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特許7522287モデル生成方法、評価方法、評価モデル、モデル生成装置、評価装置、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】モデル生成方法、評価方法、評価モデル、モデル生成装置、評価装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20240717BHJP
【FI】
G06Q30/0202
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023188565
(22)【出願日】2023-11-02
【審査請求日】2023-12-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517040102
【氏名又は名称】PwCコンサルティング合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】屋敷 信彦
(72)【発明者】
【氏名】矢矧 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 光裕
(72)【発明者】
【氏名】大林 千晃
(72)【発明者】
【氏名】鄭 泰▲フン▼
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-026534(JP,A)
【文献】特開2018-139036(JP,A)
【文献】特開2013-152549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の売上数量における販促効果を評価する評価モデルを生成するモデル生成方法であって、
コンピュータが、少なくとも1つの店舗に設置された店舗端末から、前記少なくとも1つの店舗において販売された複数の商品に関する販売データであって、前記複数の商品のそれぞれの売上数量の推移に関する売上推移データ、前記複数の商品のそれぞれの属性に関する商品属性データ、及び実施された販促企画に関する販促企画データを含む販売データを取得する段階と、
前記コンピュータが、前記複数の商品のそれぞれについて、単位期間当たりの売上数量に対する該売上数量を達成した単位期間の数についての売上数量特性を算出し、該売上数量特性の類似度に応じて前記複数の商品を少なくとも1つの商品グループに分類し、前記販売データのうちの前記少なくとも1つの商品グループに分類された商品についての売上推移データ及び販促企画データを用いて目的変数を売上数量、説明変数を売り上げに影響を与え得る各要因として前記評価モデルを生成する段階と、
を備えるモデル生成方法。
【請求項2】
前記生成する段階では、前記コンピュータが、前記少なくとも1つの商品グループに分類された商品に共通する属性を抽出し、該属性に基づいて、前記複数の商品のうちの前記売上数量特性の類似度に応じていずれかの商品グループに分類されなかった商品を前記少なくとも1つの商品グループに分類する、請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項3】
前記生成する段階では、前記コンピュータが、前記販促企画データに基づいて前記少なくとも1つの店舗で実施された複数の販促企画のそれぞれについて、それぞれの販促企画で扱われた商品の前記売上数量特性を算出し、該売上数量特性の類似度に応じて前記複数の販促企画を少なくとも1つの販促企画グループに分類し、前記販売データのうちの前記少なくとも1つの販促企画グループに分類された販促企画で扱われた商品についての売上推移データ及び販促企画データを用いて前記評価モデルを生成する、請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項4】
前記取得する段階では、前記コンピュータが、複数の店舗に設置された前記店舗端末から店舗での販促企画の実施状況に関する店舗データを含む前記販売データを取得し、
前記生成する段階では、前記コンピュータが、前記販促企画データ及び前記店舗データに基づいて前記複数の店舗のそれぞれで実施された販促企画の類似度を評価し、該類似度に応じて前記複数の店舗を少なくとも1つの店舗グループに分類し、前記販売データのうち前記少なくとも1つの店舗グループに分類された店舗の販売データを使用して前記評価モデルを生成する、請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項5】
前記売上数量特性は、商品の売上数量を基準とした売上の単位期間の数のヒストグラムであり、前記ヒストグラムは、前記単位期間当たりの商品の売上数量と特定の売上数量を記録した前記単位期間の数に基づいて、商品ごとに正規化又は標準化して決定される、請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項6】
前記評価モデルを生成する段階の前に、前記コンピュータが、前記売上推移データに前記複数の商品のうちの少なくとも1つの商品の定番売価情報が含まれない又は一部欠落している場合に、前記販売データに基づいて前記少なくとも1つの商品の売価を日ごとに抽出し、前記日ごとの売価の最頻値より定番売価を決定する段階をさらに備える、請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項7】
前記評価モデルを生成する段階の前に、前記コンピュータが、前記店舗データに前記販促企画の実施状況に関する情報が含まれない又は一部欠落している場合に、前記販売データに基づいて前記複数の商品のうちの少なくとも1つの商品の売価の推移が予め定められた閾値を下回って低下する期間より割引期間を決定する及び/又は売上数量の推移が予め定められた閾値を超えて増加する期間より販促企画の実施期間を決定する段階をさらに備える、請求項に記載のモデル生成方法。
【請求項8】
前記売上推移データは、前記単位期間ごとの商品の売上点数に関するデータを含む、請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項9】
前記商品属性データは、商品カテゴリ、メーカ、ブランド名、商品名、商品DNA、定番販売価格販売が開始された開始日及び終了した終了日のうちの少なくとも1つに関する情報を含む、請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項10】
前記販促企画データは、企画タイプ、企画名、開始日及び終了日、扱う商品のうちの少なくとも1つに関する情報を含む、請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項11】
前記店舗データは、店舗名、所在地、実施した販促企画のうちの少なくとも1つに関する情報を含む、請求項4に記載のモデル生成方法。
【請求項12】
前記販売データは、さらに、前記店舗の営業日の暦に関する暦データ、前記店舗の営業日の天候に関する天候データ、及び前記店舗の営業日における社会的イベントに関するイベントデータのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項13】
商品の売上数量における販促効果を評価する評価方法であって、
コンピュータが、少なくとも1つの店舗に設置された店舗端末から、前記少なくとも1つの店舗において販売された少なくとも1つの商品に関する販売データであって、前記少なくとも1つの商品の売上数量の推移に関する売上推移データ、前記少なくとも1つの商品の属性に関する商品属性データ、及び実施された販促企画に関する販促企画データを含む販売データを取得する段階と、
前記コンピュータが、請求項1に記載のモデル生成方法により生成された評価モデルに前記販売データを入力して前記評価モデルにおける各販促企画の売上数量への影響度と前記販売データに含まれる売上数量のデータから各販促企画による売上数量増分を算出することで、前記少なくとも1つの商品の売上数量における販促効果を評価する段階と、
を備える評価方法。
【請求項14】
前記コンピュータが、前記少なくとも1つの商品の売上数量における販促効果に基づいて、前記少なくとも1つの商品の売上額における販促効果を算出する段階をさらに備える、請求項13に記載の評価方法。
【請求項15】
前記コンピュータが、前記少なくとも1つの商品の売上数量における販促効果に基づいて、前記少なくとも1つの商品における販促企画の投資利益率を算出し、前記少なくとも1つの商品の売上数量における販促効果及び/又は前記少なくとも1つの商品における販促企画の投資利益率に基づいて、商品別且つ販促企画別の改善優先度を算出する段階をさらに備える、請求項13に記載の評価方法。
【請求項16】
商品の売上数量における販促効果を評価する評価モデルを生成するモデル生成装置であって、
少なくとも1つの店舗に設置された店舗端末から、前記少なくとも1つの店舗において販売された複数の商品に関する販売データであって、前記複数の商品のそれぞれの売上数量の推移に関する売上推移データ、前記複数の商品のそれぞれの属性に関する商品属性データ、及び実施された販促企画に関する販促企画データを含む販売データを取得する第1取得部と、
前記複数の商品のそれぞれについて、単位期間当たりの売上数量に対する該売上数量を達成した単位期間の数についての売上数量特性を算出し、該売上数量特性の類似度に応じて前記複数の商品を少なくとも1つの商品グループに分類し、前記販売データのうちの前記少なくとも1つの商品グループに分類された商品についての売上推移データ及び販促企画データを用いて目的変数を売上数量、説明変数を売り上げに影響を与え得る各要因として前記評価モデルを生成する生成部と、
を備えるモデル生成装置。
【請求項17】
商品の売上数量における販促効果を評価する評価装置であって、
少なくとも1つの店舗に設置された店舗端末から、前記少なくとも1つの店舗において販売された少なくとも1つの商品に関する販売データであって、前記少なくとも1つの商品の売上数量の推移に関する売上推移データ、前記少なくとも1つの商品の属性に関する商品属性データ、及び実施された販促企画に関する販促企画データを含む販売データを取得する第2取得部と、
請求項16に記載のモデル生成装置により生成された評価モデルに前記販売データを入力して前記評価モデルにおける各販促企画の売上数量への影響度と前記販売データに含まれる売上数量のデータから各販促企画による売上数量増分を算出することで、前記少なくとも1つの商品の売上数量における販促効果を評価する評価部と、
を備える評価装置。
【請求項18】
商品の売上数量における販促効果を評価する評価モデルを生成するために、コンピュータに、
少なくとも1つの店舗に設置された店舗端末から、前記少なくとも1つの店舗において販売された複数の商品に関する販売データであって、前記複数の商品のそれぞれの売上数量の推移に関する売上推移データ、前記複数の商品のそれぞれの属性に関する商品属性データ、及び実施された販促企画に関する販促企画データを含む販売データを取得する手順と、
前記複数の商品のそれぞれについて、単位期間当たりの売上数量に対する該売上数量を達成した単位期間の数についての売上数量特性を算出し、該売上数量特性の類似度に応じて前記複数の商品を少なくとも1つの商品グループに分類し、前記販売データのうちの前記少なくとも1つの商品グループに分類された商品についての売上推移データ及び販促企画データを用いて目的変数を売上数量、説明変数を売り上げに影響を与え得る各要因として前記評価モデルを生成する手順と、
を実行させるプログラム。
【請求項19】
商品の売上数量における販促効果を評価するために、コンピュータに、
少なくとも1つの店舗に設置された店舗端末から、前記少なくとも1つの店舗において販売された少なくとも1つの商品に関する販売データであって、前記少なくとも1つの商品の売上数量の推移に関する売上推移データ、前記少なくとも1つの商品の属性に関する商品属性データ、及び実施された販促企画に関する販促企画データを含む販売データを取得する手順と、
請求項18に記載のプログラムを実行することにより生成された評価モデルに前記販売データを入力して前記評価モデルにおける各販促企画の売上数量への影響度と前記販売データに含まれる売上数量のデータから各販促企画による売上数量増分を算出することで、前記少なくとも1つの商品の売上数量における販促効果を評価する手順と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の売上数量における販促効果を評価するためのモデル生成方法、評価方法、評価モデル、モデル生成装置、評価装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品を販売する店舗において、販売を促進するためのさまざまな企画(販促企画と呼ぶ)を実施する。商品の売上数量を増大するために、販促企画を効率良く実施する必要があり、そのためにどのような販促企画によりどの商品の販売数量にどれだけの効果があったのかを把握し、実施する販促企画及びその販促企画で扱う商品を選択する必要がある。例えば特許文献1では、物品の販売及び物品提供サービスの事業における原材料及び資材の調達、並びに人的資源の確保のために、POSデータを用いて将来の需要予測をするための予測方法が開示されている。しかしながら従来の方法では、日単位で販促効果を把握することはできるが、販促企画を選択するために必要な販促企画ごと及び商品ごとの販促効果を把握することができない。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2022-154885号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の第1の態様においては、商品の売上数量における販促効果を評価する評価モデルを生成するモデル生成方法であって、少なくとも1つの店舗に設置された店舗端末から、前記少なくとも1つの店舗において販売された複数の商品に関する販売データであって、前記複数の商品のそれぞれの売上数量の推移に関する売上推移データ、前記複数の商品のそれぞれの属性に関する商品属性データ、及び実施された販促企画に関する販促企画データを含む販売データを取得する段階と、前記複数の商品のそれぞれについて、単位期間当たりの売上数量に対する該売上数量を達成した単位期間の数についての売上数量特性を算出し、該売上数量特性の類似度に応じて前記複数の商品を少なくとも1つの商品グループに分類し、前記販売データのうちの前記少なくとも1つの商品グループに分類された商品についての売上推移データ及び販促企画データを用いて前記評価モデルを生成する段階と、を備えるモデル生成方法が提供される。
【0004】
本発明の第2の態様においては、商品の売上数量における販促効果を評価する評価方法であって、少なくとも1つの店舗に設置された店舗端末から、前記少なくとも1つの店舗において販売された少なくとも1つの商品に関する販売データであって、前記少なくとも1つの商品の売上数量の推移に関する売上推移データ、前記少なくとも1つの商品の属性に関する商品属性データ、及び実施された販促企画に関する販促企画データを含む販売データを取得する段階と、第1の態様のモデル生成方法により生成された評価モデルに前記販売データを入力して、前記少なくとも1つの商品の売上数量における販促効果を評価する段階と、を備える評価方法が提供される。
【0005】
本発明の第3の態様においては、第1の態様のモデル生成方法により生成された評価モデルが提供される。
【0006】
本発明の第4の態様においては、商品の売上数量における販促効果を評価する評価モデルを生成するモデル生成装置であって、少なくとも1つの店舗に設置された店舗端末から、前記少なくとも1つの店舗において販売された複数の商品に関する販売データであって、前記複数の商品のそれぞれの売上数量の推移に関する売上推移データ、前記複数の商品のそれぞれの属性に関する商品属性データ、及び実施された販促企画に関する販促企画データを含む販売データを取得する第1取得部と、前記複数の商品のそれぞれについて、単位期間当たりの売上数量に対する該売上数量を達成した単位期間の数についての売上数量特性を算出し、該売上数量特性の類似度に応じて前記複数の商品を少なくとも1つの商品グループに分類し、前記販売データのうちの前記少なくとも1つの商品グループに分類された商品についての売上推移データ及び販促企画データを用いて前記評価モデルを生成する生成部と、を備えるモデル生成装置が提供される。
【0007】
本発明の第5の態様においては、商品の売上数量における販促効果を評価する評価装置であって、少なくとも1つの店舗に設置された店舗端末から、前記少なくとも1つの店舗において販売された少なくとも1つの商品に関する販売データであって、前記少なくとも1つの商品の売上数量の推移に関する売上推移データ、前記少なくとも1つの商品の属性に関する商品属性データ、及び実施された販促企画に関する販促企画データを含む販売データを取得する第2取得部と、第4の態様のモデル生成装置により生成された評価モデルに前記販売データを入力して、前記少なくとも1つの商品の売上数量における販促効果を評価する評価部と、を備える評価装置が提供される。
【0008】
本発明の第6の態様においては、商品の売上数量における販促効果を評価する評価モデルを生成するために、コンピュータに、少なくとも1つの店舗に設置された店舗端末から、前記少なくとも1つの店舗において販売された複数の商品に関する販売データであって、前記複数の商品のそれぞれの売上数量の推移に関する売上推移データ、前記複数の商品のそれぞれの属性に関する商品属性データ、及び実施された販促企画に関する販促企画データを含む販売データを取得する手順と、前記複数の商品のそれぞれについて、単位期間当たりの売上数量に対する該売上数量を達成した単位期間の数についての売上数量特性を算出し、該売上数量特性の類似度に応じて前記複数の商品を少なくとも1つの商品グループに分類し、前記販売データのうちの前記少なくとも1つの商品グループに分類された商品についての売上推移データ及び販促企画データを用いて前記評価モデルを生成する手順と、を実行させるプログラムが提供される。
【0009】
本発明の第7の態様においては、商品の売上数量における販促効果を評価するために、コンピュータに、少なくとも1つの店舗に設置された店舗端末から、前記少なくとも1つの店舗において販売された少なくとも1つの商品に関する販売データであって、前記少なくとも1つの商品の売上数量の推移に関する売上推移データ、前記少なくとも1つの商品の属性に関する商品属性データ、及び実施された販促企画に関する販促企画データを含む販売データを取得する手順と、第6の態様のプログラムを実行することにより生成された評価モデルに前記販売データを入力して、前記少なくとも1つの商品の売上数量における販促効果を評価する手順と、を実行させるプログラムが提供される。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本実施形態に係る販促効果評価システムの構成を示す。
図1B】モデル生成装置の機能構成を示す。
図1C】評価装置の機能構成を示す。
図2A】データ取得段階で取得される各種データを示す。
図2B】モデル生成のために入力するデータの一例を示す。
図2C】評価モデルパラメータの一例を示す。
図3A】評価装置に追加入力するデータを示す。
図3B】評価装置から出力されるデータの一例を示す。
図4A】評価モデルの生成フローを示す。
図4B】評価モデル生成段階のサブフローを示す。
図5】販促期間特定のフローを示す。
図6A】割引期間特定の概略を示す。
図6B】販促期間特定の概略を示す。
図7】定番売価特定のフローを示す。
図8】定番売価特定の概略を示す。
図9】販促企画グルーピングのフローを示す。
図10A】販促企画の日別売上数量の集計データの一例を示す。
図10B】販促企画の売上数量特性の一例を示す。
図10C】販促企画間の売上数量特性の類似度の一例を示す。
図10D】販促企画グルーピングの一例を示す。
図11】店舗グルーピングのフローを示す。
図12A】店舗における販促企画実施状況の集計データの一例を示す。
図12B】店舗間の販促企画実施状況の類似係数の一例を示す。
図12C】店舗グルーピングの一例を示す。
図13】商品グルーピングのフローを示す。
図14A】商品の日別売上数量の集計データの一例を示す。
図14B】商品の売上数量特性の一例を示す。
図14C】商品間の売上数量特性の類似度の一例を示す。
図14D】商品グルーピングの一例を示す。
図15】新製品分類のフローを示す。
図16】新製品分類チャートの一例を示す。
図17】モデル構築のフローを示す。
図18A】販促効果の評価フローを示す。
図18B】販促効果評価のサブフローを示す。
図19】販促企画別の改善優先度(Tier)決定表の一例を示す。
図20】コンピュータの構成の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1Aに、本実施形態に係る販促効果評価システム1の構成を示す。販促効果評価システム1は、各店舗において商品の販売を促進するために実施した販促企画の効果を解析するシステムであり、店舗端末10、モデル生成装置20、評価装置30、外部データベース40、及び外部記憶装置50を備える。これらはインターネット等のネットワーク60を介して互いに通信可能に接続されている。
【0014】
店舗端末10は、各店舗に設置されて各店舗において商品の販売に関するデータ(販売データと呼ぶ)100を集計し、記録するコンピュータ装置である。店舗端末10は、例えばPOS端末或いは複数のPOS端末を統括する端末装置であってよい。店舗端末10は、中央処理装置(CPU)、通信装置、及び記憶装置(いずれも不図示)を備える。CPUにより専用プログラムを実行することで商品取引情報の記録機能を発現する。なお、専用プログラムは、例えばROM(不図示)に記憶され、それをCPUが読み出し、あるいはCD-ROM等の記憶媒体に記憶され、それをCPUが読み取り装置(不図示)を用いて読み出し、あるいはクラウド(複数の分散サーバあるいは複数のサブシステム等)に記憶され、それを通信装置を介してクラウドからCPUが読み出し、RAMに展開することで起動される。通信装置は、ネットワーク60を介してモデル生成装置20、評価装置30、及び外部記憶装置50と相互に通信する手段であり、一例としてTCP/IP等のプロトコルを利用して通信することができる。通信装置は、有線通信又は無線通信のどちらの通信方法を採用してもよい。記憶装置は,後で説明する販売データ100を記憶するハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置である。本実施形態では、記憶装置は、店舗端末10内に備えられている。店舗端末10は、ネットワーク60を介してモデル生成装置20と通信して、評価モデル生成に必要な販売データ100をモデル生成装置20に提供することができる。なお、記憶装置として外部記憶装置50を使用してもよい。
【0015】
店舗端末10は、商品の取引について、商品の定番販売価格である定価を含む商品情報、商品の売り上げ個数である売上点数、商品が取引された取引日、及び売上点数に売値である売価をかけて集計された売上等を販売データ100(図2A参照)として記録する。店舗端末10は、日ごとの売上個数及び/又は売上を集計し、売上推移としてシステム1に提供することができる。
【0016】
モデル生成装置20は、商品の売上数量における販促効果を評価する評価モデルを生成するコンピュータ装置である。モデル生成装置20は、中央処理装置(CPU)、通信装置、及び記憶装置(いずれも不図示)を備える。CPUにより専用プログラムを実行することでモデル生成機能を発現する。なお、専用プログラムは、例えばROM(不図示)に記憶され、それをCPUが読み出し、あるいはCD-ROM等の記憶媒体に記憶され、それをCPUが読み取り装置(不図示)を用いて読み出し、あるいはクラウド(複数の分散サーバあるいは複数のサブシステム等)に記憶され、それを通信装置を介してクラウドからCPUが読み出し、RAMに展開することで起動される。通信装置は、ネットワーク60を介して店舗端末10、評価装置30、外部データベース40、及び外部記憶装置50と相互に通信する手段であり、一例としてTCP/IP等のプロトコルを利用して通信することができる。記憶装置は,作成された評価モデル及び販売データ100等の各種情報を記憶するハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置である。本実施形態では、記憶装置は、モデル生成装置20内に備えられている。モデル生成装置20は、ネットワーク60を介して評価装置30と通信し、作成された評価モデルを評価装置30に提供することができる。なお、記憶装置は、ネットワーク60から独立して配置し、例えばSCSI,SATA等のインタフェースを介して評価装置30と接続してもよい。なお、記憶装置として外部記憶装置50を使用してもよい。
【0017】
図1Bに、モデル生成装置20の機能構成を示す。モデル生成装置20は、第1取得部21、生成部22、及び記憶部23を備える。
【0018】
第1取得部21は、各店舗に設置された店舗端末10から、その店舗において販売された複数の商品に関する販売データ100を取得する。また、第1取得部21は、外部データベース40に接続して、販売データ100を補う情報を含む外部データ105を取得する。
【0019】
図2Aに、販売データ100の一例を示す。販売データ100は、複数の商品のそれぞれの売上数量の推移に関する売上推移データ101、複数の商品のそれぞれの属性に関する商品属性データ102、実施された販促企画に関する販促企画データ103、及び販促企画の店舗での実施状況に関する店舗データ104を含む。売上推移データ101、商品属性データ102、販促企画データ103、及び店舗データ104は店舗端末10で生成及び記憶され、店舗端末10からモデル生成装置20に提供される。販売データ100は、さらに、情報を補うための外部データ105として、店舗の営業日の暦に関する暦データ106、店舗の営業日の天候に関する天候データ107、及び店舗の営業日における社会的イベントに関するイベントデータ108を含む。
【0020】
売上推移データ101は、商品の売上点数の推移に関するデータであり、商品販売のたびにレコードされる売上明細データを蓄積したものである。売上明細データは、一般的にPOS端末で使われるデータであってよく、一例として、商品を売り上げた売上日の日付、店舗の名称と、店舗の住所又は地域名を示した所在地と、店舗ごとに割り振られた店舗番号とのうちの少なくともいずれか一つを含む店舗情報、商品のカテゴリ(大カテゴリ、中カテゴリ、及び小カテゴリ)及び商品の名称の情報を含む商品情報、管理用に商品ごとに割り当てられたPOSコードを含む商品管理番号、割引等を含んだ実際の売値である売価、日付に示された店舗営業日に取引された商品の個数である売上点数、及び売上点数に売価をかけて集計された売上金額、割引価格で取引された商品の個数である値下げ点数、及び割引された価格である値下げ金額を含む。本例では、売上推移データ101の第1行の売上明細データは、売上日「2023年5月2日」に、店舗情報に示す「横浜店」で、商品管理番号「69832984」で管理される商品情報に示す「全国清酒」の「山田錦 純米大吟醸」が、売価に示す「1300」円で売上点数に示す「1」点販売され、売上金額「1300」円が得られたが、値下げ点数に示す「1」点が値下げ金額に示す「300」円値引きされていたことを示す。売上推移データ101の第2行の売上明細データは、売上日「2023年5月2日」に、店舗情報に示す「川崎店」で、商品管理番号「10984958」で管理される商品情報に示す「加工乳」の「おいしいミルク」が、売価に示す「190」円で売上点数に示す「2」点販売され、売上金額「380」円が得られ、値下げ点数に示す「0」点から値引き販売はされなかったことを示す。
【0021】
商品属性データ102は、商品ごとの名称及び商品特徴に関する商品管理に用いられるデータである。商品の分類を示す商品カテゴリ(大カテゴリ、中カテゴリ、及び小カテゴリを含んでよい)、商品の製造又は販売会社を示すメーカ名、メーカが商品を識別するために定めた名称等であるブランド名、メーカが定めた商品の名称である商品名、商品ごとに割り振られた管理番号であるPOSコード、商品の特徴を端的に説明する商品DNA、定番販売価格である定価、販売が開始された開始日及び終了した終了日等の情報を含む。商品属性データ102は、店舗間で共通管理されていてもよく、商品管理目的で設定した最小管理単位とそれに紐づけられたデータ群(SKUデータ)でもよい。本例では、商品属性データ102の第1行目は、商品カテゴリに示す「うどん」であり、メーカ名に示す「メーカA」が製造する、ブランド名に示す「ブランドA」の「Xxうどん250g」が、商品DNAに示す「のどごし」が特徴で、定価に示す「250」円で、販売開始日に示す「2000年12月1日」から販売されていることを示す。商品属性データ102の第2行目は商品カテゴリに示す「つや姫」であり、メーカ名に示す「メーカB」が製造する、ブランド名に示す「ブランドB」の「Xxx山形産つや姫 5kg」が、商品DNAに示す「もちもち」が特徴で、定価に示す「1900」円で、販売開始日に示す「2012年4月24日」から販売されていることを示す。
【0022】
販促企画データ103は、販促企画の概要を示す企画タイプ、企画につけられる企画名、企画ごとに割り振られた企画コード、実施された販促企画の開始日及び終了日、及び販促企画上で扱う商品を示す商品コード等の情報を含む。販促企画データ103は、店舗間で共通していてもよい。販促企画データ103は、管理サーバ上で保存管理される。本例では、販促企画データ103の第1行目は、企画コード「10940」であり、企画タイプ「土日メニュー」の企画名「土日 日用品」という販促企画が、開始日に示す「2022年1月20日」から終了日に示す「2022年2月20日」まで商品コード「34395439」の商品を対象に実施されたことを示す。販促企画データ103の第2行目は、企画コード「15349」であり、企画タイプ「月火水メニュー」の企画名「月火水 日替わり」という販促企画が、開始日に示す「2022年4月19日」から終了日に示す「2022年4月21日」まで商品コード「98027485」の商品を対象に実施されたことを示す。
【0023】
店舗データ104は、各店舗の名称である店舗名と、各店舗に割り振られた店舗コードと、各店舗の住所もしくは所在地域を示す所在地とのうち少なくとも1つを含む店舗情報、各店舗において実施した販促企画に関する企画タイプと、企画名と、企画コードとのうち少なくとも1つの企画を特定する情報、開始日及び終了日等の情報を含む。各店舗において実施した販促企画は、企画タイプ又は企画コードを基に販促企画データ103と紐づけることができる。店舗データ104は、各店舗ごと又は管理サーバ上で保存管理される。本例では、店舗データ104の第1行目は、店舗コード「390」の店舗名「横浜店」が、企画タイプが「土日メニュー」である企画名「土日 雑貨」という販促企画を開始日に示す「2022年10月19日」から終了日に示す「2022年10月20日」まで実施したことを示す。店舗データ104の第2行目は、店舗コード「130」の店舗名「渋谷店」が、企画タイプが「月火水均一」である企画名「月火水 均一」という販促企画を開始日に示す「2022年10月12日」から終了日に示す「2022年10月14日」まで実施したことを示す。
【0024】
暦データ106は、店舗の非営業日、国民の祝日、一般に認知される風習にまつわる日のうち少なくとも1つに関する情報を含む。一般に認知される風習にまつわる日は、法的に定められていないが購買活動に変化が予想される日であり、例えばバレンタインデー、クリスマス、盆を指す。本例では、暦データ106の例として、非営業日データ、GW・年末データ、祝日データを示す。本例では、非営業日データの第1行目は、日付に示す「2021年1月1日」が、曜日に示す「金」曜日であり、店舗の非営業日であったことを示す。非営業日データの第2行目は、日付に示す「2021年1月2日」が、曜日に示す「土」曜日であり、店舗の非営業日であったことを示す。本例では、GW・年末データの第1行目は、日付に示す「2022年5月1日」が、祝日名に示す「GW」の日目に示す「1」日目であったことを示す。GW・年末データの第2行目は、日付に示す「2022年5月2日」が、祝日名に示す「GW」の日目に示す「2」日目であったことを示す。本例では、祝日データの第1行目は、日付に示す「2020年7月23日」が、祝日名に示す「海の日」であったことを示す。祝日データの第2行目は、日付に示す「2020年8月10日」が、祝日名に示す「山の日」であったことを示す。
【0025】
天候データ107は、店舗の営業日における日付、店舗所在地域の天気、最低気温、最高気温、平均気温、湿度、気圧、降水確率に関する情報のうち少なくとも1つを含む。本例では、天候データ107の第1行目は、日付に示す「2021年1月1日」が、平均気温「7」℃、最高気温「10」℃、最低気温「1」℃であり、合計降水確率「0」%、最大降水確率「0」%となった、天気に示す「快晴」であったことを示す。天候データ107の第2行目は、日付に示す「2021年1月2日」が、平均気温「6」℃、最高気温「7」℃、最低気温「4」℃であり、合計降水確率「10」%、最大降水確率「5」%となった、天気に示す「晴れ」であったことを示す。
【0026】
イベントデータ108は、社会的なイベントに関する情報を含む。社会的なイベントとは、購買活動に影響を及ぼす社会情勢の変化であり、例えば感染症の蔓延、感染症の蔓延に伴う緊急事態宣言の発出、税制変更を指す。本例では、イベントデータ108の例として、コロナイベントデータ、コロナ感染症データ、増税前期間データを示す。本例では、コロナイベントデータの第1行目は、日付に示す「2020年4月1日」が、イベント名に示す「緊急事態宣言」について、フラグに示す「1001」として発令から1日目であることを示す。コロナイベントデータの第2行目は、日付に示す「2020年4月2日」が、イベント名に示す「緊急事態宣言」について、フラグに示す「1002」として発令から2日目であることを示す。コロナ感染者数データの第1行目は、日付に示す「2020年5月10日」に確認されていたコロナ感染者数が、感染者数に示す「103」人であったことを示す。コロナ感染者数データの第1行目は、日付に示す「2020年5月11日」に確認されていたコロナ感染者数が、感染者数に示す「140」人であったことを示す。増税前期間データの第1行目は、日付に示す「2019年9月1日」は、説明に示す「増税前30日前」であり、増税発表から日目に示す「1」日目であることを示す。増税前期間データの第2行目は、日付に示す「2019年9月2日」は、説明に示す「増税前29日前」であり、増税発表から日目に示す「2」日目であることを示す。イベントデータ108は、ここで挙げたコロナイベントデータ、コロナ感染症データ、増税前期間データに限らず、購買活動に影響を及ぼし得る社会的イベントであれば記録されてよい。例えば雑誌の販促企画の解析を行う場合であれば、直近に起きた大きな事件及びその続報が報じられた日付等の情報を含み得る。
【0027】
生成部22は、複数の商品のそれぞれについて売上数量特性を算出し、その類似度に応じて複数の商品を少なくとも1つの商品グループに分類し、販売データ100のうちの各商品グループに分類された商品についての売上推移データ101及び販促企画データ103を用いて評価モデルを生成する。ここで、売上数量特性は、商品の売上数量を基準とした売上の単位期間(基準期間幅とも呼ぶ)の数のヒストグラムであり、ヒストグラムは、単位期間当たりの商品の売上数量と特定の売上数量を記録した単位期間の数に基づいて、商品ごとに正規化又は標準化して決定される。ヒストグラムを用いることで、異なる基準期間幅又は異なる売上数量の規模の販促企画でも比較を行うことができる。なお、生成部22による評価モデルの生成については後述する。
【0028】
生成部22は評価モデル生成時に、販売データ100を売上数量に影響する要因の情報を含むように編集した投入データ109を作成し、投入データ109を基に評価モデルを生成する。生成部22が生成した評価モデルは、売上数量に対する各要因の影響度を表す複数のパラメータ(評価モデルパラメータとも呼ぶ)110として出力される。
【0029】
投入データ109は、モデル生成のために販売データ100から必要項目を抽出及び整理することで生成される。本実施形態では、曜日による売上への影響を明確にするために売上日から6日前までの各日の売上数量情報を抽出し、投入データ109に含める。
【0030】
図2Bに、投入データ109の一例を示す。投入データ109は、斜線の欄にモデル生成の目的変数とする売上が、ドット柄の欄に説明変数として各要因の項目がそれぞれ示されている。本例において、投入データ109は、説明変数として売上数量(-1日)、売上数量(-2日)、売上数量(-3日)、売上数量(-4日)、売上数量(-5日)、売上数量(-6日)、商品分類を示すカテゴリ、販促企画時の割引額、基本となる販売価格である定番売価(例えば、マスタ売価)、販促企画グループの各グループ名、社会的なイベントデータ(例えば、コロナイベント、コロナ感染者数、増税前期間)、及び気温(平均気温、最高気温、最低気温)及び天気を含む天候データ、idを含む。ここで、idは商品別日別に割り振られたデータを判別するためのエントリ番号である。本例では、投入データ109の第1行目は、id「1020」が割り振られた売上数量が「190」個の日は、売上数量(-1日)「292」個、売上数量(-2日)「123」個、売上数量(-3日)「134」個、売上数量(-4日)「194」個、売上数量(-5日)「133」個、売上数量(-6日)「185」個であって、商品の分類がカテゴリ大「洋日配」、カテゴリ中「牛乳」、カテゴリ小「加工乳」の商品が、割引額「20」円を商品のマスタ売価「190」円から割り引く企画グループ「販促_月火水メニュー」の販促企画が実施され、売上日にはコロナイベント「1021」が生じ、コロナ感染者数が「120」人確認され、連休でない休日であり、増税前期間ではなく、平均気温が「19」℃、最高気温が「25」℃、最低気温が「13」℃、合計降水確率が「10」%、最高降水確率が「5」%であったことを示している。投入データ109の第2行目は、id「1021」が割り振られた売上数量「204」個の日は、売上数量(-1日)「324」個、売上数量(-2日)「180」個、売上数量(-3日)「193」個、売上数量(-4日)「173」個、売上数量(-5日)「221」個、売上数量(-6日)「253」個であって、商品の分類がカテゴリ大「酒」、カテゴリ中「清酒」、カテゴリ小「全国清酒」の商品が、商品のマスタ売価「1500」円として販促企画は実施されておらず、売上日にはコロナイベント「1022」が生じ、コロナ感染者数が「181」人確認され、連休でない休日であり、増税前期間ではなく、平均気温が「24」℃、最高気温が「29」℃、最低気温が「22」℃、合計降水確率が「0」%、最高降水確率が「0」%であったことを示している。
【0031】
評価モデルパラメータ110は、生成部22が投入データ109を基に生成した評価モデルにおける、投入データ109に含まれた各要因の売上数量に対しての影響度(SHAP値)を含む。評価モデルパラメータ110は、生成部22から、商品別日別に算出され、出力される。
【0032】
図2Cに、評価モデルパラメータ110の一例を示す。本例において、評価モデルパラメータ110に含まれる各要因の項目のうち、販促企画効果にあたる項目が太枠で囲われている。本例では、評価モデルパラメータ110の第1行目は、投入データ109に対応するid「1020」では、売上数量(-1日)のSHAP値が「0.21」、売上数量(-2日)のSHAP値が「0.43」、売上数量(-3日)のSHAP値が「-0.41」、売上数量(-4日)のSHAP値が「-0.41」、売上数量(-5日)のSHAP値が「-0.63」、売上数量(-6日)「0.56」であって、カテゴリ大のSHAP値が「1.24」、カテゴリ中のSHAP値が「0.51」、カテゴリ小のSHAP値が「0.01」となり、割引額のSHAP値が「5.31」商品のマスタ売価のSHAP値が「9.43」販促_月火水メニューに分類される販促企画のSHAP値が「10.32」、コロナイベントのSHAP値が「-0.45」、コロナ感染者数のSHAP値が「-0.53」、休日のSHAP値が「9.14」、平均気温のSHAP値が「0.02」、最高気温のSHAP値が「0.04」、最低気温のSHAP値が「0.00」、合計降水確率のSHAP値が「0.00」、最高降水確率のSHAP値が「0.13」であったことを示している。評価モデルパラメータ110の第2行目は、投入データ109に対応するid「1021」では、売上数量(-1日)のSHAP値が「0.53」、売上数量(-2日)のSHAP値が「0.24」、売上数量(-3日)のSHAP値が「0.24」、売上数量(-4日)のSHAP値が「-0.21」、売上数量(-5日)のSHAP値が「-0.13」、売上数量(-6日)「1.43」であって、カテゴリ大のSHAP値が「2.53」、カテゴリ中のSHAP値が「1.53」、カテゴリ小のSHAP値が「0.56」となり、商品のマスタ売価のSHAP値が「14.51」、コロナイベントのSHAP値が「-0.56」、コロナ感染者数のSHAP値が「-0.87」、休日のSHAP値が「2.10」、平均気温のSHAP値が「0.12」、最高気温のSHAP値が「0.42」、最低気温のSHAP値が「0.03」、合計降水確率のSHAP値が「0.00」、最高降水確率のSHAP値が「0.00」であったことを示している。
【0033】
記憶部23は、生成部22で作成された評価モデル及び販売データ100等の各種情報を記憶する。ネットワーク60を介して、又は評価装置30とSCSI,SATA等のインタフェースを介して、評価装置30と通信し、生成部22で作成された評価モデルを評価装置30に提供することができる。
【0034】
評価装置30は、モデル生成装置20により生成された評価モデルに販売データ100のうち評価を確認したい販促企画及び販促対象の商品に関するデータを入力して、各商品の売上数量における販促効果を評価するコンピュータ装置である。評価装置30は、中央処理装置(CPU)、通信装置、及び記憶装置(いずれも不図示)を備える。CPUにより専用プログラムを実行することで販促効果評価機能を発現する。なお、専用プログラムは、例えばROM(不図示)に記憶され、それをCPUが読み出し、あるいはCD-ROM等の記憶媒体に記憶され、それをCPUが読み取り装置(不図示)を用いて読み出して、あるいはクラウド(複数の分散サーバあるいは複数のサブシステム等)に記憶され、それを通信装置を介してCPUが読み出して、RAMに展開することで起動される。通信装置は、ネットワーク60を介して店舗端末10、モデル生成装置20、外部データベース40、及び外部記憶装置50と相互に通信する手段であり、一例としてTCP/IP等のプロトコルを利用して通信することができる。出力装置は、モデル評価の結果を提示するための手段であり、例えばモニタ又は印刷機であり、画面表示又は紙上への印字といった、視覚的な表現を行うことができる。
【0035】
図1Cに、評価装置30の機能構成を示す。評価装置30は、第2取得部31、評価部32、及び出力部33を備える。なお、評価装置30は、モデル生成装置20と同一の装置に組み込まれてもよい。
【0036】
第2取得部31は、各店舗に設置された店舗端末10から各店舗において販売された商品と各商品の売上数量と販促企画に関する販売データ100、モデル生成装置20から作成された評価モデルパラメータ110をそれぞれ取得する。さらに、第2取得部31は、各店舗端末10又は外部記憶装置50から、少なくとも販促企画の実施費用を含む企画費用データ111を取得する。
【0037】
図3Aに企画費用データ111の一例を示す。企画費用データ111は、販促企画実施にかかる費用の内訳を含む情報を含む。販促企画実施にかかる費用とは、例えばチラシ広告であれば、チラシの印刷費及びチラシの折込費等である。企画費用データ111には、例えば企画コードと、企画名と、企画タイプとのうち少なくとも1つを含む企画を特定する企画情報、チラシの印刷費、チラシの折込費、印刷費及び折込費の費用合計、チラシの折込数である折込部数、チラシ1部当たりの印刷に係る印刷単価、チラシ1部当たりの折込に係る折込単価などが含まれる。本例では、企画費用データ111の第1行目は、企画タイプ「産地フェア」の企画名「北海道 日用雑貨」という企画が、印刷費「1,493,032」円、折込費「2,194,039」円の、費用合計「3,687,071」円で、折込部数「394,294」部のチラシ配布を行い、印刷単価「3.79」円、折込単価「5.56」円であったことを示している。企画費用データ111の第2行目は、企画タイプ「平日均一」の企画名「平日 均一」という企画が、印刷費「2,103,439」円、折込費「1,429,309」円の、費用合計「3,532,748」円で、折込部数「452,357」部のチラシ配布を行い、印刷単価「4.65」円、折込単価「3.16」円であったことを示している。チラシ以外の販促は、例えばCMであれば、「CM撮影費」、「CM編集費」、「CM放映費」、「費用合計」、「CM秒数」、「CM放映先」、「CM放映回数」、「CM放映時平均視聴率/CMスキップ率」などの項目が含まれ得る。
【0038】
評価部32は、モデル生成装置20により生成された評価モデルに販売データ100を入力して、各商品の売上数量における販促効果を評価する。本実施形態では、評価部32は、モデル生成装置20により生成された評価モデルにおける各販促企画の売上数量への影響度(評価モデルパラメータ110)と販売データ100に含まれる売上数量のデータから各販促企画による売上数量増分を算出し、売上数量増分に売価を掛け合わせた売上金額増分と企画実施に係る経費から投資利益率を算出し、販促企画別の改善優先度を決定する。評価部32は、商品ごとの売り上げ予想、社会的イベントの売上金額増分予想を行うこともできる。
【0039】
出力部33は、評価部32による販促効果の評価結果をデータファイル又は印刷物として数値情報又は数値情報を基に作られた図表等の形で出力する。本実施形態では、出力部33は、評価部32が作成した投資利益率及び販促企画別の改善優先度を提示するが、販促企画の売上金額増分を出力してもよい。出力部33は、商品の売り上げ予想、社会的イベントの売上金額増分予想を出力することもできる。販促効果の評価結果は、数値情報の場合に商品別販促企画別の評価データ112として出力される。
【0040】
図3Bに、評価データ112の一例を示す。評価データ112は、販促企画ごとの効果を評価したものであり、各販促企画の売り上げ見込み、販促企画の優先順といった情報を含む。評価データ112は、企画名及び企画コードを含む販促企画情報、商品名、POSコード等の対象商品データ、売上の全体数量、告知割引増分及び告知増分といった販促企画効果の内訳、対象商品の売価、企画実施費などの投資費用、予想される利益額を含む販促効果、投資利益率であるROI及び販促企画別の改善優先度であるティア(Tier)等の評価を含む。本例では、評価データ112の第1行目は、企画名「月火水 均一」という企画が、商品名「xxxミルク 500ml」の売上個数である全体数量「123」個に対して、告知割引増分「34」個、告知増分「23」個が増したとして、告知割引/割引が「1.48」となり、売価が「209」円で投資費用が「29,341」円であったことから利益額が「2,945」円となり、数量増分割合が「21.4」、ROIが「10.3」、販促企画別の改善優先度がTierに示す「4」であったことを示している。評価データ112の第2行目は、企画名「月火水 日用品」という企画が、商品名「xxx鍋引き」の売上個数である全体数量「93」個に対して、告知割引増分「19」個、告知増分「4」個が増したとして、告知割引/割引が「4.75」となり、売価が「301」円で投資費用が「30,921」円であったことから利益額が「1,920」円となり、数量増分割合が「13.5」、ROIが「3.4」、販促企画別の改善優先度がTierに示す「7」であったことを示している。
【0041】
外部データベース40は、販促効果評価システム1に対して各種データを提供するデータベースである。各種データは、例えば、前述の暦データ106、天候データ107、イベントデータ108を含む外部データ105である。外部データベースは個別に用意しなくてもよく、例えば、インターネットを介して外部情報提供機関のデータを利用してもよい。外部情報提供機関のデータは、例えば、気象庁の気象データ及び国立感染症研究所の感染症発生動向調査などである。外部情報提供機関を利用しない場合、外部データベース40はネットワーク60に通信可能に接続された、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置でよく、店舗端末10又はモデル生成装置20からネットワーク60を介して管理される。なお、外部情報提供機関を利用しない場合、外部データベース40として、外部記憶装置50を利用してもよい。
【0042】
外部記憶装置50は、ネットワーク60に通信可能に接続された、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置であり、通信履歴、モデル生成装置20によって生成されたモデル、評価装置30によって生成された販促効果の評価データ等を記録できる。なお、外部記憶装置50は、中央処理装置(CPU)と通信装置を含み、CPUが専用のプログラムによって外部データベース40から周期的に自動で外部データ105を取得し、記憶してもよい。外部記憶装置50は、店舗端末10の記憶装置、モデル生成装置20の記憶装置、評価装置30に増設された記憶装置、外部データベース40等と機能を共有してもよい。外部記憶装置50は、クラウド(複数の分散サーバあるいは複数のサブシステム等)形式で管理されてよい。
【0043】
ネットワーク60は、店舗端末10、モデル生成装置20、評価装置30、外部データベース40、及び外部記憶装置50を相互に通信可能に接続する通信網である。ネットワーク60は、一例としてインターネットであるとするが、これに限らず、これらの間で相互に通信することができれば、ローカルエリアネットワーク、電話回線等、任意の通信網を採用してもよいし、複数の通信網が混在したネットワークとしてもよい。
【0044】
図4Aに、モデル生成のフローを示す。フローは、モデル生成装置20上でユーザが開始指示を入力することで開始される。
【0045】
ステップS100では、モデル生成装置20(第1取得部21)が、複数の店舗に設置された店舗端末10から、それぞれの店舗において販売された複数の商品に関する販売データ100を取得する。販売データ100については、先に図2Aを用いて説明したとおりである。
【0046】
ステップS200では、モデル生成装置20(生成部22)が、複数の商品のそれぞれについて、単位期間当たりの売上数量に対する該売上数量を達成した単位期間の数についての売上数量特性を算出し、売上数量特性の類似度に応じて複数の商品を少なくとも1つの商品グループに分類し、販売データ100のうちの各商品グループに分類された商品についての売上推移データ101及び販促企画データ103を用いて評価モデルを生成する。
【0047】
図4Bに、ステップS200のサブフローを示す。
【0048】
ステップS210では、モデル生成装置20(生成部22)が、データ結合・クレンジングとして、取得した販売データ100を結合及びクレンジングすることで整理する。データ結合では、販売データ100に含まれる複数のテーブルを結合し必要なデータを1つにまとめることで、項目数の削減及び処理に適した形式にデータを統一する。クレンジングでは、処理に使わないデータを削除しデータ容量を削減する。ステップS210は、欠落したデータを補うためのステップ、例えば、販促期間特定を行うステップS220及び定番売価特定を行うステップS230を含んでもよい。
【0049】
図5に、ステップS220のサブフローを示す。ステップS220は、モデル生成装置20(生成部22)が、販売データ100に基づいて各商品の売価及び/又は売上数量の推移より販促企画の実施期間を決定する。ステップS220は、店舗別商品別の売価及び売上数量の集計、日別売価の平滑化、割引期間の決定、日別売上数量の平滑化、販促期間の決定の手順からなる。ステップS220は、店舗データ104に店舗ごとの販促企画実施情報が含まれない、又は一部欠落している場合に行われる。
【0050】
ステップS221では、モデル生成装置20(生成部22)が、店舗データ104に店舗ごとの販促企画実施情報が含まれない、又は一部欠落しているかを判断する。販促企画実施情報が含まれない又は一部欠落していると判断された場合、ステップS222に進み、販促企画実施情報が含まれ且つ不足もないと判断された場合、サブフローを終了する。
【0051】
ステップS222では、モデル生成装置20(生成部22)が、店舗別商品別に売価及び売上数量を集計する。店舗別商品別売価及び売上数量の集計は、売上推移データ101を基に各店舗各商品の売価及び売上数量を日ごとに抽出し、日付と売価及び売上数量の情報を営業日数分含んだデータを作成する。
【0052】
ステップS223では、モデル生成装置20(生成部22)が、日別売価を平滑化する。日別売価の平滑化は、集計によって得られた売価の継時的なデータを、範囲期間を一定方向に移動させつつ範囲期間における平均値を取得する移動平均法を用いることでデータを平滑にする。平滑化は移動平均法以外の方法を用いてもよい。
【0053】
ステップS224では、モデル生成装置20(生成部22)が、平滑化された売価データにおいて、売価が予め定められた閾値を下回って低下する期間が確認できるかを判断する。売価が閾値を下回る期間を割引期間とみなすことができる。閾値は予め適宜設定してよい。売価が閾値を下回る期間が確認できなかった場合、ステップS225を省略する。
【0054】
ステップS225では、モデル生成装置20(生成部22)が、割引期間を決定する。割引期間は、平滑化された売価データにおいて売価が閾値を下回って低下した期間から決定される。
【0055】
ステップS226では、モデル生成装置20(生成部22)が、日別売上数量を平滑化する。日別売上数量の平滑化は、集計によって得られた売上数量の継時的なデータを、範囲期間を一定方向に移動させつつ範囲期間における平均値を取得する移動平均法を用いることでデータを平滑にする。平滑化は移動平均法以外の方法を用いてもよい。
【0056】
ステップS227では、モデル生成装置20(生成部22)が、平滑化された売上数量データにおいて、売上数量が予め定められた閾値を超えて増加する期間が確認できるかを判断する。売上数量が閾値を超える期間を販促期間とみなすことができる。閾値は予め適宜設定してよい。売上数量が閾値を超える期間が確認できなかった場合、ステップS228のステップを省略する。
【0057】
ステップS228では、モデル生成装置20(生成部22)が、販促期間を決定する。販促期間は、平滑化された売上数量データにおいて売上数量が閾値を超えて増加した期間から決定される。販促期間に行われていた販促企画は、販促企画データ103から特定される。
【0058】
ステップS228の省略又は終了により、評価モデル生成における販促期間特定が完了する。
【0059】
図6Aに、割引期間特定の決定方法の概略を示す。ここで、縦軸は販促対象である商品の売価、横軸は時間である。図中の破線は売価の平滑化前の推移を、細い実線は平滑後の推移を示している。本実施形態では、売価の基準値を細線で示す全期間の売価最頻値とし、平滑化された売価が売価最頻値の95%に設定した太線で示す閾値を下回った期間を割引期間に決定する。
【0060】
図6Bに、販促期間特定の決定方法の概略を示す。ここで、縦軸は販促対象の商品の売上数量、横軸は時間である。図中の破線は売上数量の平滑化前の推移を、細い実線は平滑後の推移を示している。本実施形態では、売上数量の基準値を細線で示す全期間の売上数量最頻値とし、売上数量最頻値の110%に設定した太線で示す閾値を超えた期間を割引期間に決定する。
【0061】
図7に、ステップS230のサブフローを示す。ステップS230は、販売データ100に基づいて各商品の売価の最頻値より定番売価を決定する。ステップS230は、店舗別商品別売価の集計及び定番売価算出の手順からなる。ステップS230は、売上推移データ101に、割引など売価を変動させる際の基準となる定番売価の情報が少なくとも1つの商品又は少なくとも一つの店舗で欠落している場合に実行される。本実施形態では、定番売価は店舗別に算出するが、例えば地域別に複数店舗でまとめて特定してもよい。
【0062】
ステップS231では、モデル生成装置20(生成部22)が、売上推移データ101に定番売価情報が含まれない又は一部欠落しているかを判断する。定番売価情報が含まれない又は一部欠落していると判断された場合、ステップS232に進み、定番売価情報が含まれ且つ欠落もないと判断された場合、サブフローを終了する。
【0063】
ステップS232では、モデル生成装置20(生成部22)が、店舗別商品別売価を集計する。店舗別商品別売価の集計は、売上推移データ101を基に各店舗各商品の売価を日ごとに抽出し、販促企画の実施期間から日ごとの売価の情報を営業日数分含んだデータに整理することで行われる。集計された店舗別商品別売価は、店舗別商品別に、日ごとの売価のみを記録した情報となる。
【0064】
ステップS233では、モデル生成装置20(生成部22)が、定番売価を算出する。店舗別商品別に集計した売価のうち最頻値である売価を、定番売価と決定することができる。
【0065】
ステップS233の省略又は終了により、定番売価特定が完了する。
【0066】
図8に、定番売価の決定方法の概略を示す。ここで、縦軸は各店舗おいて商品が特定の売価で販売されていた日数、横軸は各店舗における商品の売価である。本実施形態では、定番売価は、各店舗各商品において特定の売価に設定されていた日数が期間中で最も多い売価に決定される。
【0067】
図9に、ステップS240のサブフローを示す。ステップS240は、販促企画データ103に基づいて、販促企画グルーピングを行う。販促企画グルーピングは、各店舗で実施された複数の販促企画のそれぞれについて、それぞれの販促企画で扱われた商品の売上数量特性を算出し、売上数量特性の類似度に応じて複数の販促企画を少なくとも1つの販促企画グループに分類する。本実施形態では、ステップS240は企画別日別売上数量の集計、売上数量特性の抽出、類似度算出、クラスタリング、販促企画グループの決定の手順からなる。
【0068】
ステップS241では、モデル生成装置20(生成部22)が、販促企画の種類が適宜設定される閾値を上回るかを判断する。販促企画の種類が閾値を上回る場合、ステップS242に進み、閾値を下回る場合、サブフローを終了する。本実施形態において、販促企画グルーピングを実行する基準数をnとし、販促企画の種類が増大し処理の負担が許容できなくなる数が入力される。nを決定するのが難しい場合はnを1に固定してよい。また、処理の負担にかかわらず、販促企画ごとの実施数が十分に確保できない場合にも、ステップS242に進み以降の処理を実行してよい。
【0069】
ステップS242では、モデル生成装置20(生成部22)が、企画別日別売上数量集計をする。企画別日別売上数量の集計によって、売上推移データ101及び販促企画データ103を基に各店舗における各商品の売上数量を日ごとに抽出し、販促企画の実施期間から各販促企画における日ごとの売上数量を営業日数分含んだデータに整理される。本実施形態では、販促企画を実施した店舗の売上推移をすべて集計の対象としているが、販促企画を実施した店舗の一部を対象としてよい。本実施形態では、企画の対象となる商品はすべて集計の対象としているが、企画の対象商品の一部を対象としてよい。
【0070】
図10Aに、ステップS242において売上推移データ101及び販促企画データ103から整理された各販促企画における日別売上数量の一例を示す。本例では、1行目に「2023年1月10日」にある商品を対象に長野特産フェアに関するチラシを配布する販促企画「チラシ_長野特産フェア」を実施したところ前述の商品の売上数量が「30」個であったことを示しており、2行目に「2023年2月24日」に前述の商品を対象に春の新生活特集に関するチラシを配布する販促企画「チラシ_春の新生活特集」を実施したところ前述の商品の売上数量が「25」個であったことを示している。
【0071】
ステップS243では、モデル生成装置20(生成部22)が、集計した売上数量から売上数量特性を抽出する。売上数量特性は、売上数量と期間内における特定の売上数量を記録した日数から、販促企画ごとに決定される。売上数量特性は、正規化又は標準化された要素を持ち、例えば売上数量を基準とした日数のヒストグラムである。本実施形態では、基準期間幅を日としたが、例えば数日、週、月、年に任意に変更してもよい。
【0072】
図10Bに、ステップS243で抽出された販促企画ごとの売上数量特性の一例を示す。左のヒストグラムは、「チラシ_長野特産フェア」の売上数量特性を示す。特性は1つの高いピーク及びピーク位置から売上数量の増大に対する長いテールを呈する。右のヒストグラムは、「チラシ_春の新生活特集」の売上数量特性を示す。特性は、2つのピークを呈する。
【0073】
ステップS244では、モデル生成装置20(生成部22)が、販促企画間の類似度算出を行う。類似度は、販促企画間の売上数量特性を比較して算出される。本実施形態では、売上数量特性の類似度は販促企画の各組み合わせごとに売上数量特性の差からユークリッド距離を用いて、式(1)で決定される。ユークリッド距離を用いた場合、売上数量特性の類似度は0に近い程より類似していることを意味する。販促企画が実施される期間の規模によって異なる販促企画の売上数量特性を異なる基準時間幅で抽出して比較し、類似度を決定してよい。
f=((x1-y1)+(x2-y2)+・・・+(xn-yn)1/2 (1)
但し、xnは販促企画xの売上数量特性における売上数量区間nである日数の販促企画実施期間の全日数に対する割合、ynは販促企画yの売上数量特性における売上数量区間nである日数の販促企画実施期間の全日数に対する割合である。
【0074】
図10Cに、ステップS244で抽出された売上数量特性の販促企画間の類似度の一例を示す。本例では、「チラシ_長野特産フェア」と「チラシ_春の新生活特集」の売上数量特性の類似度が「32.6」、「チラシ_長野特産フェア」と「イベント_食育フェスタ」の売上数量特性の類似度が「158.2」、「チラシ_春の新生活特集」と「イベント_食育フェスタ」の売上数量特性の類似度が「192.9」であったことを示している。
【0075】
ステップS245では、モデル生成装置20(生成部22)が、販促企画間の売上数量特性の類似度から販促企画のクラスタリングを行う。本実施形態では、販促企画のクラスタリングは販促企画間の互いの近似度に応じて各販促企画のユークリッド平面上の位置を決定し、各販促企画をグループ分けする。販促企画のクラスタリングは、類似度を基に、例えば、Kmeans法のような機械学習を用いて実行される。
【0076】
ステップS246では、モデル生成装置20(生成部22)が、販促企画の販促企画グループを決定する。販促企画グループは、販促企画のクラスタリングで作成されたグループの中で、基準となるグルーピング精度を満たすグループを抽出して決定する。本実施形態では、決定係数が0.6以上かつ二乗平均平方根誤差率の合計が40%以下の場合を販促企画グループとして抽出する。基準となるグルーピング精度を予め適宜決定してよく、グルーピング精度による販促企画グループの抽出をせずステップS245で作成された販促企画グループをそのまま反映させてもよい。
【0077】
ステップS246の省略又は終了により、評価モデル生成における販促企画グルーピングが完了する。
【0078】
図10Dに、販促企画グルーピングS240でどのようなグループが形成されるかの一例を示す。各販促企画及び販促企画グループの分布平面は、販促企画類似度をユークリッド距離とするユークリッド平面であり、販促企画間の互いの関係を表現する。本例では、企画「チラシ_春の新生活特集」と「チラシ_長野特産フェア」がグループαに分類され、企画「チラシ_ハロウィン」と「イベント_ハロウィン」と「イベント_クリスマス」がグループβに分類され、企画「イベント_食育フェスタ」と「イベント_大感謝祭」と「チラシ_平日限定割引」がグループθに分類されている。各グループに割り当てられた販促企画は商品に対して売上への類似した影響を持つとみなすことができる。
【0079】
上述の販促企画グルーピングによれば、販促企画ごとに算出した売上数量特性の類似性に基づいて、販売傾向の類似する販促企画を販促企画グループとしてまとめることができ、販売企画の種類を絞ることでモデル構築等の学習精度を向上することができる。販促企画の種類が増えモデルの構築が複雑になる場合、又は効果の確認したい販促企画の実施例がまだ少ないものの過去に部分的に似た販促企画を数多く実施している場合、販促企画グルーピングは特に効果を発揮する。
【0080】
図11に、ステップS250のサブフローを示す。ステップS250は、販促企画データ103及び店舗データ104に基づいて、店舗グルーピングを行う。店舗グルーピングは、複数の店舗のそれぞれで販促企画の実施状況の類似度を評価し、類似度に応じて複数の店舗を少なくとも1つの店舗グループに分類する。ステップS250は、店舗間で販促企画の実施状況にばらつきがあり、同一の販促企画の実施状況である店舗の売上推移データを集計するだけでは精度の高いモデル生成を行うにはデータ量が十分でない場合に実行される。ステップS250は、店舗間で販促企画の実施状況にばらつきがない場合でも、モデル生成における項目数の削減を目的として実行してもよい。本実施形態では、ステップS250は、店舗ごとの販促企画実施状況の集計、相関係数の算出、クラスタリング、店舗グループの決定の手順からなる。
【0081】
ステップS251では、モデル生成装置20(生成部22)が、店舗間で販促企画実施状況にばらつきがあるかを判断する。ばらつきがあるかを判断する基準は、例えば販促企画の実施状況の違いが販促企画の種類と店舗数からなる組み合わせ総数の20%を超えた場合、などとしてよい。店舗間の販促企画実施状況のばらつきがある場合、ステップS252に進み、店舗間の販促企画実施状況のばらつきがないと判断された場合、サブフローを終了する。
【0082】
ステップS252では、モデル生成装置20(生成部22)が、店舗ごとの販促企画実施状況を集計する。販促企画実施状況の集計によって、店舗データ104において、販促企画データ103に含まれる各販促企画の実施状況を抽出し各店舗の各販促企画の実施状況を整理したデータが作成される。
【0083】
図12Aに、ステップS252において集計されたデータの一例を示す。本例では、ステップS252において集計されたデータでは、各店舗において実施されたことのある販促企画に「1」が、実施されたことのない販促企画に「0」が割り振られている。例えば、1行目では、店舗名「横浜店」では「チラシ_長野特産フェア」及び「チラシ_春の新生活特集」は実施されたことがあり、「イベント_大感謝祭」は実施されたことがないことを示し、2行目では、店舗名「川崎店」では「チラシ_春の新生活特集」は実施されたことがあり、「チラシ_長野特産フェア」及び「イベント_大感謝祭」は実施されたことがないことを示している。
【0084】
ステップS253では、モデル生成装置20(生成部22)が、店舗ごとの販促企画実施状況の類似係数を算出する。類似係数は、店舗間で各販促企画の実施有無を比較することで店舗間の組み合わせごとに算出される。本実施例では一例として式(2)を用いる。
f=(|x1-y1|+|x2-y2|+・・・+|xn-yn|)/N (2)
但し、xnは店舗xにおけるn個目の販促企画の実施状況(0又は1)、ynは店舗yにおけるn個目の販促企画の実施状況(0又は1)、Nは販促企画の総数である。
【0085】
図12Bに、ステップS253において算出された店舗間の販促企画実施状況における類似係数データの一例を示す。本例では、「横浜店」及び「川崎店」間の類似係数が「0.34」、「横浜店」及び「品川店」間の類似係数が「0.45」、「川崎店」及び「品川店」間の類似係数が「0.78」であることを示している。
【0086】
ステップS254では、モデル生成装置20(生成部22)が、店舗間の実施販促企画の類似度から店舗のクラスタリングを行う。本実施形態では、店舗のクラスタリングは店舗間の互いの販促企画実施状況の類似度に応じて各店舗のユークリッド平面上の位置を決定し、各店舗をグループ分けする。店舗のクラスタリングは、販促企画の実施状況の相関係数を基に、例えば、Kmeans法のような機械学習を用いて実行される。
【0087】
ステップS255では、モデル生成装置20(生成部22)が、店舗グループの決定を行う。店舗グループは、店舗のクラスタリングで作成された店舗グループによって決定される。店舗グループ内で売上推移データ101を集計した際に一定量のデータ量を確保できる店舗グループを抽出し、1つの販促企画に対して十分なデータ量を確保できない店舗グループのデータは、ノイズとなるため除外する。
【0088】
ステップS255の終了により、評価モデル生成における店舗グルーピングが完了する。
【0089】
図12Cに、ステップS250でどのような店舗グループが形成されるかの一例を示す。各店舗及び店舗グループの分布平面は、販促企画の実施状況の相関係数をユークリッド距離に見立てて作成された平面であり、店舗間の互いの関係のみを表現する。本例では、店舗「横浜店」「池袋店」がグループIに分類され、店舗「品川店」「千葉店」「川崎店」「東京店」がグループIIに分類され、店舗「さいたま店」がグループIIIに分類されている。各グループに割り当てられた店舗は販促企画実施状況が類似しているとみなすことができる。1つの販促企画に対して十分なデータ量を確保できない店舗グループのデータは、ノイズとなり予測精度を悪化させるため除外する。
【0090】
上述の店舗グルーピングによれば、販促企画のそれぞれはコンセプトの類似性を有し、その類似性より販促企画で扱う商品の販売傾向も類似するから、実施した販促企画の類似性に基づいて販売データ100をまとめることで学習精度を向上することができる。特に大規模なフランチャイズチェーンのような、個別に販促企画が実施され販促企画の種類が膨大になる一方、同一な販促企画実施状況の店舗が少ない場合、販促企画グルーピングに加え店舗グルーピングを行うことで大きな効果が得られる。
【0091】
図13に、ステップS260のサブフローを示す。ステップS260は、売上推移データ101に基づいて、商品グルーピングを行う。商品グルーピングは、複数の商品のそれぞれについて、単位期間当たりの売上数量に対する売上数量を達成した単位期間の数についての売上数量特性を算出し、売上数量特性の類似度に応じて複数の商品を少なくとも1つの商品グループに分類する。本実施形態では、ステップS260は商品別日別売上数量の集計、売上数量特性の抽出、類似度算出、クラスタリング、グループ抽出、商品グループの決定の手順からなる。
【0092】
ステップS261では、モデル生成装置20(生成部22)が、商品別日別の売上数量を集計する。商品別日別売上数量の集計は、売上推移データ101及び商品属性データ102を基に各店舗又は各店舗グループにおける各商品の売上数量を日ごとに抽出し、各商品における日ごとの売上数量を営業日数分含んだデータに整理することで行われる。
【0093】
図14Aに、ステップS261において売上推移データ101から整理された各商品における日別売上数量の一例を示す。本例では、1行目に「2023年1月10日」にPOSコードが「49013013」である商品「詰め替え用ボディソープC」の売上数量が「40」個であったことを示しており、2行目に「2023年1月10日」にPOSコードが「26135429」である商品「シャンプーE」の売上数量が「20」個であったことを示している。
【0094】
ステップS262では、モデル生成装置20(生成部22)が、商品ごとの売上数量特性を抽出する。売上数量特性は、売上数量と期間内における特定の売上数量を記録した日数から、商品ごとに決定される。売上数量特性は、正規化又は標準化された要素を持ち、例えば売上数量を基準とした日数のヒストグラムである。本実施形態では、基準期間幅を日としたが、購買周期に応じて例えば数日、週、月、年に任意に変更してもよい。類似度は、商品間の売上数量特性を比較して算出する。商品の属性ではなく売上数量特性を用いて分類することで、異なる商品属性を持つ商品であっても用途上の関連性等によって売上数量特性が類似し販促企画による効果が類似し得る商品をグループとして扱うことができる。例えば、スポーツ飲料と汗拭きシートは商品属性は異なるが、気温が高い時期、アクティビティが盛んな地域、運動促進フェア中といった状況で類似した売上数量特性を持つことが期待できる。
【0095】
図14Bに、ステップS262で抽出された商品ごとの売上数量特性の一例を示す。左のヒストグラムは、「詰め替え用ボディソープC」の売上数量特性を示す。特性は、1つの高いピーク及びピーク位置から売上数量の増大に対する長いテールを呈する。右のヒストグラムは、「シャンプーE」の売上数量特性を示す。特性は、2つのピークを呈する。
【0096】
ステップS263では、モデル生成装置20(生成部22)が、商品間の売上数量特性の近似度を算出する。本実施形態では、売上数量特性の類似度は商品の組み合わせごとに売上数量特性の差からユークリッド距離を用いて、式(3)で決定される。ユークリッド距離を用いた場合、売上数量特性の類似度は0に近い程より類似していることを意味する。商品の購買周期によって異なる商品の売上数量特性を異なる基準期間幅で抽出して比較し、類似度を決定してよい。
f=((x1-y1)+(x2-y2)+・・・+(xn-yn)1/2 (3)
但し、xnは商品xの売上数量特性における売上数量区間nである日数の比較期間の全日数に対する割合、ynは商品yの売上数量特性における売上数量区間nである日数の比較期間の全日数に対する割合である。
【0097】
図14Cに、ステップS263で抽出された商品間の売上数量特性の類似度の一例を示す。本例では、「詰め替え用ボディソープC」と「シャンプーE」の売上数量特性の類似度が「28.6」、「詰め替え用ボディソープC」と「固形洗濯洗剤F」の売上数量特性の類似度が「156.2」、「シャンプーE」と「固形洗濯洗剤F」の売上数量特性の類似度が「241.9」であったことを示している。
【0098】
ステップS264では、モデル生成装置20(生成部22)が、商品間の売上数量特性の類似度から商品のクラスタリングを行う。本実施形態では、商品のクラスタリングは商品の互いの類似度に応じて各商品のユークリッド平面上の位置を決定し、各商品をグループ分けする。商品のクラスタリングは、類似度を基に、例えば、Kmeans法のような機械学習を用いて実行される。
【0099】
ステップS265では、モデル生成装置20(生成部22)が、商品グループの決定を行う。商品グループは、商品のクラスタリングで作られた商品グループの中で、基準となる精度を満たすグループを抽出することで決定される。本実施形態では、決定係数が0.6以上かつ二乗平均平方根誤差率の合計が40%以下の場合を商品グループとして抽出する。条件を満たし、残ったグループを商品グループとする。基準となるグルーピング精度を予め適宜決定してよい。
【0100】
ステップS265の終了により、評価モデル生成における商品グルーピングが完了する。
【0101】
図14Dに、ステップS260でどのようなグループが形成されるかの一例を示す。各商品及び商品グループの分布平面は、商品の類似度をユークリッド距離とするユークリッド平面であり、商品間の互いの関係のみを表現する。本例では、商品「液体洗濯洗剤B」「固形洗濯洗剤F」「シャンプーH」がグループAに分類され、商品「歯ブラシA」「デンタルガムD」がグループBに分類され、商品「詰め替え用ボディソープC」「シャンプーE」「シャンプーG」がグループCに分類されている。ここでは、一例として類似した特徴の商品が同じグループに割り当てられているが、異なる性質の商品も同一グループに割り当てられ得る。
【0102】
上述の商品グルーピングによれば、売上数量特性の類似度に応じて複数の商品を分類し、商品グループごとに商品の売上推移データ101及び販促企画データ103を用いて評価モデルを生成することで、個々の商品の売上数量が少ない場合においても、十分な量の販売データ100を用いて評価モデルを高精度で生成することができる。
【0103】
図15に、ステップS270のサブフローを示す。ステップS270は、モデル生成装置20(生成部22)が、ステップS260で作成された商品グループ及び商品属性データ102に基づいて、新商品分類を行う。新商品分類では、各商品グループに分類された商品に共通する属性を抽出し、属性に基づいて、複数の商品のうちの売上数量特性の類似度に応じていずれかのグループに分類されなかった商品を各商品グループに分類する。ステップS270は、蓄積された売上明細データがない又は少ない商品、例えば新商品又はリニュアル商品を対象として、商品グルーピングのサブフローS260で作成された商品グループに割り当てる。ステップS270は、商品グループに属する商品の商品属性データ取得、商品グループ分類ルール設定、新商品の商品グループ割り当ての手順からなる。
【0104】
ステップS271では、モデル生成装置20(生成部22)が、例えば新商品又はリニュアル商品といった、売上数量が少なく商品グルーピングの対象とされなかった商品を販促企画の対象に含むか判断する。売上数量が少ない商品として扱うかの判断は、売上数量又は売上推移データに含まれる売上数が特定数より少ない日数の割合を基準にしてよい。売上数量が少ない商品を含むと判断される場合はステップS272に進み、売上数量が少ない商品が確認できない場合、サブフローを終了する。
【0105】
ステップS272では、モデル生成装置20(生成部22)が、商品グルーピングのサブフローS260で作成された各商品グループに含まれる商品の属性を取得する。例えば、商品属性データ102に含まれる商品DNA、定価、カテゴリ、ブランド等を各商品の属性として取得する。
【0106】
ステップS273では、モデル生成装置20(生成部22)が、S260で作成された商品グループへの分類ルールを、S272で取得した特徴を基に作成する。分類ルールは、特定の商品グループ内で多くの商品が共通して持つ商品特徴を共通して持つ商品数順に商品グループの特徴として抽出し、上位いくつかの特徴から、商品グループの区分けをするように適宜ルールを設定することができる。また、目的変数を商品グループに設定し、説明変数を各商品の商品DNA、定価、カテゴリなどを含む商品特徴に設定することで、例えばランダムフォレスト等の手法を用い、機械学習によって自動的に分類ルールを作成することができる。
【0107】
ステップS274では、モデル生成装置20(生成部22)が、ステップS260では売上数量が少なく商品グルーピングの対象とされなかった商品を、S273で作成された分類ルールに従って商品グループに割り当てることができる。
【0108】
ステップS274の省略又は終了により、評価モデル生成における新商品分類が完了する。
【0109】
図16に、ステップS270における未分類商品の商品グループ決定方法の一例を示す。本例では、商品を分類する属性として「商品DNA」「定価」「カテゴリ」が抽出されている。商品DNA「美白」、定価「1000」円、カテゴリ「保湿剤」の商品は、商品グループC(図14D参照)に分類され、商品DNA「ダメージケア」、定価「1800」円、カテゴリ「コンディショナ」の商品は、商品グループA(図14D参照)に分類され、商品DNA「保湿」、定価「700」円、カテゴリ「シャンプー」の商品は、商品グループB(図14D参照)に分類される。本例において、商品グループの分類ルールは商品DNA(「保湿」「ダメージケア」「美白」)、定価(「500円以下」「500円超過1500円以下」「1500円超過」「1000円以下」「1000円超過」、)、商品カテゴリ(「シャンプー・ボディウォッシュ」「シャンプー・ボディウォッシュ以外」)の順で分類するルールであるが、分類条件の項目及び分類条件の順はこれに限定されず、分類ルールの設計によって適宜定められてよい。
【0110】
上述の新商品分類によれば、複数の商品のうち、新商品のように売上数量が少ないことで売上数量特性の類似度に応じていずれのグループに分類されなかった商品を分類することができる。
【0111】
図17に、ステップS280のサブフローを示す。ステップS280は、モデル生成装置20が、評価モデル生成を行う。評価モデル生成は、商品グループごとに集計した売上推移データ101及び販促企画データ103を用いて販促企画の評価モデルを生成する。ステップS280は、商品グループごとのデータ集計、週間売上推移データ追加、モデル構築及び検証からなる。
【0112】
ステップS281では、モデル生成装置20(生成部22)が、売上推移データ101及び販促企画データ103を基に、各店舗グループ、各商品グループにおける売上数量を日ごとに抽出し、日別商品別の売上数量と販促実施状況を含むように集計する。集計されたデータには外部データ105から取得される売上数量に影響を与え得る各要因データを含む。本例では、図2Bに示す通り、集計されたデータには売り上げに影響を与え得る各要因データとして商品分類を示すカテゴリ、販促企画時の割引額、定番売価データ(例えば、マスタ売価)、グルーピングされた販促企画グループ名、社会的なイベントデータ(例えば、コロナイベント、コロナ感染者数、増税前期間)、及び気温(平均気温、最高気温、最低気温)と天気を含む天候データが含まれる。
【0113】
ステップS282では、モデル生成装置20(生成部22)が、ステップS281で集計されたデータに週間売上推移データを追加する。週間売上推移データは、ステップS281で集計されたデータの日付から前6日間の日別売上数量データからなる。週間売上推移データは、モデル構築時に曜日による売り上げ個数への影響を判断するために使われる。
【0114】
ステップS283では、モデル生成装置20(生成部22)が、評価モデルの構築と検証を行う。評価モデルの構築は例えば回帰モデルの機械学習を用いてよい。本実施形態では、目的変数を売上数量、説明変数を各要因として機械学習の手法である勾配ブースティングを用いてモデルを構築し、検証方法として交差検証、具体的にはKfold、を5回実行することとし、評価方法には決定係数及び二乗平均平方根誤差率を用いる。モデル構築時に基準となる精度を満たすモデルを抽出し、抽出したモデルの中の一つを評価モデルとして決定する。本実施形態では、決定係数が0.6以上かつ二乗平均平方根誤差率の合計が40%以下の場合を評価モデルとして抽出する。評価モデルの決定は、例えば各精度基準が最も高かったものを選ぶことができる。
【0115】
ステップS283の終了により、図2Cに一例として示した評価モデルパラメータ110が得られ、評価モデル生成が完了する。
【0116】
ステップS300では、モデル生成装置20(記憶部23)が、ステップS200で作成された評価モデルを集計したのち記録する。ステップS200で作成された評価モデルは各説明変数とした要因ごとに、目的変数を得るための係数を持つため、その係数を要因ごとの影響値(SHAP値)として記録する。SHAP値は数値が0に近いほどその要因が売り上げには影響せず、高いほどその要因が売り上げに大きく影響することを示す。各商品グループ各販促企画において、パラメータ110の要因項目のSHAP値を抽出し、各販促企画の各商品グループへの売上数量への効果として記録する。
【0117】
ステップS300の終了により、モデル生成は完了する。
【0118】
図18Aに、販促効果の評価のフローを示す。フローは、評価装置上でユーザが開始指示を入力することで開始される。
【0119】
ステップS400では、評価装置30(第2取得部31)が、店舗端末10から販売データ100のうち評価対象販促企画及び販促対象商品に対応するデータ、及びモデル生成装置20の記憶部23から生成された評価モデル(評価モデルパラメータ110)をそれぞれ得る。また、ステップS400では、評価装置30(第2取得部31)が、各店舗端末10又は外部記憶装置50から、各販促企画にかかる費用の内訳を含む企画費用データ111を取得する。企画費用データ111については、先に図3Aを用いて説明したとおりである。
【0120】
ステップS500では、評価装置30(評価部32)が、評価モデルにステップS400で取得した販売データ100を入力して、各商品の売上数量における販促効果を評価する。本実施形態では、評価部32は、モデル生成装置20により生成された評価モデルパラメータ110から各販促企画による売上金額増分を算出し、さらに各販促企画による売上金額増分と販促企画実施にかかる費用から投資利益率を算出することで販促企画別の改善優先度を決定する。
【0121】
図18Bに、ステップS500のサブフローを示す。
【0122】
ステップS510では、評価装置30(評価部32)が、企画費用データ111から、販促企画実施にかかる費用を抽出し、日ごと商品ごとにかかる販促企画の実施費用を整理することで日別商品別販促企画別配賦費用を算出する。
【0123】
ステップS520では、評価装置30(評価部32)が、利益額及び投資利益率(ROI)を算出する。利益額及びROIの算出は、販促企画グループごとの売上数量増分に売上を掛け合わせた数値を金額増分として算出し、金額増分と日別商品別販促企画別の配賦費用の差分から決定する。
【0124】
ステップS530では、評価装置30(評価部32)が、ROI及び/又は数量増分から、商品別且つ販促企画別の改善優先度を決定する。商品別且つ販促企画別の改善優先度は、各商品ごとにどの販促企画を積極的に改善すべきかの優先度である。販促企画別の改善優先度は、事前に定めたROIの閾値と数量増分の閾値との比較によって決定できる。金額ベースのROIの閾値と、数量ベースの数量増分の閾値の両方を使用することにより、販促企画別の改善優先度の精度をより向上させることができる。
【0125】
図19に、本例における商品別且つ販促企画別の改善優先度決定表を示す。本例では、商品別且つ販促企画別の改善優先度はROI及び純増(数量増分割合)から決定され、数値が高い方がすぐに改善を図る必要があると判断される。本例では、ROIが100%を超える場合純増がいくつであっても改善優先度が最も低く、ROIが50~100%の範囲の場合純増がいくつであっても改善優先度が次に高く、ROIが25~50%の範囲の場合純増がいくつであっても改善優先度が次に高く、ROIが10~25%の範囲の場合かつ純増が20%以上であれば改善優先度が次に高く、ROIが10%未満の場合かつ純増が20%以上であれば改善優先度が次に高く、ROIが10~25%の範囲の場合かつ純増が20%未満であれば改善優先度が次に高く、ROIが10%未満の場合かつ純増が20%未満であれば改善優先度が最も高い。
【0126】
ステップS540では、評価装置30(評価部32)が、販促企画の客吸引力、通常販売又は割引販売における最適売価、最適なチラシ構成比、売上の低い商品の代替商品提案などの下位評価機能を実行する。ステップS540は省略してもよく、販促企画のより詳しい評価又は販促企画以外の評価を確認する場合に、適宜に実行される。
【0127】
ステップS540の省略もしくは終了により、販促企画評価における販促効果の評価が完了する。
【0128】
ステップS600では、評価装置30(出力部33)が、ステップS500で作成された販促効果評価データを出力する。出力方法は、利用形態によって適宜に決定してよい。出力方法は、例えば表を使った数値出力、棒グラフ又は折れ線グラフを利用した図示として、モニタへの画面表示又は紙面への印刷を用いることができる。
【0129】
ステップS600の終了により、販促企画効果の評価及び出力がすべて完了する。
【0130】
以上説明したように、本実施形態に係る販促効果評価システム1によれば、モデル生成装置20により店舗端末10に入力された販売記録を基にした商品の売上推移データ101及び各店舗の販促企画の実施状況を記録した店舗データ104を含む販売データ100を取得整理し、各販売企画ごとの効果を評価する評価モデルを生成し、評価装置30により評価モデルを取得し、評価モデルの変数を基にROI及び販売企画の改善優先度を決定し、要求された評価結果を出力する。類似の売上特性を持つ店舗、販売企画、商品を集計し、モデル生成に使える各データ量を増やすことで、店舗端末10による入力情報が不足した場合又は販売から間もないなど蓄積データの少ない商品を対象にする場合等にも高い精度で販促企画の効果を予想することが可能となる。
【0131】
なお、本実施形態に係る販促効果評価システム1は、簡単のため、販促効果を評価すると説明したが、評価モデル生成時には各要因の売上数量増分を算出し、祝日及び社会的イベントでの売上への影響を予想することが可能となる。
【0132】
また、本実施形態に係るモデル生成方法は、商品の売上数量における販促効果を評価する評価モデルを生成する方法であって、各店舗に設置された店舗端末10から、各店舗において販売された複数の商品に関する販売データ100であって、複数の商品のそれぞれの売上数量の推移に関する売上推移データ101、複数の商品のそれぞれの属性に関する商品属性データ102、及び実施された販促企画に関する販促企画データ103を含む販売データ100を取得する段階S100と、複数の商品のそれぞれについて、単位期間当たりの売上数量に対する売上数量を達成した単位期間の数についての売上数量特性を算出し、売上数量特性の類似度に応じて複数の商品を少なくとも1つの商品グループに分類し、販売データ100のうちの各商品グループに分類された商品についての売上推移データ101及び販促企画データ103を用いて評価モデルを生成する段階S200と、を備える。これによれば、売上数量特性の類似度に応じて複数の商品を分類し、商品グループごとに商品の売上推移データ101及び販促企画データ103を用いて評価モデルを生成することで、個々の商品の売上数量が少ない場合においても、十分な量の販売データ100を用いて評価モデルを高精度で生成することができる。
【0133】
また、本実施形態に係る評価方法は、商品の売上数量における販促効果を評価する方法であって、各店舗に設置された店舗端末10から、各店舗において販売された少なくとも1つの商品に関する販売データ100であって、少なくとも1つの商品の売上数量の推移に関する売上推移データ101、少なくとも1つの商品の属性に関する商品属性データ102、及び実施された販促企画に関する販促企画データ103を含む販売データ100を取得する段階S400と、前述のモデル生成方法により生成された評価モデルに販促企画データ103を入力して、少なくとも1つの商品の売上数量における販促効果を評価する段階S500と、を備える。これによれば、高精度に生成された評価モデルのパラメータから販促効果を評価することで、販促企画の利益額及び投資利益率を推測することができ、販促企画別の改善優先度、最適価格、最適なチラシ構成比、商品入れ替えの対象等を決定することができる。
【0134】
また、本実施形態に係るモデルは、前述のモデル生成方法により生成された商品の売上数量における販促効果を評価する評価モデルである。これによれば、売上数量特性の類似度に応じて複数の商品を分類し、商品グループごとに商品の売上推移データ101及び販促企画データ103を用いて評価モデルを生成することで、個々の商品の売上数量が少ない場合においても、十分な量の販売データ100を用いて高精度な評価モデルを生成することができる。
【0135】
また、本実施形態に係るモデル生成装置は、商品の売上数量における販促効果を評価する評価モデルを生成するモデル生成装置20であって、各店舗に設置された店舗端末10から、各店舗において販売された複数の商品に関する販売データ100であって、複数の商品のそれぞれの売上数量の推移に関する売上推移データ101、複数の商品のそれぞれの属性に関する商品属性データ102、及び実施された販促企画に関する販促企画データ103を含む販売データ100を取得する第1取得部21と、複数の商品のそれぞれについて、単位期間当たりの売上数量に対する売上数量を達成した単位期間の数についての売上数量特性を算出し、売上数量特性の類似度に応じて複数の商品を少なくとも1つの商品グループに分類し、販売データ100のうちの各商品グループに分類された商品についての売上推移データ101及び販促企画データ103を用いて評価モデルを生成する生成部22と、を備える。これによれば、売上数量特性の類似度に応じて複数の商品を分類し、商品グループごとに商品の売上推移データ101及び販促企画データ103を用いて評価モデルを生成することで、個々の商品の売上数量が少ない場合においても、十分な量の販売データ100を用いて評価モデルを高精度で生成することができる。
【0136】
また、本実施形態に係る評価装置は、商品の売上数量における販促効果を評価する評価装置30であって、各店舗に設置された店舗端末から、各店舗において販売された少なくとも1つの商品に関する販売データ100であって、少なくとも1つの商品の売上数量の推移に関する売上推移データ101、少なくとも1つの商品の属性に関する商品属性データ102、及び実施された販促企画に関する販促企画データ103を含む販売データ100を取得する第2取得部31と、前述のモデル生成装置により生成された評価モデルに販売データ100を入力して、少なくとも1つの商品の売上数量における販促効果を評価する評価部32と、を備える。これによれば、高精度に生成された評価モデルのパラメータから販促効果を評価することで、販促企画の利益額及び投資利益率を推測することができ、販促企画別の改善優先度、最適価格、最適なチラシ構成比、商品入れ替えの対象等を決定することができる。
【0137】
本発明の様々な実施形態は、フローチャート及びブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階又は(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階及びセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0138】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャート又はブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0139】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0140】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のコンピュータ等のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャート又はブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0141】
図20は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ1200の例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作又は当該装置の1又は複数のセクションとして機能させることができ、又は当該操作又は当該1又は複数のセクションを実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0142】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、グラフィックコントローラ1216、及びディスプレイデバイス1218を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、ハードディスクドライブ1224、DVD-ROMドライブ1226、及びICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータはまた、ROM1230及びキーボード1242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ1240を介して入/出力コントローラ1220に接続されている。
【0143】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中にCPU1212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0144】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD‐ROM1227から読み取り、ハードディスクドライブ1224にRAM1214を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0145】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ1240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ1220に接続してよい。
【0146】
プログラムが、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報の操作又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0147】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御下、RAM1214、ハードディスクドライブ1224、DVD‐ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0148】
また、CPU1212は、ハードディスクドライブ1224、DVD‐ROMドライブ1226(DVD‐ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0149】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0150】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0151】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0152】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0153】
1…販促効果評価システム、10…店舗端末、20…モデル生成装置、21…第1取得部、22…生成部、23…記憶部、30…評価装置、31…第2取得部、32…評価部、33…出力部、40…外部データベース、50…外部記憶装置、60…ネットワーク、100…販売データ、101…売上推移データ、102…商品属性データ、103…販促企画データ、104…店舗データ、105…外部データ、106…暦データ、107…天候データ、108…イベントデータ、109…投入データ、110…評価モデルパラメータ、111…企画費用データ、112…評価データ、1200…コンピュータ、1210…ホストコントローラ、1212…CPU、1214…RAM、1216…グラフィックコントローラ、1218…ディスプレイデバイス、1220…入/出力コントローラ、1222…通信インタフェース、1224…ハードディスクドライブ、1226…DVD-ROMドライブ、1230…ROM、1240…入/出力チップ、1242…キーボード。
【要約】      (修正有)
【課題】商品売上数量を増大するために販促企画毎、商品毎及び日毎の販促効果を把握するモデル生成方法及び装置並びに評価方法、モデル、装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】販促効果評価システム1におけるモデル生成方法は、評価装置が、店舗A、B、Cに設置された店舗端末10から、各店舗において販売された複数の商品に関し、各商品の売上数量の推移に関する売上推移データを、モデル生成装置から、各商品の属性に関する商品属性データ及び実施された販促企画に関する販促企画データを含む販売データを取得する段階と、モデル生成装置が、各商品について単位期間当たりの売上数量に対する売上数量を達成した単位期間の数についての売上数量特性を算出し、売上数量特性の類似度に応じて各商品を商品グループに分類し、各商品グループに分類された商品についての売上推移データ及び販促企画データを用いて評価モデルを生成する段階と、を実行する。
【選択図】図1A
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20