(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240717BHJP
【FI】
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2023139191
(22)【出願日】2023-08-29
【審査請求日】2023-10-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】清水 徹
(72)【発明者】
【氏名】辻 恭平
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2023/0245101(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品及びサービスのうちの少なくともいずれかである複数の商材がセットで販売されるセット商材に含まれる前記商材
ごと又は前記セット商材に含まれる前記商材の組み合わせごとに、当該商材又は当該組み合わせの提供のために利用される提供トークンが販売されるときに発生する対価を算出するための算出条件であって、前記提供トークンが販売されるときに参照される前記算出条件を記憶する記憶部と、
前記セット商材に含まれ
る前記商材
ごと又は前記組み合わせごとに、当該商材
又は当該組み合わせに対応する前記提供トークンを、前記記憶部に記憶されている
当該商材又は当該組み合わせに対応する前記算出条件に関連付けてブロックチェーンに発行する処理を実行するトークン管理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記トークン管理部は、顧客が販売者から前記セット商材を購入した場合に、前記提供トークンを前記ブロックチェーンに発行する処理を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対価は、前記提供トークンが販売されるときに前記販売者に還付される還付金額であり、
前記情報処理装置は、前記顧客である販売元が前記提供トークンを販売先に販売する販売処理要求に応じて、前記ブロックチェーンにおいて前記提供トークンに関連付けられている前記算出条件に基づいて算出された前記還付金額に相当する資産を前記販売者に移転するための処理を実行する移転処理部をさらに有し、
前記トークン管理部は、前記提供トークンの保有者を、前記販売元から前記販売先に変更するための処理を実行する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対価は、前記提供トークンが販売されるときにおいて、販売される前記提供トークンをもとに前記商材を提供する提供者に還付される還付金額であり、
前記情報処理装置は、前記顧客である販売元が前記提供トークンを販売先に販売する販売処理要求に応じて、前記ブロックチェーンにおいて前記提供トークンに関連付けられている前記算出条件に基づいて算出された前記還付金額に相当する資産を前記提供者に移転するための処理を実行する移転処理部をさらに有し、
前記トークン管理部は、前記提供トークンの保有者を、前記販売元から前記販売先に変更するための処理を実行する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記対価は、前記提供トークンが販売されるときにおいて、前記セット商材に含まれる前記複数の商材それぞれ
又は複数の前記組み合わせそれぞれに対応する前記提供トークンのうち、販売される前記提供トークンとは異なる他の前記提供トークンをもとに前記商材を提供する他の提供者に還付される還付金額であり、
前記情報処理装置は、前記顧客である販売元が前記提供トークンを販売先に販売する販売処理要求に応じて、前記ブロックチェーンにおいて前記提供トークンに関連付けられている前記算出条件に基づいて算出された前記還付金額に相当する資産を前記他の提供者に移転するための処理を実行する移転処理部をさらに有し、
前記トークン管理部は、前記提供トークンの保有者を、前記販売元から前記販売先に変更するための処理を実行する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記対価は、前記提供トークンが販売される販売価格であり、
前記情報処理装置は、前記顧客である販売元が前記提供トークンを販売先に販売する販売処理要求に応じて、前記ブロックチェーンにおいて前記提供トークンに関連付けられている前記算出条件に基づいて算出された前記販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行する移転処理部をさらに有し、
前記トークン管理部は、前記提供トークンの保有者を、前記販売元から前記販売先に変更するための処理を実行する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記算出条件は、前記セット商材に含まれる前記複数の商材それぞれ
又は複数の前記組み合わせそれぞれに対応する前記提供トークンの前記販売価格の合計額の上限値及び前記合計額の下限値のうちの少なくともいずれかを含み、
前記移転処理部は、前記算出条件に前記上限値が含まれている場合、前記合計額が前記上限値を上回らないように算出された前記販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行し、前記算出条件に前記下限値が含まれている場合、前記合計額が前記下限値を下回らないように算出された前記販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記算出条件は、前記販売価格の上限値及び前記販売価格の下限値のうちの少なくともいずれかを含み、
前記移転処理部は、前記算出条件に前記上限値が含まれている場合、前記上限値を上回らないように算出された前記販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行し、前記算出条件に前記下限値が含まれている場合、前記下限値を下回らないように算出された前記販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記算出条件は、前記セット商材に含まれるすべての前記商材の一部である複数の商材に対応する複数の前記提供トークンのセットであるセット提供トークンの前記販売価格であるセット販売価格の上限値及び前記セット販売価格の下限値のうちの少なくともいずれかを含み、
前記移転処理部は、前記販売元が前記セット提供トークンを前記販売先に販売する前記販売処理要求に応じて、前記算出条件に前記上限値が含まれている場合、前記上限値を上回らないように算出された前記セット販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行し、前記算出条件に前記下限値が含まれている場合、前記下限値を下回らないように算出された前記セット販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記トークン管理部は、前
記商材
ごと又は前記組み合わせごとに、当該商材
又は当該組み合わせに対応する前記提供トークンを、さらに当該提供トークンの保有者に関連付けて前記ブロックチェーンに発行する処理を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
物品及びサービスのうちの少なくともいずれかである複数の商材がセットで販売されるセット商材に含まれる前記商材
ごと又は前記セット商材に含まれる前記商材の組み合わせごとに、当該商材又は当該組み合わせの提供のために利用される提供トークンが販売されるときに発生する対価を算出するための算出条件であって、前記提供トークンが販売されるときに参照される前記算出条件を記憶する記憶部を有するコンピュータが実行する、
前記セット商材に含まれ
る前記商材
ごと又は前記組み合わせごとに、当該商材
又は当該組み合わせに対応する前記提供トークンを、前記記憶部に記憶されている
当該商材又は当該組み合わせに対応する前記算出条件に関連付けてブロックチェーンに発行する処理を実行するステップを有する情報処理方法。
【請求項12】
物品及びサービスのうちの少なくともいずれかである複数の商材がセットで販売されるセット商材に含まれる前記商材
ごと又は前記セット商材に含まれる前記商材の組み合わせごとに、当該商材又は当該組み合わせの提供のために利用される提供トークンが販売されるときに発生する対価を算出するための算出条件であって、前記提供トークンが販売されるときに参照される前記算出条件を記憶する記憶部を有するコンピュータを、
前記セット商材に含まれ
る前記商材
ごと又は前記組み合わせごとに、当該商材
又は当該組み合わせに対応する前記提供トークンを、前記記憶部に記憶されている
当該商材又は当該組み合わせに対応する前記算出条件に関連付けてブロックチェーンに発行する処理を実行するトークン管理部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、個人間における商品の取り引きを管理するシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが販売者から購入した商品等の商材を自由に販売(転売)してしまうと、当該商材をユーザに販売した販売者をはじめとする当該商材に関連する事業者が不利益を被ってしまう場合がある。そのため、ユーザによる商材の販売を制限する仕組みを提供することが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザによる商材の販売を制限する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様にかかる情報処理装置は、物品及びサービスのうちの少なくともいずれかである複数の商材がセットで販売されるセット商材に含まれる前記商材の提供のために利用される提供トークンが販売されるときに発生する対価を算出するための算出条件であって、前記提供トークンが販売されるときに参照される前記算出条件を記憶する記憶部と、前記セット商材に含まれる一部の前記商材に、当該商材に対応する前記提供トークンを、前記記憶部に記憶されている前記算出条件に関連付けてブロックチェーンに発行する処理を実行するトークン管理部と、を有する。
【0007】
前記トークン管理部は、顧客が販売者から前記セット商材を購入した場合に、前記提供トークンを前記ブロックチェーンに発行する処理を実行してもよい。
【0008】
前記対価は、前記提供トークンが販売されるときに前記販売者に還付される還付金額であってもよいし、前記情報処理装置は、前記顧客である販売元が前記提供トークンを販売先に販売する販売処理要求に応じて、前記ブロックチェーンにおいて前記提供トークンに関連付けられている前記算出条件に基づいて算出された前記還付金額に相当する資産を前記販売者に移転するための処理を実行する移転処理部をさらに有してもよいし、前記トークン管理部は、前記提供トークンの保有者を、前記販売元から前記販売先に変更するための処理を実行してもよい。
【0009】
前記対価は、前記提供トークンが販売されるときにおいて、販売される前記提供トークンをもとに前記商材を提供する提供者に還付される還付金額であってもよいし、前記情報処理装置は、前記顧客である販売元が前記提供トークンを販売先に販売する販売処理要求に応じて、前記ブロックチェーンにおいて前記提供トークンに関連付けられている前記算出条件に基づいて算出された前記還付金額に相当する資産を前記提供者に移転するための処理を実行する移転処理部をさらに有してもよいし、前記トークン管理部は、前記提供トークンの保有者を、前記販売元から前記販売先に変更する処理を実行してもよい。
【0010】
前記対価は、前記提供トークンが販売されるときにおいて、前記セット商材に含まれる前記複数の商材それぞれに対応する前記提供トークンのうち、販売される前記提供トークンとは異なる他の前記提供トークンをもとに前記商材を提供する他の提供者に還付される還付金額であってもよいし、前記情報処理装置は、前記顧客である販売元が前記提供トークンを販売先に販売する販売処理要求に応じて、前記ブロックチェーンにおいて前記提供トークンに関連付けられている前記算出条件に基づいて算出された前記還付金額に相当する資産を前記他の提供者に移転するための処理を実行する移転処理部をさらに有してもよいし、前記トークン管理部は、前記提供トークンの保有者を、前記販売元から前記販売先に変更するための処理を実行してもよい。
【0011】
前記対価は、前記提供トークンが販売される販売価格であってもよいし、前記情報処理装置は、前記顧客である販売元が前記提供トークンを販売先に販売する販売処理要求に応じて、前記ブロックチェーンにおいて前記提供トークンに関連付けられている前記算出条件に基づいて算出された前記販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行する移転処理部と、をさらに有してもよいし、前記トークン管理部は、前記提供トークンの保有者を、前記販売元から前記販売先に変更するための処理を実行してもよい。
【0012】
前記算出条件は、前記セット商材に含まれる前記複数の商材それぞれに対応する前記提供トークンの前記販売価格の合計額の上限値及び前記合計額の下限値のうちの少なくともいずれかを含んでもよいし、前記移転処理部は、前記算出条件に前記上限値が含まれている場合、前記合計額が前記上限値を上回らないように算出された前記販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行し、前記算出条件に前記下限値が含まれている場合、前記合計額が前記下限値を下回らないように算出された前記販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行してもよい。
【0013】
前記算出条件は、前記販売価格の上限値及び前記販売価格の下限値のうちの少なくともいずれかを含んでもよいし、前記移転処理部は、前記算出条件に前記上限値が含まれている場合、前記上限値を上回らないように算出された前記販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行し、前記算出条件に前記下限値が含まれている場合、前記下限値を下回らないように算出された前記販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行してもよい。
【0014】
前記算出条件は、前記セット商材に含まれるすべての前記商材の一部である複数の商材に対応する複数の前記提供トークンのセットであるセット提供トークンの前記販売価格であるセット販売価格の上限値及び前記セット販売価格の下限値のうちの少なくともいずれかを含んでもよいし、前記移転処理部は、前記販売元が前記セット提供トークンを前記販売先に販売する前記販売処理要求に応じて、前記算出条件に前記上限値が含まれている場合、前記上限値を上回らないように算出された前記セット販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行し、前記算出条件に前記下限値が含まれている場合、前記下限値を下回らないように算出された前記セット販売価格に相当する資産を、前記販売先から前記販売元に移転するための処理を実行してもよい。
【0015】
前記トークン管理部は、前記セット商材に含まれる前記商材ごとに、当該商材に対応する前記提供トークンを、前記記憶部に記憶されている前記算出条件に関連付けて前記ブロックチェーンに発行する処理を実行してもよい。
【0016】
前記トークン管理部は、前記一部の商材に、当該商材に対応する前記提供トークンを、さらに当該提供トークンの保有者に関連付けて前記ブロックチェーンに発行する処理を実行してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様にかかる情報処理方法は、物品及びサービスのうちの少なくともいずれかである複数の商材がセットで販売されるセット商材に含まれる前記商材の提供のために利用される提供トークンが販売されるときに発生する対価を算出するための算出条件であって、前記提供トークンが販売されるときに参照される前記算出条件を記憶する記憶部を有するコンピュータが実行する、前記セット商材に含まれる一部の前記商材に、当該商材に対応する前記提供トークンを、前記記憶部に記憶されている前記算出条件に関連付けてブロックチェーンに発行する処理を実行するステップを有する。
【0018】
本発明の第3の態様にかかるプログラムは、物品及びサービスのうちの少なくともいずれかである複数の商材がセットで販売されるセット商材に含まれる前記商材の提供のために利用される提供トークンが販売されるときに発生する対価を算出するための算出条件であって、前記提供トークンが販売されるときに参照される前記算出条件を記憶する記憶部を有するコンピュータを、前記セット商材に含まれる一部の前記商材に、当該商材に対応する前記提供トークンを、前記記憶部に記憶されている前記算出条件に関連付けてブロックチェーンに発行する処理を実行するトークン管理部として機能させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザによる商材の販売を制限する仕組みを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図3】条件管理データベースの構成の一例を示す図である。
【
図4】提供トークンの構成の一例を模式的に表した図である。
【
図5】情報処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、商取引を管理する商取引管理サービスを提供するために用いられるシステムである。情報処理システムSは、ユーザ端末1と、販売者端末2と、情報処理装置3とを有する。
【0022】
ユーザ端末1(
図1におけるユーザ端末1a及びユーザ端末1b)は、商取引管理サービスを利用するユーザU(
図1におけるユーザU1及びユーザU2)が使用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等である。ユーザ端末1には、例えば、商取引管理サービスを提供するための専用のアプリケーションプログラム(以下、「専用アプリ」という。)がインストールされている。ユーザUは、専用アプリを用いることにより、商取引管理サービスを利用することができる。なお、商取引管理サービスは、Webサイトで提供されてもよい。
【0023】
販売者端末2は、販売者が使用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ又はサーバ等である。販売者は、複数の商材がセットで販売されるセット商材を販売する事業者である。販売者端末2は、セット商材に関する情報(例えば、セット商材のID、セット商材の販売価格等)を管理する。販売者端末2には、例えば、専用アプリがインストールされている。
【0024】
商材は、提供者が提供する物品及びサービスのうちの少なくともいずれかである。セット商材に含まれる複数の商材は、同一の提供者によって提供されてもよいし、それぞれ異なる複数の提供者によって提供されてもよい。提供者は、例えば、複数の店舗を運営する事業者、又は独立店舗を運営する事業者等である。提供者は、販売者であってもよいし、販売者とは異なる事業者であってもよい。提供者は、提供トークンの保有者による提供トークンの提示を受けて、提供トークンに基づく情報に応じた商材を提供する。提供トークンは、顧客が販売者からセット商材を購入することに応じてブロックチェーン上に発行されるトークンであって、セット商材に含まれる商材の提供のために利用されるトークンである。提供トークンは、例えば、非代替性トークンである。提供トークンに基づく情報は、例えば、提供トークンのID、提供トークンに対応する商材のID、提供トークンに対応する商材の名称等である。
【0025】
情報処理装置3は、商取引管理サービスを管理する装置である。情報処理装置3は、ブロックチェーンを構成する複数のノードであってもよいし、ブロックチェーンを構成するノードとは異なる外部のサーバであってもよい。情報処理装置3は、ユーザUに関する情報(例えば、ユーザUのID等)と、算出条件とを管理している。
【0026】
算出条件は、提供トークンが販売されるときに発生する対価を算出するための情報であり、例えば、販売者、提供者又は情報処理装置3の管理者が設定した情報である。算出条件は、例えば、提供トークンの販売価格の制限値、セット商材の在庫数に応じた条件、提供者の属性に応じた条件、ブロックチェーンの利用度合いに応じた条件、セット商材の購入価格に応じた条件、販売者の信頼度合いに応じた条件等である。対価は、例えば、提供トークンが販売される販売価格である。
以下において、情報処理システムSが実行する処理について説明する。
【0027】
商取引管理サービスにおいては、複数のユーザU間における商材(提供トークン)の売買を管理する。まず、顧客であるユーザU1が販売者からセット商材を購入すると、販売者は、セット商材に対応する提供トークンをユーザU1に提供する。この場合において、販売者が販売者端末2の専用アプリにおいてユーザU1に提供トークンを提供するための操作を行うと、販売者端末2は、提供トークンの発行処理要求を送信する(
図1における(1))。発行処理要求は、提供者から商材を提供してもらうための提供トークンを発行する処理を実行させるための要求である。
【0028】
情報処理装置3は、提供トークンの発行処理要求を取得すると、セット商材に含まれる一部の商材に、当該商材に対応する提供トークンを、管理している算出条件と、提供トークンの保有者(ユーザU1)とに関連付けてブロックチェーンに発行する発行処理を実行する(
図1における(2))。セット商材に含まれる一部の商材は、例えば、セット商材に3つの商材が含まれる場合における1つの商材又は2つの商材の組み合わせ等である。ブロックチェーンにおいて提供トークンが発行されると、ユーザU1は、当該提供トークンを用いて商材を提供者から提供してもらうことができる。
【0029】
続いて、ユーザU1がセット商材に対応する複数の提供トークンのうちの少なくともいずれか1つの提供トークンをユーザU2に販売すると、ユーザU1は、ユーザU2に提供トークンを提供する。この場合において、ユーザU1がユーザ端末1aの専用アプリにおいてユーザU2に提供トークンを販売するための操作を行うと、ユーザ端末1aは、提供トークンの販売処理要求を情報処理装置3に送信する(
図1における(3))。販売処理要求は、セット商材を購入した顧客である販売元のユーザUが販売先のユーザUに提供トークンを販売するための処理を実行させるための要求である。
【0030】
情報処理装置3は、提供トークンの販売処理要求を取得すると、ユーザU1が提供トークンをユーザU2に販売する販売処理を実行する(
図1における(4))。具体的には、まず、情報処理装置3は、提供トークンに関連付けられている算出条件に基づいて、当該提供トークンの販売価格を算出する。そして、情報処理装置3は、算出した販売価格に相当する資産をユーザU2からユーザU1に移転する資産移転処理と、提供トークンの保有者を販売元のユーザUであるユーザU1から販売先のユーザUであるユーザU2に移転するトークン移転処理とを実行する。資産は、例えば、暗号資産、電子マネー又は現金等である。
【0031】
その後、ユーザU2は、移転された提供トークンを用いて、提供者から商材を提供してもらう。このようにすることで、情報処理システムSは、ユーザUによる提供トークンの販売を制限する仕組みを提供することができる。
以下、情報処理装置3の構成について説明する。
【0032】
[情報処理装置3の構成]
図2は、情報処理装置3のブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0033】
情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。情報処理装置3は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置3は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0034】
通信部31は、ネットワークを介してユーザ端末1及び又は販売者端末2等の外部の装置との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部31は、外部の装置からネットワークを介して受信したデータを制御部33に通知する。また、通信部31は、ネットワークを介して、制御部33から出力されたデータを外部の装置に送信する。
【0035】
記憶部32は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部32は、情報処理装置3の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部33との間でデータの授受を行ってもよい。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部32は、ユーザUに関する情報(例えば、ユーザUのID等)、販売者に関する情報(例えば、販売者のID、販売者が販売するセット商材のID、セット商材に含まれる商材のID等)、提供者に関する情報(例えば、提供者のID、提供者の属性、提供者が提供する商材のID等)を記憶している。
【0036】
また、記憶部32は、算出条件を管理する条件管理データベースを記憶している。
図3は、条件管理データベースの構成の一例を示す図である。
図3に示す例において、条件管理データベースは、販売者のIDと、セット商材のIDと、算出条件とを関連付けて記憶している。条件管理データベースは、さらにセット商材に含まれる商材のIDを関連付けて記憶してもよい。なお、情報処理装置3が外部のサーバである場合、情報処理装置3は、条件管理データベースに記憶されている情報をブロックチェーンに記憶させてもよい。
【0037】
図2に戻り、制御部33は、取得部331と、記録部332と、トークン管理部333と、算出部334と、移転処理部335と、出力部336とを有する。制御部33は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部331、記録部332、トークン管理部333、算出部334、移転処理部335及び出力部336として機能する。以下において、提供トークンの発行処理と、提供トークンの販売処理とに分けて、制御部33が有する各機能の詳細について説明する。
【0038】
[発行処理]
まず、情報処理装置3が実行する提供トークンの発行処理について説明する。取得部331は、算出条件を取得する。具体的には、取得部331は、セット商材に対応する算出条件を取得する。取得部331は、例えば、販売者のIDと、セット商材のIDと、算出条件とを含む記録要求を取得する。取得部331は、セット商材に含まれる商材ごとに、当該商材に対応する算出条件を取得してもよい。この場合、取得部331は、セット商材に含まれる商材ごとに、当該商材のIDと、販売者のIDと、セット商材のIDと、算出条件とを含む記録要求を取得する。
【0039】
取得部331は、例えば、販売者端末2から、販売者が設定した算出条件を含む記録要求を取得する。取得部331は、提供者が使用する不図示の提供者端末から、提供者が設定した算出条件を含む記録要求を取得してもよい。また、取得部331は、情報処理装置3の管理者が入力した算出条件を受け付けることにより、当該管理者が設定した算出条件を含む記録要求を取得してもよい。
【0040】
記録部332は、取得部331が取得した算出条件を記録する。具体的には、記録部332は、取得部331が取得した記録要求に含まれる販売者のIDと、セット商材のIDと、算出条件とを関連付けて条件管理データベースに記録する。
【0041】
トークン管理部333は、セット商材に含まれる一部の商材に、当該商材に対応する提供トークンを、記憶部32に記憶されている算出条件と、提供トークンの保有者とに関連付けてブロックチェーンに発行する発行処理を実行する。トークン管理部333は、例えば、セット商材に含まれる商材ごとに、当該商材に対応する提供トークンを、記憶部32に記憶されている算出条件と、提供トークンの保有者とに関連付けてブロックチェーンに発行する発行処理を実行する。なお、トークン管理部333は、セット商材に含まれる複数の商材のすべての組み合わせごと(例えば、1つの商材ごと及び2つの商材の組み合わせごと等)に、当該商材の組み合わせに対応する提供トークンを、記憶部32に記憶されている算出条件と、提供トークンの保有者とに関連付けてブロックチェーンに発行する発行処理を実行してもよい。
【0042】
例えば、情報処理装置3が外部のサーバである場合、トークン管理部333は、ブロックチェーンに対して、提供トークンの発行を要求することにより、ブロックチェーンに提供トークンを発行させる。また、例えば、情報処理装置3がブロックチェーンを構成する複数のノードである場合、トークン管理部333は、提供トークンを発行する。
【0043】
トークン管理部333は、算出条件及び提供トークンの保有者の他に、様々な情報に関連付けて提供トークンの発行処理を実行してもよい。トークン管理部333は、例えば、商材ごとに、さらに、セット商材のIDと、当該商材のIDと、属性特定情報とに関連付けて提供トークンの発行処理を実行してもよい。属性特定情報は、提供者の属性を特定するための情報であり、例えば、提供者のID、又は提供者の属性(例えば、提供者の規模、提供者が運営する店舗が存在する地域等)を示す情報等である。なお、トークン管理部333は、商材のIDを提供者情報として関連付けて提供トークンの発行処理を実行してもよい。
【0044】
図4は、提供トークンの構成の一例を模式的に表した図である。
図4に示す例においては、ある商材に対応する提供トークンには、提供トークンのIDと、提供トークンの保有者のIDと、セット商材のIDと、当該商材のIDと、属性特定情報として提供者のIDと、算出条件と、発行日時とが関連付けられている。発行日時は、提供トークンが発行された日時である。
【0045】
なお、提供トークンのID及び提供トークンの保有者のID以外の情報については、外部の装置に記憶されてもよい。この場合、提供トークンには、提供トークンのIDと、提供トークンの保有者のIDと、提供トークンのID及び提供トークンの保有者のID以外の情報が記憶されている場所を示す情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator)等)とが関連付けて記憶されてもよい。
【0046】
図2に戻り、トークン管理部333は、顧客が販売者からセット商材を購入した場合に、提供トークンの発行処理を実行する。具体的には、情報処理装置3は、以下の2つのステップを実行することにより、顧客が販売者からセット商材を購入したことに応じて提供トークンの発行処理を実行する。
【0047】
第1のステップとして、取得部331は、販売者端末2から、提供トークンの発行処理要求を取得する。発行処理要求には、例えば、販売者のIDと、セット商材のIDと、当該セット商材を購入したユーザUのIDとを含む。
【0048】
第2のステップとして、トークン管理部333は、取得部331が取得した発行処理要求を取得した場合に、当該発行処理要求に含まれる情報に基づいて、提供トークンの発行処理を実行する。具体的には、トークン管理部333は、セット商材に含まれる商材ごとに、当該商材に対応する提供トークンを、発行処理要求に含まれる販売者のID及びセット商材のIDに関連付けて条件管理データベースに記憶されている算出条件と、セット商材のIDと、当該商材のIDと、提供トークンの保有者として発行処理要求に含まれるユーザUのIDとに関連付けて提供トークンの発行処理を実行する。
【0049】
上記において、トークン管理部333が、条件管理データベースに記憶されている算出条件に関連付けて提供トークンの発行処理を実行する例を説明したが、これに限らない。例えば、取得部331が取得した発行処理要求には、算出条件がさらに含まれており、トークン管理部333は、発行処理要求に含まれる算出条件に関連付けて提供トークンの発行処理を実行してもよい。
【0050】
トークン管理部333は、販売者の信頼度合いに応じて、提供トークンの発行処理を実行してもよい。例えば、記憶部32に記憶されている販売者に関する情報には、販売者を示す情報(例えば、販売者のID)と、信頼度数とが含まれている。信頼度数は、販売者の信頼度合いを示す数値であり、例えば、販売者の信頼度合いを評価する事業者が算出した数値、販売者の商品を購入した購入者の評価に基づいて算出された数値等である。
【0051】
この場合において、トークン管理部333は、顧客が販売者からセット商材を購入した場合において、記憶部32において販売者に関連付けられている信頼度数に基づいて、提供トークンの発行処理を実行する。具体的には、トークン管理部333は、販売者に関する情報において販売者のIDに関連付けられている信頼度数が信頼閾値を超える場合、算出条件に関連付けて提供トークンの発行処理を実行する。信頼閾値は、例えば、予め定められた閾値であって、販売者の信頼度合いが高いか否かを判定するために用いられる閾値である。
【0052】
一方、トークン管理部333は、販売者に関する情報において販売者のIDに関連付けられている信頼度数が信頼閾値を超えない場合、算出条件に関連付けずに提供トークンの発行処理を実行する。このようにすることで、情報処理装置3は、信頼度合いが低い販売者によって商取引管理サービスによるユーザU間における商取引の制限が悪用されてしまうリスクを低減することができる。
【0053】
[販売処理]
続いて、情報処理装置3が実行する販売処理について説明する。情報処理装置3は、販売処理として、提供トークンの販売価格に相当する資産を移転する資産移転処理と、販売トークンを販売元のユーザUから販売先のユーザUに移転するトークン移転処理とを実行する。まず、資産移転処理について説明する。情報処理装置3は、以下の3つのステップを実行することにより、資産移転処理を実行する。
【0054】
第1のステップとして、取得部331は、提供トークンの保有者のユーザ端末1から、当該提供トークンの保有者である販売元のユーザUが当該提供トークンを販売先に販売する販売処理要求を取得する。販売処理要求には、例えば、販売元のユーザUのIDと、販売先のユーザUのIDと、提供トークンのIDとが含まれる。販売処理要求には、セット商材のIDがさらに含まれてもよい。
【0055】
第2のステップとして、算出部334は、取得部331が販売処理要求を取得した場合に、ブロックチェーンにおいて提供トークンに関連付けられている算出条件に基づいて、提供トークンの販売価格を算出する。具体的には、算出部334は、ブロックチェーンにおいて販売処理要求に含まれる提供トークンのIDによって特定される提供トークンに関連付けられている算出条件に基づいて、提供トークンの販売価格を算出する。
【0056】
算出部334は、例えば、セット商材の在庫数に応じて提供トークンの販売価格を算出する。具体的には、算出部334は、販売者におけるセット商材の在庫数に応じて提供トークンの販売価格を算出するための条件が算出条件に含まれている場合、提供トークンの販売時におけるセット商材の在庫数に基づいて、提供トークンの販売価格を算出する。
【0057】
例えば、算出条件には、販売者におけるセット商材の在庫数に応じて提供トークンの販売価格を算出するための条件として、セット商材の在庫数が多いか否かを判定するための在庫数閾値が含まれている。また、例えば、記憶部32には、セット商材の在庫数が多い場合に用いられる第1在庫数値と、セット商材の在庫数が少ない場合に用いられる第2在庫数値とが記憶されている。
【0058】
第1在庫数値及び第2在庫数値は、それぞれ異なる数値であり、例えば、所定の時点(例えば、セット商材が購入された時点、又は提供トークンが販売される時点等)におけるセット商材の販売価格に適用される係数である。第1在庫数値及び第2在庫数値は、例えば、販売者、提供者又は情報処理装置3の管理者が設定した数値である。第1在庫数値及び第2在庫数値は、各セット商材に対して共通の数値であってもよいし、セット商材ごとに異なる数値であってもよい。第1在庫数値及び第2在庫数値は、セット商材の販売価格に適用した場合における提供トークンの販売価格が、第2在庫数値より第1在庫数値の方が安い。なお、第1在庫数値及び第2在庫数値は、セット商材の販売価格に適用した場合における提供トークンの販売価格が、第1在庫数値より第2在庫数値の方が安くてもよい。
【0059】
この場合において、まず、算出部334は、販売者端末2から、現在のセット商材の在庫数と、所定の時点におけるセット商材の販売価格とを示す情報を取得する。そして、算出部334は、セット商材の在庫数が算出条件に含まれる在庫数閾値を超える場合、所定の時点におけるセット商材の販売価格と、記憶部32に記憶されている第1在庫数値とを乗算することにより提供トークンの販売価格を算出する。一方、算出部334は、セット商材の在庫数が算出条件に含まれる在庫数閾値を超えない場合、所定の時点におけるセット商材の販売価格と、記憶部32に記憶されている第2在庫数値とを乗算することにより提供トークンの販売価格を算出する。このようにすることで、情報処理装置3は、提供トークンの販売時におけるセット商材の価値(セット商材の在庫数)に応じて提供トークンの販売価格を算出することができる。
【0060】
算出部334は、セット商材の市場取引価格に応じて提供トークンの販売価格を算出してもよい。市場取引価格は、例えば、セット商材を販売した販売者が販売するセット商材の販売価格であってもよいし、それぞれ異なる複数の販売者が販売するセット商材の販売価格の統計値(例えば、平均値、中央値、最頻値等)であってもよいし、複数の販売者それぞれが販売するセット商材の販売価格のうちの最も安い販売価格であってもよい。
【0061】
具体的には、算出部334は、販売者におけるセット商材の市場取引価格に応じて提供トークンの販売価格を算出するための条件が算出条件に含まれている場合、販売者におけるセット商材の市場取引価格に基づいて、提供トークンの販売価格を算出する。より具体的には、算出部334は、顧客が購入したセット商材の購入価格と、販売者におけるセット商材の市場取引価格との関係に基づいて、提供トークンの販売価格を算出する。例えば、記憶部32には、セット商材の市場取引価格が高い場合に用いられる第1市場取引数値と、セット商材の市場取引価格が安い場合に用いられる第2市場取引数値とが記憶されている。
【0062】
第1市場取引数値及び第2市場取引数値は、それぞれ異なる数値であり、例えば、所定の時点におけるセット商材の販売価格に適用される係数である。第1市場取引数値及び第2市場取引数値は、例えば、販売者、提供者又は情報処理装置3の管理者が設定した数値である。第1市場取引数値及び第2市場取引数値は、各セット商材対して共通の数値であってもよいし、セット商材ごとに異なる数値であってもよい。第1市場取引数値及び第2市場取引数値は、セット商材の販売価格に適用した場合における提供トークンの販売価格が、第2市場取引数値より第1市場取引数値の方が安くてもよいし、第1市場取引数値より第2市場取引数値の方が安くてもよい。
【0063】
この場合において、まず、算出部334は、販売者端末2から、現在のセット商材の市場取引価格及び顧客がセット商材を購入した時(例えば、提供トークンの発行日時)のセット商材の販売価格を示す情報を取得する。なお、記憶部32には、現在のセット商材の市場取引価格及び顧客がセット商材を購入した時のセット商材の販売価格を示す情報が記憶されており、算出部334は、記憶部32から現在のセット商材の市場取引価格及び顧客がセット商材を購入した時のセット商材の販売価格を示す情報を取得してもよい。
【0064】
そして、算出部334は、現在のセット商材の市場取引価格が、顧客がセット商材を購入した時のセット商材の販売価格を超える場合、所定の時点におけるセット商材の販売価格と、記憶部32に記憶されている第1市場取引数値とを乗算することにより提供トークンの販売価格を算出する。一方、算出部334は、現在のセット商材の市場取引価格が、顧客がセット商材を購入した時のセット商材の販売価格を超えない場合、所定の時点におけるセット商材の販売価格と、記憶部32に記憶されている第2市場取引数値とを乗算することにより、提供トークンの販売価格を算出する。このようにすることで、情報処理装置3は、セット商材の価値に応じて提供トークンの販売価格を算出することができる。
【0065】
算出部334は、提供者の属性に応じて提供トークンの販売価格を算出してもよい。提供者の属性は、例えば、提供者の経営形態(例えば、個人商店、フランチャイズチェーン等)、提供者が経営している店舗の数、提供者が経営している店舗が存在する地域等である。
【0066】
具体的には、算出部334は、提供者の属性に応じて提供トークンの販売価格を算出するための条件が算出条件に含まれている場合、提供トークンに関連付けられている属性特定情報によって特定される提供者の属性に基づいて、提供トークンの販売価格を算出する。
【0067】
算出部334は、例えば、記憶部32に記憶されている提供者に関する情報を参照し、提供トークンに関連付けられている提供者のID(属性特定情報)によって特定される提供者の経営形態がフランチャイズチェーンである場合、提供者の経営形態が個人商店である場合よりも提供トークンの販売価格を高く算出する。また、算出部334は、提供者が経営している店舗の数が多いほど提供トークンの販売価格を高く算出し、提供者が経営している店舗の数が少ないほど提供トークンの販売価格を安く算出してもよい。また、算出部334は、提供者が経営している店舗が存在する地域の数が多いほど提供トークンの販売価格を高く算出し、提供者が経営している店舗が存在する地域の数が少ないほど提供トークンの販売価格を安く算出してもよい。このようにすることで、情報処理装置3は、提供者の属性に応じた提供トークンの販売価格を算出することができる。
【0068】
算出部334は、販売者の信頼度合いに応じて当該提供トークンの販売価格を算出してもよい。この場合において、算出部334は、販売者の信頼度合いに応じて提供トークンの販売価格を算出するための条件が算出条件に含まれている場合、販売者の信頼度合いに基づいて、提供トークンの販売価格を算出する。算出部334は、例えば、販売者の信頼度合いが高いほど提供トークンの販売価格を高く算出し、販売者の信頼度合いが低いほど提供トークンの販売価格を安く算出する。算出部334は、例えば、記憶部32において販売者に関連付けられている信頼度数が信頼閾値を超える場合、信頼度数が信頼閾値を超えない場合よりも提供トークンの販売価格を高く算出する。このようにすることで、情報処理装置3は、販売者の信頼度合いに応じた提供トークンの販売価格を算出することができる。
【0069】
算出部334は、提供トークンが発行されたブロックチェーンの利用度合いに応じて当該提供トークンの販売価格を算出してもよい。例えば、記憶部32には、ブロックチェーンを示す情報と、当該ブロックチェーンの利用度合いを特定するための情報(例えば、ブロックチェーンを利用する利用者の数、ブロックチェーンにおいてトークンが発行された数等)とが関連付けて記憶されている。
【0070】
この場合において、算出部334は、ブロックチェーンの利用度合いに応じて提供トークンの販売価格を算出するための条件が算出条件に含まれている場合、提供トークンが発行されたブロックチェーンの利用度合いに基づいて、提供トークンの販売価格を算出する。算出部334は、例えば、提供トークンが発行されたブロックチェーンの利用度合いが高いほど提供トークンの販売価格を高く算出し、当該ブロックチェーンの利用度合いが低いほど提供トークンの販売価格を安く算出する。このようにすることで、情報処理装置3は、提供トークンが発行されたブロックチェーンの利用度合いに応じた提供トークンの販売価格を算出することができる。
【0071】
算出部334は、提供トークンの販売価格の制限値に応じて提供トークンの販売価格を算出してもよい。例えば、算出条件には、提供トークンの販売価格の制限値として、提供トークンの販売価格の上限値及び提供トークンの販売価格の下限値のうちの少なくともいずれかが含まれる。
【0072】
この場合において、算出部334は、算出条件に上限値が含まれている場合、当該上限値を上回らないように提供トークンの販売価格を算出する。算出部334は、例えば、算出した提供トークンの販売価格が算出条件に含まれる上限値を上回る場合、当該上限値を提供トークンの販売価格として算出する。なお、販売処理要求には、提供トークンの保有者が提供トークンを販売する価格として設定した設定価格が含まれており、算出部334は、当該設定価格が算出条件に含まれる上限値を上回る場合、当該上限値を提供トークンの販売価格として算出してもよい。
【0073】
算出部334は、算出条件に下限値が含まれている場合、当該下限値を下回らないように提供トークンの販売価格を算出する。算出部334は、例えば、算出した提供トークンの販売価格が算出条件に含まれる加減値を下回る場合、当該下限値を提供トークンの販売価格として算出する。なお、販売処理要求には、提供トークンの設定価格が含まれており、算出部334は、当該設定価格が算出条件に含まれる下限値を下回る場合、当該下限値を提供トークンの販売価格として算出してもよい。このようにすることで、情報処理装置3は、定められた販売価格の制限値を満たすように、提供トークンの販売価格を算出することができる。
【0074】
算出部334は、セット商材に含まれる複数の商材それぞれに対応する提供トークンの販売価格の合計額(以下、「セット商材に対応する合計額」という。)の制限値に応じて、提供トークンの販売価格を算出してもよい。例えば、算出条件には、提供トークンの販売価格の制限値として、セット商材に対応する合計額の上限値及びセット商材に対応する合計額の下限値のうちの少なくともいずれかが含まれる。
【0075】
この場合において、まず、算出部334は、ブロックチェーンにおいて、販売処理要求に含まれる販売元のユーザUのID(提供トークンの保有者のID)と、セット商材のIDとに関連付けられて発行された複数の提供トークンを特定する。そして、算出部334は、セット商材に対応する合計額の制限値を満たすように、特定した複数の提供トークンの販売価格を算出する。
【0076】
算出部334は、例えば、算出条件に上限値が含まれている場合、特定した複数の提供トークンの販売価格の合計額が上限値を上回らないように、特定した複数の提供トークンの販売価格を算出する。また、算出部334は、例えば、算出条件に下限値が含まれている場合、特定した複数の提供トークンの販売価格の合計額が下限値を下回らないように、特定した複数の提供トークンの販売価格を算出する。
【0077】
算出部334は、特定した複数の提供トークンの販売価格を算出すると、各提供トークンのIDと、各提供トークンの販売価格とを関連付けて記憶部32に記憶させる。算出部334は、特定した複数の提供トークンの販売価格を算出した後において、特定した提供トークンの販売処理要求を取得部331が取得した場合、当該販売処理要求に含まれる提供トークンのIDに関連付けて記憶部32に記憶されている販売価格を用いる。このようにすることで、情報処理装置3は、定められたセット商材に対応する合計額の制限値を満たすように、提供トークンの販売価格を算出することができる。
【0078】
セット商材を購入したユーザUは、1つの提供トークンごとに限らず、複数の提供トークンをまとめて販売してもよい。この場合、算出部334は、まとめられた複数の提供トークンであるセット提供トークンの販売価格であるセット販売価格の制限値に応じてセット提供トークンのセット販売価格を算出してもよい。セット提供トークンは、セット商材に含まれるすべての商材の一部である複数の商材に対応する複数の提供トークンのセットであり、例えば、あるセット商材において3つの商材が含まれる場合における2つの商材の組み合わせである。例えば、算出条件には、セット提供トークンのセット販売価格の制限値として、セット提供トークンのセット販売価格の上限値及びセット提供トークンのセット販売価格の下限値のうちの少なくともいずれかが含まれる。
【0079】
この場合において、算出部334は、算出条件に上限値が含まれている場合、上限値を上回らないようにセット提供トークンのセット販売価格を算出する。算出部334は、例えば、算出したセット提供トークンのセット販売価格が算出条件に含まれる上限値を上回る場合、当該上限値をセット提供トークンのセット販売価格として算出する。なお、情報処理装置3は、セット商材に含まれるすべての商材の一部である複数の商材で販売される場合、当該複数の商材をバンドルしたセット提供トークンを新たに発行し、発行したセット提供トークンに関連付けられている算出条件に基づいて、セット提供トークンの販売価格を算出してもよい。
【0080】
算出部334は、算出条件に下限値が含まれている場合、下限値を下回らないようにセット提供トークンのセット販売価格を算出する。算出部334は、例えば、算出したセット提供トークンのセット販売価格が算出条件に含まれる加減値を下回る場合、当該下限値をセット提供トークンのセット販売価格として算出する。このようにすることで、情報処理装置3は、定められたセット販売価格の制限値を満たすように、セット提供トークンのセット販売価格を算出することができる。
【0081】
算出部334は、顧客がセット商材を購入した時のセット商材の販売価格に応じて提供トークンの販売価格を算出してもよい。具体的には、算出部334は、顧客がセット商材を購入した時のセット商材の販売価格に応じて提供トークンの販売価格を算出するための条件が算出条件に含まれている場合、当該販売価格を上回らないように提供トークンの販売価格を算出する。算出部334は、例えば、算出した提供トークンの販売価格が販売価格を上回る場合、当該販売価格を提供トークンの販売価格として算出する。このようにすることで、情報処理装置3は、提供トークンの販売価格が、顧客がセット商材を購入した時のセット商材の販売価格を上回ってしまう事態を防ぐことができる。
【0082】
第3のステップとして、移転処理部335は、算出部334が算出した提供トークンの販売価格に相当する資産を、販売先のユーザUから販売元のユーザUに移転する資産移転処理を実行する。例えば、情報処理装置3は、ユーザUの資産の口座を、ユーザUのIDに関連付けて管理している。この場合において、移転処理部335は、算出部334が算出した提供トークンの販売価格に相当する資産を、販売処理要求に含まれる販売先のユーザUのIDに関連付けられている口座から販売処理要求に含まれる販売元のユーザUのIDに関連付けられている口座に移転する。
【0083】
不図示の口座管理装置がユーザUの資産の口座を管理している場合、移転処理部335は、算出部334が算出した提供トークンの販売価格に相当する資産を販売先のユーザUの口座から販売元のユーザUの口座に移転する資産移転要求であって、販売元のユーザUのIDと、販売先のユーザUのIDとを含む資産移転要求を口座管理装置に送信することにより、資産移転処理を実行してもよい。
【0084】
情報処理装置3は、提供トークンが販売される前に、当該提供トークンが販売される場合における販売価格を提示してもよい。具体的には、まず、取得部331は、販売元のユーザU又は販売先のユーザU(以下、「要求者」という。)のユーザ端末1から、提供トークンの販売価格を閲覧する閲覧要求を取得する。閲覧要求には、例えば、提供トークンのIDが含まれる。
【0085】
算出部334は、取得部331が取得した閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に含まれる提供トークンのIDによって示される提供トークンに関連付けられている算出条件に基づいて、当該提供トークンの販売価格を算出する。そして、出力部336は、算出部334が算出した提供トークンの販売価格を要求者に提示、すなわち、要求者のユーザ端末1に出力する。このようにすることで、情報処理装置3は、提供トークンをどれくらいの価格で販売できるかを事前に認識させることができる。
【0086】
上記において、対価が、提供トークンの販売価格である例を説明したが、これに限らない。例えば、対価は、提供トークンが販売されるときに所定の事業者に還付される還付金額であってもよい。所定の事業者は、例えば、販売者、販売される提供トークンをもとに商材を提供する提供者、又はセット商材に含まれる複数の商材それぞれに対応する提供トークンのうちの販売される提供トークンとは異なる他の提供トークンをもとに商材を提供する他の提供者等である。例えば、算出条件には、還付金額が還付される所定の事業者を示す情報が含まれている。
【0087】
この場合において、まず、算出部334は、顧客である販売元のユーザUが提供トークンを販売先のユーザUに販売する販売処理要求に応じて、ブロックチェーンにおいて提供トークンに関連付けられている算出条件に基づいて、還付金額を算出する。そして、移転処理部335は、算出部334が算出した還付金額に相当する資産を、算出条件に含まれる所定の事業者に移転するための処理を実行する。
【0088】
移転処理部335は、例えば、算出部334が算出した還付金額に相当する資産を、販売元のユーザUの口座又は販売先のユーザUの口座から所定の事業者の口座に移転するための処理を実行する。移転処理部335は、提供トークンの販売価格のうちの算出部334が算出した還付金額に相当する資産を、販売元のユーザUの口座から所定の事業者の口座に移転するための処理を実行してもよい。移転処理部335は、算出部334が算出した還付金額に相当する資産を、情報処理装置3を管理する管理者の口座から所定の事業者の口座に移転するための処理を実行してもよい。このようにすることで、情報処理装置3は、提供トークンが販売されることによって被り得る事業者の不利益を低減することができる。例えば、セット商材の販売価格においては、当該セット商材に含まれる複数の商材の販売価格の合計額よりも安い場合がある。この場合において、顧客がセット商材を分割して販売する場合に、セット商材の販売価格と、当該セット商材に含まれる複数の商材の販売価格の合計額との差額を負担した事業者に対して還付金額を還付することで、当該事業者の金銭的な負担を軽減することができる。
【0089】
続いて、トークン移転処理について説明する。情報処理装置3は、販売トークンを販売元のユーザUから販売先のユーザUに移転するトークン移転処理を実行する。
【0090】
具体的には、トークン管理部333は、トークン移転処理として、提供トークンの保有者を、販売元のユーザUから販売先のユーザUに変更するための処理を実行する。より具体的には、トークン管理部333は、販売処理要求に含まれる提供トークンのIDによって特定される提供トークンの保有者を、販売処理要求に含まれる販売元のユーザUのIDから販売処理要求に含まれる販売先のユーザUのIDに変更するための処理を実行する。
【0091】
上記において、情報処理装置3が販売処理を実行する例について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置3が外部のサーバである場合、情報処理装置3は、提供トークンの保有者のユーザ端末1からの販売処理要求をブロックチェーンに送信することにより、ブロックチェーンに販売処理を実行させてもよい。また、ブロックチェーンは、スマートコントラクトにより、情報処理装置3を介さずに提供トークンの保有者のユーザ端末1からの販売処理要求に応じて販売処理を実行してもよい。ブロックチェーンが販売処理を実行する場合、情報処理装置3は、ブロックチェーンが実行した販売処理の実行結果(例えば、算出された提供トークンの販売価格等)を取得してもよい。
【0092】
[情報処理装置3の処理]
続いて、情報処理装置3が実行する処理の流れについて説明する。
図5は、情報処理装置3の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、取得部331が、販売者端末2から提供トークンの発行処理要求を取得したことを契機として開始する(S1)。
【0093】
トークン管理部333は、セット商材に含まれる商材ごとに、当該商材に対応する提供トークンを、発行処理要求に含まれる販売者のID及びセット商材のIDに関連付けて条件管理データベースに記憶されている算出条件と、セット商材のIDと、当該商材のIDと、提供トークンの保有者として発行処理要求に含まれるユーザUのIDとに関連付けて提供トークンの発行処理を実行する(S2)。
【0094】
取得部331は、提供トークンの保有者のユーザ端末1から、当該提供トークンの保有者である販売元のユーザUが当該提供トークンを販売先のユーザUに販売する販売処理要求を取得する(S3)。算出部334は、ブロックチェーンにおいて販売処理要求に含まれる提供トークンのIDによって特定される提供トークンに関連付けられている算出条件に基づいて、提供トークンの販売価格を算出する(S4)。
【0095】
移転処理部335は、算出部334が算出した提供トークンの販売価格に相当する資産を、販売先のユーザUから販売元のユーザUに移転する資産移転処理を実行する(S5)。トークン管理部333は、提供トークンの保有者を、販売元のユーザUから販売先のユーザUに移転するトークン移転処理を実行する(S6)。
【0096】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理装置3は、セット商材に含まれる商材ごとに、当該商材に対応する提供トークンを、記憶部32に記憶されている算出条件に関連付けてブロックチェーンに発行する処理を実行する。このようにすることで、情報処理装置3は、ユーザUによる提供トークンの販売を制限する仕組みを提供することができる。
【0097】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0098】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0099】
1 ユーザ端末
2 販売者端末
3 情報処理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 取得部
332 記録部
333 トークン管理部
334 算出部
335 移転処理部
336 出力部
S 情報処理システム
U ユーザ
【要約】
【課題】事業者がユーザによる商材の販売を制限する仕組みを提供する。
【解決手段】情報処理装置3は、物品及びサービスのうちの少なくともいずれかである複数の商材がセットで販売されるセット商材に含まれる商材の提供のために利用される提供トークンが販売されるときに発生する対価を算出するための算出条件であって、提供トークンが販売されるときに参照される算出条件を記憶する記憶部32と、セット商材に含まれる一部の商材に、当該商材に対応する提供トークンを、記憶部32に記憶されている算出条件に関連付けてブロックチェーンに発行する処理を実行するトークン管理部333と、を有する。
【選択図】
図2