(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】車両のための燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20240717BHJP
B60K 8/00 20060101ALI20240717BHJP
B60L 50/71 20190101ALI20240717BHJP
H01M 8/249 20160101ALI20240717BHJP
H01M 8/00 20160101ALN20240717BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
B60K8/00
B60L50/71
H01M8/249
H01M8/00 Z
(21)【出願番号】P 2023523602
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(86)【国際出願番号】 EP2021079041
(87)【国際公開番号】W WO2022090014
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-04-18
(31)【優先権主張番号】102020213523.1
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】シュニトガー,ディルク
(72)【発明者】
【氏名】エスリンク,ロルフ-ペーター
(72)【発明者】
【氏名】コルテ,トビアス
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102009052443(DE,A1)
【文献】特開2005-209468(JP,A)
【文献】特表2006-503742(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102014017300(DE,A1)
【文献】特開2018-131018(JP,A)
【文献】特開2019-114469(JP,A)
【文献】特開2006-335215(JP,A)
【文献】特開2008-290470(JP,A)
【文献】特開2010-241392(JP,A)
【文献】国際公開第2013/111669(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00- 8/2495
B60L 50/71-50/72
B60K 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両フレームまたは車両ボディ部分を有する車両(F)のための燃料電池システム(100)であって、
少なくとも1つの燃料電池モジュール(M1、M2)と、前記燃料電池システム(100)を前記車両フレームまたは前記車両ボディ部分上に支持するための支持構造(10)と、を備え、
前記支持構造(10)が、前記少なくとも1つの燃料電池モジュール(M1、M2)に対して内部にある少なくとも1つの部品支持体(13)を有し、
前記少なくとも1つの燃料電池モジュール(M1、M2)のサブモジュールが前記少なくとも1つの内部にある部品支持体(13)と接続され、
前記少なくとも1つの部品支持体(13)は、前記燃料電池システム(100)を前記車両フレームまたは前記車両ボディ部分上に取り付けるために、少なくとも1つの取付インタフェース(S3、S4)を有する、燃料電池システム。
【請求項2】
燃料電池システム(101)をすべての燃料電池モジュール(M1、M2)と一緒に前記車両フレームまたは前記車両ボディ部分に支持するために、前記少なくとも1つの内部にある部品支持体(13)は、1つの一貫した、すべての燃料電池モジュール(M1、M2)に対して内部にある部品支持体(13)のみを有することを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システム(100)。
【請求項3】
前記一貫した部品支持体(13)は、前記燃料電池システム(101)の少なくとも2つのモジュール(M1、M2)の間に少なくとも1つの接続箇所(N)を有することを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池システム(100)。
【請求項4】
前記燃料電池システム(101)の前記それぞれの燃料電池モジュール(M1、M2)を個別に前記車両フレームまたは前記車両ボディ部分に支持するために、前記少なくとも1つの内部にある部品支持体(13)は、前記燃料電池システム(100)の各燃料電池モジュール(M1、M2)に、それぞれ個別の、内部にある部品支持体(13)を有することを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システム(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの内部にある部品支持体(13)が一体的に、および/または同じ材料で、および/またはモノリシックに形成されていること、あるいは前記少なくとも1つの内部にある部品支持体(13)が、材料結合的に、特に溶接によって、あるいは形状結合的および/または力結合的に、特にねじ締結、係止、および/または締付けによって互いに接続された複数の部分から形成されていること、を特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の燃料電池システム(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの部品支持体(13)は、断面が閉じた、特にO字形のプロファイルを有すること、あるいは前記少なくとも1つの部品支持体(13)は、断面が開いた、特にZ字形、T字形、C字形、またはU字形のプロファイルを有すること、を特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の燃料電池システム(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの燃料電池モジュール(M1、M2)の前記サブモジュール(サブモジュールS、O、H、E、K)は、前記少なくとも1つの内部にある部品支持体(13)と解除可能に、特に形状結合的および/または力結合的に接続されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の燃料電池システム(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの燃料電池モジュール(M1、M2)をそれぞれフロント側およびリア側で前記車両フレームまたは前記車両ボディ部分に支持するために、前記支持構造(10)が第1の横方向支持体(11)と第2の横方向支持体(12)を有し、
特に前記少なくとも1つの内部にある部品支持体(13)は、前記少なくとも1つの燃料電池モジュール(M1、M2)を前記第1の横方向支持体(11)および前記第2の横方向支持体(12)に支持するように形成されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の燃料電池システム(100)。
【請求項9】
前記第1の横方向支持体(11)および前記第2の横方向支持体(12)を前記車両フレームまたは車両ボディ部分に、殊に解除可能に、特に形状結合的および/または力結合的に取り付けるために、前記第1の横方向支持体(11)および前記第2の横方向支持体(12)がそれぞれ少なくとも1つの取付インタフェース(S1、S2)を有することを特徴とする、請求項8に記載の燃料電池システム(100)。
【請求項10】
車両(F)であって、
車両フレームまたは車両ボディ部分と、前記車両フレームまたは前記車両ボディ部分に支持される請求項1から9までのいずれか1項に記載の燃料電池システム(100)と、を備える、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置の独立請求項に記載の、車両フレームまたは車両ボディ部分に支持することができる車両のためのモジュール構造の燃料電池システムに関する。さらに、本発明は、装置の並列独立請求項に記載の対応する車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に燃料電池を取り付けるための装置は基本的に知られている。大抵の場合、そのような装置は、燃料電池システムとは別個に形成されている。そのような装置は、燃料電池システムを完全に取り囲むボックス形のハウジングを有することが多い。既知の装置は、ハウジングの外部にあり、燃料電池システムを車両に、例えば車両フレームに取り付けるための要素を有する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、第1の態様によれば、車両フレームまたは車両ボディ部分上に確実に、簡単に、かつ多くの手間または多くの追加の接続要素なしに支持することができる、特に少なくとも2つの燃料電池モジュールを有する、装置の独立請求項の特徴を有する改善されたモジュール構造の燃料電池システムを企図する。さらに、本発明は、第2の態様によれば、装置の並列独立請求項の特徴を有する対応する車両を企図する。
【0004】
本発明の他の利点、特徴、および詳細は、従属請求項、以下の説明、および図面から明らかになる。その場合、本発明による異なった発明の態様との関連で説明される特徴および詳細は、別の本発明による態様との関連でも有効であり、またその逆についても同様であり、したがって個々の本発明の態様の開示に関して常に相互に参照される、もしくは参照可能である。
【0005】
本発明は、第1の態様によれば、少なくとも1つの、特に少なくとも2つの燃料電池モジュールと、燃料電池システムを車両フレームまたは車両ボディ部分上に支持するための支持構造と、を備える、車両フレームまたは車両ボディ部分を有する車両のための燃料電池システムを提供する。その場合、本発明は、支持構造が、少なくとも1つの燃料電池モジュールに対して内部にある少なくとも1つの部品支持体を有することを企図し、少なくとも1つの燃料電池モジュールのサブモジュールが少なくとも1つの内部にある部品支持体と、殊に解除可能に、例えば形状結合的および/または力結合的に接続され、少なくとも1つの部品支持体は、燃料電池システムを車両フレームまたは車両ボディ部分上に直接、または、例えば、例えば横方向支持体などの別の接続部品を介して間接的に、殊に解除可能に、例えば形状結合的および/または力結合的に取り付けるために少なくとも1つの取付インタフェースを有する。
【0006】
本発明の意味での燃料電池モジュール(または単にモジュール)はそれぞれ、ハウジングに収容することができる個々の燃料電池、殊にPEM燃料電池の形態に積み重ねられた複数の反復ユニットを含む燃料電池積層体、いわゆる燃料電池スタックの形態のサブモジュールを有することができる。
【0007】
本発明の意味での燃料電池モジュールは、以下のサブモジュール、
-例えば空気圧縮器、空気冷却器、空気加湿器、空気遮断弁などの、酸化剤供給および排気ガス排出のためのサブモジュール、
-例えば水素計量弁、水分離器、水素再循環送風機、ジェットポンプなどの、燃料供給のためのサブモジュール、
-制御電子機器のためのサブモジュール、
-サブモジュール 電子部品
-例えば冷却材ポンプ、冷却剤流の制御および調節のための弁、熱交換器、冷却材ホースなどの、冷却供給のためのサブモジュール、
をさらに有することができる。
【0008】
本発明による燃料電池システムは、有利にも、移動用途に、例えば自動車で、または定置用途に、例えば発電設備で使用することができる。後者の場合、車両フレームの代わりに定置のフレーム構造を使用することができ、その上に燃料電池システムが支持される。
【0009】
その場合、本発明の思想は、燃料電池モジュールが、モジュール内の支持構造の少なくとも1つの内部にある部品支持体を収容するということである。本発明の意味での支持構造は、燃料電池モジュールのための架台構造(Gestell-Struktur)をなす。支持構造は、有利にも、全部を包囲するハウジングを形成して車両に支持するということなく、本発明による燃料電池モジュールを開いた状態(offen)にすることを可能にする。
【0010】
本発明の範囲内で、支持構造の少なくとも1つの内部にある部品支持体を、燃料電池システムのすべてのモジュールを一貫して通るように形成できるということが考えられる。その場合、燃料電池システムの各モジュールに個別の互いに堅固に接続された部品支持体によって、支持構造の一貫した内部にある部品支持体を形成できるということが考えられる。
【0011】
本発明の範囲内で、燃料電池システムの各モジュールが、支持構造の対応する要素とともに、個別に取り扱い可能なモジュールユニットを形成できるということがさらに考えられる。その場合、燃料電池システムの各モジュールに、それぞれ個別の、内部にある部品支持体を設けることができる。
【0012】
基本的に、本発明の範囲内で、少なくとも1つの(一貫した、または個々の)内部にある部品支持体が一体的に、および/または同じ材料で、および/またはモノリシックに形成され得るということが考えられる。しかしさらに、少なくとも1つの(一貫した、または個々の)内部にある部品支持体を、この場合もまた材料結合的に、例えば溶接によって、あるいは形状結合的および/または力結合的に、例えばねじ締結、係止、および/または締付けによって互いに接続され得る複数の別々の部分から組み立てることができるということも考えられる。
【0013】
燃料電池モジュールのサブモジュールおよび/またはコンポーネントは、外側から(場合によっては追加の取付具により)少なくとも1つの内部にある部品支持体と接続することができる。本発明によれば、燃料電池モジュールのサブモジュールおよび/またはコンポーネントを取り付けるために、少なくとも1つの内部にある部品支持体を形成しさえすればよいということが有利である。換言すれば、燃料電池モジュールのサブモジュールおよび/またはコンポーネントは車両に直接支持されるのではなく、内部にある部品支持体を介してのみ支持される。
【0014】
本発明を用いることにより複数の利点が生じる。
-燃料電池システムの燃料電池モジュールのサブモジュールおよび/またはコンポーネントへの向上したアクセス性、
-低い製造コスト、
-支持構造の簡単な組み立て、
―車両への支持構造の簡単な組み付け、
-燃料電池システムのサブモジュールおよび/またはコンポーネントのメンテナンスし易いコンセプト/より良い保守性、
-燃料電池システムの低複雑性、少数コンポーネント、低コスト、
-燃料電池システムの機械的負荷に対する高い堅牢性、
-様々な設置空間および様々な用途への燃料電池システムの適応における高い柔軟性(燃料電池システムの外側構造物がハウジングによって制限されず、それにより比較的容易に適合させることができるため)、
-燃料電池システムの低重量、コンパクトな構造、車両における少ない所要スペース、高い電力密度、
-燃料電池システムのコンポーネントのより良い換気にもとづくロバストな熱設計、
-より効率的な熱放射にもとづくロバストな熱設計(熱放射が外部にある架台によって反射されない)、
-開いた構造が、その他に、H2濃縮形成(Konzentrationsbildungen)の危険を、それが最小化でないにしても、低減する。
【0015】
さらに、本発明は、燃料電池システムにおいて、燃料電池システムをすべての燃料電池モジュールと一緒に車両フレームまたは車両ボディ部分に支持するために、少なくとも1つの内部にある部品支持体は、1つの一貫した、すべての燃料電池モジュールに対して内部にある部品支持体のみを有することを企図することができる。それによりコンパクトな燃料電池システムを提供することができる。その場合、燃料電池モジュールの機械的負荷を一貫した部品支持体に伝達することができ、車両フレームまたは車両ボディに直接または間接的に伝えることができる。
【0016】
さらに、本発明は、燃料電池システムにおいて、一貫した部品支持体が少なくとも1つの、特に材料結合的な、例えば溶接または半田付けされた、燃料電池システムの少なくとも2つのモジュールの間の接続箇所を有することを企図することができる。その場合、接続箇所は、継目、あるいは力結合的または形状結合的な接続箇所であり、互いにねじ締めされた、形状結合的に接続された、またはリベット留めされた部品支持体の配列が可能である。それにより一貫した、燃料電池システムの複数のモジュールに対して内部にある部品支持体を簡単に提供することができる。
【0017】
さらに、本発明は、燃料電池システムにおいて、燃料電池システムのそれぞれの燃料電池モジュールを個別に車両フレームまたは車両ボディ部分に支持するために、少なくとも1つの内部にある部品支持体が、燃料電池システムの各燃料電池モジュールに、それぞれ個別の、内部にある部品支持体を有することを企図することができる。このようにして、モジュールの個別取り扱い性を提供することができる。それにより、燃料電池システムを複数のモジュールから組み立てる場合のより高い柔軟性を保証することができる。その場合、それぞれの燃料電池モジュールの質量力(Massenkraefte)を、個々の内部にある部品支持体を介して車両フレームに直接または間接的に導出することができる。このことは、個々の内部にある部品支持体の機械的負荷を低減させる。
【0018】
さらに、本発明は、燃料電池システムにおいて、少なくとも1つの内部にある部品支持体が一体的に、および/または同じ材料で、および/またはモノリシックに形成されていること、あるいは少なくとも1つの内部にある部品支持体が、材料結合的に、例えば溶接によって、あるいは形状結合的および/または力結合的に、例えばねじ締結、係止、および/または締付けによって互いに接続された複数の部分から形成されていること、を企図することができる。このようにして、要望、コンセプト、または可能性に応じて、少なくとも1つの内部にある部品支持体の柔軟な形態を提供することができる。
【0019】
これに加えて、本発明は、燃料電池システムにおいて、少なくとも1つの部品支持体が、断面が閉じた、特にO字形のプロファイルを有することを企図することができる。それにより、部品支持体による改善された衝突安全性および/または衝撃減衰を提供することができる。
【0020】
さらに、少なくとも1つの部品支持体は、断面が開いた、特にZ字形、T字形、C字形、またはU字形のプロファイルを有することができるということが考えられる。それにより、部品支持体が燃料電池モジュールのサブモジュールおよび/またはコンポーネントを配置するための設置空間スペースを提供できるという利点を達成することができる。
【0021】
その他に、本発明は、燃料電池システムにおいて、少なくとも1つの燃料電池モジュールのサブモジュールが少なくとも1つの内部にある部品支持体と解除可能に、例えば形状結合的および/または力結合的に接続されることを企図することができる。それにより、少なくとも1つの燃料電池モジュールのサブモジュールおよび/またはコンポーネントのより良い保守性および/または交換を可能にすることができる。
【0022】
さらに、本発明は、燃料電池システムにおいて、少なくとも1つの燃料電池モジュールをそれぞれフロント側およびリア側で車両フレームまたは車両ボディ部分に支持するために、支持構造が第1の横方向支持体と第2の横方向支持体を有することを企図することができ、特に、少なくとも1つの内部にある部品支持体は、少なくとも1つの燃料電池モジュールを第1の横方向支持体および第2の横方向支持体に支持するように形成されている。このために、第1の横方向支持体および第2の横方向支持体を車両フレームまたは車両ボディ部分に、殊に解除可能に、例えば形状結合的および/または力結合的に取り付けるために、第1の横方向支持体および第2の横方向支持体がそれぞれ少なくとも1つの取付インタフェースを有することができるということがさらに考えられる。このようにして、車両フレームの完成したコンポーネントを囲むことができる支持構造を提供することができる。
【0023】
さらに、本発明は、第2の態様によれば、車両フレームまたは車両ボディ部分と、上述のように形成することができ、かつ車両フレームまたは車両ボディ部分に配置、特に支持することができる燃料電池システムと、を備える車両を提供する。その場合、本発明による燃料電池システムとの関連で上述したことと同じ利点が達成される。これらの利点は、本明細書中でその全体が参照される。さらに、車両フレームが第1の縦方向支持体と第2の縦方向支持体を有することができるということ、ならびに/あるいは車両フレームが、特に支持構造の一部として形成され得る第1の横方向支持体と第2の横方向支持体を有することができるということが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の意味での可能な燃料電池システムの平面図および模式的断面図である。
【
図2】本発明の意味での別の可能な燃料電池システムの平面図および模式的断面図である。
【
図3】本発明の意味でのさらに別の可能な燃料電池システムの平面図および模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図をもとにして本発明を詳しく説明する。その際、これらの図は記述的な性格を有するにすぎず、本発明を何らかの形で限定するようには意図されていないことに注意すべきである。
【0026】
異なる図面において、同じ部品には常に同じ参照符号が付され、したがってこれらは通常、1回しか説明されない。
【0027】
図1~
図3はそれぞれ、車両フレームまたは車両ボディ部分を有する車両F用として企図される本発明の意味での燃料電池システム100を示す。
【0028】
本発明による燃料電池システム100は、以下の要素、すなわち、少なくとも1つの燃料電池モジュールM1、M2と、燃料電池システム100を車両フレームまたは車両ボディ部分上に支持するための支持構造10と、を備え、支持構造10は、少なくとも1つの燃料電池モジュールM1、M2に対して内部にある少なくとも1つの部品支持体13を有し、少なくとも1つの燃料電池モジュールM1、M2のサブモジュールは、少なくとも1つの内部にある部品支持体13と接続され、少なくとも1つの部品支持体13は、燃料電池システム100を車両フレームまたは車両ボディ部分上に直接、または、例えば他の接続部品を介して間接的に、殊に解除可能に、例えば形状結合的および/または力結合的に取り付けるために、少なくとも1つの取付インタフェースS3、S4を有する。接続部品は、例えば横方向支持体11、12であり得る。
【0029】
図は、燃料電池システム101のフレームにおける2つのモジュールM1、M2を例示的に示すにすぎず、燃料電池システム101は、複数の、例えば3つ、4つ、またはそれより多いモジュールM1、M2を有することもできる。
【0030】
燃料電池モジュールM1、M2もしくは単にモジュールM1、M2は、以下のサブモジュールS、O、H、E、K、すなわち
-燃料電池積層体、いわゆる燃料電池スタックの形態のサブモジュールS、
-酸化剤供給のためのサブモジュールO、
-燃料供給のためのサブモジュールH、
-制御電子機器のためのサブモジュールE、および
-冷却供給のためのサブモジュールK、
を有することができる。
【0031】
少なくとも1つの取付インタフェース11、12は、例えば、予め組み付けられたねじ、リベット、係止要素、クリップ、またはそれに類するものの形態で形成され得る。図は、例示的に、少なくとも1つの内部にある部品支持体13の各端にそれぞれ2つの取付インタフェース11、12を示す。
【0032】
本発明によれば、燃料電池モジュールM1、M2は、支持構造10の少なくとも1つの内部にある部品支持体13をモジュールM1、M2内に収容する。したがって、支持構造10は、燃料電池モジュールM1、M2のための架台構造をなす。支持構造10は、全部を包囲するハウジングを形成して車両Fに支持するということなく、本発明による燃料電池モジュールM1、M2を開いた状態にすることを可能にする。
【0033】
図1および
図3が示すように、支持構造10の少なくとも1つの内部にある部品支持体13は、燃料電池システム100のすべてのモジュールM1、M2を一貫して通って延びる。その場合、
図1の実施形態によれば、少なくとも1つの内部にある部品支持体13がモジュールM1、M2の間に接続箇所Nを有することができ、接続箇所は、継目、あるいは力結合的または形状結合的な接続箇所Nであることが可能である。
【0034】
図2が示すように、燃料電池システム100の各モジュールM1、M2は、支持構造10の対応する要素とともに、個別に取り扱い可能なモジュールユニットを形成できる。その場合、燃料電池システム100の各モジュールM1、M2に、それぞれ個別の、内部にある部品支持体13を設けることができる。
【0035】
本発明の範囲内で、少なくとも1つの(一貫した、または個々の)内部にある部品支持体13が一体的に、および/または同じ材料で、および/またはモノリシックに形成され得るということが考えられる。
【0036】
これに加えて、本発明の範囲内で、少なくとも1つの(一貫した、または個々の)内部にある部品支持体13を、この場合もまた材料結合的に、例えば溶接によって、あるいは形状結合的および/または力結合的に、例えばねじ締結、係止、および/または締付けによって互いに接続され得る複数の別々の部品から組み立てることができるということが考えられる。
【0037】
モジュールM1、M2のサブモジュールS、O、H、E、Kおよび/またはコンポーネントは、(場合によっては追加の取付具により)少なくとも1つの内部にある部品支持体13と、例えば解除可能に、例えば形状結合的および/または力結合的に接続することができる。
【0038】
本発明は、燃料電池モジュールM1、M2のサブモジュールS、O、H、E、Kおよび/またはコンポーネントを車両Fに取り付けるために、少なくとも1つの内部にある部品支持体13を形成しさえすればよいことを企図する。その場合、燃料電池モジュールM1、M2のサブモジュールS、O、H、E、Kおよび/またはコンポーネントは、車両フレームまたは車両ボディ部分に直接ではなく、少なくとも1つの内部にある部品支持体13を介して間接的に車両Fに支持される。
【0039】
本発明の範囲内で、例えば部品支持体により改善された衝突安全性および/または衝撃減衰を提供するために、少なくとも1つの部品支持体13は、断面が閉じた、特にO字形のプロファイルを有することができる(
図1および
図2に示唆される)ことが考えられる。
【0040】
図3が示唆するように、本発明の範囲内で、例えば少なくとも1つの部品支持体13内に、燃料電池モジュールM1、M2のコンポーネントおよび/またはサブモジュールS、O、H、E、Kを配置するためのスペースを作り出すために、少なくとも1つの部品支持体13は、断面が開いた、特にZ字形、T字形、殊にC字形またはU字形のプロファイルを有することができるということが考えられる。
【0041】
本発明による車両Fは、簡単にするという理由だけで
図1~
図3に全く示されていない。車両Fの車両フレームは、第1の縦方向支持体1と第2の縦方向支持体2を有することができる。これに加えて、車両Fの車両フレームは、第1の横方向支持体11と第2の横方向支持体12を有し、これらは例えば支持構造10の部分として提供され得る。
【0042】
車両Fは、有利には、電気車として形成することができ、燃料電池システム101は、車両Fの電気モータのための電気エネルギーを供給することができる。
【0043】
さらに、第1の横方向支持体11と第2の横方向支持体12を車両フレームまたは車両ボディ部分、特に車両Fの縦方向支持体1、2に、殊に解除可能に、例えば形状結合的および/または力結合的に取り付けるために、第1の横方向支持体11と第2の横方向支持体12がそれぞれ少なくとも1つの取付インタフェースS1、S2を有することができるということが考えられる。
【0044】
上記の図の説明は、本発明を例の範囲で説明するにすぎない。当然のことながら、実施形態の個々の特徴は、技術的に有意義である限りで、本発明の範囲から逸脱することなく自由に互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 第1の縦方向支持体
2 第2の縦方向支持体
10 支持構造
11 第1の横方向支持体
12 第2の横方向支持体
13 部品支持体
100、101 燃料電池システム
F 車両
M1、M2 燃料電池モジュール
N 接続箇所
S1、S2、S3、S4 取付インタフェース
S、O、H、E、K サブモジュール