IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニー株式会社の特許一覧 ▶ ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図1
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図2
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図3
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図4
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図5
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図6
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図7
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図8
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図9
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図10
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図11
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図12
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図13
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図14
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図15
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図16
  • 特許-情報処理システムおよび情報処理方法 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/222 20060101AFI20240717BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20240717BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240717BHJP
   G09G 3/32 20160101ALI20240717BHJP
【FI】
H04N5/222 400
H04N23/63
G09G3/20 612T
G09G3/20 650J
G09G3/20 680E
G09G3/32 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023564879
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 JP2022042794
(87)【国際公開番号】W WO2023100680
(87)【国際公開日】2023-06-08
【審査請求日】2024-06-04
(31)【優先権主張番号】P 2021196611
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】岡本 鋭造
(72)【発明者】
【氏名】江間 弘知
(72)【発明者】
【氏名】高宮 功治
(72)【発明者】
【氏名】山根 祥嗣
【審査官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2022/0103738(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第114783355(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111899680(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103347144(CN,A)
【文献】特開2009-010903(JP,A)
【文献】特開2006-295854(JP,A)
【文献】特開2001-292336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222
H04N 23/63
G09G 3/20
G09G 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影機材同期信号に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なる第1のフレームレートの映像信号である入力映像信号に対して処理を行う信号処理部と、
前記入力映像信号に対する処理に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号を出力する出力部と
を備え
前記信号処理部は、前記撮影機材同期信号に基づいて、前記入力映像信号に対して、前記第1のフレームレートに基づいて設定された第2のフレームレートの前記映像信号であり、前記撮影機材同期信号に同期する出力映像信号を生成する処理を行う
ように構成された
情報処理システム。
【請求項2】
前記第2のフレームレートは、前記撮影機材同期信号の周波数の整数倍である
ように構成された
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第2のフレームレートは、前記第1のフレームレートとは異なるフレームレートである
ように構成された
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第2のフレームレートは、前記第1のフレームレートの整数倍である
ように構成された
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記信号処理部は、前記入力映像信号を前記撮影機材同期信号に同期させ、フレームレートを整数倍にして結合することにより、前記出力映像信号を生成する
ように構成された
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記信号処理部は、前記出力映像信号において、前記撮影機材同期信号の1周期に含まれる各フレームの垂直ブランキング期間を、前記撮影機材同期信号の1周期に含まれる最後のフレームの後に移動させる
ように構成された
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記信号処理部により生成された前記出力映像信号に基づいて、前記第2のフレームレートの映像を表示部に表示させる表示制御部
をさらに備える
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記入力映像信号を取得する入力部と、
前記信号処理部により生成された前記出力映像信号を、複数の表示ユニットから構成される表示部のそれぞれの表示ユニットに表示するための出力映像信号へ分割する分割部と
を備え、
前記出力部は、前記分割部により分割された前記出力映像信号を前記表示ユニットに出力する
ように構成された
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記表示部は、第1の機器上に設けられ、
前記入力部、前記信号処理部、前記分割部、および前記出力部は、前記第1の機器とは異なる第2の機器上に設けられ、
前記第1の機器と前記第2の機器は、ケーブルで接続される
ように構成された
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記表示部
をさらに備える
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記表示部は、パッシブマトリクス駆動方式で発光する
ように構成された
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記表示部は、行列状に配置されたLED(Light Emitting Diode)の画素から構成される
ように構成された
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記撮影機材同期信号は、前記出力映像信号に基づく映像を表示する表示部を撮影する撮影部に入力される
ように構成された
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記撮影部は、前記撮影機材同期信号に同期して、前記撮影機材同期信号の周波数を撮影映像のフレームレートとして前記表示部を撮影する
ように構成された
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記撮影部は、ローリングシャッタ方式で撮影を行う
ように構成された
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記撮影機材同期信号を生成する信号生成部は、前記入力映像信号を前記信号処理部に供給する映像信号供給部に、前記第1のフレームレートと同一の周波数のフレーム同期信号を入力する
ように構成された
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記映像信号供給部は、前記フレーム同期信号に同期して、前記信号処理部に前記入力映像信号を供給する
ように構成された
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記撮影機材同期信号のフレームレートは23.98Hzである
ように構成された
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項19】
情報処理システムが、
撮影機材同期信号に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なる第1のフレームレートの映像信号である入力映像信号に対して処理を行う信号処理ステップと、
前記入力映像信号に対する処理に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号を出力する出力ステップと
を含み、
前記信号処理ステップの処理では、前記撮影機材同期信号に基づいて、前記入力映像信号に対して、前記第1のフレームレートに基づいて設定された第2のフレームレートの前記映像信号であり、前記撮影機材同期信号に同期する出力映像信号を生成する処理を行う
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理システムおよび情報処理方法に関し、特に、撮影機材同期信号に基づいて、撮影機材同期信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号に対して処理を行うことができるようにした情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイなどの直視型ディスプレイの市場が拡大している。例えば、コンテンツ制作現場で風景などの背景をLEDディスプレイに表示させることで再現し、その背景と被写体をカメラで撮影(再撮)するバーチャルプロダクション(Virtual Production)が急成長している。
【0003】
このようなバーチャルプロダクションでは、黒帯発生の抑制などを目的として、LEDディスプレイに表示される映像である表示映像とカメラにより再撮される映像である再撮映像の同期をとる必要がある。この同期は、ゲンロック(Gen Lock)信号などの撮影機材同期信号を用いて行われる。なお、撮影により得られる映像信号をゲンロック信号に同期させて出力するカメラ装置については、例えば特許文献1に記載されている。
【0004】
一方、バーチャルプロダクションにおいて、再撮映像のフレームレートに対して、表示映像のフレームレートを高速化し、再撮環境における表示映像のレイテンシを軽減したいという要望がある。例えば、カメラの再撮映像のフレームレートが24fpsである場合に、60fpsや120fpsの映像をLEDディスプレイに表示させたいという要望がある。
【0005】
しかしながら、通常の装置は、撮影機材同期信号に基づいて、撮影機材同期信号の周波数と同一のフレームレートの映像信号に対して処理を行うものであり、撮影機材同期信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号に対して処理を行うことは困難である。従って、例えば、カメラの再撮映像のフレームレートと同一の周波数の撮影機材同期信号により再撮映像と表示映像の同期がとられる場合、撮影機材同期信号に基づいて、再撮映像のフレームレートとは異なるフレームレートの映像信号に基づく映像を表示させることは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-234347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上により、撮影機材同期信号に基づいて、撮影機材同期信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号に対して処理を行うことが要望されているが、そのような要望に十分にこたえられていない状況である。
【0008】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、撮影機材同期信号に基づいて、撮影機材同期信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号に対して処理を行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の一側面の情報処理システムは、撮影機材同期信号に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なる第1のフレームレートの映像信号である入力映像信号に対して処理を行う信号処理部と、前記入力映像信号に対する処理に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号を出力する出力部とを備え、前記信号処理部は、前記撮影機材同期信号に基づいて、前記入力映像信号に対して、前記第1のフレームレートに基づいて設定された第2のフレームレートの前記映像信号であり、前記撮影機材同期信号に同期する出力映像信号を生成する処理を行うように構成された情報処理システムである。
【0010】
本技術の一側面の情報処理方法は、情報処理システムが、撮影機材同期信号に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なる第1のフレームレートの映像信号である入力映像信号に対して処理を行う信号処理ステップと、前記入力映像信号に対する処理に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号を出力する出力ステップとを含み、前記信号処理ステップの処理では、前記撮影機材同期信号に基づいて、前記入力映像信号に対して、前記第1のフレームレートに基づいて設定された第2のフレームレートの前記映像信号であり、前記撮影機材同期信号に同期する出力映像信号を生成する処理を行う情報処理方法である。
【0011】
本技術の一側面においては、撮影機材同期信号に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なる第1のフレームレートの映像信号である入力映像信号に対して処理が行われ、前記入力映像信号に対する処理に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号が出力される。前記入力映像信号に対する処理では、前記撮影機材同期信号に基づいて、前記入力映像信号に対して、前記第1のフレームレートに基づいて設定された第2のフレームレートの前記映像信号であり、前記撮影機材同期信号に同期する出力映像信号を生成する処理が行われる。
【0012】
なお、情報処理システムは、独立した装置であってもよいし、他の装置に組み込まれるモジュールであってもよいし、複数の装置により構成されてもよい。
【0013】
本技術の一側面の情報処理システムは、コンピュータにプログラムを実行させることにより実現することができる。
【0014】
また、本技術の一側面の情報処理システムを実現するために、コンピュータに実行させるプログラムは、伝送媒体を介して伝送することにより、又は、記録媒体に記録して、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本技術を適用した再撮システムの一実施の形態の概要を説明する図である。
図2】ビデオカメラにより再撮された映像を示す図である。
図3】再撮システムの構成例を示す図である。
図4】ビデオカメラの構成例を示すブロック図である。
図5】PCのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
図6】ビデオウォールコントローラの構成例を示すブロック図である。
図7】表示ユニットの詳細構成例を示すブロック図である。
図8】LEDアレイの構成例を示す図である。
図9】出力映像信号生成処理を説明するタイミングチャートを示す図である。
図10】黒帯が発生する原因を説明する図である。
図11】垂直ブランキング期間の制御の効果を説明する図である。
図12】映像信号処理を説明するフローチャートである。
図13】再撮システムの一例を示す図である。
図14図13のビデオウォールコントローラによる処理を説明するタイミングチャートを示す図である。
図15】再撮システムの他の一例を示す図である。
図16】再撮システムのさらに他の一例を示す図である。
図17図16のビデオウォールコントローラによる処理を説明するタイミングチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.一実施の形態(再撮システム)
2.ビデオウォールコントローラがゲンロック信号に基づいてゲンロック信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号に対して処理を行うことができない場合について
【0017】
なお、以下の説明で参照する図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0018】
<一実施の形態>
<再撮システムの概要>
図1は、本技術を適用した情報処理システムを含む再撮システムの一実施の形態の概要を説明する図である。
【0019】
図1に示すように、再撮システム10は、例えばバーチャルプロダクションに用いられるシステムであり、ビデオカメラ11とビデオウォール12を含む。撮影者21は、ビデオカメラ11を用いて、スタジオ22に設置されたビデオウォール12に表示される映像23を背景として、被写体であるバイク24を再撮する。
【0020】
<再撮された映像の例>
図2は、図1のビデオカメラ11により再撮された映像を示す図である。
【0021】
図2に示すように、ビデオカメラ11により再撮された映像30は、バイク24が、あたかも映像23が撮影された場所に存在するかのような映像となる。このように、撮影者21は、再撮システム10を用いて再撮を行うことにより、バイク24が、あたかも映像23が撮影された場所に存在するかのような映像30をスタジオ22で撮影することができる。
【0022】
<再撮システムの構成例>
図3は、再撮システム10の構成例を示す図である。
【0023】
図3に示すように、再撮システム10(情報処理システム)は、ビデオカメラ11およびビデオウォール12のほか、ビデオサーバ61、PC(パーソナルコンピュータ)62、ビデオウォールコントローラ63、およびクロック生成器64により構成される。
【0024】
ビデオカメラ11は、ローリングシャッタ方式で撮影を行う撮影装置である。ビデオカメラ11は、撮影者21からの撮影開始指示により、ビデオウォール12に表示されている映像を背景として撮影(再撮)する。この撮影は、クロック生成器64から入力される撮影機材同期信号としてのゲンロック信号に同期して、ゲンロック信号の周波数をビデオカメラ11の再撮映像(撮影映像)のフレームレートとして行われる。本明細書では、ゲンロック信号の周波数は、映画のフレームレートとして一般的な23.98(24)Hzであるものとするが、これに限定されない。なお、再撮システム10では、ビデオカメラ11と同様のビデオカメラが複数台使用されてもよい。
【0025】
ビデオウォール12(表示部)は、n個(nは正の整数)の表示ユニット(キャビネット)41-1乃至41-nがタイル状に配置された大型のLEDディスプレイである。図3では、nが6×24個である場合について図示している。なお、以下では、表示ユニット41-1乃至41-nを個々に区別する必要がない場合、単に、表示ユニット41と称する。
【0026】
表示ユニット41は、各画素に対応するLED(図示せず)が行列状(2次元アレイ状)に配置された、m個(mは正の整数)のLEDアレイ51-1乃至51-mがタイル状に配置されることにより構成される。図3では、mが4×3個である場合について図示している。なお、以下では、LEDアレイ51-1乃至51-mを個々に区別する必要がない場合、単に、LEDアレイ51と称する。
【0027】
ビデオウォール12(第1の機器)の各表示ユニット41は、LAN(Local Area Network)ケーブルなどのケーブルで、ビデオウォールコントローラ63(第2の機器)に接続される。ビデオウォール12は、ビデオウォールコントローラ63から供給されるフレーム単位の映像信号に基づいて、その映像信号に対応する映像をフレーム単位で表示する。具体的には、各表示ユニット41に供給される映像信号は、その表示ユニット41のビデオウォール12上の位置に対応する映像信号である。各表示ユニット41が、その映像信号に基づく映像を表示することにより、ビデオウォール12全体として1フレームの映像が表示される。
【0028】
ビデオサーバ61は、例えばサーバコンピュータなどからなり、ビデオコンテンツ等のフレーム単位の映像信号を記憶する。この映像信号のフレームレートは、ゲンロック信号の周波数とは異なる。本実施の形態では、映像信号のフレームレートは59.94(60)fpsであるものとするが、これに限定されず、119.88(120)fps等であってもよい。ビデオサーバ61(映像信号供給部)には、クロック生成器64から、映像信号のフレームレートと同一の周波数のフレーム同期信号が入力される。ビデオサーバ61は、そのフレーム同期信号に同期して、記憶しているフレーム単位の映像信号をビデオウォールコントローラ63に供給する。
【0029】
ビデオサーバ61の代わりに、HDD(Hard Disk Drive)やBD(Blu-ray Disc)(登録商標)などの記録媒体からビデオウォールコントローラ63にフレーム単位の映像信号が提供されるようにしてもよい。この場合、フレーム同期信号は、ビデオウォールコントローラ63に入力され、ビデオウォールコントローラ63がフレーム同期信号に同期して、記録媒体からフレーム単位の映像信号を読み出す。
【0030】
PC62は、一般的な汎用のコンピュータである。PC62は、ビデオウォールコントローラ63を制御する制御コマンドを生成し、ビデオウォールコントローラ63に送信することにより、ビデオウォールコントローラ63を制御する。
【0031】
ビデオウォールコントローラ63には、クロック生成器64からゲンロック信号が入力される。ビデオウォールコントローラ63(情報処理システム)は、ゲンロック信号およびPC62から供給される制御コマンドに基づいて、ビデオサーバ61から入力されるフレーム単位の映像信号である入力映像信号に対して所定の信号処理を行う。例えば、ビデオウォールコントローラ63は、ゲンロック信号に基づいて、入力映像信号に対して、ゲンロック信号に同期する、入力映像信号のフレームレートである入力フレームレート(第1のフレームレート)に基づいて設定されたフレームレートである出力フレームレート(第2のフレームレート)の映像信号を生成する出力映像信号生成処理を行う。出力フレームレートは、ゲンロック信号の周波数とは異なり、例えば、ゲンロック信号の周波数の整数倍に設定される。ビデオウォールコントローラ63は、所定の信号処理の結果得られる出力映像信号を、表示ユニット41の位置に応じてn個に分割し、各表示ユニット41に送信する。
【0032】
クロック生成器64(信号生成部)は、ゲンロック信号を生成し、ビデオカメラ11とビデオウォールコントローラ63に入力する。また、クロック生成器64は、ゲンロック信号と開始タイミングが同期するフレーム同期信号を生成し、ビデオサーバ61に入力する。
【0033】
なお、ビデオウォールコントローラ63とビデオウォール12とは、一体とした構成であってもよく、これらが一体となったディスプレイ装置であってもよい。また、PC62、ビデオウォールコントローラ63、およびビデオウォール12は、一体とした構成であってもよく、これらが一体となったディスプレイ装置であってもよい。
【0034】
<ビデオカメラの構成例>
図4は、ビデオカメラ11の構成例を示すブロック図である。
【0035】
図4のビデオカメラ11は、入力部81、設定部82、駆動部83、光学系84、撮影部85、信号処理部86、モニタ87、映像出力部88、およびメモリ89により構成される。
【0036】
入力部81は、撮影者21からの入力を受け付け、その入力内容を表す入力信号を生成する。例えば、撮影者21は、撮影部85において光(の強度)を信号電荷(の量)に変換する際のダイナミックレンジの制約を考慮し、入力部81を操作して適切な露光時間を入力する。この場合、入力部81は、その露光時間を表す入力信号を生成し、設定部82に供給する。撮影者21が入力部81を操作して撮影開始指示を入力した場合、入力部81は、撮影開始を表す入力信号を生成して、駆動部83に供給する。
【0037】
設定部82は、入力部81からの入力信号に基づいて、その入力信号が表す露光時間等の撮影に関する各種の情報である撮影情報を設定する。設定部82は、撮影情報を駆動部83に供給する。
【0038】
駆動部83は、図3のクロック生成器64からゲンロック信号を取得する。駆動部83は、入力部81からの撮影開始指示に応じて、ゲンロック信号に同期してゲンロック信号の周波数と同一のフレームレートで設定部82からの撮影情報に基づく撮影を行うように、撮影部85の受光面に行列状に配置された各画素部を駆動する制御信号である駆動信号を生成する。駆動部83は、その駆動信号を撮影部85に出力する。
【0039】
光学系84は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体などからの光(入射光)を撮影部85に導き、撮影部85の受光面に結像させる。
【0040】
撮影部85は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等により構成される。撮影部85は、駆動部83から供給される駆動信号にしたがって各画素部を駆動し、ローリングシャッタ方式で撮影を行う。具体的には、撮影部85は、駆動部83から供給される駆動信号にしたがって、各画素部に蓄積された電荷に応じた電気信号を行単位で出力する。そして、撮影部85は、光学系84を介して各画素部に入射される光に対応する電荷の蓄積を行単位で開始する。撮影部85は、駆動部83から供給される駆動信号にしたがって、設定部82により設定された露光時間だけ蓄積された電荷に応じた電気信号を行単位で読み出し、列単位で信号処理部86に転送する。以上のようにして、撮影部85は、設定部82により設定された露光時間で撮影を行う。
【0041】
信号処理部86は、撮影部85から転送された電荷に応じた電気信号に対して各種の信号処理を施し、所定のデジタルビデオフォーマットのフレーム単位の映像信号に変換する。このフレーム単位の映像信号は、モニタ87や映像出力部88に供給されたり、メモリ89に供給されて記憶(記録)されたりする。モニタ87は、信号処理部86から供給されるフレーム単位の映像信号に基づいて、映像をフレーム単位で表示する。映像出力部88は、信号処理部86から供給されるフレーム単位の映像信号をビデオカメラ11の外部に出力する。
【0042】
<PCの構成例>
図5は、図3のPC62のハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0043】
図5のPC62において、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0044】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、入力部106、出力部107、記憶部108、通信部109、及びドライブ110が接続されている。
【0045】
入力部106は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部107は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部108は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部109は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ110は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動する。
【0046】
以上のように構成されるPC62では、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、各種の処理を行う。例えば、CPU101は、制御コマンドを生成し、その制御コマンドをビデオウォールコントローラ63に送信するように通信部109を制御する。
【0047】
PC62(CPU101)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア111に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0048】
PC62では、プログラムは、リムーバブルメディア111をドライブ110に装着することにより、入出力インタフェース105を介して、記憶部108にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記憶部108にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記憶部108に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0049】
<ビデオウォールコントローラの構成例>
図6は、図3のビデオウォールコントローラ63の構成例を示すブロック図である。
【0050】
ビデオウォールコントローラ63は、LAN端子151、HDMI(High Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子152、DP(Display Port)端子153、DVI(Digital Visual Interface)端子154、ネットワークIF(Interface)155、MPU(Micro Processor Unit)156、信号入力IF157、信号処理部158、DRAM(Dynamic Random Access Memory)159、分配部160、および信号出力IF161-1乃至161-nにより構成される。
【0051】
LAN端子151は、LANケーブルの接続端子であり、PC62の通信部109に接続されるLANケーブルが接続されている。LAN端子151は、LANケーブルを介して制御コマンドを受信し、ネットワークIF155を介してMPU156に供給する。
【0052】
MPU156は、ネットワークIF155を介して供給される制御コマンドにしたがって、映像信号の調整を指示する映像調整信号を生成し、信号処理部158に供給する。
【0053】
HDMI端子152、DP端子153、およびDVI端子154は、いずれも入力映像信号の入力端子である。図6の例では、ビデオサーバ61とHDMI端子152が接続されており、ビデオサーバ61から供給される入力映像信号は、入力部としてのHDMI端子152に入力され、HDMI端子152により取得される。HDMI端子152に入力された入力映像信号は、信号入力IF157に供給される。
【0054】
なお、図6の例では、ビデオサーバ61とHDMI端子152とが接続されるが、HDMI端子152、DP端子153、およびDVI端子154はいずれも規格が異なるのみであり、基本的には同様の機能を備えたものであるので、必要に応じて、そのいずれかが選択されて接続される。
【0055】
信号入力IF157は、HDMI端子152から供給される入力映像信号を所定のビデオフォーマットの入力映像信号に変換し、信号処理部158に供給する。
【0056】
信号処理部158は、必要に応じて、DRAM159とデータをやり取りしながら、MPU156から供給される映像調整信号に基づいて、信号入力IF157を介して供給される入力映像信号に対して、ビデオウォール12全体に必要な信号処理を行う。具体的には、信号処理部158は、映像調整信号に基づいて、入力映像信号の色温度、コントラスト、ブライトネス等を調整する。信号処理部158は、クロック生成器64から入力されるゲンロック信号に基づいて、調整後の入力映像信号に対して出力映像信号生成処理を行う。信号処理部158は、出力映像信号生成処理に基づいて生成された出力映像信号を分配部160に供給する。
【0057】
分配部160は、信号処理部158から供給される出力映像信号を、表示ユニット41-1乃至41-nにそれぞれ接続する信号出力IF161-1乃至161-nに分配する。具体的には、分配部160(分割部)は、出力映像信号を各表示ユニット41の位置に応じてn個に分割し、各表示ユニット41に表示するための出力映像信号とする。そして、分配部160は、各表示ユニット41に表示するための出力映像信号を、その表示ユニット41に接続する信号出力IF161-1乃至161-nのいずれかに供給する。なお、以下では、信号出力IF161-1乃至161-nを個々に区別する必要がない場合、単に、信号出力IF161と称する。
【0058】
信号出力IF161(出力部)は、分配部160から供給される出力映像信号を、自分にLANケーブルなどで接続されている表示ユニット41に送信(出力)する。この送信の伝送媒体は、無線であってもよい。
【0059】
なお、ここでは、制御コマンドが、PC62から自動的に送信されてくるものとするが、ビデオウォールコントローラ63の要求に応じて送信されてくるようにしてもよい。
【0060】
<表示ユニットの詳細構成例>
図7は、図3の表示ユニット41の詳細構成例を示すブロック図である。
【0061】
図7に示すように、表示ユニット41は、ドライバ制御部191とLEDブロック192により構成される。
【0062】
ドライバ制御部191は、信号入力IF211、信号処理部212、DRAM213、信号出力IF214-1乃至214-mを備えている。
【0063】
信号入力IF211は、ビデオウォールコントローラ63から送信されてくる出力映像信号を受信し、信号処理部212に供給する。
【0064】
信号処理部212は、必要に応じてDRAM213とデータのやり取りしながら、信号入力IF211から供給される出力映像信号に対して、自分の表示ユニット41に個別に必要な信号処理を行う。具体的には、信号処理部212は、出力映像信号に対して、DRAM213に記憶されているカラーマトリクスLUT(Look Up Table)などを用いて、自分の表示ユニット41に必要な色や輝度の補正を施す。信号処理部212は、信号処理後の出力映像信号を、自分の表示ユニット41上の各LEDアレイ51の位置に応じてm個に分割する。
信号処理部212は、LEDアレイ51ごとに、分割された出力映像信号に基づいて、そのLEDアレイ51を構成する各LEDの発光強度を設定するための表示信号をフレーム単位で生成する。
【0065】
信号処理部212には、LEDアレイ51-1乃至51-mそれぞれに対応する信号出力IF214-1乃至214-mが接続されている。なお、以下では、信号出力IF214-1乃至214-mを個々に区別する必要がない場合、単に、信号出力IF214という。信号処理部212は、LEDアレイ51ごとに生成された出力フレームレートの表示信号を、そのLEDアレイ51に対応する信号出力IF214に供給する。
【0066】
信号出力IF214は、信号処理部212から供給される出力フレームレートの表示信号をLEDブロック192に送信する。
【0067】
LEDブロック192は、LEDドライバ221-1乃至221-mおよびLEDアレイ51-1乃至51-mにより構成される。
【0068】
LEDドライバ221-1乃至221-mは、ドライバ制御部191の信号出力IF214-1乃至214-mとそれぞれ接続するとともに、LEDアレイ51-1乃至51-mとそれぞれ接続されている。なお、以下では、LEDドライバ221-1乃至221-mを個々に区別する必要がない場合、単に、LEDドライバ221という。
【0069】
LEDドライバ221(表示制御部)は、自分と接続する信号出力IF214から送信されてくる出力フレームレートの表示信号に基づいて、自分と接続するLEDアレイ51を構成する各LEDの発光をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、各LED241を駆動する。具体的には、LEDドライバ221は、LEDアレイ51の各LED241が、そのLED241に対応する表示信号に基づく強度で発光するように、デジタル信号であるPWM信号を生成し、各LED241に供給する。その結果、LEDアレイ51には、ビデオウォールコントローラ63から出力された出力映像信号に対応する出力フレームレートの映像のうちの、そのLEDアレイ51のビデオウォール12上の位置に対応する映像が、ゲンロック信号に同期して表示される。
【0070】
<LEDアレイの構成例>
図8は、LEDアレイ51の構成例を示す図である。
【0071】
図8に示すように、LEDアレイ51は、パッシブマトリクス駆動方式で発光が制御される。
【0072】
具体的には、LEDアレイ51は、p×p個(pは正の整数)のLED241、並びに、輝度制御配線(Sig line)251および行選択配線(Scan line)252により構成される。LED241は、Common Cathode型のLEDである。p×p個のLED241は、行方向(縦方向)にp個並び、列方向(横方向)にp個並んだ行列状に配置されている。図8の例では、LED241の行方向と列方向の数は同一のp個であるが、LED241の行方向と列方向の数は異なっていてもよい。
【0073】
輝度制御配線251は、LED241の各列に対して設けられ、各列のLED241には、同一の輝度制御配線251が接続される。行選択配線252は、LED241の各行に対して設けられ、各行のLED241には、同一の行選択配線252が接続される。
【0074】
LEDドライバ221は、所定の発光周期で上の行から順に行単位でLED241が発光するように、各行のLED241の発光タイミングを制御する。具体的には、LEDドライバ221は、各行のLED241の発光タイミングで、その行に対応する行選択配線252に所定の固定電位を印加する。なお、所定の固定電位としてはGND電位(0V電位)が一般的だが、この限りではない。
【0075】
LEDドライバ221はまた、信号出力IF214から供給される表示信号に基づいて、各行のLED241の発光タイミングで、その行の各LED241のPWM信号を、そのLED241の列に対応する輝度制御配線251に入力する。
【0076】
以上により、LEDアレイ51では、各行のLED241の発光タイミングで、その行の各LED241が、そのLED241の表示信号に基づく輝度の光を発光する。その結果、LEDアレイ51では、上の行から順に行単位で出力映像信号に対応する映像が表示され、この映像は、発光周期ごとにリフレッシュ(更新)される。この映像の表示(発光)フレームレートは、出力フレームレートである。
【0077】
<出力映像信号生成処理の説明>
図9は、図6の信号処理部158による出力映像信号生成処理を説明するタイミングチャートを示す図である。
【0078】
図9において、横軸は時間を表している。図9の例では、出力フレームレートは、入力フレームレートの2倍である119.88(120)fpsである。
【0079】
図9の上から1段目に示すように、ビデオサーバ61に入力されるフレーム同期信号の周波数は、入力フレームレートと同一の59.94Hzである。図9の上から2段目に示すように、信号処理部158に入力される入力映像信号は、フレーム同期信号に同期するフレーム単位の信号である。このフレーム単位の信号は、フレーム単位の輝度や色を表す信号の区間の後に垂直ブランキング期間が設けられることにより構成される。
【0080】
なお、図9中、フレーム単位の輝度や色を表す信号の区間を示す矩形の中に付された数字とアルファベットは、その区間に対応するフレームが、入力映像信号のフレーム(以下、入力フレームという)のうちの、先頭から何番目の入力フレームかを表す。例えば、図9の上から2段目に示す入力映像信号の先頭の入力フレームは、N番目(Nは0以上の整数)の入力フレームである。また、図9中、垂直ブランキング期間を表す矩形には、斜線が付されている。これらのことは、後述する図14および図17においても同様である。
【0081】
図9の上から3段目に示すように、信号処理部158に入力されるゲンロック信号の周波数は23.98Hzである。信号処理部158は、ゲンロック信号が入力されると、このゲンロック信号に、図9の上から2段目に示す入力映像信号のN番目の入力フレームの先頭を同期させる。その結果得られる映像信号は、図9の上から4段目に示すようになる。
【0082】
次に、信号処理部158は、図9の上から4段目に示す映像信号に対して、その映像信号のフレームレートを整数倍(図9の例では2倍)にして結合する倍速処理を行うことにより、図9の上から5段目に示す出力映像信号を生成する。
【0083】
図9の例では、出力フレームレートが119.88fpsであるので、出力映像信号は、ゲンロック信号の1周期の間に、5(=119.88/23.98)フレーム分の出力フレームレートの映像信号を含む。例えば、図9の上から5段目に示す出力映像信号は、ゲンロック信号の先頭の周期において、出力フレームレートのN-1番目の入力フレームの映像信号を2回、N番目の入力フレームの映像信号を2回、およびN+1番目の入力フレームの映像信号を1回含む。ゲンロック信号の2番目の周期においては、出力映像信号は、出力フレームレートのN+1番目の入力フレームの映像信号を1回、N+2番目の入力フレームの映像信号を2回、およびN+3番目の入力フレームの映像信号を2回含む。以上のように、連続するN+1番目の入力フレームの映像信号は、ゲンロック信号の先頭の周期と2番目の周期に跨がっている。
【0084】
次に、信号処理部158は、図9の上から5段目に示す出力映像信号の垂直ブランキング期間を制御し、その出力映像信号において、ゲンロック信号の1周期に含まれる各フレームの垂直ブランキング期間を、ゲンロック信号の1周期に含まれる最後のフレームの後に移動させる。これにより、図9の上から5段目に示す出力映像信号において、ゲンロック信号の先頭の周期に含まれる5フレーム分の垂直ブランキング期間が、その周期に含まれる最後のフレームであるN+1番目の入力フレームの輝度や色を表す信号の区間の後にまとめて設けられる。ゲンロック信号の他の周期においても同様である。その結果得られる出力映像信号は、図9の上から6段目に示すようになる。
【0085】
以上のようにして生成された、図9の上から6段目に示す垂直ブランキング制御後の出力映像信号が、分配部160および信号出力IF161を介して表示ユニット41に送信される。その結果、表示ユニット41には、ゲンロック信号に同期して、出力フレームレートの映像が表示される。
【0086】
図9の例では、信号処理部158は、入力映像信号をゲンロック信号に同期させた後、同期後の映像信号に対して倍速処理を行ったが、入力映像信号に対して倍速処理を行った後、倍速処理後の映像信号をゲンロック信号に同期させるようにしてもよい。
【0087】
なお、図9の例では、出力フレームレートは入力フレームレートの2倍に設定されたが、これに限定されず、入力フレームレートと同一であってもよいし、異なっていてもよい。出力フレームレートは、例えば、入力フレームレートの整数倍に設定される。また、入力フレームレート自体がゲンロック信号の周波数の整数倍になっている場合、すなわち、倍速処理を行わなくとも入力映像信号をゲンロック信号に同期させることができる場合には、信号処理部158は、入力映像信号に対して倍速処理を行わなくてもよい。
【0088】
<垂直ブランキング期間の制御の効果>
図10および図11は、信号処理部158による垂直ブランキング期間の制御の効果を説明する図である。
【0089】
まず、図10において、出力映像信号の垂直ブランキング期間が制御されない場合に再撮システムで再撮される映像において黒帯が発生する原因を説明する。
【0090】
図10の横軸は、ビデオウォールに表示される映像の表示時刻を表し、縦軸は、その表示時刻に表示される映像に対応する撮影部の受光面の画素の行の上からの行数を表している。図10の例では、出力フレームレートは、入力フレームレートの2倍である119.88fpsである。従って、ゲンロック信号の1周期に含まれる、ビデオウォールに表示される映像のフレーム数は5フレームである。図10において、1フレームの撮影期間に表示される5フレーム分の映像の表示期間を矩形で表し、その矩形の斜線を付した部分は垂直ブランキング期間を表す。これらのことは、後述する図11においても同様である。
【0091】
撮影部は、ローリングシャッタ方式で撮影を行うので、各行のLEDの光による露光は上の行から順に行われ、各行の露光開始タイミングは異なる。また、ゲンロック信号により表示と撮影の同期がとられているため、1フレームごとの露光開始時刻と5フレームごとの表示開始時刻は同期している。従って、図10において、1フレームの露光期間は、左上の頂点が5フレーム分の映像の表示期間を表す矩形の左上の頂点と一致し、横方向の辺の長さが露光時間に対応する平行四辺形で表すことができる。
【0092】
例えば、露光期間が図10の平行四辺形270で表される場合、撮影部85の受光面の全行で露光期間内に垂直ブランキング期間が1回含まれる。
【0093】
しかしながら、露光期間が平行四辺形271で表される場合、撮影部の受光面のL行目より上の行では、露光期間内に垂直ブランキング期間が1回含まれるが、L行目より下の行では、露光期間内に垂直ブランキング期間が2回含まれる。また、露光期間が平行四辺形272で表される場合、撮影部の受光面のL行目より上の行では、露光期間内に垂直ブランキング期間が含まれないが、L行目より下の行では、露光期間内に垂直ブランキング期間が1回含まれる。
【0094】
ここで、垂直ブランキング期間では発光が行われない。従って、露光期間が平行四辺形271や272で表される場合、ビデオカメラにより再撮されたL行目より下の行の画素の輝度は、L行目より上の行の画素の輝度に比べて低くなる。その結果、ビデオカメラにより再撮された映像のうち、L行目より下の行の映像が黒帯(Blackbelt)となる。黒帯は、他の領域に比べて輝度が低い帯状の領域であり、黒帯の色は、様々な濃度の黒色である。以上のように、出力映像信号の出力ブランキング期間が制御されない場合、露光時間によって黒帯が発生することがある。
【0095】
これに対して、信号処理部158は、ゲンロック信号の1周期、即ち1フレームの撮影期間に含まれる各フレームの垂直ブランキング期間を最後のフレームの後に移動させるように、垂直ブランキング期間を制御する。従って、図11に示すように、1フレームの撮影期間に表示される5フレーム分の映像のうち、最後のフレームの映像にのみ垂直ブランキング期間が設けられる。従って、露光時間によらず、撮影部85の受光面の全行で露光期間内に垂直ブランキング期間が含まれない。例えば、露光期間が平行四辺形271や272で表される場合であっても、撮影部85の受光面の全行で露光期間内に垂直ブランキング期間が含まれない。従って、黒帯の発生を防止することができる。
【0096】
ここでは、黒帯の発生について説明したが、同様に縞等のその他のアーティファクトの発生も防止することができる。
【0097】
<ビデオウォールコントローラの処理の説明>
図12は、図6のビデオウォールコントローラ63の映像信号処理を説明するフローチャートである。この映像信号処理は、例えば、図3のビデオサーバ61から入力映像信号が送信されてきたとき、開始される。
【0098】
図12のステップS51において、ビデオウォールコントローラ63の信号入力IF157は、ビデオサーバ61から送信されてくる入力映像信号を、HDMI端子152を介して受信する。
【0099】
ステップS52において、信号入力IF157は、ステップS51の処理により受信された入力映像信号を所定のビデオフォーマットの入力映像信号に変換し、信号処理部158に供給する。
【0100】
ステップS53において、MPU156は、PC62の通信部109からLAN端子151およびネットワークIF155を介して取得された制御コマンドにしたがって映像調整信号を生成し、信号処理部158に供給する。
【0101】
ステップS54において、信号処理部158は、必要に応じてDRAM159とデータをやり取りしながら、映像調整信号に基づいて、ステップS52の処理により供給された入力映像信号の色温度、コントラスト、ブライトネス等の調整を行う。
【0102】
ステップS55において、信号処理部158は、クロック生成器64から入力されるゲンロック信号に基づいて、ステップS54の処理により得られた調整後の入力映像信号に対して出力映像信号生成処理を行う。信号処理部158は、出力映像信号生成処理の結果得られる出力映像信号を分配部160に供給する。
【0103】
ステップS56において、分配部160は、ステップS55の処理により供給された出力映像信号を、各信号出力IF161に分配する。
【0104】
ステップS57において、各信号出力IF161は、ステップS56の処理により供給された出力映像信号を、自分に接続されている表示ユニット41に送信する。そして、映像信号処理は終了する。
【0105】
以上のように、再撮システム10のビデオウォールコントローラ63は、ゲンロック信号に基づいて、ゲンロック信号の周波数とは異なる入力フレームレートの入力映像信号に対して処理を行うことができる。例えば、ビデオウォールコントローラ63は、ゲンロック信号に基づいて、ゲンロック信号の周波数とは異なる入力フレームレートの入力映像信号に対して、ゲンロック信号に同期する出力フレームレートの出力映像信号を生成する出力映像信号生成処理を行うことができる。
【0106】
従って、ビデオウォールコントローラ63は、ゲンロック信号の周波数とは異なる入力フレームレートの入力映像信号に基づいて、ゲンロック信号に同期する出力フレームレートの映像をビデオウォール12に表示させることができる。その結果、ビデオウォール12は、例えば、ビデオカメラ11の撮影フレームレートと同期し、かつビデオカメラ11の撮影フレームレートに比べて高速の出力フレームレートで映像を表示することができる。これによって、再撮環境において演者が認識する、ビデオウォール12に表示される映像のレイテンシを軽減することができる。
【0107】
なお、再撮システム10において、ビデオカメラ11とPC62は同軸ケーブルなどの有線を介して信号をやり取りしてもよいし、無線通信でやり取りするようにしてもよい。また、PC62とビデオウォールコントローラ63は、LANケーブルなどの有線を介して信号をやり取りしてもよいし、無線通信でやり取りするようにしてもよい。
【0108】
再撮システム10は、複数のビデオウォールコントローラ63を設け、各ビデオウォールコントローラ63がビデオウォール12を分割して制御するようにしてもよい。
【0109】
<ビデオウォールコントローラがゲンロック信号に基づいてゲンロック信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号に対して処理を行うことができない場合について>
<再撮システムの一例>
図13は、ビデオウォールコントローラがゲンロック信号に基づいてゲンロック信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号に対して処理を行うことができない場合の再撮システムの一例を示す図である。
【0110】
図13の再撮システム400において、図3の再撮システム10と対応する部分については同一の符号を付してある。従って、その部分の説明は適宜省略し、再撮システム10と異なる部分に着目して説明する。
【0111】
図13の再撮システム400は、ビデオサーバ61、ビデオウォールコントローラ63、クロック生成器64が、ビデオサーバ401、ビデオウォールコントローラ402、クロック生成器403に代わる点が、再撮システム10と異なっており、その他は再撮システム10と同様に構成されている。
【0112】
再撮システム400では、ビデオウォールコントローラ402がゲンロック信号に基づいてゲンロック信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号に対して処理を行うことができない。従って、ゲンロック信号の周波数と同一のフレームレートの映像信号がビデオサーバ401からビデオウォールコントローラ402に供給される。
【0113】
具体的には、ビデオサーバ401は、クロック生成器403からフレーム同期信号としてゲンロック信号が入力される点、および、記憶している映像信号のフレームレートがゲンロック信号の周波数と同一である点が、ビデオサーバ61と異なっており、その他はビデオサーバ61と同様に構成されている。
【0114】
ビデオウォールコントローラ402は、信号処理部が、ゲンロック信号に基づいて、ビデオサーバ401から入力されたゲンロック信号の周波数と同一のフレームレートの映像信号をゲンロック信号に同期して出力する点が、ビデオウォールコントローラ63と異なっており、その他はビデオウォールコントローラ63と同様に構成されている。
【0115】
クロック生成器403は、ゲンロック信号を生成し、ビデオカメラ11、ビデオサーバ401、およびビデオウォールコントローラ402に出力する。
【0116】
<信号処理部の処理の説明>
図14は、図13のビデオウォールコントローラ402の信号処理部による処理を説明するタイミングチャートを示す図である。
【0117】
図14において、横軸は時間を表している。
【0118】
図14の上から1段目に示すように、ビデオサーバ401やビデオウォールコントローラ402に入力されるゲンロック信号の周波数は、23.98Hzである。図14の上から2段目に示すように、ビデオウォールコントローラ402の信号処理部に入力される映像信号は、ゲンロック信号に同期するフレーム単位の信号である。このフレーム単位の信号は、フレーム単位の輝度や色を表す信号の区間の後に垂直ブランキング期間が設けられることにより構成される。
【0119】
信号処理部は、図14の上から2段目に示す映像信号が入力されると、図14の上から1段目に示すゲンロック信号に基づいて、その映像信号をゲンロック信号に同期させて出力する。従って、出力される映像信号は、図14の上から3段目に示すようになる。
【0120】
以上のように、ビデオウォールコントローラ402の信号処理部は、入力されたゲンロック信号の周波数と同一であるフレームレートの映像信号を、ゲンロック信号に同期させて出力することができる。その結果、ビデオカメラ11は、ビデオウォール12の表示と同期して、再撮映像のフレームレートと同一のフレームレートでビデオウォール12に表示される映像を再撮することができる。
【0121】
しかしながら、ビデオウォール12に表示される映像のフレームレートは撮影フレームレートと同一であるため、再撮環境においてビデオウォール12に表示される映像のレイテンシを軽減することはできない。
【0122】
<再撮システムの他の一例>
図15は、ビデオウォールコントローラがゲンロック信号に基づいてゲンロック信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号に対して処理を行うことができない場合の再撮システムの他の一例を示す図である。
【0123】
図15の再撮システム500において、図3の再撮システム10や図13の再撮システム400と対応する部分については同一の符号を付してある。従って、その部分の説明は適宜省略し、再撮システム10や再撮システム400と異なる部分に着目して説明する。
【0124】
図15の再撮システム500は、フレームレートコントローラ501が新たに設けられる点、および、ビデオウォールコントローラ63、クロック生成器64が、ビデオウォールコントローラ402、クロック生成器502に代わる点が、再撮システム10と異なっており、その他は再撮システム10と同様に構成されている。
【0125】
再撮システム500では、ビデオウォールコントローラ402がゲンロック信号に基づいてゲンロック信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号に対して処理を行うことができない。従って、ビデオサーバ61から出力される入力映像信号の入力フレームレートが、フレームレートコントローラ501によりゲンロック信号の周波数と同一のフレームレートに変換され、ビデオウォールコントローラ402に入力される。
【0126】
具体的には、フレームレートコントローラ501には、フレーム同期信号に同期してビデオサーバ61から出力された入力フレームレートの入力映像信号が入力される。フレームレートコントローラ501にはまた、クロック生成器502からゲンロック信号が入力される。フレームレートコントローラ501は、ゲンロック信号に基づいて、フレーム同期信号に同期して入力された入力映像信号のフレームレートを、ゲンロック信号の周波数と同一のフレームレートの映像信号に変換し、ゲンロック信号に同期してビデオウォールコントローラ402に供給する。
【0127】
クロック生成器502は、ゲンロック信号を生成し、ビデオカメラ11、ビデオウォールコントローラ402、およびフレームレートコントローラ501に出力する。また、クロック生成器502は、ゲンロック信号と開始タイミングが同期するフレーム同期信号を生成し、ビデオサーバ61に出力する。
【0128】
以上のような再撮システム500では、再撮システム400と同様に、ビデオカメラ11は、ビデオウォール12の表示と同期して、再撮映像のフレームレートと同一のフレームレートでビデオウォール12に表示される映像を再撮することができる。しかしながら、ビデオウォール12に表示される映像のフレームレートは撮影フレームレートと同一であるため、再撮環境においてビデオウォール12に表示される映像のレイテンシを軽減することはできない。
【0129】
<再撮システムのさらに他の一例>
図16は、ビデオウォールコントローラがゲンロック信号に基づいてゲンロック信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号に対して処理を行うことができない場合の再撮システムのさらに他の一例を示す図である。
【0130】
図16の再撮システム600において、図3の再撮システム10と対応する部分については同一の符号を付してある。従って、その部分の説明は適宜省略し、再撮システム10と異なる部分に着目して説明する。
【0131】
図16の再撮システム600は、ビデオウォールコントローラ63がビデオウォールコントローラ601に代わる点が、再撮システム10と異なっており、その他は再撮システム10と同様に構成されている。
【0132】
再撮システム600では、ビデオウォールコントローラ601がゲンロック信号に基づいてゲンロック信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号に対して処理を行うことができない。従って、ビデオウォールコントローラ601は、ゲンロック信号を無視して、フレーム同期信号に同期する出力フレームレートの映像信号を生成する。
【0133】
具体的には、ビデオウォールコントローラ601は、信号処理部が、ゲンロック信号を無視して、ビデオサーバ61から入力された入力映像信号からフレーム同期信号に同期する出力フレームレートの映像信号を生成する点が、ビデオウォールコントローラ63と異なっており、その他はビデオウォールコントローラ63と同様に構成されている。
【0134】
<信号処理部の処理の説明>
図17は、図16のビデオウォールコントローラ601の信号処理部による処理を説明するタイミングチャートを示す図である。
【0135】
図17において、横軸は時間を表している。図17の例では、入力フレームレートは、ゲンロック信号の周波数とは異なる59.94fpsであり、出力フレームレートは、入力フレームレートの2倍である119.88fpsである。
【0136】
図17の上から1段目および2段目は、図9の上から1段目および2段目と同様であるので、説明は省略する。入力映像信号の入力フレームレートは、ゲンロック信号の周波数とは異なっているので、ビデオウォールコントローラ601の信号処理部は、ゲンロック信号に基づいて入力映像信号に対して処理を行うことはできない。従って、信号処理部は、ゲンロック信号を無視して、フレーム同期信号に同期して入力された入力映像信号に対して倍速処理のみを行い、フレーム同期信号に同期する出力フレームレートの映像信号を出力する。従って、出力される映像信号は、図17の上から3段目に示すようになる。
【0137】
以上のように、ビデオウォールコントローラ601の信号処理部は、フレーム同期信号に同期する、ゲンロック信号の周波数とは異なる出力フレームレートの映像信号を出力することができる。その結果、ビデオカメラ11は、例えば、再撮映像のフレームレートより高速の出力フレームレートでビデオウォール12に表示される映像を再撮することができる。しかしながら、ビデオウォール12の表示をビデオカメラ11による再撮と同期させることはできない。
【0138】
上述したビデオウォールコントローラ63の一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアによって実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。上述したビデオウォールコントローラ63の一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成は、図5のPC62の構成と同様であるので、図示は省略する。なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0139】
本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)、処理等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置、および複数の処理を行うプロセッシングユニットは、いずれも、システムである。
【0140】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である
【0141】
例えば、上述した複数の実施の形態の全てまたは一部を組み合わせた形態を採用することができる。
【0142】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0143】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0144】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0145】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、本明細書に記載されたもの以外の効果があってもよい。
【0146】
本技術は、以下の構成を取ることができる。
(1)
撮影機材同期信号に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なる第1のフレームレートの映像信号である入力映像信号に対して処理を行う信号処理部と、
前記入力映像信号に対する処理に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号を出力する出力部と
を備える情報処理システム。
(2)
前記信号処理部は、前記撮影機材同期信号に基づいて、前記入力映像信号に対して、前記第1のフレームレートに基づいて設定された第2のフレームレートの前記映像信号であり、前記撮影機材同期信号に同期する出力映像信号を生成する処理を行う
ように構成された
前記(1)に記載の情報処理システム。
(3)
前記第2のフレームレートは、前記撮影機材同期信号の周波数の整数倍である
ように構成された
前記(2)に記載の情報処理システム。
(4)
前記第2のフレームレートは、前記第1のフレームレートとは異なるフレームレートである
ように構成された
前記(3)に記載の情報処理システム。
(5)
前記第2のフレームレートは、前記第1のフレームレートの整数倍である
ように構成された
前記(4)に記載の情報処理システム。
(6)
前記信号処理部は、前記入力映像信号を前記撮影機材同期信号に同期させ、フレームレートを整数倍にして結合することにより、前記出力映像信号を生成する
ように構成された
前記(5)に記載の情報処理システム。
(7)
前記信号処理部は、前記出力映像信号において、前記撮影機材同期信号の1周期に含まれる各フレームの垂直ブランキング期間を、前記撮影機材同期信号の1周期に含まれる最後のフレームの後に移動させる
ように構成された
前記(2)乃至(6)のいずれかに記載の情報処理システム。
(8)
前記信号処理部により生成された前記出力映像信号に基づいて、前記第2のフレームレートの映像を表示部に表示させる表示制御部
をさらに備える
前記(2)乃至(7)のいずれかに記載の情報処理システム。
(9)
前記入力映像信号を取得する入力部と、
前記信号処理部により生成された前記出力映像信号を、複数の表示ユニットから構成される表示部のそれぞれの表示ユニットに表示するための出力映像信号へ分割する分割部と を備え、
前記出力部は、前記分割部により分割された前記出力映像信号を前記表示ユニットに出力する
ように構成された
前記(2)乃至(7)のいずれかに記載の情報処理システム。
(10)
前記表示部は、第1の機器上に設けられ、
前記入力部、前記信号処理部、前記分割部、および前記出力部は、前記第1の機器とは異なる第2の機器上に設けられ、
前記第1の機器と前記第2の機器は、ケーブルで接続される
ように構成された
前記(9)に記載の情報処理システム。
(11)
前記表示部
をさらに備える
前記(8)乃至(10)のいずれかに記載の情報処理システム。
(12)
前記表示部は、パッシブマトリクス駆動方式で発光する
ように構成された
前記(8)乃至(11)のいずれかに記載の情報処理システム。
(13)
前記表示部は、行列状に配置されたLED(Light Emitting Diode)の画素から構成される
ように構成された
前記(8)乃至(11)のいずれかに記載の情報処理システム。
(14)
前記撮影機材同期信号は、前記出力映像信号に基づく映像を表示する表示部を撮影する撮影部に入力される
ように構成された
前記(2)乃至(7)のいずれかに記載の情報処理システム。
(15)
前記撮影部は、前記撮影機材同期信号に同期して、前記撮影機材同期信号の周波数を撮影映像のフレームレートとして前記表示部を撮影する
ように構成された
前記(14)に記載の情報処理システム。
(16)
前記撮影部は、ローリングシャッタ方式で撮影を行う
ように構成された
前記(14)または(15)に記載の情報処理システム。
(17)
前記撮影機材同期信号を生成する信号生成部は、前記入力映像信号を前記信号処理部に供給する映像信号供給部に、前記第1のフレームレートと同一の周波数のフレーム同期信号を入力する
ように構成された
前記(1)乃至(16)のいずれかに記載の情報処理システム。
(18)
前記映像信号供給部は、前記フレーム同期信号に同期して、前記信号処理部に前記入力映像信号を供給する
ように構成された
前記(17)に記載の情報処理システム。
(19)
前記撮影機材同期信号のフレームレートは23.98Hzである
ように構成された
前記(1)乃至(18)のいずれかに記載の情報処理システム。
(20)
情報処理システムが、
撮影機材同期信号に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なる第1のフレームレートの映像信号である入力映像信号に対して処理を行う信号処理ステップと、
前記入力映像信号に対する処理に基づいて、前記撮影機材同期信号の周波数とは異なるフレームレートの映像信号を出力する出力ステップと
を含む情報処理方法。
【符号の説明】
【0147】
10 再撮システム, 11 ビデオカメラ, 12 ビデオウォール, 41-1乃至41-n 表示ユニット, 61 ビデオサーバ, 63 ビデオウォールコントローラ, 64 クロック生成器, 152 HDMI端子, 153 DP端子, 154 DVI端子, 158 信号処理部, 160 分配部, 161-1乃至161-n 信号出力IF, 221-1乃至221-m LEDドライバ, 241 LED
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17