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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/77 20110101AFI20240718BHJP
【FI】
H01R12/77
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020191640
(22)【出願日】2020-11-18
(65)【公開番号】P2022080518
(43)【公開日】2022-05-30
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】中村 恵介
(72)【発明者】
【氏名】木村 晃
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05240430(US,A)
【文献】実開平03-100383(JP,U)
【文献】特開2000-156256(JP,A)
【文献】特開2000-106235(JP,A)
【文献】実開平05-017968(JP,U)
【文献】実開昭63-172074(JP,U)
【文献】特開2018-129244(JP,A)
【文献】特開2020-010832(JP,A)
【文献】特開2019-087515(JP,A)
【文献】特開平06-176826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
H01R 13/56-13/72
H01R 24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の面にフレキシブル導体が露出している接続対象物に取りつけられるコネクタであって、
第1インシュレータと、
所定の組み込み方向に沿って前記第1インシュレータに組み込まれる第2インシュレータと、
導電性材料からなる少なくとも1つのコンタクトと
を備え、
前記コンタクトは、相手側コネクタのコンタクトに接触するための接触部と、前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータの間に保持される被保持部と、互いに対向し且つ前記接続対象物の両面に接触する第1接続部および第2接続部と、前記第2インシュレータに接触し且つ前記第2インシュレータから押し付け力を受けることにより前記第1接続部を前記第2接続部に向けて押し付ける押し付け力受け部とを有し、
前記接続対象物は、前記所定の組み込み方向に沿って、前記第1接続部および前記第2接続部の間に挟み込まれ、
前記第1接続部および前記第2接続部の少なくとも一方が前記接続対象物の前記フレキシブル導体に接触することで、前記コンタクトが前記接続対象物の前記フレキシブル導体に電気的に接続されることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記第2インシュレータは、前記所定の組み込み方向に沿って直線的に移動することにより前記第1インシュレータに組み込まれ、
前記押し付け力受け部は、前記第2インシュレータから、前記所定の組み込み方向に対して交差する方向の前記押し付け力を受ける請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記コンタクトは、第1腕部および第2腕部を有し、
前記第1接続部および前記押し付け力受け部は、前記第1腕部に配置され、
前記第2接続部は、前記第2腕部に配置されている請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記接触部は、前記被保持部の一端に接続され、
前記第1腕部および前記第2腕部は、それぞれ、前記被保持部の他端に接続され且つ自由端を形成する端部を有し、
前記第1接続部は、前記第2接続部に対向するように前記第1腕部の前記端部に配置され、
前記第2接続部は、前記第1接続部に対向するように前記第2腕部の前記端部に配置されている請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第1腕部は、前記第1腕部の前記端部に近接する箇所に形成された屈曲部を有し、
前記押し付け力受け部は、前記第2接続部とは反対方向を向くように前記屈曲部に配置されている請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第1インシュレータは、前記第2インシュレータに対向し且つ前記所定の組み込み方向に対して交差する方向に延びる第1面と、前記第1面から前記所定の組み込み方向に沿って窪む凹部とを有し、
前記第2インシュレータは、前記第1インシュレータに対向し且つ前記所定の組み込み方向に対して交差する方向に延びる第2面と、前記第2面から前記所定の組み込み方向に突出する凸部とを有し、
前記第2インシュレータは、前記接続対象物が前記第1面と前記第2面との間に挟まれ且つ前記凸部が前記凹部内に収容された状態で前記第1インシュレータに組み込まれる請求項1~5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記凸部は、前記所定の組み込み方向に対して傾斜するガイド面を有し、
前記押し付け力受け部は、前記第2インシュレータが前記所定の組み込み方向に沿って前記第1インシュレータに組み込まれる際に、前記ガイド面により前記第1接続部が前記第2接続部に近接するように変位する請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記凸部は、前記ガイド面に隣接して配置され且つ前記所定の組み込み方向に沿って延びる押し付け力付与面を有し、
前記押し付け力受け部は、前記押し付け力付与面から前記押し付け力を受ける請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記第1インシュレータは、前記凹部の開口端部と前記第1面との間に配置され且つ前記所定の組み込み方向に対して交差する方向に延びる第2接続部配置面を有し、
前記第2接続部は、前記第2インシュレータに向けて露出されるように前記第2接続部配置面に沿って配置され、
前記接続対象物は、前記第1インシュレータの前記第1面と前記第2接続部との上に配置される請求項6~8のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記第1インシュレータに対して前記第2インシュレータを固定するための第3インシュレータを備える請求項1~のいずれか一項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタに係り、特に、少なくとも一方の面にフレキシブル導体が露出している接続対象物に取り付けられるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル導体を有する接続対象物に取り付けられるコネクタとして、例えば、特許文献1には、図67に示されるようなコネクタ1が開示されている。コネクタ1は、平板形状の第1絶縁部材2と中央に開口部3Aを有する枠形状の第2絶縁部材3との間に、接続対象物4を挟んで保持した構造を有している。
【0003】
第1絶縁部材2には、第2絶縁部材3の開口部3A内に突出する凸部2Aと、凸部2Aよりも第1絶縁部材2の側縁部に近い箇所で第2絶縁部材3に向かって突出する突起2Bとが形成されており、凸部2Aおよび突起2Bの表面上においてそれぞれ露出されるようにコンタクト5が第1絶縁部材2に保持されている。第1絶縁部材2に対向する第2絶縁部材3の面には、第1絶縁部材2の突起2Bを収容するための凹状の突起収容部3Bが形成されている。
【0004】
接続対象物4は、裏面、すなわち、第1絶縁部材2に対向する面上に露出するフレキシブル導体6を有している。第1絶縁部材2と第2絶縁部材3との間に接続対象物4を配置した状態で、第1絶縁部材2と第2絶縁部材3を互いに近接するように押し込むと、図68に示されるように、第1絶縁部材2の突起2Bにより、接続対象物4が第2絶縁部材3の突起収容部3B内に挿入される。その結果、接続対象物4は、突起収容部3Bの内面と、第1絶縁部材2の突起2Bの表面上に配置されているコンタクト5との間に挟み込まれ、コンタクト5が、接続対象物4の裏面に露出しているフレキシブル導体6に電気的に接続される。
【0005】
なお、第1絶縁部材2の凸部2Aの表面上に配置されている部分のコンタクト5は、相手側コネクタの一部が第2絶縁部材3の開口部3A内に挿入されて、相手側コネクタがコネクタ1に嵌合した際に、相手側コネクタの対応するコンタクトに接触して電気的に接続された状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-87515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようにして、特許文献1のコネクタ1を用いることにより、接続対象物4の裏面上に露出しているフレキシブル導体6にコンタクト5を電気的に接続することができる。
しかしながら、第2絶縁部材3の突起収容部3B内において、接続対象物4の裏面がコンタクト5に接触するため、フレキシブル導体6が接続対象物4の裏面上に露出せずに、接続対象物4の表面上にのみ露出している場合には、フレキシブル導体6にコンタクト5を電気的に接続することができないという問題がある。
【0008】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、フレキシブル導体が接続対象物の表面および裏面のいずれに露出していても、コンタクトを接続対象物のフレキシブル導体に電気的に接続することができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るコネクタは、少なくとも一方の面にフレキシブル導体が露出している接続対象物に取り付けられるコネクタであって、第1インシュレータと、所定の組み込み方向に沿って第1インシュレータに組み込まれる第2インシュレータと、導電性材料からなる少なくとも1つのコンタクトとを備え、コンタクトは、相手側コネクタのコンタクトに接触するための接触部と、第1インシュレータおよび第2インシュレータの間に保持される被保持部と、互いに対向し且つ接続対象物の両面に接触する第1接続部および第2接続部と、第2インシュレータに接触し且つ第2インシュレータから押し付け力を受けることにより第1接続部を第2接続部に向けて押し付ける押し付け力受け部とを有し、接続対象物は、所定の組み込み方向に沿って、第1接続部および第2接続部の間に挟み込まれ、第1接続部および第2接続部の少なくとも一方が接続対象物のフレキシブル導体に接触することで、コンタクトが接続対象物のフレキシブル導体に電気的に接続されるものである。
【0010】
第2インシュレータは、所定の組み込み方向に沿って直線的に移動することにより第1インシュレータに組み込まれ、押し付け力受け部は、第2インシュレータから、所定の組み込み方向に対して交差する方向の押し付け力を受けることが好ましい。
コンタクトは、第1腕部および第2腕部を有し、第1接続部および押し付け力受け部は、第1腕部に配置され、第2接続部は、第2腕部に配置されていることが好ましい。
【0011】
接触部は、被保持部の一端に接続され、第1腕部および第2腕部は、それぞれ、被保持部の他端に接続され且つ自由端を形成する端部を有し、第1接続部は、第2接続部に対向するように第1腕部の端部に配置され、第2接続部は、第1接続部に対向するように第2腕部の端部に配置されているように構成することができる
【0012】
た、第1腕部は、第1腕部の端部に近接する箇所に形成された屈曲部を有し、押し付け力受け部は、第2接続部とは反対方向を向くように屈曲部に配置されていてもよい
【0013】
第1インシュレータは、第2インシュレータに対向し且つ所定の組み込み方向に対して交差する方向に延びる第1面と、第1面から所定の組み込み方向に沿って窪む凹部とを有し、第2インシュレータは、第1インシュレータに対向し且つ所定の組み込み方向に対して交差する方向に延びる第2面と、第2面から所定の組み込み方向に突出する凸部とを有し、第2インシュレータは、接続対象物が第1面と第2面との間に挟まれ且つ凸部が凹部内に収容された状態で第1インシュレータに組み込まれるように構成することができる。
【0014】
凸部は、所定の組み込み方向に対して傾斜するガイド面を有し、押し付け力受け部は、第2インシュレータが所定の組み込み方向に沿って第1インシュレータに組み込まれる際に、ガイド面により第1接続部が第2接続部に近接するように変位することが好ましい。
凸部は、ガイド面に隣接して配置され且つ所定の組み込み方向に沿って延びる押し付け力付与面を有し、押し付け力受け部は、押し付け力付与面から押し付け力を受けることが好ましい。
【0015】
るいは、第1インシュレータは、凹部の開口端部と第1面との間に配置され且つ所定の組み込み方向に対して交差する方向に延びる第2接続部配置面を有し、第2接続部は、第2インシュレータに向けて露出されるように第2接続部配置面に沿って配置され、接続対象物は、第1インシュレータの第1面と第2接続部との上に配置されるように構成してもよい。
【0017】
第1インシュレータに対して第2インシュレータを固定するための第3インシュレータを備えることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、コンタクトは、互いに対向し且つ接続対象物の両面に接触する第1接続部および第2接続部と、第2インシュレータに接触し且つ第2インシュレータから押し付け力を受けることにより第1接続部を第2接続部に向けて押し付ける押し付け力受け部とを有し、接続対象物は、所定の組み込み方向に沿って、第1接続部および第2接続部の間に挟み込まれ、第1接続部および第2接続部の少なくとも一方が接続対象物のフレキシブル導体に接触することで、コンタクトが接続対象物のフレキシブル導体に電気的に接続されるので、フレキシブル導体が接続対象物の表面および裏面のいずれに露出していても、コンタクトを接続対象物のフレキシブル導体に電気的に接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】接続対象物に取り付けられた実施の形態1に係るコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図2】接続対象物に取り付けられた実施の形態1に係るコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
図3】接続対象物に取り付けられた実施の形態1に係るコネクタを示す正面図である。
図4】実施の形態1に係るコネクタの分解斜視図である。
図5】実施の形態1に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図6】実施の形態1に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図7】実施の形態1に係るコネクタに用いられる第1インシュレータの上面図である。
図8図7のB-B線断面図である。
図9】実施の形態1に係るコネクタに用いられる内部インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図10】実施の形態1に係るコネクタに用いられる内部インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図11】実施の形態1に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図12】実施の形態1に係るコネクタに用いられる第2インシュレータの正面図である。
図13図12のC-C線断面図である。
図14】実施の形態1に係るコネクタに用いられるタブシートを斜め上方から見た斜視図である。
図15】実施の形態1に係るコネクタに用いられるコンタクトを前方(正面側)から見た斜視図である。
図16】実施の形態1に係るコネクタに用いられるコンタクトを後方(背面側)から見た斜視図である。
図17】実施の形態1に係るコネクタに用いられるコンタクトの側面図である。
図18】実施の形態1に係るコネクタが取り付けられる接続対象物を斜め上方から見た斜視図である。
図19】実施の形態1に係るコネクタが取り付けられる接続対象物を斜め下方から見た斜視図である。
図20】実施の形態1における第1インシュレータと内部インシュレータとコンタクトの組立体を示す断面図である。
図21】第2インシュレータが組立体に位置合わせされた状態を示す図である。
図22】第1インシュレータへの第2インシュレータの組み込みが開始される状態を示す図である。
図23図3のA-A線断面図である。
図24図23の要部拡大図である。
図25】実施の形態2に係るコネクタの構成を示す断面図である。
図26】実施の形態2に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図27】実施の形態2に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図28】実施の形態2に係るコネクタに用いられる第1インシュレータの上面図である。
図29図28のD-D線断面図である。
図30】実施の形態2に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図31】実施の形態2に係るコネクタに用いられる第2インシュレータの正面図である。
図32図31のE-E線断面図である。
図33】実施の形態2に係るコネクタに用いられるコンタクトを前方(正面側)から見た斜視図である。
図34】実施の形態2に係るコネクタに用いられるコンタクトを後方(背面側)から見た斜視図である。
図35】実施の形態2に係るコネクタに用いられるコンタクトの側面図である。
図36】実施の形態2における第1インシュレータとコンタクトの組立体を示す断面図である。
図37】第1インシュレータへの第2インシュレータの組み込みが開始される状態を示す図である。
図38図25の要部拡大図である。
図39】実施の形態3に係るコネクタの構成を示す断面図である。
図40】実施の形態3に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図41】実施の形態3に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図42】実施の形態3に係るコネクタに用いられる第1インシュレータの上面図である。
図43図42のF-F線断面図である。
図44】実施の形態3に係るコネクタに用いられる内部インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図45】実施の形態3に係るコネクタに用いられる内部インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図46】実施の形態3に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図47】実施の形態3に係るコネクタに用いられる第2インシュレータの正面図である。
図48図48のG-G線断面図である。
図49】実施の形態3に係るコネクタに用いられるコンタクトを前方(正面側)から見た斜視図である。
図50】実施の形態3に係るコネクタに用いられるコンタクトを後方(背面側)から見た斜視図である。
図51】実施の形態3に係るコネクタに用いられるコンタクトの側面図である。
図52】実施の形態3における第1インシュレータと内部インシュレータとコンタクトの組立体を示す断面図である。
図53】第1インシュレータへの第2インシュレータの組み込みが開始される状態を示す図である。
図54図39の要部拡大図である。
図55】実施の形態4に係るコネクタの構成を示す断面図である。
図56】実施の形態4に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図57】実施の形態4に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図58】実施の形態4に係るコネクタに用いられる第3インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図59】実施の形態4に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを斜め上方から見た斜視図である。
図60】実施の形態4に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図61】実施の形態4に係るコネクタに用いられるコンタクトを前方(正面側)から見た斜視図である。
図62】実施の形態4に係るコネクタに用いられるコンタクトを後方(背面側)から見た斜視図である。
図63】実施の形態4に係るコネクタが取り付けられる接続対象物を斜め上方から見た斜視図である。
図64】第1インシュレータへの接続対象物の取り付けが開始される状態を示す図である。
図65】第1インシュレータへの第2インシュレータの組み込みが開始される状態を示す図である。
図66図55の要部拡大図である。
図67】従来のコネクタを示す断面図である。
図68図67の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1図3に、実施の形態1に係るコネクタ11を示す。コネクタ11は、いわゆるフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)等の接続対象物Cに取り付けられて、ウエアラブルデバイスを嵌合するためのコネクタとして使用されるもので、絶縁性材料からなるコネクタ本体12を有している。接続対象物Cは、例えば、布地からなるタブシートBの裏側の面に取り付けられている。コネクタ本体12には、複数のコンタクト13が、互いに平行な2列に配列された状態で、それぞれ接続対象物Cに対して垂直に突出するように保持されている。
【0021】
ここで、便宜上、接続対象物CがXY面に沿って延び、複数のコンタクト13の配列方向をY方向、複数のコンタクト13がそれぞれ突出する方向を+Z方向と呼ぶことにする。
【0022】
図4は、コネクタ11の分解斜視図である。コネクタ11は、第1インシュレータ15と内部インシュレータ16と第2インシュレータ17を有しており、これら第1インシュレータ15、内部インシュレータ16および第2インシュレータ17によりコネクタ本体12が構成されている。
【0023】
また、第1インシュレータ15に複数のコンタクト13が取り付けられた状態で、所定の組み込み方向D1である+Z方向に沿って、第1インシュレータ15に内部インシュレータ16が取り付けられる。この際に、第1インシュレータ15と内部インシュレータ16の間に接着シートE1が配置される。複数のコンタクト13のそれぞれは、その一部が第1インシュレータ15と内部インシュレータ16の間に配置されており、接着シートE1により、第1インシュレータ15、複数のコンタクト13および内部インシュレータ16が互いに接着される。
【0024】
第2インシュレータ17は、タブシートBと接続対象物Cを間に挟みながら、所定の組み込み方向D1である+Z方向に沿って、複数のコンタクト13が取り付けられた第1インシュレータ15に組み込まれる。この際に、タブシートBと接続対象物Cとの間に接着シートE2が配置され、接続対象物Cと第2インシュレータ17との間に接着シートE3が配置される。接着シートE2により、タブシートBと接続対象物Cとが互いに接着され、接着シートE3により、接続対象物Cと第2インシュレータ17とが互いに接着される。
【0025】
図5図7に示されるように、第1インシュレータ15は、XY面に沿って延びる平板形状の基部15Aと、基部15Aの中央に配置され且つ基部15Aから+Z方向に向かって突出する突部15Bとを有している。これらの基部15Aおよび突部15Bは、それぞれ、Z方向から見たときに、Y方向に沿った長辺とX方向に沿った短辺とを有するほぼ長方形の外形を有している。
【0026】
基部15Aの-Z方向側の面で且つXY面に平行な第1面15Cには、-Z方向に向かって開口する凹部15Dが形成され、凹部15Dの周縁に沿って-Z方向に突出する突部15Eが形成されている。
【0027】
+Z方向に突出する突部15BのX方向における両側の面には、複数のコンタクト13および内部インシュレータ16を保持するための、Z方向に沿って延びる複数の保持溝15Fが形成されている。また、基部15Aには、X方向の両側における複数の保持溝15Fに対応して、それぞれ基部15Aの+Z方向側の面から凹部15Dにまで貫通する複数の貫通孔15Gが形成されている。また、凹部15Dには、複数の貫通孔15Gを通して複数の保持溝15Fに接続し、複数のコンタクト13を保持するための複数の保持溝15Hが形成されている。図8に示されるように、複数の保持溝15Hは、複数の貫通孔15Gの-Z方向端部から凹部15Dの内面に沿って、X方向に延びた後、-Z方向に延びている。
【0028】
図9および図10に示されるように、内部インシュレータ16は、XY面に沿って延びる平板形状の基部16Aと、基部16Aの中央においてY方向に沿う互いに平行な2列に配列され且つ基部16Aから+Z方向に突出する複数の突起部16Bとを有している。基部16Aは、Z方向から見たときに、Y方向に沿った長辺とX方向に沿った短辺とを有するほぼ長方形の外形を有している。また、基部16Aの中央に対して+X方向側に位置する突起部16Bと、基部16Aの中央に対して-X方向側に位置する突起部16Bは、基部16Aの中央を通るYZ面に対して互いに対称な形状を有している。
【0029】
複数の突起部16Bは、第1インシュレータ15の複数の保持溝15Fに挿入される部分であり、複数の突起部16Bには、それぞれ、基部16AのX方向の中央を向き且つYZ面に平行な内面16Cと、基部16AのX方向の外側を向き且つYZ面に平行な外面16Dが形成されている。
【0030】
また、基部16Aの-Z方向側の面には、-Z方向に向かって突出し且つY方向に沿って延びる突部16Eが形成されている。突部16Eには、図5に示す第1インシュレータ15の複数の保持溝15Fに対応する位置に複数の凹部16Fが形成されている。
【0031】
図11図13に示されるように、第2インシュレータ17は、XY面に沿って延びる平板形状の基部17Aと、基部17Aの中央に配置され且つ基部17Aから+Z方向に突出する凸部17Bとを有している。基部17Aには、+Z方向を向き且つXY面に平行な第2面17Cが形成されている。また、基部17Aと凸部17Bは、それぞれ、Z方向から見たときに、Y方向に沿った長辺とX方向に沿った短辺とを有するほぼ長方形の外形を有している。
【0032】
凸部17Bは、第1インシュレータ15の凹部15Dに挿入されるもので、XY面上において、凹部15Dよりもわずかに小さいサイズを有している。
凸部17Bには、XY面に平行な上面17Dが形成されている。また、上面17DおよびX方向における凸部17Bの両側の側面に、Z方向に対して傾斜しながら第2面17Cにまで延びる複数の溝17Eが形成されている。
【0033】
複数の溝17Eの+X方向側の底部には、それぞれ、+X方向および+Z方向を向くようにZ方向に対して傾斜するガイド面17Fと、ガイド面17Fの-Z方向側に隣接し且つYZ面に沿って延びる押し付け力付与面17Gが形成されている。
【0034】
また、凸部17Bの+X方向側には、それぞれの溝17EのY方向の両側に、ガイド面17Fと同様にZ方向に対して傾斜する傾斜面17Hが形成され、傾斜面17HとY方向に隣接し且つ上面17Dよりも+Z方向側に位置して+Z方向に向けられた面を有する複数の接続対象物折り曲げ部17Jが形成されている。
【0035】
複数の溝17Eの-X方向側の底部には、+X方向側のガイド面17Fおよび押し付け力付与面17GとYZ面に対して対称な形状を有するガイド面17Fおよび押し付け力付与面17Gが形成されている。また、凸部17Bの-X方向側には、+X方向側と同様に、複数の傾斜面17Hと複数の接続対象物折り曲げ部17Jが形成されている。
【0036】
図14に示すように、タブシートBは、衣服の布等からなり、接続対象物Cおよびコネクタ11が取り付けられるものであり、第1インシュレータ15の基部15Aおよび第2インシュレータ17の基部17AのXY面におけるサイズよりも大きいサイズを有している。
【0037】
タブシートBの中央には、Y方向に沿った長辺とX方向に沿った短辺とを有するほぼ長方形の開口部B1が形成されている。開口部B1の周辺に位置するタブシートBの部分は、コネクタ11が接続対象物Cに取り付けられる際に、接続対象物Cと共に第1インシュレータ15の基部15Aと第2インシュレータ17の基部17Aとに挟まれるが、このとき、開口部B1に、第1インシュレータ15の基部15Aの第1面15Cにおける凹部15Dの周縁に沿った突部15Eが挿入される。
【0038】
図5に示される第1インシュレータ15の突部15BのX方向における両側のうち、+X方向側に位置する保持溝15Fに保持されるコンタクト13の構成を図15図17に示す。
【0039】
コンタクト13は、金属等の導電性材料により形成された帯状部材からなり、YZ面に沿って延びる第1平板部13A、YZ面に沿って延び、第1平板部13Aの-X方向側に位置し且つ第1平板部13AよりもZ方向において短い固定部13B、および、第1平板部13Aと固定部13Bの+Z方向端部を互いに連結する連結部13Cを有している。第1平板部13Aの-Z方向端部に、段差部13Dを介して、YZ面に沿って延びる第2平板部13Eが接続されている。
【0040】
また、コンタクト13は、第2平板部13EのY方向の両端部に位置する-Z方向端部から-X方向および+Z方向に屈曲してZ方向に対して傾斜する方向に延びる二股部13Hおよび二股部13Hの+Z方向端部から-Z方向に沿って延びる伸長部13Jを有する第1腕部13Fと、第2平板部13EのY方向の中央部に位置する-Z方向端部から-Z方向に沿って延びる第2腕部13Gを有している。伸長部13Jの-Z方向端部は、自由端を形成しており、この-Z方向端部に、-X方向側に丸められるように湾曲された湾曲部13Kが形成されている。
【0041】
第1平板部13Aの+X方向側の面により、図示しない相手側コネクタのコンタクトに接触するための接触部13Lが形成されている。また、第1平板部13Aの-Z方向側の部分、段差部13Dおよび第2平板部13Eにより、第1インシュレータ15および第2インシュレータ17の間に保持される被保持部13Mが形成されている。このように、被保持部13Mの一端には接触部13Lが接続され、被保持部13Mの他端には第1腕部13Fおよび第2腕部13Gが接続されている。
【0042】
第1腕部13Fの湾曲部13Kにおける+X方向側の面により、接続対象物Cの一方の面に接触する第1接続部13Pが形成されている。また、第2腕部13Gの-X方向側の面により、接続対象物Cの他方の面に接触する第2接続部13Qが形成されている。このように、第1接続部13Pと第2接続部13Qは、X方向において互いに対向している。
【0043】
また、第1腕部13Fの湾曲部13Kにおける-X方向側の面により、第2インシュレータ17が第1インシュレータ15に組み込まれる際に、図13に示す第2インシュレータ17の押し付け力付与面17Gから押し付け力を受けて、第1接続部13Pを第2接続部13Qに向けて押し付ける押し付け力受け部13Rが形成されている。押し付け力受け部13Rは、第1接続部13Pに対して第2接続部13Qとは反対方向を向くように湾曲部13Kに配置されている。
【0044】
なお、図5に示される第1インシュレータ15の突部15BのX方向における両側のうち、-X方向側に位置する保持溝15Fに保持されるコンタクト13は、図15図17に示されるコンタクト13と同一の構成を有しているが、X方向に関して反対向きに配置されている。
【0045】
コネクタ11が取り付けられる接続対象物Cとしては、例えば、導電性繊維の織り込み、導電性インクの印刷等により少なくとも一方の面に配線が形成された、いわゆるスマートテキスタイル、および、フレキシブルプリント基板等を用いることができる。図18に示される接続対象物Cは、絶縁性材料からなり且つ可撓性を有する基材C1の+Z方向を向いた表面に複数のフレキシブル導体C2による配線が露出しているものである。図19に示されるように、基材C1の-Z方向を向いた裏面には、フレキシブル導体C2は露出していない。
また、接続対象物Cは、図14に示すタブシートBの開口部B1のY方向における幅よりもわずかに短いY方向の幅を有する先端部C3を有している。
【0046】
以下では、接続対象物Cへのコネクタ11の取り付けについて説明する。
まず、図20に示されるように、第1インシュレータ15の複数の貫通孔15Gに-Z方向側から複数のコンタクト13を挿入し、複数のコンタクト13を、+Z方向に突出する突部15Bの複数の保持溝15Fおよび凹部15Dの複数の保持溝15Hに沿って配置する。この際に、コンタクト13の固定部13Bが保持溝15Fの+Z方向端部に固定される。また、コンタクト13の第1腕部13Fの+Z方向端部は、内部インシュレータ16と非接触の状態で、内部インシュレータ16の突部16Eに形成された凹部16F内に位置している。
【0047】
この状態で、接着シートE1が取り付けられた第1インシュレータ15の複数の貫通孔15Gに、内部インシュレータ16の複数の突起部16Bを挿入する。この際に、突起部16Bは、その内面16Cが第1インシュレータ15の保持溝15Fに対面し且つ外面16Dがコンタクト13に対面するように第1インシュレータ15の貫通孔15Gに挿入される。これにより、コンタクト13の被保持部13Mは、第1インシュレータ15と内部インシュレータ16との間に配置される。
【0048】
次に、図21に示されるように、第1インシュレータ15の基部15Aの第1面15Cに形成された突部15Eを、タブシートBの開口部B1に挿入し、タブシートBの-Z方向側の面上に、接着シートE2を介して接続対象物Cを配置する。この際に、接続対象物Cは、Z方向から見て、その先端部C3がタブシートBの開口部B1の内側に位置するように配置される。また、接続対象物Cの-Z方向側の面に接着シートE3を配置する。この状態で、第2インシュレータ17の凸部17Bが、第1インシュレータ15の凹部15Dが所定の組み込み方向D1すなわち+Z方向に沿って並ぶように、第2インシュレータ17を第1インシュレータ15に対して位置合わせする。
【0049】
このようにして位置合わせされた第2インシュレータ17を、+Z方向に沿って直線的に、第1インシュレータ15に向かって移動させる。これにより、図22に示されるように、第1インシュレータ15への第2インシュレータ17の組み込みが開始される。
【0050】
ここで、第1インシュレータ15の凹部15Dに第2インシュレータ17の凸部17Bが挿入されている状態において、第2インシュレータ17の凸部17Bとコンタクト13の第2接続部13Qの表面との間には、接続対象物Cの厚みよりもわずかに広い隙間が存在する。そのため、第2インシュレータ17を+Z方向に沿って第1インシュレータ15に挿入していくと、Z方向から見てタブシートBの開口部B1の内側に配置された接続対象物Cの先端部C3が、第2インシュレータ17の複数の接続対象物折り曲げ部17Jにより+Z方向に折り曲げられる。これにより、接続対象物Cの先端部C3の表面は、コンタクト13の第2接続部13Qに対向した状態となる。このように、コネクタ11の組み付けを行う作業者が接続対象物Cの先端部C3を手動で折り曲げる必要が無いため、作業者は、コネクタ11を容易に組み付けることができる。
【0051】
また、コンタクト13の湾曲部13Kは、第2インシュレータ17の溝17Eに挿入され、第2インシュレータ17が第1インシュレータ15に向かって+Z方向に移動するにしたがって、第2インシュレータ17のガイド面17Fに押されることにより、第2腕部13Gに近接するようにX方向に沿って変位する。第2インシュレータ17が+Z方向に沿ってさらに移動すると、第1腕部13Fの湾曲部13Kは、ガイド面17Fの-Z方向端部に到達し、それ以降は、押し付け力付与面17Gに接触した状態となる。
【0052】
図23に示されるように、第1インシュレータ15の第1面15Cと第2インシュレータ17の第2面17Cとの間に接続対象物Cが挟まれ、且つ、第2インシュレータ17の凸部17Bが第1インシュレータ15の凹部15Dに完全に収容される状態まで、第2インシュレータ17が+Z方向に移動することにより、第2インシュレータ17が第1インシュレータ15に組み込まれる。
【0053】
最後に、接着シートE1、E2およびE3を加熱することにより、第1インシュレータ15と内部インシュレータ16と複数のコンタクト13、タブシートBと接続対象物C、接続対象物Cと第2インシュレータ17がそれぞれ接着される。
これにより、接続対象物Cへのコネクタ11の取り付けが完了する。
【0054】
コネクタ11において、図24に示されるように、第2インシュレータ17の押し付け力付与面17Gにより、+X方向側に位置するコンタクト13の湾曲部13Kの押し付け力受け部13Rが+X方向に向かう押し付け力を受け、湾曲部13Kの第1接続部13Pが、接続対象物Cの先端部C3に押し付けられる。これにより、接続対象物Cの先端部C3がコンタクト13の第1接続部13Pと第2接続部13Qに挟み込まれる。また、接続対象物Cのフレキシブル導体C2は、先端部C3における基材C1の第2接続部13Q側の面に露出しているため、フレキシブル導体C2は第2接続部13Qと接触する。こうして、接続対象物Cのフレキシブル導体C2は、第2接続部13Qを介してコンタクト13と電気的に接続する。
【0055】
また、-X方向側に位置するコンタクト13の湾曲部13Kの押し付け力受け部13Rは、第2インシュレータ17の押し付け力付与面17Gにより、-X方向に向かう押し付け力を受ける。これにより、第1接続部13Pが接続対象物Cの先端部C3に押し付けられて、接続対象物Cの先端部C3がコンタクト13の第1接続部13Pと第2接続部13Qに挟み込まれる。このように、-X方向側に位置するコンタクト13も、+X方向側に位置するコンタクト13と同様にして、接続対象物Cのフレキシブル導体C2と電気的に接続する。
【0056】
このように、本発明の実施の形態1に係るコネクタ11では、接続対象物Cの両側の面がコンタクト13の第1接続部13Pと第2接続部13Qにより挟み込まれるため、例えば、フレキシブル導体C2が基材C1の両側の面のうちいずれの面上に露出している場合であっても、第1接続部13Pと第2接続部13Qのいずれか一方がフレキシブル導体C2に接触して、フレキシブル導体C2とコンタクト13を確実に電気的に接続することができる。
【0057】
また、例えば、基材C1の両側の面にフレキシブル導体C2が露出している場合には、第1接続部13Pと第2接続部13Qの双方がフレキシブル導体C2に接触する。この場合には、フレキシブル導体C2とコンタクト13との接触面積が増加するため、フレキシブル導体C2とコンタクト13との間に流れる電流値が大きい場合に有効である。
【0058】
また、第1接続部13Pおよび第2接続部13Qのいずれか一方においてフレキシブル導体C2に対する接触不良が発生した場合であっても、第1接続部13Pおよび第2接続部13Qの他方を通してコンタクト13をフレキシブル導体C2に電気的に接続することが可能となる。
【0059】
また、図22に示されるように、第2インシュレータ17の凸部17Bが第1インシュレータ15の凹部15Dに挿入される際に、コンタクト13の第2接続部13Qの表面と凸部17Bの表面との間には、X方向において接続対象物Cの厚みよりも広い隙間が形成されているため、接続対象物Cは、コンタクト13の第1接続部13Pと第2接続部13Qにより挟み込まれるまでの間に、第2インシュレータ17の凸部17BからX方向に押し付ける力を受けない。そのため、フレキシブル導体C2とコンタクト13との電気的な接続に際して、第2インシュレータ17により接続対象物Cが傷ついてしまうことが防止される。本発明の実施の形態1に係るコネクタ11では、このような観点からも、接続対象物Cのフレキシブル導体C2とコンタクト13との電気的な接続の信頼性が向上する。
【0060】
また、接続対象物Cには、コンタクト13の第1接続部13Pと第2接続部13Qから、所定の組み込み方向D1である+Z方向に対して直交するX方向に沿った力が作用するため、コンタクト13の第1接続部13Pと第2接続部13Qが接続対象物Cを挟み込む力により、第1インシュレータ15に組み込まれた第2インシュレータ17が第1インシュレータ15から引き離されるおそれはなく、コネクタ11を安定した状態に維持することができる。また、第1接続部13Pと第2接続部13Qが接続対象物Cを挟み込む方向は、所定の組み込み方向D1に対して必ずしも直交する必要はないが、所定の組み込み方向D1に交差する方向であることが好ましい。
【0061】
また、第1インシュレータ15とコンタクト13と内部インシュレータ16は、接着シートE1により互いに接着されているため、例えば、第1インシュレータ15の+Z方向側から、第1インシュレータ15の貫通孔15Gに水等の液体が浸入することが防止される。
【0062】
なお、コンタクト13は、折れずに曲げることができる導電性材料であれば、弾性を有さない導電性材料により構成されることもできる。
【0063】
実施の形態2
図25に、接続対象物Cに取り付けられた実施の形態2に係るコネクタ21を示す。コネクタ21は、第1インシュレータ25および第2インシュレータ27と、これら第1インシュレータ25および第2インシュレータ27に保持された複数のコンタクト23を有している。複数のコンタクト23は、互いに平行な2列に配列された状態で、それぞれ接続対象物Cに対して垂直に突出するように保持されている。
実施の形態1と同様に、便宜上、接続対象物CがXY面に沿って延び、複数のコンタクト23の配列方向をY方向、複数のコンタクト23がそれぞれ突出する方向を+Z方向と呼ぶことにする。
【0064】
図26図28に示されるように、第1インシュレータ25は、XY面に沿って延びる基部25Aと、基部25Aの中央に配置され且つ基部25Aから+Z方向に向かって突出する突部25Bとを有している。これらの基部25Aおよび突部25Bは、それぞれ、Z方向から見たときに、Y方向に沿った長辺とX方向に沿った短辺とを有するほぼ長方形の形状を有している。
【0065】
基部25Aの-Z方向側の面で且つXY面に平行な第1面25Cには、-Z方向に向かって開口する凹部25Dが形成され、凹部25Dの周縁に沿って-Z方向に突出する突部25Eが形成されている。
【0066】
+Z方向に突出する突部25BのX方向における両側の面には、複数のコンタクト23を保持するための、Z方向に沿って延びる複数の保持溝25Fが形成されている。また、基部25Aには、X方向の両側における複数の保持溝25Fに対応して、それぞれ基部25Aの+Z方向側の面から凹部25Dにまで貫通する複数の貫通孔25Gが形成されている。また、凹部25Dには、複数の貫通孔25Gを通して複数の保持溝25Fに接続し、複数のコンタクト23を保持するための複数の保持溝25Hが形成されている。図29に示されるように、複数の保持溝25Hは、複数の貫通孔25Gの-Z方向端部から凹部25Dの内面に沿って、X方向に延びた後、-Z方向に延びている。
【0067】
図30図32に示されるように、第2インシュレータ27は、XY面に沿って延びる平板形状の基部27Aと、基部27Aの中央に配置され且つ基部27Aから+Z方向に突出する凸部27Bとを有している。基部27Aには、+Z方向を向き且つXY面に平行な第2面27Cが形成されている。また、基部27Aと凸部27Bは、それぞれ、Z方向から見たときに、Y方向に沿った長辺とX方向に沿った短辺とを有するほぼ長方形の外形を有している。
【0068】
凸部27Bは、第1インシュレータ25の凹部25Dに挿入されるもので、XY面上において、凹部25Dよりもわずかに小さいサイズを有している。
凸部27Bには、XY面に平行な上面27Dが形成されている。また、上面27DおよびX方向における凸部27Bの両側の側面に、Z方向に対して傾斜しながら第2面27Cにまで延びる複数の溝27Eが形成されている。
【0069】
複数の溝27Eの+X方向側の底部には、それぞれ、+X方向および+Z方向を向くようにZ方向に対して傾斜するガイド面27Fと、ガイド面27Fの-Z方向側に隣接し且つYZ面に沿って延びる押し付け力付与面27Gが形成されている。
また、互いに隣接する溝27Eの間に位置し且つ上面27Dの+X方向側の端部により、接続対象物折り曲げ部27Jが形成されている。
【0070】
複数の溝27Eの-X方向側の底部には、+X方向側のガイド面27Fおよび押し付け力付与面27GとYZ面に対して対象な形状を有するガイド面27Fおよび押し付け力付与面27Gが形成されている。また、互いに隣接する溝27Eの間に位置し且つ上面27Dの-X方向側の端部により、上面27Dの+X方向側端部と同様に、接続対象物折り曲げ部27Jが形成されている。
【0071】
図26に示される第1インシュレータ25の突部25BのX方向における両側のうち、+X方向側に位置する保持溝25Fに保持されるコンタクト23の構成を図33図35に示す。
【0072】
コンタクト23は、金属等の導電性材料により形成された帯状部材からなり、YZ面に沿って延びる第1平板部23A、YZ面に沿って延び且つ第1平板部23Aの-X方向側に位置する固定部23B、および、第1平板部23Aと固定部23Bの+Z方向端部を互いに連結する連結部23Cを有している。また、コンタクト23は、固定部23Bの-Z方向端部に連結し且つその連結部分から-Z方向に沿って延びる第1腕部23Fと、第1平板部23Aの-Z方向端部に段差部23Dを介して連結され且つYZ面に沿って延びる平板状の第2腕部23Gを有している。
【0073】
第1腕部23Fの-Z方向端部は、自由端を形成しており、この-Z方向端部に、-X方向側に丸められるように湾曲された湾曲部23Kが形成されている。
【0074】
第1平板部23Aの+X方向側の面により、図示しない相手側コネクタのコンタクトに接触するための接触部23Lが形成されている。また、第1平板部23Aの-Z方向側の部分、段差部23Dおよび第2腕部23Gにより、第1インシュレータ25に保持される被保持部23Mが形成されている。また、固定部23Bにより、第1インシュレータ25に保持される被保持部23Nが形成されている。
【0075】
第1腕部23Fの湾曲部23Kにおける+X方向側の面により、接続対象物Cの一方の面に接触する第1接続部23Pが形成されている。また、第2腕部23Gの-X方向側の面により、接続対象物Cの他方の面に接触する第2接続部23Qが形成されている。このように、第1接続部23Pと第2接続部23Qは、X方向において互いに対向している。
【0076】
また、第1腕部23Fの湾曲部23Kにおける-X方向側の面により、第2インシュレータ27が第1インシュレータ25に組み込まれる際に、図34に示す第2インシュレータ27の押し付け力付与面27Gから押し付け力を受けて、第1接続部23Pを第2接続部23Qに向けて押し付ける押し付け力受け部23Rが形成されている。押し付け力受け部23Rは、第1接続部23Pに対して第2接続部23Qとは反対方向を向くように湾曲部23Kに配置されている。
【0077】
なお、図26に示される第1インシュレータ25の突部25BのX方向における両側のうち、-X方向側に位置する保持溝25Fに保持されるコンタクト23は、図33図35に示されるコンタクト23と同一の構成を有しているが、X方向に関して反対向きに配置されている。
【0078】
以下では、接続対象物Cへのコネクタ21の取り付けについて説明する。
まず、図36に示されるように、第1インシュレータ25の複数の貫通孔25Gに-Z方向側から複数のコンタクト23を挿入し、複数のコンタクト23を、+Z方向に突出する突部25Bの複数の保持溝25Fおよび凹部25Dの複数の保持溝25Hに沿って配置する。この際に、コンタクト23の固定部23Bが保持溝25Fの+Z方向端部に固定される。
【0079】
次に、第1インシュレータ25の基部25Aの第1面25Cに形成された突部25EをタブシートBの開口部B1に挿入し、タブシートBの-Z方向側の面上に接続対象物Cを配置する。この際に、接続対象物Cは、Z方向から見て、その先端部C3がタブシートBの開口部B1の内側に位置するように配置される。この状態で、図30に示される第2インシュレータ27の凸部27Bが、第1インシュレータ25の凹部25Dが所定の組み込み方向D1すなわち+Z方向に沿って並ぶように、第2インシュレータ27を第1インシュレータ25に対して位置合わせする。
【0080】
このようにして位置合わせされた第2インシュレータ27を、+Z方向に沿って直線的に、第1インシュレータ25に向かって移動させる。これにより、図37に示されるように、第1インシュレータ25への第2インシュレータ27の組み込みが開始される。
【0081】
ここで、第1インシュレータ25の凹部25Dに第2インシュレータ27の凸部27Bが挿入されている状態において、第2インシュレータ27の凸部27Bとコンタクト23の第2接続部13Qの表面との間には、接続対象物Cの厚みよりもわずかに広い隙間が存在する。そのため、第2インシュレータ27を+Z方向に沿って第1インシュレータ25に挿入していくと、Z方向から見てタブシートBの開口部B1の内側に配置された接続対象物Cの先端部C3が、第2インシュレータ27の複数の接続対象物折り曲げ部27Jにより+Z方向に折り曲げられる。これにより、接続対象物Cの先端部C3の表面は、コンタクト23の第2接続部23Qに対向した状態となる。このように、コネクタ21の組み付けを行う作業者が接続対象物Cの先端部C3を手動で折り曲げる必要が無いため、作業者は、コネクタ11を容易に組み付けることができる。
【0082】
また、コンタクト23の湾曲部23Kは、第2インシュレータ27の溝27Eに挿入され、第2インシュレータ27が第1インシュレータ25に向かって+Z方向に移動するにしたがって、第2インシュレータ27のガイド面27Fに押されることにより、第2腕部23Gに近接するようにX方向に沿って変位する。第2インシュレータ27が+Z方向に沿ってさらに移動すると、第1腕部23Fの湾曲部23Kは、ガイド面27Fの-Z方向端部に到達し、それ以降は、押し付け力付与面27Gに接触した状態となる。
【0083】
第1インシュレータ25の第1面25Cと第2インシュレータ27の第2面27Cとの間に接続対象物Cが挟まれ、且つ、第2インシュレータ27の凸部27Bが第1インシュレータ25の凹部25Dに完全に収容される状態まで、第2インシュレータ27が+Z方向に移動することにより、第2インシュレータ27が第1インシュレータ25に組み込まれる。
【0084】
このようにして、図25に示されるように、接続対象物Cへのコネクタ21の取り付けが完了する。
なお、実施の形態1のコネクタ11と同様にして、接着シートE1、E2およびE3によりコネクタ21の各部を接着できる。
【0085】
コネクタ21において、図38に示されるように、第2インシュレータ27の押し付け力付与面27Gにより+X方向側に位置するコンタクト23の湾曲部23Kの押し付け力受け部23Rが+X方向に向かう押し付け力を受け、湾曲部23Kの第1接続部23Pが、接続対象物Cの先端部C3に押し付けられる。これにより、接続対象物Cの先端部C3がコンタクト23の第1接続部23Pと第2接続部23Qに挟み込まれる。また、接続対象物Cのフレキシブル導体C2は、先端部C3における基材C1の第2接続部23Q側の面に露出しているため、フレキシブル導体C2は、第2接続部23Qと接触する。こうして、接続対象物Cのフレキシブル導体C2は、第2接続部23Qを介してコンタクト23と電気的に接続する。
【0086】
また、-X方向側に位置するコンタクト23の湾曲部23Kの押し付け力受け部23Rは、第2インシュレータ27の押し付け力付与面27Gにより、-X方向に向かう押し付け力を受ける。これにより、第1接続部23Pが接続対象物Cの先端部C3に押し付けられて、接続対象物Cの先端部C3がコンタクト13の第1接続部23Pと第2接続部23Qに挟み込まれる。このように、-X方向側に位置するコンタクト23も、+X方向側に位置するコンタクト23と同様にして、接続対象物Cのフレキシブル導体C2と電気的に接続する。
【0087】
このように、本発明の実施の形態2に係るコネクタ21では、実施の形態1に係るコネクタ11と同様に、接続対象物Cの両側の面がコンタクト23の第1接続部23Pと第2接続部23Qにより挟み込まれるため、フレキシブル導体C2が基材C1の両側の面のうちいずれかの面上に露出している場合であっても、第1接続部23Pと第2接続部23Qのいずれか一方がフレキシブル導体C2に接触して、フレキシブル導体C2とコンタクト23を確実に電気的に接続することができる。
【0088】
また、図37に示されるように、第2インシュレータ27の凸部27Bが第1インシュレータ25の凹部25Dに挿入される際に、コンタクト23の第2接続部23Qの表面と凸部27Bの表面との間には、X方向において接続対象物Cの厚みよりも広い隙間が形成されているため、接続対象物Cは、コンタクト23の第1接続部23Pと第2接続部23Qにより挟み込まれるまでの間に、第2インシュレータ27の凸部27BからX方向に押し付ける力を受けない。そのため、フレキシブル導体C2とコンタクト23との電気的な接続に際して、第2インシュレータ27によりフレキシブル導体C2が傷ついてしまうことが防止される。
【0089】
また、接続対象物Cには、コンタクト23の第1接続部23Pと第2接続部23Qから、所定の組み込み方向D1である+Z方向に対して直交するX方向に沿った力が作用するため、コンタクト13の第1接続部23Pと第2接続部23Qが接続対象物Cを挟み込む力により、第1インシュレータ25に組み込まれた第2インシュレータ27が第1インシュレータ25から引き離されるおそれはなく、コネクタ21を安定した状態に維持することができる。また、第1接続部23Pと第2接続部23Qが接続対象物Cを挟み込む方向は、所定の組み込み方向D1に対して必ずしも直交する必要はないが、所定の組み込み方向D1に交差する方向であることが好ましい。
【0090】
実施の形態3
図39に、接続対象物Cに取り付けられた実施の形態3に係るコネクタ31を示す。コネクタ31は、第1インシュレータ35、内部インシュレータ36および第2インシュレータ37と、第1インシュレータ35および第2インシュレータ37に保持された複数のコンタクト33を有している。複数のコンタクト33は、互いに平行な2列に配列された状態で、それぞれ接続対象物Cに対して垂直に突出するように保持されている。
ここで、便宜上、接続対象物CがXY面に沿って延び、複数のコンタクト33の配列方向をY方向、複数のコンタクト33がそれぞれ突出する方向を+Z方向と呼ぶこととする。
【0091】
図40図42に示されるように、第1インシュレータ35は、XY面に沿って延びる基部35Aと、基部35Aの中央に配置され且つ基部35Aから+Z方向に向かって突出する突部35Bとを有している。これらの基部35Aおよび突部35Bは、それぞれ、Z方向から見たときに、Y方向に沿った長辺とX方向に沿った短辺とを有するほぼ長方形の外形を有している。
【0092】
基部35Aの-Z方向側の面で且つXY面に平行な第1面35Cには、-Z方向に向かって開口する凹部35Dが形成され、凹部35Dの周縁に沿って-Z方向に突出する突部35Eが形成されている。
【0093】
+Z方向に突出する突部35BのX方向における両側の面には、複数のコンタクト33を保持するための、Z方向に沿って延びる複数の保持溝35Fが形成されている。また、基部35Aには、X方向の両側における複数の保持溝Fに対応して、それぞれ基部35Aの+Z方向側の面から凹部35Dにまで貫通する複数の貫通孔35Gが形成されている。また、凹部35Dには、複数の貫通孔35Gを通して複数の保持溝35Fに接続し、複数のコンタクト33を保持するための複数の保持溝35Hが形成されている。図43に示されるように、複数の保持溝35Hは、複数の貫通孔35Gの-Z方向端部から凹部35Dの内面に沿って、X方向に延びた後、-Z方向に延びている。
【0094】
また、-Z方向に突出した突部35Eの一対の長辺に対応するX方向の両側の部分には、凹部35Dの内壁に形成された複数の保持溝35Hに接続し且つX方向に沿って延びる、YZ面に平行な保持溝35Jが形成されている。また、保持溝35Jの底面には、XY面に平行且つX方向に延びる第2接続部配置面35Kが形成されている。そのため、第2接続部配置面35Kは、凹部35Dの開口端部と第1面35Cとの間に配置されている。
【0095】
図44および図45に示されるように、内部インシュレータ36は、XY面に沿って延びる平板形状の基部36Aと、基部36Aの中央においてY方向に沿う互いに平行な2列に配列され且つ基部36Aから+Z方向に突出する複数の突起部36Bとを有している。基部36Aは、Z方向から見たときに、Y方向に沿った長辺とX方向に沿った短辺とを有するほぼ長方形の外形を有している。また、基部36Aの中央に対して+X方向側に位置する突起部36Bと、基部16Aの中央に対して-X方向側に位置する突起部36Bは、基部36Aの中央を通るYZ面に対して互いに対称な形状を有している。
【0096】
複数の突起部36Bは、第1インシュレータ35の複数の保持溝35Fに挿入される部分であり、複数の突起部36Bには、それぞれ、基部36AのX方向の中央を向き且つYZ面に平行な内面36Cと、基部36AのX方向の外側を向き且つYZ面に平行な外面36Dが形成されている。
【0097】
また、基部36Aの-Z方向側の面には、-Z方向に向かって突出し且つY方向に沿って延びる突部36Eが形成されている。突部36Eには、図45に示す第1インシュレータ35の複数の保持溝35Fに対応する位置に複数の凹部36Fが形成されている。
【0098】
図46図48に示されるように、第2インシュレータ37は、XY面に沿って延びる平板形状の基部37Aと、基部37Aの中央に配置され且つ基部37Aから+Z方向に突出する凸部37Bとを有している。基部37Aには、+Z方向を向き且つXY面に平行な第2面37Cが形成されている。また、基部37Aと凸部37Bは、それぞれ、Z方向から見たときに、Y方向に沿った長辺とX方向に沿った短辺とを有するほぼ長方形の外形を有している。
【0099】
凸部37Bは、第1インシュレータ35の凹部35Dに挿入されるもので、XY面上において、凹部35Dよりもわずかに小さいサイズを有している。
凸部37Bには、XY面に平行な上面37Dが形成されている。また、上面37DおよびX方向における凸部37Bの両側の側面に、Z方向に対して傾斜しながら第2面17Cにまで延びる溝37Eが形成されている。また、基部37Aには、凸部37Bの溝37Eに接続し且つX方向に沿って延びる溝37Kが形成されている。
【0100】
複数の溝37Eの+X方向側の底部には、それぞれ、+X方向および+Z方向を向くようにZ方向に対して傾斜するガイド面37Fと、ガイド面37Fの-Z方向側に隣接し且つYZ面に沿って延びる押し付け力付与面37Gが形成されている。
【0101】
また、凸部37Bの+X方向側には、それぞれの溝37EのY方向の両側に、ガイド面37Fよりも大きくZ方向に対して傾斜する傾斜面37Hが形成されている。
【0102】
複数の溝37Eの-X方向側の底部には、+X方向側のガイド面37Fおよび押し付け力付与面37GとYZ面に対して対称な形状を有するガイド面37Fおよび押し付け力付与面37Gが形成されている。また、凸部37Bの-X方向側には、+X方向側と同様に、複数の傾斜面37Hが形成されている。
【0103】
図40に示される第1インシュレータ35の突部35BのX方向における両側のうち、X方向側に位置する保持溝35Fに保持されるコンタクト33の構成を図49図51に示す。
【0104】
コンタクト33は、金属等の導電性材料により形成された帯状部材からなり、YZ面に沿って延びる第1平板部33A、YZ面に沿って延び且つ第1平板部33Aの-X方向側に位置し且つ第1平板部33AよりもZ方向において短い固定部33B、および、第1平板部33Aと固定部33Bの+Z方向端部を互いに連結する連結部33Cを有している。第1平板部33Aの-Z方向端部に、段差部33Dを介して、YZ面に沿って延びる第2平板部33Eが接続されている。
【0105】
また、コンタクト33は、第2平板部33EのY方向の両端部に位置する-Z方向端部から-X方向および+Z方向に屈曲してZ方向に対して傾斜する方向に延びる二股部33H、および、二股部33Hの+Z方向端部から-Z方向に沿って延びる伸長部33Jを有する第1腕部33Fと、第2平板部33EのY方向の中央部に位置する-Z方向端部から屈曲して+X方向に沿って延びる第2腕部33Gを有している。伸長部33Jの-Z方向端部は自由端を形成しており、伸長部33Jの-Z方向端部に、この-Z方向端部から-X方向側に屈曲し、途中で+X方向側に屈曲する屈曲部33Nが形成されている。また、屈曲部33Nの-Z方向端部に、-Z方向側に湾曲された湾曲部33Kが形成されている。
【0106】
第1平板部33Aの+X方向側の面により、図示しない相手側コネクタのコンタクトに接触するための接触部33Lが形成されている。また、第1平板部33Aの-Z方向側の部分、段差部33Dおよび第2平板部33Eにより、第1インシュレータ35および第2インシュレータ37の間に保持される被保持部33Mが形成されている。
【0107】
また、第1腕部33Fの湾曲部33Kの頂部に位置する+Z方向側の面により、接続対象物Cの一方の面に接触する第1接続部33Pが形成されている。また、第2腕部33Gの-Z方向側の面により、接続対象物Cの他方の面に接触する第2接続部33Qが形成されている。このように、第1接続部33Pと第2接続部33Qは、互いに対向する位置に配置されている。
【0108】
また、屈曲部33Nの-X方向端部における-X方向側の面により、第2インシュレータ37が第1インシュレータ35に組み込まれる際に、図48に示す第2インシュレータ37の押し付け力付与面37Gから押し付け力を受ける押し付け力受け部33Rが形成されている。
【0109】
なお、図40に示される第1インシュレータ35の突部35BのX方向における両側のうち、-X方向側に位置する保持溝35Fに保持されるコンタクト33は、図49図51に示されるコンタクト33と同一の構成を有しているが、X方向に関して反対向きに配置されている。
【0110】
以下では、接続対象物Cへのコネクタ31の取り付けについて説明する。
まず、図52に示されるように、第1インシュレータ35の複数の貫通孔35Gに-Z方向側から複数のコンタクト33を挿入し、複数のコンタクト33を、+Z方向に突出する突部35Bの複数の保持溝35F、凹部35Dの複数の保持溝35Hおよび突部35Eに形成された保持溝35Jに沿って配置する。この際に、また、コンタクト33の固定部33Bが保持溝35Fの+Z方向端部に固定される。また、コンタクト33の第1腕部33Fの+Z方向端部は、内部インシュレータ36と非接触の状態で、内部インシュレータ36の突部36Eに形成された凹部36F内に位置している。また、コンタクト33の第2腕部33Gの-Z方向端部は第2接続部33Qが-Z方向を向くように保持溝35Jの第2接続部配置面35K上に配置される。これにより、第2接続部33Qは、第2接続部配置面35Kに沿って配置される。
【0111】
この状態で、第1インシュレータ35の複数の貫通孔35Gに、内部インシュレータ36の複数の突起部36Bを挿入する。この際に、突起部36Bは、その内面36Cが第1インシュレータ35の保持溝35Fに対面し且つ外面36Dがコンタクト33に対面するように第1インシュレータ35の貫通孔35Gに挿入される。これにより、コンタクト33の被保持部33Mは、第1インシュレータ35と内部インシュレータ36との間に配置される。
【0112】
次に、図53に示されるように、第1インシュレータ35の基部35Aの第1面35Cに形成された突部35Eを、タブシートBの開口部B1に挿入し、タブシートBの-Z方向側の面上に、接続対象物Cを配置する。この際に、接続対象物Cは、Z方向から見て、その先端部C3がタブシートBの開口部B1の内側に位置するように配置される。この状態で、第2インシュレータ37の凸部37Bが、第1インシュレータ35の凹部35Dが所定の組み込み方向D1すなわち+Z方向に沿って並ぶように、第2インシュレータ37を第1インシュレータ35に対して位置合わせする。
【0113】
このようにして位置合わせされた第2インシュレータ37を、+Z方向に沿って直線的に、第1インシュレータ35に向かって移動させる。これにより、図53に示されるように、第1インシュレータ35への第2インシュレータ37の組み込みが開始される。
【0114】
第2インシュレータ37が第1インシュレータ35に向かって移動すると、コンタクト33の屈曲部37Nは、第2インシュレータ37の溝37Eに挿入される。第2インシュレータ37が第1インシュレータ35に向かって+Z方向に移動するにしたがって、屈曲部37Nは、第2インシュレータ37のガイド面37Fに押されて、第1腕部33Fの+Z方向端部を支点として、第2接続部33Q側に変位する。この際に、屈曲部37Nは、X方向における第1インシュレータ35および第2インシュレータ37の外側に屈曲しているため、屈曲部37Nの端部に形成される湾曲部33Kは、第2接続部33Qに-Z方向側から近接するように変位する。
【0115】
第2インシュレータ37が+Z方向に沿ってさらに移動すると、屈曲部33Nに形成された押し付け力受け部33Rは、ガイド面37Fの-Z方向端部に到達し、それ以降は、押し付け力付与面37Gに接触した状態となる。この際に、コンタクト33の屈曲部37Nおよび湾曲部33Kは、第2インシュレータ37の溝37Kに収容される。
【0116】
第1インシュレータ35の第1面35Cと第2インシュレータ37の第2面37Cとの間に接続対象物Cが挟まれ、且つ、第2インシュレータ37の凸部37Bが第1インシュレータ35の凹部35Dに完全に収容される状態まで、第2インシュレータ37が+Z方向に移動することにより、第2インシュレータ37が第1インシュレータ35に完全に組み込まれる。
【0117】
このようにして、図39に示されるように、接続対象物Cへのコネクタ31の取り付けが完了する。
なお、実施の形態1のコネクタ11と同様にして、接着シートE1、E2およびE3によりコネクタ31の各部を接着できる。
【0118】
コネクタ31において、図54に示されるように、第2インシュレータ37の押し付け力付与面37Gにより、+X方向側に位置するコンタクト33の押し付け力受け部33Rが+X方向に向かう押し付け力を受け、屈曲部33Nの先端部に形成された湾曲部33Kの第1接続部33Pは、接続対象物Cの先端部C3の-Z方向側の面に押し付けられる。これにより、接続対象物Cの先端部C3が、コンタクト33の第1接続部33Pと第2接続部33QにZ方向の両側から挟み込まれる。また、接続対象物Cのフレキシブル導体C2は、+Z方向側の面すなわち第2接続部33Q側の面に露出しているため、フレキシブル導体C2は、第2接続部33Qと接触する。こうして、接続対象物Cのフレキシブル導体C2は、第2接続部33Qを介してコンタクト33と電気的に接続する。
【0119】
また、-X方向側に位置するコンタクト33の押し付け力受け部33Rは、第2インシュレータ37の押し付け力付与面37Gにより、-X方向に向かう押し付け力を受ける。これにより、第1接続部33Pが-Z方向側から接続対象物Cの先端部C3に押し付けられて、接続対象物Cの先端部C3がコンタクト33の第1接続部33Pと第2接続部33QにZ方向の両側から挟み込まれる。このように、-X方向側に位置するコンタクト33も、+X方向側に位置するコンタクト33と同様にして、接続対象物Cのフレキシブル導体C2と電気的に接続する。
【0120】
このように、本発明の実施の形態3に係るコネクタ31では、実施の形態1に係るコネクタ11および実施の形態2に係るコネクタ21と同様に、接続対象物Cの両側の面がコンタクト33の第1接続部33Pと第2接続部33Qにより挟み込まれるため、フレキシブル導体C2が基材C1の両側の面のうちいずれかの面上に露出している場合であっても、第1接続部33Pと第2接続部33Qのいずれか一方がフレキシブル導体C2に接触して、フレキシブル導体C2とコンタクト33を確実に電気的に接続することができる。
【0121】
また、図53に示されるように、第2インシュレータ37の凸部37Bが第1インシュレータ35の凹部35Dに挿入される際に、コンタクト33の第2接続部33Qは-Z方向すなわち所定の組み込み方向D1と平行な方向を向いており、第2インシュレータ37と接触しない。そのため、フレキシブル導体C2とコンタクト33との電気的な接続に際して、第2インシュレータ37によりフレキシブル導体C2が傷ついてしまうことが防止される。
【0122】
また、接続対象物Cは、コンタクト33の第1接続部33Pと第2接続部33QによりZ方向の両側から挟み込まれるが、コンタクト33の押し付け力受け部33Rは、第2インシュレータ37の押し付け力付与面37GからX方向に平行な押し付け力を受けているため、第1インシュレータ35および第2インシュレータ37は、コンタクト33から所定の組み込み方向D1に沿った力すなわちZ方向に沿った力を受けていない。そのため、第1インシュレータ35および第2インシュレータ37は、コンタクト33から受ける力により、互いに引き離されるおそれはなく、コネクタ31を安定した状態に維持することができる。また、第1接続部33Pと第2接続部33Qが接続対象物Cを挟み込む方向は、特に限定されず、所定の組み込み方向D1に平行でなくてもよい。
【0123】
実施の形態4
図55に、接続対象物Cに取り付けられた実施の形態4に係るコネクタ41を示す。コネクタ41は、第1インシュレータ45、第2インシュレータ47および第3インシュレータ48と、第1インシュレータ45および第2インシュレータ47に保持された複数のコンタクト43を有している。複数のコンタクト43は、互いに平行な2列に配列された状態で、それぞれ接続対象物Cに対して垂直に突出するように保持されている。
ここで、便宜上、接続対象物CがXY面に沿って延び、複数のコンタクト43の配列方向をY方向、複数のコンタクト43がそれぞれ突出する方向を+Z方向と呼ぶこととする。
【0124】
図56および図57に示されるように、第1インシュレータ45は、XY面に沿って延びる基部45Aと、基部45Aの中央に配置され且つ基部45Aから+Z方向に向かって突出する枠形状の突部45Bとを有している。これらの基部45Aおよび突部45Bは、それぞれ、Z方向から見たときに、Y方向に沿った長辺とX方向に沿った短辺とを有するほぼ長方形の外形を有している。
【0125】
基部45Aは、+Z方向側の面と-Z方向側の面を互いに接続し且つXY面に垂直な側面45Cを有しており、YZ面に沿って延びる側面45CとXZ面に沿って延びる側面45Cとは、切り欠き部45Dにより接続されている。
【0126】
基部45Aの-Z方向側の面には、-Z方向に向かって突出する突部45Eが形成されている。枠形状の突部45Bは、互いにX方向に対向し且つそれぞれY方向に沿って延びる一対の長辺部分45Fを有し、それぞれの長辺部分45Fの外面と内面には、コンタクト43を保持するための、Z方向に沿って延びる複数の保持溝45Gが形成されている。
【0127】
また、基部45Aには、複数の保持溝45Gに対応して、それぞれ基部45Aの+Z方向側の面から-Z方向側の面まで貫通する複数の貫通孔45Hが形成されている。また、-Z方向側に突出する突部45EのX方向の両側の側面には、複数の保持溝45Gに対応して突部45Eの+Z方向端部からZ方向に沿って延びる保持溝45Jが形成されている。さらに、図56および図57には示されていないが、枠形状の突部45Bの内側に位置する基部45Aには、複数の保持溝45Gに接続される複数の挿入孔が-Z方向に向かって形成されている。
【0128】
図58に示されるように、第3インシュレータ48は、XY面に沿って延びる平板形状を有しており、図56に示す第1インシュレータ45の4つの切り欠き部45Dに対応する位置に、4つの貫通孔48Aが形成されている。
【0129】
図59および図60に示すように、第2インシュレータ47は、XY面に沿って延びる基部47Aと、基部47Aの中央に配置され且つ基部47Aの+Z方向側の面から-Z方向側の面まで貫通し、Y方向に延びる開口部47Bを有している。これらの基部47Aおよび開口部47Bは、それぞれ、Z方向から見たときに、Y方向に沿った長辺とX方向に沿った短辺とを有するほぼ長方形の外形を有している。開口部47Bは、第1インシュレータ45の突部45Bに挿入されるもので、XY面上において、突部45Bよりもわずかに大きいサイズを有している。
【0130】
基部47Aの-Z方向側の面には、XY面に平行な面47Cが形成されており、面47Cには、図56に示される第1インシュレータ45の基部45Aに対応した形状を有する凹部47Dが形成されている。凹部47Dには、XY面に平行で且つ面47Cよりも+Z方向側に位置する底面47Eが形成されている。また、開口部47BのX方向の両側には、第1インシュレータ45の複数の貫通孔45Hに対応して底面47Eから-Z方向に向かって突出する複数の凸部47Fが形成されている。
【0131】
+X方向側に位置する複数の凸部47Fには、-X方向を向いた押し付け力付与面47Gが形成されている。-X方向側に位置する複数の凸部47Fは、+X方向側に位置する複数の凸部47Fと同一の構成を有しているが、X方向に関して反向きに配置されている。
【0132】
また、基部47Aの-Z方向側の面47Cには、図56に示される第1インシュレータ45の4つの切り欠き部45Dおよび図58に示される第3インシュレータ48の4つの貫通孔48Aに対応して、-Z方向に突出する円柱形状の固定ポスト47Hが形成されている。
【0133】
図56に示される第1インシュレータ45の突部45Bの+X方向側の長辺部分45Fおよび-X方向側の長辺部分45Fのうち、+X方向側の長辺部分45Fの保持溝45Gに保持されるコンタクト43の構成を図61および図62に示す。
【0134】
コンタクト43は、金属等の導電性材料により形成された帯状部材からなり、YZ面に沿って延びる第1平板部43A、YZ面に沿って延び且つ第1平板部43Aの-X方向側に位置する固定部43B、および、第1平板部43Aと固定部43Bの+Z方向端部を互いに連結する連結部43Cを有している。第1平板部43Aの-Z方向端部に、段差部43Dが接続されている。また、コンタクト43は、段差部43DのY方向の両端部に位置する-Z方向側部分から+X方向側に屈曲してZ方向に対して傾斜する方向に延びる二股部43Hを有する第1腕部43Fと、段差部43DのY方向の中央部に位置する-Z方向側部分から-Z方向に沿って延びる第2腕部43Gを有している。
【0135】
二股部43Hの-Z方向端部に、-X方向側から折り畳まれた折り曲げ部43Kが形成されている。また、一対の折り曲げ部43Kの先端部は、Y方向に沿って延びる連結部43Jにより互いに連結されている。
また、第2腕部43Gの-Z方向端部に、+X方向側から折り畳まれた折り曲げ部43Sが形成されている。
【0136】
第1平板部43Aの+X方向側の面により、図示しない相手側コネクタのコンタクトに接触するための接触部43Lが形成されている。また、第1平板部43Aの-Z方向側の部分、段差部43Dおよび第2平板部43Eにより、第1インシュレータ45および第2インシュレータ47の間に保持される被保持部43Mが形成されている。
【0137】
一対の折り曲げ部43Kの+X方向側の面により、それぞれ、接続対象物Cの一方の面に接触する第1接続部43Pが形成されている。また、第2腕部43Gの-X方向側の面により、接続対象物Cの他方の面に接触する第2接続部43Qが形成されている。このように、第1接続部43Pおよび第2接続部43Qは、X方向において互いに対向している。
【0138】
また、一対の折り曲げ部43Kの+X方向側の面により、第2インシュレータ47が第1インシュレータ45に組み込まれる際に、図60に示す第2インシュレータ47の凸部47Fに形成された押し付け力付与面47Gから押し付け力を受ける押し付け力受け部43Rが形成されている。押し付け力受け部43Rは、第1接続部43Pに対して第2接続部43Qとは反対方向を向くように配置されている。
【0139】
また、固定部43Bの-Z方向端部に位置する+Y方向の両側の側面には、凹凸形状を有する圧入部43Nが形成されている。
【0140】
なお、図56に示される第1インシュレータ45のX方向における両側のうち、-X方向側に位置する保持溝45Gに保持されるコンタクト43は、図61および図62に示されるコンタクト43と同一の構成を有しているが、X方向に関して反対向きに配置されている。
【0141】
接続対象物Cは、図63に示されるように、絶縁性材料からなる基材C1の+Z方向を向いた表面に複数のフレキシブル導体C2による配線が露出しているものである。図63には示されていないが、基材C1の-Z方向を向いた裏側には、フレキシブル導体C2は露出していない。
【0142】
接続対象物Cの基材C1には、長方形の開口部C4が形成されており、複数のフレキシブル導体C2の一端が開口部C4の+X方向側の縁部および-X方向側の縁部に位置している。開口部C4は、コネクタ41が接続対象物Cに取り付けられる際に、第1インシュレータ45の突部45Bが挿入されるものであるが、第1インシュレータ45の突部45BよりもX方向の幅が小さく形成されている。このため、開口部C4の+X方向側の縁部および-X方向側の縁部に位置する接続対象物Cが+Z方向側に屈曲された状態で、開口部C4に第1インシュレータ45の突部45Bが挿入される。
【0143】
また、基材C1の開口部C4のX方向の両側には、4つの貫通孔C5が形成されている。これらの貫通孔C5は、第2インシュレータ47の4つの固定ポスト47Hに対応しており、4つの貫通孔C5に4つの固定ポスト47Hが貫通する。
【0144】
以下では、接続対象物Cへのコネクタ41の取り付けについて説明する。
まず、図56および図57に示す第1インシュレータ45の複数の保持溝45Gおよび複数の保持溝45Jに沿うように+Z方向側から複数のコンタクト43を取り付ける。これにより、図64に示されるように、コンタクト43の第1腕部43Fと第2腕部43Gが第1インシュレータ45の貫通孔45H内に配置される。また、図64には図示されていないが、図61に示すコンタクト43の圧入部43Nが、第1インシュレータ45の枠形状の突部45Bの内側に位置する基部45Aに形成された挿入孔に挿入される。
【0145】
さらに、タブシートBの開口部B1に第1インシュレータ45の突部45Eを挿入する。また、第3インシュレータ48上に接続対象物Cを配置し、図63に示される接続対象物Cの開口部C4の+X方向側の縁部と-X方向側の縁部を+Z方向側に屈曲させる。
【0146】
この状態で、接続対象物Cの開口部C4の+X方向側の縁部がと-X方向側の縁部が、それぞれX方向において、コンタクト43の第1接続部43Pと第2接続部43Qの間に位置するように、接続対象物Cの位置合わせをする。その後、接続対象物Cの開口部C4の+X方向側の縁部と-X方向側の縁部を、-Z方向側から、タブシートBの開口部B1と第1インシュレータ45の突部45Eとの間の隙間に挿入し、接続対象物Cをさらに+Z方向に移動させる。
【0147】
このようにして、図65に示されるように、接続対象物Cの開口部C4の+X方向側の縁部と-X方向側の縁部を、それぞれ、コンタクト43の第1接続部43Pと第2接続部43Qとの間に挿し込む。
【0148】
次に、第2インシュレータ47を第1インシュレータ45の+Z方向側に配置し、Z方向から見たときに、第1インシュレータ45の突部45Bと、コンタクト43の第1平板部43A、固定部43Bおよび連結部43Cが、第2インシュレータ47の開口部47Bの内側に位置し、第2インシュレータ47の複数の凸部47Fが、第1インシュレータ45の貫通孔Hの内壁と+Z方向側に屈曲された接続対象物Cの縁部との間に位置するように、第2インシュレータ47を位置合わせする。
【0149】
この状態で、第2インシュレータ47を所定の組み込み方向D2である-Z方向に移動させると、第2インシュレータ47の凸部47Fが第1インシュレータ45の貫通孔45Hに進入する。この際に、凸部47Fの押し付け力付与面47Gは、コンタクト43の押し付け力受け部43Rに接触して、押し付け力受け部43Rに対して第2接続部43Q側に向かう押し付け力を付与する。これにより、コンタクト43の第1接続部43Pは、X方向に沿って第2接続部43Qに近接するように変位する。
【0150】
さらに、図66に示されるように、第2インシュレータ47の凸部47Fが第1インシュレータ45の貫通孔45Hに完全に収容されるまで、第2インシュレータ47が-Z方向に移動される。この際に、図66には示されていないが、第2インシュレータ47の4つの固定ポスト47Hが、図56に示される第1インシュレータ45の4つの切り欠き部45Dの近傍を通る。
【0151】
最後に、第2インシュレータ47の4つの固定ポスト47Hが、図63に示される接続対象物Cの4つの貫通孔C5と、図58に示される第3インシュレータ48の4つの貫通孔48Aに挿入され、第3インシュレータ48の4つの貫通孔48Aから突出した4つの固定ポスト47Hの-Z方向端部が加熱変形されることにより、第2インシュレータ47が第1インシュレータ45に対して固定される。
これにより、図55に示されるように、接続対象物Cへのコネクタ41の取り付けが完了する。
【0152】
コネクタ41において、図66に示されるように、第2インシュレータ47の凸部47Fに形成された押し付け力付与面47Gにより、+X方向側に位置するコンタクト43の押し付け力受け部43Rが-X方向に向かう押し付け力を受け、第1接続部43Pは、+Z方向側に屈曲された接続対象物Cの縁部の+X方向側の面に押し付けられる。これにより、接続対象物Cの縁部は、X方向の両側からコンタクト43の第1接続部43Pと第2接続部43Qが押し付けられた状態となる。接続対象物Cのフレキシブル導体C2は、第1接続部43P側に露出しているため、フレキシブル導体C2は、第1接続部43Pと接触する。こうして、接続対象物Cのフレキシブル導体C2は、第1接続部43Pを介してコンタクト43と電気的に接続する。
【0153】
また、-X方向側に位置するコンタクト43の押し付け力受け部43Rは、第2インシュレータ47の凸部47Fに形成された押し付け力付与面47Gにより、+X方向に向かう押し付け力を受ける。これにより、接続対象物Cの縁部にX方向の両側から第1接続部43Pと第2接続部43Qが押し付けられる。このように、-X方向側に位置するコンタクト43も、+X方向側に位置するコンタクト43と同様にして、接続対象物Cのフレキシブル導体C2と電気的に接続する。
【0154】
このように、本発明の実施の形態4に係るコネクタ41では、接続対象物Cの両側の面がコンタクト43の第1接続部43Pと第2接続部43Qにより挟み込まれるため、フレキシブル導体C2が基材C1の両側の面のいずれかの面上に露出している場合であっても、第1接続部43Pと第2接続部43Qのいずれか一方がフレキシブル導体C2に接触して、フレキシブル導体C2とコンタクト43を確実に電気的に接続することができる。
【0155】
また、図66に示されるように、コンタクト43の第1接続部43Pと第2接続部43Qは、第1インシュレータ45および第2インシュレータ47と接触しないため、フレキシブル導体C2とコンタクト43との電気的な接続に際して、第1インシュレータ45および第2インシュレータ47により接続対象物Cが傷ついてしまうことが防止される。
【0156】
また、接続対象物Cには、コンタクト43の第1接続部43Pと第2接続部43Qから、所定の組み込み方向D2である-Z方向に対して直交するX方向に沿った力が作用するため、コンタクト43の第1接続部43Pと第2接続部43Qが接続対象物Cを挟み込む力により、第1インシュレータ45に組み込まれた第2インシュレータ47が第1インシュレータ45から引き離されるおそれはなく、コネクタ41を安定した状態に維持することができる。また、第1接続部43Pと第2接続部43Qが接続対象物Cを挟み込む方向は、所定の組み込み方向D2に対して必ずしも直交する必要はないが、所定の組み込み方向D2に交差する方向であることが好ましい。
【0157】
なお、実施の形態4に係るコネクタ41では、第3インシュレータ48により、第1インシュレータ45と第2インシュレータ47が互いに固定されているが、実施の形態1の11でも、第3インシュレータ48により第1インシュレータ15と第2インシュレータ17を互いに固定することができる。例えば、第1インシュレータ15に、-Z方向に延びる複数の固定ポストを形成し、第2インシュレータ17に、第1インシュレータ15の複数の固定ポストに対応する複数の貫通孔を形成し、第2インシュレータ17の複数の貫通孔に第1インシュレータ15の複数の固定ポストを挿入して、複数の固定ポストの-Z方向端部を加熱変形することにより、第1インシュレータ15と第2インシュレータ17が互いに固定される。同様にして、実施の形態2に係るコネクタ21および実施の形態3に係るコネクタ31でも、第3インシュレータ48により、第1インシュレータ25と第2インシュレータ27、および、第1インシュレータ35と第2インシュレータ37を、それぞれ、互いに固定することができる。
【0158】
また、実施の形態1~4では、コネクタ11、21、31、41は、接続対象物Cを補強するためのタブシートBと共に接続対象物Cに取り付けられているが、特に接続対象物Cを補強する必要がない場合には、タブシートBを省略してもよい。
【符号の説明】
【0159】
1 コネクタ、2 第1絶縁部材、2A 凸部、2B 突起、3 第2絶縁部材、3A 開口部、3B 突起収容部、4 接続対象物、5 コンタクト、6 フレキシブル導体、
11,21,31,41 コネクタ、12 コネクタ本体、13,23,33,43 コンタクト、13A,23A,33A,43A 第1平板部、13B,23B,33B,43B 固定部、13C,23C,33C,43C,43J 連結部、13D,23D,33D,43D 段差部、13E,33E 第2平板部、13F,23F,33F,43F 第1腕部、13G,23G,33G,43G 第2腕部、13H,33H,43H 二股部、13J,33J 伸長部、13K,23K,33K 湾曲部、13L,23L,33L,43L 接触部、13M,23M,23N,33M,43M 被保持部、13P,23P,33P,43P 第1接続部、13Q,23Q,33Q,43Q 第2接続部、13R,23R,33R,43R 押し付け力受け部、15,25,35,45 第1インシュレータ、15A,16A,17A,25A,27A,35A,36A,37A,45A 基部、15B,15E,16E,25B,25E,35B,35E,36E,45B,45E 突部、15C,25C,35C 第1面、15D,16F,25D,35D,36F,47D 凹部、15F,15H,25F,25H,35F,35H,35J,45G,45J 保持溝、15G,25G,35G,45H,48A 貫通孔、16,36 内部インシュレータ、16B,36B 突起部、16C,36C 内面、16D,36D 外面、17,27,37,47 第2インシュレータ、17B,27B,37B,47F 凸部、17C,27C,37C 第2面、17D,27D,37D 上面、17E,27E,37E,37K 溝、17F,27F,37F ガイド面、17G,27G,37G,47G 押し付け力付与面、17H,37H 傾斜面、17J,27J 接続対象物折り曲げ部、35K 第2接続部配置面、33N 屈曲部、43K,43S 折り曲げ部、43N 圧入部、45C 側面、45D 切り欠き部、45F 長辺部分、47B 開口部、47C 面、47E 底面、47H 固定ポスト、48 第3インシュレータ、
B タブシート、B1 開口部、C 接続対象物、C1 基材、C2 フレキシブル導体、C3 先端部、C4 開口部、C5 貫通孔、D1 所定の組み込み方向、E1,E2,E3 接着シート。
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