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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】給湯機用通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/38 20150101AFI20240718BHJP
   H04B 1/08 20060101ALI20240718BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240718BHJP
   F24H 15/40 20220101ALI20240718BHJP
【FI】
H04B1/38
H04B1/08 E
H04Q9/00 301D
H04Q9/00 371A
F24H15/40
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021146296
(22)【出願日】2021-09-08
(65)【公開番号】P2023039236
(43)【公開日】2023-03-20
【審査請求日】2023-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】三坂 賢司
(72)【発明者】
【氏名】古河 俊輔
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-134272(JP,A)
【文献】特開2012-063099(JP,A)
【文献】特表2019-527455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38
H04B 1/08
H04Q 9/00
F24H 15/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯機を操作する操作リモコンと、
前記操作リモコンの近傍に配置される無線モジュールと
前記無線モジュールを収納するスイッチボックスと、
前記スイッチボックスに取り付けられるとともに、前記操作リモコンが係止されるリモコン係止部と、を備え、
前記操作リモコンと前記無線モジュールは、別体に構成されるとともに、接続コードで接続されており、
前記無線モジュールは、前記スイッチボックスに収納され、
前記操作リモコンは、前記リモコン係止部に係止され、
前記無線モジュールのアンテナは、一部又は全部が前記リモコン係止部に設けられた前記接続コードを通すための開口部の内部に位置するように配置されている
ことを特徴とする給湯機用通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の給湯機用通信装置において、
前記無線モジュールは、角度変更が不能な状態で、前記スイッチボックスの内部に取り付けられている
ことを特徴とする給湯機用通信装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の給湯機用通信装置において、
前記無線モジュールは、表面に銘版部を有する中空なケースに収納され、前記ケースとともに前記スイッチボックスに収納されている
ことを特徴とする給湯機用通信装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の給湯機用通信装置において、
前記無線モジュールは、固定部材としての固定用テープ又は粘着剤で固定されている
ことを特徴とする給湯機用通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯機用通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載の給湯機通信装置がある。特許文献1に記載の給湯機通信装置は、操作リモコンの近傍に配置されるネットワーク送受信機と、操作リモコンとネットワーク送受信機とに接続される接続電線と、前記ネットワーク送受信機を固定するための角度変更部と、を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6572436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術は、操作リモコンの取り付けに汎用の埋め込み用スイッチボックスを用いる場合に、ネットワーク送受信機を固定するための角度変更部があると配置ができないことや、特殊な治具を用いなければ取り付けできないことがある、という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本発明は、給湯機用通信装置であって、給湯機を操作する操作リモコンと、前記操作リモコンの近傍に配置される無線モジュールと、前記無線モジュールを収納するスイッチボックスと、前記スイッチボックスに取り付けられるとともに、前記操作リモコンが係止されるリモコン係止部と、を備え、前記操作リモコンと前記無線モジュールは、別体に構成されるとともに、接続コードで接続されており、前記無線モジュールは、前記スイッチボックスに収納され、前記操作リモコンは、前記リモコン係止部に係止され、前記無線モジュールのアンテナは、一部又は全部が前記リモコン係止部に設けられた前記接続コードを通すための開口部の内部に位置するように配置されている構成とする。
その他の手段は、後記する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る給湯機用通信装置の使用例の説明図である。
図2】実施形態に係る給湯機用通信装置の斜視展開図である。
図3】実施形態に係る給湯機用通信装置の模式的な内部構成図である。
図4】実施形態に係る給湯機用通信装置のケースと無線モジュールの説明図である。
図5】実施形態に係る給湯機用通信装置の側断面図である。
図6】実施形態に係る給湯機用通信装置におけるスイッチボックスの内部の正面図である。
図7】実施形態に係る給湯機用通信装置のケース内における無線モジュールの模式的な配置構成図(1)である。
図8】実施形態に係る給湯機用通信装置のケース内における無線モジュールの模式的な配置構成図(2)である。
図9】実施形態に係る給湯機用通信装置における無線モジュールの電波強度チャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示しているに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0008】
<給湯機用通信装置の構成>
以下、図1乃至図6を参照して、本実施形態に係る給湯機用通信装置11の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る給湯機用通信装置11の使用例の説明図である。図2は、給湯機用通信装置11の斜視展開図である。図3は、給湯機用通信装置11の模式的な内部構成図である。図4は、給湯機用通信装置11のケース23と無線モジュール13の説明図である。図5は、給湯機用通信装置11の側断面図である。図6は、給湯機用通信装置11におけるスイッチボックス21の内部の正面図である。
【0009】
図1に示すように、本実施形態に係る給湯機用通信装置11は、給湯機10を制御する通信装置であって、台所リモコン12と、無線モジュール13と、を備えている。
【0010】
給湯機10は、給湯機用通信装置11によって制御される制御機器である。本実施形態では、給湯機10が例えば「エコキュート(登録商標)」等の自然冷媒ヒートポンプ給湯機であるものとして説明する。「エコキュート」とは、ヒートポンプ技術を利用して空気の熱で湯を沸かすことができる電気給湯機のうち、冷媒として、フロンではなく二酸化炭素を使用する給湯機のことである。
【0011】
台所リモコン12は、制御機器としての給湯機10を操作する操作リモコンである。台所リモコン12は、無線又は有線で給湯機10と通信可能に接続されている。
【0012】
無線モジュール13は、台所リモコン12の近傍に配置され、情報収取装置である無線ルーター14と無線通信する送受信機である。
【0013】
図2及び図3は、分解された給湯機用通信装置11の主要な構成を示している。図2及び図3に示すように、給湯機用通信装置11は、前記した台所リモコン12と、スイッチボックス21と、位置決め部材22a,22bとケース23と、前記した無線モジュール13を内部に収納したケース23と、リモコン係止部25と、を備えている。
【0014】
スイッチボックス21は、無線モジュール13を収納する容器である。スイッチボックス21は、建物の壁の中(本実施形態では台所の壁の中)に埋め込まれている。スイッチボックス21は、金属製又は樹脂製であり、中空状の構成になっている。
【0015】
スイッチボックス21は、前面側に開口部21aが設けられており、開口部21aを介して位置決め部材22a,22bとケース23とがスイッチボックス21の内部に取り付けられる。
【0016】
スイッチボックス21からはリモコンコード32(図2参照)が引き出されている。リモコンコード32は、先端部に設けられた接続端子部32aが台所リモコン12に接続されることで、スイッチボックス21の内部に設けられた図示せぬ電源部と台所リモコン12とを電気的に接続する。
【0017】
位置決め部材22a,22bは、ケース23を位置決めする部材である。位置決め部材22a,22bは、例えば合成樹脂によって構成されており、図示せぬ両面テープや粘着剤等によってスイッチボックス21の内底面に取り付けられる。以下、位置決め部材22a,22bを総称する場合に、「位置決め部材22」と称する。
【0018】
ケース23は、内部に無線モジュール13を収納する容器である。本実施形態では、ケース23は、中空な長方体の形状を呈している。無線モジュール13は、ケース23に収納され、ケース23とともにスイッチボックス21に収納されている。ケース23は、位置決め部材22a,22bによって上下左右の設置位置が規定され、固定用テープ24や図示せぬ粘着剤等の固定部材によってスイッチボックス21の内底面に固定される。ケース23は、合成樹脂製であり、無線モジュール13と無線ルーター14との間で送受信される電波を透過することができる。
【0019】
ケース23の表面には、例えば無線モジュール13の製造者名や型番号等の銘版が表示される銘版部23aが設けられている。また、ケース23の側面(図示例では左側の側面)には、無線モジュール13と台所リモコン12とを接続する接続コード31(図2参照)を通すための図示せぬ孔部が形成されている。接続コード31は、先端部に設けられた接続コネクタ31aが台所リモコン12に接続されることで、台所リモコン12と無線モジュール13とを電気的に接続する。
【0020】
リモコン係止部25は、台所リモコン12が係止される板状の部材である。リモコン係止部25は、スイッチボックス21に取り付けられる。リモコン係止部25は、要求される強度的な面から鉄等の金属製であり、内部に接続コード31(図2参照)を通すための開口部25aが形成されている。リモコン係止部25は、任意の場所に、台所リモコン12を係止するリモコン係止爪25bを有しており、リモコン係止爪25bで台所リモコン12を支持する。なお、リモコン係止部25は、金属板の外と内を打ち抜くなどして、窓としての開口部25aを設けた窓付きの板状部材である。
【0021】
無線モジュール13は、後記するアンテナ13bを有している。無線モジュール13のアンテナ13bは、一部又は全部がリモコン係止部25に設けられた開口部25aの内部に位置するように配置されている。換言すると、アンテナ13bは、正面視して、開口部25a(窓)からアンテナ13bの一部又は全部を見通せるように配置されている。
【0022】
図4は、ケース23の内部構成を示している。図4に示すように、ケース23は、表面(台所リモコン12側の面)に銘版部23aが設けられており、内部に中空部23bが設けられている。中空部23bには、送受信機としての無線モジュール13が収納されている。無線モジュール13は、CPU(Central Processing Unit)が搭載された無線基板13aを内蔵している。無線基板13aの表面(台所リモコン12側の面)には、電波を空中に放射したり、空中を伝わってくる電波を受けたりするアンテナ13bが設けられている。
【0023】
図5は、側面(右側面)から見た給湯機用通信装置11の断面構成を示している。図5に示すように、給湯機用通信装置11は、スイッチボックス21の開口部21a、リモコン係止部25の開口部25a、及び台所リモコン12を介して、台所リモコン12から出力された電波を外部に出力する構成になっている。
【0024】
図6は、正面から見たスイッチボックス21の内部の構成を示している。図6に示すように、無線モジュール13は、固定用テープ24で、スイッチボックス21の内底面に固定されている。したがって、無線モジュール13は、角度変更が不能な状態で、スイッチボックス21の内部に取り付けられている。
【0025】
<無線モジュールの電波特性>
以下、図7乃至図9を参照して、無線モジュール13の電波特性について説明する。図7は、正面から見たケース23内における無線モジュール13の模式的な配置構成図である。図8は、側面(右側面)から見たケース23内における無線モジュール13の模式的な配置構成図である。図9は、給湯機用通信装置11における無線モジュール13の電波強度チャート図である。
【0026】
図7及び図8に示すように、ケース23は、表面に銘版部23aが設けられ、内部に中空部23bが設けられている。ケース23の内部空間である中空部23bには、無線モジュール13が収納されている。無線モジュール13のアンテナ13bは、無線モジュール13に内蔵された無線基板13aの台所リモコン12側の面(ケース23の銘版部23a側の面)に設けられている。
【0027】
図9は、給湯機用通信装置11における無線モジュール13のXZ平面におけるアンテナ特性波形XZ(実線)とYZ平面におけるアンテナ特性波形YZ(破線)とを示している。なお、XZ平面は、図8に記載したX軸(左右方向軸)とZ軸(前後方向軸)とにより形成される面である。また、YZ平面は、Y軸(上下方向軸(図7参照))とZ軸(前後方向軸)とにより形成される面である。
【0028】
給湯機用通信装置11は、ネットワーク送受信機として機能する無線モジュール13が汎用のスイッチボックス21の内部の収まるように配置するとともに、無線モジュール13のアンテナ13bの一部又は全部がリモコン係止部25(鉄板)に設けられた開口部25aの内部に位置するように、無線モジュール13を配置している。このような給湯機用通信装置11は、図9に示すように、ほとんど阻害されない状態で電波を給湯機用通信装置11の外部に出力することができる。したがって、給湯機用通信装置11は、最適な状態で電波を外部に出力することができる。
【0029】
<給湯機用通信装置の主な特徴>
(1)図2に示すように、本実施形態に係る給湯機用通信装置11は、給湯機10を操作する台所リモコン12(操作リモコン)と、台所リモコン12の近傍に配置される無線モジュール13と、台所リモコン12と無線モジュール13とを接続する接続コード31と、無線モジュール13を収納するスイッチボックス21と、スイッチボックス21に取り付けられるとともに、台所リモコン12が係止されるリモコン係止部25と、を備えている。また、図3に示すように、無線モジュール13のアンテナ13bは、一部又は全部がリモコン係止部25に設けられた接続コード31を通すための開口部25aの内部に位置するように配置されている。
【0030】
このような本実施形態に係る給湯機用通信装置11は、送受信機として無線モジュール13を用いているので、送受信機の施工性を向上させること、及び、送受信機の電波出力を最適にすることができる。このような本実施形態に係る給湯機用通信装置11は、角度変更部や特殊な治具を用いることなく、台所リモコン12(操作リモコン)を汎用のスイッチボックス21に良好に取り付けることができる。そのため、部品コストを低減するとともに、取付作業者の負担を軽減することができる。
【0031】
(2)図6に示すように、本実施形態に係る給湯機用通信装置11では、無線モジュール13は、固定用テープ24で、スイッチボックス21の内底面に固定されている。したがって、無線モジュール13は、角度変更が不能な状態で、スイッチボックス21の内部に取り付けられている。なお、無線モジュール13は、固定用テープ24の代わりに、又は固定用テープ24に加えて、図示せぬ粘着剤でスイッチボックス21の内底面に固定されるようにしてもよい。
【0032】
このような本実施形態に係る給湯機用通信装置11は、低額コストでかつ取付作業が簡易な固定用テープ24で、無線モジュール13をスイッチボックス21の内部に取り付けることができる。そのため、これによっても、部品コストを低減するとともに、取付作業者の負担を軽減することができる。
【0033】
(3)図2に示すように、本実施形態に係る給湯機用通信装置11では、無線モジュール13は、表面に銘版部23aを有する中空なケース23に収納され、ケースとともにスイッチボックス21に収納されている。
【0034】
このような本実施形態に係る給湯機用通信装置11は、ケース23で無線モジュール13を保護するとともに、任意の情報が記された銘版を表示することができる。
【0035】
以上の通り、本実施形態に係る給湯機用通信装置11によれば、送受信機として無線モジュール13を用いているので、送受信機の施工性を向上させること、及び、送受信機の電波出力を最適にすることができる。このような給湯機用通信装置11は、角度変更部や特殊な治具を用いることなく、操作リモコン(台所リモコン12)を好適に取り付けることができる。その結果、部品コストを低減するとともに、取付作業者の負担を軽減することができる。
【0036】
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成を加えることも可能である。また、各構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0037】
10 給湯機(制御機器)
11 給湯機用通信装置
12 台所リモコン(操作リモコン)
13 無線モジュール(送受信機)
13a 無線基板
13b アンテナ
14 無線ルーター(情報収取装置)
15 壁
21 スイッチボックス
21a,25a 開口部
22(22a,22b) 位置決め部材
23 ケース
23a 銘版部
23b 中空部
24 固定用テープ(固定部材)
25 リモコン係止部(金属板)
25b リモコン係止爪
31 接続コード
31a 接続コネクタ
32 リモコンコード
32a 接続端子部
XZ,YZ アンテナ特性波形
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9