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特許7522652補助電力供給装置、電源装置、及び医療システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】補助電力供給装置、電源装置、及び医療システム
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
H02M3/28 X
H02M3/28 C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020215248
(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公開番号】P2022100949
(43)【公開日】2022-07-06
【審査請求日】2023-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100169694
【弁理士】
【氏名又は名称】荻野 彰広
(72)【発明者】
【氏名】稲川 拓実
(72)【発明者】
【氏名】高野 優太
(72)【発明者】
【氏名】丸山 孝
【審査官】尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-353015(JP,A)
【文献】特開平03-022820(JP,A)
【文献】実開平06-009346(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0097286(US,A1)
【文献】特開平10-004674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00- 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次側の平滑用コンデンサを備える電源装置の前記平滑用コンデンサの両端子に接続される補助電力供給装置であって、
前記平滑用コンデンサの両端子のうちの第1平滑用コンデンサ端子と接続される第1電源端子と、
前記平滑用コンデンサの両端子のうちの第2平滑用コンデンサ端子と接続される第2電源端子と、
前記第1電源端子と前記第2電源端子との間に接続され、前記電源装置に電力が供給されることによって充電され、前記平滑用コンデンサの放電に応じて放電電流を放電する第1コンデンサと、
前記第1コンデンサから放電される放電電流に応じて、状態をオン状態又はオフ状態に切り替えるスイッチ素子を有するスイッチ回路部と、
を備える補助電力供給装置。
【請求項2】
前記スイッチ回路部は、外部装置を接続可能な2つの接続端子を有し、
前記スイッチ素子は、オン状態である場合、前記スイッチ回路部内において前記2つの接続端子の間を電気的に接続し、オフ状態である場合、前記スイッチ回路部内において前記2つの接続端子の間を電気的に切断する、
請求項1に記載の補助電力供給装置。
【請求項3】
前記スイッチ回路部は、前記スイッチ素子がオン状態又はオフ状態である場合に、前記電源装置への電力の供給が遮断されたことを示す第1信号を出力する、
請求項1又は2に記載の補助電力供給装置。
【請求項4】
前記第1コンデンサは、前記第1平滑用コンデンサ端子と前記第1電源端子とが接続され、前記第2平滑用コンデンサ端子と前記第2電源端子とが接続されている場合、前記平滑用コンデンサの放電に応じて、放電電流を放電する、
請求項1から3のうちいずれか一項に記載の補助電力供給装置。
【請求項5】
前記第1コンデンサを備える充放電回路部と、
予め決められた大きさの電圧を出力する定電圧回路部と、
前記定電圧回路部から出力される電圧に基づいて、前記第1コンデンサから放電電流が放電されたことを検出する放電電流検出回路部と、
を備え、
前記充放電回路部は、
前記第1コンデンサが有する2つの端子のうちの第11コンデンサ端子と前記第2電源端子との間に接続される第1抵抗素子と、
前記第11コンデンサ端子と前記第2電源端子との間において前記第1抵抗素子と並列に接続されるダイオードと、
を更に備え、
前記ダイオードが電流を通す方向は、前記第2電源端子から前記第1コンデンサに向かう方向であり、
前記スイッチ素子は、前記第1コンデンサから放電された放電電流が前記放電電流検出回路部により検出された場合、状態をオン状態又はオフ状態に切り替える、
請求項1から4のうちいずれか一項に記載の補助電力供給装置。
【請求項6】
前記定電圧回路部は、ツェナーダイオードと、前記ツェナーダイオードと並列に接続された定電圧生成用コンデンサとを備える、
請求項5に記載の補助電力供給装置。
【請求項7】
前記定電圧回路部は、シャントレギュレータと、前記シャントレギュレータに接続された2つの抵抗素子と前記シャントレギュレータに並列に接続された定電圧生成用コンデンサとを備える、
請求項5に記載の補助電力供給装置。
【請求項8】
1以上の第2抵抗素子と、1以上の第2コンデンサとを備え、前記第1コンデンサから放電された放電電流が前記放電電流検出回路部により検出された場合、前記スイッチ回路部において前記スイッチ素子が状態をオン状態又はオフ状態に切り替えるのに要する時間を遅延させる遅延回路部を更に備える、
請求項5から7のうちいずれか一項に記載の補助電力供給装置。
【請求項9】
前記第1電源端子と前記第2電源端子との間に接続され、前記充放電回路部よりも前段に位置する第3コンデンサを更に備える、
請求項5から8のうちいずれか一項に記載の補助電力供給装置。
【請求項10】
前記第1コンデンサの電圧が予め決められた閾値以上である場合、前記第1コンデンサの電圧が前記閾値以上であることを示す情報を表示し、前記第1コンデンサの電圧が前記閾値未満である場合、前記第1コンデンサの電圧が前記閾値未満であることを示す情報を表示する表示部を備える、
請求項1から9のうちいずれか一項に記載の補助電力供給装置。
【請求項11】
請求項1から10のうちいずれか一項に記載の補助電力供給装置を備える前記電源装置である、
電源装置。
【請求項12】
電源装置であって、
1次側の平滑用コンデンサと、
前記平滑用コンデンサの両端子のうちの第1平滑用コンデンサ端子と接続される第1電源端子と、
前記平滑用コンデンサの両端子のうちの第2平滑用コンデンサ端子と接続される第2電源端子と、
前記第1電源端子と前記第2電源端子との間に接続され、前記電源装置に電力が供給されることによって充電され、前記平滑用コンデンサの放電に応じて放電電流を放電する第1コンデンサと、
前記第1コンデンサから放電される放電電流に応じて、状態をオン状態又はオフ状態に切り替えるスイッチ素子を有するスイッチ回路部と、
を備える電源装置。
【請求項13】
請求項1から10のうちいずれか一項に記載の補助電力供給装置と、
前記電源装置と、
前記電源装置に負荷として接続された医療機器と、
を備える医療システム。
【請求項14】
前記電源装置は、前記電源装置の1次側の2つの入力伝送路のうちの少なくとも一方に設けられるヒューズ又はブレーカを備える、
請求項13に記載の医療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助電力供給装置、電源装置、及び医療システムに関する。
【背景技術】
【0002】
停電等の影響により電源装置への電力の供給が遮断された場合において、電源装置に接続されている負荷を保護する技術についての研究、開発が行われている。
【0003】
これに関し、整流回路部の出力側とスイッチング電源部の入力側との間において整流回路部の出力を平滑してスイッチング電源部に供給する平滑回路部を有し、整流回路部への交流電力の供給が遮断された状態におけるスイッチング電源部に出力保持時間を延長させる第2静電容量を、平滑回路部の第1静電容量に追加可能な電源装置が知られている(特許文献1参照)。なお、出力保持時間は、整流回路部への交流電力の供給が遮断された状態においてスイッチング電源部が出力を保持することが可能な時間のことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-004674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載されたような電源装置は、停電等が発生した場合、接続されている負荷(例えば、モータ等)を保護するタイミングの制御ができないことが知られている。このため、当該電源装置は、当該場合において当該負荷を保護することができない場合があった。
【0006】
このような問題を解決するため、前述の第2静電容量の電圧の低下を検出し、整流回路部への交流電力の供給が遮断された状態が生じたことを通知する方法が知られている。これは、当該状態における出力保持時間の延長のために第2静電容量からスイッチング電源部に電力が供給された場合、第2静電容量の電圧が低下することを利用した方法である。しかしながら、この方法では、第2静電容量が大きいほど、第2静電容量の電圧の低下の検出に要する時間が増大し、所望のタイミングで当該状態が生じたことを通知することができない場合があった。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、電源装置への電力の供給が遮断された場合において、電源装置からの出力を所定の時間保持させることができるとともに、電源装置への電力の供給が遮断され、補助電力供給装置から電源装置に電力が供給されたことを、より確実に所望のタイミングで通知することができる補助電力供給装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、1次側の平滑用コンデンサを備える電源装置の前記平滑用コンデンサの両端子に接続される補助電力供給装置であって、前記平滑用コンデンサの両端子のうちの第1平滑用コンデンサ端子と接続される第1電源端子と、前記平滑用コンデンサの両端子のうちの第2平滑用コンデンサ端子と接続される第2電源端子と、前記第1電源端子と前記第2電源端子との間に接続され、前記電源装置に電力が供給されることによって充電され、前記平滑用コンデンサの放電に応じて放電電流を放電する第1コンデンサと、前記第1コンデンサから放電される放電電流に応じて、状態をオン状態又はオフ状態に切り替えるスイッチ素子を有するスイッチ回路部と、を備える補助電力供給装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電源装置への電力の供給が遮断された場合において、電源装置からの出力を所定の時間保持させることができるとともに、電源装置への電力の供給が遮断されたことを、より確実に所望のタイミングで通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る補助電力供給装置1の構成の一例を示す図である。
図2】実施形態の変形例2に係る補助電力供給装置1の構成の一例を示す図である。
図3】実施形態の変形例3に係る補助電力供給装置1の構成の一例を示す図である。
図4】補助電力供給装置1が接続される対象となる電源装置PSの構成の一例を示す図である。
図5】補助電力供給装置1が接続される対象となる電源装置PSの構成の他の例を示す図である。
図6】補助電力供給装置1が接続される対象となる電源装置PSの構成の更に他の例を示す図である。
図7】実施形態の変形例4に係る補助電力供給装置1の構成の一例を示す図である。
図8】実施形態の変形例5に係る補助電力供給装置1の構成の一例を示す図である。
図9】実施形態の変形例6に係る補助電力供給装置1の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、実施形態では、直流電力に応じた電気信号、又は交流電力に応じた電気信号を伝送する導体のことを、伝送路と称して説明する。伝送路は、例えば、基板上にプリントされた導体であってもよく、導体が線状に形成された導線であってもよく、他の導体であってもよい。また、実施形態では、電圧と称した場合、所定の基準となる電位からの電位差を意味し、基準となる電位についての図示及び説明を省略する。ここで、基準となる電位は、如何なる電位であってもよい。実施形態では、一例として、基準となる電位がグラウンド電位である場合について説明する。また、実施形態では、説明の便宜上、ある電界効果トランジスタの状態のうちドレイン端子とソース端子との間が通電している状態のことと、あるフォトトランジスタの状態のうちコレクタ端子とエミッタ端子との間が通電している状態のこととのそれぞれを、オン状態と称して説明する。また、実施形態では、説明の便宜上、ある電界効果トランジスタの状態のうちドレイン端子とソース端子との間が通電していない状態のことと、あるフォトトランジスタの状態のうちコレクタ端子とエミッタ端子との間が通電していない状態のこととのそれぞれを、オフ状態と称して説明する。
【0012】
<補助電力供給装置の概要>
まず、実施形態に係る補助電力供給装置の概要について説明する。当該補助電力供給装置は、1次側の平滑用コンデンサを備える電源装置の平滑用コンデンサの両端子に接続される装置である。ここで、停電等の影響により当該電源装置への電力の供給が遮断された場合、当該平滑用コンデンサは、放電される。当該補助電力供給装置は、このような場合において、当該平滑用コンデンサに電力を供給し、当該電源装置に接続された負荷への当該電源装置からの電力の供給を、所定の時間保持させる装置である。
【0013】
実施形態に係る補助電力供給装置は、上記の電源装置の平滑用コンデンサの両端子のうちの第1平滑用コンデンサ端子と接続される第1電源端子と、当該平滑用コンデンサの両端子のうちの第2平滑用コンデンサ端子と接続される第2電源端子と、第1コンデンサと、スイッチ回路部を備える。ここで、第1コンデンサは、第1電源端子と第2電源端子との間に接続される。また、第1コンデンサは、当該電源装置に電力が供給されることによって充電される。また、第1コンデンサは、当該平滑用コンデンサの放電に応じて放電電流を放電する。また、スイッチ回路部は、第1コンデンサから放電される放電電流に応じて、状態をオン状態又はオフ状態に切り替えるスイッチ素子を有する。これにより、当該補助電力供給装置は、当該電源装置への電力の供給が遮断された場合において、当該電源装置からの出力を所定の時間保持させることができるとともに、当該電源装置への電力の供給が遮断されたことを、スイッチ素子の状態の切り替えによって、より確実に所望のタイミングで通知することができる。その結果、当該補助電力供給装置は、当該場合において、当該電源装置に接続されている負荷を、より確実に保護することができる。
【0014】
以下では、実施形態に係る補助電力供給装置の回路構成と、当該補助電力供給装置の動作について詳しく説明する。そして、以下では、補助電力供給装置が接続される対象となる電源装置の具体例について更に説明する。
【0015】
<補助電力供給装置の構成>
以下、図1を参照し、実施形態に係る補助電力供給装置1の構成について説明する。図1は、実施形態に係る補助電力供給装置1の構成の一例を示す図である。
【0016】
補助電力供給装置1は、前述の補助電力供給装置の一例である。補助電力供給装置1は、図示しない電源装置PSと接続される。より具体的には、補助電力供給装置1は、電源装置PSが備える1次側の平滑用コンデンサSCの両端に接続される。ここで、電源装置PSは、平滑用コンデンサSCを備える電源装置であれば、如何なる電源装置であってもよく、例えば、トランスを有するスイッチング電源装置である。
【0017】
また、補助電力供給装置1は、外部装置を接続可能である。図1に示した例では、補助電力供給装置1には、一例として、外部装置EXが接続されている。外部装置EXは、電源装置PSへの電力の供給が遮断した場合、電源装置PSへの電力の供給が遮断したことを通知することが可能な装置である。外部装置EXの構成については、後述する。
【0018】
補助電力供給装置1は、電源端子T1と、電源端子T2と、信号端子T3と、信号端子T4との4つの端子を有する。また、補助電力供給装置1は、充放電回路部CT1と、定電圧回路部CT2と、放電電流検出回路部CT3と、遅延回路部CT4と、スイッチ回路部CT5を備える。なお、補助電力供給装置1は、遅延回路部CT4を備えない構成であってもよい。また、補助電力供給装置1は、補助電力供給装置1が有する機能のうち本実施形態において説明する機能を損なわない限り、電源端子T1と、電源端子T2と、信号端子T3と、信号端子T4との4つの端子に加えて、他の端子を有する構成であってもよく、充放電回路部CT1と、定電圧回路部CT2と、放電電流検出回路部CT3と、遅延回路部CT4と、スイッチ回路部CT5に加えて、他の回路部、他の装置等を備える構成であってもよい。
【0019】
ここで、充放電回路部CT1は、入力端子CT11と、入力端子CT12と、出力端子CT13と、出力端子CT14と4つの端子を有する。また、定電圧回路部CT2は、入力端子CT21と、入力端子CT22と、出力端子CT23と、出力端子CT24との4つの端子を有する。また、放電電流検出回路部CT3は、入力端子CT31と、入力端子CT32と、出力端子CT33と、出力端子CT34と、出力端子CT35との5つの端子を有する。また、遅延回路部CT4は、入力端子CT41と、入力端子CT42と、入力端子CT43と、出力端子CT44と、出力端子CT45との5つの端子を有する。また、スイッチ回路部CT5は、入力端子CT51と、入力端子CT52と、信号端子CT53と、信号端子CT54との4つの端子を有する。
【0020】
電源端子T1は、平滑用コンデンサSCの第1平滑用コンデンサ端子と接続される端子である。ここで、第1平滑用コンデンサ端子は、平滑用コンデンサSCの両端子のうちの一方のことである。また、電源端子T1は、伝送路を介して、充放電回路部CT1の入力端子CT11と接続される。なお、電源端子T1と入力端子CT11との間には、補助電力供給装置1の機能を損なわない限り、他の回路部、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
【0021】
また、電源端子T2は、平滑用コンデンサSCの第2平滑用コンデンサ端子と接続される端子である。ここで、第2平滑用コンデンサ端子は、平滑用コンデンサSCの両端子のうちの他方のことである。また、電源端子T2は、伝送路を介して、充放電回路部CT1の入力端子CT12と接続される。なお、電源端子T2と入力端子CT12との間には、補助電力供給装置1の機能を損なわない限り、他の回路部、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
【0022】
充放電回路部CT1の出力端子CT13は、伝送路を介して、定電圧回路部CT2の入力端子CT21と接続される。なお、出力端子CT13と入力端子CT21との間には、補助電力供給装置1の機能を損なわない限り、他の回路部、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
【0023】
また、充放電回路部CT1の出力端子CT14は、伝送路を介して、定電圧回路部CT2の入力端子CT22と接続される。なお、出力端子CT14と入力端子CT22との間には、補助電力供給装置1の機能を損なわない限り、他の回路部、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
【0024】
定電圧回路部CT2の出力端子CT23は、伝送路を介して、放電電流検出回路部CT3の入力端子CT31と接続される。なお、出力端子CT23と入力端子CT31との間には、補助電力供給装置1の機能を損なわない限り、他の回路部、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
【0025】
また、定電圧回路部CT2の出力端子CT24は、伝送路を介して、放電電流検出回路部CT3の入力端子CT32と接続される。なお、出力端子CT24と入力端子CT32との間には、補助電力供給装置1の機能を損なわない限り、他の回路部、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
【0026】
放電電流検出回路部CT3の出力端子CT33は、伝送路を介して、遅延回路部CT4の入力端子CT41と接続される。なお、出力端子CT33と入力端子CT41との間には、補助電力供給装置1の機能を損なわない限り、他の回路部、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
【0027】
また、放電電流検出回路部CT3の出力端子CT34は、伝送路を介して、遅延回路部CT4の入力端子CT42と接続される。なお、出力端子CT34と入力端子CT42との間には、補助電力供給装置1の機能を損なわない限り、他の回路部、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
【0028】
また、放電電流検出回路部CT3の出力端子CT35は、伝送路を介して、遅延回路部CT4の入力端子CT43と接続される。なお、出力端子CT35と入力端子CT43との間には、補助電力供給装置1の機能を損なわない限り、他の回路部、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
【0029】
遅延回路部CT4の出力端子CT44は、伝送路を介して、スイッチ回路部CT5の入力端子CT51と接続される。なお、出力端子CT44と入力端子CT51との間には、補助電力供給装置1の機能を損なわない限り、他の回路部、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
【0030】
また、遅延回路部CT4の出力端子CT45は、伝送路を介して、スイッチ回路部CT5の入力端子CT52と接続される。なお、出力端子CT45と入力端子CT52との間には、補助電力供給装置1の機能を損なわない限り、他の回路部、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
【0031】
スイッチ回路部CT5の信号端子CT53は、伝送路を介して、補助電力供給装置1の信号端子T3と接続される。なお、信号端子CT53と信号端子T3との間には、補助電力供給装置1の機能を損なわない限り、他の回路部、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
【0032】
また、スイッチ回路部CT5の信号端子CT54は、伝送路を介して、補助電力供給装置1の信号端子T4と接続される。なお、信号端子CT54と信号端子T4との間には、補助電力供給装置1の機能を損なわない限り、他の回路部、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
【0033】
補助電力供給装置1の信号端子T3及び信号端子T4は、前述の外部装置EXと接続される端子である。外部装置EXは、例えば、表示機能を有する電源回路が内部に設けられている。図1に示した例では、外部装置EXは、抵抗素子EX1と、発光ダイオードEX2と、直流電圧源EX3を有する電源回路が内部に設けられている。抵抗素子EX1が有する2つの端子のうちの一方は、伝送路を介して、信号端子T3と接続される。抵抗素子EX1が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、発光ダイオードEX2のカソードと接続される。発光ダイオードEX2のアノードは、伝送路を介して、直流電圧源EX3の正極側の端子と接続される。直流電圧源EX3の負極側の端子は、伝送路を介して、信号端子T4と接続される。
【0034】
外部装置EXが補助電力供給装置1に接続される場合、補助電力供給装置1の信号端子T3及び信号端子T4には、上記のような電源回路が接続される。これにより、信号端子T3と信号端子T4との間には、当該電源回路より電圧が印加される。しかしながら、後述するように、スイッチ回路部CT5内における信号端子T3と信号端子T4との間を接続する伝送路上には、フォトトランジスタPTが備えられている。フォトトランジスタPTの状態は、電源装置PSへの電力の供給が遮断した場合、オフ状態となる。このため、当該伝送路の両端の電圧レベル、すなわち、信号端子T3と信号端子T4の間の電圧レベルは、電源装置PSへの電力の供給が遮断した場合、Hレベルとなる。その結果、外部装置EXの発光ダイオードEX2には、電流が流れない。すなわち、発光ダイオードEX2は、当該場合、発光しない(消灯する)。一方、フォトトランジスタPTの状態は、電源装置PSへの電力の供給が遮断していない場合、オン状態である。このため、当該伝送路の両端の電圧レベル、すなわち、信号端子T3と信号端子T4の間の電圧レベルは、電源装置PSへの電力の供給が遮断していない場合、Lレベルとなる。その結果、外部装置EXの発光ダイオードEX2には、電流が流れる。すなわち、発光ダイオードEX2は、当該場合、発光する。これにより、外部装置EXでは、電源装置PSへの電力の供給が遮断していない場合、発光ダイオードEX2が発光し、電源装置PSへの電力の供給が遮断した場合、発光ダイオードEX2が発光しない(消灯する)。これにより、外部装置EXは、電源装置PSへの電力の供給が遮断したことを通知することができる。換言すると、補助電力供給装置1は、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを、スイッチ回路部CT5のフォトトランジスタPTの状態の切り替えによって、より確実に所望のタイミングで通知することができる。外部装置EXは、例えば、マイコン等の情報処理装置であるが、これに限られるわけではない。なお、外部装置EXが有する表示機能は、例えば、このように発光ダイオードEX2によって実現される構成に代えて、他の回路素子、他の装置等によって実現される構成であってもよい。
【0035】
なお、補助電力供給装置1が遅延回路部CT4を備えない場合、放電電流検出回路部CT3は、出力端子CT35を有さない構成であってもよい。また、当該場合、放電電流検出回路部CT3の出力端子CT33は、スイッチ回路部CT5の入力端子CT51と接続される。また、当該場合、放電電流検出回路部CT3の出力端子CT34は、抵抗素子を介して、又は、抵抗素子を介さずに、スイッチ回路部CT5の入力端子CT52と接続される。
【0036】
また、スイッチ回路部CT5のフォトトランジスタPTは、電源装置PSへの電力の供給が遮断していない場合、オフ状態であり、電源装置PSへの電力の供給が遮断している場合、オン状態である構成であってもよい。
【0037】
<充放電回路部の回路構成>
以下、充放電回路部CT1の回路構成について説明する。
【0038】
充放電回路部CT1は、例えば、コンデンサC1と、抵抗素子R1と、ダイオードD1を備える。
【0039】
充放電回路部CT1の入力端子CT11は、伝送路を介して、コンデンサC1が有する2つの端子のうちの一方と、出力端子CT13とのそれぞれと接続される。コンデンサC1が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、抵抗素子R1が有する2つの端子のうちの一方と、ダイオードD1のカソードと、出力端子CT14とのそれぞれと接続される。抵抗素子R1が有する2つの端子のうちの他方と、ダイオードD1のアノードとのそれぞれは、伝送路を介して、充放電回路部CT1の入力端子CT12と接続される。すなわち、コンデンサC1と入力端子CT12との間には、ダイオードD1と抵抗素子R1とが並列に接続される。ただし、ダイオードD1は、コンデンサC1と入力端子CT12との間において、入力端子CT12からコンデンサC1に向かう方向に電流を通すように、抵抗素子R1と並列に接続される。換言すると、充放電回路部CT1において、ダイオードD1が電流を通す方向は、入力端子CT12からコンデンサC1に向かう方向である。更に換言すると、補助電力供給装置1において、ダイオードD1が電流を通す方向は、電源端子T2と接続される入力端子CT12からコンデンサC1に向かう方向である。なお、充放電回路部CT1は、充放電回路部CT1が有する機能のうち本実施形態において説明する機能を損なわない限り、コンデンサC1と抵抗素子R1とダイオードD1とに加えて、又は、コンデンサC1と抵抗素子R1とダイオードD1との一部又は全部に代えて、他の回路素子、他の装置等を備える構成であってもよい。
【0040】
<充放電回路部の動作>
以下、充放電回路部CT1の動作について説明する。充放電回路部CT1は、電源装置PSの状態に応じて、コンデンサC1の充電とコンデンサC1の放電との2つの動作を少なくとも行なう。
【0041】
ここで、電源装置PSに電力が供給されている場合、電源端子T1と電源端子T2との間には、前述の平滑用コンデンサSCから電圧が印加されている。なお、電源端子T1は、補助電力供給装置1が有する電源端子のうちの高電圧側の電源端子である。また、電源端子T2は、補助電力供給装置1が有する電源端子のうちの低電圧側の電源端子である。このため、当該状態では、充放電回路部CT1のコンデンサC1は、充電される。換言すると、コンデンサC1は、電源装置PSに電力が供給されることによって充電される。コンデンサC1が充電されている場合、抵抗素子R1には、コンデンサC1から入力端子CT12に向かって(すなわち、電源端子T2に向かって)充電電流が流れる。
【0042】
一方、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合において、コンデンサC1の電圧より平滑用コンデンサSCの電圧が低下すると、電源端子T1と電源端子T2との間には、コンデンサC1から電圧が印加される。そして、この場合、ダイオードD1の両端には、順方向の電圧が発生する。そして、ダイオードD1には、入力端子CT12からコンデンサC1に向かって電流が流れる。この電流は、コンデンサC1から放電された放電電流である。すなわち、コンデンサC1は、充放電回路部CT1が抵抗素子R1及びダイオードD1を備えるため、平滑用コンデンサSCの放電に応じて、平滑用コンデンサSCに放電電流を放電する。なお、当然ながら、コンデンサC1は、入力端子CT11が電源端子T1と接続され、且つ、入力端子CT12が電源端子T2と接続されている状態において、平滑用コンデンサSCの放電に応じて、平滑用コンデンサSCに放電電流を放電する。このようにコンデンサC1から放電された放電電流は、後述する放電電流検出回路部CT3により検出される。
【0043】
<定電圧回路部の回路構成>
以下、定電圧回路部CT2の回路構成について説明する。
【0044】
定電圧回路部CT2は、コンデンサC2と、抵抗素子R2と、抵抗素子R3と、抵抗素子R4と、ダイオードD2と、スイッチ素子S1と、ツェナーダイオードZD1と、ツェナーダイオードZD2を備える。
【0045】
なお、以下では、一例として、スイッチ素子S1がNチャネルの電界効果トランジスタである場合について説明する。なお、スイッチ素子S1は、Nチャネルの電界効果トランジスタに代えて、Pチャネルの電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、リレースイッチ等の他のスイッチ素子であってもよい。
【0046】
定電圧回路部CT2の入力端子CT21は、伝送路を介して、抵抗素子R2が有する2つの端子のうちの一方と、抵抗素子R3が有する2つの端子のうちの一方とのそれぞれと接続される。抵抗素子R2が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、ツェナーダイオードZD1のカソードと、スイッチ素子S1のゲート端子とのそれぞれと接続される。ツェナーダイオードZD1のアノードは、伝送路を介して、抵抗素子R4が有する2つの端子のうちの一方と、ツェナーダイオードZD2のカソードと、定電圧回路部CT2の出力端子CT23と、コンデンサC2が有する2つの端子のうち一方とのそれぞれと接続される。抵抗素子R4が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、スイッチ素子S1のソース端子と接続される。スイッチ素子S1のドレイン端子は、伝送路を介して、ダイオードD2のカソードと接続される。ダイオードD2のアノードは、伝送路を介して、抵抗素子R3が有する2つの端子のうちの他方と接続される。ツェナーダイオードZD2のアノードと、コンデンサC2が有する2つの端子のうちの他方とのそれぞれは、伝送路を介して、定電圧回路部CT2の入力端子CT22と、定電圧回路部CT2の出力端子CT24とのそれぞれと接続される。なお、定電圧回路部CT2は、定電圧回路部CT2が有する機能のうち本実施形態において説明する機能を損なわない限り、コンデンサC2と抵抗素子R2と抵抗素子R3と抵抗素子R4とダイオードD2とスイッチ素子S1とツェナーダイオードZD1とツェナーダイオードZD2とに加えて、又は、コンデンサC2と抵抗素子R2と抵抗素子R3と抵抗素子R4とダイオードD2とスイッチ素子S1とツェナーダイオードZD1とツェナーダイオードZD2とのうちの一部又は全部に代えて、他の回路素子、他の装置等を備える構成であってもよい。
【0047】
<定電圧回路部の動作>
以下、定電圧回路部CT2の動作について説明する。
【0048】
定電圧回路部CT2は、電源装置PSの平滑用コンデンサSCから印加された電圧、又は、コンデンサC1から印加された電圧に応じて、所定の大きさの定電流を流す。そして、ツェナーダイオードZD2により、出力端子CT23の電圧は、定電圧化される。定電圧回路部CT2の電流の大きさは、抵抗素子R4において発生する電圧(ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧からスイッチ素子S1のゲートソース間電圧を差し引いた電圧)によって決まる。定電圧回路部CT2の出力電圧は、放電電流検出回路部CT3を駆動するため、後述する遅延回路部CT4、スイッチ回路部CT5にも用いられる。
【0049】
<放電電流検出回路部の回路構成>
以下、放電電流検出回路部CT3の回路構成について説明する。
【0050】
放電電流検出回路部CT3は、抵抗素子R5と、抵抗素子R6と、ダイオードD3と、ダイオードD4と、ダイオードD5と、コンパレータCP1を備える。
【0051】
放電電流検出回路部CT3の入力端子CT31は、伝送路を介して、抵抗素子R5が有する2つの端子のうちの一方と、ダイオードD4のカソードと、コンパレータCP1の正極側の電源端子と、放電電流検出回路部CT3の出力端子CT33とのそれぞれと接続される。抵抗素子R5が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、ダイオードD3のアノードと、コンパレータCP1の反転入力端子とのそれぞれと接続される。ダイオードD3のカソードは、伝送路を介して、放電電流検出回路部CT3の入力端子CT32と、ダイオードD5のアノードと、コンパレータCP1の負極側の電源端子と、放電電流検出回路部CT3の出力端子CT35とのそれぞれと接続される。ダイオードD5のカソードは、伝送路を介して、ダイオードD4のアノードと、コンパレータCP1の非反転入力端子と、抵抗素子R6が有する2つの端子のうちの一方とのそれぞれと接続される。抵抗素子R6が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、補助電力供給装置1の電源端子T2と接続される。ただし、図1では、図が煩雑になるのを防ぐため、抵抗素子R6と電源端子T2との間を接続する伝送路は、省略されている。コンパレータCP1の出力端子は、伝送路を介して、放電電流検出回路部CT3の出力端子CT34と接続される。なお、放電電流検出回路部CT3は、放電電流検出回路部CT3が有する機能のうち本実施形態において説明する機能を損なわない限り、抵抗素子R5と抵抗素子R6とダイオードD3とダイオードD4とダイオードD5とコンパレータCP1とに加えて、又は、抵抗素子R5と抵抗素子R6とダイオードD3とダイオードD4とダイオードD5とコンパレータCP1とのうちの一部又は全部に代えて、他の回路素子、他の装置等を備える構成であってもよい。
【0052】
<放電電流検出回路部の動作>
以下、放電電流検出回路部CT3の動作について説明する。ここで、以下では、一例として、コンパレータCP1が、オープンコレクタ型のコンパレータである場合について説明する。なお、コンパレータCP1は、オープンコレクタ型のコンパレータに代えて、トーテムポール型のコンパレータであってもよい。
【0053】
放電電流検出回路部CT3は、前述した通り、充放電回路部CT1のコンデンサC1から放電される放電電流を検出する。
【0054】
具体的には、電源装置PSに電力が供給されている場合、コンパレータCP1の反転入力端子には、定電圧回路部CT2から出力される電圧が抵抗素子R5とダイオードD3との直列回路に印加されることにより、ダイオードD3に発生する順電圧が供給される。この電圧が、前述したコンパレータCP1の参照電圧である。また、当該場合、充放電回路部CT1のダイオードD1に順電圧が生じないため、コンパレータCP1の非反転入力端子には、0[V]の電圧が供給される。その結果、コンパレータCP1の出力端子の信号レベルは、Lレベルとなる。一方、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合も、コンパレータCP1の反転入力端子には、定電圧回路部CT2から出力される電圧が、抵抗素子R5とダイオードD3の直列回路に印加されることにより、ダイオードD3に発生する順電圧が供給される。しかしながら、当該場合、コンパレータCP1の非反転入力端子には、コンデンサC1から放電された放電電流に応じたダイオードD1の順電圧が供給される。このとき、コンパレータPC1の非反転入力端子に供給される電圧は、ダイオードD3に発生する順電圧よりも高くなる。これにより、当該場合、コンパレータCP1の出力端子の信号レベルは、Hレベルとなる。
【0055】
このように、放電電流検出回路部CT3は、コンデンサC1から放電電流が放電された場合、信号レベルがHレベルとなる。すなわち、放電電流検出回路部CT3は、ダイオードD3の順電圧とダイオードD1の順電圧の差を検出し、コンパレータCP1の出力信号レベルをLレベルからHレベルに反転させ、コンデンサC1から放電電流が放電されたことを検出する。
【0056】
<遅延回路部の回路構成>
以下、遅延回路部CT4の回路構成について説明する。
【0057】
遅延回路部CT4は、コンデンサC3と、抵抗素子R7と、抵抗素子R8と、抵抗素子R9と、抵抗素子R10と、抵抗素子R11と、抵抗素子R12と、コンパレータCP2を備える。
【0058】
遅延回路部CT4の入力端子CT41は、伝送路を介して、抵抗素子R8が有する2つの端子のうちの一方と、抵抗素子R10が有する2つの端子のうちの一方と、コンパレータCP2の正極側の電源端子と、遅延回路部CT4の出力端子CT44とのそれぞれと接続される。抵抗素子R8が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、抵抗素子R7が有する2つの端子のうちの一方と、抵抗素子R9が有する2つの端子のうちの一方と、コンデンサC3が有する2つの端子のうちの一方と、コンパレータCP2の非反転入力端子とのそれぞれと接続される。抵抗素子R7が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、遅延回路部CT4の入力端子CT42と接続される。抵抗素子R10が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、抵抗素子R11が有する2つの端子のうちの一方と、コンパレータCP2の反転入力端子とのそれぞれと接続される。抵抗素子R9が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、遅延回路部CT4の入力端子CT43と、コンデンサC3が有する2つの端子のうちの他方と、抵抗素子R11が有する2つの端子のうちの他方と、コンパレータCP2の負極側の電源端子とのそれぞれと接続される。コンパレータCP2の出力端子は、伝送路を介して、抵抗素子R12が有する2つの端子のうちの一方と接続される。抵抗素子R12が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、遅延回路部CT4の出力端子CT45と接続される。なお、遅延回路部CT4は、遅延回路部CT4が有する機能のうち本実施形態において説明する機能を損なわない限り、コンデンサC3と抵抗素子R7と抵抗素子R8と抵抗素子R9と抵抗素子R10と抵抗素子R11と抵抗素子R12とコンパレータCP2とに加えて、又は、コンデンサC3と抵抗素子R7と抵抗素子R8と抵抗素子R9と抵抗素子R10と抵抗素子R11と抵抗素子R12とコンパレータCP2とのうちの一部又は全部に代えて、他の回路素子、他の装置等を備える構成であってもよい。
【0059】
<遅延回路部の動作>
以下、遅延回路部CT4の動作について説明する。ここで、以下では、一例として、コンパレータCP2が、オープンコレクタ型のコンパレータである場合について説明する。なお、コンパレータCP2は、オープンコレクタ型のコンパレータに代えて、トーテムポール型のコンパレータであってもよい。
【0060】
遅延回路部CT4は、コンデンサC1から放電された放電電流が放電電流検出回路部CT3により検出された場合、予め決められた時間が経過した後、信号レベルがHレベルとなる。
【0061】
具体的には、電源装置PSに電力が供給されている場合、コンパレータCP2の反転入力端子には、出力端子CT23の出力電圧(ツェナーダイオードZD2の電圧)を抵抗素子R10と抵抗素子R11とにより分圧された電圧が供給される。この電圧は、コンパレータCP2の参照電圧である。また、当該場合、コンパレータCP2の非反転入力端子には、コンパレータCP1の出力端子のLレベルの信号が放電電流検出回路部CT3から遅延回路部CT4の入力端子CT42に供給されるため、当該信号に応じた大きさの電圧が供給される。ここで、当該電圧の大きさは、コンパレータCP2の反転入力端子に供給された電圧よりも低い電圧である。このため、コンパレータCP2の出力端子の信号レベルがLレベルとなる。一方、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合も、コンパレータCP2の反転入力端子には、ツェナーダイオードZD2の電圧を抵抗素子R10と抵抗素子R11とにより分圧された電圧が供給される。しかしながら、当該場合、コンパレータCP2の非反転入力端子には、抵抗素子R8と抵抗素子R9とにより分圧された電圧が反転入力端子の参照電圧を超えた時点で、コンパレータCP2の出力がLレベルからHレベルに反転する。これにより、当該場合、コンパレータCP2の出力端子の信号レベルがHレベルの信号となる。
【0062】
ここで、遅延回路部CT4は、前述した通り、コンデンサC3を備えている。このため、遅延回路部CT4は、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合において、コンパレータCP1の出力端子の信号レベルがHレベルとなり、遅延回路部CT4の出力をハイインピーダンスにする時間を、コンデンサC3の静電容量に応じた時間遅延させることができる。換言すると、遅延回路部CT4は、当該場合において、スイッチ回路部CT5のフォトトランジスタPTの状態が、オン状態(Lレベル)からオフ状態(Hレベル)に切り替わるのに要する時間を遅延させることができる。これにより、補助電力供給装置1は、例えば、電源装置PSの入力の瞬停を検出してしまうことを抑制することができる。
【0063】
<スイッチ回路部の回路構成>
以下、スイッチ回路部CT5の回路構成について説明する。
【0064】
スイッチ回路部CT5は、スイッチ素子S2を備える。
【0065】
なお、以下では、一例として、スイッチ素子S2がフォトカプラである場合について説明する。このため、図1では、スイッチ素子S2は、発光ダイオードD6と、前述のフォトトランジスタPTを備える。なお、スイッチ素子S2は、フォトカプラに代えて、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、リレースイッチ等の他のスイッチ素子であってもよい。この場合、これらのスイッチ素子は、フォトトランジスタPTの代わりとして機能する。
【0066】
スイッチ回路部CT5の入力端子CT51は、伝送路を介して、発光ダイオードD6のアノードと接続される。そして、発光ダイオードD6のカソードは、スイッチ回路部CT5の入力端子CT52と接続される。フォトトランジスタPTのベース端子は、発光ダイオードD6から放射される光を受光する。フォトトランジスタPTのコレクタ端子は、伝送路を介して、抵抗素子R13が有する2つの端子のうちの一方と接続される。抵抗素子R13が有する2つの端子のうちの他方は、スイッチ回路部CT5の信号端子CT53と接続される。フォトトランジスタPTのエミッタ端子は、伝送路を介して、スイッチ回路部CT5の信号端子CT54と接続される。なお、スイッチ回路部CT5は、スイッチ回路部CT5が有する機能のうち本実施形態において説明する機能を損なわない限り、スイッチ素子S2と抵抗素子R13とに加えて、又は、スイッチ素子S2と抵抗素子R13とのうちの一方又は両方に代えて、他の回路素子、他の装置等を備える構成であってもよい。
【0067】
<スイッチ回路部の動作>
以下、スイッチ回路部CT5の動作について説明する。
【0068】
ここで、図1に示した例では、補助電力供給装置1の信号端子T3と信号端子T4とは、外部装置EXに接続される。外部装置EX内に備えられた表示機能を有する電源回路は、前述した通り、補助電力供給装置1の信号端子T3及び信号端子T4に接続される。また、補助電力供給装置1の信号端子T3と信号端子T4の間には、外部装置EXから電圧が印加される。すなわち、信号端子T3及び信号端子T4との間には、当該電源回路により電圧が印加される。そして、電源装置PSへの電力の供給が遮断していない場合、フォトトランジスタPTの状態がオン状態であるため、スイッチ回路部CT5内において信号端子T3と信号端子T4との間が電気的に接続され、信号端子T3と信号端子T4の間の電圧レベルがLレベルになる。この場合、当該表示機能は、発光ダイオードEX2を発光させ、電源装置PSへの電力が供給されていることを示す。一方、電源装置PSへの電力の供給が遮断した場合、遅延回路部CT4の出力端子の信号レベルがHレベルとなり、発光ダイオードD6が発光しない。その結果、フォトトランジスタPTの状態がオフ状態となり、スイッチ回路部CT5内において信号端子T3と信号端子T4との間が電気的に切断され、信号端子T3と信号端子T4の間の電圧レベルがHレベルになる。この場合、当該表示機能は、発光ダイオードEX2を消灯させ、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを通知する。
【0069】
以上のように、補助電力供給装置1は、コンデンサC1から放電される放電電流に応じて、スイッチ回路部CT5が有するスイッチ素子(この一例において、フォトトランジスタPT)の状態を、オン状態からオフ状態に切り替える。これにより、補助電力供給装置1は、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合において、電源装置からの出力を所定の時間保持させることができるとともに、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを、より確実に所望のタイミングで通知することができる。
【0070】
<実施形態の変形例1>
以下、実施形態の変形例1について説明する。
【0071】
実施形態の変形例1では、定電圧回路部CT2のダイオードD2は、発光ダイオードである構成であってもよい。この場合、ダイオードD2は、コンデンサC1の電圧が予め決められた閾値以上である場合に点灯し、コンデンサC1の電圧が当該閾値未満である場合に消灯する。このため、ダイオードD2は、コンデンサC1の電圧が予め決められた閾値以上である場合の点灯を、コンデンサC1の電圧が当該閾値以上であることを示す情報として表示し、コンデンサC1の電圧が当該閾値未満である場合の消灯を、コンデンサC1の電圧が当該閾値未満であることを示す情報を表示する表示部として機能する。これにより、補助電力供給装置1は、コンデンサC1の電圧が高い状態において人が補助電力供給装置1に触れてしまうことを抑制することができる。
【0072】
なお、補助電力供給装置1は、発光ダイオードとしてのダイオードD2に代えて、コンデンサC1の電圧が予め決められた閾値以上である場合、コンデンサC1の電圧が当該閾値以上であることを示す情報を表示し、コンデンサC1の電圧が当該閾値未満である場合、コンデンサC1の電圧が当該閾値未満であることを示す情報を表示するディスプレイ等を、上記の表示部として備える構成であってもよい。
【0073】
<実施形態の変形例2>
以下、実施形態の変形例2について説明する。
【0074】
実施形態の変形例2では、補助電力供給装置1は、定電圧回路部CT2に代えて、定電圧回路部CT2Aを備える構成であってもよい。
【0075】
図2は、実施形態の変形例2に係る補助電力供給装置1の構成の一例を示す図である。
【0076】
図2に示したように、定電圧回路部CT2Aは、定電圧回路部CT2と同様に、入力端子CT21と、入力端子CT22と、出力端子CT23と、出力端子CT24との4つの端子を有する。また、定電圧回路部CT2Aは、コンデンサC2と、抵抗素子R2と、抵抗素子R3と、抵抗素子R4と、ダイオードD2と、スイッチ素子S1と、ツェナーダイオードZD1と、シャントレギュレータSHRと、抵抗素子R14と、抵抗素子R15を備える。
【0077】
定電圧回路部CT2Aの入力端子CT21は、伝送路を介して、抵抗素子R2が有する2つの端子のうちの一方と、抵抗素子R3が有する2つの端子のうちの一方とのそれぞれと接続される。抵抗素子R2が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、ツェナーダイオードZD1のカソードと、スイッチ素子S1のゲート端子とのそれぞれと接続される。ツェナーダイオードZD1のアノードは、伝送路を介して、抵抗素子R4が有する2つの端子のうちの一方と、シャントレギュレータSHRのカソード端子と、定電圧回路部CT2の出力端子CT23と、コンデンサC2が有する2つの端子のうち一方とのそれぞれと接続される。抵抗素子R4が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、スイッチ素子S1のソース端子と接続される。スイッチ素子S1のドレイン端子は、伝送路を介して、ダイオードD2のカソードと接続される。ダイオードD2のアノードは、伝送路を介して、抵抗素子R3が有する2つの端子のうちの他方と接続される。シャントレギュレータSHRのアノード端子と、コンデンサC2が有する2つの端子のうちの他方とのそれぞれは、伝送路を介して、定電圧回路部CT2の入力端子CT22と、定電圧回路部CT2の出力端子CT24と、抵抗素子R15が有する2つの端子のうちの一方とのそれぞれと接続される。また、シャントレギュレータSHRのカソード端子は、抵抗素子R14が有する2つの端子のうちの一方とも接続される。抵抗素子R14が有する2つの端子のうちの他方は、シャントレギュレータSHRのリファレンス端子と、抵抗素子R15が有する2つの端子のうちの他方とのそれぞれと接続される。なお、定電圧回路部CT2Aは、定電圧回路部CT2Aが有する機能のうち本実施形態において説明する機能を損なわない限り、コンデンサC2と抵抗素子R2と抵抗素子R3と抵抗素子R4とダイオードD2とスイッチ素子S1とツェナーダイオードZD1とシャントレギュレータSHRと抵抗素子R14と抵抗素子R15とに加えて、又は、コンデンサC2と抵抗素子R2と抵抗素子R3と抵抗素子R4とダイオードD2とスイッチ素子S1とツェナーダイオードZD1とシャントレギュレータSHRと抵抗素子R14と抵抗素子R15とのうちの一部又は全部に代えて、他の回路素子、他の装置等を備える構成であってもよい。
【0078】
定電圧回路部CT2Aは、電源装置PSの平滑用コンデンサSCから印加された電圧、又は、コンデンサC1から印加された電圧に応じて、所定の大きさの定電流を流す。そして、シャントレギュレータSHRと抵抗素子R14と抵抗素子R15により、出力端子CT23の電圧は、定電圧化される。その結果、出力端子CT23の電圧は、コンデンサC2によって更に安定する。定電圧回路部CT2Aの電流の大きさは、抵抗素子R4において発生する電圧(ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧からスイッチ素子S1のゲートソース間電圧を差し引いた電圧)によって決まる。定電圧回路部CT2の出力電圧は、放電電流検出回路部CT3を駆動するため、更に後述する遅延回路部CT4、スイッチ回路部CT5にも用いられる。定電圧回路部CT2Aから出力される電圧は、放電電流検出回路部CT3のコンパレータCP1の参照電圧を生成するために用いられる電圧である。このため、放電電流検出回路部CT3は、補助電力供給装置1が定電圧回路部CT2に代えて定電圧回路部CT2Aを備える場合であっても、コンデンサC1から放電された放電電流を検出することができる。その結果、補助電力供給装置1は、定電圧回路部CT2に代えて、定電圧回路部CT2Aを備える場合であっても、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合において、電源装置PSからの出力を所定の時間保持させることができるとともに、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを、より確実に所望のタイミングで通知することができる。
【0079】
<実施形態の変形例3>
以下、実施形態の変形例3について説明する。
【0080】
実施形態の変形例3では、補助電力供給装置1は、コンデンサC4を備える構成であってもよい。
【0081】
図3は、実施形態の変形例3に係る補助電力供給装置1の構成の一例を示す図である。
【0082】
図3に示したように、実施形態の変形例3に係る補助電力供給装置1は、電源端子T1と電源端子T2との間において、充放電回路部CT1と並列に接続され、充放電回路部CT1よりも前段に位置するコンデンサC4を更に備える。
【0083】
コンデンサC4は、補助電力供給装置1が電源装置PSと接続されている場合、電源装置PSの平滑用コンデンサSCとともに、電源装置PSの1次側において整流された後の電圧の平滑を行なう。つまり、図3に示した補助電力供給装置1は、電源装置PSの1次側における電圧の平滑の補助も行なうことができる。
【0084】
また、電源装置PSは、小型化される傾向にあり、補助電力供給装置1を接続する端子を設けるスペースがないことも少なくない。このような場合、電源装置PSから平滑用コンデンサSCを取り外して当該端子を設けることができる。しかし、これでは、電源装置PSが動作しなくなってしまう。このような場合、図3に示した補助電力供給装置1は、コンデンサC4が平滑用コンデンサSCの代わりとして動作するため、電源装置PSの小型化と、補助電力供給装置1の取り付けとを両立させることができる。なお、このような場合において、補助電力供給装置1は、電源装置PSと一体に構成されてもよく、電源装置PSと別体に構成されてもよい。
【0085】
<補助電力供給装置が接続される対象となる電源装置の具体例>
以下、前述した補助電力供給装置1が接続される対象となる電源装置PSの具体例について説明する。
【0086】
図4は、補助電力供給装置1が接続される対象となる電源装置PSの構成の一例を示す図である。図4に示した電源装置PSは、負荷として医療機器MDが接続される電源装置である。医療機器MDは、電源装置PSが出力する直流電圧Voに基づいて動作する医療機器であり、例えば、治療機器、診断機器、分析機器等であるが、これらに限られるわけではない。なお、治療機器は、例えば、低周波治療器、電気治療器等のことである。また、診断機器は、例えば、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)等のことである。分析機器は、例えば、電気滴定装置、X線回折装置等のことである。
【0087】
電源装置PSは、電源端子PS1と、電源端子PS2と、フレームグランド端子PS3と、出力端子PS4と、出力端子PS5と、接続端子PS6と、接続端子PS7との7つの端子を有する。例えば、電源端子PS1及び電源端子PS2には、商用電源が接続され、商用電源から交流電圧Vxが供給される。また、例えば、フレームグランド端子PS3は、グランドに接地される。また、例えば、出力端子PS4及び出力端子PS5には、前述の医療機器MDの電源端子が接続される。すなわち、電源装置PSは、出力端子PS4及び出力端子PS5から医療機器MDの電源端子に直流電圧Voを供給する。また、例えば、接続端子PS6及び接続端子PS7には、補助電力供給装置1が接続される。より具体的には、接続端子PS6には、補助電力供給装置1の電源端子T1が接続される。一方、接続端子PS7には、補助電力供給装置1の電源端子T2が接続される。
【0088】
ここで、図4に示した電源装置PSは、例えば、ヒューズ部HSと、整流平滑回路部RSと、スイッチング回路部SWと、トランスTRと、整流回路部RFと、平滑回路部SMを備える。また、電源装置PSは、電源端子PS1と接続される入力伝送路Lと、電源端子PS2と接続される入力伝送路Nを備える。
【0089】
ヒューズ部HSは、電源装置PSが医療機器MDに接続される電源装置として満たすべき医療用規格を満たすために電源装置PSに備えられる。ヒューズ部HSは、電源端子PS1と整流平滑回路部RSとの間を接続する入力伝送路L上に設けられるヒューズと、電源端子PS2と整流平滑回路部RSとの間を接続する入力伝送路N上に設けられるヒューズとを有する。なお、電源装置PSは、これら2つのヒューズのうちのいずれか一方又は両方に代えて、ブレーカを備える構成であってもよい。
【0090】
整流平滑回路部RSは、ヒューズ部HSを介して電源端子PS1と接続された入力伝送路Lと、ヒューズ部HSを介して電源端子PS2と接続された入力伝送路Nとの2つの伝送路から供給される交流電圧Vxを整流した脈流電圧を生成し、生成した脈流電圧を平滑化して直流電圧Vinを出力する。このため、整流平滑回路部RSは、整流した後の脈流電圧を平滑化するための電圧を供給する平滑用コンデンサSCを備える。ここで、平滑用コンデンサSCが有する2つの端子のうちの一方は、入力伝送路Lと接続されている。また、平滑用コンデンサSCが有する2つの端子のうちの他方は、入力伝送路Nと接続されている。ただし、図4では、図が煩雑になるのを防ぐため、平滑用コンデンサSCと、入力伝送路L及び入力伝送路Nのそれぞれとを接続する伝送路については、省略している。このように、整流平滑回路部RSは、入力伝送路L及び入力伝送路Nを介して、整流平滑回路部RSの前段に備えられたヒューズ部HSと接続される。また、整流平滑回路部RSは、入力伝送路Lを介して、整流平滑回路部RSの後段に備えられた接続端子PS6と接続される。整流平滑回路部RSは、入力伝送路Nを介して、整流平滑回路部RSの後段に備えられた接続端子PS7と接続される。このため、整流平滑回路部RSは、平滑化した後の直流電圧Vinを、接続端子PS6と接続端子PS7との間に印加する。なお、整流平滑回路部RSは、力率改善回路(PFC(Power Factor Correction)回路)を更に備える構成であってもよい。
【0091】
また、接続端子PS6は、入力伝送路Lを介して、スイッチング回路部SWが有する2つの入力端子のうちの一方と接続される。接続端子PS7は、入力伝送路Lを介して、スイッチング回路部SWが有する2つの入力端子のうちの他方と接続される。このため、整流平滑回路部RSから出力された直流電圧Vinは、スイッチング回路部SWに供給される。スイッチング回路部SWは、例えば、ブリッジ接続された複数のスイッチ素子を備え、整流平滑回路部RSから供給される直流電圧に基づいて、制御部CTRにより制御されるこれら複数のスイッチ素子の動作によって生成される交流電圧をトランスTRの1次側の巻線に出力する。このため、スイッチング回路部SWは、当該巻線が有する2つの端子のうちの一方と入力伝送路Lを介して接続されるとともに、当該巻線が有する2つの端子のうちの他方と入力伝送路Nを介して接続される。
【0092】
トランスTRは、強化絶縁されたトランスである。トランスTRが強化絶縁されている理由も、前述の医療用規格を電源装置PSが満たすためである。そして、トランスTRの2次側の巻線は、伝送路を介して整流回路部RFと接続され、交流電圧を整流回路部RFに供給する。
【0093】
整流回路部RFは、トランスTRから供給された交流電圧を整流して脈流電圧を生成し、生成した脈流電圧を、伝送路を介して平滑回路部SMに供給する。
【0094】
平滑回路部SMは、整流回路部RFから供給された脈流電圧を平滑化して直流電圧を生成し、生成した直流電圧Voを、出力端子PS4と出力端子PS5との間に印加する。
【0095】
電流検出回路部DCは、接続端子PS7とスイッチング回路部SWとの間を接続する入力伝送路Nに流れる電流を検出する。そして、電流検出回路部DCは、検出した電流の大きさに応じた信号を、制御部CTRに出力する。
【0096】
制御部CTRは、例えば、マイコンである。制御部CTRは、電流検出回路部DCから取得した信号に応じて、スイッチング回路部SWの駆動周波数におけるDutyを制御(例えば、PWM制御:Pulse Width Modulation Control)し、スイッチ素子をスイッチングする。なお、図4では、図が煩雑になるのを防ぐため、制御部CTRとスイッチング回路部SWとを接続する伝送路については、省略している。
【0097】
このように、医療機器MDが負荷として接続される電源装置PSは、入力伝送路L及び入力伝送路Nのそれぞれに、ヒューズ部HSが有するヒューズ(又はブレーカ)が設けられている。そして、実施形態、実施形態の変形例1、実施形態の変形例2、実施形態の変形例3のそれぞれに係る補助電力供給装置1は、例えば、このような電源装置PSと接続される。この場合、補助電力供給装置1、電源装置PS、医療機器MDのそれぞれは、1つの医療システムを構成する。この医療システムは、電源装置PSがヒューズ部HSを備えるとともに、トランスTRが強化絶縁されているため、医療用規格を取得可能な構成を実現することができる。そして、この医療システムは、補助電力供給装置1を備えるため、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合において、電源装置PSからの出力を所定の時間保持させることができるとともに、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを、より確実に所望のタイミングで通知することができる。
【0098】
なお、医療機器MDは、直流電圧Voを、バックアップ用の二次電池に充電する機能を有するものも少なくない。このため、電源装置PSは、医療機器MDからの逆電流の発生を検出可能であり、医療機器MDからの逆電流の発生を検出した場合、動作を停止する構成であってもよい。
【0099】
ここで、図4に示した電源装置PSは、内部にヒューズ部HSを備えていた。しかしながら、電源装置PSは、図5に示すように、外部にヒューズ部HSを備える構成であってもよい。すなわち、ヒューズ部HSは、電源装置PSと別体であり、電源装置PSと図示しない商用電源との間に接続される構成であってもよい。この場合、医療システムは、補助電力供給装置1と、電源装置PSと、医療機器MDと、ヒューズ部HSを備える。図5は、補助電力供給装置1が接続される対象となる電源装置PSの構成の他の例を示す図である。
【0100】
図5に示したように、電源装置PSの外部にヒューズ部HSが備えられる場合、ヒューズ部HSが有する2つのヒューズのうちの一方は、図示しない商用電源と電源端子PS1との間を接続する伝送路上に設けられる。また、電源装置PSの外部にヒューズ部HSが備えられる場合、ヒューズ部HSが有する2つのヒューズのうちの他方は、図示しない商用電源と電源端子PS2との間を接続する伝送路上に設けられる。
【0101】
また、電源装置PSは、図6に示すように、ヒューズ部HSが有する2つのヒューズのうちの一方を内部に備え、ヒューズ部HSが有する2つのヒューズのうちの他方を外部に備える構成であってもよい。図6は、補助電力供給装置1が接続される対象となる電源装置PSの構成の更に他の例を示す図である。
【0102】
図6に示したように、電源装置PSは、図示しない商用電源と電源端子PS1との間を接続する伝送路上に第1ヒューズ部HS1が設けられるとともに、電源端子PS2と整流平滑回路部RSとの間を接続する入力伝送路N上に第2ヒューズ部HS2が設けられる構成であってもよい。
【0103】
ここで、第1ヒューズ部HS1は、図示しない商用電源と電源端子PS1との間を接続する伝送路上に設けられるヒューズを備える。また、第2ヒューズ部HS2は、電源端子PS2と整流平滑回路部RSとの間を接続する入力伝送路N上に設けられるヒューズを備える。
【0104】
<実施形態の変形例4>
以下、実施形態の変形例4について説明する。
【0105】
実施形態の変形例4では、補助電力供給装置1は、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合、フォトトランジスタPTの状態をオン状態に切り替える構成であってもよい。
【0106】
図7は、実施形態の変形例4に係る補助電力供給装置1の構成の一例を示す図である。
【0107】
図7に示したように、実施形態の変形例4に係る補助電力供給装置1では、遅延回路部CT4の抵抗素子R7、抵抗素子R8、抵抗素子R9、コンデンサC3のそれぞれは、コンパレータCP2の非反転入力端子と接続される構成に代えて、伝送路を介して、コンパレータCP2の反転入力端子と接続される。この場合、遅延回路部CT4の抵抗素子R10、抵抗素子R11のそれぞれは、コンパレータCP2の反転入力端子と接続される構成に代えて、コンパレータCP2の非反転入力端子と接続される。これにより、電源装置PSに電力が供給されている場合、コンパレータCP2の出力端子の信号レベルは、Hレベルとなる。その結果、フォトトランジスタPTの状態は、当該場合、オフ状態となる。一方、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合、コンパレータCP2の出力は、HレベルからLレベルに反転する。その結果、フォトトランジスタPTの状態は、当該場合、オン状態となる。
【0108】
従って、実施形態の変形例4に係る補助電力供給装置1と接続される外部装置EXは、電源装置PSに電力が供給されている場合、発光ダイオードEX2を消灯させる。一方、外部装置EXは、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合、発光ダイオードEX2を発光させ、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを通知する。このように、当該補助電力供給装置1は、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合において、フォトトランジスタPTの状態をオン状態に切り替える構成であっても、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合において、電源装置PSからの出力を所定の時間保持させることができるとともに、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを、より確実に所望のタイミングで通知することができる。
【0109】
<実施形態の変形例5>
以下、実施形態の変形例5について説明する。
【0110】
図8は、実施形態の変形例5に係る補助電力供給装置1の構成の一例を示す図である。
【0111】
図8に示したように、実施形態の変形例5に係る外部装置EXでは、抵抗素子EX1が有する2つの端子のうちの一方と、発光ダイオードEX2のアノードとのそれぞれは、伝送路を介して、信号端子T3と接続される。抵抗素子EX1が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、直流電圧源EX3の正極側の端子とのそれぞれと接続される。発光ダイオードEX2のカソードは、伝送路を介して、直流電圧源EX3の負極側の端子と、信号端子T4とのそれぞれと接続される。すなわち、当該外部装置EXでは、信号端子T3と信号端子T4との間において、発光ダイオードEX2と、抵抗素子EX1及び直流電圧源EX3の組み合わせとが並列に接続される。
【0112】
従って、実施形態の変形例5に係る補助電力供給装置1と接続される外部装置EXは、電源装置PSに電力が供給されている場合、発光ダイオードEX2を消灯させる。一方、外部装置EXは、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合、発光ダイオードEX2を発光させ、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを通知する。このように、当該補助電力供給装置1は、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合において、電源装置PSからの出力を所定の時間保持させることができるとともに、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを、より確実に所望のタイミングで通知することができる。
【0113】
なお、実施形態の変形例5と実施形態の変形例4とを組み合わせた場合、補助電力供給装置1と接続される外部装置EXは、電源装置PSに電力が供給されている場合、発光ダイオードEX2を発光させる。この場合、外部装置EXは、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合、発光ダイオードEX2を消灯させる。この場合であっても、補助電力供給装置1は、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合において、電源装置PSからの出力を所定の時間保持させることができるとともに、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを、より確実に所望のタイミングで通知することができる。
【0114】
<実施形態の変形例6>
以下、実施形態の変形例6について説明する。
【0115】
実施形態の変形例6に係る補助電力供給装置1は、フォトトランジスタPTの状態がオフ状態である場合、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを示す第1信号を出力する構成であってもよい。この場合、外部装置EXは、上記において説明したような電源回路を有さず、第1信号を取得した場合、取得した第1信号に応じて、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを、光、音、振動等によって通知する。
【0116】
図9は、実施形態の変形例6に係る補助電力供給装置1の構成の一例を示す図である。
【0117】
図9に示したように、実施形態の変形例6に係る補助電力供給装置1では、スイッチ回路部CT5のフォトトランジスタPTのコレクタ端子と信号端子T3との間を接続する伝送路には、他の伝送路を介して、抵抗素子R16が有する2つの端子のうちの一方が接続される。抵抗素子R16が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、内部電圧源P1の正極側の端子と接続される。内部電圧源P1は、例えば、電池であるが、他の直流電圧源であってもよい。内部電圧源P1の負極側の端子は、伝送路を介して、端子T5と接続される。端子T5が伝送路を介して接続される回路は、如何なる回路であってもよい。このため、図9では、端子T5が伝送路を介して接続される回路については、省略されている。ただし、端子T5の電圧は、所定の方法により、信号端子T4の電位と同じ電位にされている。所定の方法は、端子T5の電位を信号端子T4の電位と同じ電位にすることができる方法であれば、如何なる方法であってもよい。図9では、信号端子T4の電位と端子T5の電位とのそれぞれを電位VT4によって示している。
【0118】
以上のような構成により、実施形態の変形例6に係る補助電力供給装置1は、フォトトランジスタPTの状態がオフ状態である場合、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを示す第1信号を出力することができる。これにより、補助電力供給装置1は、電源装置PSへの電力の供給が遮断された場合において、電源装置PSからの出力を所定の時間保持させることができるとともに、電源装置PSへの電力の供給が遮断されたことを、第1信号の出力によって所望のタイミングで通知することができる。
【0119】
なお、上記において説明した実施形態及び実施形態の各変形例のそれぞれは、如何様に組み合わされてもよい。
【0120】
以上のように、実施形態に係る補助電力供給装置(上記において説明した例では、補助電力供給装置1)は、1次側の平滑用コンデンサ(上記において説明した例では、平滑用コンデンサSC)を備える電源装置(上記において説明した例では、電源装置PS)の平滑用コンデンサの両端子に接続される補助電力供給装置であって、平滑用コンデンサの両端子のうちの第1平滑用コンデンサ端子と接続される第1電源端子(上記において説明した例では、電源端子T1)と、平滑用コンデンサの両端子のうちの第2平滑用コンデンサ端子と接続される第2電源端子(上記において説明した例では、電源端子T2)と、第1電源端子と第2電源端子との間に接続され、電源装置に電力が供給されることによって充電され、平滑用コンデンサの放電に応じて放電電流を放電する第1コンデンサ(上記において説明した例では、コンデンサC1)と、第1コンデンサから放電される放電電流に応じて、状態をオン状態又はオフ状態に切り替えるスイッチ素子を有するスイッチ回路部(上記において説明した例では、スイッチ回路部CT5)と、を備える。これにより、補助電力供給装置は、電源装置への電力の供給が遮断された場合において、電源装置からの出力を所定の時間保持させることができるとともに、電源装置への電力の供給が遮断されたことを、より確実に所望のタイミングで通知することができる。
【0121】
また、補助電力供給装置では、スイッチ回路部は、外部装置を接続可能な2つの接続端子(上記において説明した例では、信号端子T3、信号端子T4)を有し、スイッチ素子は、オン状態である場合、スイッチ回路部内において2つの接続端子の間を電気的に接続し、オフ状態である場合、スイッチ回路部内において2つの接続端子の間を電気的に切断する、構成が用いられてもよい。
【0122】
また、補助電力供給装置は、スイッチ回路部は、スイッチ素子がオン状態又はオフ状態である場合に、電源装置への電力の供給が遮断されたことを示す第1信号を出力する、構成が用いられてもよい。
【0123】
また、補助電力供給装置では、第1コンデンサは、第1平滑用コンデンサ端子と第1電源端子とが接続され、第2平滑用コンデンサ端子と第2電源端子とが接続されている場合、平滑用コンデンサの放電に応じて、放電電流を放電する、構成が用いられてもよい。
【0124】
また、補助電力供給装置は、第1コンデンサを備える充放電回路部(上記において説明した例では、充放電回路部CT1)と、予め決められた大きさの電圧を出力する定電圧回路部(上記において説明した例では、定電圧回路部CT2、定電圧回路部CT2A)と、定電圧回路部から出力される電圧に基づいて、第1コンデンサから放電電流が放電されたことを検出する放電電流検出回路部(上記において説明した例では、放電電流検出回路部CT3)と、を備え、充放電回路部は、第1コンデンサが有する2つの端子のうちの第11コンデンサ端子と第2電源端子との間に接続される第1抵抗素子(上記において説明した例では、抵抗素子R1)と、第11コンデンサ端子と第2電源端子との間において第1抵抗素子と並列に接続されるダイオード(上記において説明した例では、ダイオードD1)と、を更に備え、ダイオードが電流を通す方向は、第2電源端子から第1コンデンサに向かう方向であり、スイッチ素子は、第1コンデンサから放電された放電電流が放電電流検出回路部により検出された場合、状態をオン状態又はオフ状態に切り替える、構成が用いられてもよい。
【0125】
また、補助電力供給装置では、定電圧回路部は、ツェナーダイオード(上記において説明した例では、ツェナーダイオードZD2)と、ツェナーダイオードと並列に接続された定電圧生成用コンデンサ(上記において説明した例では、コンデンサC2)とを備える、構成が用いられてもよい。
【0126】
また、補助電力供給装置では、定電圧回路部は、シャントレギュレータ(上記において説明した例では、シャントレギュレータSHR)と、シャントレギュレータに接続された2つの抵抗素子(上記において説明した例では、抵抗素子R14及び抵抗素子R15)とシャントレギュレータに並列に接続された定電圧生成用コンデンサとを備える、構成が用いられてもよい。
【0127】
また、補助電力供給装置は、1以上の第2抵抗素子(上記において説明した例では、抵抗素子R8~抵抗素子R12)と、1以上の第2コンデンサ(上記において説明した例では、コンデンサC3)とを備え、前記第1コンデンサから放電された放電電流が前記放電電流検出回路部により検出された場合、前記スイッチ回路部において前記スイッチ素子が状態をオン状態又はオフ状態に切り替えるのに要する時間を遅延させる遅延回路部(上記において説明した例では、遅延回路部CT4)を更に備える、構成が用いられてもよい。
【0128】
また、補助電力供給装置は、第1電源端子と前記第2電源端子との間に接続され、前記充放電回路部よりも前段に位置する第3コンデンサ(上記において説明した例では、コンデンサC4)を更に備える、構成が用いられてもよい。
【0129】
また、補助電力供給装置は、第1コンデンサの電圧が予め決められた閾値以上である場合、第1コンデンサの電圧が閾値以上であることを示す情報を表示し、第1コンデンサの電圧が閾値未満である場合、第1コンデンサの電圧が閾値未満であることを示す情報を表示する表示部(上記において説明した例では、発光ダイオードとしてのダイオードD2)を備える、構成が用いられてもよい。
【0130】
また、実施形態に係る電源装置は、上記に記載の補助電力供給装置を備える電源装置である。これにより、電源装置は、電源装置への電力の供給が遮断された場合において、電源装置からの出力を所定の時間保持させることができるとともに、電源装置への電力の供給が遮断されたことを、より確実に所望のタイミングで通知することができる。
【0131】
また、実施形態に係る電源装置は、電源装置であって、1次側の平滑用コンデンサと、平滑用コンデンサの両端子のうちの第1平滑用コンデンサ端子と接続される第1電源端子と、平滑用コンデンサの両端子のうちの第2平滑用コンデンサ端子と接続される第2電源端子と、第1電源端子と第2電源端子との間に接続され、電源装置に電力が供給されることによって充電され、平滑用コンデンサの放電に応じて放電電流を放電する第1コンデンサと、第1コンデンサから放電される放電電流に応じて、状態をオン状態又はオフ状態に切り替えるスイッチ素子を有するスイッチ回路部と、を備える。これにより、電源装置は、電源装置への電力の供給が遮断された場合において、電源装置からの出力を所定の時間保持させることができるとともに、電源装置への電力の供給が遮断されたことを、より確実に所望のタイミングで通知することができる。
【0132】
また、実施形態に係る医療システムは、上記に記載の補助電力供給装置と、電源装置と、電源装置に負荷として接続された医療機器(上記において説明した例では、医療機器MD)と、を備える。これにより、医療システムは、電源装置への電力の供給が遮断された場合において、電源装置からの出力を所定の時間保持させることができるとともに、電源装置への電力の供給が遮断されたことを、より確実に所望のタイミングで通知することができる。
【0133】
また、医療システムでは、電源装置は、電源装置の1次側の2つの入力伝送路のうちの少なくとも一方に設けられるヒューズ又はブレーカを備える、構成が用いられてもよい。
【0134】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【符号の説明】
【0135】
1…補助電力供給装置、C1、C2、C3、C4…コンデンサ、CP1、CP2…コンパレータ、CT1…充放電回路部、CT2、CT2A…定電圧回路部、CT3…放電電流検出回路部、CT4…遅延回路部、CT5…スイッチ回路部、CTR…制御部、D1、D2、D3、D4、D5…ダイオード、D6…発光ダイオード、DC…電流検出回路部、EX…外部装置、EX1…抵抗素子、EX2…発光ダイオード、EX3…直流電圧源、HS…ヒューズ部、HS1…第1ヒューズ部、HS2…第2ヒューズ部、L…入力伝送路、MD…医療機器、N…入力伝送路、P1…内部電圧源、PS…電源装置、PT…フォトトランジスタ、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R14、R15、R16…抵抗素子、RF…整流回路部、RS…整流平滑回路部、S1、S2…スイッチ素子、SC…平滑用コンデンサ、SM…平滑回路部、SW…スイッチング回路部、T1…電源端子、T2…電源端子、T3…信号端子、T4…信号端子、T5…端子、TR…トランス、ZD1…ツェナーダイオード、ZD2…ツェナーダイオード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9