(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】データ処理装置、コンピュータプログラムおよびアプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/43 20240101AFI20240718BHJP
【FI】
G06Q50/43
(21)【出願番号】P 2020047523
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2023-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】591069086
【氏名又は名称】パーク二四株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【氏名又は名称】岩田 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100101384
【氏名又は名称】的場 成夫
(72)【発明者】
【氏名】表原 徹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-151494(JP,A)
【文献】特開2019-087168(JP,A)
【文献】特開2018-160914(JP,A)
【文献】特開2019-215710(JP,A)
【文献】特開2014-081724(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0106289(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め会員登録した会員ユーザが登録の際に付与された会員IDに基づいて車両共有サービスに係る車両を当該会員ユーザが利用している場合において、IC運転免許証に関するデータの更新手続きを実行するためのデータ処理装置であって、
IC運転免許証の内部に記録された免許証番号を読み込むための暗証番号の入力を受け付ける暗証番号入力手段と、
その暗証番号入力手段が受け付けた暗証番号に基づいてIC運転免許証から免許証番号を更新後の交付年月日データおよび
有効期限末日とともに読み込むカードリーダと、
そのカードリーダが読み出した免許証番号、更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を前記の会員登録に係る管理サーバへ送信するデータ送信手段と、
を備えたデータ処理装置。
【請求項2】
前記のデータ送信手段は、送信に係るデータを暗号化する暗号化手段を備えた請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
予め会員登録した会員ユーザが登録した運転免許証に関するデータの更新手続きを実行するためのデータ処理装置であって、
会員登録の際に付与された会員IDを格納した会員ユーザに係る携帯媒体(会員用ICカード)から前記の会員IDを読み込む会員ID読み取り手段と、
その会員ID読み取り手段が読み出した会員IDを会員登録に係る管理サーバへ送信する会員ID送信手段と、
その会員ID送信手段が送信した会員IDを受信した管理サーバにおいて当該会員IDに紐付けられた運転免許証に関するデータの更新手続きを受け付ける旨の確認データを受信する確認データ受信手段と、
その確認データ受信手段が受信した確認データに基づいて更新されたIC運転免許証から更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を読み込むデータ読み取り手段と、
そのデータ読み取り手段が読み出した更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を前記の管理サーバへ送信する更新データ送信手段と、
を備えたデータ処理装置。
【請求項4】
予め会員登録した会員ユーザが登録の際に付与された会員IDに基づいて車両共有サービスに係る車両を当該
会員ユーザが利用している場合において、IC運転免許証に関するデータの更新手続きを実行するためのデータ処理装置を制御するコンピュータプログラムであって、
IC運転免許証の内部に記録された免許証番号を読み込むための暗証番号の入力を受け付ける暗証番号入力手順と、
その暗証番号入力手順にて受け付けた暗証番号
に基づいてIC運転免許証から免許証番号を
更新後の交付年月日データおよび有効期限末日とともにカードリーダにて読み込む免許証番号読み出し手順と、
その免許証番号読み出し手順にて読み出した免許証番号、
更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を前記の会員登録に係る管理サーバへ送信するデータ送信手順と、
を前記のデータ処理装置に実行させることとしたコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記のデータ送信手順には、送信に係るデータを暗号化する暗号化手順を含むこととした請求項4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
予め会員登録した会員ユーザが登録した運転免許証に関するデータの更新手続きを実行するためのデータ処理装置を制御するコンピュータプログラムであって、
会員登録の際に付与された会員IDを格納した会員ユーザに係る携帯媒体から前記の会員IDを読み込む会員ID読み取り手順と、
その会員ID読み取り手順にて読み出した会員IDを会員登録に係る管理サーバへ送信する会員ID送信手順と、
その会員ID送信手順にて送信した会員IDを受信した管理サーバにおいて当該会員IDに紐付けられた運転免許証に関するデータの更新手続きを受け付ける旨の確認データを受信する確認データ受信手順と、
その確認データ受信手順が受信した確認データに基づいて更新されたIC運転免許証から更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を読み込むデータ読み取り手順と、
そのデータ読み取り手順にて読み出した更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を前記の管理サーバへ送信する更新データ送信手順と、
を前記のデータ処理装置に実行させることとしたコンピュータプログラム。
【請求項7】
予め会員登録した会員ユーザが登録の際に付与された会員IDに基づいて車両共有サービスに係る車両を当該
会員ユーザが利用している場合において、IC運転免許証に関するデータの更新手続きを実行するための携帯通信端末で実行されるアプリケーションプログラムであって、
そのアプリケーションプログラムは、
運転免許証に関するデータの更新手続きの開始許諾を得るために前記の会員登録に係る管理サーバから許諾データを受信する許諾データ受信手順と、
更新されたIC運転免許証に係る暗証番号の入力を受け付ける暗証番号入力手順と、
その暗証番号入力手順にて受け付けた暗証番号に基づいて前記のIC運転免許証に格納されている免許証番号を更新後の交付年月日データおよび
有効期限末日とともに読み込む免許証番号読み取り手順と、
その免許証番号読み取り手順が読み出した免許証番号、更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を前記の管理サーバへ送信する更新データ送信手順と、
を前記の携帯通信端末に実行させることとした
アプリケーションプログラム。
【請求項8】
前記の更新データ送信手順には、送信に係るデータを暗号化する暗号化手順を含むこととした請求項7に記載の
アプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の会員向けサービス(たとえば、カーシェアリング)における本人確認として、IC運転免許証を使用する場合の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
IC運転免許証による本人確認は、本人から提示された確認者が、IC運転免許証に貼付された顔写真を見た後、確認者が本人へ了解を取った上で運転免許証番号(以下、「免許証番号」と記す)を控える、というやり方が多い。
書類審査においてインターネットを介して本人確認をする場合、審査を受ける本人が審査書類とともにIC運転免許証のスキャンデータを送信し、確認者は書類およびIC運転免許証の氏名住所などのデータとが一致しているかどうか、を確認する、というやり方が多い。
【0003】
カーシェアリングを事業として実施しているサービス業者としては、カーシェアリングの会員登録をしたユーザがシェアリングの対象となるシェアカーへ乗車する際に、サービス業者が発行している会員カードにてシェアカーのドア開閉を可能としている。すなわち、会員カードを携帯しているユーザが会員本人であるという推定に基づいてサービスを運営している。また、IC運転免許証を携帯しているか否かは、ユーザの責任としている。
【0004】
現在のIC運転免許証は、ICチップを内蔵したIC運転免許証となっており、本人が登録した2種類の暗証番号(4桁)とともに、本人を特定するための情報が記録されている。
暗証番号なしに読み出せる情報は、免許証の交付年月日と有効期限末日である。カードリーダを介して一つ目の暗証番号の入力に伴って読み出せる情報は、免許証に記載されている情報、すなわち氏名、住所、免許証番号などである。二つ目の暗証番号を入力することによって読み出せる情報は、本籍地および免許証の顔写真である。
【0005】
特許文献1には、運転免許証に内蔵されたICチップなどに対して、ICカードの認証の際に、情報漏洩をより確実に抑えつつ、容易且つ迅速に暗証番号の入力作業を行える技術が開示されている。
特許文献2には、IDやパスワードを入力せず、予約サイトに表示された表示内容を利用者が検討しなくても、カーシェアリングの車両を予約可能な技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-15623号公報
【文献】特開2016-151982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
運転免許証は、3~5年での更新しなければならない。昨今の法律改正においては、住所変更や改姓によっても免許証を更新できることとなる。会員制のカーシェアリングサービスを提供する事業者としては、会員に係る運転免許証のデータが更新されたとすれば、更新されたデータを登録しておく必要がある。
【0008】
会員ユーザとしては、運転免許証を更新したことについて、カーシェアリングの事業者へ届け出ることを失念しがちである。更新の届け出をしなければならないと思い出すのは、更新手続き後にカーシェアリングを利用した時であることが想定される。また、その際に更新手続きができれば便利である。
【0009】
一方、先行技術として列挙した特許文献1,2では、免許証の更新手続きに対応した技術とは言えない。
【0010】
前述の課題は、サービス提供者側の無人化が進むレンタカーサービスでも、ほぼ同様の問題を抱えている。以下、本願では、カーシェアリングサービスとレンタカーサービスとを併せて、「車両共有サービス」として説明する。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、車両共有サービスなど会員向けサービスにおいて、車両の貸し出しサービスを利用時に会員ユーザがIC運転免許証の更新手続きを可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、車両共有サービスに係る車両を利用している時、あるいは車両共有サービスに係る店舗端末を利用する際に、運転免許証の更新手続きを可能とするため、車両に搭載されたデータ処理装置、店舗などに設置されたデータ処理装置、およびそれら装置を制御するコンピュータプログラム、前記のデータ処理装置とのデータ通信を実行する携帯通信端末のアプリケーションプログラムに係る。
【0013】
(第一の発明)
第一の発明は、 予め会員登録した会員ユーザが登録の際に付与された会員IDに基づいて車両共有サービスに係る車両を当該会員ユーザが利用している場合において、IC運転免許証に関するデータの更新手続きを実行するためのデータ処理装置に係る。
IC運転免許証の内部に記録された免許証番号を読み込むための暗証番号の入力を受け付ける暗証番号入力手段と、
その暗証番号入力手段が受け付けた暗証番号に基づいてIC運転免許証から免許証番号を更新後の交付年月日データおよび有効期限末日等とともに読み込むカードリーダと、
そのカードリーダが読み出した免許証番号、更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を前記の会員登録に係る管理サーバへ送信するデータ送信手段
を備えたデータ処理装置である(
図2、
図8参照)。
【0014】
(用語説明)
「車両」とは、車両共有サービスがカーシェアリングであればカーシェアリング対象車両であり、車両共有サービスがレンタカーサービスであればレンタカーとなる。
「データ処理装置」は、車載機として車両に搭載される場合(
図2)と、車両共有サービスの拠点などに設置される入会機、店舗用端末などの場合(
図8)とがある。「入会機」とは、カーシェアリングを運営する事業主体への会員登録をするための端末であり、車両管理サーバと双方向通信することができる。
また、「店舗端末」とは、カーシェアリングを運営する事業主体が営業拠点に設置した端末であり、これも車両管理サーバと双方向通信することができる。
「暗証番号入力手段」は、数字を入力できる、いわゆるテンキーが一般的である。後述する実施形態では、車載されている多機能カーナビゲーション装置のタッチパネルにて暗証番号入力手段とする。
【0015】
(作用)
本発明の作用を説明するための二つの前提を説明する。
第一の前提としては、車両共有サービスに係る車両を利用したいユーザは、自らを特定するための氏名、住所などのほか、サービス料金を引き落とし可能な銀行口座情報などの決済データなどを予め会員登録をする。会員登録が完了した場合、車両管理サーバにおける会員データベースには、会員に対して会員IDを付与し、その会員IDに紐付けた会員の氏名、決済データなどを会員データベースへ格納する。加えて、前記の会員IDを会員ユーザに係る記録媒体(たとえば、会員カード)を提供する。または会員ユーザに係るスマートフォンなどの情報端末へ会員IDを送信する。
【0016】
第二の前提としては、会員ユーザがデータ処理装置を扱える場所にいることである。すなわち、会員ユーザが車両共有サービスに係る車両の予約をし、予約遂行のために、予約に係る車両へ乗り込む場合(
図2)と、店舗用端末などに出向く場合(
図8)とがある。
【0017】
IC運転免許証の内部に記録された免許証番号を読み込むための暗証番号の入力を会員ユーザが実行し、暗証番号入力手段が受け付ける。
その暗証番号入力手段が受け付けた暗証番号に基づいてIC運転免許証から免許証番号をカードリーダが読み込む。暗証番号の入力がなくても読み出せる更新後の交付年月日データおよび有効期限末日も、同時に読み込む。
そのカードリーダが読み出した免許証番号、更新後の交付年月日データおよび有効期限末日をデータ送信手段が前記の会員登録に係る管理サーバへ送信する。
【0018】
管理サーバにおいては、免許証番号に基づいた会員ユーザのデータについて、更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を書き換えることができる。
【0019】
(第一の発明のバリエーション)
第一の発明は、前記のデータ送信手段は、送信に係るデータを暗号化する暗号化手段を備えることとすると、より好ましい(
図3参照)。
【0020】
店舗用端末の場合(
図8)には、管理サーバとの通信を専用線にて実行することが可能であるが、車載機の場合(
図2)には、公衆回線を用いることが現実的なので、暗号化手段によってデータを保護する。
暗号化手段によって暗号化されたデータを受信することとなる管理サーバでは、復号化手段によって暗号化データを復号化し、データベースへの登録に用いる。
【0021】
(第二の発明)
第二の発明もまた、 予め会員登録した会員ユーザが登録した運転免許証に関するデータの更新手続きを実行するためのデータ処理装置に係る。
すなわち、会員登録の際に付与された会員IDを格納した会員ユーザに係る携帯媒体から前記の会員IDを読み込む会員ID読み取り手段と、
その会員ID読み取り手段が読み出した会員IDを会員登録に係る管理サーバへ送信する会員ID送信手段と、
その会員ID送信手段が送信した会員IDを受信した管理サーバにおいて当該会員IDに紐付けられた運転免許証に関するデータの更新手続きを受け付ける旨の確認データを受信する確認データ受信手段と、
その確認データ受信手段が受信した確認データに基づいて更新されたIC運転免許証から更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を読み込むデータ読み取り手段と、
そのデータ読み取り手段が読み出した更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を前記の管理サーバへ送信する更新データ送信手段
を備えたデータ処理装置である(
図9参照)。
【0022】
(用語説明)
「会員IDを格納した会員ユーザに係る記録媒体」とは、データ記録やデータの送受信が可能なICチップを内蔵した、いわゆるICカードとしての会員カードや、同様の機能を備えた携帯情報端末(たとえばスマートフォン)を指す。
「会員カード」は、例えば会員IDなどの所定データを記録することができたり、近距離無線通信が可能であったりといった機能を備えたICチップを内蔵したカードである。近距離無線通信の機能を備えた、たとえばスマートフォンなどの携帯通信機器で代用することもできる。
【0023】
(作用)
会員登録の際に付与された会員IDを格納した会員ユーザに係る携帯媒体から会員ID読み取り手段が会員IDを読み込む。その会員ID読み取り手段が読み出した会員IDは、会員ID送信手段が会員登録に係る管理サーバへ送信する。
その会員ID送信手段が送信した会員IDを受信した管理サーバにおいては、当該会員IDに紐付けられた運転免許証に関するデータの更新手続きを受け付ける旨の確認データを発信するので、確認データ受信手段がそれを受信する。受信した確認データに基づいて、更新されたIC運転免許証から更新後の交付年月日データおよび有効期限末日をデータ読み取り手段が読み込む。そのデータ読み取り手段が読み出した更新後の交付年月日データおよび有効期限末日は、更新データ送信手段が管理サーバへ送信する。
【0024】
管理サーバにおいては、会員IDと免許証番号に基づいた会員ユーザのデータについて、更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を書き換えることができる。
【0025】
(第三の発明)
第三の発明は、予め会員登録した会員ユーザが登録の際に付与された会員IDに基づいて車両共有サービスに係る車両を当該会員が利用している場合において、IC運転免許証に関するデータの更新手続きを実行するためのデータ処理装置を制御するコンピュータプログラムに係る。
そのコンピュータプログラムは、IC運転免許証の内部に記録された免許証番号を読み込むための暗証番号の入力を受け付ける暗証番号入力手順と、
その暗証番号入力手順にて受け付けた暗証番号を認識してIC運転免許証から免許証番号をカードリーダにて読み込む免許証番号読み出し手順と、
その免許証番号読み出し手順にて読み出した免許証番号を更新後の交付年月日データおよび有効期限末日等とともに前記の会員登録に係る管理サーバへ送信するデータ送信手順と、
を前記のデータ処理装置に実行させる。
【0026】
(第三の発明のバリエーション)
第三の発明は、前記のデータ送信手順には、送信に係るデータを暗号化する暗号化手順を含むこととすると、より好ましい。
【0027】
(第四の発明)
第四の発明は、 予め会員登録した会員ユーザが登録した運転免許証に関するデータの更新手続きを実行するためのデータ処理装置を制御するコンピュータプログラムに係る。
すなわち、会員登録の際に付与された会員IDを格納した会員ユーザに係る携帯媒体から前記の会員IDを読み込む会員ID読み取り手順と、
その会員ID読み取り手順にて読み出した会員IDを会員登録に係る管理サーバへ送信する会員ID送信手順と、
その会員ID送信手順にて送信した会員IDを受信した管理サーバにおいて当該会員IDに紐付けられた運転免許証に関するデータの更新手続きを受け付ける旨の確認データを受信する確認データ受信手順と、
その確認データ受信手順が受信した確認データに基づいて更新されたIC運転免許証から更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を読み込むデータ読み取り手順と、
そのデータ読み取り手順にて読み出した更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を前記の管理サーバへ送信する更新データ送信手順と、
を前記のデータ処理装置に実行させることとしたコンピュータプログラムである。
【0028】
(第五の発明)
第五の発明は、予め会員登録した会員ユーザが登録の際に付与された会員IDに基づいて車両共有サービスに係る車両を当該会員が利用している場合において、IC運転免許証に関するデータの更新手続きを実行するための携帯通信端末で実行されるアプリケーションプログラムに係る。
そのアプリケーションプログラムは、
運転免許証に関するデータの更新手続きの開始許諾を得るために前記の会員登録に係る管理サーバから許諾データを受信する許諾データ受信手順と、
更新されたIC運転免許証に係る暗証番号の入力を受け付ける暗証番号入力手順と、
その暗証番号入力手順にて受け付けた暗証番号に基づいて前記のIC運転免許証に格納されている免許証番号を更新後の交付年月日データおよび有効期限末日等とともに読み込む免許証番号読み取り手順と、
その免許証番号読み取り手順が読み出した免許証番号、更新後の交付年月日データおよび有効期限末日を前記の管理サーバへ送信する更新データ送信手順と、
を前記の携帯通信端末に実行させる(
図4参照)。
【0029】
第五の発明は、前記の更新データ送信手順には、送信に係るデータを暗号化する暗号化手順を含むこととすると、より好ましい。
【0030】
第四の発明、第五の発明および第六の発明に係るコンピュータプログラムを、記録媒体へ記憶させて提供することもできる。
ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体である。例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-R、CD-RW、MO(光磁気ディスク)、DVD-R、DVD-RW、フラッシュメモリなどである。
また、この発明に係るプログラムを格納したコンピュータから、通信回線を通じて通信端末などへ伝送させることも可能である。
【発明の効果】
【0031】
第一および第二の発明によれば、車両の貸し出しサービスを利用時に会員ユーザがIC運転免許証の更新手続きを可能とするデータ処理装置を提供することができた。
第三の発明および第四の発明によれば、車両の貸し出しサービスを利用時に会員ユーザがIC運転免許証の更新手続きを可能とするデータ処理装置を制御するコンピュータプログラムを提供することができた。
第五の発明によれば、車両の貸し出しサービスを利用時に会員ユーザがIC運転免許証の更新手続きを可能とする携帯通信端末のアプリケーションプログラムを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】車両管理サーバ、シェアカーに搭載されたデータ処理装置、IC運転免許証、入会器または店舗端末、携帯通信端末との関係を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態であって、車両管理サーバとシェアカー車載機との関係を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第二の実施形態であって、車両管理サーバとシェアカー車載機との関係を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第三の実施形態であって、車両管理サーバと会員ユーザに係る携帯通信端末との関係を示すブロック図である。
【
図5】第三の実施形態における携帯通信端末が実行するアプリケーションプログラムのフローチャートである。
【
図6】本発明の第四の実施形態であって、車両管理サーバと会員ユーザに係る携帯通信端末との関係を示すブロック図である。
【
図7】本発明の第五の実施形態であって、車両管理サーバと会員ユーザに係る携帯通信端末との関係を示すブロック図である。
【
図8】本発明の第六の実施形態であって、車両管理サーバと入会機または店舗端末との関係を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について、図面(
図1から
図8)を参照して説明する。本発明は、実施形態に限定されるものではなく、本発明を解釈するための形態である。たとえば以下の実施形態では、カーシェアリングを例示しているが、本発明は、レンタカーサービスにも適用可能である。
【0034】
(
図1)
図1は、車両管理サーバと、その車両管理サーバとの双方向通信によって管理対象となっているサービス対象車両(シェアカー)に搭載されるデータ処理装置と、予め会員登録をした会員ユーザが保有している会員カードおよび当該会員ユーザに係るIC運転免許証と、の関係を示している。以後の図中、有線通信を実線で、無線通信を二点破線で示している。
【0035】
車両管理サーバは、カーシェアリングを運営する事業主体に係る。予め会員登録をした会員の管理データ蓄積やカーシェアリングに用いるシェアカーの管理データ蓄積、シェアカーのデータ処理装置との通信、会員ユーザに係る通信端末との通信を実行する。
【0036】
サービス対象車両(シェアカー)に搭載されたデータ処理装置(カーシェア車載機)は、データ送受信機、カードリーダ、ドアロック装置、エンジン制御装置、多機能カーナビゲーション装置を備える。本願発明では、直接の関係が薄いが、シェアカーにはカーナビゲーション装置も搭載されており、シェアカーの現在位置データを間欠的にカーシェアリング管理サーバへ送信している。
【0037】
会員ユーザは、前提として、会員ユーザは、カーシェアリングの会員登録を済ませ、カーシェアリング運営会社から提供されたICカードたる会員カードを保持している。
会員登録後は、自らに係る通信端末にて、カーシェアリングサービスを利用するための予約を入れるほか、シェアカーを利用する際には、IC運転免許証を必要とする。また、会員ユーザに配布された会員カードは、店舗端末にて運転免許証を更新する場合に用いる(
図9参照)。
【0038】
(
図2)
図2では、会員ユーザ、車両管理サーバおよびシェアカー車載機(としてのデータ処理装置)の関係を示している。
会員登録の際には、運転免許証の登録が必要であるが、運転免許証は、最長でも5年に一度の更新が必要となる。更新された直後の運転免許証は、交付年月日や有効期限末日が、車両管理サーバ(図中では単に「サーバ」と表示)の会員データベース(DB)に格納されたデータとは異なる。以下、カッコ書きの数字は、動作の手順を示している。
【0039】
予め会員登録を済ませた会員ユーザが運転免許証の更新をしたものの、その更新後のデータを車両管理サーバ(カーシェアリングを運営する事業主体)へ伝えていない状態あり、その更新情報をカーシェアリング利用時に登録する状態を示したものである。
【0040】
以下、予め予約したカーシェアリングを利用している最中であるので、会員カードなどを用いて、会員ユーザの個人認証は済んでおり(0)、その結果としてドアロック装置が解除され、シェアカーのエンジンを掛けることができるようになっている。したがって、運転免許証における更新後のデータを、管理サーバへ送信する前に改めて個人認証をする必要はない。
【0041】
シェアカー車載機としてのデータ処理装置は、暗証番号入力手段としてのテンキーと、IC運転免許証から免許証番号を読み込むためのカードリーダと、読み込んだ免許証番号を管理サーバへ送信するデータ送信手段を兼ねたデータ処理手段と、を備えている。
テンキーから入力された暗証番号をカードリーダに送信することによって(2)、IC運転免許証から免許証番号を読み出すことができる(3)。その免許証番号を読み出す際に、交付年月日データおよび有効期限末日も読み出すこととしている。読み出した交付年月日データおよび有効期限末日は、免許証番号とともに管理サーバへ送信する(6)。
【0042】
前記のテンキーとは、シェアカーに搭載されている多機能カーナビゲーション装置にて代用する。その前提として、詳細な図示は省略するが、「運転免許証の更新データ登録」というメニューを会員ユーザが選択し、IC運転免許証をカードリーダに近づけておくことなどが画面上から指示されている。IC運転免許証をカードリーダに近づけたことを、データ処理手段が確認したら、テンキーによる暗証番号の入力を受け付けるようになる(1)。
【0043】
前記のデータ処理手段は、管理サーバから当該会員ユーザに係る免許証番号を受信する受信手段と、その受信した免許証番号およびカードリーダから受信した免許証番号が一致するか否かを判断する判断手段と、その判断によって一致した場合に更新後の交付年月日や有効期限末日を送信するデータ送信手段と、を備えている。
データ送信手段が更新後の交付年月日や有効期限末日等とともに、免許証番号を送信することとしているのは、会員データベースにおける個人認証(個人の特定)のためである。なお、暗証番号を会員データベースへ送信する必要は必ずしもない。
【0044】
前記の受信手段による管理サーバから当該会員ユーザに係る免許証番号の受信(5)、判断手段による一致するか否かの判断は、省略しない。免許証が本人に係るものであるか否かを確認するためである。
【0045】
(
図3)
図3は、
図2にて示した更新後の交付年月日や有効期限末日を送信するデータを暗号化して送信するための暗号化データ送信手段を備えている点が異なる実施形態である。
車両管理サーバにおいては、暗号化データを受信する暗号化データ受信手段と、その受信した暗号化データを復号化する復号化手段を備える必要がある。
【0046】
シェアカー車載機と車両管理サーバとの通信は、専用線ではなく、公衆電話回線を介して実行されるのが普通なので、免許証番号などの個人情報は暗号化した方がよいからである。
【0047】
(
図4、
図5)
図4、
図5は、シェアカー車載機ではなく、会員ユーザに係る携帯通信端末を用いて、免許証の更新データを登録する手順を示している。前提として、会員ユーザは、自らに係る携帯通信端末(たとえばスマートフォン)へ、会員データの更新登録を実行できる専用のアプリケーションソフトウェアを、そのアプリケーションソフトウェアの提供元(たとえば車両管理サーバ)からダウンロードして起動できるようにしている必要がある。また、携帯通信端末には、IC運転免許証に格納されているデータを読み込める機能(たとえば、NFCリーダ機能のICチップ)を備えている必要がある。
【0048】
まず、会員データの更新用アプリケーションソフトウェアを、会員ユーザに係る携帯通信端末にて起動させる(S1)。次に、更新手続の開始を開始するための個人認証を実行する(1,S2)。この認証の際に、IC会員カードを用いて会員IDの入力を実行するなどの手法がある。
【0049】
個人認証が済んだら、更新したIC運転免許証の暗証番号の入力を促す画面がテンキーとともに携帯通信端末の画面に現れる(S3)。会員ユーザは、暗証番号を入力する(2,S4)。
すると、IC運転免許証へスマートフォンを近づけるように指示され、会員ユーザはそのようにする(S5)。IC運転免許証とスマートフォンとが非接触通信を実行し、免許証番号とともに更新後の交付年月日や有効期限末日をIC運転免許証からスマートフォンが読み取る(3,S6)。
【0050】
スマートフォンが読み取った交付年月日データ、有効期限データおよび免許証番号は、専用アプリケーションの一部となっている暗号化処理され(4,S7)、車両管理サーバへ送信される(5,S8)。
車両管理サーバへ送信された暗号化データは、車両管理サーバにおける暗号化データ受信手段が受信し(5)、復号化手段へ送られる(6)。復号化手段が復号化した交付年月日データ、有効期限データおよび免許証番号は、会員データベースにおける当該会員ユーザのデータとして蓄積される(7)。
【0051】
図4,5に示した更新後の交付年月日および有効期限末日の登録は、シェアカーへの乗車時でなくても実行できる。シェアカーへの乗車時に実行する場合には、本人認証のステップの一部が省略できる。
【0052】
(
図6)
図6では、IC運転免許証に格納されているデータを読み込める機能(この実施形態では、NFCリーダ機能)を備えていない携帯通信端末であっても、カメラ機能を用いて更新後の交付年月日および有効期限末日の登録が実行できる実施形態を示している。
【0053】
図6に示す実施形態もまた、専用のアプリケーションソフトウェア(撮影版)を、そのアプリケーションソフトウェアの提供元(たとえば車両管理サーバ)からダウンロードして起動できるようにしている必要がある。
【0054】
まず、会員ユーザに係る携帯通信端末にて、専用のアプリケーションソフトウェア(撮影版)を起動させる(1)。そして、車両管理サーバとの間で免許証データの更新手続を開始する旨の確認(個人認証など)を実行する(2)。
【0055】
続いて、IC運転免許証を撮影するようにアプリケーションソフトウェアが会員ユーザに対して指示を出し、会員ユーザはIC運転免許証を撮影する(3)。撮影した撮影データを暗号化処理し(4)、車両管理サーバへ送信する(5)。
【0056】
暗号化されたデータは車両管理サーバの暗号化データ受信手段が受信し、復号化手段にて復号化される(6)。復号化された画像データは、OCR処理手段にてテキストデータ部分をテキストデータ化し、更新後の交付年月日および有効期限末日のデータを得て、会員データベースを更新する(8)。
【0057】
なお、図示は省略するが、撮影データのOCR処理を会員ユーザに係る携帯通信端末にて実行し、OCR処理にて得た更新後の交付年月日および有効期限末日のデータを暗号化した上で車両管理サーバへ送信することとする、という実施形態も、理論的には考えられる。しかし、運転免許証の偽造を助長しかねないため、採用しない。
【0058】
図6に示した実施形態によれば、IC運転免許証に格納されているデータを読み込める機能(たとえば、NFCリーダ機能のICチップ)を備えていない携帯通信端末であっても、更新後の交付年月日および有効期限末日の登録が実行できる。
【0059】
(
図7)
図7に示すのは、レンタカーショップなどの店舗に設置されている店舗端末(または入会機)において、更新後の交付年月日および有効期限末日のデータを登録する実施形態である。店舗端末に備えられるべき機能は、シェアカー車載機としてのデータ処理装置(
図2等)と同じである。
【0060】
店舗端末には、暗証番号の入力手段と、IC運転免許証から免許証番号を、更新後の交付年月日データおよび有効期限末日等とともに読み込むカードリーダ(近距離無線通信装置)と、各種のデータ処理を実行するとともに車両管理サーバへ送信すべきデータを送信するデータ送信手段と、を備えている。
【0061】
会員ユーザは、更新したIC運転免許証をカードリーダにかざす(1)。すると、暗証番号を入力するように促されるので、暗証番号の入力手段を介して暗証番号を入力する(2)。
【0062】
入力された暗証番号はカードリーダに送られ、IC運転免許証との双方向通信をして、暗証番号が正しければ、IC運転免許証へ格納されていた免許証番号がカードリーダにて読み取られる(4)。このとき、更新後の交付年月日および有効期限末日のデータも、カードリーダにて読み取られる。
【0063】
読み取ったデータは、データ送信手段を介して車両管理サーバへ送信される(5,6)。そして、会員データベースにおいて、免許証番号に対応した会員IDに係る会員データに対して、更新後の交付年月日および有効期限末日のデータが登録される(7)。換言すれば、免許証番号を用いることで、会員ユーザの本人認証を実行しているのである。
シェアカーへ乗車する機会がなくても、更新後の交付年月日および有効期限末日のデータを登録することが可能である。
【0064】
なお、店舗端末と車両管理サーバとが専用線でデータ通信を実行することを想定しているので、店舗端末から送信されるデータを暗号化していないが、専用線を用いるか否かにかかわらず、暗号化手段を店舗端末へ備えることとする方が望ましい。
【0065】
(
図8)
図8に示す実施形態は、
図7に示した実施形態と異なり、本人認証をするのに、会員カードを用いている点である。
カードリーダにて会員カードの会員IDを読み取り(1)、その会員IDを車両管理サーバへ送信する(2)。会員IDを会員データベースにて確認したら(3)、会員IDを確認できた旨を店舗端末へ返信する(4)。
【0066】
店舗端末は、本人認証が終わったことを会員ユーザに知らせ(5)、IC運転免許証を近距離データ通信装置へ近づけるように指示する。すると、IC運転免許証から更新後の交付年月日および有効期限末日のデータを近距離データ通信装置が読み取り(6)、車両管理サーバへ送信する(7)。
【0067】
図示を省略するが、カードリーダの代わりに、IC運転免許証を撮影するカメラを店舗端末に備え、撮影したデータを店舗端末または車両管理サーバにてOCR処理し、更新後の交付年月日および有効期限末日のデータを登録することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、会員制のサービス、たとえばカーシェアリング事業、レンタカー事業、駐車場の管理業、通信機器の製造業、データ通信におけるデータ管理業、スマートフォンなどの通信機器におけるアプリケーションソフトウェアの開発業、などにおいて利用可能性を有する。