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特許7522319捲回式電極アセンブリ、電池セル、電池及び電力消費装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】捲回式電極アセンブリ、電池セル、電池及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20240717BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20240717BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M10/0587
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023528502
(86)(22)【出願日】2021-03-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 CN2021079604
(87)【国際公開番号】W WO2022188009
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】上官 会会
(72)【発明者】
【氏名】唐 代春
(72)【発明者】
【氏名】杜 ▲シン▼▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】白 子▲瑜▼
(72)【発明者】
【氏名】秦 瑞▲環▼
【審査官】冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第212161994(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第111326699(CN,A)
【文献】特開2006-079942(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102263256(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/0587
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続された第1正極捲回端部及び正極捲回中間段を含む正極シートと、
互いに接続された第1部分及び第2部分を含む負極シートと、を含む捲回式電極アセンブリであって、
前記第1部分は前記第1正極捲回端部に対向して設置され、前記第2部分は前記正極捲回中間段に対向して設置され、
前記捲回式電極アセンブリの捲回軸線方向に沿って、前記負極シートの負極活物質層は前記正極シートの正極活物質層を超え、前記第1部分の負極活物質層の最大幅はH1であり、前記第1正極捲回端部の正極活物質層の最小幅はL1であり、前記第2部分の負極活物質層の最大幅はH2であり、前記正極捲回中間段の正極活物質層の最小幅はL2であり、H1-L1>H2-L2である、捲回式電極アセンブリ。
【請求項2】
前記第1部分の負極活物質層の最小幅はH3であり、H1>H2であり、H3≧H2である、請求項1に記載の捲回式電極アセンブリ。
【請求項3】
0.3mm≦H1-H2≦3mmである、請求項1又は2に記載の捲回式電極アセンブリ。
【請求項4】
前記捲回軸線方向に沿って、前記第1部分の負極活物質層の一端の少なくとも一部は、前記第2部分の負極活物質層の対応する一端を超え、前記第1部分の負極活物質層の他端は前記第2部分の負極活物質層の他端と面一である、請求項2に記載の捲回式電極アセンブリ。
【請求項5】
前記負極シートはさらに負極タブを含み、前記捲回軸線方向に沿って、前記負極タブは前記負極シートの一端に位置し、前記第1部分の負極活物質層の前記負極タブに近い一端は、少なくとも一部が前記第2部分の負極活物質層の対応する一端を超える、請求項4に記載の捲回式電極アセンブリ。
【請求項6】
前記負極シートはさらに負極タブを含み、前記捲回軸線方向に沿って、前記負極タブは前記負極シートの一端に位置し、前記第1部分の前記負極タブに近い一端は前記第2部分の対応する一端を超え、前記第1部分の他端は前記第2部分の他端と面一である、請求項1~5のいずれか一項に記載の捲回式電極アセンブリ。
【請求項7】
前記捲回式電極アセンブリの捲回方向に沿って、前記第1部分は前記第2部分に接続される接続面を有し、
前記負極タブの数は複数であり、複数の前記負極タブのうちの1つの負極タブは前記捲回軸線方向に沿って前記第1部分から突出し、且つ前記第2部分に近い第1側面を有し、前記第1側面は前記接続面と面一である、請求項6に記載の捲回式電極アセンブリ。
【請求項8】
前記捲回軸線方向に沿って、前記第1部分から突出する負極タブに負極活物質層が設けられ、且つ前記第1部分から突出する負極タブ上の負極活物質層は前記第1部分の負極活物質層に接続される、請求項6に記載の捲回式電極アセンブリ。
【請求項9】
前記捲回式電極アセンブリは直線領域及び2つの折り曲げ領域を含み、前記2つの折り曲げ領域はそれぞれ前記直線領域の両端に接続され、前記第1部分は前記直線領域を少なくとも2回通過する、請求項1~8のいずれか一項に記載の捲回式電極アセンブリ。
【請求項10】
前記正極シートはさらに第2正極捲回端部を含み、前記第1正極捲回端部及び前記第2正極捲回端部はそれぞれ前記正極捲回中間段の両端に接続され、
前記負極シートはさらに第3部分を含み、前記第1部分と前記第3部分はそれぞれ前記第2部分の両端に接続され、前記第3部分と前記第2正極捲回端部は対向して設置され、
前記第3部分の負極活物質層の最大幅はH4であり、前記第2正極捲回端部の正極活物質層の最小幅はL3であり、H4-L3>H2-L2である、請求項1~9のいずれか一項に記載の捲回式電極アセンブリ。
【請求項11】
前記第3部分の負極活物質層の最小幅はH5であり、H4>H2であり、H5≧H2である、請求項10に記載の捲回式電極アセンブリ。
【請求項12】
前記第1正極捲回端部の正極活物質層の最大幅はL4であり、前記正極捲回中間段の正極活物質層の最大幅はL5であり、L4<L5である、請求項1~11のいずれか一項に記載の捲回式電極アセンブリ。
【請求項13】
前記捲回軸線方向に沿って、前記正極捲回中間段の正極活物質層の一端の少なくとも一部は、前記第1正極捲回端部の正極活物質層に対応する一端を超え、前記正極捲回中間段の正極活物質層の他端は前記第1正極捲回端部の正極活物質層の他端と面一である、請求項12に記載の捲回式電極アセンブリ。
【請求項14】
前記正極シートはさらに正極タブを含み、前記捲回軸線方向に沿って、前記正極タブは前記正極シートの一端に位置し、前記正極捲回中間段の正極活物質層の前記正極タブに近い一端は、少なくとも一部が前記第1正極捲回端部の正極活物質層に対応する一端を超える、請求項13に記載の捲回式電極アセンブリ。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の捲回式電極アセンブリを含む電池セル。
【請求項16】
請求項15に記載の電池セルを含む電池。
【請求項17】
請求項15に記載の電池セルを含む電力消費装置。
【請求項18】
捲回式電極アセンブリの製造方法であって、
互いに接続された第1正極捲回端部及び正極捲回中間段を含む正極シートを提供するステップと、
互いに接続された第1部分及び第2部分を含む負極シートを提供するステップと、
前記第1部分が前記第1正極捲回端部に対向して設置され、前記第2部分が前記正極捲回中間段に対向して設置されるように、前記正極シートと前記負極シートを捲回して前記捲回式電極アセンブリを形成するステップと、を含み、
前記捲回式電極アセンブリの捲回軸線方向に沿って、前記負極シートの負極活物質層は前記正極シートの正極活物質層を超え、前記第1部分の負極活物質層の最大幅はH1であり、前記第1正極捲回端部の正極活物質層の最小幅はL1であり、前記第2部分の負極活物質層の最大幅はH2であり、前記正極捲回中間段の正極活物質層の最小幅はL2であり、H1-L1>H2-L2である、捲回式電極アセンブリの製造方法。
【請求項19】
捲回式電極アセンブリの製造設備であって、
互いに接続された第1正極捲回端部及び正極捲回中間段を含む正極シートを提供するように構成される第1提供装置と、
互いに接続された第1部分及び第2部分を含む負極シートを提供するように構成される第2提供装置と、
前記第1部分が前記第1正極捲回端部に対向して設置され、前記第2部分が前記正極捲回中間段に対向して設置されるように、前記正極シートと前記負極シートを捲回するように構成される組み立て装置と、を含み、
前記捲回式電極アセンブリの捲回軸線方向に沿って、前記負極シートの負極活物質層は前記正極シートの正極活物質層を超え、前記第1部分の負極活物質層の最大幅はH1であり、前記第1正極捲回端部の正極活物質層の最小幅はL1であり、前記第2部分の負極活物質層の最大幅はH2であり、前記正極捲回中間段の正極活物質層の最小幅はL2であり、H1-L1>H2-L2である、捲回式電極アセンブリの製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池技術分野に関し、特に捲回式電極アセンブリ、電池セル、電池、電力消費装置、電極アセンブリの製造方法及びその製造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン蓄電池はそのエネルギー密度が大きく、サイクル特性に優れる等の顕著な利点により、二次電池の主流製品となり、且つ携帯型電子機器、自動車、携帯電話、宇宙船等の分野に広く応用されている。
【0003】
電池負極材料で一般的なものはグラファイト又はシリコンであるが、そのリチウム吸蔵電位は金属リチウムに近いため、ある条件下で、リチウム析出現象が発生しやすく、それによりリチウムイオン電池のサイクル性能に重大な影響を及ぼし、深刻な場合にはリチウム析出によりリチウムデンドライトが形成されて、電池内の短絡等の安全上の問題を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本願の実施例は、電池におけるリチウム析出という課題を改善するための捲回式電極アセンブリ、電池セル、電池、電力消費装置、電極アセンブリの製造方法及びその製造設備を提供する。
【0005】
第1態様によれば、本願の実施例は、正極シートと、負極シートを含み、前記正極シートは互いに接続された第1正極捲回端部及び正極捲回中間段を含み、前記負極シートは互いに接続された第1部分及び第2部分を含み、前記第1部分は前記第1正極捲回端部に対向して設置され、前記第2部分は前記正極捲回中間段に対向して設置され、前記捲回式電極アセンブリの捲回軸線方向に沿って、前記負極シートの負極活物質層は前記正極シートの正極活物質層を超え、前記第1部分の負極活物質層の最大幅はH1であり、前記第1正極捲回端部の正極活物質層の最小幅はL1であり、前記第2部分の負極活物質層の最大幅はH2であり、前記正極捲回中間段の正極活物質層の最小幅はL2であり、H1-L1>H2-L2である、捲回式電極アセンブリを提供する。
【0006】
上記技術的解決手段において、第1部分の負極活物質層の最大幅と第1正極捲回端部の正極活物質層の最小幅との差を、第2部分の負極活物質層の最大幅と正極捲回中間段の正極活物質層の最小幅との差より大きく設定することにより、すなわち第1正極捲回端部の正極活物質層と第1部分の負極活物質層との最大幅差を、第2部分の負極活物質層と正極捲回中間段の正極活物質層との最大幅差より大きくすることにより、捲回軸線方向に沿って、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさないことによるリチウム析出のリスクを低下させる。
【0007】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、H1>H2である。
【0008】
上記技術的解決手段において、第1部分が第1正極捲回端部に対向して設置され、第2部分が正極捲回中間段に対向して設置され、第1部分の負極活物質層の最大幅が第2部分の負極活物質層の最大幅より大きいことは、第1部分の負極活物質層が第2部分の負極活物質層に対して幅が増加したことに相当し、エネルギー密度を保証する状況で、捲回軸線方向に沿って、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを低下させることができる。
【0009】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記第1部分の負極活物質層の最小幅はH3であり、H3≧H2である。
【0010】
上記技術的解決手段において、第1部分の負極活物質層の最小幅は第2部分の負極活物質層の最大幅以上であり、捲回軸線方向に沿って、第1部分の負極活物質層の第1正極捲回端部の正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすことを防ぐ。
【0011】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、0.3mm≦H1-H2≦3mmである。
【0012】
上記技術的解決手段において、捲回軸方向に沿って、第1部分の負極活物質層の幅が大きすぎると、セパレータの幅を超える可能性があり、さらにトップカバーアセンブリと干渉して、短絡のリスクを増加させる可能性がある。第1部分の負極活物質層の幅のサイズが不十分である場合、捲回軸線方向に沿って、負極シートの正極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たすことができない。従って、0.3mm≦H1-H2≦3mmは捲回式電極アセンブリの安全な使用を保証するだけでなく、捲回軸線方向に沿って、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを低下させることができる。
【0013】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記捲回軸線方向に沿って、前記第1部分の負極活物質層の一端の少なくとも一部は、前記第2部分の負極活物質層に対応する一端を超え、前記第1部分の負極活物質層の他端は前記第2部分の負極活物質層の他端と面一である。
【0014】
上記技術的解決手段において、捲回軸線方向に沿って、第1部分の負極活物質層の一端の少なくとも一部は第2部分の負極活物質層の対応する一端を超え、第1部分の負極活物質層の他端は第2部分の負極活物質層の他端と面一であり、これにより第1部分の負極活物質層を第2部分の負極活物質層に対して捲回軸線方向の側から幅を広げることができ、負極シートの成形方式が簡単になり、加工の難度を低下させる。
【0015】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記負極シートはさらに負極タブを含み、前記捲回軸線方向に沿って、前記負極タブは前記負極シートの一端に位置し、前記第1部分の負極活物質層の前記負極タブに近い一端は、少なくとも一部が前記第2部分の負極活物質層の対応する一端を超える。
【0016】
上記技術的解決手段において、捲回軸線方向に沿って、第1部分の負極活物質層の負極タブに近い一端は、少なくとも一部が第2部分の負極活物質層の対応する一端を超え、これによりダイカットして負極タブを形成する過程において、第1部分の負極活物質層と第2部分の負極活物質層に幅の差を有する負極シートを形成することができ、すなわち負極シートの従来の成形工程を利用して、第1部分の負極活物質層と第2部分の負極活物質層に幅の差を有する負極シートを形成することができる。
【0017】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記負極シートはさらに負極タブを含み、前記捲回軸線方向に沿って、前記負極タブは前記負極シートの一端に位置し、前記第1部分の前記負極タブに近い一端は前記第2部分の対応する一端を超え、前記第1部分の他端は前記第2部分の他端と面一である。
【0018】
上記技術的解決手段において、捲回軸線方向に沿って、第1部分の負極タブに近い一端は第2部分の対応する一端を超え、第1部分の他端は第2部分の他端と面一であり、ダイカットして負極タブを形成する過程において、第1部分と第2部分に幅の差を有する負極シートを形成することができ、すなわち負極シートの従来の成形工程を利用して、第1部分と第2部分に幅の差を有する負極シートを形成することができる。
【0019】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、捲回方向に沿って、前記第1部分は前記第2部分に接続される接続面を有し、前記負極タブの数は複数であり、複数の前記負極タブのうちの1つの負極タブは前記捲回軸線方向に沿って前記第1部分から突出し、且つ前記第2部分に近い第1側面を有し、前記第1側面は前記接続面と面一である。
【0020】
上記技術的解決手段において、第1部分の接続面と負極タブの1つの側面とが面一であり、接続面は2つの負極タブの間に位置していないため、捲回中及び捲回完了後に、第1部分と第2部分に幅の差が存在することで第1部分と第2部分の接続位置で反り上がりセパレータを突き破ることを防ぐことができる。
【0021】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、捲回軸線方向に沿って、前記第1部分から突出する負極タブに負極活物質層が設けられ、且つ前記第1部分から突出する負極タブ上の負極活物質層は前記第1部分の負極活物質層に接続される。
【0022】
上記技術的解決手段において、第1部分から突出する負極タブ上の負極活物質層が第1部分の負極活物質層に接続されることは、第1部分の一部の位置の負極活物質層の幅をさらに大きくすることに相当し、捲回軸線方向において、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを、さらに低下させることができる。
【0023】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記捲回式電極アセンブリは直線領域及び2つの折り曲げ領域を含み、前記2つの折り曲げ領域はそれぞれ前記直線領域の両端に接続され、前記第1部分は前記直線領域を少なくとも2回通過する。
【0024】
上記技術的解決手段において、直線領域を2回通過すると、第1正極捲回端部と第1部分が相対的にずれる可能性は小さくなり、第1部分が直線領域を少なくとも2回通過するため、第1正極捲回端部と第1部分に相対的なずれが生じることが原因で、捲回軸線方向において、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを、可能な限り低下させることができる。
【0025】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記正極シートはさらに第2正極捲回端部を含み、前記第1正極捲回端部及び前記第2正極捲回端部はそれぞれ前記正極捲回中間段の両端に接続され、前記負極シートはさらに第3部分を含み、前記第1部分と前記第3部分はそれぞれ前記第2部分の両端に接続され、前記第3部分と前記第2正極捲回端部は対向して設置され、前記第3部分の負極活物質層の最大幅はH4であり、前記第2正極捲回端部の正極活物質層の最小幅はL3であり、H4-L3>H2-L2である。
【0026】
上記技術的解決手段において、正極シートはさらに第2正極捲回端部を含み、負極シートはさらに第3部分を含み、第2正極捲回端部と第3部分は対向して配置される。第1正極捲回端部の正極活物質層と第1部分の負極活物質層との最大幅差は、第2部分の負極活物質層と正極捲回中間段の正極活物質層との最大幅差より大きく、第2正極捲回端部の正極活物質層と第3部分の負極活物質層との最大幅差は、第2部分の負極活物質層と正極捲回中間段の正極活物質層との最大幅差より大きく、捲回軸線方向において、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを低下させることができる。
【0027】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、H4>H2である。
【0028】
上記技術的解決手段において、第3部分が第2正極捲回端部に対向して設置され、第2部分が正極捲回中間段に対向して設置され、第3部分の負極活物質層の最大幅が第2部分の負極活物質層の最大幅より大きいことは、第3部分の負極活物質層が第2部分の負極活物質層に対して幅が増加したことに相当し、エネルギー密度を保証する状況で、捲回軸線方向において、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを低下させることができる。
【0029】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記第3部分の負極活物質層の最小幅はH5であり、H5≧H2である。
【0030】
上記技術的解決手段において、第3部分の負極活物質層の最小幅は第2部分の負極活物質層の最大幅以上であり、捲回軸線方向において、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを低下させる。
【0031】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記第1正極捲回端部の正極活物質層の最大幅はL4であり、前記正極捲回中間段の正極活物質層の最大幅はL5であり、L4<L5である。
【0032】
上記技術的解決手段において、第1正極捲回端部の正極活物質層の最大幅は、正極捲回中間段の正極活物質層の最大幅より小さく、これにより第1正極捲回端部の正極活物質層と第1部分の負極活物質層との最大幅差は、第2部分の負極活物質層と正極捲回中間段の正極活物質層との最大幅差より大きくなり、正極シートの第1正極捲回端部の幅を変えることにより、捲回軸線方向において、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こす可能性を低下させる。
【0033】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記捲回軸線方向に沿って、前記正極捲回中間段の正極活物質層の一端の少なくとも一部は、前記第1正極捲回端部の正極活物質層に対応する一端を超え、前記正極捲回中間段の正極活物質層の他端は前記第1正極捲回端部の正極活物質層の他端と面一である。
【0034】
上記技術的解決手段において、捲回軸線方向に沿って、正極捲回中間段の正極活物質層の一端の少なくとも一部は、第1正極捲回端部の正極活物質層に対応する一端を超え、正極捲回中間段の正極活物質層の他端は第1正極捲回端部の正極活物質層の他端と面一であり、これにより第1正極捲回端部の正極活物質層を正極捲回中間段の正極活物質層に対して捲回軸線方向の側から幅を広げることができ、正極シートの成形方式が簡単になり、加工の難度を低下させる。
【0035】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記正極シートはさらに正極タブを含み、前記捲回軸線方向に沿って、前記正極タブは前記正極シートの一端に位置し、前記正極捲回中間段の正極活物質層の前記正極タブに近い一端は、少なくとも一部が前記第1正極捲回端部の正極活物質層に対応する一端を超える。
【0036】
上記技術的解決手段において、正極捲回中間段の正極活物質層の正極タブに近い一端は、少なくとも一部が第1正極捲回端部の正極活物質層に対応する一端を超え、これにより正極タブをダイカットして形成する過程において、第1正極捲回端部の正極活物質層と正極捲回中間段の正極活物質層に幅の差を有する正極シートを形成することができ、すなわち正極シートの本来の成形工程を利用して、第1正極捲回端部の正極活物質層と正極捲回中間段の正極活物質層に幅の差を有する正極シートを形成することができる。
【0037】
第2態様によれば、本願の実施例は、第1態様のいずれかの実施例に係る捲回式電極アセンブリを含む電池セルを提供する。
【0038】
上記技術的解決手段において、電池セルは第1態様のいずれかの実施例に係る捲回式電極アセンブリを含み、電池セルは、捲回軸線方向に沿って、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こす可能性が低い。
【0039】
第3態様によれば、本願の実施例は、第2態様の実施例に係る電池セルを含む電池を提供する。
【0040】
上記技術的解決手段において、電池は第2態様の実施例が係る電池セルを含み、電池は、捲回軸線方向に沿って、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こす可能性が低い。
【0041】
第4態様によれば、本願の実施例は、第2態様の実施例に係る電池セルを含む電力消費装置を提供する。
【0042】
上記技術的解決手段において、電力消費装置は第2態様の実施例に係る電池セルを含み、電力消費装置の電池セルは、捲回軸線方向に沿って、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こす可能性が低い。
【0043】
第5態様によれば、本願の実施例は、互いに接続された第1正極捲回端部及び正極捲回中間段を含む正極シートを提供するステップと、互いに接続された第1部分及び第2部分を含む負極シートを提供するステップと、前記前記第1部分が前記第1正極捲回端部に対向して設置され、前記第2部分が前記正極捲回中間段に対向して設置されるように、前記正極シートと前記負極シートを捲回して前記捲回式電極アセンブリを形成するステップと、を含み、前記捲回式電極アセンブリの捲回軸線方向に沿って、前記負極シートの負極活物質層は前記正極シートの正極活物質層を超え、前記第1部分の負極活物質層の最大幅はH1であり、前記第1正極捲回端部の正極活物質層の最小幅はL1であり、前記第2部分の負極活物質層の最大幅はH2であり、前記正極捲回中間段の正極活物質層の最小幅はL2であり、H1-L1>H2-L2である、捲回式電極アセンブリの製造方法を提供する。
【0044】
上記技術的解決手段において、提供される負極シートの第1部分の負極活物質層の最大幅と、提供される正極シートの第1正極捲回端部の正極活物質層の最小幅との差は、負極シートの第2部分の負極活物質層の最大幅と、正極シートの正極捲回中間段の正極活物質層の最小幅との差よりも大きく、捲回技術や捲回設備等による第1部分と第1正極捲回端部との相対的なずれが原因で、捲回軸線方向に沿って、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを低下させることができる。
【0045】
第6態様によれば、本願の実施例は、互いに接続された第1正極捲回端部及び正極捲回中間段を含む正極シートを提供するように構成される第1提供装置と、互いに接続された第1部分及び第2部分を含む負極シートを提供するように構成される第2提供装置と、前記第1部分が前記第1正極捲回端部に対向して設置され、前記第2部分が前記正極捲回中間段に対向して設置されるように、前記正極シートと前記負極シートを捲回する組み立て装置と、を含み、前記捲回式電極アセンブリの捲回軸線方向に沿って、前記負極シートの負極活物質層は前記正極シートの正極活物質層を超え、前記第1部分の負極活物質層の最大幅はH1であり、前記第1正極捲回端部の正極活物質層の最小幅はL1であり、前記第2部分の負極活物質層の最大幅はH2であり、前記正極捲回中間段の正極活物質層の最小幅はL2であり、H1-L1>H2-L2である、捲回式電極アセンブリの製造設備を提供する。
【0046】
上記技術的解決手段において、第1提供装置及び第2提供装置が提供する正極シート及び負極シートは、捲回して捲回式電極アセンブリを形成する過程において、捲回軸線方向に沿って、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを低下させることができる。
【0047】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に説明し、理解すべきことは、以下に示された図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、図面に基づいて他の図面をさらに取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本願のいくつかの実施例に係る車両の構造概略図である。
図2】本願のいくつかの実施例に係る電池の分解図である。
図3】本願のいくつかの実施例に係る電池セルの分解図である。
図4】本願のいくつかの実施例に係る捲回式電極アセンブリの構造概略図である。
図5図4のP0-P0方向の断面図である。
図6】本願のいくつかの実施例に係る第1正極捲回端部が正極捲回終了段である電極アセンブリの構造概略図である。
図7】本願のいくつかの実施例に係る第1部分の負極活物質層の最大幅位置と第1正極捲回端部の正極活物質層の最小幅位置が互いにずれた電極アセンブリの構造概略図である。
図8】本願のいくつかの実施例に係る第1部分の負極活物質層の最大幅位置が第1正極捲回端部の正極活物質層の最小幅位置に対応する電極アセンブリの構造概略図である。
図9】本願のいくつかの実施例に係る負極シートの構造概略図である。
図10】本願のいくつかの実施例に係る第1部分の一端が第2部分を超える負極シートの構造概略図である。
図11】従来技術におけるダイカットして負極シートを形成する概略図である。
図12】本願の別の実施例に係る第1部分の一端が第2部分を超える負極シートの構造概略図である。
図13】本願のいくつかの実施例に係る第1部分が非等幅の負極シートの構造概略図である。
図14】本願のさらに別の実施例に係る第1部分が非等幅の負極シートの構造概略図である。
図15】本願のさらに別の実施例に係る負極シートの構造概略図である。
図16】本願のさらに別の実施例に係る負極シートの構造概略図である。
図17】本願のさらに別の実施例に係る負極シートの構造概略図である。
図18】本願のいくつかの実施例に係る接続面が斜面である負極シートの構造概略図である。
図19】本願のいくつかの実施例に係る第1側面と接続面が面一ではない負極シートの構造概略図である。
図20】本願のいくつかの実施例に係る負極タブの負極活物質層と負極本体の負極活物質層が接続された負極シートの構造概略図である。
図21】本願のいくつかの実施例に係る電極アセンブリの構造概略図である。
図22図19のP1-P1方向の断面図である。
図23】本願の別の実施例が提供する電極アセンブリの構造概略図である。
図24】別の状況における図21のP2-P2方向の断面図である。
図25】さらに別の状況における図21のP2-P2方向の断面図である。
図26】本願のいくつかの実施例に係る第1延伸部を有する電極アセンブリの構造概略図である。
図27】本願の別の実施例に係る第1延伸部を有する電極アセンブリの構造概略図である。
図28】本願のさらに別の実施例に係る電極アセンブリの構造概略図である。
図29】本願のいくつかの実施例に係る第1部分、第2部分及び第3部分を有する負極シートの構造概略図である。
図30図28のP3-P3方向の断面図である。
図31】本願のさらに別の実施例に係る捲回式電極アセンブリの構造概略図である。
図32図29のP4-P4方向の断面図である。
図33】本願のさらに別の実施例に係る電極アセンブリの構造概略図である。
図34】別の状況における図31のP5-P5方向の断面図である。
図35】さらに別の状況における図31のP5-P5方向の断面図である。
図36】本願の別の実施例に係る第2延伸部を有する電極アセンブリの構造概略図である。
図37】本願の別の実施例に係る正極シートの構造概略図である。
図38】本願の別の実施例に係る正極シートの構造概略図である。
図39】本願のさらに別の実施例に係る正極シートの構造概略図である。
図40】本願のいくつかの実施例に係る電極アセンブリの製造方法のフローチャートである。
図41】本願のいくつかの実施例に係る電極アセンブリの製造装置の構造概略ブロック図である。
【0049】
図面において、図面は実際の比率に従って描かれたものではない。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確に説明し、明らかに、説明される実施例は本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく取得した全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0051】
別途定義されない限り、本願で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本願の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本願の明細書で使用される用語は、単に具体的な実施例を説明することが目的であり、本願を限定することを意図したものではない。本願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」及び「有する」という用語及びそれらの類語は、排他的ではないものを意図している。本願の明細書と特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」等の用語は異なる対象を区別するために用いられ、特定の順序又は主従関係を説明するために用いられるものではない。
【0052】
本願における「実施例」への言及は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各所に該「実施例」という語が出現しても、必ずしも全てが同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互に排他的で独立した又は代替的な実施例を指すものでもない。
【0053】
本願の記載において説明すべきことは、特に明確に規定及び限定しない限り、「取り付ける」、「つながっている」、「接続」、「取り付け」という用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体接続であってもよい。直接つながっていてもよく、中間媒体を介して間接的につながっていてもよく、又は2つの素子内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0054】
本願の実施例において、同一の符号は同一の部材を示し、異なる実施例においては、簡潔にするために同一の部材の詳細で重複な説明を省略する。なお、図面に示される本願の実施例における各部材の厚さ、長さ、幅等の寸法、及び集積装置の全体の厚さ、長さ、幅等の寸法は例示的な説明に過ぎず、本願を何ら限定するものではない。
【0055】
本願に出現する「複数」は2つ以上(2つを含む)を指す。
【0056】
本願の実施例において、電池セルはリチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等を含むことができ、本願の実施例はこれに限定されない。電池セルは円筒、扁平体、直方体、又は他の形状等であってもよく、本願の実施例はこれにも限定されない。電池セルは一般的にパッケージの方式により円筒形電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルの3種類に分けられ、本願の実施例はこれにも限定されない。
【0057】
本願の実施形態で言及される電池は、より高い電圧及び容量を提供するために1つ以上の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本願で言及される電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含むことができる。電池は、一般的に1つ又は複数の電池セルをパッケージ化するための筐体を含む。筐体は他の異物が電池セルの充放電に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0058】
電池セルは電極アセンブリ及び電解液を含み、電極アセンブリは正極シート、負極シート及びセパレータから構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極シートと負極シートとの間を移動することによって動作する。正極シートは正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布される。リチウムイオン電池を例とすると、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極シートは負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布される。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は炭素又はシリコン等であってもよい。大電流によって溶断が発生しないことを保証するために、正極タブの数は複数であり且つ一体に積層され、負極タブの数は複数であり且つ一体に積層される。セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)等であってもよい。なお、本願において、電極アセンブリは捲回式構造である。
【0059】
電池技術の発展には多方面の設計要素、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電効率等の性能パラメータを同時に考慮する必要があり、また、電池の安全性を考慮する必要がある。リチウム析出は電池の電気的特性及び安全性に影響を与える主な要因の一つであり、一旦リチウム析出が発生すると、電池の電気的特性を低下させるだけでなく、リチウム析出量の累積に伴い、デンドライトが形成されやすく、デンドライトはセパレータを突き破り、電池内の短絡を引き起こす可能性があり、安全上のリスクが生じる。リチウム析出の原因は多数存在する。
【0060】
発明者らは、電極アセンブリの捲回開始端及び捲回終了端にリチウム析出の問題があることを発見し、分析の結果、捲き軸線方向に沿って、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさないことが、リチウム析出の主な原因の一つであることを発見した。詳細な研究の結果として、捲回軸線方向に沿って、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさない原因は以下のとおりである。
【0061】
電極アセンブリの先端(電極アセンブリの捲回開始端)については、その材料供給位置が正確でないこと、捲回して形成される捲回式電極アセンブリに対して捲回軸体の供給及び引き抜きを行うこと、捲回装置の構造に誤差があること、又は正極シートの先端と負極シートの先端が拘束されないことで、正極シートの先端と負極シートの先端の相対的なずれが生じやすく、それにより捲回軸線方向に沿って、負極シートの正極シートを超える部分のサイズが設計要件を満たさなくなる。
【0062】
電極アセンブリの末端(電極アセンブリの捲回終了端)については、捲回の終了直前に負極シートが切断されるため、切断後に負極シートの末端に張力がかからず、捲回終了時に負極シートの末端が正極シートの末端に対してずれやすい。また捲回完了後、電極アセンブリを移動させてホットプレスする必要があり、搬送過程において正極シートの末端と負極シートの末端に相対的なずれが生じやすく、それにより捲回軸線方向に沿って、負極シートの正極シートを超える部分のサイズが設計要件を満たさなくなる。
【0063】
これに鑑み、本願の実施例は、先端又は末端位置における負極シートの負極活物質層と正極シートの正極活物質層との最大幅差を、中間段の負極活物質層と正極シートの正極活物質層との最大幅差よりも大きくすることにより、捲回軸線方向に沿って、負極シートの負極活物質層の正極シートの正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを低下させる技術的解決手段を提供する。
【0064】
本願の実施例に記載の技術的解決手段は電池及び電池を使用する電力消費装置に適用される。
【0065】
電力消費装置は車両、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、船舶、宇宙機、電動玩具、電動工具などであってもよい。車両はガソリン自動車、天然ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車等であってもよい。宇宙船は航空機、ロケット、スペースシャトル及びスペースシップ等を含む。電動玩具はゲーム機、電動自動車玩具、電動船舶玩具及び電動航空機玩具等の固定式又は移動式の電動玩具を含む。電動工具は電動ドリル、電動グラインダ、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマ、電動インパクトドライバ、コンクリートバイブレータ及び電動カンナ等の金属切削電動工具、研磨電動工具、組立電動工具及び鉄道用電動工具を含む。本願の実施例は上記電力消費装置について特に限定しない。
【0066】
以下の実施例では説明の便宜上、電力消費装置を車両1000として説明する。
【0067】
図1を参照し、図1は本願のいくつかの実施例に係る車両1000の構造概略図である。車両1000の内部に電池100が設置され、電池100は車両1000の底部又は前側又は後側に設置されてもよい。電池100は、車両1000へ電力を供給するために用いることができ、例えば、車両1000の動作電源として用いることができる。車両1000はさらにコントローラ200及びモータ300を含むことができ、コントローラ200は、電池100がモータ300へ電力を供給するように制御するために用いられ、例えば、車両1000の起動、ナビゲーション及び走行時の動作電力の必要を賄う。
【0068】
本願のいくつかの実施例において、電池100は車両1000の動作電源としてだけでなく、車両1000の駆動電源として、燃料又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1000に駆動動力を提供することができる。
【0069】
図2に示すように、電池100は筐体10及び電池セル20を含み、電池セル20は筐体10内に収容され、筐体10は電池セル20に収容空間を提供し、筐体10は第1筐体部11及び第2筐体部12を含み、第1筐体部11及び第2筐体部12は電池セル20を収容するための収容空間を共に画定するように配置される。電池100において、電池セル20は、1つであってもよく、複数であってもよい。電池セル20が複数であれば、複数の電池セル20の間は直列接続又は並列接続又は直並列接続することができ、直並列接続とは複数の電池セル20に直列接続だけでなく並列接続もあることを指す。複数の電池セル20の間を直接、直列接続又は並列接続又は直並列接続し、次いで複数の電池セル20で構成された全体を筐体10内に収容することができる。なお、複数の電池セル20が、まず直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールがさらに直列接続又は並列接続又は直並列接続されて一体に形成され、筐体10内に収容されてもよい。電池セル20は円筒、扁平体、又は他の形状等であってもよい。
【0070】
いくつかの実施例において、電池100はさらにバス部材(図示せず)を含むことができ、複数の電池セル20の間はバス部材によって電気的な接続が実現されて、複数の電池セル20の直列接続又は並列接続又は直並列接続を実現する。
【0071】
図3を参照し、図3に示すのは本願のいくつかの実施例に係る電池セル20の分解図である。電池セル20は外ケース21、エンドカバーアセンブリ22及び電極アセンブリ23を含み、外ケース21は開口を有し、電極アセンブリ23は外ケース21内に収容され、エンドカバーアセンブリ22は開口に被せるために用いられる。外ケース21は円筒、扁平体等の様々な形状とであってもよい。外ケース21の形状は、電極アセンブリ23の具体的な形状によって決定される。例えば、電極アセンブリ23が円筒構造である場合、外ケース21は円筒構造を選択することができ、電極アセンブリ23が扁平体構造である場合、外ケース21は扁平体構造を選択することができる。外ケース21の材質はいくつもあり、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金等であってもよく、本願の実施例はこれについて特に限定しない。
【0072】
電池セル20の電極アセンブリ23は、1つであってもよく、複数であってもよい。図3は、外ケース21が直方体であり、2つの電極アセンブリ23が扁平体である電池セル20を例示する。図3において、2つの電極アセンブリ23が並んで配置される。
【0073】
図4図5を参照し、図4は本願のいくつかの実施例が提供する捲回式電極アセンブリ23の構造概略図であり、図5図4におけるP0-P0方向の断面図である。電極アセンブリ23は正極シート231、負極シート232及びセパレータ233を含み、正極シート231、負極シート232及びセパレータ233が積層して設けられ、且つ捲回方向Aに沿って捲回されて電極アセンブリ23が形成される。セパレータ233は正極シート231と負極シート232とを隔離して、電池100又は電池セル20の内部短絡を防ぐために用いられる。
【0074】
正極シート231は正極タブ2311及び正極本体2312を含み、正極シート231の正極本体2312は、互いに接続された第1正極捲回端部23121及び正極捲回中間段23122を含み、正極タブ2311は捲回軸線方向Bに沿って正極本体2312から突出する。負極シート232は負極本体2322及び負極タブ2321を含み、負極シート232の負極本体2322は互いに接続された第1部分23221及び第2部分23222を含み、負極タブ2321は捲回軸線方向Bに沿って負極本体2322から突出する。正極シート231の厚さ方向に沿って、正極タブ2311は正極本体2312から突出してもよく又は正極本体2312から突出しなくてもよく、例えば、正極タブ2311が、正極本体2312の捲回軸線方向Bに沿った一端に溶接される場合、正極タブ2311は厚さ方向に沿って正極本体2312から突出させることができ、正極タブ2311が、正極集電体をダイカットすることで形成される場合、正極タブ2311は正極本体2312から突出しなくてもよい。負極シート232の厚さ方向に沿って、負極タブ2321は負極本体2322から突出してもよく負極本体2322から突出しなくてもよく、例えば、負極タブ2321が負極本体2322の捲回軸線方向Bに沿った一端に溶接される場合、負極タブ2321は厚さ方向に沿って負極本体2322から突出させることができ、負極タブ2321が、負極集電体をダイカットすることで形成される場合、負極タブ2321は負極本体2322から突出しなくてもよい。電極アセンブリは、捲回状態において、正極シート231の厚み方向が電極アセンブリ23の捲回軸線方向Bに垂直であり、負極シート232の厚み方向が電極アセンブリ23の捲回軸線方向Bに垂直である。
【0075】
第1部分23221は第1正極捲回端部23121に対向して設置され、第2部分23222は正極捲回中間段23122に対向して設置され、捲回式電極アセンブリ23の捲回軸線方向Bに沿って、負極シート232の負極活物質層は正極シート231の正極活物質層を超え、第1部分の負極活物質層23221aの最大幅はH1であり、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの最小幅はL1であり、第2部分の負極活物質層23222aの最大幅はH2であり、正極捲回中間段の正極活物質層23122aの最小幅はL2であり、H1-L1>H2-L2である。
【0076】
第1部分の負極活物質層23221aの最大幅と第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの最小幅との差を、第2部分の負極活物質層23222aの最大幅と正極捲回中間段の正極活物質層23122aの最小幅との差よりも大きく設定することにより、すなわち第1正極捲回端部の正極活物質層23121aと第1部分の負極活物質層23221aとの最大幅差を、第2部分の負極活物質層23222aと正極捲回中間段の正極活物質層23122aとの最大幅差よりも大きくすることにより、捲回軸線方向Bに沿って、負極シート232の負極活物質層の正極シート231の正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさないことによるリチウム析出のリスクを低下させる。
【0077】
なお、正極シート231の正極活物質の幅及び負極シート232の負極活物質の幅は、いずれも捲回式電極アセンブリ23の捲回軸線方向Bに沿ったサイズを意味する。第1部分の負極活物質層23221aの最大幅とは、第1部分の負極活物質層23221aの捲回軸線方向Bに沿った最大サイズを指し、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの最小幅とは、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの捲回軸線方向Bに沿った最小サイズを指し、第2部分の負極活物質層23222aの最大幅とは、第2部分の負極活物質層23222aの捲回軸線方向Bに沿った最大サイズを指し、正極捲回中間段の正極活物質層23122aの最小幅とは、正極捲回中間段の正極活物質層23122aの捲回軸線方向Bに沿った最小サイズを指す。
【0078】
最大幅差とは、最大幅と最小幅との差であり、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aと第1部分の負極活物質層23221aとの最大幅差とは、H1-L1を指し、第2部分の負極活物質層23222aと正極捲回中間段の正極活物質層23122aとの最大幅差とは、H2-L2を指す。
【0079】
いくつかの実施例において、引き続き図4図5を参照し、第1正極捲回端部23121は正極捲回開始段であり、第1正極捲回端部23121は、正極捲回開始段の開始端23121bから捲回式電極アセンブリ23の捲回方向Aに沿って一定の距離捲回された正極本体2312であり、正極捲回中間段23122は、第1正極捲回端部23121の末端(正極捲回開始段の末端23121c)に接続され、且つ捲回式電極アセンブリ23の捲回方向Aに沿って一定の距離捲回された正極本体2312である。
【0080】
本願の図における太い線で示された部分が、負極シート232の負極活物質層の幅が増加する部分であることは、負極シート232の太い線の部分の厚さが負極シート232の細い線の部分の厚さよりも大きいことを示さず、電極アセンブリが捲回状態において、負極シート232の厚さ方向が電極アセンブリ23の捲回軸線方向Bに垂直である。
【0081】
第1部分23221は第1正極捲回端部23121に対向して設置され、すなわち第1部分23221は正極捲回開始段に対向して設置され、さらに説明すべきこととして、第1部分の開始端23221dは正極捲回開始段の開始端23121bに対応し、第1部分の末端23221eは正極捲回開始段の末端23121cに対応する。
【0082】
第1正極捲回端部23121が正極捲回開始段である場合、正極捲回開始端の正極活物質層と第1部分の負極活物質層23221aは、H1-L1>H2-L2を満たし、材料供給位置が正確でないこと、捲回して形成される捲回式電極アセンブリに対して捲回軸体の供給及び引き抜きを行うこと、捲回装置の構造に誤差があること、又は正極捲回開始段と第1部分23221が拘束されないことにより、正極捲回開始段と第1部分23221に相対的なずれが生じることが原因で、捲回軸線方向Bに沿って、負極シート232の正極シート231を超える部分のサイズが設計要件を満たさなくなるという可能性を低下させることができる。
【0083】
いくつかの実施例において、図6に示すように、第1正極捲回端部23121は正極捲回終了段であり、第1正極捲回端部23121は、正極捲回終了段の末端23121dから捲回式電極アセンブリ23の捲回方向Aの逆方向に沿って一定の距離を捲回された正極本体2312であり、正極捲回中間段23122は、第1正極捲回端部23121の始端(正極捲回終了段の始端23121e)に接続され、且つ捲回式電極アセンブリ23の捲回方向Aの逆方向に沿って一定の距離捲回された正極本体2312である。
【0084】
第1部分23221は第1正極捲回端部23121に対向して設置され、即ち第1部分23221は正極捲回終了段に対向して設置され、さらに説明すべきこととして、第1部分の末端23221eは正極捲回終了段の末端23121dに対応し、第1部分の始端23221dは正極捲回終了段の始端23121eに対応する。正極捲回終了段の正極活物質層と第1部分の負極活物質層23221aは、H1-L1>H2-L2を満たし、捲回の終了直前に、負極シート232が切断されると第1部分23221に張力がなくなり、さらには捲回完了後に、電極アセンブリ23を移動させてホットプレスする必要があり、搬送過程において第1部分23221の正極捲回終了段に対するずれが生じることが原因で、捲回軸線方向Bに沿って、負極シート232の正極シート231を超える部分のサイズが設計要件を満たさなくなるという可能性を低下させることができる。
【0085】
捲回方向Aに沿って、第1部分における負極活物質層23221aに、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aにおける各位置に対応する位置がある。いくつかの実施例において、第1部分の負極活物質層23221aの最大幅位置と、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの最小幅位置とは、互いにずれている。例示的に、図7において、M1は、第1部分の負極活物質層23221aの最大幅を有する位置であり、N1は、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの最小幅を有する位置であり、M1とN1とは捲回方向Aにおいてずれている。図7において、セパレータ233を示す点線以外の点線は、M1とN1との相対的な位置関係を明確にするためだけに用いられる。
【0086】
いくつかの実施例において、第1部分の負極活物質層23221aの最大幅位置は、第1正極捲回端部23121の最小幅位置に対応する。例示的に、図8において、M2は、第1部分の負極活物質層23221aの最大幅を有する位置であり、N2は、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの最小幅を有する位置であり、M2とN2は対応する。図8において、セパレータ233を示す点線以外の点線は、M2とN2との相対的な位置関係を明確にするためだけに用いられる。
【0087】
第1正極捲回端部の正極活物質層23121aと第1部分の負極活物質層23221aとの最大幅差が、第2部分の負極活物質層23222aと正極捲回中間段の正極活物質層23122aとの最大幅差よりも大きいことを実現しようとすると、負極シート232、正極シート231、又は正極シート231と負極シート232とを同時に改良することができる。
【0088】
いくつかの実施例において、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aと第1部分の負極活物質層23221aとの最大幅差が、第2部分の負極活物質層23222aと正極捲回中間段の正極活物質層23122aとの最大幅差よりも大きくなるように、負極シート232の構造を改良する。
【0089】
いくつかの実施例において、図9を参照し、図9は本願のいくつかの実施例に係る負極シート232の構造概略図である。捲回軸線方向Bに沿って(図に示す幅方向Cと同じ)、第1部分の負極活物質層23221aと第2の部分の負極活物質層23222aとの間には幅の差が存在し、H1>H2であり、第1部分の負極活物質層23221aが第2部分の負極活物質層23222aに対して幅が増加したことに相当し、エネルギー密度を保証する状況で、捲回軸線方向Bに沿って、負極シート232の負極活物質層の正極シート231の正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを低下させることができる。
【0090】
いくつかの実施例において、第1部分の負極活物質層23221aの最小幅は、H3であり、H3≧H2である。第1部分の負極活物質層23221aの最大幅は第2部分の負極活物質層23222aの最大幅より大きく、第1部分の負極活物質層23221aの最小幅は第2部分の負極活物質層23222aの最大幅以上であり、第1正極捲回端部23121と第1部分23221とに相対的なずれが生じることが原因で、捲回軸線方向Bに沿って、第1部分の負極活物質層23221aの第1正極捲回端部の正極活物質層23121aを超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き超す可能性を低下させることができる。
【0091】
第1部分23221の幅が大きすぎると、セパレータ233の幅を超える可能性があり、さらにはエンドカバーアセンブリ22(図3に示す)と干渉して、短絡リスクを増加させる可能性があり、第1部分23221の幅が小さすぎると捲回装置の公差に影響されやすく、第1正極捲回端部23121を覆う役割を果たすことができない。いくつかの実施例において、0.3mm≦H1-H2≦3mmであり、捲回式電極アセンブリ23の安全な使用を保証でき、負極シート232の第1部分23221が第1正極捲回端部23121を覆い、捲回軸線方向Bに沿って、負極シート232の負極活物質層の正極シート231の正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさなくなる可能性を低下させることができる。いくつかの実施形態において、0.3mm≦H1-H2≦1.5mmである。
【0092】
いくつかの実施例において、引き続き図9を参照し、第1部分の負極活物質層23221aは等幅構造であり、その場合第1部分の負極活物質層23221aの幅は同じであり、H1=H3である。
【0093】
いくつかの実施例において、図9に示すように、捲回軸線方向Bに沿って(図に示す幅方向Cと同じ)、第1部分の負極活物質層23221aの両端は、いずれも第2部分の負極活物質層23222aの両端を超えている。図9における破線は、第1部分23221と第2部分23222とを区別するためだけのものであり、負極シート232の構造には影響しない。
【0094】
いくつかの実施例において、図10に示すように、捲回軸線方向Bに沿って(図に示す幅方向Cと同じ)、第1部分の負極活物質層23221aの一端が第2部分の負極活物質層23222aの対応する一端を超え、第1部分の負極活物質層23221aの他端は、前記第2部分の負極活物質層23222aの他端と面一である。図10における破線は、第1部分23221と第2部分23222とを区別するためだけのものであり、負極シート232の構造には影響しない。
【0095】
第1部分の負極活物質層23221aの一端が第2部分の負極活物質層23222aの対応する一端を超えるとは、捲回軸線方向に沿って、第1部分の負極活物質層23221aの一端が第2部分の負極活物質層23222aの捲き軸線方向Bに沿ってそれに最も近い一端を超えることを意味する。
【0096】
いくつかの実施例において、引き続き図10を参照し、捲回軸線方向Bに沿って(図に示す幅方向Cと同じ)、負極タブ2321は負極シート232の一端に位置し、第1部分の負極活物質層23221aの負極タブ2321に近い一端は第2部分の負極活物質層23222aの対応する一端を超え、第1部分の負極活物質層23221aの他端は第2部分の負極活物質層23222aの他端と面一であり、面一であるとは、第1部分の負極活物質層23221aの他端と第2部分の負極活物質層23222aの他端とが同一平面に位置することを意味する。捲回軸線方向Bに沿って、第1部分の負極活物質層23221aの負極タブ2321に近い一端全体は、第2部分の負極活物質層23222aの対応する一端を超え、第1部分の負極活物質層23221aの他端は第2部分の負極活物質層23222aの他端と面一である。
【0097】
一般的に負極シート232の成形方式は、図11に示すように、負極集電体に幅が同じ負極活物質層を塗布し、次いで負極集電体の幅方向Cの両側でダイカットして負極タブ2321を形成する。さらに幅方向Cの中央位置から切断して片側が負極タブ2321である2つの負極シート232を形成し、即ち図11における破線方向に沿ってダイカットして2つの負極シート232を形成する。第1部分の負極活物質層23221aの負極タブ2321に近い一端は、第2部分の負極活物質層23222aの対応する一端を超えることで、ダイカットして負極タブ2321を形成する過程において、第1部分の負極活物質層23221aと第2部分の負極活物質層23222aに幅の差を有する負極シート232を形成することができ、すなわち負極シート232の従来の成形工程を利用して第1部分の負極活物質層23221aと第2部分の負極活物質層23222aに幅の差を有する負極シートを形成することができる。
【0098】
なお、捲回して電極アセンブリが形成されると、負極集電体の幅方向Cは、電極アセンブリの捲回軸線方向Bと一致する。
【0099】
いくつかの実施例において、図12に示すように、捲回軸線方向Bに沿って(図に示す幅方向Cと同じ)、第1部分の負極活物質層23221aの負極タブ2321から離れた一端は、少なくともその一部が第2部分の負極活物質層23222aの対応する一端を超え、第1部分の負極活物質層23221aの他端は、第2部分の負極活物質層23222aの他端と面一であってもよい。図12における破線は、第1部分23221と第2部分23222とを区別するためだけのものであり、負極シート232の構造には影響しない。
【0100】
いくつかの実施例において、第1部分の負極活物質層23221aは幅変化構造であり、第1部分の負極活物質層23221aの幅は一致していない。幅変化構造である第1部分の負極活物質層23221aは、様々な構造形態がある。
【0101】
図13を参照し、第1部分の負極活物質層23221aの幅は第2部分23222から離れる方向に沿って徐々に大きくなり、第1部分の負極活物質層23221aの任意の位置の幅はいずれも第2部分の負極活物質層23222aの最大幅より大きい。図13における破線は、第1部分23221と第2部分23222とを区別するためだけのものであり、負極シート232の構造には影響しない。
【0102】
図14に示すように、第1部分の負極活物質層23221aの一部の幅は、第1部分の負極活物質層23221aの他の部分の幅より狭く、図14において、第1部分23221から突出する負極タブ2321の両側の負極活物質層の幅は、第1部分23221と負極タブ2321との接続箇所の負極活物質層の幅より広い。H3=H2の場合、第1部分の負極活物質層23221aの負極タブ2321に近い一端は、一部が第2部分の負極活物質層23222aを超え、H3>H2の場合、第1部分の負極活物質層23221aの負極タブ2321に近い一端は、全体が第2部分の負極活物質層23222aを超える。図14における破線は、第1部分23221と第2部分23222とを区別するためだけのものであり、負極シート232の構造には影響しない。
【0103】
第1部分の負極活物質層23221aの最大幅が第2部分の負極活物質層23222aの最大幅より大きく、第1部分の負極活物質層23221aの最小幅が第2部分の負極活物質層23222aの最大幅より小さくなければ、リチウム析出が発生する可能性を低下させることができる。捲取軸線方向Bに沿って、第1部分の負極集電体23221bの幅と第2部分の負極集電体23222bの幅は同じであっても異なっていてもよい。
【0104】
いくつかの実施例において、図15に示すように、捲回軸線方向Bに沿って(図に示す幅方向Cと同じ)、第1部分の負極集電体23221bと第2部分の負極集電体23222bの幅が一致し、第1部分の負極活物質層23221aの負極タブ2321に近い一端と、第1部分の負極集電体23221bに対応する一端が面一であり、第1部分の負極活物質層23221aの他端と第1部分の負極集電体23221bに対応する一端が面一である。第2部分の負極集電体23222bの負極タブ2321に近い一端は第2部分の負極活物質層23222aに対応する一端を超え、第2部分の負極集電体23222bの他端は第2部分の負極活物質層23222aに対応する一端と面一である。第1部分の負極活物質層23221aの負極タブ2321に近い一端は第2部分の負極活物質層23222aの対応する一端を超える。
【0105】
いくつかの実施例において、図16に示すように、捲回軸線方向Bに沿って(図に示す幅方向Cと同じ)、第1部分の負極集電体23221bの負極タブ2321から離れた一端は第1部分の負極活物質層23221aに対応する一端を超え、第1部分の負極集電体23221bの他端は第1部分の負極活物質層23221aの他端と面一である。第2部分の負極集電体23222bの負極タブ2321から離れた一端は第2部分の負極活物質層23222aに対応する一端を超え、第2部分の負極集電体23222bの他端は第2部分の負極活物質層23222aに対応する一端と面一である。第1部分の負極集電体23221bの負極タブ2321から離れた一端は第2部分の負極集電体23222bの負極タブ2321から離れた一端と面一である。第1部分の負極活物質層23221aの負極タブ2321から離れた一端は第2部分の負極活物質層23222aに対応する一端と面一であり、第1部分の負極活物質層23221aの負極タブ2321に近い一端は第2部分の負極活物質層23222aの対応する一端を超える。
【0106】
いくつかの実施例において、図17に示すように、捲回軸線方向Bに沿って(図に示す幅方向Cと同じ)、第1部分23221の負極タブ2321に近い一端は第2部分23222の対応する一端を超え、第1部分23221の他端は第2部分23222の他端と面一である。理解されるように、第1部分の負極集電体23221bの負極タブ2321に近い一端は第2部分の負極集電体23222bに対応する一端を超え、第1部分の負極集電体23221bの他端は第2部分の負極集電体23222bの他端と面一である。第1部分の負極活物質層23221aの負極タブ2321に近い一端は第2部分の負極活物質層23222aに対応する一端を超え、第1部分の負極活物質層23221aの他端は第2部分の負極活物質層23222aの他端と面一である。第1部分の負極集電体23221bの負極タブ2321に近い一端は第1部分の負極活物質層23221aの負極タブ2321に近い一端と面一であり、第1部分の負極集電体23221bの他端は第1部分の負極活物質層23221aの他端と面一である。第2部分の負極集電体23222bの負極タブ2321に近い一端は第2部分の負極活物質層23222aの負極タブ2321に近い一端と面一であり、第2部分の負極集電体23222bの他端は第2部分の負極活物質層23222aの他端と面一である。このような負極シート232は負極活物質層の塗布を容易にするだけでなく、ダイカットして負極タブ2321を形成する過程において、第1部分23221と第2部分23222に幅の差を有する負極シート232を形成することができ、すなわち負極シート232の従来の成形工程を利用して第1部分23221と第2部分23222に幅の差を有する負極シートを形成することができる。
【0107】
いくつかの実施例において、引き続き図17を参照し、捲回方向Aにおいて、第1部分23221は、第2部分23222に接続される接続面23221cを有し、負極タブ2321の数は複数であり、複数の負極タブ2321のうちの1つの負極タブ2321は捲回軸線方向Bに沿って第1部分23221から突出し、且つ第2部分23222に近い第1側面2321aを有し、第1側面2321aは接続面23221cと面一である。第1部分23221と第2部分23222が接続された接続面23221cは負極タブ2321の1つの側面と面一であり、捲回中及び捲回完了後に、接続面23221cが拘束されないため反り上がり、セパレータ233を突き破ることを防ぐことができる。
【0108】
いくつかの実施例において、引き続き図17を参照し、捲回軸線方向Bに沿って(図に示す幅方向Cと同じ)、第1側面2321aの延伸方向は捲回軸線方向Bと一致し、接続面23221cは第1側面2321aと平行な平面であり、即ち接続面23221cの延伸方向は捲回軸線方向Bと一致する。
【0109】
いくつかの実施例において、図18に示すように、第1側面2321aは図において第2部分23222に向かって上から下に徐々に傾斜する斜面であり、接続面23221cも斜面であり、捲回軸線方向Bに沿って、接続面23221cは負極タブ2321に近い一端から第2部分23222に向かって徐々に傾斜する。
【0110】
いくつかの実施例において、図19に示すように、接続面23221cは隣接する2つの負極タブ2321の間に位置し、且つ任意の負極タブ2321の側面と面一ではない。
【0111】
いくつかの実施例において、負極タブ2321の数は1つであってもよく、該負極タブ2321の第1側面2321aは接続面23221cと面一であるか又は面一ではない。
【0112】
いくつかの実施例において、図20に示すように、捲回軸線方向Bに沿って(図に示す幅方向Cと同じ)、第1部分23221から突出する負極タブ2321に負極活物質層が設けられ、且つ第1部分23221から突出する負極タブの負極活物質層2321bは第1部分23221aに接続される。負極タブ2321の負極活物質層も正極シート231を覆う役割を果たすことができ、第1部分23221の一部の位置の負極活物質層の幅をさらに大きくすることに相当し、捲回軸線方向Bにおいて、負極シート232の負極活物質層の正極シート231の正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさず、リチウム析出を引き起こすリスクをさらに低下させることができる。
【0113】
いくつかの実施例において、図21を参照し、捲回式電極アセンブリ23は直線領域I及び2つの折り曲げ領域IIを含み、2つの折り曲げ領域IIはそれぞれ直線領域Iの両端に接続される。第1部分23221は、直線領域Iを少なくとも2回通過する。実際には、第1部分23221が直線領域Iを2回通過すると、捲回長さは一周に近づき、次の捲回が開始する時、正極捲回開始段の開始端23121b及び負極シート232の開始端に対して一定の拘束作用を有し、第1正極捲回端部23121と第1部分23221が相対的にずれる可能性は小さくなり、第1部分23221が直線領域Iを少なくとも2回通過するため、第1正極捲回端部23121と第1部分23221とが相対的にずれることにより、捲回軸線方向Bに沿って、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの第1部分の負極活物質層23221aを超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こす可能性を、可能な限り低下させることができる。
【0114】
正極シート231の正極集電体の内外両側にいずれも正極活物質層が塗布され、正極シート231の正極集電体の内外両側の正極活物質層の幅は同じであっても異なっていてもよく、負極シート232の負極集電体の内外両側にいずれも負極活物質層が塗布され、負極シート232の負極集電体の内外両側の負極活物質層の幅は同じであっても異なっていてもよい。
【0115】
いくつかの実施例において、第1部分の負極活物質層23221aの幅と第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの幅とを比較することは、第1部分23221の第1正極捲回端部23121に面する負極活物質層と第1正極捲回端部23121の第1部分23221に面する正極活物質層の幅との比較のみであってもよく、H1-L1>H2-L2を満たすように、第1部分23221の第1正極捲回端部23121に面する負極活物質層の幅のみを増加させてもよい。
【0116】
なお、正極シート231の正極集電体及び負極シート232の負極集電体の内側及び外側というのは、捲回軸線に対して、正極シート231の正極集電体の捲回軸線に近い側が正極シート231の正極集電体の内側であり、正極シート231の捲回軸線から遠い側が正極シート231の正極集電体の外側であり、負極シート232の負極集電体の捲回軸線に近い側が負極シート232の負極集電体の内側であり、負極シート232の負極集電体の捲回軸線から遠い側が負極シート232の負極集電体の外側である。
【0117】
いくつかの実施例において、図21図22に示すように、第1部分23221は直線領域Iを2回通過し、第1正極捲回端部23121は直線領域Iを2回通過し、2回の直線領域Iに位置する第1部分の負極集電体23221bの外側の負極活物質層は、第1正極捲回端部の正極集電体23121fの内側の正極活物質に面し、2回の直線領域Iに位置する第1部分の負極集電体23221bの外側の負極活物質層のみ幅を広げて、H1-L1>H2-L2を満たすことができる。
【0118】
いくつかの実施例において、図23図24に示すように、第1部分23221は直線領域Iを3回通過し、通過する順序(先→後)に応じて順に第1回直線領域、第2回直線領域及び第3回直線領域であり、第1正極捲回端部23121が直線領域Iを2回通過する場合、第3回直線領域に位置する第1部分の負極集電体23221bの内側の負極活物質層は、第1回直線領域に位置する第1正極捲回端部の正極集電体23121fの外側の正極活物質層に面し、第1回直線領域及び第2回直線領域に位置する第1部分の負極集電体23221bの外側の負極活物質層が、第1正極捲回端部の正極集電体23121fの内側の正極活物質層に面する場合、捲回軸線方向Bに沿って、第1回直線領域と第2回直線領域に位置する第1部分の負極集電体23221bの外側の負極活物質層、及び第3回直線領域に位置する第1部分の負極集電体23221bの内側の負極活物質層のみ幅を広げて、H1-L1>H2-L2を満たすことができる。
【0119】
図25に示すように、第1正極捲回端部23121が直線領域Iを3回通過する場合、第3回直線領域に位置する第1部分の負極集電体23221bの内外両側の負極活物質層が、それぞれ、第1回直線領域に位置する第1正極捲回端部の正極集電体23121fの外側の正極活物質層と、第3回直線領域に位置する第1正極捲回端部の正極集電体23121fの内側の正極活物質層とに面し、第1回直線領域及び第2回直線領域に位置する第1部分の負極集電体23221bの外側の負極活物質層が、第1回直線領域及び第2回直線領域に位置する第1正極捲回端部の正極集電体23121fの内側の正極活物質層に面する場合、捲回軸線方向に沿って、第1回直線領域及び第2回直線領域に位置する第1部分の負極集電体23221bの外側の負極活物質層、及び第3回直線領域に位置する第1部分の負極集電体23221bの内外両側の負極活物質層のみ幅を広げて、H1-L1>H2-L2を満たすことができる。
【0120】
いくつかの実施例において、捲回式電極アセンブリ23は円筒形電極アセンブリ23であり、第1部分23221は少なくとも1回捲回される。
【0121】
図26に示すように、負極シート232が捲回方向Aにおいて正極シート231を完全に覆うことを保証するために、負極本体2322はさらに第1延伸部23224を含む。捲回方向Aに沿って、第1延伸部23224は第1部分23221の第2部分23222から離れた一端に接続され、第1延伸部23224は捲回方向Aの逆方向に沿って第1正極捲回端部23121の始端(正極捲回開始段の始端23121b)を超える。捲回軸線方向Bに沿って、第1延伸部23224の負極活物質層の幅は、第2部分の負極活物質層23222aに対して、幅を増加させてもよいし増加させなくてもよい。第1延伸部23224の負極活物質層は、第2部分の負極活物質層23222aに対して幅が増加している(図23を参照)。図26に示すように、第1延伸部23224の負極活物質層は、第2部分の負極活物質層23222aに対して幅が増加していない。
【0122】
いくつかの実施例において、図27に示すように、第1延伸部23224に負極タブ2321が突出し、捲回方向Aに沿って、第1延伸部23224の負極タブ2321の両側に位置する負極活物質層は、第2部分の負極活物質層23222aに対して幅が増加する。いくつかの実施例において、捲回方向Aに沿って、負極タブ2321の両側に位置する第1延伸部23224の負極活物質層の一方の側のみの負極活物質層は、第2部分の負極活物質層23222aに対して幅が増加する。
【0123】
いくつかの実施例において、図28に示すように、正極シート231の正極本体2312はさらに第2正極捲回端部23123を含み、第1正極捲回端部23121及び第2正極捲回端部23123はそれぞれ正極捲回中間段23122の両端に接続される。
【0124】
負極シート232の負極本体2322はさらに第3部分23223を含み、第1部分23221と第3部分23223はそれぞれ第2部分23222の両端に接続され、第3部分23223と第2正極捲回端部23123は対向して設置される。第3部分の負極活物質層23223aの最大幅はH4であり、第2正極捲回端部の正極活物質層23123aの最小幅はL3であり、H4-L3>H2-L2である。
【0125】
いくつかの実施例において、第1正極捲回端部23121は正極捲回開始段であり、第2正極捲回端部23123は正極捲回終了段である。第1正極捲回端部23121は、正極捲回開始段の開始端23121bから捲回式電極アセンブリ23の捲回方向Aに沿って一定の距離捲回された正極本体2312であり、正極捲回中間段23122は、第1正極捲回端部23121の末端(正極捲回開始段の末端23121c)に接続され且つ捲回式電極アセンブリ23の捲回方向Aに沿って一定の距離捲回された正極本体2312である。第2正極捲回端部23123は、正極捲回終了段の末端23121d(第2正極捲回端部23123の先端)から捲回式電極アセンブリ23の捲回方向Aの逆方向に沿って一定の距離捲回された正極本体2312であり、正極捲回中間段23122は、第2正極捲回端部23123の始端(正極捲回終了段の始端23121e)に接続され且つ捲回式電極アセンブリ23の捲回方向Aの逆方向に沿って一定の距離捲回された正極本体2312である。
【0126】
第3部分23223と第2正極捲回端部23123は対向して設置され、即ち第3部分23223は正極捲回終了段に対向して設置され、さらに説明すべきこととして、第3部分の開始端23223bは第2正極捲回端部23123の開始端(正極捲回終了段の始端23121e)に対応し、第3部分の末端23223cは第2正極捲回端部23123の末端(正極捲回終了段の末端23121d)に対応する。
【0127】
第1正極捲回端部の正極活物質層23121aと第1部分の負極活物質層23221aとの最大幅差は、第2部分の負極活物質層23222aと正極捲回中間段の正極活物質層23122aの最大幅差より大きく、第2正極捲回端部の正極活物質層23123aと第3部分の負極活物質層23223aとの最大幅差は、第2部分の負極活物質層23222aと正極捲回中間段の正極活物質層23122aとの最大幅差より大きく、正極シート231の先端と負極シート232の先端、正極シート231の末端と負極シート232の末端に相対的なずれが生じることが原因で、捲回軸線方向に沿って、負極シート232の負極活物質層の正極シート231の正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを低下させることができる。
【0128】
いくつかの実施例において、図28図29に示すように、H4>H2である。第3部分23223が第2正極捲回端部23123に対向して設けられ、第2部分23222が正極捲回中間段23122に対向して設けられ、第3部分の負極活物質層23223aの最大幅が第2部分の負極活物質層23222aの最大幅より大きいことは、第3部分の負極活物質層23223aが第2部分の負極活物質層23222aに対して幅が増加したことに相当し、エネルギー密度を保証する状況で、捲回軸線方向Bにおいて、負極シート232の負極活物質層の正極シート231の正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを低下させることができる。
【0129】
いくつかの実施例において、第3部分の負極活物質層23223aの最小幅は、H5であり、H5≧H2である。第3部分の負極活物質層23223aの最小幅は第2部分の負極活物質層23222aの最大幅以上であり、捲回軸線方向Bにおいて、第3部分の負極活物質層23223aの第2正極捲回端部の正極活物質層23123aを超える部分のサイズが設計要件を満たさずリチウム析出を引き起こすリスクを低下させる。
【0130】
第3部分23223の構造は第1部分23221の構造を参照することができ、第3部分23223と第2部分23222との間の構造関係は第1部分23221と第2部分23222との間の構造関係を参照することができ、第2正極捲回端部23123の構造は第1正極捲回端部23121を参照することができ、第2正極捲回端部23123及び第3部分23223の相対関係は第1正極捲回端部23121及び第1部分23221の相対関係を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0131】
引き続き図29を参照し、捲回軸線方向Bに沿って(図に示す幅方向Cと同じ)、負極タブ2321は負極シート232の一端に位置し、第3部分の負極活物質層23223aの負極タブ2321に近い一端は第2部分の負極活物質層23222aの対応する一端を超え、第3部分の負極活物質層23223aの他端は第2部分の負極活物質層23222aの他端と面一である。捲回軸線方向Bに沿って、第3部分の負極活物質層23223aの負極タブ2321に近い一端は全て、第2部分の負極活物質層23222aの対応する一端を超え、第3部分の負極活物質層23223aの他端は第2部分の負極活物質層23222aの他端と面一である。
【0132】
第3部分23223の負極タブ2321に近い一端は第2部分23222の対応する一端を超え、第3部分23223の他端は第2部分23222の他端と面一である。理解されるように、第3部分の負極集電体23223eの負極タブ2321に近い一端は第2部分の負極集電体23222bに対応する一端を超え、第3部分の負極集電体23223eの他端は第2部分の負極集電体23222bの他端と面一である。第3部分の負極活物質層23223aの負極タブ2321に近い一端は第2部分の負極活物質層23222aに対応する一端を超え、第3部分の負極活物質層23223aの他端は第2部分の負極活物質層23222aの他端と面一である。第3部分の負極集電体23223eの負極タブ2321に近い一端は第3部分の負極活物質層23223aの負極タブ2321に近い一端と面一であり、第3部分の負極集電体23223eの他端は第1部分の負極活物質層23221aの他端と面一である。第2部分の負極集電体23222bの負極タブ2321に近い一端は第2部分の負極活物質層23222aの負極タブ2321に近い一端と面一であり、第2部分の負極集電体23222bの他端は第2部分の負極活物質層23222aの他端と面一である。このような負極シート232は負極活物質層の塗布を容易にするだけでなく、ダイカットして負極タブ2321を形成する過程において、第3部分23223と第2部分23222に幅の差を有する負極シート232を形成することができ、すなわち負極シート232の従来の成形工程を利用して第3部分23223及び第2部分23222に幅の差を有する負極シートを形成することができる。
【0133】
第3部分23223は、第2部分23222に接続される接合面23223dを有し、負極タブ2321の数は複数であり、複数の負極タブ2321のうちの1つの負極タブ2321は捲回軸線方向Bに沿って第3部分23223から突出し、且つ第2部分23222に近い第2側面2321cを有し、第2側面2321cは接合面23223dと面一である。接合面23223dは負極タブ2321の1つの側面と面一であり、捲回中及び捲回完了後に、接合面23223dが拘束されないために反り上がり、セパレータ233を突き破ることを防ぐことができる。
【0134】
第3部分23223は、直線領域Iを少なくとも1回通過する。いくつかの実施例において、図28図30に示すように、第3部分23223は平坦領域Iを1回通過し、第2正極捲回端部23123は平坦領域Iを1回通過し、第3部分の負極集電体23223eの内側の負極活物質層は、第2正極捲回端部の正極集電体23123bの外側の正極活物質層に面し、第3部分の負極集電体23223eの内側の負極活物質層のみ幅を広げて、H4-L3>H2-L2を満たすことができる。
【0135】
いくつかの実施例において、電極アセンブリ23を捲回して形成する捲回軸体の外径が小さい場合、直線領域Iを通過する第3部分の回数は適切に増加することができる。
【0136】
いくつかの実施例において、図31図32に示すように、第3部分23223は直線領域Iを2回通過し、2つの直線領域I内に位置する第3部分の負極集電体23223eの内側の負極活物質層は、第2正極捲回端部の正極集電体23123bの外側の正極活物質層に面し、2つの直線領域I内に位置する第3部分の負極集電体23223eの内側の負極活物質層のみ幅を広げて、H4-L3>H2-L2を満たすことができる。
【0137】
いくつかの実施例において、図33、34に示すように、捲回方向Aに沿って、第3部分23223は直線領域Iを3回通過し、第2正極捲回端部23123は直線領域Iを3回通過し、通過する順序(先→後)に応じてそれぞれ第1回直線領域、第2回直線領域及び第3回直線領域であり、第1回直線領域に位置する第3部分の負極集電体23223eの内外両側の負極活物質層が、それぞれ、第1回直線領域内に位置する第2正極捲回端部の正極集電体23123bの外側の正極活物質層と、第3回直線領域内に位置する第2正極捲回端部の正極集電体23123bの内側の正極活物質層とに面し、第2回直線領域及び第3回直線領域に位置する第2部分の負極集電体23222bの内側の負極活物質層が、第2回直線領域及び第3回直線領域に位置する第2正極捲回端部の正極集電体23123bの外側の正極活物質層に面する場合、捲回軸線方向Bに沿って、第1回直線領域に位置する第3部分の負極集電体23223eの内外両側の負極活物質層、及び第2回直線領域及び第3回直線領域に位置する第2部分の負極集電体23222bの内側の負極活物質層のみ幅を広げて、H4-L3>H2-L2を満たすことができる。
【0138】
図35に示すように、第3部分23223が直線領域Iを3回通過し、第2正極捲回端部23123が直線領域Iを2回通過する場合、第2回直線領域内に位置する第2正極捲回端部の正極集電体23123bの内外両側の正極活物質層は、それぞれ、第1回直線領域に位置する第3部分の負極集電体23223eの外側の負極活物質層と、第3回直線領域に位置する第3部分の負極集電体23223eの内側の負極活物質層とに面し、第1回直線領域に位置する第2正極捲回端部の正極集電体23123bの外側の正極活物質層は、第2回直線領域に位置する第3部分の負極集電体23223eの内側の負極活物質層に面する。捲回軸線方向Bに沿って、第1回直線領域に位置する第3部分の負極集電体23223eの外側の負極活物質層、及び第2回直線領域及び第3回直線領域に位置する第3部分の負極集電体23223eの内側の負極活物質層のみ幅を広げて、H4-L3>H2-L2を満たすことができる。
【0139】
負極シート232が捲回方向Aにおいて正極シート231を完全に覆うことを保証するために、負極本体2322はさらに第2延伸部23225を含む。捲回方向Aに沿って、第2延伸部23225は第3部分23223の第2部分23222から離れた一端に接続され、第2延伸部23225は捲回方向Aに沿って第2正極捲回端部23123の末端を超える。第2延伸部23225の幅は第2部分23222に対して、幅を増加させてもよいし増加させなくてもよい。図33において、第2延伸部23225は、第2部分23222に対して幅が増加しており、図36において、第2延伸部23225の負極活物質層は、第2部分の負極活物質層23222aに対して幅が増加していない。
【0140】
いくつかの実施例において、第3部分23223は少なくとも1回捲回されてもよい。例示的に、捲回式電極アセンブリ23が円筒構造である場合、第3部分23223は少なくとも1回捲回される。
【0141】
いくつかの実施例において、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aと第1部分の負極活物質層23221aとの最大幅差が、第2部分の負極活物質層23222aと正極捲回中間段の正極活物質層23122aとの最大幅差よりも大きくなるように、正極シート231の構造を改良する。
【0142】
いくつかの実施例において、図37に示すように、捲回軸線方向Bに沿って(幅方向Cと同じ)、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの最大幅をL4とし、正極捲回中間段の正極活物質層23122aの最大幅をL5とし、L4<L5とすることで、第1正極捲回端部23121と第1部分23221との最大幅差は、第2部分の負極活物質層23222aと正極捲回中間段の正極活物質層23122aとの最大幅差よりも大きくなり、正極シート231の第1正極捲回端部23121の幅を変えることにより、正極シート231と負極シート232との相対的なずれが原因で、捲回軸線方向Bにおいて、負極シート232の負極活物質層の正極シート231の正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさないことを減少させる。
【0143】
いくつかの実施例において、引き続き図37を参照し、第2正極捲回端部の正極活物質層23123aの最大幅をL6とし、正極捲回中間段の正極活物質層23122aの最大幅をL5とし、L6<L5とすることで、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aと第1部分の負極活物質層23221aとの最大幅差は、第2部分の負極活物質層23222aと正極捲回中間段の正極活物質層23122aとの最大幅差より大きく、第2正極捲回端部の正極活物質層23123aと第3部分の負極活物質層23223aとの最大幅差は、第2部分の負極活物質層23222aと正極捲回中間段の正極活物質層23122aとの最大幅の差より大きくなり、負極シート232が捲回中に先端と末端に相対的なずれが生じることが原因で、捲回軸線方向Bにおいて、負極シート232の負極活物質層の正極シート231の正極活物質層を超える部分のサイズが設計要件を満たさないことを減少させる。
【0144】
第2正極捲回端部の正極活物質層23123aと第3部分の負極活物質層23223aとの最大幅差とは、H4-L3のことである。
【0145】
いくつかの実施例において、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aは等幅構造であってもよく、その場合L1=L4である。又は、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aが幅変化構造であれば、L1<L4であってもよい。
【0146】
いくつかの実施例において、正極捲回中間段の正極活物質層23122aは、等幅構造であってもよく、その場合L2=L5である。又は、正極捲回中間段の正極活物質層23122aは幅変化構造であってもよく、その場合L2<L5である。
【0147】
いくつかの実施例において、第2正極捲回端部の正極活物質層23123aは、等幅構造であってもよく、その場合L6=L3である。又は、第2正極捲回端部の正極活物質層23123aは幅変化構造であってもよく、その場合L3<L6である。
【0148】
いくつかの実施例において、捲回軸線方向Bに沿って、正極捲回中間段の正極活物質層23122aの一端の少なくとも一部は、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aに対応する一端を超え、正極捲回中間段の正極活物質層23122aの他端は第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの他端と面一である。これにより第1正極捲回端部23121は正極捲回中間段23122に対して捲回軸線方向Bの片側から幅を減少させ、正極シート231の成形方式が簡単になり、加工の難度を低下させる。
【0149】
いくつかの実施例において、捲回軸線方向Bに沿って、正極タブ2311は正極シート231の一端に位置し、正極捲回中間段の正極活物質層23122aの正極タブ2311に近い一端は、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aに対応する一端を超える。正極捲回中間段の正極活物質層23122aの正極タブ2311に近い一端は、第2正極捲回端部の正極活物質層23123aに対応する一端を超える。これにより正極タブ2311をダイカットし形成する過程又は絶縁層23124を設ける過程において、第1正極捲回端部の正極活物質層23121a及び第2正極捲回端部の正極活物質層23123aがいずれも正極捲回中間段の正極活物質層23122aと幅の差を有する正極シート231を形成することができ、加工の難易を低下させる。
【0150】
一般的に、正極シート231はさらに絶縁層23124を含み、絶縁層23124は正極本体2312の捲回軸線方向Bに沿った一端のバリを負極本体2322(図18に示す)から離して、短絡のリスクを低下させるために用いられる。捲回軸線方向Bに沿って、絶縁層23124は正極タブ2311と正極本体2312の正極活物質層との間に設けられ、絶縁層23124は正極本体2312の正極集電体に塗布され、絶縁層23124が占める幅が大きいほど、対応位置に塗布可能な正極活物質層の幅が狭くなり、逆に、絶縁層23124が占める幅が小さいほど、対応位置に塗布可能な正極活物質層の幅が広くなる。したがって、第1正極捲回端部の絶縁層23124aの最小幅は、正極捲回中間段の絶縁層23124bの最大幅よりも大きい。第2正極捲回端部の絶縁層23124cの最小幅は、正極捲回中間段の絶縁層23124bの最大幅よりも大きい。
【0151】
絶縁層23124は、無機充填剤及び接着剤である。無機充填材はベーマイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウムのうちの1つ以上を含む。接着剤はポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸-アクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル-アクリル酸、ポリアクリロニトリル-アクリル酸エステルのうちの1つ以上を含む。
【0152】
いくつかの実施例において、捲回軸線方向Bに沿って、第1正極捲回端部23121、正極捲回中間段23122及び第2正極捲回端部の正極活物質層23123aの幅を揃え、第1正極捲回端部23121、正極捲回中間段23122及び第2正極捲回端部の正極活物質層23123aの正極タブ2311に近い側に絶縁層23124を塗布し、且つ絶縁層23124を正極活物質層に塗布し、絶縁層23124が正極活物質層と重なるようにして、絶縁層23124に覆われていない正極活物質層を正極本体2312の有効活物質層とする。第1正極捲回端部の絶縁層23124aの最大幅及び第2正極捲回端部の絶縁層23124cの最大幅は、いずれも正極捲回中間段の絶縁層23124bの最大幅より大きく、これにより第1正極捲回端部23121の有効活物質層の最大幅及び第2正極捲回端部23123の有効活物質層の最大幅は、いずれも正極捲回中間段23122の有効正極活物質層の最大幅より小さい。
【0153】
いくつかの実施例において、図38に示すように、捲回軸線方向Bに沿って(幅方向Cと同じ)、正極捲回中間段の正極活物質層23122aの正極タブ2311から離れた一端は、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aに対応する一端を超えてもよい。正極捲回中間段の正極活物質層23122aの正極タブ2311から離れた一端は、第2正極捲回端部の正極活物質層23123aに対応する一端を超える。
【0154】
いくつかの実施例において、図39に示すように、捲回軸線方向Bに沿って(幅方向Cと同じ)、正極捲回中間段の正極活物質層23122aの両端は、いずれも第1正極捲回端部の正極活物質層23121aに対応する両端を超えてもよい。正極捲回中間段の正極活物質層23122aの両端は、いずれも第2正極捲回端部の正極活物質層23123aに対応する両端を超える。
【0155】
いくつかの実施例において、正極シート231及び負極シート232の構造は、H1-L1>H2-L2、H4-L3>H2-L2を満たすように改良される。第1部分の負極活物質層23221aの幅を一部又は全て大きくする場合、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの幅を一部又は全て大きくする。第3部分の負極活物質層23223aの幅を一部又は全て大きくする場合、第2正極捲回端部の正極活物質層23123aの幅を一部又は全て小さくする。
【0156】
いくつかの実施例において、第3部分の負極活物質層23223aは第2部分の負極活物質層23222aに対して幅を大きくせず、第1部分の負極活物質層23221aの捲回軸線方向Bにおけるサイズを大きくし、第2正極捲回端部の正極活物質層23123aの捲回軸線方向Bにおけるサイズを小さくすることにより、 H1-L1>H2-L2、H4-L3>H2-L2を満たす。
【0157】
いくつかの実施例において、第1部分の負極活物質層23221aは第2部分の負極活物質層23222aに対して幅を大きくせず、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの捲回軸線方向Bにおけるサイズを小さくし、第3部分の負極活物質層23223aの捲回軸線方向Bにおけるサイズを大きくすることにより、H1-L1>H2-L2、H4-L3>H2-L2を満たす。
【0158】
本願の実施例はさらに、図40に示すように、
互いに接続された第1正極捲回端部23121及び正極捲回中間段23122を含む正極シート231を提供するステップS100と、
互いに接続された第1部分23221及び第2部分23222を含む負極シート232を提供するステップS200と、
第1部分23221が第1正極捲回端部23121に対向して設置され、第2部分23222が前記正極捲回中間段23122に対向して設置されるように、正極シート231及び負極シート232を捲回して捲回式電極アセンブリ23を形成するステップS300と、を含み、
捲回式電極アセンブリ23の捲回軸線方向Bに沿って、負極シート232の負極活物質層は正極シート231の正極活物質層を超え、第1部分の負極活物質層23221aの最大幅はH1であり、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの最小幅はL1であり、第2部分の負極活物質層23222aの最大幅はH2であり、正極捲回中間段の正極活物質層23122aの最小幅はL2であり、H1-L1>H2-L2である、
捲回式電極アセンブリ23の製造方法をさらに提供する。
【0159】
本願において捲回式電極アセンブリ23の製造方法の各ステップの実行順序は限定されず、電極アセンブリ23の製造を実現できればよい。
【0160】
本願の実施例は、図41に示すように、互いに接続された第1正極捲回端部23121及び正極捲回中間段23122を含む正極シート231を提供するように構成される第1提供装置410と、互いに接続された第1部分23221及び第2部分23222を含む負極シート232を提供するように構成される第2提供装置420と、第1部分23221が第1正極捲回端部23121に対向して設置され、第2部分23222が正極捲回中間段23122に対向して設置されるように、正極シート231と負極シート232を捲回するように構成される組み立て装置430と、を含み、捲回式電極アセンブリ23の捲回軸線B方向に沿って、負極シート232の負極活物質層は正極シート231の正極活物質層を超え、第1部分の負極活物質層23221aの最大幅はH1であり、第1正極捲回端部の正極活物質層23121aの最小幅はL1であり、第2部分の負極活物質層23222aの最大幅はH2であり、正極捲回中間段の正極活物質層23122aの最小幅はL2であり、H1-L1>H2-L2である、捲回式電極アセンブリの製造設備400をさらに提供する。
【0161】
第1提供装置410及び第2提供装置420が提供する正極シート231及び負極シート232は捲回して捲回式電極アセンブリ23を形成する過程において、組み立て装置430の構造公差及び捲回誤差による正極シート231及び負極シート232の先端又は末端で生じる相対的なずれにより、負極シート232の負極活物質層が正極シート231の正極活物質層を十分に超えないという欠陥を補うことができる。
【0162】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲を逸脱することなく、種々の改良を行い、その構成要素を等価物に置換することができる。特に、各実施例で言及した各技術的特徴は、構造的な矛盾がない限り、いずれも任意の方法で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に含まれる全ての技術的解決手段を含む。
【符号の説明】
【0163】
1000 車両
100 電池
10 筐体
11 第1筐体部
12 第2筐体部
20 電池セル
21 外ケース
22 エンドカバーアセンブリ
23 電極アセンブリ
231 正極シート
2311 正極タブ
2312 正極本体
23121 第1正極捲回端部
23121a 第1正極捲回端部の正極活物質層
23122 正極捲回中間段
23122a 正極捲回中間段の正極活物質層
23121b 正極捲回開始段の始端
23121c 正極捲回開始段の末端
23121d 正極捲回終了段の末端
23121e 正極捲回終了段の始端
23121f 第1正極捲回端部の正極集電体
23123 第2正極捲回端部
23123a 第2正極捲回端部の正極活物質層
23123b 第2正極捲回端部の正極集電体
23124 絶縁層
23124a 第1正極捲回端部の絶縁層
23124b 正極捲回中間段の絶縁層
23124c 第2正極捲回端部の絶縁層
232 負極シート
2321 負極タブ
2321a 第1側面
2321b 負極タブの負極活物質層
2321c 第2側面
2322 負極本体
23221 第1部分
23221a 第1部分の負極活物質層
23221b 第1部分の負極集電体
23221c 接続面
23221d 第1部分の始端
23221e 第1部分の端部
23222 第2部分
23222a 第2部分の負極活物質層
23222b 第2部分の負極集電体
23223 第3部分
23223a第3部分の負極活物質層
23223b 第3部分の始端
23223c 第3部分の端部
23223d 接合面
23223e 第3部分の負極集電体
23224 第1延伸部
23225 第2延伸部
233 セパレータ
200 コントローラ
300 モータ
A 捲回方向
B 捲回軸線方向
C 幅方向
I 直線領域
II 折り曲げ領域
400 電極アセンブリの製造装置
410 第1提供装置
420 第2提供装置
430 組み立て装置
図1
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図41