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特許7522657光モジュールを有する台座を備えた観察光学器械
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】光モジュールを有する台座を備えた観察光学器械
(51)【国際特許分類】
   F41G 1/387 20060101AFI20240718BHJP
   G02B 23/00 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
F41G1/387
G02B23/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020550622
(86)(22)【出願日】2019-03-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 US2019023182
(87)【国際公開番号】W WO2019183230
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】62/645,584
(32)【優先日】2018-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520168099
【氏名又は名称】シェルタード ウィングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン デイヴィッド エム
【審査官】大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-508522(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0276346(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0138698(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41G 1/387
G02B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察光学器械であって、(a)本体を有し、(b)前記本体の第1の端部に結合されていて、外界シーンからの標的像をピント合わせする対物レンズ系を有し、(c)前記本体の第2の端部に結合されたオキュラー系を有し、前記本体、前記対物レンズ系および前記オキュラー系は、第1のレティクルを有する第1の焦点面及び第2のレティクルを有する第2の焦点面を定めるよう構成され、(d)前記本体の底部分に結合されかつ前記第1の焦点面レティクルのところに光を差し向けるための第1の光モジュール及び前記第2の焦点面レティクルのところに光を差し向けるための第2の光モジュールを備えた台座を有する、観察光学器械。
【請求項2】
前記台座の一端部は、前記本体の倍率調整リングの近くに取り付けられ、前記台座の他端部は、前記本体の前記対物レンズ系の近くに取り付けられている、請求項1記載の観察光学器械。
【請求項3】
前記台座は、前記本体の長さの40%~65%である、請求項1記載の観察光学器械。
【請求項4】
前記台座は、電源をさらに有する、請求項1記載の観察光学器械。
【請求項5】
前記第1の光モジュールの一部分は、前記第1の焦点面レティクルの外周部に取り付けられている、請求項1記載の観察光学器械。
【請求項6】
前記第1の光モジュールの一部分は、前記第1のレティクルの外周部に前記第1のレティクルの3時の位置から6時の位置まで取り付けられている、請求項1記載の観察光学器械。
【請求項7】
前記第1の光モジュールの一部分は、前記第1の焦点面レティクルの外周部に前記第1のレティクルの6時の位置で取り付けられている、請求項1記載の観察光学器械。
【請求項8】
観察光学器械であって、外界シーンを観察するための第1の焦点面レティクル及び第2の焦点面レティクルを備えた光学系を備えた本体と、前記本体の底部分に結合する台座とを有し、前記台座は、光を前記第1の焦点面レティクル上に施された回折パターンに差し向けるための第1の光モジュール及び光を前記第2の焦点面レティクル上に施された回折パターンに差し向けるための第2の光モジュールを有する、観察光学器械。
【請求項9】
前記光モジュールの一部分は、前記レティクルの外周部に前記レティクルの3時の位置から6時の位置まで取り付けられている、請求項8記載の観察光学器械。
【請求項10】
前記光モジュールの一部分は、前記レティクルの外周部に前記レティクルの6時の位置で取り付けられている、請求項8記載の観察光学器械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、本体および本体に結合された台座を有する観察光学器械に関する。さらに別の実施形態では、台座は、レティクル用の光モジュールを有する。
【0002】
〔関連出願の参照〕
本願は、2018年3月20日に出願された米国特許仮出願第62/645,584号の優先権主張出願であるとともにその非仮出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
ライフルスコープは、1世紀を遥かに超えて用いられており、これらデバイスの品質および特徴は、長年にわたって大幅に改善しており、これらの設計、製造および使用で用いられる主要コンポーネント(およびこれらコンポーネントの制約)は、依然として、今日でもこれらの100年前の状態とほとんど同じである。ライフルスコープは、照準特徴部またはレティクルと一致する焦点面上に射手から距離を置いたところに位置するシーンの拡大または非拡大像を生じさせる。レティクルは、ガラス表面上にパターンをなして付けられたワイヤまたは物質から成り、これは、これが取り付けられているライフルの軌道に対応した照準基準として用いられる。レティクルは、射手が距離判断を行って互いに異なる距離での弾丸の逸れを補償するのを助けるために設けられた特定の特徴部をさらに有する場合がある。
【0004】
当業界における1つの課題は、接近射撃から中距離射撃に使用できるライフルスコープの設計にある。この性状のスコープは、最も低い設定値で1×の倍率の需要があり、そして最も高い倍率では6×、8×、またはそれどころか10×の需要がある。
【0005】
射手の頭が軸外れ状態に動いたときにレティクルが薄暗くならないで第1焦点面(First Focal Plane:FFP)日中ブライトレティクルであるライフルスコープは、実現するのが特に困難である。市場に出ているある特定のライフルスコープは、1-6×倍率、FFP、および昼光ブライトレティクルを有するが、レティクルは、ユーザの頭が軸外れ状態に動くと、薄暗くなる。
【0006】
最近になって、ユーザが自分の頭を軸外れ状態に動かしたときでもレティクルがほとんど薄暗くならない状態から全く薄暗くならない状態の1-8×倍率、FFP、および昼光ブライトレティクル付きの新型ライフルスコープが市場に投入された。しかしながら、これらのライフルに関する問題は、これらライフルがこれを達成するのにこれらのフィールドオブビュー(Field of View :FOV)を大幅に減少させたことにある。
【0007】
IMTは、「パワーライト(powerlight)」と呼ばれるレティクルを製造し、このレティクルは、強め合う干渉を引き起こし、したがってレティクルパターンから外れた光を方向づけてその輝度を高めるパターンをなして光を反射する回折格子プロセスがレティクル上で行われるために昼光ブライトFFPレティクルの問題を解決している。この回折格子プロセスは、マイクロプロセッサ製造業界で見受けられることが多いフォトリソグラフィ技術を用いて作られる。システムを完成するため、IMTは、レティクルの側部に取り付けられた光モジュールシステムまたは特別な光学器械パッケージを用いてレティクル上の回折パターンに光を差し向ける。光モジュールシステムと光学器械システムは、本開示全体を通じて区別なく用いられる。この光学器械パッケージは、かなり大型であって値段が異常に高いスコープチューブ内に場所を取る。
【0008】
FFPレティクル設計であるライフルスコープでは、FFPのところのスコープチューブ内の空間は、何がFOV、全エレベーショントラベルおよびウィンデージトラベルに関するユーザの潜在能力を決めるかと関連している。スコープチューブ内のこの空間をトラベルとFOVの両方に用いることができ、ユーザは、いずれかの要素のための空間を与えまたは奪う場合がある。
【0009】
一例として、典型的な1-8×24FFPライフルスコープは、50mmの対物レンズ焦点距離を有する場合がある。1ミリラジアン(MRAD)のFOVまたはタレットトラベルにどれほど多くの横方向空間(単位mm)が必要であるかを決定するために、あなたは、対物レンズ焦点距離を1000で除算する。この場合、50mm/1000(1mmあたりのMRAD)=0.050mmである。このことは、1MRADの角度タレットトラベルまたはFOVは、スコープチューブ内に0.050mmの横方向空間を占める。これら形式のライフルスコープには、最終使用者が自分の小火器に取り付けられている自分のスコープをゼロ調整するのに足るほどの空間を有するために約29MRADの全トラベルが必要となる場合が多い。
【0010】
1-8×または1-10×である最適の最新型光学器械は、典型的には、約22°(約384MRAD)に等しい1×におけるFOVを有する。我々が市場の最適光学器械設計について全トラベルおよびFOVに必要な横方向空間を追加する場合、この全横方向空間を計算すると、((29+384)×0.050)=20.65mmである。あなたがたが今レティクルを収容するのに必要なメカニクスを追加し始めようとする場合、何か他のための空間は多くは残ってはいない。
【0011】
典型的な1-8×または1-10×FFPスコープは、業界基準の34mmスコープチューブを使用しており、強度については、2mmの壁厚を有する。このことは、内径が約30mmとなる場合があることを意味している。ユーザたちが29MRADのトラベルおよび384MRADのFOVのための空間(20.65mm)を差し引くと、ユーザたちにはレティクルを保持するためだけにメカニクスについて9.35mmが残される。この空間は、あっけないことに、レティクル保持メカニクスのためにだけ使い尽くされる。今や、ユーザたちが光モジュールシステム、例えばIMT「パワーライト」モジュールを具体化しようと試みる場合、あらゆるものについて十分な余地が全く存在しない。したがって、市場に出ている現行のライフルスコープの製造業者は、IMT「パワーライト」モジュールを装備することを目的として、FOVのための空間を代用引換条件とするしかない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
かくして、他の特徴部、例えばフィールドオブビューを損なわないで日中ブライトレティクルを有することができる観察光学器械が依然として要望されている。本明細書において開示する装置、システム、および方法は、これらの欠点の全てに革新的な仕方で取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、観察光学器械が第1の焦点面(first focal plane:“FFP”)を含む光学系を備えた本体を有し、レティクルがFFPのところに配置され、観察光学器械が本体に結合された台座をさらに有し、台座がFFPのところのレティクルのための光モジュールを有することを特徴とする観察光学器械に関する。一実施形態では、観察光学器械は、1つまたは2つ以上の光モジュールを有するのが良い。
【0014】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、観察光学器械が第1の焦点面(“FFP”)および第2の焦点面(second focal plane:“SFP”)を含む光学系を備えた本体を有し、第1のレティクルがFFPのところに配置され、第2のレティクルがSFPのところに配置され、観察光学器械が本体に結合された台座を有し、台座がSFPのところのレティクルのための光モジュールを有することを特徴とする観察光学器械に関する。
【0015】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、観察光学器械が第1の焦点面(“FFP”)および第2の焦点面(“SFP”)を含む光学系を備えた本体を有し、レティクルがFFPのところに配置され、第2のレティクルがSFPのところに配置され、観察光学器械が本体に結合された台座を有し、台座がFFPおよびSFPのところのレティクルを照明するための光モジュールを有することを特徴とする観察光学器械に関する。別の実施形態では、観察光学器械は、SFPのところのレティクルのための第2の光モジュールを有するのが良い。
【0016】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、観察光学器械がFFPおよびSFPを含む光学系を備えた本体を有し、レティクルがFFPおよび/またはSFPのところに配置され、観察光学器械が本体に結合された台座を有し、台座がFFPおよび/またはSFPのところに配置されたレティクルを照明するための光モジュールを有することを特徴とする観察光学器械に関する。
【0017】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、観察光学器械がFFPおよびSFPを含む光学系を備えた本体を有し、第1のレティクルがFFPのところに配置され、第2のレティクルがSFPのところに配置され、観察光学器械が本体に結合された台座を有し、台座が第1のレティクルのための光モジュールを有することを特徴とする観察光学器械に関する。別の実施形態では、台座は、第2のレティクルのための第2の光モジュールをさらに有する。さらに別の実施形態では、単一の光モジュールがFFPとSFPの両方のところのレティクルのための光を提供するのが良い。
【0018】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、第1の焦点面に標的からの像(以下、「FFP標的像」と言う)をピント合わせする対物レンズ系と、次に、FFP標的像を変換してこれを第2の焦点面にピント合わせする(その結果として得られる像を、以下、「SFP標的像」と言う)エレクターレンズ系と、レティクルがFFPおよび/またはSFPのところに配置された状態で、SFP標的像を人間の眼で観察できるようSFP標的像を視準するアイピースレンズ系とで構成される第1の光学系を備えた本体、および本体に結合された台座を有し、台座がFFPおよび/またはSFPのところに配置されたレティクルを照明するための光モジュールを有することを特徴とする観察光学器械に関する。
【0019】
一実施形態では、光モジュールは、FFPおよび/またはSFPのところに配置されたレティクルの照明を助けるが、これは照明のための唯一の源ではない。
【0020】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、観察光学器械がメインチューブ、メインチューブの第1の端部に結合された対物レンズ系およびメインチューブの第2の端部に結合されたオキュラー系を有し、メインチューブ、メインチューブと対物レンズ系とオキュラー系が協働して、少なくとも1つの焦点面を定めるよう構成され、観察光学器械がメインチューブに結合された台座を有し、台座がレティクルのための光モジュールを収容していることを特徴とする観察光学器械に関する。別の実施形態では、メインチューブと対物レンズ系とオキュラー系は、互いに協働して、レティクルを有するFFPを定めるよう構成され、光が台座内のモジュールによって供給される。別の実施形態では、メインチューブと対物レンズ系とオキュラー系は、互いに協働して、FFPおよびSFPを定めるよう構成され、レティクルがFFPおよびSFPのところに配置され、光源が台座内に配置されたモジュールによってレティクルに供給される。
【0021】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、第1の焦点面に標的からの像(以下、「FFP標的像」と言う)をピント合わせする対物レンズ系と、次に、FFP標的像を変換してこれを第2の焦点面にピント合わせする(その結果として得られる像を、以下、「SFP標的像」と言う)エレクターレンズ系と、レティクルがFFPおよび/またはSFPのところに配置された状態で、SFP標的像を人間の眼で観察できるようSFP標的像を視準するアイピースレンズ系とで構成される光学系を備えた本体、および本体に結合された台座を有し、台座がレティクルを照明するための光モジュールを有することを特徴とする観察光学器械に関する。一実施形態では、台座は、1つまたは2つ以上の空所またはコンパートメント中に分配される。
【0022】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、第1の焦点面に標的からの像(以下、「FFP標的像」と言う)をピント合わせする対物レンズ系と、次に、FFP標的像を変換してこれを第2の焦点面にピント合わせする(その結果として得られる像を、以下、「SFP標的像」と言う)エレクターレンズ系と、SFP標的像を視準してこれを人間の眼で観察できるようにするアイピースレンズ系とで構成された第1の光学系、および光モジュールを備えた空所とを有する観察光学器械に関する。
【0023】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、観察光学器械が第1の焦点面および第2の焦点面を含む光学系を備えた本体を有し、レティクルがFFPおよび/またはSFPのところに配置され、観察光学器械が本体に結合されていて、光をレティクル上の回折パターンに差し向けるための光モジュールを備えた台座を有する観察光学器械に関する。
【0024】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、外界シーンの像を観察するための直接観察用光学部品を備えた本体および光をレティクル上の回折パターンに差し向けるための光モジュールを備えた台座を有する観察光学器械に関する。
【0025】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、観察光学器械が対物レンズ系、エレクター系、およびアイピースレンズ系を含む光学系および第1の焦点面レティクルと第2の焦点面レティクルを備える可動光学素子を備えた本体、および可動光学素子を調整することができるタレット組立体、ならびにタレット組立体の一部分内に配置された第1の焦点面レティクルおよび/または第2の焦点面レティクルのための光モジュールを有する観察光学器械に関する。一実施形態では、光モジュールは、タレット組立体のキャップまたはカバー内に配置される。
【0026】
一実施形態では、台座は、本体から分離可能である。一実施形態では、台座は、本体の底部分に結合する。さらに別の実施形態では、台座は、光学系を収容する空所を有する。別の実施形態では、空所は、1つまたは2つ以上の電源のためのコンパートメントをさらに有するのが良い。
【0027】
別の実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、外界シーンを観察するための光学系を備えた本体および本体の底部分に結合されていて、光をレティクル上の回折パターンに差し向ける光モジュールを収容した空所を備える台座を有する観察光学器械に関する。
【0028】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械の本体に結合されたハウジングに関し、ハウジングは、光をレティクル上の回折パターンに差し向けるための光モジュールを収容する。
【0029】
一実施形態では、光モジュールまたは光学系をレティクルの外周部上の任意の位置に配置することができる。一実施形態では、光モジュールまたは光学系は、光モジュールが分離可能な台座内のスペースを利用することができるようレティクルの6時の位置に配置される。
【0030】
本明細書において開示する装置および方法の利点は、標的シーンの直接的なビューを保持しながら多数の新型標的化機能を利用することができるということにある。
【0031】
本明細書において開示する装置および方法の利点は、台座または空所が光モジュールのための空間を生じさせ、その結果、フィールドオブビュー、全トラベル、チューブ壁厚などが損なわれないということにある。
【0032】
本明細書において開示する装置および方法の利点は、観察光学器械の本体に結合された分離可能な台座がIMT「パワーライト」モジュールを収容することにある。
【0033】
本明細書において開示する装置および方法の追加の利点は、(1)購入品内に観察光学器械取り付け台座が存在すること、(2)顧客が別個の台座を購入する必要がないこと、(3)顧客が観察光学器械を台座中に取り付ける必要がないこと、(4)取り付けしながら適正なスコープ傾斜を得ることについて心配する必要がないこと、(5)大型側部取り付け式バッテリコンパートメントと比較して思わぬ障害発生の恐れを少なくした状態で大型バッテリを良好なバッテリ寿命が得られるよう収容するための空間が得られること、(6)あなたがメインチューブ直径のための多くのオプションを有する一体型台座/マウントが得られ、というのは、取り付けのためにスコープリングが不要だからであり、しかもユーザが業界の非標準または存在していないリングサイズを見出すことについて心配する必要がないからであること、(7)見た目に非常に良好であることである。
【0034】
限定することなく、本明細書において説明する一実施形態の諸特徴、諸コンポーネント、諸ステップ、または諸観点を他の実施形態の諸特徴、諸コンポーネント、諸ステップ、または諸観点と組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1A】ライフルスコープの諸部品を示す略図である。
図1B】本開示の一実施形態に係る観察光学器械の追加の諸々の部品およびコンポーネントを示す略図である。
図1C】本開示の一実施形態に係る光学器械本体内の可動光学素子を示す図1Bの観察光学器械の断面図である。
図1D】本開示の一実施形態に係る視差調整ノブを示す観察光学器械の略図である。
図1E】本開示の一実施形態に係る観察光学器械の光学素子内のエレクターシステムの略図である。
図2】本開示の一実施形態にしたがって本体および本体に結合する台座を有するライフルスコープの図である。
図3】本開示の一実施形態にしたがって本体および本体の底部分に結合する台座を有するライフルスコープの代表的な図である。
図4】本開示の一実施形態にしたがってレティクルおよび光モジュールを含むレティクル系の代表的な図であり、光モジュールがレティクルの約6時の位置で結合されている状態を示す図である。
図5】本開示の一実施形態にしたがってレティクルおよび光モジュールを含むレティクル系の代表的な図であり、光モジュールがレティクルの約12時の位置で結合されている状態を示す図である。
図6A】本開示の一実施形態にしたがってレティクルおよび光モジュールを含むレティクル系の代表的な図である。
図6B】本開示の一実施形態にしたがってレティクルおよび光モジュールを含むレティクル系の代表的な図である。
図7】本開示の一実施形態にしたがって本体および本体に結合された台座を有するライフルスコープの図であり、台座が電源のための1つまたは2つ以上のコンパートメントを有する状態を示す図である。
図8】本開示の一実施形態にしたがって本体および本体に結合された台座を有するライフルスコープの図であり、台座が電源のための1つまたは2つ以上のコンパートメントを有する状態を示す図である。
図9】本開示の一実施形態にしたがってライフルスコープの本体に結合された台座の底面図である。
図10】本開示の一実施形態にしたがって本体および電源のためのコンパートメントを備えた台座を有するライフルスコープの図であり、ピカティニーマウントが電源コンパートメントに結合可能な状態を示す図である。
図11】本開示の一実施形態に係るピカティニーマウントを備えたライフルスコープの正面図である。
図12】本開示の一実施形態に係るピカティニーマウントを備えたライフルスコープの平面図である。
図13】本開示の一実施形態にしたがって本体および台座を有するライフルスコープの側面図であり、台座が1つまたは2つ以上の軸方向に差し向けられたコネクタを有する状態を示す図である。
図14】本開示の一実施形態にしたがって本体、台座、および本体の頂部分に結合されたピカティニーマウントを有するライフルスコープの側面図である。
図15】本開示の一実施形態にしたがってライフルスコープの調整ノブ内に収容されたレティクルに光を差し向ける光学系を備えたライフルスコープの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
ここで本明細書に開示する装置および方法を本開示の実施形態を示す添付図面を参照してより完全に以下に説明する。しかし、本明細書に開示する装置および方法は、多くの異なる形態に具現化することができ、本明細書に示す実施形態に限定されると解釈すべきではない。限定されるのではなく、これらの実施形態は、本開示が万全のものになり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えることになるように提供するものである。
【0037】
組をなす特徴および/または機能は、独立型兵器照準器、前方装着または後方装着式クリップ留め兵器照準器、および登録された配備光学兵器照準器の他の組み替えの関連内で容易に適応させることができることは当業者によって認められるであろう。さらに、特徴および機能の様々な組合せは、あらゆるタイプの既存の固定または可変兵器照準器を換装するためにアドオンモジュール内に組み込むことができることは当業者によって認められるであろう。
【0038】
要素または層が別の要素または層の「上」にあり、これに「接続され」、または「結合され」ると記載されている場合、当該要素または層は、他方の要素または層の上に直にあり、直接的に接続される、または直接的に結合される場合があることは理解されよう。変形例として、介在する要素または層が存在する場合がある。これとは対照的に、要素が別の要素または層の「上に直接」あり、これに「直接的に接続され」、または「直接的に結合され」ると記載されている場合、介在する要素または層は存在しない。
【0039】
本明細書を通じて類似の番号は類似の要素を指す。本明細書に使用する場合に「および/または」という用語は、関連する列記項目のうちの1つまたは2つ以上のいずれかまたは全ての組合せを含む。
【0040】
本明細書では様々な要素、構成要素、領域、および/または区分を説明するために第1、第2のような用語を使用するが、これらの要素、構成要素、領域、および/または区分をこれらの用語によって限定すべきではないことは認められるであろう。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、または区分を別の要素、構成要素、領域、または区分から区別するためにのみ使用するものである。したがって、本開示から逸脱することなく下記で解説する第1の要素、構成要素、領域、または区分を第2の要素、構成要素、領域、または区分と表現することができる。
【0041】
本明細書では、図に示す1つの要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係を説明するのに説明のしやすさの目的で「下」、「下方」、「下側」、「上方」、および「上側」などのような空間相対性を表す用語を使用する場合がある。これらの空間相対性を表す用語は、使用時のデバイスの様々な向きまたは図に描く向き以外の向きを包含するように意図したものであることは認められるであろう。例えば、図のデバイスが反転された場合に、他の要素または特徴の「下方」または「下」にあると説明する要素は、これらの他の要素または特徴の「上方」に向けられることになる。したがって、「下方」という例示的な用語は、上方と下方の両方の向きを包含することができる。デバイスは、他に向けることができ(90°回転または他の向き)、本明細書に使用する空間対性記述子は、相応に解釈することができる。
【0042】
I.定義
【0043】
本開示での数値範囲は、近似であり、したがって、別途示さない限り範囲外の値を含むことができる。数値範囲は、いずれかの下限値といずれかの上限値の間に少なくとも2単位の分離幅が存在するという前提で下限値から上限値までのこれらの値を含む全ての値を1単位の増分で含む。一例として、例えば、分子量、粘性のような組成特性、物性、または他の特性が100から1,000までである場合に、それは、100、101、102のような全ての個々の値、および100から144まで、155から170まで、197から200までのような部分的範囲を明示的に列挙するように意図している。1よりも小さい値または1よりも大きい端数(例えば、1.1、1.5のような)を含む範囲では、1単位は、相応に0.0001、0.001、0.01、または0.1であると考えられる。10よりも小さい1桁の数字(例えば、1から5まで)を含む範囲では、1単位は、一般的に0.1であると考えられる。これらは、具体的に意図するものの例に過ぎず、列挙する最低値と最高値の間の数値の全ての可能な組合せを本開示において明記すると考えられたい。本開示の範囲では取りわけデバイスのユーザから標的までの距離に関する数値範囲を提供する。
【0044】
本明細書において「Aおよび/またはB」のような表現に対して使用する「および/または」という用語は、AとBの両方、AまたはB、A(のみ)、およびB(のみ)を含むように意図している。同様に、「A、B、および/またはC」のような表現に対して使用する「および/または」という用語は、AおよびBおよびC、AまたはBまたはC、AまたはC、AまたはB、BまたはC、AおよびC、AおよびB、BおよびC、A(のみ)、B(のみ)、ならびにC(のみ)を含むように意図している。
【0045】
本明細書に使用する場合に「エレクタースリーブ」は、エレクターチューブおよび/またはカムチューブ内のスロットに係合するかまたは類似の目的に寄与するエレクターレンズマウントからの突出部である。エレクタースリーブは、マウントと一体的または取外し可能なものとすることができる。
【0046】
本明細書に使用する場合に「エレクターチューブ」は、エレクターレンズマウントを受け入れるための開口部を有するあらゆる構造またはデバイスである。
【0047】
本明細書に使用する場合に「小火器(firearm)」は、多くの場合に爆発力の作用によって推進される1つまたは2つ以上の放出体を打ち出す銃砲兵器である携帯銃である。本明細書に使用する場合に「小火器」という用語は、拳銃、長銃、ライフル、散弾銃、カービン銃、自動兵器、半自動兵器、機関銃、軽機関銃、自動ライフル、および突撃ライフルを含む。
【0048】
本明細書で用いられる「光モジュール」という用語は、光をレティクルに差し向けるためのモジュールを意味している。一実施形態では、光は、光学系の使用により回折パターンをなしてレティクル上に差し向けられる。
【0049】
本明細書に使用する場合に「観察光学器械」という用語は、標的を選択、識別、またはモニタするために射手または観的手によって使用される装置を指す。「観察光学器械」は、標的の目視観察、または例えば赤外線(IR)撮像、紫外(UV)撮像、レーダー撮像、熱撮像、マイクロ波撮像、または磁気撮像、X線、ガンマ線、同位元素放射線、および粒子放射線を含む放射線、暗視、超音波、音パルス、ソナー、地震振動、磁気共鳴を含む振動の感知器、重力感知器、電波を含むブロードキャスト周波数、テレビジョン感知器およびセルラー感知器、または標的の他の像に頼る場合がある。「観察光学器械」デバイスによって射手に提示される標的の像は、未修正とするかまたは例えば拡大、増幅、減算、重複、フィルタリング、安定化、テンプレート整合、または他の手段によって改善されたものとすることができる。「観察光学器械」によって選択、識別、またはモニタされる標的は、射手の視線の範囲にあるかまたは射手の視界から外れる場合があり、または射手の視線は、標的取得デバイスがピント合わせ標的像を射手に提示する間に遮蔽される場合がある。「観察光学器械」によって得られる標的像は、例えば、アナログまたはデジタルであり、例えば、ビデオ、物理的なケーブルまたはワイヤ、IR、電波、セルラー接続、レーザパルス、光、802.11b、または他の無線送信により、例えば、html、SML、SOAP、X.25、SNAのようなプロトコル、Bluetooth(登録商標)、シリアル、USB、または他の適切な像分散法を用いて1人または2人以上の射手および観的手のネットワーク内で共有、格納、保存、または送信することができる。「観察光学器械」という用語は、「光学照準器」と区別なく使用される。
【0050】
本明細書に使用する場合に「外界シーン」という用語は、標的を含むがこれに限定されない現実世界のシーンを指す。
【0051】
本明細書に使用する場合に「射手」という用語は、射撃を行うオペレータまたは射撃を行うオペレータと協働して射撃を観察する個人のいずれかに適用される。
【0052】
II.観察光学器械
【0053】
図1Aは、観察光学器械の代表例であるライフルスコープの従来設計を示している。図1Bは、本開示の複数の実施形態による例示的観察光学器械10を示している。具体的には、図1Bはライフルスコープを示している。より具体的には、ライフルスコープ10は、可動光学素子15を封入する本体38を有する。本体38は、その前部40にあるより大きい開口部からその後部42にあるより小さい開口部に先細である細長チューブである。スコープ本体の後部にはアイピースレンズ56が取り付けられ、スコープ本体の前部には対物レンズ54が取り付けられる。可動光学素子の中心軸は、ライフルスコープの光軸44を定める。
【0054】
エレベーションタレット12およびウィンデージタレット48は、本体38の中心部分の外側に多くの場合に見られる2つのダイヤルである。これらのタレットは、その周囲11上にしるし20によって区分的にマーク付けされ、打撃変化の点に関して可動光学素子のエレベーションおよびウィンデージを調整するのに使用される。これらのダイヤルは、タレットハウジング50から突出する。これらのタレットは、エレベーションタレット回転軸46がウィンデージタレット回転軸52に対して垂直であるように配置される。
【0055】
図1Cは、光学系14の基本構成要素と可動光学素子15とを有する図1Bの照準装置の断面図を示している。図1Cに示すように、光学系14は、対物レンズ系16と、エレクター系25と、アイピースレンズ系18とを含む。図1Cは、本体38を有するライフルスコープを示すが、光学系14は、他のタイプの照準装置において使用することもできる。エレクター系25は、可動光学素子15内に含めることができる。図1Cでは、可動光学素子15は、集光器22、ならびに第1の焦点面レティクル55および第2の焦点面レティクル57をさらに含む。使用時に、タレット組立体28およびタレットねじ29の調整は、可動光学素子15の調整をもたらす。
【0056】
可動光学素子15は、タレット組立体28を1回または2回以上のクリックで回転させることによって調整される。タレットが回転されると、タレットねじ29は、スコープの内外に移動し、それによってエレクターチューブが押送される。エレクターチューブは、タレットねじが調整されるときにタレットねじがそれ自体の底面に接するようにエレクターチューブを位置付けるようにばねによって付勢される。エレクターチューブは、全体像のより小さい視像を提供する。エレクターチューブが調整されると、レティクルの位置が像に対して修正される。
【0057】
レティクルは、スコープを通る光軸または視線に対して垂直関係でスコープ本体内に装着された円形の平面または平坦な透明のパネルまたはディスクであり、対物レンズ要素54とエレクターレンズ要素との間で、一般的にハウジング内の光学系の前側焦点面と考えられる場所に配置される。一実施形態では、レティクルは、中心点で直交するかまたは垂直に交差する中心垂直細線と中心水平細線とを含む微細エッチングされた線または細線のしるしを含む。
【0058】
一実施形態では、図1Dに示すように、観察光学器械は、視差調整ノブ70またはフォーカスノブを有することができる。視差は、標的像の光学平面がレティクル像の光学平面と共通平面ではないときに発生する。2つの光学平面の間のオフセットの結果として、レティクルは、射手がレティクルの中心の周りで眼を移動したときに標的に対して移動するように見える場合がある。この視差誤差は、射撃からの打撃の点にシフトをもたらす場合がある。観察光学器械の視差調整は、標的像とレティクル像とを同じ光学平面に示すように光学系を調整することを可能にすることによって射手が異なる距離での光学誤差を排除することを可能にする。視差補償は、レティクルのフォーカスおよび像のフォーカスのいずれも変化させず、これらのフォーカスが同じ平面を共有する(一致する)ようにこれら2つの物体がフォーカス状態にある平面を単純に移動するだけである。
【0059】
図1Dに示すように、観察光学器械は、回転可能な視差調整ノブ70に装着されたサイドホイールを有することができる。サイドホイールのより大きい直径は、距離マーカのようなマーカを付加するためのより大きい空間を与え、使用時に射手が回転させて読み取るのがより容易である。サイドホイールのより大きい直径は、測距マーカの精度および分解能を高めるように機能する。
【0060】
図1Eは、光学系14の拡大図を断面に示し、光線が光学系14を通ってどのように進むかを示している。光学系14は、集光器22のような追加の光学構成要素を有することができ、当業技術では対物レンズ系16、エレクター系25、およびアイピースレンズ系18のようなある一定の構成要素自体が複数の構成要素またはレンズを有することができることは公知である。
【0061】
一実施形態では、観察光学器械は、視差調整を提供するための1つまたは2つ以上の調整可能レンズを有するピンと合わせセルを有することができる。一実施形態では、1つまたは2つ以上の調整可能レンズは、1つまたは2つ以上の視差レンズである。
【0062】
一実施形態では、オキュラーレンズと対物レンズの間にフォーカスレンズが位置付けられる。フォーカスレンズと対物レンズの間の相対距離は、視差調整を提供するために調整可能である。さらに、オキュラーレンズとフォーカスレンズの間にエレクターレンズが位置付けられる。エレクターレンズと対物レンズの間の相対距離は、倍率調整を提供するために調整可能である。
【0063】
III.光モジュールを有する台座を備えた観察光学器械
【0064】
一実施形態では、本開示は、第2のハウジングに結合された第1のハウジングを有する観察光学器械に関し、かかる観察光学器械としては、ライフルスコープが挙げられるが、これには限定されない。一実施形態では、第1のハウジングは、光学系を有する本体である。さらに別の実施形態では、第2のハウジングは、光モジュールを備えた台座である。一実施形態では、光モジュールは、レティクル用のものである。
【0065】
一実施形態では、本開示は、本体および本体に結合された台座を有する観察光学器械に関する。一実施形態では、台座は本体から分離可能である。一実施形態では、台座は、本体の底部分に取り付けられる。一実施形態では、本体および台座を封止するためにガスケットが用いられる。
【0066】
一実施形態では、本開示は、外界シーンの像を発生させるための第1の光学系を備えた本体および本体に結合されていて光をレティクル上に施された回折パターンに差し向けるための光モジュールを備えた台座を有する観察光学器械に関する。
【0067】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、観察光学器械が第1の焦点面に標的からの像(以下、「FFP標的像」と言う)をピント合わせする対物レンズ系と、次に、FFP標的像を変換してこれを第2の焦点面にピント合わせする(その結果として得られる像を、以下、「SFP標的像」と言う)エレクターレンズ系と、レティクルがFFPのところに配置された状態で、SFP標的像を人間の眼で観察できるようSFP標的像を視準するアイピースレンズ系で構成される第1の光学系とを備えた本体、および本体に結合された台座を有し、台座がFFPのところに配置されたレティクルの照明を助けるための光モジュールを有することを特徴とする観察光学器械に関する。
【0068】
A.本体
【0069】
一実施形態では、本体は、細長いチューブの形をしており、この細長いチューブは、その前部のところに設けられた大きな開口部からその後部のところに設けられた小さな開口部までテーパしており、アイピースが細長いチューブの後部に取り付けられ、対物レンズが細長いチューブの前部に取り付けられている。一実施形態では、第1のハウジングは、ライフルスコープの本体である。
【0070】
一実施形態では、本体は、観察用光軸54(図1B)に沿って位置合わせ可能でありかつ一列に並ぶのが良い観察用入力端部および観察用出力端部を有する。対象物または標的は、観察用入力端部を介して、観察用直接ビュー光学部品に沿って、そして観察用出力端部から出てユーザの眼によって直接観察可能である。本体は、観察用入力端部のところに位置する対物レンズまたはレンズ組立体を有するのが良い。第1の焦点面レティクルを対物レンズ組立体から観察用光軸Aに沿って間隔を置いた状態で位置決めするのが良い。
【0071】
一実施形態では、ピクチャまたは像反転レンズ組立体を第1の焦点面レティクルから観察用光軸Aに沿って後方に間隔を置いた状態で位置決めすることができる。正立像系を有するエレクターチューブが像をひっくり返すために対物レンズとオキュラーレンズとの間で本体内に配置されている。これは、像に陸上観察のための正確な向きを与える。正立像系は、通常、エレクターチューブ内に収納される。
【0072】
反転レンズ組立体または正立像系は、互いに間隔を置いて配置された1枚または2枚以上のレンズを含むのが良い。エレクター像系は、焦点を調整するようその光軸に沿って動くことができる1つまたは2つ以上の可動光学素子、例えばフォーカスレンズ、および標的がその実際の距離よりも近く見えるように像を後側焦点面のところで光学的に拡大するためにその光軸に沿って動くことができる倍率レンズを含むのが良い。代表的には、エレクター組立体は、フォーカスレンズと、連続的に可変倍率範囲をもたらすための倍率レンズの1つまたは2つ以上のパワーを変化させるレンズ素子の両方の協働運動を生じさせるための機械的、電子機械的、または電子光学式システムを含み、エレクター組立体は、連続可変倍率範囲全体を通じて、後側焦点面のところに遠隔標的のピント合わせされた正立像を生じさせる。
【0073】
可変倍率を達成するには、エレクターチューブ内で互いに関係のあるエレクターレンズの部分を調整するための機構体を提供するのが良い。これは、代表的には、エレクターチューブの周りにぴったりとはまるカムチューブの使用により行われる。各エレクターレンズ(またはレンズ群)は、エレクターチューブ内で摺動するエレクターレンズマウント内に設けられている。エレクターレンズマウントに取り付けられたエレクタースリーブは、エレクターレンズの向きを維持するようエレクターチューブの本体に設けられたまっすぐなスロット内で摺動する。エレクタースリーブはまた、カムチューブに設けられた傾斜したまたは湾曲したスロットに係合する。カムチューブを回すことにより、エレクターレンズマウントは、倍率を変化させながら案内チューブ内で長さ方向に動く。各エレクターレンズは、チューブに設けられたそれ自体のスロットを有し、これらスロットの構成は、カムチューブを回しているときに倍率変化の量および速度を決定する。
【0074】
第2の焦点面に設けられたアパーチュアは、ピクチャ反転組立体から観察光軸Aに沿って後方に間隔を置いた状態で位置決めされるのが良い。オキュラーレンズ組立体がアイピースのところで第2の焦点面のアパーチュアから観察光軸Aに沿って後方に間隔を置いた状態で位置決めされるのが良い。オキュラーレンズ組立体は、互いに間隔を置いて配置された1枚または2枚以上のレンズを含むのが良い。幾つかの実施形態では、観察光軸Aおよび直接観察光学器械を折りたたむことができる。
【0075】
B.台座
【0076】
一実施形態では、第2のハウジングが第1のハウジングに結合され、この第2のハウジングは、光をレティクルに差し向けるための光モジュールまたは光学系を収容している。一実施形態では、第2のハウジングは、観察光学器械の本体の一部分に結合された台座である。一実施形態では、台座は、観察光学器械の本体から分離可能である。米国特許第10,180,565号明細書ならびに米国特許出願第16/246,689号明細書および同第16/247,089号明細書は、レティクル用の光モジュールを収容することができる代表的な台座を記載している。
【0077】
代表的な実施形態では、図2は、本体210および台座220を備えたライフルスコープ200の側面図である。一実施形態では、台座220は、本体210から分離可能である。台座220は、倍率リング212の近くでスコープ本体の一端部に取り付けられるとともに対物レンズ組立体214の近くでスコープ本体の他端部に取り付けられている。一実施形態では、本体210および台座220は、同種の材料で作られる。別の実施形態では、スコープ本体および台座は、互いに異なる材料で作られる。
【0078】
一実施形態では、台座220は、本体のエレクターチューブの長さとほぼ同じである。
【0079】
図3は、例示目的で台座220から分離された本体210を示すライフルスコープの代表的な略図である。台座220は、本体210の底部分に結合している。台座220は、レティクル用の光モジュールを受け入れる空間ならびに追加のコンポーネントのための空間を有する。
【0080】
一実施形態では、台座は、像安定化デバイスではない。一実施形態では、台座の長さは、台座が結合されるライフルスコープの本体の長さの35%~70%である。さらに別の実施形態では、光モジュールシステムを有する台座は、台座が結合されるライフルスコープの本体の長さの40%~65%である。さらに別の実施形態では、レティクル用の光モジュールを有する台座は、台座が結合されるライフルスコープの本体の長さの60%以下である。
【0081】
一実施形態では、ライフルスコープの本体は、レティクル用の光モジュールを有する台座の長さの約2.5倍である。さらに別の実施形態では、本体は、レティクル用の光モジュールを有する台座の長さの1.5倍~2.5倍である。さらに別の実施形態では、本体は、レティクル用の光モジュールを有する台座の長さの少なくとも1.5倍である。
【0082】
図2に示されているように、全体として封入されかつ一体化されたシステムを形成するよう台座220をライフルスコープのスコープ本体210にボルト止めするのが良い。次に、台座220を伝統的なライフルスコープリングを必要としないで小火器に直接取り付けるのが良い。
【0083】
一実施形態では、本体および本体に結合されていてレティクル用の光モジュールを備えた台座を有する観察光学器械は、伝統的なライフルスコープリングを必要としないで小火器に結合されるのが良い。一実施形態では、観察光学器械は、本体および本体に結合されていてレティクル用の光モジュールを備えた台座を有し、台座の底部側は、取り付けレールを有する。
【0084】
一実施形態では、観察光学器械の台座は、所望の小火器、機器またはデバイスへの取り付けのための取り付けレールを有するのが良く、かかる台座は、光学器械の上下位置を調整するためのエレベーション調整ドラムを含む調整機構体を有するのが良い。横方向調整機構体もまた、代表的には、左右調整のために設けられている。調整機構体は、保護キャップで覆われるのが良い。
【0085】
一実施形態では、台座の頂部側は、観察光学器械の本体の底部側に結合し、台座の底部側は、取り付けレールを有する。一実施形態では、台座の頂部側は、観察光学器械の本体の底部側に設けられた横方向スプリットに結合する。
【0086】
1.光モジュール
【0087】
一実施形態では、観察光学器械は、本体および本体に結合する台座を有し、台座は、レティクル用の光モジュールを有する。一実施形態では、観察光学器械は、本体および本体に結合する台座を有し、台座は、照明をレティクルにもたらす光モジュールを有する。
【0088】
一実施形態では、観察光学器械は、本体および本体に結合する台座を有し、台座は、レティクル用の光モジュールの少なくとも一部分を有する。一実施形態では、観察光学器械は、本体および本体に結合する台座を有し、台座は、照明をレティクルにもたらす光モジュールの少なくとも一部分を有する。
【0089】
一実施形態では、光モジュールシステム全体は、台座内に配置される。別の実施形態では、光モジュールシステムの一部分は、台座内に配置され、光モジュールシステムの一部分は、本体内に配置される。
【0090】
一実施形態では、光モジュールシステムの約50%~75%は、台座内に配置される。別の実施形態では、光モジュールシステムの約75%~約95%は、台座内に配置される。
【0091】
さらに別の実施形態では、光モジュールシステムの少なくとも40%は、台座内に配置される。
【0092】
一実施形態では、観察光学器械は、本体および本体に結合する台座を有し、台座は、光をレティクルに差し向けるための光モジュールを有する。一実施形態では、光は、レティクルに施された回折パターンに差し向けられる。一実施形態では、光モジュールは、直接的にか間接的にかのいずれかでレティクルに結合される。さらに別の実施形態では、光モジュールは、光をレティクルに差し向けるが、レティクルには連結されていない。一実施形態では、レティクルは、FFPまたはSFP内に位置しても良くまたはFFPとSFPの両方に位置していても良い。
【0093】
一実施形態では、光モジュールは、レティクルの外周部に結合する。一実施形態では、レティクルは、第1の焦点面レティクルである。一実施形態では、レティクルは、観察光学器械の本体内に配置される。
【0094】
図4は、レティクル410および光モジュール420を含むレティクル系400の略図である。光モジュールは、レティクルの6時の位置に位置した状態で示されている。光モジュール420は、観察光学器械の本体に結合する台座内にはまっている。
【0095】
図5は、光モジュール420がレティクル410の外周部の12時の位置に結合されたレティクル系の略図である。ある特定の実施形態では、レティクル用の光モジュールは、本体内に配置されるのが良いが、バッテリ、電源、および何らかの関連のエレクトロニクスは、観察光学器械の本体に結合する台座内に配置されるのが良い。
【0096】
図6Aおよび図6Bは、光モジュール420を備えたレティクル410の代表的な図である。光をレティクル上の回折パターンに差し向けるモジュールは、レティクルの外周部上の約1時の位置、約2時の位置、約3時の位置、約4時の位置、約5時の位置、約6時の位置、約7時の位置、約8時の位置、約9時の位置、約10時の位置、約11時の位置、または約12時の位置に配置可能である。
【0097】
一実施形態では、光モジュールは、レティクル上の約3時の位置から約6時の位置までレティクル上に配置される。一実施形態では、光モジュールは、レティクル上の約3時の位置から約9時の位置までレティクル上に配置される。一実施形態では、光モジュールは、レティクル上にレティクル上の約3時の位置から約12時の位置まで配置される。
【0098】
一実施形態では、光モジュールは、レティクル上の約5時の位置から約7時の位置までレティクル上に配置される。一実施形態では、光モジュールは、レティクル上の約5時の位置から約9時の位置までレティクル上に配置される。
【0099】
一実施形態では、光モジュールは、レティクル上の約4時の位置から約6時の位置までレティクル上に配置される。一実施形態では、光モジュールは、レティクル上の約4時の位置から約8時の位置までレティクル上に配置される。一実施形態では、光モジュールは、レティクル上の約4時の位置から約12時の位置までレティクル上に配置される。
【0100】
別の実施形態では、光学系は、レティクル上の約6時の位置から約9時の位置までレティクル上に配置される。一実施形態では、光モジュールは、レティクル上の約6時の位置から約12時の位置までレティクル上に配置される。一実施形態では、光モジュールは、レティクル上の約6時の位置から約10時の位置までレティクル上に配置される。
【0101】
一実施形態では、レティクルは、観察光学器械の本体内の第1の焦点面のところに配置され、光学系は、観察光学器械の本体に結合する台座内に配置される。
【0102】
一実施形態では、台座は、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ以上の光モジュールシステムを含む1つまたは2つ以上の光モジュールシステムを有するのが良い。
【0103】
一実施形態では、レティクルは、IMTパワーライトレティクルであり、かかるIMTパワーライトレティクルとしては、IMTパワーライト22/23またはIMTパワーライト28が挙げられるが、これには限定されない。任意特定の理論に束縛されるわけではないが、構造体を照明するために、光学的放射線を横から基板中に入射させ、これは、全反射により照明された構造体に当たる。IMTは、この目的のために2つの技術的解決策、すなわち、(1)回折構造体および(2)エッチ・アンド・フィル(etch and fill)を提供する。
【0104】
回折構造に関し、光回折格子が基板中にエッチングされる。入射した放射線は、光回折格子上での回折により眼に達する。回折レティクルは、光発生量(light yield )が高いという特徴を有し、したがって、かかる回折レティクルを非常に明るい環境であっても用いることができる。
【0105】
エッチ・アンド・フィルに関し、構造を基板にエッチングし、この構造は、染料で満たされる。染料は、入射放射線を眼に向かって分散させる。エッチ・アンド・フィル構造は、輝度および解像力がそれほど重要ではない用途向きの代替手段となる。
【0106】
2.電源
【0107】
一実施形態では、観察光学器械の本体に結合する台座は、電力系統を有する。別の実施形態では、観察光学器械の台座は、空所を有する。バッテリ空所を観察光学器械の本体に結合する台座中に組み込むのが良い。
【0108】
図7は、バッテリコンパートメント705を備えた台座220の代表的な略図であり、台座220は、ライフルスコープ700の本体210に結合されている。図7および図8に示されているように、バッテリ空所705は、バッテリを収容するよう台座の各側から延びており、かかるバッテリとしては、CR123バッテリが挙げられるが、これには限定されない。CR123バッテリは、小型のバッテリまたはコイン型バッテリと比較して、電力容量および放電量が多い。
【0109】
一実施形態では、バッテリ空所705は、台座220と一体であり、その結果、バッテリを周囲環境から保護するにはバッテリキャップしか必要としない。追加の封止手段は不要である。
【0110】
一実施形態では、台座220のバッテリ空所705は、オキュラー組立体と比較して、観察光学器械の本体210の対物レンズ組立体710の近くに配置される。
【0111】
図9は、台座220中に組み込まれたバッテリコンパートメント705の代表的な図である。一実施形態では、空所705は、バッテリの不適切な取り付けおよび動作を阻止するために機械的ステップがバッテリ空所の底部に設けられた状態でバッテリの正極側を最初に挿入させるよう設計されている。
【0112】
一実施形態では、一体型バッテリ空所705は、ライフルスコープの本体210に対する台座220と同一のガスケットを用いるのが良い。これは、信頼性のあるシールを提供し、そして別個のバッテリ空所が不要なので機械的デバイスをなくす。第2に、バッテリ空所を固定する機械的装置が存在せず、というのは、これは台座中に組み込まれているからである。これにより、バッテリコンパートメントを固定するための何らかの機械的インターフェースの必要性が減少する。バッテリ空所の機械的ロックの必要性がないので、一体型バッテリコンパートメントは、伝統的なバッテリコンパートメントに関する故障個所を減少させる。
【0113】
一体型バッテリコンパートメントは、ユーザの邪魔になるどのような障害物もなくす。一体型バッテリコンパートメントは、伝統的な観察光学器械上に見受けられる調整部およびノブのうちの任意のものの邪魔にならないところで観察光学器械の下に配置される。一体型バッテリ空所は、これにより必要な空間が大型バッテリを収容することができるので顕著な技術的進歩である。
【0114】
3.ピカティニーマウント
【0115】
一実施形態では、本開示は、本体と、バッテリコンパートメントおよびバッテリコンパートメントに結合可能なピカティニーマウントを備えた台座を有する観察光学器械に関する。一実施形態では、取り外し可能なピカティニーマウントは、ライフルスコープの本体に結合された台座中に組み込まれる突出状態のバッテリコンパートメントに取り付けられる。
【0116】
図10図12は、本体210および本体210に結合された台座220を備えたライフルスコープの代表的な略図であり、台座は、ピカティニーマウント1005に取り付け可能なバッテリコンパートメント705を有する。一実施形態では、ピカティニーマウント1005は、バッテリコンパートメント705と整列し、そして締結具により固定される。
【0117】
マウント1005を台座220のバッテリコンパートメント705に取り付けることにより、このマウントは、バッテリのために空所705を形成するのに必要な材料を利用する。これにより、台座からのどのような追加の材料の必要性がなくなり、それにより、観察光学器械を軽量にかつ侵襲性を低くする。
【0118】
一実施形態では、マウントは、ライフルスコープを調整するユーザの能力に介入しないように、タレットの対象物および視差ノブ寄りに配置される。さらに、頂部リングは、取り外し可能であり、それによりアクセサリ装置、例えばレーザ距離計の容易な取り付けを可能にする。本明細書において開示するピカティニーマウントを利用することによって、リングの頂部分からの追加の構造的支持体が不要であり、というのは、一体型台座がライフルスコープを固定するからである。
【0119】
一実施形態では、マウントは、ライフルスコープの対象物に向かって前方に延びる片持ちピカティニーレールを組み込んでいる。これにより、兵器取り付け型レーザ距離計がライフルスコープのベル上に直接乗ることができる。この種のマウントは、衝撃のずれの減少および測距装置の精度の向上を可能にする。このマウントは、衝撃のずれについて潜在的可能性を減少させ、というのは、所望の標的を得ることに起因して測距装置に悪影響を及ぼす場合のある変数が少なくなるからである。
【0120】
4.データポート
【0121】
一実施形態では、本開示は、本体および光をレティクル上の回折パターンに差し向けるための光学系を備えた台座を有する観察光学器械であって、台座が遠隔制御スイッチおよびレーザ距離計(これらには限定されない)を含む補助装置とインターフェースするための軸方向に差し向けられたデータポートを有することを特徴とする観察光学器械に関する。
【0122】
図13は、本体210および軸方向に差し向けられたデータポート1305を備えた台座220を有するライフルスコープ1300の代表的な略図である。一実施形態では、観察光学器械は、1つの軸方向に差し向けられたデータポートを有するのが良い。別の実施形態では、観察光学器械は、2つまたは3つ以上の軸方向に差し向けられたデータポートを有するのが良い。
【0123】
軸方向に差し向けられたデータポート1305を利用することによって、観察光学器械全体の上から下への輪郭形状が最小限になり、それにより取り付けられたシステムおよびその連結部の堅牢性が増大する。
【0124】
図14は、本体および本体に結合されかつ光をレティクル上の回折パターンに差し向けるための光学系を備えた台座を有するライフルスコープの代表的な実施例を示している。台座は、電源のための1つまたは2つ以上のコンパートメントを有するのが良い。ライフルスコープは、ピカティニーマウントを有するのが良い。
【0125】
IV.追加の実施形態
【0126】
一実施形態では、本開示は、観察光学器械であって、観察光学器械が対物レンズ系、エレクター系、およびアイピースレンズ系を含む光学系および第1の焦点面レティクルと第2の焦点面レティクルを備える可動光学素子を備えた本体、および可動光学素子を調整することができるタレット組立体、ならびにタレット組立体の一部分内に配置された第1の焦点面レティクルおよび/または第2の焦点面レティクルのための光モジュールを有する観察光学器械に関する。一実施形態では、光モジュールの少なくとも一部分は、タレット組立体の一部分内に配置される。
【0127】
一実施形態では、光モジュールまたは光モジュールの少なくとも一部分は、タレット組立体のキャップまたはカバー内に配置される。一実施形態では、光モジュールの少なくとも一部分は、光学系の1つまたは2つ以上の調整ノブ内に配置される。
【0128】
一実施形態では、本開示は、本体および1つまたは2つ以上の調整ノブを備えた観察光学器械に関し、かかる調整ノブとしては、エレベーションノブおよび照明ノブが挙げられるが、これらには限定されない。一実施形態では、光をレティクル上の回折パターンに差し向けるための光学系は、調整ノブの内部空間内に収納される。
【0129】
一実施形態では、図15は、1つまたは2つ以上の調整ノブを備えたライフルスコープを示しており、調整ノブの内側部分は、光をレティクルに差し向けるための光学系または光モジュールを収容するのが良い。レティクルは、FFPおよび/またはSFP内に配置されるのが良い。
【0130】
光学系または光モジュールは、任意適当な調整ノブ内に収容されるのが良く、かかる調整ノブとしては、ウィンデージノブ、エレベーションノブ、照明ノブ、および視差調整ノブが挙げられるが、これらには限定されない。2つ以上の光学系または光モジュールが1つまたは2つ以上の調整ノブ内に収容されるのが良い。
【0131】
別の実施形態では、タレットサドル領域の底部に設けられたねじ山付き「カップ」は、光モジュールまたは光学系のための「ポケット」を形成するために使用される場合がある。
【0132】
本明細書において開示する装置および方法を以下の段落に示された実施態様項にさらに記載することができる。
【0133】
〔実施態様項1〕
観察光学器械であって、(a)メインチューブを有し、(b)上記メインチューブの第1の端部に結合されていて外界シーンからの標的像をピント合わせする対物レンズ系を有し、(c)上記メインチューブの第2の端部に結合されたオキュラー系を有し、上記メインチューブ、上記対物レンズ系および上記オキュラー系は、少なくとも第1の焦点面を定めるよう構成され、第1のレティクルが上記第1の焦点面のところに位置し、(d)上記本体に結合されかつ光を上記第1の焦点面レティクルに差し向けるための光モジュールを備えた台座を有することを特徴とする観察光学器械。
〔実施態様項2〕
観察光学器械であって、(i)外界シーンの観察光軸に沿って像を発生させるための光学系を備えた本体および、(ii)上記本体に結合されかつ光をレティクル上の回折パターンに差し向けるための光学系を備えた台座を有することを特徴とする観察光学器械。
〔実施態様項3〕
観察光学器械であって、
本体を有し、上記本体は、(i)外界シーンからの標的像を第1の焦点面にピント合わせする対物レンズ系、上記標的像を反転させるエレクターレンズ系、第2の焦点面を有し、
上記本体に結合されかつ光をレティクル上の回折パターンに差し向けるための第2の光学系を備えた台座とを有することを特徴とする観察光学器械。
〔実施態様項4〕
外界シーンを観察するための光学系を備えた本体および上記本体の底部分に結合する台座を有する観察光学器械であって、上記台座は、光をレティクル上の回折パターンに差し向けるための光学系を備えた空所を有することを特徴とする観察光学器械。
〔実施態様項5〕
上記台座の一端部は、上記本体の倍率調整リングの近くに取り付けられ、上記台座の他端部は、上記本体の上記対物レンズ組立体の近くに取り付けられていることを特徴とする実施態様項1~4のうちいずれか一に記載の観察光学器械。
〔実施態様項6〕
上記台座は、上記本体の長さの40%~65%であることを特徴とする実施態様項1~5のうちいずれか一に記載の観察光学器械。
〔実施態様項7〕
上記台座は、電源のためのコンパートメントをさらに有することを特徴とする実施態様項1~6のうちいずれか一に記載の観察光学器械。
〔実施態様項8〕
上記光学系は、第1の焦点面内でレティクルに取り付けられていることを特徴とする実施態様項1~7のうちいずれか一に記載の観察光学器械。
〔実施態様項9〕
上記光学系は、上記レティクルの約3時の位置から約6時の位置まで第1の焦点面内のレティクルに取り付けられていることを特徴とする実施態様項1~8のうちいずれか一に記載の観察光学器械。
〔実施態様項10〕
上記光学系は、上記レティクルの約6時の位置でレティクルに取り付けられていることを特徴とする実施態様項1~9のうちいずれか一に記載の観察光学器械。
〔実施態様項11〕
観察光学器械であって、上記観察光学器械が第1の焦点面に標的からの像(以下、「FFP標的像」と言う)をピント合わせする対物レンズ系と、次に、上記FFP標的像を変換して該FFP標的像を第2の焦点面にピント合わせする(その結果として得られる像を、以下、「SFP標的像」と言う)エレクターレンズ系と、上記SFP標的像を人間の眼で観察できるよう上記SFP標的像を視準するアイピースレンズ系とで構成される光学系を備えた本体、および上記本体に結合されかつレティクル用の光モジュールを備えた台座を有することを特徴とする観察光学器械。
〔実施態様項12〕
観察光学器械であって、(a)メインチューブを有し、(b)上記メインチューブの第1の端部に結合されていて、外界シーンからの標的像をピント合わせする対物レンズ系を有し、(c)上記メインチューブの第2の端部に結合されたオキュラー系を有し、上記メインチューブ、上記対物レンズ系および上記オキュラー系は、少なくとも第1の焦点面を定めるよう構成され、第1のレティクルが上記第1の焦点面のところに位置し、(d)上記メインチューブに結合されかつ上記第1の焦点面レティクルのところに光を差し向けるための光モジュールの少なくとも一部分を備えた台座を有することを特徴とする観察光学器械。
〔実施態様項13〕
観察光学器械であって、レティクルがFFP(first focal plane)のところに配置された状態で、第1の焦点面に標的からの像(以下、「FFP標的像」と言う)をピント合わせする対物レンズ系と、上記FFP標的像を変換して該FFP標的像を第2の焦点面にピント合わせする(その結果として得られる像を、以下、「SFP標的像」と言う)エレクターレンズ系と、上記SFP標的像を人間の眼で観察できるよう上記SFP標的像を視準するアイピースレンズ系で構成される光学系とを備えた本体、および上記光学系の調整のためのノブを有し、上記ノブは、上記第1の焦点面レティクルのための光モジュールを有することを特徴とする観察光学器械。
〔実施態様項14〕
観察光学器械であって、レティクルがFFP(first focal plane)のところに配置された状態で、第1の焦点面に標的からの像(以下、「FFP標的像」と言う)をピント合わせする対物レンズ系と、レティクルが上記SFPのところに配置された状態で、上記FFP標的像を変換して該FFP標的像を第2の焦点面にピント合わせする(その結果として得られる像を、以下、「SFP標的像」と言う)エレクターレンズ系と、上記SFP標的像を人間の眼で観察できるようにするアイピースレンズ系とで構成される光学系を備えた本体、および上記光学系の調整のためのノブを有し、上記ノブは、上記第1および第2の焦点面レティクルを照明するための光モジュールを有することを特徴とする観察光学器械。
〔実施態様項15〕
観察光学器械であって、第1の焦点面に標的からの像(以下、「FFP標的像」と言う)をピント合わせする対物レンズ系と、次に、上記SFPのところにレティクルが配置された状態で、上記FFP標的像を変換して該FFP標的像を第2の焦点面にピント合わせする(その結果として得られる像を、以下、「SFP標的像」と言う)エレクターレンズ系と、上記SFP標的像を人間の眼で観察できるようにするアイピースレンズ系とで構成される光学系を備えた本体、および上記光学系の調整のための第1のノブを有し、上記第1のノブは、上記第1の焦点面レティクルを照明するための光モジュールを有し、上記光学系の調整のための第2のノブが設けられ、上記第2のノブは、上記第2の焦点面レティクルを照明するための光モジュールを有することを特徴とする観察光学器械。
〔実施態様項16〕
実質的に図示するとともに本明細書において説明した観察光学器械。
〔実施態様項17〕
図示するとともに本明細書において説明した観察光学器械を用いる方法。
【0134】
台座を備えた観察光学器械の多くの実施形態を詳細に説明したが、これら実施形態に対する改造例および変形例が可能であることは、明らかなはずであり、これら改造例および変形例の全ては、本開示の真の精神および範囲に属する。次に、上述の説明に関し、理解されるべきこととして、寸法、材料、形状、形態、機能、ならびに動作の仕方、組立の仕方、および使用の仕方における変形例を含む本開示の諸部分に関する最適な寸法上の関係は、容易に明らかでありかつ当業者には明白であると考えられ、図面に記載されるとともに本明細書において説明した実施形態に対するすべての均等な関係は、本開示に含まれるものである。したがって、上記内容は、本開示の原理の例示としてのみみなされる。さらに、多くの改造および変更が当業者には容易に想到されるので、本開示を図示するとともに説明した構成および作用そのものに限定することは望まれず、したがって、すべての適当な改造例および均等例は、本開示の範囲に含まれる。
【0135】
本明細書で引用した特許および特許出願の全てを参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15