(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】周辺開口部を有するエアロゾル冷却要素を備えるエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
A24D 3/17 20200101AFI20240718BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240718BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20240718BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
A24D3/17
A24F40/20
A24D1/20
A24D3/04
(21)【出願番号】P 2021571777
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(86)【国際出願番号】 EP2020064761
(87)【国際公開番号】W WO2020245012
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-05-01
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】グイドッティ エンリコ
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-538842(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1568843(CN,A)
【文献】特表2014-528711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/17
A24F 40/20
A24D 1/20
A24D 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱時にエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品であって、
エアロゾル形成体を含むエアロゾル発生基体のロッドであって、前記エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で10パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有する、エアロゾル発生基体のロッドと、
前記エアロゾル発生基体のロッドのすぐ下流に位置する中空管状支持要素と、
前記中空管状支持要素の下流に位置する第一のエアロゾル冷却要素であって、前記エアロゾル冷却要素が、中空管状セグメントを備え、前記中空管状セグメントが、横壁の上流の第一の空洞および前記横壁の下流の第二の空洞を画定するように、前記中空管状セグメントが、前記中空管状セグメントの上流端と下流端との間の位置に周壁と前記横壁とを備える、第一のエアロゾル冷却要素と、を備え、
前記横壁が、前記第一の空洞と前記第二の空洞との間の流体連通を確立する一つ以上の横方向開口部を備え、
前記周壁が、前記中空管状セグメントの外部と、前記第一の空洞および前記第二の空洞の少なくとも一方との間の流体連通が確立されるように、前記横壁から離れた一つ以上の長軸方向位置に位置する一つ以上の周辺開口部を備える、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記一つ以上の周辺開口部が、前記中空管状セグメントの前記外部と前記第一の空洞との間の流体連通が確立されるように、前記横壁の上流に位置する一つ以上の上流開口部を備える、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記一つ以上の周辺開口部が、前記中空管状セグメントの前記外部と前記第二の空洞との間の流体連通が確立されるように、前記横壁の下流に位置する一つ以上の下流開口部を備える、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記一つ以上の周辺開口部が、複数の周辺開口部を備え、前記中空管状セグメントの前記外部と前記第一の空洞との間の流体連通が確立されるように、前記複数の周辺開口部が、前記横壁の上流に位置する一つ以上の上流開口部を備え、前記中空管状セグメントの前記外部と前記第二の空洞との間の流体連通が確立されるように、前記複数の周辺開口部が、前記横壁の下流に位置する一つ以上の下流開口部を備える、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記一つ以上の上流開口部の軸方向長さが、前記一つ以上の下流開口部の軸方向長さよりも短い、請求項4に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記一つ以上の周辺開口部が、一つ以上の円形開口部を備える、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記一つ以上の円形開口部の直径が、少なくとも約0.5mmである、請求項6に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記一つ以上の円形開口部の直径が約2mm以下である、請求項6または7に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記一つ以上の周辺開口部が、一つ以上の楕円形開口部を備える、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記一つ以上の楕円形開口部の表面積が、約15平方mm~約95平方mmである、請求項9に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記周壁と前記横壁の外周の間に位置する環状絶縁部材をさらに備える、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記中空管状支持要素の下流の第二のエアロゾル冷却要素をさらに備え、前記第一のエアロゾル冷却要素が前記第二のエアロゾル冷却要素の下流に位置し、前記エアロゾル発生物品の下流端までずっと延在する、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記第一のエアロゾル冷却要素の前記第二の空洞が、前記エアロゾル発生物品の前記下流端で口端空洞を画定する、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項14】
前記第一のエアロゾル冷却要素の前記第一の空洞の長さが、前記第一のエアロゾル冷却要素の前記第二の空洞の長さよりも短い、請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項15】
前記第一の空洞の長さと前記第二の空洞の長さとの間の比が、少なくとも約0.15である、請求項1~14のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生基体を含み、加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するように適合された、エアロゾル発生物品、およびこのようなエアロゾル冷却要素を含むエアロゾル発生物品で使用するためのエアロゾル冷却要素に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当業界で公知である。典型的に、こうした加熱式喫煙物品においてエアロゾルは、熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル発生基体または材料は熱源に接触して、または熱源内に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物は冷えるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
数多くの先行技術文書は、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置を開示している。かかる装置としては、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式エアロゾル発生装置が挙げられる。
【0004】
加熱式エアロゾル発生物品用の基体はこれまで典型的に、たばこ材料のランダムに配向された断片、より糸、または細片を使用して生成されてきた。より最近では、集結されたたばこ材料のシートから形成されるロッドなどの、燃焼されるのではなく、加熱されるエアロゾル発生物品のための代替的な基体が開示されている。例として、国際特許出願第WO-A-2012/164009号に開示されるロッドは、空気がロッドを通して引き出されることを可能にする長軸方向の空隙率を有する。さらなる代替として、国際特許出願第WO-A-2011/101164号は、均質化したたばこ材料のより糸から形成された、加熱式エアロゾル発生物品のためのロッドを開示していて、これは粒子状たばこおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む混合物の鋳造、圧延、カレンダ成形、または押出成形によって形成されて、均質化したたばこ材料シートを形成し得る。別の実施形態では、WO-A-2011/101164のロッドは、粒子状たばこおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む混合物を押出成形して、均質化したたばこ材料の連続的な長さを形成することによって得られた均質化したたばこ材料のより糸から形成されてもよい。
【0005】
加熱式エアロゾル発生物品用の基体は典型的に、エアロゾル形成体、すなわち使用時にエアロゾルの形成を容易にする、および好ましくはエアロゾル発生物品の使用温度で熱分解に対して実質的に耐性がある化合物または化合物の混合物をさらに含む。適切なエアロゾル形成体の例として、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、およびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0006】
また、加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品中に、同一のラッパーの中で基体とともに組み立てられる一つ以上の追加的な要素を含むことも一般的である。かかる追加的な要素の例には、マウスピース濾過セグメント、エアロゾル発生物品に構造的強度を付与するように適合された支持要素が含まれる。
【0007】
また、マウスピースに到達する前にエアロゾルの冷却に有利なように適合された冷却要素を加熱する際に吸入可能エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品に含むことも提案されている。一例として、WO2013/120565は、エアロゾル発生物品、エアロゾル形成基体、およびロッド内のエアロゾル形成基体の下流に位置するエアロゾル冷却要素を開示する。一実施形態では、エアロゾル冷却要素は、複数の長軸方向に延在するチャネルを画定するように集結されたポリ乳酸(PLA)の捲縮したシートを含む。エアロゾルの流れがエアロゾル冷却要素を通して引き出されるとき、熱は、エアロゾルからPLAのシートに伝達され得る。
【0008】
熱帯気候によって特徴付けられる国において頻繁に遭遇するものなど、特に高温多湿の気象条件下において上述のタイプのエアロゾル発生物品が使用される場合、当該物品のマウスピースによって到達される温度は、42°C~45°Cの範囲と同じ高さであり得る。これらの温度は、一部の消費者にとって不快感または軽度の痛みの感じと関連付けられてもよく、唇、口、舌、および粘膜などの敏感な組織が、使用中にマウスピースの表面と直接接触し得る。理論に拘束されることを意図するものではないが、これは、皮膚温度の増加に応答する温かい熱受容体が、約45度で最も応答性が高いためであると理解される。対照的に、皮膚の温度が約30°C~約36°Cであるとき、温かい熱受容体は自発的に活発であるが、一般的に暖かさ(中性熱領域)の認識はない。加えて、皮膚は、熱的侵害受容体として知られている熱感受性受容体も含有しており、これは、皮膚の温度が45°Cを超えて上昇する時に痛みを伴う感覚をもたらす。これは、温度に応答する侵害受容体は、組織損傷が差し迫っている可能性があること、および罹患した身体部分が熱源から速やかに引き出されるべきことを中枢神経系に合図することを意味するためである。
【0009】
したがって、消費者に送達されるエアロゾルの冷却を最適化するように適合されたエアロゾル発生物品に、新規の改善されたエアロゾル冷却要素を提供することが望ましい。また、使用中に消費者の感応性組織と接触し得る、本物品の口端の表面の冷却を最適化するように適合されたエアロゾル発生物品用の、新規かつ改善されたエアロゾル冷却要素を提供することが望ましい。同時に、既存の設備および装置の主要な修正を必要とせずに効率的かつ高速で製造することができる、一つのこうしたエアロゾル発生物品を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、エアロゾル発生物品で使用するように構成されたエアロゾル冷却要素に関する。エアロゾル冷却要素は、中空管状セグメントを備えてもよく、中空管状セグメントは、中空管状セグメントの上流端と下流端との間の位置に、周壁と横壁を備えてもよく、その結果、中空管状セグメントは、横壁の上流の第一の空洞と横壁の下流の第二の空洞を画定し得る。横壁は、第一の空洞と第二の空洞との間の流体連通を確立する一つ以上の横方向開口部を備え得る。周壁は、中空管状セグメントの外部と第一の空洞と第二の空洞の少なくとも一方との間の流体連通が確立されるように、横壁から離れた一つ以上の長軸方向位置に位置する一つ以上の周辺開口部を備えてもよい。
【0011】
本開示の第一の態様によれば、エアロゾル発生物品で使用するように構成されたエアロゾル冷却要素が提供される。エアロゾル冷却要素は、中空管状セグメントを備え、中空管状セグメントは、中空管状セグメントの上流端と下流端との間の位置に周壁および横壁を備え、その結果、中空管状セグメントは、横壁の上流の第一の空洞および横壁の下流の第二の空洞を画定する。横壁は、第一の空洞と第二の空洞との間の流体連通を確立する一つ以上の横方向開口部を備える。周壁は、中空管状セグメントの外部と第一の空洞と第二の空洞の少なくとも一方との間の流体連通が確立されるように、横壁から離れた一つ以上の長軸方向位置に位置する一つ以上の周辺開口部を備える。
【0012】
本発明は、加熱時にエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品に関する。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドを備える。エアロゾル発生基体のロッドは、エアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で10パーセントを超えるエアロゾル形成体の含有量を有し得る。エアロゾル発生物品は、上述のように、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置する、本開示の第一の態様による第一のエアロゾル冷却要素を備え得る。
【0013】
本発明の第二の態様によると、加熱時にエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品が提供される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドを備える。エアロゾル発生基体のロッドは、エアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で10パーセントを超えるエアロゾル形成体の含有量を有し得る。エアロゾル発生物品は、上述のように、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置する、本開示の第一の態様による第一のエアロゾル冷却要素を備える。
【0014】
本開示の別の態様によれば、上述のエアロゾル発生物品と、発熱体およびエアロゾル発生基体のロッドが、加熱チャンバ内で加熱されるようにエアロゾル発生物品を受容するように構成された細長い加熱チャンバを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置と、を備えるエアロゾル発生システムが提供される。
【0015】
当然のことながら、本発明または開示の一態様に関して説明した任意の特徴は、本発明または開示の任意の他の態様にも等しく適用可能である。
【0016】
用語「エアロゾル発生物品」は、本明細書では、本発明に関連して、エアロゾル発生基体が加熱されて、エアロゾルを生成し、消費者に送達する物品を記述するために使用される。加熱時に揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生することができる使用基体として。
【0017】
従来の紙巻たばこは、ユーザが紙巻たばこの一方の端に炎を当てて、もう一方の端を通して空気を引き出す時に点火される。炎と紙巻たばこを通して引き出された空気中の酸素とによってもたらされた局在化した熱は、紙巻たばこの端を点火させて、その結果生じる燃焼は吸入可能な煙を発生する。これに反して、加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは風味発生基体(たばこなど)を加熱することによって発生される。公知の加熱式エアロゾル発生物品としては、例えば電気加熱式エアロゾル発生物品と、可燃性燃料要素または熱源から、物理的に分離されたエアロゾル形成材料への熱の伝達によってエアロゾルが発生されるエアロゾル発生物品とが挙げられる。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの中に挿入されるように適合されている内部ヒーターブレードを有する電気加熱式のエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムにおいて特定の用途がある。このタイプのエアロゾル発生物品は、先行技術、例えばEP0822670に記載されている。
【0018】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体と相互作用してエアロゾルを発生するヒーター要素を備える装置を指す。
【0019】
使用中、揮発性化合物は、熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成し、これを消費者が吸い込む。
【0020】
本明細書で使用される「管状要素」という用語は、その長軸方向軸に沿った内腔または気流通路を画定する細長い要素を意味する。本明細書の文脈では、「管状」という用語は、管状要素の上流端と管状要素の下流端との間の流体連通を確立する少なくとも一つの気流導管を画定する、実質的に円筒状の断面を有する任意の管状要素を包含することが意図される。本発明に関連して本明細書で使用される場合、用語「中空」は、チャンバまたは空洞などの内部の空の空間を画定する管状要素を記述するために使用される。
【0021】
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生物品の上流端と下流端の間に延びる、エアロゾル発生物品の主長軸方向軸に対応する方向を指す。本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中にエアロゾル発生物品を通してエアロゾルが搬送される方向に関してエアロゾル発生物品の要素(または要素の一部)の相対的な位置を説明する。使用中、空気はエアロゾル発生物品を通して長軸方向に引き出される。「横断方向」という用語は、長軸方向軸に対して直角を成す方向を指す。エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生物品の構成要素の「断面」への任意の言及は、別途記載のない限り、横断断面を指す。
【0022】
「長さ」という用語は、長軸方向におけるエアロゾル発生物品の構成要素の最大寸法を意味する。例えば、長軸方向におけるロッドまたは管状要素の寸法を意味するために使用されてもよい。特に、本発明の文脈において、「管状要素の長さ」という用語は、管状要素の上流端と下流端との間の最大距離を示すために使用される。さらに、「管状要素の内部空洞の長さ」という用語は、横壁と管状要素の上流端のおよび下流端の対応する一方との間の最大距離を示すために使用される。
【0023】
用語「周辺」は、外周に位置する要素を指す。用語「周壁」は、エアロゾル冷却要素の中空管状セグメントの外周を画定する壁を指し、用語「周辺開口部」は、周壁によって画定されるこうした外周に位置する開口部を指す。「横壁から離れた位置」という用語は、横壁の同じ位置に位置していない位置を指す。したがって、横壁から離れる長軸方向位置は、横壁の長軸方向位置とは異なる長軸方向位置を指す。さらに、本発明の周辺開口部は、エアロゾル冷却要素に対して放射状かつ長軸方向に延在する。
【0024】
「管状要素の周壁の厚さ」という用語は本明細書において、管状要素の壁の外表面と内表面との間で測定された最小距離を意味するために使用される。実際に、所与の位置での距離は、管状要素の壁の対向する側面と局所的に実質的に直角を成す方向に沿って測定される。実質的に円筒状の管状要素、すなわち、実質的に円形の断面を有する管状要素については、周壁の厚さは、管状要素の実質的に半径方向に沿って測定される周壁の外表面と内表面との間の距離として評価される。
【0025】
「空気不透過性材料」という表現は本明細書の全体を通して、材料中の隙間また細孔を通して流体、特に空気および煙の通過を可能にしない材料を意味するために使用される。管状支持要素が空気およびエアロゾル粒子に対して不透過性の材料で形成されている場合、支持要素を通して引き出される空気およびエアロゾル粒子は、気流導管を通って流れることを強制されるが、支持要素の壁を横切って流れることはできない。
【0026】
対照的に、「多孔性」という用語は本明細書において、材料を通した空気の通過を可能にする複数の細孔または開口部を提供する材料を指すために使用される。
【0027】
「開口部の等価直径」という用語は本明細書において、開口部の断面と同一の表面積を有する円形開口部の直径を意味するために使用される。
【0028】
本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」という用語は、たばこ材料の粒子の凝集によって形成される任意のたばこ材料を包含する。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉の茎のうちの一方または両方を粉砕することによって、またはその他の方法で粉末化することによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されている。加えて、均質化したたばこ材料は、たばこの処理中、取り扱い中、および輸送中に形成された少量のたばこダスト、たばこ微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料のシートは、鋳造、押出成形、製紙プロセス、または当業界で公知の他の任意の適切なプロセスによって生産されてもよい。
【0029】
本発明によるエアロゾル冷却要素およびエアロゾル発生物品では、エアロゾル冷却要素は、物品を流れるエアロゾルの温度を低下させるように適合されると同時に、エアロゾルの流れを均質化し、エアロゾルの流れが消費者の口に送達される方法を細かく制御する。
【0030】
より詳細には、エアロゾル冷却要素の構造および特徴は、消費者にとって不快感または痛みの感覚と関連付けられ得る閾値を下回る物品のガス流の温度を一貫して低下させるようなものであることが見出された。理論に拘束されることを意図するものではないが、本発明によるエアロゾル発生物品において、物品を流れるエアロゾルからの熱は、エアロゾル冷却要素の材料が伝導および対流によって加熱される際に、好都合に放散されることが理解される。同時に、エアロゾルの流れは、横壁の一つ以上の開口部を通して濃縮され、その後、より広く下流空洞の断面にわたって分布されるので、使用中に消費者の唇と接触し得る物品の外表面の過熱は、特に高温多湿の天候条件下で使用される場合でも有利に防止される。加えて、横壁が流れを部分的に遮断し、空気および空中揮発性エアロゾル種を横壁の一つ以上の開口部を通して方向付けるため、乱流が増加し、そのため、ガス流から横壁への熱伝達は、ガス流から周壁への熱伝達よりも好ましいと予想される。
【0031】
エアロゾル冷却要素の周壁とガス流との間の熱伝達は、横壁の存在のためにあまり好まれないという事実に加えて、本発明は、使用中にユーザの唇と直接接触するように構成されたエアロゾル冷却要素の管状セグメントの一部が、周辺開口部を有することを確実にする。こうした周辺開口部の存在は、エアロゾル冷却要素の任意の過熱した外表面とユーザの唇との間の接触を最小化する。
【0032】
一つ以上の周辺開口部はまた、外部環境からの空気がエアロゾル冷却要素に出入りすることを可能にする。これにより、エアロゾル冷却要素の外側の空気と、エアロゾル冷却要素の内部との間に熱伝達が生じ、エアロゾル冷却要素の空気中を流れる冷却エアロゾルの機能が増強される。したがって、流動エアロゾルから横壁への熱伝達は、流動エアロゾルから周壁への熱伝達よりもさらに好ましい。
【0033】
また、周辺開口部の提供は、エアロゾル冷却要素が比較的軽量であることを意味する。これは、次いで、より軽いエアロゾル発生物品をもたらす。
【0034】
本発明によるエアロゾル発生物品は、連続的なプロセスで製造されることができ、かつその生産は、高速で都合よく実行することができ、製造設備の広範な修正を必要とすることなく、加熱式エアロゾル発生物品の製造用の既存の生産ラインに組み込むことができる。
【0035】
エアロゾル冷却要素は、中空管状セグメントの上流端と下流端との間の位置に横壁を有する中空管状セグメントを含む。中空管状セグメントによって内部的に画定される実質的に円筒形の内腔は、横壁によって二つの空間、すなわち、横壁の上流の第一の空洞と横壁の下流の第二の空洞に分割される。横壁は、横壁を通って延在する一つ以上の開口部を含み、それにより、第一の空洞と第二の空洞との間の一つ以上の開口部を介して流体連通が確立される。
【0036】
理論に拘束されることを意図するものではないが、エアロゾル冷却要素の上流空洞は、空気および物品を通して引き出されるエアロゾル揮発性種が、一つ以上の開口部を通してさらに下流に引き出される前に、横壁の一つ以上の開口部の周りに集中することを可能にし得ることが理解される。横壁に設けられる開口部の数、形状およびサイズは、エアロゾル冷却要素のRTD、ならびにエアロゾル発生物品のRTDを調整するために選択され得る。さらに、開口部の数、形状、およびサイズは、空気およびエアロゾル揮発性種の均質化を支持し、ならびにそれらの流れの乱流を増加させるために選択され得る。
【0037】
エアロゾル冷却要素は、比較的高い熱容量を有する材料で作製されてもよく、その結果、エアロゾル冷却要素は、これなしに、エアロゾル冷却要素の温度の大幅な上昇を引き起こすことなく、物品を流れるエアロゾルによって運ばれる熱エネルギーを吸収することができる。例として、エアロゾル冷却要素は、熱可塑性紙化合物を含むセルロース系化合物から作製されてもよい。別の例として、エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸(PLA)またはポリヒドロキシアルカン酸(PHA)から作製されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、横壁は、単一の開口部、より好ましくは、実質的に中央にある単一の開口部を有する。中央開口部の等価直径は、少なくとも約0.2ミリメートルであることが好ましい。中央開口部の等価直径は、少なくとも約0.3ミリメートルであることがより好ましい。
【0039】
中央開口部の等価直径は、約0.8ミリメートル以下であることが好ましい。中央開口部の等価直径は、約0.6ミリメートル以下であることがより好ましい。
【0040】
一部の好ましい実施形態では、中央開口部の等価直径は、約0.2ミリメートル~約0.8ミリメートルであり、0.2ミリメートル~約0.6ミリメートルであることがより好ましい。他の実施形態では、中央開口部の等価直径は、約0.3ミリメートル~約0.8ミリメートルであることが好ましく、約0.3ミリメートル~約0.6ミリメートルであることがより好ましい。
【0041】
他の実施形態では、横壁は、複数の開口部を有する。好ましくは、横壁は、複数の実質的に等しく円周方向に間隔を置いた開口部を有する。例えば、4個、6個、8個、10個、12個の、実質的に等しく円周方向に間隔を置いた開口部が、横壁に設けられてもよい。
【0042】
これらの実施形態では、各開口部の等価直径は、少なくとも約0.1ミリメートルであることが好ましい。各開口部の等価直径は、少なくとも約0.2ミリメートルであることがより好ましい。これらの実施形態では、各開口部の等価直径は、約0.7ミリメートル以下であることが好ましい。各開口部の等価直径は、約0.5ミリメートル以下であることがより好ましい。好ましい実施形態では、各開口部の等価直径は、約0.1ミリメートル~約0.7ミリメートル、または約0.1ミリメートル~約0.5ミリメートルであり、約0.2ミリメートル~約0.7ミリメートル、または約0.2ミリメートル~0.5ミリメートルであることがより好ましい。
【0043】
いくつかの実施形態では、複数の開口部はすべて、エアロゾル冷却要素の長軸方向軸から同じ放射方向距離に配置されてもよい。他の実施形態では、複数の開口部は、開口部のサブセットを含んでもよく、各サブセグメントの開口部は、エアロゾル冷却要素の長軸方向軸から異なる放射方向距離に配置される。
【0044】
いくつかのの実施形態では、横壁が、エアロゾル冷却要素の長軸方向軸から第一の放射方向距離に実質的に等しく円周方向に間隔を置いた開口部の第一のサブセット(例えば、4個の開口部のサブセット)とエアロゾル冷却要素の長軸方向軸から第二の放射方向距離に実質的に等しく円周方向に間隔を置いた開口部の第二のサブセット(例えば、6個の開口部のサブセット)であって、第二の放射状距離が、第一の放射状距離よりも大きい、開口部の第二のサブセットと、を備えることができる。これは、エアロゾル冷却要素を通した空気および揮発性エアロゾル種の流れの特に均質な分布を可能にし得る。
【0045】
別の実施形態では、横壁は、横壁の半径よりも短い長さにわたって、横壁の中心から延在する複数の実質的に放射状のスリットを有する。本明細書で使用される場合、表現「実質的に放射状」は、エアロゾル発生物品の半径に実質的に沿って横壁の中心から延在するスリットを記述するために使用される。放射状スリットの長さは、中空管状セグメントの半径よりも小さい。言い換えれば、放射状スリットは、横壁の中心から、横壁の中心と中空管状セグメントの周壁との間の中間位置へ延在する。
【0046】
スリットの断面形状は、実質的に長方形または三角形であってもよい。例として、横壁は、3個、4個、5個、6個、8個、10個、または12個の実質的に放射状のスリットを備え得る。したがって、エアロゾル冷却要素の端部から見たとき、複数の実質的に放射状のスリットは、横壁に星形の開口部またはアスタリスク形状の開口部を画定するように見え得る。
【0047】
物品の長軸方向軸に沿って測定される横壁の厚さは、実質的に一定であってもよい。あるいは、横壁の厚さは放射状に変化し、横壁の外周で最大である。いくつかの実施形態では、横壁は、上流空洞および横壁に隣接する下流空洞の実質的に先細りまたは面取りまたは切断された円錐形状部分を画定するように形状付けられる。したがって、中空管状セグメントの内径は、横壁に向かってある程度先細りする。これは有利には、空気および揮発性エアロゾル種が横壁内の一つ以上の開口部に向かって徐々に向けられるように、エアロゾル冷却要素のコアにガス状のエアロゾル流を集中させることを容易にし得る。
【0048】
エアロゾル冷却要素の長さは、約5ミリメートル~約35ミリメートルであり得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル冷却要素の長さは、約5ミリメートル~約25ミリメートル、約5ミリメートル~約20ミリメートル、または約5ミリメートル~約19ミリメートルである。
【0049】
エアロゾル冷却要素の長さは、少なくとも約8ミリメートルであることが好ましい。エアロゾル冷却要素の長さは、少なくとも約9ミリメートルであることがより好ましい。エアロゾル冷却要素の長さは、約30ミリメートル以下、約8ミリメートル~約25ミリメートル、約8ミリメートル~約20ミリメートル、または約8ミリメートル~約19ミリメートルであることが好ましい。エアロゾル冷却要素の長さは、約25ミリメートル以下であることがより好ましい。エアロゾル冷却要素の長さは、約20ミリメートル以下であることがなおより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素の長さは、19ミリメートル以下である。
【0050】
好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素の長さは、約8ミリメートル~約30ミリメートル、約8ミリメートル~約25ミリメートル、約8ミリメートル~約20ミリメートル、または約8ミリメートル~約19ミリメートル、より好ましくは約9ミリメートル~約30ミリメートル、約9ミリメートル~約25ミリメートル、約9ミリメートル~約20ミリメートル、または約9ミリメートル~約19ミリメートルである。
【0051】
第一の空洞の長さは、第二の空洞の長さよりも短いことが好ましい。
【0052】
好ましい実施形態では、第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は、少なくとも約0.15である(言い換えれば、第一の空洞の長さの第二の空洞の長さに対する比は、少なくとも約0.15である)。第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は、少なくとも約0.20であることがより好ましい。第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は、少なくとも約0.25であることがなおより好ましい。特に好ましい実施形態では、第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は、少なくとも約0.33である。
【0053】
第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は、約0.95以下であることが好ましい。第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は、約0.9以下であることがより好ましい。第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は、約0.8以下であることがなおより好ましい。
【0054】
いくつかの実施形態では、第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は、約0.15~約0.95、約0.15~約0.9、または約0.15~約0.8である。他の実施形態では、第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は、約0.20~約0.95、約0.20~約0.9、または約0.20~約0.8である。さらなる実施形態では、第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は、約0.25~約0.95、約0.25~約0.9、または約0.25~約0.8である。いくつかの他の実施形態では、第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は、約0.33~約0.95、約0.33~約0.9、または約0.33~約0.8である。
【0055】
特に好ましい実施形態では、第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は、約0.15~約0.95であり、より好ましくは約0.2~約0.9、なおより好ましくは約0.25~約0.8である。
【0056】
好ましい実施形態では、第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は約0.72である。別の実施形態では、第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は約0.8である。
【0057】
第一の空洞の長さは、少なくとも約3ミリメートルであることが好ましい。第一の空洞の長さは、少なくとも約4ミリメートルであることがより好ましい。第一の空洞の長さは、少なくとも約5ミリメートルであることがなおより好ましい。第一の空洞の長さは、約13ミリメートル以下であることが好ましい。第二の空洞の長さは、約8ミリメートル以下であることがより好ましい。第一の空洞の長さは、7ミリメートル以下であることがなおより好ましい。
【0058】
いくつかの実施形態では、第一の空洞の長さは、約3ミリメートル~約13ミリメートル、約3ミリメートル~約8ミリメートル、または約3ミリメートル~約7ミリメートルである。他の実施形態では、第一の空洞の長さは、約4ミリメートル~約13ミリメートル、約4ミリメートル~約8ミリメートル、または約4ミリメートル~約7ミリメートルである。さらなる実施形態では、第一の空洞の長さは、約5ミリメートル~約13ミリメートル、約5ミリメートル~約8ミリメートル、または約5ミリメートル~約7ミリメートルである。
【0059】
いくつの好ましい実施形態では、第一の空洞の長さは、約3ミリメートル~約13ミリメートルであり、約4ミリメートル~約8ミリメートルであることがより好ましく、約5ミリメートル~約7ミリメートルであることがなおより好ましい。
【0060】
第二の空洞の長さは、少なくとも約4ミリメートルであることが好ましい。第二の空洞の長さは、少なくとも約5ミリメートルであることがより好ましい。第二の空洞の長さは、少なくとも約6ミリメートルであることがなおより好ましい。第二の空洞の長さは、約17ミリメートル以下であることが好ましい。第二の空洞の長さは、約11ミリメートル以下であることがより好ましい。第二の空洞の長さは10ミリメートル以下であることがなおより好ましい。
【0061】
いくつかの実施形態では、第二の空洞の長さは、約4ミリメートル~約17ミリメートル、約4ミリメートル~約11ミリメートル、または約4ミリメートル~約10ミリメートルである。他の実施形態では、第二の空洞の長さは、約5ミリメートル~約17ミリメートル、約5ミリメートル~約11ミリメートル、または約5ミリメートル~約10ミリメートルである。さらなる実施形態では、第二の空洞の長さは、約6ミリメートル~約17ミリメートル、約6ミリメートル~約11ミリメートル、または約6ミリメートル~約10ミリメートルである。
【0062】
いくつかの好ましい実施形態では、第二の空洞の長さは、約4ミリメートル~約13ミリメートルであり、約5ミリメートル~約11ミリメートルであることがより好ましく、約6ミリメートル~約10ミリメートルであることがなおより好ましい。
【0063】
中空管状セグメントの周壁の厚さは少なくとも約0.2ミリメートルであることが好ましい。中空管状セグメントの周壁の厚さは、少なくとも約0.5ミリメートルであることがより好ましい。中空管状セグメントの周壁の厚さは、少なくとも約1ミリメートルであることがなおより好ましい。中空管状セグメントの周壁の厚さは3.5ミリメートル以下である。中空管状セグメントの周壁の厚さは3ミリメートル以下であることがより好ましい。中空管状セグメントの周壁の厚さは、約2.5ミリメートル以下であることがなおより好ましい。
【0064】
いくつかの実施形態では、中空管状セグメントの周壁の厚さは、約0.2ミリメートル~約3.5ミリメートル、約0.2ミリメートル~約3ミリメートル、または約0.2ミリメートル~約2.5ミリメートルである。他の実施形態では、中空管状セグメントの周壁の厚さは、約0.5ミリメートル~約3.5ミリメートル、約0.5ミリメートル~約3ミリメートル、または約0.5ミリメートル~約2.5ミリメートルである。さらなる実施形態では、中空管状セグメントの周壁の厚さは、約1ミリメートル~約3.5ミリメートル、約1ミリメートル~約3ミリメートル、または約1ミリメートル~約2.5ミリメートルである。
【0065】
いくつかの好ましい実施形態では、中空管状セグメントの周壁の厚さは、約0.2ミリメートル~約3.5ミリメートルであり、約0.5ミリメートル~約3ミリメートルであることがより好ましく、約1ミリメートル~約2.5ミリメートルであることがなおより好ましい。
【0066】
中空管状セグメントの外径は、少なくとも約3ミリメートルであることが好ましい。中空管状セグメントの外径は、少なくとも約4ミリメートルであることがより好ましい。中空管状セグメントの外径は、少なくとも約5ミリメートルであることがなおより好ましい。中空管状セグメントの外径は、約13ミリメートル以下であることが好ましい。中空管状セグメントの外径は、約10ミリメートル以下であることがより好ましい。中空管状セグメントの外径は、約8ミリメートル以下であることがなおより好ましい。
【0067】
いくつかの実施形態では、中空管状セグメントの外径は、約3ミリメートル~約13ミリメートル、約3ミリメートル~約10ミリメートル、または約3ミリメートル~約8ミリメートルである。他の実施形態では、中空管状セグメントの外径は、約4ミリメートル~約13ミリメートル、約4ミリメートル~約10ミリメートル、または約4ミリメートル~約8ミリメートルである。さらなる実施形態では、中空管状セグメントの外径は、約5ミリメートル~約13ミリメートル、約5ミリメートル~約10ミリメートル、または約5ミリメートル~約8ミリメートルである。
【0068】
好ましい実施形態では、中空管状セグメントの外径は、約3ミリメートル~約13ミリメートルであり、約4ミリメートル~約10ミリメートルであることがより好ましく、約5ミリメートル~約8ミリメートルであることがなおより好ましい。いくつかの実施形態では、中空管状セグメントの外径は、約4ミリメートル~約8ミリメートルである。
【0069】
中空管状セグメントの内径は、少なくとも約2ミリメートルであることが好ましい。中空管状セグメントの内径は、少なくとも約3ミリメートルであることがより好ましい。中空管状セグメントの内径は、少なくとも約4ミリメートルであることがなおより好ましい。中空管状セグメントの内径は、約10ミリメートル以下であることが好ましい。中空管状セグメントの内径は、約7.5ミリメートル以下であることがより好ましい。中空管状セグメントの内径は、約6ミリメートル以下であることがなおより好ましい。
【0070】
いくつかの実施形態では、中空管状セグメントの内径は、約2ミリメートル~約10ミリメートル、約2ミリメートル~約7.5ミリメートル、または約2ミリメートル~約6ミリメートルである。他の実施形態では、中空管状セグメントの内径は、約3ミリメートル~約10ミリメートル、約3ミリメートル~約7.5ミリメートル、または約3ミリメートル~約6ミリメートルである。さらなる実施形態では、中空管状セグメントの内径は、約4ミリメートル~約10ミリメートル、約4ミリメートル~約7.5ミリメートル、または約4ミリメートル~約6ミリメートルである。
【0071】
好ましい実施形態では、中空管状セグメントの内径は、約2ミリメートル~約10ミリメートルであり、約3ミリメートル~約7.5ミリメートルであることがより好ましく、約4ミリメートル~約6ミリメートルであることがなおより好ましい。いくつかの実施形態では、中空管状セグメントの内径は、約3ミリメートル~約7.5ミリメートルである。
【0072】
好ましくは、一つ以上の周辺開口部は、単一の周辺開口部を備え得る。なおより好ましくは、一つ以上の周辺開口部は、複数の周辺開口部を備える。
【0073】
いくつかの好ましい実施形態では、一つまたは複数の周辺開口部は、同じ形状の一つ以上の開口部を備え得る。一つ以上の周辺開口部は、異なる形状の一つ以上の開口部を備え得る。周辺開口部のこうした形状は、楕円形および円形であることが好ましい。
【0074】
しかし、周辺開口部の形状は、正方形、長方形、または正方形と円形との間の形状中間、または長方形と円形の間の形状中間などの形状の任意の組み合わせなどの任意の他の形状を含んでもよい。正方形と円形との間の形状中間の例は、squircleである。長方形と円形との間の形状中間の例は、スタジアムであり、これは対の対向する面に半円を有する長方形からなる。
【0075】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の周辺開口部は、中空管状セグメントの外部と第一の空洞との間の流体連通が確立されるように、横壁の上流に位置する一つ以上の上流開口部を備え得る。
【0076】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の周辺開口部は、中空管状セグメントの外部と第二の空洞との間の流体連通が確立されるように、横壁の下流に位置する一つ以上の下流開口部を備え得る。
【0077】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の周辺開口部は、こうした上流開口部のみを備え得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の周辺開口部は、こうした下流開口部のみを備え得る。
【0078】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の周辺開口部は、上流開口部および下流開口部の組み合わせを備え得る。
【0079】
好ましい実施形態では、一つ以上の周辺開口部が、複数の周辺開口部を備え、中空管状セグメントの外部と第一の空洞との間の流体連通が確立されるように、複数の周辺開口部が、横壁の上流に位置する一つ以上の上流開口部を備え、中空管状セグメントの外部と第二の空洞との間の流体連通が確立されるように、複数の周辺開口部が、横壁の下流に位置する一つ以上の下流開口部を備える。こうした好ましい実施形態では、第一の空洞の長さは、第二の空洞の長さよりも短い。こうした好ましい実施形態では、一つ以上の上流開口部の軸方向長さは、一つ以上の下流開口部の軸方向長さよりも短くてもよい。
【0080】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の上流の周辺開口部は、複数の上流の周辺開口部を備え得る。複数の上流の周辺開口部は、周壁を囲むために、周壁の周りに設けられ得る。上流の周辺開口部は、互いに対してエアロゾル冷却要素に沿った同じ軸方向位置に位置し得る。上流の周辺開口部は、互いに対して異なる軸方向位置または長軸方向位置に位置してもよい。
【0081】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の下流の周辺開口部は、複数の下流の周辺開口部を備え得る。複数の下流の周辺開口部は、周壁を囲むために、周壁の周りに設けられ得る。下流の周辺開口部は、互いに対してエアロゾル冷却要素に沿った同じ軸方向位置に位置し得る。下流の周辺開口部は、互いに対して異なる長軸方向位置に位置してもよい。
【0082】
複数の上流および下流の周辺開口部の両方が設けられる好ましい実施形態では、上流の周辺開口部は、下流の周辺開口部の数と同じ数の開口部を備えてもよい。こうした実施形態では、上流の周辺開口部および下流の周辺開口部は、互いに対して位置合わせされてもよい。
【0083】
好ましくは、複数の上流の周辺開口部は、2~30個の開口部を備え得る。なおより好ましくは、複数の上流の周辺開口部は、6~20個の開口部を備え得る。
【0084】
好ましくは、複数の上流の周辺開口部は、15個の開口部を備え得る。なおより好ましくは、複数の上流の周辺開口部は、12個の開口部を備え得る。
【0085】
好ましくは、複数の下流の周辺開口部は、2~30個の開口部を備え得る。なおより好ましくは、複数の下流の周辺開口部は、6~20個の開口部を備え得る。
【0086】
好ましくは、複数の下流の周辺開口部は、15個の開口部を備え得る。なおより好ましくは、複数の下流の周辺開口部は、12個の開口部を備え得る。
【0087】
好ましい実施形態では、上流の周辺開口部の軸方向長さと第一の空洞の長さとの比は、少なくとも約0.1である。より好ましくは、上流の周辺開口部の軸方向長さと第一の空洞の長さとの比は、少なくとも約0.25である。なおより好ましくは、上流の周辺開口部の軸方向長さと第一の空洞の長さとの比は、少なくとも約0.3である。
【0088】
好ましい実施形態では、上流の周辺開口部の軸方向長さと第一の空洞の長さとの比は、0.9以下である。より好ましくは、上流の周辺開口部の軸方向長さと第一の空洞の長さとの比は、0.75以下である。なおより好ましくは、上流の周辺開口部の軸方向長さと第一の空洞の長さとの比は、0.5以下である。
【0089】
好ましい実施形態では、上流の周辺開口部の軸方向長さと第一の空洞の長さとの比の範囲は、約0.1~約0.9である。より好ましくは、上流の周辺開口部の軸方向長さと第一の空洞の長さとの比の範囲は、約0.25~約0.75である。なおより好ましくは、上流の周辺開口部の軸方向長さと第一の空洞の長さとの比の範囲は、約0.3~約0.5である。
【0090】
好ましい実施形態では、下流の周辺開口部の軸方向長さと第二の空洞の長さとの比は、少なくとも約0.2である。より好ましくは、下流の周辺開口部の軸方向長さと第二の空洞の長さとの比は、少なくとも約0.3である。なおより好ましくは、下流の周辺開口部の軸方向長さと第二の空洞の長さとの比は、少なくとも約0.4である。
【0091】
好ましい実施形態では、下流の周辺開口部の軸方向長さと第二の空洞の長さとの比は、0.9以下である。より好ましくは、下流の周辺開口部の軸方向長さと第二の空洞の長さとの比は、0.7以下である。なおより好ましくは、下流の周辺開口部の軸方向長さと第二の空洞の長さとの比は、0.5以下である。
【0092】
好ましい実施形態では、下流の周辺開口部の軸方向長さと第二の空洞の長さとの比の範囲は、約0.2~約0.9である。より好ましくは、下流の周辺開口部の軸方向長さと第二の空洞の長さとの比の範囲は、約0.3~約0.7である。なおより好ましくは、下流の周辺開口部の軸方向長さと第二の空洞の長さとの比の範囲は、約0.4~約0.5である。
【0093】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の周辺開口部は、一つ以上の円形開口部を備え得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の円形開口部の直径は、少なくとも約0.5mmであり得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の円形開口部の直径は、少なくとも約0.75mmであり得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の円形開口部の直径は、少なくとも約1mmであり得る。
【0094】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の円形開口部の直径は、約2mm以下であり得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の円形開口部の直径は、約1.75mm以下であり得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の円形開口部の直径は、約1.5mm以下であり得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の円形開口部の直径は、約1.25mm以下であり得る。
【0095】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の円形開口部の直径は、約0.5mm~約2mmであり得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の円形開口部の直径は、約0.75mm~約1.75mmであり得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の円形開口部の直径は、約1mm~約1.5mmであり得る。
【0096】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の円形開口部の直径は、約1.2mmであることが好ましい。いくつかの実施形態では、一つ以上の円形開口部の直径は、約1mmであることが好ましい。いくつかの実施形態では、一つ以上の円形開口部の直径は、約1.5mmであることが好ましい。
【0097】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の円形開口部は、複数の円形開口部を備え得る。こうした実施形態では、円形開口部の直径は、同一であってもよく、または互いに変化してもよい。
【0098】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の周辺開口部は、一つ以上の楕円形開口部を備え得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の楕円形開口部の表面積は、約15平方mm~約95平方mmであり得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の楕円形開口部の表面積は、約30平方mm~約80平方mmであり得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の楕円形開口部の表面積は、約45平方mm~約65平方mmであり得る。
【0099】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の楕円形開口部の表面積は、20平方mmであり得る。より好ましくは、一つ以上の楕円形開口部の表面積は、40平方mmであってもよい。なおより好ましくは、一つ以上の楕円形開口部の表面積は、60平方mmであり得る。いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の楕円形開口部の表面積は、80平方mmであり得る。
【0100】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の楕円形開口部の等価直径は、約4 mm~約12 mmであり得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の楕円形開口部の等価直径は、約6mm~約11mmであり得る。いくつかの実施形態では、一つ以上の楕円形開口部の等価直径は、約7mm~約10mmであり得る。
【0101】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の楕円形開口部の等価直径は約6mmであり得る。いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の楕円形開口部の等価直径は約8mmであり得る。他の好ましい実施形態では、一つ以上の楕円形開口部の等価直径は約10mmであり得る。
【0102】
いくつかの好ましい実施形態では、一つ以上の楕円形開口部は、複数の楕円形開口部を備える。こうした実施形態では、楕円形開口部の等価直径は、同一であってもよく、または互いに変化してもよい。こうした実施形態では、楕円形開口部の表面積は、同一であってもよく、または互いに変化してもよい。
【0103】
いくつかの好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、周壁と横壁の外周との間に位置する環状絶縁部材をさらに備え得る。
【0104】
こうした好ましい実施形態では、環状絶縁部材は、エアロゾル冷却要素の中空管状セグメントの材料に熱絶縁を提供する。エアロゾル冷却要素内に一つ以上の周辺開口部が設けられた結果として、流れるエアロゾルから熱を吸収する中空管状セグメント内に存在する材料はより少ない。周壁と横壁の外周との間に環状絶縁部材を備えることにより、横壁を囲む中空管状セグメントの外側部分への熱の伝達を低減する。これは、次に、エアロゾル冷却要素の全体的な外表面温度、特に、ユーザがその唇または指で接触し得るエアロゾル冷却要素の一部を低減する。環状絶縁部材は、上流の周辺開口部および下流の周辺開口部の両方が提供される実施形態において特に関連する。
【0105】
環状絶縁部材は、熱絶縁のための公知の好適な材料を含んでもよい。環状絶縁部材は、セルロース系材料、例えば紙、またはポリ乳酸(PLA)などの高分子材料を含み得る。環状絶縁部材は、生分解性材料を含むことが好ましい。
【0106】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドのすぐ下流に位置する中空管状支持要素をさらに備えてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生物品は、中空管状支持要素の下流の第二のエアロゾル冷却要素をさらに備えてもよく、第一のエアロゾル冷却要素は、第二のエアロゾル冷却要素の下流に位置し、エアロゾル発生物品の下流端までずっと延在する。
【0108】
簡潔に上述したように、エアロゾル発生物品が、中空管状支持要素とエアロゾル冷却要素との間に追加の構成要素を備えてもよく、いくつかの実施形態では、追加の構成要素が、エアロゾルを形成するために凝縮されるように基体から放出された化合物の凝縮を促進するために、エアロゾル発生基体から進入するガス流の冷却を開始するように適合された、さらなるエアロゾル冷却要素(本明細書では「二次」または「第二の」エアロゾル冷却要素とも呼ぶ)であってよい。いくつかの実施形態では、二次エアロゾル冷却要素は、複数の長軸方向に延在するチャネルを画定するポリ乳酸(PLA)などの高分子材料の集結し、任意選択的に捲縮したシートの形態であってもよい。実際には、PLAのシートは、実質的に平行な隆起または波形を形成するために「捲縮」されてもよい。その後、捲縮されたPLAシートは、集結、巻き込み、ひだ入れもしくは折り畳まれ、またはそうでなければ、実質的に平行な隆起または波形が長軸方向に延在するように長軸方向軸に対して、実質的に横断方向に圧縮または収縮されてもよい。理論に拘束されることを意図するものではないが、このような集結し、捲縮した一つの高分子材料のシートは、実質的に熱交換器として作用し得る。
【0109】
さらなるエアロゾル冷却要素の長さは、少なくとも約4ミリメートルであることが好ましい。さらなるエアロゾル冷却要素の長さは、少なくとも約6ミリメートルであることがより好ましい。さらなるエアロゾル冷却要素の長さは、少なくとも約9ミリメートルであることがなおより好ましい。さらなるエアロゾル冷却要素の長さは、約25ミリメートル以下であることが好ましい。より好ましくは、さらなるエアロゾル冷却要素の長さは、約20ミリメートル以下であることが好ましい。なおより好ましくは、さらなるエアロゾル冷却要素の長さは、約15ミリメートル以下であることが好ましい。
【0110】
いくつかの実施形態では、さらなるエアロゾル冷却要素の長さは、約4ミリメートル~約25ミリメートル、約4ミリメートル~約20ミリメートル、または約4ミリメートル~約15ミリメートルである。他の実施形態では、さらなるエアロゾル冷却要素の長さは、約6ミリメートル~約25ミリメートル、約6ミリメートル~約20ミリメートル、または約6ミリメートル~約15ミリメートルである。さらなる実施形態では、さらなるエアロゾル冷却要素の長さは、約9ミリメートル~約25ミリメートル、約9ミリメートル~約20ミリメートル、または約9ミリメートル~約15ミリメートルである。
【0111】
いくつかの好ましい実施形態では、さらなるエアロゾル冷却要素の長さは、約4ミリメートル~約25ミリメートルであり、約6ミリメートル~約20ミリメートルであることがより好ましく、約9ミリメートル~約15ミリメートルであることがなおより好ましい。
【0112】
いくつかの好ましい実施形態では、第一のエアロゾル冷却要素の第二の空洞は、エアロゾル発生物品の下流端で口端空洞を画定する。
【0113】
好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、第一のエアロゾル冷却要素の少なくとも一つ以上の開口部を囲む外側ラッパーをさらに備える。
【0114】
簡潔に上述したように、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドと、エアロゾル発生基体のロッドのすぐ下流に位置する中空管状支持要素とを組み込んでもよい。さらに、本発明によるエアロゾル発生物品は、中空管状支持要素の下流のエアロゾル冷却要素を備えてもよい。
【0115】
既存のエアロゾル発生物品とは対照的に、本発明による物品では、エアロゾル冷却要素は、エアロゾル発生物品の下流端までずっと延在する。言い換えれば、エアロゾル冷却要素は、物品の口端部分を画定し、使用中、消費者によって吸われてもよい。さらに、エアロゾル冷却要素は、その長さに沿って中間位置に横壁を有する中空管状セグメントを備える。このように、中空管状セグメントの内部体積は、第一の空洞の上流および第二の空洞に分割され、空洞はそれぞれ、横壁の上流および下流に配置される。一つ以上の開口部が、横壁を通して形成される。一つ以上の開口部は、空洞間の流体連通を確立する。
【0116】
エアロゾル発生物品の全体の長さは、少なくとも約35ミリメートルであることが好ましい。エアロゾル発生物品の全体の長さは、少なくとも約40ミリメートルであることがより好ましい。エアロゾル発生物品の全体の長さは、少なくとも約45ミリメートルであることがなおより好ましい。加えて、または代替として、エアロゾル発生物品の全体の長さは、約100ミリメートル以下であることが好ましい。エアロゾル発生物品の全体の長さは、約80ミリメートル以下であることがより好ましい。エアロゾル発生物品の全体の長さは、約75ミリメートル以下であることがなおより好ましい。エアロゾル発生物品の全体の長さは、約70ミリメートル以下であることが最も好ましい。
【0117】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生物品の全体の長さは、約35ミリメートル~約100ミリメートル、約35ミリメートル~約80ミリメートル、約35ミリメートル~約75ミリメートル、または約35ミリメートル~約70ミリメートルである。他の実施形態では、エアロゾル発生物品の全体の長さは、約40ミリメートル~約100ミリメートル、約40ミリメートル~約80ミリメートル、約40ミリメートル~約75ミリメートル、または約40ミリメートル~約70ミリメートルである。さらなる実施形態では、エアロゾル発生物品の全体の長さは、約45ミリメートル~約100ミリメートル、約45ミリメートル~約80ミリメートル、約45ミリメートル~約75ミリメートル、または約45ミリメートル~約70ミリメートルである。
【0118】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品の全体の長さは、約35ミリメートル~約80ミリメートルであり、約40ミリメートル~約75ミリメートルであることがより好ましく、約45ミリメートル~約70ミリメートルであることがなおより好ましい。
【0119】
本発明によるエアロゾル発生物品は、ラッパーによって囲まれたロッドの形態で提供され得るエアロゾル発生基体を備える。
【0120】
エアロゾル発生基体のロッドは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0121】
エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも5ミリメートルの外径を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約12ミリメートル、例えば、約5ミリメートル~約10ミリメートル、約5ミリメートル~約8ミリメートル、約6ミリメートル~約12ミリメートル、約6ミリメートル~10ミリメートル、または約6ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有し得る。好ましい一実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドは7.2ミリメートルの外径を有する。
【0122】
エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約100mmの長さを有してもよい。エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約5ミリメートルの長さを有することが好ましく、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することがより好ましい。加えて、または代替として、エアロゾル発生基体のロッドは、約100ミリメートル未満の長さを有することが好ましく、約80ミリメートル未満の長さを有することがより好ましく、約65ミリメートル未満の長さを有することがなおより好ましく、約50ミリメートル未満の長さを有することが最も好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドは、約35ミリメートル以下の長さを有し、25ミリメートル以下の長さを有することがより好ましく、約20ミリメートル以下の長さを有することがなおより好ましい。一実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドは、約10ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい一実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドは、約12ミリメートルの長さを有する。
【0123】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約80ミリメートル、約5ミリメートル~約65ミリメートル、または約5ミリメートル~約50ミリメートルの長さを有する。他の実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドは、約7ミリメートル~約100ミリメートル、約7ミリメートル~約80ミリメートル、約7ミリメートル~約65ミリメートル、または約7ミリメートル~約50ミリメートルの長さを有する。さらなる実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドは、約10ミリメートル~約100ミリメートル、約10ミリメートル~約80ミリメートル、約10ミリメートル~約65ミリメートル、または約10ミリメートル~約50ミリメートルの長さを有する。
【0124】
エアロゾル発生基体のロッドは、ロッドの長さに沿って実質的に均一な断面を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、実質的に円形の断面を有することが特に好ましい。
【0125】
好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は、一つ以上の均質化したたばこ材料のシートの集合体を含む。一つ以上の均質化したたばこ材料のシートは、テクスチャ加工されていることが好ましい。本明細書で使用される「テクスチャ加工されたシート」という用語は、捲縮され、型押しされ、デボス加工され、穿孔され、またはその他の方法で変形されたシートを意味する。本発明で使用する均質化したたばこ材料のテクスチャ加工されたシートは、複数の離隔したへこみ、突出部、穿孔、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。本発明の特に好ましい実施形態によれば、エアロゾル発生基体のロッドは、ラッパーによって囲まれた均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。
【0126】
本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、「しわ付けしたシート」という用語と同義語であることが意図され、複数の実質的に平行な隆起または波形のあるシートを意味する。均質化したたばこ材料の捲縮したシートは、実質的に本発明によるロッドの円筒軸に平行な複数の隆起または波形を有することが好ましい。これは有利なことに、ロッドを形成するための均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を容易にする。しかし、当然のことながら、本発明で使用する均質化したたばこ材料の捲縮したシートは別の方法として、または追加的に、ロッドの円筒軸に対して鋭角または鈍角で配置された複数の実質的に平行な隆起または波形を有する。ある特定の実施形態では、本発明の物品のロッドで使用する均質化したたばこ材料のシートは、実質的にその表面全体にわたって実質的に均等にテクスチャ加工されてもよい。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品で使用するロッドの製造に使用する均質化したたばこ材料の捲縮したシートは、シートの幅にわたって実質的に均一に離隔した複数の実質的に平行な隆起または波形を含んでもよい。
【0127】
本発明で使用する均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥重量基準で少なくとも約40重量パーセントのたばこ含有量を有してもよく、乾燥重量基準で少なくとも約60重量パーセントのたばこ含有量を有することがより好ましく、乾燥基準で少なくとも約70重量パーセントのたばこ含有量を有することがより好ましく、乾燥重量基準で少なくとも約90重量パーセントのたばこ含有量を有することが最も好ましい。
【0128】
エアロゾル発生基体で使用する均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、粒子状たばこを凝集するのを補助するために、一つ以上の内在性結合剤(すなわち、たばこ内因性結合剤)、一つ以上の外来性結合剤(すなわち、たばこ外因性結合剤)、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生基体で使用する均質化したたばこ材料のシートは、たばこ繊維および非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない他の添加物を含んでもよい。
【0129】
エアロゾル発生基体で使用する均質化したたばこ材料のシートまたはウェブに含める適切な外来性結合剤は当業界で公知であり、ガム(例えばグアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、およびローカストビーンガムなど)、セルロース系結合剤(例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、およびエチルセルロースなど)、多糖類(例えばデンプン、有機酸(アルギン酸など)、有機酸の共役塩基塩(アルギン酸ナトリウム、寒天、ペクチンなど)、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0130】
エアロゾル発生基体で使用する均質化したたばこ材料のシートまたはウェブに含める適切な非たばこ繊維は当業界で公知であり、セルロース繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、ジュート繊維、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。エアロゾル発生基体で使用する均質化したたばこ材料のシートに含める前に、非たばこ繊維は、当業界で公知の適切なプロセスによって処理されてもよく、プロセスには機械パルプ化、精製、化学パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、エアロゾル形成体を含むことが好ましい。本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にする、かつエアロゾル発生物品の動作温度にて熱分解に対して実質的に耐性がある、任意の好適な公知の化合物または化合物の混合物を記述する。
【0132】
好適なエアロゾル形成体は当業界で公知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、トリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0133】
好ましいエアロゾル形成体は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリンなどの多価アルコールまたはその混合物である。
【0134】
均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。
【0135】
均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥重量基準で10パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有する。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥重量基準で12パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥重量基準で14パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有することがより好ましい。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥重量基準で16パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有することがなおより好ましい。
【0136】
均質化したたばこ材料のシートは、乾燥重量基準でおよそ10パーセント~およそ30パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥重量基準で25パーセント未満のエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。
【0137】
好ましい一実施形態では、均質化したたばこ材料のシートは、乾燥重量基準でおよそ20パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する。
【0138】
本発明のエアロゾル発生物品で使用する均質化したたばこのシートまたはウェブは、当業界で公知の方法(例えば国際特許出願第WO-A-2012/164009 (A2)号で開示されている方法)によって作製されてもよい。好ましい一実施形態では、エアロゾル発生物品で使用する均質化したたばこ材料のシートは鋳造工程によって、粒子状たばこ、グアーガム、セルロース繊維、およびグリセリンを含むスラリーから形成される。
【0139】
エアロゾル発生物品で使用するロッド中の均質化したたばこ材料の代替的な配列は当業者に公知であり、また均質化したたばこ材料の複数の積み重ねられたシート、長軸方向軸を中心として均質化したたばこ材料の細片を巻き取ることによって形成された複数の細長い管状要素等を含んでもよい。
【0140】
さらなる代替として、エアロゾル発生基体のロッドは、ニコチン(例えば、ニコチン塩の形態のもの)およびエアロゾル形成体を装填した吸収材非たばこ材料のシートなど、非たばこ由来のニコチンを有する材料を含んでもよい。かかるロッドの例は、国際出願第WO-A-2015/052652号に記載されている。加えて、または代替として、エアロゾル発生基体のロッドは、香りの良い非たばこ植物材料などの非たばこ植物材料を含んでもよい。
【0141】
本発明による物品のエアロゾル発生基体のロッドにおいて、エアロゾル発生基体はラッパーによって囲まれていることが好ましい。ラッパーは多孔性または非多孔性のシート材料で形成されてもよい。ラッパーは任意の好適な材料または材料の組み合わせで形成されてもよい。ラッパーは紙ラッパーであることが好ましい。
【0142】
上述のように、管状支持要素は、エアロゾル発生基体のロッドの下流の位置に提供されてもよい。管状支持要素は、円筒状の周壁を備え、管状支持要素の上流端から管状支持要素の下流端まで長軸方向に延在する気流導管を画定する。したがって、管状支持要素は、エアロゾル発生基体のロッドと、さらに下流に位置する物品の一つ以上の構成要素との間の流体連通を確立する。
【0143】
より詳細には、管状支持要素は、ロッドと長軸方向に位置合わせされ、ロッドのすぐ下流に配置される。本発明の文脈において、「ロッドのすぐ下流」という表現は、管状支持要素とロッドとが互いに接触しているか、または互いに非常に近接していることを意味し、これにより、物品が、エアロゾル発生基体を加熱するように適合されたエアロゾル発生装置(例えば、ロッドに挿入される発熱体を含むもの)での使用のために受容されるときに、管状支持要素は、エアロゾル発生物品の変形がほとんど、もしくは全くない状態、またはロッドの変位がほとんど、もしくは全くなく状態、あるいはこれらの両方の状態で、ロッドに支持を効果的に提供する。したがって、実際には、本発明に関連して本明細書で使用される場合、「ロッドのすぐ下流」という表現は、ロッドの下流端表面と管状支持要素の周壁の上流端表面との間の最小長軸方向距離が、1ミリメートル未満、好ましくは0.5ミリメートル未満、なおより好ましくは0.25ミリメートル未満であることを示すために使用される。特に好ましい実施形態では、管状支持要素の周壁の上流端表面は、エアロゾル発生基体のロッドの下流端表面に直接接触する。
【0144】
したがって、管状支持要素は、エアロゾル発生基体のロッドをエアロゾル発生物品の下流端から所定の距離に効果的に維持し得る。さらに、管状支持要素は、エアロゾル発生物品を消費者が容易に取り扱い、使用するためにエアロゾル発生装置に都合よく挿入することができるように、エアロゾル発生物品に構造的強度を付与する。
【0145】
管状支持要素は、多孔性材料または空気不透過性材料から作製されてもよい。多孔性材料の好適な例としては、セルロースアセテートならびに当業者には公知であろう他のいくつかの多孔性ポリマー材料が挙げられる。空気不透過性材料の好適な例としては、バイオプラスチックに対する特定の好みがあれば、非多孔性ポリマー材料が挙げられるがこれに限定されない。
【0146】
好ましい実施形態では、管状支持要素は、中空のセルロースアセテート管を含む。
【0147】
使用中、管状支持要素の気流導管に沿って熱勾配が確立される。実際には、温度差は、エアロゾル発生基体のロッドの下流端で管状支持要素に入る揮発性エアロゾル成分の温度が、管状支持要素の下流端で管状支持要素を出る揮発性エアロゾル成分の温度よりも概して大きくなるように、提供される。しかしながら、これは概して、揮発性エアロゾル成分を完全に冷却するには十分ではない。
【0148】
中空管状支持要素の円筒状の周壁の厚さは、2ミリメートル以下であることが好ましい。円筒状の周壁の厚さは、1.5ミリメートル以下であることがより好ましい。円筒状の周壁の厚さは、1ミリメートル以下であることがなおより好ましい。
【0149】
中空管状支持要素の円筒状の周壁の厚さは、少なくとも0.2ミリメートルである。円筒状の周壁の厚さは、少なくとも0.4ミリメートルであることがより好ましい。円筒状の周壁の厚さは、少なくとも0.6ミリメートルであることがなおより好ましい。
【0150】
いくつかの実施形態では、中空管状支持要素の円筒状の周壁の厚さは、好ましくは約0.2ミリメートル~約2ミリメートル、より好ましくは約0.4ミリメートル~約1.5ミリメートル、なおより好ましくは約0.6ミリメートル~約1ミリメートルである。
【0151】
したがって、上流端において、円筒状の周壁は、エアロゾル発生基体のロッドの周辺部分に当接するよう適合された端部表面を提示する。いくつかの実施形態では、周壁の上流端表面は、実質的に平坦な輪郭を有してもよい。したがって、ロッドの下流端表面全体で実質的に接触することができる。代替的な実施形態では、周壁の上流端表面は、周壁がその最も外側の周辺縁でのみロッドと接触する一方、ロッドの下流端表面と周壁の内側周辺における周壁の端部表面との間にいくつかの空間が設けられるように、非平坦なプロファイル、例えば、傾斜したプロファイルまたは湾曲したプロファイルを有する。
【0152】
中空管状支持要素の長さは、少なくとも約10ミリメートルであることが好ましい。中空管状支持要素の長さは、少なくとも約15ミリメートルであることがより好ましい。中空管状支持要素の長さは、少なくとも約20ミリメートルであることがなおより好ましい。
【0153】
中空管状支持要素の長さは、約60ミリメートル以下であることが好ましい。中空管状支持要素の長さは、約50ミリメートル以下であることがより好ましい。中空管状支持要素の長さは、約40ミリメートル以下であることがなおより好ましい。
【0154】
いくつかの実施形態では、中空管状支持要素の長さは、約10ミリメートル~約60ミリメートル、約10ミリメートル~約50ミリメートル、または約10ミリメートル~約40ミリメートルである。他の実施形態では、中空管状支持要素の長さは、約15ミリメートル~約60ミリメートル、約15ミリメートル~約50ミリメートル、または約15ミリメートル~約40ミリメートルである。さらなる実施形態では、中空管状支持要素の長さは、約20ミリメートル~約60ミリメートル、約20ミリメートル~約50ミリメートル、約20ミリメートル~約40ミリメートルである。
【0155】
いくつかの好ましい実施形態では、中空管状支持要素の長さは、約10ミリメートル~約60ミリメートルであり、約15ミリメートル~約50ミリメートルであることがより好ましく、約20ミリメートル~約40ミリメートルであることがなおより好ましい。
【0156】
簡潔に上述したように、本発明によるエアロゾル発生物品は、ロッドおよび中空管状支持要素と長軸方向に位置合わせし、中空管状支持要素の下流に位置するエアロゾル冷却要素を備える。
【0157】
いくつかの実施形態では、エアロゾル冷却要素は、中空管状支持要素のすぐ下流に位置する。本発明に関連して本明細書で使用される場合、表現「中空管状支持要素のすぐ下流」は、エアロゾル冷却要素が互いに接触しているか、または互いに非常に近接していることを意味する。実際には、「中空管状支持要素のすぐ下流」という表現は、中空管状支持要素の下流端表面とエアロゾル冷却要素の周壁の上流端表面との間の最小長軸方向距離が、1ミリメートル未満、好ましくは0.5ミリメートル未満、なおより好ましくは0.25ミリメートル未満であることを示すために使用される。特に好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素の上流端表面は、中空管状支持要素の周壁の下流端表面に直接接触する。
【0158】
他の実施形態では、エアロゾル発生物品は、中空管状支持要素とエアロゾル冷却要素との間に一つ以上の追加の構成要素を備えてもよい。
【0159】
例として、エアロゾル発生物品は、粒子成分、ガス成分、またはそれらの組み合わせを除去することができる濾過材料のプラグを備えてもよい。適切な濾過材料は当業界で公知であり、例えば、酢酸セルローストウなどの繊維質の濾過材料、ビスコース繊維、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)繊維、ポリ乳酸(PLA)繊維および紙、例えば活性化アルミナ、ゼオライト、分子ふるいおよびシリカゲルなどの吸着剤、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。加えて、濾過材料のプラグは、一つ以上のエアロゾル修飾剤をさらに含んでもよい。好適なエアロゾル修飾剤は当業界で公知であり、例えばメントールなどの風味剤を含むが、これに限定されない。濾過材料のプラグの長さは、約4ミリメートル~約25ミリメートルであり得る。濾過材料のプラグの長さは、少なくとも約6ミリメートルであることが好ましく、少なくとも約8ミリメートルであることがより好ましい。濾過材料のプラグの長さは、好ましくは約25ミリメートル以下、より好ましくは約20ミリメートル以下、なおより好ましくは約15ミリメートル以下である。特に好ましい実施形態では、濾過材料のプラグの長さは、約10ミリメートル以下である。例示的な一実施形態では、濾過材料のプラグの長さは約5ミリメートルである。別の例示的な一実施形態では、マウスピースの長さは約7ミリメートルである。
【0160】
本発明によるエアロゾル発生物品の構成要素は、こうしたラッパーによって個別に囲まれてもよい。ラッパーは多孔性または非多孔性のシート材料で形成されてもよい。ラッパーは任意の好適な材料または材料の組み合わせで形成されてもよい。ラッパーは紙ラッパーであることが好ましい。しかしながら、二つ以上の構成要素も、同じラッパーによって囲まれてもよい。さらに、エアロゾル発生基体のロッドおよび他の構成要素は、典型的には、単一のラッパー内に組み立てられる。例えば、一実施形態では、エアロゾル発生物品は直線状の連続的な配設で、上述の通りのエアロゾル発生基体のロッドと、管状支持要素と、エアロゾル冷却要素と、ロッド、支持要素およびエアロゾル冷却要素を囲む外側ラッパーとを備える。別の実施形態では、エアロゾル発生物品は直線状の連続的な配設で、上述の通りのエアロゾル発生基体のロッドと、管状支持要素と、二次エアロゾル冷却要素と、エアロゾル冷却要素と、ならびにロッド、支持要素およびエアロゾル冷却要素を囲む外側ラッパーとを備える。
【0161】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生物品は、エアロゾル冷却要素に沿った位置に換気ゾーンを備える。好ましくは、エアロゾル発生物品は、エアロゾル冷却要素の長さに沿った位置に換気ゾーンを備える。
【0162】
いくつかの実施形態では、換気ゾーンは、上流空洞に沿った位置に設けられる。したがって、消費者がエアロゾル発生物品を吸う時、一部の環境空気が中空管状セグメントの周壁を通して形成される換気穴を通して上流空洞内に引き込まれるように、流体連通が外部環境と上流空洞との間に確立される。これは、環境空気をエアロゾルの流入流と混合することによって、エアロゾルの温度を低下させ、エアロゾル粒子の凝縮または成長、またはその両方に有利であり得るという点で有利である。同様に、エアロゾル冷却要素の周壁を通る環境空気の流れは、周壁の温度を所望の閾値未満に維持することをさらに容易にし得る。
【0163】
他の実施形態では、換気ゾーンは、流体連通が外部環境と下流空洞との間に確立されるように、エアロゾル冷却要素の長さに沿った位置に設けられる。特に好ましい実施形態では、換気ゾーンは、エアロゾル冷却要素の周壁および横壁を通って延在する複数の穴を備え、その結果、外部環境を下流空洞と接続する傾斜気流導管が形成される。これは、熱伝達が最大であると予想される特に横壁の近くの位置において、エアロゾル冷却要素の周壁の温度を所望の閾値未満に維持することを特に容易にし得る。
【0164】
上述のエアロゾル発生物品は、本開示の別の態様によるエアロゾル発生システムの一部として、電気的に作動するエアロゾル発生装置で使用され得る。一つのかかるエアロゾル発生システムは、上述のエアロゾル発生物品と、電気的に作動するエアロゾル発生装置と、を備え、電気的に作動するエアロゾル発生装置は、発熱体、およびエアロゾル発生物品を受容するように構成された細長い加熱チャンバ、を備え、それにより、エアロゾル発生基体のロッドが、加熱チャンバ内で加熱される。発熱体は、エアロゾル発生物品が加熱チャンバ内に受容されるときに、エアロゾル発生基体のロッドに挿入されるように適合されたヒーターブレードまたはヒーターピンを備えることが好ましい。
【0165】
ここで、図を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【
図1】
図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル冷却要素の概略側面断面図を示す。
【
図2】
図2は、エアロゾル冷却要素の横壁を示す、平面A-Aに沿った
図1のエアロゾル冷却要素の概略断面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル冷却要素の側面図を示す。
【
図4】
図4は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル冷却要素の側面図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル冷却要素の概略側面断面図を示す。
【
図6】
図6は、エアロゾル冷却要素の横壁を図示した、平面B-Bに沿った
図5のエアロゾル冷却要素の概略断面図を示す。
【
図7】
図7は、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル冷却要素の側面図を示す。
【
図8】
図8は、本発明の第四の実施形態によるエアロゾル冷却要素の側面図を示す。
【
図9】
図9は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル冷却要素を含むエアロゾル発生物品の側面断面図を示す。
【
図10】
図10は、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル冷却要素を含むエアロゾル発生物品の側面断面図を示す。
【
図11】
図11は、電気的に作動するエアロゾル発生装置と、
図9に示すエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムの概略側面断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0167】
図1に示すエアロゾル冷却要素16は、約0.5ミリメートルの厚さを有する周壁24を備える中空管状セグメント8を備える。さらに、中空管状セグメント8は、中空管状セグメント8の上流端と下流端との間の位置に横壁26を備える。このように、中空管状セグメント8は、横壁26の上流の第一の空洞28および横壁26の下流の第二の空洞30を画定する。
【0168】
横方向中央開口部32は、横壁26内に形成され、第一の空洞28と第二の空洞30との間の流体連通を確立する。第一の上流空洞28は、約6ミリメートルの長さを有する。第二の下流空洞30は、約8ミリメートルの長さを有する。したがって、第一の空洞の長さと第二の空洞の長さとの間の比は約0.75である。
【0169】
中央開口部32は、横壁26の中央位置に配設され、約0.5ミリメートルの等価直径を有する。図に示す実施形態では、横壁26は、中央開口部32の周りに位置する複数の実質的に等しく円周方向に間隔を置いた開口部33をさらに含む。
【0170】
図1および3に示す第一の実施形態では、エアロゾル冷却要素16は、第一の空洞28の周りおよび横壁26の上流に位置する複数の上流の周辺開口部34、および第二の空洞30の周りおよび横壁26の下流に位置する複数の下流の周辺開口部36を含む。上流の周辺開口部34は円形であり、下流の周辺開口部36は楕円形である。この第一の実施形態では、12個の上流の周辺開口部34および12個の下流の周辺開口部36が設けられる。
【0171】
図4に示す第二の実施形態では、エアロゾル冷却要素116は、第二の空洞30の周りおよび横壁26の下流に位置する複数の下流の周辺開口部36を備える。下流の周辺開口部34は、楕円形である第一の実施形態のものと実質的に類似している。この第二の実施形態では、12個の下流の周辺開口部36が設けられる。可能な限り、両方の実施形態に存在する物品の構成要素を識別するために、同じ参照番号が使用される。
【0172】
図5、
図6および
図7は、エアロゾル冷却要素216の第三の実施形態を示す。第三の実施形態のエアロゾル冷却要素216は、エアロゾル冷却要素16の第一の実施形態のものと同一の特徴を有するが、周壁24と横壁26の外周との間に位置する環状絶縁部材38をさらに含む。
【0173】
図8は、エアロゾル冷却要素316の第四の実施形態を示す。第四の実施形態のエアロゾル冷却要素316は、エアロゾル冷却要素116の第二の実施形態のものと同一の特徴を有するが、周壁24と横壁26の外周との間に位置する環状絶縁部材38をさらに含む。
【0174】
図9に示すエアロゾル発生物品10は、本発明の第一の実施形態による、エアロゾル発生基体12のロッド、管状支持要素14、およびエアロゾル冷却要素16を備える。これらの三つの要素は逐次的に、かつ同軸に整列して配列され、ラッパー18によって囲まれて、エアロゾル発生物品10を形成する。エアロゾル発生物品10は、口端または下流端20、および口端20に対して物品の反対側の端に位置する上流端22を有する。
図9に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体のロッドを加熱するためのヒーターを備える、電気的に作動するエアロゾル発生装置で使用するために特に適切である。
【0175】
エアロゾル発生基体のロッド12は、およそ12ミリメートルの長さ、およびおよそ7ミリメートルの直径を有する。ロッド12は円筒状の形状である、および実質的に円形の断面を有する。
【0176】
管状支持要素14は中空のセルロースアセテート管として設けられる。長さは約8ミリメートルである。管状支持要素14の外径は、約7ミリメートルである。管状支持要素14の周壁は、約1.85ミリメートルの厚さを有する。
【0177】
図10に示すエアロゾル発生物品100は、エアロゾル冷却要素216が本発明の第三の実施形態に従うという点で、
図9に示すエアロゾル発生物品10とは異なる。
図10に示すエアロゾル発生物品100の残りの構成要素は、
図9に示すエアロゾル発生物品10の構成要素と類似している。
【0178】
図11は、
図9に示すエアロゾル発生物品10のエアロゾル発生基体のロッド12を加熱するためのヒーターブレード210を利用する電気的に作動するエアロゾル発生システム200の一部分を示す。ヒーターブレード210は、電気的に作動するエアロゾル発生装置212のハウジング内のエアロゾル発生物品チャンバ内に据え付けられている。エアロゾル発生装置212は、
図11に矢印で図示されるように、空気がエアロゾル発生物品10に流れることを可能にするための複数の空気穴214を画定する。エアロゾル発生装置212は、電源および電子部品を備え、これらは
図11で図示されていない。
【0179】
図9に示すエアロゾル発生物品10は消費されるために、
図11に示すエアロゾル発生装置212に係合するように設計されている。
図10に示すエアロゾル発生物品100も消費されるために、
図11に示すエアロゾル発生装置212に係合するように設計されている。
【0180】
ユーザは、エアロゾル発生物品10、100をエアロゾル発生装置212の中に挿入し、これによってヒーターブレード210は、エアロゾル発生基体のロッド12の中に挿入される。エアロゾル冷却要素16は、装置212の口端から外側に突出する。エアロゾル発生物品10、100がエアロゾル発生装置212と係合すると、ユーザは、エアロゾル発生物品10、100のマウスピースを画定するエアロゾル冷却要素16を吸い、エアロゾル発生基体12のロッドは、エアロゾル発生基体12のロッドからエアロゾルを発生するのに十分な温度までヒーターブレード210によって加熱される。エアロゾルはエアロゾル冷却要素16を通して、ユーザの口に吸い込まれる。
【0181】
当然のことながら、
図9および10に示すエアロゾル発生物品10、100はまた、その他のタイプのエアロゾル発生装置で使用するのに適し得る。