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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】呼び出しシステム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20240718BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20240718BHJP
   G06Q 50/47 20240101ALI20240718BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240718BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20240718BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08G1/005
G06Q50/47
G06T7/00 660Z
G06T7/20 300A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020077468
(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公開番号】P2021174234
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保庭 拓也
(72)【発明者】
【氏名】塚本 真弘
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-052890(JP,A)
【文献】特開2016-062339(JP,A)
【文献】特開2003-308986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G16Z 99/00
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 - 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に設置された構造物に設けられ、人物を撮像可能な撮像部と、
所定のジェスチャパターンが記録されたジェスチャ記録部と、
前記撮像部が取得した画像と前記ジェスチャ記録部に基づき、撮像した人物が前記所定のジェスチャパターンに対応する所定のジェスチャをしたか否かを判定するジェスチャ判定部と、
前記ジェスチャ判定部が前記人物が前記所定のジェスチャを行ったと判定したときに、撮像した前記人物を識別可能な人物識別情報と、撮像した前記撮像部の位置情報を、外部サーバに送信する通知部と、を備え、
前記構造物は、光源ユニットと、前記光源ユニットを制御する光源制御部と、を有する街路灯であり、
前記通知部が前記外部サーバへ前記人物識別情報と前記位置情報を送信した後に、撮像した人物に光を照射する、呼び出しシステム。
【請求項2】
道路に設置された構造物に設けられ、人物を撮像可能な撮像部と、
所定のジェスチャパターンが記録されたジェスチャ記録部と、
前記撮像部が取得した画像と前記ジェスチャ記録部に基づき、撮像した人物が前記所定のジェスチャパターンに対応する所定のジェスチャをしたか否かを判定するジェスチャ判定部と、
前記ジェスチャ判定部が前記人物が前記所定のジェスチャを行ったと判定したときに、撮像した前記人物を識別可能な人物識別情報と、撮像した前記撮像部の位置情報を、外部サーバに送信する通知部と、を備え、
前記構造物は、光源ユニットと、光源制御部と、を有する街路灯であり、
前記光源制御部は、前記通知部が前記外部サーバへ前記人物識別情報と前記位置情報を送信した後に、撮像した人物に光が照射され続けるように前記光源ユニットを制御する、呼び出しシステム。
【請求項3】
前記ジェスチャ記録部は、複数のジェスチャパターンが記録されており、
前記ジェスチャ判定部は前記複数のジェスチャパターンに対応する複数の所定のジェスチャを識別可能であり、
前記通知部は、異なる前記所定のジェスチャごとに異なる前記外部サーバへ、前記人物識別情報と前記位置情報を送信するように構成されている、請求項1または2に記載の呼び出しシステム。
【請求項4】
前記ジェスチャ記録部は、複数のジェスチャパターンが記録されており、
前記ジェスチャ判定部は前記複数のジェスチャパターンに対応する複数の所定のジェスチャを識別可能であり、
前記通知部は、異なる前記所定のジェスチャごとに異なるジェスチャ識別情報を、前記人物識別情報と前記位置情報とともに、前記外部サーバへ送信するように構成されている、請求項1または2に記載の呼び出しシステム。
【請求項5】
前記人物識別情報は、撮像した人物の顔の画像である、請求項1または2に記載の呼び出しシステム。
【請求項6】
前記構造物に設けられ、電波を検出可能な電波検出部を有し、
前記人物識別情報は、前記電波検出部が検出した、撮像した人物が所持している携帯電話から発せられる固有信号である、請求項1または2に記載の呼び出しシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、呼び出しシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1などにより、配車システムが知られている。ユーザが携帯電話などの携帯端末で車両を呼び出すと、車両が該ユーザの所在地まで配車される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2020-35170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このように携帯電話によって車両を呼び出す際には、一々携帯電話を操作しなければ配車サービスなどのサービスを呼ぶことができず、ユーザによっては携帯電話での操作が煩わしいと感じてしまう。
そこで本発明は、簡単な方法で各種サービスを呼び出すことのできる呼び出しシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一側面に係る呼び出しシステムは、
道路に設置された構造物に設けられ、人物を撮像可能な撮像部と、
所定のジェスチャパターンが記録されたジェスチャ記録部と、
前記撮像部が取得した画像と前記ジェスチャ記録部に基づき、撮像した人物が前記前記所定のジェスチャパターンに対応する所定のジェスチャをしたか否かを判定するジェスチャ判定部と、
前記ジェスチャ判定部が前記人物が前記所定のジェスチャを行ったと判定したときに、撮像した前記人物を識別可能な人物識別情報と、撮像した前記撮像部の位置情報を、外部サーバに送信する通知部と、を備えている。
【0006】
上記呼び出しシステムにおいて、
前記ジェスチャ記録部は、複数のジェスチャパターンが記録されており、
前記ジェスチャ判定部は前記複数のジェスチャパターンに対応する複数の所定のジェスチャを識別可能であり、
前記通知部は、異なる前記所定のジェスチャごとに異なる前記外部サーバへ、前記人物識別情報と前記位置情報を送信するように構成されていてもよい。
【0007】
上記呼び出しシステムにおいて、
前記ジェスチャ記録部は、複数のジェスチャパターンが記録されており、
前記ジェスチャ判定部は前記複数のジェスチャパターンに対応する複数の所定のジェスチャを識別可能であり、
前記通知部は、異なる前記所定のジェスチャごとに異なるジェスチャ識別情報を、前記人物識別情報と前記位置情報とともに、前記外部サーバへ送信するように構成されていてもよい。
【0008】
上記呼び出しシステムにおいて、
前記構造物は、光源ユニットと、光源制御部と、を有する街路灯であり、
前記通知部が前記外部サーバへ前記人物識別情報と前記位置情報を送信した後に、撮像した人物に光を照射してもよい。
【0009】
上記呼び出しシステムにおいて、
前記構造物は、光源ユニットと、光源制御部と、を有する街路灯であり、
前記光源制御部は、前記通知部が前記外部サーバへ前記人物識別情報と前記位置情報を送信した後に、撮像した人物に光が照射され続けるように前記光源ユニットを制御してもよい。
【0010】
上記呼び出しシステムにおいて、
前記構造物は、光源ユニットと、光源制御部と、を有する街路灯であり、
前記ジェスチャ記録部は、前記ジェスチャパターンの予備動作と本動作とを記録しており、
前記ジェスチャ判定部が前記撮像部で撮像した人物が前記予備動作に対応する動作を行ったと判定した時に、前記光源制御部は撮像した人物に光が照射され続けるように前記光源ユニットを制御し、
前記ジェスチャ判定部が前記撮像部で撮像した人物が前記本動作に対応する動作を行ったと判定した時に、前記通知部が前記外部サーバへ前記人物識別情報と前記位置情報を送信してもよい。
【0011】
上記呼び出しシステムにおいて、
前記人物識別情報は、撮像した人物の顔の画像であってもよい。
【0012】
上記呼び出しシステムにおいて、
前記構造物に設けられ、電波を検出可能な電波検出部を有し、
前記人物識別情報は、前記電波検出部が検出した、撮像した人物が所持している携帯電話から発せられる固有信号であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単な方法で各種サービスを呼び出すことのできる呼び出しシステムを提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一実施形態の呼び出しシステムのシステム構成図である。
図2】呼び出しシステムのブロック図である。
図3】本発明の第二実施形態の呼び出しシステムのシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態の呼び出しシステム1のシステム構成図である。図1に示すように、呼び出しシステム1は、配車サーバ30(外部サーバ)と通信可能に接続されたメインサーバ10と、道路に設置された複数の構造物20とを有している。図1では、道路に設置された構造物20(以下、単に構造物20と称する)として、第一街路灯設備21と、第二街路灯設備22と、監視カメラ設備23が図示されている。また、各々の構造物20はメインサーバ10と通信可能に接続されている。
【0016】
本実施形態の呼び出しシステム1は、ある位置でサービスの提供を受けたい人物と、該人物へサービスを提供する事業者とを結びつけるシステムである。呼び出しシステム1は、例えばタクシーTを呼び出したい人物Aと、タクシーTを手配する事業者とを結びつける。図示した例では、構造物20の付近に立つ人物Aが所定のジェスチャを行うと、メインサーバ10はこの人物AがタクシーTを呼びだしているものと判定して、メインサーバ10はタクシー運営会社などの配車サービスを提供する事業者が運営する配車サーバ30へ呼び出しを行う。
【0017】
図2は呼び出しシステム1のブロック図である。図2に示したように、メインサーバ10は配車サーバ30へ情報を送信可能な通知部11を備えている。
構造物20は、周囲の人物Aを撮像可能な撮像部12を備えている。構造物20は、周囲の人物Aが持っている携帯端末が発する電波を検出可能な電波検出部13を備えていてもよい。また、構造物20が街路灯設備である場合、構造物20が光源ユニット14と光源制御部15を備えていてもよい。
【0018】
また本実施形態において構造物20は、ジェスチャ判定部16と、ジェスチャ記録部17を備えている。
ジェスチャ記録部17は、所定のジェスチャパターンが記録されている。ジェスチャ判定部16は、撮像部12が取得した画像とジェスチャ記録部17に基づき、撮像した人物Aが所定のジェスチャパターンに対応する所定のジェスチャをしたか否かを判定するように構成されている。
【0019】
例えばジェスチャ判定部16は、人物Aを撮像した画像から人物Aの頭頂部、耳、顎の先、鼻、肩、肘、手、腰、膝、足首といった各部に対応する点を特定する。ジェスチャ判定部16は、1秒から5秒程度の間に撮像された画像群から、これらの点群がどのように動いたかを特定する。
ジェスチャ記録部17には、このように定義された点群で構成した人体モデルが所定のジェスチャを行ったときに、該点群がどのように動くかを記録したデータといったジェスチャパターンが記録されている。
ジェスチャ判定部16は、特定した点群の軌跡と、ジェスチャ記録部17に記録された点群の軌跡とが一致しているか否かを判定する。両者が一致していれば、ジェスチャ判定部16は該構造物20から取得した画像中の人物Aが所定のジェスチャを行ったと判定する。
このように画像中の人物Aから人体モデルを作成し、この人体モデルの点群が所定のジェスチャパターンと一致する軌跡を描くか否かを判定することで所定のジェスチャを行ったか否かを判定することにより、人物Aの表情や服装などに左右されずに精度よくジェスチャの判定を行うことができる。
【0020】
例えば第一街路灯設備21の近くにいる人物Aが、右手を上げて、右手を胸に当て、そのままの姿勢で頭を下げた後に起き上がり、左手を上げるというジェスチャを行ったものとする。するとジェスチャ判定部16は、撮像部12が取得した画像とジェスチャ記録部17に基づき、撮像部12が撮像した画像中の人物Aが、ジェスチャ記録部17に記録された所定のジェスチャパターンに対応する所定のジェスチャをしたと判定する。
【0021】
ジェスチャ判定部16が、画像中の人物Aが所定のジェスチャを行ったと判定したときに、ジェスチャ判定部16は、画像中の人物Aを識別可能な人物識別情報と、自身の位置情報をメインサーバ10に送信する。人物識別情報とは、画像中の人物Aの顔の画像、あるいは電波検出部13で検出した撮像した人物Aが所持している携帯電話から発せされる固有信号である。位置情報とは、例えば北緯および東経で表される数値である。
【0022】
メインサーバ10は、構造物20から人物識別情報と構造物20の位置情報を取得すると、通知部11は位置情報と人物識別情報を配車サーバ30へ通知する。
【0023】
タクシーTなどのサービスを提供する事業者が運営する外部サーバ30に人物識別情報が通知されてくるので、その事業者は提供するサービスをどの人物Aに届ければよいかを把握できる。また、該サービスに料金が生じる場合には、人物識別情報に基づきその料金の請求先を特定することができる。例えば配車サービスを提供する事業者が、あらかじめユーザのクレジットカード番号と人物Aの顔の画像とを関連付けて記録したデータベースを保有していれば、人物Aの顔の画像の人物識別情報に基づき料金の請求を行うことができる。あるいは、あらかじめ人物Aのクレジットカード番号と携帯電話の固有信号とを関連付けて記録したデータベースを保有していれば、人物Aの顔の画像の人物識別情報に基づき料金の請求を行うことができる。
【0024】
本実施形態によれば、人物Aは携帯端末を操作しなくても構造物20の近くであらかじめ定められたジェスチャを行うだけで、外部サーバ30のサービスを呼び出すことができ、利便性が高められている。また、メインサーバ10が外部サーバ30へ人物識別情報と、道路に設置された動かない構造物20の位置情報を送信するので、外部サーバ30はサービスを利用しようとする人物Aの位置を正確に知ることができる。
【0025】
なお、配車サーバ30は、メインサーバ10から位置情報と人物識別情報が通知されてくると、通知された位置の人物Aの下へタクシーTを向かわせる。タクシーTの手配が完了したら、配車サーバ30は配車完了通知を位置情報および人物識別情報とともにメインサーバ10へ送信してもよい。メインサーバ10は配車完了通知を受領したら、位置情報の位置に設置された構造物20へ配車完了通知を通知する。構造物20が街路灯設備21,22の場合、配車完了通知を受領したら、光源制御部15は撮像した人物Aに照射され続けるように光源ユニット14を制御するように構成してもよい。
これにより、タクシーTを呼び出した人物Aに光が当たるので、タクシードライバーが呼び出した人物Aを見つけやすくなる。またタクシーTを呼び出す人物Aは、タクシーTの配車が完了したことを知ることができる。
【0026】
なおジェスチャ記録部17は、ジェスチャパターンの予備動作と本動作とを記録していてもよい。例えば右手を上げた後に右手を胸に挙げてそのままの姿勢で頭を下げるまでの一連の動作が予備動作として登録されており、起き上がって左手を上げる動作が本動作として登録されていてもよい。
ジェスチャ判定部16が撮像部12で撮像した人物Aが予備動作に対応する動作を行ったと判定した時に、光源制御部15は撮像した人物Aに光が照射され続けるように光源ユニット14を制御する。
さらにジェスチャ判定部16が撮像部12で撮像した人物Aが本動作に対応する動作を行ったと判定した時に、通知部11が外部サーバへ人物識別情報と位置情報を送信するように構成してもよい。
ジェスチャ判定部16が予備動作を検出すると、ジェスチャを行っている人物Aに光が照射されるので、撮像部12でこの人物Aを明瞭に撮像することができ、ジェスチャの判定精度を高めることができる。
この場合、予備動作は本動作に比べて大きく手や足を動かす動作であることが好ましい。ジェスチャ判定部16は、予備動作によってまず人物Aがジェスチャを始めたことを判定し、予備動作を確認した後に光が照射されて人物Aを見やすくなる。このため、予備動作は本動作よりもジェスチャ判定部16が判別しやすい動作であることが好ましい。
【0027】
なお上述した例では、構造物20が自身の位置情報をメインサーバ10へ送信する例を説明したが、本発明はこれに限られない。メインサーバ10があらかじめ各々の構造物20の識別情報と対応する構造物20の位置情報を記録したデータベースを備えており、構造物が自身の識別情報をメインサーバ10に送信するとメインサーバ10がその構造物20の位置情報を特定し、特定した位置情報を外部サーバ30に送信するように構成してもよい。
【0028】
なお図2で示した例とは異なり、メインサーバ10がジェスチャ判定部16とジェスチャ記録部17を備え、構造物20がジェスチャ判定部16とジェスチャ記録部17を備えていなくてもよい。この場合、撮像部12は撮像した画像を常時メインサーバ10へ送信している。メインサーバ10は送信されてきた画像を解析して、画像中に含まれる人物Aが所定のジェスチャを行っているか否かを判定する。所定のジェスチャを行っていると判定した場合、所定のジェスチャを行っていると判定した画像を撮像した構造物20の位置情報を特定し、外部サーバへ人物識別情報と位置情報を通知する。
【0029】
<第二実施形態>
なお上述した第一実施形態では、メインサーバ10が単一の外部サーバ30と通信可能に接続されている例を説明したが、次に説明する第二実施形態ではメインサーバ10が複数の外部サーバ31,32と接続されている例を説明する。
【0030】
図3は本発明の第二実施形態に係る呼び出しシステム1のブロック図である。図2に示したように、メインサーバ10は、タクシーTを手配する配車サービスを提供する事業者が運営する配車サーバ31と、宅配ピザを提供する事業者が運営する宅配ピザサーバ32とに通信可能に接続されている。
【0031】
本実施形態においては、ジェスチャ記録部17には互いに異なる複数のジェスチャパターンが記録されている。本実施形態では、ジェスチャ記録部17には第一ジェスチャに対応する第一ジェスチャパターン、第二ジェスチャに対応する第二ジェスチャパターン、第三ジェスチャに対応する第一ジェスチャパターンの3種類のジェスチャパターンが記録されている。
【0032】
また、上述したようにジェスチャ記録部17は、ジェスチャパターンの予備動作と本動作とを記録していてもよい。例えば右手を上げた後に右手を胸に挙げてそのままの姿勢で頭を下げるまでの一連の動作が第一から第三ジェスチャに共通する予備動作として登録されており、起き上がって左手を上げる動作が第一ジェスチャの本動作、起き上がって右手を上げる動作が第二ジェスチャの本動作、起き上がって両手を上げる動作が第三ジェスチャの本動作として登録されていてもよい。
ジェスチャ判定部16が撮像部12で撮像した人物Aが予備動作に対応する動作を行ったと判定した時に、光源制御部15は撮像した人物Aに光が照射され続けるように光源ユニット14を制御する。これにより、本動作を行う人物Aを明瞭に撮像することができる。
【0033】
ジェスチャ判定部16は、撮像部12が取得した画像とジェスチャ記録部17に基づき、撮像した人物Aが第一から第三ジェスチャのいずれかをしたか否かを判定する。
【0034】
ジェスチャ判定部16が撮像した人物Bが第一ジェスチャを行ったと判定したとき、メインサーバ10は配車サーバ31に人物識別情報と位置情報を送信する。配車サーバ31は、位置情報が示す場所で待つ人物Bに向けてタクシーを手配する。
【0035】
ジェスチャ判定部16が撮像した人物Cが第二ジェスチャを行ったと判定したとき、メインサーバ10は宅配ピザサーバ32に人物識別情報と位置情報を第二ジェスチャに対応する識別情報を送信する。宅配ピザサーバ32は、該情報を取得すると、ジェスチャに対応する識別情報とあらかじめ登録されたメニューの対応関係が記録されたメニュー記録部33を参照して、第二ジェスチャに対応するメニューを呼び出す。ここでは、第二ジェスチャがマルゲリータピザの単品を注文するジェスチャとして登録されているとする。すると宅配ピザサーバ32は、位置情報が示す場所で待つ人物識別情報が示す人物Cの下へマルゲリータピザを届ける。
【0036】
同様に、ジェスチャ判定部16が撮像した人物Dが第三ジェスチャを行ったと判定したとき、メインサーバ10は宅配ピザサーバ32に人物識別情報と位置情報を第三ジェスチャに対応する識別情報を送信する。宅配ピザサーバ32は、該情報を取得すると、メニュー記録部33を参照して、第三ジェスチャに対応するメニューを呼び出す。ここでは、第三ジェスチャがミックスピザの単品を注文するジェスチャとして登録されているとする。すると宅配ピザサーバ32は、位置情報が示す場所で待つ人物識別情報が示す人物Dの下へミックスピザを届ける。
【0037】
このように本実施形態によれば、人物識別情報と位置情報に加えてジェスチャ識別情報が宅配ピザサーバ32(外部サーバ)に送信される。本実施形態は、外部サーバを運営する事業者が複数の選択肢を持つサービスを提供する場合に好適に適用できる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0039】
例えば上述した説明では、外部サーバの運営者がタクシーを手配する業者とピザの宅配業者である例を説明したがこれらに限られない。本システムは、宅急便など、事業者がいる場所から離れたユーザがいる場所でサービスを提供する事業者と、そのサービスを利用しようとするユーザとを結びつけることができる。また、該サービスを提供する事業者自身が外部サーバを運用していなくてもよい。該サービスを提供する事業者から委託を受けた別の事業者が外部サーバを運営してもよい。
【0040】
また、構造物20には少なくとも撮像部12が設けられていればよい。ジェスチャ判定部やジェスチャ記録部は、構造物20またはメインサーバ10のいずれかに設けられていればよい。
【符号の説明】
【0041】
1 呼び出しシステム
10 メインサーバ
11 通知部
12 撮像部
13 電波検出部
14 光源ユニット
15 光源制御部
16 ジェスチャ判定部
17 ジェスチャ記録部
20 構造物
31 配車サーバ(外部サーバ)
32 宅配ピザサーバ(外部サーバ)
33 メニュー記録部
A,B,C,D 人物
T タクシー
図1
図2
図3