(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】画像検査方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240718BHJP
G01N 21/88 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
G06T7/00 610Z
G01N21/88 J
(21)【出願番号】P 2023146838
(22)【出願日】2023-09-11
【審査請求日】2024-01-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518232168
【氏名又は名称】ダイトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北田 啓順
(72)【発明者】
【氏名】山口 達也
(72)【発明者】
【氏名】立澤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】土本 倖輔
【審査官】新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-135007(JP,A)
【文献】特開2008-003063(JP,A)
【文献】特開2023-008379(JP,A)
【文献】特開2006-078452(JP,A)
【文献】特開2000-334812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G01N 21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査画像をコンピュータによって検査する方法であって、
前記被検査画像に基づいてマスター画像を生成するマスター画像生成ステップと、
前記被検査画像と前記マスター画像とを対応する画素ごとに差分する差分画像を生成する差分画像生成ステップと、
前記差分画像に基づいて、前記被検査画像の異常を評価する異常評価ステップと、を含
み、
前記マスター画像生成ステップは、前記被検査画像がカラー画像であると、各カラーチャンネルのうち輝度値の平均値が高いカラーチャンネルに基づいて前記マスター画像を生成する、画像検査方法。
【請求項2】
前記マスター画像生成ステップは、前記被検査画像から輝度値が所定範囲内にある画素からなる領域を背景領域として取得する処理と、前記背景領域に基づいて前記マスター画像を生成する処理と、を含む、請求項1に記載の画像検査方法。
【請求項3】
前記マスター画像生成ステップは、前記被検査画像の少なくとも一部に対してノイズ除去処理及び平滑化処理の少なくとも一方を実行するデジタルフィルタを適用する処理を含む、請求項1又は2に記載の画像検査方法。
【請求項4】
前記マスター画像生成ステップは、前記被検査画像の少なくとも一部における画素の輝度値の割合に関する統計情報に基づいて、前記マスター画像の画素の輝度値を決定する処理を含む、請求項1又は2に記載の画像検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査画像をコンピュータによって検査する画像検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、検査対象のワークを撮像した被検査画像を、あらかじめ用意してあるマスター画像と比較してワークの検査を行う画像検査方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、撮影箇所の色味の変化や、ワークを照明する照明装置の経時的な性能変化等の様々な要因により被検査画像の色味が変化することがある。これによって、ワークに異常がないにもかかわらず被検査画像とマスター画像との差分が大きくなってしまい、異常があると誤認する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、被検査画像の色味の変化の影響を受けにくく、被検査画像の異常を精度よく検出することができる画像検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下に示される実施形態を含む。
【0007】
[1] 被検査画像をコンピュータによって検査する方法であって、前記被検査画像に基づいてマスター画像を生成するマスター画像生成ステップと、前記被検査画像と前記マスター画像とを対応する画素ごとに差分した差分画像を生成する差分画像生成ステップと、前記差分画像に基づいて、前記被検査画像の異常を評価する異常評価ステップと、を含み、前記マスター画像生成ステップは、前記被検査画像がカラー画像であると、各カラーチャンネルのうち輝度値の平均値が高いカラーチャンネルに基づいて前記マスター画像を生成する、画像検査方法。
【0008】
[2] 前記マスター画像生成ステップは、前記被検査画像から輝度値が所定範囲内にある画素からなる領域を背景領域として取得する処理と、前記背景領域に基づいて前記マスター画像を生成する処理と、を含む、上記[1]に記載の画像検査方法。
【0009】
[3] 前記マスター画像生成ステップは、前記被検査画像の少なくとも一部に対してノイズ除去処理及び平滑化処理の少なくとも一方を実行するデジタルフィルタを適用する処理を含む、上記[1]又は[2]に記載の画像検査方法。
【0010】
[4] 前記マスター画像生成ステップは、前記被検査画像の少なくとも一部における画素の輝度値の割合に関する統計情報に基づいて、前記マスター画像の画素の輝度値を決定する処理を含む、上記[1]又は[2]に記載の画像検査方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被検査画像に基づいてマスター画像を生成するため、被検査画像の色味の変化の影響を受けにくく、精度よく異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態の画像検査方法を実施する検査装置の概略構成を示す図
【
図2】本発明の第1実施形態の画像検査方法を示すフロー図
【
図3】本発明の変更例5の画像検査方法におけるマスター画像の生成手順を示すフロー図
【
図4】本発明の変更例8にかかる画像検査方法の撮影ステップを示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
(1)検査装置1の構成
まず、本実施形態の画像検査方法を実施する検査装置1の構成について
図1に基づいて説明する。
【0016】
検査装置1は、ステージ2と、撮像装置3と、照明装置4と、制御装置5とを備え、ステージ2に載置されたワークWを撮像装置3が撮影し、撮影して得られた画像に基づいてワークWを検査する装置である。
【0017】
ステージ2は、検査対象となるワークWを保持し、撮像装置3の撮影位置に位置合わせするための機構である。撮像装置3は、所望の撮影範囲を撮影可能な視野を有するものであればよく、CCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(ComplementaryMetal Oxide Semiconductor)カメラなどの任意の公知技術を採用することができる。照明装置4は、ステージ2に載置されたワークWに対して照明光を照射する。
【0018】
制御装置5は、コンピュータからなる処理装置51と、メモリーなどの記憶装置52とを有しており、記憶装置52に記憶されているプログラムを処理装置51が読み込んで実行することにより、装置制御部53、データ取得部54、マスター画像生成部55、差分画像生成部56、及び評価部57として機能する。
【0019】
装置制御部53は、撮像装置3の撮影制御や照明装置4の点灯及び調光制御等を行う。装置制御部53は、照明装置4によってワークWに照明光を照射しながら、撮像装置3によってワークWを撮像して被検査画像Psを取得する。
【0020】
データ取得部54は、撮像装置3で撮像された被検査画像Psのデータを取得し、取得した被検査画像Psを記憶装置52に記憶する。
【0021】
マスター画像生成部55は、記憶装置52に記憶された被検査画像Psからマスター画像Pmを生成し、生成したマスター画像Pmを記憶装置52に記憶する。
【0022】
差分画像生成部56は、被検査画像Psとマスター画像Pmとの輝度値の差分を示す差分画像Pdを生成する。差分画像生成部56は、生成した差分画像Pdを記憶装置52に記憶する。
【0023】
評価部57は、差分画像Pdに基づいてワークWに欠陥が含まれているか否か、被検査画像Psの異常を評価する。
【0024】
(2)マスター画像生成部55における処理
次に、
図2に基づいて、本実施形態において、マスター画像生成部55がマスター画像を生成する手順を説明する。
【0025】
マスター画像生成部55は、記憶装置52から被検査画像Psを読み込み、被検査画像Psにおいて輝度値が所定範囲内(閾値内)にある画素からなる領域を背景領域rbに設定し、背景領域rb以外の領域を非背景領域rcに設定する。
【0026】
例えば、輝度値が0~255の256段階で表される場合に、マスター画像生成部55は、被検査画像Psの中で輝度値が50~200の画素からなる領域を、ワークWの中で正常である背景領域rbに設定する。また、被検査画像Psの中で輝度値が50未満の画素からなる領域及び200より大きい画素からなる領域を、ゴミや汚れ等の異物があったり、ワークWの破損があったりする等、ワークWの中で何らかの障害が生じている非背景領域rcに設定する。
【0027】
次に、マスター画像生成部55は、非背景領域rcの輝度値を背景領域rbの輝度値に置換してマスター画像Pmを生成する。なお、背景領域rbの画素の輝度値が複数ある場合、非背景領域rcの輝度値を、背景領域rbの輝度値の平均値に置換してマスター画像Pmを生成してもよい。
【0028】
(3)画像検査方法の流れ
次に、
図2に基づいて、検査装置1で行われる画像検査方法の流れについて説明する。
【0029】
まず、照明装置4によってステージ2に載置されたワークWに照明光を照射した状態で、撮像装置3がワークWを撮像し被検査画像Psを取得する(ステップS1)。
【0030】
次いで、マスター画像生成部55は、被検査画像Psの中に背景領域rbと非背景領域rcとを設定する。そして、マスター画像生成部55は、非背景領域rcの輝度値を、背景領域rbの輝度値に置換したマスター画像Pmを生成する(ステップS2)。マスター画像生成部55は、被検査画像Ps毎に被検査画像Psに基づいてマスター画像Pmを生成するため、被検査画像Psの色味の変化に追従したマスター画像Pmを生成することができる。
【0031】
次いで、差分画像生成部56は、被検査画像Psとマスター画像Pmとの輝度値の差分を示す差分画像Pdを生成する(ステップS3)。
【0032】
このようにして得られた差分画像Pdは、被検査画像Psの色味の変化に応じて変化するマスター画像Pmと被検査画像Psとの差分を示しているため、被検査画像Psの色味の変化に影響を受けずワークWの異常の有無を反映する。
【0033】
なお、差分画像生成部56は、被検査画像Psとマスター画像Pmとで対応する画素の輝度値を差分した後、全ての画素に所定量の輝度値(例えば、128)を加えたオフセット画像を差分画像Pdとして生成してもよい。
【0034】
次いで、評価部57は、差分画像Pdに基づいてワークWに欠陥が含まれているか否か、被検査画像Psの異常を評価する(ステップS4)。
【0035】
(4)効果
本実施形態の画像検査方法では、被検査画像Ps毎に被検査画像Psに基づいてマスター画像Pmを生成するため、被検査画像Psの色味の変化や照明装置4等の経時的な性能変化に影響を受けずワークWの異常を精度よく検出することができる。
【0036】
本実施形態では、輝度値が所定範囲内にある画素からなる背景領域rbを被検査画像Psの中に設定し、被検査画像Psの一部に設けた背景領域rbに基づいてマスター画像Pmを生成する。そのため、ワークWの汚れや破損等の障害が生じている非背景領域rcの影響を受けることなく、マスター画像Pmを生成することができ、ワークWの異常をさらに精度よく検出することができる。
【0037】
(5)変更例
上記の実施形態に対して、以下に説明する複数の変更例のうちいずれか1つを適用しても良いし、以下に説明する変更例のうちいずれか2つ以上を組み合わせて適用しても良い。なお、以下の変更例の他にも様々な変更が可能である。
【0038】
(5-1)変更例1
上記した実施形態において、マスター画像生成部55は、背景領域rbに対して収縮フィルタを適用して背景領域を修正してもよい。
【0039】
具体的には、マスター画像生成部55は、背景領域rbに対して収縮フィルタを適用して背景領域rbにおける非背景領域rcとの境界近傍を背景領域rbから除いた領域を修正背景領域rb’に設定し、修正背景領域rb’以外の領域を修正非背景領域rc’に設定する。
【0040】
そして、マスター画像生成部55が、修正非背景領域rc’の輝度値を修正背景領域rb’の輝度値に置換してマスター画像Pm’を生成してもよい。
【0041】
本変更例では、背景領域rbに対して収縮フィルタを適用して非背景領域rcとの境界近傍が背景領域rbから取り除かれているため、より一層、ワークWの中で生じている障害の影響を受けることなく、マスター画像Pmを生成することができる。
【0042】
(5-2)変更例2
上記した実施形態において、非背景領域rcの輝度値を、背景領域rbにおける画素の輝度値の割合に関する統計情報(色ヒストグラム)のピーク値(最頻値)に変換してマスター画像Pmを生成してもよい。また、上記した変更例1では、修正非背景領域rcの輝度値を、修正背景領域rbにおける色ヒストグラムのピーク値(最頻値)に変換してマスター画像Pmを生成してもよい。
【0043】
(5-3)変更例3
上記した実施形態において、マスター画像生成部55は、被検査画像Psの背景領域rbに対して平均化フィルタやメディアンフィルタやガウシアンフィルタやオープニングフィルタやクロージングフィルタなどのノイズ除去処理や平滑化処理を行ってもよい。また、上記した変更例1では、修正背景領域rb’に対してノイズ除去処理や平滑化処理を行ってもよい。
【0044】
本変更例では、背景領域rbや修正背景領域rb’に対してノイズ除去処理や平滑化処理を行うことで、背景領域rbや修正背景領域rb’に残存するワークWの小さな異物や色味のムラを均一化してからマスター画像Pmを生成することができ、ワークWの異常をさらに精度よく検出することができる。
【0045】
(5-4)変更例4
上記の実施形態では、マスター画像生成部55が被検査画像Psの一部に設定した背景領域rbに基づいてマスター画像を生成したが、被検査画像Psの全体に対して平均化フィルタやメディアンフィルタなどのノイズ除去処理や平滑化処理を行って色味を均一化した画像をマスター画像Pmとしてもよい。
【0046】
本変更例では、被検査画像Psに背景領域rb及び非背景領域rcを設定することなく被検査画像Ps毎に被検査画像Psに基づいてマスター画像Pmを生成することができ、被検査画像Psの色味の変化や照明装置4等の経時的な性能変化の影響を受けずワークWの異常を精度よく検出することができる。
【0047】
(5-5)変更例5
マスター画像生成部55は、上記した実施形態のように被検査画像Psの一部に設定した背景領域rbに基づいてマスター画像Pmを生成する代わりに、
図3に示すような手順でマスター画像Pmを生成してもよい。
【0048】
具体的には、マスター画像生成部55が、被検査画像Psの全体に対して平均化フィルタやメディアンフィルタなどのノイズ除去処理や平滑化処理を行って色味を均一化した均一化画像Pnを作成する(ステップS21)。
【0049】
次いで、マスター画像生成部55は、均一化画像Pnに位置が異なる複数の領域を設定し、設定した各領域にある画素の輝度値の平均を領域ごとに算出する(ステップS22)。
【0050】
例えば、マスター画像生成部55は、均一化画像Pnの所定位置に左側領域、中央領域、及び右側領域を設定し、各領域にある画素の輝度値の平均を左側領域、中央領域及び右側領域でそれぞれ算出する。
【0051】
次いで、マスター画像生成部55は、算出した各領域における輝度値の平均値の中から、最も大きい平均値を基準輝度値に選定し(ステップS23)、全ての画素を基準輝度値に置換してマスター画像Pmを生成する(ステップS24)。
【0052】
本変更例では、ワークWの汚れや破損等の影響を避けてマスター画像Pmを生成することができ、被検査画像Psの色味の変化や照明装置4等の経時的な性能変化に影響を受けずに、ワークWの異常を精度よく検出することができる。
【0053】
(5-6)変更例6
上記した実施形態において、被検査画像Psがカラー画像の場合、マスター画像生成部55は、各カラーチャンネルのうち輝度値の平均値が最も高い1つのカラーチャンネルを選定し、選定した1つのカラーチャンネルに基づいて背景領域rbと非背景領域rcとを設定してマスター画像Pmを生成してもよい。
【0054】
本変更例では、被検査画像Psを単色化するため、処理速度を向上させることができる。また、輝度値の平均値が最も大きいカラーチャンネルに被検査画像Psを単色化するため、異物との輝度差が大きくなり、ワークWの障害箇所を含まないように背景領域rbを設定しやすくなる。
【0055】
(5-7)変更例7
上記した実施形態において、マスター画像生成部55は、被検査画像Psにおける画素の輝度値の割合に関する統計情報(色ヒストグラム)に基づいてマスター画像Pmの輝度値を決定してもよい。
【0056】
例えば、全ての画素の輝度値を、被検査画像Psの色ヒストグラムのピーク値とする画像をマスター画像Pmとしてもよい。
【0057】
なお、マスター画像生成部55は、被検査画像Psを構成する全ての画素から被検査画像Psの色ヒストグラムを作成してもよく、また、被検査画像Psから抽出した複数の代表画素から色ヒストグラムを作成してもよい。被検査画像Psから抽出した代表画素から色ヒストグラムを作成する場合、色ヒストグラムの精度を確保するために所定の画素ピッチごとに代表画素を抽出することが好ましい。
【0058】
(5-8)変更例8
上記した実施形態の画像検査方法において、マスター画像生成部55が背景領域rbを設定することができるように、つまり、輝度値が閾値内にある画素が被検査画像Psの中に所定の割合以上存在するように、不図示のゲイン調整部が照明装置4のゲインを調整するゲイン調整処理を行っても良い。なお、記憶装置52に記憶されているプログラムを処理装置51が読み込んで実行することにより、制御装置5が後述するようなゲイン調整部として機能する。
【0059】
具体的には、
図4に示すように、ゲイン調整部は、ゲイン調整処理を開始してからワークWを撮像した回数が規定回数(例えば、3回)に達しているか否かを判断する(ステップS31)。
【0060】
撮像回数が規定回数に達している場合には、ステップS32に進み、ゲイン調整部は、警報を発報して使用者に異常を報知するとともにゲイン調整処理を終了する。撮像回数が規定回数に達していない場合には、ステップS33に進む。
【0061】
ステップS33では、照明装置4によってステージ2に載置されたワークWに照明光を照射した状態で、撮像装置3がワークWを撮像し被検査画像Psを取得する。
【0062】
ステップS34において、ゲイン調整部は、輝度値が閾値内にある画素が被検査画像Psの中に所定の割合(例えば、5割)以上存在するか否か判断する。閾値内の輝度値の画素が所定の割合以上存在する場合には、被検査画像Psの中に背景領域を設定することができるとしてゲイン調整処理を終了し、マスター画像生成部55が被検査画像Psに基づいてマスター画像Pmを生成する。
【0063】
閾値内の輝度値の画素が所定の割合未満しか存在しない場合には、ステップS35に進み、照明装置4のゲインを変更する。ゲインの変更方法としては、例えば、被検査画像Psを構成する全画素の輝度値の平均値と閾値との差分に所定の補正係数を乗じた値だけゲインを変更することができる。
【0064】
そして、ゲインを変更した後、ステップS31に戻り、その後の処理を繰り返す。これにより、所定範囲内の輝度値の画素が被検査画像Psの中に所定の割合以上存在するように、マスター画像生成部55が背景領域rbを設定することができる。
【0065】
(5-9)他の変更例
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0066】
1…検査装置
2…ステージ
3…撮像装置
4…照明装置
5…制御装置
51…処理装置
52…記憶装置
53…装置制御部
54…データ取得部
55…マスター画像生成部
56…差分画像生成部
57…評価部
【要約】 (修正有)
【課題】被検査画像の色味の変化の影響を受けにくく、精度よく異常を検出することができる画像検査方法を提供する。
【解決手段】本発明の画像検査方法は、被検査画像Psをコンピュータによって検査する方法であって、被検査画像Psに基づいてマスター画像Pmを生成するマスター画像生成ステップと、被検査画像Psとマスター画像Pmとを対応する画素ごとに差分する差分画像Pdを生成する差分画像生成ステップと、差分画像Pdに基づいて、被検査画像Psの異常を評価する異常評価ステップと、を含む方法である。
【選択図】
図2