(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】インピーダンスマッチング回路、並びにそれを含む電力供給装置及びプラズマ処理設備
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240718BHJP
H03H 7/38 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H03H7/38 B
(21)【出願番号】P 2022188325
(22)【出願日】2022-11-25
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0182568
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョン チン
(72)【発明者】
【氏名】リ、チュン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ガルスチャン オグセン
(72)【発明者】
【氏名】ウィ、ソン ソク
(72)【発明者】
【氏名】ペ、ミン クン
【審査官】藤田 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-142285(JP,A)
【文献】特開2017-069823(JP,A)
【文献】特開2005-071872(JP,A)
【文献】特開2019-186098(JP,A)
【文献】特表2020-527822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
H03H 7/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1RF(radio frequency)信号を生成する第1RF電源、前記第1RF電源に接続された第1インピーダンスマッチング回路、及び前記第1RF信号をプラズマ負荷へ伝達する第1電力伝達回路を含む第1電力供給部と、
第2RF信号を生成する第2RF電源、前記第2RF電源に接続された第2インピーダンスマッチング回路、及び前記第2RF信号を前記プラズマ負荷へ伝達する第2電力伝達回路を含む第2電力供給部と、を含み、
前記第1インピーダンスマッチング回路
は、
前記第1RF電源に並列に接続される
第1並列キャパシタアレイと、
前記
第1RF電源に直列に接続される
第1直列キャパシタアレイと、
を含み、
前記
第1インピーダンスマッチング回路が
前記第2インピーダンスマッチング回路と連結される際に、前記
第1インピーダンスマッチング回路と前記
第2インピーダンスマッチング回路との干渉を除去するデカップリング部と、を
更に含み、
前記
第1並列キャパシタアレイ又は前記
第1直列キャパシタアレイは、機械式真空可変キャパシタ、及び前記機械式真空可変キャパシタに対して並列に接続される電子式スイッチキャパシタモジュールを含
み、
前記デカップリング部は、
前記第1インピーダンスマッチング回路と前記第1電力伝達回路との間に接続された第1デカップリングインダクタと、
前記第2インピーダンスマッチング回路と前記第2電力伝達回路との間に接続され、前記第1デカップリングインダクタと相互に磁気結合される第2デカップリングインダクタと、
前記第1インピーダンスマッチング回路及び前記第2インピーダンスマッチング回路に接続されたデカップリングキャパシタと、を含む、
プラズマ処理設備の電力供給装置。
【請求項2】
前記
第1並列キャパシタアレイは、
並列機械式真空可変キャパシタと、
前記並列機械式真空可変キャパシタに並列に接続された複数の並列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含み、
前記並列電子式スイッチキャパシタモジュールは、
固定されたキャパシタンスを有する並列固定キャパシタと、
前記並列固定キャパシタに直列に接続された並列スイッチと、を含む、請求項1に記載の
プラズマ処理設備の電力供給装置。
【請求項3】
前記並列機械式真空可変キャパシタは、前記並列固定キャパシタよりも大きいキャパシタンスを有する、請求項2に記載の
プラズマ処理設備の電力供給装置。
【請求項4】
前記
第1直列キャパシタアレイは、
直列機械式真空可変キャパシタと、
前記直列機械式真空可変キャパシタに並列に接続された複数の直列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含み、
前記直列電子式スイッチキャパシタモジュールは、
固定されたキャパシタンスを有する直列固定キャパシタと、
前記直列固定キャパシタに直列に接続された直列スイッチと、を含む、請求項1に記載の
プラズマ処理設備の電力供給装置。
【請求項5】
前記直列機械式真空可変キャパシタは、前記直列固定キャパシタよりも大きいキャパシタンスを有する、請求項4に記載の
プラズマ処理設備の電力供給装置。
【請求項6】
前記第2
インピーダンスマッチング回路は、
前記第2RF電源及び接地に接続され、互いに並列に接続された複数のキャパシタを含む第2並列キャパシタアレイと、
前記第2RF電源及び前記デカップリング部に接続され、前記第2並列キャパシタアレイに直列に接続された複数のキャパシタを含む第2直列キャパシタアレイと、を含む、請求項
1に記載の
プラズマ処理設備の電力供給装置。
【請求項7】
基板に対する工程処理を行う工程処理チャンバと、
前記工程処理チャンバにプラズマを形成するための電力を供給する電力供給装置と、を含み、
前記電力供給装置は、
第1RF(radio frequency)信号を生成する第1RF電源、
前記第1RF電源に接続された第1マッチング回路、及び前記第1RF信号をプラズマ負荷へ伝達する第1電力伝達回路を含む第1電力供給部と、
第2RF信号を生成する第2RF電源、
前記第2RF電源に接続された第2マッチング回路、及び第2RF信号を前記プラズマ負荷へ伝達する第2電力伝達回路を含む第2電力供給部と、
前記第1マッチング回路が前記第2マッチング回路と連結される際に、前記
第1マッチング回路と前記
第2マッチング回路との干渉を除去するデカップリング部と、を含み、
前記デカップリング部は、
前記第1マッチング回路と前記第1電力伝達回路との間に接続された第1デカップリングインダクタと、
前記第2マッチング回路と前記第2電力伝達回路との間に接続され、前記第1デカップリングインダクタと相互に磁気結合される第2デカップリングインダクタと、
前記第1マッチング回路及び前記第2マッチング回路に接続されたデカップリングキャパシタと、を含み、
前記第1マッチング回路及び前記第2マッチング回路のそれぞれは、機械式真空可変キャパシタ、及び前記機械式真空可変キャパシタに対して並列に接続された複数の電子式可変キャパシタモジュールと、を含み、
前記工程処理チャンバの工程条件が変更されるとき、前記機械式真空可変キャパシタのキャパシタンスが固定された状態で、前記電子式可変キャパシタモジュールの制御によって、前記第1マッチング回路及び前記第2マッチング回路のインピーダンスが調節される、プラズマ処理設備。
【請求項8】
前記第1マッチング回路は、
互いに並列に接続された複数のキャパシタを含む第1並列キャパシタアレイと、
前記第1並列キャパシタアレイに直列に接続された複数のキャパシタを含む第1直列キャパシタアレイと、を含み、
前記第2マッチング回路は、
互いに並列に接続された複数のキャパシタを含む第2並列キャパシタアレイと、
前記第2並列キャパシタアレイに直列に接続された複数のキャパシタを含む第2直列キャパシタアレイと、を含む、請求項
7に記載のプラズマ処理設備。
【請求項9】
前記第1並列キャパシタアレイは、
並列機械式真空可変キャパシタと、
前記並列機械式真空可変キャパシタに並列に接続された複数の並列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含み、
前記第1直列キャパシタアレイは、
直列機械式真空可変キャパシタと、
前記直列機械式真空可変キャパシタに並列に接続された複数の直列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含む、請求項
8に記載のプラズマ処理設備。
【請求項10】
前記並列電子式スイッチキャパシタモジュールは、
固定されたキャパシタンスを有する並列固定キャパシタと、
前記並列固定キャパシタに直列に接続された並列スイッチと、を含み、
前記直列電子式スイッチキャパシタモジュールは、
固定されたキャパシタンスを有する直列固定キャパシタと、
前記直列固定キャパシタに直列に接続された直列スイッチと、を含み、
前記並列機械式真空可変キャパシタは、前記並列固定キャパシタよりも大きいキャパシタンスを有し、
前記直列機械式真空可変キャパシタは、前記直列固定キャパシタよりも大きいキャパシタンスを有する、請求項
9に記載のプラズマ処理設備。
【請求項11】
前記並列機械式真空可変キャパシタ及び前記直列機械式真空可変キャパシタのキャパシタンスは、予め設定された値に調節され、
前記予め設定された値は、前記プラズマ処理設備のプロセスガスの種類、流量、圧力、又は供給電力によって決定され、
前記工程処理チャンバの工程条件が変更されるとき、前記並列機械式真空可変キャパシタ及び前記直列機械式真空可変キャパシタのキャパシタンスが前記予め設定された値に固定された状態で、前記並列電子式スイッチキャパシタモジュール及び前記直列電子式スイッチキャパシタモジュールのスイッチ制御を介してインピーダンスが整合されるように構成される、請求項
10に記載のプラズマ処理設備。
【請求項12】
請求項
7に記載のプラズマ処理設備によって行われる基板処理方法であって、
前記第1マッチング回路及び前記第2マッチング回路のインピーダンスを調節するステップと、
前記インピーダンスの調節が完了すると、前記基板に対する工程処理を行うステップと、を含み、
前記インピーダンスを調節するステップは、
前記機械式真空可変キャパシタのキャパシタンスを予め設定された値に調節するステップと、
前記第1マッチング回路及び前記第2マッチング回路の入力インピーダンスを測定するステップと、
前記プラズマ負荷からの反射係数が基準反射係数より大きいか否かを判断するステップと、
前記反射係数が基準反射係数より大きい場合、前記プラズマ負荷のインピーダンスを測定するステップと、
前記プラズマ負荷のインピーダンスに基づいて、前記複数の電子式可変キャパシタモジュールのスイッチオン/オフ制御によって前記電子式可変キャパシタモジュールのキャパシタンスを調節するステップと、を含む、基板処理方法。
【請求項13】
前記電子式可変キャパシタモジュールのキャパシタンスを調節するステップは、
前記プラズマ負荷のインピーダンスに基づいてインピーダンス調節値を計算するステップと、
前記インピーダンス調節値に対応するキャパシタンスを有する前記電子式可変キャパシタモジュールのスイッチをターンオンさせるステップと、を含む、請求項
12に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インピーダンスマッチング回路、並びにそれを含む電力供給装置及びプラズマ処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体(又はディスプレイ)製造工程は、基板(例えば、ウエハ)上に半導体素子を製造するための工程であって、例えば、露光、蒸着、エッチング、イオン注入、洗浄などを含む。それぞれの製造工程を行うために、半導体製造工場のクリーンルーム内に、各工程を行う半導体製造設備が備えられ、半導体製造設備に投入された基板に対する工程処理が行われる。
【0003】
半導体製造過程においてプラズマを用いた工程、例えばエッチングや蒸着などが広く用いられている。プラズマ処理工程を行うプラズマ処理装備は、プロセスガス、温度、圧力、プラズマを生成するためのRF(Radio Frequency)信号の周波数、電力などの様々な工程条件を変更しながら工程を行うことができる。
【0004】
一方、3D NANDフラッシュなどの半導体において高いレベルの積層構造が要求されるにつれて、プラズマ処理工程のステップ数が増加しており、ステップの変更の際にプラズマ状態の変化が発生する。プラズマ状態の変化は、インピーダンスの変化を引き起こし、インピーダンスの変化によるインピーダンスミスマッチング(不整合)が発生するおそれがある。プラズマ処理設備は、このようなインピーダンスミスマッチングに対応したインピーダンスマッチングを行うが、迅速なマッチングのための電力供給装置が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の実施形態は、迅速なインピーダンスマッチングのためのインピーダンスマッチング回路、並びにそれを含む電力供給装置及びプラズマ処理設備を提供する。
【0006】
本発明の解決課題は、上述したものに限定されず、上述していない他の解決課題は、以降の説明から当業者には明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるインピーダンスマッチング回路は、RF(radio frequency)信号を生成するRF電源に並列に接続される並列キャパシタアレイと、前記RF電源に直列に接続される直列キャパシタアレイと、を含み、前記並列キャパシタアレイ又は前記直列キャパシタアレイは、機械式真空可変キャパシタと、前記機械式真空可変キャパシタに対して並列に接続される電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含む。
【0008】
本発明の実施形態によれば、前記並列キャパシタアレイは、並列機械式真空可変キャパシタと、前記並列機械式真空可変キャパシタに並列に接続された複数の並列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含む。前記並列電子式スイッチキャパシタモジュールは、固定されたキャパシタンスを有する並列固定キャパシタと、前記並列固定キャパシタに直列に接続された並列スイッチと、を含むことができる。
【0009】
本発明の実施形態によれば、前記並列機械式真空可変キャパシタは、前記並列固定キャパシタよりも大きいキャパシタンスを有することができる。
【0010】
本発明の実施形態によれば、前記直列キャパシタアレイは、直列機械式真空可変キャパシタと、前記直列機械式真空可変キャパシタに並列に接続された複数の直列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含むことができる。前記直列電子式スイッチキャパシタモジュールは、固定されたキャパシタンスを有する直列固定キャパシタと、前記直列固定キャパシタに直列に接続された直列スイッチと、を含むことができる。
【0011】
本発明の実施形態によれば、前記直列機械式真空可変キャパシタは、前記直列固定キャパシタよりも大きいキャパシタンスを有することができる。
【0012】
本発明の実施形態によるプラズマ処理設備の電力供給装置は、第1RF(radio frequency)信号を生成する第1RF電源、第1RF電源に接続された第1マッチング回路、及び前記第1RF信号をプラズマ負荷へ伝達する第1電力伝達回路を含む第1電力供給部と、第2RF信号を生成する第2RF電源、第2RF電源に接続された第2マッチング回路、及び前記第2RF信号を前記プラズマ負荷へ伝達する第2電力伝達回路を含む第2電力供給部と、前記第1電力供給部と前記第2電力供給部との干渉を除去するデカップリング部と、を含む。
【0013】
前記第1マッチング回路及び前記第2マッチング回路は、それぞれ機械式真空可変キャパシタと、前記機械式真空可変キャパシタに対して並列に接続された複数の電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含む。
【0014】
本発明の実施形態によれば、前記デカップリング部は、前記第1マッチング回路と前記第1電力伝達回路との間に接続された第1デカップリングインダクタと、前記第2マッチング回路と前記第2電力伝達回路との間に接続され、前記第1デカップリングインダクタと相互に磁気結合される第2デカップリングインダクタと、前記第1マッチング回路及び前記第2マッチング回路に接続されたデカップリングキャパシタと、を含むことができる。
【0015】
本発明の実施形態によれば、前記第1マッチング回路は、前記第1RF電源及び接地に結合され、互いに並列に接続された複数のキャパシタを含む第1並列キャパシタアレイと、前記第1RF電源及び前記デカップリング部に結合され、前記並列キャパシタアレイに直列に接続された複数のキャパシタを含む第1直列キャパシタアレイと、を含むことができる。前記第2マッチング回路は、前記第2RF電源及び接地に接続され、互いに並列に接続された複数のキャパシタを含む第2並列キャパシタアレイと、前記第2RF電源及び前記デカップリング部に接続され、前記第2並列キャパシタアレイに直列に接続された複数のキャパシタを含む第2直列キャパシタアレイと、を含むことができる。
【0016】
本発明の実施形態によれば、前記第1並列キャパシタアレイは、並列機械式真空可変キャパシタと、前記並列機械式真空可変キャパシタに並列に接続された複数の並列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含むことができる。前記第1直列キャパシタアレイは、直列機械式真空可変キャパシタと、前記直列機械式真空可変キャパシタに並列に接続された複数の直列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含むことができる。
【0017】
本発明の実施形態によれば、前記並列電子式スイッチキャパシタモジュールは、固定されたキャパシタンスを有する並列固定キャパシタと、前記並列固定キャパシタに直列に接続された並列スイッチと、を含むことができる。前記直列電子式スイッチキャパシタモジュールは、固定されたキャパシタンスを有する直列固定キャパシタと、前記直列固定キャパシタに直列に接続された直列スイッチと、を含むことができる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、前記並列機械式真空可変キャパシタは、前記並列固定キャパシタよりも大きいキャパシタンスを有することができる。前記直列機械式真空可変キャパシタは、前記直列固定キャパシタよりも大きいキャパシタスを有することができる。
【0019】
本発明の実施形態によれば、前記第1マッチング回路は、前記第1RF電源及び接地に結合された固定シャントキャパシタと、前記第1RF電源及び前記固定シャントキャパシタに結合され、互いに並列に接続された複数のキャパシタを含む第1直列キャパシタアレイと、前記固定シャントキャパシタ及び前記デカップリング部に結合され、互いに並列に接続された複数のキャパシタを含む第2直列キャパシタアレイと、を含むことができる。
【0020】
本発明の実施形態によれば、前記第1直列キャパシタは、第1機械式真空可変キャパシタと、前記第1機械式真空可変キャパシタに並列に接続された複数の第1並列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含み、前記第2直列キャパシタは、第2機械式真空可変キャパシタと、前記第2機械式真空可変キャパシタに並列に接続された複数の第2並列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含むことができる。前記第1並列電子式スイッチキャパシタモジュールは、第1固定キャパシタと、前記第1固定キャパシタに直列に接続された第1スイッチと、を含み、前記第2並列電子式スイッチキャパシタモジュールは、第2固定キャパシタ、及び前記第2固定キャパシタに直列に接続された第2スイッチを含むことができる。
【0021】
本発明に係るプラズマ処理設備は、基板に対する工程処理を行う工程処理チャンバと、前記工程処理チャンバにプラズマを形成するための電力を供給する電力供給装置と、を含む。
【0022】
前記電力供給装置は、第1RF(radio frequency)信号を生成する第1RF電源、第1RF電源に接続された第1マッチング回路、及び前記第1RF信号をプラズマ負荷へ伝達する第1電力伝達回路を含む第1電力供給部と、第2RF信号を生成する第2RF電源、第2RF電源に接続された第2マッチング回路、及び第2RF信号をプラズマ負荷へ伝達する第2電力伝達回路を含む第2電力供給部と、前記第1電力供給部と前記第2電力供給部との干渉を除去するデカップリング部と、を含む。前記第1マッチング回路及び前記第2マッチング回路のそれぞれは、機械式真空可変キャパシタ、及び前記機械式真空可変キャパシタに対して並列に接続された複数の電子式可変キャパシタモジュールと、を含む。前記工程処理チャンバの工程条件が変更されるとき、前記機械式真空可変キャパシタのキャパシタンスが固定された状態で、前記電子式可変キャパシタモジュールの制御によって、前記第1マッチング回路及び前記第2マッチング回路のインピーダンスが調節される。
【0023】
本発明の実施形態によれば、前記第1マッチング回路は、互いに並列に接続された複数のキャパシタを含む第1並列キャパシタアレイと、前記並列キャパシタアレイに直列に接続された複数のキャパシタを含む第1直列キャパシタアレイと、を含むことができる。前記第2マッチング回路は、互いに並列に接続された複数のキャパシタを含む第2並列キャパシタアレイと、前記第2並列キャパシタアレイに直列に接続された複数のキャパシタを含む第2直列キャパシタアレイと、を含むことができる。
【0024】
本発明の実施形態によれば、前記第1並列キャパシタアレイは、並列機械式真空可変キャパシタと、前記並列機械式真空可変キャパシタに並列に接続された複数の並列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含むことができる。前記第1直列キャパシタアレイは、直列機械式真空可変キャパシタと、前記直列機械式真空可変キャパシタに並列に接続された複数の直列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含むことができる。
【0025】
本発明の実施形態によれば、前記並列電子式スイッチキャパシタモジュールは、固定されたキャパシタンスを有する並列固定キャパシタと、前記並列固定キャパシタに直列に接続された並列スイッチと、を含むことができる。前記直列電子式スイッチキャパシタモジュールは、固定されたキャパシタンスを有する直列固定キャパシタと、前記直列固定キャパシタに直列に接続された直列スイッチと、を含むことができる。
【0026】
本発明の実施形態によれば、前記並列機械式真空可変キャパシタは、前記並列固定キャパシタよりも大きいキャパシタンスを有することができる。前記直列機械式真空可変キャパシタは、前記直列固定キャパシタよりも大きいキャパシタンスを有することができる。
【0027】
本発明の実施形態によれば、前記並列機械式真空可変キャパシタ及び前記直列機械式真空可変キャパシタのキャパシタンスは、予め設定された値に調節され、前記予め設定された値は、前記プラズマ処理設備のプロセスガスの種類、流量、圧力、又は供給電力によって決定されることができる。
【0028】
本発明の実施形態によれば、前記工程処理チャンバの工程条件が変更されるとき、前記並列機械式真空可変キャパシタ及び前記直列機械式真空可変キャパシタのキャパシタンスが、前記予め設定された値に固定された状態で、前記並列電子式スイッチキャパシタモジュール及び前記直列電子式スイッチキャパシタモジュールのスイッチ制御を介してインピーダンスが整合されるように構成できる。
【0029】
本発明によるプラズマ処理設備によって行われる基板処理方法は、前記第1マッチング回路及び前記第2マッチング回路のインピーダンスを調節するステップと、前記インピーダンスの調節が完了すると、前記基板に対する工程処理を行うステップと、を含む。前記インピーダンスを調節するステップは、前記機械式真空可変キャパシタのキャパシタンスを、予め設定された値に調節するステップと、前記入力インピーダンスを測定するステップと、前記プラズマ負荷からの反射係数が基準反射係数より大きいか否かを判断するステップと、前記反射係数が基準反射係数より大きい場合、前記プラズマ負荷のインピーダンスを測定するステップと、前記入力インピーダンスと前記プラズマ負荷のインピーダンスに基づいて、前記複数の電子式可変キャパシタモジュールのスイッチオン/オフ制御によって前記電子式可変キャパシタモジュールのキャパシタンスを調節するステップと、を含む。
【0030】
本発明の実施形態によれば、前記電子式可変キャパシタモジュールのキャパシタンスを調節するステップは、前記入力インピーダンスと前記プラズマ負荷のインピーダンスに基づいてインピーダンス調節値を計算するステップと、前記インピーダンス調節値に対応するキャパシタンスを有する前記電子式可変キャパシタモジュールのスイッチをターンオンさせるステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、真空機械式可変キャパシタと電子式スイッチキャパシタモジュールとが並列接続された構造のインピーダンスマッチング回路を適用することにより、より迅速なマッチングを行うことができる。
【0032】
また、本発明によれば、複数の電力供給部、及び電力供給部間の干渉を除去するデカップリング部を構成することにより、個別マッチング回路に要求される動作領域を低いレベルに維持し、それにより迅速なインピーダンスマッチングが可能である。
【0033】
本発明の効果は、上述したものに限定されず、上述していない他の効果は、以降の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】本発明によるプラズマ処理設備において複数の独立電源が適用された高速整合のための電力供給装置の構成を概略的に示す。
【
図3】本発明によるプラズマ処理設備において複数の独立電源が適用された高速整合のための電力供給装置の構成を概略的に示す。
【
図4】本発明によるプラズマ処理設備において複数の独立電源が適用された高速整合のための電力供給装置の構成を概略的に示す。
【
図5】本発明によるプラズマ処理設備において複数の独立電源が適用された高速整合のための電力供給装置の構成を概略的に示す。
【
図6】並列電力供給装置をモデリングした等価回路を示す。
【
図7】本発明によるデカップリング部が適用された並列電力供給装置をモデリングした等価回路を示す。
【
図9a】デカップリング部を含む二重電力供給装置の等価回路を示す。
【
図9b】デカップリング部を含む二重電力供給装置の伝達係数を示す。
【
図10a】単一電力供給装置における各工程ステップ別のプラズマ負荷インピーダンスの分布を示す。
【
図10b】並列電力供給装置における各工程ステップ別のプラズマ負荷インピーダンスの分布を示す。
【
図10c】並列電力供給装置における各工程ステップ別のプラズマ負荷インピーダンスの分布を示す。
【
図11】本発明による高速マッチングのための電力供給装置におけるマッチング回路の構造を示す。
【
図12】電力供給装置におけるマッチングシステムの構成を示す。
【
図13a】本発明に係るプラズマ処理設備によって行われる基板処理方法を示すフローチャートである。
【
図13b】本発明によるインピーダンスの調整過程を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の他の実施形態によるマッチング回路が適用された電力供給装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。本発明は、様々な異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0036】
本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたり、同一又は類似の構成要素に対しては同一の参照符号を付す。
【0037】
また、幾つかの実施形態において、同一の構成を有する構成要素については同一の符号を用いて代表的な実施形態でのみ説明し、それ以外の他の実施形態では代表的な実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
【0038】
本明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結(又は結合)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(又は結合)」されている場合だけでなく、他の部材を挟んで「間接的に連結(又は結合)」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0039】
他に定義されない限り、技術的又は科学的用語を含めてここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を持っている。一般的に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明確に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0040】
図1は、プラズマ処理設備1の概略構成を示す。プラズマ処理設備1は、プラズマを形成するための電力を供給する電力供給装置2と、電力供給装置2によって形成されたプラズマを用いて基板に対する工程処理を行う工程処理チャンバ3と、を含む。工程処理チャンバ3は、プラズマを形成して基板(例えば、ウエハ)に対する工程処理を行い、電力供給装置は、プラズマを形成するために工程処理チャンバ3へ電力を提供する。
【0041】
工程処理チャンバ3で工程条件に応じてプロセスガス、温度、圧力などを変更しながら工程が行われるが、最近、高いレベルの積層構造が要求されるにつれて、それぞれの工程ステップごとにプラズマ状態の変化が発生する。プラズマ状態の変化は、プラズマ負荷のインピーダンス変化を引き起こし、インピーダンス変化によるインピーダンスミスマッチング(不整合)が発生する可能性がある。このため、電力供給装置2は、このようなインピーダンスミスマッチングを最小限に抑えるためのインピーダンスマッチングを行うが、特に工程効率を増大させるために迅速なインピーダンスマッチングが要求される。
【0042】
したがって、本発明の実施形態は、高い電力レベルの動作領域を有する高速マッチング方法を提供する。
【0043】
図2乃至
図5は、本発明によるプラズマ処理設備1における高速整合のための電力供給装置2の構成を概略的に示す。
【0044】
図2及び
図3を参照すると、本発明の実施形態によるプラズマ処理設備1における高速マッチングのための電力供給装置2は、第1RF信号をプラズマ負荷40へ伝達する第1電力供給部10と、第2RF信号をプラズマ負荷40へ伝達する第2電力供給部20と、第1電力供給部10と第2電力供給部20との干渉を除去するデカップリング部30と、を含む。本発明によれば、1つのプラズマ負荷40に対して独立して動作する第1電力供給部10及び第2電力供給部20が並列に接続される。これにより、個別電力供給部でマッチング回路に要求される動作領域を低いレベルに維持することができる。
【0045】
一方、1つのプラズマ負荷40に対して独立して動作する電力供給部は、
図4に示すようにN個(Nは自然数)だけ構成されることができる。ただし、本明細書では、説明の便宜のために、2つの電力供給部を介してプラズマ負荷40に電力を供給する例を中心に説明する。ただし、本発明の範囲が2つの電力供給部を使用する実施形態に限定されるものではなく、実質的に同じ概念が3つ以上の電力供給部を使用する実施形態に適用できる。
【0046】
図3及び
図5を参照すると、第1電力供給部10は、第1RF信号を生成する第1RF電源110-1、第1RF電源110-1とデカップリング部30との間に接続された第1マッチング回路120-1、及びデカップリング部30に接続され、プラズマ負荷40へ第1RF信号を伝達する第1電力伝達回路130-1を含む。同様に、第2電力供給部20は、第2RF信号を生成する第2RF電源110-2、第2RF電源110-2とデカップリング部30との間に接続された第2マッチング回路120-2、及びデカップリング部30に接続され、プラズマ負荷40へ第2RF信号を伝達する第2電力伝達回路130-2を含む。一方、デカップリング部30は、第1電力供給部10に直列に接続された第1デカップリングインダクタL
1、第2電力供給部20に直列に接続され、第1デカップリングインダクタL
1と相互に磁気結合される第2デカップリングインダクタL
2、並びに第1電力供給部10及び第2電力供給部20に接続されたデカップリングキャパシタC
3を含む。
【0047】
デカップリング部30は、第1マッチング回路120-1又は第2マッチング回路120-2の一部として構成されるか、或いは別途の区分されたモジュールとして構成されることができる。
【0048】
本発明によれば、第1RF信号と第2RF信号は、同じ又は基準範囲内(例えば5%)の周波数を有することができる。
【0049】
本発明によれば、デカップリング部30は、第1電力供給部10(第1電力伝達回路130-1)及び第2電力供給部20(第2電力伝達回路130-2)間の結合係数と、第1電力供給部10のリアクタンス及び第2電力供給部20のリアクタンスによって発生するクロストーク(Cross-Talk)を相殺するように設計される。デカップリング部30は、第1電力供給部10と第2電力供給部20との干渉を最小限に抑えるNポートネットワークを第1電力供給部10及び第2電力供給部20に接続する。
【0050】
デカップリング部30によるNポートネットワークのデカップリング原理は、
図6及び
図7を参照して説明することができる。
【0051】
図6は、並列電力供給装置をモデリングした等価回路を示す。
図6の左側回路は第1電力供給部10の等価回路であり、
図7の右側回路は第2電力供給部20の等価回路である。
【0052】
図6の個別独立電源のリアクティブ素子間の電磁結合によって第1電力供給部10の等価回路の負荷に印加される電力P
1は、下記数式1の通りである
。
【0053】
【0054】
このとき、
図7のようにデカップリング部30によって発生するリアクティブ素子をそれぞれの回路に追加すると、既存の第1電力供給部10の等価回路の負荷とデカップリングリアクティブ素子全体に印加される電力P
1は、下記数式2の通りである。
【0055】
【0056】
ここで、追加されるデカップリング部のデカップリングリアクティブ素子は、下記数式3の条件を満たすように設計される。
【0057】
【0058】
数式1~数式3中、R1、X1は、第1電力供給部10の等価回路におけるインピーダンス成分(抵抗、リアクタンス)を示し、R2、X2は、第2電力供給部20の等価回路におけるインピーダンス成分(抵抗、リアクタンス)を示し、kは、電力伝達回路(アンテナ)間の結合により発生する第1電力供給部10の等価回路と第2電力供給部20の等価回路との結合係数を示し、k’は、デカップリング部30における誘導性リアクティブ素子(第1デカップリングインダクタL1及び第2デカップリングインダクタL2)間の結合により発生する第1電力供給部10の等価回路でデカップリング部30によって付加されたリアクタンスと、第2電力供給部20の等価回路でデカップリング部30によって付加されたリアクタンスとの結合係数を示し、X1Dは、第1電力供給部10の等価回路でデカップリング部30によって付加されたリアクタンスを示し、X2Dは、第2電力供給部20の等価回路でデカップリング部30によって付加されたリアクタンスを示す。
【0059】
図8a及び
図8bは、二重電力供給システムの等価回路及び二重電力供給システムの伝達係数を示す。
図8aに示すように、第1電力伝達回路130-1は、第1電力伝達インダクタL
3と第1電力伝達キャパシタC
4からモデリングされることができ、第2電力伝達回路130-2は、第2電力伝達インダクタL
4と第1電力伝達キャパシタC
5からモデリングされることができる。プラズマ負荷40は、負荷インダクタL
Pと負荷抵抗R
Pからモデリングされることができる。
【0060】
図8bは、
図8aのような二重電力供給システムで見た伝達係数S21の変化を示す。デカップリング部が備えられていない場合、各電力伝達回路間の結合及びプラズマ負荷40の影響により、使用周波数(13.56MHz)で高い伝達係数が達成される。しかし、このような高い伝達係数は、反対側のマッチング回路に影響を及ぼして非正常な動作を引き起こし、反対側の電力供給システムで高いレベルの反射電力レベルが誘発される。
【0061】
図9a及び
図9bは、デカップリング部30を含む二重電力供給システムの等価回路及びデカップリング部を含む二重電力供給システムの伝達係数を示す。
図9aに示すように、第1電力伝達回路130-1は、第1電力伝達インダクタL
3と第1電力伝達キャパシタC
4からモデリングされることができ、第2電力伝達回路130-2は、第2電力伝達インダクタL
4と第1電力伝達キャパシタC
5からモデリングされることができる。プラズマ負荷40は、負荷インダクタL
Pと負荷抵抗R
Pからモデリングされることができる。デカップリング部30は、第1電力伝達回路130-1に接続された第1デカップリングインダクタL
1、第2電力伝達回路130-2に接続された第2デカップリングインダクタL
2、第1電力伝達回路130-1及び第2電力伝達回路130-2に接続されたデカップリングキャパシタC
3からモデリングされる。
【0062】
図9aのようなリアクティブ素子で構成されたデカップリング部30が追加されると、
図9bのグラフから分かるように、使用周波数f
0の領域に低い結合係数が現れることが確認された。使用周波数f
0に等しい又は5%の範囲内の近接周波数で一定レベル以下の結合係数が導出されることが確認された。
【0063】
本発明のように並列な独立電力供給システムを構成することにより、プラズマ負荷40に全体パワーを分散させて供給するから、各マッチング回路120-1、120-2の電圧及び電流動作領域を下げることができ、マッチング回路120-1、120-2のインピーダンス変化を最小限に抑えることができる。動作領域とインピーダンスの変化を減らすことにより、より高速のインピーダンスマッチングが可能である。
【0064】
図10aは、単一電力供給システムにおける各工程ステップ別のプラズマ負荷インピーダンスの分布を示し、
図10b及び
図10cは、並列電力供給システムにおける各工程ステップ別のプラズマ負荷インピーダンスの分布を示す。
図10aは、1つのRF電源、マッチング回路及びスプリッタ回路を介して電力を供給するシステムにおけるプラズマ条件の変化による負荷インピーダンスの変化を示すスミスチャートであり、
図10b及び
図10cは、本発明による電力供給システムで第1電力供給部10の第1マッチング回路120-1の負荷インピーダンス変化を示すスミスチャート及び第2電力供給部20の第2マッチング回路120-2の負荷インピーダンス変化を示すスミスチャートである。
【0065】
図10aのような単一電力供給システムの場合、プラズマ工程条件の変化、例えば、各工程ステップ別のプロセスガスの種類、流量、圧力、電力量などの違いにより、マッチング回路から見た工程ステップ別のプラズマ負荷の分布範囲が相対的に広いことが確認される。これは、3D NANDフラッシュのような半導体積層構造の連続的なエッチング過程と、これによる工程ステップの進行に伴ってマッチング回路内の可変リアクティブ素子の急激な変化を誘導する。可変リアクティブ素子の急激な変化は、機械式真空可変キャパシタの寿命の短縮を引き起こし、且つ長い再整合時間によって反射電力の発生時間を増加させるので電源の寿命を短縮させることができる。
【0066】
一方、本発明のように並列式二重電力供給システムの場合は、
図10b及び
図10cに示すように、各工程ステップ別のプラズマ負荷40のインピーダンス分布が狭いことを確認することができる。並列式二重電力供給システムを構成することにより、個別マッチング回路が担当すべきプラズマ負荷40のリアクタンス変化を分散させることができ、それぞれのマッチング回路は、迅速にインピーダンスマッチングを行うことができる。
【0067】
一方、本発明の実施形態として、高い電力レベルの動作領域を有する電力供給装置2は、
図11に示すように、機械式真空可変キャパシタ(VVC:Vacuum Variable Capacitor)と電子式可変キャパシタ(EVC:Electrical Variable Capacitor)が並列に構成されたインピーダンスマッチング回路を含むことができる。以下、本発明に係るインピーダンスマッチング回路の詳細構成について説明し、代表的には、第1電力供給部10に構成された第1マッチング回路120-1の構成について説明する。ただし、同じ又は類似の構造が第2マッチング回路120-2に適用されることができる。
【0068】
本発明によるインピーダンスマッチング回路は、RF信号を生成するRF電源110-1に並列に接続される並列キャパシタアレイ122-1と、RF電源110-1に直列に接続される直列キャパシタアレイ124-1と、を含む。並列キャパシタアレイ122-1又は直列キャパシタアレイ124-1は、機械式真空可変キャパシタC1又はC2、及び機械式真空可変キャパシタC1又はC2に対して並列に接続される電子式スイッチキャパシタモジュール1220-1、1220-2……、1220-N又は1240-1、1240-2……、1240-Nを含む。
【0069】
図11を参照すると、インピーダンスマッチング回路は、RF信号を生成するRF電源110-1と接地との間に接続され、並列機械式真空可変キャパシタC
1、及び並列機械式真空可変キャパシタC
1に並列に接続された複数の並列電子式スイッチキャパシタモジュール1220-1、1220-2...、1220-Nを含む 第1並列キャパシタアレイ122-1と、RF電源110-1とプラズマ負荷40側との間に接続され、直列機械式真空可変キャパシタC
2、及び前記直列機械式真空可変キャパシタC
2に接続された複数の直列電子式スイッチキャパシタモジュール1240-1、1240-2......、1240-Nを含む 第1直列キャパシタアレイ124-1を含む。
図11では、 第1並列キャパシタアレイ122-1と 第1直列キャパシタアレイ124-1の両方が機械式真空可変キャパシタと電子式スイッチキャパシタモジュールとの並列接続で構成されている構造を示すが、第1並列キャパシタアレイ122-1又は 第1直列キャパシタアレイ124-1のうちの1つは、機械式真空可変キャパシタと電子式スイッチキャパシタモジュールとの並列接続で構成され、残りの一つは、機械式真空可変キャパシタによって構成されることができる。
【0070】
本発明によれば、並列電子式スイッチキャパシタモジュール1240-1、1240-2……、1240-Nは、固定されたキャパシタンスを有する並列固定キャパシタCP1、CP2……、CPnと、並列固定キャパシタCP1、CP2……、CPnに直列に接続された並列スイッチSP1、SP2……、SPnと、を含むことができる。
【0071】
本発明によれば、並列機械式真空可変キャパシタC1は、並列固定キャパシタCP1、CP2……、CPnよりも大きいキャパシタンスを有することができる。相対的に機械式真空可変キャパシタは電子式可変キャパシタに比べてキャパシタンス調節には長い時間がかかるので、機械式真空可変キャパシタの値を固定させた状態で相対的に小さいキャパシタンスを有する電子式可変キャパシタのスイッチを制御することにより、より迅速にキャパシタンスを調節することができる。
【0072】
本発明によれば、直列電子式スイッチキャパシタモジュール1240-1、1240-2……、1240-Nは、固定されたキャパシタンスを有する直列固定キャパシタCS1、CS2……、CSnと、直列固定キャパシタCS1、CS2……、CSnに直列に接続された直列スイッチSS1、SS2……、SSnと、を含むことができる。
【0073】
本発明によれば、直列機械式真空可変キャパシタC2は、直列固定キャパシタCS1、CS2……、CSnよりも大きいキャパシタンスを有することができる。
【0074】
一方、上述したインピーダンスマッチング回路は、プラズマ処理設備1の電力供給装置2の第1マッチング回路120-1及び第2マッチング回路120-2に適用されることができる。
【0075】
本発明によれば、第1マッチング回路120-1は、第1RF電源110-1及び接地に結合され、互いに並列に接続された複数のキャパシタC1、CP1、CP2……、Cpnを含む第1並列キャパシタアレイ122-1と、第1RF電源110-1及びデカップリング部30に結合され、第1並列キャパシタアレイ122-1に直列に接続された複数のキャパシタC2、CS1、CS2……、CSnを含む第1直列キャパシタアレイ124-1と、を含む。同様に、第2マッチング回路120-2は、第2RF電源110-2及び接地に結合され、互いに並列に接続された複数のキャパシタを含む第2並列キャパシタアレイ122-2と、第2RF電源110-2及びデカップリング部30に結合され、第2並列キャパシタアレイ122-2に直列に接続された複数のキャパシタを含む第2直列キャパシタアレイ124-2と、を含むことができる。
【0076】
第1並列キャパシタアレイ122-1は、並列機械式真空可変キャパシタC1と、並列機械式真空可変キャパシタC1に並列に接続された複数の並列電子式スイッチキャパシタモジュール1220-1、1220-2……、1220-Nと、を含む。第1直列キャパシタアレイ124-1は、直列機械式真空可変キャパシタC2と、直列機械式真空可変キャパシタC2に並列に接続された複数の直列電子式スイッチキャパシタモジュール1240-1、1240-2……、1240-Nと、を含む。
【0077】
並列電子式スイッチキャパシタモジュール1220-1、1220-2……、1220-Nは、固定されたキャパシタンスを有する並列固定キャパシタCP1、CP2……、CPnと、並列固定キャパシタCP1、CP2……、CPnに直列に接続された並列スイッチSP1、SP2……、SPnと、を含む。直列電子式スイッチキャパシタモジュール1240-1、1240-2……、1240-Nは、固定されたキャパシタンスを有する直列固定キャパシタCS1、CS2……、CSnと、直列固定キャパシタCS1、CS2……、CSnに直列に接続された直列スイッチSS1、SS2……、SSnと、を含む。
【0078】
並列機械式真空可変キャパシタC1は、並列固定キャパシタCP1、CP2……、CPnよりも大きいキャパシタンスを有する。直列機械式真空可変キャパシタC2は、直列固定キャパシタCS1、CS2……、CSnよりも大きいキャパシタンスを有する。
【0079】
第1RF電源110-1に接続された第1並列キャパシタアレイ122-1の総キャパシタンスCtotは、下記数式4の通りである。
【0080】
【0081】
第1並列キャパシタアレイ122-1の各素子の両端にかかる電圧が同一であるため、全体素子を流れる電流量は、下記数式5の通りであり、電子制御可能な並列スイッチSP1、SP2……、SPnに接続される並列固定キャパシタCP1、CP2……、CPnが並列機械式真空可変キャパシタC1に比べて小さい場合、大部分のRF電流は、並列機械式真空可変キャパシタC1を介して流れる。
【0082】
【0083】
第1直列キャパシタアレイ124-1も、同様の原理で総キャパシタンス及び電流量が決定される。
【0084】
図11のように第1マッチング回路120-1を構成することにより、個別スイッチを通過するRF電流が減少し、逆に第1マッチング回路120-1全体の許容電流量は増加することができる。個別スイッチに流れるRF電流の減少は、電子式スイッチの内部抵抗による電力の熱損失を低減し、これによる発熱問題を改善することができ、全般的な第1マッチング回路120-1の動作安定性の確保が達成されることができる。第2マッチング回路120-2も同様の原理が適用される。
【0085】
一方、本発明によるインピーダンスマッチング回路は、多様に構成されることができる。例えば、
図14に示すようなT字型インピーダンスマッチング回路に本発明によるキャパシタアレイ構造が適用されることができる。
図14を参照すると、第1マッチング回路120-1は、第1RF電源110-1及び接地に結合された固定シャントキャパシタC
Sと、第1RF電源110-1及び固定シャントキャパシタC
Sに結合され、互いに並列に接続された複数のキャパシタを含む第1直列キャパシタアレイ122-1と、固定シャントキャパシタC
S及びデカップリング部30に結合され、互いに並列に接続された複数のキャパシタを含む第2直列キャパシタアレイ124-1と、を含むことができる。
【0086】
第1直列キャパシタアレイ122-1は、第1機械式真空可変キャパシタC1と、第1機械式真空可変キャパシタに並列に接続された複数の第1並列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含み、第2直列キャパシタアレイ124-1は、第2機械式真空可変キャパシタC2と、第2機械式真空可変キャパシタC2に並列に接続された複数の第2並列電子式スイッチキャパシタモジュールと、を含む。第1並列電子式スイッチキャパシタモジュールは、第1固定キャパシタC11、C12……、C1N及び第1固定キャパシタC11、C12……、C1Nに直列に接続された第1スイッチS11、S12……、S1Nを含む。第2並列電子式スイッチキャパシタモジュールは、第2固定キャパシタC12、C22……、C2Nと、第2固定キャパシタC21、C22……、C2Nに直列に接続された第2スイッチS21、S22……、S2Nと、を含む。
【0087】
さらに、本発明の実施形態は、高い電力レベルの動作領域を有する高速整合のためのマッチング回路の制御方法を提供する。
【0088】
図12は、電力供給装置2におけるマッチングシステムの構成を示す。
図12を参照すると、第1RF電源110-1が動作すると、第1マッチング回路120-1に備えられた入力センサは、入力インピーダンスZ
INと対応する反射係数Γを測定する。このとき、反射係数Γが基準値より高い場合、制御器を用いてプラズマ負荷40のインピーダンスを計算して第1マッチング回路120-1内のインピーダンス(キャパシタンス)を調節する。インピーダンス調節後、反射係数Γが基準値より低い場合には、別途のインピーダンス調節なしに工程を行う。工程実行中にも入力インピーダンスZ
INと第1RF電源110-1の出力が整合されるか否かをモニタリングし、反射係数Γが基準値より高い場合には、再びインピーダンスを調節する過程が繰り返し行われる。
【0089】
機械式真空可変キャパシタのキャパシタンスを調節する方法の場合は、機械式操作に依存するため、マッチング時間が遅れる可能性が高い。したがって、本発明の実施形態は、工程処理チャンバ3の工程条件が変更されるとき、機械式可変キャパシタのキャパシタンスを予め設定された値に固定させた状態で、電子式スイッチの制御によって迅速なマッチングを達成する方法を提供する。
【0090】
すなわち、本発明に係るプラズマ処理設備1は、基板に対する工程処理を行う工程処理チャンバ3と、工程処理チャンバ3にプラズマを形成するための電力を供給する電力供給装置2と、を含む。電力供給装置2は、第1RF信号を生成する第1RF電源110-1、第1RF電源110-1に接続された第1マッチング回路120-1、及び第1RF信号をプラズマ負荷40へ伝達する第1電力伝達回路130-1を含む第1電力供給部10と、第2RF信号を生成する第2RF電源110-2、第2RF電源110-2に接続された第2マッチング回路120-2、及び第2RF信号をプラズマ負荷40へ伝達する第2電力伝達回路130-2を含む第2電力供給部20と、第1電力供給部10と第2電力供給部20との干渉を除去するデカップリング部30と、を含む。第1マッチング回路120-1及び第2マッチング回路120-2のそれぞれは、機械式真空可変キャパシタC1又はC2、及び機械式真空可変キャパシタC1又はC2に対して並列に接続されている複数の電子式スイッチキャパシタモジュール1220-1、1220-2……、1220-N又は1240-1、1240-2……、1240-Nを含み、工程処理チャンバ3の工程条件が変更されるとき、機械式真空可変キャパシタC1及びC2のキャパシタンスが固定された状態で電子式スイッチキャパシタモジュール1220-1、1220-2……、1220-N又は1240-1、1240-2……、1240-Nの制御によって第1マッチング回路120-1及び第2マッチング回路120-2のインピーダンスが調節される。
【0091】
本発明によれば、第1マッチング回路120-1は、第1RF電源110-1及び接地に結合され、互いに並列に接続された複数のキャパシタC1、CP1、CP2……、Cpnを含む 第1並列キャパシタアレイ122-1と、第1RF電源110-1及びデカップリング部30に結合され、第1並列キャパシタアレイ122-1に直列に接続されている複数のキャパシタC2、CS1、CS2……、CSnを含む第1直列キャパシタアレイ124-1と、を含む。同様に、第2マッチング回路120-2は、第2RF電源110-2及び接地に結合され、互いに並列に接続された複数のキャパシタを含む第2並列キャパシタアレイ122-2と、第2RF電源110-2及びデカップリング部30に結合され、第2並列キャパシタアレイ122-2に直列に接続された複数のキャパシタを含む第2直列キャパシタアレイ124-1と、を含むことができる。
【0092】
第1並列キャパシタアレイ122-1は、並列機械式真空可変キャパシタC1と、並列機械式真空可変キャパシタC1に並列に接続された複数の並列電子式スイッチキャパシタモジュール1220-1、1220-2……、1220-Nと、を含む。第1直列キャパシタアレイ124-1は、直列機械式真空可変キャパシタC2と、直列機械式真空可変キャパシタC2に並列に接続された複数の直列電子式スイッチキャパシタモジュール1240-1、1240-2……、1240-Nと、を含む。
【0093】
並列電子式スイッチキャパシタモジュール1220-1、1220-2、……、1220-Nは、固定されたキャパシタンスを有する並列固定キャパシタCP1、CP2……、CPnと、並列固定キャパシタCP1、CP2……、CPnに直列に接続された並列スイッチSP1、SP2……、SPnと、を含む。直列電子式スイッチキャパシタモジュール1240-1、1240-2、……、1240-Nは、固定されたキャパシタンスを有する直列固定キャパシタCS1、CS2……、CSnと、直列固定キャパシタCS1、CS2……、CSnに直列に接続された直列スイッチSS1、SS2……、SSnと、を含む。
【0094】
並列機械式真空可変キャパシタC1は、並列固定キャパシタCP1、CP2……、CPnよりも大きいキャパシタンスを有する。直列機械式真空可変キャパシタC2は、直列固定キャパシタCS1、CS2……、CSnよりも大きいキャパシタンスを有する。
【0095】
本発明によれば、並列機械式真空可変キャパシタC1及び前記直列機械式真空可変キャパシタC2のキャパシタンスは、予め設定された値に調節される。並列機械式真空可変キャパシタC1及び前記直列機械式真空可変キャパシタC2のキャパシタンスとして予め設定された値は、プラズマ処理設備1のプロセスガスの種類、流量、圧力又は供給電力によって決定される。
【0096】
図13aは、本発明によるプラズマ処理設備によって行われる基板処理方法を示すフローチャートであり、
図13bは、本発明によるインピーダンスを調節する過程を示すフローチャートである。
【0097】
図13aを参照すると、インピーダンスマッチング回路(第1マッチング回路120-1及び第2マッチング回路120-2)のインピーダンスを調節するステップ(S1301)と、インピーダンスの調節が完了すると、基板に対する工程処理を行うステップ(S1302)と、を含む。
【0098】
図13bを参照すると、インピーダンスマッチング回路のインピーダンスを調節するステップ(S1301)は、機械式真空可変キャパシタC
1及びC
2のキャパシタンスを予め設定された値に調節するステップ(S1310)と、第1マッチング回路120-1及び第2マッチング回路120-2の入力インピーダンスZ
INを測定するステップ(S1320)と、プラズマ負荷40からの反射係数Γが基準反射係数より大きいか否かを判断するステップ(S1330)と、前記反射係数Γが基準反射係数より大きい場合、プラズマ負荷40のインピーダンスZ
Pを測定するステップ(S1340)と、プラズマ負荷40のインピーダンスに基づいて複数の電子式可変キャパシタモジュール1220-1、1220-2……、1220-N及び1240-1、1240-2……、1240-Nのスイッチオン/オフ制御によって電子式可変キャパシタモジュール1220-1、1220-2、……、1220-N及び1240-1、1240-2……、1240-Nのキャパシタンスを調節するステップ(S1350)と、を含む。
【0099】
機械式真空可変キャパシタのキャパシタンスを予め設定された値に調節するステップ(S1310)で、並列機械式真空可変キャパシタC1及び前記直列機械式真空可変キャパシタC2のキャパシタンスが予め設定された値に調節される。並列機械式真空可変キャパシタC1及び前記直列機械式真空可変キャパシタC2のキャパシタンスとして予め設定された値は、プラズマ処理設備1のプロセスガスの種類、流量、圧力又は供給電力によって決定される。
【0100】
その後、入力インピーダンスZINを測定するステップ(S1320)が行われる。ここで、第1マッチング回路120-1に備えられた入力センサは、入力インピーダンスZINに対応する反射係数Γを測定する。
【0101】
入力インピーダンスZINに対応する反射係数Γを測定した後、反射係数Γが基準値より小さいか否かを確認するステップ(S1330)が行われる。反射係数Γが基準値より小さい場合、プロセス処理を行いながら入力インピーダンスZINを測定するステップ(S1320)が繰り返し行われることができる。
【0102】
反射係数Γが基準値と同じかそれより大きい場合、負荷インピーダンスZPを測定するステップ(S1340)と、入力インピーダンスZIN及びプラズマ負荷40のインピーダンスZPに基づいて複数の電子式可変キャパシタモジュール1220-1、1220-2……、1220-N及び1240-1、1240-2……、1240-Nのスイッチオン/オフ制御によって電子式可変キャパシタモジュール1220-1、1220-2……、1220-N及び1240-1、1240-2……、1240-Nのキャパシタンスを調節するステップ(S1350)とが行われる。
【0103】
電子式可変キャパシタモジュール1220-1、1220-2……、1220-N及び1240-1、1240-2……、1240-Nのキャパシタンスを調節するステップ(S1350)は、プラズマ負荷40のインピーダンスZPに基づいてインピーダンス調節値を計算するステップと、インピーダンス調節値に対応するキャパシタンスを有する電子式可変キャパシタモジュール1220-1、1220-2……、1220-N及び1240-1、1240-2……、1240-NのスイッチSP1、SP2……、SPn及びCS1、CS2……、CSnをターンオンさせるステップと、を含むことができる。
【0104】
電子式可変キャパシタモジュール1220-1、1220-2……、1220-N及び1240-1、1240-2……、1240-Nのキャパシタンスを調節する方法であって、一つ又はそれ以上のスイッチをオンにし、残りのスイッチをオフにすることができる。スイッチがオンになったキャパシタのキャパシタンスがインピーダンスマッチング回路のインピーダンスに合算されて全体的なマッチング回路のインピーダンスが調節される。
【0105】
すなわち、並列機械式真空可変キャパシタC1及び直列機械式真空可変キャパシタC2のキャパシタンスが予め設定された値に固定された状態で、並列電子式スイッチキャパシタモジュール1220-1、1220-2……、1220-N及び直列電子式スイッチキャパシタモジュール1240-1、1240-2……、1240-Nのスイッチ制御によってインピーダンスを整合させるように構成される。インピーダンス整合が完了すると、工程処理を行いながら入力インピーダンスZINを測定するステップ(S1320)が繰り返し行われる。
【0106】
本実施形態及び本明細書に添付された図面は、本発明に含まれる技術的思想の一部を明確に示しているものに過ぎず、本発明の明細書及び図面に含まれている技術的思想の範囲内で当業者が容易に類推することが可能な変形例及び具体的な実施形態はいずれも、本発明の権利範囲に含まれることが自明であるといえる。
【0107】
したがって、本発明の思想は、説明された実施形態に限定されてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等又は等価的な変形がある全てのものは、本発明の思想の範疇に属するというべきである。
【符号の説明】
【0108】
1 プラズマ処理設備
2 電力供給装置
3 工程処理チャンバ
10 第1電力供給部
20 第2電力供給部
30 デカップリング部
40 プラズマ負荷