(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】溶融金属濾過装置および方法
(51)【国際特許分類】
C22B 9/02 20060101AFI20240718BHJP
F27D 11/02 20060101ALI20240718BHJP
C22B 26/22 20060101ALI20240718BHJP
B22D 43/00 20060101ALI20240718BHJP
B22D 1/00 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
C22B9/02
F27D11/02 Z
C22B26/22
B22D43/00 C
B22D1/00 L
(21)【出願番号】P 2021547547
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(86)【国際出願番号】 US2020018238
(87)【国際公開番号】W WO2020168161
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-02-10
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515257689
【氏名又は名称】パイロテック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン リチャード エス.
(72)【発明者】
【氏名】トマシ マイク
(72)【発明者】
【氏名】レイノルズ マーク
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-504339(JP,A)
【文献】特開平07-216465(JP,A)
【文献】特開平06-228670(JP,A)
【文献】特開平04-301042(JP,A)
【文献】特開2013-136812(JP,A)
【文献】特開平05-140660(JP,A)
【文献】特開平06-330197(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103781921(CN,A)
【文献】国際公開第2013/099471(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 9/02
B22D 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床と、金属入口と、金属出口と、少なくとも1つの濾過要素によって区画されるように適合された壁面とを有する濾過チャンバを備える溶融金属濾過装置であって、前記濾過要素は、複数の相互接続された空隙によって特徴づけられる開通気泡構造を有し、前記濾過要素は、前記濾過チャンバを区画し、少なくとも1つのヒータデバイスは、前記濾過要素と等しいかまたはそれより下にある濾過チャンバ内の高さに設けられ
、少なくとも1つのヒータデバイスは、前記装置の出口チャネル内に配置されている、溶融金属濾過装置。
【請求項2】
前記濾過要素の上に配置されたヒータデバイスをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも2つのヒータデバイスを備え、前記ヒータデバイスは、長手軸を有し、前記2つのヒータデバイスの前記長手軸は
互いに垂直である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも2つのヒータデバイスは、異なる高さに配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
1つのヒータデバイスは、前記濾過要素の高さより下に配置され、少なくとも1つのヒータデバイスは、前記濾過要素の一部
と同じ高さ平面内に配置される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
床と、金属入口と、金属出口と、壁面と、前記壁面を区画するカートリッジ濾過器とを有する濾過チャンバを備える溶融金属濾過装置を用意することを含む、溶融金属濾過箱を予熱して運転する方法であって、少なくとも1つの第1のヒータデバイスは、前記カートリッジ濾過器と等しいかまたはそれより下にある前記濾過チャンバ内の高さに設けられ、
少なくとも1つの第2のヒータデバイスは、前記装置の出口チャネル内に配置され、両方のヒータ要素は、予熱工程の少なくとも一部に対して有効であり、前記少なくとも1つの第1のヒータデバイスは、鋳造サイクルの少なくとも一部の間、有効である、方法。
【請求項7】
少なくとも1つの第3のヒータデバイスは、前記箱の蓋に設けられる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のヒータデバイスおよび前記第
3のヒータデバイスは、同時に異なる温度で動作される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第
3のヒータデバイスは、前記予熱工程中及び保持工程中は有効であり、鋳造工程中はより低い温度で動作される、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、溶融金属から不純物を濾過する分野に関する。特に、本開示は、溶融金属濾過箱の独特な設計に関する。しかしながら、本例示的実施形態は、他の同様の溶融金属濾過システムにも適用可能であることを理解されたい。
【背景技術】
【0002】
金属の溶融、精錬及び形成、特に溶融金属の鋳造においては、溶融金属から含有物を分離することが望ましい。このような含有物は、溶融物を形成するために使用される原料中に存在する不純物、溶融物の表面に形成されるスラグ、ドロス及び酸化物、並びに溶融金属の溶融物が形成されるチャンバ又は容器を形成するために使用される耐火性材料の小さな破片から生じる。このような含有物は、金属の溶融状態から除去されない場合、最終的に凝固された金属体(鋳造操作の最終生成物)に、脆弱な領域および/または多孔性をもたらす可能性がある。
【0003】
典型的には、金属鋳造操作において、金属溶融物は、炉の中で形成され、時には合金化され、又は他の方法で精製され、構成成分は、未溶融スクラップ及び/又は精製されたバージン金属の形態で添加される。低密度固体は溶融物の表面に拡散する(migrate)傾向があり、スラグやドロスなどとして知られている部分的および完全に固化した酸化物と結合して発泡または浮遊する。これらの浮遊不純物はしばしば溶融物の表面からこそぎ落とされる。しかしながら、より高い、及び類似の密度の不純物は、溶融液中のある程度の懸濁液中に残留する傾向があり、こそぎ落とされたり、さもなければ、溶融金属から視覚的に識別されたり、選択的に除去されたりすることができない。
【0004】
炉から、溶融金属は形成工程に移される。輸送は取鍋(とりべ)または他の装置を用いて行うことができる。あるいは、溶融金属を、炉から直接引き出し、溝切り手段(channeling means)(継続的に鋳造させるプロセス)を介して鋳型に流すことができる。
【0005】
溶融金属の輸送または搬送中に、溶融物の表面から、残留するドロス又はスラグ、および溶融物中に浸漬された同伴された外因性の金属間含有物が、最終凝固段階の前に確実に除去されることが多くの場合、望ましい。
【0006】
スラグやドロスを含む外因性金属間化合物の含有を防止するのに使用される1つの方法は、溶融炉と形成段階との間で溶融金属を濾過することである。この濾過工程を達成するための種々の手段が当業者には周知である。濾過の例が、米国特許第4,964,993;4,444,377;4,426,287;4,413,813;4,384,888;4,330,328;4,330,327;4,302,502;4,298,187;4,258,099;4,179,102;4,159,104;4,081371;4,032,124;3,869,282;および5,126,047号に記載され、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
このようなシステムでは、耐熱材料の濾過媒体または濾過要素が使用される。好ましい材料は、高温での溶融、金属との化学反応、および浸食による劣化に抵抗する。濾過媒体はまた、高温で構造的な完全性を維持しなければならず、そしてもちろん、化学反応および/またはそれらを通過するそれらの流れの機械的な防止によって、固体および半液体の流れを捕捉または防止しなければならない。
【0008】
当業者には種々の濾過設計が知られている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,369,063号は、板状に形成され得るアルミナの発泡濾過器を記載する。米国特許第5,126,047号は、耐火性板と流体連通する中空の長方形プリズムを教示している。濾過管によって相互接続された端板からなるカートリッジ濾過器もまた、当該技術分野で使用される。
【0009】
カートリッジ濾過器は、並外れた処理能力、濾過能力、および寿命を有するため、しばしば優れた濾過器と考えられている。三井金属のTKR部門では、1972年に、「メタロ濾過器(Metalofilter)」と呼ばれる溶融アルミニウム用の濾過システムを導入した。メタロ濾過器を
図1に示す。メタロ濾過器は、脱ガス部(設けられている場合)の後に、かつ鋳造部の前に設置することができる。含有物または不純粒子は、カートリッジ濾過器の表面または濾過管の中に捕捉される。例示的なカートリッジ濾過器を
図2に示す。濾過管は、通常、7、11、18、22、または28個の濾過管を備えたカートリッジ内に設置される。
【0010】
TKRメタロ濾過器は、箱を予熱し、及び/又は溶融金属温度を維持するためのヒータ又はガスバーナのセットを組み込んだ加熱蓋を備える。本開示は、改善された濾過効率を提供する改善された濾過箱を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許4,964,993号明細書
【文献】米国特許4,444,377号明細書
【文献】米国特許4,426,287号明細書
【文献】米国特許4,413,813号明細書
【文献】米国特許4,384,888号明細書
【文献】米国特許4,330,328号明細書
【文献】米国特許4,330,327号明細書
【文献】米国特許4,302,502号明細書
【文献】米国特許4,298,187号明細書
【文献】米国特許4,258,099号明細書
【文献】米国特許4,179,102号明細書
【文献】米国特許4,159,104号明細書
【文献】米国特許4,081371号明細書
【文献】米国特許4,032,124号明細書
【文献】米国特許3,869,282号明細書
【文献】米国特許5,126,047号明細書
【発明の概要】
【0012】
以下、本開示の様々な詳細を要約して、基本的な理解を提供する。本概要は、本開示の広範な概説ではなく、本開示の特定の要素を特定することも、その範囲を描画することも意図していない。むしろ、本概要の主な目的は、以下に提示されるより詳細な説明に先立って、本開示のいくつかの概念を簡略化した形で提示することである。
【0013】
本開示の一態様によれば、溶融金属濾過装置が提供される。装置は、床と、金属入口と、金属出口と、複数の相互接続された空隙を特徴とする開通気泡構造を有する少なくとも1つの濾過要素によって区画されるように適合された壁面と、を有する濾過チャンバを備える。濾過要素は、濾過チャンバを区画する。少なくとも1つのヒータデバイスが、濾過要素と等しいかまたはそれより下にある濾過チャンバ内の高さに設けられている。
【0014】
さらなる実施形態によれば、溶融金属濾過箱を予熱し操作する方法が提供される。本方法は、床、金属入口、金属出口、および少なくとも1つのカートリッジ濾過器によって区画されるように適合された壁面を有する濾過チャンバを備える溶融金属濾過装置を提供するステップを含む。カートリッジ濾過器は、複数の相互接続された空隙を特徴とする開通気泡構造を有する。少なくとも第1のヒータデバイスが濾過箱の蓋の中に設けられ、少なくとも第2のヒータデバイスがカートリッジ濾過器と等しいか、またはそれより下にある濾過チャンバ内の高さに設けられる。本方法は、少なくとも予熱期間にわたって両方のヒータデバイスを作動させ、鋳造サイクル中に第2のヒータデバイスのみを作動させるステップを含む。
【0015】
別の実施形態によれば、溶融金属濾過装置が提供される。装置は、床と、金属入口と、金属出口と、複数の濾過要素によって区画されるように適合された壁面とを有する濾過チャンバを含む。濾過要素は、端板間に分散された濾過管を含む。濾過管は、複数の相互接続された空隙を特徴とする開通気泡構造を有する。濾過管は、少なくとも2つの行および少なくとも2つの列に配置される。これらの行および列は、少なくとも1つのヒータデバイスを開放空間内に配置した開放空間を画定する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下の説明および図面は、本開示の特定の例示的な実装形態を詳細に説明する。しかしながら、例示された実施例は、本開示の多くの可能な実施形態を網羅するものではない。
【0017】
【
図2】従来技術のカートリッジ濾過器の斜視図である。
【
図3】本開示による濾過装置の平面図(部分的に透視図)である。
【
図4】線
4-
4に沿った
図3の装置の断面図である。
【
図5】本開示による別の濾過装置の実施形態の平面図(部分的に透視図)である。
【
図6】線
6-
6に沿った
図5の装置の断面図である。
【
図7】本開示による更に別の濾過装置の実施形態の平面図(部分的に透視図)である。
【
図8】線
8-
8に沿った
図2の装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面を参照することにより、本明細書に開示する構成要素、プロセスおよび装置のより完全な理解を得ることができる。これらの図は、本開示を説明する便宜および容易さに基づく単なる概略的な表現であり、したがって、デバイスまたはその構成要素の相対的なサイズおよび寸法を示すこと、および/または例示的な実施形態の範囲を定義または制限することを意図していない。
【0019】
以下の説明では、明瞭のために特定の用語を使用するが、これらの用語は、図面で説明するために選択された実施形態の特定の構造にのみ言及することを意図しており、開示の範囲を定義または制限することを意図していない。以下の図面および以下の説明において、同様の数字の指定は、同様の機能の構成要素を指すことを理解されたい。
【0020】
単数形の「a」、「an、」及び「the」は、文脈上明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0021】
本明細書中で使用される場合、約、一般的に、および実質的に、という用語は、そのような用語によって修飾される要素または数字の目的に有意に影響しない構造的または数値的修飾を包含することを意図する。
【0022】
明細書および特許請求の範囲において使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、「~から成る(consisting of)」および「本質的に~から成る(consisting essentially of)」という実施形態を含み得る。本明細書において使用される場合、「含む(comprise(s))」「含む(include(s))」、「有する(having)」、「有する(has)」、「できる(can)」、「含む(contain(s))」という用語、およびこれらの変形は、列挙した成分/工程の存在を必要とし、かつ他の成分/工程の存在を許す、オープンエンドの移行句、用語、または語であることを意図している。しかしながら、そのような記載は、組成物または方法を、列挙した成分/工程の「~から成る(consisting of)」および「本質的に~から成る(consisting essentially of)」としても記載するものと解釈されなければならず、それは、そこから生じるかもしれない任意の不純物と共に、指定された成分/工程のみの存在を可能にし、他の成分/工程を除外する。
【0023】
ここで
図2を参照して、代表的なカートリッジ濾過器12を示す。板14及び板16は、複数の濾過管18を受け入れる。管の第1端は開放され、板16内の通路と嵌合可能であり、一方、管の第2端は閉鎖され、板14内に収容可能である(
図1の図を参照)。溶融金属は、濾過管及び板16内の通路を通って濾過箱の出口に流れる。カートリッジ濾過器12は、例えば、フォークリフトまたは油圧式位置決め機器によって持ち上げられ、
図3~
図8に示すタイプの濾過箱に挿入されたり、濾過箱から取り外されたりすることができる。
【0024】
開放板16の外向き表面の少なくとも一部は、拡張可能なガスケット材料、例えば、3Mから入手可能なバーミキュライトで覆うことができ、これは、開放板16を濾過箱壁に確実に密封し、溶融金属の漏出を防止するために使用される。
【0025】
濾過管18の多孔質セラミック材料は、Pyrotek,Inc.のMetaullics Systems Divisionから入手可能な耐火性結合炭化ケイ素であり得、板14及び板16の材料は、Pyrotek,Inc.から入手可能な耐火性結合炭化ケイ素であり得る。
【0026】
カートリッジ濾過器付き濾過箱は、連続鋳造プロセスで最も一般的に使用される。例示的な鋳造操作は、約50メートルトンの溶融金属を1600ポンド/分の速度で処理する。鋳造ピットをリセットする必要性のために、鋳造操作プロセス中(すなわち、炉が空乏化され、新しい溶融金属バッチにリサイクルされる前)に60個以上のホールドが存在し得る。
【0027】
鋳造サイクル保持中の濾過管および箱内の溶融金属は、高温に維持されなければならない。
図1に示すように、この結果を達成するために、加熱要素は、歴史的に濾過箱の蓋の中に配置されている。
【0028】
本発明者らは、これが3,000及び5,000シリーズ合金(特に5,000シリーズ)のようなマグネシウム含有合金の加工に関して問題となることを発見した。また、温度が高く保持時間が長いほど、より多くのMgO(x)が形成される。これらの酸化物は、濾過管の寿命を短くするように作用する。例えば、5,000シリーズの合金を加工する場合、カートリッジ濾過器の寿命は、17メトリックトンまで短くなることがある。本発明者らは、蓋ヒータのみを使用した結果、濾過箱内の溶融金属上の雰囲気がユニット内で最も高温のゾーンである場合に、この問題が悪化することを発見した。
【0029】
既存の濾過大豆設計(filtration soy designs)の別の欠点は、溶融金属を効果的に処理するために濾過管を予熱する必要性に関連する。また、管が正常に機能するには、800°C以上でなければならない。予熱プロセスには15時間以上かかる場合がある。しかしながら、本発明者らは、箱蓋を使用して濾過管の全深さを加熱すると、不均一な温度暴露が生じ得ることを分かった。さらに、蓋加熱要素により近い濾過管は、(例えば)800°Cより高い温度に曝され、管の下の列が800°Cに達することになる。管の頂部の列をより高い加熱温度に曝すと、曝された濾過管が損傷する恐れがある。また、過熱は、結合剤の破損および/または管欠陥を引き起こし得る。
【0030】
ここで
図3および4を参照して、本開示の第1の実施形態を示す。濾過箱100は、端板114及び端板116を有し、それらの間に複数の濾過管118が行及び列に配置されたカートリッジ濾過器112を含む。カートリッジ濾過器112の下方には、浸漬ヒータ120,122,124が設けられている。溶融金属中の使用に適したグローバー浸漬ヒータは、東燃(株)から入手可能である。追加のヒータは、
図1に示すのと同じ方法で濾過箱の蓋内に配置することができる。
【0031】
意図したメルトライン(melt line)より下に浸漬ヒータを追加することは、予熱中の特定の濾過管の過熱を有利に回避し、より速いペースで予熱を実行することを可能にし、金属が充填されたときに箱全体にわたってより一貫した温度を付与し、望ましくない酸化物が形成される可能性が最も高い溶融金属の上の雰囲気の過熱を回避し、ガス雰囲気ではなく熱伝導性の高い金属に熱を導入することによってエネルギーを節約する。
【0032】
本発明の設計により、加熱プロファイルの柔軟性をさらに向上させることができる。例えば、存在する場合、蓋ヒータは、予熱中および/または鋳造サイクル保持中に、意図したメルトラインより下のヒータと組み合わせて使用することができるが、そうでなければ止めておくことができる。同様に、メルトライナの下の蓋ヒータ及びヒータは、鋳造プロセスの任意の時点で作動されることになるが、溶融ライナの下のヒータは、より高い温度で作動させることができると考えられる。
【0033】
ここで
図5および
図6を参照して、本開示の第2の実施形態を示す。濾過箱200は、端板214及び端板216を有し、それらの間に複数の濾過管218を行及び列に配置したカートリッジ濾過器212を含む。カートリッジ濾過器212と同じ高さに浸漬ヒータ220,222,224,226が設けられる。また、本実施形態では、カートリッジ濾過器212には、ヒータ222,224を受容する管の間隙230が設けられている。ヒータ220、226は、濾過箱出口チャネル240内のヒータ220、224に対して垂直に縦に整列して配置される。この構成は、利用可能な空間を最大化し、カートリッジ濾過器に隣接する有効ゾーンにヒータを配置し、鋳造サイクル中に溶融金属中に沈める。追加のヒータは、
図1に示すのと同じ方法で濾過箱の蓋内に配置することができる。
【0034】
ここで
図7および8を参照して、本開示の第3の実施形態を示す。この構成は、第2の実施形態と同様であるが、この場合、濾過管318間の間隙330が狭くなっており、浸漬ヒータ322,324が垂直に積層されている。これは、カートリッジ濾過管の中および周囲の有効な位置にヒータデバイスを最適に配置するために、多くの構成が利用可能であることを示している。
【0035】
本開示は、カートリッジ濾過器を含む濾過箱を例示しているが、濾過器本体に隣接しかつその下にあるヒータ要素の配置も、板状または矩形プリズム濾過器などの他の濾過器の設計に有利に使用することができると考えられる。
【0036】
本出願及びその結果生じる特許の特許庁及び読者が本出願に添付された特許請求の範囲を解釈するのを助けるために、出願人は、「~のための手段」又は「~のためのステップ」という文言が特定の特許請求の範囲において明示的に使用されない限り、添付された特許請求の範囲又は特許請求の範囲の要素のいずれも35U.S.C.第112条(f)を援用する意図を有さない。
【0037】
好ましい実施形態を参照して本実施形態を説明した。明らかに、前述の詳細な説明を読んで理解すると、他の人には修正や変更が生じるであろう。例示的な実施形態は、添付の特許請求の範囲またはその等価物の範囲内に入る限り、そのようなすべての修正および変更を含むものと解釈されることを意図する。
【0038】
本出願は、2019年2月15日に出願された米国仮出願第62/806,057号の利益を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。