(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】新規の作物栄養および強化組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 25/04 20060101AFI20240718BHJP
A01N 43/80 20060101ALI20240718BHJP
A01N 51/00 20060101ALI20240718BHJP
A01N 59/02 20060101ALI20240718BHJP
A01N 59/16 20060101ALI20240718BHJP
A01P 21/00 20060101ALI20240718BHJP
C05G 5/27 20200101ALI20240718BHJP
【FI】
A01N25/04 102
A01N43/80 102
A01N51/00
A01N59/02 A
A01N59/16 Z
A01P21/00
C05G5/27
(21)【出願番号】P 2020563540
(86)(22)【出願日】2019-05-10
(86)【国際出願番号】 IB2019053881
(87)【国際公開番号】W WO2019215697
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-01-07
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2018/053251
(32)【優先日】2018-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(31)【優先権主張番号】201821042030
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】519392292
【氏名又は名称】サワント、アルン ヴィットハル
(73)【特許権者】
【識別番号】519392281
【氏名又は名称】ヴァダケクットゥ、タンカパン
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サワント アルン ヴィットハル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァダケクットゥ タンカパン
【合議体】
【審判長】阪野 誠司
【審判官】野田 定文
【審判官】松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/131702(WO,A1)
【文献】特表2002-539067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物栄
養のための液体懸濁液組成物であって、
前
記組成物が:
トータルの組成物の1重量%~60重量%の範囲の元素状硫黄と;
トータルの組成物の0.1重量%~55重量%の範囲の濃度の少なくとも1つのマンガン塩、それらの錯体
、またはそれらの混合物と;
少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤と;
トータルの組成物の0.01重量%~5重量%の範囲の少なくとも1つの構造形成剤と;
を含み、
前
記組成物は、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、および
メチレン尿素
反応生成物を含まず、
前記組成物が、0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含
み、
前記農芸化学的に受け入れられる賦形剤は、界面活性剤、分散剤、濡れ剤、水混和性溶媒、保水剤、展着剤、浸透剤、固着剤、ドリフト縮減剤、紫外線吸収剤、UV線散乱剤、保存料、安定剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、凍結防止剤または凝固点降下剤、抑泡剤、および固化防止剤の1つ以上から選択され、
前記構造形成剤は、増粘剤、粘度調整剤、タッキファイヤ、懸濁助剤、レオロジー調整剤、および沈降防止剤の1つ以上から選択される、
作物栄
養のための液体懸濁液組成物。
【請求項2】
作物栄
養のための水分散性顆粒状組成物であって、
前記組成物が:
トータルの組成物の1重量%~90重量%の範囲の元素状硫黄と;
トータルの組成物の0.1重量%~70重量%の範囲の少なくとも1つのマンガン塩、それらの錯体
、またはそれらの混合物と;
トータルの組成物の1%~30%w/wの範囲の少なくとも1つの分散剤と;
を含み、
前記組成物は、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、および
メチレン尿素
反応生成物を含まず、
前記組成物の顆粒が、0.1~2.5mmの範囲であり、0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む、
作物栄
養のための水分散性顆粒状組成物。
【請求項3】
前記マンガン塩が、少なくとも1つの水可溶性の塩および水不溶性の塩またはそれら
の混合物を含む、
請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記マンガン塩が、少なくとも1つの水不溶性のマンガン塩またはそれら
の混合物を含む、
請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
水不溶性の前記マンガン塩が、酸化マンガン
;水酸化マンガン
;リン酸マンガン
;カルボニルマンガン
;二セレン化マンガン
;炭酸マンガン;モリブデン酸マンガン;セレン化マンガン;テルル化マンガン;チタン酸マンガン;窒化マンガン;シュウ酸マンガン;フェロシアン化マンガン;フッ化マンガン;ホウ酸マンガン;硫化マンガン
;過酸化マンガン;フェロシアン化マンガン
;マンガンブラック;パイロルーサイト
;または
それらの混合物の少なくとも1つを含む、
請求項1または2に記載の組成物。
【請求項6】
前記マンガン塩が、少なくとも1つの水可溶性のマンガン塩、またはそれら
の混合物を含む、
請求項1または2に記載の組成物。
【請求項7】
水可溶性の前記マンガン塩が
、酢酸マンガン、マンガンジアセタート、グルコン酸マンガン、臭化マンガン、塩化マンガン、ヨウ化マンガン、コハク酸マンガン、フマル酸マンガン、硝酸マンガン、二塩化マンガン、マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、クエン酸マンガン、重炭酸マンガン、二クロム酸マンガン、フルオロケイ酸マンガン、リン酸マンガンアンモニウム;マンガン亜鉛フェライト、塩素酸マンガン四水和物、臭化マンガン、マンガン酸ナトリウム、キレートマンガン
、または
それらの混合物の少なくとも1つを含む、
請求項1または2に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、0.1mmから1.5mmのサイズ範囲のマイクロ顆粒の形態である、
請求項2に記載の水分散性顆粒状組成物。
【請求項9】
前記組成物の顆粒が0.1から10ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む、
請求項2に記載の水分散性顆粒状組成物。
【請求項10】
前記マンガン塩、それらの錯体
、または
それらの混合物の1つ以上対前記元素状硫黄の重量比が1:600から55:1である、
請求項1に記載の液体懸濁液組成物。
【請求項11】
前記マンガン塩、それらの錯体
、または
それらの混合物の1つ以上対前記元素状硫黄の重量比が1:50から35:1である、
請求項1に記載の液体懸濁液組成物。
【請求項12】
前記マンガン塩、それらの錯体
、または
それらの混合物の1つ以上対前記元素状硫黄の重量比が1:90から70:1である、
請求項2に記載の水分散性顆粒状組成物。
【請求項13】
前記組成物の粘度が10cpsから1200cpsの範囲である、
請求項1に記載の液体懸濁液組成物。
【請求項14】
前記組成物の粘度が10cpsから500cpsの範囲である、
請求項1に記載の液体懸濁液組成物。
【請求項15】
前記組成物の懸濁性が少なくとも30%である、
請求項1または2に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、さらに、任意に、1つ以上の微量栄養素、マクロ栄養素、バイオスティミュラント、殺虫活性成分、および/また
は、リン肥料、カリウム肥料
、もしくはそれらの混合物から選択される肥料
、から選択される少なくとも1つの追加の活性成分を含む、
請求項1または2に記載の組成物。
【請求項17】
微量栄養
素が、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲で存在する、
請求項1または2に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、さらに、崩壊剤、濡れ剤、バインダまたはフィラーまたは担体または希釈剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、抑泡剤、ドリフト縮減剤、固化防止剤、展着剤、浸透剤、固着剤、およびそれらの混合物から選択される1つ以上の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む、
請求項2に記載の水分散性顆粒状組成物。
【請求項19】
前記組成物が少なくとも40%の分散性を有する、
請求項2に記載の水分散性顆粒状組成物。
【請求項20】
請求項1に記載の
作物栄養のための液体懸濁
液組成物の調製のプロセスであって、
前記プロセスが:元素状硫黄、少なくとも1つのマンガン塩、それらの錯体
、またはそれらの混合物、
前記少なくとも1つの構造形成剤、および
前記少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤のブレンドをミリングして、0.1ミクロンから20ミクロンの粒子サイズ範囲を有するスラリーまたはウェットミックスを得ることを含む、
作物栄養のための液体懸濁
液組成物の調製のプロセス。
【請求項21】
請求項2に記載の作物栄
養のための水分散性顆粒状組成物の調製のプロセスであって、
前記プロセスが:
a.元素状硫黄、少なくとも1つのマンガン塩、それらの錯体
、またはそれらの混合物、および少なくとも1つの分散剤のブレンドをミリングして、スラリーまたはウェットミックスを得ることと;
b.
前記ウェットミックスを乾燥して、0.1mmから2.5mmの範囲の顆粒サイズを有しかつ0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む水分散性顆粒状組成物を得ることと、
を含む、
作物栄
養のための水分散性顆粒状組成物の調製のプロセス。
【請求項22】
前記ミリング
するステップが、さらに、崩壊剤、濡れ剤、バインダまたはフィラーまたは担体または希釈剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、抑泡剤、ドリフト縮減剤、固化防止剤、展着剤、浸透剤、および固着剤から選択される少なくとも1つのさらなる農芸化学的に受け入れられる賦形剤を追加することを含む、請求項
21に記載のプロセス。
【請求項23】
方法が、植物、植物増殖材料
、種子、苗、または周囲の土壌の少なくとも1つを請求項1または2に記載
の組成物によって処理することを含む、植物の健康または収量を改善する方法。
【請求項24】
肥料組成物、栄養素組成物、作物活性剤組成物、土壌改良剤組成物、および収量向上剤組成物の少なくとも1つとしての、請求項1または2に記載の組成
物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作物栄養(crop nutrition)および強化組成物(fortification composition)に関し、有効量のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、元素状硫黄、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む。組成物は約0.1ミクロン~20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。より具体的には、本発明は液体懸濁液(liquid suspension)の形態の作物栄養および強化組成物に関し、此れは、有効量のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上;元素状硫黄;少なくとも1つの構造形成剤(structuring agent)、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含し、液体懸濁液組成物は約0.1~20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。さらに、本発明は水分散性顆粒状組成物に関し、マンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上;元素状硫黄、および少なくとも1つの分散剤を含み、水分散性顆粒状組成物は、0.1mmから2.5mmのサイズ範囲の顆粒を有し、0.1~20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。さらにその上、本発明は、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物を調製するプロセスに、また、植物、種子、作物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または土壌を作物栄養および強化組成物によって処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の実施形態を記載する際には、明瞭性のために特定の術語が選ばれる。しかしながら、本発明がそのように選択された特定の用語に限定されるということは意図されず、各特定の用語は類似の目的を達成するために類似の様式で働く全ての技術的同等物を包含するということは理解されるはずである。
【0003】
種々の金属イオンは植物栄養および土壌肥沃度の必須要素であり、それらの欠乏は非常に多くの場合に不良な植物成長および発生の原因である。植物成長にとって特に重要なのは、鉄、マンガン、銅、亜鉛、ホウ素、およびかかる他の微量栄養素である。増加していく人口の食料および栄養要求量を満たすために、集約農業および農作物の増大した生産性が生じており、土壌肥沃度の枯渇をもたらしているということが観察されている。集約農業および増大した食料生産性を原因として、土壌の微量栄養素欠乏、特にマンガンのそれは、世界中の農業的な土壌のほとんどにおいて広範に現れ出て来ている。
【0004】
マンガン(Mn)は、植物成長および繁殖のために要求され、しかしながら植物によって比較的小量を必要とされる必須栄養素要素であり、それゆえにそれを微量栄養素にしている。マンガンは酵素の構成成分であり、光合成、呼吸、葉緑体形成、いくつかの酵素の合成、および窒素同化にもまた関与する。マンガンは、花粉発芽、花粉管成長、根細胞伸長、ならびに害虫および病気に対する抵抗性にもまた関与する。加えて、それは植物窒素固定に関与する。
【0005】
さらにその上、栄養要求量を満たし、作物の生産性を増大させるためには、不均衡な施肥と、1つの栄養素が他の栄養素の利用性を妨げるかまたは向上させる栄養素の相互作用とを原因とする土壌および植物の多栄養素欠乏は、農業における別の大きな懸念である。
【0006】
一般的に、植物のマンガン欠乏は、若い葉の葉脈間クロロシス(緑色の葉脈を有する葉の黄化)と、場合によっては、葉脈間のクロロシス領域に現れる黄褐色の凹んだ斑点とを招く。マンガン欠乏を原因として、植物成長もまた縮減および阻害され得る。その上、不良なマンガン栄養はマメ科作物の不良な根粒形成をもまたもたらし、縮減された植物成長および生産性につながる。ひとたび植物の上部の部位の組織に組み込まれると、マンガンは比較的不動性であり、結果として、1つの植物部位から別のものへのマンガンの移行は限られる。土壌のpH不均衡があるときには、マンガン欠乏はより顕著であり、マンガンは取り込みにとって利用不可能になる。欠乏は、低い肥料施用速度、汎用肥料の使用(これらは典型的には縮減された微量栄養素含量を有する)、および栄養素の過剰なリーチングからもまた起こり得る。マンガン欠乏のインパクトは、とりわけ穀類作物(小麦、大麦、およびオート麦)、マメ科(インゲンマメ、エンドウ豆、および大豆)、石果(リンゴ、チェリ、および桃)、ヤシ作物、柑橘類、ジャガイモ、テンサイ、およびキャノーラにおいて、縮減された乾物生産および収量、病原体に対するより弱い構造的抵抗性、ならびに乾燥および熱ストレスに対する縮減された耐性を包含する。双子葉植物のケースでは、マンガン欠乏は第1に淡色の斑葉、次に典型的な葉脈間クロロシスをもたらす。重度のマンガン欠乏では、双子葉植物はいくつもの褐色系の斑点をもまた発生し得る。穀類では、マンガン欠乏はより若い葉の薄緑または黄斑を引き起こし得る。この状態は灰斑病として公知であり、より古い葉に形成する壊死斑を特徴とする。
【0007】
その上、土壌の炭酸レベル、塩分濃度、土壌の水分、灌漑水の型、農業生産工程、肥料の型、土壌アルカリ度、低温、およびかかる他の因子などの因子を原因として、作物のマンガン栄養を管理することは困難である。ゆえに、植物による取り込みを相乗的な様式で増大させるように最適化された割合のマンガンを作物または土壌に提供する必要がある。
【0008】
また、究極的には、植物がマンガン利用性に応答する能力は作物収量および可食組織のマンガン濃度両方の点で人間の栄養を左右する。よって、適当な濃度および用量の適切なマンガン栄養は植物栄養および代謝を最適化するために重大であり、これは翻って作物収量および品質に寄与する。
【0009】
植物のマンガン要求量を満たすために、純粋なマンガン肥料または種々の他の栄養素要素を有するマンガン強化肥料どちらかによる種々の肥料が市場において入手可能である。
【0010】
公知のマンガン肥料は栄養素の効率的使用を可能にせず、植物によるマンガンの縮減された利用性または取り込みにつながるということが観察される。結果的に、植物の小さいマンガン要求量を満たすために、大量のマンガン肥料が施用される必要がある。かかる肥料は、植物へのマンガンの不充分な供給につながり、リーチング損失により陥りやすく、他の栄養素要素との負の相互作用を見せ、それゆえに、最適化された用量で用いられない場合には、植物への要求される栄養素の利用性を妨げる。
【0011】
さらにその上、ペレット、パスティルなどの形態の公知のマンガンに基づく組成物はより大きいサイズ分布を有し、それらのより不良な懸濁性、土壌中における不均一な分布、および作物の不均一なカバー率をもたらす。さらに、これらの従来の肥料は、完全には可溶性でないかまたは充分には分散しない形態で入手可能である。これはユーザおよび環境にとって多大な課題を提出する。これらの組成物は完全には可溶性ではないので、それらは残渣を残す。また、かかる商業的に入手可能なマンガンに基づく組成物は、そこからそれが施用されるべきパッケージまたは容器の底部に沈降または沈殿するどちらかの傾向があり、それによって、所望の結果、広がり性を見せることを叶えず、正しい取り込みのための作物への構成成分の一様な分配を欠く。
【0012】
また、必須のおよび成長の栄養素および肥料としての硫黄の役割は長く公知である。硫黄を土壌に導入するための最もコスト有効的なアプローチは、それが100%硫黄である元素状硫黄として硫黄を用いることである。当分野の教示は、より大きい粒子サイズを有する組成物を調製することを当業者に促すであろう。なぜなら、元素状硫黄のミリングは爆発または火災のハザードを呈し得、それゆえに、縮減された粒子サイズで元素状硫黄を組成物中に組み込むことはより多きな課題のまま残っているからである。従来、ベントナイト顆粒および硫黄ペレットなどの当分野において公知の硫黄に基づく組成物はより大きい粒子サイズを有する。
【0013】
農業的な肥料組成物をより効率的にし、それによって、土壌中でより安定でない形態への変換を妨げるかまたは植物にとっての栄養素の利用性を向上させる必要がある。植物によるマンガンの取り込みを向上させるために、マンガン肥料組成物の効率は増大させられなければならない。
【0014】
肥料および微量栄養素を包含する農業的な組成物が当分野において公知である。かかる組成物は、ほとんど、微細な粉末またはダストを形成するための不溶性の微量栄養素のみのミリングまたは粉砕について語っている。しかしながら、不溶性の微量栄養素のみのミリング、ならびに他の肥料、微量栄養素、および賦形剤を後で混合することは、その施用の点で望ましくなくあり得る製剤中の活性成分の一様でないブレンドと、また、植物による栄養素の不良な取り込みとにつながるであろう。
【0015】
さらに、マンガンおよび硫黄などの微量栄養素のパスティルまたはペレットは膨潤性の粘土を包含し、それによって、ペレットまたはパスティルは水分との接触をすることによって膨潤し、それによって崩壊して活性成分を放出する。かかるペレットまたはパスティルは微量栄養素の不規則な放出につながり、作物のより不良な圃場効力をもたらす。短所、すなわちそれらのより大きいサイズゆえの水中における不良な分散および懸濁性が、噴霧施用においてノズル詰まりをもたらし、植物または作物への栄養素の送達において問題を呈することによって、再び、かかるパスティル組成物は散布施用にとってのみ好適である。他方で、粉末製剤は散布することが非常に困難であり、ダスト形成とエンドユーザによる吸入による人体中へのダスト粒子の巻き込みとによって人間の健康に対する高いリスクを引き起こす。これらの欠点を原因として、マンガンおよび硫黄を含有するかかる従来技術のパスティル組成物は、商業的に妥当性を有さず、労働力不足と希少資源になっていく水とが理由でより必須になりつつある点滴またはスプリンクラー灌漑系においてはゼロの施用性を有する。
【0016】
さらにその上、当分野において開示されている他の製剤は人を高度に濃縮されている粘性の液体に至らしめ、現実の施用において問題をもたらすであろう。これらの高度に濃縮された製剤は水によって希釈されることが困難である。かかる高度に濃縮された製剤は安定な分散液を形成せず、硬い塊を形成する傾向があり、それゆえにかかる組成物を使用にとって不適にする。非注加性であるかかる粘性の大きい粒子サイズの製剤は、ノズルを詰まらせる傾向があり、植物または作物への栄養素の送達において問題を呈する。
【0017】
それゆえに、植物の要求量または増大した栄養素利用効率もしくは向上した栄養素取り込みを満たすための栄養素として有効に用いられかつ公知の組成物について上で論じられている欠点に対処し得る、硫黄などの肥料との組み合わせでマンガンを含む好適な組成物は公知または入手可能ではない。
【0018】
ゆえに、植物の生理的必要に従って時宜的な様式でマンガンおよび硫黄などの栄養素を土壌または植物に提供する組成物を開発する必要がある。難なく分散性であり、かつ水中に懸濁されたままであり、ユーザーフレンドリであり、収量を向上させ、マンガンおよび硫黄の使用を最適化しながら施用のコストを縮減し、かつさらにより低い数量で用いられ、それゆえに残渣を最小化し、かつ従来技術によって提出される欠点を克服する組成物を提供するさらなる必要がある。
【0019】
本発明の組成物は本質的に相乗的であり、特定の粒子サイズで製剤されたときには、硫黄およびマンガン両方を植物による取り込みにとって難なく利用可能にしており、総体的な収量を増大させるということが、本発明者によって指摘された。さらに、元素状硫黄との組み合わせでの特定の型のマンガン塩の選択が、マンガンのリーチングを防ぎ、それを作物による取り込みにとって最大限に利用可能にするということが観察された。驚くべきことに、本願の発明者は、マンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上および元素状硫黄を包含する本発明の作物栄養または強化組成物が、収量、植物成長、活力、活性、および作物保護の点で優良な結果を提供するということを決定した。本発明者は、組成物が0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する、有効量のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物、有効量の元素状硫黄、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する作物栄養および強化組成物が、例えばとりわけ作物の収量および成長の優良な圃場効力、ならびに改善された植物生理パラメータ、例えば増大した根生長、改善された発葉、および増大した緑色度を実証するということを決定した。
【0020】
本発明の組成物は驚くべきことに高い栄養素利用効率をもまた見せ、それによって、植物は、本発明に従う組成物の低いドーズの施用でもってより高い量のマンガンおよび硫黄栄養素を取り込む。驚くべきことに、本発明の組成物は、優れた物理的性質、例えば懸濁性、分散性、流動性、濡れ性、注加性、および改善された粘度をもまた見せる。本発明の組成物は加速保存下における優れた性能をもまた実証しており、驚くべきことに点滴灌漑にもまた有効に用いられる。さらにその上、本発明の組成物によって処理された植物は改善された病気抵抗性をもまた見せ、遅延した害虫の攻撃または蔓延を示した。その上、組成物は、組成物の施用の縮減された用量において驚くべきことにより高い圃場効力を見せた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明者は、有効量のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、元素状硫黄、および少なくとも1つの分散剤を含む水分散性顆粒状作物栄養(water dispersible granular crop nutrition)および強化組成物が、種々の作物において驚くべきことにより高い収量を見せており、植物生理を改善しており、マイクロ灌漑系に難なく用いられるということを決定した。
【課題を解決するための手段】
【0022】
水分散性顆粒は、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の濃度範囲のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、トータルの組成物の1重量%から90重量%の濃度範囲の元素状硫黄、および少なくとも1つの分散剤を包含する。分散剤はトータルの組成物の1重量%から30重量%の濃度範囲で存在する。作物栄養および強化のための水分散性顆粒状組成物は、さらに、トータルの組成物の1重量%~98.9重量%の範囲の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する。さらに、水分散性顆粒状作物栄養および強化組成物はサイズ範囲0.1mm~2.5mmであり、0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化のための水分散性顆粒状組成物は0.1mmから1.5mmのサイズ範囲のマイクロ顆粒の形態である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物はほぼ硬さを有さない。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物中に含まれるマンガン塩は水可溶性の塩または水不溶性の塩を包含する。
【0023】
さらにその上、驚くべきことに、本願の発明者は、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物がマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上;元素状硫黄;少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤、および少なくとも1つの構造形成剤を含み;ある種の作物の高い収量を実証しており、マイクロ灌漑系への直接的な使用をもまた見い出すということをもまた見い出した。
【0024】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物は、トータルの組成物の0.1重量%から55重量%の濃度範囲で存在するマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物を包含する。液体懸濁液組成物は、トータルの組成物の1重量%から60重量%の濃度範囲の元素状硫黄を包含する。農芸化学的な賦形剤は組成物の1重量%から98.9重量%の濃度範囲で存在する。液体懸濁液組成物は界面活性剤などの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する。界面活性剤はトータルの組成物の0.1重量%から50重量%の濃度範囲で存在し、構造形成剤はトータルの組成物の0.01重量%から5重量%の濃度範囲で存在する。液体懸濁液組成物は0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中に含まれるマンガン塩は水可溶性の塩または水不溶性の塩を包含する。
【0025】
さらにその上、本発明は、水分散性顆粒および液体懸濁液組成物の形態の、有効量のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、元素状硫黄、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む作物栄養および強化組成物を調製するプロセスに関し、組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。
【0026】
本発明は、植物、種子、作物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または土壌を、有効量のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、元素状硫黄、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む作物栄養および強化組成物によって処理する方法にもまた関する。
【0027】
作物栄養および強化組成物は、葉面噴霧剤として、あるいは散布、バンド/側条施肥、養液土耕、または点滴もしくはトリクル灌漑によって土壌に施用され得る。点滴またはトリクル灌漑の後者のケースは、増していく労働力および水不足によって多大に挑戦される農場生産工程をさらに最適化する。それゆえに、本発明の組成物はユーザの便宜に従って様々な農業経済的生産工程において施用の全ての可能なやり方で用いられる。
【0028】
ある実施形態に従うと、本発明は、さらに、土壌肥沃度、植物の健康を改善する、作物栄養を改善する、植物を強化もしくは活性化する、植物を保護する、植物収量を向上させる、または土壌肥沃度を向上させるかもしくは土壌を改良する、作物の病気および害虫抵抗性を改善する方法に関し;方法は、種子、苗、作物、植物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または周囲の土壌の少なくとも1つを、有効量のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、元素状硫黄、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む本発明の作物栄養および強化組成物によって処理することを含む。
【0029】
作物栄養および強化組成物は、良好な物理的および化学的特性を見せており、難なく分散性であり、向上した懸濁性を有し、非粘性、難なく注加性であり、硬い固化物を形成せず、より高温下における長期保存においてさえも安定性を向上させたことが観察される。これは翻って優れた圃場性能をもたらす。
【0030】
本発明のより完全な理解のために、ここで、付随する
図1により詳細に例解されかつ本発明の実施形態によって記載される実施形態の参照がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、全ての処理された区画からサンプルを取ることによって、大豆作物の播種から50日において判定された葉の炭水化物含量の観察を示すグラフ図である。平均データがグラフの形態で提出されており、これは大豆葉の炭水化物含量の改善に対する硫黄(S)+二酸化マンガン(Mn)の組み合わせの異なる製剤の効果を明確に伝えている。グラフは、本発明の実施形態に従う組成物が、当分野において公知の組成物、すなわちペレット/パスティルのものと比べて相乗的効果を見せるということを実証している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施形態を記載する際には、明瞭性のために特定の術語が選ばれる。しかしながら、本発明がそのように選択された特定の用語に限定されるということは意図されず、各特定の用語は、類似の目的を達成するために類似の様式で働く全ての技術的同等物を包含するということは理解されるはずである。本明細書に記載されるいずれかの数的範囲は、含められる全ての部分範囲を包含することを意図するということは理解される。また、別様に指示されない限り、組成物中の構成成分のパーセンテージは重量パーセンテージとして提出される。
【0033】
水分散性顆粒は、水中への分散および懸濁後に施用されるべき顆粒からなる製剤として定義され得る。本明細書に記載される「WG」または「WDG」は水分散性顆粒を指す。
【0034】
本発明に従うと、用語「液体懸濁液」は、水又は水混和性溶媒などの流体中の組成物の安定な懸濁液として定義され、通常は、使用前の水による希釈を意図される。さらに、用語または言い回し「液体懸濁液」は「水系分散液」または「水系懸濁液」または「懸濁液濃縮物」またはSC組成物または「サスポエマルション」組成物をもまた包摂する。
【0035】
栄養素利用効率(NUE)は、植物が利用可能なミネラル栄養素をどれくらい良く用いるかの尺度として定義される。NUEの改善は、低い栄養素利用性を有する限界地への作物生産の拡大にとって必須の前提条件であるが、無機肥料の使用を縮減するやり方でもまたある。
【0036】
本発明は、0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する有効量のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上;元素状硫黄、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する作物栄養または強化のための組成物に関し、それによって、組成物は改善された分散性および懸濁性を見せる。マンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物は0.1%から70%w/wの濃度範囲で存在し、元素状硫黄は1%から90%w/wの濃度範囲で存在する。組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有し、それによって、組成物は改善された分散性および懸濁性を見せる。
【0037】
ある実施形態に従うと、マンガン塩は、水不溶性の塩および/もしくは水可溶性の塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上を包含する。
【0038】
ある実施形態に従うと、マンガン塩、錯体、またはそれらの誘導体は、特に、水不溶性の塩の1つ以上を包含する。ある実施形態に従うと、水不溶性の塩は、酸化マンガン、四酸化三マンガンまたは酸化第一マンガン第二マンガンまたはハウスマンナイト;水酸化マンガン、リン酸マンガン、リン酸マンガン七水和物、カルボニルマンガン、二酸化マンガン、二セレン化マンガン、四酸化マンガン、炭酸マンガン、モリブデン酸マンガン、セレン化マンガン、テルル化マンガン、チタン酸マンガン、窒化マンガン、シュウ酸マンガン、フェロシアン化マンガン、フッ化マンガン、ホウ酸マンガン、硫化マンガン、過マンガン酸カリウムまたは過マンガン酸;三酸化二マンガン、それらの錯体、誘導体、およびそれらの混合物の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。酸化マンガンは、酸化マンガン(II)MnO(フェライトグレード);酸化マンガン(II,III)Mn3O4;酸化マンガン(III)Mn2O3;二酸化マンガン(酸化マンガン(IV))MnO2;酸化マンガン(VI)MnO3;および酸化マンガン(VII)Mn2O7を包含する。水酸化マンガンは二水酸化マンガンおよび水酸化第一マンガンを包含する。リン酸マンガンは、リン酸マンガン(II)、二リン酸マンガン、および三塩基性リン酸マンガンを包含する。二酸化マンガンは、酸化マンガン(IV)、過酸化マンガン、マンガン二酸化物、マンガンブラック、バッテリーマンガン、パイロルーサイト、およびマンガンスーパーオキシドを包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の水不溶性のマンガン塩を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0039】
ある実施形態に従うと、マンガンの好ましい水不溶性の塩は、酸化マンガン;酸化マンガン(II)MnO(フェライトグレード);酸化マンガン(II,III)Mn3O4;酸化マンガン(III)Mn2O3;酸化マンガン(VI)MnO3;酸化マンガン(VII)Mn2O7;水酸化マンガン;リン酸マンガン;二酸化マンガン;炭酸マンガン;シュウ酸マンガン;ホウ酸マンガン、およびそれらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上を包含する。
【0040】
ある実施形態に従うと、マンガン塩は、水可溶性の塩の1つ以上を包含する。ある実施形態に従うと、水可溶性の塩は、酢酸マンガン、マンガンジアセタート、グルコン酸マンガン、コハク酸マンガン、フマル酸マンガン、過マンガン酸カリウム、臭化マンガン、二塩化マンガンを包含する塩化マンガン、二クロム酸マンガン、三酸化二マンガン;ヨウ化マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン、硫化マンガン、キレートマンガン、リン酸マンガンアンモニウム、クエン酸マンガン、重炭酸マンガン、マンガン亜鉛フェライト、塩素酸マンガン四水和物、フルオロケイ酸マンガン、マンガン酸ナトリウム、ならびにそれらの錯体、誘導体、および混合物の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。塩化マンガンは、二塩化マンガン、塩化マンガン、およびマンガンの過塩化物を包含する。硫酸マンガンは、硫酸マンガン(II)一水和物、硫酸マンガン(II)、および硫酸マンガン七水和物を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の水可溶性のマンガン塩を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0041】
別の実施形態に従うと、好ましい水可溶性の塩は、酢酸マンガン;マンガンジアセタート;グルコン酸マンガン;臭化マンガン;塩化マンガン;ヨウ化マンガン;硝酸マンガン;クエン酸マンガン;重炭酸マンガン;リン酸マンガンアンモニウム;硫酸マンガン;およびそれらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上を包含する。
【0042】
もっと別の実施形態に従うと、マンガン塩は、特に、酸化マンガン;酸化マンガン(II)MnO(フェライトグレード);酸化マンガン(II,III)Mn3O4;酸化マンガン(III)Mn2O3;酸化マンガン(VI)MnO3;酸化マンガン(VII)Mn2O7;水酸化マンガン;リン酸マンガン;二酸化マンガン;炭酸マンガン;シュウ酸マンガン;ホウ酸マンガン;酢酸マンガン;マンガンジアセタート;グルコン酸マンガン;臭化マンガン;塩化マンガン;ヨウ化マンガン;硝酸マンガン;クエン酸マンガン;重炭酸マンガン;リン酸マンガンアンモニウム;硫酸マンガン、およびそれらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上を包含する。
【0043】
尚さらなる実施形態に従うと、マンガン塩は、キレート形態、例えばエチレンジアミン四酢酸マンガン、マンガンジエチレントリアミン五酢酸、およびリグノスルホン酸マンガンをもまた包含する。
【0044】
ある実施形態に従うと、マンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物はトータルの組成物の0.1重量%から70重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、マンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物はトータルの組成物の1重量%から55重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、マンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物はトータルの組成物の1重量%から45重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、マンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物はトータルの組成物の1重量%から25重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、マンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物はトータルの組成物の1重量%から10重量%の濃度範囲で存在する。
【0045】
ある実施形態に従うと、元素状硫黄は作物栄養および強化組成物の1重量%から90重量%の量で存在する。ある実施形態に従うと、元素状硫黄は作物栄養および強化組成物の1重量%から80重量%の量で存在する。ある実施形態に従うと、元素状硫黄は作物栄養および強化組成物の1重量%から65重量%の量で存在する。ある実施形態に従うと、元素状硫黄は作物栄養および強化組成物の1重量%から50重量%の量で存在する。ある実施形態に従うと、元素状硫黄は作物栄養および強化組成物の1重量%から35重量%の量で存在する。ある実施形態に従うと、元素状硫黄は作物栄養および強化組成物の1重量%から20重量%の量で存在する。
【0046】
ある実施形態に従うと、元素状硫黄は作物栄養および強化組成物の20重量%から90重量%の量で存在する。ある実施形態に従うと、元素状硫黄は作物栄養および強化組成物の20重量%から40重量%の量で存在する。
【0047】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物の平均粒子サイズは0.1ミクロンから20ミクロンの範囲である。別の実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物の平均粒子サイズは0.1ミクロンから15ミクロンの範囲である。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物の平均粒子サイズは0.1ミクロンから10ミクロンの範囲である。
【0048】
ある実施形態に従うと、マンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:900から70:1である。ある実施形態に従うと、マンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:90から70:1である。ある実施形態に従うと、マンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:10から10:1である。ある実施形態に従うと、マンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:1から10:1である。ある実施形態に従うと、マンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:1から5:1である。ある実施形態に従うと、マンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:1から2:1である。
【0049】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は固体形態または液体形態である。例えば、作物栄養および強化組成物は、水和剤、液体懸濁液、水系懸濁液、懸濁液濃縮物、サスポエマルション、水分散性顆粒、種子ドレッシング、または種子処理組成物、およびそれらの組み合わせの形態である。
【0050】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は水分散性顆粒の形態である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の濃度範囲のマンガン塩、それらの錯体、または誘導体の1つ以上、トータルの組成物の1重量%から90重量%の濃度範囲の元素状硫黄、および1重量%から30重量%の濃度範囲の少なくとも1つの分散剤を包含する。水分散性顆粒は0.1mmから2.5mmのサイズ範囲であり、組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。さらに、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤を包含する。
【0051】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、特に、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲のマンガン塩、それらの錯体、または誘導体の1つ以上、トータルの組成物の20重量%から90重量%の範囲の元素状硫黄、およびトータルの組成物の0.1重量%から30重量%の範囲の少なくとも1つの分散剤を包含する。
【0052】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は水可溶性のマンガン塩または水不溶性のマンガン塩の1つ以上を含む。
【0053】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、特に、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲の水不溶性のマンガン塩、それらの錯体、または誘導体の1つ以上、トータルの組成物の1重量%から90重量%の範囲の元素状硫黄、および1重量%から30重量%の濃度範囲の少なくとも1つの分散剤を包含し、組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。水分散性顆粒は0.1mmから2.5mmのサイズ範囲である。
【0054】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、特に、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲の酸化マンガン;酸化マンガン(II)MnO(フェライトグレード);酸化マンガン(II,III)Mn3O4;酸化マンガン(III)Mn2O3;酸化マンガン(VI)MnO3;酸化マンガン(VII)Mn2O7;水酸化マンガン;リン酸マンガン;二酸化マンガン;炭酸マンガン;シュウ酸マンガン;ホウ酸マンガン、それらの錯体、誘導体、またはそれらの混合物の1つ以上、トータルの組成物の1重量%から90重量%の範囲の元素状硫黄、および少なくとも1つの分散剤を包含し、組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。水分散性顆粒は0.1mmから2.5mmのサイズ範囲である。
【0055】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲の水可溶性のマンガン塩、それらの錯体、または誘導体の1つ以上、トータルの組成物の1重量%から90重量%の範囲の元素状硫黄、および1重量%から30重量%の濃度範囲の少なくとも1つの分散剤を包含し、組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。水分散性顆粒は0.1mmから2.5mmのサイズ範囲である。
【0056】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、特に、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲の酢酸マンガン;マンガンジアセタート;グルコン酸マンガン;臭化マンガン;塩化マンガン;二塩化マンガン;塩化第一マンガン;マンガンの過塩化物;ヨウ化マンガン;硝酸マンガン;クエン酸マンガン;重炭酸マンガン;リン酸マンガンアンモニウム;硫酸マンガン;硫酸マンガン(II)一水和物;硫酸マンガン(II);硫酸マンガン七水和物;それらの塩、錯体、誘導体、およびそれらの混合物の1つ以上、トータルの組成物の1重量%から90重量%の範囲の元素状硫黄、および1重量%から30重量%の濃度範囲の少なくとも1つの分散剤を包含し、組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。水分散性顆粒は0.1mmから2.5mmのサイズ範囲である。
【0057】
ある実施形態に従うと、硫酸マンガンは、0.1重量%から70重量%の濃度範囲で、好ましくは25重量%超の濃度で、より好ましくは26重量%から70重量%の濃度範囲で存在する。
【0058】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、特に、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲の酸化マンガン;酸化マンガン(II)MnO(フェライトグレード);酸化マンガン(II,III)Mn3O4;酸化マンガン(III)Mn2O3;酸化マンガン(VI)MnO3;酸化マンガン(VII)Mn2O7;水酸化マンガン;リン酸マンガン;二酸化マンガン;炭酸マンガン;シュウ酸マンガン;ホウ酸マンガン;酢酸マンガン;マンガンジアセタート;グルコン酸マンガン;臭化マンガン;塩化マンガン;ヨウ化マンガン;硝酸マンガン;クエン酸マンガン;重炭酸マンガン;リン酸マンガンアンモニウム;硫酸マンガン、それらの塩、錯体、誘導体、およびそれらの混合物の1つ以上、トータルの組成物の1重量%から90重量%の範囲の元素状硫黄、および少なくとも1つの分散剤を包含し、組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。
【0059】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態のマンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:900から70:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態のマンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:90から70:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態のマンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:90から3.5:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態のマンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:10から10:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態のマンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:1から10:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態のマンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:1から5:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態のマンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:1から2:1である。
【0060】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は水分散性顆粒の形態であり、顆粒は0.1から2.5mmのサイズ範囲である。好ましくは、ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は0.1から2mmの範囲の顆粒サイズを有する。好ましくは、ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は0.1から1.5mmの範囲の顆粒サイズを有する。好ましくは、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は0.1から1mmの範囲の顆粒サイズを有する。最も好ましくは、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は0.1から0.5mmの範囲の顆粒サイズを有する。
【0061】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒はマイクロ顆粒の形態であり、顆粒は0.1mmから1.5mmのサイズ範囲である。顆粒は0.1から20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む。
【0062】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は液体懸濁液の形態である。
【0063】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は液体懸濁液の形態であり、0.1重量%から55重量%のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、および1重量%から60重量%の元素状硫黄;トータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の少なくとも1つの構造形成剤、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含み、組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。
【0064】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液は、0.1重量%から55重量%のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上を含む。ある実施形態に従うと、液体懸濁液は、0.1重量%から45重量%のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上を含む。ある実施形態に従うと、液体懸濁液は、0.1重量%から25重量%のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上を含む。ある実施形態に従うと、液体懸濁液は、0.1重量%から10重量%のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上を含む。
【0065】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は1重量%から60重量%の元素状硫黄を含む。ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は1重量%から45重量%の元素状硫黄を含む。ある実施形態に従うと、液体懸濁液は1重量%から35重量%の元素状硫黄を含む。ある実施形態に従うと、液体懸濁液は1重量%から20重量%の元素状硫黄を含む。
【0066】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は液体懸濁液の形態であり、水可溶性のマンガン塩または水不溶性のマンガン塩の1つ以上を含む。
【0067】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は、特に、0.1重量%から55重量%の1つ以上の水不溶性のマンガン塩、それらの錯体、または誘導体、トータルの組成物の1重量%から60重量%の範囲の元素状硫黄;少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤、およびトータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の少なくとも1つの構造形成剤を含み、組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。
【0068】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は、特に、0.1重量%から55重量%の酸化マンガン;酸化マンガン(II)MnO(フェライトグレード);酸化マンガン(II,III)Mn3O4;酸化マンガン(III)Mn2O3;酸化マンガン(VI)MnO3;酸化マンガン(VII)Mn2O7;水酸化マンガン;リン酸マンガン;二リン酸マンガン;三塩基性リン酸マンガン;二酸化マンガン;(酸化マンガン(IV))MnO2;酸化マンガン(III)Mn2O3;酸化マンガン(VI)MnO3;および酸化マンガン(VII)Mn2O7;炭酸マンガン;ホウ酸マンガン;シュウ酸マンガン;それらの錯体、誘導体、およびそれらの混合物の1つ以上;トータルの組成物の1重量%から60重量%の範囲の元素状硫黄;少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤;およびトータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の少なくとも1つの構造形成剤を含み、組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。
【0069】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は、トータルの組成物の0.1重量%から55重量%の水可溶性のマンガン塩、それらの錯体、または誘導体の1つ以上、トータルの組成物の1重量%から60重量%の範囲の元素状硫黄、少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤;およびトータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の少なくとも1つの構造形成剤を含み、組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。
【0070】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は、特に、0.1重量%から55重量%の酢酸マンガン;マンガンジアセタート;グルコン酸マンガン;臭化マンガン;塩化マンガン;二塩化マンガン;塩化第一マンガン;マンガンの過塩化物;ヨウ化マンガン;硝酸マンガン;クエン酸マンガン;重炭酸マンガン;リン酸マンガンアンモニウム;硫酸マンガン;硫酸マンガン(II)一水和物;硫酸マンガン(II);硫酸マンガン七水和物;およびそれらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上;トータルの組成物の1重量%から60重量%の範囲の元素状硫黄;少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤;およびトータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の少なくとも1つの構造形成剤を含み、組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。
【0071】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は、特に、0.1重量%から55重量%の酸化マンガン;酸化マンガン(II)MnO(フェライトグレード);酸化マンガン(II,III)Mn3O4;酸化マンガン(III)Mn2O3;酸化マンガン(VI)MnO3;酸化マンガン(VII)Mn2O7;水酸化マンガン;リン酸マンガン;二酸化マンガン;炭酸マンガン;シュウ酸マンガン;ホウ酸マンガン;酢酸マンガン;マンガンジアセタート;グルコン酸マンガン;臭化マンガン;塩化マンガン;ヨウ化マンガン;硝酸マンガン;クエン酸マンガン;重炭酸マンガン;リン酸マンガンアンモニウム;硫酸マンガン、およびそれらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上;トータルの組成物の1重量%から60重量%の範囲の元素状硫黄;少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤;ならびにトータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の少なくとも1つの構造形成剤を含み、組成物は0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。
【0072】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液中のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:600から55:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:50から35:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中のマンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:10から10:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中のマンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:2.5から1.5:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中のマンガン塩、錯体、誘導体、または混合物の1つ以上対元素状硫黄の重量比は1:1である。
【0073】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる構造形成剤は、増粘剤、粘度調整剤、タッキファイヤ、懸濁助剤、レオロジ調整剤、または沈降防止剤の1つ以上を包含する。構造形成剤は長引く保存後の活性成分粒子の沈殿を防ぐ。
【0074】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物に用いられる構造形成剤は、1つ以上のポリマ、例えばポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、多糖、疎水化セルロース誘導体、セルロース誘導体のコポリマ、カルボキシビニルまたはポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコールおよび誘導体;粘土、例えばベントナイト粘土、カオリン、スメクタイト、アタパルジャイト、高表面積シリカによるアタクレイ、および天然ガム、例えばグアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガカントガム、ラムザンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ウェランガム、ビーガム、ゼラチン、デキストリン、コラーゲン;ポリアクリル酸およびそれらのナトリウム塩;脂肪族アルコールのポリグリコールエーテル、およびポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド縮合生成物、ならびにそれらの混合物を包含するが、これらに限定されず、エトキシル化アルキルフェノール(当分野においては、アルキルアリールポリエーテルアルコールともまた称される);エトキシル化脂肪族アルコール(またはアルキルポリエーテルアルコール);エトキシル化脂肪酸(またはポリオキシエチレン脂肪酸エステル);エトキシル化アンヒドロソルビトールエステル(またはポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル)、塩基性溶液中において非イオン性である長鎖アミンおよび環状アミンオキシド;長鎖第三級ホスフィンオキシド;ならびに長鎖ジアルキルスルホキシド、フュームドシリカ、フュームドシリカおよびフュームド酸化アルミニウムの混合物、膨潤性ポリマー、ポリアミド、またはその誘導体;ポリオール、例えばグリセリン、ポリ(酢酸ビニル)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(エチレングリコール)、リン脂質(例えばセファリンおよび同類);スタキオース、フラクトオリゴ糖、アミロース、ペクチン、アルギン酸、ハイドロコロイド、ならびにそれらの混合物を包含する。また、セルロース、例えばヘミセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシルエチルプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース;デンプン、例えば酢酸デンプン、デンプンヒドロキシエチルエーテル、イオン性デンプン、長鎖アルキルデンプン、コーンスターチ、アミンデンプン、リン酸デンプン、およびジアルデヒドデンプン;植物デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;他の炭水化物、例えばペクチン、アミロペクチン、グリコーゲン、寒天、グルテン、アルギン酸、フィココロイド、またはそれらの誘導体である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の構造形成剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0075】
好ましい構造形成剤は、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖、アルカリ土類金属ケイ酸塩、ゼラチン、およびポリビニルアルコールの1つ以上を包含する。構造形成剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0076】
ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から4%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から3%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から2%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から1%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から0.1%w/wの量で存在する。
【0077】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液および水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子、好ましくは0.1ミクロンから15ミクロンのサイズ範囲の、最も好ましくは0.1から10ミクロンの範囲の粒子を含む。マンガンおよび硫黄のより良好な取り込みは、約0.1~20ミクロンの粒子サイズ範囲において作物にとって利用可能にされる。それゆえに、作物栄養および強化組成物の0.1~20ミクロンの粒子サイズは、施用の容易さの点でのみならず効力の点でもまた重要であることが見い出された。
【0078】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はさらに任意に少なくとも1つの追加の活性成分を含み、これは肥料、微量栄養素、マクロ栄養素、ビタミン、微生物、細菌胞子、1つ以上の殺虫活性成分、フミン酸、ハイドロゲル、スーパーアブソーベント、およびバイオスティミュラントの1つ以上を包含する。微生物、細菌胞子、およびバイオスティミュラントは商業的に開発、製造されており、世界中の種々のサプライヤから利用可能である。
【0079】
ある実施形態に従うと、追加の活性成分は作物栄養および強化組成物の1重量%から90重量%の量で存在する。ある実施形態に従うと、追加の活性成分は作物栄養および強化組成物の1重量%から60重量%の量で存在する。ある実施形態に従うと、追加の活性成分は作物栄養および強化組成物の1重量%から40重量%の量で存在する。ある実施形態に従うと、追加の活性成分は作物栄養および強化組成物の1重量%から20重量%の量で存在する。
【0080】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は任意に少なくとも1つの肥料を含み得る。肥料は、単純には、土壌中に天然に見い出される要求される要素を補うために農業用の圃場に施用される作物栄養素である。作物による連続的な栄養素取り込み、栄養素の水による流出損失、リーチング、揮散、および土壌の浸食を原因として、土壌はその肥沃度を失う傾向がある。これらの結果として、作物の要求量は満たされない。肥料の施用は、収量を増大させることおよび健康な作物を促進することを支援するのみならず、害虫および病気の攻撃に対する防御の発生をもまた助ける。それゆえに、作物への最適な量および型の肥料の施用は、作物の栄養素要求量を満たす上で肝要である。
【0081】
ある実施形態に従うと、肥料は単一栄養素肥料、多栄養素肥料、二元素肥料、複合肥料、有機肥料、またはそれらの混合物を包含する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物中に任意に包含される肥料は、水可溶性の肥料もしくは水不溶性の肥料、またはそれらの塩もしくは錯体もしくは誘導体もしくは混合物の1つ以上を含む。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、当分野において公知の他の肥料を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0082】
さらなる実施形態に従うと、肥料は、窒素肥料、リン酸肥料、カリ肥料、硝酸アンモニウム、尿素、硝酸ナトリウム、カリウム肥料、例えば塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム、硝酸カリウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、硝酸カルシウムアンモニウム、過リン酸、リン酸石膏、三重過リン酸、NPK肥料、またはそれらの塩、錯体、誘導体、もしくはそれらの混合物の1つ以上を含む。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の肥料を用いることが可能であるということを了解するであろう。肥料は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0083】
ある実施形態に従うと、肥料は作物栄養および強化組成物の1重量%から90重量%の量で存在する。ある実施形態に従うと、肥料は作物栄養および強化組成物の1重量%から40重量%の量で存在する。ある実施形態に従うと、肥料は作物栄養および強化組成物の1重量%から20重量%の量で存在する。
【0084】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は少なくとも1つの微量栄養素を含み得る。別の実施形態に従うと、微量栄養素は、それらの元素形態の亜鉛、カルシウム、ホウ素、マグネシウム、銅、鉄、ケイ素、コバルト、塩素、ナトリウム、モリブデン、クロム、バナジウム、セレン、ニッケル、ヨウ素、フッ素、リン、カリウム、またはそれらの塩、錯体、誘導体、もしくは混合物の1つ以上を含む。微量栄養素は、ビタミン、それらの有機酸もしくは塩、錯体、または誘導体、あるいは混合物の1つ以上をもまた含み得る。しかしながら、任意の微量栄養素の上のリストは例示的であり、本発明の範囲を限定することは意味されていない。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の微量栄養素を用いることが可能であるということを了解するであろう。微量栄養素は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0085】
ある実施形態に従うと、微量栄養素は組成物の0.1%から70%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、微量栄養素は組成物の0.1%から60%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、微量栄養素は組成物の0.1%から40%w/wの量で存在する。
【0086】
ある実施形態に従うと、組成物は、さらに、酵素、フミン酸、およびフルボ酸の1つ以上から選択されるがこれらに限定されないバイオスティミュラントを包含し得る。用いられるバイオスティミュラントは商業的に製造されており、世界中の種々の商業的な製造者から入手される。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なるバイオスティミュラントを利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0087】
ある実施形態に従うと、殺虫活性成分は、防汚剤、殺虫剤、殺真菌剤、除草剤、殺線虫剤、フェロモン、枯葉剤、殺ダニ類剤、植物成長制御因子、殺藻剤、摂食抑制物質、鳥殺し、殺細菌剤、鳥忌避剤、バイオ農薬、殺生物剤、化学不妊薬、薬害軽減剤、昆虫誘引剤、昆虫忌避剤、昆虫成長制御因子、哺乳類忌避剤、交配撹乱剤、消毒剤、軟体動物駆除剤、抗微生物剤、殺ダニ剤、殺卵剤、燻蒸剤、植物活性化剤、その殺鼠剤、共力剤、抗ウイルス剤、微生物農薬、植物に組み込まれた保護剤、他の雑多な殺虫活性成分、または塩、誘導体、および混合物を包含する。
【0088】
ある実施形態に従うと、殺虫剤はトータルの組成物の0.1%から70%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、殺虫剤はトータルの組成物の0.1%から60%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、任意の殺虫剤はトータルの組成物の0.1%から40%w/wの量で存在する。
【0089】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は、農芸化学的に受け入れられる賦形剤、例えば界面活性剤、分散剤、濡れ剤、バインダまたは結合剤、崩壊剤、フィラーまたは担体または希釈剤、乳化剤、展着剤、コーティング剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、抑泡剤または破泡剤、浸透剤、保存料、紫外線吸収剤、UV線散乱剤、安定剤、顔料、着色料、構造形成剤、キレートまたは錯化または封鎖剤、懸濁剤または懸濁助剤、保水剤、固着剤、凍結防止剤または凝固点降下剤、水混和性溶媒、およびそれらの混合物を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、追加の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。農芸化学的に受け入れられる賦形剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0090】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、さらに、1つ以上の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する。これらの農芸化学的に受け入れられる賦形剤は、崩壊剤;濡れ剤、バインダ;フィラー;担体または希釈剤;緩衝剤またはpH調整剤または中和剤;抑泡剤;ドリフト縮減剤;固化防止剤;展着剤;浸透剤;および固着剤の1つ以上を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、追加の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0091】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は1つ以上の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する。ある実施形態に従うと、農芸化学的に受け入れられる賦形剤は1つ以上の界面活性剤を含む。ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物中の農芸化学的に受け入れられる賦形剤は、さらに、分散剤、保水剤、展着剤、懸濁剤または懸濁助剤、浸透剤、固着剤、ドリフト縮減剤、紫外線吸収剤、UV線散乱剤、保存料、安定剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、凍結防止剤または凝固点降下剤、抑泡剤、および固化防止剤の1つ以上を含む。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、追加の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0092】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1重量%から98.9重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも98重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも95重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも80重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも60重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも40重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも20重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも10重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも5重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の少なくとも1重量%の濃度範囲で存在する。
【0093】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、およびポリマー性界面活性剤の1つ以上を包含する。ある実施形態に従うと、界面活性剤は乳化剤、濡れ剤、および分散剤の1つ以上を包含する。
【0094】
アニオン性界面活性剤は、脂肪酸の塩、安息香酸、ポリカルボン酸、アルキル硫酸エステルの塩、アルキルエーテル硫酸、アルキル硫酸、アルキルアリール硫酸、アルキルジグリコールエーテル硫酸、アルコール硫酸エステルの塩、アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アリールスルホン酸、リグニンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、アルキルリン酸エステルの塩、アルキルアリールリン酸、スチリルアリールリン酸、スルホン酸ドクサート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸、アルキルサルコシン酸、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、スルホコハク酸、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸遊離酸およびナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステルの塩、スルホコハク酸-モノおよび他のジエステル、リン酸エステル、アルキルナフタレンスルホン酸イソプロピルおよびブチル誘導体、アルキルエーテル硫酸ナトリウムおよびアンモニウム塩;アルキルアリールエーテルリン酸、エチレンオキシドおよびその誘導体、ポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸エステルの塩、モノアルキルスルホコハク酸、芳香族炭化水素スルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ラウリル硫酸アンモニウム、ペルフルオロノナン酸アンモニウム、ドクサート、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロノナン酸、カルボキシレート、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ペルフルオロオクタン酸、リン脂質、ラウリル硫酸カリウム、石鹸、石鹸代替物、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、パレス硫酸ナトリウム、アルキルカルボン酸、ステアリン酸ナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸、スルホ脂質、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸塩縮合物ナトリウム塩、フルオロカルボン酸、脂肪族アルコールサルフェート、アルキルナフタレンスルホン酸縮合物ナトリウム塩、ホルムアルデヒドと縮合したナフタレンスルホン酸、もしくはホルムアルデヒドと縮合したアルキルナフタレンスルホン酸の塩;またはそれらの塩、誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他のアニオン性界面活性剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0095】
カチオン性界面活性剤は、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルメチルエトキシル化アンモニウムクロリドまたは塩、ドデシル、ココ、ヘキサデシル、オクタデシル、オクタデシル/ベヘニル、ベヘニル、コカミドプロピル、トリメチルアンモニウムクロリド;ココ、ステアリル、ビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、アルキル、テトラデシル、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジオクチル、ジ(オクチルデシル)、ジデシル、ジヘキサデシル、ジステアリル、ジ(水添牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水添牛脂)ベンジル、トリオクチル、トリ(オクチルデシル)、トリドデシル、トリヘキサデシルメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチル、ドデシルジメチルベンジル、ジ(オクチルドデシル)ジメチル、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド、第四級化アミンエトキシレート、塩化ベヘントリモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化ベンゾドデシニウム、ブロニドックス、第四級アンモニウム塩、カルベトペンデシニウムブロミド、塩化セタルコニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、臭化ドミフェン、ラウリルメチルグルセス-10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリド、オクテニジン二塩酸塩、Olaflur、N-オレイル-1,3-プロパンジアミン、パフトキシン、ステアラルコニウムクロリド、水酸化テトラメチルアンモニウム、臭化トンゾニウム;それらの塩または誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他のカチオン性界面活性剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0096】
非イオン性界面活性剤は、ポリオールエステル、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシル化エステル、ポリエトキシル化アルコール、エトキシル化およびプロポキシル化脂肪族アルコール、エトキシル化およびプロポキシル化アルコール、EO/POコポリマー;EOおよびPOブロックコポリマー、ジ、トリブロックコポリマー;ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、ポロキサマー、ポリソルベート、アルキル多糖、例えばアルキルポリグリコシドおよびそれらのブレンド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステル、グリコールおよびグリセロールエステル、グルコシジルアルキルエーテル、牛脂脂肪酸ナトリウム、ポリオキシエチレングリコール、ソルビタンアルキルエステル、ソルビタン誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル(Span)、およびそれらのエトキシル化誘導体(Tween)、および脂肪酸のスクロースエステル、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、コカミドDEA、コカミドMEA、デシルグルコシド、デシルポリグルコース、モノステアリン酸グリセロール、ラウリルグルコシド、マルトシド、モノラウリン、ナローレンジエトキシレート、ノニデットP-40、ノノキシノール-9、ノノキシノール、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、N-オクチルベータ-D-チオグルコピラノシド、オクチルグルコシド、オレイルアルコール、PEG-10ヒマワリグリセリド、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリドカノール、ポロキサマー、ポロキサマー407、ポリエトキシル化タローアミン、ポリリシノール酸ポリグリセロール、ポリソルベート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ステアリルアルコール、サーファクチン、ラウリン酸グリセリル、ラウリルグルコシド、ノニルフェノールポリエトキシエタノール、ノニルフェノールポリグリコールエーテル、ヒマシ油エトキシレート、ポリグリコールエーテル、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのポリアダクト、ポリアルキレングリコールエーテルおよびヒドロキシステアリン酸のブロックコポリマー、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、エトプロポキシル化トリスチリルフェノール、エトキシル化アルコール、ポリオキシエチレンソルビタン、脂肪酸ポリグリセリド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、アルコールエトキシレート-C6からC16/18アルコール、直鎖および分岐、アルコールアルコキシレート-種々の疎水基ならびにEO/PO含量および比、脂肪酸エステル-モノおよびジエステル;ラウリン、ステアリン、およびオレイン;グリセロールエステル-EOありおよびなし;ラウリン、ステアリン、ココア、およびトール油由来、エトキシル化グリセリン、ソルビタンエステル-EOありおよびなし;ラウリン、ステアリン、およびオレイン系;モノおよびトリエステル、ヒマシ油エトキシレート-5から200モルEO;非水添および水添、ブロックポリマー、アミンオキシド-エトキシル化および非エトキシル化;アルキルジメチル、脂肪族アミンエトキシレート-ココ、タロー、ステアリル、オレイルアミン、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、もしくはポリオキシプロピレン脂肪酸エステル;それらの塩または誘導体、および混合物の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の非イオン性界面活性剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0097】
両性または双性イオン性界面活性剤は、ベタイン、ココおよびラウリルアミドプロピルベタイン、ココアルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルベタイン;C8からC18、アルキルジプロピオン酸-ラウリミノジプロピオン酸ナトリウム、コカミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、イミダゾリン、リン脂質、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、およびスフィンゴミエリン、ラウリルジメチルアミンオキシド、アルキルアンホ酢酸およびプロピオン酸、アルキルアンホ(ジ)酢酸およびジプロピオン酸、レシチンおよびエタノールアミン脂肪族アミド;またはそれらの塩、誘導体の1つ以上を包含するが、これらの1つ以上に限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の両性または双性イオン性界面活性剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0098】
商標によって商業的に入手可能である界面活性剤は、Atlas-G5000、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)、EULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C100、Emulsogen(登録商標)EL200、Arlacel-P135、Hypermer8261、Hypermer-B239、Hypermer-B261、Hypermer-B246sf、Solutol-HS15、Promulgen(商標)D、Soprophor7961P、Soprophor-TSP/461、Soprophor-TSP/724、Croduret40、Etocas200、Etocas29、Rokacet-R26、Cetomacrogol1000、CHEMONIC-OE-20、Triton-N-101、TritonX-100、Tween20、40、60、65、80、Span20、40、60、80、83、85、120、Brij(登録商標)、Atlox4912、Atlas-G5000、TERMUL3512、TERMUL3015、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)、ECOTERIC(登録商標)T85、ECOTERIC(登録商標)T20、TERIC12A4、EULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C100、Emulsogen(登録商標)EL200、Arlacel-P135、Hypermer8261、Hypermer-B239、Hypermer-B261、Hypermer-B246sf、Solutol-HS15、Promulgen(商標)D、Soprophor7961P、Soprophor-TSP/461、Soprophor-TSP/724、Croduret40、Etocas200、Etocas29、RokacetR26、CHEMONIC-OE-20、Triton(商標)N-101、IGEPAL-CA-630、およびIsoceteth-20を包含するが、これらに限定されない。
【0099】
しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の界面活性剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。界面活性剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0100】
ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から50%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から40%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0101】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる溶媒は、水混和性溶媒を包含する。水混和性溶媒は、1,4-ジオキサン、エチレングリコール、グリセロール、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、ジメチルオクタンアミド、およびジメチルデカンアミド、またはそれらの混合物の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の水混和性溶媒を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0102】
ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1~95%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1~60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1~40%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1~30%w/wの量で存在する。
【0103】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる分散剤は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、リグニンスルホン酸、フェニルナフタレンスルホン酸、アルカリ金属、アルカリ土類金属、リグノスルホン酸のアンモニウム塩、リグニン誘導体、ジブチルナフタレンスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルスルホン酸、脂肪族アルコールサルフェート、脂肪酸および硫酸化脂肪族アルコールグリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、スルホコハク酸ジオクチル、ラウリル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩および同類、アルカリ金属塩、それらの塩、アンモニウム塩またはアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、またはポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、および同類、ナフタレンスルホン酸尿素ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩およびフェノールスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩の混合物、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化脂肪酸、アルコキシル化直鎖アルコール、多環芳香族スルホン酸、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム、グリセリルエステル、無水マレイン酸コポリマーのアンモニウム塩、リン酸エステル、アリールスルホン酸およびホルムアルデヒドの縮合生成物、エチレンオキシドおよび脂肪酸エステルの付加生成物、エチレンオキシドおよび脂肪酸エステルの付加生成物の塩、イソデシルスルホコハク酸半エステルのナトリウム塩、ポリカルボン酸、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホン酸化ナフタレンのナトリウム塩、スルホン酸化ナフタレンのアンモニウム塩、ポリアクリル酸の塩、縮合フェノールスルホン酸のナトリウム塩、ならびにナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド縮合物、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物、トリスチリルフェノールエトキシレートリン酸エステル;脂肪族アルコールエトキシレート;アルキルエトキシレート;EO-POブロックコポリマー;グラフトコポリマー、スルホン酸化ナフタレンのアンモニウム塩、ポリアクリル酸の塩の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。
【0104】
商業的に入手可能な分散剤は、「Morwet-D425」(米国Witco社からナトリウムナフタレンホルムアルデヒド縮合物)、「Morwet-EFW」硫酸化アルキルカルボン酸およびアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、「Tamol-PP」(フェノールスルホン酸縮合物のナトリウム塩)、「Reax-80N」(リグノスルホン酸ナトリウム)、「Wettol-D1」アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(BASFから)を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の分散剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。分散剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0105】
ある実施形態に従うと、分散剤はトータルの組成物の0.1%~60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、分散剤はトータルの組成物の0.1%~30%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、分散剤はトータルの組成物の3%~20%w/wの量で存在する。
【0106】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる濡れ剤は、フェノールナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、スルホン酸化アルキルカルボン酸のナトリウム塩、ポリオキシアルキル化エチルフェノール、ポリオキシエトキシル化脂肪族アルコール、ポリオキシエトキシル化脂肪族アミン、リグニン誘導体、アルカンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ポリカルボン酸の塩、スルホコハク酸のエステルの塩、アルキルポリグリコールエーテルスルホン酸、アルキルエーテルリン酸、アルキルエーテルスルホン酸、およびアルキルスルホコハク酸モノエステルの1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の濡れ剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。濡れ剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0107】
ある実施形態に従うと、濡れ剤はトータルの組成物の0.1%~60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、濡れ剤はトータルの組成物の0.1%~40%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、濡れ剤はトータルの組成物の0.1%~30%w/wの量で存在する。
【0108】
作物栄養および強化組成物に用いられる乳化剤は、Atlas-G5000、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)、EMULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C100、Emulsogen(登録商標)EL200、Arlacel-P135、Hypermer8261、Hypermer-B239、Hypermer-B261、Hypermer-B246sf、Solutol-HS15、Promulgen(商標)D、Soprophor-7961P、Soprophor-TSP/461、Soprophor-TSP/724、Croduret40、Etocas200、Etocas29、Rokacet-R26、CHEMONIC-OE-20、Triton(商標)N-101、Tween20、40、60、65、80、Span20、40、60、80、83、85、120、Brij(登録商標)、Triton(商標)Atlox4912、Atlas-G5000、TERMUL3512、TERMUL3015、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)、ECOTERIC(登録商標)T85、ECOTERIC(登録商標)T20、TERIC12A4、EULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C100、Emulsogen(登録商標)EL200、Arlacel-P135、Hypermer-8261、Hypermer-B239、Hypermer-B261、Hypermer-B246sf、Solutol-HS15、Promulgen(商標)D、Soprophor-7961P、Soprophor-TSP/461、Soprophor-TSP/724、Croduret40、Etocas200、Etocas29、Rokacet-R26、CHEMONIC-OE-20、Triton(商標)N-101、Tween20、40、60、65、80、およびSpan20、40、60、80、83、85、120、またはそれらの混合物の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の乳化剤または界面活性剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。乳化剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0109】
ある実施形態に従うと、乳化剤はトータルの組成物の0.1%~60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、乳化剤はトータルの組成物の0.1%~50%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、乳化剤はトータルの組成物の0.1%~30%w/wの量で存在する。
【0110】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる崩壊剤は、無機の水可溶性塩、例えば塩化ナトリウム、硝酸塩;水可溶性有機化合物、例えば寒天、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルデンプンエーテル、トラガカント、ゼラチン、カゼイン、微結晶セルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、金属ステアリン酸塩、セルロース粉末、メタクリレートコポリマー、Polyplasdone(登録商標)XL-10(架橋ポリビニルピロリドン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリアミノカルボン酸キレート化合物、メタクリレートのポリアクリレートの塩、デンプン-ポリアクリロニトリルグラフトコポリマー、重炭酸/炭酸ナトリウムもしくはカリウムまたはそれらの混合物もしくは酸、例えばクエン酸およびフマル酸との塩、あるいはそれらの塩、誘導体、または混合物の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる崩壊剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。崩壊剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0111】
ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から50%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0112】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる結合剤またはバインダは、タンパク質、リポタンパク質、脂質、糖脂質、糖タンパク質、炭水化物、例えば単糖、二糖、オリゴ糖、および多糖、複雑な有機物質、合成有機ポリマー、またはそれらの誘導体および組み合わせの少なくとも1つを包含するが、これらに限定されない。結合剤は、コーンシロップ、セルロース、例えばカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース;デンプン;酢酸デンプン、デンプンヒドロキシエチルエーテル、イオン性デンプン、長鎖アルキルデンプン、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、キサンタンガム、グリコーゲン、寒天、グルテン、アルギン酸、フィココロイド、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、トラガカントガム、およびローカストビーンガムをもまた包含する。結合剤またはバインダは、複雑な有機物質、例えばフェニルナフタレンスルホン酸、リグニンおよびニトロリグニン、リグニンの誘導体、例えば、例解的にはリグノスルホン酸カルシウムおよびリグノスルホン酸ナトリウムを包含するリグノスルホン酸塩、ならびに有機および無機成分を含有する複合炭水化物に基づく組成物、例えばモラセスをもまた包含する。結合剤は、合成有機ポリマー、例えばエチレンオキシドポリマーまたはコポリマー、プロピレンオキシドコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリアルキルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアクリレート、ポリ(酢酸ビニル)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ乳酸、ポリエトキシル化脂肪酸、ポリエトキシル化脂肪族アルコール、ラテックス、および同類)、またはそれらの塩、誘導体をもまた包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる結合剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。結合剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0113】
さらなる実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から50%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0114】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる担体は、固体担体またはフィラーまたは希釈剤の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。別の実施形態に従うと、担体は、鉱物担体、植物担体、合成担体、水可溶性の担体を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる担体を利用することが可能であるということを了解するであろう。担体は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0115】
固体担体は、粘土のような天然鉱物、例えば陶土、酸性粘土、カオリン、例えばカオリナイト、ディッカイト、ナクライト、およびハロイサイト、蛇紋石、例えばクリソタイル、リザーダイト、アンチゴライト、およびアメサイト、合成および珪藻シリカ、モンモリロナイト鉱物、例えばナトリウムモンモリロナイト、スメクタイト、例えばサポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、およびハイデライト、雲母、例えばパイロフィライト、タルク、アガルマトライト、マスコバイト、フェンジャイト、セリサイト、およびイライト、シリカ、例えばクリストバライトおよび石英、アタパルジャイトおよびセピオライト;ドロマイト、石膏、凝灰岩、バーミキュライト、ラポナイト、軽石、ボーキサイト、水和アルミナ、か焼アルミナ、パーライト、重炭酸ナトリウム、火山灰、バーミキュライト、石灰岩、天然および合成ケイ酸塩;木炭、シリカ、湿式シリカ、乾式シリカ、湿式シリカのか焼生成物、表面改質シリカ、雲母、ゼオライト、珪藻土、か焼アルミナ、それらの誘導体;チョーク(Omya(登録商標))、フラー土、レス、ミラビライト、ホワイトカーボン、消石灰、合成ケイ酸、デンプン、セルロース、セルロース、籾殻、小麦粉、木粉、デンプン、米糠、小麦ふすま、および大豆粉、タバコ粉、野菜粉、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニリデン)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カゼインナトリウム、塩化ナトリウム、芒硝、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、マレイン酸、フマル酸、およびリンゴ酸、またはそれらの誘導体または混合物を包含する。商業的に入手可能なケイ酸塩はAerosilブランド、Sipernatブランド、例えばSipernat(登録商標)50S、およびCALFLO-E、およびカオリン1777である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる固体担体を利用することが可能であるということを了解するであろう。固体担体は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0116】
ある実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から98%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から80%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から60%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から40%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。
【0117】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる固化防止剤は、多糖、例えばデンプン、アルギン酸、ポリ(ビニルピロリドン)、フュームドシリカ(ホワイトカーボン)、エステルガム、石油樹脂、Foammaster(登録商標)Soap-Lステアリン酸ナトリウム、Brij(登録商標)700ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル、Aerosol(登録商標)OT-Bジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、Silwet(登録商標)L-77シリコーン-ポリエーテルコポリマー、メタケイ酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、炭酸もしくは重炭酸ナトリウム、それらの塩または誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる固化防止剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。固化防止剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0118】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる抑泡剤または破泡剤は、シリカ、シロキサン、シリコンジオキシド、ポリジメチルシロキサン、ポリアクリル酸アルキル、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、ポリエチレングリコール、シリコンオイル、およびステアリン酸マグネシウム、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。好ましい抑泡剤は、シリコーンエマルション(例えば、例えばSilikon(登録商標)SRE、ワッカー、またはローディアからのRhodorsil(登録商標))、長鎖アルコール、脂肪酸、フッ素有機化合物を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の抑泡剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0119】
抑泡剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。ある実施形態に従うと、抑泡剤はトータルの組成物の0.01%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、抑泡剤はトータルの組成物の0.01%から10%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、抑泡剤はトータルの組成物の0.01%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、抑泡剤はトータルの組成物の0.01%から1%w/wの量で存在する。
【0120】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられるpH調整剤または緩衝剤または中和剤は、有機または無機型の酸および塩基両方ならびにそれらの混合物を包含する。さらなる実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤または中和剤は、有機酸、無機酸、およびアルカリ金属化合物、またはそれらの塩、誘導体、もしくは混合物を包含するが、これらに限定されない。ある実施形態に従うと、有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、および酒石酸、もしくはそれらの塩、誘導体;ならびにこれらの酸の一、二、もしくは三塩基性塩、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。アルカリ金属化合物は、アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、例えば炭酸水素ナトリウム、ならびにアルカリ金属リン酸塩、例えばリン酸ナトリウム、ならびにそれらの混合物を包含する。ある実施形態に従うと、無機酸の塩は、アルカリ金属塩、例えば塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、および同類の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。pH調整剤または緩衝剤または中和剤を作製するためには、混合物もまた用いられ得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知のpH調整剤または緩衝剤または中和剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0121】
pH調整剤または緩衝剤または中和剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から20%w/wの量で存在する。
【0122】
ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から10%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から1%w/wの量で存在する。
【0123】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる展着剤は、セルロース粉末、架橋ポリ(ビニルピロリドン)、ジカルボン酸無水物との多価アルコールからなるポリマーの半エステル、ポリスチレンスルホン酸の水可溶性塩、脂肪酸、ラテックス、脂肪族アルコール、野菜油、例えば綿実、または無機油、石油蒸留物、修飾トリシロキサン、ポリグリコール、ポリエーテル、クラスレート、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の展着剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。展着剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0124】
ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から1%w/wの量で存在する。
【0125】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる固着剤は、パラフィン、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート、ポリオキシエチレン、ワックス、ポリビニルアルキルエーテル、アルキルフェノール-ホルマリン縮合物、脂肪酸、ラテックス、脂肪族アルコール、野菜油、例えば綿実、または無機油、石油蒸留物、修飾トリシロキサン、ポリグリコール、ポリエーテル、クラスレート、合成樹脂エマルション、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の固着剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。固着剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0126】
ある実施形態に従うと、固着剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、固着剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、固着剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0127】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる安定剤は、過酸化化合物、例えば過酸化水素および有機過酸化物、亜硝酸アルキル、例えば亜硝酸エチル、およびグリオキシル酸アルキル、例えばグリオキシル酸エチル、ゼオライト、抗酸化剤、例えばフェノール化合物、アミン化合物、リン酸化合物、および同類;紫外線吸収剤、例えばサリチル酸化合物、ベンゾフェノン化合物、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の安定剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。安定剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0128】
ある実施形態に従うと、安定剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、安定剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、安定剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0129】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物に用いられる保存料は、殺細菌剤、抗真菌剤、殺生物剤、抗微生物剤、および抗酸化剤の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。保存料の限定しない例は、安息香酸、そのエステルおよび塩、パラヒドロキシ安息香酸(パラベン)、そのエステルおよび塩、プロピオン酸およびその塩、サリチル酸およびその塩、2,4-ヘキサジエン酸(ソルビン酸)およびその塩、ホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒド、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、2-ヒドロキシビフェニルエーテルおよびその塩、2-亜鉛スルフィドピリジンN-オキシド、無機亜硫酸塩および重亜硫酸塩、ヨウ素酸ナトリウム、クロロブタノール、デヒドロ酢酸、ギ酸、1,6-ビス(4-アミジノ-2-ブロモフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、10-ウンデシレン酸およびその塩、5-アミノ-1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチルヘキサヒドロピリミジン、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、2,4-ジクロロベンジルアルコール、N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)尿素、4-クロロ-m-クレゾール、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、1,1’-メチレン-ビス(3-(1-ヒドロキシメチル-2,4-ジオキシイミダゾリジン-5-イル)尿素)、ポリ(ヘキサメチレンジグアニド)塩酸塩、2-フェノキシエタノール、ヘキサメチレンテトラミン、1-(3-クロロアリル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニア-アダマンタンクロリド、1(4-クロロフェノキシ)-1-(1H-イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン、ベンジルアルコール、オクトピロックス、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、2,2’-メチレンビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、ブロモクロロフェン、ジクロロフェン、2-ベンジル-4-クロロフェノール、2-クロロアセトアミド、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン酢酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、1-フェノキシプロパン-2-オール、N-アルキル(C12-C22)トリメチルアンモニウムブロミドおよびクロリド、4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン、N-ヒドロキシメチル-N-(1,3-ジ(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル)-N’-ヒドロキシメチル尿素、1,6-ビス(4-アミジノフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、グルタルアルデヒド、5-エチル-1-アザ-3,7-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン、3-(4-クロロフェノキシ)プロパン-1,2-ジオール、Hyamine、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムブロミド、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムサッカリン酸塩、ベンジルヘミホルマール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、ヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、および2Hイソチアゾール-3-オンの誘導体(いわゆるイソチアゾロン誘導体)、例えばアルキルイソチアゾロン(例えば2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン、MIT;クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン、CIT)、ベンゾイソチアゾロン(例えば1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン、BIT、ICIからProxel(登録商標)型として商業的に入手可能)または2-メチル-4,5-トリメチレン-2H-イソチアゾール-3-オン(MTIT)、C1-C4アルキルパラヒドロキシ安息香酸、ジクロロフェン、ICIからのProxel(登録商標)またはThor-ChemieからのActicide(登録商標)RSおよびRohm&HaasからのKathon(登録商標)MK、Bacto-100、チメロサール、プロピオン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸カリウム、硝酸フェニル水銀、フェニルエチルアルコール、ナトリウム、エチルパラベン、メチルパラベン、ブチルパラベン、ベンジルアルコール、塩化ベンゾトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、1,2-ベンゾチアゾール-3-オン、プリベントール(登録商標)(ランクセス(登録商標))、ブチルヒドロキシトルエン、ソルビン酸カリウム、ヨウ素含有有機化合物、例えば3-ブロモ-2,3-ジヨード-2-プロペニルエチルカーボネート、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、2,3,3-トリヨードアリルアルコール、およびパラクロロフェニル-3-ヨードプロパルギルホルマール;ベンゾイミダゾール化合物およびベンゾチアゾール化合物、例えば2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾールおよび2-チオシアノメチルチオベンゾチアゾール;トリアゾール化合物、例えば1-(2-(2’,4’-ジクロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、1-(2-(2’,4’-ジクロロフェニル)-4-プロピル-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、およびα-(2-(4-クロロフェニル)エチル)-α-(1,1-ジメチルエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール;ならびに天然に存在する化合物、例えば4-イソプロピルトロポロン(ヒノキチオール)、およびボラックス、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含する。抗酸化剤は、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体(例えばウロカニン酸)、4,4’-チオビス-6-t-ブチル-3-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、およびペンタエリスリチルテトラキス[3-(3,5,-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]プロピオネート;アミン抗酸化剤、例えばN,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン;ヒドロキノリン抗酸化剤、例えば2,5-ジ(t-アミル)ヒドロキノリン;ならびにリン含有抗酸化剤、例えばリン酸トリフェニル、カロテノイド、カロテン(例えばαカロテン、βカロテン、リコペン)およびそれらの誘導体、リポ酸およびそれらの誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル、およびさらなるチオ化合物(例えばチオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸、チオレドキシン、ならびにそれらのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル、およびグリセリルエステル)、およびそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および塩)、ならびにスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ、ヘキサ、ヘプタチオニンスルホキシイミン)を非常に低い忍容ドーズ(例えばpmol/kgからpmol/kg)で、また、金属キレート剤(例えばα-ヒドロキシ脂肪酸、EDTA、EGTA、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、没食子酸エステル(例えば没食子酸プロピル、オクチル、およびドデシル)、不飽和脂肪酸および誘導体、ヒドロキノンおよびその誘導体(例えばアルブチン)、ユビキノンおよびユビキノール、およびそれらの誘導体、パルミチン酸、ステアリン酸、ジパルミチン酸、酢酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、アスコルビン酸ナトリウムおよびマグネシウム、リン酸および硫酸アスコルビル二ナトリウム、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、イソアスコルビン酸およびその誘導体、ベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン、ルチン酸およびその誘導体、ルチニル二硫酸二ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、4,4-チオビス-6-tert-ブチル-3-メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、p-オクチルフェノール、モノ(ジまたはトリ)メチルベンジルフェノール、2,6-tert-ブチル-4-メチルフェノール、ペンタエリスリトール-テトラキス3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤチック酸、ノルジヒドログアヤレチック酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、セレンおよびセレン誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびスチルベン誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランススチルベンオキシド)の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の保存料を利用することが可能であるということを了解するであろう。保存料は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0130】
さらなる実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤は、トータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤は、トータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤は、トータルの組成物の0.1%から5%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤は、トータルの組成物の0.1%から1%w/wの量で存在する。
【0131】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物に用いられる凍結防止剤または凝固点降下剤は、多価アルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、グリセロール、一価または多価アルコール、グリコールエーテル、グリコールエーテル、グリコールモノエーテル、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、およびジプロピレングリコールのメチル、エチル、プロピル、およびブチルエーテル、グリコールジエーテル、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、およびジプロピレングリコールのメチルおよびエチルジエーテル、または尿素、特に塩化カルシウム、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジまたはトリプロピレングリコールモノメチルエーテル、またはシクロヘキサノールの1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる凍結防止剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。凍結防止剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0132】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物に用いられるキレートまたは錯化または封鎖剤は、ポリカルボン酸、例えばポリアクリル酸、および種々の加水分解ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸);アミノポリカルボン酸、例えばN-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、N,N,N’,N’-エチレンジアミン四酢酸、N-ヒドロキシエチル-N,N’,N’-エチレンジアミン三酢酸およびN,N,N’,N”,N”-ジエチレントリアミン五酢酸;α-ヒドロキシ酸、例えばクエン酸、酒石酸、およびグルコン酸;オルトリン酸塩、例えばリン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一ナトリウム;縮合リン酸、例えばトリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、およびテトラポリリン酸ナトリウム;5-スルホ-8-ヒドロキシキノリン;および3,5-ジスルホピロカテコール、アミノポリカルボン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン二(o-ヒドロキシフェニル酢)酸(EDDHA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、ポリエチレンアミンポリ酢酸、リグノスルホン酸、リグノスルホン酸Ca、K、Na、およびアンモニウム、フルボ酸、ウルミン酸、核酸、フミン酸、ピロリン酸、キレート樹脂、例えばイミノ二酢酸および同類、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他のキレートまたは錯化または封鎖剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。キレートまたは錯化または封鎖剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0133】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物に用いられる浸透剤は、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、エステル、アミン、アルカノールアミン、アミンオキシド、第四級アンモニウム化合物、トリグリセリド、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホキシド、モノオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、ジオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、トリオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、およびヘキサオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールの1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる浸透剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。浸透剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0134】
ある実施形態に従うと、紫外線吸収剤は、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-エトキシ-2’-エチルシュウ酸ビスアニリド、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、ベンゾトリアゾール化合物、例えば2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2-(2’-ヒドロキシ-4’-n-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール;ベンゾフェノン化合物、例えば2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンおよび2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン;サリチル酸化合物、例えばサリチル酸フェニルおよびサリチル酸p-t-ブチルフェニル;2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、2-エトキシ-2’-エチルシュウ酸ビスアニリド、およびコハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、もしくは誘導体、または同類の1つ以上から選択されるが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なる紫外線吸収剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。かかる紫外線吸収剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0135】
ある実施形態に従うと、UV線散乱剤は二酸化チタンを包含し、または同類が用いられ得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、異なるUV線散乱剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。かかるUV線散乱剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0136】
ある実施形態に従うと、保水剤は、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー、特にブロックコポリマー、例えばUniqemaから入手可能なコポリマーのSynperonic-PEシリーズまたはそれらの塩、誘導体の1つ以上から選択されるが、これらに限定されない。他の保水剤は、プロピレングリコール、モノエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、グリセロールおよび同類;多価アルコール化合物、例えばプロピレングリコールエーテル、それらの誘導体である。また、他の保水剤は、アロエベラゲル、アルファヒドロキシ酸、例えば乳酸、卵黄および卵白、三酢酸グリセリル、ハチミツ、塩化リチウムなどを包含する。上で言及されている保水剤のいくつかは非イオン性界面活性剤としてもまた作用する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知の保水剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。保水剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0137】
ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から90%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から70%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から60%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から50%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの範囲で存在する。
【0138】
本発明者は、さらに、本発明の組成物が、驚くべきことに、分散性、懸濁性、流動性、濡れ時間、良好な注加性、縮減された粘度の向上した物理的特性を有し、取り扱いの容易さを提供し、かつパッケージング時におよび圃場施用中に製品を取り扱う間の材料の損失をもまた縮減するということを決定した。驚くべきことに、本発明者は、従来技術の組成物と比較して縮減された用量で施用されるときでさえも、液体懸濁液および水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物が優れた効力を発揮するということをもまた決定した。
【0139】
水分散性顆粒状作物栄養および強化組成物の分散性は、パーセント分散の尺度である。分散性は最小のパーセント分散によって計算される。分散性は、水または溶媒などの液体への追加の際に顆粒が分散する能力として定義される。CIPAC規格MT174試験に従って顆粒状組成物の分散性を決定するためには、既知量の顆粒状組成物が定められた体積の水に追加され、撹拌によって混合されて、懸濁液を形成した。短時間の静置後に、上の10分の9が抜かれ、残りの10分の1が乾燥され、重力測定的に決定される。方法は実質的に懸濁性の省略型試験であり、顆粒状組成物が水中に一様に分散した容易さを確定することにとって適当である。
【0140】
水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物はほぼ即座の分散を見せ、それゆえに、活性成分を作物にとって難なく利用可能にするということが観察される。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は少なくとも40%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は少なくとも50%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも60%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも70%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも80%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも90%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも99%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は100%の分散性を有する。
【0141】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は良好な懸濁性を見せる。懸濁性は、決まった高さの液柱中における所与の時間後に懸濁された活性成分の量として定義され、元の懸濁液中の活性成分の量のパーセンテージとして表される。水分散性顆粒はCIPACハンドブック「MT184懸濁性試験」に従って懸濁性について試験され得る。これによると、CIPAC標準水中の顆粒状組成物の既知濃度の懸濁液が調製され、一定温度で所定のメスシリンダー中に置かれ、規定の時間に渡って乱されないままであることを許された。上の9/10が抜かれ、それから、残りの1/10が化学的に、重力測定的に、または溶媒抽出によってどちらかでアッセイされ、懸濁性が計算された。
【0142】
液体懸濁液の懸濁性は、決まった高さの液柱中における所与の時間後に懸濁された活性成分の量であり、元の懸濁液中の活性成分の量のパーセンテージとして表される。液体懸濁液の懸濁性はCIPAC-MT161に従って決定され、250mlの希釈された懸濁液を調製すること、それを定められた条件下のメスシリンダー中において静置させておくこと、および上の10分の9を除去することにより決定される。それから、残りの10分の1部分が化学的に、重力測定的に、または溶媒抽出によってどちらかでアッセイされ、懸濁性が計算される。
【0143】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は少なくとも30%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は少なくとも40%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は少なくとも50%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は少なくとも60%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は少なくとも70%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は少なくとも80%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は少なくとも90%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は少なくとも99%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は100%の懸濁性を有する。
【0144】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物はほぼ硬さを有さない。顆粒が見せる硬さは、硬さ試験機、例えば島津、ブリネル硬さ(AKB3000モデル)、メクメシン、アジレント、ビンシスト、アメテック、およびロックウェルによって提供されるものによって判定され得る。
【0145】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は、熱、光、温度、および固化に対する優れた安定性を実証する。さらなる実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物が見せる安定性は3年超である。さらなる実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物が見せる安定性は2年超である。さらなる実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物が見せる安定性は1年超である。さらなる実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物が見せる安定性は10ヶ月超である。さらなる実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物が見せる安定性は8ヶ月超である。さらなる実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物が見せる安定性は6ヶ月超である。さらなる実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物が見せる安定性は3ヶ月超である。
【0146】
濡れ性は、濡れ性である条件または状態であり、固体が液体によって濡らされる度合いとして定義され得、固体および液体の相の間の付着力によって測定される。顆粒状組成物の濡れ性は、水和製剤の完全な濡れの時間の決定のための手続きを記載するCIPAC規格MT53試験を用いて測定される。秤量された量の顆粒状組成物が規定の高さからビーカー中の水面に投入され得、完全な濡れの時間が決定された。別の実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物は2分未満の濡れ性を有する。別の実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物は1分未満の濡れ性を有する。別の実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物は30秒未満の濡れ性を有する。
【0147】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は湿式ふるい残分試験に合格する。試験は、水中の分散液として施用される製剤中の非分散性材料の量を決定するために用いられる。液体懸濁液および水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物の湿式ふるい残分値は、ふるい上に保持された材料の量を測定するための手続きを記載するCIPAC規格MT185試験を用いることによって測定され得る。製剤のサンプルが水中に分散され、形成された懸濁液はふるいに移され、洗浄される。ふるい上に保持された材料の量が乾燥および秤量によって決定される。
【0148】
ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は10%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は7%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は5%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物は2%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。
【0149】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は濃いペーストを形成せず、容易に注加性である。流体の粘度はせん断応力または引張応力による漸次的な変形に対するその抵抗性の尺度である。
【0150】
液体懸濁液の粘度は(CIPAC-MT192に従う)によって決定される。サンプルが標準的な測定系に移される。測定は異なるせん断条件下において実施され、見かけ上の粘度が決定される。試験中に、液体の温度は一定に保たれる。ある実施形態に従うと、水系懸濁液組成物は約10cpsから約1200cpsの25℃における粘度を有し、これはそれを注加性にする。ある実施形態に従うと、水系懸濁液組成物は約10cpsから約500cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、水系懸濁液組成物は約500cps未満の25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、水系懸濁液組成物は約10cpsから約400cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、水系懸濁液組成物は約10cpsから約300cpsの25℃における粘度を有する。10cps~1200cpsの範囲の粘度を有する作物栄養および強化組成物は、それを注加性にする。あまりに粘性のかつ高度に濃縮された組成物は固化物を形成する傾向があり、それを非注加性にし、それゆえに望ましくない。
【0151】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物は、加速保存条件(ATS)下における懸濁性の点で優れた安定性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における90%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における80%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における70%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における60%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における50%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における40%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における30%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、作物栄養および強化組成物はATS下における20%超の懸濁性を実証する。
【0152】
別の実施形態に従うと、本発明は、水分散性顆粒の形態のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、元素状硫黄、および少なくとも1つの分散剤を含む作物栄養および強化組成物を調製するためのプロセスに関する。水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、種々の技術、例えば噴霧乾燥、流動層造粒、押出成形、フリーズドライなどによって作られる。
【0153】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物を調製するプロセスには、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の濃度範囲のマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上;トータルの組成物の1重量%から90重量%の濃度範囲の元素状硫黄、および少なくとも1つの分散剤のブレンドをミリングして、スラリーまたはウェットミックスを得ることが関与する。ミリングは好適なビーズミルまたは湿式粉砕装置を用いることによって実施されて、0.1から20ミクロンの範囲の粒子サイズを得る。ある実施形態に従うと、ミリングステップには、さらに、任意に、1つ以上の農業的に受け入れられる賦形剤を追加してスラリーを得ることが関与する。ある実施形態に従うと、ブレンドステップは、さらに、任意に、肥料、微量栄養素、マクロ栄養素、バイオスティミュラント、殺虫活性成分、またはそれらの混合物の1つ以上から選択される追加の活性成分を包含し得る。それから、得られたウェットミックスは例えば噴霧乾燥機、流動層乾燥機、またはいずれかの好適な造粒装置によって乾燥されて顆粒を得る。噴霧乾燥プロセスは、アンダーサイズのおよびオーバーサイズの顆粒を除去して所望のサイズのマイクロ顆粒を得るためのふるい分けによって後続される。
【0154】
別の実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の作物栄養および強化組成物は、マンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、元素状硫黄、および少なくとも1つの分散剤を空気粉砕機またはジェットミルによって乾式ミリングして、0.1から20ミクロン、好ましくは0.1から10ミクロンの範囲の所望の粒子サイズを得ることによってもまた作られる。水が乾燥粉末に追加され、混合物がブレンドされてドウまたはペーストを得る。それから、これが押出機によって押出成形されて、所望のサイズの顆粒を得る。
【0155】
別の実施形態に従うと、本発明は、液体懸濁液の形態の作物栄養および強化組成物を調製するためのプロセスに関する。さらなる実施形態に従うと、本発明は、マンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、元素状硫黄、少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤、および少なくとも1つの構造形成剤を含む液体懸濁液組成物を調製するためのプロセスに関する。
【0156】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物を調製するプロセスには、界面活性剤などの1つ以上の農芸化学的に受け入れられる賦形剤のホモジナイゼーションが関与し、撹拌機能を備えたベッセルにそれらをフィードすることにより行われる。さらに、マンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物、および元素状硫黄がホモジナイゼーションされたブレンドに追加され、撹拌され、トータルの混合物が均質になるまでおよそ5から10分に渡って続けられる。その後に、得られた液体懸濁液は好適な湿式ミリング装置に通されて、0.1から20ミクロン、好ましくは0.1から10ミクロンの範囲の粒子サイズを有する懸濁液を得る。それから、要求される数量の構造形成剤が、連続的なホモジナイゼーション下において得られた懸濁液に追加されて、液体懸濁液組成物を得る。
【0157】
ある実施形態に従うと、本発明は、さらに、栄養素組成物、作物活性剤組成物、土壌改良剤組成物、作物強化、作物保護および収量向上剤組成物の少なくとも1つとしての、作物栄養または強化組成物の使用に関する。
【0158】
さらなる実施形態に従うと、本発明は、0.1から20ミクロンのサイズ範囲の粒子を有するマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上、元素状硫黄、および農芸化学的な賦形剤を包含する有効量の作物栄養および強化組成物の施用の方法に関し、組成物は種子、苗、作物、植物、植物増殖材料、場所、それらの一部に、または周囲の土壌に施用される。
【0159】
ある実施形態に従うと、本発明は、さらに、土壌肥沃度、植物の健康を改善するか、必須栄養素の取り込みを容易化することによって作物栄養を改善するか、植物を保護するか、植物収量を向上させるか、植物を活性化するか、または土壌を改良する方法に関し;方法は、種子、苗、作物、植物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または周囲の土壌の少なくとも1つを、0.1から20ミクロンのサイズ範囲の粒子を有するマンガン塩、それらの錯体、誘導体、または混合物の1つ以上;元素状硫黄、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する有効量の作物栄養および強化組成物によって処理することを含む。
【0160】
組成物は種々の方法によって施用される。土壌に施用する方法は、組成物が土壌に浸透することを保証するいずれかの好適な方法、例えば育苗トレイ施用、溝施用、点滴灌漑、スプリンクラー灌漑、土壌灌注、土壌注入、トップドレッシング、土壌への散布または組み込み、およびかかる他の方法を包含する。組成物は葉面噴霧の形態でもまた施用される。組成物の施用速度または用量は、使用の型、土壌および植物のマンガンおよび硫黄欠乏レベル、作物の型、または組成物中の特定の活性成分に依存するが、農芸化学的な活性成分が有効量であって、所望の作用(例えば、栄養素取り込み、植物活性、作物収量)を提供するようにする。
【実施例】
【0161】
調製例:
次の例は本発明の組成物の基本的な方法論および多用途性を例解している。本明細書において開示されている特定のパラメータおよび範囲には変更がなされ得るということと、開示されている変数を変更するための当分野において公知のいくつもの異なるやり方があり得るということとは認識される。しかしながら、これらの調製例は単に例示的であり、本発明の範囲を限定することは意図されないということは指摘されるべきである。かつ、これらの要素の好ましい実施形態のみが、明細書および図面に記されている通り本明細書において開示されているということは理解されるが、本発明はその通りに限定されるべきではなく、後続する請求項の趣旨および範囲の点で解釈されるべきである。
【0162】
A.マンガンおよび元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物
例1:80部の元素状硫黄、10部の塩化マンガン、および10部のリグノスルホン酸ナトリウム(Reax100)をブレンドすることによって、塩化マンガンおよび元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物を調製して、添加剤ミックスを得た。得られた混合物を好適なビーズミルまたは湿式粉砕装置を用いて湿式ミリングして、20ミクロン未満の平均粒子サイズを得た。それから、得られた湿式ミリングされたスラリーを170度C未満の入口温度および70℃未満の出口温度で噴霧乾燥し、次にふるい分けをして、アンダーサイズのおよびオーバーサイズの顆粒を除去し、硫黄80%および塩化マンガン10%の水分散性顆粒状組成物を得た。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:0.9ミクロン未満のD10;4ミクロン未満のD50、および12ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~2.5mmの範囲である。
【0163】
組成物は85%の分散性および90%の懸濁性を有した。組成物は0.8%の湿式ふるい残分値を有する。組成物は加速保存条件下において85%の懸濁性を有する。組成物は30秒という濡れ性をもまた見せた。水分散性顆粒はほぼ硬さを有さない。
【0164】
例2:例1に記されているプロセスステップを踏襲して、酸化マンガン1%および元素状硫黄90%の水分散性顆粒状組成物を調製した。ここでは、組成物は1部の酸化マンガン、90部の元素状硫黄、4部のナフタレンスルホン酸縮合物、および5部のフェニルナフタレンスルホン酸を包含する。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:2ミクロン未満のD10;5ミクロン未満のD50および20ミクロン未満のD90。
【0165】
組成物は80%の分散性および85%の懸濁性を有した。組成物は1%の湿式ふるい残分値を有する。組成物は加速保存条件下で80%の懸濁性を有する。組成物は115秒という濡れ性をもまた見せた。組成物の顆粒サイズは0.1~1.5mmの範囲である。
【0166】
例3:例1に記されているプロセスステップを踏襲して、二酸化マンガン70%および元素状硫黄20%の水分散性顆粒状組成物を調製した。ここでは、組成物は70部の二酸化マンガン、20部の元素状硫黄、5部のナフタレンスルホン酸縮合物、および5部の陶土を包含する。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:0.4ミクロン未満のD10;3ミクロン未満のD50および15ミクロン未満のD90。
【0167】
組成物は30%の分散性および30%の懸濁性を有した。組成物は1.9%の湿式ふるい残分値を有する。組成物は加速保存条件下で30%の懸濁性を有する。組成物は40秒という濡れ性をもまた見せた。組成物の顆粒サイズは0.1~2mmの範囲である。水分散性顆粒はほぼ硬さを有さない。
【0168】
例4:例1に記されているプロセスステップを踏襲して、炭酸マンガン25%および元素状硫黄50%の水分散性顆粒状組成物を調製した。ここでは、組成物は25部の炭酸マンガン、50部の元素状硫黄、5部のフェニルナフタレンスルホン酸、7部のリグノスルホン酸ナトリウム、5部の沈降シリカ、および8部の陶土を包含する。
【0169】
組成物は次の粒子サイズ分布を有した:0.6ミクロン未満のD10;2ミクロン未満のD50および17ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~0.5mmの範囲である。
【0170】
組成物は55%の分散性および65%の懸濁性を有した。組成物は1.3%の湿式ふるい残分値を有する。組成物は加速保存条件下で65%の懸濁性を有した。組成物は60秒という濡れ性をもまた見せた。
【0171】
例5:例1に記されているプロセスステップを踏襲して、二酸化マンガン45%、元素状硫黄30%の水分散性顆粒状組成物を調製した。ここでは、組成物は45部の二酸化マンガン、30部の元素状硫黄、10部のフェニルナフタレンスルホン酸、および15部の陶土を包含する。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:3ミクロン未満のD10;5ミクロン未満のD50および11ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~1.0mmの範囲である。
【0172】
組成物は85%の分散性および95%の懸濁性を有した。組成物は0.6%の湿式ふるい残分値を有する。組成物は加速保存条件下で90%の懸濁性を有する。組成物は5秒という濡れ性をもまた見せた。
【0173】
例6:例1に記されているプロセスステップを踏襲して、酸化マンガン30%、元素状硫黄35%、およびチアメトキサム4%の水分散性顆粒状組成物を調製した。ここでは、組成物は30部の酸化マンガン、35部の元素状硫黄、4部のチアメトキサム、15部のフェニルナフタレンスルホン酸、および16部の沈降シリカを包含する。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:1ミクロン未満のD10;4.5ミクロン未満のD50および10ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~1.5mmの範囲である。
【0174】
組成物は75%の分散性および80%の懸濁性を有した。組成物は0.2%の湿式ふるい残分値を有する。組成物は加速保存条件下で75%の懸濁性を有した。組成物は15秒という濡れ性をもまた見せた。水分散性顆粒はほぼ硬さを有さない。
【0175】
B.マンガンおよび元素状硫黄の液体懸濁液組成物:
例7:1部の酸化マンガン、60部の元素状硫黄、15部のナフタレンスルホン酸縮合物、0.2部のホルムアルデヒド、1部のポリジメチルシロキサン、および22.4部のプロピレングリコールを混合することによって、液体懸濁液組成物を調製し、撹拌子を装備したベッセルにこれらの成分をフィードすることによってホモジナイゼーションして、均質な混合物を得た。得られた混合物を好適な湿式ミリング装置に通して、20ミクロン未満の粒子サイズを有する懸濁液を得た。それから、0.4部のアラビアガムを連続的なホモジナイゼーション下において追加して、液体懸濁液組成物を得た。組成物は、約1.2ミクロン未満のD10;4.2ミクロン未満のD50および10ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。
【0176】
サンプルは約95%の懸濁性および約500cpsの粘度を有した。サンプルは加速保存条件下で90%の懸濁性を見せ、0.5%の湿式ふるい残分値を有した。
【0177】
例8:例7に出されている同じプロセスステップを踏襲することによって、液体懸濁液組成物を調製した。それによると、組成物は15部の塩化マンガン、40部の元素状硫黄、10部のナフタレンスルホン酸縮合物、2部のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムブレンド、0.2部の1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、1部のポリジメチルシロキサン、4.2部のアラビアガム、および27.6部の水を包含する。組成物は、約0.7ミクロン未満のD10;3ミクロン未満のD50および12ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。
【0178】
サンプルは約75%の懸濁性および約375cpsの粘度を有した。サンプルは加速保存条件下で70%の懸濁性を見せ、1%の湿式ふるい残分値を有した。
【0179】
例9:例7に出されている同じプロセスステップを踏襲することによって、液体懸濁液組成物を調製した。それによると、組成物は45部の二酸化マンガン、5部の元素状硫黄、9部のフェニルナフタレンスルホン酸、4部のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムブレンド、18部のグリセロール、0.2部のホルムアルデヒド、1部のアラビアガム、および17.8部のプロピレングリコールを包含した。得られた混合物を好適な湿式ミリング装置に通して、50ミクロン未満の粒子サイズの懸濁液を得た。組成物は、約1.2ミクロン未満のD10;5ミクロン未満のD50および17ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。
【0180】
サンプルは約30%の懸濁性および約800cpsの粘度を有した。サンプルは加速保存条件下で25%の懸濁性を見せ、1.5%の湿式ふるい残分値を有した。
【0181】
例10:例7に出されている同じプロセスステップを踏襲することによって、液体懸濁液組成物を調製した。それによると、組成物は35部の硝酸マンガン、1部の元素状硫黄、15部のナフタレンスルホン酸縮合物、11部のグリセロール、0.2部の1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、ならびに0.5部のカルボキシメチルセルロースおよび37.3部の水を包含した。組成物は、約0.6ミクロン未満のD10;2.5ミクロン未満のD50および15ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。
【0182】
サンプルは約70%の懸濁性および約1200cpsの粘度を有した。サンプルは加速保存条件下で60%の懸濁性を見せ、1.5%の湿式ふるい残分値を有した。
【0183】
例11:例7に出されている同じプロセスステップを踏襲することによって、液体懸濁液組成物を調製した。それによると、組成物は50部の酸化マンガン、4部の元素状硫黄、6部のフェニルナフタレンスルホン酸、6部のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムブレンド、0.5部のカルボキシメチルセルロース、および28.5部の水を包含した。組成物は、約1ミクロン未満のD10;3.5ミクロン未満のD50および13ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。
【0184】
サンプルは約45%の懸濁性および約100cpsの粘度を有した。サンプルは加速保存条件下で40%の懸濁性を見せ、1.2%の湿式ふるい残分値を有した。
【0185】
例12:例7に出されている同じプロセスステップを踏襲することによって、液体懸濁液組成物を調製した。それによると、組成物は12部の二酸化マンガン、30部の元素状硫黄、8部のチアメトキサム、16部のナフタレンスルホン酸縮合物、8部のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムブレンド、0.3部の1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、ならびに1部のカルボキシメチルセルロースおよび24.7部の水を包含した。組成物は、約0.3ミクロン未満のD10;3.5ミクロン未満のD50および20ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。
【0186】
サンプルは約80%の懸濁性および約650cpsの粘度を有した。サンプルは加速保存条件下で75%の懸濁性を見せ、0.8%の湿式ふるい残分値を有した。
【0187】
圃場研究:
圃場研究を実施して、大豆において、本発明の実施形態に従う水分散性顆粒および懸濁液濃縮を包含する異なる製剤によって、元素状硫黄および二酸化マンガンの異なる製剤の相乗的効果を判定した。
【0188】
実験No.1:
圃場実験方法論:
インドール県デワスの商業耕作大豆圃場において、圃場試験を実施して、収量に対する硫黄+二酸化マンガンの異なる製剤の効果を見た。
【0189】
試験は乱塊法(RBD)によってカリフの季節に計画し、無処理のコントロールを包含する6つの処理を4回反復した。各処理について、40sq.m(8m×5m)の区画サイズを維持した。評価された組成物は、硫黄および二酸化マンガン単独、ならびに硫黄および二酸化マンガンの組み合わせを包含する異なる製剤を包含した。ここでは、硫黄およびマンガンは各処理において同じ用量で施用した。組成物は大豆作物の播種時に基肥施用として施用した。圃場試験の大豆作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。大豆JS335品種の種子を研究に用い、30cmsの列間および10cmsの植物間の間隔で作付けした。
【0190】
実験の詳細:
a)試験場:インドール県デワス(MP)
b)作物:大豆(品種:JS335)
c)実験季節:2018年カリフ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:4
f)処理:6
g)区画サイズ:8m×5m=40sq.m
h)施用日:01.07.2018
i)播種日:03.07.2018
j)施用の方法:基肥
k)収穫日:08.10.2018
【0191】
大豆穀粒収量の観察を収穫時に記録し、大豆の収量に対する異なる製剤型の単独および組み合わせ両方の硫黄および二酸化マンガンの組み合わせのインパクトを算定するために、平均データを表1に提示した。
【0192】
【0193】
2つの活性構成成分の所与の組み合わせの期待される作用は次の通り計算され得る:
E=X+Y-(XY/100)
式中、
E=定められたドーズの2つの製品XおよびYの混合物による期待される%効果
X=製品Aによる観察される%効果
Y=製品Bによる観察される%効果
【0194】
相乗的効果係数(SF)はアボットの式によって計算される(Eq.(2)(アボット,1925年)。
SF=観察される効果/期待される効果
【0195】
式中、相乗的反応ではSF>1;拮抗的反応ではSF<1;相加的反応ではSF=1。
組み合わせについて観察される収量効果のパーセンテージが期待されるパーセンテージに等しいときには、単に相加的効果が推量され得る。そして、組み合わせについて観察される収量効果のパーセンテージが期待されるパーセンテージよりも低いときには、組み合わせの拮抗的効果が推量され得る。用語「相乗的効果」は、ウィーズ(Weeds),1967年,第15巻,p.20-22に発表された「除草剤の組み合わせの相乗的および拮抗的応答の計算(Calculation of the synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations)」と題する記事においてコルビーS.R.によって定義されている。組み合わせについて観察される収量効果のパーセンテージ(E)が期待されるパーセンテージよりも多大であるときには、組み合わせの相乗的効果が推量され得る。
【0196】
上の表から、アボットの式によって計算される通り、組み合わせの硫黄プラスマンガン塩の組成物による収量の期待されるパーセンテージ増大は29.3%であることが見い出されることが分かる。
【0197】
さらに、表1のデータからは、本発明の実施形態に従う水分散性顆粒によるT4および懸濁液濃縮物によるT6の組成物が相乗的挙動を実証したことが分かる。
【0198】
上の表1から、本発明の実施形態に従う硫黄40%+25%二酸化マンガン(Mn15.9%)水分散性顆粒状組成物による処理T4および本発明の実施形態に従う硫黄20%+12.5%二酸化マンガン(Mn7.95%)SCによる処理T6は、無処理のコントロールと比較して大豆穀粒収量のそれぞれ32.8%および31.5%の増大を示したことが明瞭に分かる。それゆえに、個々の活性成分による処理T2およびT3と比較してならびに/または当分野において公知の硫黄40%+25%二酸化マンガン(Mn15.9%)パスティルによる処理T5と比較して、両方とも本発明に従う水分散性顆粒状組成物および液体懸濁液組成物は驚くべき相乗的効果および向上した効力を示した。事実、両方とも本発明の実施形態に従う水分散性顆粒状組成物による処理T4および硫黄20%+12.5%二酸化マンガン(Mn7.95%)SCによる処理T6は、硫黄40%+25%二酸化マンガン(Mn15.9%)パスティル組成物による処理T5と比較して、大豆の穀粒収量のそれぞれ驚くべき10.47%および9.4%の増大を示した。
【0199】
実験No2:
大豆の葉の炭水化物含量、莢数、試験重量、収量、および油パーセンテージに対する、異なる濃度の硫黄(S)+種々のマンガン塩の異なる製剤のインパクトを判定するための圃場試験.
【0200】
両方とも本発明の実施形態に従う水分散性顆粒および懸濁液濃縮物を包含する、異なる濃度および異なる形態の硫黄およびマンガンの組み合わせの効果を、ウッジャイン県サベール(MP)の商業耕作大豆圃場における圃場試験の実験によって、葉の炭水化物含量、莢数、試験重量、収量、および油含量について判定した。
【0201】
試験は乱塊法(RBD)によってカリフの季節に計画し、無処理のコントロールを包含する10個の処理を3回反復した。各処理について、35sq.m(7m×5m)の区画サイズを維持した。評価されたサンプルは、様々な濃度および特定の用量の硫黄および種々のマンガン塩の組み合わせを包含した。ここでは、処理は大豆作物の播種時に基肥施用として施用した。試験圃場の大豆作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。大豆JS335品種の種子を研究に用い、30cmsの列間および10cmsの植物間の間隔で作付けした。
【0202】
実験の詳細
a)試験場:ウッジャイン県サベール(MP)
b)作物:大豆(品種:JS335)
c)実験季節:2018年カリフ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:3
f)処理:10
g)区画サイズ:7m×5m=35sq.m
h)R×P間隔:30cm×10cm
i)施用日:28.06.2018
j)播種日:29.06.2018
k)施用の方法:基肥
l)収穫日:11.10.2018
【0203】
大豆の収量および収量関連因子の異なるパラメータ、つまり葉の炭水化物含量、莢数、試験重量、収量、および油含量の観察を収穫時に記録し、様々な濃度の硫黄およびマンガン塩の組み合わせの異なる製剤のインパクトを算定するために平均データを表2に提示した。
【0204】
【0205】
コントロールと比べた%増大または減少
上の表から、本発明の実施形態に従う水分散性顆粒状形態の様々な濃度の硫黄およびマンガンによる処理T1、T2、およびT3ならびに同様に本発明の実施形態に従う懸濁液濃縮物形態の処理T7、T8、T9は、パスティルおよび無処理の植物と比較して、大豆植物の葉の可溶性炭水化物含量、穀粒収量、油含量の有意な増大を示すことが観察された。
【0206】
処理T1、T4、T7を比較すると、無処理のコントロールと比べて葉の炭水化物含量の約15%の増大のみを示した硫黄および二酸化マンガンパスティルによる処理T4と比較して、両方とも本発明の実施形態に従う硫黄80%+マンガン7.74%(10%酸化マンガン)水分散性顆粒による処理T1および硫黄40%+マンガン3.87%(5%酸化マンガン)懸濁液濃縮物によるT7は、無処理のコントロールと比べて可溶性の炭水化物含量のそれぞれ53.8%および69.1%の増大を現すことが観察された。上の処理のそれぞれにおいては、同じ量の硫黄およびマンガンを施用していたということが指摘され得る。
【0207】
さらに、本発明の実施形態に従う組成物による処理T2、T8は、それぞれ74.4%および70.7%の可溶性炭水化物含量の増大を示したが、パスティル組成物による処理T5は大豆葉の炭水化物含量の30%の増大のみを示した。
【0208】
さらにその上、本発明に従う組成物による処理T1、T2、T3、T7、T8、およびT9は、処理T4、T5、およびT6と比較して大豆の有意により高い穀粒収量および増大した油含量を示した。例えば、処理T2、T5、T8を比較すると、本発明の実施形態に従う組成物による処理T2およびT8は、無処理のコントロールと比較して約13.3%の収量増大を実証した処理T5と比較すると、穀粒収量のそれぞれ約38%および37%の増大を示した。さらに、処理T2、T8の油含量は無処理のコントロールと比較してそれぞれ8.6%および7.5%高かったが、パスティル組成物による処理T5は無処理のコントロールと比べて2.7%のみの油含量増大を示した。
【0209】
また、処理T3、T6、T9を比較すると、本発明に従う組成物による処理T3およびT9は、無処理のコントロールと比べて9.9%のみの収量増大を示した処理T6と比較してそれぞれ約32.9%および31.3%の収量増大を実証した。各処理T1、T4、およびT7は施用された硫黄およびマンガンの同じ量を有したので、結果は特に驚くべきである。さらに、処理T2、T5、およびT8もまた施用された硫黄およびマンガンの同じドーズを有した。
【0210】
それゆえに、パスティル形態の硫黄およびマンガン塩による処理と比較して、特に硫黄およびマンガンが同じ施用用量で施用されるときには、本発明の実施形態に従う水分散性顆粒および懸濁液濃縮物の形態の異なる濃度の硫黄および種々のマンガン塩の組み合わせは、大豆の収量ならびに可溶性炭水化物含量および油含量の有意な向上を実証した。
【0211】
実験3:大豆の炭水化物含量に対する、本発明に従う組成物を包含する種々の形態の硫黄および二酸化マンガンの効果を研究する
大豆作物の50日播種において、全ての処理された区画からサンプルを取ることによって、大豆葉の炭水化物含量の観察をもまた判定した。そして、大豆葉の炭水化物含量の改善に対する硫黄(S)+二酸化マンガン(Mn)組み合わせの異なる製剤の効果を見るために、平均データをグラフ1の形態で提示している(
図1)。
【0212】
処理詳細は次の通りである:
T1-無処理;
T2-二酸化マンガン25%顆粒@790g/エーカMn;
T3-硫黄90%WDG@2000g/エーカS;
T4-硫黄40%+二酸化マンガン25%(Mn15.9%)WDG@2000g/エーカS+790g/エーカMn;
T5-硫黄40%+25%二酸化マンガン(Mn15.9%)パスティル@2000g/エーカS+790g/エーカMn;
T6-硫黄20%+12.5%酸化マンガン(Mn7.95%)SC@2000g/エーカS+790g/エーカMn。
【0213】
炭水化物含量の期待されるパーセンテージ増大は次の通りコルビーの方法を用いて計算される:
E=X+Y-(XY/100)
式中、
E=定められたドーズにおける2つの製品XおよびYの混合物による期待される%効果
X=処理T2の製品による観察される%効果(21.13%)
Y=処理T3の製品による観察される%効果(18.01)
【0214】
図1および成された計算に基づくと、大豆葉の期待される炭水化物含量は35.3mg/gmであることが見い出された。さらに、両方とも本発明の実施形態に従う硫黄40%+二酸化マンガン25%(Mn15.9%)水分散性顆粒@2000g/エーカS+790g/エーカMnによる処理T4;および硫黄20%+12.5%酸化マンガン(Mn7.95%)懸濁液濃縮物@2000g/エーカS+790g/エーカMnによるT6は、無処理のコントロールと比べて大豆葉の炭水化物含量のそれぞれ80.1%および74.55%の増大を示すことが観察された。さらにその上、同じ量の硫黄およびマンガンを施用した硫黄プラス二酸化マンガンパスティル組成物による処理T5は、無処理のコントロールと比べて炭水化物含量の21.88%の増大のみを示した。それゆえに、硫黄および二酸化マンガンパスティルによる処理T5の組成物と比較して、本発明に従う組成物による処理T4およびT6の組成物は相乗的効果を見せた。グラフは、本発明の実施形態に従う組成物が、当分野において公知の組成物、すなわちペレット/パスティルのものと比べて相乗的効果を見せることを実証している。
【0215】
実験4:小麦作物に対する、様々な濃度の硫黄および酸化マンガンの水分散性顆粒状組成物および液体懸濁液組成物の効果を研究する
ハリヤナ州カルナルの商業的耕作小麦圃場において、圃場試験を実施して、収量に対する様々な濃度の硫黄+酸化マンガンの異なる製剤の相乗的効果を研究した。
【0216】
圃場実験方法論:
試験は乱塊法(RBD)によってラビの季節に計画し、無処理のコントロールを包含する6つの処理を4回反復した。各処理について、40sq.m(8m×5m)の区画サイズを維持した。試験は、異なる製剤によってかつ様々な濃度で単独でおよび組み合わせで施用された硫黄および酸化マンガンによって実施し、小麦作物の播種時に基肥施用として施用した。試験圃場の小麦作物は農業生産工程管理を踏襲し、栽培した。小麦PBW343品種の種子を研究に用い、30cmsの列間および10cmsの植物間の間隔で作付けした。
【0217】
実験の詳細
a)試験場:ラージャスターン州シカール
b)作物:小麦(品種:PBW343)
c)実験季節:2018~19年ラビ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:4
f)処理:6
g)区画サイズ:8m×5m=40sq.m
h)施用日:01.11.2018
i)播種日:02.11.2018
j)施用の方法:基肥
k)収穫日:01.04.2019
【0218】
小麦穀粒収量の観察を収穫時に記録し、小麦収量に対する、異なる製剤によって様々な濃度で単独でおよび組み合わせで施用された硫黄および酸化マンガンの組み合わせのインパクトを算定するために、平均データを表3に提示した。
【0219】
【0220】
上の表から、アボットの式によって計算される通り、組み合わせの硫黄プラスマンガン塩の組成物による小麦の収量の期待されるパーセンテージ増大は27.2%であることが見い出されることが分かる。
【0221】
上の表3から、本発明の実施形態に従う硫黄35%+30%酸化マンガン(Mn23.23%)水分散性顆粒による処理T4および本発明の実施形態に従う硫黄17.5%+15%酸化マンガン(Mn11.615%)懸濁液濃縮物による処理T6が、硫黄35%+30%酸化マンガン(Mn23.23%)パスティルによる処理T5と比較して、相乗的効果と小麦の穀粒収量の驚くべき向上とを示したことが明瞭に分かる。このとき、上の処理のそれぞれの組成物は施用された硫黄およびマンガンの同じドーズを有した。事実、無処理のコントロールと比べて21.1%の増大のみを示した硫黄プラスマンガンのパスティルによる処理T5と比較すると、本発明の実施形態に従う組成物による処理T4およびT6は無処理のコントロールと比べて小麦の穀粒収量の32.5%および31.6%の増大を示した。それゆえに、硫黄およびマンガンの個々の施用による処理と比べて、または硫黄プラスマンガンパスティル組成物による処理と比較して、本発明の組成物は驚くべきことに向上した効力を示す。
【0222】
実験5:マハーラーシュトラ州ナーシクの商業耕作小麦圃場において、圃場試験を実施して、異なる濃度の硫黄(S)および種々のマンガン塩の異なる製剤のインパクトを研究して、分げつ数、試験重量、および穀粒収量などのパラメータを判定した。
【0223】
圃場実験方法論
試験は乱塊法(RBD)によってラビの季節に計画し、無処理のコントロールを包含する10個の処理を3回反復した。各処理について、35sq.m(7m×5m)の区画サイズを維持した。硫黄ならびに種々のマンガン塩、例えば酸化マンガン、二酸化マンガン、および硝酸マンガンの試験サンプルを、組み合わせで、異なる製剤によって、様々な濃度で、小麦作物の播種時に基肥施用として施用した。圃場試験の小麦作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。小麦Kranti品種の種子を研究に用い、30cmsの列間および10cms植物間の間隔で作付けした。
【0224】
実験の詳細
a)試験場:ナーシク(マハーラーシュトラ州)
b)作物:小麦(品種:Kranti)
c)実験季節:2018~19年ラビ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:3
f)処理:10
g)区画サイズ:7m×5m=35sq.m
h)R×P間隔:30cm×10cm
h)施用日:12.11.2018
i)播種日:14.11.2018
j)施用の方法:基肥
k)収穫日:28.03.2019
【0225】
小麦の収量および収量関連因子の異なるパラメータ、つまり分げつ数、試験重量、および穀粒収量の観察を収穫時に記録し、様々な濃度の硫黄およびマンガンの組み合わせの異なる製剤のインパクトを算定するために、平均データを表4に提示した。
【0226】
【0227】
上の表から、本発明の実施形態に従う水分散性顆粒状形態の硫黄およびマンガンによる処理T1、T2、およびT3は、無処理の植物と比較して小麦植物の収量の22.2%、25.9%、および19.0%の増大を示し、本発明の実施形態に従う液体懸濁液形態の硫黄およびマンガンによる処理T7、T8、およびT9は、小麦の穀粒収量のそれぞれ19.7%、22.8%、および22%の増大を示すことが観察された。他方で、当分野において公知のパスティル形態の様々な濃度の硫黄プラスマンガンによる処理(処理T6、T7、およびT8)は、小麦の穀粒収量のそれぞれ6%、11.2%、および8.4%のみの増大を示すということが観察された。
【0228】
さらに、処理T2、T5、T8を比較すると、本発明の実施形態に従う水分散性顆粒および液体懸濁液による処理T2およびT8はそれぞれ約25.9%および22.8%の収量増大を現すが、処理T5(従来技術のパスティル)は11.2%のみの収量増大を示すことが観察された。ここでは、硫黄およびマンガンは全ての3つの処理において等しいドーズで施用した。類似に、処理T3、T6、T9を比較すると、本発明の実施形態に従う水分散性顆粒および液体懸濁液組成物による処理T3およびT9はそれぞれ約19%および22%の収量増大を示すが、硫黄およびマンガンのパスティル組成物によるT6は8.4%のみの収量増大を示すことが観察された。それゆえに、両方とも本発明に従う水分散性顆粒状形態および液体懸濁液形態の硫黄およびマンガン塩の組み合わせは、パスティル形態の硫黄およびマンガン塩と比較して有意に高い収量を現した。各処理T1、T4、およびT7は施用された硫黄およびマンガンの同じドーズを有するので、結果は特に驚くべきである。さらに、処理T2、T5、およびT8または処理T3、T6、およびT9は、それぞれが、施用された同じドーズの硫黄およびマンガンをそれぞれ有した。
【0229】
パスティルの形態の組成物による処理T4、T5、およびT6と比較して、両方とも本発明に従う水分散性顆粒および懸濁液濃縮物による処理T1、T2、T3、T7、T8、およびT9の組成物は、平均の有効分げつ数の向上をもまた示した。
【0230】
実験6:
圃場研究を実施して、ジャガイモにおける瘡痂病(Streptomyces・scabiesによって引き起こされる)のコントロールに対する硫黄+二酸化マンガンの異なる製剤のインパクトを研究した。
【0231】
圃場実験方法論:
インドール県のデワスにおいて、圃場試験を実施して、ジャガイモにおける瘡痂病(Streptomyces・scabiesによって引き起こされる)のコントロールに対する硫黄+二酸化マンガンの異なる製剤の効果を評価した。試験は乱塊法(RBD)によってラビの季節に計画し、無処理のコントロールを包含する6つの処理を4回反復した。各処理について、40sq.m(8m×5m)の区画サイズを維持した。評価された化合物は、所定のドーズでの異なる製剤による硫黄および二酸化マンガン単独ならびにその組み合わせを包含し、ジャガイモ塊茎の播種時に基肥溝施用として施用された。試験圃場のジャガイモ作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。ジャガイモLoker品種の種子を研究に用い、60cmsの列間および25cmsの植物間の間隔で作付けした。
【0232】
実験の詳細
a)試験場:インドール県デワス
b)作物:ジャガイモ(品種:Loker)
c)実験季節:2018年ラビ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:4
f)処理:6
g)区画サイズ:8m×5m=40sq.m
h)播種日:10.11.2018
i)施用日:10.11.2018
j)施用の方法:溝基肥
k)収穫日:18.03.2019
【0233】
瘡痂病発生率および塊茎収量をジャガイモ作物の収穫の際に記録した。一列掘取機を用いて作物を収穫し、塊茎を手で摘取した。収穫後に、塊茎をグレード分けし、健康なおよび病気の塊茎の数および重量を記録した。
【0234】
各塊茎の瘡痂病重症度(DS)を、塊茎表面積の瘡痂症状の%に基づいて、0~100%のスケールを用いて判定した(ファルーン(Falloon)等,2001年)
【0235】
塊茎のトータル数のパーセンテージとして表される瘡痂感染した塊茎数を発病率(DI)と見なした。4つの反復列から得られた塊茎のトータルの平均重量に基づいて、各処理の総収量を計算した。
【0236】
瘡痂発生率およびパーセント病気コントロールの平均データを表7に提示する。
【0237】
【0238】
Streptomyces・scabiesによって引き起こされるジャガイモの瘡痂の発病率の観察を記録した。そして、上の表からは、両方とも本発明の実施形態に従う硫黄35%+30%二酸化マンガン(Mn19.19%)水分散性顆粒による処理4および硫黄17.5%二酸化マンガン(Mn9.59%)懸濁液濃縮物組成物による処理6が、無処理のコントロールと比較して発病率のそれぞれ59.1%および60.1%の縮減を示すことが観察された。事実、硫黄35%+30%二酸化マンガン(Mn19.19%)パスティルによる処理5によって見せられるコントロールよりも、または個々の活性成分による処理T2およびT3と比較して、本発明の実施形態に従う処理4および6は遥かに優れていた。また、ジャガイモにおいて、無処理のコントロールと比較してまたは個々の活性成分もしくはパスティル組成物による処理と比較して、本発明の実施形態に従う組成物による処理はジャガイモ塊茎の収量の有意な向上を見せた。
【0239】
実験7:マハーラーシュトラ州ナーシクにおいて、圃場研究を実施して、大豆の収量に対する硫黄(S)+二酸化マンガン(Mn)の組成物の異なる範囲の粒子サイズのインパクトを判定した。
【0240】
圃場実験方法論
試験は乱塊法(RBD)によってカリフの季節に計画し、無処理のコントロールを包含する5つの処理を4回反復した。各処理について、40sq.m(8m×5m)の区画サイズを維持した。試した組成物は、本発明の実施形態に従う組成物を包含する様々な粒子サイズ範囲の硫黄40%および25%二酸化マンガン(Mn15.8%)水分散性顆粒を包含した。所定のドーズの組成物を大豆種子の播種時に基肥施用として施用した。試験圃場の大豆作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。大豆JS9041品種の種子を40cmの列間および15cmの植物間の間隔で播種に用いた。
【0241】
実験の詳細:
a)試験場:マハーラーシュトラ州ナーシク
b)作物:大豆(品種:JS9041)
c)実験季節:2018年カリフ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:4
f)処理:5
g)区画サイズ:8m×5m=40sq.m
h)移植日:08.07.2018
i)施用日:07.07.2018
j)施用の方法:基肥施用
k)収穫日:12.10.2018
【0242】
収量の観察を収穫時に記録しており、大豆の穀粒収量に対する異なる処理のインパクトを見るために平均データを表6に提示する。
【0243】
【0244】
表6に提示されているデータからは、0.1から50ミクロンの範囲の粒子サイズを有する硫黄40%+25%二酸化マンガン(Mn15.8%)水分散性顆粒による処理T3または20から50ミクロンの範囲の粒子サイズを有する硫黄40%+25%二酸化マンガン(Mn15.8%)水分散性顆粒による処理T4および50から100ミクロンの範囲の粒子サイズを有する硫黄40%+25%二酸化マンガン(Mn15.8%)水分散性顆粒による処理T5と比較したときに、本発明の実施形態に従う0.1ミクロンから20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する硫黄40%+25%二酸化マンガン(Mn15.8%)水分散性顆粒による処理T2が、穀粒収量および植物あたりの平均莢数の有意な増大を示したことが分かる。本発明に従う組成物による処理T2は無処理のコントロールと比較して穀粒収量の驚くべきことに有意な33.2%の増大を示すが、処理T3、T4、およびT5は、無処理のコントロールと比較してそれぞれ21.3%、19.8%、および11.4%の収量増大のみを示すことが観察された。本発明に従う水分散性顆粒状製剤では効力の向上が観察されるということが指摘された。ここでは、より高い粒子サイズ範囲を有する水分散性顆粒状製剤と比較して、組成物は0.1ミクロン~20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含んだ。
【0245】
実験8:圃場研究を実施して、ジャガイモの収量に対する硫黄およびマンガンの異なる製剤の効果を研究した。
圃場実験方法論:
マハーラーシュトラ州ナーシクにおいて、圃場試験を実施して、商業耕作ジャガイモの収量に対する、単独でのおよび本発明の実施形態に従う組み合わせでの活性成分の異なる用量における硫黄およびマンガンの異なる製剤の効果を見た。
【0246】
試験は乱塊法(RBD)によってラビの季節に計画し、無処理のコントロールを包含する5つの処理を4回反復した。各処理について、40sq.m(8m×5m)の区画サイズを維持した。評価されたサンプルは、単独およびその組み合わせの硫黄および二酸化マンガンを異なる製剤において所定のドーズで包含し、ジャガイモ塊茎の播種時に基肥施用として施用された。試験圃場のジャガイモ作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。塊茎を60cmsの列間および25cmsの植物間の間隔で作付けした。塊茎収量の観察を収穫時に記録し、塊茎収量に対する硫黄およびマンガンの組み合わせのインパクトを算定するために全ての観察の平均データを表7に提示した。
【0247】
実験の詳細
a)試験場:マハーラーシュトラ州ナーシク
b)作物:ジャガイモ
c)実験季節:2018年ラビ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:4
f)処理:6
g)区画サイズ:8m×5m=40sq.m
h)播種日:25.10.2018
i)施用日:24.10.2018
j)施用の方法:溝基肥
k)収穫日:25.01.2019
【0248】
【0249】
上の表からは、本発明の実施形態に従う硫黄40%+マンガン15.9%(25%二酸化マンガン)水分散性顆粒による処理2および本発明の実施形態に従う硫黄20%+マンガン7.9%(12.5%二酸化マンガン)懸濁液濃縮物による処理3が、商業的に入手可能な硫酸マンガンによる処理T4と比較してまたは硫黄90%WDGと比較して、無処理のコントロールと比べてジャガイモ塊茎収量の有意な向上を示したということが観察された。4.08%のみの収量増大を示した処理T3(商業的に入手可能)および5.70%のみの収量増大を示した処理T4(商業的に入手可能)と比較したときに、処理T1およびT2は、縮減された用量の活性成分が施用されている際に約17.6%および15.4%という収量増大を現した。それゆえに、縮減された用量においてさえも、本発明の実施形態に従う水分散性顆粒および懸濁液濃縮物の形態の元素状硫黄および二酸化マンガンの組み合わせ(処理T2およびT3)は、個々の活性成分による処理(処理T4、T5)のものよりも、ジャガイモ塊茎収量の有意な改善を示したと結論づけ得る。
【0250】
さらに、本発明の発明者は、また、肥料または他の微量栄養素を有する元素状硫黄およびマンガン塩の組み合わせをトマトおよびブドウのようなある種の作物について試験した。本発明の組み合わせへのホウ素塩などの他の微量栄養素の追加は、緑色度、果実重量、植物の高さのような作物の性質をさらに向上させ、作物の栄養価を増し得るということが観察された。さらなるかかる組み合わせは、加えて、作物収量、改善された光合成を改善することを助け、葉緑素含量および作物による他の栄養素の取り込みを増大させ得る。
【0251】
それゆえに、本発明の組成物は、圃場における向上した効力あるかつ優れた挙動を実証することが観察された。事実、本発明に従う組成物に関連する種々の有利な特性は、改善された安定性、改善された毒性学的および/または環境毒性学的挙動、改善された作物の性質、例えば改善された栄養素含量、より発達した根系、植物の高さの増大、より大きな葉身、より少ない死んだ根生葉、より強い分げつ、より緑色の葉色、必要とされるより少ない肥料、増大した分げつ生長、増大した新芽成長、改善された植物活性、より早い開花、より生産的な分げつ、より少ない植物のヴェルス(倒伏)、葉の改善された葉緑素およびタンパク質含量、光合成活性、早い種子発芽、早い穀粒成熟、農産物の改善された品質、植物の改善された強化、作物収量の改善と併せて土壌を改良すること、ならびに病気のコントロールの向上を包含するが、これらに限定されない。また、本発明の組成物は、農業的な組成物の施用の他の方法に加えて、商業製品のほとんどが叶えない点滴灌漑またはスプリンクラー灌漑にとって好適である。
【0252】
本発明の組成物によると、栄養素、肥料、または殺虫剤の施用数又は量が最小化される。組成物はユーザおよび環境にとって高度に安全である。
【0253】
上述から、本発明の新規概念の真の趣旨および範囲から逸脱することなしに、数々の改変および変形が成し遂げられ得るということに気づかれるであろう。例解された特定の実施形態についての限定が意図されていないことは理解されるはずであり、または推量されるはずである。