(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】容器及び詰め替え容器
(51)【国際特許分類】
B65D 8/04 20060101AFI20240718BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
B65D8/04 Z BRG
B65D77/04 A
(21)【出願番号】P 2023193213
(22)【出願日】2023-11-13
【審査請求日】2023-11-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523429841
【氏名又は名称】株式会社SANSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100123526
【氏名又は名称】宮川 壮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100125036
【氏名又は名称】深川 英里
(72)【発明者】
【氏名】才藤 俊二
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-034836(JP,A)
【文献】国際公開第2022/190691(WO,A1)
【文献】国際公開第2022/085549(WO,A1)
【文献】特開2021-008277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 8/04
B65D 77/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋用ネジ部が設けられた蓋部と、
内用ネジ部が設けられた内容器と、
外用ネジ部が設けられ内方に前記内容器を収容可能に構成された外容器とを備え、
前記蓋用ネジ部、前記内用ネジ部及び前記外用ネジ部のピッチ及び傾斜角が揃えられており、
前記内容器が前記外容器の内方に収容されると、前記内用ネジ部と前記外用ネジ部との径方向における頂点部の位置が一致して前記内用ネジ部の谷部の下端部と前記外用ネジ部の谷部の上端部とが上下方向に接触して配置されるように構成され、
前記蓋用ネジ部が、
上方の前記内用ネジ部から下方の前記外用ネジ部へと上下方向にわたって締められるように構成されている容器。
【請求項2】
前記内容器が前記外容器の内方に収容されると、前記内用ネジ部の下部切り終わりと前記外用ネジ部の上部切り始めとが同一線上に連続して配置されるように構成されている請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記内用ネジ部の下部切り終わりが谷部の下端部よりも上方に設けられ、
前記外用ネジ部の上部切り始めが谷部の上端部よりも下方に設けられており、
前記内容器が前記外容器の内方に収容されると前記下部切り終わりと前記上部切り始めとの間にクリアランスが設けられるように構成されている請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記蓋用ネジ部の上下方向の寸法が、前記内用ネジ部及び前記外用ネジ部を合わせた上下方向の寸法と同一以上に構成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
外用ネジ部が設けられた外容器に着脱可能に連結される詰め替え容器であって、
蓋用ネジ部が設けられた蓋部と、
内用ネジ部が設けられ前記外容器の内方に収容可能に構成された内容器とを備え、
前記蓋用ネジ部、前記内用ネジ部及び前記外用ネジ部のピッチ及び傾斜角が揃えられており、
前記内容器が前記外容器の内方に収容されると、前記内用ネジ部と前記外用ネジ部との径方向における頂点部の位置が一致して前記内用ネジ部の谷部の下端部と前記外用ネジ部の谷部の上端部とが上下方向に接触して配置されるように構成され、
前記蓋用ネジ部が、
上方の前記内用ネジ部から下方の前記外用ネジ部へと上下方向にわたって締められるように構成されている詰め替え容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器及び詰め替え容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば化粧材などの被収容物を収容する容器が利用されている(例えば、特許文献1参照)。このような容器として、蓋と内容器とこの内容器を収容する外容器とを備えるものが知られている。このような構成のもと、蓋を回転させてネジを締めていくと内容器が外容器の内方に収容されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような容器では、蓋を回転させるときに内容器と外容器とが相対的に動いてしまい位置が定まりにくいという問題がある。
【0005】
以上に鑑みて、本発明は、蓋を連結させときに内容器と外容器との回転位置を容易に合わせることができる容器及び詰め替え容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、蓋用ネジ部が設けられた蓋部と、内用ネジ部が設けられた内容器と、外用ネジ部が設けられ内方に前記内容器を収容可能に構成された外容器とを備え、前記蓋用ネジ部、前記内用ネジ部及び前記外用ネジ部のピッチ及び傾斜角が揃えられており、前記蓋用ネジ部が、前記内用ネジ部と前記外用ネジ部とにわたって上下に締められるように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本願の一観点によれば、蓋を連結させたときに内容器と外容器との回転位置を容易に合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態としての容器及び詰め替え容器を示す正面図である。
【
図2】
図1の容器及び詰め替え容器を示す断面図である。
【
図3】
図2の容器及び詰め替え容器を分解して示す断面図である。
【
図4】
図1の容器及び詰め替え容器を分解して示す正面図である。
【
図5】
図4の内用雄ネジ部及び外用雄ネジ部を簡略化して示す図であって、(A)は内用雄ネジ部及び外用雄ネジ部が上下方向に離れて配置された様子を示す説明図、(B)は内用雄ネジ部及び外用雄ネジ部が上下方向に近接して配置された様子を示す説明図である。
【
図6】
図1の蓋部の蓋用雌ネジ部を模式的に示す説明図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態としての容器及び詰め替え容器を示す正面図である。
【
図8】
図7の容器及び詰め替え容器を示す断面図である。
【
図9】
図8の容器及び詰め替え容器を分解して示す断面図である。
【
図10】
図7の容器及び詰め替え容器を分解して示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態における容器及び詰め替え容器について説明する。
図1は、本発明第1の実施形態としての容器1及び詰め替え容器10を示す正面図である。
図2は、容器1及び詰め替え容器10を示す断面図である。
容器1は、詰め替え容器10と外容器80とを備えている。
詰め替え容器10は、蓋部20と内容器40とを備えている。
なお、本明細書において、上下方向とは、これら蓋部20、内容器40及び外容器80の連結方向であって、各部品の高さ方向Hをいう。
【0010】
蓋部20は、キャップ部21と蓋連結部22とを備えている。
キャップ部21は、透明な樹脂からなっており天面を有して円筒状に形成されている。キャップ部21の内周壁部の下端部には、径方向外方に没する係合凹部21aが全周にわたって設けられている。
蓋連結部22は、ポンプ部23と蓋周壁部24とを備えている。
ポンプ部23は、内容器40に収容される被収容物を圧力により吸い上げて排出口231を介して径方向外方に排出するようになっている。ポンプ部23にはその下方部を径方向から覆うようにして蓋周壁部24が連結されている。
蓋周壁部24は、樹脂からなっており円筒状に形成されている。蓋周壁部24の上方は径の小さな小径部とされており、小径部の外周壁部には径方向外方に突出する係合凸部24aが全周にわたって設けられている。この係合凸部24aは、キャップ部21の係合凹部21aと着脱可能に係合するようになっている。
蓋周壁部24の下方は径の大きな大径部とされており、大径部の内周壁部25の下端部には、蓋用雌ネジ部26(蓋用ネジ部)が設けられている。なお、蓋用雌ネジ部26の詳細については後述する。
この蓋周壁部24には、内容器40が着脱可能に同心状に連結されるようになっている。
【0011】
内容器40は、樹脂からなっており底面を有して円筒状に形成されている。この内容器40は、内方において被収容物を収容するようになっている。内容器40は、円筒状の周壁部41と円板状の底面部42とを備えている。
周壁部41の外周壁部43の上方部には、径方向外方に段差が付けられた大径の内用谷部45が設けられている。内用谷部45は外周壁部43の周方向の全長にわたって設けられている。この内用谷部45には、内用雄ネジ部44(内用ネジ部)が設けられている。つまり、内用谷部45は、内用雄ネジ部44が設けられる領域となっている。なお、内用雄ネジ部44の詳細については後述する。
内用谷部45の下端部には、下方に突出する三角凸部45bが設けられている。
三角凸部45bは、直角三角形状とされており、周方向の一端においては下方に垂直に延ばされ、他端においては突出寸法が漸次短くなるように下方に延ばされている。
底面部42は、周壁部41の下端部において一体に連結されている。
この内容器40を内方に収容可能な外容器80が蓋連結部22に着脱可能に同心状に連結されるようになっている。
【0012】
外容器80は、樹脂からなっており底面を有して円筒状に形成されている。この外容器80は、円筒状の周壁部81と円板状の底面部82とを備えている。
周壁部81の外周壁部83の上方部には、径方向内方に段差が付けられた小径の外用谷部85が設けられている。外用谷部85は外周壁部83の周方向の全長にわたって設けられている。外用谷部85の外径寸法は内用谷部45の外径寸法と同一に設定されている。この外用谷部85には、外用雄ネジ部84(外用ネジ部)が設けられている。つまり、外用谷部85は、外用雄ネジ部84が設けられる領域となっている。なお、外用雄ネジ部84の詳細については後述する。
外用谷部85の上端部には、下方に没する三角凹部85bが設けられている。
三角凹部85bは、三角凸部45bと相補形状とされている。すなわち、三角凹部85bは、直角三角形状とされており、周方向の一端においては下方に垂直に没しており、他端においては深さ寸法が漸次短くなるように下方に没している。この三角凹部85bは、三角凸部45bと凹凸嵌合するようになっている。
底面部82は、周壁部81の下端部において一体に連結されている。
【0013】
次いで、内用雄ネジ部44、外用雄ネジ部84及び蓋用雌ネジ部26について説明する。
図5は、内用雄ネジ部44及び外用雄ネジ部84を簡略化して示す説明図である。
図6は、蓋用雌ネジ部26を簡略化して示す説明図である。
なお、
図5及び
図6においては、内用雄ネジ部44、外用雄ネジ部84及び蓋用雌ネジ部26を説明の便宜のために簡略化して示していることは言うまでもない。
内用雄ネジ部44及び外用雄ネジ部84のネジ山の高さ寸法は同一に設定されている。また、蓋用雌ネジ部26は内用雄ネジ部44及び外用雄ネジ部84と相補形状とされ、雌ネジの深さ寸法が内用雄ネジ部44及び外用雄ネジ部84のネジ山の高さ寸法と同一に設定されている。内用雄ネジ部44のピッチP1と、外用雄ネジ部84のピッチP2と、蓋用雌ネジ部26のピッチP3とは同一に設定されている。また、内用雄ネジ部44の傾斜角θ1と、外用雄ネジ部84の傾斜角θ2と、蓋用雌ネジ部26の傾斜角θ3も同一に設定されている。
【0014】
内用雄ネジ部44の下部切り終わり部44aは、内用谷部45の下端部45aよりも上方に設けられており、下部切り終わり部44aと下端部45aとの上下方向の間にはクリアランスA1が設けられている。
なお、下部切り終わり部44aとは、内用雄ネジ部44の長さ方向の両端部のうち下方側に配される一端部をいう。
外用雄ネジ部84の上部切り始め部84aは、外用谷部85の上端部85aよりも下方に設けられており、上部切り始め部84aと上端部85aとの上下方向の間にはクリアランスA2が設けられている。
なお、上部切り始め部84aとは、外用雄ネジ部84の長さ方向の両端部のうち上方側に配される一端部をいう。
【0015】
また、
図5(B)に示すように、内容器40が外容器80の内方に収容されると、内用谷部45の下端部45aと外用谷部85の上端部85aとが接触して内用谷部45と外用谷部85とが上下方向に隣接するようになっている。すなわち、このとき内用雄ネジ部44と外用雄ネジ部84とが上下方向に近接して配置されるようになっている。
さらに、このとき、下端部45aと上端部85aとが接触した状態において、正面視して、下部切り終わり部44aと上部切り始め部84aとが、仮想直線L上に連続して配置されるようになっている。そして、正面視して、下部切り終わり部44aと上部切り始め部84aとの間にクリアランスAが設けられるようになっている。
なお、仮想直線Lとは、正面視して、傾斜角θ1,θ2と同一の傾斜角で延ばされる仮想的な直線をいう。
【0016】
また、内用谷部45の外径寸法と外用谷部85の外径寸法とが同一に設定されていることから、このとき、正面視して、内用谷部45の外周面と外用谷部85の外周面とが面一になり、内用雄ネジ部44と外用雄ネジ部84の径方向における頂点部の位置が一致するようになっている。すなわち、内用雄ネジ部44の上端から外用雄ネジ部84の下端まで周方向に連続してネジ山が一体的に配置されるようになっている。
また、正面視して、上下方向における内用雄ネジ部44の上端部から外用雄ネジ部84の下端部までの縦寸法V1と、蓋用雌ネジ部26の上端から下端までの縦寸法V3とが同一に設定されている。
このような構成のもと、内容器40が外容器80の内方に収容されると、内用雄ネジ部44と外用雄ネジ部84とが上下方向に配置され、蓋用雌ネジ部26が、内用雄ネジ部44と外用雄ネジ部84とにわたって上下に締められるようになっている。
【0017】
次いで、本実施形態における容器1及び詰め替え容器10の使い方について説明する。
まずは、キャップ部21を蓋連結部22に連結する。すなわち、係合凹部21aと係合凸部24aを着脱可能に連結させる。これにより、キャップ部21が蓋連結部22に対して着脱可能に同心状に連結される。
そして、内容器40を蓋連結部22に着脱可能に同心状に連結する。すなわち、内容器40の周壁部41の上端を蓋周壁部24の内方に挿入して内容器40と蓋連結部22を軸線回りに相対回転させる。内用雄ネジ部44と蓋用雌ネジ部26のピッチP1,P3及び傾斜角θ1,θ3が同一に設定されていることから、内用雄ネジ部44が蓋用雌ネジ部26に締められていく。さらに、内容器40と蓋連結部22を同方向に相対回転させると、周壁部41の上端がポンプ部23の下端に接触することにより、同方向のさらなる相対回転が規制され内容器40が蓋連結部22の最奥部において蓋連結部22に連結される。すなわち、ポンプ部23の下端が、蓋連結部22に対する内容器40の最上位置を規制する規制部として機能する。このとき、内用雄ネジ部44の上端が蓋用雌ネジ部26の上端と一致する位置に配されるだけでなく、蓋連結部22に対する内容器40の回転位置が常に同じ位置に配される。
【0018】
さらに、内容器40を内方に収容した状態で外容器80を蓋連結部22に着脱可能に同心状に連結する。すなわち、外容器80の周壁部81の上端を蓋周壁部24の内方に挿入して外容器80と蓋連結部22を軸線回りに相対回転させる。外用雄ネジ部84と蓋用雌ネジ部26のピッチP2,P3及び傾斜角θ2,θ3が同一に設定されていることから、外用雄ネジ部84が蓋用雌ネジ部26に締められていき、外用谷部85の上端部85aが内用谷部45下端部45aに接触する。このとき、蓋連結部22に対する外容器80の回転位置が常に同じ位置に配され、内容器40及び外容器80の回転位置が常に同じ位置に配される。また、このとき、三角凸部45bと三角凹部85bとが凹凸嵌合した状態で内用雄ネジ部44と外用雄ネジ部84が上下方向に隣接して配置され、蓋用雌ネジ部26が内用雄ネジ部44と外用雄ネジ部84とにわたって上下に締められる。これにより、外容器80が内容器40を内方に収容した状態で蓋連結部22に着脱可能に連結される。
【0019】
なお、外容器80と蓋連結部22を軸線回りに相対回転させるとき、内用雄ネジ部44の下部切り終わり部44aと外用雄ネジ部84の上部切り始め部84aが仮想直線L上に連続して配置されることから、内用雄ネジ部44及び外用雄ネジ部84と蓋用雌ネジ部26とがスムーズに締められるだけでなく、蓋連結部22に対する外容器80の回転位置が常に同じ位置に配される。そのため、蓋連結部22に対して内容器40及び外容器80の回転位置が常に同じ位置に配される。
また、下部切り終わり部44aと上部切り始め部84aが仮想直線L上に配されるとき、クリアランスA,A1,A2が設けられることから、蓋用雌ネジ部26を回転させるとき、内用雄ネジ部44及び外用雄ネジ部84の配置上のガタが吸収されて蓋用雌ネジ部26が内用雄ネジ部44から外用雄ネジ部84にわたってスムーズに締められる。
また、内用雄ネジ部44から外用雄ネジ部84にわたる縦寸法V1と蓋用雌ネジ部26の縦寸法V3とが同一に設定されていることから、蓋用雌ネジ部26が内用雄ネジ部44から外用雄ネジ部84に上下にわたって締められて内容器40及び外容器80が蓋連結部22に連結される。
【0020】
このような状態で、キャップ部21を取り外して、ポンプ部23を押すことにより、内容器40に収容される被収容物を外方に排出させる。
なお、容器1の各部品を分解するときは、上記と逆の手順によって分解すればよい。また、詰め替え容器10だけを詰め替えたいときは、外容器80を蓋連結部22に対して上記とは逆に回転させることにより外容器80を取り外し、新たな詰め替え容器10を上記と同様にして外容器80と連結させる。
【0021】
以上より、本実施形態における容器1及び詰め替え容器10によれば、内用雄ネジ部44、外用雄ネジ部84及び蓋用雌ネジ部26のピッチP1,P2,P3及び傾斜角θ1,θ2,θ3が同一に設定されて、蓋用雌ネジ部26が内用雄ネジ部44と外用雄ネジ部84とにわたって上下に締められることから、蓋部20に対する内容器40及び外容器80のネジの締め始め及び締め終わりの位置を同じ位置に揃えることができ、蓋部20に対する内容器40及び外容器80の回転位置を容易に合わせることができる。そのため、被収容物を適切に収容することができるだけでなく、内容器40及び外容器80のデザイン性を向上させることができる。
また、内容器40が外容器80の内方に収容されると、内用雄ネジ部44及び外用雄ネジ部84が上下方向に配置されることから、内用雄ネジ部44と外用雄ネジ部84とにわたって蓋用雌ネジ部26を上下に連続的に締めることができる。
【0022】
また、内容器40が外容器80の内方に収容されると、下部切り終わり部44aと上部切り始め部84aとが仮想直線L上に連続して配置されることから、内用雄ネジ部44と外用雄ネジ部84とにわたって蓋用雌ネジ部26を上下に連続的に締めることができ、蓋部20に対する内容器40及び外容器80の回転位置を容易に合わせることができる。
また、下部切り終わり部44aと上部切り始め部84aが仮想直線L上に配されるとき、クリアランスA,A1,A2が設けられることから、蓋部20を回転させるとき、内用雄ネジ部44及び外用雄ネジ部84の配置上のガタを吸収することができ、蓋用雌ネジ部26を内用雄ネジ部44から外用雄ネジ部84にわたってスムーズに締めることができる。
【0023】
また、蓋用雌ネジ部26の縦寸法V3が、内用雄ネジ部44から外用雄ネジ部84にわたる縦寸法V1と同一に設定されていることから、内用雄ネジ部44から外用雄ネジ部84に上下にわたって蓋部20を適切に締めることができるだけでなく、内用雄ネジ部44及び外用雄ネジ部84を外方から覆うことができ意匠性を向上させることができる。
また、詰め替え容器10を備えるため、蓋部20に対する内容器40及び外容器80の回転位置を容易に合わせることができるだけでなく、外容器80を保持したまま詰め替え容器10のみを付け替えることができる。
また、三角凸部45b及び三角凹部85bが設けられていることから、内容器40及び外容器80の回転位置を容易に合わせることができる。なお、三角凸部45bは、外容器80を連結方向に回転させるときは、三角凸部45bの傾斜部に案内されて三角凹部85bに係合し、この状態で内容器40及び外容器80の回転位置を揃えたまま両者を回転させることができる。一方、非連結方向に回転させるときは、三角凸部45bは、傾斜部に案内されて三角凹部85bから外れることにより、外容器80のみを非連結方向に回転させることができる。
【0024】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7から
図10は、本発明の第2の実施形態における容器1A及び詰め替え容器10Aを示したものである。
図7から
図10において、
図1から
図6に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第2の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは主として異なる点について説明する。
容器1A及び詰め替え容器10Aは、広口のジャータイプとして構成されている。すなわち、容器1及び詰め替え容器10よりも、径寸法が大きくして構成されている。
【0025】
蓋連結部22Aは、ポンプ部23Aを備えている。ポンプ部23Aは、内容器40に収容される被収容物を圧力により吸い上げて排出口231Aを介して上方に排出するようになっている。また、蓋連結部22Aは、ポンプ部23Aを支持する蓋天面部27を備えている。蓋天面部27は、蓋周壁部24と一体に連結されている。また、蓋天面部27の外周縁部は、上方に没する上方凹部27Aとされている。
このような構成のもと、蓋連結部22Aに対して内容器40を回転させていくと、内容器40の周壁部41の上端が上方凹部27Aに接触して、同方向のさらなる回転が規制される。すなわち、上方凹部27Aが規制部として機能する。
さらに、蓋連結部22Aに対して外容器80を回転させていくと、上記と同様にして、外容器80が内方に内容器40を収容した状態で蓋連結部22Aに連結される。
以上より、本実施形態における容器1A及び詰め替え容器10Aによれば、上記の容器1及び詰め替え容器10と同様の効果を奏することができる。
【0026】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、内容器40が外容器80の内方に収容されると、下部切り終わり部44aと上部切り始め部84aとが正面視して仮想直線L上に連続して配置されるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。具体的には、仮想直線L上ではなくても、内用雄ネジ部44及び外用雄ネジ部84が、周方向の線上に配置されるようなっていてもよいし、蓋用雌ネジ部26が締まるのであれば、周方向の線上に配置されていなくてもよい。
また、内容器40が外容器80の内方に収容されると、内用谷部45と外用谷部85とが接触するとしているが、これに限ることはなく、非接触で上下方向に配置されるようになっていてもよい。
【0027】
また、下部切り終わり部44aと上部切り始め部84aが仮想直線L上に配されるとき、クリアランスA,A1,A2が設けられるとしているが、これに限ることはなく、クリアランスA,A1,A2の少なくともいずれか1つは設けられていなくてもよいし、クリアランスA,A1,A2の全てを設けることなく下部切り終わり部44aと上部切り始め部84aとが接触しながら連続して配置されるようにしてもよい。
また、縦寸法V1と縦寸法V3とが同一に設定されているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、縦寸法V3が、縦寸法V1を越えて設定されていてもよいし、縦寸法V1よりも小さく設定されていてもよい。
【0028】
また、三角凸部45b及び三角凹部85bが設けられているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、凹凸の形状を円、多角形及びその他の形状にしてもよいし、これら三角凸部45b及び三角凹部85bが設けられていなくてもよい。
また、内用谷部45と外用谷部85の外径寸法が同一に設定されているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、いずれか一方が他方に対して径方向外方に大きく設定されていてもよい。
また、内容器40が外容器80の内方に収容されると、内用雄ネジ部44と外用雄ネジ部84の径方向における頂点部の位置が一致するとされているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、頂点部の位置が径方向において一致していなくてもよい。
また、内用雄ネジ部44及び外用雄ネジ部84のネジ山の高さ寸法と、蓋用雌ネジ部26の深さ寸法とが同一に設定されているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、蓋用雌ネジ部26が内用雄ネジ部44と外用雄ネジ部84とにわたって上下に締められるのであれば、高さ寸法や深さ寸法は異なっていてもよい。
【0029】
また、蓋部20がポンプ部23,23Aを備えるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、ポンプ以外の構成であってもよいし、ポンプ部23,23Aが設けられていなくてもよい。また、キャップ部21は蓋連結部22,22Aに固定されていてもよいし、キャップ部21が設けられていなくてもよい。
また、第1の実施形態において、ポンプ部23の下端部が規制部として機能するとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、ポンプ部23の下方に規制部として機能する蓋天面部を設けてもよい。
また、第2の実施形態において、蓋天面部27が規制部として機能するとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、ポンプ部23Aの下端部が規制部として機能するようにしてもよい
また、規制部が、内容器40の上端に接触して規制するものとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、内用雄ネジ部44の回転を規制する凹凸やその他の構成であってもよい。
【0030】
また、蓋部20のネジ部が蓋用雌ネジ部26とされ、内容器40及び外容器80のネジ部が内用雄ネジ部44及び外用雄ネジ部84とされているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、蓋部20に蓋用雄ネジ部が設けられ、内容器40及び外容器80に、それぞれ内用雌ネジ部及び外用雌ネジ部が設けられていてもよい。
また、内容器40及び外容器80が底部を有する円筒状とされているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、角筒状やその他の形状であってもよい。
また、被収容物としては、化粧材に限ることはなく、液体、固体、粉体、ゲル状材など適宜変更可能である。
また、容器1が樹脂からなるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、ガラス等であってもよい。
また、蓋部20、内容器40及び外容器80の組み立てや取り外しの順番は適宜変更可能である。例えば、内容器40を外容器80の内方に収容し、これら内容器40及び外容器80を蓋連結部22,22Aに対して回転させて連結してもよい。
【0031】
既述の実施形態に関し、さらに以下の付記を示す。
(付記1)
蓋用ネジ部が設けられた蓋部と、
内用ネジ部が設けられた内容器と、
外用ネジ部が設けられ内方に前記内容器を収容可能に構成された外容器とを備え、
前記蓋用ネジ部、前記内用ネジ部及び前記外用ネジ部のピッチ及び傾斜角が揃えられており、
前記蓋用ネジ部が、前記内用ネジ部と前記外用ネジ部とにわたって上下に締められるように構成されている。
【0032】
(付記2)
前記内容器が前記外容器の内方に収容されると前記内用ネジ部及び前記外用ネジ部が上下方向に配置されるように構成されている付記1に記載の容器。
【0033】
(付記3)
前記内容器が前記外容器の内方に収容されると、前記内用ネジ部の下部切り終わりと前記外用ネジ部の上部切り始めとが同一線上に連続して配置されるように構成されている付記1又は付記2に記載の容器。
【0034】
(付記4)
前記内用ネジ部の下部切り終わりが谷部の下端部よりも上方に設けられ、
前記外用ネジ部の上部切り始めが谷部の上端部よりも下方に設けられており、
前記内容器が前記外容器の内方に収容されると前記下部切り終わりと前記上部切り始めとの間にクリアランスが設けられるように構成されている付記3に記載の容器。
【0035】
(付記5)
前記蓋用ネジ部の上下方向の寸法が、前記内用ネジ部及び前記外用ネジ部を合わせた上下方向の寸法と同一以上に構成されている付記1または付記2に記載の容器。
【0036】
(付記6)
外用ネジ部が設けられた外容器に着脱可能に連結される詰め替え容器であって、
蓋用ネジ部が設けられた蓋部と、
内用ネジ部が設けられ前記外容器の内方に収容可能に構成された内容器とを備え、
前記蓋用ネジ部、前記内用ネジ部及び前記外用ネジ部のピッチ及び傾斜角が揃えられており、
前記蓋用ネジ部が、前記内用ネジ部と前記外用ネジ部とにわたって上下に締められるように構成されている詰め替え容器。
【符号の説明】
【0037】
1,1A 容器
10,10A 詰め替え容器
20 蓋部
26 蓋用雌ネジ部(蓋用ネジ部)
40 内容器
44 内用雄ネジ部(内用ネジ部)
44a 下部切り終わり部
45 内用谷部(谷部)
45a 下端部
80 外容器
84 外用雄ネジ部(外用ネジ部)
85 外用谷部(谷部)
85a 上端部
84a 上部切り始め部
A クリアランス
H 高さ方向(上下方向)
P1,P2,P3 ピッチ
V1,V3 縦寸法(上下方向の寸法)
θ1,θ2,θ3 傾斜角
【要約】
【課題】蓋を連結させときに内容器と外容器との回転位置を容易に合わせることができる容器及び詰め替え容器を提供すること。
【解決手段】蓋用ネジ部が設けられた蓋部20と、内用ネジ部が設けられた内容器と、外用ネジ部が設けられ内方に前記内容器を収容可能に構成された外容器80とを備え、前記蓋用ネジ部、前記内用ネジ部及び前記外用ネジ部のピッチ及び傾斜角が揃えられており、前記蓋用ネジ部が、前記内用ネジ部と前記外用ネジ部とにわたって上下に締められるように構成されている。
【選択図】
図1