(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】取水装置及び取水箱状体
(51)【国際特許分類】
E02B 7/20 20060101AFI20240718BHJP
E02B 5/08 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
E02B7/20 Z
E02B7/20 D
E02B5/08 101A
(21)【出願番号】P 2023075370
(22)【出願日】2023-05-01
【審査請求日】2023-12-19
(31)【優先権主張番号】P 2022085600
(32)【優先日】2022-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501250555
【氏名又は名称】株式会社エコ・プランナー
(74)【代理人】
【識別番号】100085246
【氏名又は名称】岡本 清一郎
(72)【発明者】
【氏名】安本 悟司
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-034923(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0075740(KR,A)
【文献】実開昭62-031143(JP,U)
【文献】実開平05-083028(JP,U)
【文献】特開2019-116781(JP,A)
【文献】特開2000-213010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 7/20
E02B 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水路に介在されて上下動でき、水路底面部に設置された状態で水路水を堰上げして取水し得る取水箱状体であって、
金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されると共に、
該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されており、
前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成しており、
前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されており、
前記水平上板部と、前記第1の起立板部と、前記水平下板部と、前記第2の起立板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されていることを特徴とする取水箱状体。
【請求項2】
水路に介在されて上下動でき、水路底面部に設置された状態で水路水を堰上げして取水し得る取水箱状体であって、
金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されると共に、
該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されており、
前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成しており、
前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されており、
前記水平上板部と、前記第1の起立板部と、前記水平下板部の内の前記水路上流側の所要幅板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されると共に、該所要幅板部の先端部と、前記水平下板部の残余の残余幅板部の基端部とが溶接されており、該残余幅板部の先端部で前記第2の起立板部が折曲形成されていることを特徴とする取水箱状体。
【請求項3】
水路に介在されて上下動でき、水路底面部に設置された状態で水路水を堰上げして取水し得る取水箱状体であって、
金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されると共に、
該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されており、
前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成しており、
前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されており、
前記水平上板部と前記第1の起立板部と、前記水平下板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されており、前記第2の起立板部の下端部が前記水平下板部の先端部に溶接されていることを特徴とする取水箱状体。
【請求項4】
水路に介在されて上下動し得る取水箱状体の水路上流側の端部分の、該水路の幅方向で見た左右端部に、該幅方向に延長する左右の堰板が左右逆方向に突設されてなる取水型可動堰を備えており、該取水箱状体が水路底面部に設置された状態で、該取水箱状体と左右の該堰板とが該水路を閉じて水路水を堰上げして取水するように構成された取水装置であって、
前記取水箱状体は、金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されると共に、
該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されることによって前記取水箱状体が構成されており、
前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成しており、
前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されており、
前記水平上板部と前記第1の起立板部と、前記水平下板部と、前記第2の起立板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されていることを特徴とする取水装置。
【請求項5】
水路に介在されて上下動し得る取水箱状体の水路上流側の端部分の、該水路の幅方向で見た左右端部に、該幅方向に延長する左右の堰板が左右逆方向に突設されてなる取水型可動堰を備えており、該取水箱状体が水路底面部に設置された状態で、該取水箱状体と左右の該堰板とが該水路を閉じて水路水を堰上げして取水するように構成された取水装置であって、
前記取水箱状体は、金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されると共に、
該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されることによって前記取水箱状体が構成されており、
前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成しており、
前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されており、
前記水平上板部と、前記第1の起立板部と、前記水平下板部の内の前記水路上流側の所要幅板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されると共に、該所要幅板部の先端部と、前記水平下板部の残余の残余幅板部の基端部とが溶接されており、該残余幅板部の先端部で前記第2の起立板部が折曲形成されていることを特徴とする取水装置。
【請求項6】
水路に介在されて上下動し得る取水箱状体の水路上流側の端部分の、該水路の幅方向で見た左右端部に、該幅方向に延長する左右の堰板が左右逆方向に突設されてなる取水型可動堰を備えており、該取水箱状体が水路底面部に設置された状態で、該取水箱状体と左右の該堰板とが該水路を閉じて水路水を堰上げして取水するように構成された取水装置であって、
前記取水箱状体は、金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されると共に、
該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されることによって前記取水箱状体が構成されており、
前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成しており、
前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されており、
前記水平上板部と前記第1の起立板部と、前記水平下板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されており、前記第2の起立板部の下端部が前記水平下板部の先端部に溶接されていることを特徴とする取水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水路に介在されて上下動でき、水路底面部に設置された状態で水路水を堰上げして取水する取水装置に関し、又、該取水装置を構成する取水箱状体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、特許文献1(特開2003-34923号公報)で、可動堰一体型の取水装置を提供した。該取水装置は、水路中に介在され且つ上下動し得る矩形箱状の可動堰の下流側の面部に、該可動堰とは別体の取水器を設けた構成を有し、該取水器は、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンを有していた。そして、該可動堰が水路底面部に設置された状態で水路水を堰上げし、該可動堰の上端を越流した水路水を該取水スクリーンで流下させ且つ流下水の一部を濾過して取水し、取水された水を該取水器の下側部分をなす取水槽に収容させるように構成されていた。又、前記取水装置を昇降させる手段は、ラック駆動装置と、該ラック駆動装置によって上下動され且つ前記可動堰の上端面部の左右部に夫々軸支されてなるラック棒とから構成されており、該ラック駆動装置の正逆回転駆動によって前記取水装置を上下動させるように構成されていた。
【0003】
このように該取水装置は、別体に構成された矩形箱状の前記可動堰と、該可動堰とは別体の前記取水器とを用い、該可動堰の下流側の面部に該取水器を設ける構成を採用しており、水圧に耐える構造部は該可動堰のみであった。そのため該可動堰は、水圧に耐え得る十分な強度を必要とした。
【0004】
そこで特許文献1においては、該可動堰を構成するに際し、水路の延長方向前後に所要間隔を置いて配置した堰板相互をチャンネル材やH形鋼、I形鋼からなる多数の連結材で連結しており、該連結は溶接により行っていた。併せて、該溶接個所を補強するために多数の補強材を配置し、該補強材を溶接により固定していた。
【0005】
前記可動堰はこのように、前記堰板に加えて多数の連結材や多数の補強材を用いて構成されており、しかも該連結材や該補強材は、水圧に耐え得る構造部を構成できるように厚肉であり、9~12mm厚さのものが用いられており、多くの場合は12mmの肉厚のものが用いられていた。かかることから、該可動堰は、その重量が非常に大きく、従って、該可動堰を上下動させるために能力の大きい大型の持ち上げ装置(特許文献1においてはラック駆動装置とラック棒とを具備している)を必要として取水装置の価格上昇を招く問題があった。又、該可動堰は部品点数が多く多数箇所の溶接を要したことから製造工数が非常に多いものとなり、多大の溶接コスト及び多大の溶接手間を要して取水装置の製造コストの大幅な上昇を招く問題があった。
【0006】
又前記取水装置は、堰上げされた水路水を、前記可動堰の水路下流側に付設されている前記取水器の取水スクリーンで取水し、取水した水を、該取水器の底部側をなす取水槽に収容させる構成であった。このように該取水装置は、水路水の取水を該取水器でのみ行う構成であった。そのため、前記取水スクリーンの延長方向の長さ及び前記取水器の底部側をなす前記取水槽の容積には限度があり、従って、該取水器による取水量には限界があった。
【0007】
そのため前記取水装置には、これまで、取水量の増大が求められていた。
取水量の増大を図るための第1の手段としては、該取水器の水路幅方向の長さをより長く設定して該取水器を大型化し、前記取水スクリーンの水路幅方向の長さの増大に伴う取水面積の増大を図ることが考えられる。
【0008】
或いは
図14に一点鎖線で示すように、該取水器aの水路延長方向の長さをより長くすることによって該取水器を大型化することが考えられる。これにより、前記取水槽bの水路下流側の上端cの高さをより低く設定でき、前記取水スクリーンdの傾斜方向での長さをより長くして取水面積の増大を図ることができる。且つ、該取水器aの底部側をなす取水槽bの容積増大を図ることができる。これによって、取水量の増大を図り得ることとなる。
【0009】
しかしながら、該取水器の水路延長方向の長さをより長くして前記取水器を大型化した場合は、該大型化によって前記取水装置の重量を一層増大させることになる。これでは、重量に関して述べた前記問題を一層深刻なものとしてしまう。
【0010】
加えて、前記取水器の水路延長方向の長さをより長く設定して前記取水器を大型化したときは、前記取水装置の重心が、本来の軸支位置(前記ラック棒の下端部の軸支位置、即ち、前記可動堰の上端面部に設定されている軸支位置)よりも水路下流側に移動することになる。そのため、重心が水路下流側に移動した取水装置をバランスよく上下動させるためには、前記持ち上げ装置を構成する前記ラック棒eの下端を軸支する前記軸支部fを、前記可動堰の前記上端面部における前記軸支位置から下流側に移動させる必要がある。そのためには、前記可動堰の上端面部の左右部の夫々において、頑丈に補強された支持構造部gを下流側に突出した状態に構成しなければならない。しかし、このような支持構造部gを突出形成した場合は、鋼材の使用量がそれだけ多くなり、これが取水装置の重量増大及び製造コストの増大を招来することとなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、水路に介在されて上下動でき、水路底面部に設置された状態で取水する前記取水装置における前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、以下の課題を解決し得る取水装置及び、これを構成する取水箱状体の提供を課題とするものである。
即ち本発明の第1の課題は、堰として水圧に対する強度を有する所要剛性を確保して取水装置を小型に構成できながら、取水効率の増大を図ることにある。
本発明の第2の課題は、水路水を堰上げして取水する取水装置の軽量化を図って、該取水装置を上昇させる際の持ち上げ荷重を軽減して持ち上げ装置の能力の低減化を図り、取水装置の製造コストの低減を図ることにある。
本発明の第3の課題は、使用部材点数の削減による構造の簡素化と製造工数の削減によって取水装置の製造の容易化及び製造コストの低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る取水箱状体の第1の態様は、水路に介在されて上下動でき、水路底面部に設置された状態で水路水を堰上げして取水し得る取水箱状体であって、金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されている。該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されている。
前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成しており、前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されている。そして、少なくとも、前記水平上板部と、前記第1の起立板部と、前記水平下板部の内の前記水路上流側の所要幅板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る取水箱状体の第2の態様は、水路に介在されて上下動でき、水路底面部に設置された状態で水路水を堰上げして取水し得る取水箱状体であって、
金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されている。該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されている。前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成しており、前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されている。そして、前記水平上板部と、前記第1の起立板部と、前記水平下板部と、前記第2の起立板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明に係る取水箱状体の第3の態様は、水路に介在されて上下動でき、水路底面部に設置された状態で水路水を堰上げして取水し得る取水箱状体であって、
金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されている。該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されている。前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成しており、前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されている。前記水平上板部と、前記第1の起立板部と、前記水平下板部の内の前記水路上流側の所要幅板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されると共に、該所要幅板部の先端部と、前記水平下板部の残余の残余幅板部の基端部とが溶接されており、そして、該残余幅板部の先端部で前記第2の起立板部が折曲形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る取水箱状体の第4の態様は、水路に介在されて上下動でき、水路底面部に設置された状態で水路水を堰上げして取水し得る取水箱状体であって、
金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されている。該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されている。前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成している。前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されている。前記水平上板部と前記第1の起立板部と、前記水平下板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されており、そして、前記第2の起立板部の下端部が前記水平下板部の先端部に溶接されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係る取水装置の第1の態様は、水路に介在されて上下動し得る取水箱状体の水路上流側の端部分の、該水路の幅方向で見た左右端部に、該幅方向に延長する左右の堰板が左右逆方向に突設されてなる取水型可動堰を備えており、該取水箱状体が水路底面部に設置された状態で、該取水箱状体と左右の該堰板とが該水路を閉じて水路水を堰上げして取水するように構成された取水装置である。前記取水箱状体は、金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されると共に、
該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されることによって前記取水箱状体が構成されている。前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成している。前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されている。そして、少なくとも、前記水平上板部と、前記第1の起立板部と、前記水平下板部の内の前記水路上流側の所要幅板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されていることを特徴とするものである。
【0018】
本発明に係る取水装置の第2の態様は、水路に介在されて上下動し得る取水箱状体の水路上流側の端部分の、該水路の幅方向で見た左右端部に、該幅方向に延長する左右の堰板が左右逆方向に突設されてなる取水型可動堰を備えており、該取水箱状体が水路底面部に設置された状態で、該取水箱状体と左右の該堰板とが該水路を閉じて水路水を堰上げして取水するように構成された取水装置である。前記取水箱状体は、金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されると共に、
該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されることによって前記取水箱状体が構成されている。前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成しており、前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されている。そして、前記水平上板部と前記第1の起立板部と、前記水平下板部と、前記第2の起立板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係る取水装置の第3の態様は、水路に介在されて上下動し得る取水箱状体の水路上流側の端部分の、該水路の幅方向で見た左右端部に、該幅方向に延長する左右の堰板が左右逆方向に突設されてなる取水型可動堰を備えており、該取水箱状体が水路底面部に設置された状態で、該取水箱状体と左右の該堰板とが該水路を閉じて水路水を堰上げして取水するように構成された取水装置である。前記取水箱状体は、金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されると共に、
該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されることによって前記取水箱状体が構成されている。前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成しており、前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されている。そして、前記水平上板部と、前記第1の起立板部と、前記水平下板部の内の前記水路上流側の所要幅板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されると共に、該所要幅板部の先端部と、前記水平下板部の残余の残余幅板部の基端部とが溶接されており、該残余幅板部の先端部で前記第2の起立板部が折曲形成されていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係る取水装置の第4の態様は、水路に介在されて上下動し得る取水箱状体の水路上流側の端部分の、該水路の幅方向で見た左右端部に、該幅方向に延長する左右の堰板が左右逆方向に突設されてなる取水型可動堰を備えており、該取水箱状体が水路底面部に設置された状態で、該取水箱状体と左右の該堰板とが該水路を閉じて水路水を堰上げして取水するように構成された取水装置である。前記取水箱状体は、金属板を以て形成されており、第1の起立板部の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部が突設されると共に、
該第1の起立板部の下端で、取水槽の底部を構成でき且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部が突設され、該水平下板部の水路下流側の端部で第2の起立板部が立設されてなる本体部を有し、該本体部の左右の開放端が側面板で閉塞されることによって前記取水箱状体が構成されている。前記第2の起立板部の上端より下側の部分が前記取水槽を構成しており、前記第1の起立板部の上端を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーンの上下端が、直接的に又は間接的に、前記水平上板部の先端と前記第2の起立板部の上端に連結されており、該取水スクリーンで取水された水が前記取水槽に収容されるように構成されている。そして、前記水平上板部と前記第1の起立板部と、前記水平下板部とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されており、前記第2の起立板部の下端部が前記水平下板部の先端部に溶接されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によるときは、堰として水圧に対する強度を有する所要剛性を確保して取水装置を小型に構成できながら取水効率の増大を図ることができる。又、
水路水を堰上げして取水する取水装置を上昇させる際の持ち上げ荷重を軽減して持ち上げ装置の能力の低減化による持ち上げ装置の小型化により該取水装置の価格低減を図ることができると共に、取水装置構成のための使用部材点数の削減による取水装置の構造の簡素化と製造工数の削減によって取水装置の製造の容易化、製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る取水装置を、取水型可動堰が最下降の状態と最上昇の状態で説明する斜視図である。
【
図2】本発明に係る取水装置を説明する平面図である。
【
図3】本発明に係る取水装置を構成する取水型可動堰を説明する斜視図である。
【
図4】取水型可動堰が水路底面部に設置された状態で、水路水を堰上げして取水している状態を示す断面図である。
【
図6】本体部の構成を説明する斜視図と部分側面図である。
【
図7】取水スクリーンの構成を示す部分斜視図である。
【
図8】取水スクリーンによる取水作用を説明する断面図である。
【
図9】流水案内板による流水の整流作用を説明する説明図である。
【
図10】ヒレ状止水ゴムによる止水作用を説明する平面図である。
【
図11】楔状の規制突片相互の係合作用を説明する斜視図と断面図である。
【
図12】傾き調整部材を介して、水路底面部に取水箱状体を設置した状態を示す部分断面図である。
【
図13】取水箱状体を環状補強部材で補強した状態を示す側面図である。
【
図14】従来の取水装置の問題点を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0023】
図1~5において本発明に係る取水装置1は、水路2に介在されて上下動し得る取水型可動堰3を備え、該取水型可動堰3は、
図2~4に示すように、取水箱状体5の水路上流側の端部分6の、該水路2の幅方向で見た左右端部7,9に、該幅方向に延長する左右の堰板10,11が左右逆方向に突設されており、該取水型可動堰3が水路底面部12(
図1,
図4)に設置された状態で、該取水箱状体5と左右の該堰板10,11とが該水路2を閉じて水路水を堰上げして取水するように構成されている。ここに「左右」とは、水路上流方向で見た左側と右側をいう。「左右」については以下同様とする。
【0024】
前記取水箱状体5は、
図4~6に示すように、金属板を以て形成されており、第1の起立板部13の上端15で、水路下流に向けて水平状態に突出する水平上板部16が突設されると共に、該第1の起立板部13の下端17で、取水槽19の底部20を構成でき、且つ水路下流に向けて水平状態に突出する水平下板部21が突設され、該水平下板部21の水路下流側の端部22で第2の起立板部23が立設されてなる本体部25を有する。そして、該本体部25の左右の開放端26,27が左右の側面板29,30(
図2~3、
図5)で閉塞されており、前記第2の起立板部23の上端31より下側の部分の全体(前記第1の起立板部13と前記第2の起立板部23との間の空所の全体)が前記取水槽19(
図4)とされている。
【0025】
又前記取水箱状体5は、
図4に示すように、前記第1の起立板部13の上端15を越流した水路水を流下させ且つ流下水の一部を濾過して下面側32で取水可能とする、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーン33を有する。該取水スクリーン33の上下端35,36は、直接的に又は間接的に、前記水平上板部16の先端37と前記第2の起立板部23の上端31(本実施例においては、上端31近傍)に連結されており、該取水スクリーン33で取水された水が前記取水槽19に収容されるように構成されている。そして、少なくとも、前記水平上板部16と、前記第1の起立板部13と、前記水平下板部21の内の前記水路上流側の所要幅板部40とが、金属板を折曲して一連に形成されている。以下、これを具体的に説明する。
【0026】
前記取水箱状体5を構成する前記本体部25は、金属板、例えば肉厚が6mmのステンレス鋼板を以て形成されている。該本体部25は、前記水平上板部16と前記第1の起立板部13と、前記水平下板部21と、前記第2の起立板部23とを、一枚の金属板を折曲して一連に形成してもよいのであるが、本実施例においては該本体部25が大型のものであることに鑑み、製造の容易化を図るために次のように構成している。
【0027】
即ち
図4、
図6に示すように、前記水平下板部21を、水路上流側の所要幅板部40と残余の残余幅板部41とに2分割し、前記水平上板部16と前記第1の起立板部13と該所要幅板部40とを一枚の金属板(ステンレス鋼板)を折曲して一連一体に形成する。該残余幅板部41は、その先端部42
(図6(B))で前記第2の起立板部23が一連に折曲形成されており、該所要幅板部40の端部43と該残余幅板部41の端部45相互とが溶接により一体化される。
【0028】
前記第1の起立板部13の高さは、例えば1000mmであり、前記水平上板部16の幅寸法は、150~300mmに、例えば200mmに設定されている。又、該所要幅板部40の幅寸法は、本実施においては前記水平上板部16の幅寸法と略等しく形成されており、150~300mmに、例えば200mmに設定されている。
【0029】
このように構成された本体部25にあっては、前記水平上板部16と前記第1の起立板部13と前記所要幅板部40とによって、剛性の大なる、横断面チャンネル状をなすチャンネル状体46が形成されている。そして、かかる構成を有する前記本体部25の左右の開放端26,27は、
図2、
図3、
図5に示すように、左右の前記側面板29,30で閉塞され、前記取水スクリーン33の上下端35,36が前記
水平上板部16の先端と前記第2の起立板部23の上端31に、直接的に又は間接的に連結されることによって前記取水箱状体5が構成されている。そして、前記第2の起立板部23の上端31より下側の部分が前記取水槽19(
図4)とされている。
【0030】
前記取水箱状体5は、その本体部25
(図6)が前記チャンネル状体46として構成されているため、それ自体、剛性が高い。且つ、該本体部25の左右の開放端26,27が左右の側面板29,30で閉塞されているため、左右の該側面板29,30が該本体部25の補強リブとしても機能し、該取水箱状体5の剛性が更に向上されている。これによって、該取水箱状体5の水圧に対する強度が確保されている。
【0031】
前記取水箱状体5を構成する前記取水スクリーン33は、流水に含まれている落ち葉等の異物を遮断してその下面側32での取水を可能とするものであればよい。該取水スクリーン33は、例えば
図7~8に示すように、裏側に向けて細くなる断面V字状をなし、且つ左右方向に延長するステンレス製のスクリーンバー49を、左右方向に所要間隔を隔てて傾斜状態に配設されてなる上下方向の支持桟50上に上下多段に配置し、全体を一体化した簀の子状に構成している。該スクリーンバー49は、その幅広の外面51の幅が5mm程度に設定され、該外面51を、
図8に示すように、前記取水スクリーン33の傾斜線34に対し若干下向きに下流側に傾斜させて、前記支持桟50上に、1mm程度の間隔を置いて多段に配置されることにより、水を流入させるスリット52を具えた前記取水スクリーン33を形成する。
【0032】
前記取水スクリーン33の傾斜角度(前記傾斜線34の角度)は、該取水スクリーン33の上面(以下スクリーン面という)53を流下する水に含まれている落ち葉等の異物が引っ掛かりにくいように、垂直線に対して30~35度に、例えば30度程度に設定されており、前記取水スクリーン33の下側は、
図4に示すように空洞に形成されている。
【0033】
前記したように、前記取水スクリーン33の上端35は、直接的に又は間接的に、前記水平上面部16の先端37に連結されている。本実施例においては
図3~4、
図7に示すように、流水案内板55を介して間接的に、前記水平上板部16の前記先端37に連結されている。該流水案内板55は、
図3~4、
図9に示すように、その水路下流側の部分が上に凸の円弧状板部56として構成されると共に、その水路上流側の部分は水平板部57として構成されている。
【0034】
該円弧状板部56の下端59は前記取水スクリーン33の上端35に連結されており、該水平板部57の先端60は前記水平上板部16の前記先端37に連結されている。又前記したように、前記取水スクリーン33の下端36は、直接的に又は間接的に、前記第2の起立板部23の上端31に連結されている。本実施例においては
図4に示すように、該取水スクリーン33の下端36は、前記第2の起立板部23の外面上部61に固定されて突出する支持部材62を介して間接的に支持されており、該取水スクリーン33の下端36は前記第2の起立板部23の上端31に連結されている。
【0035】
前記水平上板部16は、堰上げされた水路水の流速を上げて水路水中のゴミを下流側に流しやすくし、又前記流水案内板55は、流速を整えて前記取水スクリーン33に水が円滑に流れやすくするためのものである。そして、前記取水スクリーン33の下面側32で落下した水は、前記取水槽19に収容される。
【0036】
前記本体部25の左右の前記開放端26,27を閉塞する前記側面板29,30は、
図3に示すように、前記水平上板部16の左側縁と前記取水スクリーン33の左側縁とに亘る一連の左の側縁63と、前記水平上板部16の右側縁と前記取水スクリーン33の右側縁とに亘る一連の右の側縁65においては、堰上げされた水路水を前記取水スクリーン33に確実に誘導するための左右のガイド立壁66,67が一連に立設されている。左右の該ガイド立壁66,67の高さは例えば100mm程度に設定される。
【0037】
左右の前記堰板10,11は、厚さが例えば6mmの金属板(例えばステンレス鋼板)を以て形成されており、前記取水箱状体5を構成する左右の前記側面板29,30の水路上流側の端部分の、水路幅方向で見た左右端部7,9に、該水路幅方向に延長するように左右逆方向で溶接によって突設されている。左右の該堰板10,11の先端10a,11aは、
図2に示すように、左右の堰堤71,72の内側面73,
75aに近接している。
【0038】
本実施例においては、
図2に示すように、該堰板10,11の水路上流側の面74,74が前記取水箱状体5の水路上流側の面(前記第1の起立板部13の外面)
75bと面一とされ、該堰板10,
11の上端は、
図3に示すように、前記ガイド立壁66,67の上端に合致している。従って、前記取水箱状体5が前記水路底面部12に設置された状態(
図1)で、前記ガイド立壁の66,67の上端高さを限度として堰上げされた水路水が、
図3に矢印で示すように、左右の前記ガイド立壁66,67間に集められて前記取水スクリーン33に供給される。
【0039】
又、
図2~3、
図5に示すように、前記取水箱状体5の水路幅方向で見た左右の側面部の一方(本実施例においては右の側面板が形成する側面部)
75cの下側の部分に、水路延長方向に稍長い矩形状の取水口76(
図5)が設けられており、該取水口76に、矩形筒状の導水管体77の基端開口79(
図5)が連通された状態で、該導水管体77の基端部分80(
図3)が前記側面部
75cに溶接されている。又、該導水管体77の稍上側であって且つ、水路上流側と水路下流側に位置させて、水路延長方向に稍長く形成された矩形状の支持管体81,81が前記側面部
75cに突設されており、該支持管体81,81の基端部分82,82(
図3)が該側面部
75cに溶接されている。
【0040】
前記側面部
75cでのこれらの突出強度をより向上させるために、該導水管体77及び該支持管体81,81の基端側部分を前記取水箱状体5内に挿入させた状態とし、前記基端部分80,82,82を前記側面部
75cに溶接するのがよい。又、例えば
図3、
図5に示すように、前記支持管体81,81相互及び各支持管体81と前記導水管体77とを補強板等の補強部材83で溶接により連結することによって、該支持管体81,81と該導水管体77とを、強度の高い一体構造管体85としている。
【0041】
前記取水箱状体5の水路幅方向で見た他方の側面部(左の側面部)86においても、
図2~3に示すように、前記導水管体77と同様構成の管体(但し、導水を目的としない管体)87及び前記支持管体81,81と同様構成の支持管体89,89が同様に突設されており、前記右の側面部
75cにおけると同様に、該支持管体89,89相互及び各支持管体89と前記管体87とを補強板等の補強部材90で溶接により連結することによって、該支持管体89と該管体87とを強度の高い一体構造管体91としている。
【0042】
又本実施例においては、左右の前記堰板10,11の水圧抵抗力を増大させるために、
図2、
図5に示す補強手段92を採用している。即ち、該補強手段92は、右側の前記堰板11については、該堰板11と、水路上流側の前記支持管体81(本実施例においては該支持管体81の縁部分)及び前記導水管体77とを、左右方向に延長する連結板92bで溶接により連結して構成されている。又、左側の前記堰板10については、
図2に示すように、該堰板10と、水路上流側の前記支持管体(本実施例においては該支持管体89の縁部分)89及び前記管体87とを、左右方向に延長する連結板92aで溶接により連結して構成されている。
【0043】
前記取水型可動堰3は、前記水路2に介在されて上下動できるように構成されている。本実施例においては
図1~2に示すように、左右の前記堰堤71,72の対向する内側面に上下方向に連続して設けられた左右のガイド溝95,96に、前記一体構造管体91,85の左右の端部分97,99が嵌め入れられることによって、該取水型可動堰3を該ガイド溝95,96に沿って上下動可能に構成してなる。
【0044】
左右の前記一体構造管体
91,85の左右の端部分97,99を、対向する前記ガイド溝95,96に嵌め入れた状態で、
図2、
図10に示すように、両前記堰板10,11の先端10a,11aは前記堰堤71,72の内側面73,
75aに近接した状態にある。そこで
図2、
図10に示すように、該隙間を通して水路水が漏出するのを防止するために、前記堰板10,11の先端側の水路上流側の面部100に、上下に長いヒレ状の止水ゴム101をボルト固定し、該止水ゴム101の先端縁102を、前記堰堤71,72の前記内側面73,75
に弾性圧接状態としている。
【0045】
対向する左右の前記ガイド溝95,96は
図1~2に示すように上下に長い柱状の左右の溝形鋼102,103を、前記ガイド溝95,96の開口を向き合わせて配設して形成されている。左右の柱状の該溝形鋼102,103は、
図1に示すように、堰堤71,72の上方に延長されており、その上端相互が横架材107で連結されている。
【0046】
又、前記一体構造管体
91,85の下流側の面部109,109には、
図2~3、
図11に示すように、前記ガイド溝95,96の上流側に向く内側面110に突設した楔状の規制突片111と係合し得る楔状の規制突片112が突設されており、前記取水型可動堰3が下降したときに、両該規制突片
111,112の係合によって、前記取水型可動堰3が、
図1、
図5に示す最下降状態で安定するようになされている。
【0047】
そして、前記取水型可動堰3が
図1に示す最下降状態で、前記導水管体77の先端開口113(
図3)が前記ガイド溝96の溝底部で開口された流出口115(
図1)に連通し、該流出口115は、該ガイド溝96に隣り合わせて当接状態に設けられた貯水槽116に設けた流入口117(
図1)に連通している。該流出口115及び該流入口117を経て該貯水槽116に貯留された水は、該貯水槽116内に納設された水中ポンプ119(
図2)の稼働により、送水管120を介して所定場所に送給される。
【0048】
前記取水型可動堰3の上下動は、本実施例においては
図1に示すように、ラック棒121とラック駆動装置122を具備してなる持ち上げ装置123を用いて行われる。該ラック棒121は、
図1~3に示すように、左右に配置されている強度の高い前記一体構造管体
91,85を構成する水路上流側と水路下流側の前記支持管体
89,89、
81,81に架け渡され溶接されてなる支持部材125,125(
図1~3)に軸支されて上方に延長し、上下方向に連続してラックが設けられている。該ラック棒121は、前記横架材107に設けた図示しない上下方向の挿通孔に挿通せしめられ、該横架材107の上方に突出されると共に該横架材107の上面部の左右端側には、前記ラック駆動装置122,122が設けられている。
【0049】
前記左右のラック駆動装置122,122は、回転連結軸126で連結されており、一方のラック駆動装置122aに設けられた減速電動機127にて正逆駆動操作されることによって、前記回転連結軸126の両端に設けられた図示しないピニオンが回転せしめられ、これにより左右のラック棒121,121が上下動し、これに伴って前記取水型可動堰3が上下動するように構成されている。
【0050】
次に、本発明に係る取水装置1の作用効果について説明するが、先ず、水路水を堰上げして取水することに関する基本的な作用効果について説明した後、特許文献1に係る取水装置との対比による、本発明の独特の構成に起因する本発明の特有の作用効果を説明する。
【0051】
A.本発明の基本的な作用効果について
前記構成の取水装置1を用いて取水を行うには、例えば
図1、
図5に示すように、前記取水箱状体5が前記水路底面部12に設置された状態(図において
は、該取水箱状体5の下端面129が水路底面部12に接した最下降状態)とする。この状態で、堰上げされた水路水は、左右の前記ガイド立壁66,67の上端高さを上限として堰上げされ、前記水平上板部16を経て、前記流水案内板55に案内されて流下した後、
図4、
図8に矢印で示すように、傾斜した前記スクリーン面53を下流側に流れる。
【0052】
この際、前記水平上板部16は、堰上げされた水路水の流速を上げて水路水中のゴミを下流側に流しやすくし、又前記流水案内板55(
図4、図7、
図9)は、流速を整えて前記取水スクリーン33に水が円滑に流れやすくする。
【0053】
水路水が該流水案内板55及びスクリーン面53を流下する際に、落ち葉等の異物が遮断され、流下水の一部が取水スクリーン33の前記スリット52(
図8)を通して効率的に取水され、取水スクリーン33の下面側32
(図4(A))で落下する。このように落下した水は前記取水槽19(
図4)に集水され、その後、
図1に矢印で示すように、前記導水管体77
(図3)を介して前記流入口117(
図1)から前記貯水槽116に流入し、その後、前記水中ポンプ119(
図2)の稼働により、前記送水管120を介して所定場所に送給され融雪や農業用水、工業用水等として利用される。
【0054】
豪雨によって水路の水嵩が異常に上昇する恐れがあるときは、流木等がスクリーン面53(
図7~8)を流れることによって前記取水スクリーン33が破損されるのを防止するために、前記取水型可動堰3を、
図1に一点鎖線で示すように最上昇状態とする。これにより取水型可動堰3は、
図1に一点鎖線で示すように、水路2から外れた上昇状態となる。又、融雪等を目的として一時期だけ取水する場合は、夏場等取水を要しない時期においては、
図1に示すと同様にして取水型可動堰3を上昇状態とする。このように該取水型可動堰3を上昇させることにより、該取水型可動堰3の上流側で堆積した土砂を水流で下流側に流すことができる。
【0055】
B.特許文献1に係る取水装置との対比による、本発明の独特の構成に起因する本発明の特有の作用効果について
【0056】
1.本発明の独特の構成
前記取水型可動堰3は、前記したように(
図2等)、前記取水箱状体5の水路上流側の端部分6の、該水路の幅方向で見た左右端部7,9に、該幅方向に延長する左右の堰板10,11が左右逆方向に突設されており、該取水型可動堰3が水路底面部12に設置された状態で、該取水箱状体5と左右の該堰板10,11とが該水路2を閉じて水路水を堰上げして取水するように構成されている。該取水箱状体5は、金属板を以て形成されており、第1の起立板部13の上端で、水路下流側に向けて水平状態に突出する水平上板部16が突設されると共に、該第1の起立板部13の下端17で、前記取水槽19の底部を構成する前記水平下板部21が突設され、該水平下板部21の水路下流側の端部
22で第2の起立板部23が立設されてなる本体部25を有する。そして、該本体部25の左右の開放端26,27が左右の側面板29,30で閉塞され、水路下流に向けて下方に傾斜する取水スクリーン33の上下端35,36が、直接的又は間接的に、前記水平上板部16の先端37と前記第2の起立板部23の上端31に連結されることによって前記取水箱状体5が構成されている。
【0057】
かかる構成の前記取水箱状体5は、その本体部25の少なくとも、前記水平上板部16と、前記第1の起立板部13と、前記水平下板部21の内の前記水路上流側の所要幅板部40とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されることによって、前記チャンネル状体46として構成されているため、それ自体、剛性が高い。且つ、該本体部の左右の開放端26,27が左右の側面板29,30で閉塞されているため、左右の該側面板29,30が該本体部25の補強リブとしても機能し、該取水箱状体5の剛性が更に向上されている。
【0058】
そして前記取水型可動堰3は、該取水箱状体5の水路上流側の端部分6の、水路2の幅方向で見た左右端部7,9に、該水路幅方向に延長するように左右の堰板10,11が突設されてなるものであり、該取水型可動堰3が水路底面部12に設置された状態で、前記水路2を閉じて水路水を堰上げする。
【0059】
ところで、水路2を閉じた該取水型可動堰3に作用する水圧による曲げモーメントは、該水路2の幅方向の中央側程大きく作用することから、水路底面部12に設置状態にある前記取水箱状体5に大きな曲げモーメントが作用することになるが、該取水箱状体5は、前記のようにその剛性が高いことから、該曲げモーメントに抵抗できる。そして前記取水箱状体5は、特許文献1に記載されている前記可動堰のように、堰板が多数の連結材や多数の補強材を用いて補強された構成ものではなく、使用する部材厚さも、該可動堰におけるような厚肉のものでもない。
【0060】
それにも関わらず、該取水箱状体5が該大きな曲げモーメントに抵抗できるのは、第1に、前記本体部25が、前記水平上板部16と前記第1の起立板部13と前記所要幅板部40とによって、剛性の大なる前記チャンネル状体46(
図4)が形成されているためである。第2に、特許文献1の前記可動堰は取水器とは独立しており、堰として機能できるのは可動堰単体のみであったのに対して、本発明においては、内部空間の全体が取水槽ともなり得る、剛性の大なる取水箱状体5の全体が堰として機能できるからである。
【0061】
2.特有の作用効果
このようなことから本発明に係る取水装置1は、次のような独特の作用効果を奏して、前記「課題」の項に記載した前記第1、第2、第3の課題を解決できる。
【0062】
〔第1の課題の解決について〕
本発明の取水装置において、堰を兼ねる、剛性の大なる前記取水箱状体5は、その本体部25が前記チャンネル状体46を具備している。該チャンネル状体46は、前記水平上板部16と前記第1の起立板部13と前記水平下板部21の内の前記水路上流側の所要幅板部40とが、一枚の金属板の折曲によって一連に形成されていて剛性が高い。そして、前記第2の起立板部23の上端31より下側の部分の全体が、前記取水スクリーン33で取水された水を収容させる前記取水槽19を構成しているので、容積の大きい取水槽19が得られている。そのため、前記第2の起立板部23の上端
31の高さを低く設定しても、該取水槽19は所定容積を確保できることとなる。従って本発明によるときは、前記取水スクリーン33として、前記傾斜方向34(
図4)の長さがより長いものを採用できる。且つ、該取水スクリーン33の垂直線に対する傾斜角度を取水に好適な角度(例えば、垂直線に対して30度程度の角度)に保ちながら、該取水スクリーン33の垂直線に対する上端高さを変えることなく、その下端位置を下げることができる。これによって、該取水スクリーン33による取水量の増大を図ることができる。
【0063】
特許文献1に記載されている前記可動堰にあっては、前記「背景技術」の項で説明したように、可動堰として機能する部分と取水器として機能する部分が別体であって、取水スクリーンで取水された水は該取水槽にのみ収容する構成であった。そのため、該取水槽の容積を所定量に確保するためには、該取水槽の下流側の立壁の上端高さを高く設定せざるを得なかった。それ故、前記取水スクリーンの下端高さを高い位置に設定せざるを得ず、又、該取水スクリーンの上端高さは河川法で、計画高水位の1/2の高さまでに制約されていることから、該取水スクリーンを通しての取水量に限界があった。
【0064】
本発明の取水装置1は、所要の剛性を有して堰を兼ねる前記取水箱状体5の、前記第2の起立板部23の上端31より下側の部分の全体を前記取水槽19とする構成を採用できるため、取水装置1を小型に構成できながら取水効率の増大を図ることができる。従って、本発明によるときは前記第1の課題、即ち、「堰として水圧に対する強度を有する所要剛性を確保して、取水装置を小型に構成できながら取水効率の増大を図ること」の課題を解決できる。
【0065】
〔第2の課題の解決について〕
本発明の取水装置1は、前記のように前記チャンネル状体46の剛性が高い。そのため、かかる剛性の高い該チャンネル状体46を用いて構成され前記本体部25の左右の開放端26,27が左右の側面板29,30で閉塞されることによって構成された前記取水箱状体5は、前記のように、堰として、水圧に対する強度が確保されている。
【0066】
従って、特許文献1に記載されている前記可動堰について前記したように、該取水箱状体5の内部を多数の連結材(チャンネル材やH形鋼、I形鋼)や多数の補強材を用いて補強する必要がない。そのため、本発明によるときは取水装置1の軽量化を図ることができる。これによって、前記持ち上げ装置123の小型化を図ることができ、取水装置1の価格低減を図ることができる。従って本発明によるときは、前記第2の課題、即ち、「水路水を堰上げして取水する取水装置1の軽量化を図って、該取水装置を上昇させる際の持ち上げ荷重を軽減して持ち上げ装置の能力の低減化を図り、取水装置の製造コストの低減を図ること」の課題を解決できる。
【0067】
〔第3の課題の解決について〕
本発明の取水装置1を構成する前記取水箱状体5は、前記のように、剛性の高い前記チャンネル状体46を用いて構成された前記本体部25の左右の開放端26,27を左右の側面板29,30で閉塞して構成されており、堰として、水圧に対する強度が確保されている。かかることから、特許文献1に記載されている前記可動堰について前記したように、該取水箱状体の内部を多数の連結材(チャンネル材やH形鋼、I形鋼)や多数の補強材を用いて補強する必要がない。又、そのために行う多数箇所の溶接も不要になる。これによって本発明によるときは、使用部材点数の削減による構造の簡素化と製造工数の削減によって製造の容易化及び製造コストの低減を図ることができる。従って、本発明によるときは前記第3の課題、即ち、「使用部材点数の削減による構造の簡素化と製造工数の削減によって取水装置の製造の容易化及び製造コストの低減を図ること」の課題を解決できる。
【実施例2】
【0068】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0069】
(1) 本発明は、少なくとも、前記水平上板部16と、前記第1の起立板部13と、前記水平下板部21の内の前記水路上流側の所要幅板部40とが、一枚の金属板を折曲して一連に形成されていることを特徴とするものである。その一例は前記実施例で説明したところであるが、前記水平上板部16と前記第1の起立板部13と、前記水平下板部21と、前記第2の起立板部23とを、一枚の金属板を折曲して一連に形成してもよい。該一連に形成する場合は、前記所要幅板部40とは、前記水平下板部21の全体をいう。このように一連に形成しない場合であって、該所要幅板部40に、前記水平下板部21の全体が含まれる場合、前記第2の起立板部23の下端が前記水平下板部21の前記先端部に溶接によって連結される。
【0070】
(2) 前記取水箱状体の容積は、水路の幅や水路の計画高水位、要求される取水量等を考慮して所要に設定される。
【0071】
(3) 前記取水箱状体5は、これが前記水路底面部12に設置された状態で水路水を堰上げして取水する。ここに、「水路底面部12に設置された状態」とは、前記のような、水平状態の前記水路底面部12に前記取水箱状体5の下面部129が接した状態となる場合には限られない。
図12は、前記水路底面部12が水平状態でない場合において、前記取水箱状体5の下面部129と前記水路底面部12との間の適宜位置に傾き調整部材140を介在させ、夫々の傾き調整部材140の上端141の高さ調整によって前記取水箱状体5の姿勢を水平状態に調整する場合を示している。
【0072】
(4) 本発明の取水装置1の設置状況により、前記取水箱状体5の水圧に対する強度を更に向上させる必要のある場合は、
図13において内側の縁が太線で図示されている環状補強部材142を、前記取水箱状体5の内部に、その長さ方向(水路幅方向)で見た中間部に1個、乃至、該取水箱状体5に要求される剛性を考慮して、該長さ方向に所要間隔(例えば1m間隔)を置いて複数個配置し、環状補強部142を形成することがある。該環状補強部材142は、該取水箱状体5の内面部145に溶接により固定する。該環状補強部材142をこのように配置する場合、前記スクリーン面53が存する部分においては、該環状補強部材142の先端面
147は前記スクリーン面53に沿った傾斜端面146として形成される。そして、このように環状補強部材142を配置する場合における前記取水スクリーン33の配置状態は、該スクリーン面53と該傾斜端面146とが面一状態となるように、前記取水スクリーン33が該環状補強部材142で途切れた状態とするのがよい。なお
図13において、前記水平下板部21との間で形成されている矩形状の切欠部
149は、前記取水槽19内における前記先端開口113に向けての水の移動を阻害しないためのものである。
【0073】
(5) 前記取水スクリーン33の上下端は、前記水平上板部16の先端と前記第2の起立板部23の上端に直接的に連結されてもよい。
【0074】
(6) 前記取水型可動堰3の昇降動作は、前記ラック棒12に代えてネジ棒を用い、これにナット部材を組み合わせた持ち上げ装置等、従来の可動堰におけると同様の持ち上げ装置によって行わせることができる。
【符号の説明】
【0075】
1 取水装置
2 水路
3 取水型可動堰
5 取水箱状体
10 左の堰板
11 右の堰板
12 水路底面部
13 第1の起立板部
16 水平上板部
19 取水槽
21 水平下板部
23 第2の起立板部
25 本体部
29 側面板
30 側面板
33 取水スクリーン
40 所要幅板部
41 残余幅板部
46 チャンネル状体
55 流水案内板
66 左のガイド立壁
67 右のガイド立壁
85 一体構造管体
91 一体構造管体
121 ラック棒
122 ラック駆動装置
123 持ち上げ装置