IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オキサイドの特許一覧

特許7522560単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料
<>
  • 特許-単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料 図1
  • 特許-単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料 図2
  • 特許-単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料 図3
  • 特許-単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料 図4
  • 特許-単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料 図5
  • 特許-単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料 図6
  • 特許-単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料 図7
  • 特許-単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料 図8
  • 特許-単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料 図9
  • 特許-単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料 図10
  • 特許-単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料 図11
  • 特許-単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】単結晶インゴットの育成方法及び単結晶試料
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/34 20060101AFI20240718BHJP
   C30B 15/20 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
C30B29/34 Z
C30B15/20
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020027366
(22)【出願日】2020-02-20
(65)【公開番号】P2021130593
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2023-01-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 発行日 平成31年2月25日 刊行物 第66回 応用物理学会春季学術講演会予稿集(Czochralski法によるCe:GPS単結晶の育成と評価) 〔刊行物等〕 開催日 平成31年3月11日 集会名、開催場所 第66回 応用物理学会春季学術講演会 東京工業大学 大岡山キャンパス
(73)【特許権者】
【識別番号】503098724
【氏名又は名称】株式会社オキサイド
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(72)【発明者】
【氏名】長尾 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】竹川 俊二
(72)【発明者】
【氏名】安齋 裕
(72)【発明者】
【氏名】石橋 浩之
【審査官】宮崎 園子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105969354(CN,A)
【文献】特開2015-151535(JP,A)
【文献】特開2017-036160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 29/34
C30B 15/20
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される組成を有する単結晶の育成方法であって、
溶融法に基づき前記単結晶の原料をるつぼ内で溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、
前記溶融液に種結晶の少なくとも一部を浸漬し、前記種結晶を浸漬した前記溶融液を冷却固化させることにより、前記種結晶の結晶面方位に沿って結晶を育成して単結晶インゴットを得る冷却固化工程と、を備え、
前記溶融法が回転式引き上げ法であり、引き上げ速度が0.3mm/h未満であ
前記回転式引き上げ法における前記種結晶の回転速度が0.5~9rpmであり、前記るつぼの回転速度が1~6rpmである、単結晶インゴットの育成方法。
(A1-xSi・・・(1)
[式(1)中、AはGdであり、BはY、La及びGdを除く希土類元素からなる群より選択される少なくとも1種であり、xは0.005<x<0.30を満たす。]
【請求項2】
前記式(1)中、BがCeである、請求項1に記載の育成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線、γ線等の放射線を検出するために用いられる単結晶インゴットの育成方法、及び当該育成方法により得られる単結晶試料に関する。
【背景技術】
【0002】
GdSi系の単結晶(以下、「GPS単結晶」と称する場合がある。)を放射線検出用途に用いると、GdSiO系の単結晶(以下、「GSO単結晶」と称する場合がある。)と比較して、遙かに優れた発光量、温度特性を示すことが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6303146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このように特性の優れたGPS単結晶でも、放射線検出用の単結晶としてこれまでに報告がなされているのは、透明度の高い単結晶として5mm×5mm×5mm程度のサイズのものである。より大きな単結晶試料を切り出そうとすると、クラック及び気泡等が内包され易くなり、全体として透過率の低い単結晶試料が得られ易くなる傾向がある。
【0005】
石油掘削等の現場において、信号強度が小さく、高温環境(150~250℃程度)にて検出器として使用するには、直径1インチ×長さ2インチ程度の検出素子(単結晶試料)が採取できる単結晶インゴットを育成する技術が必要となるが、このサイズで実用上必要な無色透明な単結晶インゴットが得られたという報告はなされていない。
【0006】
そこで本発明は、従来に比べて包有物が低減されており、発光量が高く、放射線検出用途として実用上必要な寸法を有する単結晶インゴットを育成するための、新たな単結晶インゴットの育成方法を提供することを目的とする。本発明はまた、当該育成方法により得られる単結晶試料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記一般式(1)で表される組成を有する単結晶インゴットの育成方法を提供する。
(A1-xSi・・・(1)
[式(1)中、AはY、La及びGdからなる群より選択される少なくとも1種であり、BはY、La及びGdを除く希土類元素からなる群より選択される少なくとも1種であり、xは0.005<x<0.30を満たす。]
本発明の育成方法は、溶融法に基づき単結晶の原料をるつぼ内で溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、溶融液に種結晶の少なくとも一部を浸漬し、種結晶を浸漬した溶融液を冷却固化させることにより、種結晶の結晶面に沿って結晶を育成して単結晶インゴットを得る冷却固化工程と、を備え、溶融法が回転式引き上げ法であり、引き上げ速度が0.3mm/h未満である、育成方法である。
【0008】
本発明の育成方法により、従来に比べて包有物が低減されており、発光量とエネルギー分解能が高く、放射線検出用途として必要な寸法を有する単結晶試料を得ることができる。
【0009】
本発明の育成方法において、上記式(1)中、BがCeであることが好ましく、また、上記式(1)中、AがGdであることが好ましい。これにより、発光量をより高めることができる。
【0010】
本発明の育成方法において、回転式引き上げ法における種結晶の回転速度が0.5~9rpmであり、るつぼの回転速度が1~6rpmであることが好ましい。これにより、発光量とエネルギー分解能をより高めることができる。
【0011】
本発明は、下記一般式(1)で表される組成を有し、厚みが12mmのときの、波長600nmの光に対する厚み方向の透過率が75%以上である、単結晶試料を提供する。
(A1-xSi・・・(1)
[式(1)中、AはY、La及びGdからなる群より選択される少なくとも1種であり、BはY、La及びGdを除く希土類元素からなる群より選択される少なくとも1種であり、xは0.005<x<0.30を満たす。]
【0012】
本発明の単結晶試料は、従来に比べて包有物が低減されており、発光量とエネルギー分解能が高く、放射線検出用途として必要な寸法を有している。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来に比べて包有物が低減されており、発光量とエネルギー分解能が高く、放射線検出用途として実用上必要な寸法及び形状(例えば、いずれか一辺の長さが12mm以上の直方体や、直径が12mm以上かつ長さが12mm以上の円柱)を有する単結晶試料を得られる単結晶インゴットを育成するための、新たな単結晶インゴットの育成方法を提供することができる。また、本発明によれば、多結晶部分、小さな粒界、クラック等の見られない、無色透明な良質な単結晶試料を提供することができる。そのような単結晶試料はすなわち、従来に比べて包有物が低減されており、発光量とエネルギー分解能が高く、放射線検出用途として実用上必要な寸法を有する単結晶試料であると言える。
【0014】
なお、本発明の単結晶試料は、室温から高温にかけての幅広い温度範囲で優れた検出特性を有している。そのような単結晶試料であれば、従来の放射線検出器では不可能であった、室温から高温環境にかけての高精度の放射線検出を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、結晶育成装置の基本構成の一例を示す模式断面図である。
図2図2は、実施例1にて得られた単結晶インゴットの外観写真である。
図3図3は、実施例1にて得られた単結晶のXRD回折パターンを示す図である。
図4図4は、実施例1にて得られた単結晶試料の外観写真である。
図5図5は、単結晶試料のパルス波高スペクトルを示す図である。
図6図6は、単結晶試料の透過率曲線を示す図である。
図7図7は、実施例4にて得られた単結晶インゴットの外観写真である。
図8図8は、実施例5にて得られた単結晶インゴットの外観写真である。
図9図9は、実施例5にて得られた単結晶インゴット内部の包有物及びその分布を示す図である。
図10図10は、比較例1にて得られた単結晶インゴット内部の包有物及びその分布を示す図である。
図11図11は、比較例3にて得られた単結晶インゴットの外観写真である。
図12図12は、引き上げ速度と波長600nmの光に対する平均透過率との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0017】
[単結晶試料]
本発明の好適な実施形態に係る単結晶試料は、下記一般式(1)で表される組成を有する。
(A1-xSi・・・(1)
式(1)中、AはY、La及びGdからなる群より選択される少なくとも1種であり、BはY、La及びGdを除く希土類元素からなる群より選択される少なくとも1種であり、xは0.005<x<0.30を満たす。
【0018】
ここで、上記式中、高い発光量を得易いという観点から、Aは結晶中で着色しない元素であることが好ましく、Gdであることがより好ましい。同様の観点から、Bは発光効率の高い元素であることが好ましく、Ceであることがより好ましい。なお、無色透明で欠陥の少ない良質な単結晶試料を得易いという観点から、xは、0.005<x<0.30であることが好ましく、0.01<x<0.10であることがより好ましく、0.015<x<0.05であることがさらに好ましく、0.015<x<0.03であることが極めて好ましい。
【0019】
このような単結晶試料は、放射線の入射により蛍光を発するため、放射線検出用途、すなわちシンチレータ用途に活用することができる。本実施形態の単結晶試料では、蛍光の強度スペクトルにおいて、最大ピーク波長が430nm周辺に観察される。
【0020】
ここで、「放射線」とは、原子あるいは分子をイオン化させるのに十分なエネルギーをもった粒子線や電磁波(α線、β線、γ線、X線等)を示す。
【0021】
本実施形態の単結晶試料は、室温(25℃)~高温(300℃)において好適な発光特性を有している。特に高温領域における発光特性に優れており、例えば、本実施形態の単結晶に対して662keVのγ線を照射したときの、150℃における発光量を室温における発光量より高くすることができる。同様に、662keVのγ線を照射したときの、200℃における発光量を室温における発光量より高くすることができる。高温領域の発光特性は、単結晶試料の組成を適宜変更することにより調整することができる。このように、本実施形態の単結晶試料は、室温から高温にかけての幅広い温度範囲において好適に用いることができる。
【0022】
本実施形態の単結晶試料は、放射線検出用途としての実用上必要な寸法であっても、極めて優れた透過率を備えている。例えば、単結晶インゴットを、厚みが12mmとなるように切り出したサンプルにおいて、波長600nmの光に対する厚み方向の透過率(25℃)を75%以上とすることができる。同透過率(25℃)は、80%以上であってよい。同透過率の理想的な上限値は結晶の屈折率を考慮すると85%である。単結晶試料の透過率は、例えばU4100 Spectrophotometer(日立ハイテクサイエンス株式会社製)を用いて測定することができる。
【0023】
切り出されたサンプルの寸法及び形状は、例えば放射線検出用途としての実用上必要な寸法及び形状であれば特に制限されない。例えば、いずれか一辺の長さが12mm以上、好ましくは25mm以上である直方体や立方体、直径が12mm以上、好ましくは25mm以上でありかつ長さが12mm以上、好ましくは25mm以上の円柱等が挙げられる。このような寸法及び形状を有するサンプル(単結晶試料)であれば十分な性能を示すが、これ以下の寸法やこれ以外の形状での使用を制限するものではない。
【0024】
透過率に優れる本実施形態の単結晶試料は、例えば直径が12mmであり長さが12mmである円柱状のサンプルとしたとき、662keVのγ線に対するエネルギー分解能を7%以下とすることができる。すなわち、当該サンプルを用いることで、極めて高精度の放射線検出能を実現することが可能である。同エネルギー分解能は、6%以下又は5%以下であってよい。エネルギー分解能は、例えばUniversal Computer Spectrometer UCS30(Spectrum Technique製)を用いて測定することができる。
【0025】
<単結晶インゴットの育成方法>
本実施形態の単結晶インゴットの育成方法は、上記一般式(1)で表される組成を有する単結晶の育成方法である。当該育成方法は、溶融法に基づき単結晶の原料をるつぼ内で溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、溶融液に種結晶の少なくとも一部を浸漬し、種結晶を浸漬した溶融液を冷却固化させることにより、種結晶の所定の結晶面方位に沿って結晶を育成して単結晶インゴットを得る冷却固化工程と、を少なくとも備える。当該育成方法は、得られた単結晶インゴットを所望の形状及び大きさに切り出す切断工程をさらに有してよい。
【0026】
(溶融工程)
結晶性のよい単結晶インゴットをより確実に得る観点から、溶融工程における溶融法はチョクラルスキー法、TSSG法(Top Seeded Solution Growth Method)等の回転式引き上げ法である。具体的には、図1に示されるような構成を有する引き上げ装置10を用いて溶融工程及び冷却固化工程における作業を行うことが好ましい。
【0027】
図1は、結晶製造装置の基本構成の一例を示す模式断面図である。図1に示す引き上げ装置10は、耐火物製の炉本体14と、炉本体14上に設けられる中心に穴の開いた耐火物製の蓋13を備えている。この炉本体14は、先に述べた溶融工程及び冷却固化工程における作業を連続的に行うためのものである。また、耐火物製の蓋13は育成する単結晶インゴットのクラックを防止するために、単結晶インゴット周囲の温度勾配を調整するために使用する。
【0028】
この炉本体14は耐火性を有する、側壁が筒状の有底容器である。有底容器の形状自体は公知の回転式引き上げ法に基づく結晶製造に使用されるものと同様である。この炉本体14の底部の外側面には高周波誘導コイル15が巻回されている。そして、炉本体14の内部の底面上には、るつぼ17(例えば、Ir(イリジウム)製のるつぼ)が配置されている。このるつぼ17は、高周波誘導加熱ヒーターを兼ねている。るつぼ17中に、単結晶インゴットの原料を投入し、高周波誘導コイル15に高周波電流を流すと、発生する誘導電流によりるつぼ17が加熱され、単結晶インゴットの原料が溶融状態となった溶融液18がるつぼ17内に得られる。
【0029】
炉本体14の底部中央には貫通孔(図示せず)が設けられており、この孔に外部からるつぼ支持棒16が挿入されている。このるつぼ支持棒16を回転させることにより、炉本体14中において、るつぼ17を回転させることができる。引き上げ装置10は気密性の容器(図示せず)により大気から隔離され、育成雰囲気は大気より保護される。
【0030】
次に、引き上げ装置10を用いたより具体的な製造方法について説明する。なお、後述する工程において、単結晶インゴット育成時のるつぼの回転速度、引き上げ棒の回転速度、引き上げ速さ、育成雰囲気、炉本体の構造等を変更することで、得られる単結晶の透過率等の特性を調整することが可能である。
【0031】
溶融工程では、るつぼ17中に、単結晶インゴットの各原料を所望の結晶組成が得られるように投入し、高周波誘導コイル15に高周波電流を流すことによりるつぼ17を加熱し、単結晶インゴットの構成材料からなる溶融液18を得る。単結晶インゴットの各原料としては、上記一般式(1)で表される組成を有する単結晶インゴットが得られるものであれば特に限定されず、例えば、単結晶インゴットを構成するY、La、Gd、Ce等の希土類元素の単独酸化物、Siの単独酸化物などを用いることができる。なお、結晶組成に準じた原料組成にて単結晶インゴットを育成しようとすると、初晶にアパタイト型化合物が析出する場合があるため、溶融組成を変えて晶析実験を繰り返し、育成原料組成を決定することが好ましい。
【0032】
(冷却固化工程)
次に、冷却固化工程において溶融液を冷却固化させることにより、単結晶インゴット1を得る。冷却固化工程は、後述する育成工程と、冷却工程の2つの工程に分けて作業が進行する。
【0033】
育成工程では、炉本体14の上部から、種結晶2を下部先端に固定した引き上げ棒12を溶融液18中に浸漬する。次いで、引き上げ棒12を引き上げながら、単結晶インゴット1を育成する。このとき、育成工程では、高周波誘導コイル15の高周波出力を調節し、溶融液18から引き上げられる単結晶インゴット1を、その断面が所定の直径となるまで育成する。なお、所望の単結晶インゴットをより確実に得る観点から、単結晶インゴット1の核となる種結晶2は、上記一般式(1)で示されるような単結晶(例えばGPS単結晶等)であることが好ましい。
【0034】
育成工程では、るつぼ支持棒16によりるつぼ17を所定速度(例えば、1~6rpm)で回転させながら、引き上げ棒12により種結晶2をるつぼ17の回転方向とは逆方向に回転させながら引き上げる。両者を逆方向に回転させることにより、結晶析出界面近傍の熱、原子の流れがスムーズになり、結晶内の欠陥が減少する効果がある。種結晶の回転速度は、単結晶インゴットの組成や引き上げ速度(育成速度)に応じて適宜調整することができるが、より優れた単結晶インゴットを得る観点から、0.5~9rpmであることが好ましく、2~6rpmであることがより好ましい。一方、引き上げ速度は、従来に比べて包有物が低減されており、発光量とエネルギー分解能が高く、放射線検出用途として必要な寸法を有する単結晶試料を得る観点から、0.3mm/h未満であり、好ましくは0.25mm/h以下、0.2mm/h以下、0.15mm/h以下、又は0.1mm/h以下であってよい。引き上げ速度の下限は特に限定されないが、コスト及び育成効率の観点から0.01mm/h又は0.05mm/hとすることができる。
【0035】
種結晶の結晶面は、成長させたい結晶方位に応じて適宜選択することができる。当該結晶面は、例えば、<100>、<010>、<001>方位を有することができる。また、本実施形態の育成方法は、単結晶をほぼ任意の方位に育成することができる。したがって、種結晶の結晶面は、上記の<100>、<010>、<001>等の方位から所定角度(例えば10~20度)傾斜した方位を有していてもよい。
【0036】
次に、冷却工程では高周波誘導コイル15の高周波出力を調節し、育成工程後に得られる育成後の単結晶インゴットを冷却する。冷却工程が完了した後、単結晶インゴットを引き上げ装置10から取り出す。
【0037】
(切断工程)
切断工程において、単結晶インゴットから所望の寸法及び形状を有する単結晶試料を切り出す。切り出されたサンプルの寸法及び形状は、上記のとおり例えば放射線検出用途としての実用上必要な寸法及び形状を有することができる。
【0038】
<放射線検出器>
放射線検出器は、このように切り出された単結晶試料と、当該単結晶試料からの発光を検出する光検出装置とを備えている。光検出装置としては、例えばフォトマルH7195(浜松ホトニクス株式会社製)が挙げられる。このような検出器は、本実施形態の単結晶試料を備えていることにより、放射線検出能に優れている。
【0039】
<放射線検出器の使用方法>
本実施形態の単結晶試料は、室温から高温にかけて幅広い温度範囲で優れた発光特性を有する。したがって、例えば従来十分な検出精度を得ることができなかった温度領域(例えば150℃以上、200℃以上、又は300℃以上の環境)において、本実施形態の単結晶試料を備える放射線検出器を好適に使用することができる。
【実施例
【0040】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0041】
[実施例1]:GPS:Ce2.5% 0.1mm/h-<001>の作製と評価
下記一般式(1)において、A=Gd、B=Ce、及びx=0.025の組成、すなわち(Gd0.975Ce0.025Siの組成を有する単結晶試料を得ることを目標に、以下の方法により単結晶インゴットを作製した。
(A1-xSi・・・(1)
【0042】
具体的には、酸化ガドリニウム(Gd、純度4N)、酸化ケイ素(SiO2、純度5N)、及び酸化セリウム(CeO、純度4N)の原料粉末を1000度程度で加熱し、その後の重量減少量から、試薬中における有効成分の真の値を計測し、その値を以て補正し、上記化学式になるように原料を秤量した。上記化合物は分解溶融化合物であり、結晶組成の原料を溶融して上記化合物を育成すると初晶にアパタイト型化合物が析出したため、溶融組成を変えて何回かの晶析実験を行い、育成原料組成を決定した。育成原料組成としては0.32(Gd0.975Ce0.025・0.68Siを選択した。
【0043】
結晶育成には図1に示す結晶育成装置を用いた。上記のとおり秤量した原料を混合機で混合し、成型して1600℃で12時間反応後、育成原料とした。高周波チョクラルスキー炉内に設置したIrるつぼに育成原料を充填し、高周波誘導コイルに高周波電圧を印加して育成原料を融解した。必要に応じて同様の手順を繰り返し、約4400gの育成原料をIrるつぼに充填した。この時の融液の体積はるつぼ体積の75%程度であった。
【0044】
種結晶として、別途引き上げ法で作製したGPS:Ce2.5%の単結晶から<001>方位に切り出したものを準備した。るつぼ中の融液温度を調整して、種結晶を融液に浸漬し、高周波電力を制御することにより温度を調整しながら、種結晶を回転させつつ引き上げた。種結晶の回転速度(回転数)は3rpmとし、るつぼを3rpmで反対方向に回転させた。また、引き上げ速度は0.1mm/hとした。窒素雰囲気中で単結晶インゴットの育成を行った。
【0045】
図2は、実施例1にて得られた単結晶インゴットの外観写真である。得られた単結晶インゴットは、従来課題であったクラック及び白濁のない微黄色透明な良質な結晶であり、寸法は直径が約35mm、長さが約40mmの円柱状であった。
【0046】
[結晶組成の決定]
前述したようにこの結晶は分解溶融する。そのため、溶融原料組成と晶析した結晶の組成は異なる。得られた結晶の一部をICP分析したところ、結晶組成は(Gd0.983Ce0.017Siであった。
【0047】
[結晶構造の同定]
得られた単結晶試料の一部を粉砕し、粉末X線回折法を用いて結晶構造を同定した。X線回折装置としては粉末X線回折装置(株式会社リガク、MiniFlexII)を用い、回折パターンを結晶構造データベース(Joint Committee on Powder Diffraction Standards,JCPDS)と比較することで構造同定を行った。図3は、実施例1にて得られた単結晶試料のXRD回折パターンを示す図である。同定の結果、実施例1にて得られた単結晶試料は斜方晶(空間群Pna21)構造であることが分かった。
【0048】
[発光特性評価]
シンチレータとしての発光特性評価のため、得られた単結晶インゴットから直径12mm長さ12mm程度の円柱状の単結晶試料を切り出し、全面に機械研磨を施した。その後、単結晶試料に対し、アニール炉を用いて窒素雰囲気中1450℃で144時間のアニールを行った。図4は、実施例1にて得られた単結晶試料の外観写真である。図4に示されるように、本試料は多結晶部分、小さな粒界、クラック、包有物等を全く含まない、無色透明な良質な単結晶であることが分かった。得られた単結晶試料を、「GPS 0.1mm/h」という。
【0049】
「GPS 0.1mm/h」のシンチレータ特性の評価を目的に、137Csからの662keVのγ線に対するパルス波高スペクトル測定を行った。光検出器にはフォトマルH7195(浜松ホトニクス株式会社製、製品名)を用い、印加電圧は-1600Vとした。図5は、単結晶試料のパルス波高スペクトルを示す図である。図5には、育成速度の異なる単結晶試料「GPS 0.1mm/h」(実施例1)及び単結晶試料「GPS 0.3mm/h」(比較例1)、並びに比較のために測定した標準試料「GSO standard」のパルス波高スペクトルの測定結果が示されている。
【0050】
発光量に比例した電流信号が光電子増倍管から得られるので、マルチチャンネルアナライザUSC30(Spectrum Techniques,LLC製、製品名)を接続してパルス波高分布を測定し、光電ピーク位置を比較することにより、標準試料に対するシンチレータの発光量の相対評価ができる。また、光電ピークの半値全幅と位置の比がエネルギー分解能となる。単結晶試料「GPS 0.1mm/h」の発光の光電ピーク位置は1440ch、エネルギー分解能は4.4%と非常に優れた結果が得られた。また、標準試料として測定した「GSO standard」のエネルギー分解能は9.4%であるので、「GPS 0.1mm/h」のエネルギー分解能は2倍以上であるという優れた結果を得た。また、比較例1で作製した単結晶試料「GPS 0.3mm/h」では、光電ピーク位置は760ch程度であり、エネルギー分解能は8%程度と「GPS 0.1mm/h」の半分程度であった。単結晶「GPS 0.3mm/h」には結晶中に白濁した包有物が存在するので、それにより発光が阻害されたと考えられる。
【0051】
図5の波高スペクトルからわかるように、「GPS 0.1mm/h」では光電ピークとコンプトンピークとの間の谷となるチャンネル数がゼロに近い。この結果は、「GPS 0.1mm/h」が放射線吸収能に優れる実用的なシンチレータであることを示している。一方、「GPS 0.3mm/h」ではコンプトンピークと光電ピークの距離が近接することにより、その谷が「GPS 0.1mm/h」と比較して高かった。
【0052】
[透過率測定]
試料の透過率は試料内部のクラック、包有物等により非常に大きく影響される。また、クラック、包有物等の存在量は前述の波高スペクトルの値にも大きな影響を与えていることが知られている。したがって、育成した結晶の性能評価に透過率を利用した。
【0053】
得られた単結晶インゴットから、厚みが12mmとなるように単結晶試料を切り出し、両面を鏡面研磨して評価サンプルとし、その透過率を測定した。透過率の測定には、U-4100 Spectrophotometer(日立ハイテクサイエンス株式会社、製品名)を用いた。
【0054】
図6は、単結晶試料の透過率曲線を示す図である。図6には、実施例1にて得られた「GPS 0.1mm/h」の透過率と、比較例1にて得られた「GPS 0.3mm/h」の透過率が示されている。図6から分かるように、「GPS 0.1mm/h」(厚み12mm)は、波長350nm付近に吸収端があり、波長600nmの光に対して約85%と非常に高い透過率を示した。また、透過率は600nmから370nm付近まで直線で変化し、吸収端近傍の370nmにおいても80%以上の透過率を保持しており、非常に良好な吸収特性を示していた。一方、「GPS 0.3mm/h」の透過率は内在する包有物の影響を受け、50%程度であった。また、その透過率曲線は600から500nmまでは直線状に変化しているが、500nmから吸収端までなだらかに透過率が低下していた。
【0055】
[実施例2]GPS:Ce2.5% 0.1mm/h-<100>の作製と評価
種結晶として、別途引き上げ法で作製したGPS:Ceの単結晶から<100>方位に切り出したものを準備したこと以外は、実施例1と実質的に同様にして、単結晶インゴットの育成を行った。得られた単結晶インゴットは、多結晶部分、小さな粒界、クラック、包有物等を含まず、淡黄色透明であり、育成方向に垂直な断面が円形の結晶であった。
【0056】
上記単結晶インゴットから円柱状の単結晶試料を切り出し、実施例1と同様にして透過率を測定した。得られた評価サンプルは、波長350nm付近に吸収端があり、波長600nmの光に対して約85%と非常に高い透過率を示した。
【0057】
[実施例3]GPS:Ce2.5%-0.1mm/h-<010>の作製と評価
種結晶として、別途引き上げ法で作製したGPS:Ceの単結晶から<010>方位に切り出したものを準備したこと以外は、実施例1と実質的に同様にして、単結晶インゴットの育成を行った。得られた単結晶インゴットは、多結晶部分、小さな粒界、クラック、包有物等を含まず、淡黄色透明であり、育成方向に垂直な断面が円形の結晶であった。
【0058】
上記単結晶インゴットから円柱状の単結晶試料を切り出し、実施例1と同様にして透過率を測定した。得られた評価サンプルは、波長350nm付近に吸収端があり、波長600nmの光に対して約84%と非常に高い透過率を示した。
【0059】
[実施例4]GPS:Ce2.5% 0.1mm/h-<010>15度オフの作製と評価
種結晶として、別途引き上げ法で作製したGPS:Ceの単結晶から、<010>方位から<001>軸を回転軸として<010>方位を約15度傾斜させた方位に切り出したものを準備したこと以外は、実施例1と実質的に同様にして、単結晶インゴットの育成を行った。図7は、実施例4にて得られた単結晶インゴットの外観写真である。得られた単結晶インゴットは、多結晶部分、小さな粒界、クラック、包有物等を含まず、淡黄色透明であり、育成方向に垂直な断面が円形の結晶であった。
【0060】
上記単結晶インゴットから円柱状の単結晶試料を切り出し、実施例1と同様にして透過率を測定した。得られた評価サンプルは、波長350nm付近に吸収端があり、波長600nmの光に対して約83%と非常に高い透過率を示した。
【0061】
引き上げ速度を0.1mm/hとした上記例における、波長600nmの光に対する透過率の平均値(平均透過率)は84.1%であり、その標準偏差は0.653であった。この物質の反射による光の伝搬ロスを考慮した透過率が85%程度であること、及び透過率が600~380nm辺りまで直線的に変化していることを考慮すると、上記結果はシンチレータの発光中心波長付近である430nmにおける吸収がほとんどないことを示しており、上記例により得られた単結晶はシンチレータとして用いられる場合に理想的な透過率を持っているといえる。
【0062】
[実施例5]GPS:Ce2.5% 0.2mm/h-<100>の作製と評価
引き上げ速度を0.2mm/hとしたこと以外は、実施例2と実質的に同様にして、単結晶インゴットの育成を行った。図8は、実施例5にて得られた単結晶インゴットの外観写真である。図9は、実施例5にて得られた単結晶インゴット内部の包有物及びその分布を示す図である。図9に示すように、得られた単結晶インゴットは、小さな包有物を僅かに含んでいたが、多結晶部分、小さな粒界、クラック等を含まず、淡黄色透明であり、育成方向に垂直な断面が円形の結晶であった。
【0063】
上記単結晶インゴットから円柱状の単結晶試料を切り出し、実施例1と同様にして透過率を測定した。得られた評価サンプルは、波長350nm付近に吸収端があり、波長600nmの光に対して約79%と高い透過率を示した。
【0064】
[実施例6]GPS:Ce2.5% 0.2mm/h-<001>の作製と評価
引き上げ速度を0.2mm/hとしたこと以外は、実施例1と実質的に同様にして、単結晶インゴットの育成を行った。得られた単結晶インゴットは、小さな包有物を僅かに含んでいたが、多結晶部分、小さな粒界、クラック等を含まず、淡黄色透明であり、育成方向に垂直な断面が円形の結晶であった。
【0065】
上記単結晶インゴットから円柱状の単結晶試料を切り出し、実施例1と同様にして透過率を測定した。得られた評価サンプルは、波長350nm付近に吸収端があり、波長600nmの光に対して約81%と非常に高い透過率を示した。
【0066】
[実施例7]GPS:Ce2.5% 0.2mm/h-<010>の作製と評価
引き上げ速度を0.2mm/hとしたこと以外は、実施例3と実質的に同様にして、単結晶インゴットの育成を行った。得られた単結晶インゴットは、小さな包有物を僅かに含んでいたが、多結晶部分、小さな粒界、クラック等を含まず、淡黄色透明であり、育成方向に垂直な断面が円形の結晶であった。
【0067】
上記単結晶インゴットから円柱状の単結晶試料を切り出し、実施例1と同様にして透過率を測定した。得られた評価サンプルは、波長350nm付近に吸収端があり、波長600nmの光に対して約81%と非常に高い透過率を示した。
【0068】
[実施例8]GPS:Ce2.5% 0.2mm/h-<010>15度オフの作製と評価
引き上げ速度を0.2mm/hとしたこと以外は、実施例4と実質的に同様にして、単結晶インゴットの育成を行った。得られた単結晶インゴットは、小さな包有物を僅かに含んでいたが、多結晶部分、小さな粒界、クラック等を含まず、淡黄色透明であり、育成方向に垂直な断面が円形の結晶であった。
【0069】
上記単結晶インゴットから円柱状の単結晶試料を切り出し、実施例1と同様にして透過率を測定した。得られた評価サンプルは、波長350nm付近に吸収端があり、波長600nmの光に対して約82%と非常に高い透過率を示した。
【0070】
引き上げ速度を0.2mm/hとした上記例における、波長600nmの光に対する透過率の平均値は79.9%であり、その標準偏差は1.88であった。0.2mm/hで育成した結晶では、存在する小さな包有物の量と分布の違いによりやや測定値がばらつき、その影響が標準偏差の値に表れている。
【0071】
[比較例1]GPS:Ce2.5% 0.3mm/h-<001>の作製と評価
引き上げ速度を0.3mm/hとしたこと以外は、実施例1と実質的に同様にして、単結晶インゴットの育成を行った。図10は、比較例1にて得られた単結晶インゴット内部の包有物及びその分布を示す図である。得られた単結晶インゴットには、クラックはないが、白い包有物が結晶軸を中心に分布していた。単結晶インゴットの色は淡黄色透明であり、育成軸と平行に{100}ファセットが表れた。
【0072】
上記単結晶インゴットから円柱状の単結晶試料を切り出し、実施例1と同様にして透過率を測定した。得られた評価サンプルは、波長350nm付近に吸収端があり、波長600nmの光に対する透過率は約71%であった。
【0073】
[比較例2]GPS:Ce2.5% 0.3mm/h-<100>の作製と評価
引き上げ速度を0.3mm/hとしたこと以外は、実施例2と実質的に同様にして、単結晶インゴットの育成を行った。得られた単結晶インゴットには、クラックはないが、白い包有物が育成軸に垂直に層状に分布していた。単結晶インゴットの色は淡黄色透明であり、育成方向に垂直な断面がほぼ円形の結晶であった。
【0074】
上記単結晶インゴットから円柱状の単結晶試料を切り出し、実施例1と同様にして透過率を測定した。得られた評価サンプルは、波長350nm付近に吸収端があり、波長600nmの光に対する透過率は約54%であった。
【0075】
[比較例3]GPS:Ce2.5%0.3mm/h-<010>の作製と評価
引き上げ速度を0.3mm/hとしたこと以外は、実施例3と実質的に同様にして、単結晶インゴットの育成を行った。得られた単結晶インゴットには、クラックはないが、白い包有物が結晶軸を中心に分布していた。単結晶インゴットの色は淡黄色透明で、{100}ファセットが表れた。図11は、比較例3にて得られた単結晶インゴットの外観写真である。同図に示されるように、ファセット面を通して、結晶内部に存在する包有物が観察される。
【0076】
上記単結晶インゴットから円柱状の単結晶試料を切り出し、実施例1と同様にして透過率を測定した。得られた評価サンプルは、波長350nm付近に吸収端があり、波長600nmの光に対する透過率は約29%であった。
【0077】
引き上げ速度を0.3mm/hとした上記例における、波長600nmの光に対する透過率の平均値は51.5%であり、その標準偏差は18.5%であった。引き上げ速度を0.3mm/hとした例では、図10に示すように、結晶中に存在する包有物の分布の程度により、測定値のばらつきが大きくなった。それに従って標準偏差も大きくなった。評価サンプル中には、透過率が10%以下の部分も現れた。引き上げ速度を0.3mm/hとして育成した単結晶インゴットからは、直径12mmかつ長さ12mmの円柱のような大型の単結晶を切り出すことは難しい。
【0078】
図12は、引き上げ速度と波長600nmの光に対する平均透過率との関係を示す図である。図横軸は引き上げ速度、縦軸は各結晶の平均透過率を表す。図中のエラーバーは3σの値を示す。
【符号の説明】
【0079】
1…単結晶インゴット、2…種結晶、10…引き上げ装置、12…引き上げ棒、13…蓋、14…炉本体、15…高周波誘導コイル、16…るつぼ支持棒、17…るつぼ、18…溶融液(融液)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12