(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240718BHJP
H01L 21/68 20060101ALI20240718BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20240718BHJP
B65G 49/06 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/68 F
B25J13/08 A
B65G49/06 A
(21)【出願番号】P 2020079938
(22)【出願日】2020-04-30
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 史朗
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昇悟
(72)【発明者】
【氏名】赤羽 賢俊
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-147207(JP,A)
【文献】特開2017-103415(JP,A)
【文献】特開2018-010273(JP,A)
【文献】特開2017-198499(JP,A)
【文献】特開2017-198959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/68
B25J 13/08
B65G 49/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを保持する第1ロボットと、
前記第1ロボットにより保持されたワークの位置を検知するアライメントカメラと、
前記第1ロボットにより保持されたワークが載置される第1ステージと、
前記第1ロボットにより保持されたワークが載置される第2ステージと、
前記第1ステージに載置された前記ワークを前記ワークに対して処理を行う第1処理部に移動させるとともに、前記第1処理部で処理された処理済みの前記ワークを前記第1ステージに移動させる第1移動機構と、
前記第2ステージに載置された前記ワークを、前記第1処理部と同じ処理を行う第2処理部に移動させるとともに、前記第2処理部で処理された処理済みの前記ワークを、前記第2ステージに移動させる第2移動機構と、
を備え、
前記第1ロボットは、前記アライメントカメラの検知結果に基づいて、前記第1ステージおよび前記第2ステージに対する前記ワークの位置合わせをそれぞれ行
い、
前記第1ロボットは、同時に複数の前記ワークを保持することが可能であり、
前記ワークの対角線上に配置される2個の角部を第1角部および第2角部とすると、
前記アライメントカメラは、前記複数のワークのそれぞれの前記第1角部および前記第2角部の位置を検知することを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
ワークを保持する第1ロボットと、
前記第1ロボットにより保持されたワークの位置を検知するアライメントカメラと、
前記第1ロボットにより保持されたワークが載置される第1ステージと、
前記第1ロボットにより保持されたワークが載置される第2ステージと、
前記第1ステージに載置された前記ワークを前記ワークに対して処理を行う第1処理部に移動させるとともに、前記第1処理部で処理された処理済みの前記ワークを前記第1ステージに移動させる第1移動機構と、
前記第2ステージに載置された前記ワークを、前記第1処理部と同じ処理を行う第2処理部に移動させるとともに、前記第2処理部で処理された処理済みの前記ワークを、前記第2ステージに移動させる第2移動機構と、
を備え、
前記第1ロボットは、前記アライメントカメラの検知結果に基づいて、前記第1ステー
ジおよび前記第2ステージに対する前記ワークの位置合わせをそれぞれ行い、
前記第1移動機構は、前記第1ステージに載置された処理前の前記ワークおよび前記第1処理部に載置された前記処理済みの前記ワークを同時に移動させ、
前記第2移動機構は、前記第2ステージに載置された処理前の前記ワークおよび前記第2処理部に載置された前記処理済みの前記ワークを同時に移動させることを特徴とする搬送システム。
【請求項3】
ワークを保持する第1ロボットと、
前記第1ロボットにより保持されたワークの位置を検知するアライメントカメラと、
前記第1ロボットにより保持されたワークが載置される第1ステージと、
前記第1ロボットにより保持されたワークが載置される第2ステージと、
前記第1ステージに載置された前記ワークを前記ワークに対して処理を行う第1処理部に移動させるとともに、前記第1処理部で処理された処理済みの前記ワークを前記第1ステージに移動させる第1移動機構と、
前記第2ステージに載置された前記ワークを、前記第1処理部と同じ処理を行う第2処理部に移動させるとともに、前記第2処理部で処理された処理済みの前記ワークを、前記第2ステージに移動させる第2移動機構と、
を備え、
前記第1ロボットは、前記アライメントカメラの検知結果に基づいて、前記第1ステージおよび前記第2ステージに対する前記ワークの位置合わせをそれぞれ行い、
前記処理済みの前記ワークを次工程に移動させる第2ロボットを備えることを特徴とする搬送システム。
【請求項4】
請求項1
から3のうち何れか一項に記載の搬送システムにおいて、
前記第1ロボットは、上下方向から見た場合、前記第1ステージおよび前記第2ステージの間に配置されることを特徴とする搬送システム。
【請求項5】
請求項
2に記載の搬送システムにおいて、
前記第1移動機構および前記第2移動機構は、各々、前記ワークを保持する2つの吸着部と、前記2つの吸着部の中間位置を回転軸として、前記2つの前記吸着部の位置を入れ替える駆動部とを備えることを特徴とする搬送システム。
【請求項6】
請求項
3に記載の搬送システムにおいて、
前記第1ステージおよび前記第2ステージは、各々、前記処理済みの前記ワークが載置された後、排出位置に移動し、
前記第2ロボットは、前記第1ステージおよび前記第2ステージが前記排出位置に移動した後、前記第1ステージおよび前記第2ステージから前記処理済みの前記ワークを前記次工程に移動させることを特徴とする搬送システム。
【請求項7】
請求項
6に記載の搬送システムにおいて、
前記処理済みの前記ワークを仮置くための仮置き部を備え、
前記第2ロボットは、前記次工程に前記処理済みの前記ワークを移動させることができない場合は、前記処理済みの前記ワークを、前記第1ステージおよび前記第2ステージから前記仮置き部に移動させることを特徴とする搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを搬送するための搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
小型の液晶ディスプレイの製造ラインに組み込まれ、表示パネルを搬送する搬送システムは、特許文献1に開示されている。同文献の搬送システムは、処理前の表示パネルを搬送する搬入用コンベヤと、処理部で処理された表示パネルを搬送する搬出用コンベヤと、処理前の表示パネルを搬入用コンベヤから処理部に移動させるとともに、処理済みの表示パネルを処理装置から搬出用コンベヤに移動させるロボットとを備える。
【0003】
特許文献1の搬送システムにおいて、搬入用コンベアにより搬送される表示パネルは、正確に位置決めされたものではない。このため、ロボットが処理部に表示パネルを移動させた後、作業員によって、処理部に対する表示パネルの位置決めが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の搬送システムにおいて、1つのロボットにより2個所の処理部に表示パネルを移動させる構成が考えられる。このような構成では、一人の作業者によって、2個所の処理部に対する表示パネルの位置決めが行われることが考えられる。しかしながら、搬送システムの構成のよっては、一人で作業することが難しい場合があり、このような場合には、作業者を二人にする必要があった。このため、1つのロボットにより2個所の処理部に表示パネルを移動させる搬送システムは、製造コストなどの問題があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、ワークを搬送するための搬送システムにおいて、ロボットが位置決めされていないワークを移動させる場合であっても、1つのロボットにより2個所の処理部に対して位置決めされた状態のワークを移動させることが可能な搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、ワークを保持する第1ロボットと、前記第1ロボットにより保持されたワークの位置を検知するアライメントカメラと、前記第1ロボットにより保持されたワークが載置される第1ステージと、前記第1ロボットにより保持されたワークが載置される第2ステージと、前記第1ステージに載置された前記ワークを前記ワークに対して処理を行う第1処理部に移動させるとともに、前記第1処理部で処理された処理済みの前記ワークを前記第1ステージに移動させる第1移動機構と、前記第2ステージに載置された前記ワークを、前記第1処理部と同じ処理を行う第2処理部に移動させるとともに、前記第2処理部で処理された処理済みの前記ワークを、前記第2ステージに移動させる第2移動機構と、を備え、前記第1ロボットは、前記アライメントカメラの検知結果に基づいて、前記第1ステージおよび前記第2ステージに対する前記ワークの位置合わせをそれぞれ行うことを特徴とする。
【0008】
本発明の搬送システムによれば、第1ロボットは、アライメントカメラでの検知結果に基づいて、第1ステージおよび第2ステージに対するワークの位置合わせを行う。このた
め、第1移動機構は、第1ステージに対して位置決めされたワークを、第1処理部に移動させることができる。同様に、第2移動機構は、第2ステージに対して位置決めされたワークを、第2処理部に移動させることができる。したがって、搬送システムは、第1ロボットとアライメントカメラを用いた簡素な構成であっても、2個所に設けられた処理部に対して、位置決めされた状態のワークを移動させることができる。
【0009】
本発明において、前前記第1ロボットは、上下方向から見た場合、前記第1ステージおよび前記第2ステージの間に配置されることが好ましい。このように構成することで、第1ロボットの第1ステージへの移動範囲と、第1ロボットの第2ステージへの移動範囲とを同じにすることができる。
【0010】
本発明において、前記第1ロボットは、同時に複数の前記ワークを保持することが可能であり、前記ワークの対角線上に配置される2個の角部を第1角部および第2角部とすると、前記アライメントカメラは、前記複数のワークのそれぞれの前記第1角部および前記第2角部の位置を検知する構成を採用することができる。
【0011】
本発明において、前記第1移動機構は、前記第1ステージに載置された処理前の前記ワークおよび前記第1処理部に載置された前記処理済みの前記ワークを同時に移動させ、前記第2移動機構は、前記第2ステージに載置された処理前の前記ワークおよび前記第2処理部に載置された前記処理済みの前記ワークを同時に移動させることが好ましい。このように構成することで、処理前のワークおよび処理済みのワークを同時に移動させることができるので、搬送システムの搬送時間を短縮することができる。この場合、本発明において、前記第1移動機構および前記第2移動機構は、各々、前記ワークを保持する2つの吸着部と、前記2つの吸着部の中間位置を回転軸として、前記2つの前記吸着部の位置を入れ替える駆動部とを備える態様を採用することができる。
【0012】
本発明において、前記処理済みの前記ワークを次工程に移動させる第2ロボットを備える構成を採用することができる。この場合、本発明において、前記第1ステージおよび前記第2ステージは、各々、前記処理済みの前記ワークが載置された後、排出位置に移動し、前記第2ロボットは、前記第1ステージおよび前記第2ステージが前記排出位置に移動した後、前記第1ステージおよび前記第2ステージから前記処理済みの前記ワークを前記次工程に移動させることが好ましい。このように構成することで、第1ステージおよび第2ステージにより、各々搬送されるワークを、1つの第2ロボットで次工程に移動させることができる。
【0013】
本発明において、前記処理済みの前記ワークを仮置くための仮置き部を備え、前記第2ロボットは、前記次工程に前記処理済みの前記ワークを移動させることができない場合は、前記処理済みの前記ワークを、前記第1ステージおよび前記第2ステージから前記仮置き部に移動させることが好ましい。このように構成することで、次工程に処理済みのワークを移動させることができない場合でも、処理済みのワークを仮置き部に移動させることができるので、搬送システムの動作が停止することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、ワークを搬送するための搬送システムにおいて、ロボットが位置決めされていないワークを移動させる場合であっても、1つのロボットにより2個所の処理部に対してワークを位置決めすることが可能な搬送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る搬送システムの上面図である。
【
図2】第1ロボットおよび第2ロボットの正面図である。
【
図4】保持部とアライメントカメラの関係を示す図である。
【
図5】アライメントカメラにより表示パネルを検知する状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。以下の説明では、ワークが表示パネル100である場合を中心に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る搬送システムの上面図である。
図2は第1ロボットおよび第2ロボットの正面図である。
図3は移動機構および載置部の側面図である。
図4は保持部とアライメントカメラの関係を示す図である。
【0017】
(搬送システム1の構成)
図1~
図3において、本形態の搬送システム1は、携帯機器等で使用される小型の液晶ディスプレイの製造ラインに組み込まれて使用される。搬送システム1は、ワークである表示パネル100を搬送して、表示パネル100に対して所定の処理を行う処理部15に表示パネル100を供給する。
【0018】
表示パネル100は、液晶パネルや有機ELパネル等である。表示パネル100は、矩形状に形成されている。表示パネル100は、表示パネル100の表示領域から外れた箇所に、表示パネル100の処理データ等のデータが記録された記録部を有する。具体的には、表示パネル100の表示領域から外れた箇所には、処理データ等のデータが二次元コードや一次元コードとして記録されている。また、
図1に示すように、本形態においては、表示パネル100として、第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bからなる2つの表示パネル100が同時に搬送される。第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bは各々、対角線上に位置する2個の角部である第1角部101A、101Bおよび第2角部102A、102Bを備える。第1角部101A、101Bおよび第2角部102A、102Bの近傍には、各々、アライメントマーク(不図示)が2個配置されている。
【0019】
図1、
図2に示すように、搬送システム1は、表示パネル100を保持する第1ロボット3と、第1ロボット3により保持された表示パネル100の位置を検知するアライメントカメラ4と、第1ロボット3により保持された表示パネル100が載置される第1ステージ5Aと、第1ロボット3により保持された表示パネル100が載置される第2ステージ5Bとを備える。また、搬送システム1は、第1ステージ5Aに載置された表示パネル100を表示パネル100に対して処理を行う第1処理部15Aに移動させるとともに、第1処理部15Aで処理された処理済みの表示パネル100を第1ステージ5Aに移動させる第1移動機構6Aと、第2ステージ5Bに載置された表示パネル100を第1処理部15Aと同じ処理を行う第2処理部15Bに移動させるとともに、第2処理部15Bで処理された処理済みの表示パネル100を第2ステージ5Bに移動させる第2移動機構6Bとを備える。
【0020】
さらにまた、搬送システム1は、処理済みの表示パネル100を次工程に移動させる第2ロボット8と、処理済みの表示パネル100を仮置くための仮置き部9を備える。また、搬送システム1は、表示パネル100の表示領域から外れた箇所に記録されたデータを読み取るIDリーダ10を備える。
【0021】
搬送システム1は、搬入機構2によって搬入された処理前の表示パネル100を第1ロボット3により移動させる。また、搬送システム1は、処理済みの表示パネル100を第
2ロボット8により、次工程の搬送機構7に移動させる。ここで、搬入機構2の延在する方向に沿った軸をX軸、上下方向に沿った軸をZ軸、X軸およびZ軸と直交する軸をY軸とする。搬入機構2において、表示パネル100が搬送される方向をX1方向とし、その反対方向をX2方向とする。上下方向において、上方向をZ1方向とし、下方向をZ2方向とする。Y軸方向において、一方をY1方向、他方をY2方向とする。本形態において、第1ステージ5A、第1処理部15A、および第1移動機構6Aは、第2ステージ5B、第2処理部15B、および第2移動機構6Bに対して、第1ロボット3が配置されている位置を通ってX軸に沿って延在する仮想軸線を中心とする線対称に配置されている。
【0022】
搬入機構2は、表示パネル100を搬送システム1まで搬送する。搬入機構2は、電動シリンダなどで構成されている。搬入機構2は、表示パネル100が載置されるステージ21を備える。搬入機構2は、ステージ21をX方向に往復移動させる。搬入機構2は、X2方向の端部でステージ21に載置された表示パネル100を、X1方向の端部に搬送する。ステージ21は、X方向に長い長方形である。ステージ21は、X方向に表示パネル100を2枚載置できる大きさである。
【0023】
第1ロボット3は、Z方向から見た場合、第1ステージ5Aおよび第2ステージ5Bの間に配置されている。第1ロボット3は、搬入機構2のステージ21に載置された表示パネル100を保持部31と、保持部31を移動させるためのアーム本体部32とを備える。保持部31は、表示パネル100を保持する第1保持プレート311および第2保持プレート312を備える(
図4参照)。第1保持プレート311および第2保持プレート312のZ2方向の面には、表示パネル100を吸着するための複数の吸着孔が設けられている。表示パネル100は、吸着孔に吸引されることで、保持部31に保持される。
【0024】
アーム本体部32は、第1アーム部35と、第2アーム部36と、駆動部37と、アライメント軸部38とを備える。第1アーム部35と第2アーム部36とは、第1アーム部35に内蔵したモータM1を介して連結する。第1アーム部35は、モータM1により、第2アーム部36に対して相対的に回転する。第2アーム部36と駆動部37とは連結しており、駆動部37は、第2アーム部36を回転させる。すなわち、モータM1および駆動部37によって、第1アーム部35および第2アーム部36は、XY平面を移動する。
【0025】
アライメント軸部38のZ1方向の側は、第1アーム部35と連結し、アライメント軸部38のZ2方向の側は、保持部31と連結する。アライメント軸部38は、第1アーム部35に内蔵したモータM2により、第1アーム部35に対して回転するとともに、不図示のアクチュエータによりZ方向に移動する。すなわち、保持部31は、モータM2により、第1アーム部35に対して回転するとともに、アクチュエータによりZ方向に移動する。
【0026】
第1ステージ5Aは、第1ロボット3に対して、Y1方向の側に位置する。第1ステージ5Aは、X方向に長い板状であり、X方向に2つの表示パネル100が載置される大きさである。第1ステージ5Aは、位置調整部53により、Z方向に移動する。位置調整部53は、搬送部54によりX方向に移動する。位置調整部53および搬送部54は、電気シリンダなどで構成される。位置調整部53は、搬送部54のY1方向の側に位置する。第1ステージ5Aは、位置調整部53を介して、搬送部54により、X方向に移動する。ここで、第1ステージ5AがX1方向の端部まで移動した位置が、排出位置である。
【0027】
第2ステージ5Bは、第1ロボット3に対して、Y2方向の側に位置する。第2ステージ5Bは、X方向に長い板状であり、X方向に2つの表示パネル100が載置される大きさである。第2ステージ5Bは、位置調整部58により、Z方向に移動する。位置調整部58は、搬送部59によりX方向に移動する。位置調整部58および搬送部59は、電気
シリンダなどで構成される。位置調整部58は、搬送部54のY2方向の側に位置する。第2ステージ5Bは、位置調整部58を介して、搬送部59により、X方向に移動する。ここで、第2ステージ5BがX1方向の端部まで移動した位置が、排出位置である。
【0028】
図1、
図3に示すように、第1移動機構6Aは、第1ステージ5AのY1方向の側に位置する。第1移動機構6Aは、第1ステージ5Aに載置された処理前の表示パネル100および第1処理部15Aに載置された処理済みの表示パネル100を同時に移動させる。第1移動機構6Aは、アーム部62と、アーム部62の両端に設けられた吸着部としての2つ吸着部63と、アーム部62を回転させる駆動部64とを備える。吸着部63は、長方形であり、第1ステージ5Aに載置された2つの表示パネル100を吸着できる大きさである。駆動部64は、2つの吸着部63の中間位置を回転軸として、アーム部62を回転させる。アーム部62が180°回転することで、2つの吸着部63の位置が入れ替わる。
【0029】
図1に示すように、第2移動機構6Bは、第2ステージ5BのY2方向の側に位置する。第2移動機構6Bは、第2ステージ5Bに載置された処理前の表示パネル100および第2処理部15Bに載置された処理済みの表示パネル100を同時に移動させる。第2移動機構6Bは、アーム部67と、アーム部67の両端に設けられた吸着部としての2つ吸着部68と、アーム部67を回転させる駆動部69とを備える。吸着部68は、長方形であり、第2ステージ5Bに載置された2つの表示パネル100を吸着できる大きさである。駆動部65は、2つの吸着部68の中間位置を回転軸として、アーム部67を回転させる。アーム部67が180°回転することで、2つの吸着部68の位置が入れ替わる。
【0030】
図1に示すように、アライメントカメラ4は、搬入機構2と第1ステージ5Aとの間に位置する。アライメントカメラ4は、第1カメラ41と第2カメラ42とを備える。
図4に示すように、第1カメラ41と第2カメラ42は、保持部31で保持された第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを下方から撮影する。
図1に示すように、IDリーダ10は、搬入機構2と第2ステージ5Bとの間に位置する。IDリーダ10は、表示パネル100の記録部に記録されたデータを、下方から光学的に読み取る。IDリーダ10は、例えば、撮像素子などである。IDリーダ10が読み取った表示パネル100のデータに基づいて、処理部15で表示パネル100が処理される。
【0031】
図1、
図2に示すように、搬送機構7は、処理済みの表示パネル100が載置されるベースプレート71を備える。搬送機構7は、電動シリンダなどで構成される。搬送機構7は、ベースプレート71を、X軸方向に往復移動させる。
図1、
図2に示すように、第2ロボット8は、処理済みの表示パネル100を保持する吸着部81と、吸着部81を上下方向に移動させる位置調整部82と、位置調整部82をY軸方向に往復移動させる駆動部83とを備える。駆動部83は、電動シリンダなどで構成される。駆動部83は、位置調整部82を介して、吸着部81をY軸方に往復移動させる。仮置き部9は、搬送機構7のY方向の両側に2つ設けられている。本形態では、仮置き部9は、6つの表示パネル100を載置することができる。
【0032】
(搬送システム1の動作)
次に搬送システム1の動作について説明する。本形態では、搬送システム1は、2つの表示パネル100を搬送する場合について説明する。
図5は、アライメントカメラにより表示パネルを検知する状態を説明する図である。
図6は、第1移動機構の動きを説明する図である。
図7は、第2移動機構の動きを説明する図である。
【0033】
(第1ロボット3の動作)
搬入機構2は、ステージ21に載置された第1表示パネル100Aおよび第2表示パネ
ル100Bを、搬入機構2のX1方向の端部まで搬送する。第1ロボット3は、保持部31をステージ21まで移動させ、第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを保持する。この際、保持部31の第1保持プレート311は、第1表示パネル100Aを保持し、保持部31の第2保持プレート312は、第2表示パネル100Bを保持する。第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが保持部31により保持された後、搬入機構2は、ステージ21を搬入機構2のX2方向の端部まで移動させる。ステージ21が搬入機構2のX2方向の端部まで移動した後、ステージ21には次の表示パネル100が載置される。
【0034】
第1ロボット3は、保持部31が表示パネル100を保持すると、アライメントカメラ4の上方まで、保持部31を移動させる。具体的には、
図5(a)に示すように、第1ロボット3は、第1表示パネル100Aの第1角部101Aの近傍部分が第1カメラ41の上方に位置し、第2表示パネル100Bの第1角部101Bの近傍部分が第2カメラ42の上方に位置するように、保持部31を移動させる。第1カメラ41は、第1角部101Aのアライメントマークに基づいて、第1表示パネル100Aの第1角部101Aを検知する。第2カメラ42は、第1角部101Bのアライメントマークに基づいて、第2表示パネル100Bの第1角部101Bを検知する。次に、
図5(b)に示すように、第1ロボット3は、第1表示パネル100Aの第2角部102Aの近傍部分が第1カメラ41の上方に位置し、第2表示パネル100Bの第2角部102Bの近傍部分が第2カメラ42の上方に位置するように、保持部31を移動させる。第1カメラ41は、第2角部102Aのアライメントマークに基づいて、第1表示パネル100Aの第2角部102Aを検知する。第2カメラ42は、第2角部102Bのアライメントマークに基づいて、第2表示パネル100Bの第2角部102Bを検知する。
【0035】
第1カメラによって第1表示パネル100Aの第1角部101Aおよび第2角部102Aが検知されると、第1ロボット3は、保持部31に対する第1表示パネル100Aの位置を認識する。第2カメラによって第2表示パネル100Bの第1角部101Bおよび第2角部102Bが検知されると、第1ロボット3は、保持部31に対する第2表示パネル100Bの位置を認識する。
【0036】
次に、第1ロボット3は、IDリーダ10の上方まで保持部31を移動させる。具体的には、第1ロボット3は、第1カメラ41で検知された第1表示パネル100Aの位置に基づいて、第1表示パネル100Aの記録部がIDリーダ10の上方に位置するように、保持部31を移動させる。IDリーダ10は、第1表示パネル100Aの記録部を読み取り、処理データ等を取得する。また、第1ロボット3は、第2カメラ42で検知された第2表示パネル100Bの位置に基づいて、第2表示パネル100Bの記録部がIDリーダ10の上方に位置するように、保持部31を移動させる。IDリーダ10は、第2表示パネル100Bの記録部を読み取り、処理データ等を取得する。
【0037】
次に、第1ロボット3は、第1ステージ5Aの上方まで保持部31を移動させる。第1ロボット3は、第1ステージ5Aの第1ステージ5Aの上方まで保持部31を移動させた後、第1カメラ41で検知された第1表示パネル100Aの位置に基づいて、第1ステージ5Aに対して第1表示パネル100Aの位置合わせを行う。第1表示パネル100Aの位置合わせが行われた後、第1ステージ5Aは、位置調整部53によりZ1方向に移動する。第1ステージ5AがZ1方向に移動した後、第1ロボット3は、第1ステージ5Aに第1表示パネル100Aのみを載置する。
【0038】
第1表示パネル100Aが第1ステージ5Aに載置された後、第1ステージ5Aは位置調整部53によりZ2方向に移動する。次に、第1ロボット3は、第2カメラ42で検知された第2表示パネル100Bの位置に基づいて、第1ステージ5Aに対して第2表示パ
ネル100Bの位置合わせを行う。第2表示パネル100Bの位置合わせが行われた後、第1ステージ5Aは、位置調整部53によりZ1方向に移動する。第1ステージ5AがZ1方向に移動した後、第1ロボット3は、第1ステージ5Aに第2表示パネル100Bを載置する。
【0039】
第1ロボット3は、第1ステージ5Aに第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを載置した後、保持部31を搬入機構2へ移動させる。保持部31が搬入機構2へ移動した後、第1ステージ5Aに載置された第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bは、第1移動機構6Aによって、第1処理部15Aに移動される。
【0040】
第1ロボット3は、再び、ステージ21に載置された第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを保持する。その後、第1ロボット3は、アライメントカメラ4の上方まで、保持部31を移動させる。そして、先に述べたように、第1カメラ41は、第1角部101Aのアライメントマークに基づいて、第1表示パネル100Aの第1角部101Aを検知し、第2角部102Aのアライメントマークに基づいて、第1表示パネル100Aの第2角部102Aを検知する。第2カメラ42は、第1角部101Bのアライメントマークに基づいて、第2表示パネル100Bの第1角部101Bを検知し、第2角部102Bのアライメントマークに基づいて、第2表示パネル100Bの第2角部102Bを検知する。これにより、第1ロボット3は、保持部31に対する第1表示パネル100Aの位置と、保持部31に対する第2表示パネル100Bの位置とを認識する。
【0041】
第1ロボット3は、IDリーダ10の上方まで保持部31を移動させる。そして、先に述べたように、IDリーダ10は、第1表示パネル100Aの記録部および第2表示パネル100Bの記録部を読み取り、処理データ等を取得する。
【0042】
第1ロボット3は、第2ステージ5Bの上方まで保持部31を移動させる。第1ロボット3は、第2ステージ5Bの第2ステージ5Bの上方まで保持部31を移動させた後、第1カメラ41で検知された第1表示パネル100Aの位置に基づいて、第2ステージ5Bに対して第1表示パネル100Aの位置合わせを行う。第1表示パネル100Aの位置合わせが行われた後、第2ステージ5Bは、位置調整部58によりZ1方向に移動する。第2ステージ5BがZ1方向に移動した後、第1ロボット3は、第2ステージ5Bに第1表示パネル100Aのみを載置する。
【0043】
第1表示パネル100Aが第2ステージ5Bに載置された後、第2ステージ5Bは位置調整部58によりZ2方向に移動する。次に、第1ロボット3は、第2カメラ42で検知された第2表示パネル100Bの位置に基づいて、第2ステージ5Bに対して第2表示パネル100Bの位置合わせを行う。第2表示パネル100Bの位置合わせが行われた後、第2ステージ5Bは、位置調整部58によりZ1方向に移動する。第2ステージ5BがZ1方向に移動した後、第1ロボット3は、第2ステージ5Bに第2表示パネル100Bを載置する。
【0044】
第1ロボット3は、第2ステージ5Bに第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを載置した後、保持部31を搬入機構2へ移動させる。保持部31が搬入機構2へ移動した後、第2ステージ5Bに載置された第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bは、第2移動機構6Bによって、第2処理部15Bに移動される。
【0045】
第1ロボット3は、上記の動作を繰り返す。すなわち、第1ロボット3は、第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを、第1ステージ5Aおよび第2ステージ5Bに、交互に移動させる。
【0046】
(第1移動機構6Aおよび第2移動機構6Bの動作)
第1移動機構6Aの動作について説明する。
図6(a)に示すように、先ず、第1ステージ5Aに第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが載置されるときは、アーム部62は、X軸に沿った方向に延びた待機位置に位置する。
図6(b)に示すように、第1ステージ5Aに第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが載置された後、アーム部62は、駆動部64により、Y軸に沿った方向に回転される。
【0047】
アーム部62がY軸に沿った方向に回転した後、第1ステージ5Aは、位置調整部53により、Z1方向に移動することで、第1ステージ5Aに載置された第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが吸着部63と当接する。吸着部63が第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを吸着した後、第1ステージ5Aは、位置調整部53により、Z2方向に移動する。その後、
図6(c)に示すように、アーム部62は、駆動部64により、180°回転する。アーム部62が180°回転することで、吸着部63に吸着された第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bは、第1処理部15Aに移動して、第1処理部15Aに載置される。
図6(d)に示すように、第1処理部15Aに第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが載置された後、アーム部62は、駆動部64により、90°回転した位置で待機する。
【0048】
第1処理部15Aに載置された第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bは、第1処理部15Aにおいて点灯検査等の処理が行われる。第1処理部15Aで表示パネル100が処理されているとき、第1ロボット3は、再び、第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを第1ステージ5Aに載置する。
【0049】
図6(e)に示すように、第1処理部15Aで表示パネル100の処理が終了すると、アーム部62は、駆動部64により、90°回転する。その後、アーム部62のY1方向の端部の吸着部63は、第1ステージ5Aに載置された処理前の第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを吸着し、アーム部62のY2方向の端部の吸着部63は、第1処理部15Aに載置された処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを吸着する。それぞれの吸着部63が第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを吸着した後、アーム部62は、駆動部64により、180°回転する。これにより、2つの吸着部63の位置が入れ替わる。この結果、第1移動機構6Aは、処理前の第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを第1処理部15Aに移動させ、処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを第1ステージ5Aに移動させる。その後、第1移動機構6Aは、処理前の第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを第1処理部15Aに載置し、処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを第1ステージ5Aに載置する。
【0050】
上記で説明したように、第1移動機構6Aは、位置決めされた状態の表示パネル100を移動させることができる。より具体的には、アーム部62が180°回転することで、2つの吸着部63の位置が入れ替わるので、第1移動機構6Aは、第1ステージ5Aに対して位置決めされた表示パネル100を、位置決めされた状態で第1処理部15Aに移動させることができる。
【0051】
次に、
図6(f)に示すように、アーム部62は、駆動部64により、90°回転した位置で待機する。第1移動機構6Aによって処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが第1ステージ5Aに載置された後、第1ステージ5Aは、搬送部54により、X1方向の端部の排出位置まで移動する。
【0052】
次に、第2移動機構6Bの動作について説明する。
図7(a)に示すように、第2ステージ5Bに第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが載置されるときは、
アーム部67は、X軸に沿った方向に延びた待機位置に位置する。
図7(b)に示すように、第2ステージ5Bに第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが載置されると、アーム部67は、駆動部69により、Y軸に沿った方向に延びた入替位置に位置する。
【0053】
アーム部67がY軸に沿った方向に回転した後、第2ステージ5Bは、位置調整部58により、Z1方向に移動することで、第2ステージ5Bに載置された第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが吸着部68と当接する。吸着部68が第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを吸着した後、第2ステージ5Bは、位置調整部58により、Z2方向に移動する。その後、
図7(c)に示すように、アーム部67は、駆動部69により、180°回転する。アーム部67が180°回転することで、吸着部68に吸着された第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bは、第2処理部15Bに移動して、第2処理部15Bに載置される。
図7(d)に示すように、第2処理部15Bに第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが載置された後、アーム部67は、駆動部69により、90°回転した位置で待機する。
【0054】
第2処理部15Bに載置された第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bは、第2処理部15Bにおいて点灯検査等の処理が行われる。第2処理部15Bで表示パネル100が処理されているとき、第1ロボット3は、再び、第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを第2ステージ5Bに載置する。
【0055】
図7(e)に示すように、第2処理部15Bで表示パネル100の処理が終了すると、アーム部67は、駆動部69により、90°回転する。その後、アーム部67のY1方向の端部の吸着部68は、第2ステージ5Bに載置された処理前の第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを吸着し、アーム部67のY2方向の端部の吸着部68は、第2処理部15Bに載置された処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを吸着する。それぞれの吸着部68が第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを吸着した後、アーム部67は、駆動部69により、180°回転する。これにより、2つの吸着部68の位置が入れ替わる。この結果、第2移動機構6Bは、処理前の第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを第2処理部15Bに移動させ、処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを第2ステージ5Bに移動させる。その後、第2移動機構6Bは、処理前の第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを第2処理部15Bに載置し、処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを第2ステージ5Bに載置する。
【0056】
次に、
図7(f)に示すように、アーム部67は、駆動部69により、90°回転した位置で待機する。第2移動機構6Bによって処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが第2ステージ5Bに載置された後、第2ステージ5Bは、搬送部59により、X1方向の端部の排出位置まで移動する。
【0057】
上記で説明したように、第2移動機構6Bは、位置決めされた状態の表示パネル100を移動させることができる。より具体的には、アーム部67が180°回転することで、2つの吸着部68の位置が入れ替わるので、第2移動機構6Bは、第2ステージ5Bに対して位置決めされた表示パネル100を、位置決めされた状態で第2処理部15Bに移動させることができる。
【0058】
(第2ロボット8の動き)
第2ロボット8の動きについて説明する。第2ロボット8は、第1ステージ5Aおよび第2ステージ5Bによって搬送された処理済みの表示パネル100を、第1ステージ5Aおよび第2ステージ5Bから搬送機構7に交互に移動させる。具体的には、第1移動機構
6Aによって処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが第1ステージ5Aに載置された後、第1ステージ5Aは、搬送部54により、X1方向の端部の排出位置まで移動する。第1ステージ5Aが排出位置まで移動した後、第2ロボット8は、処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bの上方まで吸着部81を移動させる。吸着部81は、位置調整部82により、Z2方向に移動して、処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを保持する。その後、第2ロボット8は、駆動部83を駆動して、吸着部81をベースプレート71まで移動させ、処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bをベースプレート71に載置する。
【0059】
搬送機構7は、ベースプレート71をX1方向の端部まで移動させる。次工程のロボットは、移動してきたベースプレート71から処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを移動させる。このとき、次工程の作業が滞っていた場合、搬送機構7により、次工程への表示パネル100を移動することができないので、第2ロボット8は、処理済みの表示パネル100を仮置き部9の空いている場所に移動させる。次工程での作業が再開した場合は、第2ロボット8は、仮置き部9に載置された処理済みの表示パネル100を搬送機構7のベースプレート71に移動させる。
【0060】
第1ステージ5Aから処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが第2ロボット8によって移動した後、第1ステージ5Aは、搬送部54により、X2方向に移動する。その後、第1移動機構6Aにより、処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが、第1処理部15Aから第1ステージ5Aに移動する。
【0061】
第1ステージ5Aが搬送部54によりX2方向に移動した後、第2ステージ5Bに載置された処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bは、搬送部59により、X1方向の端部の排出位置まで移動する。第2ステージ5BがX1方向の端部の排出位置まで移動した後、第2ロボット8は、処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bの上方まで吸着部81を移動させる。吸着部81は、位置調整部82により、Z2方向に移動し、処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを保持する。その後、第2ロボット8は、駆動部83を駆動して、吸着部81をベースプレート71まで移動し、処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bをベースプレート71に載置する。
【0062】
搬送機構7は、ベースプレート71をX1方向の端部まで移動させる。次工程のロボットは、移動してきたベースプレート71から処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bを移動させる。このとき、次工程の作業が滞っていた場合、搬送機構7により、次工程への表示パネル100を移動することができないので、第2ロボット8は、処理済みの表示パネル100を仮置き部9の空いている場所に移動させる。次工程での作業が再開した場合は、第2ロボット8は、仮置き部9に載置された処理済みの表示パネル100を搬送機構7のベースプレート71に移動させる。
【0063】
第2ステージ5Bから処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが第2ロボット8によって移動した後、第2ステージ5Bは、搬送部59により、X2方向に移動し、第2移動機構6Bにより、処理済みの第1表示パネル100Aおよび第2表示パネル100Bが、第2処理部15Bから第2ステージ5Bに移動する。
【0064】
(本形態の主な効果)
本形態の搬送システム1は、表示パネル100を保持する第1ロボット3と、第1ロボット3により保持された表示パネル100の位置を検知するアライメントカメラ4と、第1ロボット3により保持された表示パネル100が載置される第1ステージ5Aと、第1
ロボット3により保持された表示パネル100が載置される第2ステージ5Bと、第1ステージ5Aに載置された表示パネル100を表示パネル100に対して処理を行う第1処理部15Aに移動させるとともに、第1処理部15Aで処理された処理済みの表示パネル100を第1ステージ5Aに移動させる第1移動機構6Aと、第2ステージ5Bに載置された表示パネル100を、第1処理部15Aと同じ処理を行う第2処理部15Bに移動させるとともに、第2処理部15Bで処理された処理済みの表示パネル100を、第2ステージ5Bに移動させる第2移動機構6Bとを備える。第1ロボット3は、アライメントカメラ4の検知結果に基づいて、第1ステージ5Aおよび第2ステージ5Bに対する表示パネル100の位置合わせをそれぞれ行う。
【0065】
このように構成するため、第1移動機構6Aは、第1ステージ5Aに対して位置決めされた表示パネル100を、第1処理部15Aに移動させることができる。同様に、第2移動機構6Bは、第2ステージ5Bに対して位置決めされた表示パネル100を、第2処理部15Bに移動させることができる。したがって、搬送システム1は、第1ロボット3とアライメントカメラ4を用いた簡素な構成であっても、2個所に設けられた処理部15に対して、位置決めされた状態の表示パネル100を移動させることができる。
【0066】
本形態において、前第1ロボット3は、上下方向から見た場合、第1ステージ5Aおよび第2ステージ5Bの間に配置されることが好ましい。このように構成することで、第1ロボット3の第1ステージ5Aへの移動範囲と、第1ロボット3の第2ステージ5Bへの移動範囲とを同じにすることができる。
【0067】
本形態において、第1移動機構6Aは、第1ステージ5Aに載置された処理前の表示パネル100および第1処理部15Aに載置された処理済みの表示パネル100を同時に移動させ、第2移動機構6Bは、第2ステージ5Bに載置された処理前の表示パネル100および第2処理部に載置された処理済みの表示パネル100を同時に移動させる。第1移動機構6Aおよび第2移動機構6Bは、各々、表示パネル100を保持する2つの吸着部63、68と、2つの吸着部の中間位置を回転軸として、2つの吸着部63、68の位置を入れ替える駆動部64、69とを備える。このように構成することで、処理前の表示パネル100および処理済みの表示パネル100を同時に移動させることができるので、搬送システム1の搬送時間を短縮することができる。
【0068】
本形態において、処理済みの表示パネル100を次工程に移動させる第2ロボット8を備える。第1ステージ5Aおよび第2ステージ5Bは、各々、処理済みの表示パネル100が載置された後、排出位置に移動し、第2ロボット8は、第1ステージ5Aおよび第2ステージ5Bが排出位置に移動した後、第1ステージ5Aおよび第2ステージ5Bから処理済みの表示パネル100を次工程に移動させる。このように構成することで、第1ステージ5Aおよび第2ステージ5Bにより、各々搬送される表示パネル100を、1つの第2ロボット8で次工程に移動させることができる。
【0069】
本形態において、処理済みの表示パネル100を仮置くための仮置き部9を備え、第2ロボット8は、次工程に処理済みの表示パネル100を移動させることができない場合は、処理済みの表示パネル100を、第1ステージ5Aおよび第2ステージ5Bから仮置き部9に移動させる。このように構成することで、次工程に処理済みの表示パネル100を移動させることができない場合でも、処理済みの表示パネル100を仮置き部9に移動させることができるので、搬送システム1の動作が停止することを抑制することができる。
【0070】
(他の実施の形態)
上記の形態では、保持部31は、2つの表示パネル100を同時に保持したが、1つの表示パネル100を保持してもよい。このとき、保持部31の第1保持プレート311が
第1表示パネル100Aを保持した場合、第1カメラ41のみが、第1表示パネル100Aの第1角部101Aおよび第2角部102Aを検知する。同様に、保持部31の第2保持プレート312が第2表示パネル100Bを保持した場合、第2カメラ42のみが、第2表示パネル100Bの第1角部101Bおよび第2角部102Bを検知する。
【符号の説明】
【0071】
1…搬送システム、2…搬入機構、3…第1ロボット、4…アライメントカメラ、5A…第1ステージ、5B…第2ステージ、6A…第1移動機構、6B…第2移動機構、7…搬送機構、8…第2ロボット、9…仮置き部、10…IDリーダ、15…処理部、15A…第1処理部、15B…第2処理部、21…ステージ、31…保持部、32…アーム本体部、35…第1アーム部、36…第2アーム部、37…駆動部、38…アライメント軸部、41…第1カメラ、42…第2カメラ、53…位置調整部、54…搬送部、58…位置調整部、59…搬送部、62…アーム部、63…吸着部、64…駆動部、67…アーム部、68…吸着部、69…駆動部、71…ベースプレート、81…吸着部、82…位置調整部、83…駆動部、100…表示パネル、100A…第1表示パネル、100B…第2表示パネル、101、101A、101B…第1角部、102、102A、102B…第2角部、311…第1保持プレート、312…第2保持プレート、M1、M2…モータ