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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】インテントセールスの支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240718BHJP
   G06F 40/279 20200101ALI20240718BHJP
   G06F 40/216 20200101ALI20240718BHJP
   G06F 40/56 20200101ALI20240718BHJP
   G06F 40/44 20200101ALI20240718BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F40/279
G06F40/216
G06F40/56
G06F40/44
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024043872
(22)【出願日】2024-03-19
【審査請求日】2024-03-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520081260
【氏名又は名称】株式会社カクシン
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】田尻 望
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-244334(JP,A)
【文献】特開平4-277860(JP,A)
【文献】特開2020-24489(JP,A)
【文献】特開2017-211781(JP,A)
【文献】特開2008-21256(JP,A)
【文献】特開2023-141026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 40/00 - 40/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記者を特定する情報が付された記事をインターネット上から収集する記事収集部と、
前記記事を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、前記記者が投稿する記事の傾向であるインテントを分析するインテント分析部と、
前記インテント分析部によるインテントの分析結果を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、前記記者による記事の作成に寄与する情報を含む文書を生成する文書生成部と、
を備える、インテントセールスの支援装置。
【請求項2】
前記インテントの分析結果を管理する分析結果管理部と、
記事で扱われることを希望するトピックを前記分析結果と比較することにより、前記トピックと関連する記者を抽出する記者抽出部と、
をさらに備え、
前記分析結果管理部は、複数の記者に関する分析結果を管理し、
前記記者抽出部は、前記複数の記者から前記トピックと関連する記者を抽出し、
前記文書生成部は、前記記者抽出部により抽出された記者による記事の作成に寄与する情報を含む文書を生成する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記記者が作成した記事に係る広告効果を測定する広告効果測定部をさらに備え、
前記記者抽出部は、前記複数の記者から前記トピックと関連する記者のうち、前記広告効果が所与の条件を満たす記者を抽出する、
請求項2に記載の支援装置。
【請求項4】
記事で扱われることを希望するトピックに関するデータをデータベースから取得するデータ取得部をさらに備え、
前記データ取得部は、前記インテントの分析結果に基づいて、前記トピックに関するデータのうち、前記記者が記事の作成に活用するデータである対象データを前記データベースから取得し、
前記文書生成部は、前記対象データを入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、前記文書を生成する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項5】
前記文書生成部により生成された文書を当該生成に係る記者に送信する文書送信部をさらに備える、請求項1に記載の支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテントセールスの支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外部の新聞、雑誌等を広報に利用することにより、信頼性が高く客観的な情報源を提供できる。これにより、企業の信頼性、専門性が強化される。加えて、第三者の視点を取り入れることで、広報内容の多様性及び説得力を増すことができる。しかしながら、広報に係るトピックが外部の新聞、雑誌等の記事で取り上げられるようにすることは、容易ではない。
【0003】
上述の事情により、記者の興味・関心を分析し、その分析結果に基づいて記者に記事の題材を売り込むセールス、すなわち、記者に対するインテントセールスを支援する手段が求められている。ここで言う記者に関する「インテント」は、記者が報じる傾向のある分野・トピック、報道スタイル、対象読者層、過去の記事内容、当該記者が作成した記事に対する反応・エンゲージメント、記事の投稿頻度等を含む。
【0004】
対象の関心に応じた情報を提供する技術に関し、特許文献1は、ソーシャルネットワーキングシステムのユーザへのコンテンツアイテムのパーソナライズされた配信に関する技術を開示している。当該技術は、ブランドページに投稿されているコンテンツの属性をソーシャルネットワーキングシステムユーザのユーザプロファイルの特徴と併せて使用することにより、ブランドページがアクセスされるときにユーザに提示されるコンテンツを選択する。
【0005】
特許文献1に記載の技術は、ブランドページに投稿された様々なコンテンツがユーザの
関心となる可能性を高め得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-129052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、記者へのインテントセールスにおいては、当該記者への企画書の提供が重要である。当該記者が記事を書くために必要な情報が企画書にまとめられていることにより、当該記者が所望の記事を書く見込みを高め得る。特許文献1の技術は、ユーザプロファイルに基づいてコンテンツを選択し得るに留まり、インテントを示すユーザプロファイルを必ずしも公開していない記者が記事を書くために必要な情報を企画書にまとめることを示していない。よって、特許文献1に記載の技術は、記者に対するインテントセールスを支援する点において、さらなる改良の余地がある。
【0008】
本発明は、係る事情にかんがみてなされたものである。本発明の目的は、記事の企画書等の文書を記者に送るプロセスの自動化等により、記者に対するインテントセールスを支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、いわゆる署名付記事をインターネット上から収集し、署名付記事に基づく大規模言語モデルを用いた処理によって記者のインテントを分析し、当該分析結果に基づく大規模言語モデルを用いた処理によって記事の企画書を生成すること等によって、上記の目的を達成できることを見いだした。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0010】
本発明は、記者を特定する情報が付された記事をインターネット上から収集する記事収集部と、前記記事を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、前記記者が投稿する記事の傾向であるインテントを分析するインテント分析部と、前記インテント分析部によるインテントの分析結果を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、前記記者による記事の作成に寄与する情報を含む文書を生成する文書生成部と、を備える、インテントセールスの支援装置を提供する。
【0011】
本発明は、記事収集部によりインターネット上から収集された署名付記事等を大規模言語モデルで処理することにより、記者が投稿する記事の傾向であるインテントを分析する。そして、本発明の文書生成部は、この分析結果を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、前記記者による記事の作成に寄与する情報を含む文書を生成する。これにより、記事の企画書を記者に送るプロセスのうち、記者が投稿する記事の傾向であるインテント分析と、当該分析に基づく企画書等の生成が自動化される。よって、本発明は、記事の企画書等の文書を記者に送るプロセスの自動化等により、記者に対するインテントセールスを支援できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、記事の企画書等の文書を記者に送るプロセスの自動化等により、記者に対するインテントセールスを支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、インテント分析データベース121の一例である。
図3図3は、企業等データベース122の一例である。
図4図4は、本実施形態の支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図5図5は、図4から続く図である。
図6図6は、図5から続く図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0015】
<システムS>
図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。以下は、本実施形態のシステムSの好ましい態様について、図1を用いてその一例を説明するものである。本実施形態のシステムSは、支援装置1を含んで構成される。支援装置1は、ネットワークNを介して端末Tと通信可能である。
【0016】
〔支援装置1〕
支援装置1は、制御部11、記憶部12、及び通信部13等のハードウェア構成要素によって、図1に示す各ソフトウェア構成要素を実現する。そして、支援装置1は、各ソフトウェア構成要素により、記事の企画書を記者に送るプロセスの自動化等により、記者に対するインテントセールスを支援する支援処理を実行する。支援装置1の種類は、特に限定されない。支援装置1の種類は、例えば、各種のサーバ装置、クラウドサーバ等で良い。
【0017】
[制御部11]
制御部11は、Central Processing Unit(CPU)、Random Access Memory(RAM)、及びRead Only Memory(ROM)等を備える。
【0018】
制御部11は、必要に応じて記憶部12及び/又は通信部13と協働する。そして、制御部11は、支援装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、記事収集部111、インテント分析部112、広告効果測定部113、分析結果管理部114、記者抽出部115、データ取得部116、文書生成部117、文書送信部118、機械学習部119等を実現する。
【0019】
[記憶部12]
記憶部12は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によってデータを非一時的に格納するストレージ部を有する。
【0020】
記憶部12には、マイクロコンピューターで実行されるプログラム、記事収集部111により収集された記事等が格納されている。また、記憶部12には、インテントの分析結果を管理すべく、インテント分析データベース121がさらに格納されていることが好ましい。加えて、記憶部12には、企業等のデータによって例示される記事で扱われることを希望するトピックに関するデータを管理すべく、企業等データベース122がさらに格納されていることが好ましい。
【0021】
記憶部12には、記事のURLから記者を特定することを可能とすべく、記事のURLと記者の名前又は筆名とを関連付けたデータがさらに格納されていることが好ましい。生成された文書に対するフィードバックの収集・活用を可能とすべく、記憶部12には、本実施形態の支援装置1で生成された文書の受取人からのフィードバックがさらに格納されていることが好ましい。記者及び/又は当該記者が記事を掲載するメディアに対応するフォーマットでの文書生成を可能とすべく、記憶部12には、記者及び/又は当該記者が記事を掲載するメディアとフォーマットとの関連付けがさらに格納されていることが好ましい。記憶部12には、記者それぞれについて、当該記者に連絡する手段であるチャネルの情報が格納されていることが好ましい。
【0022】
(インテント分析データベース121)
記憶部12には、インテントの分析結果が格納されるデータベースであるインテント分析データベース121が格納されていることが好ましい。インテント分析データベース121には、記者と、当該記者が投稿する記事の傾向であるインテントについて、その分析結果とを関連付けたデータが格納される。インテント分析データベース121は、分析結果管理部114により管理される。
【0023】
インテントは、トピック、キーワード、センチメント、サブトピック、関心の時系列、報道スタイル等を含む。トピックは、記事の主要なテーマ、トピック等である。キーワードは、記事における重要な単語、フレーズ等である。センチメントは、記事のトーン、感情傾向等である。サブトピックは、主要トピック内の細かいカテゴリを示すものである。関心の時系列は、時間を通じてのトピック、関心等の変化を示すデータである。報道スタイルは、例えば、客観的報道、意見記事、調査報道等の報道に係るスタイルである。
【0024】
データ管理を容易にすべく、上述のデータは、分析結果を特定する分析結果IDと関連付けられて格納されることが好ましい。分析結果は、記事の影響力の分析結果、記事に係る読者のエンゲージメントの分析結果、記事のトレンド・パターンの識別結果、関連記事との比較結果等によって例示される記事と関連する各種情報の1以上を含むことが好ましい。記事の影響力は、記事の影響力、記事の閲覧を示すいわゆるリーチに係る評価等を含む。エンゲージメントの分析結果は、エンゲージメントの測定結果、記事に対する読者の反応の分析結果等を含む。記事のトレンド・パターンの識別結果は、記事に係る現在および過去のトレンド・パターン等の分析結果を含む。関連記事との比較結果は、類似のトピックを扱った他の記事との比較分析結果等を含む。
【0025】
図2は、インテント分析データベース121の一例である。当該例は、分析結果ID「A0001」「A0002」及び「A0003」と関連付けられたインテントの分析結果に係るデータを含む。
【0026】
分析結果ID「A0001」に係るデータは、記者「K川記者」について、当該記者のインテントの分析結果である、トピック「生活」、キーワード「ライフスタイル、行事、料理」、センチメント「穏やか」、サブトピック「ライフスタイル、料理」、関心の時系列「・・・」、報道スタイル「調査報道」等を含む。また、分析結果ID「A0001」に係るデータは、記事と関連する各種情報として、記事の影響力の分析結果「△△△△△誌編集長」、記事に係る読者のエンゲージメントの分析結果「△△万エンゲージメント」、記事のトレンド・パターンの識別結果「・・・」、関連記事との比較結果「・・・」等を含む。
【0027】
分析結果ID「A0002」に係るデータは、記者「S水記者」について、当該記者のインテントの分析結果である、トピック「犯罪」、キーワード「刑事事件、真犯人、不祥事、冤罪」、センチメント「客観的、義憤」、サブトピック「・・・」、関心の時系列「・・・」、報道スタイル「調査報道」等を含む。また、分析結果ID「A0002」に係るデータは、記事と関連する各種情報として、記事の影響力の分析結果「ギャラクシー賞等受賞」、記事に係る読者のエンゲージメントの分析結果「△△△万エンゲージメント」、記事のトレンド・パターンの識別結果「・・・」、関連記事との比較結果「・・・」等を含む。
【0028】
分析結果ID「A0003」に係るデータは、記者「T崎記者」について、当該記者のインテントの分析結果である、トピック「社会」、キーワード「新型コロナウイルス、PCR検査」、センチメント「主観的、扇動的」、サブトピック「新型コロナウイルス」、関心の時系列「・・・」、報道スタイル「発表報道」等を含む。また、分析結果ID「A0003」に係るデータは、記事と関連する各種情報として、記事の影響力の分析結果「・・・」、記事に係る読者のエンゲージメントの分析結果「△△万エンゲージメント」、記事のトレンド・パターンの識別結果「・・・」、関連記事との比較結果「・・・」等を含む。
【0029】
インテント分析データベース121に上述のデータが格納されることにより、支援装置1は、例えば、トピック「和食」に係る記事の情報提供先として、記者「K川記者」を抽出できる。そして、支援装置1は、調査報道を行う当該記者に向けて、当該トピックに係る調査を行う際に参考になる各種情報が盛り込まれた文書を生成できる。
【0030】
(企業等データベース122)
記憶部12には、記事で扱われることを希望するトピックに関するデータが格納されるデータベースである企業等データベース122が格納されていることが好ましい。企業等データベース122には、記事で扱われることを希望するトピックが、当該トピックに関するデータであるトピックデータと関連付けられて格納される。企業等データベース122に格納されたデータは、データ取得部116により取得される。トピックは、例えば、特定の企業、特定の商品、特定の役務等である。
【0031】
トピックデータは、例えば、企業情報等を含む。企業情報は、例えば、企業等の特性(企業特性)、当該企業等の業界トレンドへの対応、当該企業等に係るストーリー、当該企業等に係るキャンペーン・イベント、当該企業等が提供する製品・サービスの特徴、当該企業等の経営陣のインサイト、当該企業等による社会的責任の取り組み、当該企業等による技術革新、当該企業等による成功事例、当該企業等における将来計画の展望等を含む。データ管理を容易にすべく、上述のデータは、トピックを特定するトピックIDと関連付けられて格納されることが好ましい。
【0032】
図3は、企業等データベース122の一例である。当該例は、トピックID「T0001」等と関連付けられたトピックに関するデータを含む。
【0033】
トピックID「T0001」に係るデータは、トピック「和食レストランチェーン△△」に関するトピックデータを含む。当該トピックデータは、企業特性「東京都内を中心に展開」、業界トレンドへの対応「サステナビリティと地産地消」、ストーリー「創業以来、和食の伝統を守りつつ、新しい料理の創出にも挑戦・・・」、キャンペーン・イベント「季節ごとの特別メニュー・・・」、製品・サービスの特徴「多様なメニューと高品質なサービス」、経営陣のインサイト「持続可能なビジネスモデルの追求」、社会的責任の取り組み「地域社会への貢献と教育支援」、技術革新「デジタル化と効率化」、成功事例「都心部だけでなく郊外への出店拡大に成功し・・・」、将来計画の展望「国内外への展開・・・」を含む。
【0034】
企業等データベース122に上述のデータが格納されることにより、支援装置1は、例えば、トピック「和食レストランチェーン△△」について、記者が記事の作成に活用するデータである対象データを取得できる。そして、支援装置1は、当該対象データに基づいて生成された文書を記者に提供できる。これにより、支援装置1は、当該記者が当該対象データに基づいた記事を書く見込みを増し得る。
【0035】
[通信部13]
通信部13は、支援装置1をネットワークNに接続して端末T等と通信可能にするものであれば特に限定されない。通信部13として、例えば、イーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0036】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、支援装置1及び端末T等を互いに通信可能にするものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0037】
〔端末T〕
端末Tの種類は、特に限定されない。端末Tは、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。
【0038】
〔支援処理のメインフローチャート〕
図4は、本実施形態の支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。図5は、図4から続く図である。図6は、図5から続く図である。以下は、本実施形態の支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例について、図4から図6を用いて説明するものである。
【0039】
まず、支援装置1は、支援処理の一部として、記者を特定する情報が付された記事をインターネット上から収集する一連の処理を実行する。ステップS1からステップS2は、当該処理の一例である。当該処理における収集の対象が「記者を特定する情報が付された記事」であるため、支援装置1は、収集された記事に基づいて、記者の興味・関心、すなわち、記者のインテントを分析できる。
【0040】
[ステップS1:記事を収集するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、記事収集部111を実行する。そして、制御部11は、記事収集部111により、記者を特定する情報が付された記事をインターネット上から収集するか判別する処理を実行する(ステップS1、記事収集判別ステップ)。収集すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS2に移す。収集すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS7に移す。
【0041】
[ステップS2:記事を収集]
制御部11は、記事収集部111により、記者を特定する情報が付された記事をインターネット上から収集する処理を実行する(ステップS2、記事収集ステップ)。制御部11は、処理をステップS3に移す。
【0042】
当該ステップにおける「記者を特定する情報」は、例えば、署名付記事に含まれる記者の署名、記事のURLに基づいて判別される記者の名前又は筆名、記事のメタデータに含まれるAuthorフィールドに格納された記者の名前又は筆名等によって例示される、記事に付された情報であって記者の特定に利用できる各種の情報である。
【0043】
[ステップS3:インテントを分析]
制御部11は、記事収集部111により、記事収集ステップで収集された記事を入力とする処理によって、当該記事に係る記者が投稿する記事の傾向であるインテントを分析する処理を実行する(ステップS3、インテント分析ステップ)。制御部11は、処理をステップS4に移す。
【0044】
インテント分析ステップにおけるインテントを分析する処理は、特に限定されない。当該処理は、外部から受信した分析データを参照する手順を含んでもよい。当該処理は、記事収集ステップで収集された記事を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、当該記事に係る記者が投稿する記事の傾向であるインテントを分析する処理を含むことが好ましい。当該処理は、例えば、トピック、キーワード、センチメント、サブトピック、関心の時系列、報道スタイル等によって例示されるインテントを構成する各要素を尋ねるプロンプトと、インテントの分析対象となる記事とを大規模言語モデルに入力する手順により実現される。このとき、大規模言語モデルは、インテントの分析に係るファインチューニング・事前学習等の前処理が行われていることが好ましい。当該前処理は、例えば、記事とインテントを構成する要素と当該要素に係る分析結果の例示とを関連付けた学習データにより行われる。
【0045】
これにより、支援装置1は、記事の主要なテーマ・トピックを特定するトピック識別、重要な単語・フレーズを識別するキーワード識別、記事のトーン・感情傾向を分析するセンチメント分析、主要トピック内の細かいカテゴリを特定するサブトピック分析、時間を通じてのトピック・関心の変化を追跡する関心の時系列分析、客観的報道、意見記事、調査報道などのスタイルを特定する報道スタイルの識別を実現できる。
【0046】
その他、インテント分析ステップは、記者のインテントに係る現在・過去のトレンド・パターンの分析、類似のトピックを扱った他の記事との比較分析を行う処理を含むことが好ましい。当該処理は、インテント分析データベース121に格納されたインテントの時系列データ、記憶部12に格納された他の記事のデータ等を用いて実現される。また、インテント分析ステップは、記者により用いられる言語の分析、記者に好まれる言葉遣いの分析を行う処理を含むことが好ましい。
【0047】
支援装置1は、支援処理の一部として、広告効果を測定する一連の処理を実行することが好ましい。ステップS4からステップS5は、当該処理の一例である。当該処理により、支援装置1は、記事の影響力、リーチ、エンゲージメントの評価等によって例示される広告効果を測定し、影響力等の広告効果に基づいて記者を抽出できる。
【0048】
[ステップS4:広告効果を測定するか判別]
制御部11は、記憶部12と協働して、広告効果測定部113を実行する。そして、制御部11は、広告効果測定部113により、インテント分析ステップに係る記者が作成した記事に係る広告効果を測定するか判別する処理を実行する(ステップS4、広告効果測定判別ステップ)。測定すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS5に移す。測定すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS6に移す。
【0049】
[ステップS5:広告効果を測定]
制御部11は、広告効果測定部113により、インテント分析ステップに係る記者が作成した記事に係る広告効果を測定する処理を実行する(ステップS5、広告効果測定ステップ)。制御部11は、処理をステップS6に移す。
【0050】
広告効果測定ステップに係る測定は、特に限定されない。当該測定は、例えば、記事の影響力に係る各種情報をインターネット上から収集し、収集された情報に基づいて影響力を測定する手順等を含む。記事の影響力に係る各種情報は、例えば、記事の閲覧数、記事へのコメント数、記者の受賞歴、記者の知名度、記事のエンゲージメント等を含む。
【0051】
支援装置1は、支援処理の一部として、インテントの分析結果等を管理する処理を実行することが好ましい。ステップS6は、当該処理の一例である。これにより、支援装置1は、インテントの分析結果等を用いたインテント・マーケティングを支援できる。
【0052】
[ステップS6:分析結果を格納]
制御部11は、記憶部12と協働して、分析結果管理部114を実行する。そして、制御部11は、分析結果管理部114により、インテント分析ステップに係る分析結果をインテント分析データベース121に格納する処理を実行する(ステップS6、分析結果管理ステップ)。制御部11は、処理をステップS7に移す。
【0053】
また、広告効果測定ステップが行われた場合、分析結果管理ステップは、広告効果測定ステップに係る測定結果をインテント分析データベース121に格納する処理を実行する。
【0054】
支援装置1は、支援処理の一部として、インテントの分析結果等に基づいて記者による記事の作成に寄与する情報を含む文書を生成する処理を実行する。ステップS7からステップS11は、当該処理の一例である。
【0055】
[ステップS7:文書生成の指示があったか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、文書生成の指示があったか判別する処理を実行する(ステップS7、文書生成判別ステップ)。指示があったと判別したならば、制御部11は、処理をステップS8に移す。指示がなかったと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS14に移す。当該判別は、例えば、端末Tから文書生成の指示を受信した場合に指示があったと判別する手順等を含む。
【0056】
[ステップS8:記者を抽出]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、記者抽出部115を実行する。そして、制御部11は、記者抽出部115により、文書生成判別ステップに係る指示において生成された文書の提供先となる記者を抽出する処理を実行する(ステップS8、記者抽出ステップ)。制御部11は、処理をステップS9に移す。
【0057】
記者抽出ステップは、文書生成判別ステップに係る指示から指定された記者を抽出する手順、インテントの分析結果を用いて記者を抽出する手順等を含む。インテントの分析結果を用いて記者を抽出する手順は、例えば、記事で扱われることを希望するトピックをインテント分析ステップに係る分析結果と比較することにより、トピックと関連する記者を抽出する手順を含む。これにより、支援装置1は、インテントがトピックと関連する記者を抽出し、記事の作成に寄与する情報を含む文書を当該記者に提供できる。
【0058】
広告効果に基づいて記者を抽出する手順は、広告効果に基づいて記者を抽出する手順をさらに含むことが好ましい。広告効果に基づいて記者を抽出する手順は、例えば、複数の記者から、記事で扱われることを希望するトピックと関連する記者のうち、広告効果が所与の条件を満たす記者を抽出する手順を含む。これにより、支援装置1は、インテントがトピックと関連する記者の中から、影響力、エンゲージメント等の広告効果が高い記者等の所望の条件を満たす記者を抽出し、記事の作成に寄与する情報を含む文書を当該記者に提供できる。
【0059】
支援装置1は、支援処理の一部として、トピックに関するデータを取得する一連の処理を実行することが好ましい。ステップS9からステップS10は、当該処理の一例である。当該処理により、支援装置1は、トピックに関するデータのうち、記者が記事の作成に活用するデータである対象データを企業等データベース122等のデータベースから取得し、取得された対象データを入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、記者に提供する文書を生成できる。よって、支援装置1は、記事の作成に寄与する情報がより充実した文書を記者に提供できる。
【0060】
[データ準備ステップ]
上述の一連の処理が実行される場合、記事で扱われることを希望するトピックに関するデータが企業等データベース122に予め格納されるようにすべく、支援処理は、当該トピックに係るデータを収集し、企業等データベース122に格納するデータ準備ステップを含むことが好ましい。
【0061】
[ステップS9:トピックに関するデータを取得するか判別]
制御部11は、記憶部12と協働して、データ取得部116を実行する。そして、制御部11は、データ取得部116により、記事で扱われることを希望するトピックに関するデータを取得するか判別する処理を実行する(ステップS9、データ取得判別ステップ)。取得すると判別した場合、制御部11は、処理をステップS10に移す。取得すると判別しなかった場合、制御部11は、処理をステップS11に移す。
【0062】
データ取得判別ステップにおける判別の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、企業等データベース122等のデータベースに記事で扱われることを希望するトピックに関するデータが予め格納されている場合に、当該データを取得すると判別する手順を含む。
【0063】
[ステップS10:トピックに関するデータを取得]
制御部11は、データ取得部116により、記事で扱われることを希望するトピックに関するデータのうち、記者抽出ステップで抽出された記者が記事の作成に活用するデータである対象データを企業等データベース122等のデータベースから取得する処理を実行する(ステップS10、データ取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS11に移す。
【0064】
データ取得ステップにおける取得の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、インテントの分析結果に基づいて対象データを取得するクエリを生成し、当該クエリを用いて対象データを取得する手順を含む。大規模言語モデルが当該生成に係る事前学習等が行われたものである場合、クエリの生成は、そのような大規模言語モデルを用いて行われてもよい。
【0065】
[ステップS11:文書を生成]
制御部11は、記憶部12と協働して、文書生成部117を実行する。そして、制御部11は、文書生成部117により、少なくとも、インテント分析部112によるインテントの分析結果を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、記者抽出ステップで抽出された記者による記事の作成に寄与する情報を含む文書を生成する処理を実行する(ステップS11、文書生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS12に移す。
【0066】
インテントの分析結果を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理により文書を生成することにより、支援装置1は、記者のインテントに基づいた企画書としての文書の作成、すなわち、ターゲット指向のコンテンツ作成を実現できる。また、これにより、支援装置1は、革新的で魅力的な企画案を提案する文書を生成できる。すなわち、支援装置1は、クリエイティブな提案を含む文書を生成できる。
【0067】
文書生成ステップにおいて文書を生成する手順は、特に限定されない。記事の作成に寄与する情報がより充実した文書を生成すべく、当該手順は、データ取得ステップで取得された対象データを入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、文書を生成する手順を含むことが好ましい。
【0068】
対象データは、例えば、企業等の基本情報、歴史、主要製品、サービス、企業等が属する業界の現状とトレンド、企業等に係る業界内の競合状況、企業等の市場内での立ち位置・影響力、企業等に関連する最新ニュース・イベント、企業等の経営陣すなわち重要な経営者・リーダーのプロファイル、財務状況、収益性、成長性の分析結果、企業等の社会的責任・持続可能性、企業等の技術革新・研究開発の取り組み、公共の場での企業等の評判・ブランドイメージ等の情報及び分析データを含む。これにより、支援装置1は、これら各種の情報及び分析データを用いた説得力のある提案、すなわち、データ駆動型の提案を行う文書を生成できる。また、トピックに係る多様な情報が対象データに含まれることにより、支援装置1は、異なる角度・視点からの提案を含む多様なテーマを探索する文書を生成できる。
【0069】
文書生成ステップが対象データを入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって文書を生成する手順を含む場合、当該手順は、企業等の情報をカスタマイズする手順を含むことが好ましい。カスタマイズの対象は、例えば、企業特性の強調、業界トレンドへの対応、ストーリーテリングの活用、キャンペーン・イベントの紹介、製品・サービスの特徴強調、経営陣のインサイト、社会的責任の取り組み、技術革新の強調、成功事例の提示、将来計画の展望等の各項目である。カスタマイズは、例えば、利用者により強調を指定された項目を強調するカスタマイズ、利用者により取り上げないよう指定された項目を除去するカスタマイズ等を含む。これにより、支援装置1は、利用者の希望に沿ってカスタマイズされた文書を生成できる。
【0070】
記者に合わせた言語で文書を生成すべく、インテントの分析結果が記者により用いられる言語を含む場合、当該手順は、当該言語で文書を生成せよとの指示を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、文書を生成する手順を含むことが好ましい。記者に合わせた言葉遣いで文書を生成すべく、インテントの分析結果が記者に好まれる言葉遣いを含む場合、当該手順は、当該言葉遣いで文書を生成せよとの指示を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、文書を生成する手順を含むことが好ましい。
【0071】
ビジュアル要素が統合されたより魅力的な企画書としての文書を生成すべく、大規模言語モデルが画像データベース及び/又は画像生成ニューラルネットワークと関連付けられている場合、文書生成ステップは、ビジュアルコンテンツを含めた文書を生成する手順を含むことが好ましい。当該手順は、画像データベースの参照及び/又は画像生成ニューラルネットワークを用いた画像生成により実現される。
【0072】
記者の好み、メディアの形式に合わせてカスタマイズされたフォーマットの企画書としての文書を生成すべく、文書生成ステップは、記者及び/又は当該記者が記事を掲載するメディアと関連付けられたフォーマットで文書を生成する手順を含むことが好ましい。当該手順は、例えば、記憶部12に格納された記者及び/又は当該記者が記事を掲載するメディアとフォーマットとの関連付けを参照して実現される。
【0073】
支援装置1は、支援処理の一部として、文書生成ステップで生成された文書を記者に送信する一連の処理を実行することが好ましい。ステップS12からステップS13は、当該処理の一例である。当該処理により、支援装置1は、インテントの分析からインテントセールスに寄与する文書の生成・送信までを一貫して支援し、当該インテントセールスに係る利用者の労力を低減できる。
【0074】
[ステップS12:文書を送信するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、文書送信部118を実行する。そして、制御部11は、文書送信部118により、文書生成ステップで生成された文書を送信するか判別する処理を実行する(ステップS12、文書送信判別ステップ)。送信すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS13に移す。送信すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS14に移す。
【0075】
文書送信判別ステップにおいて文書を送信するか判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、送信に係る利用者の労力を低減すべく、記者抽出ステップで抽出された記者への自動送信が利用者により設定されている場合に文書を送信すると判別する手順を含むことが好ましい。また、当該手順は、不適切な文書が送信されることを防ぐべく、利用者が文書を確認してその送信を許可した場合に文書を送信すると判別する手順等を含むことが好ましい。
【0076】
各種の事情に基づいて定められた配信計画に合わせた送信を行うべく、当該手順は、配信計画において指定されたタイミングである場合に文書を送信すると判別する手順を含むことが好ましい。配信計画は、例えば、記者のインテントに合わせた配信計画、最適な時間に合わせた配信計画等である。
【0077】
[ステップS13:文書を送信]
制御部11は、文書送信部118により、文書生成ステップで生成された文書を記者抽出ステップに係る記者に送信する処理を実行する(ステップS13、文書送信ステップ)。制御部11は、処理をステップS14に移す。
【0078】
文書を送信する手順は、特に限定されない。受取人に応じた手段で文書を送信すべく、文書送信ステップは、メール、ソーシャルメディア、ウェブなど複数のチャネルのうち、記者と関連付けられたチャネルを介して文書を送信する手順を含むことが好ましい。文書の受取人に好ましい印象を与えるべく、文書送信ステップは、受取人に応じたメッセージを添えて文書を送信する手順を含むことが好ましい。受取人に応じたメッセージは、記憶部12に格納されたテンプレートに沿ったメッセージでもよく、受取人である記者のインテント等に基づいて大規模言語モデルが生成したメッセージでもよい。
【0079】
支援装置1は、支援処理の一部として、文書生成ステップで生成された文書の受取人からのフィードバックを収集し、当該フィードバックを改善に活用する一連の処理を実行することが好ましい。ステップS14からステップS16は、当該処理の一例である。当該処理により、支援装置1は、インテントセールスに寄与する文書を受け取った受取人からのフィードバックの収集及びその活用までを一貫して支援できる。
【0080】
[ステップS14:送信した文書へのフィードバックを収集するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、送信した文書へのフィードバックを収集するか判別する処理を実行する(ステップS14、フィードバック収集判別ステップ)。収集すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS15に移す。収集すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS16の処理を繰り返す。
【0081】
フィードバック収集判別ステップにおける判別の手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、フィードバックが受信された場合、フィードバックが記憶部12に格納された場合等にフィードバックを収集すると判別するステップを含む。また、文書送信後の定期的なフィードバック収集を可能とすべく、当該手順は、例えば、文書送信ステップ又は前回のフィードバック収集から所与の時間が経過した場合にフィードバックを収集すると判別するステップを含むことが好ましい。
【0082】
[ステップS15:フィードバックを収集]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、送信した文書へのフィードバックを収集する処理を実行する(ステップS15、フィードバック収集ステップ)。制御部11は、処理をステップS16に移す。
【0083】
[ステップS16:機械学習を実行]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、機械学習部119を実行する。そして、制御部11は、機械学習部119により、文書生成ステップで生成された文書に係るデータ及びフィードバック収集ステップにおいて収集されたフィードバックを含む学習データを用いた機械学習を実行する処理を実行する(ステップS16、機械学習ステップ)。制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS16の処理を繰り返す。
【0084】
大規模言語モデルによる記者のインテントに応じた文書の生成を改善すべく、機械学習ステップは、フィードバックに基づいて修正された文書を目的変数として含み、トピック、記者及び当該記者のインテントを説明変数として含む学習データに基づいて、大規模言語モデルのファインチューニングを行う手順を含むことが好ましい。フィードバックに基づく文書の修正は、人力で行われてもよいが、労力をよりいっそう低減すべく、大規模言語モデルで行われることが好ましい。
【0085】
インテント及びデータベースに格納されたデータに応じた文書の生成をさらに改善すべく、機械学習ステップは、フィードバックに基づいて修正された文書を目的変数として含み、トピック、記者、当該記者のインテント、及び当該トピックに係るデータを説明変数として含む学習データに基づいて、大規模言語モデルのファインチューニングを行う手順を含むことが好ましい。
【0086】
[フォローアップステップ]
文書によるインテントセールスの効果を測るべく、支援処理は、文書送信ステップにおいて送信された文書に基づく記事を自動的にフォローアップするフォローアップステップを含むことが好ましい。当該ステップは、例えば、制御部11が記憶部12及び通信部13と協働して、インターネット上における文書の送付先の記者が書いた記事をクローリングし、大規模言語モデルを用いた処理等によって送信された文書に基づく記事であると判別された場合に、当該記事を自動的にフォローアップする手順等を含む。これにより、支援装置1は、記事の初期配信後の自動フォローアップを行える。
【0087】
[エンゲージメント追跡ステップ]
文書によるインテントセールスの効果を継続的に測るべく、広告効果測定ステップは、文書送信ステップにおいて送信された文書に基づく記事の配信後に係るエンゲージメント・反応を追跡するエンゲージメント追跡ステップを伴うことが好ましい。
【0088】
[レポート生成ステップ]
文書によるインテントセールスの効果を可視化すべく、エンゲージメント追跡ステップが実行される場合、支援処理は、当該追跡結果を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、記事の配信がもたらした効果を分析し、当該分析の結果をまとめたレポートを生成するレポート生成ステップを含むことが好ましい。
【0089】
[コンテンツ更新ステップ]
文書によるインテントセールスの効果を持続的にすべく、支援処理は、エンゲージメント追跡ステップ等において追跡された反応等の各種追跡結果に基づくコンテンツ(記事)の継続的な更新に寄与する文書を生成し、生成された文書を送信するコンテンツ更新ステップを含むことが好ましい。当該生成は、各種追跡結果を入力に含む点を除き、文書生成ステップと同様に実現される。
【0090】
[難読化ステップ]
法的規制に基づくプライバシー保護を遵守すべく、支援処理は、記憶部12に格納された各種データのうちプライバシー保護に係るデータを難読化する難読化ステップを含むことが好ましい。これにより、データ漏出等によってプライバシー保護が不十分となるリスクが低減される。
【0091】
<使用例>
以下は、本実施形態の支援装置1の使用例である。
【0092】
〔データ準備〕
利用者は、記事で扱われることを希望するトピックに関するデータを企業等データベース122が格納されるように作業する。当該作業は、利用者が各種データを直接登録する手順、支援装置1にトピックに係るデータを収集するよう指令する手順等により実施される。
【0093】
〔インテント分析〕
支援装置1は、インターネット上から収集された署名付記事等を大規模言語モデルで処理し、記者が投稿する記事の傾向であるインテントを分析する。そして、支援装置1は、分析結果をインテント分析データベース121に格納する。
【0094】
〔インテントセールスの実行〕
利用者は、トピックを指定し、当該トピックについて、インテントセールスを行うよう支援装置1に指令する。支援装置1は、トピック及び各記者のインテントに基づいて、適切な記者を抽出する。そして、支援装置1は、インテントの分析結果に基づく大規模言語モデルを用いた処理によって、抽出された記者による当該記事の作成に寄与する情報を含む文書を生成する。
【0095】
〔記事の公開〕
支援装置1は、生成された文書を記者に送信する。記者は、当該文書に基づいて記事を作成し、インターネット上で公開する。支援装置1は、当該記事をフォローアップし、当該記事による広告効果を測定する。そして、支援装置1は、当該記事等に基づいて、大規模言語モデルに係る機械学習を行い、次のインテントセールスに向けて、結果をフィードバックさせる。
【0096】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
S システム
1 支援装置
11 制御部
111 記事収集部
112 インテント分析部
113 広告効果測定部
114 分析結果管理部
115 記者抽出部
116 データ取得部
117 文書生成部
118 文書送信部
119 機械学習部
12 記憶部
121 インテント分析データベース
122 企業等データベース
13 通信部
N ネットワーク
T 端末
【要約】
【課題】記事の企画書等の文書を記者に送るプロセスの自動化等により、記者に対するインテントセールスを支援すること。
【解決手段】本発明のインテントセールスの支援装置1は、記者を特定する情報が付された記事をインターネット上から収集する記事収集部111と、収集された記事を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、各記者が投稿する記事の傾向であるインテントを分析するインテント分析部112と、インテント分析部112によるインテントの分析結果を入力に含む大規模言語モデルを用いた処理によって、記者による記事の作成に寄与する情報を含む文書を生成する文書生成部117と、を備える。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6