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特許7522807コンピュータにより実現される方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】コンピュータにより実現される方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/36 20120101AFI20240718BHJP
【FI】
G06Q20/36
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022176915
(22)【出願日】2022-11-04
(62)【分割の表示】P 2019539283の分割
【原出願日】2018-01-19
(65)【公開番号】P2023015203
(43)【公開日】2023-01-31
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】1701360.8
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】318001991
【氏名又は名称】エヌチェーン ライセンシング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】スーウェル,マーティン
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0292680(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0005804(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルアセットを転送する方法であって、
複数の第1のユーザの各第1のユーザから、それぞれの第1のブロックチェーントランザクションを受信するステップであって、各第1のブロックチェーントランザクションは、前記複数の第1のユーザのそれぞれの第1のユーザのデジタル署名とそれぞれのデジタルアセットをリディームする第2のユーザのデジタル署名によってアンロック可能な出力を有する、ステップと、
前記複数の第1のユーザの各第1のユーザから、それぞれの第1のブロックチェーントランザクションに対応するそれぞれの第2のブロックチェーントランザクションを受信するステップであって、各第2のブロックチェーントランザクションは、対応する前記第1のブロックチェーントランザクションの出力に対応する入力を有し、対応する前記デジタルアセットをリディームする前記複数の第1のユーザの対応する前記第1のユーザの前記デジタル署名によってアンロック可能な出力を有する、ステップと、
前記複数の第1のユーザの各第1のユーザから、それぞれの前記第1のブロックチェーントランザクションに対応するそれぞれの第3のブロックチェーントランザクションを受信するステップであって、各第3のブロックチェーントランザクションは、対応する前記第1のブロックチェーントランザクションの出力に対応する入力を有し、対応する前記デジタルアセットをリディームする第3のユーザのデジタル署名によってアンロック可能な出力を有し、それぞれの前記第3のブロックチェーントランザクションは、対応する前記第1のユーザの前記デジタル署名及び前記第2のユーザの前記デジタル署名で署名されていない、ステップと、
前記第2のユーザによって、受信された各第2のブロックチェーントランザクションの入力を前記第2のユーザの前記デジタル署名で署名するステップと、
前記第2のユーザによって、少なくとも前記第2のユーザの前記デジタル署名で署名された少なくとも各第2のブロックチェーントランザクションを、対応するそれぞれの前記第1のユーザに返すステップと
対応する前記第1のユーザおよび前記第2のユーザによる署名のために、受信された前記第3のブロックチェーントランザクションを選択するステップと、
前記第2のユーザによって、選択された前記第3のブロックチェーントランザクションの出力を署名するステップと、
前記第2のユーザによって、前記第2のユーザの前記デジタル署名で署名され、かつ対応する前記第1のユーザの前記デジタル署名で署名されていない選択された前記第3のブロックチェーントランザクションを、対応する前記第1のユーザに返すステップと、を含み、
対応する前記第1のユーザおよび前記第2のユーザによって署名された、選択された前記第3のブロックチェーントランザクションをブロックチェーンにブロードキャストすることで、対応する前記デジタルアセットが前記第3のユーザによってリディームされることが可能となる、方法。
【請求項2】
各第2のブロックチェーントランザクションは、所定の時間前には無効である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3のブロックチェーントランザクションの選択は、前記複数の第2のブロックチェーントランザクションが無効である間に行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
署名のために前記第3のブロックチェーントランザクションを自動的に選択するステップをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
各第1のブロックチェーントランザクションの出力は、ペイ・トゥ・スクリプト・ハッシュ(P2SH)トランザクションである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の第2のブロックチェーントランザクションを前記ブロックチェーンにブロードキャストするステップをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記デジタルアセットは、競売プロセスにおける入札である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のユーザは、外部情報に基づいて、署名のために前記第3のブロックチェーントランザクションを選択する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータにより実現されたシステムおよび方法に関し、より詳細には、デジタルアセットを転送するためのコンピュータにより実現されたシステムおよび方法に関する。本発明は、ブロックチェーンベースの競売システムに特に適しているが、これに限定されるものではない。
【0002】
本文書では、「ブロックチェーン」という用語を使用し、これは、ブロックチェーンおよびトランザクションチェーンの技術に限定されず、許可型および非許可型台帳、共有台帳、およびこれらの変形を含むすべての形態の電子、コンピュータベースの分散台帳を含む。ブロックチェーン技術の最も広く知られている応用例はビットコイン台帳であるが、他のブロックチェーン実現形態が提案され開発されている。本文書では、便宜上、説明のためにビットコインを参照することがあるが、本発明は、ビットコインのブロックチェーンと共に使用することに限定されず、代替のブロックチェーンの実現形態およびプロトコルは、本発明の範囲内にあることに留意されたい。
【0003】
ブロックチェーンは、電子台帳であり、これは、複数のトランザクションから構成される複数のブロックから構成されるコンピュータベースの非集約的な分散システムとして実現される。各トランザクションは、少なくとも1つの入力と少なくとも1つの出力とを含む。各ブロックは前のブロックのハッシュを含み、複数のブロックが一緒にチェーン化されて、その開始以降にブロックチェーンに書き込まれたすべてのトランザクションの永続的で変更不可能なレコードを作成するようにする。トランザクションには、トランザクションの出力がどのように、誰によってアクセスできるかを指定する、それらの入力および出力に埋め込まれたスクリプトとして知られる小さなプログラムが含まれている。ビットコインプラットフォームでは、これらのスクリプトはスタックベースのスクリプト言語を使用して書かれている。
【0004】
トランザクションがブロックチェーンに書き込まれるためには、「検証」されなくてはならない。ネットワークノード(マイナー)は、各トランザクションが有効であることを保証するために作業を行い、無効なトランザクションはネットワークから拒否される。ノードにインストールされているソフトウェアクライアントは、ロックスクリプトとアンロックスクリプトを実行することによって、アンスペントトランザクション(UTXO)に対してこの検証作業を実行する。ロックスクリプトおよびアンロックスクリプトの実行がTRUEに評価される場合、トランザクションは有効で、トランザクションはブロックチェーンに書き込まれる。したがって、トランザクションがブロックチェーンに書き込まれるためには、i)トランザクションを受信した最初のノードによって検証され、トランザクションが検証された場合、そのノードはそれをネットワーク内の他のノードに中継し、ii)マイナーが構築した新しいブロックに追加され、iii)マイニング、すなわち、過去のトランザクションの公開台帳に追加されなければならない。
【0005】
ブロックチェーン技術は、暗号通貨の実現形態の使用で最も広く知られているが、デジタル起業家は、ビットコインが基づいている暗号セキュリティシステムと、ブロックチェーンに格納可能なデータの両方の使用により新しいシステムを実現することを模索し始めている。ブロックチェーンが、暗号通貨の領域に限定されない自動化タスクおよびプロセスに使用することができる場合には、非常に有利であろう。このようなソリューションは、ブロックチェーンの利点(例えば、イベントの永続的な改ざん防止記録、分散処理など)を利用することができるであろう。
【0006】
現在の研究の1つの分野は、「スマートコントラクト」の実現形態のためにブロックチェーンを利用することである。これらは、機械読み取り可能な契約または合意の条項の実行を自動化するように設計されたコンピュータプログラムである。自然言語で書かれるものである従来の契約とは異なり、スマートコントラクトは、結果を生成するために入力を処理することができるルールを含み、次いで、それらの結果に応じてアクションを実行させることができる機械実行可能プログラムである。
【0007】
ブロックチェーン関連の別の関心領域は、ブロックチェーンを介して実世界のエンティティを表現し、転送するために「トークン」(または「カラーコイン」)を使用することである。潜在的に機密または秘密のアイテムは、区別可能な意味または値を有さないトークンによって表すことができる。したがって、トークンは、実世界のアイテムがブロックチェーンから参照されることを可能にする識別子として機能する。
【0008】
さらなる関心領域は、ブロックチェーンベースの商品取引を可能にするための市場の設立である。商品が取引されるときに、買い手と売り手が情報を発見し、自発的な取引をより効率的に行うことができるようにする、すなわち、市場を開発するインセンティブが存在する。
【0009】
物品およびサービスの取引は、通常、入札のために物品またはサービスが提供され、入札が行われ、次いで、物品またはサービスが選定された入札者に売却される競売によって行われる。
【0010】
競売プロセスを自動化しようとする試みは、信頼できる第三者が入札を受け取ることが必要とされるという欠点を被り、信頼できる第三者のセキュリティが損なわれると、入札者に関する機密データも損なわれる可能性がある。追加的に、望ましくないレベルの信頼を第三者に与える必要がある可能性がある。
【0011】
本発明の好ましい実施形態は、従来技術の上記の欠点の1つ以上を克服しようとするものである。
【0012】
本発明の一態様によれば、デジタルアセットを転送する方法が提供される。本方法は、
複数の第1のブロックチェーントランザクションを生成するステップであって、各第1のブロックチェーントランザクションは、それぞれの第1のユーザのデジタル署名およびそれぞれのデジタルアセットをリディームする(redeem)第2のユーザのデジタル署名によってアンロック可能な出力を有する、ステップと、
各第1のブロックチェーントランザクションに対応するそれぞれの第2のブロックチェーントランザクションを生成するステップであって、各第2のブロックチェーントランザクションは、対応する第1のブロックチェーントランザクションの出力に対応する入力を有し、対応するデジタルアセットをリディームする対応する第1のユーザのデジタル署名によってアンロック可能な出力を有する、ステップと、
各第1のブロックチェーントランザクションに対応するそれぞれの第3のブロックチェーントランザクションを生成するステップであって、各第3のブロックチェーントランザクションは、対応する第1のブロックチェーントランザクションの出力に対応する入力を有し、対応するデジタルアセットをリディームする第3のユーザのデジタル署名によってアンロック可能な出力を有する、ステップと、
署名のために複数の第1のブロックチェーントランザクションのうちの1つを選択するステップと、
第1のブロックチェーントランザクションの出力を第1のユーザおよび第2のユーザのデジタル署名で署名し、対応する第3のブロックチェーントランザクションをブロックチェーンにブロードキャストして、対応するデジタルアセットが第3のユーザによってリディームされることを可能にするステップと、を含む。
【0013】
ブロックチェーントランザクションによってデジタルアセットの転送を実現することは、多くの利点を提供する。第一に、ブロックチェーンの分散性は、強化されたセキュリティと信頼性の利点を提供する。しかし、ブロックチェーンが多くのノードで検証されたブロックとして保存されるという事実は、署名のための特定の第1のブロックチェーントランザクションの選択の状況が、論争の場合に調査され得ることを意味する。また、例えば、競売において落札に成功した場合、選択された第1のブロックチェーントランザクションの出力に署名し、対応する第3のブロックチェーントランザクションをブロックチェーンにブロードキャストすることによって、選択されていない第1のブロックチェーントランザクション、すなわち落札に失敗したことを表すトランザクションは、自動的に無効となり、ブロックチェーンによって伝搬されず、従って、それらのトランザクションによって必要とされる処理量およびそれらによって占有されるメモリ量を低減するという利点を提供する。追加的に、第2のユーザは署名されていないブロックチェーントランザクションを受信するので、対応するデジタルアセットは、それぞれの第1のユーザの署名なしにはリディームすることができないため、第2のユーザに配置される必要がある信頼の量を最小化する。
【0014】
各第2のブロックチェーントランザクションは、所定の時間前には無効とすることができる。
【0015】
これは、競売の場合、競売プロセスが完了するまで、入札が払い戻されることを防ぐという利点を提供する。
【0016】
複数の第1のブロックチェーントランザクションのうちの1つの選択は、第2のブロックチェーントランザクションが無効である間に発生することができる。
【0017】
これは、落札された入札が払い戻されることを防ぐようにし、それによって、本方法の運用の安全性を改善するという利点を提供する。
【0018】
本方法は、署名のために複数の第1のブロックチェーントランザクションのうちの1つを自動的に選択するステップをさらに含むことができる。
【0019】
これは、特定の条件が満たされるときに第1のブロックチェーントランザクションが署名のために選択されるようにプロセスを自動化することを可能にするという利点を提供する。
【0020】
各第1のブロックチェーントランザクションの出力は、ペイ・トゥ・スクリプト・ハッシュ(P2SH)トランザクションとすることができる。
【0021】
これは、処理を低減し、ブロックチェーン内のメモリの占有を低減するという利点を提供する。
【0022】
本方法は、デジタルアセットの各々が対応する第1のユーザによってリディームされることを可能にするために、各第2のブロックチェーントランザクションを第2のユーザのデジタル署名で署名するステップをさらに含むことができる。
【0023】
本方法は、第2のブロックチェーントランザクションをブロックチェーンにブロードキャストするステップをさらに含むことができる。
【0024】
デジタルアセットは、競売プロセスにおける入札とすることができる。
【0025】
本方法は、第2のユーザによる選択された第1のブロックチェーントランザクションの出力の署名を可能にするために、各第1のブロックチェーントランザクションを第2のユーザに送信するステップをさらに含むことができる。
【0026】
本方法は、第2のユーザによる第2のブロックチェーントランザクションの出力の署名を可能にするために、各第2のブロックチェーントランザクションを第2のユーザに送信するステップをさらに含むことができる。
【0027】
本方法は、第1のユーザによる第1のブロックチェーントランザクションの出力の署名と、選択された第1のブロックチェーントランザクションのブロックチェーンへのブロードキャストを可能にするために、選択された第1のブロックチェーントランザクションを第1のユーザに送信するステップをさらに含むことができる。
【0028】
第2のユーザは、外部情報に基づいて、署名のために第1のブロックチェーントランザクションを選択することができる。
【0029】
これは、第2のユーザが信頼できる第三者として行動し、検証可能な情報(市場条件や価格など)に基づいて選択することを可能にするという利点を提供する。
【0030】
本発明の別の態様によれば、上記の方法を実行するためのシステムが提供される。
【0031】
本発明の好適な実施形態を、添付図面を参照していかなる限定的な意味でなく単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明を具現化するブロックチェーンベースの競売を実現するためのシステムの概略図である。
図2図1のシステムのブロックチェーントランザクションフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1を参照して、ブロックチェーンベースの競売システム2は、買い手4の形態の一連の第1のユーザと、オラクル6として知られる信頼できるサードパーティーサーバの形態(例えば、ネットワーク上のノードの形態)の第2のユーザと、売り手8の形態の第3のユーザとを有する。ユーザ4、6、8は、ブロックチェーントランザクションによって、インターネット10を介して互いに通信する。
【0034】
本発明の競売を実現するために、買い手4、オラクル6、および売り手8は、クライアントソフトウェアをダウンロードし、インストールする。次に、売り手8は、そのコンピュータ上に商品リストを作成し、また、そのソフトウェアをインストールした他の人の分散型ピアツーピアネットワークにそれを送信することによって、それを公開する。競売スタイルのリストが作成され、有効期限日時、および必要に応じて隠し予約価格が商品リストに対して追加される。
【0035】
同時に、買い手4は、クライアントソフトウェアを使用してアイテムを検索し、各買い手4は、競売の対象となっているアイテムの入札をすることができる。これをするために、各買い手4は、2/2のP2SHマルチシグ出力を有する第1のブロックチェーントランザクションTを作成し、入札するビットコインの量nと2ビットコイントランザクション手数料を、個々の買い手4から、買い手4およびオラクル6によって署名されなければならないアドレスに送信する。買い手がボブ(Bob)で、売り手であるアリス(Alice)である場合、第1のブロックチェーントランザクションTは表1に示され、リディームスクリプト(redeem script)は表2に示される。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
同時に、各買い手4(上記の例では、ボブ)は、出力nにビットコイントランザクション手数料を加えたものと、競売の終了に設定されたロック時間tとを用いて、買い手4の各々、ここではBobに戻す、Tからの出力を消費する(spend)暫定的な払い戻しビットコイントランザクションTも作成する。トランザクションTは、以下の表3に示される。各買い手4は、自身の入力スクリプトに署名し、不完全なトランザクションをオラクル6に送信する。オラクル6は、次に、この入力スクリプトに対する署名を提示し、それにより、ロック時間を除いて、それを有効なトランザクションとし、それを各買い手4に返す。
【0039】
【表3】
【0040】
最後に、各買い手4は、表4に示されるように、出力nにビットコイントランザクション手数料を加えることにより、Tからの出力を消費し、ビットコインが売り手8(上記の例ではアリス)に送信されることを可能にするビットコイントランザクションTを生成する。次に、買い手4は、署名なしのトランザクションTをオラクル6に送信する。オラクル6は、特定のアイテムに対するすべての入札取引を照合し、最も高い入札に基づいて、あるいは何らかの他の条件に従って選択され得る、落札された入札とのトランザクションにのみ署名する。等しく有効な複数の入札がある場合、入札者の評判、または最初の入札が提供を受けるシステムが実現され得る。
【0041】
次いで、落札された入札に対応するトランザクションTは、それぞれの買い手4に返され、署名され、ブロックチェーンにブロードキャストされて、その結果、売り手8は、支払を受け取り、落札された入札で入札されている商品を買い手4に発送する。他の買い手4は、各々のトランザクションTをブロードキャストし、それにより、入札されているビットコインをそれぞれの買い手4の単独の制御の下にあるアドレスに返す。入札者4はオラクル6に署名されていないトランザクションを送信し、入札者4は最終的な発言権を持つため、オラクル6に置かれた信頼は最小限に抑えられる。このトランザクションのフローが図2に示される。
【0042】
【表4】
【0043】
最後に、さまざまなトランザクション間のリンクが表5に示される。ここから、すべてのトランザクションは標準P2PKHまたはP2SHマルチシグ(multisig)であり、検証することができる。
【0044】
【表5】
【0045】
当業者には理解されるように、上述の実施形態は、単なる例示によって説明しただけであり、いかなる限定的な意味において説明しておらず、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更および修正が可能である。
図1
図2