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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】多機能充填バルブ
(51)【国際特許分類】
   B67C 3/22 20060101AFI20240718BHJP
   B65B 39/00 20060101ALI20240718BHJP
   F16K 27/02 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
B67C3/22
B65B39/00 B
F16K27/02
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020119158
(22)【出願日】2020-07-10
(65)【公開番号】P2021014309
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】10 2019 118 937.3
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドクター ヴァレンティン ベッヒャー
(72)【発明者】
【氏名】ベネディクト ヘングル
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ ドブリンガー
(72)【発明者】
【氏名】アントン フーバー
(72)【発明者】
【氏名】フーベルト アウアー
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ペシュル
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-097488(JP,A)
【文献】特開平06-040490(JP,A)
【文献】特開2014-129768(JP,A)
【文献】特開2005-114090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67C 3/22
B65B 39/00
F16K 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料充填システムにおいて充填製品を容器(100)に充填するための充填バルブ(1)であって、
前記充填製品を前記容器(100)へ吐出するように構成される流出口(13)と、
前記充填製品を受け取るように構成されて前記流出口(13)との流体接続状態に置かれることが可能である渦流室(11)と、
前記渦流室(11)への注入を行い、前記充填製品が前記渦流室(11)で渦流化されるように前記充填製品の少なくとも一つの主成分を前記渦流室(11)へ導入する構成を持つ主流入口(12)と、
を包含するバルブベース体(10)を包含する充填バルブであり、
前記渦流室(11)が環形状を有して、延在方向において、また前記延在方向に垂直に、丸い形状を前記環形状の断面輪郭が有し、
前記バルブベース体(10)が、
前記渦流室(11)と前記流出口(13)とを画定する壁の少なくとも一部を形成するバルブハウジング(15)と、
変形材料で形成される膜(17)であって、前記渦流室(11)を画定する前記壁の一部を形成するとともに、外側輪郭で前記バルブハウジング(15)に接続される膜(17)と、
を包含する、充填バルブ(1)。
【請求項2】
前記渦流室(11)が円環体の形状を有する、請求項1に記載の充填バルブ(1)。
【請求項3】
前記主流入口(12)が前記渦流室(11)へ接線方向に開口し、前記渦流室(11)の少なくとも軸方向外壁が連続的かつ区別可能な様態で前記主流入口(12)に移行する、請求項1または2に記載の充填バルブ(1)。
【請求項4】
前記渦流室(11)への前記主流入口(12)の開口部の領域において、前記渦流室(11)と同じ断面輪郭を前記延在方向に垂直に有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の充填バルブ(1)。
【請求項5】
前記流出口(13)が環状であって前記渦流室(11)が前記流出口(13)に向かって徐々にテーパ状であり、前記流出口(13)から出た後で前記充填製品が前記容器(100)内において螺旋運動で下向きに流れる、請求項1から4のいずれか一項に記載の充填バルブ(1)。
【請求項6】
なくとも部分的にテフロン(登録商標)から製造される、および/または、調節可能であるように構成されるバルブコーン(14)を前記充填バルブが包含する、請求項1から5のいずれか一項に記載の充填バルブ(1)。
【請求項7】
前記バルブコーン(14)が、調節可能な様態での前記流出口(13)における前記充填製品の流制御のために構成される、請求項6に記載の充填バルブ(1)。
【請求項8】
前記バルブベース体(10)がバルブシート(16)を包含し、前記バルブコーン(14)と前記バルブシート(16)とが、遮断位置において前記流出口(13)を完全に密閉するため前記バルブコーン(14)が前記バルブシート(16)との密閉接触状態であるように構成される、請求項6または7に記載の充填バルブ(1)。
【請求項9】
前記バルブコーン(14)が、前記流出口(13)に向かってテーパ状である円錐形流出口輪郭(14b)を有して少なくとも部分的に前記渦流室(11)まで延在する、請求項6から8のいずれか一項に記載の充填バルブ(1)。
【請求項10】
前記渦流室(11)が前記バルブコーン(14)を中心として軸方向対称に延在する、請求項6から9のいずれか一項に記載の充填バルブ(1)。
【請求項11】
前記渦流室(11)に開口するとともに、前記充填製品の一つ以上の追加成分が前記主成分と混合されるように前記追加成分を前記渦流室(11)へ導入する対応の構成を持つ一つ以上の二次流入口(12a,12b)を前記バルブベース体(10)が包含する、請求項1から10のいずれか一項に記載の充填バルブ(1)。
【請求項12】
前記バルブベース体(10)が、鋳造体として製造される、請求項1から11のいずれか一項に記載の充填バルブ(1)。
【請求項13】
前記膜(17)はテフロン(登録商標)製であり、前記外側輪郭は円形であり、
前記膜(17)は、前記バルブハウジング(15)への締結のために構成される環状のクランプ部分(17a)を有する、請求項12に記載の充填バルブ(1)。
【請求項14】
前記膜(17)が、内側輪郭で前記バルブコーン(14)に接続される、請求項6から10のいずれか一項に記載の充填バルブ(1)。
【請求項15】
前記二次流入口(12a,12b)のうち一つ以上が前記バルブハウジング(15)の孔により構成される、請求項11に記載の充填バルブ(1)。
【請求項16】
前記バルブハウジング(15)が、ラインまたは計量バルブ(19a,19b)をそれぞれ接続するための一つ以上の接合部(15a,15b)を、前記渦流室(11)から離れた外側面に包含する、請求項15に記載の充填バルブ(1)。
【請求項17】
前記バルブベース体(10)が、前記バルブコーン(14)を軸方向に貫通するガス管(18)を包含し、前記ガス管(18)が、パイプインパイプ構造を介して別々のガス経路となる、請求項から10のいずれか一項に記載の充填バルブ(1)。
【請求項18】
前記バルブコーン(14)の接続部分(14a)に機械的に接続されて、電気、磁気、空気、または油圧により前記バルブコーン(14)を操作するように構成されるバルブコーンドライブ(21)を前記充填バルブが包含し、前記バルブコーンドライブ(21)が、前記バルブコーン(14)に作用位置への予応力を与えるためのバネ(21b)を包含する、請求項から10のいずれか一項に記載の充填バルブ(1)。
【請求項19】
前記バルブベース体(10)に接続されるバルブ中央部(20)と、前記バルブ中央部(20)に接続されるバルブヘッド部(30)とを包含する充填バルブであり、前記バルブ中央部(20)が前記バルブコーンドライブ(21)を包含する、請求項18に記載の充填バルブ(1)。
【請求項20】
前記バルブベース体(10)が、前記バルブコーン(14)を軸方向に貫通するガス管(18)を包含し、
前記充填バルブが、前記バルブベース体(10)に接続されるバルブ中央部(20)と、前記バルブ中央部(20)に接続されるバルブヘッド部(30)とを包含し、
前記ガス管(18)との流体連通状態にあって各ケースでガスの流入口および/または流出口となる一つ以上の供給接続部(34)を前記バルブヘッド部(30)が包含する、請求項17または19に記載の充填バルブ(1)。
【請求項21】
それぞれ一つのガスバルブ(40,41,42)を接続するための一つ以上のガスバルブ接合部(32,33,34)を前記バルブヘッド部(30)が包含する、請求項20に記載の充填バルブ(1)。
【請求項22】
前記充填バルブは、前記ガス管(18)への挿入が可能なロッド形状のレベルプローブ(60)も包含し、前記レベルプローブ(60)は、前記ガス管(18)へ挿入された状態で前記容器(100)へ突出するとともに前記容器(100)での前記充填製品の充填レベルを検出するように構成される、請求項17に記載の充填バルブ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料充填システムにおいて、充填製品、好ましくは飲料を容器に充填するための充填バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の成分で構成される充填製品を混合および充填するため、個々の成分を計量するための様々な技術が知られており、以下で簡潔に提示される。
【0003】
例えば特許文献1に開示されているように、こうして所望の成分が、例えば別々の計量ステーションを介して個別に計量および充填されうる。しかしながら、それぞれの計量時間の持続中に容器が配置されなければならない複数の別々の計量/充填ステーションの間で各容器の充填が分散されるので、複数の成分のための別々の計量ステーションの使用は複雑なシステム設計およびプロセス手順につながる。別々のラインおよび吐出開口部を介して同時に、そして共通の充填ステーションで、容器への複数の成分を計量することは原則として可能であるが、これはボトル開口部および/または容器開口部のサイズにより制限される。
【0004】
代替的に、共通の充填バルブで成分を一緒に案内することが可能であり、例えば特許文献2と特許文献3を参照してほしい。このケースで、基本流体に追加される成分の計量は充填バルブ流出口の上流で行われ、例えば流量計によって容積を計量すること(特許文献2)により、または異なる容積計量技術(特許文献3)により、すなわち計量ピストンおよび/または膜ポンプによって、所望の量が測定されうる。
【0005】
流量計を使用する測定により、高レベルの計量精度が達成されうる。この流量計は、計量対象の容積または計量対象の質量を測定し、閾値に達した時には、計量ラインの遮断バルブを閉じる。例えばポンプまたはタイミング/加圧充填の使用など、他の容量計量方法は、たいてい高い不安定性を有し、計量媒体の変化、例えば圧力、温度、組成の変化に対してより敏感に反応する傾向がある。この結果、計量媒体を変更する時には特に、頻繁な校正が行われる。ごく少量(μl)のケースでの計量重量と容器重量との間の重大な差のため、計量される量の重量測定を実行することはほぼ不可能である。
【0006】
上に提示された技術は、事後の時点で、つまり充填プロセス中とその直前のいずれかに成分が混合されることを特徴とする。従来方法でもある工業的な大量混合とは対照的な事後成分追加および事後充填の利点は、例えばシールに付着して浄化により完全には除去されない濃縮香料の付着の回避が可能だということである。成分が互いに別々に容器開口部へ運ばれて、計量される量が滴下防止状態である場合には、成分および/またはその香料の付着が実質的に解消されうる。
【0007】
しかしながら、事後の混合は技術的困難とも関連している。ゆえに、例えば流量計を使用することにより計量プロセスは所望通りに加速されないので、充填プロセス期間の最適化は簡単には可能でない。容器が計量点を下回った状態にある時間は、充填ラインの出力に正比例する。それゆえ、出力要件が大きくなると、計量時間、ゆえに計量領域が減少されなければならないか、第2の平行計量ラインが構築されなければならない。計量可能な領域は、利用可能な計量時間、ゆえにライン出力に左右される。
【0008】
無視できない構造的複雑性と事後混合が関連していることが追記されるべきである。容器開口部が小さいケースでは、固定の計量ヘッドで移動中の容器に充填することは困難さを伴ってのみ可能である。ゆえに(例えばカルーセルタイプ機械のように)計量ヘッドが容器とともに移動しなければならないか、例えば線形サイクル機械のケースのように、計量および充填プロセスのための計量ヘッドの下で容器が停止しなければならない。複数の異なる計量成分が同時に提供されることが想定される場合、充填バルブに複数の充填点および/または計量成分が含まれるため、両方の解決法は工学技術の点で複雑で費用集約的かつ保守集約的であり、大量の構造スペースを必要とする。
【0009】
容積を判断し、同時に、すなわちポンプまたはピストン計量ポンプによって媒体を搬送するこれらの計量技術は、具体的に容器へ導入された容積について制御装置へフィードバックを提供することが可能でないという欠点を有する。これはタイミング/加圧充填にも等しく当てはまる。バルブが開口しないかラインが閉塞している場合には、システムによりこれが即座に識別されることは簡単ではない。続く充填済み容器の品質制御は、複数の成分によるカスタム充填のケースでは実行可能でないか、または非常に複雑なやり方でのみ可能であるので、具体的に計量された量についての計量システムからのフィードバックは、必ずしも必要でない場合にも望ましい。
【0010】
上述した技術的問題は、例えば特許文献4と特許文献5に開示されている計量/充填プロセスの開発につながった。このケースで、充填プロセス中に直接、充填製品の成分が流量計によって計量され、充填対象の容器へ一緒に導入され、計量プロセス中には、計量済み成分により主成分が後方へ移動する。移動した主成分の容積は流量計によって判断され、ゆえに計量済み成分の容積も確認され制御可能である。続く容器への充填製品の充填中に、主成分は計量済み成分と一緒に充填バルブから容器へ完全に送出され、同時に同じ流量計を使用して総充填量が判断されうる。次の充填サイクル中には、充填量と計量済み成分の量も再び判断されうる。ゆえに、交換時間を伴わずにカスタム飲料の非常にフレキシブルな充填が可能である。
【0011】
充填対象の流体を渦流化することは周知であって、この流体は遠心力の作用を受けて螺旋運動で容器壁を下向きに流れる。容器に設けられて充填プロセス中に充填製品により移動するガスは、中央の容器開口部から放出されうる。このようにして、均一かつ安定的で中断のない充填が短い充填時間で実行されうる。渦流を発生させるため、例えば特許文献6と特許文献7に開示されているように、例えばガイドブレードまたは渦流管の形で具現されうる渦流体が充填バルブに設けられうる。
【0012】
しかしながら、渦流体を備える充填バルブは、流入した充填製品、特に計量済み成分を、困難を伴ってのみ除去することが可能であるという欠点を有する。続く充填プロセスで充填製品を汚染しうる残留物が充填バルブに残らないように、前の充填の残留物が充填バルブからすべて除去されるように主成分の量および充填が設計されなければならない。しかしながら渦流発生はこのような完全な浄化を抑制する。これは、第一に残留物が渦流体に集積することがあるから、第二に渦流により層流が発生するからである。しかしながら、層流では、完全な送出にとって重要でありうる横断混合が行われることはほぼ不可能である。充填バルブでは、渦流化した層流が、比表面積が比較的高い環状間隙を流れることが追記されるべきである。
【0013】
上述した渦流バルブにおけるさらなる技術的問題は、これらの渦流バルブが流量の無段階制御機能を提供せず、ゆえに、特に後方への移動によるフレキシブルな計量に現在利用可能な高出力充填機械に適していないことである。流量および/または充填速度のこのような制御については、現在、比例流量調整器PFRが遮断バルブの上流で使用される。直列の二つの制御部材―遮断および流量制御―の使用は、構造において複雑であって圧力損失を増大させる。現在、多様な使用目的のための広範囲の多様なタイプの充填バルブが存在する(細片を含むか含まない炭酸もしくは無炭酸の充填製品、ガラス容器、またはPET容器等)。これは、管理および保守における多大な労力と多くの機械変形とを招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】米国特許出願公開第2008/0271809号明細書
【文献】欧州特許出願公開第0775668号明細書
【文献】国際公開第2009/114121号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2272790号明細書
【文献】独国特許出願公開第102009049583号明細書
【文献】独国特許出願公開第4012849号明細書
【文献】独国特許出願公開第2620753号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、小型で信頼性のある設計により、改良型の充填バルブを提示すること、特に頻繁な製品交換のケースでの衛生的な特性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1の特徴を有する充填バルブにより、この目的が達成される。従属請求項、発明についての以下の説明、そして好適な例示的実施形態の説明から、有利な発展例が得られる。
【0017】
本発明による充填バルブは、飲料充填システムにおいて充填製品、好ましくは飲料を容器に充填するように構成される。充填製品は好ましくは、主成分と少なくとも一つの追加成分とから成る多成分充填製品である。主成分は、例えば水またはジュースでありうる。追加成分は、例えばシロップ、果肉、果物片等を包含しうる。充填製品が追加成分を含まずに主成分のみで構成される場合には、「主成分」と「充填製品」の語は同義的に使用される。
【0018】
充填バルブは、充填製品を容器へ吐出および/または導入するように構成される流出口を備えるバルブベース体を有する。充填プロセス中に、容器開口部は通常、流出口のすぐ下に配設される。この目的のため、容器開口部はバルブベース体の開口部分に当接しうる。代替的に、充填バルブは開口ジェットバルブとしても使用されうる。
【0019】
バルブ体は、充填製品を受け取るように構成されるとともに、流出口との流体接続状態に置かれうる渦流室を包含する。
【0020】
バルブベース体は、渦流室への注入を行うとともに、充填室で充填製品が渦流化するように充填製品の少なくとも一つの主成分を渦流室へ導入する構成を持つ主流入口も包含する。
【0021】
渦流室は環形状を有し、その断面輪郭は、延在方向に、そして延在方向に垂直に、好ましくは実質的に角点を含まない丸い形状を有する。
【0022】
言い換えると、渦流室壁は、環状軸線に沿って、またこれに垂直に、実質的に連続しており幾何学的に区別可能である。「実質的に」の語は、第一に例えば主流入口とさらに後述する二次流入口との開口領域において角部が必ずしも回避可能でない、第二に「連続的な」、「区別可能な」、「角点」等のような幾何学的な語は、理想的な数学用語として解釈されるものではないという事実を表している。引用した渦流室の断面輪郭は多角形、すなわち矩形の形状を有していないことが重要である。
【0023】
例えば「下に」、「下方に」、「上に」、「上方に」等の空間的な語は、重力の方向により明らかに判断される充填バルブの設置位置を表す。設置状態において、その軸方向は重力の方向と少なくとも実質的に一致する。
【0024】
バルブベース体は、例えばガイドブレードまたは渦流管のような渦流体も、追加のフローガイドも必要とせず、ゆえに非常に衛生的で、例えば果物片、スラリ、果物繊維、その他を含有する多様な固体/液体混合物に対する許容性を持つ。また、渦流体の不在により流れの中の細片のサイズはほぼ制限されない。渦流室と比較的小さい表面積で達成されうる高い乱流のため、バルブベース体は、最小量の送出流体によるバルブ内部の完全な送出を可能にする。加えて、渦流室は、香料、果物片その他が集積する角部を実質的に有していない。送出の能力もこれにより最適化される。これらの理由から、バルブベース体は、特に計量対象の追加成分により、容器を含む充填製品のフレキシブルな交換に特に適している。
【0025】
バルブベース体を備える充填バルブは、壁充填のためと開口ジェット充填のため、および/または大気圧での製品充填のための使用が可能であるので、多様な用途のための充填バルブの変形の数が減少する。ゆえに管理および保守における労力と機械変形の数とが削減される。ここに記載されるタイプの充填バルブを備える充填システムは、普遍的な使用が可能である。幅広い多様な飲料と容器フォーマットと容器材料(PET、ガラス、缶、無炭酸、炭酸等)が、これにより充填されうる。
【0026】
好ましくは、渦流室は円環体の形状を有する。このケースで、「円環体」の語は、円形輪郭から構築される回転体ばかりでなく、これが好適である場合でも、回転輪郭および/または回転表面は、多角形の角部または縁部が存在しない限り、楕円形、長形、または多様な丸みを帯びうる。このような回転対称構造は、均一な渦流の形成と送出能力とをさらに促進する。
【0027】
好ましくは、主流入口は渦流室へ接線方向に開口する。このケースで、「接線方向の」の語は主流入口の幾何学的に完璧な接線接続を必要とするわけではない。代わりに、主流入口が特定の角度で渦流室に開口することを可能にすると構造的に好都合でありうる。流入方向はこのケースでは実質的に側方、つまり上方からでなく、ゆえにすぐに渦流室での渦流つまり環状流となることが重要である。
【0028】
主流入口から渦流室への充填製品の接線方向の流入により、この充填製品は最適な形で渦流化され、こうして充填製品は遠心力により外向きに押圧され、流出口から出た後に容器内、好ましくは容器壁において螺旋運動で下向きに流れる。流出口に向かって渦流室をテーパ状および/または縮小化すると、圧力の低下、ゆえに渦流の安定化を結果的に生じる。第一に、この結果は均一で明確な渦流を周囲に生じ、第二に、これは流量についての重大な決定要因である。加えて渦流室への注入を行う側方つまり接線方向の主流入口は、渦流室の上方に空間を生じる。この空間は、閉塞されておらず、特定用途のための充填バルブの変形の形成および/または区別化が後で実行されるようにバルブベース体をモジュール方式で広げるために使用され、こうして費用および資源が節約されうる。小型設計のバルブベース体であれば、例えば、流量制御および/または任意でさらなる制御機能(容器に予応力を加えるためのガスバルブ、復路ガスライン、減圧ライン、ソレノイドバルブ等)のためのバルブコーンドライブをバルブベース体の上方に衛生的な組み込むことを可能にする。例えば、分散制御アーキテクチャを実現するための制御回路基板は、バルブベース体の上方のバルブヘッドにも設置されうる。
【0029】
好ましくは、渦流形成と送出能力とを最適化するため、渦流室の少なくとも軸方向外壁は連続的で区別可能な状態で主流入口へ移行する。同じ理由から、渦流室への開口部の領域での主流入口は好ましくは、渦流室と実質的に同じ断面輪郭を延在方向に垂直に有する。好ましくは、両方の輪郭は実質的に同じ直径の円形である。このようにして、充填製品の接線方向供給は、渦流室の内側の環状流に最適な形で移行する。
【0030】
好ましくは、流出口は環状であり、類似の環状の渦流室は流出口に向かって徐々にテーパ状であり、こうして流出口から出た後に充填製品は容器内において螺旋運動で下向きに流れる。環状管での充填製品の目標加速によって、急速で制御下の充填が渦流室と流出口との間で実現されうる。渦流室は好ましくは、環状流出口の軸線について軸方向に対称な形状を有する。
【0031】
好ましくは、充填バルブは、好ましくは少なくとも部分的にテフロン(登録商標)から製造される、および/または、好ましくは調節可能であるように構成されるバルブコーンを有する。バルブコーンの潜在的な調節可能性は、後述するように遮断機能および/または流制御を包含しうる。
【0032】
こうしてバルブベース体は好ましくは、流出口における充填製品の調節可能な流制御のために構成されるバルブコーンを包含する。「流制御」の語は、バルブコーンを調節することによる流れの変更として理解され、流れの完全な消滅つまりゼロ流がこれに内含されるわけではない。ゆえに流れの二進法的なオンオフ切換は流制御の範囲に含まれない。バルブコーンの調節可能性は好ましくは、流出口により決定される軸方向において直動的に行われる。バルブコーン自体も好ましくは軸方向に延在する。好ましくは、バルブコーンは作用経路内で無段階に調節可能である。
【0033】
バルブコーンは渦流形成を促進する。例えば5×5×5mm以上の容積を有する大きな細片を充填するため、充填プロセス中のバルブコーン行程はフレキシブルに増大され、バルブコーンの調節可能性は、充填速度を制御するばかりでなく、充填が可能な充填製品の範囲を拡大するのにも役立ちうる。
【0034】
バルブコーンがテフロンから製造される場合には、低い表面エネルギーのため流出作用が向上されうる。加えてテフロン製のバルブコーンがステンレス鋼製のバルブハウジングと組み合わされる場合には、充填バルブが遮断機能を提供するのであれば、高い圧力差のケースでもこのような材料ペアリングにより完全な密閉が保証されうる。テフロンはまた、香料の付着可能性に対して非常に良好な耐性を有する。
【0035】
好ましくは、バルブベース体はバルブシートを包含し、流出口を完全に密閉するため遮断位置でバルブコーンがバルブシートとの密閉接触状態になるようにバルブコーンとバルブシートとが構成される。バルブベース体の流制御機能と遮断機能との統合により、部品数の減少と製品経路の単純化とが可能になる。これは圧力損失の減少につながり、充填プロセス中の一層慎重な製品処理と発泡の減少とに寄与する。
【0036】
好ましくは、充填バルブは、バルブベース体の上流に接続される制御バルブを有し、充填プロセスの開始時の圧力急上昇が吸収され、充填端部への製品流の縮小化が改良され、渦流が確実に維持されうる。
【0037】
好ましくは、流出口に向かってテーパ状であって少なくとも部分的に渦流室まで延在する円錐形の流出口輪郭をバルブコーンが有する。このようにして、バルブベース体の設計は特に小型である。
【0038】
渦流室は好ましくは、バルブコーンを中心として実質的に軸方向対称に延在する。このケースで、バルブコーンは渦流室の中央を貫通し、こうしてバルブコーンは渦流室を形成する壁の一部を相乗効果的に形成する。このようにして、バルブベース体はより一層小型になるように設計され、バルブコーンと渦流室との機能性が構造的に統合される。
【0039】
好ましくは、渦流室に開口するとともに、充填製品の一つ以上の追加成分を渦流室へ導入するように対応の構成を持つ一つ以上の二次流入口をバルブベース体が包含するので、これらの追加成分は主成分と混合される。何らかの追加成分の混合は二次流入口から渦流室へ直接的に行われ、バルブベース体からの有効送出能力が保証され、香料の付着可能性が最小化される。加えて、充填バルブは、こうしてフレキシブルな計量と後方への移動による瞬時製品変更とのために設計された充填システムでの適用に特に適している。
【0040】
充填製品はこのケースで、複数の成分を一緒に、つまり例えば水またはジュースのような主成分と、例えばシロップのような少なくとも一つの追加成分から、充填バルブの渦流室へ直接的に混合される。このケースで、充填プロセス中に、充填製品の追加成分は渦流室へ導入され、充填対象の容器へ渦流により一緒に送られる。渦流室への追加成分の導入により、主流入口からすでに供給されている主成分が後方へ移動する。移動した主成分の容積は例えば流量計によって判断され、ゆえに計量済み成分の容積も確認され、制御可能である。続く容器への充填製品の充填の間に、主成分は計量済み成分と一緒に充填バルブから容器へ完全に送出され、同時に同じ流量計を使用して総充填量が判断されうる。次の充填サイクル中に、充填量と計量済み成分の量も再び判断されうる。ゆえに、実質的に交換時間を含まずに、非常にフレキシブルで衛生的なカスタム飲料の充填が可能である。
【0041】
好ましくは、バルブベース体は、渦流室と流出口とを画定する壁の少なくとも一部を形成するバルブハウジングを包含し、バルブベース体は構造的に単純で特に信頼できるものである。バルブハウジングは一体的に製造されうる。好ましくは、バルブハウジングは鋳造体である。
【0042】
好ましくは、二次流入口の少なくとも一つはバルブハウジングの孔により構成される。バルブハウジングへの計量済み成分の供給を一体化することにより、ホースまたは追加ラインは必要ない。このようにして、構造的に単純で信頼できる形で、バルブベース体からの送出能力は最適化され、香料の付着可能性が最小化される。
【0043】
好ましくは、バルブベース体は、変形材料、好ましくはテフロン製の膜を包含し、この膜は、渦流室を画定する壁の一部を好ましくは上方領域に形成する。膜は、好ましくは円形である外側輪郭のバルブハウジングと、存在する場合には、好ましくはやはり円形である内側輪郭のバルブコーンとに接続される。渦流室に開口する側方つまり接線方向の主流入口は、上述した技術的効果に加えて、上方領域で渦流室を密閉する膜を取り付けるのに使用されうる空間を渦流室の上方に設ける。
【0044】
膜は変形可能および/または可撓性材料から製造され、バルブコーンの軸方向移動に従動することが可能であり、同時に衛生的な密閉を保証する。バルブコーンの作用領域は同時に、材料が膜に付与する変形可能性の程度を決定する。この機能性により、「可撓性」および「変形可能」等の語は膜について定義される。加えて、特にテフロンのケースにおける膜の可撓性と材料の性質とは、非常に小さい充填ストリームのケースでも、渦流による充填製品の充填を促進する。渦流により均一な流れが設定される前の充填プロセス開始時の想定外の局所的最大流は、バルブコーンの調節により、および/または、上流に配設される制御バルブにより抑制されうる。
【0045】
加えて膜の対称性は、概して充填バルブに必要であるように高い負荷サイクルの設計を可能にする。好ましくは、膜は、バルブハウジングへの締結のために構成される環状クランプ部分を有する。
【0046】
好ましくは、バルブハウジングは、ラインまたは計量バルブにそれぞれ接続するための一つ以上の接合部を渦流室から離れた外面に包含し、充填バルブはモジュール方式での拡張が可能である。計量バルブを接続することにより、後方への移動によるフレキシブルな計量を使用するケースでは特に、追加成分が正確に計量されうる。
【0047】
好ましくは、バルブベース体は、バルブコーンを軸方向に貫通するガス管を包含し、ガス管は好ましくは、パイプインパイプ構造を介して別々のガス経路となる。充填中に容器から移動する容器内のガス雰囲気を誘導するため、ガス管は復路ガス管として使用されうる。しかしながら、別々の供給および排気ガス経路を提供するため、例えば充填対象の容器を排気する、予応力ガス、すなわち二酸化炭素で容器に予応力を加える、容器を洗浄する、容器を浄化する等のため、ガス管は多管構造も有しうる。
【0048】
好ましくは、充填バルブは、バルブコーンの接続部分に機械的に接続されて、好ましくは電気、磁気、空気、油圧によりバルブコーンを操作するように構成されるバルブコーンドライブを包含し、バルブコーンドライブは好ましくは、作用位置、好ましくは遮断位置へバルブコーンに予応力を加えるためのバネを包含する。バルブベース体の小型設計は、衛生的で信頼でき、構造的に単純なバルブコーンドライブの一体化を可能にする。
【0049】
好ましくは、充填バルブは、バルブベース体に接続されるバルブ中央部と、バルブ中央部に接続されるバルブヘッド部とを包含し、バルブ中央部はバルブコーンドライブを包含する。上に挙げた接線方向の主流入口は、一つ以上のバルブ部品が積重ね状態で装着されうるように、バルブベース体の上面を非閉塞状態にし、充填バルブはモジュール方式での構築が可能であり、特定用途のための変形の形成および/または区別化は、事後の実行が可能である。このようにして、管理および/または保守における労力と機械変形の数とが削減される。
【0050】
好ましくは、バルブヘッド部は、ガス管との流体連通状態にあるとともに各ケースでガスの流入口および/または流出口を提供する一つ以上の供給接続部を包含し、充填バルブはフレキシブルに使用され、バルブヘッド部のアクセス容易な供給接続部により容易な設置および保守が可能である。
【0051】
好ましくは、バルブヘッド部は、それぞれ一つのガスバルブを接続するための一つ以上のガスバルブ接合部を包含し、充填バルブは、実質的にモジュール方式での構築および/または構成が可能であり、特定用途のための変形の形成および/または区別化も事後の実行が可能である。
【0052】
好ましくは、充填バルブは、ガス管への挿入が可能であって、容器への挿入状態で突出して容器内の充填製品の充填レベルを検出するように構成されるロッド形状のレベルプローブを包含する。レベルプローブを取り付けるための孔との対応の接合部が、バルブヘッド部に構成されうる。このようにして、充填バルブは、モジュール式基本構造の範囲内において測定技術により拡張されうる。
【0053】
本発明のさらなる利点および特徴は、好適な例示的実施形態についての以下の説明から導出されうる。ここに記載される特徴は、個別に、または上に挙げた特徴が互いに矛盾しない限りこれらの特徴のうち一つ以上との組み合わせで実行されうる。好適な例示的実施形態についての以下の説明は、添付図面を参照して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
以下の図の説明によって、本発明のさらなる好適な実施形態がより詳細に記載される。
図1】渦流室とバルブコーンと膜とを備えるバルブベース体の斜視断面図を示す。
図2図1のバルブベース体の断面図を示す。
図3a】さらなる例示的実施形態による、渦流室とバルブコーンと膜とを備えるバルブベース体の断面図を示す。
図3b図3aのバルブベース体を平面図で示す。
図4図3aおよび3bのバルブベース体のバルブコーンと膜とで構成される構造ユニットの斜視断面図を示す。
図5図3aおよび3bのバルブベース体のモジュール部品としてのバルブハウジングの斜視図を示す。
図5a図5のバルブハウジングの多様な構成の斜視図を示す。
図5b図5のバルブハウジングの多様な構成の斜視図を示す。
図5c図5のバルブハウジングの多様な構成の斜視図を示す。
図5d図5のバルブハウジングの多様な構成の斜視図を示す。
図6図3aおよび3bによるバルブベース体と、バルブコーンドライブを備えるバルブ中央部と、バルブ支承板を備えるバルブヘッド部とを備える充填バルブの断面図を示す。
図6a図6のバルブ中央部のハウジングの斜視図を示す。
図6b図6のバルブヘッド部の斜視図を示す。
図7a】充填バルブの例示的構成の斜視図を示す。
図7b】充填バルブの例示的構成の斜視図を示す。
図7c】充填バルブの例示的構成の斜視図を示す。
図7d】充填バルブの例示的構成の斜視図を示す。
図8a】充填対象の容器に対する充填バルブの例示的使用を示す。
図8b】充填対象の容器に対する充填バルブの例示的使用を示す。
図8c】充填対象の容器に対する充填バルブの例示的使用を示す。
図9】レベルプローブが挿入された充填バルブの断面図を示す。
図9a図9のレベルプローブの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
好適な例示的実施形態が図を参照して以下で説明される。このケースで、同一、類似、または類似作用である要素は図で同一の参照番号が付与され、冗長性を回避するため幾つかのケースではこれらの要素の反復的な説明は不要である。
【0056】
図1は、渦流発生を伴う充填バルブ1(図6参照)のバルブベース体10の斜視図である。図2は、バルブベース体10を断面図で示す。
【0057】
バルブベース体10は、環状管および/または円環体として設計される渦流室11を有する。バルブベース体10は、図1の斜視図では視認できない主流入口12も有し、これは接線方向に、または実質的に接線方向に渦流室11へ開口する。主流入口12は図2に概略的に示されている。主流入口12は加えて、図2,3a,3bその他の例示的実施形態に示されている。
【0058】
バルブベース体10の下方領域において、渦流室11は環状流出口13に向かってテーパ状であり、充填製品は、充填プロセス中にこの流出口から出て、バルブベース体10の下方に載置された容器(図1および2では不図示)に入る。
【0059】
「下に」、「下方に」、「上に」、「上方に」等の空間的な語は、重力の方向により明白に判断される充填バルブ1の設置位置を指す。また、環状流出口13により、充填バルブ1および/またはそのバルブベース体10は、設置状態において重力方向と少なくとも実質的に一致する明確な軸方向を有する。
【0060】
主流入口12から渦流室11への充填製品の接線方向の供給により、この充填製品は渦流化され、充填製品は遠心力のため外向きに押圧され、バルブベース体10を出た後に外向きに押圧され、容器壁を下向きに流れる。流出口13までの渦流室11のテーパ状化および/または縮小化は、第一に周囲の均一かつ明確な渦流につながり、第二に流量についての重大な決定要因となる。ゆえにテーパ状化の程度、特に流出口13での環状間隙の寸法が調節可能である場合には、一体的な流量制御が、任意でその遮断を含めて実行されるか、充填製品中の細片の最大サイズが変更されうる。
【0061】
上述の流制御は以下のように実行されうる。図1および2の例示的実施形態により、バルブベース体10は、流出口13に向かってテーパ状の円筒形状を有するバルブコーン14をこの目的のために有する。バルブコーン14の外周表面により、渦流室11に隣接する環状間隙の内面が少なくとも部分的に形成される。環状間隙の外側は、バルブハウジング15により画定および/または形成される。この例示的実施形態によるバルブコーン14は、軸方向に、つまり上向きおよび下向きに移動可能であるように設計される。このようにして、環状間隙は流出口13で拡大および縮小されうる。バルブコーン14の高さ調節は、作用領域内で、つまり全開位置と閉位置または最小流位置との間で、好ましくは無段階で行われる。バルブハウジング15の内部形状により、充填バルブ1の閉位置でバルブコーン14との密閉接触状態にあるバルブシート16が形成される場合には、流出口13が完全に密閉されることで、遮断機能が実行される。
【0062】
渦流室11への注入を行う側方つまり接線方向の主流入口12は、上述した技術的効果に加えて渦流室11の上方に空間も設ける。空間は閉塞されておらず、渦流室11を上方領域で密閉する膜17を取り付けるのに使用されうる。膜17は、直接的に、または締結手段を介して間接的にバルブハウジング15に接続される円形の外側輪郭を有する。膜17は、径方向内側でバルブコーン14に締結される。膜17は可撓性材料、好ましくはテフロンから製造され、バルブコーン14の軸方向移動への従動が可能であり、同時に渦流室11の衛生的密閉を保証する。加えて膜17の対称性は、充填バルブに概して必要とされる高負荷サイクルの実施形態を可能にする。
【0063】
バルブベース体10は、バルブコーン14の中央を軸方向に貫通するガス管18も有する。充填プロセス中に容器から移動する加圧ガスなどのガスを容器から誘導するため、ガス管18は例えば復路ガス管である。しかしながら、別々の供給および排気ガス経路を設けるため、ガス管18が多管構造、例えばパイプインパイプ構造を有してもよい。
【0064】
バルブコーン14は、絞り点の実質的にすぐ下方、つまり流出口13を形成する環状間隙の最も狭い点を終端とし、こうして単相の分離流から壁の膜流への規定の変化が容器で実現される。ゆえに明確で均一な液体の分離エッジが、すなわち最大流量の点に形成される。好ましくは、バルブシート16、つまり遮断点は分離エッジのすぐ近傍に配設され、こうして滴下に関わる表面が最小化される。
【0065】
バルブコーン14は好ましくはテフロンから製造され、低い表面エネルギーのため流出作用が改善される。加えてバルブハウジング15がステンレス鋼から製作される場合には、高い圧力差のケースであっても材料ペアリングなどによって完全な密閉が保証されうる。
【0066】
バルブコーン14は別にして、バルブベース体10は、例えばガイドブレードまたは渦流管などの渦流体も追加のフローガイドも必要とせず、ゆえに非常に衛生的で、例えば果物片、スラリ、果物繊維その他を含有する多様な固体/液体混合物に対する許容性を持つ。また、流れの中の細片のサイズは、渦流体の不在ゆえにほぼ制限されない。例えば5×5×5mm以上の容積を有する大きな細片を充填するため、充填プロセス中のバルブコーン行程はフレキシブルに増加しうる。
【0067】
バルブベース体10は、充填製品が容器壁において螺旋形状で下向きに進む上述の壁充填に特に適している。しかしながら、バルブベース体10を備える充填バルブ1は、開口ジェットバルブとしても使用されうる。このケースで、バルブベース体10は衛生的な制御バルブとしても使用され、この制御バルブは、隣接の安定化区分と任意で流出口のガスバリヤとを備える対応の充填製品ラインに設置される。必要な場合には、接線方向ではなく径方向の主流入口12により渦流が除去されうる。
【0068】
渦流室11で達成されうる高い乱流と比較的小さい表面積のため、バルブベース体10は、最小量の送出流体によるバルブ内部、特に渦流室11と充填方向においてこれに隣接する流出口13からの完全な送出を可能にする。この理由から、バルブベース体10は、例えば容器を含む充填製品、特に計量対象の成分の頻繁な交換に特に適している。特に有効な送出能力のため、バルブベース体10は無菌充填機械でも使用されうる。
【0069】
バルブベース体10での制御および遮断の機能の統合は、部品数の削減と製品経路の単純化とを可能にする。これは圧力損失の減少を生み、充填プロセス中のより慎重な製品処理と発泡の抑制とに寄与する。
【0070】
加えてバルブベース体10の小型設計は、バルブコーンドライブと任意でさらなる制御機能とをバルブヘッドに、つまり渦流室11の上方に衛生的に一体化すること、例えば容器に予応力を与えるためのガスバルブと、復路ガスラインと、減圧ラインと、さらに別の制御機能のためのソレノイドバルブとを、バルブの昇降、成分の計量等のように充填バルブ1の領域に一体化することを可能にする。同様に、例えば、非中心制御アーキテクチャを実現するための制御回路基板がバルブヘッドに設置されうる。
【0071】
バルブベース本体10を備える充填バルブ1がモジュール方式で拡張可能であって壁充填のためと開口ジェット充填のため、および/または大気圧で製品を充填するためにも使用が可能であるので、多様な使用のための複数の充填バルブ変形が削減される。ゆえに管理および保守における労力と機械変形の数とが減少する。ここに記載されるタイプの充填バルブ1を備える充填システムは、普遍的な使用が可能である。幅広い多様な飲料、容器フォーマット、そして材料(PET、ガラス、缶、無炭酸、炭酸等)がこれにより充填されうる。
【0072】
図3aは、さらなる例示的実施形態による渦流発生を含むバルブベース体10の断面図である。バルブベース体10の平面図は図3bに示されている。基本構造とこれに関連する技術的機能とは、図1および2の例示的実施形態に類似している。しかしながら図3aおよび3bによるバルブベース体10は、上述した変形に対して拡張された機能的範囲を有する。
【0073】
ゆえにバルブベース体10は、第1および第2二次流入口12a,12bと記される二つのさらなる流入口を有する。二つの二次流入口の数は例に過ぎず、使用目的に従って変形されうる。
【0074】
二次流入口12a,12bは、ここでは追加成分としても記されるさらなる成分の渦流室11への直接的な供給を可能にする。追加成分の量の計量を可能にするため、二次流入口12a,12bは各ケースで計量バルブ19a,19bを備える。計量バルブ19bは図3aの斜視図では視認できないが、例えば図7aから導出されうる。以下で詳述するように、計量バルブ19a,19bは、特に後方への移動による計量を可能にする。しかしながら、バルブベース体10のさらなる構造的特殊性と実施形態とを最初に説明する。
【0075】
二次流入口12a,12bから、追加成分の混入が渦流室11へ直接的に行われ、バルブベース体10からの有効送出能力が保証され、香料の付着の可能性が最小化される。計量済み成分の供給をバルブハウジング15に一体化したことで、ホースまたは追加ラインは必要とされない。このようにして、バルブベース体10は製品の瞬時変更に特に適している。
【0076】
バルブベース体10は多くの点でモジュール構成であり、ゆえに機能的な拡張および適応化が簡単である。こうして図4には、バルブコーン14と膜17とで構成される構造ユニットが示されている。膜17は、バルブハウジング15に締結するように設計されたクランプ部分17aを有する。クランプ部分17aは環状構造であり、これは膜17の一体的部品として、または別の要素として締結されうる。径方向一体的領域で、膜17がバルブコーン14に締結される。バルブコーン14の上方領域に配設されるのは、潜在的なバルブコーンドライブに接続するための接続部分14aである。
【0077】
バルブコーン14のためと膜17のためのテフロンの材料ペアリングが好適である。膜の可撓性と材料の性質とは、非常に少ない充填ストリームでも渦流による充填製品の充填を促進する。加えて、渦流による均一な流れが設定される前の充填プロセスの開始時に、想定外の局所的最大流が抑制される。それゆえ、低い表面エネルギーにより流出作用を最適化するテフロン製のバルブコーン14との組み合わせで、均一で安定的な不断の充填が短い充填時間で実現されうる。
【0078】
クランプ部分17aと接続部分14aとは規定の、好ましくは標準的な寸法を有するので、多様な流特性および充填特性を備える多様な膜17および/またはバルブコーン14が、バルブベース体10全体の再設計を伴わずに使用されうる。残りのバルブベース体10、特にバルブハウジング15は固定の標準的な部品でありうるが、バルブコーン14と膜17とで構成される構造ユニットによりバルブ特性は容易に変更可能である。このようにして、例えば、渦流室11のサイズ、バルブコーン14、特にその流出口輪郭14bの形状、バルブコーン14の予応力位置および予応力は、膜17その他により簡単に修正され、所望の使用環境に適応化されうる。
【0079】
同様にして、バルブベース体10、特にバルブハウジング15は、モジュール方式でも設計されうる。ゆえに図5は、例示的実施形態によるバルブベース体10のモジュールユニットとしてのバルブハウジング15を斜視図で示す。
【0080】
バルブハウジング15は、図5に基本形状で示されている。これは好ましくは均一な接合部を備える鋳造体として設計される。基本形状のバルブハウジング15は、例えば充填対象の容器に接続するための開口部分15cの変形、または二次流入口12a,12bのための接合部15a,15bの形状および数に関係する様々な製造変形のための初期部品として機能する。
【0081】
図5a~5dは、多様な使用環境に対応するためバルブハウジング15の多様な実施形態を示す。ゆえに図5aは、二次流入口12aおよび12bが開口している変形を示す。ゆえにライン、計量バルブ19a,19bその他は、例えばシロップ、果肉、スラリ、細片等のような充填製品の成分を渦流室11へ導入および/または計量することが可能であるように、この点に配設される接合部15a,15bに接続されうる。図5bは、二次流入口が密閉されているか設けられていない製造変形でのバルブベース体10の基本形状を示す。接合部15a,15bまたはその基本形状は、これ以上は区別されないが、視認可能である。図5cは、ボトル開口部を収容する、および/またはガラス瓶に充填するように設計される開口部分15cを備えるバルブハウジング15を示す。図5dは、ボトル開口部を収容する、および/またはPETボトルに充填するように設計される開口部分15cを備えるバルブハウジング15を示す。
【0082】
図3aに戻ると、バルブハウジング15の開口部分15cへのボトル形状容器100の可能な接続が示されている。容器100は、壁充填モードで開口部分15cとの接触状態にある容器開口部101を有し、充填プロセス中に、渦流室11で渦流化した充填製品は、容器壁において遠心力の作用により螺旋運動で下向きに流れる。
【0083】
上に挙げた接線方向の主流入口12により、一つ以上のモジュール式バルブ部品が装着されうるようにバルブベース体10の上面が閉塞されない。ゆえに図6は、図3aおよび3bの変形でのバルブベース体10と、第1モジュール式バルブ部品としてのバルブ中央部20と、第2モジュール式バルブ部品としてのバルブヘッド部30とを有する例示的な充填バルブ1を断面図で示す。
【0084】
バルブ中央部20は、接合部を介してバルブベース体10のバルブハウジング15に締結される。図6の例示的実施形態において、バルブ中央部20は、バルブコーン14を操作するためのバルブコーンドライブ21を有する。この目的のため、バルブコーンドライブ21は、例えば電気、磁気、空気、油圧で作動するアクチュエータを有する。この例で、バルブコーンドライブ21は、バルブコーン14を操作するため圧縮空気のような作用媒体を介して供給が行われうる媒体接続部21aを有する。また、バルブコーンドライブ21は、作用位置、例えば遮断位置または全開位置へバルブコーン14に予負荷を与えるように機能する螺旋バネとして好ましくは構成されるバネ21bを有する。
【0085】
この例示的実施形態によれば、ガス管18はパイプインパイプ構造を介した別々のガス経路となる。好ましくはテフロン製である膜によってバルブ中央部20とバルブヘッド部30との間の接合部でガス経路の分離が促進されうるので、これらの部品はバルブヘッド部30で接続部および/または上述の接合部に接続されうる。
【0086】
バルブコーンドライブ21は、バルブベース体10に締結するように設計される円筒形ハウジング22に収容され、この目的のため明確で好ましくは標準的な一つ以上の接合部を有する。ハウジング22は図6aでは別々に示されている。また、下方の方形フランジ部分22aと上方の環状フランジ部分22bとが示されて、例としてフランジ部分はバルブ中央部20を取り付けるための接合部である。このように対称性を故意に中断することにより、バルブ中央部20が正確な位置および配向で常に取り付けられることが保証されうる。下方および上方フランジ部分22a,22bは各ケースで孔を有して、これにより締結手段としてのねじが挿入され、バルブベース体10とバルブヘッド部30とがバルブ中央部20にねじ結合される。
【0087】
図6bに別々に示されているバルブヘッド部30は上部で充填バルブ1に隣接し、バルブ支承板31と、充填バルブ1の機能性に関係する多様な接続部および/または接合部とを有する。
【0088】
バルブヘッド部30は、バルブ支承板31を介してバルブ中央部20に締結される。このケースで、バルブヘッド部30、特にそのバルブ支承板31は、バルブベース体10に直接的に接続されるように設計されうる。
【0089】
この例示的実施形態において、バルブヘッド部30は、ガスバルブ40,41,42(図7a,7b,7c参照)を接続するように設計される複数、例えば三つのガスバルブ接合部32,33,34を有する。ガスバルブ40,41,42の制御とガスの供給/排出は、対応の供給接続部35により行われる。
【0090】
図7aから7dは、充填バルブ1の例示的な構成を示す。特定用途のための変形の形成および/または区別化はモジュール設計により後になってから実行され、費用および資源が節約されうる。
【0091】
図7aは、三つのガスバルブ40,41,42と二つの計量バルブ19a,19bとを備える充填バルブ1を示す。この変形で、充填バルブ1は、例えば、ビールおよびCSD(炭酸ソフトドリンク)のように二酸化炭素を含有する飲料を充填するのに適している。このケースのガスバルブ40は、予応力ガス、概して二酸化炭素によって容器100に予応力を加えるため、予応力バルブとして機能する。ガスバルブ41は容器100を減圧するように機能する。つまり高い圧力下にあるガスまたは充填中に排出されるガスが、それゆえガスバルブ41を介して容器100から被制御状態で誘導されうる。負圧下で除去送出ガスその他を充填するため、ガスバルブ42を介して負圧または真空が容器100に発生されうる。充填前に容器100を真空化することにより、容器100内の酸素の量を減少させて製品品質の低下を抑制することが可能である。図6に示されているように、様々なガス供給およびガス排出機能は、好ましくはガス管18のパイプインパイプ構造により別々のガス経路を介して実現される。短い交換時間を含むか含まずに非常にフレキシブルなカスタム飲料の充填を可能にするため、主流入口12を介して渦流室11へ導入される主成分、例えば水またはジュースは、計量バルブ19a,19bを介して、一つか二つの計量済み成分、例えばシロップまたは果肉に加えて、渦流室11へ計量されうる。
【0092】
図7bは、二つのガスバルブ40,41と二つの計量バルブ19a,19bとを備える充填バルブ1を示す。この変形では、充填バルブ1は、例えば水と二酸化炭素(CSD)を含有するソフトドリンクとを充填するのに適している。ガスバルブ40はこのケースで、加圧ガス、概して二酸化炭素によって容器100に予応力を加えるため、予応力バルブとして機能する。ガスバルブ41は容器100を減圧するように機能する。つまり高圧下のガスまたは充填中に移動するガスはそれゆえガスバルブ41を介して被制御状態で容器100から誘導されうる。図6に示されているように、多様なガス供給およびガス排出の機能は、別々のガス経路を介して、好ましくはガス管18のパイプインパイプ構造を介して実現される。短い交換時間を含むか含まないカスタム飲料の非常にフレキシブルな充填を可能にするため、主流入口12を介して渦流室11へ導入される主成分、例えば水は、一つか二つの計量済み成分、例えばシロップに加えて、計量バルブ19a,19bを介して渦流室11へ計量されうる。
【0093】
図7cは、隣接する第2二次流入口12bを備えるがガスバルブを含まない充填バルブ1を示す。バルブ19bは、第2二次流入口12bに接続される。この変形では、充填バルブ1は例えばジュースの高温充填に適している。主流入口12はこのケースでは高温取入口として機能するが、バルブ19bが接続された第2二次流入口12bは高温の復路として機能する。ガス管18は、例えばバルブヘッド部30を介して外部環境と連通し、ガスバルブの介在を含まずに純粋に復路管として機能する。別のガス経路はこの用途では必ずしも必要ない。
【0094】
図7dは、二つのガスバルブ40,41と、接続された第2二次流入口12bとを備える充填バルブ1を示す。バルブ19bは第2二次流入口12bに接続される。この変形において、充填バルブ1は、例えば二酸化炭素(CSD)を含有するソフトドリンクの充填とジュースの高温充填とに適している。主流入口12は後者のケースでは高温取入口として機能し、一方で接続バルブ19bを備える第2二次流入口12bは高温の復路として機能する。ガスバルブ40は、加圧ガス、概して二酸化炭素によって容器100に予応力を加えるための予応力バルブとして機能する。ガスバルブ41は容器100を減圧するように機能する。つまり高圧下のガスまたは充填中に移動するガスはそれゆえ、ガスバルブ41を介して被制御状態で容器100へ誘導されうる。図6に示されているように、多様なガス供給およびガス吐出の機能は、別のガス経路を介して、好ましくはガス管18のパイプインパイプ構造を介して実現される。
【0095】
充填バルブ1についてここに提示されるフレキシブル性というさらなる特徴は、充填対象の容器100に関係する処理に関する。図8aから8cは、充填バルブ1の多様な使用を示す。
【0096】
図8aおよび8cによれば、充填バルブ1は垂直方向に移動可能であるように設計されうる。この目的のため、主流入口12は可撓性製品ライン50に接続されうる。このように設計される充填バルブ1は、図8aに示されているように、例えばいわゆる「ネックハンドリング」のケースで使用される。このケースで、充填対象の容器100は、ネックによりおよび/または容器開口部101により、保持具52、例えば星形輸送器の保持クランプで保持および輸送される。このタイプのハンドリングは、PETボトルのケースで多く使用される。図8cも垂直方向に移動可能な充填バルブ1を示し、容器100はテーブル状の容器受台53に載置される。このタイプのハンドリングは「ベースハンドリング」とも記され、例えばガラス瓶で使用される。固定の充填バルブ1による「ベースハンドリング」が図8bに示されている。このケースでは、充填プロセスのため、垂直方向移動可能なテーブル状容器受台53´により容器100が充填バルブ1の方向に下方から移動するので、主流入口12は剛性製品ライン51に接続されうる。
【0097】
図9および9aに示されているように、充填バルブ1はレベルプローブ60を備えうる。図9a参照のレベルプローブ60は、ロッドの一端部にセンサ要素61を備えるロッド形状構成のものである。レベルプローブ60は、例えばセンサ要素61の浸漬により容器100内の充填製品の充填レベルを検出するように設計される。この目的のため、センサ要素61が容器100内の規定位置に配設されるまで、レベルプローブ60がガス管16へ挿入される。レベルプローブ60を取り付けるための孔を備える対応の接合部が、バルブヘッド部30に構成される。
【0098】
ここに提示される充填バルブ1は、フレキシブルな計量と後方への移動による瞬時製品変更のために設計される充填システムでの使用に特に適している。このケースにおいて充填製品は、充填バルブ1の渦流室11において直接、複数の成分、つまり水のような主成分とシロップのような少なくとも一つの追加成分から一緒に混合される。このケースでは、充填プロセス中に、充填製品の追加成分が、設けられる可能性のある何らかの計量バルブ19a,19bを介して渦流室11へ導入され、充填対象の容器100へ一緒に送られる。追加成分を渦流室11へ導入することにより、主流入口12からすでに供給された主成分は後方へ移動する。移動した主成分の容積は流量計によって判断され、ゆえに計量済み成分の容積が確認され制御可能である。続く容器100への充填製品の充填中に、主成分は計量済み成分と一緒に充填バルブ1から容器100へ完全に送出され、同時に総充填量が同じ流量計により判断されうる。次の充填サイクル中に、充填量と計量済み成分量も再び判断されうる。ゆえに、実質的に交換時間を伴わずに、カスタム化飲料の非常にフレキシブルな充填が可能である。
【0099】
該当の場合に、例示的実施形態で示された個々の特徴のすべてが、本発明の範囲から逸脱することなく一緒に組み合わされる、および/または、置換されうる。
【符号の説明】
【0100】
1 充填バルブ
10 バルブベース体
11 渦流室
12 主流入口
12a 第1二次流入口
12b 第2二次流入口
13 流出口
14 バルブコーン
14a 接続部分
14b 流出口輪郭
15 バルブハウジング
15a,15b 接合部
15c 開口部分
16 バルブシート
17 膜
17a クランプ部分
18 ガス管
19a,19b 計量バルブ
20 バルブ中央部
21 バルブコーンドライブ
21a 媒体接続部
21b バネ
22 ハウジング
22a 方形フランジ部分
22b 円筒形フランジ部分
23 膜
30 バルブヘッド部
31 バルブ支承板
32,33,34 ガスバルブ接合部
35 供給接続部
40,41,42 ガスバルブ
50 可撓性製品ライン
51 剛性製品ライン
52 保持具
53,53´ テーブル状容器受台
60 レベルプローブ
61 センサ要素
100 容器
101 容器開口部
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図5a
図5b
図5c
図5d
図6
図6a
図6b
図7a
図7b
図7c
図7d
図8a
図8b
図8c
図9
図9a