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特許7522682ケミカルセンサ装置およびケミカルセンサモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】ケミカルセンサ装置およびケミカルセンサモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/414 20060101AFI20240718BHJP
   G01N 1/22 20060101ALI20240718BHJP
   G01N 27/00 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
G01N27/414 301U
G01N1/22 S
G01N27/414 301V
G01N27/00 J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021031382
(22)【出願日】2021-03-01
(65)【公開番号】P2022132756
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2023-02-14
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/フィジカル空間デジタルデータ処理基盤/サブテーマII:超低消費電力IoTデバイス・革新的センサ技術/超高感度センサシステムの研究開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 吉昭
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-254516(JP,A)
【文献】特開2009-294051(JP,A)
【文献】特開2007-040757(JP,A)
【文献】国際公開第2017/149579(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0086323(US,A1)
【文献】特表2014-518567(JP,A)
【文献】国際公開第2020/099735(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0276560(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00,27/12,27/414
G01N 33/00,
G01N 1/22,
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成され、ミストに晒されるセンサ表面を含み、前記センサ表面に固定されたプローブ分子を有するケミカルセンサ素子と、
前記基板上における前記センサ表面の周囲に設けられ、前記センサ表面を露出させる開口部を有する第1の吸水性部材と、
を備えるケミカルセンサ装置。
【請求項2】
前記第1の吸水性部材は、セルロースまたはガラスファイバーの不織布である請求項1に記載のケミカルセンサ装置。
【請求項3】
前記プローブ分子は、安息香酸メチルとエクゴニン誘導体とのいずれかに結合する請求項1または2に記載のケミカルセンサ装置。
【請求項4】
前記プローブ分子は、テルペン類と結合する請求項1または2に記載のケミカルセンサ装置。
【請求項5】
前記テルペン類が、カリオフィレン誘導体である請求項4に記載のケミカルセンサ装置。
【請求項6】
カートリッジ基板をさらに備え、
前記基板、前記ケミカルセンサ素子、及び前記第1の吸水性部材を含むセンサチップが前記カートリッジ基板に搭載されている請求項1~5のいずれか1つに記載のケミカルセンサ装置。
【請求項7】
前記センサチップ上において前記第1の吸水性部材に接続された第2の吸水性部材をさらに備える請求項6に記載のケミカルセンサ装置。
【請求項8】
検体雰囲気が取り込まれたミストが流れる第1の配管を有するミスト供給機構と、
前記第1の配管のセンサ搭載部に搭載され、前記ミストに晒されるセンサ表面を含むセンサ素子と、
前記センサ表面の周囲に設けられ、前記センサ表面を露出させる開口部を有する第1の吸水性部材と、
前記第1の吸水性部材に接続された第2の吸水性部材と、を備え、
前記センサ搭載部は、前記センサ搭載部に搭載される前記センサ素子の前記センサ表面を前記第1の配管の内部に露出させる開口部を有するケミカルセンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ケミカルセンサ装置およびケミカルセンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
気相の化学物質を液相中で検出するケミカルセンサ装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-183335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、ノイズの少ないケミカルセンサ装置およびケミカルセンサモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、ケミカルセンサ装置は、基板と、前記基板上に形成され、ミストに晒されるセンサ表面を含み、前記センサ表面に固定されたプローブ分子を有するケミカルセンサ素子と、前記基板上における前記センサ表面の周囲に設けられ、前記センサ表面を露出させる開口部を有する第1の吸水性部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態のケミカルセンサモジュールの構成を示す概略図である。
図2】実施形態のケミカルセンサ装置の構成を示す概略図である。
図3】実施形態のセンサチップの構成を示す概略図である。
図4】実施形態のセンサチップの一部構成を示す概略図である。
図5】実施形態のセンサチップの一部構成を示す概略図である。
図6】実施形態のケミカルセンサ装置とセンサ搭載部との配置関係を示す概略図である。
図7】実施形態のケミカルセンサモジュールにおけるミスト供給機構の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、適宜図面を参照しながら実施形態の説明を行っていく。説明の便宜のため、各図面の縮尺は必ずしも正確ではなく、相対的な位置関係などで示す場合がある。また、同一または同様の要素には、同じ符号を付している。
【0008】
図1は、実施形態のケミカルセンサモジュール1の構成を示す概略図である。
【0009】
実施形態のケミカルセンサモジュール1は、ミスト供給機構60を備える。ミスト供給機構60は、ミスト発生室62と、ミスト発生室62に検体雰囲気を供給する第2の配管52と、ミスト発生室62に配置された超音波発信器64と、検体雰囲気が取り込まれたミストが流れる第1の配管51とを有する。
【0010】
第1の配管51は、ケミカルセンサ素子21が搭載されるセンサ搭載部44を有する。センサ搭載部44は、ケミカルセンサ素子21のセンサ表面22を第1の配管51の内部に露出させる開口部45を有する。
【0011】
図2は、ケミカルセンサ素子21を含むケミカルセンサ装置10の構成を示す概略図である。
【0012】
ケミカルセンサ装置10は、カートリッジ基板11と、カートリッジ基板11上に搭載されたセンサチップ20とを有する。
【0013】
図3は、センサチップ20の構成を示す概略図である。
図4及び図5は、センサチップ20の一部構成を示す概略図である。
【0014】
センサチップ20は、チップ基板31と、ケミカルセンサ素子21と、第1の吸水性部材33とを有する。
【0015】
チップ基板31は、例えばシリコン基板である。シリコン基板の表面には、例えばシリコン酸化膜が形成されている。図4に示すように、チップ基板31上に、ケミカルセンサ素子21が形成されている。チップ基板31上に形成されたケミカルセンサ素子21は、複数でも1つでもよい。
【0016】
ケミカルセンサ素子21は、例えば、グラフェンまたはカーボンナノチューブを含む電荷検出素子である。ケミカルセンサ素子21は、検体雰囲気が取り込まれたミストに晒されるセンサ表面22と、ドレイン電極24と、ソース電極23とを有する。
【0017】
チップ基板31上には、ドレイン電極24と接続された金属配線26と、ソース電極23と接続された金属配線25と、金属配線25と接続された電極端子27と、金属配線26と接続された電極端子28が形成されている。
【0018】
チップ基板31上に図4に示す要素を形成した後、それら要素を覆うように図5に示す絶縁性の保護膜32がチップ基板31上に形成される。保護膜32は、ケミカルセンサ素子21のセンサ表面22を露出させる開口部32aと、電極端子27、28の表面を露出させる開口部32bとを有する。
【0019】
保護膜32上には、図3に示すように第1の吸水性部材33が形成される。第1の吸水性部材33は、チップ基板31上における少なくともセンサ表面22の周囲に設けられ、センサ表面22を露出させる開口部33aを有する。電極端子27、28の表面は、第1の吸水性部材33から露出している。第1の吸水性部材33は、例えば、セルロースまたはガラスファイバーの不織布である。
【0020】
ケミカルセンサ素子21は、センサ表面22に固定されたプローブ分子をさらに有してもよい。例えば、プローブ分子は、安息香酸メチルとエクゴニン誘導体とのいずれかに結合する。または、プローブ分子は、テルペン類と結合する。例えば、テルペン類は、カリオフィレン誘導体である。
【0021】
図3に示すセンサチップ20は、図2に示すカートリッジ基板11上に搭載される。カートリッジ基板11上には、カートリッジ配線12と、カートリッジ配線12と接続されたコンタクト端子13が形成されている。
【0022】
センサチップ20の電極端子27、28とカートリッジ配線12は、例えば金属ワイヤ14で接続されている。したがって、ケミカルセンサ素子21は、金属配線25、26、電極端子27、28、金属ワイヤ14、およびカートリッジ配線12を介して、コンタクト端子13と電気的に接続されている。
【0023】
ケミカルセンサ素子21は、図1に示すようにセンサ搭載部44に取り付けられる。センサ搭載部44は、第1の配管51の内部を外部に露出させる開口部45を有する。
【0024】
ケミカルセンサ素子21は、センサ搭載部44に対して着脱自在である。図6は、ケミカルセンサ装置10とセンサ搭載部との配置関係を示す概略図である。
【0025】
第1の吸水性部材33から露出したセンサ表面22がセンサ搭載部44の開口部45に位置合わせされ、センサ表面22が開口部45を通じて第1の配管51の内部に露出する。図1に示すように、ケミカルセンサ装置10と第1の配管51との間における開口部45の周囲にシール部材46が介在される。センサチップ20におけるセンサ表面22の周囲の部分がシール部材46に密着する。
【0026】
また、センサチップ20の第1の吸水性部材33は、センサ搭載部44に設けられた第2の吸水性部材72に密着する。第2の吸水性部材72は、第1の吸水性部材33と同じ材料のものを用いることができる。第2の吸水性部材72は、センサチップ20上における第1の吸水性部材33との接続部から、センサチップ20の外側、さらにカートリッジ基板11の外側に延在している。
【0027】
カートリッジ基板11に形成されたコンタクト端子13は、ソケットまたはプローブを介して、処理装置74に接続される。
【0028】
第1の配管51の一端は、ミスト発生室62の上部を閉塞する天板63を貫通して、ミスト発生室62内に接続している。第1の配管51の他端には、吸気装置として例えば吸気ファン66が接続されている。
【0029】
第2の配管52の一端には、雰囲気捕集口52aが形成されている。第2の配管52の他端は、天板63を貫通してミスト発生室62内に接続している。
【0030】
ケミカルセンサモジュール1は、ミストを発生させるための液体(検体液)を貯留する検体液供給タンク61と、検体液供給タンク61とミスト発生室62とを接続する第3の配管53と、排水タンク65と、排水タンク65とミスト発生室62とを接続する第4の配管54とをさらに備える。
【0031】
検体液は、例えば、水または緩衝液である。検体液供給タンク61から、第3の配管53を介して新しい検体液がミスト発生室62内に供給される。ミスト発生室62内の検体液は、第4の配管54を介して排水タンク65に排出することができる。
【0032】
ケミカルセンサモジュール1は、第1の配管51の内壁に結露した液滴を排出する排出機構をさらに備える。第1の配管51は、ミスト発生室62内に接続する一端と、開口部45が形成されたセンサ搭載部44との間にU字状の湾曲部43を有する。湾曲部43の底部は、開口部45よりも低い位置に位置する。排出機構は、湾曲部43の底部に設けられた第3の吸水性部材73を有する。第3の吸水性部材73は、第1の吸水性部材33と同じ材料のものを用いることができる。
【0033】
第1の配管51は、ミスト発生室62内から天板63を貫通してミスト発生室62の上方に延在する第1部分41と、第1部分41と湾曲部43とを接続する第2部分42とを有する。第2部分42は、湾曲部43よりも高い位置に位置する。
【0034】
ケミカルセンサモジュール1は、ケミカルセンサ素子21と電気的に接続され、ケミカルセンサ素子21で検出された情報を処理する処理装置74と、処理装置74の処理結果等を出力する出力装置75をさらに備える。出力装置75は、例えば、表示装置やスピーカーなどである。
【0035】
次に、本実施形態のケミカルセンサモジュール1の動作について説明する。
【0036】
吸気ファン66を駆動させることで、第2の配管52の雰囲気捕集口52aから第2の配管52内に検体雰囲気が取り込まれる。検体雰囲気は、第2の配管52からミスト発生室62内に導入される。
【0037】
ミスト発生室62内には検体液(例えば水または緩衝液)が供給されており、ミスト発生室62内に配置された超音波発信器64を駆動させることで、検体液のミストをミスト発生室62内に発生させる。ミストのサイズは、例えば、数μm以上数十μm以下である。
【0038】
ミスト発生室62内で検体雰囲気とミストとが混合される。検体雰囲気中の化学物質はミストに取り込まれる。化学物質を取り込んだミストは、吸気ファン66の駆動により、ミスト発生室62から第1の配管51内に搬送され、センサ搭載部44に到達する。
【0039】
センサ搭載部44において開口部45を通じて第1の配管51内に露出するケミカルセンサ素子21のセンサ表面22が、化学物質を取り込んだミストに晒される。例えばセンサ表面22に固定されたプローブ分子に、ミストに取り込まれた特定の物質(標的物質)が会合することで、センサ表面22の電気的特性が変化する。この電気的特性の変化により、ケミカルセンサ素子21は特定の物質(標的物質)を検出する。
【0040】
液相に標的物質を取り込む場合、例えば難溶性の標的物質は、液相と他相(気相や固相)との界面に偏析しやすい。液相がミストの場合では、ミストの表面に難溶性の標的物質が偏析する。すなわち、ミストを用いれば、標的物質を取り込む液相の表面積を大きくして、効率よく標的物質を液相に取り込むことができる。また、ミストは、第1の配管51内の空気中をセンサ搭載部44まで搬送され、第1の配管51の内壁に偏析しにくい。したがって、本実施形態によれば、ケミカルセンサ素子21による標的物質の検出感度を高くすることができる。
【0041】
また、第1の配管51の内壁にミストが凝集して、ミストよりもサイズが大きく、またサイズも制御できない液滴が第1の配管51の内壁に付く結露が生じ、その液滴が第1の配管51の内壁を流れてセンサ表面22に到達すると、ケミカルセンサ素子21の検出信号に対するノイズとなる。
【0042】
本実施形態によれば、センサ表面22の周囲に第1の吸水性部材33が設けられているため、第1の配管51の内壁を流れてきた液滴は、センサ表面22に落下するのではなく、第1の吸水性部材33に落下し、吸収される。したがって、ケミカルセンサ素子21の検出信号に対するノイズを少なくすることができる。
【0043】
第1の吸水性部材33を、センサチップ20のチップ基板31上に予めパターニングして形成することで、センサ表面22と、センサ表面22を露出させる開口部33aとの位置合わせを容易にできる。センサチップ20上の第1の吸水性部材33には、センサチップ20の外側に延在する第2の吸水性部材72が接続されているため、第1の吸水性部材33で吸収した水分を第2の吸水性部材72でさらに吸収して、センサチップ20上から排出することができる。
【0044】
また、第1の配管51にU字状の湾曲部43を設け、湾曲部43の底部は第1配管51における他の部分よりも局所的に低い位置にある。また、湾曲部43の底部に第3の吸水性部材73が設けられ、第3の吸水性部材73の一部は湾曲部43の底部において第1の配管51の内部に露出している。したがって、第1の配管51の内壁に結露した液滴を湾曲部43の底部に集めて、第3の吸水性部材73に吸収させることができる。これにより、第1の配管51の内壁に結露した液滴がセンサ表面22に流れることが抑制できる。
【0045】
また、標的物質が取り込まれた液滴が、第1の配管51からミスト発生室62内に流れ、検体液に混ざると、検体液中で標的物質が濃縮され、これはケミカルセンサ素子21による標的物質の誤検出または検出精度の低下につながる。本実施形態によれば、第3の吸水性部材73により第1の配管51の内壁に結露した液滴を第1の配管51内から排出することができるので、標的物質が取り込まれた液滴がミスト発生室62に流れ落ちることも抑制できる。
【0046】
また、第3の配管53を介して検体液供給タンク61から新しい検体液をミスト発生室62に供給し、且つ第4の配管54を介してミスト発生室62内の古い検体液を排水タンク65に排水することができるため、ミスト発生室62内の検体液中の標的物質の濃縮を抑制することができる。
【0047】
図7に示すように、例えば、ミスト発生室62の外形は円柱状であり、ミスト発生室62の水平断面は円形である。そのミスト発生室62の上面からミスト発生室62の中心軸Cに沿って第1の配管51が接続されている。第1の配管51は上面視で円形状の天板63の中心を貫通している。このような構成において、複数(例えば2つ)の第2の配管52を、中心軸Cに対して傾斜して上面からミスト発生室62に接続させることができる。上面視において2つの第2の配管52の間に第1の配管51が位置する。例えば、第2の配管52の中心軸Cに対する傾斜角度は10°以上80°以下である。
【0048】
中心軸Cに対して傾斜した2つの第2の配管52からミスト発生室62に導入された検体雰囲気は、ミスト発生室62内で中心軸Cまわりに回転するような気流を形成する。そして、その検体雰囲気と混合されたミストも、中心軸Cまわりに回転するような流れを形成して、第1の配管51へと流れ込む。これにより、ミスト発生室62内で、検体雰囲気とミストとの撹拌効果が高まり、検体雰囲気中の標的物質を効率的にミストに取り込ませることができる。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1…ケミカルセンサモジュール、10…ケミカルセンサ装置、11…カートリッジ基板、20…センサチップ、21…ケミカルセンサ素子、22…センサ表面、31…チップ基板、32…保護膜、32a…開口部、33…第1の吸水性部材、33a…開口部、44…センサ搭載部、45…開口部、51…第1の配管、52…第2の配管、53…第3の配管、54…第4の配管、60…ミスト供給機構、62…ミスト発生室、72…第2の吸水性部材、73…第3の吸水性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7