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特許7522634非接触通信モジュール及びこれを備えた回転型通信装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】非接触通信モジュール及びこれを備えた回転型通信装置
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/06 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
H01P1/06
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020177209
(22)【出願日】2020-10-22
(65)【公開番号】P2022068492
(43)【公開日】2022-05-10
【審査請求日】2023-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】川上 悠太
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-105902(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02328086(GB,A)
【文献】米国特許第04516097(US,A)
【文献】米国特許第06018279(US,A)
【文献】米国特許第05892411(US,A)
【文献】特開2015-170936(JP,A)
【文献】特開2019-186857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略筒体又は略柱体である軸部であって、当該軸部の軸方向である第1方向に延びており、相手方通信モジュールの前記第1方向に延びる軸孔内に前記相手方通信モジュールに対して相対的に回転可能に収容可能であり且つ前記軸部の少なくとも一部を構成する少なくとも一つの導体部を有する、前記軸部と、
前記相手方通信モジュールと非接触で通信可能な少なくとも一つのアンテナであって、前記少なくとも一つの導体部の少なくとも一部に対して前記軸部の反中心軸側に間隔をあけて配置されており、前記軸部の反中心軸側は、前記軸部の中心軸側に対する反対側である、前記少なくとも一つのアンテナと、
前記少なくとも一つのアンテナと前記少なくとも一つの導体部の前記少なくとも一部との間に介在する絶縁性を有する少なくとも一つの絶縁体とを備えている非接触通信モジュール。
【請求項2】
請求項1記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記少なくとも一つのアンテナから延びており且つ前記少なくとも一つの導体部の前記少なくとも一部の別の部分に対して前記軸部の反中心軸側に間隔をあけて配置された少なくとも一つの伝送路を更に備えており、
前記少なくとも一つの絶縁体は、前記少なくとも一つの伝送路と前記少なくとも一つの導体部の前記別の部分との間に介在している非接触通信モジュール。
【請求項3】
請求項2記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記少なくとも一つの絶縁体に対して前記第1方向の一方側に配置されており且つ前記少なくとも一つの伝送路に接続された第1基板を更に備えている非接触通信モジュール。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記少なくとも一つのアンテナは、複数であって、前記第1方向に間隔をあけて配置されている非接触通信モジュール。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記軸部の前記少なくとも一つの導体部は、前記第1方向に略直交する第2方向の断面形状が円環状、多角環状、略C字状、角張った略C字状、円形状又は多角形状であり、
前記少なくとも一つの絶縁体は、前記第2方向の断面形状が円環状、多角環状、略C字状又は角張った略C字状であり、
前記少なくとも一つのアンテナは、円環状、多角環状、略C字状又は角張った略C字状である非接触通信モジュール。
【請求項6】
請求項2記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記少なくとも一つのアンテナは、複数であって、前記第1方向に間隔をあけて配置された第1アンテナ及び第2アンテナを含んでおり、
前記第1アンテナは、前記第1方向に略直交する第2方向の断面形状が、略C字状、角張った略C字状、略半円弧状又は略U字状であって、間隔をあけて配置された第1端子部及び第2端子部を有しており、
前記少なくとも一つの伝送路は、複数であって、少なくとも一つの第1伝送路と、少なくとも一つの第2伝送路とを含んでおり、少なくとも一つの第1伝送路は、前記第1アンテナから前記第1方向に延びており、前記少なくとも一つの第2伝送路は、前記第2アンテナから前記第1アンテナの前記第1端子部と前記第2端子部との間を通って前記第1方向に延びている非接触通信モジュール。
【請求項7】
略筒体又は略柱体である軸部であって、当該軸部の軸方向である第1方向に延びており、相手方通信モジュールの前記第1方向に延びる軸孔内に前記相手方通信モジュールに対して相対的に回転可能に収容可能であり且つ前記軸部の少なくとも一部を構成する導体部を有する、前記軸部と、
前記相手方通信モジュールと非接触で通信可能な少なくとも一つのアンテナと、
前記少なくとも一つのアンテナから延びた少なくとも一つの伝送路であって、前記少なくとも一つの導体部の少なくとも一部に対して前記軸部の反中心軸側に間隔をあけて配置されており、前記軸部の反中心軸側は、前記軸部の中心軸側に対する反対側である、前記少なくとも一つの伝送路と、
前記少なくとも一つの伝送路と前記少なくとも一つの導体部の前記少なくとも一部との間に介在する絶縁性を有する少なくとも一つの絶縁体とを備えている非接触通信モジュール。
【請求項8】
請求項1~7の何れかに記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記軸部が、前記少なくとも一つの導体部のみで構成されている非接触通信モジュール。
【請求項9】
請求項1~8の何れかに記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記少なくとも一つの絶縁体が、略筒体であり、
前記軸部が前記少なくとも一つの絶縁体内に嵌合又は挿入されている非接触通信モジュール。
【請求項10】
略柱状の軸孔及び前記軸孔の壁部を有するボディであって、前記軸孔は、当該軸孔の軸方向である第1方向に延びており、前記軸孔内に、相手方通信モジュールの前記第1方向に延びる略筒体又は略柱体で構成された軸部が前記ボディに対して相対的に回転可能に収容可能であり且つ前記壁部が当該壁部の少なくとも一部を構成する導体部を有する、前記ボディと、
前記相手方通信モジュールと非接触で通信可能な少なくとも一つのアンテナであって、前記少なくとも一つの導体部の少なくとも一部に対して前記軸孔の中心軸側に間隔をあけて配置された前記少なくとも一つのアンテナと、
前記少なくとも一つのアンテナと前記少なくとも一つの導体部の前記少なくとも一部との間に介在する絶縁性を有する少なくとも一つの絶縁体とを備えている非接触通信モジュール。
【請求項11】
請求項10記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記少なくとも一つのアンテナから延びており且つ前記少なくとも一つの導体部の少なくとも一部の別の部分に対して前記軸孔の中心軸側に間隔をあけて配置された少なくとも一つの伝送路を更に備えており、
前記少なくとも一つの絶縁体は、前記少なくとも一つの伝送路と前記少なくとも一つの導体部の前記別の部分との間に介在している非接触通信モジュール。
【請求項12】
請求項11記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記少なくとも一つの絶縁体に対して前記第1方向の他方側に配置されており且つ前記少なくとも一つの伝送路に接続された第2基板を更に備えている非接触通信モジュール。
【請求項13】
請求項10~12の何れかに記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記少なくとも一つのアンテナは、複数であって、前記第1方向に間隔をあけて配置されている非接触通信モジュール。
【請求項14】
請求項10~13の何れかに記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記ボディの前記壁部の前記少なくとも一つの導体部は、前記第1方向に略直交する第2方向の断面形状が円環状、多角環状、略C字状、角張った略C字状、円形状又は多角形状であり、
前記少なくとも一つの絶縁体は、前記第2方向の断面形状が円環状、多角環状、略C字状又は角張った略C字状であり、
前記少なくとも一つのアンテナは、円環状、多角環状、略C字状又は角張った略C字状である非接触通信モジュール。
【請求項15】
請求項11記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記少なくとも一つのアンテナは、複数であって、前記第1方向に間隔をあけて配置された第1アンテナ及び第2アンテナを含んでおり、
前記第1アンテナは、前記第1方向に略直交する第2方向の断面形状が、略C字状、角張った略C字状、略半円弧状又は略U字状であって、間隔をあけて配置された第1端子部及び第2端子部を有しており、
前記少なくとも一つの伝送路は、複数であって、少なくとも一つの第1伝送路と、少なくとも一つの第2伝送路とを含んでおり、少なくとも一つの第1伝送路は、前記第1アンテナから前記第1方向に延びており、前記少なくとも一つの第2伝送路は、前記第2アンテナから前記第1アンテナの前記第1端子部と前記第2端子部との間を通って前記第1方向に延びている非接触通信モジュール。
【請求項16】
略柱状の軸孔及び前記軸孔の壁部を有するボディであって、前記軸孔は、当該軸孔の軸方向である第1方向に延びており、前記軸孔内に、相手方通信モジュールの前記第1方向に延びる略筒体又は略柱体で構成された軸部が前記ボディに対して相対的に回転可能に収容可能であり且つ前記壁部が当該壁部の少なくとも一部を構成する導体部を有する、前記ボディと、
前記相手方通信モジュールと非接触で通信可能な少なくとも一つのアンテナと、
前記少なくとも一つのアンテナから延びており且つ前記少なくとも一つの導体部の少なくとも一部に対して前記軸孔の中心軸側に間隔をあけて配置された少なくとも一つの伝送路と、
前記少なくとも一つの伝送路と前記少なくとも一つの導体部の前記少なくとも一部との間に介在する絶縁性を有する少なくとも一つの絶縁体とを備えている非接触通信モジュール。
【請求項17】
請求項10~16の何れかに記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記壁部が、前記少なくとも一つの導体部のみで構成されている非接触通信モジュール。
【請求項18】
請求項13~17の何れかに記載の非接触通信モジュールにおいて、
絶縁性を有する略筒体であって、前記軸孔内に収容されており且つ前記少なくとも一つのアンテナを保持する保持部を更に備えており、
前記少なくとも一つの絶縁体は、前記軸孔の前記壁部と前記保持部との間に配置されている非接触通信モジュール。
【請求項19】
請求項18記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記保持部に収容される略筒体であるカバーを更に備えている非接触通信モジュール。
【請求項20】
請求項1又は10記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記少なくとも一つのアンテナと前記少なくとも一つの導体部の前記少なくとも一部との間の距離が、前記少なくとも一つのアンテナの略全体にわたって略同じ距離である非接触通信モジュール。
【請求項21】
請求項2又は11記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記少なくとも一つの伝送路と前記少なくとも一つの導体部の前記別の部分との間の距離が、前記少なくとも一つの伝送路の略全体にわたって略同じ距離である非接触通信モジュール。
【請求項22】
請求項7又は16記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記少なくとも一つの伝送路と前記少なくとも一つの導体部の前記少なくとも一部との間の距離が、前記少なくとも一つの伝送路の略全体にわたって略同じ距離である非接触通信モジュール。
【請求項23】
請求項6又は15記載の非接触通信モジュールにおいて、
シールド部を更に備えており、
前記シールド部は、二つの第1シールド部及び/又は少なくとも一つの第2シールド部を有しており、
前記二つの第1シールド部は、前記少なくとも一つの第2伝送路と前記第1アンテナの前記第1端子部との間と、前記少なくとも一つの第2伝送路と前記第2端子部との間との位置しており、
前記少なくとも一つの第2シールド部は、前記少なくとも一つの第2伝送路と前記少なくとも一つの第1伝送路との間に位置している非接触通信モジュール。
【請求項24】
請求項1~9の何れかに記載の非接触通信モジュールである第1非接触通信モジュールと、
請求項10~19の何れかに記載の非接触通信モジュールである第2非接触通信モジュールとを備えており、
前記第1非接触通信モジュールの前記軸部が、前記第2非接触通信モジュールの前記ボディの前記軸孔内に当該ボディに対して相対的に回転可能に収容されており、且つ前記第1非接触通信モジュールの前記少なくとも一つのアンテナは、前記軸部が前記ボディに対して相対的に回転している最中に、前記第2非接触通信モジュールの前記少なくとも一つのアンテナに対して前記軸部の中心軸側に間隔をあけて配置される回転型通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触通信モジュール及びこれを備えた回転型通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の回転型通信装置が、下記特許文献1に記載されている。この回転型通信装置は、第1非接触通信モジュールと、第2非接触通信モジュールとを備えている。第1通信モジュールは、固定体と、一次コイルと、第1コアと、第1配線とを有している。第2通信モジュールは、回転体と、二次コイルと、第2コアと、第2配線とを備えている。固定体は、円柱状の軸孔と、円柱状の被固定孔とを有している。回転体は、円筒状の軸部と、円筒状の被固定部とを有している。回転体の軸部が、固定体の軸孔内に回転自在に支持されている。回転体の被固定部の外周面は、固定体の被固定孔の内周面に間隔をあけて対向している。回転体の被固定部は、固定体の被固定孔内に収容されている。第1コアは、固定体の被固定孔の内周面に固定されている。第1コアの内径面には、溝が設けられている。一次コイルは第1コアの溝に巻き付けられている。第2コアは、回転体の被固定部の外周面に固定されている。第2コアの外径面には、溝が設けられている。二次コイルは第2コアの溝に巻き付けられており且つ一次コイルに間隔をあけて対向している。回転体の軸部が、固定体の軸孔内で回転しながら、一次コイルと二次コイル間で非接触通信が行われるようになっている。第1配線は、一次コイルに接続されており且つ固定体の配線孔を通って固定体の外部へ導出されている。第2配線は、二次コイルに接続されており且つ回転体の配線孔を通って回転体の内部へ導出されている。このように第1非接触通信モジュールは、一次コイル、第1コア及び第1配線によって非接触通信部が構成され、第2非接触通信モジュールは、二次コイル、第2コア及び第2配線によって非接触通信部が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-249005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、第1非接触通信モジュール及び第2非接触通信モジュールの非接触通信部の伝送特性を調整することに関して何ら教示がない。
【0005】
本発明は、伝送特性を調整できる非接触通信モジュール及びこれを備えた回転型通信装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の第1非接触通信モジュールは、略筒体又は略柱体である軸部と、相手方通信モジュールと非接触で通信可能な少なくとも一つのアンテナと、絶縁性を有する少なくとも一つの絶縁体とを備えている。軸部は、当該軸部の軸方向である第1方向に延びており、相手方通信モジュールの第1方向に延びる軸孔内に相手方通信モジュールに対して相対的に回転可能に収容可能であり且つ軸部の少なくとも一部を構成する少なくとも一つの導体部を有する。少なくとも一つのアンテナは、少なくとも一つの導体部の少なくとも一部に対して軸部の反中心軸側に間隔をあけて配置されている。軸部の反中心軸側は、軸部の中心軸側に対する反対側である。少なくとも一つの絶縁体は、少なくとも一つのアンテナと少なくとも一つの導体部の少なくとも一部との間に介在している。
【0007】
このような第1非接触通信モジュールによる場合、少なくとも一つのアンテナは、少なくとも一つの絶縁体を介して少なくとも一つの導体部の少なくとも一部に対して軸部の反中心軸側に間隔をあけて配置されているため、少なくとも一つのアンテナと少なくとも一つの導体部の少なくとも一部との距離を調整することによって少なくとも一つのアンテナのインピーダンス等の伝送特性を調整できる。
【0008】
第1非接触通信モジュールは、少なくとも一つの伝送路を更に備えた構成とすることが可能である。少なくとも一つの伝送路は、少なくとも一つのアンテナから延びており且つ少なくとも一つの導体部の少なくとも一部の別の部分に対して軸部の反中心軸側に間隔をあけて配置された構成とすることが可能である。少なくとも一つの絶縁体は、少なくとも一つの伝送路と少なくとも一つの導体部の別の部分との間に介在した構成とすることが可能である。
【0009】
上記何れかの態様の第1非接触通信モジュールは、第1基板を更に備えた構成とすることが可能である。第1基板は、少なくとも一つの絶縁体に対して第1方向の一方側に配置されており且つ少なくとも一つの伝送路に接続されている。
【0010】
少なくとも一つのアンテナは、複数であって、第1方向に間隔をあけて配置された構成とすることが可能である。
【0011】
軸部の少なくとも一つの導体部は、第2方向の断面形状が円環状、多角環状、略C字状、角張った略C字状、円形状又は多角形状とすることが可能である。少なくとも一つの絶縁体は、第2方向の断面形状が円環状、多角環状、略C字状又は角張った略C字状とすることが可能である。少なくとも一つのアンテナは、円環状、多角環状、略C字状又は角張った略C字状とすることが可能である。なお、第2方向は、第1方向に略直交する方向とすると良い。
【0012】
少なくとも一つのアンテナが複数である場合、複数のアンテナは、第1方向に間隔をあけて配置された第1アンテナ及び第2アンテナを含む構成とすることが可能である。この場合、第1アンテナは、第2方向の断面形状が略C字状、角張った略C字状、略半円弧状又は略U字状であって、間隔をあけて配置された第1端子部及び第2端子部を有する構成とすることが可能である。
【0013】
少なくとも一つの伝送路は、複数であって、少なくとも一つの第1伝送路と、少なくとも一つの第2伝送路とを含む構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つの第1伝送路は、第1アンテナから第1方向に延びた構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2伝送路は、第2アンテナから第1アンテナの第1端子部と第2端子部との間を通って第1方向に延びた構成とすることが可能である。
【0014】
本発明の別の態様の第1非接触通信モジュールは、上記した軸部と、相手方通信モジュールと非接触で通信可能な少なくとも一つのアンテナと、少なくとも一つの伝送路と、絶縁性を有する少なくとも一つの絶縁体とを備えている。少なくとも一つの伝送路は、少なくとも一つのアンテナから延びており、少なくとも一つの導体部の少なくとも一部に対して軸部の反中心軸側に間隔をあけて配置されている。少なくとも一つの絶縁体は、少なくとも一つの伝送路と少なくとも一つの導体部の少なくとも一部との間に介在している。
【0015】
このような別の態様の第1非接触通信モジュールによる場合、少なくとも一つの伝送路は、少なくとも一つの絶縁体を介して少なくとも一つの導体部の少なくとも一部に対して軸部の反中心軸側に間隔をあけて配置されているため、少なくとも一つの伝送路と少なくとも一つの導体部の少なくとも一部との距離を調整することによって少なくとも一つの伝送路のインピーダンス等の伝送特性を調整できる。
【0016】
上記何れかの態様の軸部が、少なくとも一つの導体部のみで構成されていても良い。
【0017】
少なくとも一つの絶縁体が、略筒体とすることが可能である。この場合、軸部が少なくとも一つの絶縁体内に嵌合又は挿入されている。
【0018】
本発明の一態様の第2非接触通信モジュールは、ボディと、相手方通信モジュールと非接触で通信可能な少なくとも一つのアンテナと、絶縁性を有する絶縁体とを備えている。ボディは、略柱状の軸孔及び軸孔の壁部を有している。軸孔は、当該軸孔の軸方向である第1方向に延びており、軸孔内に、相手方通信モジュールの第1方向に延びる略筒体又は略柱体で構成された軸部がボディに対して相対的に回転可能に収容可能である。壁部が当該壁部の少なくとも一部を構成する導体部を有している。少なくとも一つのアンテナは、少なくとも一つの導体部の少なくとも一部に対して軸孔の中心軸側に間隔をあけて配置されている。少なくとも一つの絶縁体は、少なくとも一つのアンテナと少なくとも一つの導体部の少なくとも一部との間に介在する絶縁性を有している。
【0019】
このような第2非接触通信モジュールによる場合、少なくとも一つのアンテナは、少なくとも一つの絶縁体を介して少なくとも一つの導体部の少なくとも一部に対して軸孔の中心軸側に間隔をあけて配置されているため、少なくとも一つのアンテナと少なくとも一つの導体部の少なくとも一部との距離を調整することによって少なくとも一つのアンテナのインピーダンス等の伝送特性を調整できる。
【0020】
第2非接触通信モジュールは、少なくとも一つの伝送路を更に備えた構成とすることが可能である。少なくとも一つの伝送路は、少なくとも一つのアンテナから延びており且つ少なくとも一つの導体部の少なくとも一部の別の部分に対して軸孔の中心軸側に間隔をあけて配置された構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つの絶縁体は、少なくとも一つの伝送路と少なくとも一つの導体部の別の部分との間に介在した構成とすることが可能である。
【0021】
上記何れかの態様の第2非接触通信モジュールは、第2基板を更に備えた構成とすることが可能である。第2基板は、少なくとも一つの絶縁体に対して第1方向の他方側に配置されており且つ少なくとも一つの伝送路に接続された構成とすることが可能である。
【0022】
少なくとも一つのアンテナは、複数であって、第1方向に間隔をあけて配置された構成とすることが可能である。
【0023】
ボディの壁部の少なくとも一つの導体部は、第2方向の断面形状が円環状、多角環状、略C字状、角張った略C字状、円形状又は多角形状とすることが可能である。少なくとも一つの絶縁体は、第2方向の断面形状が円環状、多角環状、略C字状又は角張った略C字状とすることが可能である。少なくとも一つのアンテナは、円環状、多角環状、略C字状又は角張った略C字状とすることが可能である。
【0024】
少なくとも一つのアンテナが複数である場合、複数のアンテナは、第1方向に間隔をあけて配置された第1アンテナ及び第2アンテナを含む構成とすることが可能である。第1アンテナは、第2方向の断面形状が略C字状、角張った略C字状、略半円弧状又は略U字状であって、間隔をあけて配置された第1端子部及び第2端子部を有する構成とすることが可能である。
【0025】
少なくとも一つの伝送路は、複数であって、少なくとも一つの第1伝送路と、少なくとも一つの第2伝送路とを含む構成とすることが可能である。少なくとも一つの第1伝送路は、第1アンテナから第1方向に延びた構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2伝送路は、第2アンテナから第1アンテナの第1端子部と第2端子部との間を通って第1方向に延びた構成とすることが可能である。
【0026】
本発明の別の態様の第2非接触通信モジュールは、上記軸孔及び軸孔の壁部を有するボディと、相手方通信モジュールと非接触で通信可能な少なくとも一つのアンテナと、少なくとも一つの伝送路と、絶縁性を有する少なくとも一つの絶縁体とを備えている。少なくとも一つの伝送路は、少なくとも一つのアンテナから延びており且つ少なくとも一つの導体部の少なくとも一部に対して軸孔の中心軸側に間隔をあけて配置されている。少なくとも一つの絶縁体は、少なくとも一つの伝送路と少なくとも一つの導体部の少なくとも一部との間に介在している。
【0027】
このような別の態様の第2非接触通信モジュールによる場合、少なくとも一つの伝送路は、少なくとも一つの絶縁体を介して少なくとも一つの導体部の少なくとも一部に対して軸孔の中心軸側に間隔をあけて配置されているため、少なくとも一つの伝送路と少なくとも一つの導体部の少なくとも一部との距離を調整することによって少なくとも一つの伝送路のインピーダンス等の伝送特性を調整できる。
【0028】
壁部が、少なくとも一つの導体部のみで構成されていても良い。
【0029】
上記した何れかの態様の第2非接触通信モジュールは、保持部を更に備えた構成とすることが可能である。保持部は、絶縁性を有する略筒体であって、軸孔内に収容されており且つ少なくとも一つのアンテナを保持する構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つの絶縁体は、軸孔の壁部と保持部との間に配置された構成とすることが可能である。
【0030】
上記した何れかの態様の第2非接触通信モジュールは、保持部に収容される略筒体であるカバーを更に備えた構成とすることが可能である。
【0031】
少なくとも一つのアンテナと少なくとも一つの導体部の少なくとも一部との間の距離が、少なくとも一つのアンテナの略全体にわたって略同じ距離とすることが可能である。
【0032】
少なくとも一つの伝送路と少なくとも一つの導体部の別の部分との間の距離が、少なくとも一つの伝送路の略全体にわたって略同じ距離とすることが可能である。
【0033】
少なくとも一つの伝送路と少なくとも一つの導体部の少なくとも一部との間の距離が、少なくとも一つの伝送路の略全体にわたって略同じ距離とすることが可能である。
【0034】
上記した何れかの態様の第1又は第2非接触通信モジュールは、シールド部を更に備えた構成とすることが可能である。シールド部は、二つの第1シールド部及び/又は少なくとも一つの第2シールド部を有した構成とすることが可能である。二つの第1シールド部は、少なくとも一つの第2伝送路と第1アンテナの第1端子部との間と少なくとも一つの第2伝送路と第1アンテナの第2端子部との間とに位置した構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2シールド部は、少なくとも一つの第2伝送路と少なくとも一つの第1伝送路との間に位置した構成とすることが可能である。
【0035】
本発明の一態様の回転型通信装置は、上記何れかの態様の第1非接触通信モジュールと、上記何れかの態様の第2非接触通信モジュールとを備えた構成とすることが可能である。第1非接触通信モジュールの軸部が、第2非接触通信モジュールのボディの軸孔内に当該ボディに対して相対的に回転可能に収容されている。第1非接触通信モジュールの少なくとも一つのアンテナは、軸部がボディに対して相対的に回転している最中に、第2非接触通信モジュールの少なくとも一つのアンテナに対して軸部の中心軸側に間隔をあけて配置されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1A】本発明の実施例1に係る回転型通信装置の正面、平面及び右側面から表した斜視図である。
図1B】前記回転型通信装置の正面、底面及び右側面から表した斜視図である。
図2A】前記回転型通信装置の図1A中の2A-2A拡大断面図である。
図2B】前記回転型通信装置の図1A中の2B-2B拡大断面図である。
図2C】前記回転型通信装置の図2A中の2C-2C拡大断面図である。
図2D】前記回転型通信装置の図2A中の2D-2D拡大断面図である。
図3A】前記回転型通信装置の第1非接触通信モジュールの正面、平面及び右側面から表した斜視図である。
図3B】前記第1非接触通信モジュールの正面、底面及び右側面から表した斜視図である。
図4A】前記第1非接触通信モジュールの図2Aに対応する拡大断面図である。
図4B】前記第1非接触通信モジュールの図2Bに対応する拡大断面図である。
図4C】前記第1非接触通信モジュールの図2Cに対応する拡大断面図である。
図4D】前記第1非接触通信モジュールの図2Dに対応する拡大断面図である。
図5A】前記第1非接触通信モジュールの正面、平面及び右側面から表した分解斜視図である。
図5B】前記第1非接触通信モジュールの背面、底面及び左側面から表した分解斜視図である。
図6A】前記第1非接触通信モジュールの軸部、絶縁体、第1、第2アンテナ、第1、第2伝送路、第1基板及びシールド部の正面、平面及び右側面から表した分解斜視図である。
図6B】前記第1非接触通信モジュールの軸部、絶縁体、第1、第2アンテナ、第1、第2伝送路、第1基板及びシールド部の背面及び底面から表した分解斜視図である。
図7A】前記回転型通信装置の第2非接触通信モジュールの正面、平面及び右側面から表した斜視図である。
図7B】前記第2非接触通信モジュールの正面、底面及び右側面から表した斜視図である。
図8A】前記第2非接触通信モジュールの図2Aに対応する拡大断面図である。
図8B】前記第2非接触通信モジュールの図2Bに対応する拡大断面図である。
図8C】前記第2非接触通信モジュールの図2Cに対応する拡大断面図である。
図8D】前記第2非接触通信モジュールの図2Dに対応する拡大断面図である。
図9A】前記第2非接触通信モジュールの正面、平面及び右側面から表した分解斜視図である。
図9B】前記第2非接触通信モジュールの背面、底面及び左側面から表した分解斜視図である。
図10A】前記第1非接触通信モジュールの保持部、第1、第2アンテナ、第1、第2伝送路、第2基板、第1軸受及びシールド部の正面、平面及び右側面から表した分解斜視図である。
図10B】前記第1非接触通信モジュールの保持部、第1、第2アンテナ、第1、第2伝送路、第2基板、第1軸受及びシールド部の背面及び底面から表した分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施例1及びその設計変形例を含む複数の実施例について説明する。なお、後述する実施例及び設計変更例の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施例の各態様及び設計変形例における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能であることにも留意されたい。
【実施例1】
【0038】
本発明の実施例1及びその設計変型例を含む複数の実施例に係る回転型通信装置D(以下、単に通信装置Dとも称する。)については、図1A図10Bを参照しつつ、説明する。図1A図2Dには、実施例1の通信装置Dが示されている。図3A図6Bには、通信装置Dの第1非接触通信モジュールM1(以下、単にモジュールM1とも称する。)が示されている。図7A図10Bには、通信装置Dの第2非接触通信モジュールM2(以下、単にモジュールM2とも称する。)が示されている。なお、図2A図4A及び図8Aには、Z-Z’方向(第1方向)及びX-X’方向(第2方向)が示されている。X-X’方向は、Z-Z’方向に略直交している。
【0039】
通信装置Dは、モジュールM1とモジュールM2とを備えている。モジュールM1とモジュールM2とは、一方のモジュールが他方のモジュールに対して回転しつつ、非接触で通信可能な構成となっている。したがって、モジュールM1は、モジュールM2の相手方通信モジュールであり、モジュールM2は、モジュールM1の相手方通信モジュールである。以下、モジュールM1及びモジュールM2の順で、詳しく説明する。
【0040】
[モジュールM1]
モジュールM1は、軸部100aを備えている。軸部100aは、Z-Z’方向に延びた略筒体又は略柱体であって、モジュールM2の軸孔101b内にモジュールM2に対して相対的に回転可能に収容される。本発明の「略筒体」とは、略円筒(図2A図6B参照)、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等である。本発明の「略柱体」とは、略円柱又は略多角柱等である。なお、Z-Z’方向は、軸部100aの中心軸αが延びた方向(軸方向)である。中心軸αは、図2A及び図2Bに破線で示している。
【0041】
軸部100aのX-X’方向の断面形状は、軸部100aのZ方向側の第1端からZ’方向側の第2端まで同じ形状であっても良い。又は、軸部100aのX-X’方向の断面形状は、軸部100aの第1端から第2端において異なる複数の形状を有していても良い。この場合、例えば、軸部100aは以下の(1)~(6)の何れかの構成とすることが可能である。
【0042】
(1)軸部100aが略円筒である場合、軸部100aは、その外径及び/又は内径が異なる複数の円筒を有しており且つこの複数の円筒がZ-Z’方向において連なって一つの略円筒をなしている。
(2)軸部100aが略多角筒である場合、軸部100aは、その外形及び/又は内形が異なる複数の多角筒を有しており且つこの複数の多角筒がZ-Z’方向において連なって一つの略多角筒をなしている。
(3)軸部100aが、一部が破断した略円筒である場合、軸部100aは、その外径及び/又は内径が異なる複数の一部が破断した円筒を有しており且つこの複数の一部が破断した円筒がZ-Z’方向において連なって一部が破断した略円筒をなしている。
(4)軸部100aが、一部が破断した略多角筒である場合、軸部100aは、その外形及び/又は内形が異なる複数の一部が破断した多角筒を有しており且つこの複数の一部が破断した多角筒がZ-Z’方向において連なって一部が破断した略多角筒をなしている。
(5)軸部100aが略円柱である場合、軸部100aは、その外径が異なる複数の円柱を有しており且つこの複数の円柱がZ-Z’方向において連なって一つの略円柱をなしている。
(6)軸部100aが略多角柱である場合、軸部100aは、その外形が異なる複数の多角柱を有しており且つこの複数の多角柱がZ-Z’方向において連なって一つの略多角柱をなしている。
【0043】
軸部100aは導体部110aを有する。導体部110aは、GND又は基準電位に接続されていると良いが、これに限定されるものではない。導体部110aは外面111aを有する。
【0044】
導体部110aは、軸部100aの少なくとも一部を構成している。(A)軸部100aが導体部110aのみで構成されている場合、すなわち、導体部110aがZ-Z’方向に延びた略筒体又は略柱体である場合(図2A図6B参照)、軸部100aは導電性を有する素材(例えば、金属や炭素素材(例えば、カーボンナノチューブ)等)で構成されている。この場合、導体部110aのX-X’方向の断面形状は円環状、多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状)、一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)、円形状又は多角形状であり、導体部110aの外面111aは、略筒状(例えば、略円筒、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等)をなしている。(B)軸部100aが、軸部100aの一部を構成する導体部110aと、導体部110a以外の部分を有する場合(図示なし)、導体部110aは、前記導電性を有する素材で構成されており、導体部110a以外の部分(以下、絶縁部と称する。)は、絶縁性を有する素材(例えば、絶縁樹脂)等で構成されている。この場合、導体部110aと絶縁部とは、更に以下の(B1)~(B6)の何れかの構成を更に有する。
【0045】
(B1)導体部110aが軸部100aのZ-Z’方向における一部分を構成しており、絶縁部が軸部100aの導体部110aに対するZ方向側の部分及び/又はZ’方向の部分を構成している。軸部100aが略円筒である場合、導体部110aは、軸部100aのZ-Z’方向における一部分をなす略円筒であり、導体部110aのX-X’方向の断面形状は円環状(略環状)であり、導体部110aの外面111aは略円筒状である。軸部100aが略多角筒である場合、導体部110aは、軸部100aのZ-Z’方向における一部分をなす略多角筒であり、導体部110aのX-X’方向の断面形状は多角環状(略環状)であり、導体部110aの外面111aは略多角筒状である。軸部100aが、一部が破断した略円筒である場合、導体部110aは、軸部100aのZ-Z’方向における一部分をなす一部が破断した略円筒であり、導体部110aのX-X’方向の断面形状は一部が破断した略円環状(略C字状)であり、導体部110aの外面111aは一部が破断した略円筒状である。軸部100aが、一部が破断した略多角筒である場合、導体部110aは、軸部100aのZ-Z’方向における一部分をなす一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、導体部110aのX-X’方向の断面形状は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、導体部110aの外面111aは一部が破断した略多角筒状である。軸部100aが略円柱である場合、導体部110aは、軸部100aのZ-Z’方向における一部分をなす略円柱であり、導体部110aのX-X’方向の断面形状は円形状であり、導体部110aの外面111aは略円筒状である。軸部100aが略多角柱である場合、軸部100aのZ-Z’方向における一部分をなす略多角柱であり、導体部110aのX-X’方向の断面形状は多角形状であり、導体部110aの外面111aは略多角筒状である。
【0046】
(B2)導体部110aが軸部100aの略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の一部を構成しており、絶縁部が軸部100aの導体部110a以外の部分を構成している。この場合、導体部110aのX-X’方向の断面形状は、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であり、導体部110aの外面111aは、絶縁部の外面と面一となる略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。
【0047】
(B3)導体部110aが第1部と第2部とを有しており、第1部が上記(B1)又は(B2)の導体部110aと同様の構成であり、第2部が上記(B2)の導体部110aと同様の構成であり且つ第1部からZ-Z’方向に延びている。この場合、絶縁部が軸部100a第1部及び第2部以外の部分を構成している。
【0048】
(B4)絶縁部が略筒体又は略柱体であり、導体部110aが絶縁部の外周面の全領域上又はZ-Z’方向の一部の領域上に蒸着等によって形成された略筒状(例えば、略円筒、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等)の金属膜である。絶縁部が略円筒又は略円柱である場合、導体部110aのX-X’方向の断面形状は円環状(略環状)であり、導体部110aの外面111aは略円筒状である。絶縁部が略多角筒又は略多角柱である場合、導体部110aのX-X’方向の断面形状は多角環状(略環状)であり、導体部110aの外面111aは略多角筒状である。絶縁部が、一部が破断した略円筒である場合、導体部110aのX-X’方向の断面形状は一部が破断した略円環状(略C字状)であり、導体部110aの外面111aは一部が破断した略円筒状である。軸部100aが、一部が破断した略多角筒である場合、導体部110aのX-X’方向の断面形状は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、導体部110aの外面111aは一部が破断した略多角筒状である。
【0049】
(B5)絶縁部が略筒体又は略柱体であり、導体部110aが絶縁部の外周面の一部上に蒸着等によって形成された略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の金属膜である。この場合、導体部110aのX-X’方向の断面形状は、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であり、導体部110aの外面111aは略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。
【0050】
(B6)導体部110aが第1部と第2部とを有しており、第1部が上記(B4)又は(B5)の導体部110aと同様の構成であり、第2部が上記(B5)の導体部110aと同様の構成であり且つ第1部からZ-Z’方向に延びている。この場合、絶縁部は上記(B4)又は(B5)と同様の構成である。
【0051】
モジュールM1は、絶縁体200aを更に備えている。絶縁体200aは、絶縁性を有する素材(例えば、絶縁樹脂)等で構成されており、導体部110aの外面111a上に設けられており且つ導体部110aを覆っている。したがって、絶縁体200aは軸部100aと共に、モジュールM2の軸孔101b内にモジュールM2に対して相対的に回転可能に収容される。絶縁体200aは外面201aを有する。
【0052】
導体部110aが上記(A)、(B1)又は(B4)の構成を有する場合、絶縁体200aは任意の形状とすることが可能である。例えば、絶縁体200aは、導体部110aの外径又は外形に対応した略筒体とすることが可能である。この場合、絶縁体200aの内径寸法又は内形寸法は、導体部110aの外径寸法又は外形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。絶縁体200aが導体部110aに外嵌又は外装し、導体部110aを覆っている。換言すると、導体部110aが絶縁体200a内に嵌合(FIT IN)又は挿入され、覆われている。絶縁体200aのX-X’方向の断面形状は、導体部110aの外面111aの形に対応した円環状、多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状)又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、絶縁体200aの外面201aは、導体部110aの外面111aの形に対応した略筒状(例えば、略円筒、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等)である。なお、絶縁体200aが略筒体である場合、軸部100aは、絶縁体200aに対してZ’方向側から当接するリング状の突起であるストッパ120aが設けられていても良いが、導体部110aが絶縁体200a内に嵌合している場合には省略しても良い。又は、絶縁体200aは、導体部110aの一部の外面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状とすることが可能である。この場合、絶縁体200aは、接着剤、両面テープ又はネジ等によって導体部110aの外面111a上に固定されており且つ導体部110aを覆っている。絶縁体200aのX-X’方向の断面形状は、導体部110aの前記一部の外面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であり、絶縁体200aの外面201aは、導体部110aの前記一部の外面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。
【0053】
導体部110aが上記(B2)又は(B5)の構成を有する場合、絶縁体200aは、導体部110aの外面111aの形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状とすることが可能である。この場合、絶縁体200aは、接着剤、両面テープ又はネジ等によって導体部110aの外面111a上に固定されており且つ導体部110aを覆っている。絶縁体200aのX-X’方向の断面形状は、導体部110aの外面111aの形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であり、絶縁体200aの外面201aは、導体部110aの外面111aの形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。又は、絶縁体200aは、軸部100aの外径又は外形に対応した略筒体とすることが可能である。この場合、絶縁体200aの内径寸法又は内形寸法が軸部100aの外径寸法又は外形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。絶縁体200aが軸部100aに外嵌又は外装し、導体部110aを覆っている。絶縁体200aのX-X’方向の断面形状は、軸部100aの外周面の形に対応した円環状、多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状)又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、絶縁体200aの一部の外面は、導体部110aの外面111aに対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。
【0054】
軸部100aが上記(B3)の構成を有しており且つ導体部110aの第1部が上記(B1)の導体部110aと同様の構成である場合、又は、軸部100aが上記(B6)の構成を有しており且つ導体部110aの第1部が上記(B4)の導体部110aと同様の構成である場合、絶縁体200aは、第1部及び第2部を有する。絶縁体200aの第1部は、導体部110aの第1部の外面の形に対応した略筒体である。この場合、絶縁体200aの第1部の内径寸法又は内形寸法が導体部110aの第1部の外径寸法又は外形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。絶縁体200aの第1部が導体部110aの第1部に外嵌又は外装し、導体部110aの第1部を覆っている。換言すると、導体部110aの第1部が絶縁体200aの第1部内に嵌合(FIT IN)又は挿入され、覆われている。絶縁体200aの第1部のX-X’方向の断面形状は、導体部110aの第1部の外面の形に対応した円環状、多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状)又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、絶縁体200aの第1部の外面は、導体部110aの第1部の外面の形に対応した略筒状(例えば、略円筒、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等)である。絶縁体200aの第2部は、絶縁体200aの第1部からZ-Z’方向に延びている。この絶縁体200aの第2部は、導体部110aの第2部の外面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であって、導体部110aの第2部を覆っている。絶縁体200aの第2部の外面は、導体部110aの第2部の外面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。又は、絶縁体200aは、軸部100aの外径又は外形に対応した略筒体とすることが可能である。この場合、絶縁体200aの内径寸法又は内形寸法が軸部100aの外径寸法又は外形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。絶縁体200aが軸部100aに外嵌又は外装し、導体部110aの第1部及び第2部を覆っている。絶縁体200aのX-X’方向の断面形状は、軸部100aの外周面の形に対応した円環状、多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状)又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)である。絶縁体200aは、第1部及び第2部を有する。絶縁体200aの第1部の外面は、導体部110aの第1部の外面の形に対応した略筒状(例えば、略円筒、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等)であり、絶縁体200aの第2部の外面は、導体部110aの第2部の外面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。
【0055】
軸部100aが上記(B3)の構成を有しており且つ導体部110aの第1部が上記(B2)の導体部110aと同様の構成である場合、又は、軸部100aが上記(B6)の構成を有しており且つ導体部110aの第1部が上記(B5)の導体部110aと同様の構成である場合、絶縁体200aは、第1部及び第2部を有する。絶縁体200aの第1部は、導体部110aの第1部の外面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。絶縁体200aの第2部は、導体部110aの第2部の外面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であって、絶縁体200aの第1部からZ-Z’方向に延びている。絶縁体200aの第1部及び第2部は、接着剤、両面テープ又はネジ等によって導体部110aの第1部及び第2部の外面上に固定されており且つ導体部110aの第1部及び第2部を覆っている。又は、絶縁体200aは、軸部100aの外径又は外形に対応した略筒体とすることが可能である。この場合、絶縁体200aの内径寸法又は内形寸法が軸部100aの外径寸法又は外形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。絶縁体200aが軸部100aに外嵌又は外装し、導体部110aの第1部及び第2部を覆っている。絶縁体200aのX-X’方向の断面形状は、軸部100aの外周面の形に対応した円環状、多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状)又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)である。絶縁体200aは、第1部及び第2部を有する。絶縁体200aの第1部の外面は、導体部110aの第1部の外面の形に対応した略筒状(例えば、略円筒、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等)であり、絶縁体200aの第2部の外面は、導体部110aの第2部の外面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。
【0056】
モジュールM1は、少なくとも一つのアンテナ300aを更に備えている。少なくとも一つのアンテナ300aは、複数とすることが可能である。一又は各アンテナ300aは、モジュールM2の対応するアンテナ300bと非接触通信可能な構成となっている。例えば、一又は各アンテナ300aは、モジュールM2の対応するアンテナ300bと電磁界結合し、結合器(カプラ)を構成することによって、搬送信号を非接触で通信可能な構成、又は、モジュールM2の対応するアンテナ300bと共振などを利用して静電的な結合若しくは磁気的な結合を構成することによって、搬送信号を非接触で通信可能な構成とすることが可能である。
【0057】
一又は各アンテナ300aは、金属板又は導体膜等で構成されており且つ絶縁体200aに設けられている。一又は各アンテナ300aは、軸部100a及び絶縁体200aと共に、モジュールM2の軸孔101b内にモジュールM2に対して相対的に回転可能に収容される。より具体的には、一又は各アンテナ300aは、以下の構成とすることが可能である。
【0058】
導体部110aが上記(A)、(B1)又は(B4)の構成を有する場合、一又は各アンテナ300aは、導体部110aの少なくとも一部の外面の形に対応した略環状、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の金属板であって、絶縁体200aの外面201aに設けられた溝内に嵌合(FIT IN)した構成、絶縁体200aの外面201a上に接着剤、両面テープ又はネジ等によって固定された構成、絶縁体200a内にインサート成形等によって埋め込まれた構成、又は、絶縁体200a内に設けられた保持孔に挿入保持された構成とすることが可能である。なお、本発明の「略環状」とは、略円環状、略多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状(図2A図6B参照))又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)等である。又は、一又は各アンテナ300aは、導体部110aの少なくとも一部の外面の形に対応した略環状、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の導体膜であって、絶縁体200aの外面201a上に形成された構成とすることが可能である。何れの場合も、一又は各アンテナ300aは、導体部110aの少なくとも一部に対して軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置されており、且つ、絶縁体200aは、略筒体であって、一又は各アンテナ300aと導体部110aとの間に介在している。
【0059】
導体部110aが上記(B2)又は(B5)の構成を有する場合、一又は各アンテナ300aは、導体部110aの外面111aの形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の金属板であって、絶縁体200aの外面201aに設けられた溝内に嵌合した構成、絶縁体200aの外面201a上に接着剤、両面テープ又はネジ等によって固定された構成、絶縁体200a内にインサート成形等によって埋め込まれた構成、又は、絶縁体200a内に設けられた保持孔に挿入保持された構成とすることが可能である。又は、一又は各アンテナ300aは、導体部110aの外面111aの形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の導体膜であって、絶縁体200aの外面201a上に形成された構成とすることが可能である。何れの場合も、一又は各アンテナ300aは、導体部110aに対して軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置されており、且つ、絶縁体200aは、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であって、一又は各アンテナ300aと導体部110aとの間に介在した構成、又は、略筒体であって、一又は各アンテナ300aと導体部110aとの間に介在した構成となっている。
【0060】
軸部100aが上記(B3)の構成を有しており且つ導体部110aの第1部が上記(B1)の導体部110aと同様の構成である場合、又は軸部100aが上記(B6)の構成を有しており且つ導体部110aの第1部が上記(B4)の導体部110aと同様の構成である場合、一又は各アンテナ300aは、導体部110aの第1部の少なくとも一部の外面の形に対応した略環状、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の金属板であって、絶縁体200aの第1部の外面に設けられた溝内に嵌合した構成、絶縁体200aの第1部の外面上に接着剤、両面テープ又はネジ等によって固定された構成、絶縁体200aの第1部内にインサート成形等によって埋め込まれた構成、又は、絶縁体200aの第1部内に設けられた保持孔に挿入保持された構成とすることが可能である。又は、一又は各アンテナ300aは、導体部110aの第1部の少なくとも一部の外面の形に対応した略環状、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の導体膜であって、絶縁体200aの第1部の外面上に形成された構成とすることが可能である。何れの場合も、一又は各アンテナ300aは、導体部110aの第1部の少なくとも一部に対して軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置されており、且つ、絶縁体200aは、その第1部が略筒体であって、この第1部が、一又は各アンテナ300aと、導体部110aの第1部との間に介在している。
【0061】
軸部100aが上記(B3)の構成を有しており且つ導体部110aの第1部が上記(B2)の導体部110aと同様の構成である場合、又は、軸部100aが上記(B6)の構成を有しており且つ導体部110aの第1部が上記(B5)の導体部110aと同様の構成である場合、一又は各アンテナ300aは、導体部110aの第1部の外面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の金属板であって、絶縁体200aの第1部の外面の溝内に嵌合した構成、絶縁体200aの第1部の外面上に接着剤、両面テープ又はネジ等によって固定された構成、絶縁体200aの第1部内にインサート成形等によって埋め込まれた構成、又は、絶縁体200aの第1部内に設けられた保持孔に挿入保持された構成とすることが可能である。又は、アンテナ300aは、導体部110aの第1部の外面の形に対応した略環状、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の導体膜であって、絶縁体200aの第1部の外面上に形成された構成とすることが可能である。何れの場合も、一又は各アンテナ300aは、導体部110aの第1部に対して軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置されており、絶縁体200aは、その第1部が略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であって、この第1部が、一又は各アンテナ300aと、導体部110aの第1部との間に介在した構成、又は、その第1部が略筒体であって、この第1部が、一又は各アンテナ300aと、導体部110aの第1部との間に介在した構成とすることが可能である。
【0062】
少なくとも一つのアンテナ300aが複数である場合、複数のアンテナ300aは、互いが接触しないように配置されていれば良い。例えば、複数のアンテナ300aは、Z-Z’方向に間隔をあけて配置された構成とすることが可能である。以下、複数のアンテナ300aのうちの一つを第1アンテナ300aと称し、別の一つを第2アンテナ300aと称する。すなわち、複数のアンテナ300aは、第1アンテナ300aと、第2アンテナ300aとを含む。
【0063】
第1アンテナ300a及び第2アンテナ300aが略円環状又は略多角環状である場合、第1アンテナ300a及び第2アンテナ300aは、Z-Z’方向に間隔をあけて配置されている。第1アンテナ300aが、一部が破断した略円環状(略C字状(図2A図6B参照))又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、且つ第2アンテナ300aが、略円環状、略多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状(図2A図6B参照))又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)である場合も、第1アンテナ300a及び第2アンテナ300aは、Z-Z’方向に間隔をあけて配置されている。
【0064】
第1アンテナ300aが、互いに間隔をあけて配置された第1端子部310aと第2端子部320aとを有する。第1アンテナ300aが略円環状又は略多角環状である場合、第1端子部310aと第2端子部320aは、互いに間隔をあけて配置された第1アンテナ300aの任意の部分である。第1アンテナ300aが、一部が破断した略円環状(略C字状(図2A図6B参照))、一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)、略環状、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である場合、第1端子部310aは、第1アンテナ300aの第1端部、第2端子部320aは第1アンテナ300aの第2端部とすることが可能であるが、第1端子部310aは、第1アンテナ300aの第1端部と第2端部の間の中間部の一部、第2端子部320aは第1アンテナ300aの中間部の一部の別の一部とすることが可能である。
【0065】
第2アンテナ300aも互いに間隔をあけて配置された第1端子部310aと第2端子部320aとを有する。第2アンテナ300aの第1端子部310aと第2端子部320aは、第1アンテナ300aの第1端子部310aと第2端子部320aと同じ構成である。
【0066】
第1アンテナ300aが、一部が破断した略円環状(略C字状(図2A図6B参照))、一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)、略半円弧状又は略U字状であり且つ第1端子部310aは、第1アンテナ300aの第1端部、第2端子部320aは第1アンテナ300aの第2端部である場合、第1アンテナ300aの第1端子部310aの内端から軸部100aの中心軸αまで延びる第1仮想線と第1アンテナ300aの第2端子部320aの内端から軸部100aの中心軸αまで延びる第2仮想線との間の第1角度R1a(図4C参照)は、例えば、120度以下とすることが可能であるが、これに限定されるものではない。なお、図4Cでは、第1、第2仮想線は一点鎖線で示されている。
【0067】
第2アンテナ300aが、一部が破断した略円環状(略C字状(図2A図6B参照))、一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)、略半円弧状又は略U字状であり且つ第1端子部310aは、第2アンテナ300aの第1端部、第2端子部320aは第2アンテナ300aの第2端部である場合、第2アンテナ300aの第1端子部310aの内端から軸部100aの中心軸αまで延びる第3仮想線と第2アンテナ300aの第2端子部320aの内端から軸部100aの中心軸αまで延びる第4仮想線との間の第2角度R2a(図4D参照)は、例えば、120度以下とすることが可能であるが、これに限定されるものではない。第2角度R2aは、第1角度R1aよりも小さくしても良い。この場合、例えば、第1角度R1aは、120度~160度程度とし、第2角度R2aは5度程度とすることが可能であるが、これに限定されるものではない。なお、図4Dでは、第3、第4仮想線は一点鎖線で示されている。
【0068】
第1アンテナ300a及び第2アンテナ300aが、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である場合、互いが接触しないように配置されていれば良く、Z-Z’方向に間隔をあけていても良い。なお、複数のアンテナ300aは、3つ以上であっても構わない。少なくとも一つのアンテナ300aが一つである場合、第1アンテナ300a及び第2アンテナ300aの何れか一方であっても良い。
【0069】
一又は各アンテナ300aと、軸部100aの導体部110aの少なくとも一部との間の距離は、一又は各アンテナ300aのインピーダンスが所望の値となるように、調整されている。例えば、少なくとも一つのアンテナ300aが複数である場合、第1アンテナ300aのシングルエンド・インピーダンスが50Ωとなるように、第1アンテナ300aと導体部110aの少なくとも一部との間の距離が調整されており、且つ、第2アンテナ300aの差動インピーダンスが100Ωとなるように、第2アンテナ300aと導体部110aの少なくとも一部との間の距離が調整されていても良い。何れの場合も、一又は各アンテナ300aと、軸部100aの導体部110aの少なくとも一部との間に介在する絶縁体200aの厚みを調整するようにすれば良い。
【0070】
なお、一又は各アンテナ300aと、軸部100aの導体部110aの少なくとも一部との間の距離は、当該アンテナ300aの全体にわたって略同じ距離としても良いが、これに限定されるものではない。一又は各アンテナ300aは、その一部又は複数の部分が軸部100aの導体部110aの少なくとも一部に対応しない形状とすることによって、一又は各アンテナ300aの前記一部又は前記複数の部分と、軸部100aの導体部110aの少なくとも一部との間の距離と、一又は各アンテナ300aの残りの部分と、軸部100aの導体部110aの少なくとも一部との間の距離との距離が相違した構成とすることが可能である。また、軸部100aの導体部110aの少なくとも一部は、その一部又は複数の部分が残りの部分よりも一又は各アンテナ300a側に凸又は凹としたりすることによって、一又は各アンテナ300aと、軸部100aの導体部110aの少なくとも一部の前記一部又は前記複数の部分との間の距離と、一又は各アンテナ300aと、軸部100aの導体部110aの少なくとも一部の残りの部分との間の距離との距離が相違した構成とすることが可能である。
【0071】
モジュールM1は、少なくとも一つの伝送路400aを更に備えた構成とすることが可能である。少なくとも一つのアンテナ300aが一つである場合、少なくとも一つの伝送路400aは、一又は複数であって、一つのアンテナ300aから延びている。少なくとも一つのアンテナ300aが複数である場合、少なくとも一つの伝送路400aは、複数であって、複数のアンテナ300aの各々から一つずつ延びた構成、又は、少なくとも一つの伝送路400aは、複数であって、複数のアンテナ300aの各々から複数ずつ延びた構成となっている。
【0072】
一又は各伝送路400aは、対応するアンテナ300aからZ-Z’方向に延びた金属板、導体膜、ケーブル又はフレキシル基板の導電ライン等であって、絶縁体200aに設けられている。具体的には、一又は各伝送路400aは、以下の構成とすることが可能である。
【0073】
導体部110aが上記(A)、(B1)、(B2)、(B4)又は(B5)の構成を有する場合、一又は各伝送路400aは、対応するアンテナ300aからZ-Z’方向に延びた金属板、ケーブル又はフレキシル基板の導電ラインであって、絶縁体200aの外面201aに設けられた溝内に配置された構成、絶縁体200aの外面201a上に接着剤又は両面テープ等によって固定された構成、絶縁体200a内にインサート成形等によって埋め込まれた構成、又は、絶縁体200a内に設けられた保持孔に挿入保持された構成とすることが可能である。又は、一又は各伝送路400aは、対応するアンテナ300aからZ-Z’方向に延びた導体膜であって、絶縁体200aの外面201a上に形成された構成とすることが可能である。何れの場合も、一又は各伝送路400aは、導体部110aの別の部分に対して軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置されており、且つ、絶縁体200aは、略筒体、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であって、一又は各伝送路400aと導体部110aの別の部分との間に介在している。なお、導体部110aの別の部分は、導体部110aの一又は各アンテナ300aに対して間隔をあけて配置される一部と別の部分である。
【0074】
導体部110aが上記(B3)又は(B6)の構成を有する場合、一又は各伝送路400aは、対応するアンテナ300aからZ-Z’方向に延びた金属板、ケーブル又はフレキシル基板の導電ラインであって、絶縁体200aの外面201aに設けられた溝内に配置された構成、絶縁体200aの第2部の外面上に接着剤又は両面テープ等によって固定された構成、絶縁体200aの第2部内にインサート成形等によって埋め込まれた構成、又は、絶縁体200aの第2部内に設けられた保持孔に挿入保持された構成とすることが可能である。又は、一又は各伝送路400aは、対応するアンテナ300aからZ-Z’方向に延びた導体膜であって、絶縁体200aの第2部の外面上に形成された構成とすることが可能である。何れの場合も、一又は各伝送路400aは、導体部110aの別の部分に対して軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置されており、且つ、絶縁体200aは第2部を有しており、この第2部が、一又は各伝送路400aと導体部110aの第2部(別の部分)との間に介在している。
【0075】
少なくとも一つの伝送路400aは、軸部100a、絶縁体200a及び少なくとも一つのアンテナ300aと共に、モジュールM2の軸孔101b内にモジュールM2に対して相対的に回転可能に収容される。
【0076】
少なくとも一つの伝送路400aが複数であって、複数のアンテナ300aの各々から延びている場合、複数の伝送路400aのうちの少なくとも一つを少なくとも一つの第1伝送路400aと称し、別の少なくとも一つを少なくとも一つの第2伝送路400aと称する。すなわち、複数の伝送路400aは、少なくとも一つの第1伝送路400aと、少なくとも一つの第2伝送路400aとを含む。少なくとも一つの第1伝送路400aは、一つである場合、第1アンテナ300aの第1端子部310a及び第2端子部320aの何れか一方からZ-Z’方向に延びている。少なくとも一つの第1伝送路400aは、二つである場合、第1アンテナ300aの第1端子部310a及び第2端子部320aからZ-Z’方向に延びている。少なくとも一つの第2伝送路400aは、一つである場合、第2アンテナ300aの第1端子部310a及び第2端子部320aの何れか一方からZ-Z’方向に延びている。少なくとも一つの第2伝送路400aは、二つである場合、第2アンテナ300aの第1端子部310a及び第2端子部320aからZ-Z’方向に延びている。
【0077】
第1アンテナ300aが、一部が破断した略円環状(略C字状(図2A図6A参照))又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり且つ第1端子部310aが、第1アンテナ300aの第1端部、第2端子部320aは第1アンテナ300aの第2端部である場合、一又は二つ第2伝送路400aは、第1アンテナ300aの第1端子部310aと第2端子部320aの間を通ってZ-Z’方向に延びていると良い。第1伝送路400aが二つである場合には、一又は二つの第2伝送路400aは、第1アンテナ300aの第1端子部310aと第2端子部320aの間を通り且つ二つの第1伝送路400aの間を通ってZ-Z’方向に延びていると良い。
【0078】
一又は各伝送路400aと、導体部110aの別の部分との間の距離は、一又は各伝送路400aのインピーダンスが所望の値となるように、調整されている。例えば、二つの第1伝送路400aのシングルエンド・インピーダンスがそれぞれ50Ωとなるように、二つの第1伝送路400aと導体部110aの別の部分との間の距離が調整されており、且つ、二つの第2伝送路400aの差動インピーダンスがそれぞれ100Ωとなるように、二つの第1伝送路400aと導体部110aの別の部分との間の距離が調整されていても良い。何れの場合も、一又は各伝送路400aと、導体部110aの別の部分との間に介在する絶縁体200aの厚みを調整するようにすれば良い。
【0079】
一又は各伝送路400aと、軸部100aの導体部110aの別の部分との間の距離は、当該伝送路400aの全体にわたって略同じ距離であると良いが、これに限定されるものではない。一又は各伝送路400aの一部又は複数の部分と軸部100aの導体部110aの少なくとも一部との間の距離と、一又は各伝送路400aの残りの部分と軸部100aの導体部110aの少なくとも一部との間の距離との距離が相違していても構わない。
【0080】
モジュールM1は、シールド部800aを更に備えた構成とすることが可能である。シールド部800aは、金属板で構成されており且つ二つの第1シールド部810a及び/又は少なくとも一つの第2シールド部820aを有している。二つの第1シールド部810aは、少なくとも一つの第2伝送路400aと第1アンテナ300aの第1端子部310aとの間と、少なくとも一つの第2伝送路400aと第2端子部320aとの間とに位置している。少なくとも一つの第2シールド部820aは、少なくとも一つの第2伝送路400aと少なくとも一つの第1伝送路400aとの間に位置する構成を有している。第1伝送路400aが二つである場合、第2シールド部820aも二つであって、そのうちの一つの第2シールド部820aが二つの第1伝送路400aのうちの一方の第1伝送路400aと少なくとも一つの第2伝送路400aとの間に位置し、もう一つの第2シールド部820aが他方の第1伝送路400aと少なくとも一つの第2伝送路400aとの間に位置している。これにより、シールド部800aによって、少なくとも一つの第2伝送路400aから発生したノイズが、第1アンテナ300aの第1端子部310a並びに第2端子部320a、及び/又は、少なくとも一つの第1伝送路400aに影響を及ぼす可能性が低減され、且つ第1アンテナ300aの第1端子部310a並びに第2端子部320a、及び/又は、少なくとも一つの第1伝送路400aから発生したノイズが、少なくとも一つの第2伝送路400aに影響を及ぼす可能性が低減される。また、シールド部800aによって、少なくとも一つの第2伝送路400aと、第1アンテナ300a及び少なくとも一つの第1伝送路400aとの間のクロストークも低減される。シールド部800aは、二つの第1シールド部810aの間及び/又は二つの第2シールド部820aの間を繋ぐ第3シールド部830aを更に有していても良い。第3シールド部830aも、少なくとも一つの第2伝送路400aに対して、軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置されている。なお、シールド部800aは省略可能である。
【0081】
モジュールM1は、第1基板500aを更に備えた構成とすることが可能である。第1基板500aは、略環状であって、絶縁体200aに対してZ方向側に配置された構成とすることが可能である。この場合、第1基板500aには、貫通孔が設けられている。この貫通孔内に軸部100aが挿通されている。絶縁体200aが略筒体である場合、第1基板500aの貫通孔の周縁部が絶縁体200aに対してZ’方向側から当接していても良い。この場合、絶縁体200aは、Z-Z’方向において第1基板500aと軸部100aのストッパ120aとの間に位置する。なお、軸部100aが略筒体である絶縁体200a内に嵌合している場合には、第1基板500aの貫通孔の周縁部が絶縁体200aに対してZ’方向側から当接していなくても良い。又は、第1基板500aは、絶縁体200a及び軸部100aに対してZ方向側に配置された構成とすることが可能である。絶縁体200aが略筒体である場合、第1基板500aが絶縁体200a及び軸部100aに対してZ’方向側から当接していても良いが、これに限定されるものではない。また、絶縁体200aが略筒体以外の構成である場合、第1基板500aが軸部100aに対してZ’方向側から当接していても良いが、これに限定されるものではない。何れの場合も、上記した少なくとも一つの伝送路400aが第1基板500aに向けてZ-Z’方向に延びており且つ第1基板500aに接続されている。
【0082】
また、第1基板500aには、軸部100aの導体部110aが電気的に接続されるGND又は基準電位用の導体が設けられていても良い。なお、導体が第1基板500aに設けられておらず、導体部110aが外部のGND又は基準電位に電気的に接続されるようになっていても構わない。
【0083】
第1基板500a上には、図示しない通信部が設けられていても良い。通信部は、第1基板500a上に実装された論理回路、又は論理回路等に処理されるソフトウエアであって、入力された送信データを搬送信号に変換して少なくとも一つのアンテナ300aに送信する構成及び/又は少なくとも一つのアンテナ300aに誘起された受信信号が入力され、当該受信信号を元のデータに復元する構成を有している。
【0084】
なお、第1基板500a及び/又は通信部は省略可能である。第1基板500a及び通信部が省略される場合、少なくとも一つの伝送路400aをリード線やケーブルなどを介して外部基板に接続可能とすれば良い。この場合、少なくとも一つの伝送路400aも省略しても良い。この場合、少なくとも一つのアンテナ300aをリード線やケーブルなどを介して外部基板に接続可能とすれば良い。通信部は外部基板に設けられたものを使用することができる。第1基板500aが設けられている一方で、通信部のみが省略される場合、第1基板500aがリード線やケーブルなどを介して外部基板に接続可能とすれば良い。この場合も、通信部は外部基板に設けられたものを使用することができる。
【0085】
モジュールM1は、ボディ600aを更に備えた構成とすることが可能である。ボディ600aは、金属又は樹脂等で構成可能である。ボディ600aは、第1部610aを有している。第1部610aは、複数の固定部611aを有している。固定部611aは、第1基板500aに対してZ方向側から当接し且つネジ止めされている。第1部610aは、収容孔612aを有していても良い。収容孔612aは、少なくともZ’方向に開口しており、且つZ’方向から第1基板500aを収容している。この場合、複数の固定部611aは、収容孔612aの縁部から収容孔612aに延びている。軸部100aが第1基板500aの貫通孔を挿通している場合、軸部100aの第1基板500aに対するZ方向側の部分が収容孔612aに収容されていても良い。軸部100aの第1基板500aに対するZ方向側の部分のZ-Z’方向の寸法が収容孔612aのZ-Z’方向の寸法よりも大きい場合、収容孔612aは、その中心部がZ方向に開口していると良い。

ボディ600aは、第2部620aを更に有する構成とすることが可能である。第2部620aは、第1部610aからZ’方向に延びた略筒体である。第2部620aは、複数の固定部611aに対して軸部100aの反中心軸側に位置しており且つZ’方向側から見て第2部620a内に複数の固定部611aが位置している。第1部610aが収容孔612aを有している場合、第2部620aは、複数の固定部611a及び収容孔612aに対して軸部100aの反中心軸側に位置しており且つZ’方向側から見て第2部620a内に複数の固定部611a及び収容孔612aが位置している。
【0086】
ボディ600aは、第3部630aを更に有する構成とすることが可能である。第1部610aから延びた円板状のフランジである。なお、ボディ600aは省略可能である。
【0087】
収容孔612aの中心部がZ方向に開口している場合、モジュールM1は、蓋700aを更に備えた構成とすることが可能である。蓋700aが収容孔612aをZ方向側から閉塞し且つ複数の固定部611aにZ方向側から当接している。この場合、複数の固定部611a及び蓋700aが、第1基板500aにネジ止めされている。蓋700aには、軸部100aが挿通する開口710aが設けられていても良い。この場合、軸部100aには、蓋700aの開口710aの周縁部にZ方向側から当接するリング状のストッパ130aが取り付けられていても良い。なお、開口710aを省略し、軸部100a全体が蓋700aに対してZ’方向に位置する構成とすることも可能である。この場合、ストッパ130aは省略可能である。また、開口710aが設けられる場合であっても、ストッパ130aは省略可能である。なお、蓋700a自体も省略可能である。
【0088】
以上のようなモジュールM1は、以下の技術的特徴及び効果を奏する。
技術的特徴及び効果(1)
モジュールM1の少なくとも一つのアンテナ300aのインピーダンス等の伝送特性を調整できる。なぜなら、少なくとも一つのアンテナ300aは、少なくとも一つの絶縁体200aを介して軸部100aの導体部110aの少なくとも一部に対して軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置されているため、少なくとも一つのアンテナ300aと導体部110aの少なくとも一部との距離を調整することによって少なくとも一つのアンテナ300aのインピーダンス等の伝送特性を調整できるからである。
【0089】
技術的特徴及び効果(2)
少なくとも一つの伝送路400aが設けられている場合、モジュールM1の少なくとも一つの伝送路400aのインピーダンス等の伝送特性を調整できる。なぜなら、少なくとも一つの伝送路400aは、少なくとも一つの絶縁体200aを介して軸部100aの別の部分に対して軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置されているため、少なくとも一つの伝送路400aと導体部110aの別の部分との距離を調整することによって少なくとも一つのアンテナ300aのインピーダンス等の伝送特性を調整できるからである。
【0090】
技術的特徴及び効果(3)
軸部100aが導体部110aのみで構成されている場合、すなわち、軸部100aが上記導電性を有する素材で構成されている場合、軸部100aの耐久性が向上する。しかも、この軸部100aは、軸部100a自体と少なくとも一つのアンテナ300aのインピーダンスを調整するための調整部とを兼ねているので、モジュールM1の部品点数が低減される。
【0091】
技術的特徴及び効果(4)
少なくとも一つのアンテナ300aが複数であって、第1アンテナ300a及び第2アンテナ300aを含み、且つ、第1アンテナ300aが、一部が破断した略円環状(略C字状)又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり且つ第1端子部310aが、第1アンテナ300aの第1端部、第2端子部320aは第1アンテナ300aの第2端部である場合、少なくとも一つの第2伝送路400aは、第2アンテナ300aから第1アンテナ300aの第1端子部310aと第2端子部320aの間を通ってZ-Z’方向に延びている。この場合、第1アンテナ300aから延びる二つの第1伝送路400aを第1基板500aに接続できると共に、第2アンテナ300aから延びる少なくとも一つの第2伝送路400aが、第1アンテナ300aと干渉することなく、第1基板500aに接続することができる。
【0092】
[モジュールM2]
モジュールM2は、ボディ100bを備えている。ボディ100bは、軸孔101bと、この軸孔101bの壁部110bとを有している。壁部110bは、Z-Z’方向に延びた略筒体であって、その内部にZ-Z’方向に延びた略柱状の軸孔101bを有する構成とすることが可能である(図2A図2D及び図7A図10B参照)。なお、本発明の「略柱状」とは、略円柱状又は略多角柱状等である。又は、ボディ100bがZ-Z’方向に延びた略柱状の軸孔101bを有するブロックであって、壁部110bはブロックの軸孔101bの略筒状(略円筒状又は略多角筒状)の外周部である構成とすることも可能である。軸孔101bは、少なくともZ方向に開口している。軸孔101bはZ方向及びZ’方向に開口していても良い。モジュールM2の軸孔101b内に、モジュールM1の軸部100a、絶縁体200a及び少なくとも一つのアンテナ300aがモジュールM2のボディ100bに対して相対的に回転可能に収容される。なお、Z-Z’方向は、軸孔101bの中心軸βが延びた方向(軸方向)でもある。中心軸βは、図8A及び図8Bに破線で示している。
【0093】
壁部110bは、内周面を有している。壁部110bの内周面のX-X’方向の断面形状は、内周面のZ方向側の第1端からZ’方向側の第2端まで同じ形状であっても良い。又は、壁部110bの内周面のX-X’方向の断面形状は、内周面の第1端から第2端において異なる複数の形状を有していても良い。
【0094】
壁部110bは、導体部111bを有している。導体部111bは、GND又は基準電位に接続されていると良いが、これに限定されるものではない。導体部111bは内面111b1を有する。
【0095】
導体部111bは、壁部110bの少なくとも一部を構成している。(C)壁部110bが導体部111bのみで構成されている場合、すなわち、導体部111bがZ-Z’方向に延びた略筒体(図2A図2D及び図7A図10B参照)又はブロックの軸孔101bの略筒状(略円筒状又は略多角筒状)の外周部である場合、壁部110bは導電性を有する素材(例えば、金属や炭素素材(例えば、カーボンナノチューブ)等)で構成されている。この場合、導体部111bのX-X’方向の断面形状は円環状、多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状)、一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)、円形状又は多角形状であり、導体部111bの内面111b1は、略筒状(例えば、略円筒、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等)をなしている。なお、ボディ100b全体が前記導電性を有する素材で構成されている場合も、壁部110bは導体部111bのみで構成されていることになる。(D)壁部110bが、壁部110bの一部を構成する導体部111bと、導体部111b以外の部分を有する場合(図示なし)、導体部111bは、前記導電性を有する素材で構成されており、導体部111b以外の部分(以下、絶縁部と称する。)は、絶縁性を有する素材(例えば、絶縁樹脂)等で構成されている。この場合、壁部110bの導体部111bと絶縁部とは、更に以下の(D1)~(D6)の何れかの構成を更に有する。
【0096】
(D1)導体部111bが壁部110bのZ-Z’方向における一部分を構成しており、絶縁部が壁部110bの導体部111bに対するZ方向側の部分及び/又はZ’方向の部分を構成している。壁部110bが略円筒である場合、導体部111bは、壁部110bのZ-Z’方向における一部分をなす略円筒であり、導体部111bのX-X’方向の断面形状は円環状(略環状)であり、導体部111bの内面111b1は略円筒状である。壁部110bが略多角筒である場合、導体部111bは、壁部110bのZ-Z’方向における一部分をなす略多角筒であり、導体部111bのX-X’方向の断面形状は多角環状(略環状)であり、導体部111bの内面111b1は略多角筒状である。壁部110bが、一部が破断した略円筒である場合、導体部111bは、壁部110bのZ-Z’方向における一部分をなす一部が破断した略円筒であり、導体部111bのX-X’方向の断面形状は一部が破断した略円環状(略C字状)であり、導体部111bの内面111b1は一部が破断した略円筒状である。壁部110bが、一部が破断した略多角筒である場合、導体部111bは、壁部110bのZ-Z’方向における一部分をなす一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、導体部111bのX-X’方向の断面形状は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、導体部111bの内面111b1は一部が破断した略多角筒状である。
【0097】
(D2)導体部111bが壁部110bの略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の一部を構成しており、絶縁部が壁部110bの導体部111b以外の部分を構成している。この場合、導体部111bのX-X’方向の断面形状は、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であり、導体部111bの内面111b1は、絶縁部の内面と面一となる略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。
【0098】
(D3)導体部111bが第1部と第2部とを有しており、第1部が上記(D1)又は(D2)の導体部111bと同様の構成であり、第2部が上記(D2)の導体部111bと同様の構成であり且つ第1部からZ-Z’方向に延びている。この場合、絶縁部が壁部110b第1部及び第2部以外の部分を構成している。
【0099】
(D4)絶縁部が略筒体であり、導体部111bが絶縁部の外周面の全領域上又はZ-Z’方向の一部の領域上に蒸着等によって形成された略筒状(例えば、略円筒、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等)の金属膜である。絶縁部が略円筒である場合、導体部111bのX-X’方向の断面形状は円環状(略環状)であり、導体部111bの内面111b1は略円筒状である。絶縁部が略多角筒である場合、導体部111bのX-X’方向の断面形状は多角環状(略環状)であり、導体部111bの内面111b1は略多角筒状である。絶縁部が、一部が破断した略円筒である場合、導体部111bのX-X’方向の断面形状は一部が破断した略円環状(略C字状)であり、導体部111bの内面111b1は一部が破断した略円筒状である。壁部110bが、一部が破断した略多角筒である場合、導体部111bのX-X’方向の断面形状は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、導体部111bの内面111b1は一部が破断した略多角筒状である。
【0100】
(D5)絶縁部が略筒体であり、導体部111bが絶縁部の外周面の一部上に蒸着等によって形成された略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の金属膜である。この場合、導体部111bのX-X’方向の断面形状は、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であり、導体部111bの内面111b1は略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。
【0101】
(D6)導体部111bが第1部と第2部とを有しており、第1部が上記(D4)又は(D5)の導体部111bと同様の構成であり、第2部が上記(D5)の導体部111bと同様の構成であり且つ第1部からZ-Z’方向に延びている。この場合、絶縁部は上記(D4)又は(D5)と同様の構成である。
【0102】
モジュールM2は、絶縁体200bを更に備えている。絶縁体200bは、絶縁性を有する素材(例えば、絶縁樹脂)等で構成されており、導体部111bの内面111b1上に設けられており且つ導体部111bを覆っている。したがって、絶縁体200bは軸孔101b内に収容されている。絶縁体200bは内面201bを有する。
【0103】
壁部110bが上記(C)、(D1)又は(D4)の構成を有する場合、絶縁体200bは任意の形状とすることが可能である。例えば、絶縁体200bは、導体部111bの外径又は外形に対応した略筒体とすることが可能である。この場合、絶縁体200bの外径寸法又は外形寸法は、導体部111bの内径寸法又は内形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。絶縁体200bが導体部111bに内嵌又は内装し、導体部111bを覆っている。絶縁体200bのX-X’方向の断面形状は、導体部111bの内面111b1の形に対応した円環状、多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状)又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、絶縁体200bの内面201bは、導体部111bの内面111b1の形に対応した略筒状(例えば、略円筒、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等)である。なお、絶縁体200bが略筒体である場合、壁部110bは、絶縁体200bに対してZ方向側から当接する内側に凸のリング状の突起であるストッパ112bを有していても良い、絶縁体200bが導体部111b内に嵌合している場合には省略しても良い。又は、絶縁体200bは、導体部111bの一部の内面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状とすることが可能である。この場合、絶縁体200bは、接着剤、両面テープ又はネジ等によって導体部111bの内面111b1上に固定されており且つ導体部111bを覆っている。絶縁体200bのX-X’方向の断面形状は、導体部111bの前記一部の内面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であり、絶縁体200bの内面201bは、導体部111bの前記一部の内面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。
【0104】
壁部110bが上記(D2)又は(D5)の構成を有する場合、絶縁体200bは、導体部111bの内面111b1の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状とすることが可能である。この場合、絶縁体200bは、接着剤、両面テープ又はネジ等によって導体部111bの内面111b1上に固定されており且つ導体部111bを覆っている。絶縁体200bのX-X’方向の断面形状は、導体部111bの内面111b1の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であり、絶縁体200bの内面201bは、導体部111bの内面111b1の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。又は、絶縁体200bは、壁部110bの内径又は内形に対応した略筒体とすることが可能である。この場合、絶縁体200bの外径寸法又は外形寸法が壁部110bの内径寸法又は内形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。絶縁体200bが壁部110bの軸孔101bに内嵌又は内装し、導体部111bを覆っている。絶縁体200bのX-X’方向の断面形状は、壁部110bの内周面の形に対応した円環状、多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状)又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、絶縁体200bの一部の内面は、導体部111bの内面111b1に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。
【0105】
壁部110bが上記(D3)の構成を有しており且つ導体部111bの第1部が上記(D1)の導体部111bと同様の構成である場合、又は、壁部110bが上記(D6)の構成を有しており且つ導体部111bの第1部が上記(D4)の導体部111bと同様の構成である場合、絶縁体200bは、第1部及び第2部を有する。絶縁体200bの第1部は、導体部111bの第1部の内面の形に対応した略筒体である。この場合、絶縁体200bの第1部の外径寸法又は外形寸法が導体部111bの第1部の内径寸法又は内形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。絶縁体200bの第1部が導体部111bの第1部に内嵌又は内装し、導体部111bの第1部を覆っている。絶縁体200bの第1部のX-X’方向の断面形状は、導体部111bの第1部の内面の形に対応した円環状、多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状)又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、絶縁体200bの第1部の内面は、導体部111bの第1部の内面の形に対応した略筒状(例えば、略円筒、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等)である。絶縁体200bの第2部は、絶縁体200bの第1部からZ-Z’方向に延びている。この絶縁体200bの第2部は、導体部111bの第2部の内面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であって、導体部111bの第2部を覆っている。絶縁体200bの第2部の内面は、導体部111bの第2部の内面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。又は、絶縁体200bは、壁部110bの内径又は内形に対応した略筒体とすることが可能である。この場合、絶縁体200bの外径寸法又は外形寸法が壁部110bの内径寸法又は内形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。の軸孔101bに内嵌又は内装し、導体部111bの第1部及び第2部を覆っている。絶縁体200bのX-X’方向の断面形状は、壁部110bの内周面の形に対応した円環状、多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状)又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)である。絶縁体200bは、第1部及び第2部を有する。絶縁体200bの第1部の内面は、導体部111bの第1部の内面の形に対応した略筒状(例えば、略円筒、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等)であり、絶縁体200bの第2部の内面は、導体部111bの第2部の内面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。
【0106】
壁部110bが上記(D3)の構成を有しており且つ導体部111bの第1部が上記(D2)の導体部111bと同様の構成である場合、又は、壁部110bが上記(D6)の構成を有しており且つ導体部111bの第1部が上記(D5)の導体部111bと同様の構成である場合、絶縁体200bは、第1部及び第2部を有する。絶縁体200bの第1部は、導体部111bの第1部の内面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。絶縁体200bの第2部は、導体部111bの第2部の内面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であって、絶縁体200bの第1部からZ-Z’方向に延びている。絶縁体200bの第1部及び第2部は、接着剤、両面テープ又はネジ等によって導体部111bの第1部及び第2部の内面上に固定されており且つ導体部111bの第1部及び第2部を覆っている。又は、絶縁体200bは、壁部110bの内径又は内形に対応した略筒体とすることが可能である。この場合、絶縁体200bの外径寸法又は外形寸法が壁部110bの内径寸法又は内形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。絶縁体200bが壁部110bの軸孔101bに内嵌又は内装し、導体部111bの第1部及び第2部を覆っている。絶縁体200bのX-X’方向の断面形状は、壁部110bの内周面の形に対応した円環状、多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状)又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)である。絶縁体200bは、第1部及び第2部を有する。絶縁体200bの第1部の内面は、導体部111bの第1部の内面の形に対応した略筒状(例えば、略円筒、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等)であり、絶縁体200bの第2部の内面は、導体部111bの第2部の内面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である。
【0107】
モジュールM2は、保持部600bを更に備えた構成とすることが可能である。保持部600bは、略筒体であって、絶縁性を有する素材(例えば、絶縁樹脂)等で構成されている。
【0108】
絶縁体200bが略筒体である場合、保持部600bの外径又は外形は、絶縁体200bの内径又は内形に対応しており、且つ保持部600bの外径寸法又は外形寸法は、絶縁体200bの内径寸法又は内形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。この場合、保持部600bが絶縁体200bに内嵌又は内装されており且つ絶縁体200bと共に壁部110bの軸孔101b内に収容されている。保持部600bのX-X’方向の断面形状は、絶縁体200bの内面201bの形に対応した円環状、多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状)又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、保持部600bの外周面601bは、導体部111bの内面111b1の形に対応した略筒状(例えば、略円筒、略多角筒、一部が破断した略円筒又は一部が破断した略多角筒等)である。この場合、モジュールM1の軸部100aは、ボディ100bに対して相対的に回転自在に保持部600b内に収容されている。これにより、モジュールM1の軸部100aは、ボディ100bに対して相対的に回転可能に軸孔101b内に収容されている。
【0109】
絶縁体200bが略筒体以外の構成である場合、保持部600bの外径又は外形は、壁部110bの内径又は内形に対応しており、且つ保持部600bの外径寸法又は外形寸法は、絶縁体200bの外径寸法又は外形寸法は、壁部110bの内径寸法又は内形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。この場合、保持部600bが、壁部110bの軸孔101bに内嵌又は内装しており且つ絶縁体200bが保持部600bの外周面601bと、壁部110bの内周面との間で固定されている。なお、保持部600bは省略可能である。
【0110】
モジュールM2は、カバー800bを更に備えた構成とすることが可能である。カバー800bは、略筒体であって、絶縁性を有する素材(例えば、絶縁樹脂)又は金属等で構成されている。保持部600bが設けられている場合、カバー800bの外径又は外形は、保持部600bの内径又は内形に対応しており、且つカバー800bの外径寸法又は外形寸法は、保持部600bの内径寸法又は内形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。この場合、カバー800bが保持部600bに内嵌又は内装されており且つ保持部600bと共に壁部110bの軸孔101b内に収容されている。保持部600bが設けられておらず且つ絶縁体200bが略筒体である場合、カバー800bの外径又は外形は、絶縁体200bの内径又は内形に対応しており、且つカバー800bの外径寸法又は外形寸法は、絶縁体200bの内径寸法又は内形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。この場合、カバー800bが絶縁体200bに内嵌又は内装されており且つ絶縁体200bと共に壁部110bの軸孔101b内に収容されている。保持部600bが設けられておらず且つ絶縁体200bが略筒体以外の構成である場合、カバー800bの外径又は外形は、壁部110bの内径又は内形に対応しており、且つカバー800bの外径寸法又は外形寸法は、壁部110bの内径寸法又は内形寸法と略同じである(同一、若干大きい又は若干小さい)。この場合、カバー800bが壁部110bの軸孔101bに内嵌又は内装されており且つ絶縁体200bと共に壁部110bの軸孔101b内に収容されている。何れの場合も、モジュールM1の軸部100aは、ボディ100bに対して相対的に回転自在にカバー800b内に収容されている。これにより、モジュールM1の軸部100aは、ボディ100bに対して相対的に回転可能に軸孔101b内に収容されている。なお、カバー800bは省略可能である。
【0111】
モジュールM2は、第1軸受910bを更に備えた構成とすることが可能である。第1軸受910bは、周知のボールベアリングである。保持部600bが設けられている場合、第1軸受910bは保持部600b内に嵌合(FIT IN)している。第1軸受910bがモジュールM1の軸部100aを転がり軸受けしており且つ軸部100aを保持部600b内で回転自在に支持している。保持部600bが設けられておらず且つ絶縁体200bが略筒体である場合、第1軸受910bは絶縁体200b内に嵌合(FIT IN)している。第1軸受910bがモジュールM1の軸部100aを転がり軸受けしており且つ軸部100aを絶縁体200b内で回転自在に支持している。保持部600bが設けられておらず且つ絶縁体200bが略筒体以外の構成である場合、第1軸受910bは壁部110bの軸孔101bに嵌合(FIT IN)している。第1軸受910bがモジュールM1の軸部100aを転がり軸受けしており且つ軸部100aを壁部110bの軸孔101b内で回転自在に支持している。
【0112】
カバー800b及び保持部600bが設けられている場合、保持部600bのZ’方向側の端部には、内側に凸のリング状の突起であるストッパ611b(図8B参照)が設けられていても良い。この場合、第1軸受910bは、Z-Z’方向においてカバー800bとストッパ611bとの間で挟持されている。
【0113】
第1軸受910bは省略可能である。第1軸受910bが設けられておらず且つ保持部600bが設けられている場合、保持部600bが軸部100aを回転自在に滑り軸受けしている。第1軸受910b及び保持部600bが設けられておらず且つ保持部600bが設けられておらず且つ絶縁体200bが略筒体である場合、絶縁体200bが軸部100aを回転自在に滑り軸受けしている。第1軸受910b及び保持部600bが設けられておらず且つ絶縁体200bが略筒体以外の構成である場合、壁部110bが軸部100aを回転自在に滑り軸受けしている。なお、滑り軸受けの場合、軸部100aは、略円筒体、略円筒体に近似する略多角筒体、略円柱又は略円柱体に近似する略多角柱体とすると良く、保持部600b、絶縁体200b又は壁部110bは、略円筒体又は略円筒体に近似する略多角筒体とすると良い。
【0114】
上記の何れかの通りに、モジュールM1の軸部100aが転がり軸受け又は滑り軸受けされた状態で、軸部100aがボディ100bに対して相対的に回転自在となっている。この回転の駆動力は、図示しないモータ等の回転駆動部によって、モジュールM1の軸部100a又はモジュールM2のボディ100bに付与されるようになっていると良い。以下、軸部100aがボディ100bに対して相対的に回転している最中を、単に「回転中」と称する。
【0115】
モジュールM2は、少なくとも一つのアンテナ300bを更に備えている。少なくとも一つのアンテナ300bは、複数とすることが可能である。一又は各アンテナ300bは、モジュールM1の対応するアンテナ300aと非接触通信可能な構成となっている。例えば、一又は各アンテナ300bは、モジュールM1の対応するアンテナ300aと電磁界結合し、結合器(カプラ)を構成することによって、搬送信号を非接触で通信可能な構成、モジュールM1の対応するアンテナ300aと共振などを利用して静電的な結合若しくは磁気的な結合を構成することによって、搬送信号を非接触で通信可能な構成とすることが可能である。
【0116】
導体部111bが上記(C)、(D1)又は(D4)の構成を有する場合、一又は各アンテナ300bは、導体部111bの少なくとも一部の内面の形に対応した略環状、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の金属板であって、保持部600bの外周面601bに設けられた溝内に嵌合(FIT IN)した構成、保持部600bの外周面601b上に接着剤、両面テープ又はネジ等によって固定された構成、保持部600b内にインサート成形等によって埋め込まれた構成、又は、保持部600b内に設けられた保持孔に挿入保持された構成とすることが可能である。又は、一又は各アンテナ300bは、導体部111bの少なくとも一部の内面の形に対応した略環状、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の導体膜であって、保持部600bの外周面601b上に形成された構成とすることが可能である。何れの場合も、一又は各アンテナ300bは、導体部111bの少なくとも一部に対して軸孔101bの中心軸側に間隔をあけて配置されており、且つ、絶縁体200bは、略筒体であって、一又は各アンテナ300bと導体部111bとの間に介在している。
【0117】
導体部111bが上記(D2)又は(D5)の構成を有する場合、一又は各アンテナ300bは、導体部111bの内面111b1の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の金属板であって、保持部600bの外周面601bに設けられた溝内に嵌合(FIT IN)した構成、保持部600bの外周面601b上に接着剤、両面テープ又はネジ等によって固定された構成、保持部600b内にインサート成形等によって埋め込まれた構成、又は、保持部600b内に設けられた保持孔に挿入保持された構成とすることが可能である。又は、一又は各アンテナ300bは、導体部111bの内面111b1の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の導体膜であって、保持部600bの外周面601b上に形成された構成とすることが可能である。何れの場合も、一又は各アンテナ300bは、導体部111bに対して軸孔101bの中心軸側に間隔をあけて配置されており、且つ、絶縁体200bは、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であって、一又は各アンテナ300bと導体部111bとの間に介在した構成、又は、略筒体であって、一又は各アンテナ300bと導体部111bとの間に介在とした構成となっている。
【0118】
軸部100aが上記(D3)の構成を有しており且つ導体部111bの第1部が上記(D1)の導体部111bと同様の構成である場合、又は軸部100aが上記(D6)の構成を有しており且つ導体部111bの第1部が上記(D4)の導体部111bと同様の構成である場合、一又は各アンテナ300bは、導体部111bの第1部の少なくとも一部の内面の形に対応した略環状、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の金属板であって、保持部600bの第1部の外周面に設けられた溝内に嵌合(FIT IN)した構成、保持部600bの第1部の外周面上に接着剤、両面テープ又はネジ等によって固定された構成、保持部600bの第1部内にインサート成形等によって埋め込まれた構成、又は、保持部600bの第1部内に設けられた保持孔に挿入保持された構成とすることが可能である。又は、一又は各アンテナ300bは、導体部111bの第1部の少なくとも一部の内面の形に対応した略環状、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の導体膜であって、保持部600bの第1部の外面上に形成された構成とすることが可能である。何れの場合も、一又は各アンテナ300bは、導体部111bの第1部の少なくとも一部に対して軸孔101bの中心軸側に間隔をあけて配置されており、且つ、絶縁体200bは、その第1部が略筒体であって、この第1部が、一又は各アンテナ300bと、導体部111bの第1部との間に介在している。
【0119】
軸部100aが上記(D3)の構成を有しており且つ導体部111bの第1部が上記(D2)の導体部111bと同様の構成である場合、又は、軸部100aが上記(D6)の構成を有しており且つ導体部111bの第1部が上記(D5)の導体部111bと同様の構成である場合、一又は各アンテナ300bは、導体部111bの第1部の内面の形に対応した略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の金属板であって、保持部600bの第1部の外周面に設けられた溝内に嵌合(FIT IN)した構成、保持部600bの第1部の外周面上に接着剤、両面テープ又はネジ等によって固定された構成、保持部600bの第1部内にインサート成形等によって埋め込まれた構成、又は、保持部600bの第1部内に設けられた保持孔に挿入保持された構成とすることが可能である。又は、アンテナ300bは、導体部111bの第1部の内面の形に対応した略環状、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状の導体膜であって、保持部600bの第1部の外面上に形成された構成とすることが可能である。何れの場合も、一又は各アンテナ300bは、導体部111bの第1部に対して軸孔101bの中心軸側に間隔をあけて配置されており、且つ、絶縁体200bは、その第1部が略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であって、この第1部が、一又は各アンテナ300bと、導体部111bの第1部との間に介在した構成、又は、その第1部が略筒体であって、この第1部が、一又は各アンテナ300bと、導体部111bの第1部との間に介在した構成となっている。
【0120】
保持部600bが設けられていない場合、一又は各アンテナ300bは、絶縁体200bの内面に設けられた溝内に嵌合(FIT IN)した構成、絶縁体200bの内面上に接着剤、両面テープ又はネジ等によって固定された構成、絶縁体200b内にインサート成形等によって埋め込まれた構成、又は、絶縁体200b内に設けられた保持孔に挿入保持された構成とすることが可能である。
【0121】
少なくとも一つのアンテナ300bが複数である場合、複数のアンテナ300bは、互いが接触しないように配置されていれば良い。例えば、複数のアンテナ300bは、Z-Z’方向に間隔をあけて配置された構成とすることが可能である。以下、複数のアンテナ300bのうちの一つを第1アンテナ300bと称し、別の一つを第2アンテナ300bと称する。すなわち、複数のアンテナ300bは、第1アンテナ300bと、第2アンテナ300bとを含む。
【0122】
第1アンテナ300b及び第2アンテナ300bが略円環状又は略多角環状である場合、第1アンテナ300b及び第2アンテナ300bは、Z-Z’方向に間隔をあけて配置されている。第1アンテナ300bが、一部が破断した略円環状(略C字状(図2A~2D及び図8A図10B参照))又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり、且つ第2アンテナ300bが、略円環状、略多角環状、一部が破断した略円環状(略C字状(図2A~2D及び図8A図10B参照))又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)である場合も、第1アンテナ300b及び第2アンテナ300bは、Z-Z’方向に間隔をあけて配置されている。
【0123】
第1アンテナ300bが、互いに間隔をあけて配置された第1端子部310bと第2端子部320bとを有する。第1アンテナ300bが略円環状又は略多角環状である場合、第1端子部310bと第2端子部320bは、互いに間隔をあけて配置された第1アンテナ300bの任意の部分である。第1アンテナ300bが、一部が破断した略円環状(略C字状(図2A~2D及び図8A図10B参照))、一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)、略環状、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である場合、第1端子部310bは、第1アンテナ300bの第1端部、第2端子部320bは第1アンテナ300bの第2端部とすることが可能であるが、第1端子部310bは、第1アンテナ300bの第1端部と第2端部の間の中間部の一部、第2端子部320bは第1アンテナ300bの中間部の一部の別の一部とすることが可能である。
【0124】
第2アンテナ300bも互いに間隔をあけて配置された第1端子部310bと第2端子部320bとを有する。第2アンテナ300bの第1端子部310bと第2端子部320bは、第1アンテナ300bの第1端子部310bと第2端子部320bと同じ構成である。
【0125】
第1アンテナ300bが、一部が破断した略円環状(略C字状(図2A~2D及び図8A図10B参照))、一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)、略半円弧状又は略U字状であり且つ第1端子部310bは、第1アンテナ300bの第1端部、第2端子部320bは第1アンテナ300bの第2端部である場合、第1アンテナ300bの第1端子部310bの内端から軸孔101bの中心軸βまで延びる第1仮想線と第1アンテナ300bの第2端子部320bの内端から軸孔101bの中心軸βまで延びる第2仮想線との間の第1角度R1b(図8D参照)は、例えば、120度以下とすることが可能であるが、これに限定されるものではない。なお、図8Dでは、第1、第2仮想線は一点鎖線で示されている。
【0126】
第2アンテナ300bが、一部が破断した略円環状(略C字状(図2A~2D及び図8A図10B参照))、一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)、略半円弧状又は略U字状であり且つ第1端子部310bは、第2アンテナ300bの第1端部、第2端子部320bは第2アンテナ300bの第2端部である場合、第2アンテナ300bの第1端子部310bの内端から軸孔101bの中心軸βまで延びる第3仮想線と第2アンテナ300bの第2端子部320bの内端から軸孔101bの中心軸βまで延びる第4仮想線との間の第2角度R2b(図8C参照)は、例えば、120度以下とすることが可能であるが、これに限定されるものではない。第2角度R2bは、第1角度R1bよりも小さくしても良い。この場合、第1角度R1b(図8D参照)は、120度~160度程度とし、第2角度R2bは5度程度とすることが可能であるが、これに限定されるものではない。なお、図8Cでは、第3、第4仮想線は一点鎖線で示されている。
【0127】
第1アンテナ300b及び第2アンテナ300bが、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状である場合、互いが接触しないように配置されていれば良く、Z-Z’方向に間隔をあけていても良い。なお、複数のアンテナ300bは、3つ以上であっても構わない。少なくとも一つのアンテナ300bが一つである場合、第1アンテナ300b及び第2アンテナ300bの何れか一方であっても良い。
【0128】
一又は各アンテナ300bと、壁部110bの導体部111bの少なくとも一部との間の距離は、一又は各アンテナ300bのインピーダンスが所望の値となるように、調整されている。例えば、少なくとも一つのアンテナ300bが複数である場合、第1アンテナ300bのシングルエンド・インピーダンスが50Ωとなるように、第1アンテナ300bと導体部111bの少なくとも一部との間の距離が調整されており、且つ、第2アンテナ300bの差動インピーダンスが100Ωとなるように、第2アンテナ300bと導体部111bの少なくとも一部との間の距離が調整されていても良い。何れの場合も、一又は各アンテナ300bと、壁部110bの導体部111bの少なくとも一部との間に介在する絶縁体200bの厚みを調整するようにすれば良い。
【0129】
なお、一又は各アンテナ300bと、壁部110bの導体部111bの少なくとも一部との間の距離は、当該アンテナ300bの全体にわたって略同じ距離としても良いが、これに限定されるものではない。一又は各アンテナ300bは、その一部又は複数の部分が壁部110bの導体部111bの少なくとも一部に対応しない形状とすることによって、一又は各アンテナ300bの前記一部又は前記複数の部分と、壁部110bの導体部111bの少なくとも一部との間の距離と、一又は各アンテナ300bの残りの部分と、壁部110bの導体部111bの少なくとも一部との間の距離との距離が相違した構成とすることが可能である。また、壁部110bの導体部111bの少なくとも一部は、その一部又は複数の部分が残りの部分によりも一又は各アンテナ300b側に凸又は凹としたりすることによって、一又は各アンテナ300bと、壁部110bの導体部111bの少なくとも一部の前記一部又は前記複数の部分との間の距離と、一又は各アンテナ300bと、壁部110bの導体部111bの少なくとも一部の残りの部分との間の距離との距離が相違した構成とすることが可能である。図8Cでは、壁部110bの導体部111bに凹部が設けられており、第2アンテナ300bの両端部と壁部110bの導体部111bの凹部の底面との距離と、第2アンテナ300bの両端部以外の部分と、壁部110bの導体部111bの凹部以外の部分との距離が相違している。
【0130】
一又は各アンテナ300bは、回転中に、モジュールM1の対応するアンテナ300aに対して、モジュールM1の軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置される。一又は各アンテナ300bが略環状、略円弧状又は略U字状である場合、モジュールM1の対応するアンテナ300aは、任意の形状(例えば、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状)としても良い。この場合において、一又は各アンテナ300bが、一部が破断した略円環状、一部が破断した略多角環状、略半円弧状又は略U字状である場合、一又は各アンテナ300bの第1端子部310bの内端から軸孔101bの中心軸βまで延びる第3仮想線と一又は各アンテナ300bの第2端子部320bの内端から軸孔101bの中心軸βまで延びる第4仮想線との間の角度は、例えば、180度以下とすることが可能である。又は、一又は各アンテナ300bが任意の形状(例えば、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状)である場合、モジュールM1の対応するアンテナ300aは、略環状、略円弧状又は略U字状としても良い。この場合において、対応するアンテナ300aが一部が破断した略円環状、一部が破断した略多角環状、略半円弧状又は略U字状である場合、対応するアンテナ300aの第1端子部310aの内端から軸部100aの中心軸αまで延びる第5仮想線と対応するアンテナ300aの第2端子部320aの内端から軸部100aの中心軸αまで延びる第6仮想線との間の角度は、例えば、180度以下とすることが可能である。上記何れかの通りにすれば、一回の回転中に、一又は各アンテナ300bが、モジュールM1の対応するアンテナ300aに対して、モジュールM1の軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置された状態が長くなるので、一又は各アンテナ300bと、モジュールM1の対応するアンテナ300aとの間で効率的に非接触通信できる。なお、第1アンテナ300bは、回転中に、モジュールM1の第2アンテナ300aに対して、モジュールM1の軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置され、第2アンテナ300bは、回転中に、モジュールM1の第1アンテナ300aに対して、モジュールM1の軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置される。
【0131】
モジュールM2は、少なくとも一つの伝送路400bを更に備えた構成とすることが可能である。少なくとも一つのアンテナ300bが一つである場合、少なくとも一つの伝送路400bは、一又は複数であって、一つのアンテナ300bから延びている。少なくとも一つのアンテナ300bが複数である場合、少なくとも一つの伝送路400bは、複数であって、複数のアンテナ300bの各々から一つずつ延びた構成、又は、少なくとも一つの伝送路400bは、複数であって、複数のアンテナ300bの各々から複数ずつ延びた構成となっている。
【0132】
一又は各伝送路400bは、対応するアンテナ300bからZ-Z’方向に延びた金属板、ケーブル又はフレキシル基板の導電ラインであって、保持部600bに設けられている。具体的には、一又は各伝送路400bは、以下の構成とすることが可能である。
【0133】
導体部111bが上記(C)、(D1)、(D2)、(D4)又は(D5)の構成を有する場合、一又は各伝送路400bは、対応するアンテナ300bからZ-Z’方向に延びた金属板、ケーブル又はフレキシル基板の導電ラインであって、保持部600bの外周面601bに設けられた溝内に嵌合(FIT IN)した構成、保持部600bの外周面601b上に接着剤、両面テープ又はネジ等によって固定された構成、保持部600b内にインサート成形等によって埋め込まれた構成、又は、保持部600b内に設けられた保持孔に挿入保持された構成とすることが可能である。又は、一又は各伝送路400bは、対応するアンテナ300bからZ-Z’方向に延びた導体膜であって、保持部600bの外周面601b上に形成された構成とすることが可能である。何れの場合も、一又は各伝送路400bは、導体部111bの別の部分に対して軸孔101bの中心軸側に間隔をあけて配置されており、且つ、絶縁体200aは、略筒体、略円弧状、略矩形状、略V字状又は略U字状であって、一又は各伝送路400bと導体部111bの別の部分との間に介在している。なお、導体部111bの別の部分は、導体部111bの一又は各アンテナ300bに対して間隔をあけて配置される一部と別の部分である。
【0134】
導体部111bが上記(D3)又は(D6)の構成を有する場合、一又は各伝送路400bは、対応するアンテナ300bからZ-Z’方向に延びた金属板、ケーブル又はフレキシル基板の導電ラインであって、保持部600bの外周面601bに設けられた溝内に嵌合(FIT IN)した構成、保持部600bの外周面601b上に接着剤、両面テープ又はネジ等によって固定された構成、保持部600b内にインサート成形等によって埋め込まれた構成、又は、保持部600b内に設けられた保持孔に挿入保持された構成とすることが可能である。又は、一又は各伝送路400bは、対応するアンテナ300bからZ-Z’方向に延びた導体膜であって、保持部600bの外周面601b上に形成された構成とすることが可能である。何れの場合も、一又は各伝送路400bは、導体部111bの別の部分に対して軸孔101bの中心軸側に間隔をあけて配置されており、且つ、且つ、絶縁体200aは第2部を有しており、この第2部が、一又は各伝送路400bと導体部111bの第2部(別の部分)との間に介在している。
【0135】
少なくとも一つの伝送路400bが複数であって、複数のアンテナ300bの各々から延びている場合、複数の伝送路400bのうちの少なくとも一つを少なくとも一つの第1伝送路400bと称し、別の少なくとも一つを少なくとも一つの第2伝送路400bと称する。すなわち、複数の伝送路400bは、少なくとも一つの第1伝送路400bと、少なくとも一つの第2伝送路400bとを含む。少なくとも一つの第1伝送路400bは、一つである場合、第1アンテナ300bの第1端子部310b及び第2端子部320bの何れか一方からZ-Z’方向に延びている。少なくとも一つの第1伝送路400bは、二つである場合、第1アンテナ300bの第1端子部310b及び第2端子部320bからZ-Z’方向に延びている。少なくとも一つの第2伝送路400bは、一つである場合、第2アンテナ300bの第1端子部310b及び第2端子部320bの何れか一方からZ-Z’方向に延びている。少なくとも一つの第2伝送路400bは、二つである場合、第2アンテナ300bの第1端子部310b及び第2端子部320bからZ-Z’方向に延びている。
【0136】
第1アンテナ300bが、一部が破断した略円環状(略C字状(図2A図6A参照))又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり且つ第1端子部310bが、第1アンテナ300bの第1端部、第2端子部320bは第1アンテナ300bの第2端部である場合、一又は二つの第2伝送路400bは、第1アンテナ300bの第1端子部310bと第2端子部320bの間を通ってZ-Z’方向に延びていると良い。少なくとも一つの第1伝送路400bが二つである場合、一又二つの第2伝送路400bは、第1アンテナ300bの第1端子部310bと第2端子部320bの間を通り且つ二つの第1伝送路400bの間を通ってZ-Z’方向に延びていると良い。
【0137】
一又は各伝送路400bと、導体部111bの別の部分との間の距離は、一又は各伝送路400bのインピーダンスが所望の値となるように、調整されている。例えば、二つの第1伝送路400bのシングルエンド・インピーダンスがそれぞれ50Ωとなるように、二つの第1伝送路400bと導体部111bの別の部分との間の距離が調整されており、且つ、二つの第2伝送路400bの差動インピーダンスがそれぞれ100Ωとなるように、二つの第1伝送路400bと導体部111bの別の部分との間の距離が調整されていても良い。何れの場合も、一又は各伝送路400bと、導体部111bの別の部分との間に介在する絶縁体200bの厚みを調整するようにすれば良い。
【0138】
一又は各伝送路400bと、壁部110bの導体部111bの別の部分との間の距離は、当該伝送路400bの全体にわたって略同じ距離であると良いが、これに限定されるものではない。一又は各伝送路400bの一部又は複数の部分と壁部110bの導体部111bの少なくとも一部との間の距離と、一又は各伝送路400bの残りの部分と壁部110bの導体部111bの少なくとも一部との間の距離との距離が相違していても構わない。
【0139】
モジュールM2は、シールド部1000bを更に備えた構成とすることが可能である。シールド部1000bは、金属板で構成されており且つ二つの第1シールド部(図示なし)及び/又は少なくとも一つの第2シールド部1100bを有している。二つのシールド部が、少なくとも一つの第2伝送路400bと第1アンテナ300bの第1端子部310bとの間と、少なくとも一つの第2伝送路400bと第2端子部320bとの間とに位置している。少なくとも一つの第2シールド部1100bは、少なくとも一つの第2伝送路400bと少なくとも一つの第1伝送路400bとの間に位置している。第1伝送路400bが二つである場合、第2シールド部1100bも二つであって、そのうちの一つの第2シールド部1100bが二つの第1伝送路400bのうちの一方の第1伝送路400bと少なくとも一つの第2伝送路400bとの間に位置し、もう一つの第2シールド部1100bが他方の第1伝送路400bと少なくとも一つの第2伝送路400bとの間に位置している。シールド部1000bによって、少なくとも一つの第2伝送路400bから発生したノイズが、第1アンテナ300bの第1端子部310b並びに第2端子部320b、及び/又は、少なくとも一つの第1伝送路400bに影響を及ぼす可能性が低減され、且つ第1アンテナ300bの第1端子部310b並びに第2端子部320b、及び/又は、少なくとも一つの第1伝送路400bから発生したノイズが、少なくとも一つの第2伝送路400bに影響を及ぼす可能性が低減される。また、シールド部1000bによって、少なくとも一つの第2伝送路400bと、第1アンテナ300b及び少なくとも一つの第1伝送路400bとの間のクロストークも低減される。シールド部1000bは、二つの第1シールド部間及び/又は二つの第2シールド部1100bの間を繋ぐ第3シールド部1200bを更に有していても良い。
【0140】
第3シールド部1200bは、少なくとも一つの第2伝送路400bに対して、軸孔101bの中心軸側に間隔をあけて配置されており且つ回転中に、少なくとも一つの第2伝送路400bと、モジュールM1の第1アンテナ300aとの間に位置する。第3シールド部1200bによって、少なくとも一つの第2伝送路400bから発生したノイズが、モジュールM1の第1アンテナ300aに影響を及ぼす可能性が低減され、モジュールM1の第1アンテナ300aから発生したノイズが少なくとも一つの第2伝送路400bに影響を及ぼす可能性が低減され、且つ、少なくとも一つの第2伝送路400bとモジュールM1の第1アンテナ300aとの間のクロストークが低減される。モジュールM1の第3シールド部830aも、回転中に、少なくとも一つの第2伝送路400aと、モジュールM2の第2アンテナ300bとの間に位置する。第3シールド部830aによって、少なくとも一つの第2伝送路400aから発生したノイズが、モジュールM2の第2アンテナ300bに影響を及ぼす可能性が低減され、モジュールM2の第2アンテナ300bから発生したノイズが少なくとも一つの第2伝送路400aに影響を及ぼす可能性が低減され、且つ、少なくとも一つの第2伝送路400aとモジュールM2の第2アンテナ300bとの間のクロストークが低減される。なお、シールド部1000bは省略可能である。
【0141】
モジュールM2は、第2基板500bを更に備えた構成とすることが可能である。保持部600bが設けられており且つ絶縁体200bが略筒体である場合、第2基板500bは、壁部110b、保持部600b及び絶縁体200bに対してZ’方向側に配置されており且つ壁部110b、絶縁体200a及び保持部600bにZ’方向側から当接した構成とすることが可能である。壁部110bにストッパ112bが設けられている場合、絶縁体200bは、Z-Z’方向においてストッパ112bと第2基板500bとの間で挟持されている。絶縁体200bのZ方向側の端部には、内側に凸のリング状の突起であるストッパ211bが設けられていても良い。ストッパ211bは、保持部600bにZ方向側から当接している。すなわち、保持部600bは、Z-Z’方向においてストッパ211bと第2基板500bとの間で挟持されている。なお、ストッパ211bは省略可能である。この場合、保持部600bは、Z-Z’方向において、ストッパ112bと第2基板500bとの間で挟持されていても良いが、これに限定されるものではない。
【0142】
保持部600bが設けられておらず且つ絶縁体200bが略筒体である場合、第2基板500bは、壁部110b及び絶縁体200bに対してZ’方向側に配置されており且つ壁部110b及び絶縁体200bにZ’方向側から当接した構成とすることが可能である。この場合、保持部600bは、Z-Z’方向において、ストッパ112bと第2基板500bとの間で挟持されていても良いが、これに限定されるものではない。
【0143】
保持部600bが設けられておらず且つ絶縁体200bが略筒体以外の構成である場合、第2基板500bは、壁部110b及び絶縁体200bに対してZ’方向側に配置されており且つ壁部110bにZ’方向側から当接した構成とすることが可能である。
【0144】
第1軸受910bが設けられている場合、第1軸受910bと第2基板500bとの間には、緩衝材S3が設けられていても良い。カバー800bが設けられており且つ保持部600bのストッパ611bが設けられていない場合、又はカバー800bが設けられており且つ保持部600bが設けられていない場合、第1軸受910bは、Z-Z’方向においてカバー800bと第2基板500bとの間で挟持されていると良い。
【0145】
何れの場合も、上記した少なくとも一つの伝送路400bが第2基板500bに向けてZ-Z’方向に延びており且つ第2基板500bに接続されている。第2基板500bには、導体部111bが電気的に接続されるGND又は基準電位用の導体が設けられていても良い。なお、導体が第2基板500bに設けられておらず、導体部111bが外部のGND又は基準電位に電気的に接続されるようになっていても構わない。第2基板500b上には、図示しない通信部が設けられていても良い。通信部は、第2基板500b上に実装された論理回路、又は論理回路等に処理されるソフトウエアであって、少なくとも一つのアンテナ300bに誘起された受信信号が入力され、当該受信信号を元のデータに復元する構成及び/又は入力された送信データを搬送信号に変換して少なくとも一つのアンテナ300bに送信する構成を有している。
【0146】
ボディ100bは、第1部121bを更に有する構成とすることが可能である。第1部121bは、壁部110bのZ’方向側の端部に一体的に連接されている又は別体として取り付けられている。第1部121bは、壁部110bのZ’方向側の端部の周りに設けられた複数の固定部121b2を有している。固定部121b2は、第2基板500bに対してZ’方向側から当接し且つネジ止めされている。第1部121bは、Z’方向に開口する収容穴121b1を更に有していても良い。この収容穴121b1は、Z’方向に開口しており、軸孔101bに連通しており且つ収容穴121b1から壁部110b及び固定部121b2がZ’方向に露出している。第1部121b内に、第2基板500bがZ’方向側から収容されている。
【0147】
なお、第2基板500b及び/又は通信部は省略可能である。第2基板500b及び通信部が省略される場合、少なくとも一つの伝送路400bをリード線やケーブルなどを介して外部基板に接続可能とすれば良い。この場合、少なくとも一つの伝送路400bも省略しても良い。この場合、少なくとも一つのアンテナ300bをリード線やケーブルなどを介して外部基板に接続可能とすれば良い。通信部は外部基板に設けられたものを使用することができる。第2基板500bが設けられている一方で、通信部のみが省略される場合、第2基板500bがリード線やケーブルなどを介して外部基板に接続可能とすれば良い。この場合も、通信部は外部基板に設けられたものを使用することができる。第2基板500bが省略される場合、ボディ100bの第1部121bも省略可能である。
【0148】
収容穴121b1がZ’方向に開口している場合、モジュールM2は、蓋700bを更に備えた構成とすることが可能である。蓋700bが収容穴121b1をZ’方向側から閉塞しており且つ第1部121bの収容穴121b1の縁部にZ’方向側から当接している。蓋700bは、第1部121bの収容穴121b1の縁部にネジ止めされている。蓋700bには、モジュールM1の軸部100aが挿通する開口710bが設けられていても良い。この場合、モジュールM1の軸部100aには、蓋700bの開口710bの周縁部にZ’方向側から当接するリング状のストッパ140bが取り付けられていても良い。なお、開口710bを省略可能である。この場合、ストッパ140aは省略可能である。また、開口710bが設けられる場合であっても、ストッパ140aは省略可能である。なお、蓋700b自体も省略可能である。
【0149】
ボディ100bは、第2部122b及び第3部123bを更に有する構成とすることが可能である。第2部122bは、第1部121bの外周部からZ方向に延びた略筒体である。第3部123bは、第2部122bの外周部からZ方向に延びた略筒体である。第3部123bの厚み寸法は、第2部122bの厚み寸法よりも小さい。この場合、第2部122bは、第3部123bよりも軸孔101bの中心軸側に凸の段差部を有している。ボディ100bは、第4部124bを更に有する構成とすることが可能である。第4部124bは、第3部123bの外周部からZ方向に延びた略筒体である。第4部124bの厚み寸法は、第3部123bの厚み寸法よりも小さい。この場合、第3部123bは、第4部124bよりも軸孔101bの中心軸側に凸の段差部を有している。
【0150】
ボディ100bの第2部122b及び第3部123bが設けられている場合、モジュールM2は、第2軸受920bを更に備えた構成とすることが可能である。第2軸受920bは、周知のボールベアリングである。第2軸受920bは第3部123b内に配置されており且つ第2部122bの段差部に対してZ方向側から当接している。第3部123bの軸孔101bの中心軸側には、リング状の緩衝材S1が設けられていても良い。緩衝材S1は、Z-Z’方向において第2軸受920bとボディ100bの第1部121bとの間に配置されている。ボディ100bの第4部124bが設けられている場合、第4部124bの軸孔101bの中心軸側には、リング状の緩衝材S2が設けられていても良い。緩衝材S2は、Z方向側から第2軸受920bに当接している。この場合、第2軸受920bは、Z-Z’方向において緩衝材S2と緩衝材S1の間で挟持されている。何れの場合も、第2軸受920bがモジュールM1のボディ600aの第2部620aを転がり軸受けしており且つ第2部620aを回転自在に支持している。なお、第2軸受920bは省略可能である。
【0151】
以上のようなモジュールM2は、以下の技術的特徴及び効果を奏する。
技術的特徴及び効果(1)
モジュールM2の少なくとも一つのアンテナ300bのインピーダンス等の伝送特性を調整できる。なぜなら、少なくとも一つのアンテナ300bは、少なくとも一つの絶縁体200bを挟んで軸孔101bの壁部110bの導体部111bの少なくとも一部に対して軸孔101bの中心軸側に間隔をあけて配置されているため、少なくとも一つのアンテナ300bと導体部111bの少なくとも一部との距離を調整することによって少なくとも一つのアンテナ300bのインピーダンス等の伝送特性を調整できるからである。
【0152】
技術的特徴及び効果(2)
少なくとも一つの伝送路400bが設けられている場合、モジュールM2の少なくとも一つの伝送路400bのインピーダンス等の伝送特性を調整できる。なぜなら、少なくとも一つの伝送路400bは、少なくとも一つの絶縁体200bを挟んで壁部110bの導体部111bの別の部分に対して軸孔101bの中心軸側に間隔をあけて配置されているため、少なくとも一つの伝送路400bと導体部111bの別の部分との距離を調整することによって少なくとも一つのアンテナ300bのインピーダンス等の伝送特性を調整できるからである。
【0153】
技術的特徴及び効果(3)
軸孔101bの壁部110bが導体部111bのみで構成されている場合、すなわち、壁部110bが上記導電性を有する素材で構成されている場合、壁部110bの耐久性が向上する。しかも、この壁部110bは、壁部110b自体と少なくとも一つのアンテナ300bのインピーダンスを調整するための調整部とを兼ねているので、モジュールM2の部品点数が低減される。更に、軸孔101b及び壁部110bを有するボディ100bが、上記導電性を有する素材で構成されている場合、モジュールM2の部品点数が更に低減される。
【0154】
技術的特徴及び効果(4)
少なくとも一つのアンテナ300bが複数であって、第1アンテナ300b及び第2アンテナ300bを含み、且つ、第1アンテナ300bが、一部が破断した略円環状(略C字状)又は一部が破断した略多角環状(角張った略C字状)であり且つ第1端子部310bが、第1アンテナ300bの第1端部、第2端子部320bは第1アンテナ300bの第2端部である場合、二つの第2伝送路400bは、第2アンテナ300bから第1アンテナ300bの第1端子部310bと第2端子部320bの間及び二つの第1伝送路400bの間を通ってZ-Z’方向に延びている。この場合、第1アンテナ300bから延びる二つの第1伝送路400bを第2基板500bに接続できると共に、第2アンテナ300bから延びる二つの第2伝送路400bが、第1アンテナ300b及び二つの第1伝送路400bと干渉することなく、第2基板500bに接続することができる。
【0155】
通信装置Dは、上記した何れかの態様のモジュールM1及び上記した何れかの態様のモジュールM2を備えているので、モジュールM1及びモジュールM2の上記した技術的特徴及び効果を奏する。
【0156】
なお、上記した非接触通信モジュール及び回転型通信装置は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0157】
上記した何れかの態様のモジュールM1において、軸部100aの導体部110a及び絶縁体200aはそれぞれ一つであるとした。しかし、軸部100aの導体部110a及び絶縁体200aは、少なくとも一つのアンテナ300a及び/又は少なくとも一つの伝送路400aに対して、少なくとも一つずつ設けられていても良い。例えば、複数の導体部110aが上記(B1)~(B6)の何れかの構成を有する第1、第2導電体110aを含んでおり、複数の絶縁体200aが上記した何れかの構成を有する第1、第2絶縁体200aを含んでいる場合、第1アンテナ300a及び/又は少なくとも一つの第1伝送路400aが、第1導電体110aの少なくとも一部に対して、軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置されており、第1絶縁体200aが第1アンテナ300a及び/又は少なくとも一つの第1伝送路400aと第1導電体110aの少なくとも一部との間に介在しており、第2アンテナ300a及び/又は少なくとも一つの第2伝送路400aが、第2導電体110aの少なくとも一部に対して、軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置されており、第2絶縁体200aが第2アンテナ300a及び/又は少なくとも一つの第2伝送路400aと第2導電体110aの少なくとも一部との間に介在している。
【0158】
上記した何れかの態様のモジュールM2において、壁部110bの導体部111b及び絶縁体200bはそれぞれ一つであるとした。しかし、壁部110bの導体部111b及び絶縁体200bは、少なくとも一つのアンテナ300b及び/又は少なくとも一つの伝送路400bに対して、一つずつ設けられていても良い。例えば、複数の導体部111bが上記(D1)~(D6)の何れかの構成を有する第1、第2導電体111bを含んでおり且つ複数の絶縁体200bが上記した何れかの構成を有する第1、第2絶縁体200bを含んでいる場合、第1アンテナ300b及び/又は少なくとも一つの第1伝送路400bが、第1導電体111bの少なくとも一部に対して、軸孔101bの中心軸側に間隔をあけて配置されており、第1絶縁体200bが第1アンテナ300b及び/又は少なくとも一つの第1伝送路400bと第1導電体111bの少なくとも一部との間に介在しており、第2アンテナ300b及び/又は少なくとも一つの第2伝送路400bが、第2導電体111bの少なくとも一部に対して、軸孔101bの中心軸側に間隔をあけて配置されており、第2絶縁体200bが第2アンテナ300b及び/又は少なくとも一つの第2伝送路400bと第2導電体111bの少なくとも一部との間に介在している。
【0159】
上記した何れかの態様のモジュールM1において、少なくとも一つのアンテナ300a又は少なくとも一つの伝送路400aは、軸部100aの絶縁部に対して軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて配置されており且つ軸部100aの導体部110aに対して軸部100aの反中心軸側に間隔をあけて位置していない構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つのアンテナ300a又は少なくとも一つの伝送路400aは、絶縁体200aに設けられていても良いし、軸部100aの絶縁部上に設けられていても良い。
【0160】
上記した何れかの態様のモジュールM2において、少なくとも一つのアンテナ300b又は少なくとも一つの伝送路400bは、壁部110bの絶縁部に対して軸孔101bの中心軸に間隔をあけて配置されており且つ壁部110bの導体部111bに対して軸孔101bの中心軸に間隔をあけて位置してない構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つのアンテナ300b又は少なくとも一つの伝送路400bは、保持部600bに設けられていても良いし、絶縁体200bに設けられていても良いし、壁部110bの絶縁部上に設けられていても良い。
【0161】
上記した何れかの態様のモジュールM1の相手方非接触通信モジュールは、Z-Z’方向に延びており且つモジュールM1の軸部100aがモジュールM1に対して相対的に回転自在に収容される軸孔及びその壁部を有するボディと、モジュールM1の少なくとも一つのアンテナ300aと非接触で通信可能な少なくとも一つのアンテナとを備えている限り、どのような構成であっても構わない。例えば、上記した何れかの態様のモジュールM1の相手方非接触通信モジュールとしては、壁部110bが絶縁性を有する材料のみで構成された上記何れかの態様のモジュールM2とすることが可能である。
【0162】
上記した何れかの態様のモジュールM2の相手方非接触通信モジュールは、Z-Z’方向に延びており且つモジュールM2の軸孔101b内にモジュールM2に対して相対的に回転自在に収容された軸部と、モジュールM2の少なくとも一つのアンテナ300bと非接触で通信可能な少なくとも一つのアンテナとを備えている限り、どのような構成であっても構わない。例えば、上記した何れかの態様のモジュールM2の相手方非接触通信モジュールとしては、軸部100aが絶縁性を有する材料のみで構成された上記何れかの態様のモジュールM1とすることが可能である。
【符号の説明】
【0163】
D:回転型通信装置
M1:モジュール
100a :軸部
101b:軸孔 110a:導体部 111a:外面 120a:ストッパ 130a:ストッパ
200a:絶縁体
201a:外面
300a:アンテナ
310a:第1端子部 320a:第2端子部
400a:伝送路
500a:第1基板
600a:ボディ
610:第1部 611a:固定部 612a:収容孔 620a:第2部 630a:第3部
700a:蓋
710a :開口
800a:シールド部
M2:モジュール
100b:ボディ
101b:軸孔 110b:壁部 111b:導体部 111b1:内面 112b:ストッパ
121b:第1部 121b1:収容穴 121b2:固定部
122b:第2部
123b:第3部
124b:第4部
200b:絶縁体
201b:内面 211b:ストッパ
300b:アンテナ
310b:第1端子部 320a:第2端子部
400b:伝送路
500b:第2基板
600b保持部
601b:外周面 611b:ストッパ
700b:蓋
800b:カバー
910b:第1軸受 920b:第2軸受
1000b:シールド部
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B