(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】敷設物及び敷設物の施工方法
(51)【国際特許分類】
E04F 15/16 20060101AFI20240718BHJP
E04F 15/08 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
E04F15/16 C
E04F15/16 G
E04F15/08 C
(21)【出願番号】P 2023179199
(22)【出願日】2023-10-17
【審査請求日】2024-03-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523199645
【氏名又は名称】株式会社インテリア河野
(74)【代理人】
【識別番号】100205589
【氏名又は名称】日野 和将
(72)【発明者】
【氏名】河野 正喜
(72)【発明者】
【氏名】河野 啓介
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-113036(JP,A)
【文献】特開2015-021323(JP,A)
【文献】登録実用新案第3008852(JP,U)
【文献】実公平04-018630(JP,Y2)
【文献】実開昭58-039289(JP,U)
【文献】特開平08-323038(JP,A)
【文献】実開平05-037282(JP,U)
【文献】米国特許第04620998(US,A)
【文献】「はじめての方へ まずはジグソーパズル選びから」,[online],株式会社エポック社,2023年09月27日,[2024年5月9日検索],<https://web.archive.org/web/20230927014623/https://puzzle.epoch.jp/info/><https://puzzle.epoch.jp/info/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00-15/22
A47G 27/02
E01C 5/18
E01C 5/20
A63F 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の厚みを有し、表面には異模様又は/及び異色彩が夫々施された第1の敷設物と第2の敷設物よりなり、
第1の敷設物は直線状内側端縁と直線状前後側端縁及び非直線状外側端縁により外周形状が画定され、直線状内側端縁と直線状前後側端縁がなす内角は90度に設定され、対向する直線状前後側端縁は互いに同一長さに設定され、
第2の敷設物は直線状外側端縁と直線状前後側端縁及び非直線状内側端縁により外周形状が画定され、直線状外側端縁と直線状前後側端縁がなす内角は90度に設定され、対向する直線状前後側端縁は互いに同一長さに設定され、
第1の敷設物の直線状内側端縁と第2の敷設物の直線状外側端縁は同一長さに設けられ、
第2の敷設物の非直線状内側端縁に第1の敷設物の非直線状外側端縁を当接すると非直線状内外側端縁を境界として第1の敷設物及び第2の敷設物の表面が一面状の平視四角形になって繋がるように、第2の敷設物の非直線状内側端縁と第1の敷設物の非直線状外側端縁は互いに沿わせた形状に形成され、
第1の敷設物の非直線状外側端縁に第2の敷設物の非直線状内側端縁を当接して形成される平視四角形のブロック状敷設物は、隣り合うブロック状敷設物と直線状内側端縁を当接すると共に、別の隣り合うブロック状敷設物の対応する直線状前後側端縁を互いに当接させて一方向に並設することで、多数個のブロック状敷設物が二次元的に相互に隣接配置され、非直線状外側端縁を通路側縁とし一方向に連続的に延びる案内用通路を形成するようにしたことを特徴とする敷設物。
【請求項2】
請求項1に記載の敷設物を、既設の床面の敷設場所に敷設する施工方法であって、
所定の厚みを有すると共に総ての内角が90度に設定された平面視が同一四角形の床タイルの表面に、異模様又は/及び異色彩が施された第1の床タイルと第2の床タイルを夫々の四辺を揃えて重合する工程と、
第1の床タイルと第2の床タイルを重合状態下で加熱し軟化する工程と、
第1の床タイルと第2の床タイルを重合状態下で、表面側から第1及び第2の床タイルを対向前後側端縁間に亘り、平面から視て非直線状に切断する工程と、
第1の床タイルが切断され直線状内側端縁と対向する直線状前後側端縁及び非直線状外側端縁により外周形状が画定されたものを第1の敷設物とし、第2の床タイルが切断され直線状外側端縁と対向する直線状前後側端縁及び非直線状内側端縁により外周形状が画定されたものを第2の敷設物とし、非直線状外側端縁と非直線状内側端縁を当接し第1の敷設物と第2の敷設物で一面状の平視四角形のブロック状敷設物を形成する工程と、
隣り合うブロック状敷設物の直線状内側縁を当接して並設する工程と、
隣り合うブロック状敷設物の第1の敷設物の直線状前後側端縁同士を当接接続し、且つ第2のブロック状敷設物の直線状前後側端縁同士を当接接続し一方向にブロック状敷設物を順に敷設する工程とよりなり、
対向する非直線状内外側端縁間を通路幅とし側縁が非直線状の案内用通路を敷設することを特徴とする敷設物の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、百貨店やスポーツ施設等の床面に敷設される敷設物、敷設物の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
既設の床面の敷設場所に敷設される敷設物は、所定の厚みを有し平面視が正方形或は長方形の床タイルを用い、床タイルの同一長の辺を互いに当接して二次元的に連続状態で順に並設して既設の床面の敷設場所に敷設することが一般的である(例えば、特許文献1又は2参照)。
特許文献1に開示の敷設物は、同厚で平視が矩形状の表面領域の略中央位置に開口された嵌入孔を設けた第1敷設部と、嵌込孔に嵌合された第2敷設物とよりなり、第1敷設物と第2敷設物の夫々の表面には互いに方向性の異なる筋状模様が施され、これら方向性の異なる筋状模様は第1敷設物と第2敷設物の境界に於いて屈曲して連続し、第1の敷設物の周側端縁で画定される表面領域に方向性の異なる屈曲して連続した1つの筋状模様を形成している。
特許文献1に開示の敷設物(図中符号1若しくは符号10)は、何れも隣り合う角部頂点間を直線で結んだ一直線状の側端縁により画定された平視矩形状に形成されている。個々の敷設物には夫々模様が施されているものの、床面に多数の敷設物を二次元的に連続的に並設しても、全体として繰り返す漠然とした模様が表現されるのみで、敷設物により人に訴える何らかの意味を有する表示を呈することは無い。床面に敷設された敷設物で案内通路を表現する場合は、通路位置に敷設される敷設物を、表面に異なる色彩等が施された別の敷設物を敷設することが考えられる。しかしながら、異なる色彩の敷設物により表現される通路の側縁は直線状であり、面白味に欠けるという問題点があった。
異なる色彩が施された複数種類の床タイルを用いて、色彩により画定される領域の用途を利用者に訴えるようにすることが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1に開示の床タイルの敷設であると、色彩別の床タイルの境界は一直線状を呈し特殊なデザインを異種の敷設物の敷設のみでは表現できず、案内用通路としての面白味に欠けるという問題点があった。
そこで、本発明者は、表面に施された模様又は/及び色彩が異なる2種類の床タイルを用い、これら2種類の床タイルから得られた2種の敷設物を相互に接合し一面状の平視四角形のブロック状敷設物を構成し、このブロック状敷設物の表面領域に異種の敷設物の互いに当接する境界部分を所望の非直線にし、該非直線が一方向に連続するように平視四角形のブロック状敷設物を二次元的に相互に連続状態に隣接並設することで、敷設物のみで誘導場所の目的に沿わせた面白味のある非直線状に表現した案内通路を構成する敷設物とこの敷設物の施工方法を創案した。
本発明者は、ブロック状敷設物を製造毎に、2枚の床タイルから夫々対応する敷設物が切除された2片の廃材が発生することに気が付き、廃材の利用方法を思案した。その結果、廃材の特性を生かして高齢者向けのジグソーパズルを創案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6933953号の特許公報
【文献】特開2023-42218号公報
【文献】実公平4-18630号公報
【文献】実用新案登録第3144177号の登録実用新案公報
【文献】実用新案登録第3076994号の登録実用新案公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】東リ株式会社 シガハードプラスNW ノーワックス 多機能プリントタイル(2017年8月発行 Vol1 改1版の第3面の下部に表示のパチンコ店の写真(カラフルで力溢れるバカンスカラー)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明が解決しようとする課題は、異種の平視矩形状の敷設物を用いても敷設物間の境界で表現される形態は直線のみしか表現できず、面白味に欠ける点である。
本発明は異種の敷設物の夫々の非直線内外側端縁を互いに沿う形状にすることで、互いの非直線内外側端縁を当接すると平視が矩形状のブロック状敷設物の周側端縁内側領域に非直線状の境界を有する模様を呈し、多数のブロック状敷設物の非直線状内外側端縁の端部を連続するように敷設することで連続した非直線状の側縁を有する案内通路を形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち請求項1に記載の発明は、所定の厚みを有し、表面には異模様又は/及び異色彩が夫々施された第1の敷設物と第2の敷設物よりなり、
第1の敷設物は直線状内側端縁と直線状前後側端縁及び非直線状外側端縁により外周形状が画定され、直線状内側端縁と直線状前後側端縁がなす内角は90度に設定され、対向する直線状前後側端縁は互いに同一長さに設定され、
第2の敷設物は直線状外側端縁と直線状前後側端縁及び非直線状内側端縁により外周形状が画定され、直線状外側端縁と直線状前後側端縁がなす内角は90度に設定され、対向する直線状前後側端縁は互いに同一長さに設定され、
第1の敷設物の直線状内側端縁と第2の敷設物の直線状外側端縁は同一長さに設けられ、
第2の敷設物の非直線状内側端縁に第1の敷設物の非直線状外側端縁を当接すると非直線状内外側端縁を境界として第1の敷設物及び第2の敷設物の表面が一面状の平視四角形になって繋がるように、第2の敷設物の非直線状内側端縁と第1の敷設物の非直線状外側端縁は互いに沿わせた形状に形成され、
第1の敷設物の非直線状外側端縁に第2の敷設物の非直線状内側端縁を当接して形成される平視四角形のブロック状敷設物は、隣り合うブロック状敷設物と直線状内側端縁を当接すると共に、別の隣り合うブロック状敷設物の対応する直線状前後側端縁を互いに当接させて一方向に並設することで、多数個のブロック状敷設物が二次元的に相互に隣接配置され、非直線状外側端縁を通路側縁とし一方向に連続的に延びる案内用通路を形成するようにしたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の敷設物を既設の床面の敷設場所に敷設する施工方法であって、
所定の厚みを有すると共に総ての内角が90度に設定された平面視が同一四角形の床タイルの表面に、異模様又は/及び異色彩が施された第1の床タイルと第2の床タイルを夫々の四辺を揃えて重合する工程と、
第1の床タイルと第2の床タイルを重合状態下で加熱し軟化する工程と、
第1の床タイルと第2の床タイルを重合状態下で、表面側から第1及び第2の床タイルを対向前後側端縁間に亘り、平面から視て非直線状に切断する工程と、
第1の床タイルが切断され直線状内側端縁と対向する直線状前後側端縁及び非直線状外側端縁により外周形状が画定されたものを第1の敷設物とし、第2の床タイルが切断され直線状外側端縁と対向する直線状前後側端縁及び非直線状内側端縁により外周形状が画定されたものを第2の敷設物とし、非直線状外側端縁と非直線状内側端縁を当接し第1の敷設物と第2の敷設物で一面状の平視四角形のブロック状敷設物を形成する工程と、
隣り合うブロック状敷設物の直線状内側縁を当接して並設する工程と、
隣り合うブロック状敷設物の第1の敷設物の直線状前後側端縁同士を当接接続し、且つ第2のブロック状敷設物の直線状前後側端縁同士を当接接続し一方向にブロック状敷設物を順に敷設する工程とよりなり、
対向する非直線状内外側端縁間を通路幅とし側縁が非直線状の案内用通路を敷設することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は2種の敷設物の非直線状側端縁を当接することで、平視四角形のブロック状敷設物を形成し、非直線状内外側端縁の両端が直線状内側端縁の両端から一定位置に位置させることで、床タイルとブロック状敷設物を隙間無く連続して敷設した領域内に異種の敷設物の境界よりなる連続した非直線状部分よりなる側縁を設けることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】多数の床タイルとブロック状敷設物を敷設した状態を示す一部を省略した平面説明図である。(実施例1)
【
図2】ブロック状敷設物の平面説明図である。(実施例1)
【
図3】第1の床タイルと第2の床タイルを夫々の四辺を揃えて重合する状態を示す説明図である。(実施例2)
【
図4】第1の床タイルと第2の床タイルを重合状態で加熱する状態を示す説明図である。(実施例2)
【
図5】軟化した第1の床タイルと第2の床タイルを切断する状態を示す説明図である。(実施例2)
【
図6】第1の敷設物と第2の敷設物で一面状の平視四角形のブロック状敷設物を形成する状態を示す説明図である。(実施例2)
【
図7】ジグソーパズルのピース片の分割状態を示す平面説明図である。(実施例3)
【
図8】床タイルから敷設物を除去した廃材から平視矩形状板を得る状態を示す説明図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【0009】
2種の同厚で平面視形状が同一の矩形状床タイルを重合し加熱軟化状態下で2枚を共に対向辺間に亘り非直線状に切断し、一方の床タイルの切断片と他方の床タイルの切断縁を境とする反対側の切断片を、切断された側端縁を相互に当接すると、平面視形状が床タイ
ルと同じ平面視が四角形状に繋ぎ合わされるブロック状敷設物を左右対に並設することで、敷設された多数の床タイルの領域内に非直線状の側端縁が側縁であると視認可能な通路を形成されるようにした。
【実施例1】
【0010】
図1及び
図2に基いて実施例1を説明する。
既設の床面には、多数の平面視形状が正方形の床タイル1を互いに側端縁を当接し縦横に並べて敷設されている。床タイル1は所定の厚みを有し、加熱により切断可能な程度に軟化する材質のものを用い、表面には模様が印刷されている。具体例として、床タイル1は硬質性塩化ビニール製合成樹脂層の上面に印刷層を、印刷層の上面に熱硬化性合成樹脂被膜層を設けた3層構造を有し、厚みが全面同厚の3mmで、450mm×450mm程度の平面視が正方形のシガハードプラスNW(東リ株式会社の商品名)を用いる。尚、床タイル1は厚みや1辺の長さは限定するものではないが、床タイル1を2枚重合状態で加熱し軟化したものを2枚同時に切断可能な厚さであること、及び敷設する場合に隣り合う床タイル1との間に隙間を形成することが無く位置ずれが生じにくく、効率的に既設の床面に敷設可能な4の内角が90度の正方形、或は長方形であることが必要である。
【0011】
第1の敷設物2と第2の敷設物3とで床タイル1と同一厚みで同一平面形状のブロック状敷設物16を形成する。第1の敷設物2は床タイル1と同一厚みを有し、表面に床タイル1とは異なる色彩若しくは模様が施されてなる。第1の敷設物2は、直線状内側端縁4、直線状前側端縁5、直線状後側端縁6及び非直線状外側端縁7により外周形状が画定されている。直線状前側端縁5と直線状後側端縁6は同一長さに設定され、互いに平行な位置関係を有して対設されている。直線状内側端縁4の両端には内角90度の角度をもって直線状前側端縁5と直線状後側端縁6が夫々連設されている。非直線状外側端縁7は直線状内側端縁4と対向する位置に設けられ、平面から視て緩やかな波形状を呈している。第2の敷設物3は、床タイル1と同一厚みを有し、表面に床タイル1とは同一色彩及び模様が施されてなる。第2の敷設物3は、直線状外側端縁8、直線状前側端縁9、直線状後側端縁10及び非直線状外側端縁11により外周形状が画定されている。直線状前側端縁9と直線状後側端縁10は同一長さに設定され、互いに平行な位置関係を有して対設されている。直線状外側端縁8の両端には内角90度の角度をもって直線状前側端縁9と直線状後側端縁10が夫々連設されている。非直線状内側端縁11は直線状内側端縁8と対向する位置に設けられ、平面から視て緩やかにカーブする波形状を呈している。非直線状外側端縁7と非直線状内側端縁11は互いに沿う形状に形成され、非直線状外側端縁7と非直線状内側端縁11を当接することで第1の敷設物2と第2の敷設物3を繋いで、平面視が床タイル1と同一正方形を呈するブロック状敷設物16が形成される。
【0012】
具体例として、床タイル1に厚みが全面同厚の3mmで、 450mm×450mm程度の平面視が正方形のシガハードプラスNW(東リ株式会社の商品名)のマスターオークを使用した場合は、第1の敷設物2は厚みが全面同厚の3mmで、450mm×450mm程度の平面視が正方形のシガハードプラスNW(東リ株式会社の商品名)のミスティを切断したものを用い、第2の敷設物3には厚みが全面同厚の3mmで、 450mm×450mm程度の平面視が正方形のシガハードプラスNW(東リ株式会社の商品名)のマスターオークの切断したものを用いることが考えられる。
【0013】
第1の敷設物2の非直線状外側端縁7に第2の敷設物3の非直線状内側端縁11を当接して形成される平視四角形のブロック状敷設物16は、隣り合う別のブロック状敷設物16と直線状内側端縁4、4を互いに当接して繋ぐ。又、ブロック状敷設物16は、その直線状前側端縁5、9をさらに別の異なる方向で隣り合うブロック状敷設物16の直線状後側端縁6、10と互いに当接させて方向性を有して繋いで並設する。このように、多数個のブロック状敷設物が二次元的に相互に隣接配置され、非直線状外側端縁7、11を通路
側縁とし、対向する非直線状外側端縁7、11間を通路とする。つまり、直線状内側縁4、4が当接されて連接された2枚の第1の敷設物2、2を一方向に延びる通路としている。該通路は、床タイル1及び第2の敷設物3とは異なる色彩を呈しているので、通路ではない領域との区別が認識容易で案内用通路の作用を奏する。
【0014】
実施例1のブロック状敷設物16は、床タイル1と同形状同肉厚であるので敷設若しくは撤去作業が簡便である。又、床タイル1とブロック状敷設物16が直線状の同一長さの側端縁が当接されて並設されているので床タイル1とブロック状敷設物16との間に隙間を設けることが無く、ズレが生じないので安定した敷設状態が保持されるという効果がある。直線状前側端縁5と直線状後側端縁6が同一長さに設定され、且つ直線状前側端縁9と直線状後側端縁10も同一長さに設定されているので、非直線状外側端縁7及び非直線状内側端縁11の境界で表現される波形状の模様が通路方向に連続模様として途切れることなく延設されるという効果がある。この波形状の模様を側縁とし第1の敷設物2の敷設領域を通路とし、この通路が辿る先には波で想定される水族館があることを利用者に知らせるようなこともできる。第1の敷設物2の色彩を青等の案内施設と関連性を有する色彩にすることで、一層、通路が案内する先のサービス内容を表現することができる。
【実施例2】
【0015】
図3~
図6に基いて敷設物の施工方法について説明する。
夫々の表面に異模様又は異色彩が施された2枚の床タイル12、13を表面を上方に向けて重合する。床タイル12と床タイル13は、厚みが同一で平面視が同一矩形状に形成されている。具体例として、床タイル12は450mm×450mm程度の平面視が正方形のシガハードプラスNW(東リ株式会社の商品名)のマスターオークを、床タイル13は厚みが全面同厚の3mmで、450mm×450mm程度の平面視が正方形のシガハードプラスNW(東リ株式会社の商品名)のミスティを用いる。床タイル13の表面上に床タイル12の裏面を接触させ、且つ床タイル12、13の4辺が上下に一致するように重合する。
図4に示すように、床タイル12、13を重合状態で加熱台14上に載置し、床タイル12、13の全体に均一に加熱する。床タイル12、13が重合状態で一度に2枚の切断が可能な程度で、且つ変形しない程度に加熱軟化する。床タイル12、13にシガハードプラスNW(東リ株式会社の商品名)を用いた場合は、加熱温度は180度程度であることが好ましい。
【0016】
図5に示すように、加熱により軟化し重合した床タイル12、13は、常温下で一方の辺から対向する辺に亘り、切断端が対向する位置になるように、緩やかなウエーブを描く一本の切断線で床タイル12、13を同時に分離する。つまり、切断開始端と切断終了端は対向側端縁の対向する位置に設定される。
図6に示すように、床タイル12も床タイル13も夫々2片に分離される。切断線の対向両端部は対向する位置に設けられる。15は刃物である。切断は切断用機械を用いても、刃物15を用いる手動であってもよい。切断は、刃先が床タイル12、13の面に対して垂直に下ろされて切断する必要がある。
【0017】
図6に示すように、床タイル12、13の切断され分離された2片は夫々上下で同一平面形状を呈する。床タイル12の分離された一方の片は第2の敷設物3とし、床タイル13の分離された他方の片は第1の敷設物2とする。第2の敷設物3の非直線状内側端縁11と第1の敷設物2の非直線状外側端縁7を沿わせて当接し一面状に繋ぐ。段差のない1枚の床タイル12、13と同一平面形状を有する一面状のブロック状敷設物16を得る。
【0018】
第1の敷設物2の非直線状外側端縁7に第2の敷設物3の非直線状内側端縁11を当接して形成される平視四角形のブロック状敷設物16は、
図1に示すように、隣り合う別のブロック状敷設物16と直線状内側端縁4を互いに当接して連設する。又、ブロック状敷設物16は、その直線状前側端縁5、9をさらに別の異なる方向で隣り合うブロック状敷
設物16の直線状後側端縁6、10と相互に当接させて方向性を有して並設する。このように、多数個のブロック状敷設物16が二次元的に相互に隣接配置され、非直線状外側端縁7、11を通路側縁とし、対向する非直線状外側端縁7、11間に存在する第1の敷設物2、2よりなる一方向に連続的に延びる通路を形成する。通路は、床タイル1及び第2の敷設物3とは異なる色彩を呈し、利用者の視覚に強く訴える案内用通路となる。
【0019】
簡単な作業で、ブロック状敷設物16の内側に対向辺間に亘る非直線状内外側端縁7、11で波形状の境界模様を形成でき、対向する非直線状内外側端縁7、11の間に敷設される第1の敷設物2、2で案内通路を形成できるという効果がある。
【実施例3】
【0020】
図7及び
図8に基いて床タイルの廃材を利用したジグソーパズル及びジグソーパズルの製造方法について説明する。
実施例3は、実施例2の敷設物の施工方法で生じた廃材を利用したジグソーパズル及びそのジグソーパズルの製造方法の一例を示すものである。
図7に示すように、廃材31の非直線状内側縁11側を切除して平面視が矩形状板17を得る。矩形状板17の内側を緩やかなカーブを描く曲線で切断し、多数のジグソーパズル用ピース片18を得る。ジグソーパズル用ピース片18は、周側端縁に嵌合する凹凸部を有しない。再剥離及び再粘着可能な粘着剤を表面に有する台紙(図示せず)にジグソーパズル用ピース片18を組み込む。ジグソーパズル用ピース片18は周側端縁に凹凸を有さないので、高齢者であっても把持し易く手指のリハビリに役立てることができる。又、ジグソーパズル用ピース片18が床タイル12の廃材を利用しているので、額縁19の内側に組み込むと部屋のインテリアとしての機能も有する。
【符号の説明】
【0021】
1、12、13 床タイル
2 第1の敷設物
3 第2の敷設物
4 直線状内側端縁
5、9 直線状前側端縁
6、10 直線状後側端縁
7 非直線状外側側端縁
8 直線状外側端縁
11 非直線状内側側端縁
16 ブロック状敷設物
17 矩形状板
18 ピース片
31 廃材
【要約】
【課題】異種の平視矩形状の敷設物を用いて敷設物間の境界で非直線状の境界を表現することである。
【解決手段】床タイル12、13の切断され分離された2片は夫々上下で同一平面形状を呈する。床タイル12の分離された一方の片は第2の敷設物3とし、床タイル13の分離された他方の片は第1の敷設物2とする。第2の敷設物3の非直線状内側端縁11と第1の敷設物2の非直線状外側端縁7を沿わせて当接し一面状の段差のない1枚ののブロック状敷設物16を得る。非直線状内外側端縁7、11が案内用通路の両側縁となる。
【選択図】
図6