態と前記第2表示状態とで形態を異ならせて前記マッチング用のオブジェクトの形態を表示させる(6)に記載のプログラム。
【0127】
(8) 前記第1仮想空間を介してトリガされる前記ゲームは、複数のゲームタイトルを含み、
前記表示制御処理は、前記マッチング用のオブジェクトに、当該オブジェクトへの選択操作に起因したマッチングの成立を条件としてトリガされる前記ゲームのゲームタイトルを表示させる、(6)または(7)に記載のプログラム。
【0128】
(9) 前記表示制御処理は、利用者による前記マッチング用のオブジェクトの選択操作がなされたことを条件として、当該利用者に対応付けられた前記仮想キャラクターを、当該マッチング用のオブジェクトの近傍に配置する(6)乃至(8)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0129】
(10) 前記表示制御処理は、
前記第1表示状態において利用者による前記仮想キャラクターの移動操作がなされたことを条件として、当該仮想キャラクターの前記第1仮想空間中の配置位置を変更し、
前記第2表示状態において利用者による前記マッチング用のオブジェクトの選択操作がなされたことを条件として、前記仮想キャラクターの移動操作を介さずに、当該利用者に対応付けられた前記仮想キャラクターを、当該マッチング用のオブジェクトの近傍に配置する、(6)乃至(9)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0130】
(11) 前記表示制御処理は、
前記第1表示状態において、前記マッチング用のオブジェクトのそれぞれに識別情報を付して表示させ、
前記第2表示状態において、前記マッチング用のオブジェクトのそれぞれに前記識別情報を付さずに表示させる、(6)乃至(11)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0131】
(12) 前記表示制御処理は、
前記第2表示状態において、前記マッチング用のオブジェクトのそれぞれに識別情報を付して表示させ、
前記第1表示状態において、前記マッチング用のオブジェクトのそれぞれに前記識別情報を付さずに表示させる、(6)乃至(11)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0132】
(13) 前記プログラムは、前記マッチング処理が開始された前記マッチング用のオブジェクト、及び前記マッチング処理によるマッチングの成立を条件として前記ゲームの実行がトリガされた前記マッチング用のオブジェクトを管理する管理処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記表示制御処理は、前記第2表示状態において、前記マッチング処理が実行中である状態及び前記ゲームの実行がトリガされた状態であることを条件として、当該状態の前記マッチング用のオブジェクトに前記識別情報を付して表示させる、(11)に記載のプログラム。
【0133】
(14) 前記プログラムは、前記マッチング処理が開始された前記マッチング用のオブジェクト、及び前記マッチング処理によるマッチングの成立を条件として前記ゲームの実行がトリガされた前記マッチング用のオブジェクトを管理する管理処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記表示制御処理は、前記第1表示状態において、前記マッチング処理が実行中である状態及び前記ゲームの実行がトリガされた状態であることを条件として、当該状態の前記マッチング用のオブジェクトに前記識別情報を付して表示させる、(12)に記載のプログラム。
【0134】
(15) 前記表示制御処理は、前記第1表示状態において、前記ゲームの実行がトリガされている状態とトリガされてない状態とで、前記マッチング用のオブジェクトを異なる態様で表示させる(13)または(14)に記載のプログラム。
【0135】
(16) 前記表示制御処理は、前記第1表示状態において、前記マッチング処理が実行中の状態と実行中でない状態とで、前記マッチング用のオブジェクトを異なる態様で表示させる(13)乃至(15)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0136】
(17) 前記マッチング用のオブジェクトはテーブルであり、
前記表示制御処理は、
利用者による前記テーブルの選択操作がなされたことを条件として、当該利用者に対応付けられた前記仮想キャラクターを当該テーブル近傍に配置された椅子に着座状態で配置し、
トリガされた前記ゲームが終了したことを条件として、着座状態の前記仮想キャラクターを前記椅子から退席した状態で表示させる、(13)乃至(16)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0137】
(18) 前記表示制御処理は、1つの前記テーブルについて、
当該テーブルを挟んで対向する位置に2つの前記椅子を配置し、
2体の前記仮想キャラクターを2つの前記椅子に着座状態で配置可能とし、
前記マッチング処理は、対応する前記テーブルを挟んで、2体の前記仮想キャラクターが対向して配置されていることを条件としてマッチングを成立させる、(17)に記載のプログラム。
【0138】
(19) 前記表示制御処理は、
マッチングを行わない第2仮想空間をさらに表示させ、
前記第2仮想空間に配置された前記仮想キャラクターについて利用者による移動操作がなされたことに応じて、当該仮想キャラクターを前記第1仮想空間に配置して表示させる、(17)または(18)に記載のプログラム。
【0139】
(20) 前記表示制御処理は、前記第2仮想空間を第1表示状態で表示させる一方で、前記第2表示状態では表示させない(19)に記載のプログラム。
【0140】
(21) 前記表示制御処理は、トリガされた前記ゲームが終了したことを条件として、前記仮想キャラクターを前記第2仮想空間に配置して表示させる(19)または(20)に記載のプログラム。
【0141】
(22) 前記プログラムは、前記制御処理による前記ゲームの実行がトリガされたことに応じて、前記ゲームを実行する実行処理を前記コンピュータにさらに実行する(1)乃至(21)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0142】
(23) 前記ゲームは、実空間を撮影した撮像画像の表示を伴って進行し、
前記表示制御処理は、前記ゲームの実行がトリガされたことに応じて、前記第1仮想空間に代えて前記撮像画像を表示させる、(22)に記載のプログラム。
【0143】
(24) 利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された第1仮想空間であって、ゲームの対戦相手とのマッチングが可能な第1仮想空間を表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記第1仮想空間におけるマッチングの成立を条件として前記ゲームの実行をトリガする制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記第1仮想空間を、第1視点で描画した第1表示状態、及び前記第1視点とは異なる第2視点で描画した第2表示状態で前記表示手段に表示させる情報処理装置。
【0144】
(25) 利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された第1仮想空間であって、ゲームの対戦相手とのマッチングが可能な第1仮想空間を情報処理装置に表示させる表示制御手段と、
前記第1仮想空間におけるマッチングの成立を条件として前記ゲームの実行をトリガする制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記第1仮想空間を、第1視点で描画した第1表示状態、及び前記第1視点とは異なる第2視点で描画した第2表示状態で前記情報処理装置に表示させるマッチングサーバ。
【0145】
(26) 利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された第1仮想空間であって、ゲームの対戦相手とのマッチングが可能な第1仮想空間を情報処理装置の表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記第1仮想空間におけるマッチングの成立を条件として前記ゲームの実行をトリガする制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記第1仮想空間を、第1視点で描画した第1表示状態、及び前記第1視点とは異なる第2視点で描画した第2表示状態で前記表示手段に表示させるマッチングシステム。
【0146】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0147】
100:利用者端末、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:GPU、110:ディスプレイ、105:操作I/F、106:通信I/F、120:撮像ユニット、130:マイク、140:スピーカ、200:サーバ、201:サーバ制御部、202:サーバ記憶装置、203:サーバメモリ、204:サーバ通信I/F、300:ネットワーク
【要約】
【課題】仮想空間を利用時の利便性を高める。
【解決手段】コンピュータに、利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された第1仮想空間であって、ゲームの対戦相手とのマッチングが可能な第1仮想空間を表示させる表示制御処理と、第1仮想空間におけるマッチングの成立を条件としてゲームの実行をトリガする制御処理と、を実行させるプログラムであって、表示制御処理は、第1仮想空間を、第1視点で描画した第1表示状態、及び第1視点とは異なる第2視点で描画した第2表示状態で表示させる。
【選択図】図10
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11