(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】医療機器用の手動操作ユニット及び手動操作群
(51)【国際特許分類】
A61B 17/29 20060101AFI20240718BHJP
A61B 17/3205 20060101ALI20240718BHJP
A61B 1/018 20060101ALN20240718BHJP
【FI】
A61B17/29
A61B17/3205
A61B1/018 515
(21)【出願番号】P 2021504592
(86)(22)【出願日】2019-04-12
(86)【国際出願番号】 IB2019053038
(87)【国際公開番号】W WO2019198049
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-03-14
(31)【優先権主張番号】102018000004478
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520396005
【氏名又は名称】エンドケイ エッセ.エッレ.エッレ.
【氏名又は名称原語表記】ENDOKEY S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via Guglielmo Marconi,51,40122 Bologna,Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンチェンツォ チェンナーモ
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-218690(JP,A)
【文献】特開2003-136893(JP,A)
【文献】国際公開第2017/025969(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0184040(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0070885(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0025048(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの介在なしに、内視鏡と一緒に使用される医療機器に軸方向の動きを、直接、片手のみで、与えるように構成された手動操作ユニットであって、
前記医療機器は、近位端及び遠位端を有する長尺状シースと、前記シース内に挿入され且つ少なくとも部分的に拘束される手術器械とを含み、これにより、前記内視鏡のチューブに沿った前記シースの軸方向の動きによって、前記チューブに沿った前記手術器械の対応する軸方向の動きを引き起こし、それゆえ、前記手術器械の前記軸方向の動きは、患者の体内の体積部での前記手術器械の操作端の位置の変化に対応でき、
前記手動操作ユニットは、
- 手の指に嵌めることができる支持体、及び
- 前記指で前記支持体を動かすことによって前記シースの対応する動きを生成するために、前記支持体に接続され、且つ、前記医療機器の前記シースを保持するように構成された保持部分
を含
み、
前記支持体は湾曲壁を含み、前記湾曲壁は、長手方向軸、内面、外面、近位面、遠位面を有し、前記支持体の前記湾曲壁の前記内面は、使用中、使用者の手の指の周りに嵌められるように構成されて、これにより、前記指の動きが、その動きの結果として生じる前記支持体の動きを生成し、
前記湾曲壁は、使用中、前記医療機器の部分を収容するように構成されているハウジングを有し、前記ハウジングは、貫通ハウジングであり、すなわち前記湾曲壁を半径方向に切断しており、前記ハウジングは、前記湾曲壁の前記内面及び前記外面にそれぞれ作られた内側開口部及び外側開口部によって外側に対面し、前記ハウジングのサイズは、前記医療機器と前記使用者の指との間の接触に都合が良いようにするために、使用中、前記医療機器が前記内側開口部に対面するか又は前記内側開口部から突出することができるようなサイズである、手動操作ユニット。
【請求項2】
前記保持部分は、前記保持部分が前記支持体に装着された状態のまま、前記支持体に対して可動である、請求項1に記載の手動操作ユニット。
【請求項3】
前記支持体は開放しており、且つ互いに離間されている前記支持体の第1の端部及び第2の端部を規定する右側面及び左側面によって、側面で範囲が定められ、前記手動操作ユニットは、前記第1の端部を前記第2の端部に接続する調節ユニットを含み、前記調
節ユニットは、前記第1の端部と前記第2の端部との間の距離を変更するように構成されており、前記調節ユニットは、前記手動操作ユニットを、それが適用される前記指のサイズに適合するように構成されて、前記使用者の指に接触する前記手動操作ユニット及び/又は前記医療機器の表面を最大にする、請求項1
または2に記載の手動操作ユニット。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記長手方向軸に対して横断しており、且つ前記湾曲壁の前記長手方向軸に関して中心位置に配置され、前記ハウジングは、前記湾曲壁を、近位部及び遠位部に分割し、前記遠位部の前記長手方向軸に沿った延在部は、2~4cmである、請求項
1~3のいずれか1項に記載の手動操作ユニット。
【請求項5】
前記保持部分は、前記ハウジング内への前記医療機器の部分の挿入又は取り出しが可能となる開放形態から、医療機器が前記ハウジング内にロックされるか又は前記ハウジングに挿入できない閉鎖形態へと相互に可動であるように、前記支持体によって接続される、請求項
1~4のいずれか1項に記載の手動操作ユニット。
【請求項6】
前記支持体は貫通空洞を有し、前記貫通空洞は、前記長手方向軸に沿って、近位開口部及び遠位開口部をそれぞれ通って前記支持体の外側に対面する前記近位面から前記遠位面まで延在し、前記手動操作ユニットは、開放位置から閉鎖位置まで及びその逆も同様に、前記空洞内に摺動可能に装着されるピンを含み、前記ピンは、前記ハウジングを横断するように横切るように構成されている、請求項
1~
5のいずれか1項に記載の手動操作ユニット。
【請求項7】
前記保持部分は、前記ピンに固定される支持体を含み、前記保持部分の前記支持体は、前記ピンと一緒に前記開放位置から前記閉鎖位置まで及びその逆も同様に可動であり、前記保持部分の前記支持体は、前記長手方向軸に対して平行な前記外面に沿って延在するように構成されて、前記保持部分の前記支持体が前記閉鎖位置にある場合、前記医療機器を前記ハウジング内にロックする、請求項
6に記載の手動操作ユニット。
【請求項8】
- ハンドル、
- 前記ハンドルに組み付けられる組立体、
- 前記手によって作動される前記ハンドルに前記組立体を取り付けた組立状態を規定するための組み立てシステム、
- 前記組立体と前記支持体との間の接続状態を規定する接続手段であって、前記組立体と前記支持体との間の前記接続状態において、前記使用者の指によって及び/又は前記ハンドルの対応する動きによって前記支持体の動きを引き起こすことができる、接続手段
を含む、請求項1に記載の手動操作ユニット。
【請求項9】
前記組み立てシステムは、
- 前記組立体によって規定される長手方向軸に沿って延在する孔であって、前記孔に前記ハンドルの一部分を位置決めすることによって、前記組立体を通した前記ハンドルの挿入状態を可能にする、孔、
- 前記組立体を通した前記ハンドルの前記挿入状態において、前記ハンドルの前記一部分の周りで前記組立体を締め付ける締め付け要素
を含み、
前記手動操作ユニットは、前記ハンドルでの前記組立体の前記組立状態において及び前記支持体と前記組立体との間の前記接続状態において、前記保持部分が、前記長手方向軸に対して横断する及び/又は直交する方向に沿って前記ハンドルに対して離間されるように、構成されている、請求項
8に記載の手動操作ユニット。
【請求項10】
前記接続手段は、使用者が、前記組立体に対する前記支持体の回転を行うことができ、前記ハンドルでの前記組立体の組立接続において及び前記支持体と前記組立体との間の前記接続状態において、前記ハンドルに対して前記支持体の向きを変更できるように構成されて、前記向きを特定のニーズに適合させる、請求項
8又は
9に記載の手動操作ユニット。
【請求項11】
前記組立体は、前記支持体と一体的に形成され、これにより、前記支持体及び前記組立体は、永久的に前記接続状態を取り、前記接続手段は、前記組立体と前記支持体との間に位置する移行領域を含む、請求項
10に記載の手動操作ユニット。
【請求項12】
前記保持部分は、
- ハウジングであって、前記ハウジング内での前記シースのセクターの位置決めによって、前記保持部分を通した前記シースの挿入状態を可能にする、ハウジング、
- 前記シースの前記挿入状態が、前記シースの保持状態に対応するように、前記シースに対して保持作用を加える保持手段
を含む、請求項1に記載の手動操作ユニット。
【請求項13】
前記保持部分は、使用者が、前記ハウジングへの前記シースの前記セクターの挿入の動きによって、前記シースの前記挿入状態を得ることができるように構成されている、請求項
12に記載の手動操作ユニット。
【請求項14】
前記保持部分は、前記挿入の動きが前記シースの長手方向軸に対して横断するように、構成されている、請求項
13に記載の手動操作ユニット。
【請求項15】
前記保持手段は、弾性であり、且つ、
- 前記挿入の動きを、前記保持手段の弾性とは対照的に、使用者が引き起こすことができ、
- 前記保持作用が、前記保持手段の前記弾性によって加えられる
ように構成されている、請求項
13又は
14に記載の手動操作ユニット。
【請求項16】
ハンドル、及び請求項1~
7、12~15のいずれか1項に記載の手動操作ユニットを含み、
前記ハンドルは、アクチュエータと、前記医療機器の近位端と結合するように構成されているアタッチメントであって、前記アクチュエータの動きを前記医療機器の近位端へ伝えるように構成されているアタッチメントと、を備え、前記手術器械は、前記ハンドルによって、前記手動操作ユニットによる前記シースの前記軸方向の動きとは独立した
前記シースの動きをさらに起動できる、手動操作群。
【請求項17】
前記ハンドル及び前記手動操作ユニットは互いに接続されている、請求項
16に記載の手動操作群。
【請求項18】
前記ハンドル及び前記手動操作ユニットは、互いに、接続手段によって接続されている、請求項
17に記載の手動操作群。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年4月13日出願のイタリア特許出願第102018000004478号の優先権を主張し、その開示全体を本願明細書に援用する。
【0002】
本発明は、内視鏡と一緒に使用され得る医療機器用の手動操作ユニット及び手動操作群に関する。
【背景技術】
【0003】
特に、本発明は、手動操作ユニット及び手動操作群、すなわち、操作者が、内視鏡検査を行っている間に、モータ又はサーボ制御部の助けを借りずに、片手のみで、例えばポリペクトミースネアなどの医療機器を軸方向に動かし、且つ手動で操作できるように構成される、手動操作ユニット及び手動操作群に関する。
【0004】
内視鏡検査を実施する操作者は、片手が常に内視鏡の把持、保持及び管理に携わっている状態であり、内視鏡と一緒に使用され得る医療機器を挿入し、動かし、且つ操作するために自由なのは、片手のみである。
【0005】
一般的に、内視鏡検査用の医療機器は、シースと、シース内に含まれ、且つそれによって、アクチュエータを含むハンドルに締結される手術器械とを含む。手術器械は、アクチュエータハンドルに組み立て可能とし得るか、又は工場で既にそれに組み立てられている。使用中、シースは、内視鏡内の特別なチャンネルを通って摺動するようにされ、且つ、使用中、内視鏡から出ると、公知の方法で患者の体内に(管腔に沿って)押し込まれて、予め決められた位置に到達し、第2の段階で、手術器械は、ハンドルを使用して外部に押される。
【0006】
手術器械は、少なくとも部分的にシースに拘束されるため、内視鏡のチューブに沿ったシースの軸方向の動きによって、前記チューブに沿って手術器械の対応する軸方向の動きを引き起こす。手術器械は、患者の体内でシースから出る操作端を含む。
【0007】
手術器械の作動は、手術器械のそのような軸方向の動きとは独立した(運動学的レベルで)、操作端の操作の動きに対応する。
【0008】
医療機器を使用する内視鏡的処置の間、機器の正しい操作に関し、シースを押したり引いたりすることによって実施される双方向の軸方向の動き-前方及び後方-と、ハンドルに配置されたアクチュエータを作動することによって実施される操作の動きとの間の一定の動的協調が、必須である。2つのタイプの動きは、厳密に協調され、相補的に並びに同時に実施可能である必要がある。
【0009】
一人の使用者が、同じ手で、医療機器と一体化されたか又は組み立て可能であるアクチュエータハンドルに作用することによって手術器械(通常、3つのリングを有する構造を備え、1つは親指用、1つは人差し指用、及び別の1つは中指用)を作動させることと、使用者が、2本又は3本の指(親指と人差し指、又は人差し指と中指)によって、シース上の、内視鏡内の機器用チャンネルの近位アクセス部から数センチメートルの距離のところを把持することに起因して実行されるシースの上述の軸方向の動きとを引き起こすことは、特に困難である。それゆえ、公知の技術によれば、両操作を実施できるようにするために(例えばポリープ切除の最中)、シースの軸方向の動きのために第1の使用者が必要とされ、及びアクチュエータハンドルによって手術器械を作動させるために第2の使用者、すなわち助手が必要とされる。
【0010】
手術器械の作動及びシースの軸方向の動きは、しばしば相補的であることが必要とされるため、そのような同時性は最大限の協調を必要とすると判断され、これは、二人の使用者が機器を使用しているとき、第1の使用者と第2の使用者との間の効果的なコミュニケーションにもっぱら頼っており、誤解があったり、又は音声コマンドと実行される行為との間に遅延があったりする可能性がある。
【0011】
操作は、関係する使用者が異なる言語を話し得るという事実によって、さらに複雑になり得、それゆえ、二人の使用者間のコミュニケーションは、明白ではなく、正確ではない場合がある。
【0012】
さらに、第1の使用者に責任がある動きのタイプ及び手術器械の作動方法の選択は、内視鏡表示、及び付属装置によって使用者の機械受容感度(これは、触覚及び位置感度を含む)へ機械的伝達により送られる、連続的で正確なフィードバックの双方に依存しており、この使用者の機械受容感度は、例えば異なる組織の硬度に基づく異なる抵抗に関連付けられて、使用中に付属装置が受ける機械的応力を刺激として受け取る。
【0013】
現在使用されているシース及び本ハンドルは双方とも、使用者の機械受容感度へ機械的に伝達することによって、機器から使用者の感度へ正確なフィードバックを送るのに効果的である。
【0014】
現在の状態では、第2の使用者すなわち助手によって知覚される主観的な機械受容感覚を、シースの軸方向の動きを操縦する第1の使用者へ伝達することは、極めて困難である。それゆえ、操縦の責任を負う使用者は、第2の使用者(第1の使用者を支援しており、且つ第2の使用者の知覚に関して音声情報のみを提供できる)によって知覚される感度に関する重要な情報を知覚できず、これは、明らかに限界がある。
【0015】
しかしながら、シースを把持すること及びハンドルを保持することの双方によって知覚される機械受容感度は、決定的である、特に、方法の変更及び手術の実施のタイミング(ポリープの切除など)を決定する際、等しく必須であり、且つ手術の正確な実施には必須であり、このようにして合併症(例えば、出血多量、後に穿孔のリスクを生じる周囲組織の深さ方向への過度の熱貫流、過剰な量の組織の切除、器械の開く/閉じる動きとシース及び/又は器械の後方/前方の動きとの間の協調の失敗)を回避する。
【0016】
一人の使用者へ全ての繊細なフィードバック及び行為を伝えることができないことによって、第1の使用者によって第2の使用者へ行われる、行為に関するリクエストと、リクエストに対する反応時間との間の遅延、量的及び質的に、要求される感覚及び行為の理解、又はさらには間違ったコミュニケーション又は誤解のリスクの問題、リアルタイムで変化し得る異なるニーズによるそのような動きの精度の低下によって、重要な全体的な協調の安全性低下に関する、臨床的リスクの増加の複数の局面を決定する。さらに、リスクの高い治療行為、例えばポリープの除去、クリップの位置決め、切除、焼灼などを決定する付属装置の共同利用が、一般的意味と、合併症の場合及び関連の場合との双方で、寄与する責任の複雑なシナリオを決定する。実際、内視鏡検査では、第1の使用者は、実行者として、臨床的な行為の責任を負うが、現在の操作法では、実際には、共同行動によって決定され、ここでは、ほとんどの場合、重要な臨床的な行為を決定する別の人、通常看護師に代表される第2の使用者は、異なる法令に従い、医療処置を行う特別な権限を与えられていない可能性がある。
【0017】
この点に関して、最新の統計データでは、公知のタイプの技術が、例えばポリープ切除の症例において、どの程度、出血(症例の0.2~24%)及び穿孔(1%)など合併症に至るかが明らかとなっている。さらに、穿孔の5%は致死性である。
【0018】
これは、補償請求数の増加及び医療ミス症例数の増加を生じ、ここで、「処置の誤り」は、症例の25%における損傷の考えられる原因として示される。同時に、責任は第1の使用者にあるため、前記使用者は、ガイドラインによって推奨されている良好な臨床診療に従い、且つ第1の使用者の処置を、臨床的リスクの適切な管理及び考えられる関連の法律面に関して、報告する義務があり、助手によって行われる重大な処置面は、文献においてよく知られている。さらに、助手の経験が、合併症のリスクに関連していた。
【0019】
従来技術
例えば国際公開第2017025969A1号パンフレット又は同第2015/029041A1号パンフレットから、電動式アプライアンス、すなわち医療機器の異なる構成要素を作動する電動アクチュエータを含む電動式アプライアンスの使用が知られている。このタイプの電動式アプライアンスは、例えば、使用者によって把持され得るハンドルと、使用者によって操作され得且つ電気信号を生成して電動アクチュエータを操作するように構成された一連のコマンド(ジョイスティック、レバー、ボタン及び同様のものの形態の)とを含む。このタイプの電動式アプライアンスは、特に複雑で、嵩張り、且つ高価である。さらに、上述のタイプの公知の解決法は、使用者の感度を低下させること、すなわち操作中、使用者と医療機器との間にいくつかの機械的構成要素及びサーボモータが介在することに起因して、体内にある医療機器によってもたらされる感覚(例えば組織抵抗又は同様のもの)の知覚が不良であることが、不利である。
【0020】
例えば米国特許出願公開第2005/070885A1号明細書又は国際公開第2006060433号パンフレットに開示されているように、医療機器の手動操作アプライアンスも知られている。公知のタイプの手動操作アプライアンスは、使用者によって把持されるように構成されているハンドルと、医療機器に作用するように構成されたコマンドとを含む。
【0021】
公知のタイプの解決法では、コマンドは、ハンドルに組み込まれて、単一の統一本体を形成するようにする。
【0022】
シース及びそれに拘束された関連の手術器械の軸方向操縦性と、手術器械の機能の動作との片手のみでの共同作業の問題を克服するために、米国特許出願公開第2005/070885A1号明細書及び国際公開第2006060433号パンフレットの双方において、特別な設計のハンドルに組み込まれた、手術器械の機能を起動するための新しいアクチュエータに基づく、技術的解決法が特許請求されており、これは、米国特許出願公開第2005/070885号明細書及び国際公開第2006060433号パンフレットの双方において現在の状態として使用者の指での把持に委ねられている軸方向の動きに関しては、全く技術的解決法を導入していない。
【0023】
それゆえ、米国特許出願公開第2005/070885A1号明細書又は国際公開第2006060433号パンフレットにおいて説明されている解決法によれば、シースを動かすために、使用者は、少なくとも2本の指を使用せざるを得ず、親指は、人差し指又は中指と可変的に関連付けられるため、既に使用されている且つ標準ハンドル(一般的に3つのリングを備える)と事前に統合されているか又はそれと組み立て可能であり、同じ指(通常3つのリングを備える構造では、親指、人差し指及び中指)によって操作される全ての医療機器を使用する可能性を排除する。
【0024】
それとは対照的に、下記でさらに説明するように、本発明による技術的解決法は、特別な専用の操作ユニットによって、既に使用されており且つ標準ハンドルと事前に統合されている医療機器の片手での操作を可能にして、軸方向の動きの単純化に重点を置いて、この問題を克服する。
【0025】
さらに、公知の手動操作アプライアンスは、複雑であり、いくつかの歯車を備え、且つ現在のハンドルよりも嵩張る。それゆえ、一方では、医療機器を片手のみで操作できるようにするが、他方では、ハンドルにおいて様々な構成要素及び歯車が介在しているアプライアンスの特徴に起因して、使用者に、必要な可動性及び感度をもたらさない。
【0026】
さらに、コマンドがハンドルに組み込まれていることによって、使用者とアプライアンスとの接触位置及びアプライアンスと医療機器との接触位置から、物理的な距離を生じる。これは、使用者の感度の低下をもたらす。
【0027】
さらに、手術器械に対するシースのカッティング(cutting)、すなわち摺動を決定するコマンドに関し、アプライアンスと医療機器との間の相互作用の領域が、上述の装備品では、医療機器が内視鏡に挿入される点から離れている。これは、使用者の感度の低下、及び内視鏡と手動操作装備品との間に挟まれるセクションで医療機器が曲がるリスクの双方を暗示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明の目的は、使用者が、独立して、必要な操作の全てを実施できるようにするため、別の使用者との協調の問題、及び公知の上述したシステムで典型的である報告問題を克服する、操作ユニットを提供することにある。
【0029】
米国特許出願公開第2005/070885A1号明細書又は国際公開第2006060433号パンフレットで説明されていることとは異なり、本発明の目的は、使用者の指に嵌められ、使用中の、医療機器と事前に統合されているか又は組み立て可能であるハンドルを同じ手によって関連付けられ得、一人の使用者が必要な動き及び操作の全てを独立して管理できる操作群を形成できるようにし、それにより、一人の使用者による医療機器の完全管理を保証する、手動操作ユニットを提供することにある。
【0030】
好都合なことに、下記でさらに説明するように、1本の指に嵌められる操作ユニットは、シース及び医療機器の関連の手術器械の軸方向の動きを管理するが、それが嵌められている同じ指の曲げ伸ばしの動きを制限しない、又は他の指を内視鏡チャンネル内でのシースの軸方向の動きに巻き込まない。それゆえ、使用中、使用者は、操作ユニットが接続され得る任意の伝統的なタイプのハンドルを用いて、いずれの医療機器も簡単に把持及び操作でき、それゆえ、操作ユニット、一人の使用者の片手、及び使用されている任意のハンドル、すなわちハンドルが予め装着されている任意の医療機器によって成り立つ、ユニバーサルな操作群を構成する。
【0031】
好都合なことに、既に使用されているハンドル及び機器を使用する可能性は、人気のあるシステムに、1つにまとめられた技術原理の適用を可能にし、その信頼性、有効性及び安全性の数々の証拠は、一人の使用者へ機能性を伝えることによって高められる。それどころか、新しいアクチュエータの信頼性、有効性及び安全性が何であるかは分かっていない。
【0032】
本発明の目的は、使用者が、使用者の機械受容感度への医療機器の行為によって直接生成される、実行されている操作を正確に知覚できるようにする操作ユニットを提供することにある。
【0033】
本発明の目的は、使用者が、医療機器を手動で操作でき、最大限の感度、最大限の動きの自由及び最大限の快適さを保証する、操作ユニットを提供することにある。
【0034】
本発明の目的は、任意のハンドルと、操作ユニット(ハンドルとは異なるか、又はハンドルに接続可能である)とを含む操作群を提供することにあり、これにより、一方の手の指、好ましくは使用者の手の1本の指を使用して、医療機器の完全な操作を得ることができる。
【0035】
本発明の目的は、上述の問題を克服する、操作ユニット及び群を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明によれば、操作ユニットは、添付の特許請求の範囲で説明する情報に従って、提供される。
【0037】
本発明によれば、操作群は、添付の特許請求の範囲で説明する情報に従って、提供される。
【0038】
ここで、本発明は、その非限定的な実施形態を示す添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】医療機器に引っかける最中の、本発明による操作ユニットの拡大斜視図である。
【
図5-8】本発明による操作ユニットの組み立てのための
図2~4に示す詳細部の、それぞれ異なる組立ステップの図である。
【
図9】
図6の線IX-IXに沿って取った拡大断面図である。
【
図10-13】医療機器に引っかけるステップの間にそれぞれ異なる操作形態にある、本発明による操作ユニットを示す。
【
図14】
図13の線XIV-XIVに沿って取った断面図である。
【
図15】
図1~14の操作ユニットの変形例の斜視図である。
【
図16】
図1~14の操作ユニットのさらなる変形例の斜視図である。
【
図17】
図1の説明による操作ユニットを含む操作群を示す。
【
図18】本発明による操作ユニットの変形例の概略図であるが、使用中、ハンドルと一緒に、本発明による操作群の第1の実施形態を形成する。
【
図21】本発明による操作ユニットの第2の変形例の縦断面図である。
【
図23】本発明による操作群の第2の実施形態の概略図である。
【
図25】本発明による操作群のさらなる実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図17及び
図18では、符号1は、全体的に、本発明による手動操作群1の例を示す。
【0041】
図17及び
図18に示すように、操作群1は、手動で操作され得る手動操作ユニット2及びハンドル3を含む。表現「手動」及び「手動で操作される」は、操作ユニット2及びハンドル3の双方が、モータ又はサーボ制御部の助けを借りずに、操作者によって直接操作され得ることを意味すると理解されることを明確にしている。
【0042】
図17及び
図18に示す例によれば、好都合なことに、操作ユニット2は異なる本体である、すなわちハンドル3と分離している。
【0043】
図23に示す変形例によれば、下記でよりよく説明するように、操作ユニット2(又は
図23及び
図24では12b’)は、ハンドル3に接続され得る。
【0044】
好都合なことに、手動操作群1は、使用者が医療機器Dを操作できるように構成されており、この医療機器は、一般的に、片手のみを使用して内視鏡E(公知のタイプであり概略的に示す)と一緒に使用される。概して、
図18により詳細に示すように、医療機器Dは、シースC及び手術器械Sを含む。シースCは長尺状である。シースCは、例えばカテーテルとし得る。手術器械Sは、シースCを通して挿入される。
【0045】
図18に示すように、ハンドル3は、医療機器Dの近位端と結合するように構成されているアタッチメント4と、アクチュエータ5とを含む。換言すると、アタッチメント4は、アクチュエータ5の動きを医療機器Dの近位端へ伝えるように構成されている。図示の例によれば、アクチュエータ5はシリンジタイプのものである。特に、アクチュエータ5は1つ以上のインターフェース要素を含み、各インターフェース要素は、使用者の手(図示の例によれば、右手)と相互作用するように構成されている。インターフェース要素は、例えばリング、ボタン、突起又は同様のものとし得る。
【0046】
図示の例は、それぞれ使用者の右手の親指、人差し指、及び中指を受け入れるように構成された3つのリング6A、6B、6Cを含むアクチュエータ5を示す。
【0047】
ハンドル3、特にアクチュエータ5は、インターフェース要素に作用することによって、使用者が手術器械Sを起動できるようにするように構成されている。
【0048】
図18の説明によれば、手術器械Sは、近位端及び遠位端s2を含む。手術器械Sは、その近位端(公知のタイプであり図示しない)からその遠位端s2までの長尺状である。手術器械Sの遠位端s2は操作端であるため、手術器械Sの作動は、そのような操作端s2の操作の動きに対応する。
【0049】
シースCは、近位端c1及び遠位端c2を含む。シースCは、その近位端からその遠位端までの長尺状である。
【0050】
手術器械Sは、シースCの内側に沿って挿入されて、シースCをシースCの近位端c1からシースCの遠位端c2まで通るようにする。
【0051】
機器Dの遠位端セクターは、手術器械Sの遠位端s2及びシースCの上述の遠位端c2を含む。
【0052】
次に、手術器械Sの遠位端s2は、シースCの遠位端c2から突出する。
【0053】
それゆえ、機器Dは、手術器械の近位端s1から手術器械の遠位端s2までの長尺状である。
【0054】
機器Dは、内視鏡EのチューブT内を長手方向に動作可能に通って、機器Dの端セクターは、内視鏡EのチューブTに対して突出して、患者の体内に置かれることができるようにする。
【0055】
図18には、そのサイズを図面の空間に適合させるように分割されて、チューブTが示されている。
【0056】
ハンドル3が医療機器Dに結合されると、シースC及び手術器械Sの双方がハンドル3、特にアクチュエータ5に接続される。この状態では、シースCの近位端c1及び/又は手術器械Sの近位端がハンドル3に接続される。
【0057】
シースCの軸方向の動きは、下記では、その伸長部に沿ったシースCの動きであるとみなされる。同様に、手術器械Sの軸方向の動きは、その伸長部に沿った手術器械Sの動きであるとみなされる。
【0058】
手術器械Sは、少なくとも部分的にシースCに拘束されるため、手術器械Sの軸方向の動きは、シースCの軸方向の動きに対応する。
【0059】
手術器械Sの作動は、手術器械SとシースCとの間の相対的な動きを含み得る。それゆえ、シースCの軸方向の動きが手術器械Sの対応する軸方向の動きを引き起こすことに関わらず、相対的な動きがそれでも可能にされるように、手術器械SはシースCに拘束される。
【0060】
使用者はまた、患者の体内での操作端s2の位置決めを調整するために、手術器械Sの作動の他に、おそらく、そのような作動と同時に、シースCの軸方向の動きを引き起こす必要があり得る。
【0061】
本発明による操作群1は、使用者が同じ手Mで、及び、必要な場合には、手術器械Sの作動と同時に、シースCの軸方向の動きも操作できるように構成される。
【0062】
図1では、本発明による手動操作ユニット2が、2で示されている。操作ユニット2は、医療機器DのY部分に適用され且つ使用者によって、直接、操作されるように構成されている。直接とは、中間のアクチュエータを使用せずに手動で、を意味する。下記でよりよく説明するように、操作ユニット2は、好都合なことに、指の指骨に適用されるように構成されており、これは、任意のタイプのハンドル3のアクチュエータ5を操作するためにも使用される。換言すると、
図17に示すように、操作ユニット2は、指(図示の例では中指)の指骨に適用されるように構成されており、これは、ハンドル3のアクチュエータ5(図示の例では、リング6C)と同時にインターフェースを取る。
【0063】
それゆえ、好都合なことに、操作ユニット2によって、1本の指で、使用者は、手術器械SとシースCの軸方向の動きとの同時作動を得ることができる。
【0064】
操作ユニット2は、支持体7及び保持部分8を含む。支持体7は、手、一般的に使用者の手袋をはめた手に適用されるように構成されている。好都合なことに、支持体7は、使用者の指の1つの指骨にのみ係合するように構成されている。
【0065】
下記でよりよく説明するように、保持部分8は、医療機器DのY部分に適用されるように構成されている。
【0066】
本発明による操作ユニット2は、使用者の手袋をはめた手に接着するように構成されていて(操作中、使用者の手は、薄いラテックス手袋で覆われている)、医療機器Dの操作中に最大限の感度を与えるようにする。
【0067】
好ましくは、
図2の説明によれば、支持体7は、使用者の指の周りに、好ましくは、1つの指骨、好ましくは爪節骨の周りに嵌められるように構成されている。
【0068】
好都合なことに、手の1本の指のみの爪節骨(又は末節骨)にのみ嵌められている操作ユニット2は、3つの指骨、すなわち近位(又は指骨と適切に呼ばれる)、中央(又は第二指骨)及び遠位(爪節骨)の関節が屈伸するため、指の動きの関節運動を可能にする。
【0069】
このようにして、使用者が、指を自由に関節運動できるように操作ユニット2を嵌めるとき、それゆえ、使用者は、曲げ伸ばしすることを含め、考えられる全ての指の動きを行うことができる。それゆえ、操作ユニット2は、使用者に、ハンドル3のアクチュエータ5を操作するなどのさらなる動きを行う機会を与える。保持部分8及び支持体7は、互いに対して相互に可動である。
【0070】
図1~17に示す例によれば、保持部分8は、ピン9及び支持体10を含み、これらは、下記でよりよく説明するように、支持体7に対して可動である。
【0071】
図1~17に示す実施形態によれば、支持体7は、長手方向軸Xを有する湾曲壁20を含む。湾曲壁20は、内面21、外面22、近位面23、遠位面24、右側面25及び左側面26を有する。用語「内」及び「外」、「右」、「左」、「近位」、「遠位」は、操作ユニットが、使用中、使用者の右手(手袋をはめた)の指に正しく嵌められているときの、操作ユニット2の向きに関して使用される。換言すると、内面21は、使用者の指(操作中、手袋をはめた指)に直接接触する面である一方、外面22は、外側へ向いている。近位面23は、手のひらに最も近い面である一方、遠位面24は、指先に最も近い面である。
【0072】
図示の例によれば、湾曲壁20は開放している、すなわち長手方向中断部を有し、及び2つの端部を有し、それらは、下記でI及びIIと特定される。湾曲壁20が開放していることによって、使用中、使用者の指に対して支持体7を少し調節できるようにする。
【0073】
図15及び
図16に示す変形例によれば、支持体7は、端部I及びIIに接続する調節ユニット27を含む。調節ユニット27は、端部I及びIIに接続し且つ任意にそれらの間の距離を変更するように構成されている。好都合なことに、調節ユニット27は、湾曲壁20の内面21を使用者の手袋をはめた指に接着できるようにするため、操作ユニット2による医療機器Dの操作中、使用者の最大限の感度を保証する。特に、操作ユニット2は、指が曲がったり又は伸びたりすることに依存して、
図17、
図18及び
図23の両方向矢印Wに図式化されるように、前記シースCを、一方向に又は反対方向に、軸方向に平行移動させることができる。
【0074】
図15には、一方の端部に取り付けられた、湾曲し且つ刻み目のあるバンドと、対向端部に取り付けられた突起とを含む、1つのタイプの調節ユニット27が示されている。刻み目のあるバンドは、突起と相互作用するように構成されており、及び操作ユニット2の内径は、前記突起に係合する刻み目に依存する。
【0075】
図16には、好ましくは弾性の2つのバンドを含むさらなるタイプの接続ユニット27が示されており、各バンドは、操作ユニットのそれぞれの端部に接続されている。この場合、操作ユニット2の内径は、上述の2つのバンド間の相互作用に依存する。
【0076】
図15及び
図16には接続ユニット27のいくつかの例のみが示されており、これらは形状、サイズ、及び操作ユニット2の端部との結合/インターロック方法が互いに異なる接続ユニットの群から選択され得る。
【0077】
図示しない変形例によれば、湾曲壁20は、ディスクセクションを有する、換言すると、湾曲壁20は、シリンダー状内部空洞33のある、閉鎖されているシリンダー状本体である。
【0078】
図示の例によれば、湾曲壁20の厚さzは可変であり、特に、各端部I、IIから湾曲壁20の中央平面mまで増加する(
図2)。
【0079】
さらに、湾曲壁20は、使用中、少なくとも部分的に、医療機器DのY部分を収容するように構成されているハウジング28を有する。ハウジング28は、長手方向軸Xに対して実質的に横断している。
【0080】
ハウジング28は、長手方向軸Xに沿って、湾曲壁20の実質的に中間位置にある。特に、ハウジング28は、湾曲壁20を、近位部29と遠位部30とに局所的に分割する。
【0081】
好都合なことに、遠位部30の深さpは、2~4cmであり、好ましくは、2.5~3cmである。深さp、すなわち長手方向軸Xに沿った遠位部30の延在部は、内視鏡E内への医療機器Dの侵入点に対し操作ユニット2の位置決めを決定するための基準要素である。このようにして、使用中、使用者は、使用者が、内視鏡Eに対して操作ユニット2を正しく位置決めしたか、又は操作ユニット2は離れすぎていないかどうかを確認できる。実際、操作ユニット2が内視鏡Eから離れすぎて位置決めされる場合、操作ユニット2と内視鏡Eの入口との間の空間で、ピーク負荷を受けて医療機器Dが曲がるリスクがある。そのような現象は望ましくなく、回避すべきである。それゆえ、遠位部30の深さpは、使用者に対して基準要素の機能を果たして、これが発生するのを防止できるようにする。
【0082】
好ましくは、ハウジング28は貫通ハウジングである、すなわち湾曲壁20を、その厚さz全体に対して半径方向に切断している。特に、ハウジング28は、内側開口部31及び外側開口部32によって、それぞれ内面21及び外面22に対面している。
【0083】
好都合なことに、ハウジング28が、内側開口部31によって内面21に対面していることによって、医療機器DのY部分が、使用中、使用者の手袋をはめた指と接触できるようにする。このようにして、医療機器DのY部分と使用者の皮膚との間の実質的な直接的な接触が保証される(ラテックス手袋は極めて薄く、且つ変形可能である)ため、医療機器Dの操作中、使用者に対して最大限の感度を保証する。
【0084】
図1~17に示す例によれば、ハウジング28は、湾曲壁20の除去されたセグメントに、すなわち、30°~45°の長手方向軸X上の中心の角度αに対応するアーチに、実質的に対応する(
図14)。
【0085】
ハウジング28は、深さp、すなわち長手方向軸Xに沿った延在部を有し、これは、医療機器Dの最大厚z以上である。
【0086】
このようにして、操作ユニット2は、既に使用されている任意のタイプの医療機器Dと一緒に使用され得る。
【0087】
さらに、湾曲壁20は空洞33を有し、この空洞は、ピン9を収容し、且つ使用中、ピン9を、開放位置A(
図1、
図8及び
図11に示す)から閉鎖位置B(
図13に示す)へ、及びその逆も同様に変位できるように構成されている。
【0088】
図9に詳細に示す例によれば、空洞33は、長手方向軸Xに沿って延在し、且つ貫通空洞である。特に、空洞33は、近位開口部34(
図1に示す)及び遠位開口部35(
図2に示す)によって湾曲壁20の外側に対面し、それら開口部は、それぞれ近位面23及び遠位面24に作られている。空洞33は、中心の角度βが20°~30°(
図2)のアーチセクションを有する。
【0089】
図示の例によれば、空洞33は、湾曲壁20の実質的に中心領域において、ハウジング28を横切っている。
【0090】
好都合なことに、下記でよりよく説明するように、湾曲壁20は、ピン9と相互作用するように構成されている肩部36を有する。図示の例によれば、肩部36は長手方向溝37によって得られ(
図9)、この長手方向溝は、空洞33に対して平行であり、且つそれと連通している。溝37は、近位面23を通って外側に対面している。溝37は、近位面23から長手方向延在部を形成しており、これは、空洞33の延在部よりも短い。それゆえ、肩部36は、前記溝37の端部にある、湾曲壁20の実質的に半径方向の部分である。換言すると、肩部36は溝37の底壁である。
【0091】
好都合なことに、湾曲壁20は、近位面23を右側面25に接合する右側面取り部38と、近位面23を左側面26に接合する左側面取り部39とを有する。面取り部38、39は、約135°だけ傾斜されており、且つ近位面23に対して放射状にある。面取り部38、39が存在することによって、使用中、湾曲壁20と、支持体7が嵌められる使用者の指と間の干渉が回避される。特に、面取り部38、39が存在することによって、湾曲壁20が使用者の指を押し、抵抗に対抗して、指を曲げるのを防止する。
【0092】
図3の詳細な説明によれば、ピン9は、長手方向軸X’の範囲が両端部での近位部分41及び遠位部分42によって定められた、長尺状を有するプレート40を含む。プレート40は、湾曲している、すなわちアーチセクションを有するように曲げられている。プレート40の横断方向のセクションがアーチを形成し、これは、20°~30°の中心の角度β(
図3)に対応する。
【0093】
プレート40のアーチセクションの形状は、形状及びサイズにおいて、空洞33のセクションと同様である。プレート40のセクションの形状及びサイズは、角柱状の機械対偶(prismatic kinematic pair)を形成するようにして、空洞33内へのプレート40の挿入が可能となるように構成されている。換言すると、プレート40は、空洞33に挿入され、且つ長手方向軸X’に沿った湾曲壁20に対してプレート40が相対的な平行移動を可能にするように構成されている。プレート40は、さらに、近位部分41から突出する停止要素43を含み、停止要素は、使用中、溝37内で摺動し、且つ支持体7の肩部36に当接するように構成されている。
【0094】
図示の例によれば、空洞33は、溝37と支持体7の内壁との間にある。停止要素43は、使用中、外向きに突出するようにして、プレート40から突出する。
【0095】
支持体10は、好ましくは分割できない単体を形成するように、ピン9に適用されるように構成されている。
【0096】
支持体10は、ヘッド44及びアーム45を含む。ヘッド44は、プレート40の中心の角度βと実質的に等しい中心の角度γを備えるアーチ状本体を有する(
図4)。ヘッド44は、外面46、内面47、近位面48、遠位面24、右側面50及び左側面51を有する。
【0097】
より具体的には、ヘッド44には、近位面23の外側に対面する凹部52が設けられていて、これは、使用中、支持体7に対面する。凹部52のセクションは、プレート40のセクションに実質的に対応する。凹部52の形状及びサイズは、プレート40の遠位部分42に結合し且つそれによって締め付けられる形状を形成するように構成されている。換言すると、凹部52にプレート40の遠位部分42を挿入した後、分割できない結合が形成される。
【0098】
アーム45は、ヘッド44に取り付けられ、且つヘッド44から突出する。深さp、すなわちアーム45の長手方向軸Xに沿った延在部は、下記でよりよく説明するように、使用中、ハウジング28を少なくとも部分的に閉鎖できるように構成されている。
【0099】
図1~13に示す例によれば、アーム45の深さp1は、ヘッド44の深さp2と湾曲壁20の深さp3との和に、実質的に対応する(
図2及び
図4)。
【0100】
操作ユニット2を形成するために、ピン9の遠位部分42は、湾曲壁20にある近位開口部34に挿入される。それゆえ、ピン9は、停止要素43が肩部36と接触されるまで(
図9)、空洞33内を摺動するようにされる。この位置では、ピン9の近位部分41は、湾曲壁20の近位部29に含まれるが、遠位部分42は、湾曲壁20の遠位面24の外部に突出している。
【0101】
この位置において、支持体10のヘッド44は、ピン9の遠位部分42に取り付けられる。取り付けは、締め付けによる取り付けであり、支持体10が、操作ユニット2の通常の使用ではピン9から滑り落ちることができないようにする。
【0102】
ヘッド44がピン9に取り付けられると、アーム45は、湾曲壁20の外面22に対して平行である長手方向軸Xに沿って延在する。
【0103】
支持体10は、使用者に対する支持面の機能を実質的に果たし、使用者は、ヘッド44の一方の側面又は他方の側面を押すことによって、操作ユニット2の開閉を選択的に調整できる。
【0104】
ピン9が開放位置A(
図12)にあるとき、湾曲壁20のハウジング28は、完全に自由であり、及び使用者は、医療機器DのY部分をハウジング28に挿入できる。好都合なことに、医療機器DのY部分は、ハウジング28内に正しく挿入できるようにするために、U字形状に曲げられている必要があり、特に、少なくとも部分的に、内側開口部31に対面するか又はそこから突出するセクションを有する必要があり、使用者の(手袋をはめた)指と接触して配置されるようにする。
【0105】
支持体10のヘッド44を押すことによって、長手方向軸Xに沿ったピン9の平行移動を引き起こすことが可能であるため、ピン9のプレート40及び支持体10のアーム45の双方が、ハウジング28を横断するように横切り、医療機器Dをハウジング28内にロックする。
図14は、閉鎖位置Bにある操作ユニット2を示し、ここでは、医療機器Dは、ハウジング28内に保持されている。
【0106】
好都合なことに、ピン9のプレート40が、医療機器DをU字形状に曲げた状態に保ち、使用中、内側開口部31を通して、使用者の(手袋をはめた)指との医療機器Dの連続的な接触を保証する。
【0107】
好都合なことに、
図14に示すように、プレート40及び支持体10と医療機器Dの相互作用によって得られた、一連の連続的な湾曲によって、医療機器Dの平行移動を、操作ユニット2に対して防止できるようにする。
【0108】
好都合なことに、上述のタイプの操作ユニット2は、伝統的なタイプであり任意選択的に既に使用されている、内視鏡E用の任意のハンドル3(
図17)の補助構成要素、すなわち追加的な付属装置として使用されるように構成されている。
【0109】
このようにして、使用者による、既に使用されている伝統的なハンドル3の使用の効率を高めることが可能である。独立した操作ユニット2を含むことによって、既に市販されているハンドルの実装を可能にし、可能な限りコストを抑える。
【0110】
使用中、医療機器Dを、公知の方法でハンドル3のアクチュエータ5に接続した後、使用者は、手袋をはめた手、一般的に右手でハンドル3を把持し、且つ操作ユニット2を1本の指に嵌める。
【0111】
図示の例によれば、中指は、ハンドル3のリング6C及び操作ユニット2の双方に係合し、且つそれらを操作できる。このようにして、使用者が、完全に片手で、任意選択的に1本の指によって、本発明による操作群を操作できるようにする。
【0112】
それゆえ、使用者は、ピン9及び支持体10を開放位置Aへもたらし、且つ医療機器DのY部分を、ハンドル3と内視鏡Eの入口との間で突出するように、U字形状に曲げる(
図10)。
【0113】
使用者は、U字形状に折られた(曲げられた)Y部分を操作ユニット2のハウジング28に挿入する(
図11)。
【0114】
使用者は、ピン9及び支持体10を閉鎖位置Bへと押し込み(
図12)、遊びのない状態で、医療機器Dを操作ユニット2に拘束するようにし、これにより、確実に、医療機器Dが使用者の指と可能な限り一体となる(シームレス)ようにして、医療機器Dの制御精度を最大にする。
【0115】
好都合なことに、
図14に示すように、医療機器Dは、使用中、使用者の(手袋をはめた)指と接触している。このようにして、使用者の感度は著しく高められる。
【0116】
好都合なことに、医療機器Dの交換が必要な場合、ピン9及び支持体10は開放位置Aへもたらされる。医療機器Dはハウジング28から取り外されて、ハウジング28を、別の医療機器DのY部分を自由に挿入できるようにする。
【0117】
図示しないさらなる変形例によれば、操作ユニット2は、内視鏡の入口に、直接、又は中間接続手段によって、接続されるように構成されている。
【0118】
図18に、ハンドル3と、操作ユニット2の変形例とを含む、本発明による操作群が示されている。
図18に示す操作ユニット2の第1の変形例は、
図19及び
図20に詳細に示されている。
【0119】
【0120】
操作ユニット2の第2の変形例が、
図21及び
図22に詳細に示されている。支持体は、
図21及び
図22では121’で示されている。操作ユニット2は保持部分を含む。保持部分は支持体に取り付けられている。
【0121】
保持部分は、支持体と単体として作製され得る。図示の例では、保持部分は、支持体と単体で作製されている。
【0122】
保持部分は、シースCの保持状態を規定するように構成されている。シースCのそのような保持状態では、シースCのそのような軸方向の動きは、前記支持体の対応する動きによって引き起こされ得る。シースCのそのような保持状態は、シースCを保持部分に取り付ける状態、それゆえ、シースCを支持体に取り付ける状態、それゆえ、シースCを操作ユニット2に取り付ける状態とし得る。
【0123】
この場合、保持部分は、操作ユニット2への及び/又は支持体への及び/又は保持部分へのシースCの取り付け部分であるとみなされ得る。
【0124】
第1の変形例に関して、保持部分は、特に
図19及び
図20において、122aで示されている。第2の変形例に関して、保持部分は、特に
図21及び
図22において、122a’で示されている。保持部分は、ハウジングを規定して、前記ハウジング内への前記シースCのセクターの位置決めによって、前記保持部分内を通る前記シースCの挿入状態を可能にする。そのようなハウジングは、前記保持部分の一方の側面から他方の側面へ通過できる。
図19~22に示す例では、そのようなハウジングは、保持部分の一方の側面から他方の側面へ通過する。
【0125】
第1の変形例に関して、そのようなハウジングは、特に
図20において、1221で示されている。第2の変形例に関して、そのようなハウジングは、特に
図21及び
図22において、1221’で示されている。
【0126】
保持部分は、前記シースCに対して保持作用を加える保持手段を含むため、保持部分内を通るシースCの前記挿入状態は、シースCの前記保持状態に対応する。そのような保持作用は、取り付け作用とし得る。
【0127】
第1の変形例に関して、そのような保持手段は、特に
図19及び
図20において、1222aで示されている。第2の変形例に関して、そのような保持手段は、特に
図21及び
図22において、1222a’で示されている。そのような保持手段は、シースCを操作ユニット2へ及び/又は支持体7へ及び/又は保持部分へ取り付ける手段とみなされ得る。
【0128】
上述の変形例の全てにおいて、保持部分は、前記シースCの伸長部に対して横断するような挿入の動きによって、使用者が、保持部分内を通るシースCの前記挿入状態を得ることができるように構成される。
【0129】
第1の変形例は、保持手段1222aが締め付け作用を有し、且つ前記挿入の動きが、前記保持手段1222aの締め付けとは対照的に、引き起こされ得るように構成されていることを、提供する。この場合、保持手段1222a又は1222bは、シースCに対する前記保持作用が、前記保持手段1222aの構造(conformation)によって加えられるように、構成されている。
【0130】
第1の変形例では、保持手段1222aは、クリートタイプとし得る。
【0131】
図17及び
図18に示す例によれば、操作群1は、互いに異なる、操作ユニット2及びハンドル3を含む。好都合なことに、この場合、ハンドル3は、いずれのハンドルともし得る。
【0132】
好都合なことに、操作ユニット2のサイズは、一般的に使用中のハンドル3のリング6、アクチュエータ5を通過できるように、構成されている。
【0133】
図25に示す例によれば、上述のタイプの操作ユニット2は、コネクタ60によって公知のタイプのハンドル3(例えば現在既に使用されている3つのリングのあるハンドル)へ接続されて、操作群1cを形成するようにする。コネクタ60は、単一部片で作製され得るか、又はいくつかの部片で作製されて組み立て可能とし得るか、又は操作ユニット2及び/又はハンドル3とワンピースに作製され得る。好都合なことに、この場合、操作ユニット2は、使用中、ハンドル3によって支持され、且つ使用者は、操作ユニット2内に指を挿入する必要がない。
【0134】
本発明による手動操作群のさらなる実施形態は、
図23及び
図24において、1bで示されている。
図23の説明によれば、操作ユニット12b’は、公知のタイプのハンドル3に結合されるように構成された組立体(
図23では123で示されている)を含む。
【0135】
好ましくは、操作群1bは、前記組立体123をハンドル3に取り付けるように構成された接続手段125を含む。図示の例によれば、接続手段125は、解放可能な手段、例えばねじ又は同様のものである。図示しない1つの変形例によれば、組立体123は、ハンドル3とワンピースに作製される。
【0136】
操作群1bによれば、操作ユニットの支持体は、手に直接適用される、特に使用者の指に嵌められるようには構成されていない。この場合、支持体は、主に、保持部分を支持する機能を有する。
【0137】
換言すると、
図23に示す実施形態によれば、操作ユニットは、ハンドル3に拘束される及び/又は取り付けられるため、ハンドル3の動き(
図23の矢印z)は、同様に、操作ユニット2の対応する動き(
図23の矢印w)を引き起こし得る。
【0138】
組み立てシステム125は孔を含み、この孔は、長手方向軸に沿って延在し、且つ前記組立体123によって規定される。
図23に示す例によれば、組み立てシステム125は、前記ハンドル3が、前記組立体123を通るハンドル3の前記挿入状態を取っている間に、前記組立体123をハンドル3の前記部分の周りで締め付ける締め付け要素1252を含んで、上述の組立状態の実現を完了するようにする。
【0139】
前記支持体121b’及び前記組立体123が前記接続状態を取り、且つ前記組立体123がハンドル3で前記組立状態を取ると、前記保持部分122b’は、前記長手方向軸に対して横断する及び/又は直交する方向に沿って、前記ハンドル3に対して離間される。
【0140】
このようにして、保持部分122b’は、シースCのセクターを保持でき、これは、内視鏡E内のシースCの入口に十分に近いため、支持体121b’の上述の動きによって、内視鏡EのチューブTに沿ったシースCの軸方向の動きを効率的に引き起こす。実際、シースCの長いセクションが、
図1に示すように、ハンドル3と内視鏡E内のシースCの入口との間に存在し得る。そのようなセクションが少なくとも部分的に弛んでいるであろうことを考えると、そのようなセクションの長さは、実際、支持体121b’の動きとシースCの軸方向の動きとの相関を、そのようなチューブTに沿って保つことを難しくし得る。それでも、横断方向に沿って離間した保持部分122b’のそのような位置決めによって、保持部分122b’が、内視鏡E内でシースCの入口の十分に近くにシースCを保持できるようにする。
【0141】
本説明による操作群1の操作ユニット2は、シースCの柔軟性を効果的に及びこの目的に使用できるようにする。
【0142】
実際、内視鏡Eの同じ上流のセクションにおいて、大体、例えば円に、シースCを湾曲させて配置することによって、そのような湾曲した位置決めを有効に使い、保持部分に、内視鏡E内でその入り口に十分に近くにシースCを保持させ、支持体7を動かすことにより、シースCの、それゆえチューブTに沿った手術器械Sの軸方向の動きを得るために、有効性の点で、上述の効果を得ることが可能になる。
【0143】
そのような状況は、
図17及び
図18に示すような操作群1の第1の実施形態、及び
図23から推論され得るような操作群1bの第2の実施形態の双方で得られ得る。
【0144】
組立体123は、前記支持体121b’と単体で作製され得るため、前記支持体121b’及び前記組立体123は、永久的に前記接続状態を取る。この場合、そのような接続手段124は、前記組立体123と前記支持体121b’との間に位置する移行領域を含む。
図11に示すような接続手段124は、使用者が前記組立体123に対して前記支持体121b’の回転を引き起こすことができるように、構成され得る。このようにして、前記支持体121b’及び前記組立体123は前記接続状態を取り、且つ前記組立体123はハンドル3での前記組立状態を取るが、そのような使用者は、前記ハンドル3に対して前記支持体7、121b’の向きを変更して、前記向きを特定のニーズに適合させ得る。或いは、組立体123と支持体121b’との間の上述の移行領域は、使用者が前記回転を引き起こすことができるようにする、構造的弱化部分とし得る。
【0145】
図示の例によれば、支持体7、121又は121’は、はめ輪であり、これは、前記使用者の(手袋をはめた)指に嵌められ得る及び/又は取り付けられ得るため、そのような使用者は、そのような指によって、支持体7、121又は121’の前記動き、それゆえ、同様に、シースCのそのような軸方向の動きを引き起こすことができる。それゆえ、
図19及び
図20に示す第1の変形例では、支持体121は、支持体121内に貫通空洞を規定して、そのようなはめ輪を使用者の指に安定して嵌めることができるようにする。はめ輪が嵌められるように構成され得る指の例は、
図17及び
図18にFで示されている。
図18に示すように、そのようなはめ輪は、薬指に安定して嵌められるように構成され得る。
図17に示すように、操作ユニット2は、中指に嵌められ得、これはまた、ハンドル3を操作するために同時に使用され得る。
【0146】
第1の変形例に関して、そのような空洞21は、
図19及び
図20では、1211で、詳細に示されている。
【0147】
第2の変形例に関して、そのような空洞は、
図21及び
図22では、1211’で、詳細に示されている。
【0148】
支持体7、121又は121’がはめ輪であることによって、保持部分122a又は122a’が、内視鏡E内のシースCの入口の十分に近くにシースCのセクターを保持できるようにして、支持体7、121又は121’の上述の動きを可能にして、内視鏡EのチューブTに沿ったシースCの軸方向の動きを効果的に引き起こすようにする。
【0149】
操作群1の第1の実施形態(
図17及び
図18)と操作群1bの第2の実施形態(
図23)との違いは、以下の通りである。すなわち、
- 操作群1では、支持体7、121又は121’ははめ輪であり(閉鎖した又は少なくとも部分的に開放した環状体)、はめ輪は、ハンドルとは無関係であり、且つはめ輪が嵌められており且つハンドル3に作用することによって手術器械Sを操作するのと同じ手Mに属する指Fによって、使用者が、支持体7、121又は121’のそのような動き、それゆえ、また、内視鏡EのチューブTに沿ったシースCの軸方向の動き、それゆえ、また、そのようなチューブTに沿った手術器械Sの軸方向の動きを引き起こすことができるようにし、
- 操作群1bでは、支持体121b’が組立体123との接続状態を取り、及び同じ組立体123がハンドル3での組立状態を取るとき、操作ユニット12b’はハンドル3と一体になるため、使用者は、ハンドル3に、又は直接支持体121b’に作用することによって、支持体121b’の前記動き(それゆえ、また、内視鏡EのチューブTに沿ったシースCの軸方向の動き、それゆえ、また、そのようなチューブTに沿った手術器械Sの軸方向の動き)を引き起こすことができる。
【0150】
操作群1の第1の実施形態(
図17及び
図18)は、使用者が手術器械Sを操作できるようにする一方、そのような手Mの他の指は、ハンドル3の少なくとも1つのアクチュエータ5と係合しており、また、支持体7、121又は121’によって、内視鏡EのチューブTに沿ったシースCの軸方向の動き、それゆえ、また、内視鏡Eのチューブに沿った手術器械Sの軸方向の動きを引き起こして、患者体内で手術器械Sの遠位端s2の位置決めを調整できるようにし、必要な場合には、また手術器械Sの作動を同時に行い、いずれの場合も、同じ手で(好都合なことに、同様にハンドル3の操作に関わる1本の指で)、手術器械Sのそのような作動を引き起こす。
【0151】
操作群1bの第2の実施形態(
図23)は、同様に少なくとも1つのアクチュエータ5に係合されている指によって支持されている同じハンドル3によって、ハンドル3への組立体123の組立状態で、及び支持体121b’と組立体123との間の接続状態124で、操作ユニット12b’が支持されることができるようにする。それゆえ、この場合、使用者は、少なくとも1つのアクチュエータ5に係合されている同じ指で、チューブTに沿ったシースCの軸方向の動き、それゆえ、チューブTに沿った手術器械Sの軸方向の動きを引き起こし、操作ユニット12b’を1本の指に嵌める必要なく、同様に単に操作ユニット12b’を押すことによって、手術器械Sを操作する。
【0152】
概して、操作群1の第1の実施形態(
図17及び
図18)によれば、支持体7、121又は121’は、そのような手Mのいずれかの部分に安定して嵌められる及び/又は取り付けられるように構成され得、手術器械Sを操作するのと同じ手Mで、内視鏡EのチューブTに沿って、シースCを軸方向に動かす可能性がある場合に、上述の効果を得るようにすることを考える。
【0153】
それゆえ、操作群の第1の実施形態と操作群の第2の実施形態1bは、操作ユニット2、12b’のそれらの技術的態様の形態において、互いに異なり、これにより、機器Dを操作するのと同じ手Mで、シースCの軸方向の動きを引き起こす、好都合な可能性を得ることを可能になる。
【0154】
操作群1の第1の実施形態に関し、操作ユニット2の変形例は、実質的に保持部分、調節ユニットの形態において、及び保持手段において、それゆえ、操作ユニット2のそれらの技術的態様において、互いに異なり、これにより、支持体7の動きとシースCの軸方向の動きとの間の因果関係(その支持体7の動きは、同様に、上記によれば、ハンドル3を操作するのと同じ手、好都合なことに同じ1本の指によって引き起こされる)の定義を可能にすることをさらに明記しておく。
【0155】
それゆえ、本説明による操作群1は、前記ハンドル3を支持する同じ手によってもたらされ得るシースの操作ユニット2を含んでおり、使用者が、ハンドル3の少なくとも1つのアクチュエータ5と操作ユニット2とを、自由自在に、同時に又は同時ではなく、操作できるようにし、手術器械の作動、及び内視鏡Eのチューブに沿った、シースCの軸方向の動き、それゆえ、また、手術器械の軸方向の動きを結果として生じて、操作端s2が動作するように設計されている患者の体内の体積部において、操作端s2の操作の動き及び操作端s2の位置の変更の双方を、より効率的に、同じ手Mで、得るようにする。
【0156】
ある意味では、操作ユニット2は、ハンドル3の一部とみなされ得る。
【0157】
本説明による医療用操作キットが、少なくとも1つの内視鏡Eと、本説明による操作群1、1b、1cとを含む。そのような医療用キットはまた、
図17又は
図18に示すように、少なくとも1つのさらなる構成要素を含み得る。
【0158】
それゆえ、内視鏡Eに入ってそこから出る前に、上述の遠位端セクターでは、機器Dはまた、そのような少なくとも1つのさらなる構成要素を通過するとし得る。
【0159】
本発明の重要性の例は、手術器械が大腸のジアテルミーポリペクトミースネアによって代表される場合によって、与えられる。
【0160】
処置は、創傷の捕捉及びそれに続く切断によって特徴づけられる。
【0161】
この場合、シースCはカテーテルである。
【0162】
捕捉は、スネア内にポリープを入れることからなり、その開閉は、スネアのカテーテルを外向きに摺動させることによって決定され、これは、ハンドル3のアクチュエータによって決定される。ポリープを捕捉するために、内視鏡Eを正しく位置決めした後、スネアの開閉が要求され、これは、内視鏡Eの端部に対する、カテーテルの近位及び遠位方向の動きに関連付けられて、ハンドル3によって実施される。そのような操縦には、極めて協調性が必要である。同様に、ポリープの捕捉後に、組織の応答に従って、スネアを徐々に閉じることによって得られる切断ステップでは、ハンドル3に加えられる圧力の適切な変更が要求される。スネアを閉鎖する間、創傷の開裂面(cleavage plane)からの創傷の分離に都合がよいように、及び腸壁のより深い層への熱損傷を減少させるための双方のために、スネアと一緒に動きを行うことも適切である。
【0163】
従来技術の技術によれば、内視鏡専門医は、内視鏡Eを操縦するために片手を使用するため、通常、内視鏡専門医は、第2の手を用いて、処置の実施に必要とされる2つの操作行為、すなわち、内視鏡Eによって体内に導入される、手術器械が拘束されているカテーテルの動き、及びハンドル3でのアクチュエータの作動のうちの一方のみを操作できる。それゆえ、後者の行為は、一般的に、助手によって実施され、助手は、ほとんどの場合医師ではなく、通常看護師である。二人の使用者間が完全に調和していることがどれほど重要であるか、及び医師によって下された命令が明白で分かりやすいものであるだけでなく、助手によって正確に解釈されることがどれほど重要であるかを理解できることは明らかである。
【0164】
操作群1、1b、1cは、これらの問題を克服する。
【0165】
好都合なことに、本説明による操作群1、1b、1cによって、医師は、内視鏡EのチューブTに沿って医療機器Dを動かし、且つ同時に、一人で、及び同じ手で、医療機器Dを作動させるために必要な操作を全て実施できる。
【0166】
好都合なことに、上述のタイプの操作ユニット2、12b’は、任意のハンドル3と併せて使用され得る。それゆえ、操作ユニット2、12b’は、既に使用されている操作キットを実装するために、別個に供給され得る。
【0167】
好都合なことに、上述のタイプの操作ユニット2、12b’は、医療機器Dを、直接、すなわちさらなる要素を介在させることなく、例えば、モータ、サーボ制御部、レバー又は同様のものを介在させることなく、操作できるようにする。このようにして、特に、チューブTに沿ってシースCに与えられた軸方向の動きに応答して、内視鏡Eで使用され得且つ内視鏡EのチューブTに沿った医療機器DのシースGの軸方向の動きを生成するとき、操作ユニット2、12b’は、使用者の最大限の感度及び医療機器Dの最大限の操作精度を保証する。
【0168】
好都合なことに、上述のタイプの操作ユニット2、12b’は、使用者が、内視鏡検査の間に必要な操作の全てを片手Mのみで確実に実施できるようにすると同時に、使用者の手Mの動き/関節の最大限の自由を保証する。
【0169】
好都合なことに、上述のタイプの操作ユニット2、12b’は、使用者がいくつかの異なる操作を1本の指Fで実施できるようにし、それにもかかわらず、その指は、最大限の関節の自由を有する。
【0170】
好都合なことに、上述のタイプの操作ユニット2、12b’は、既に一般的に使用されているタイプのハンドル3に適用され得、これらハンドルは、ハンドル3自体の構造又はその機能には全く変更を行わずに、医療機器Dに事前に統合されているか又は組み立て可能である。
【0171】
上述のタイプの操作ユニット2、12b’は、手の曲げ伸ばしの動きを制限することなく、使用者の手の最大限の動きの自由を可能にする。好都合なことに、上述のタイプの操作ユニット2、12b’は、その動きのために他の指を巻き込まない、換言すると、手の指の全てに対し、最大限の動きの自由を残している。それゆえ、上述のタイプの操作ユニット2、12b’に起因して、使用者は、任意のタイプのハンドル/任意のタイプのハンドルに組み立てられて上述のタイプの操作群1、1b、1cを構成する医療機器を、把持して操作することが簡単になり、ここでは、使用者の手は、操作ユニット2、12b’とハンドル3との間の連絡手段の機能を果たす。
【0172】
それゆえ、好都合なことに、上述のタイプの操作ユニット2、12b’は、現在既に使用されているハンドルの使用を可能にし、それゆえ、医療機器Dの構造及びハンドル3は、既に使用されているものに対して変更されていないため、文献に一般的に説明されている一般的に実行可能な手順を維持できる。この意味では、操作ユニット2、12b’は、操作の全てを片手での管理に委ねることを可能にする。それゆえ、上述のタイプの操作ユニット2、12b’は、既存の使用プロトコルを、商業用の医療機器D及びハンドル3のために維持できるようにし(既存の付属品/医療機器で説明した技術から、切断及び凝固の現在の方法まで)、感度及び安全性の点で、それを著しく向上させる。
【0173】
それゆえ、上述のタイプの操作ユニット2、12b’によって、操作プロトコル及び操作の動きの実施方法は変わらず、リスクを最小限にする。
【0174】
好都合なことに、どのように操作ユニット2が、指、特に爪節骨をシースCと実質的に一体的にするかが明らかとなっている。さらに、どのように、指、特に爪節骨が、特に受容可能であり、それゆえ、操作ユニット2に起因して、使用者は、医療機器Dで、直接的な感覚で、組織の正確な抵抗に気づくことができるかが明らかとなっている。
【0175】
好都合なことに、上述のタイプの操作ユニット2は、いずれの使用者(使用者の指のサイズ)にも、及び現在市販されているいずれのタイプのハンドルにも、適合され得る。
【0176】
好都合なことに、操作ユニット2は、経済的なコストが抑えられた、使い捨てタイプである。これにより、操作ユニット2をもっぱら1つの操作に使用することを保証し、結果として、安全性及び感染予防の利点を生じる。
【0177】
好都合なことに、操作ユニット2は、かなり体積が減少され、結果として、保管及び輸送の利点を生じる。