(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】印刷装置および印刷装置におけるヘッド保守方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240718BHJP
B41J 2/165 20060101ALI20240718BHJP
B41J 2/175 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/165
B41J2/01 401
B41J2/175 503
B41J2/175 161
(21)【出願番号】P 2021023141
(22)【出願日】2021-02-17
【審査請求日】2023-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】馬越 昌一
(72)【発明者】
【氏名】浅田 和彦
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-122633(JP,A)
【文献】特開2020-121493(JP,A)
【文献】特開2017-177362(JP,A)
【文献】特開2015-058626(JP,A)
【文献】特開2015-058618(JP,A)
【文献】特表2018-500208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1配線を介して与えられる電気信号に基づいて作動することで、第1水平方向に搬送される印刷媒体に対し、第1インク配管を介して供給される第1インクを吐出する第1印刷バーユニットと、
前記第1水平方向と平行な方向において前記第1印刷バーユニットに隣接して配置され、第2配線を介して与えられる電気信号に基づいて作動することで、前記印刷媒体に対し、第2インク配管を介して供給される第2インクを吐出する第2印刷バーユニットと、
前記印刷媒体の上方の印刷空間から前記第1水平方向と異なる第2水平方向に離間したメンテナンス空間に延設された枠体構造を有し、前記印刷空間と前記メンテナンス空間との間で前記第1印刷バーユニットおよび前記第2印刷バーユニットを一括して移動自在に支持する本体フレームと、
前記第1印刷バーユニットに接続される前記第1配線および前記第1インク配管と、前記第2印刷バーユニットに接続される前記第2配線および前記第2インク配管とを収容空間に収容して保護しながら前記第1印刷バーユニットおよび前記第2印刷バーユニットの移動に伴って前記第2水平方向と平行に案内する保護案内部材と、を備え、
前記保護案内部材が前記本体フレームの外側に隣接して配置されることで、前記本体フレームの内側で前記メンテナンス空間に位置する前記第1印刷バーユニットおよび前記第2印刷バーユニットの下方に作業空間が形成され、前記作業空間より前記第1印刷バーユニットおよび前記第2印刷バーユニットにアクセス可能となることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記第1印刷バーユニットおよび前記第2印刷バーユニットを搭載しながら前記本体フレームに対して前記第2水平方向と平行に移動自在に設けられるヘッド搭載枠をさらに備え、
前記保護案内部材の一方端部は固定配置される一方、他方端部は前記第1水平方向における前記ヘッド搭載枠の一方端部に連結され、前記第1印刷バーユニット、前記第2印刷バーユニットおよび前記ヘッド搭載枠の移動に伴って移動する印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置であって、
前記保護案内部材の他方端部から前記ヘッド搭載枠の他方端部に延びる接続空間を第1空間と第2空間に仕切る仕切部材をさらに備え、
前記第1配線のうち前記保護案内部材の他方端部から前記第1印刷バーユニットに至る第1配線中間部および前記第2配線のうち前記保護案内部材の他方端部から前記第2印刷バーユニットに至る第2配線中間部は前記第1空間に配置される一方、
前記第1インク配管のうち前記保護案内部材の他方端部から前記第1印刷バーユニットに至る第1インク配管中間部および前記第2インク配管のうち前記保護案内部材の他方端部から前記第2印刷バーユニットに至る第2インク配管中間部は前記第2空間に配置される印刷装置。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷装置であって、
前記第1印刷バーユニットは、第1冷媒配管を介して供給される冷媒により冷却されながら前記第1配線を介して与えられる電気信号に基づいて前記第1インクの吐出を制御する第1印刷基板を有し、
前記第2印刷バーユニットは、第2冷媒配管を介して供給される冷媒により冷却されながら前記第2配線を介して与えられる電気信号に基づいて前記第2インクの吐出を制御する第2印刷基板を有し、
前記第1印刷バーユニットでは前記第1配線が前記第1冷媒配管よりも高い位置に配置され、
前記第2印刷バーユニットでは前記第2配線が前記第2冷媒配管よりも高い位置に配置される印刷装置。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷装置であって、
前記保護案内部材は、前記第1印刷バーユニットに接続される前記第1冷媒配管と、前記第2印刷バーユニットに接続される前記第2冷媒配管とをさらに前記収容空間に収容して保護しながら前記第1印刷バーユニットおよび前記第2印刷バーユニットの移動に伴って前記第2水平方向と平行に案内する印刷装置。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷装置であって、
前記第1冷媒配管のうち前記保護案内部材の他方端部から前記第1印刷バーユニットに至る第1冷媒配管中間部および前記第2冷媒配管のうち前記保護案内部材の他方端部から前記第2印刷バーユニットに至る第2冷媒配管中間部は前記第2空間に配置される印刷装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の印刷装置におけるヘッド保守方法であって、
前記第1印刷バーユニットおよび前記第2印刷バーユニットを一括して前記メンテナンス空間に移動させる工程と、
前記メンテナンス空間に位置する前記第1印刷バーユニットおよび前記第2印刷バーユニットの下方に形成される前記作業空間より前記第1印刷バーユニットおよび前記第2印刷バーユニットの少なくとも一方にアクセスして保守作業を施す工程と、
を備えることを特徴とする印刷装置におけるヘッド保守方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、隣接して配列された複数の印刷バーユニットから互いに異なるインクを印刷媒体に吐出して画像を印刷する印刷装置および当該印刷装置において印刷バーユニットを保守する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
印刷バーユニットに設けられる吐出ヘッドからインクジェット方式で水性や油性などのインクを印刷媒体に吐出して印刷媒体の上面に画像を印刷する印刷装置が知られている。例えば特許文献1に記載の印刷装置では、印刷媒体の搬送方向に沿って複数の印刷バーユニットが配列されている。そして、印刷バーユニットでは、吐出ヘッドがそのノズル面から液滴状のインクを印刷媒体の上面に吐出して印刷する。このため、ノズル面に付着する付着物が乾燥して固着すると、ノズルの目詰まりが発生して印刷性能の低下を招く。このような問題を解消するために、フラッシングやパージングなどのメンテナンス処理がメンテナンス部により自動的に行われる。しかしながら、完全な自動化は現状で困難であり、ノズル面の目視確認や手動でのヘッド吸引などを作業者がノズル面に直接アクセスして行うことがある。そこで、上記印刷装置では、メンテナンス部の移動により作業者がノズル面にアクセスするための作業空間を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された印刷装置では、作業空間を作り出すために、メンテナンス部の移動が必要となっている。しかも、印刷装置では、印刷バーユニットに対してインクを供給するためのインク配管や吐出ヘッドによるインク吐出を制御するための配線などが数多く印刷バーユニットに接続されている。したがって、作業空間を作り出す上で、上記インク配管などとの干渉を回避する必要がある。しかしながら、特許文献1では配管系統や配線系統のレイアウトについて全く考慮されていない。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、隣接して配列された複数の印刷バーユニットから互いに異なるインクを印刷媒体に吐出して画像を印刷する印刷装置において、作業者が印刷バーユニットにアクセスするための作業空間を簡単で確実に確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の第1態様は、印刷装置であって、第1配線を介して与えられる電気信号に基づいて作動することで、第1水平方向に搬送される印刷媒体に対し、第1インク配管を介して供給される第1インクを吐出する第1印刷バーユニットと、第1水平方向と平行な方向において第1印刷バーユニットに隣接して配置され、第2配線を介して与えられる電気信号に基づいて作動することで、印刷媒体に対し、第2インク配管を介して供給される第2インクを吐出する第2印刷バーユニットと、印刷媒体の上方の印刷空間から第1水平方向と異なる第2水平方向に離間したメンテナンス空間に延設された枠体構造を有し、印刷空間とメンテナンス空間との間で第1印刷バーユニットおよび第2印刷バーユニットを一括して移動自在に支持する本体フレームと、第1印刷バーユニットに接続される第1配線および第1インク配管と、第2印刷バーユニットに接続される第2配線および第2インク配管とを収容空間に収容して保護しながら第1印刷バーユニットおよび第2印刷バーユニットの移動に伴って第2水平方向と平行に案内する保護案内部材と、を備え、保護案内部材が本体フレームの外側に隣接して配置されることで、本体フレームの内側でメンテナンス空間に位置する第1印刷バーユニットおよび第2印刷バーユニットの下方に作業空間が形成され、作業空間より第1印刷バーユニットおよび第2印刷バーユニットにアクセス可能となることを特徴としている。
【0007】
この発明の第2態様は、上記印刷装置におけるヘッド保守方法であって、第1印刷バーユニットおよび第2印刷バーユニットを一括してメンテナンス空間に移動させる工程と、メンテナンス空間に位置する第1印刷バーユニットおよび第2印刷バーユニットの下方に形成される作業空間より第1印刷バーユニットおよび第2印刷バーユニットの少なくとも一方にアクセスして保守作業を施す工程と、を備えることを特徴としている。
【0008】
このように構成された発明では、各印刷バーユニットに対して配管や配線が接続されている。そして、それらの印刷バーユニットが互いに隣接して配置された状態で一括して第2水平方向と平行に移動する。したがって、メンテナンス空間への印刷バーユニットの移動に伴って配管および配線も移動するが、上記配管および配線の引き回し状況によっては当該移動中に配管等が破損するだけでなく、配管等の存在により作業空間が制限されることがある。そこで、本発明は、本体フレームの外側に隣接して配置される保護案内部材に上記配管等を収容して保護しながら印刷バーユニットの一括移動に伴って第2水平方向と平行に案内している。これによって、印刷バーユニットの一括移動中における配管等の破損が確実に防止される。しかも、保護案内部材に収容されている上記配管等は本体フレームの外側を移動し、本体フレームの内側には存在しない。その結果、上記制限を受けることなく、メンテナンス空間への吐出ヘッドの一括移動によって上記作業空間を確保することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、隣接して配列された複数の印刷バーユニットから互いに異なるインクを印刷媒体に吐出して画像を印刷する印刷装置において、作業者が吐出ヘッドにアクセスするための作業空間を簡単で確実に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る印刷装置の一実施形態を装備する印刷システムの一例を模式的に示す正面図である。
【
図2】本発明の印刷装置の一実施形態であるカラー印刷部を(-X)方向から見た斜視図である。
【
図3】
図2のカラー印刷部に装備される水平移動機構を示す図である。
【
図4】印刷バーユニットの構成を示す斜視図である。
【
図5】ヘッド搭載枠に搭載された印刷バーユニットと、印刷バーユニットに接続される配管および配線の引き回し状況とを模式的に示す平面図である。
【
図6】印刷待機時、印刷時および作業者によるメンテナンス時における、カラー印刷部およびカラーメンテナンス部の位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明に係る印刷装置の一実施形態を装備する印刷システムの一例を模式的に示す正面図である。
図1および以下に示す図では、装置各部の配置関係を明確にするために、印刷システム1を構成する塗布装置2、印刷装置3および乾燥装置4を配列する水平方向を「X方向」とし、
図1の右手側から左手側に向かう水平方向を「+X方向」と称し、逆方向を「-X方向」と称する。また、X方向と直交する水平方向Yのうち、装置の正面側を「+Y方向」と称するとともに、装置の背面側を「-Y方向」と称する。さらに、鉛直方向Zにおける上方向および下方向をそれぞれ「+Z方向」および「-Z方向」と称する。
【0012】
この印刷システム1は、装置各部を制御部9により制御することで、繰出ロール11から巻取ロール12へロール・トゥ・ロールで長尺帯状の印刷媒体Mを搬送しつつ、塗布処理、印刷処理および乾燥処理を印刷媒体Mに施す。すなわち、塗布装置2が塗布液を印刷媒体Mに塗布する。そして、当該印刷媒体Mに対して印刷装置3がインクジェット方式で各種インクを付着させて画像を印刷する。さらに、乾燥装置4が印刷媒体Mに付着するインクを乾燥させる。なお、印刷媒体Mの素材は、OPP(orientedpolypropylene)あるいはPET(polyethyleneterephthalate)等のフィルムである。ただし、印刷媒体Mの素材はフィルムに限られず、紙等でもよい。かかる印刷媒体Mは、可撓性を有する。また、以下では、印刷媒体Mの両面のうち、画像が印刷される面を表面M1と、表面M1の反対側の面を裏面M2と適宜称する。
【0013】
塗布装置2は、液状のプライマー(塗布液)を貯留するパン21と、パン21に貯留されたプライマーに部分的に浸かるグラビアローラ22と、印刷媒体Mを搬送する搬送部23とを有する。塗布装置2では、搬送部23により搬送される印刷媒体Mにグラビアローラ22が下方から接触する塗布領域が設けられており、搬送部23は、印刷媒体Mの表面M1を下方に向けつつ塗布領域に沿って印刷媒体Mを搬送する。一方、グラビアローラ22は、その周面にプライマーを保持しつつ回転することで塗布領域にプライマーを供給する。こうして、グラビアローラ22により供給されたプライマーが塗布領域において印刷媒体Mの表面M1に塗布される。また、塗布領域では、印刷媒体Mの進行方向と、グラビアローラ22の周面の回転方向とが逆である。つまり、いわゆるリバースキス方式でプライマーが印刷媒体Mに塗布される。そして、搬送部23は、プライマーが塗布された印刷媒体Mの表面M1を上方へ向けつつ、塗布装置2から印刷装置3へ印刷媒体Mを搬出する。
【0014】
印刷装置3は、筐体31と、筐体31内に配置されたカラー印刷部32と、筐体31内においてカラー印刷部32の上方に配置された白印刷部33と、筐体31内に配置された複数のローラによって印刷媒体Mを搬送する搬送部34とを備える。
【0015】
カラー印刷部32は、搬送部34によって搬送される印刷媒体Mの上方において、印刷媒体Mの進行方向に配列された複数(本実施形態では4個)の印刷バーユニット321を有する。複数の印刷バーユニット321は、それぞれの下方を通過する印刷媒体Mの表面M1に上方から対向するノズルを有し、互いに異なる色のカラーインクをインクジェット方式でノズルから吐出する。ここで、カラーインクとは、白色以外のインクを意味し、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック等のインクを含む。こうして、カラー印刷部32の複数の印刷バーユニット321は、それぞれの下方を通過する印刷媒体Mの表面M1に上方からカラーインクを吐出することで、印刷媒体Mの表面M1にカラー画像を印刷する。
【0016】
また、白印刷部33は、搬送部34によって搬送される印刷媒体Mの上方に配置された単一の印刷バーユニット331を有する。印刷バーユニット331は、その下方を通過する印刷媒体Mの表面M1に上方から対向するノズルを有し、白インクをインクジェット方式でノズルから吐出する。こうして、白印刷部33の印刷バーユニット331は、その下方を通過する印刷媒体Mの表面M1に上方から白インクを吐出することで、印刷媒体Mの表面M1に白画像を印刷する。
【0017】
なお、
図1への図示を省略しているが、印刷装置3の筐体31内には、2種類の乾燥部が設けられている。一方はカラー印刷部32により印刷媒体Mの表面M1に付着されたカラーインクを乾燥させるプレ乾燥部である。他方は白印刷部33により印刷媒体Mの表面M1に付着された白インクを乾燥させる上方乾燥部である。
【0018】
また、カラー印刷部32および白印刷部33は、インクジェット方式でインクをノズル面から吐出する。このため、印刷工程を長時間行っていると、次第にノズルの吐出不良が発生する。また、印刷を一時的に停止させたときに、ノズル面に付着したインクが固化して、吐出不良が生じる場合もある。そこで、カラー印刷部32に対応してカラーメンテナンス部(後で説明する
図6中の符号35)が設けられている。カラーメンテナンス部は、通常印刷時には印刷バーユニット321から水平方向Yに離れている。そして、印刷バーユニット321のメンテナンスが必要となると、カラーメンテナンス部は印刷バーユニット321の直下位置に移動して各種メンテナンスを行う。そして、メンテナンス終了後に印刷バーユニット321から水平方向Yに離れる。これらの点については、白印刷部33も同様である。つまり、白印刷部33に対応して白メンテナンス部(図示省略)が印刷バーユニット331から水平方向Yに離れて設けられている。メンテナンス時には、白メンテナンス部は印刷バーユニット331の直下位置に移動して各種メンテナンスを行い、その後に印刷バーユニット331から水平方向Yに離れる。
【0019】
また、特許文献1に記載されているように、作業者が印刷バーユニット321、331のノズル面に対して直接アクセスして作業することもある。このため、印刷装置3では、カラー印刷部32および白印刷部33が水平方向Yに移動可能となっている。そして、作業者のアクセスが必要となると、カラー印刷部32および白印刷部33が印刷空間から水平方向Yに離れたメンテナンス空間に移動される。この点については、後でカラー印刷部32の詳しい構成および動作を説明することで、明らかにする。
【0020】
乾燥装置4は印刷装置3から搬送されてくる印刷媒体Mの表面M1に付着するインクを乾燥させるものである。乾燥装置4は筐体41(乾燥炉)を有している。また、筐体41では、(+X)方向側にローラ42、43、46が配置されるとともに(-X)方向側にエアターンバー44、45が配置されている。これによって、(+Y)方向側から見て略S字状の搬送経路が構成され、当該搬送経路に沿って印刷媒体Mが搬送される。この搬送中に印刷媒体Mの表面M1に付着するインクが乾燥される。そして、乾燥処理を受けた印刷媒体Mは乾燥装置4から搬出され、巻取ロール12に巻き取られる。
【0021】
次に、カラー印刷部32の構成および動作について説明する。
図2は本発明の印刷装置の一実施形態であるカラー印刷部を(-X)方向から見た斜視図である。また、
図3は
図2のカラー印刷部に装備される水平移動機構を示す図である。なお、
図3では、水平移動機構36の構造を明示するために、印刷バーユニット321およびカラーメンテナンス部を取り外した状態で水平移動機構36が図示されている。
【0022】
水平移動機構36は、本体フレーム361と、カラー印刷部32を構成する複数の印刷バーユニット321を搭載するヘッド搭載枠362と、カラーメンテナンス部を搭載するメンテナンス搭載枠363と、を有している。本体フレーム361は、
図3に示すように、鉛直上方からの平面視でY方向に延びる枠体構造を有しており、印刷媒体Mの上方の印刷空間Spから(-Y)方向に離れたメンテナンス空間Smまで延設されている。また、本体フレーム361は鉛直上方および鉛直下方に開口している。Y方向において、本体フレーム361は、ヘッド搭載枠362の長さとメンテナンス搭載枠363の長さとを足し合わせた値よりも長く延設されている。この本体フレーム361の上面のうち(+X)方向側および(-X)方向側の上方端面の上に、Y方向に延びるヘッド用ガイドレール364、364がそれぞれ取り付けられている。そして、同図中の実線矢印で示すように、これらのヘッド用ガイドレール364、364に沿ってヘッド搭載枠362がY方向に移動自在に設けられている。また、本体フレーム361の(+X)方向側および(-X)方向側の内側面に、Y方向に延びるメンテナンス用ガイドレール365、365がそれぞれ取り付けられている。そして、同図中の点線矢印で示すように、ヘッド搭載枠362の下方側で、これらのメンテナンス用ガイドレール365、365に沿ってメンテナンス搭載枠363がY方向に移動自在に設けられている。
【0023】
水平移動機構36では、ヘッド搭載枠362およびメンテナンス搭載枠363を駆動するための水平駆動ユニット366が設けられている。水平駆動ユニット366は、印刷システム1全体を制御する制御部9からの指令に応じてヘッド搭載枠362およびメンテナンス搭載枠363のうちの一方を択一的にY方向に移動させる。例えばメンテナンス搭載枠363が選択的にY方向に移動される。これによって、カラーメンテナンス部を搭載したメンテナンス搭載枠363が印刷媒体Mの上方の印刷空間Spと、印刷空間Spから(-Y)方向に離れたメンテナンス空間Smとの間で往復移動される。この点については、後述する
図6に詳しく図示されている。一方、ヘッド搭載枠362が選択的にY方向に移動されることで、次に説明するようにヘッド搭載枠362が、複数(本実施形態では4つ)の印刷バーユニット321を搭載したまま、印刷空間Spとメンテナンス空間Smとの間で往復移動される。
【0024】
図4は印刷バーユニットの構成を示す斜視図であり、
図5は、ヘッド搭載枠に搭載された印刷バーユニットと、印刷バーユニットに接続される配管および配線の引き回し状況とを模式的に示す平面図である。本実施形態では、
図2および
図4に示すように、4つの印刷バーユニット321がX方向に隣接して配列されている。各印刷バーユニット321は、下面(吐出面)からインクを吐出する吐出ヘッド322をY方向に複数個配列した印刷バー323を有している。印刷バーユニット321は、複数のインク配管を束ねたインク配管系統PAによりインク供給機構(図示省略)と接続されている。この印刷バーユニット321に設けられた循環ポンプ(図示省略)が循環温調用制御基板326(
図4)から循環温調用配線系統WBに含まれる循環用配線を介して与えられる電気信号に応じて作動することで、印刷バーユニット321とインク供給機構との間でインクが循環しながら吐出ヘッド322に供給される。
【0025】
循環温調用制御基板326は循環温調用配線系統WBを介してヒータ325にも接続されている。循環温調用制御基板326は循環温調用配線系統WBに含まれる温調用配線を介して制御信号をヒータ325に与え、吐出ヘッド322に供給されるインクの温度を安定化させる。すなわち、上記制御信号に応じてヒータ325がインクを印刷処理に適した温度に温調する。また、当該インク温調とともに、循環温調用制御基板326が上記循環用配線を介して制御信号を循環ポンプに与えることでインクの循環速度などが適正化される。
【0026】
この循環温調用制御基板326は、
図2および
図4に示すように、4つの印刷バー323の(-Y)方向側に配置された仕切部材37に取り付けられている。この仕切部材37は、上下方向に立設した壁部位371と、壁部位371に対して(-Y)方向に横設された2枚の棚部位372、373とを有している。棚部位372は棚部位373の下方に位置しており、ヘッド搭載枠362に連結されている。そして、棚部位372、373の間で、印刷バー323毎に循環温調用制御基板326が配設されている。また、仕切部材37の壁部位371により、
図4に示すように、ヘッド搭載枠362の他方端部(-Y方向端部)でX方向に延びる接続空間CSが(-Y)方向側空間CS1と(+Y)方向側空間CS2とに区分けされている。
【0027】
また、各印刷バーユニット321では、循環温調用制御基板326以外に、吐出ヘッド322の近傍に印刷基板324が配置され、吐出ヘッド322と接続されている。印刷基板324は、複数の配線を束ねた印刷基板用配線系統WAを介して上記制御部9に接続され、配線を介して与えられる電気信号に応じて吐出ヘッド322を制御する。これにより、吐出ヘッド322の下面(吐出面)からインクが液滴状に吐出されて印刷媒体M上に印刷される。
【0028】
各印刷バーユニット321では、冷却水(冷媒)により印刷基板324を冷却するために、複数の冷媒配管により構成される冷媒配管系統PBを介して接続され、印刷基板324近傍で冷却水が循環される。これによって、印刷基板324に実装された電子回路等が熱暴走するのを効果的に防止している。なお、冷媒の種類は冷却水に限定されるものではなく、その他の冷媒を用いることができる。
【0029】
このように構成されたカラー印刷部32では、4つの印刷バー323を個別に上下方向に昇降させるために、各印刷バーユニット321に昇降機構38A、38Bが設けられている。より詳しくは、
図4に示すように、昇降機構38Aが印刷バー323の(+Y)方向側に設けられ、昇降機構38Bが印刷バー323の(-Y)方向側に設けられている。そして、制御部9からの昇降指令に応じて昇降機構38A、38Bが同期して作動することで印刷バー323を安定して昇降させることが可能となっている。また、昇降機構38Bの近傍には、ケーブルベア(登録商標)38Cが配置されており、印刷バーユニット321に接続されるインク配管系統PA、冷媒配管系統PB、印刷基板用配線系統WAおよび循環温調用配線系統WBを収容して保護しながら上下方向に案内する。このケーブルベア38Cの(+Y)方向側の端部から印刷バー323側に向けて、インク配管系統PAおよび冷媒配管系統PBを構成する配管の印刷バー側端部(以下、それぞれ「配管端部Pa1」および「配管端部Pb1」と称する)と、印刷基板用配線系統WAおよび循環温調用配線系統WBを構成する配線の印刷バー側端部(以下、それぞれ「配線端部Wa1」および「配線端部Wb1」と称する)とが延設される。そして、
図4に示すように、配線端部Wa1が配管端部Pb1よりも高い位置に配置されている。このため、仮に配管端部Pb1から液体成分(冷却水)が流出したとしても、当該液体成分に起因するショートが配線端部Wa1で発生するのを効果的に防止することができる。
【0030】
一方、ケーブルベア38Cの(-Y)方向側の端部から延設される配管および配線はそれぞれ異なるルートで引き回される。すなわち、
図4に示すように、インク配管系統PAおよび冷媒配管系統PBを構成する配管は壁部位371の(+Y)方向側で(-X)方向に延設される。これに対し、印刷基板用配線系統WAおよび循環温調用配線系統WBを構成する配線は壁部位371に設けられた貫通孔371aを介して棚部位373の上方に引き出された後、延設方向が二方向に別れている。より詳しくは、循環温調用配線系統WBは棚部位373に設けられた貫通孔373aを介して循環温調用制御基板326に延設され、接続されている。これに対し、印刷基板用配線系統WAの配線は棚部位373の上面に沿って(-X)方向に延設されている。つまり、印刷基板用配線系統WAの配線のうち棚部位373の上面に沿う中間部分(以下「配線中間部Wa2」という)は、(-Y)方向側空間CS1に配置される一方、インク配管系統PAおよび冷媒配管系統PBを構成する配管のうち壁部位371に沿う中間部分(以下、それぞれ「配管中間部Pa2」および「配管中間部Pb2」と称する)は(+Y)方向側空間CS2に配置されている。このように配線系と配管系とが仕切部材37で仕切られている。このため、仮に配管中間部Pa2、Pb2から液体成分(インク、冷却水)が流出したとしても、当該液体成分に起因するショートが配線中間部Wb2で発生するのを効果的に防止することができる。この点については、循環温調用配線系統WBを構成する配線も同様である。
【0031】
仕切部材37の(-X)方向側では、
図5に示すように、インク配管系統PAおよび冷媒配管系統PBの反印刷バー側端部(以下、それぞれ「配管端部Pa3」および「配管端部Pb3」と称する)と、印刷基板用配線系統WAの反印刷バー側端部(以下「配線端部Wa3」と称する)とが延設されている。これら配管端部Pa3、Pb3および配線端部Wa3は、本体フレーム361の外側、より詳しくは(-X)方向側に配置されたケーブルベア39にガイドされながら、それぞれインク供給機構、冷却水供給機構および制御部9に延設されている。
図2に示すように、このケーブルベア39の下方端部(一方端部)は、後で説明する作業空間Swkの(-X)方向側に設置されたメンテナンス用ステップ51に固定配置されている。一方、
図2および
図5に示すように、ケーブルベア39の上方端部(他方端部)はヘッド搭載枠362の右下隅に接続されている。このケーブルベア39の収容空間に対し、仕切部材37から(-X)方向側に延設された配管端部Pa3、Pb3および配線端部Wa3が収容されている。このため、次に説明する印刷待機、印刷処理およびメンテナンス作業に応じて4つの印刷バーユニット321が一括してY方向に移動する際も、配管端部Pa3、Pb3および配線端部Wa3はケーブルベア39で保護されつつY方向に案内される。
【0032】
図6は、印刷待機時、印刷時および作業者によるメンテナンス時における、カラー印刷部およびカラーメンテナンス部の位置を示す図である。同図において、符号Dは印刷媒体Mの搬送方向を示しており、(+X)方向とほぼ一致している。また、後で説明するように印刷バーユニット321の昇降方向、つまり上下方向もZ方向とほぼ一致する。
【0033】
印刷処理前の印刷待機においては、
図6の(a)欄に示すように、制御部9からの移動指令に応じて、水平駆動ユニット366がヘッド搭載枠362を印刷空間Spに移動させた後でメンテナンス搭載枠363を待機空間Swtに移動させる。この待機空間Swtは、
図2に示すように、印刷空間Spと印刷媒体Mとで挟まれた空間を意味している。もちろん、ヘッド搭載枠362とメンテナンス搭載枠363との移動タイミングを入れ替えてもよいことは言うまでもない。
【0034】
上記ヘッド搭載枠362の移動により、4本の印刷バー323が一括して印刷媒体Mの上方に移動されて位置決めされる。また、カラーメンテナンス部35が印刷媒体Mと印刷バー323との間に移動されて位置決めされる。これによって、カラーメンテナンス部35は吐出ヘッド322の下面(吐出面)と対向する。また、印刷待機中にキャッピング処理を実行する際には、印刷バーユニット321毎に設けられた昇降機構対(昇降機構38A、38B)の一部または全部がそれぞれ独立し、キャッピング処理の対象となる印刷バー323をCAP位置に位置決めする。クリーニング処理を実行する際にも、昇降機構38A、38Bによる印刷バー323の個別昇降によりクリーニング処理の対象となる印刷バー323をクリーニング位置に位置決めする。
【0035】
制御部9から印刷基板用配線系統WAを介して電気信号が印刷基板324に与えられて印刷処理が実行される際には、
図6の(b)欄に示すように、カラーメンテナンス部35が水平駆動ユニット366により待機空間Swtからメンテナンス空間Smに移動される。その後で、昇降機構38A、38Bにより印刷バー323が印刷位置まで下降される。これにより、印刷バー323に装備される吐出ヘッド322の吐出面と印刷媒体Mの表面M1との間隔がインクジェット印刷に適した値に調整される。この間隔調整の完了後に、上記間隔を維持しながら各印刷バー323の吐出面から互いに異なる色のインクが搬送方向Dに搬送される印刷媒体Mの表面M1に吐出される。その結果、カラー画像が印刷媒体Mに形成される(印刷処理)。
【0036】
印刷装置3では、印刷処理の累積時間が一定時間を超える、あるいは印刷処理や印刷待機中にトラブルが発生するなどの要因により、作業者が吐出ヘッド322の吐出面に直接的にアクセスしてメンテナンスを行う(以下「作業者メンテナンス」という)が必要となることがある。この場合、制御部9は、作業者メンテナンスを自動的に検出する、あるいは表示操作部(図示省略)を介した作業者による作業者メンテナンス指令を受け付けることで、カラー印刷部32がメンテナンス空間Smに移動される。つまり、
図6の(c)欄に示すように、水平駆動ユニット366がヘッド搭載枠362をメンテナンス空間Smに移動させる。このとき、カラーメンテナンス部35がメンテナンス空間Smに位置している際には、カラーメンテナンス部35は水平駆動ユニット366により待機空間Swtに移動される。これによって、メンテナンス空間Smには、カラー印刷部32のみが位置決めされ、各吐出ヘッド322の下面はメンテナンス空間Smの下方に位置する作業空間Swkに向けて大きく露出している。そこで、同図の1点鎖線で示すように、作業者が作業空間Swkに入り込み、保守作業を行う。
【0037】
以上のように、本実施形態では、印刷バーユニット321に接続される、インク配管系統PAの配管端部Pa3、冷媒配管系統PBの配管端部Pb3および印刷基板用配線系統WAの配線端部Wa3が、ケーブルベア39で保護されつつ本体フレーム361の外側でY方向に案内され、本体フレーム361の内側、つまり作業空間Swkには存在しない。その結果、
図6の(c)欄に示すように、メンテナンス空間への印刷バーユニット321の一括移動のみによって、上記作業空間Swkを簡易に、しかも確実に確保することが可能となっている。
【0038】
また、上記のように配管端部Pa3、Pb3および配線端部Wa3をケーブルベア39により保護しつつ印刷バーユニット321を搭載するヘッド搭載枠362をY方向に移動させている。このため、印刷バーユニット321の一括移動中において配管端部Pa3、Pb3および配線端部Wa3が破損するのを確実に防止することができる。
【0039】
また、カラー印刷部32ではカラー画像を印刷媒体Mに印刷するのに使用される印刷バーユニット321を一括して印刷空間Spとメンテナンス空間Smとの間で移動させるように構成している。したがって、印刷バーユニット321を水平移動させるための機構が単一化され、装置構成を簡素化することができる。
【0040】
また、印刷バーユニット321の一括移動により搬送方向D(X)において4つの印刷バーユニット321を隣接して配列している。このため、互いに隣接する印刷バーユニット321の間隔を狭めることができ、カラー画像を高品質で印刷することができる。すなわち、従来装置のように吐出ヘッドの間隔が開くと、カラー印刷部32内を搬送している印刷媒体Mの搬送状況(バタツキや斜行など)により吐出ヘッド322から印刷媒体Mの表面M1に着弾されるインク位置が設計位置から搬送方向Dや印刷媒体Mの幅方向にずれることがある。これに対し、印刷バーユニット321の相互間隔が狭く、印刷位置が搬送方向Dに集中することで上記搬送状況の影響を受け難く、各色ともインクを設計位置に着弾させることができる。その結果、カラー画像の品質を高めることができる。
【0041】
上記したように、4つの印刷バーユニット321は同一構成を有しており、Y方向に互いに隣接して配置されている。したがって、互いに隣接する2つの印刷バーユニット321では、その一方が本発明の「第1印刷バーユニット」の一例に相当し、当該印刷バーユニット321に設けられる印刷基板が本発明の「第1印刷基板」の一例に相当し、当該印刷バーユニット321に接続される印刷基板用配線系統WAの配線および当該配線の配線中間部Wa2がそれぞれ本発明の「第1配線」および「第1配線中間部」の一例に相当し、インク配管系統PAおよび冷媒配管系統PBの配管がそれぞれ本発明の「第1インク配管」および「第1冷媒配管」の一例に相当するとともに、当該配管の配管中間部Pa2、Pb2がそれぞれ本発明の「第1インク配管中間部」および「第1冷媒配管中間部」の一例に相当している。また、他方が本発明の「第2印刷バーユニット」の一例に相当し、当該印刷バーユニット321に設けられる印刷基板が本発明の「第2印刷基板」の一例に相当し、当該印刷バーユニット321に接続される印刷基板用配線系統WAの配線および当該配線の配線中間部Wa2がそれぞれ本発明の「第2配線」および「第2配線中間部」の一例に相当し、インク配管系統PAおよび冷媒配管系統PBの配管がそれぞれ本発明の「第2インク配管」および「第2冷媒配管」の一例に相当するとともに、当該配管の配管中間部Pa2、Pb2がそれぞれ本発明の「第2インク配管中間部」および「第2冷媒配管中間部」の一例に相当している。また、(-Y)方向側空間CS1と(+Y)方向側空間CS2がそれぞれ本発明の「第1空間」および「第2空間」の一例に相当している。また、X方向およびY方向が本発明の「第1水平方向」および「第2水平方向」に相当している。さらに、ケーブルベア39が本発明の「保護案内部材」の一例に相当している。
【0042】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、カラー印刷部32は4つの印刷バーユニット321を有しているが、印刷バーユニット321の数は4に限定されるものではなく、2、3または5以上であってもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、本発明をカラー印刷部32に適用しているが、白印刷部33に対して適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
この発明は、隣接して配列された複数の印刷バーユニットから互いに異なるインクを印刷媒体に吐出して画像を印刷する印刷技術全般および印刷バーユニットを保守する保守技術全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
3…印刷装置
32…カラー印刷部
36…水平移動機構
37…仕切部材
39…ケーブルベア
321…印刷バーユニット
324…印刷基板
361…本体フレーム
362…ヘッド搭載枠
366…水平駆動ユニット
CS…接続空間
CS1…(-Y)方向側空間(第1空間)
CS2…(+Y)方向側空間(第1空間)
D…搬送方向
M…印刷媒体
Pa2…(第1)配管中間部
Pb2…(第2)配管中間部
Sm…メンテナンス空間
Sp…印刷空間
Swk…作業空間
Wa2…(第1)配線中間部
Wb2…(第2)配線中間部
X…(第1)水平方向
Y…(第2)水平方向