(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】CCR8に結合する抗体及び融合タンパク質並びにそれらの使用
(51)【国際特許分類】
C07K 16/28 20060101AFI20240718BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240718BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240718BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240718BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20240718BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20240718BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240718BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240718BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240718BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240718BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20240718BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20240718BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240718BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20240718BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20240718BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
C07K16/28
A61K39/395 N
A61K39/395 T
A61K39/395 U
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/04
C07K19/00
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N15/13 ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12P21/08
C12Q1/02
G01N33/53 D
(21)【出願番号】P 2022548155
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(86)【国際出願番号】 US2021017268
(87)【国際公開番号】W WO2021163064
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-08-08
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500029420
【氏名又は名称】ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】マクグラス, ララ ルイス
(72)【発明者】
【氏名】デピ, ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】フー, チャンユン
(72)【発明者】
【氏名】プレスタ, レナード ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ブッゲ, ジョシュア アダム
【審査官】西澤 龍彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/044756(WO,A2)
【文献】国際公開第2018/181425(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
C07K
C12P
C12Q
G01N
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトCCR8に結合する単離された抗体であって、前記抗体が、
配列番号84若しくは100のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、配列番号85のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域2(HCDR2)、配列番号86のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域3(HCDR3)、配列番号87のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、配列番号88のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域2(LCDR2)及び配列番号89のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域3(LCDR3)を含む、単離された抗体。
【請求項2】
前記抗体が、
(i)配列番号92のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、及び配列番号93のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、又は
(ii)配列番号96のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含むVH、及び配列番号97のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含むVL、
を含む、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項3】
前記抗体が、
(i)配列番号92のアミノ酸配列を含むVH及び配列番号93のアミノ酸配列を含むVL、又は
(ii)配列番号96のアミノ酸配列を含むVH及び配列番号97のアミノ酸配列を含むVL、を含む、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項4】
前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の単離された抗体。
【請求項5】
前記抗体が、ヒト化抗体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の単離された抗体。
【請求項6】
前記抗体が、完全長抗体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の単離された抗体。
【請求項7】
前記抗体が、IgG1又はIgG3抗体である、請求項1~6のいずれか一項に記載の単離された抗体。
【請求項8】
前記抗体が、
(i)配列番号94のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含む重鎖(HC)、及び配列番号95のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)、又は
(ii)配列番号98のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含むHC、及び配列番号99のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含むLC、
を含む、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項9】
前記抗体が、配列番号94のアミノ酸配列を含むHC及び配列番号95のアミノ酸配列を含むLCを含む、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項10】
前記抗体が、配列番号98のアミノ酸配列を含むHC及び配列番号99のアミノ酸配列を含むLCを含む、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項11】
前記抗体が、細胞殺傷を増強する少なくとも1つの修飾を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の単離された抗体。
【請求項12】
前記増強された細胞殺傷が、増強された抗体依存性細胞傷害性(ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害性(CDC)である、請求項11に記載の単離された抗体。
【請求項13】
前記少なくとも1つの修飾が、アフコシル化である、請求項11に記載の単離された抗体。
【請求項14】
前記抗体が、
配列番号92のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、
配列番号93のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)と
を含む、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項15】
前記抗体が、
配列番号96のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含むVHと、
配列番号97のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含むVLと
を含む、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項16】
前記抗体が、配列番号92のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号93のアミノ酸配列を含むVLとを含む、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項17】
前記抗体が、配列番号96のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号97のアミノ酸配列を含むVLとを含む、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項18】
前記抗体が、
配列番号94のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含む重鎖と、
配列番号95のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖と
を含む、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項19】
前記抗体が、
配列番号98のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含む重鎖と、
配列番号99のアミノ酸配列と少なくとも90%
同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖と
を含む、請求項1
に記載の単離された抗体。
【請求項20】
前記HCDR1が配列番号84のアミノ酸配列を含み、前記HCDR2が配列番号85のアミノ酸配列を含み、前記HCDR3が配列番号86のアミノ酸配列を含み、前記LCDR1が配列番号87のアミノ酸配列を含み、前記LCDR2が配列番号88のアミノ酸配列を含み、前記LCDR3が配列番号89のアミノ酸配列を含み、前記抗体がアフコシル化されている、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項21】
前記HCDR1が配列番号100のアミノ酸配列を含み、前記HCDR2が配列番号85のアミノ酸配列を含み、前記HCDR3が配列番号86のアミノ酸配列を含み、前記LCDR1が配列番号87のアミノ酸配列を含み、前記LCDR2が配列番号88のアミノ酸配列を含み、前記LCDR3が配列番号89のアミノ酸配列を含み、前記抗体がアフコシル化されている、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項22】
前記抗体が、配列番号92のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号93のアミノ酸配列を含むVLとを含み、前記抗体がアフコシル化されている、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項23】
前記抗体が、配列番号96のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号97のアミノ酸配列を含むVLとを含み、前記抗体がアフコシル化されている、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項24】
前記抗体が、配列番号94のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号95のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含み、前記抗体がアフコシル化されている、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項25】
前記抗体が、配列番号98のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号99のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含み、前記抗体がアフコシル化されている、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項26】
前記少なくとも1つの修飾が、L234、L235、G236、S239、F243、H268、D270、R292、S298、Y300、V305、K326、A330、I332、E333、K334、及びP396から選択される1つ以上の位置での1つ以上の重鎖定常領域変異である、請求項11に記載の単離された抗体。
【請求項27】
前記1つ以上の重鎖定常領域変異が、S239D、S239M、F243L、H268D、D270E、R292P、S298A、Y300L、V305I、K326D、A330L、A330M、I332E、E333A、K334A、K334E、及びP396Lから選択される1つ以上の変異である、請求項26に記載の単離された抗体。
【請求項28】
前記1つ以上の重鎖定常領域変異が、F243L/R292P/Y300L/V305I/P396L、S239D/I332E、S239D/I332E/A330L、S298A/E333A/K334A、L234Y/L235Q/G236W/S239M/H268D/D270E/S298A、及びD270E/K326D/A330M/K334Eから選択される、請求項26に記載の単離された抗体。
【請求項29】
前記少なくとも1つの修飾が、ガラクトシル化である、請求項11に記載の単離された抗体。
【請求項30】
前記抗体が、
15.9pM以上10nM未満
の親和性(K
D)でヒトCCR8に結合する、請求項1~29のいずれか一項に記載の単離された抗体。
【請求項31】
前記抗体が、
15.9pM以上10nM未満
のオン細胞親和性(K
D)でヒトCCR8に結合する、請求項1~29のいずれか一項に記載の単離された抗体。
【請求項32】
前記親和性(K
D)が、結合平衡排除アッセイによって決定される、請求項30又は31に記載の単離された抗体。
【請求項33】
請求項1~32のいずれか一項に記載の抗体のアミノ酸配列のいずれか1つをコードする、単離された核酸。
【請求項34】
請求項33に記載の単離された核酸を含む、ベクター。
【請求項35】
請求項34に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項36】
請求項1~32のいずれか一項に記載の抗体を発現する、宿主細胞。
【請求項37】
CCR8に結合する抗体を産生する方法であって、前記抗体を発現するのに適した条件下で請求項35又は36に記載の前記宿主細胞を培養することを含む、方法。
【請求項38】
がんの治療における医薬の調製のための、請求項1~32のいずれか一項に記載の単離された抗体の使用。
【請求項39】
がんを治療するための組成物であって、請求項1~32のいずれか一項に記載の抗体を含み、前記組成物ががんを有する対象に投与されることを特徴とする、組成物。
【請求項40】
請求項1~32のいずれか一項に記載の抗体を用いた治療のための対象を選択するための指標として、がんを有する対象からの試料におけるCCR8発現を決定する方法であって、前記対象からの
試料におけるCCR8発現を検出することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照声明)
本出願は、2020年2月14日に出願された米国仮特許出願第62/976,869号、及び2020年12月23日に出願された米国仮特許出願第63/130,157号に対して米国特許法第119条(e)の下で優先権を主張する。両方の仮出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(配列表)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出され、全体が参照により本明細書に組み込まれる配列表を含む。2021年2月7日に作成された当該ASCIIコピーは、119835-0178_SL.txtと名付けられ、157KBのサイズである。
【0003】
(発明の分野)
CCR8に結合する抗体及び融合タンパク質が提供される。かかる抗体及び/又は融合タンパク質を投与することを含む治療方法も提供される。
【背景技術】
【0004】
ケモカイン(C-Cモチーフ)受容体8(Chemokine(C-C motif)receptor 8、CCR8)は、Gタンパク質共役型受容体(G protein-coupled receptor、GPCR)ファミリーに属する。CCR8は、腫瘍微小環境において見られる免疫抑制細胞の一種である腫瘍制御性T(regulatory T、Treg)細胞で主に発現される。
【0005】
がん並びに他の疾患及び障害の治療のためにCCR8に結合する抗体及び融合タンパク質が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、ヒトCCR8に結合する単離された抗体を記載し、抗体は、
a)配列番号12のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号13のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号14のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号15のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号16のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号17のアミノ酸配列を含むLCDR3、
b)配列番号24のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号25のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号26のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号27のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号28のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号29のアミノ酸配列を含むLCDR3、
c)配列番号36のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号37のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号38のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号39のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号40のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号41のアミノ酸配列を含むLCDR3、
d)配列番号48のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号49のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号50のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号51のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号52のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号53のアミノ酸配列を含むLCDR3、又は
e)配列番号60のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号61、72、若しくは78のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号62、73、若しくは79のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号63のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号64のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号65のアミノ酸配列を含むLCDR3、又は
f)配列番号84若しくは100のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号85のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号86のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号87のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号88のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号89のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む。
【0007】
本出願はまた、単離された抗体について記載し、抗体は、
a)配列番号60のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号61、72、若しくは78のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号62、73、若しくは79のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号63のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号64のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号65のアミノ酸配列を含むLCDR3、又は
b)配列番号84若しくは100のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号85のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号86のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号87のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号88のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号89のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、抗体は、
a)配列番号68若しくは74のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(heavy chain variable region、VH)、及び配列番号69若しくは75のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(light chain variable regio、VL)、又は
b)配列番号92若しくは96のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、及び配列番号93若しくは97のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、抗体は、
a)配列番号68若しくは74のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、及び配列番号69若しくは75のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、又は
b)配列番号92若しくは96のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、及び配列番号93若しくは97のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、完全長抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1又はIgG3抗体である。
【0011】
いくつかの実施形態では、抗体は、
a)配列番号70若しくは76のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖(heavy chain、HC)、及び配列番号71若しくは77のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖(light chain、LC)、又は
b)配列番号94若しくは98のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖(HC)、及び配列番号95若しくは99のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、抗体は、抗体配列番号70若しくは76のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)、及び配列番号71若しくは77のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)、又は配列番号94若しくは98のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)、及び配列番号95若しくは99のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、抗体は、細胞殺傷を増強する少なくとも1つの修飾を含む。いくつかの実施形態では、増強された細胞殺傷は、増強された抗体依存性細胞傷害性(antibody-dependent cellular cytotoxicity、ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害性(complement-dependent cytotoxicity、CDC)である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾は、アフコシル化である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾は、L234、L235、G236、S239、F243、H268、D270、R292、S298、Y300、V305、K326、A330、I332、E333、K334、及びP396から選択される1つ以上の位置での1つ以上の重鎖定常領域変異である。いくつかの実施形態では、1つ以上の重鎖定常領域変異は、S239D、S239M、F243L、H268D、D270E、R292P、S298A、Y300L、V305I、K326D、A330L、A330M、I332E、E333A、K334A、K334E、及びP396Lから選択される1つ以上の変異である。いくつかの実施形態では、1つ以上の重鎖定常領域変異は、F243L/R292P/Y300L/V305I/P396L、S239D/I332E、S239D/I332E/A330L、S298A/E333A/K334A、L234Y/L235Q/G236W/S239M/H268D/D270E/S298A、及びD270E/K326D/A330M/K334Eから選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾は、ガラクトシル化である。
【0014】
いくつかの実施形態では、抗体は、10nM未満、又は5nM未満、又は1nM未満、又は500pM未満、又は250pM未満、又は100pM未満、又は75pM未満、又は50pM未満、又は25pM未満の(例えば、結合平衡排除アッセイ(Kinetic Exclusion Assay)(すなわち、KinExA)によって決定されるような)親和性(KD)でヒトCCR8に結合する。いくつかの実施形態では、抗体は、例えば、結合平衡排除アッセイ(すなわち、KinExA)によって決定されるような、10nM未満、又は5nM未満、又は1nM未満、又は500pM未満、又は250pM未満、又は100pM未満、又は75未満、又は50pM未満、又は25pM未満のオン細胞親和性(KD)でヒトCCR8に結合する。
【0015】
本開示はまた、抗体をコードする単離された核酸を記載する。いくつかの実施形態では、ベクターは、単離された核酸を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、核酸又はベクターを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、抗体を発現する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、アフコシル化抗体を産生するように操作される。
【0016】
いくつかの実施形態では、CCR8に結合する抗体を産生する方法は、抗体を発現するのに適した条件下で宿主細胞を培養することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、抗体を単離することをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、(a)CCL1若しくはその活性断片又はMC148若しくはその活性断片、及び(b)Fc領域を含む。いくつかの実施形態では、Fc領域は、IgG1又はIgG3 Fc領域である。いくつかの実施形態では、Fc領域は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、Fc領域は、細胞殺傷を増強する少なくとも1つの修飾を含む。いくつかの実施形態では、増強された細胞殺傷は、増強された抗体依存性細胞傷害性(ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害性(CDC)である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾は、アフコシル化である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾は、L234、L235、G236、S239、F243、H268、D270、R292、S298、Y300、V305、K326、A330、I332、E333、K334、及びP396から選択される1つ以上の位置での1つ以上のFc領域変異である。いくつかの実施形態では、1つ以上のFc領域変異は、S239D、S239M、F243L、H268D、D270E、R292P、S298A、Y300L、V305I、K326D、A330L、A330M、I332E、E333A、K334A、K334E、及びP396Lから選択される1つ以上の変異である。いくつかの実施形態では、1つ以上のFc領域変異は、F243L/R292P/Y300L/V305I/P396L、S239D/I332E、S239D/I332E/A330L、S298A/E333A/K334A、L234Y/L235Q/G236W/S239M/H268D/D270E/S298A、及びD270E/K326D/A330M/K334Eから選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾は、ガラクトシル化である。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、CCL1又はその活性断片を含む。いくつかの実施形態では、CCL1又はその活性断片は、配列番号2のアミノ酸配列又は配列番号2のアミノ酸24~96を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列又は配列番号1のアミノ酸24~316を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、MC148又はその活性断片を含む。いくつかの実施形態では、MC148又はその活性断片は、配列番号6のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号5のアミノ酸配列を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、単離された核酸は、融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、ベクターは、単離された核酸を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、その核酸又はベクターを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、融合タンパク質を発現する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、アフコシル化抗体を産生するように操作される。
【0020】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質を産生する方法は、融合タンパク質を発現するのに適した条件下で宿主細胞を培養することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、融合タンパク質を単離することをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、がんを治療する方法は、がんを有する対象に、有効量の本明細書で提供される抗体(例えば、7-B16、1-K17など)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、がんを治療する方法は、がんを有する対象に、有効量のCCR8に結合する本明細書で提供される融合タンパク質を投与することを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、がんは、腫瘍浸潤Treg細胞を含む。いくつかの実施形態では、がんは、(例えば、免疫組織化学、蛍光活性化細胞選別(fluorescence-activated cell sorting、FACS)、遺伝子発現分析(Q-PCR又はRT-PCRなど)、ウエスタンブロット、ELISAなどによって決定されるように)CCR8を発現する細胞を含む。いくつかの実施形態では、CCR8を発現する細胞は、Treg細胞である。いくつかの実施形態では、Treg細胞は、免疫抑制性であり、概してエフェクタT細胞の誘導及び増殖を抑制又は下方調節するT細胞の亜集団である。いくつかの実施形態では、Treg細胞は、CD4、FOXP3、及びCD25(IL-2受容体α鎖)を発現する。いくつかの実施形態では、CCR8は、細胞当たり10,000コピー未満でTreg細胞の表面上に発現され、これは、例えば、蛍光活性化細胞選別(FACS)及びフローサイトメトリーによって決定され得る。いくつかの実施形態では、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%の腫瘍浸潤Treg細胞が、細胞当たり10,000コピー未満のCCR8を細胞の表面上に発現する。いくつかの実施形態では、腫瘍から得られた試料における5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%の腫瘍浸潤Treg細胞が、細胞当たり10,000コピー未満のCCR8を発現する。いくつかの実施形態では、がんは、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択される。いくつかの実施形態では、がんは、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)である。
【0023】
いくつかの実施形態では、がんは、(例えば、免疫組織化学、蛍光活性化細胞選別(FACS)、遺伝子発現分析(Q-PCR又はRT-PCRなど)、ウエスタンブロット、ELISAなどによって決定されるように)CCR8を発現する細胞を含む。いくつかの実施形態では、CCR8発現細胞は、Treg細胞である。いくつかの実施形態では、Treg細胞は、免疫抑制性であり、概してエフェクタT細胞の誘導及び増殖を抑制又は下方調節するT細胞の亜集団である。いくつかの実施形態では、Treg細胞は、CD4、FOXP3、及びCD25(IL-2受容体α鎖)を発現する。いくつかの実施形態では、がんは、固形がんである。いくつかの実施形態では、がんは、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択される。いくつかの実施形態では、がんは、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)である。いくつかの実施形態では、固形がんを治療する方法は、固形がんを有する対象に、有効量のヒトCCR8に結合する抗体(例えば、7-B16、1-K17など)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、CCL1のCCR8への結合を阻害する。いくつかの実施形態では、がんは、血液がんである。いくつかの実施形態では、血液がんを治療する方法は、血液がんを有する対象に、有効量のヒトCCR8に結合する抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、CCL1のCCR8への結合を阻害する。いくつかの実施形態では、血液がんは、CCR8を発現する。いくつかの実施形態では、対象は、チェックポイント阻害剤(checkpoint inhibitor、CPI)での治療を以前に受けたことがあり、任意選択的に、がんは、CPIに耐性があった。いくつかの実施形態では、がんは、難治性がんであるか、又はチェックポイント阻害剤(CPI)療法に耐性がある。いくつかの実施形態では、CPI療法は、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗PDL1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブ(zimberelimab)から選択されるか、抗CLTA4抗体は、イピリムマブ又はトレメリムマブであるか、又は抗TIGIT抗体は、チラゴルマブ(tiragolumab)、ビボストリマブ(vibostolimab)、ドムバナリマブ(domvanalimab)、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される。
【0024】
いくつかの実施形態では、ヒトCCR8に結合する抗体での治療のための固形がんを有する対象を選択する方法は、対象由来の試料におけるCCR8発現を検出することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、有効量のヒトCCR8に結合する抗体を投与することをさらに含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、ヒトCCR8に結合する抗体での治療のための血液がんを有する対象を選択する方法は、対象由来の試料におけるCCR8発現を検出することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、有効量のヒトCCR8に結合する抗体を投与することをさらに含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、血液がんを治療する方法は、血液がんを有する対象に、有効量のCCR8に結合する本明細書で提供される融合タンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、(a)CCL1若しくはその活性断片又はMC148若しくはその活性断片、及び(b)Fc領域を含む融合タンパク質での治療のための血液がんを有する対象を選択する方法は、対象由来の試料におけるCCR8発現を検出することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、(a)CCL1若しくはその活性断片又はMC148若しくはその活性断片、及び(b)Fc領域を含む、有効量の融合タンパク質を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、血液がんは、T細胞成人急性リンパ球性白血病、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、急性リンパ球性白血病、皮膚T細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ球性白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫、又は未分化大細胞リンパ腫である。
【0027】
一態様では、本開示は、ヒトCCR8に結合する単離された抗体を提供し、抗体は、配列番号86又は1、2、若しくは3つの変異を含む配列番号86のバリアントを含むHCDR3を含み、抗体は、ヒトCCR8に結合し、ADCC活性を有する。いくつかの実施形態では、変異は、置換(例えば、保存的及び/又は非保存的置換)、欠失、又は挿入である。いくつかの実施形態では、1、2、又は3つの変異は、配列番号86のアミノ酸1~4、6、7、又は12位のうちの少なくとも1つに位置する。いくつかの実施形態では、置換は、保存的置換である。いくつかの実施形態では、保存的置換は、配列番号86のアミノ酸1、4、又は12位にある。いくつかの実施形態では、置換は、非保存的置換である。いくつかの実施形態では、非保存的置換は、配列番号86のアミノ酸7位にある。いくつかの実施形態では、抗体は、HCDR3における少なくとも2つの置換を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの置換は、配列番号86のアミノ酸1~4、6、7、又は12位のうちの少なくとも1つに位置する。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの置換は、保存的置換である。いくつかの実施形態では、保存的置換のうちの少なくとも1つは、配列番号86のアミノ酸1、4、又は12位にある。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの置換は、非保存的置換である。いくつかの実施形態では、非保存的置換のうちの少なくとも1つは、配列番号86のアミノ酸7位にある。いくつかの実施形態では、変異は、1つより多くの置換変異が存在する場合に保存的置換及び非保存的置換を含む。別の態様では、本開示は、ヒトCCR8に結合する単離された抗体を提供し、抗体は、配列番号86と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるHCDR3を含み、抗体は、ヒトCCR8に結合し、ADCC活性を有する。いくつかの実施形態では、HCDR3は、配列番号86及び配列番号104~119のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号84又は配列番号123を含むHCDR1を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号85又は配列番号124を含むHCDR2を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号87又は配列番号120を含むLCDR1を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号88又は配列番号121を含むLCDR2を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号89又は配列番号122を含むLCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ADCC活性は、ADCCレポーターの作用の機構(mechanism of action、MOA)ベースのバイオアッセイによって測定された、200、175、150、125、100、75、50、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1ng/ml未満のEC50値を含む。いくつかの実施形態では、ADCC活性は、7-B16抗体よりも強力である。いくつかの実施形態では、ADCC活性は、少なくとも7-B16抗体と同じくらい強力である。いくつかの実施形態では、抗体は、(例えば、結合平衡排除アッセイ(すなわち、KinExA)によって決定されるような)7-B16抗体以下である、ヒトCCR8に対するKDを有する。いくつかの実施形態では、抗体は、(例えば、結合平衡排除アッセイ(すなわち、KinExA)によって決定されるような)7-B16抗体以下である、ヒトCCR8に対するオン細胞KDを有する。いくつかの実施形態では、抗体は、細胞殺傷を増強する少なくとも1つの修飾を含む。いくつかの実施形態では、増強された細胞殺傷は、増強された抗体依存性細胞傷害性(ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害性(CDC)である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾は、アフコシル化である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾は、L234、L235、G236、S239、F243、H268、D270、R292、S298、Y300、V305、K326、A330、I332、E333、K334、及びP396から選択される1つ以上の位置での1つ以上の重鎖定常領域変異である。いくつかの実施形態では、1つ以上の重鎖定常領域変異は、S239D、S239M、F243L、H268D、D270E、R292P、S298A、Y300L、V305I、K326D、A330L、A330M、I332E、E333A、K334A、K334E、及びP396Lから選択される1つ以上の変異である。いくつかの実施形態では、1つ以上の重鎖定常領域変異は、F243L/R292P/Y300L/V305I/P396L、S239D/I332E、S239D/I332E/A330L、S298A/E333A/K334A、L234Y/L235Q/G236W/S239M/H268D/D270E/S298A、及びD270E/K326D/A330M/K334Eから選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾は、ガラクトシル化である。いくつかの実施形態では、抗体は、10nM未満、又は5nM未満、若しくは1nM未満、又は500pM未満、次いで250pM未満、又は100pM未満、又は75pM未満、又は50pM未満、又は25pM未満の(例えば、結合平衡排除アッセイ(すなわち、KinExA)によって決定されるような)親和性(KD)親和性でヒトCCR8に結合する。いくつかの実施形態では、抗体は、例えば、結合平衡排除アッセイ(すなわち、KinExA)によって決定されるような、10nM未満、又は5nM未満、又は1nM未満、又は500pM未満、又は250pM未満、又は100pM未満、又は75未満、又は50pM未満、又は25pM未満のオン細胞親和性(KD)でヒトCCR8に結合する。いくつかの実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体又はヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、完全長抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1又はIgG3抗体である。
【0028】
本開示はまた、がんを治療するための本明細書に記載の態様又は実施形態のうちのいずれか1つの単離された抗体又は融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、がんは、血液がん又は固形がん/固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、がんは、CCR8を発現する。いくつかの実施形態では、血液がんは、T細胞成人急性リンパ球性白血病、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、急性リンパ球性白血病、皮膚T細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ球性白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫、又は未分化大細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、がんは、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択される。いくつかの実施形態では、がんは、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)である。いくつかの実施形態では、治療方法は、対象に1つ以上の追加の治療薬(例えば、他の抗がん剤)を投与することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、抗Trop-2抗体(例えば、サシツズマブゴビテカン(sacituzumab govitecan)、SKB-264、JS-108(DAC-002)、ダトポタマブデルキステカン(datopotamab deruxtecan)、BAT-8003)、抗CD47抗体又はCD47遮断薬(例えば、マグロリマブ、DSP-107、AO-176、ALX-148、IBI-188、レムゾパルリマブ(lemzoparlimab)、TTI-621、TTI-622)、抗SIRPα抗体(例えば、GS-0189)、FLT3L-Fc融合タンパク質(例えば、GS-3583)、抗PD-1抗体(ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ジムベレリマブ)、小分子PD-L1阻害剤(例えば、GS-4224)、抗PD-L1抗体(例えば、アテゾリズマブ)、小分子MCL1阻害剤(例えば、GS-9716)、小分子HPK1阻害剤(例えば、GS-6451)、HPK1分解剤(PROTAC、例えば、ARV-766)、小分子DGKa阻害剤、小分子CD73阻害剤(例えば、AB680)、抗CD73抗体(例えば、オレクルマブ(oleclumab))、デュアルA2a/A2bアデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、エトルマデナント(etrumadenant)(AB928))、抗TIGIT抗体(例えば、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308)、抗TREM1抗体(例えば、PY159)、抗TREM2抗体(例えば、PY314)、TGFβトラップ(例えば、ビントラフスプアルファ(bintrafusp alpha)、AGEN-1423)、抗TGFβ1抗体(例えば、SRK-181)、及びCAR-T細胞療法(例えば、アキシカブタジンシロロイセル(axicabtagene ciloleucel)、ブレクスカブタジンオートロイセル(brexucabtagene autoleucel)、チサゲンレクロイセル)から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、サシツズマブゴビテカン-hziy、マグロリマブ、GS-0189、GS-3583、ジムベレリマブ、GS-4224、GS-9716、GS-6451、AB680、エトルマデナント(AB928)、ドムバナリマブ、AB308、PY159、PY314、SRK-181、アキシカブタジンシロロイセル、及びブレクスカブタジンオートロイセルから選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬の投与は、抗体の投与と同時にあるが、一方でいくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬の投与は、抗体の投与の前又は後である。いくつかの実施形態では、がんは、難治性がんであるか、又はチェックポイント阻害剤(CPI)療法に耐性がある。いくつかの実施形態では、CPI療法は、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗PDL1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブから選択されるか、抗CLTA4抗体は、イピリムマブ又はトレメリムマブであるか、又は抗TIGIT抗体は、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される。
【0029】
本開示はまた、本明細書に記載の態様又は実施形態のうちのいずれか1つに記載の抗体をコードする核酸を提供する。
【0030】
本開示はまた、がんを治療する方法を提供し、本明細書に記載の態様又は実施形態のうちのいずれか1つによる抗体をがんを有する対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、がんは、血液がん又は固形がん/固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、がんは、CCR8を発現する。いくつかの実施形態では、血液がんは、T細胞成人急性リンパ球性白血病、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、急性リンパ球性白血病、皮膚T細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ球性白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫、又は未分化大細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、がんは、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択される。いくつかの実施形態では、がんは、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)である。いくつかの実施形態では、治療方法は、対象に1つ以上の追加の治療薬(例えば、他の抗がん剤)を投与することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬の投与は、抗体の投与と同時にあるが、一方でいくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬の投与は、抗体の投与の前又は後である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、抗Trop-2抗体(例えば、サシツズマブゴビテカン、SKB-264、JS-108(DAC-002)、ダトポタマブデルキステカン、BAT-8003)、抗CD47抗体又はCD47遮断薬(例えば、マグロリマブ、DSP-107、AO-176、ALX-148、IBI-188、レムゾパルリマブ、TTI-621、TTI-622)、抗SIRPα抗体(例えば、GS-0189)、FLT3L-Fc融合タンパク質(例えば、GS-3583)、抗PD-1抗体(ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ジムベレリマブ)、小分子PD-L1阻害剤(例えば、GS-4224)、抗PD-L1抗体(例えば、アテゾリズマブ)、小分子MCL1阻害剤(例えば、GS-9716)、小分子HPK1阻害剤(例えば、GS-6451)、HPK1分解剤(PROTAC、例えば、ARV-766)、小分子DGKa阻害剤、小分子CD73阻害剤(例えば、AB680)、抗CD73抗体(例えば、オレクルマブ)、デュアルA2a/A2bアデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、エトルマデナント(AB928))、抗TIGIT抗体(例えば、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308)、抗TREM1抗体(例えば、PY159)、抗TREM2抗体(例えば、PY314)、TGFβトラップ(例えば、ビントラフスプアルファ、AGEN-1423)、抗TGFβ1抗体(例えば、SRK-181)、及びCAR-T細胞療法(例えば、アキシカブタジンシロロイセル、ブレクスカブタジンオートロイセル、チサゲンレクロイセル)から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、サシツズマブゴビテカン-hziy、マグロリマブ、GS-0189、GS-3583、ジムベレリマブ、GS-4224、GS-9716、GS-6451、AB680、エトルマデナント(AB928)、ドムバナリマブ、AB308、PY159、PY314、SRK-181、アキシカブタジンシロロイセル、及びブレクスカブタジンオートロイセルから選択される。
【0031】
本開示はまた、がんの治療の使用を提供し、がんを有する対象に、本明細書に記載の態様又は実施形態のうちのいずれか1つによる抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、がんは、血液がん又は固形がん/固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、がんは、CCR8を発現する。いくつかの実施形態では、血液がんは、T細胞成人急性リンパ球性白血病、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、急性リンパ球性白血病、皮膚T細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ球性白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫、又は未分化大細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、がんは、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択される。いくつかの実施形態では、がんは、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)である。いくつかの実施形態では、治療方法は、対象に1つ以上の追加の治療薬(例えば、他の抗がん剤)を投与することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬の投与は、抗体の投与と同時にあるが、一方でいくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬の投与は、抗体の投与の前又は後である。いくつかの実施形態では、がんは、難治性がんであるか、又はチェックポイント阻害剤(CPI)療法に耐性がある。いくつかの実施形態では、CPI療法は、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗PDL1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブから選択されるか、抗CLTA4抗体は、イピリムマブ又はトレメリムマブであるか、又は抗TIGIT抗体は、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される。
【0032】
本開示はまた、難治性又はチェックポイント阻害剤(CPI)耐性がんを治療する方法を提供し、がんを有する対象に、前述の態様若しくは実施形態のうちのいずれか1つによる単離された抗体又は前述の態様若しくは実施形態のうちのいずれか1つによる融合タンパク質を投与することを含み、対象は、化学療法又はCPI療法に応答することなく、化学療法又はCPI療法で以前に治療されている。いくつかの実施形態では、CPI療法は、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗PDL1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブから選択されるか、抗CLTA4抗体は、イピリムマブ又はトレメリムマブであるか、又は抗TIGIT抗体は、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される。いくつかの実施形態では、がんは、血液がん又は固形がんである。いくつかの実施形態では、がんは、CCR8を発現する。いくつかの実施形態では、がんは、T細胞成人急性リンパ球性白血病、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、急性リンパ球性白血病、皮膚T細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ球性白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫、又は未分化大細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、がんは、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択される。いくつかの実施形態では、がんは、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)である。いくつかの実施形態では、方法は、対象に1つ以上の追加の治療薬を投与することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、抗Trop-2抗体(例えば、サシツズマブゴビテカン、SKB-264、JS-108(DAC-002)、ダトポタマブデルキステカン、BAT-8003)、抗CD47抗体又はCD47遮断薬(例えば、マグロリマブ、DSP-107、AO-176、ALX-148、IBI-188、レムゾパルリマブ、TTI-621、TTI-622)、抗SIRPα抗体(例えば、GS-0189)、FLT3L-Fc融合タンパク質(例えば、GS-3583)、抗PD-1抗体(ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ジムベレリマブ)、小分子PD-L1阻害剤(例えば、GS-4224)、抗PD-L1抗体(例えば、アテゾリズマブ)、小分子MCL1阻害剤(例えば、GS-9716)、小分子HPK1阻害剤(例えば、GS-6451)、HPK1分解剤(PROTAC、例えば、ARV-766)、小分子DGKa阻害剤、小分子CD73阻害剤(例えば、AB680)、抗CD73抗体(例えば、オレクルマブ)、デュアルA2a/A2bアデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、エトルマデナント(AB928))、抗TIGIT抗体(例えば、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308)、抗TREM1抗体(例えば、PY159)、抗TREM2抗体(例えば、PY314)、TGFβトラップ(例えば、ビントラフスプアルファ、AGEN-1423)、抗TGFβ1抗体(例えば、SRK-181)、及びCAR-T細胞療法(例えば、アキシカブタジンシロロイセル、ブレクスカブタジンオートロイセル、チサゲンレクロイセル)から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、サシツズマブゴビテカン-hziy、マグロリマブ、GS-0189、GS-3583、ジムベレリマブ、GS-4224、GS-9716、GS-6451、AB680、エトルマデナント(AB928)、ドムバナリマブ、AB308、PY159、PY314、SRK-181、アキシカブタジンシロロイセル、及びブレクスカブタジンオートロイセルから選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬の投与は、抗体の投与と同時である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬の投与は、抗体の投与の前又は後である。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
ヒトCCR8に結合する単離された抗体であって、前記抗体が、
i)配列番号12のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号13のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号14のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号15のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号16のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号17のアミノ酸配列を含むLCDR3、
ii)配列番号24のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号25のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号26のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号27のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号28のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号29のアミノ酸配列を含むLCDR3、
iii)配列番号36のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号37のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号38のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号39のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号40のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号41のアミノ酸配列を含むLCDR3、
iv)配列番号48のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号49のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号50のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号51のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号52のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号53のアミノ酸配列を含むLCDR3、又は
v)配列番号60のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号61、72、若しくは78のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号62、73、若しくは79のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号63のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号64のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号65のアミノ酸配列を含むLCDR3、又は
vi)配列番号84若しくは100のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号85のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号86のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号87のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号88のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号89のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む、単離された抗体。
(項目2)
前記抗体が、
i)配列番号60のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号61、72、若しくは78のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号62、73、若しくは79のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号63のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号64のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号65のアミノ酸配列を含むLCDR3、又は
ii)配列番号84若しくは100のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号85のアミノ酸配列を含むHCDR2、配列番号86のアミノ酸配列を含むHCDR3、配列番号87のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号88のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び配列番号89のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む、項目1に記載の単離された抗体。
(項目3)
前記抗体が、
i)配列番号68若しくは74のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、及び配列番号69若しくは75のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、又は
ii)配列番号92若しくは96のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、及び配列番号93若しくは97のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、項目2に記載の単離された抗体。
(項目4)
前記抗体が、
i)配列番号68若しくは74のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、及び配列番号69若しくは75のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、又は
ii)配列番号92若しくは96のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、及び配列番号93若しくは97のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、項目2又は3に記載の単離された抗体。
(項目5)
前記抗体が、モノクローナル抗体である、項目1~4のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目6)
前記抗体が、ヒト化抗体である、項目1~5のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目7)
前記抗体が、完全長抗体である、項目1~6のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目8)
前記抗体が、IgG1又はIgG3抗体である、項目1~7のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目9)
前記抗体が、
i)配列番号70若しくは76のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖(HC)、及び配列番号71若しくは77のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)、又は
ii)配列番号94若しくは98のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖(HC)、及び配列番号95若しくは99のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)を含む、項目1~8のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目10)
前記抗体が、
i)配列番号70若しくは76のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)、及び配列番号71若しくは77のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)、又は
ii)配列番号94若しくは98のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)、及び配列番号95若しくは99のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)を含む、項目1~9のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目11)
前記抗体が、細胞殺傷を増強する少なくとも1つの修飾を含む、項目1~10のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目12)
前記増強された細胞殺傷が、増強された抗体依存性細胞傷害性(ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害性(CDC)である、項目11に記載の単離された抗体。
(項目13)
前記少なくとも1つの修飾が、アフコシル化である、項目11又は12に記載の単離された抗体。
(項目14)
前記少なくとも1つの修飾が、L234、L235、G236、S239、F243、H268、D270、R292、S298、Y300、V305、K326、A330、I332、E333、K334、及びP396から選択される1つ以上の位置での1つ以上の重鎖定常領域変異である、項目11又は12に記載の単離された抗体。
(項目15)
前記1つ以上の重鎖定常領域変異が、S239D、S239M、F243L、H268D、D270E、R292P、S298A、Y300L、V305I、K326D、A330L、A330M、I332E、E333A、K334A、K334E、及びP396Lから選択される1つ以上の変異である、項目14に記載の単離された抗体。
(項目16)
前記1つ以上の重鎖定常領域変異が、F243L/R292P/Y300L/V305I/P396L、S239D/I332E、S239D/I332E/A330L、S298A/E333A/K334A、L234Y/L235Q/G236W/S239M/H268D/D270E/S298A、及びD270E/K326D/A330M/K334Eから選択される、項目14に記載の単離された抗体。
(項目17)
前記少なくとも1つの修飾が、ガラクトシル化である、項目11又は12に記載の単離された抗体。
(項目18)
前記抗体が、10nM未満、又は5nM未満、又は1nM未満、次いで500pM未満、又は250pM未満、又は100pM未満、又は75pM未満、又は50pM未満、又は25pM未満の親和性(K
D
)でヒトCCR8に結合する、項目1~17のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目19)
前記抗体が、10nM未満、又は5nM未満、又は1nM未満、又は500pM未満、又は250pM未満、又は100pM未満、又は75未満、又は50pM未満、又は25pM未満のオン細胞親和性(K
D
)でヒトCCR8に結合する、項目1~18のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目20)
前記親和性(K
D
)が、結合平衡排除アッセイ(すなわち、KinExA)によって決定される、項目18又は19に記載の単離された抗体。
(項目21)
項目1~20のいずれか一項に記載の抗体をコードする、単離された核酸。
(項目22)
項目21に記載の単離された核酸を含む、ベクター。
(項目23)
項目21に記載の核酸又は項目22に記載のベクターを含む、宿主細胞。
(項目24)
項目1~20のいずれか一項に記載の抗体を発現する、宿主細胞。
(項目25)
アフコシル化抗体を産生するように操作される、項目23又は24に記載の宿主細胞。
(項目26)
CCR8に結合する抗体を産生する方法であって、前記抗体を発現するのに適した条件下で項目23~25のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養することを含む、方法。
(項目27)
前記抗体を単離することをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
(a)CCL1若しくはその活性断片又はMC148若しくはその活性断片、及び(b)Fc領域を含む、融合タンパク質。
(項目29)
前記Fc領域が、IgG1又はIgG3 Fc領域である、項目28に記載の融合タンパク質。
(項目30)
前記Fc領域が、配列番号4のアミノ酸配列を含む、項目28又は29に記載の融合タンパク質。
(項目31)
前記Fc領域が、細胞殺傷を増強する少なくとも1つの修飾を含む、項目28~30のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
(項目32)
前記増強された細胞殺傷が、増強された抗体依存性細胞傷害性(ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害性(CDC)である、項目31に記載の融合タンパク質。
(項目33)
前記少なくとも1つの修飾が、アフコシル化である、項目31又は32に記載の融合タンパク質。
(項目34)
前記少なくとも1つの修飾が、L234、L235、G236、S239、F243、H268、D270、R292、S298、Y300、V305、K326、A330、I332、E333、K334、及びP396から選択される1つ以上の位置での1つ以上のFc領域変異である、項目31又は32に記載の融合タンパク質。
(項目35)
前記1つ以上のFc領域変異が、S239D、S239M、F243L、H268D、D270E、R292P、S298A、Y300L、V305I、K326D、A330L、A330M、I332E、E333A、K334A、K334E、及びP396Lから選択される1つ以上の変異である、項目34に記載の融合タンパク質。
(項目36)
前記1つ以上のFc領域変異が、F243L/R292P/Y300L/V305I/P396L、S239D/I332E、S239D/I332E/A330L、S298A/E333A/K334A、L234Y/L235Q/G236W/S239M/H268D/D270E/S298A、及びD270E/K326D/A330M/K334Eから選択される、項目34に記載の融合タンパク質。
(項目37)
前記少なくとも1つの修飾が、ガラクトシル化である、項目31又は32に記載の融合タンパク質。
(項目38)
前記融合タンパク質が、CCL1又はその活性断片を含む、項目28~37のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
(項目39)
前記CCL1又はその活性断片が、配列番号2のアミノ酸配列又は配列番号2のアミノ酸24~96を含む、項目38に記載の融合タンパク質。
(項目40)
前記融合タンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列又は配列番号1のアミノ酸24~316を含む、項目38又は39に記載の融合タンパク質。
(項目41)
前記融合タンパク質が、MC148又はその活性断片を含む、項目28~37のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
(項目42)
前記MC148又はその活性断片が、配列番号6のアミノ酸配列を含む、項目41に記載の融合タンパク質。
(項目43)
前記融合タンパク質が、配列番号5のアミノ酸配列を含む、項目41又は42に記載の融合タンパク質。
(項目44)
項目28~43のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする、単離された核酸。
(項目45)
項目44に記載の単離された核酸を含む、ベクター。
(項目46)
項目44に記載の核酸又は項目45に記載のベクターを含む、宿主細胞。
(項目47)
項目28~43のいずれか一項に記載の融合タンパク質を発現する、宿主細胞。
(項目48)
アフコシル化抗体を産生するように操作される、項目46又は47に記載の宿主細胞。
(項目49)
融合タンパク質を産生する方法であって、前記融合タンパク質を発現するのに適した条件下で項目46~48のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養することを含む、方法。
(項目50)
前記融合タンパク質を単離することをさらに含む、項目49に記載の方法。
(項目51)
がんを有する対象に、有効量の項目1~20のいずれか一項に記載の抗体を投与することを含む、がんを治療する、方法。
(項目52)
がんを有する対象に、有効量の項目28~43のいずれか一項に記載の融合タンパク質を投与することを含む、がんを治療する、方法。
(項目53)
前記対象が、チェックポイント阻害剤(CPI)での治療を以前に受けたことがあり、任意選択的に、前記がんが、前記CPIに耐性があった、項目51又は52に記載の方法。
(項目54)
前記がんが、腫瘍浸潤Treg細胞を含む、項目51~53のいずれか一項に記載の方法。
(項目55)
前記がんが、CCR8を発現する細胞を含む、項目51~53のいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
CCR8を発現する前記細胞が、Treg細胞である、項目55に記載の方法。
(項目57)
CCR8が、(決定された蛍光活性化細胞選別(FACS)及び/又はフローサイトメトリーとして)細胞当たり10,000コピー未満で前記Treg細胞の表面上に発現される、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記がんが、CCR8を発現する腫瘍細胞を含む、項目51~57のいずれか一項に記載の方法。
(項目59)
前記がんが、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択される、項目51~58のいずれか一項に記載の方法。
(項目60)
前記がんが、難治性がんであるか、又はチェックポイント阻害剤(CPI)療法に耐性がある、項目51~59のいずれか一項に記載の方法。
(項目61)
前記CPI療法が、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記抗PDL1抗体が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブから選択されるか、前記抗CLTA4抗体が、イピリムマブ若しくはトレメリムマブであるか、又は前記抗TIGIT抗体が、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される、項目61に記載の方法。
(項目63)
血液がんを有する対象に、有効量のヒトCCR8に結合する抗体を投与することを含む、血液がんを治療する、方法。
(項目64)
前記対象が、チェックポイント阻害剤(CPI)での治療を以前に受けたことがあり、任意選択的に、前記がんが、前記CPIに耐性があった、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記抗体が、CCL1のCCR8への結合を阻害する、項目63又は64に記載の方法。
(項目66)
前記血液がんが、CCR8を発現する、項目63~65のいずれか一項に記載の方法。
(項目67)
前記血液がんが、難治性がんであるか、又はチェックポイント阻害剤(CPI)療法に耐性がある、項目63~66のいずれか一項に記載の方法。
(項目68)
前記CPI療法が、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記抗PDL1抗体が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブから選択されるか、前記抗CLTA4抗体が、イピリムマブ若しくはトレメリムマブであるか、又は前記抗TIGIT抗体が、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される、項目68に記載の方法。
(項目70)
ヒトCCR8に結合する抗体での治療のための血液がんを有する対象を選択する方法であって、前記対象由来の試料におけるCCR8発現を検出することを含む、方法。
(項目71)
有効量のヒトCCR8に結合する抗体を投与することをさらに含む、項目70に記載の方法。
(項目72)
前記ヒトCCR8に結合する前記抗体が、項目1~20のいずれか一項に記載の抗体である、項目63~71のいずれか一項に記載の方法。
(項目73)
血液がんを有する対象に、有効量の項目28~43のいずれか一項に記載の融合タンパク質を投与することを含む、血液がんを治療する方法。
(項目74)
(a)CCL1若しくはその活性断片又はMC148若しくはその活性断片、及び(b)Fc領域を含む融合タンパク質での治療のための血液がんを有する対象を選択する方法であって、前記対象由来の試料におけるCCR8発現を検出することを含む、方法。
(項目75)
(a)CCL1若しくはその活性断片又はMC148若しくはその活性断片、及び(b)Fc領域を含む、有効量の融合タンパク質を投与することをさらに含む、項目74に記載の方法。
(項目76)
前記融合タンパク質が、項目28~43のいずれか一項に記載の融合タンパク質である、項目75に記載の方法。
(項目77)
前記血液がんが、T細胞成人急性リンパ球性白血病、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、急性リンパ球性白血病、皮膚T細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ球性白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫、又は未分化大細胞リンパ腫である、項目73~76のいずれか一項に記載の方法。
(項目78)
ヒトCCR8に結合する単離された抗体であって、前記抗体が、配列番号86又は1、2、若しくは3つの変異を含む配列番号86のバリアントを含むHCDR3を含み、前記抗体が、ヒトCCR8に結合し、ADCC活性を有する、単離された抗体。
(項目79)
前記変異が、置換、挿入、又は欠失から選択される、項目78に記載の単離された抗体。
(項目80)
前記抗体が、HCDR3中に少なくとも2つの置換を含む、項目78又は79に記載の単離された抗体。
(項目81)
前記1、2、又は3つの変異が、配列番号86のアミノ酸1~4、6、7、又は12位のうちの少なくとも1つに位置する、項目78~80のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目82)
前記置換が、保存的置換である、項目79~81のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目83)
前記保存的置換が、配列番号86のアミノ酸1、4、又は12位にある、項目82に記載の単離された抗体。
(項目84)
前記置換が、非保存的置換である、項目79~81のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目85)
前記非保存的置換が、配列番号86のアミノ酸7位にある、項目84に記載の単離された抗体。
(項目86)
前記変異が、1つより多くの置換変異が存在する場合に保存的置換及び非保存的置換を含む、項目79~81のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目87)
ヒトCCR8に結合する単離された抗体であって、前記抗体が、配列番号86と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるHCDR3を含み、前記抗体が、ヒトCCR8に結合し、ADCC活性を有する、単離された抗体。
(項目88)
前記HCDR3が、配列番号104~119のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、項目78又は87に記載の単離された抗体。
(項目89)
前記HCDR3が、配列番号86及び配列番号104~119のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、項目78~87のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目90)
前記抗体が、配列番号84又は配列番号123を含むHCDR1を含む、項目78~89のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目91)
前記抗体が、配列番号85又は配列番号124を含むHCDR2を含む、項目78~90のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目92)
前記抗体が、配列番号87又は配列番号120を含むLCDR1を含む、項目78~91のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目93)
前記抗体が、配列番号88又は配列番号121を含むLCDR2を含む、項目78~92のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目94)
前記抗体が、配列番号89又は配列番号122を含むLCDR3を含む、項目78~93のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目95)
前記抗体が、配列番号80、92、及び96のうちのいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、並びに配列番号81、93、及び97のうちのいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、項目78~94のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目96)
前記抗体が、配列番号82、90、94、及び98のうちのいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一である重鎖、並びに配列番号83、91、95、及び99のうちのいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目78~95のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目97)
ADCC活性が、ADCCレポーターの作用の機構(MOA)ベースのバイオアッセイによって測定された、200、175、150、125、100、75、50、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1ng/ml未満のEC50値を含む、項目78~96のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目98)
前記ADCC活性が、7-B16抗体よりも強力である、項目78~97のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目99)
前記抗体が、7-B16抗体以下である、ヒトCCR8に対するK
D
を有する、項目78~98のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目100)
前記抗体が、7-B16抗体以下である、ヒトCCR8に対するオン細胞K
D
を有する、項目78~99のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目101)
前記K
D
が、結合平衡排除アッセイ(すなわち、KinExA)によって決定される、項目99又は100に記載の単離された抗体。
(項目102)
前記抗体が、細胞殺傷を増強する少なくとも1つの修飾を含む、項目78~101のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目103)
前記増強された細胞殺傷が、増強された抗体依存性細胞傷害性(ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害性(CDC)である、項目102に記載の単離された抗体。
(項目104)
前記少なくとも1つの修飾が、アフコシル化である、項目102又は103に記載の単離された抗体。
(項目105)
前記少なくとも1つの修飾が、L234、L235、G236、S239、F243、H268、D270、R292、S298、Y300、V305、K326、A330、I332、E333、K334、及びP396から選択される1つ以上の位置での1つ以上の重鎖定常領域変異である、項目102又は103に記載の単離された抗体。
(項目106)
前記1つ以上の重鎖定常領域変異が、S239D、S239M、F243L、H268D、D270E、R292P、S298A、Y300L、V305I、K326D、A330L、A330M、I332E、E333A、K334A、K334E、及びP396Lから選択される1つ以上の変異である、項目105に記載の単離された抗体。
(項目107)
前記1つ以上の重鎖定常領域変異が、F243L/R292P/Y300L/V305I/P396L、S239D/I332E、S239D/I332E/A330L、S298A/E333A/K334A、L234Y/L235Q/G236W/S239M/H268D/D270E/S298A、及びD270E/K326D/A330M/K334Eから選択される、項目105に記載の単離された抗体。
(項目108)
前記少なくとも1つの修飾が、ガラクトシル化である、項目96又は97に記載の単離された抗体。
(項目109)
前記抗体が、10nM未満、又は5nM未満、又は1nM未満、又は500pM未満、又は250pM未満、又は100pM未満、又は75pM未満、又は50pM未満、又は25pM未満の親和性(K
D
)でヒトCCR8に結合する、項目78~108のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目110)
前記抗体が、10nM未満、又は5nM未満、又は1nM未満、又は500pM未満、又は250pM未満、又は100pM未満、又は75未満、又は50pM未満、又は25pM未満のオン細胞親和性(K
D
)でヒトCCR8に結合する、項目78~109のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目111)
前記親和性(K
D
)が、結合平衡排除アッセイ(すなわち、KinExA)によって決定される、項目109又は110に記載の単離された抗体。
(項目112)
前記抗体が、モノクローナル抗体である、項目78~111のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目113)
前記抗体が、ヒト抗体又はヒト化抗体である、項目78~112のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目114)
前記抗体が、完全長抗体である、項目78~113のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目115)
前記抗体が、IgG1又はIgG3抗体である、項目78~114のいずれか一項に記載の単離された抗体。
(項目116)
項目78~115のいずれか一項に記載の抗体をコードする、核酸。
(項目117)
がんを有する対象に、項目78~115のいずれか一項に記載の抗体を投与することを含む、がんを治療する、方法。
(項目118)
前記がんが、血液がん又は固形がんである、項目117に記載の方法。
(項目119)
前記がんが、CCR8を発現する、項目117又は118に記載の方法。
(項目120)
前記がんが、T細胞成人急性リンパ球性白血病、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、急性リンパ球性白血病、皮膚T細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ球性白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫、又は未分化大細胞リンパ腫である、項目117~119のいずれか一項に記載の方法。
(項目121)
前記がんが、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択される、項目117~119のいずれか一項に記載の方法。
(項目122)
前記対象に1つ以上の追加の治療薬を投与することをさらに含む、項目117~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目123)
前記1つ以上の追加の治療薬が、抗Trop-2抗体(例えば、サシツズマブゴビテカン、SKB-264、JS-108(DAC-002)、ダトポタマブデルキステカン、BAT-8003)、抗CD47抗体又はCD47遮断薬(例えば、マグロリマブ、DSP-107、AO-176、ALX-148、IBI-188、レムゾパルリマブ、TTI-621、TTI-622)、抗SIRPα抗体(例えば、GS-0189)、FLT3L-Fc融合タンパク質(例えば、GS-3583)、抗PD-1抗体(ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ジムベレリマブ)、小分子PD-L1阻害剤(例えば、GS-4224)、抗PD-L1抗体(例えば、アテゾリズマブ)、小分子MCL1阻害剤(例えば、GS-9716)、小分子HPK1阻害剤(例えば、GS-6451)、HPK1分解剤(PROTAC、例えば、ARV-766)、小分子DGKa阻害剤、小分子CD73阻害剤(例えば、AB680)、抗CD73抗体(例えば、オレクルマブ)、デュアルA
2a
/A
2b
アデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、エトルマデナント(AB928))、抗TIGIT抗体(例えば、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308)、抗TREM1抗体(例えば、PY159)、抗TREM2抗体(例えば、PY314)、TGFβトラップ(例えば、ビントラフスプアルファ、AGEN-1423)、抗TGFβ1抗体(例えば、SRK-181)、及びCAR-T細胞療法(例えば、アキシカブタジンシロロイセル、ブレクスカブタジンオートロイセル、チサゲンレクロイセル)から選択される、項目122に記載の方法。
(項目124)
前記1つ以上の追加の治療薬が、サシツズマブゴビテカン-hziy、マグロリマブ、GS-0189、GS-3583、ジムベレリマブ、GS-4224、GS-9716、GS-6451、AB680、エトルマデナント(AB928)、ドムバナリマブ、AB308、PY159、PY314、SRK-181、アキシカブタジンシロロイセル、及びブレクスカブタジンオートロイセルから選択される、項目122に記載の方法。
(項目125)
前記1つ以上の追加の治療薬の投与が、前記抗体の前記投与と同時である、項目122~124のいずれか一項に記載の方法。
(項目126)
前記1つ以上の追加の治療薬の投与が、前記抗体の前記投与の前又は後である、項目122~124のいずれか一項に記載の方法。
(項目127)
前記がんが、難治性がんであるか、又はチェックポイント阻害剤(CPI)療法に耐性がある、項目117~126のいずれか一項に記載の方法。
(項目128)
前記CPI療法が、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む、項目127に記載の方法。
(項目129)
前記抗PDL1抗体が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブから選択されるか、前記抗CLTA4抗体が、イピリムマブ若しくはトレメリムマブであるか、又は前記抗TIGIT抗体が、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される、項目128に記載の方法。
(項目130)
がんを治療するための、項目1~20若しくは78~115のいずれか一項に記載の単離された抗体又は項目28~43のいずれか一項に記載の融合タンパク質の、使用。
(項目131)
前記がんが、血液がん又は固形腫瘍である、項目130に記載の、使用。
(項目132)
前記がんが、CCR8を発現する、項目130又は131に記載の、使用。
(項目133)
前記がんが、T細胞成人急性リンパ球性白血病、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、急性リンパ球性白血病、皮膚T細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ球性白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫、又は未分化大細胞リンパ腫である、項目130~132のいずれか一項に記載の使用。
(項目134)
前記がんが、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択される、項目130~132のいずれか一項に記載の使用。
(項目135)
前記対象に1つ以上の追加の治療薬を投与することをさらに含む、項目130~134のいずれか一項に記載の使用。
(項目136)
前記1つ以上の追加の治療薬の投与が、前記抗体の前記投与と同時である、項目135に記載の使用。
(項目137)
前記1つ以上の追加の治療薬の投与が、前記抗体の前記投与の前又は後である、項目135に記載の使用。
(項目138)
前記がんが、難治性がんであるか、又はチェックポイント阻害剤(CPI)療法に耐性がある、項目130~137のいずれか一項に記載の使用。
(項目139)
前記CPI療法が、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む、項目138に記載の使用。
(項目140)
前記抗PDL1抗体が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブから選択されるか、前記抗CLTA4抗体が、イピリムマブ若しくはトレメリムマブであるか、又は前記抗TIGIT抗体が、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される、項目139に記載の使用。
(項目141)
がんを治療するための、項目1~20若しくは78~115のいずれか一項に記載の単離された抗体又は項目28~43のいずれか一項に記載の融合タンパク質の使用。
(項目142)
前記がんが、血液がん又は固形腫瘍である、項目141に記載の単離された抗体又は融合タンパク質。
(項目143)
前記がんが、CCR8を発現する、項目141又は142に記載の単離された抗体又は融合タンパク質。
(項目144)
前記がんが、T細胞成人急性リンパ球性白血病、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、急性リンパ球性白血病、皮膚T細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ球性白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫、又は未分化大細胞リンパ腫である、項目141~143のいずれか一項に記載の単離された抗体又は融合タンパク質。
(項目145)
前記がんが、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択される、項目141~143のいずれか一項に記載の単離された抗体又は融合タンパク質。
(項目146)
前記対象に1つ以上の追加の治療薬を投与することをさらに含む、項目141~145のいずれか一項に記載の単離された抗体又は融合タンパク質。
(項目147)
前記1つ以上の追加の治療薬の投与が、前記抗体の前記投与と同時である、項目146に記載の単離された抗体又は融合タンパク質。
(項目148)
前記1つ以上の追加の治療薬の投与が、前記抗体の前記投与の前又は後である、項目146に記載の単離された抗体又は融合タンパク質。
(項目149)
前記がんが、難治性がんであるか、又はチェックポイント阻害剤(CPI)療法に耐性がある、項目141~148のいずれか一項に記載の単離された抗体又は融合タンパク質。
(項目150)
難治性又はチェックポイント阻害剤(CPI)耐性がんを治療する方法であって、がんを有する対象に、項目1~20若しくは78~115のいずれか一項に記載の単離された抗体又は項目28~43のいずれか一項に記載の融合タンパク質を投与することを含み、前記対象が、化学療法又はCPI療法に応答することなく、前記化学療法又はCPI療法で以前に治療されている、方法。
(項目151)
前記CPI療法が、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む、項目150に記載の方法。
(項目152)
前記抗PDL1抗体が、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブから選択されるか、前記抗CLTA4抗体が、イピリムマブ若しくはトレメリムマブであるか、又は前記抗TIGIT抗体が、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される、項目151に記載の方法。
(項目153)
前記がんが、血液がん又は固形がんである、項目150~152のいずれか一項に記載の方法。
(項目154)
前記がんが、CCR8を発現する、項目150~153のいずれか一項に記載の方法。
(項目155)
前記がんが、T細胞成人急性リンパ球性白血病、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、急性リンパ球性白血病、皮膚T細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ球性白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫、又は未分化大細胞リンパ腫である、項目150~154のいずれか一項に記載の方法。
(項目156)
前記がんが、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択される、項目150~154のいずれか一項に記載の方法。
(項目157)
前記対象に1つ以上の追加の治療薬を投与することをさらに含む、項目150~156のいずれか一項に記載の方法。
(項目158)
前記1つ以上の追加の治療薬が、抗Trop-2抗体(例えば、サシツズマブゴビテカン、SKB-264、JS-108(DAC-002)、ダトポタマブデルキステカン、BAT-8003)、抗CD47抗体又はCD47遮断薬(例えば、マグロリマブ、DSP-107、AO-176、ALX-148、IBI-188、レムゾパルリマブ、TTI-621、TTI-622)、抗SIRPα抗体(例えば、GS-0189)、FLT3L-Fc融合タンパク質(例えば、GS-3583)、抗PD-1抗体(ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ジムベレリマブ)、小分子PD-L1阻害剤(例えば、GS-4224)、抗PD-L1抗体(例えば、アテゾリズマブ)、小分子MCL1阻害剤(例えば、GS-9716)、小分子HPK1阻害剤(例えば、GS-6451)、HPK1分解剤(PROTAC、例えば、ARV-766)、小分子DGKa阻害剤、小分子CD73阻害剤(例えば、AB680)、抗CD73抗体(例えば、オレクルマブ)、デュアルA
2a
/A
2b
アデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、エトルマデナント(AB928))、抗TIGIT抗体(例えば、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308)、抗TREM1抗体(例えば、PY159)、抗TREM2抗体(例えば、PY314)、TGFβトラップ(例えば、ビントラフスプアルファ、AGEN-1423)、抗TGFβ1抗体(例えば、SRK-181)、及びCAR-T細胞療法(例えば、アキシカブタジンシロロイセル、ブレクスカブタジンオートロイセル、チサゲンレクロイセル)から選択される、項目157に記載の方法。
(項目159)
前記1つ以上の追加の治療薬が、サシツズマブゴビテカン-hziy、マグロリマブ、GS-0189、GS-3583、ジムベレリマブ、GS-4224、GS-9716、GS-6451、AB680、エトルマデナント(AB928)、ドムバナリマブ、AB308、PY159、PY314、SRK-181、アキシカブタジンシロロイセル、及びブレクスカブタジンオートロイセルから選択される、項目157に記載の方法。
(項目160)
前記1つ以上の追加の治療薬の投与が、前記抗体の前記投与と同時である、項目157~159のいずれか一項に記載の方法。
(項目161)
前記1つ以上の追加の治療薬の投与が、前記抗体の前記投与の前又は後である、項目157~159のいずれか一項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】マイクロアレイによって決定されたCCR8 mRNA発現レベルの散布図を示す。y軸上は、蛍光強度(AU)によって測定されたCCR8遺伝子発現である。x軸は、白血病亜型又は健康な骨髄を表す。x軸上の各群について、直線は、その白血病亜型のCCR8発現レベルの中央値を表す。示される白血病亜型としては、急性リンパ球性白血病(acute lymphocytic leukemia、ALL)、T細胞急性リンパ球性白血病(T-cell acute lymphocytic leukemia、TALL)、B細胞急性リンパ球性白血病(B-cell acute lymphocytic leukemia、BALL)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia、AML)、慢性リンパ球性白血病(chronic lymphocytic leukemia、CLL)、慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia、CML)、骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes、MDS)が含まれる。
【0034】
【
図2】RNA配列決定によって決定されたCCR8 mRNA発現レベルを示す箱ひげ図を示す。y軸上は、対数変換された100万当たりの転写物(transcripts per million、TPM)によって測定されたCCR8遺伝子発現である。x軸上は、リンパ腫亜型、白血病亜型、又は健康な血液若しくは組織である。
【0035】
【
図3A】ヒト腫瘍浸潤(tumor-infiltrating、TIL)TregがCCR8を優先的に発現するが、細胞当たりの基準で受容体数が少ないことを示す。例示的なフローサイトメトリープロット(腫瘍T CD4+細胞でゲーティング)(A)及び定量的プロット(B)を示す。
【
図3B】ヒト腫瘍浸潤(tumor-infiltrating、TIL)TregがCCR8を優先的に発現するが、細胞当たりの基準で受容体数が少ないことを示す。例示的なフローサイトメトリープロット(腫瘍T CD4+細胞でゲーティング)(A)及び定量的プロット(B)を示す。
【0036】
【
図4A】ヒトCCR8発現CHO-S細胞(A)及びCCR4発現CHO-S細胞(B)への抗CCR8モノクローナル抗体の結合を示す。
【
図4B】ヒトCCR8発現CHO-S細胞(A)及びCCR4発現CHO-S細胞(B)への抗CCR8モノクローナル抗体の結合を示す。
【0037】
【
図5】DiscoverXアッセイ(Eurofins)を使用した抗CCR8キメラ抗体のアンタゴニスト活性を示す。
【0038】
【
図6】ADCCレポーターバイオアッセイ(Promega)を使用した特定の抗CCR8キメラ抗体の抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を示す。
【0039】
【
図7A】低レベルのCCR8を発現する標的細胞の殺傷のためにヒトIgG1抗CCR8抗体のアフコシル化が必要であることを示す。抗ヒトCCR8クローン1K17の滴定されたヒトIgG1(A)及びアフコシル化ヒトIgG1(B)バージョンのADCCレポーター活性の倍率変化。CHO標的細胞は、細胞当たり300,000(黒丸)又は10,000(白丸)の細胞表面ヒトCCR8分子を発現した。
【
図7B】低レベルのCCR8を発現する標的細胞の殺傷のためにヒトIgG1抗CCR8抗体のアフコシル化が必要であることを示す。抗ヒトCCR8クローン1K17の滴定されたヒトIgG1(A)及びアフコシル化ヒトIgG1(B)バージョンのADCCレポーター活性の倍率変化。CHO標的細胞は、細胞当たり300,000(黒丸)又は10,000(白丸)の細胞表面ヒトCCR8分子を発現した。
【0040】
【
図8A】腫瘍浸潤(TIL)Tregのインビボでの効率的な殺傷のために抗マウスCCR8 mAbのFcエフェクタ機能が必要であることを示す。Fcコンピテント(マウスIgG2a、白丸)抗マウスCCR8 mIgG2a抗体は、マウスのMC38同系モデルにおけるインビボでTIL Tregを枯渇することができたが、一方でFcコンピテント(マウスIgG1、黒丸)抗マウスCCR8 mIgG1抗体は、そうではなかった。例示的なフローサイトメトリープロット(腫瘍T CD4+細胞でゲーティング)(A)及び定量的プロット(B及びC)は、200μgの示された抗体の注射(n=4)の3日後のTIL Tregの頻度を示す。
【
図8B】腫瘍浸潤(TIL)Tregのインビボでの効率的な殺傷のために抗マウスCCR8 mAbのFcエフェクタ機能が必要であることを示す。Fcコンピテント(マウスIgG2a、白丸)抗マウスCCR8 mIgG2a抗体は、マウスのMC38同系モデルにおけるインビボでTIL Tregを枯渇することができたが、一方でFcコンピテント(マウスIgG1、黒丸)抗マウスCCR8 mIgG1抗体は、そうではなかった。例示的なフローサイトメトリープロット(腫瘍T CD4+細胞でゲーティング)(A)及び定量的プロット(B及びC)は、200μgの示された抗体の注射(n=4)の3日後のTIL Tregの頻度を示す。
【
図8C】腫瘍浸潤(TIL)Tregのインビボでの効率的な殺傷のために抗マウスCCR8 mAbのFcエフェクタ機能が必要であることを示す。Fcコンピテント(マウスIgG2a、白丸)抗マウスCCR8 mIgG2a抗体は、マウスのMC38同系モデルにおけるインビボでTIL Tregを枯渇することができたが、一方でFcコンピテント(マウスIgG1、黒丸)抗マウスCCR8 mIgG1抗体は、そうではなかった。例示的なフローサイトメトリープロット(腫瘍T CD4+細胞でゲーティング)(A)及び定量的プロット(B及びC)は、200μgの示された抗体の注射(n=4)の3日後のTIL Tregの頻度を示す。
【0041】
【
図9A】Fcコンピテント(マウスIgG2a、白丸)抗マウスCCR8 mIgG2a抗体が腫瘍増殖(A)を減少させ、MC38同系マウスモデルにおける生存(B)を増加させたが、一方でFcコンピテント(マウスIgG1、黒丸)抗マウスCCR8 mIgG1抗体は、そうではなかったことを示す。アイソタイプ対照、Fcコンピテント(マウスIgG2a)又はFcインコンピテント(マウスIgG1)抗マウスCCR8抗体(n=10~15)での治療処置の後の腫瘍増殖曲線(A)及びMC38マウスの生存曲線(B)を示す。
【
図9B】Fcコンピテント(マウスIgG2a、白丸)抗マウスCCR8 mIgG2a抗体が腫瘍増殖(A)を減少させ、MC38同系マウスモデルにおける生存(B)を増加させたが、一方でFcコンピテント(マウスIgG1、黒丸)抗マウスCCR8 mIgG1抗体は、そうではなかったことを示す。アイソタイプ対照、Fcコンピテント(マウスIgG2a)又はFcインコンピテント(マウスIgG1)抗マウスCCR8抗体(n=10~15)での治療処置の後の腫瘍増殖曲線(A)及びMC38マウスの生存曲線(B)を示す。
【0042】
【
図10】正常な健康な血液と比較した様々な血液悪性腫瘍におけるCCR8 mRNA発現を示す。
*は、0.05未満のFDR調整されたp値を有するがん型を示す。Nは、がん型における試料の数を示す。示されるがんには、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、びまん性大B細胞リンパ腫(diffuse large B cell lymphoma、DLBCL)、慢性骨髄性白血病(CML)、マントル細胞リンパ腫(mantle cell lymphoma、MCL)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(angioimmunoblastic T cell lymphoma、ATCL)、肝脾T細胞リンパ腫(hepatosplenic T cell lymphoma、HTCL)、別途明記されていない末梢T細胞リンパ腫(peripheral T cell lymphoma not otherwise specified、PTCL NOS)、バーキットリンパ腫(Burkitt lymphoma、BL)、成人T細胞白血病/リンパ腫(adult T cell leukemia/lymphoma、ATLL)、未分化大細胞リンパ腫(anaplastic large cell lymphoma、ALCL)、慢性骨髄単球性白血病(chronic myelomonocytic leukemia、CMML)、濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma、FL)、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫(T cell lymphoblastic leukemia/lymphoma、TLLL)、結節外NK/T細胞リンパ腫(extranodal NK/T cell lymphoma、NKTCL)、原発性滲出性リンパ腫(primary effusion lymphoma、PEL)、急性リンパ球性白血病/急性骨髄性白血病(ALL、AML)、組織球性リンパ腫(histiocytic lymphoma、HL)、皮膚T細胞リンパ腫(cutaneous T cell lymphoma、CTCL)、及び辺縁帯リンパ腫(marginal zone lymphoma、MZL)が挙げられる。
【0043】
【
図11】ADCCレポーターバイオアッセイ(Promega)を使用した抗CCR8キメラ抗体7-B16のCDR H3バリアントの抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
CCR8に結合する抗体が提供される。CCR8に結合する抗体を形成することができる抗体重鎖及び軽鎖も提供される。さらに、1つ以上の特定の相補性決定領域(complementarity determining regions、CDR)を含む抗体、重鎖、及び軽鎖が提供される。CCR8に対する抗体をコードするポリヌクレオチドが提供される。抗体重鎖又は軽鎖をコードするポリヌクレオチドも提供される。CCR8に対する抗体を産生及び/又は精製する方法が提供される。CCL1又はMC148及びFc領域を含む融合タンパク質も提供される。かかる融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドも提供される。融合タンパク質を産生及び/又は精製する方法が提供される。抗体及び/又は融合タンパク質を使用する治療方法が提供される。かかる方法には、がんを治療する方法が含まれるが、これに限定されない。CCR8を検出する方法が提供される。かかる方法は、本明細書で提供される抗体又は融合タンパク質での治療から利益を得ることができる個体を特定し、本明細書で提供される抗体又は融合タンパク質での個体の治療を監視し、個体における本明細書で提供される抗体又は融合タンパク質の治療効果を改善する方法を含む。
【0045】
本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成目的のみのためであり、記載された主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0046】
特許出願、特許公開、及びGenbankアクセッション番号を含む本明細書で引用されるすべての参考文献は、各個々の参照がその全体が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0047】
本明細書で説明又は参照される技術及び手順は、概して、よく理解されており、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3rd.edition(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(F.M.Ausubel,et al.eds.,(2003));the series METHODS IN ENZYMOLOGY(Academic Press,Inc.):PCR 2:A PRACTICAL APPROACH(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.(1995)),Harlow and Lane,eds.(1988)ANTIBODIES,A LABORATORY MANUAL,and ANIMAL CELL CULTURE(R.I.Freshney,ed.(1987));Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984);Methods in Molecular Biology,Humana Press;Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,1998)Academic Press;Animal Cell Culture(R.I.Freshney),ed.,1987);Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press;Cell and Tissue Culture Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,1993-8)J.Wiley and Sons;Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987);PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994);Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991);Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons,1999);Immunobiology(C.A.Janeway and P.Travers,1997);Antibodies(P.Finch,1997);Antibodies:A Practical Approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988-1989);Monoclonal Antibodies:A Practical Approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000);Using Antibodies:A Laboratory Manual(E.Harlow and D.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999);The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.,Harwood Academic Publishers,1995);及びCancer:Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVita et al.,eds.,J.B.Lippincott Company,1993);並びにそれらの更新バーションにおいて説明されている広く利用されている方法論など、当技術分野の当業者による従来の方法論を使用して一般的に用いられる。
I.定義
【0048】
別段定義されない限り、本開示に関連して使用される科学的及び技術的用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈によって別段の必要がない限り、又は明示的に示されていない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。様々な情報源又は参考文献間の定義における矛盾については、本明細書で提供される定義が規制することになる。
【0049】
本明細書に記載の本発明の実施形態は、「からなる」及び/又は「から本質的になる」実施形態を含むことが理解される。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別段指示がない限り、複数の参照を含む。本明細書における「又は」という用語の使用は、代替物が相互に排他的であることを示唆することを意味するものではない。
【0050】
本出願では、「又は」の使用は、明示的に記載又は当業者によって理解されない限り、「及び/又は」を意味する。複数の従属請求項の文脈において、「又は」の使用は、1つより多くの先行する独立請求項又は従属請求項に指し戻る。
【0051】
当業者によって理解されるように、本明細書における「約」の値又はパラメータへの言及は、その値又はパラメータそれ自体に関する実施形態を含む(及び説明する)。例えば、「約X」を言及する記載は、「X」の記載を含む。
【0052】
「核酸分子」、「核酸」、及び「ポリヌクレオチド」という用語は、互換的に使用され得、ヌクレオチドのポリマーを指す。ヌクレオチドのかかるポリマーは、天然及び/又は非天然ヌクレオチドを含有してもよく、DNA、RNA、及びPNAを含むが、これらに限定されない。「核酸配列」は、核酸分子又はポリヌクレオチドを含むヌクレオチドの直線配列を指す。
【0053】
「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために互換的に使用され、最小の長さに限定されない。アミノ酸残基のかかるポリマーは、天然又は非天然アミノ酸残基を含有してもよく、ペプチド、オリゴペプチド、二量体、三量体、及びアミノ酸残基の多量体を含むが、これらに限定されない。完全長タンパク質及びその断片の両方は、定義に包含される。当該用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化などを含む。さらに、本開示の目的のために、「ポリペプチド」は、タンパク質が所望の活性を維持する限り、天然配列に対して、欠失、付加、及び置換(概して本質的に保存的)などの修飾を含むタンパク質を指す。これらの修飾は、部位指向性変異誘発を通じて意図的であり得るか、又はPCR増幅によるタンパク質又はエラーを産生する宿主の変異を通じてなどの偶発的であり得る。
【0054】
「CCR8」及び「C-Cケモカイン受容体タイプ8」及び「ケモカイン受容体8」は、本明細書で使用される場合、細胞におけるCCR8の発現及び処理から生じる任意の天然CCR8を指す。当該用語は、別段指示がない限り、霊長類(例えば、ヒト及びカニクイザル)などの哺乳動物及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)を含む、任意の脊椎動物源由来のCCR8を含む。当該用語はまた、CCR8の天然に存在するバリアント、例えば、スプライシングバリアント又は対立遺伝子バリアントも含む。例示的なヒトCCR8タンパク質のアミノ酸配列を配列番号101(UniProt識別子P51685)に示す。例示的なマウスCCR8タンパク質のアミノ酸配列を配列番号102(UniProt識別子P56484)に示す。例示的なカニクイザルCCR8タンパク質のアミノ酸配列を配列番号103(UniProt識別子G7NYJ2)に示す。
【0055】
「CCL1」及び「C-Cモチーフケモカイン1」は、本明細書で使用される場合、細胞におけるCCR1の発現及び処理から生じる任意の天然CCR1を指す。当該用語は、別段指示がない限り、霊長類(例えば、ヒト及びカニクイザル)などの哺乳動物及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)を含む、任意の脊椎動物源由来のCCR1を含む。当該用語はまた、CCR1の天然に存在するバリアント、例えば、スプライシングバリアント又は対立遺伝子バリアントも含む。例示的なヒトCCR1タンパク質のアミノ酸配列を配列番号2(UniProt識別子P22362.1)に示す。例示的な成熟CCR1タンパク質は、配列番号2のアミノ酸24~96を含む。
【0056】
「MC148」は、本明細書で使用される場合、細胞におけるMC148の発現及び処理から生じる任意の天然MC148を指す。当該用語は、別段指示がない限り、伝染性軟属腫ウイルス(亜型1又は亜型2)を含む、任意のウイルス源由来のMC148を含む。当該用語はまた、MC148の天然に存在するバリアント、例えば、短縮型バリアント又は対立遺伝子バリアントも含む。例示的なMC148タンパク質のアミノ酸配列を配列番号6(UniProt識別子Q98314.1のアミノ酸25~104)に示す。
【0057】
本明細書で使用される場合、「7-B16抗体」は、CCR8に結合し、(i)配列番号82を含む重鎖及び配列番号83を含む軽鎖、(ii)配列番号80を含む可変重鎖領域及び配列番号81を含む可変軽鎖領域、又は(iii)それぞれ配列番号84、85及び86を含むHCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びにそれぞれ配列番号87、88、及び89を含むLCDR1、LCDR2、及びLCDR3、並びに前述の(i)、(ii)、若しくは(iii)のうちのいずれかのキメラ、ヒト、又はヒト化バージョンを含む、任意の抗体として理解される必要がある。いくつかの実施形態では、「7-B16抗体」は、配列番号82の重鎖及び配列番号83の軽鎖を含む抗体を特異的に指すために使用され得る。
【0058】
抗原又はエピトープに対して「特異的に結合する」という用語は、当該技術分野で十分に理解されている用語であり、かかる特異的結合を決定する方法もまた、当該技術分野において周知である。分子は、代替の細胞又は物質との反応又は会合よりも特定の細胞又は物質とより頻繁に、より迅速に、より長い持続時間で、及び/又はより高い親和性で反応又は会合する場合、「特異的結合」又は「優先的結合」を示すと言われている。抗体は、他の物質に結合するよりも高い親和性、結合力、より容易に、及び/又はより長い持続時間で結合する場合、標的に「特異的に結合する」か、又は「優先的に結合する」。例えば、CCR8エピトープに特異的又は優先的に結合する抗体は、他のCCR8エピトープ又は非CCR8のエピトープに結合するよりも、より大きな親和性、結合力、より容易に、及び/又はより長い持続時間でこのエピトープに結合する抗体である。この定義を読むことにより、例えば、第1の標的に特異的又は優先的に結合する抗体(又は部分又はエピトープ)は、第2の標的に特異的若しくは優先的に結合する場合も、又はしない場合もあることも理解されたい。したがって、「特異的結合」又は「優先的結合」は、排他的な結合を必ずしも必要としない(しかし、それを含むことができる)。必ずしもそうではないが、概して、結合への言及は、優先的結合を意味する。「特異性」は、結合タンパク質が抗原に選択的に結合する能力を指す。
【0059】
本明細書で使用される場合、「実質的に純粋」は、少なくとも50%純粋(すなわち、汚染物質を含まない)、より好ましくは少なくとも90%純粋、より好ましくは少なくとも95%純粋、さらにより好ましくは少なくとも98%純粋、及び最も好ましくは少なくとも99%純粋である材料を指す。
【0060】
本明細書で使用される場合、「エピトープ」という用語は、抗原結合分子(例えば、抗体、抗体断片、又は抗体結合領域を含む足場タンパク質)が結合する標的分子(例えば、タンパク質、核酸、炭水化物、又は脂質などの抗原)上の部位を指す。エピトープは、多くの場合、アミノ酸、ポリペプチド、又は糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面群化を含み、特定の三次元構造特性及び特定の電荷特性を有する。エピトープは、標的分子の隣接した及び/又は並置された非隣接残基(例えば、アミノ酸、ヌクレオチド、糖、脂質部分)の両方から形成され得る。隣接した残基(例えば、アミノ酸、ヌクレオチド、糖、脂質部分)から形成されたエピトープは、典型的には変性溶媒への曝露に対して保持されるが、三次折り畳みによって形成されるエピトープは、典型的には変性溶媒での処理で失われる。エピトープは、少なくとも3、少なくとも5又は8~10残基(例えば、アミノ酸又はヌクレオチド)を含み得るが、これらに限定されない。いくつかの例では、エピトープは、20残基未満(例えば、アミノ酸又はヌクレオチド)の長さ、15残基未満、又は12残基未満である。2つの抗体が、抗原に対して競合的結合を示す場合、抗原内の同じエピトープに結合する場合がある。いくつかの実施形態では、エピトープは、抗原結合分子上のCDR残基に対する特定の最小距離によって同定され得る。いくつかの実施形態では、エピトープは、上記の距離によって同定され得、抗体残基と抗原残基との間の結合(例えば、水素結合)に関与する残基にさらに限定され得る。エピトープは、様々なスキャンによって同様に同定され得、例えば、アラニン又はアルギニンスキャンは、抗原結合分子が相互作用することができる1つ以上の残基を示すことができる。明示的に示されない限り、エピトープとしての残基のセットは、他の残基を特定の抗体に対するエピトープの一部であることから除外しない。むしろ、かかるセットの存在は、エピトープの最小シリーズ(又は種のセット)を示す。したがって、いくつかの実施形態では、エピトープとして特定される残基のセットは、抗原上のエピトープの残基の排他的なリストではなく、抗原に関連する最小エピトープを指す。
【0061】
「非線形エピトープ」又は「立体配座エピトープ」は、エピトープに特異的な抗体が結合する抗原性タンパク質内の非隣接ポリペプチド、アミノ酸及び/又は糖を含む。いくつかの実施形態では、残基のうちの少なくとも1つは、エピトープの他の記載された残基と非隣接であり、しかしながら、残基のうちの1つ以上はまた、他の残基と隣接し得る。
【0062】
「直鎖エピトープ」は、エピトープに特異的な抗体が結合する抗原性タンパク質内の隣接したポリペプチド、アミノ酸及び/又は糖を含む。いくつかの実施形態では、線形エピトープ内の残基のうちのすべてが抗体と直接結合する(又は結合に関与する)必要がないことに留意されたい。いくつかの実施形態では、線形エピトープは、線形エピトープの配列から効果的に構成されたペプチドでの免疫化から、又は(抗体が少なくとも主に相互作用することができるように)タンパク質の残りから比較的単離されたタンパク質の構造的セクション、その配列セクションのみからであり得る。
【0063】
本明細書における「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、(二重特異性T細胞エンゲージャーなど)二重特異性及び三重特異性抗体)、及びそれらが所望の抗原結合活性を示す限り抗体断片を含むが、これらに限定されない様々な抗体構造を包含する。
【0064】
抗体という用語には、Fv、単鎖Fv(single-chain Fv、scFv)、Fab、Fab’、ジ-scFv、sdAb(単一ドメイン抗体(single domain antibody))及び(Fab’)2(化学的に連結されたF(ab’)2を含む)などの抗原に結合することができる断片が含まれるが、これらに限定されない。抗体のパパイン消化により、各々が単一の抗原結合部位を有する「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片、及び名称がその容易に結晶化する能力を反映する残りの「Fc」断片が産生される。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有し、抗原を架橋することができるF(ab’)2断片が得られる。抗体という用語には、キメラ抗体、ヒト化抗体、及びマウス、ヒト、カニクイザル、などの様々な種の抗体が含まれるが、これらに限定されない。さらに、本明細書で提供されるすべての抗体構築物について、他の生物由来の配列を有するバリアントも企図される。したがって、抗体のヒトバージョンが開示されている場合、当業者は、ヒト配列ベースの抗体をマウス、ラット、ネコ、イヌ、ウマなどの配列にどのように変換するかを理解するであろう。抗体断片はまた、単鎖scFv、タンデムジ-scFv、ダイアボディ、タンデムトリ-sdcFv、ミニボディなどのいずれかの配向を含む。抗体断片はまた、ナノボディ(軽鎖を含まない重鎖の一対の下限ドメインなど単一のモノマードメインを有する抗体である、sdAb)も含む。抗体断片は、いくつかの実施形態では特定の種(例えば、ヒトscFv又はマウスscFv)であると称され得る。これは、構築物の供給源ではなく、非CDR領域の少なくとも一部の配列を示す。
【0065】
「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体集団の抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、少量で存在し得る可能性のある自然発生変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、非常に特異的であり、単一の抗原部位に対して指向されている。さらに、典型的には異なる決定基(エピトープ)に対して指向された異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して指向されている。したがって、モノクローナル抗体の試料は、抗原上の同じエピトープに結合することができる。「モノクローナル」という修飾語句は、実質的に均質な抗体集団から得られる抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、モノクローナル抗体は、Kohler and Milstein,1975,Nature 256:495によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製され得るか、又は米国特許第4,816,567号に記載されているような組換えDNA法によって作製され得る。モノクローナル抗体はまた、例えば、McCafferty et al.,1990,Nature 348:552-554に記載されている技術を使用して生成されたファージライブラリから単離され得る。
【0066】
「CDR」という用語は、当業者に対する少なくとも1つの同定の様式によって定義される相補性決定領域を示す。いくつかの実施形態では、CDRは、Chothia番号付けスキーム、Kabat番号付けスキーム、Kabat及びChothiaの組み合わせ、AbM定義、接触定義、並びに/又はKabat、Chothia、AbM、及び/若しくは接触定義の組み合わせのうちのいずれかに従って定義され得る。例示的なCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3)は、L1の24~34、L2の50~56、L3の89~97、H1の31~35B、H2の50~65、及びH3の95~102のアミノ酸残基で起こる。(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991))。AbM定義では、例えば、L1の24~34、L2の50~56、L3の89~97、H1のH26~H35B、H2の50~58、及びH3の95~102のアミノ酸残基でのCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3)が含まれ得る。接触定義では、例えば、L1の30~36、L2の46~55、L3の89~96、H1の30~35、H2の47~58、及びH3の93~101のアミノ酸残基でのCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3)が含まれ得る。Chothia定義では、例えば、L1の24~34、L2の50~56、L3の89~97、H1の26~32...34、H2の52~56、及びH3の95~102のアミノ酸残基でのCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3)が含まれ得る。添付の図のうちのいずれか1つ以上に示されるように、CDRも提供され得る。VHのCDR1を除いて、CDRは、概して、超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。抗体内の様々なCDRは、a)CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3、b)CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3、c)LCDR-1、LCDR-2、LCDR-3、HCDR-1、HCDR-2、及びHCDR-3、又はd)LCDR1、LCDR2、LCDR3、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3などを含むが、それらに限定されない、それらの適切な数及び鎖型によって指定され得る。「CDR」という用語は、本明細書では、超可変ループを含むHVR又は「超可変領域」を包含するために使用される。例示的な超可変ループは、アミノ酸残基26~32(L1)、50~52(L2)、91~96(L3)、26~32(H1)、53~55(H2)、及び96~101(H3)で生じる。(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901-917(1987)。)
【0067】
「重鎖可変領域」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも3つの重鎖CDRを含む領域を指す。いくつかの実施形態では、重鎖可変領域は、3つのCDR並びに少なくともFR2及びFR3を含む。いくつかの実施形態では、重鎖可変領域は、少なくとも重鎖HCDR1、フレームワーク(framework、FR)2、HCDR2、FR3、及びHCDR3を含む。いくつかの実施形態では、重鎖可変領域はまた、FR1の少なくとも一部分及び/又はFR4の少なくとも一部分を含む。
【0068】
「重鎖定常領域」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも3つの重鎖定常ドメイン、CH1、CH2、及びCH3を含む領域を指す。当然ながら、ドメイン内の機能を改変しない欠失及び改変は、別途指定されない限り、「重鎖定常領域」という用語の範囲内に包含される。非限定的な例示的な重鎖定常領域には、γ、δ、及びαが含まれる。非限定的な例示的な重鎖定常領域には、ε及びμも含まれる。各重定常領域は、抗体アイソタイプに対応する。例えば、γ定常領域を含む抗体は、IgG抗体であり、δ定常領域を含む抗体は、IgD抗体であり、α定常領域を含む抗体はIgA抗体である。さらに、μ定常領域を含む抗体は、IgM抗体であり、ε定常領域を含む抗体は、IgE抗体である。特定のアイソタイプは、サブクラスにさらに細分され得る。例えば、IgG抗体には、IgG1(γ1定常領域を含む)、IgG2(γ2定常領域を含む)、IgG3(γ3定常領域を含む)、及びIgG4(γ4定常領域を含む)抗体が含まれるが、これらに限定されず、IgA抗体には、IgA1(α1定常領域を含む)及びIgA2(α2定常領域を含む)抗体が含まれるが、これらに限定されず、IgM抗体には、IgM1及びIgM2が含まれるが、これらに限定されない。
【0069】
本明細書で使用される場合、「重鎖」という用語は、リーダー配列を有するか、又は有しない、少なくとも重鎖可変領域を含むポリペプチドを指す。いくつかの実施形態では、重鎖は、重鎖定常領域の少なくとも一部分を含む。本明細書で使用される場合、「完全長重鎖」という用語は、リーダー配列を有するか、又は有しない、重鎖可変領域及び重鎖定常領域を含むポリペプチドを指す。
【0070】
本明細書で使用される場合、「軽鎖可変領域」という用語は、少なくとも3つの軽鎖CDRを含む領域を指す。いくつかの実施形態では、軽鎖可変領域は、3つのCDR並びに少なくともFR2及びFR3を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖可変領域は、少なくとも軽鎖LCDR1、フレームワーク(FR)2、LCDR2、FR3、及びLCDR3を含む。例えば、軽鎖可変領域は、軽鎖CDR1、フレームワーク(FR)2、CDR2、FR3、及びCDR3を含み得る。いくつかの実施形態では、軽鎖可変領域はまた、FR1の少なくとも一部分及び/又はFR4の少なくとも一部分を含む。
【0071】
本明細書で使用される場合、「軽鎖定常領域」という用語は、軽鎖定常ドメインCLを含む領域を指す。非限定的な例示的な軽鎖定常領域には、λ及びκが含まれる。当然ながら、ドメイン内の機能を改変しない欠失及び改変は、別途指定されない限り、「軽鎖定常領域」という用語の範囲内に包含される。
【0072】
本明細書で使用される場合、「軽鎖」という用語は、リーダー配列を有するか、又は有しない、少なくとも軽鎖可変領域を含むポリペプチドを指す。いくつかの実施形態では、軽鎖は、軽鎖定常領域の少なくとも一部分を含む。本明細書で使用される場合、「完全長軽鎖」という用語は、リーダー配列を有するか、又は有しない、軽鎖可変領域及び軽鎖定常領域を含むポリペプチドを指す。
【0073】
本明細書での目的のための「アクセプタヒトフレームワーク」は、以下に定義されるように、ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークに由来する軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワーク又は重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークに由来するアクセプタヒトフレームワークは、その同じアミノ酸配列を含むことができるか、又はアミノ酸配列の変化を含有することができる。いくつかの実施形態では、アミノ酸変化の数は、10個以下、9つ以下、8つ以下、7つ以下、6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、又は2つ以下である。いくつかの実施形態では、VLアクセプタヒトフレームワークは、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列又はヒトコンセンサスフレームワーク配列と配列が同一である。
【0074】
「親和性」とは、分子(例えば、抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有結合相互作用の合計の強度を指す。分子XのパートナーYに対する親和性は、概して、解離定数(KD)によって表され得る。親和性は、当該技術分野において既知の一般的な方法(例えば、本明細書に記載のものを含む、ELISA KD、KinExA、バイオレイヤー干渉法(BLI)、及び/又は表面プラズモン共鳴デバイス(BIAcore(登録商標)デバイスなど)など)によって測定され得る。
【0075】
「KD」という用語は、本明細書で使用される場合、抗体-抗原の相互作用の平衡解離定数を指す。
【0076】
いくつかの実施形態では、抗体の「KD」、「Kd」、「Kd」、又は「Kd値」は、25℃で約10応答単位(response unit、RU)で抗原が固定化されたCM5チップで用いて、BIACORE(登録商標)-2000又はBIACORE(登録商標)-3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,N.J.)を使用した表面プラズモン共鳴アッセイを使用することによって測定される。簡潔には、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサチップ(CM5、BIACORE,Inc.)は、供給元の指示に従ってN-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(N-ethyl-N’-(3-dimethylaminopropyl)-carbodiimide hydrochloride、EDC)及びN-ヒドロキシスクシンイミド(N-hydroxysuccinimide、NHS)で活性化される。抗原を10mMの酢酸ナトリウム、pH4.8で5μg/ml(約0.2μM)に希釈した後、5μL/分の流量で注射し、結合タンパク質の約10応答単位(RU)を達成する。抗原の注射後、1Mのエタノールアミンを注射して、未反応基をブロックする。動力学的測定のために、ポリペプチド、例えば、完全長抗体の連続希釈を、0.05%のTWEEN(登録商標)-20界面活性剤を含むPBS(PBST)中で、25℃で、約25μL/分の流量で注射する。会合率(kon)及び解離率(koff)は、会合センサーグラム及び解離センサーグラムを同時にフィッティングすることにより、単純な1対1のラングミュア結合モデル(BIACORE(登録商標)評価ソフトウェアバージョン3.2)を使用して計算される。平衡解離定数(Kd)は、koff/konの比率として計算される。例えば、Chen et al.,J.Mol.Biol.293:865-881(1999)を参照されたい。上記の表面プラズモン共鳴アッセイによってオン速度が106M-1s-1を超える場合、オン速度は、蛍光発光強度(励起=295nm、放出=340nm、16nmバンドパス)の増加又は減少を測定する蛍光消光技術を使用することによって、ストップフローを備えた分光光度計(Aviv Instruments)又は攪拌キュベットを備えた8000シリーズSLM-AMINCO(商標)分光光度計(ThermoSpectronic)などの分光計で測定されるように、増加する濃度の抗原の存在下でのPBS、pH7.2中の20nMの抗抗原抗体(anti-antigen antibody)の25℃で、決定され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、当該2つの値(例えば、Kd値)間の差は、参照/比較値の関数として、実質的に同じ、例えば、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、及び/又は約10%未満である。
【0078】
いくつかの実施形態では、当該2つの値(例えば、Kd値)間の差は、参照/比較分子の値の関数として、実質的に異なる、例えば、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、及び/又は約50%超である。
【0079】
「表面プラズモン共鳴」は、例えば、BIAcore(商標)システム(BIAcore International AB,a GE Healthcare company,Uppsala,Sweden and Piscataway,N.J.)を使用して、バイオセンサマトリックス内のタンパク質濃度の改変を検出することにより、リアルタイムの生体特異的相互作用の分析を可能にする光学現象を意味する。さらなる説明については、Jonsson et al.(1993)Ann.Biol.Clin.51:19-26を参照されたい。
【0080】
「バイオレイヤー干渉法」とは、バイオセンサ先端上の固定化タンパク質の層及び内部参照層から反射された光の干渉パターンを分析する光学分析技術を指す。バイオセンサ先端に結合された分子の数の変化は、リアルタイムで測定することができる干渉パターンのシフトを引き起こす。バイオレイヤー干渉法の非限定的な例示的なデバイスは、ForteBio Octet(登録商標)RED96システム(Pall Corporation)である。例えば、Abdiche et al.,2008,Anal.Biochem.377:209-277を参照されたい。
【0081】
「kon」という用語は、本明細書で使用される場合、抗体の抗原への会合の速度定数を指す。具体的には、一価のCCR8抗原でのIgG(二価)を使用して、速度定数(kon及びkoff)及び平衡解離定数を測定する。「Kon」、「kon」、「会合速度定数」、又は「ka」は、本明細書では互換的に使用される。当該値は、その標的抗原への結合タンパク質の結合速度又は抗体と抗原との間の複合体形成速度を示し、式:抗体(「Ab」)+抗原(「Ag」)→Ab-Agによって示される。
「koff」という用語は、本明細書で使用される場合、抗体/抗原複合体からの抗体の解離の速度定数を指す。koffは、「Koff」又は「解離速度定数」ともとしても示される。この値は、その標的抗原からの抗体の解離速度又は以下の式によって示されるように、遊離抗体及び抗原への経時的なAb-Ag複合体の分離を示す:
Ab+Ag←Ab-Ag。
【0082】
「生物学的活性」という用語は、(インビボで見出されるように自然に存在するか、又は組換え手段によって提供又は可能にされるかにかかわらず)分子の任意の1つ以上の生物学的特性を指す。生物学的特性には、サイトカインに結合すること、細胞増殖を誘導すること、細胞の成長を阻害すること、他のサイトカインを誘導すること、アポトーシスを誘導すること、及び酵素活性を誘導することが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、CCR8の生物学的活性には、抗アポトーシス活性、細胞走化性、免疫抑制機能、及び細胞を様々な細胞分化経路に向かって分極する能力が含まれる。
【0083】
「親和性成熟」抗体は、かかる改変を有しない親抗体と比較して1つ以上のCDRにおける1つ以上の改変を有する抗体を指し、かかる改変は、抗原に対する抗体の親和性の改善をもたらす。
【0084】
「キメラ抗体」は、本明細書で使用される場合、重鎖及び/又は軽鎖の一部が特定の供給源又は種に由来し、一方で、重鎖及び/又は軽鎖の残りの少なくとも一部分が異なる供給源又は種に由来する抗体を指す。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、第1の種(マウス、ラット、カニクイザル、など)由来の少なくとも1つの可変領域、及び第2の種(ヒト、カニクイザル、など)由来の少なくとも1つの定常領域を含む抗体を指す。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、少なくとも1つのマウス可変領域及び少なくとも1つのヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、少なくとも1つのカニクイザル可変領域及び少なくとも1つのヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、キメラ抗体の可変領域のすべては、第1の種に由来し、キメラ抗体の定常領域のすべては、第2の種に由来する。上記のように、キメラ構築物はまた、機能的断片であり得る。
【0085】
「ヒト化抗体」は、本明細書で使用される場合、非ヒト可変領域のフレームワーク領域における少なくとも1つのアミノ酸が、ヒト可変領域由来の対応するアミノ酸で置き換えられている抗体を指す。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、少なくとも1つのヒト定常領域又はその断片を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、Fab、scFv、(Fab’)2などの抗体断片である。ヒト化という用語はまた、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、又は非ヒト免疫グロブリンの最小配列を含有するその断片(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2又は抗体の他の抗原結合部分配列など)である非ヒト(例えば、マウス)抗体の形態を意味する。ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が所望の特異性、親和性、及び能力を有する非ヒト種、例えば、マウス、ラット、又はウサギのCDRからの残基(ドナー抗体)により置換されているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含み得る。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体も、インポートされたCDR又はフレームワーク配列もいずれにも見られないが、抗体性能をさらに改良及び最適化するために含まれる残基を含むことができる。概して、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み得、その可変ドメイン中、CDR領域のすべて又は実質的にすべては、非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、FR領域のすべて又は実質的にすべては、ヒト免疫グロブリン共通配列のFR領域である。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域又はドメイン(Fc)、典型的には、ヒト免疫グロブリンのFcのうち少なくとも一部分を含み得る。他の形態のヒト化抗体は、元の抗体に関して改変した1つ以上のCDR(CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1、CDRH2、及び/又はCDRH3)を有し、これは、元の抗体由来の1つ以上のCDRに「由来する」1つ以上のCDRとも呼ばれる。理解されるように、ヒト化配列は、その一次配列によって同定することができ、必ずしも抗体が作成されたプロセスを示すものではない。
【0086】
「CDRグラフト化抗体」は、本明細書で使用される場合、第1の(非ヒト)種の1つ以上の相補性決定領域(CDR)が第2の(ヒト)種のフレームワーク領域(FR)上にグラフト化されたヒト化抗体を指す。
【0087】
本明細書で使用される場合、本明細書で使用される「ヒト抗体」は、ヒトで産生される抗体、XenoMouse(登録商標)マウスなどのヒト免疫グロブリン遺伝子を含む非ヒト動物で産生される抗体、及びファージディスプレイなどのインビトロ法を使用して選択される抗体(Vaughan et al.,1996,Nature Biotechnology,14:309-314、Sheets et al.,1998,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)95:6157-6162、Hoogenboom and Winter,1991,J.Mol.Biol.,227:381、Marks et al.,1991,J.Mol.Biol.,222:581)を包含し、抗体レパートリーは、ヒト免疫グロブリン配列に基づく。「ヒト抗体」という用語は、ヒト配列である配列の属を示す。したがって、当該用語は、抗体が作成されたプロセスを指定するものではないが、関連する配列の属である。
【0088】
「機能的Fc領域」は、天然配列Fc領域の「エフェクタ機能」を有する。例示的な「エフェクタ機能」には、Fc受容体結合、C1q結合、CDC、ADCC、食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体、BCR)の下方調節が含まれる。かかるエフェクタ機能は、概して、結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と組み合わされるFc領域を必要とし、様々なアッセイを使用して評価することができる。
【0089】
「天然配列Fc領域」は、天然に見出されるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。天然配列ヒトFc領域は、天然配列ヒトIgG1 Fc領域(非A及びAアロタイプ)、天然配列ヒトIgG2Fc領域、天然配列ヒトIgG3 Fc領域、及び天然配列ヒトIgG4 Fc領域、並びにそれらの天然に存在するバリアントを含む。
【0090】
「バリアントFc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって天然配列Fc領域のものとは異なるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、「バリアントFc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって天然配列Fc領域のものとは異なるアミノ酸配列を含み、また、天然配列Fc領域の少なくとも1つのエフェクタ機能を保持する。いくつかの実施形態では、バリアントFc領域は、天然配列Fc領域又は親ポリペプチドのFc領域と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換、例えば、天然配列Fc領域又は親ポリペプチドのFc領域における約1~約10個のアミノ酸置換、好ましくは、約1~約5個のアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、本明細書のバリアントFc領域は、天然配列Fc領域及び/又は親ポリペプチドのFc領域と少なくとも80%の配列同一性、天然配列Fc領域及び/又は親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約90%の配列同一性、天然配列Fc領域及び/又は親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の配列同一性を有する。
【0091】
「Fc受容体」又は「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を説明する。いくつかの実施形態では、FcγRは、天然のヒトFcRである。いくつかの実施形態では、FcRは、IgG抗体(ガンマ受容体)に結合し、対立遺伝子バリアント及び代替的にスプライシングされた形態のそれらの受容体を含むFcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIサブクラスの受容体を含むものである。FcγRII受容体には、FcγRIIA(「活性化受容体」)及びFcγRIIB(「阻害受容体」)が含まれ、これらは主にその細胞質ドメインが異なる同様のアミノ酸配列を有する。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインにおいて免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(immunoreceptor tyrosine-based activation motif、ITAM)を含有し、阻害受容体FcγRIIBは、その細胞質ドメインにおいて免疫受容体チロシンベース阻害モチーフ(ITIM)を含有する。(例えば、Daeron,Annu.Rev.Immunol.15:203-234(1997)を参照されたい)。FcRは、例えば、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol 9:457-92(1991)、Capel et al.,Immunomethods 4:25-34(1994)、及びde Haas et al.,J.Lab.Clin.Med.126:330-41(1995)において、概説されている。将来特定されるものを含む他のFcRは、本明細書における「FcR」という用語に包含される。
【0092】
「Fc受容体」又は「FcR」という用語はまた、胎児への母体IgGの移植(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))及び免疫グロブリンの恒常性の調節に関与する新生児受容体FcRnを含む。FcRnへの結合を測定する方法は、既知である(例えば、Ghetie and Ward.,Immunol.Today 18(12):592-598(1997)、Ghetie et al.,Nature Biotechnology,15(7):637-640(1997)、Hinton et al.,J.Biol.Chem.279(8):6213-6216(2004)、国際公開第2004/92219号(Hinton et al.)を参照されたい。
【0093】
「エフェクタ機能」とは、抗体アイソタイプによって変化する抗体のFc領域に起因する生物学的活性を指す。抗体エフェクタ機能の例としては、Clq結合及び補体依存性細胞傷害性(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity、ADCC)、食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方調節、並びにB細胞活性化が挙げられる。
【0094】
「ヒトエフェクタ細胞」は、1つ以上のFcRを発現し、エフェクタ機能を実施する白血球である。いくつかの実施形態では、細胞は、少なくともFcγRIIIを発現し、ADCCエフェクタ機能を実施する。ADCCを媒介するヒト白血球の例としては、末梢血単核細胞(peripheral blood mononuclear cells、PBMC)、ナチュラルキラー(natural killer、NK)細胞、単球、細胞傷害性T細胞、及び好中球が挙げられる。エフェクタ細胞は、天然源から、例えば、血液から単離され得る。
【0095】
「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性」又は「ADCC」は、特定の細胞傷害性細胞(例えば、NK細胞、好中球、及びマクロファージ)上に存在するFc受容体(FcR)に、これらの細胞毒性エフェクタ細胞が抗原を有する標的細胞に特異的に結合し、続いて細胞毒素で標的細胞を殺すことができるように、分泌されたIgが結合した細胞傷害性の形態を指す。ADCCを媒介するための一次細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、単球は、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIを発現する。造血細胞におけるFcR発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol 9:457-92(1991)の464頁の表3にまとめられている。目的の分子のADCC活性を評価するために、米国特許第5,500,362号若しくは同第5,821,337号又は米国特許第6,737,056号(Presta)に記載されているものなどのインビトロADCCアッセイが実施され得る。かかるアッセイの有用なエフェクタ細胞には、PBMC及びNK細胞が含まれる。代替的に、又は追加的に、目的の分子のADCC活性は、例えば、Clynes et al.Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)95:652-656(1998)に開示されているような動物モデルにおいてインビボで評価され得る。改変したFc領域アミノ酸配列を有する追加のポリペプチドバリアント(バリアントFc領域を有するポリペプチド)及び増加又は減少したADCC活性は、例えば、米国特許第7,923,538号及び米国特許第7,994,290号に記載されている。
【0096】
「補体依存性細胞傷害性」又は「CDC」は、相補体の存在下での標的細胞の溶解を指す。古典的補体経路の活性化は、それらの同族抗原に結合している(適切なサブクラスの)抗体への補体系(C1q)の第1の構成要素の結合によって開始される。補体活性化を評価するために、例えば、Gazzano-Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996)において記載されるCDCアッセイが実施され得る。改変したFc領域アミノ酸配列を有するポリペプチドバリアント(バリアントFc領域を有するポリペプチド)及び増加又は減少したC1q結合能力は、例えば、米国特許第6,194,551(B1)号、米国特許第7,923,538号、米国特許第7,994,290号及び国際公開第1999/51642号に記載されている。例えば、Idusogie et al.,J.Immunol.164:4178-4184(2000)を参照されたい。
【0097】
「改変した」FcR結合親和性又はADCC活性を有するポリペプチドバリアントは、親ポリペプチド又は天然配列Fc領域を含むポリペプチドと比較して、増強された又は減少したFcR結合活性及び/又はADCC活性のいずれかを有するものである。FcRへの「増加した結合を示す」ポリペプチドバリアントは、親ポリペプチドよりも良好な親和性で少なくとも1つのFcRに結合する。FcRへの「減少した結合を示す」ポリペプチドバリアントは、親ポリペプチドよりも低い親和性で少なくとも1つのFcRに結合する。FcRへの減少した結合を示すかかるバリアントは、天然配列IgGFc領域と比較して、FcRにほとんど又は全く結合しない、例えば、FcRへの0~20%の結合を有する場合がある。
【0098】
親抗体よりも「ヒトエフェクタ細胞の存在下で抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)をより効果的に媒介する」ポリペプチドバリアントは、アッセイで使用されるポリペプチドバリアント及び親抗体の量が本質的に同じである場合、インビトロ又はインビボでADCCを媒介するのにより効果的であるものである。概して、かかるバリアントは、本明細書で開示されるインビトロADCCアッセイを使用して同定されるが、例えば動物モデルなどにおいて、ADCC活性を決定するための他のアッセイ又は方法が企図される。
【0099】
「実質的に同様」又は「実質的に同じ」という用語は、本明細書で使用される場合、当業者が、当該値によって測定された生物学的特性の状況内の生物学的及び/又は統計的有意性がほとんど又は全くないと、2つ以上の値間の差をみなすように、2つ以上の数値間に十分に高い類似性を示す。いくつかの実施形態では、2つ以上の実質的に同様の値は、約5%、10%、15%、20%、25%、又は50%のうちのいずれか1つ以下異なる。
【0100】
「実質的に異なる」という語句は、本明細書で使用される場合、当業者が、当該値によって測定された生物学的特性の状況内の2つの値間の差が統計的に有意性なものであるとみなすように、2つの数値間に十分に高い程度の差を示す。いくつかの実施形態では、2つの実質的に異なる数値は、約10%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%のうちのいずれか1つより大きく異なる。
【0101】
「実質的に減少した」という語句は、本明細書で使用される場合、当業者が、当該値によって測定された生物学的特性の状況内の2つの値間の差が統計的に有意性なものであるとみなすように、数値と参照数値との間に十分に高い程度の減少を示す。いくつかの実施形態では、実質的に減少した数値は、参照値と比較して、約10%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%のうちのいずれか1つより大きく減少する。
【0102】
「リーダー配列」という用語は、哺乳動物細胞からのポリペプチドの分泌を促進するポリペプチドのN末端に位置するアミノ酸残基の配列を指す。リーダー配列は、哺乳動物細胞からのポリペプチドの輸出時に切断され、成熟タンパク質を形成し得る。リーダー配列は、天然又は合成であり得、それらは、それらが結合しているタンパク質と異種又は相同であり得る。
【0103】
「天然配列」ポリペプチドは、天然に見出されるポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。したがって、天然配列ポリペプチドは、任意の哺乳動物由来の天然に存在するポリペプチドのアミノ酸配列を有し得る。かかる天然配列ポリペプチドは、天然から単離され得るか、又は組換え若しくは合成手段によって産生され得る。「天然配列」ポリペプチドという用語は、ポリペプチドの天然に存在する短縮形態又は分泌形態(例えば、細胞外ドメイン配列)、天然に存在するバリアント形態(例えば、選択的スプライシング形態)、及びポリペプチドの天然に存在する対立遺伝子バリアントを具体的に包含する。
【0104】
ポリペプチド「バリアント」は、配列をアラインメントし、必要に応じてギャップを導入して、最大パーセントの配列同一性を達成し、かつ配列同一性の一部としての任意の保存的置換を考慮しなかった後、天然配列ポリペプチドと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する生物学的に活性なポリペプチドを意味する。かかるバリアントは、例えば、ポリペプチドのN末端又はC末端で、1つ以上のアミノ酸残基が付加されるか、又は欠失されるポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、バリアントは、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有するであろう。いくつかの実施形態では、バリアントは、少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性を有するであろう。いくつかの実施形態では、バリアントは、天然配列ポリペプチドと少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性を有するであろう。
【0105】
本明細書で使用される場合、ペプチド、ポリペプチド、又は抗体配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」及び「相同性」は、配列をアラインメントし、必要に応じてギャップを導入して、最大パーセントの配列同一性を達成し、かつ配列同一性の一部としての任意の保存的置換を考慮しなかった後、特定のペプチド又はポリペプチド配列のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、又はMEGALIGN(商標)(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当技術分野の技術の範囲内である様々な方法で達成され得る。当業者は、比較される配列の完全長にわたって最大のラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。
【0106】
アミノ酸置換には、ポリペプチド中の1つのアミノ酸を別のアミノ酸へ置換することが含まれ得るが、これに限定されない。例示的な保存的置換を表1に示す。アミノ酸置換は、目的の抗体に導入され得、産物は、所望の活性、例えば、保持/改善された抗原結合、免疫原性の低下、又は改善されたADCC若しくはCDCに対してスクリーニングされ得る。
【表1】
【0107】
アミノ酸は、共通の側鎖特性に従ってグループ化され得る。
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile、
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln、
(3)酸性化:Asp、Glu、
(4)塩基:His、Lys、Arg、
(5)鎖配向に影響を与える残基:Gly、Pro、
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0108】
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスに交換することを伴うであろう。
【0109】
「ベクター」という用語は、宿主細胞内で増殖され得るクローニングされたポリヌクレオチド(複数可)を含むように操作され得るポリヌクレオチドを説明するために使用される。ベクターは、以下の要素のうちの1つ以上を含み得る。複製起点、目的のポリペプチドの発現を調節する1つ以上の調節配列(例えば、プロモーター及び/又はエンハンサーなど)、及び/又は1つ以上の選択可能なマーカー遺伝子(例えば、抗生物質耐性遺伝子及び比色アッセイで使用され得る遺伝子、例えば、β-ガラクトシダーゼ)。「発現ベクター」という用語は、宿主細胞において目的のポリペプチドを発現するために使用されるベクターを指す。
【0110】
「宿主細胞」は、ベクター又は単離されたポリヌクレオチドのレシピエントであり得るか、又はレシピエントであった細胞を指す。宿主細胞は、原核細胞又は真核細胞であり得る。例示的な真核細胞は、霊長類又は非霊長類動物細胞などの哺乳動物細胞、酵母などの真菌細胞、植物細胞、及び昆虫細胞が挙げられる。非限定的な例示的な哺乳動物細胞には、NSO細胞、PER.C6、(登録商標)細胞(Crucell)、並びに293及びCHO細胞、並びにそれぞれ293-6E及びDG44細胞などのそれらの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。宿主細胞は、単一の宿主細胞の子孫を含み、子孫は、自然、偶発的、又は意図的な変異により、元の親細胞とは(形態学又はゲノムDNA補体において)必ずしも完全に同一ではない場合がある。宿主細胞は、本明細書で提供されるポリヌクレオチドで、インビボでトランスフェクションされた細胞を含む。
【0111】
「単離された」という用語は、本明細書で使用される場合、天然に典型的に見出されるか又は産生される構成要素のうちの少なくともいくつかから分離された分子を指す。例えば、ポリペプチドは、ポリペプチドが産生された細胞の構成要素のうちの少なくともいくつかから分離される場合、「単離された」と称される。ポリペプチドが発現後に細胞によって分泌される場合、ポリペプチドを含有する上清を、ポリペプチドを産生した細胞から物理的に分離することは、ポリペプチドを「単離」するとみなされる。同様に、ポリヌクレオチドは、それが天然に典型的に見出されるより大きなポリヌクレオチド(例えば、DNAポリヌクレオチドの場合、ゲノムDNA又はミトコンドリアDNAなど)の一部ではない場合、又は、例えば、RNAポリヌクレオチドの場合、RNAポリヌクレオチドが産生された細胞の構成要素のうちの少なくともいくつかから分離されている場合、「単離された」と呼ばれる。したがって、宿主細胞内のベクターに含有されるDNAポリヌクレオチドは、「単離された」と称され得る。
【0112】
「個体」又は「対象」という用語は、本明細書では互換的に使用され、動物、例えば、哺乳動物を指す。いくつかの実施形態では、ヒト、げっ歯類、類人猿、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、哺乳動物実験動物、哺乳動物の家畜、哺乳類スポーツ動物、及び哺乳動物ペットを含むがこれらに限定されない哺乳動物を治療する方法が提供される。いくつかの例では、「個体」又は「対象」は、疾患又は障害の治療を必要とする個体又は対象を指す。いくつかの実施形態では、治療を受ける対象は、対象が治療に関連する障害を有すると同定されているか、又は障害にかかる十分なリスクであるという事実を指定する患者であり得る。
【0113】
「疾患」又は「障害」は、本明細書で使用される場合、治療が必要とされる、及び/又は所望される状態を指す。
【0114】
本明細書で使用される場合、「がん」及び「腫瘍」は、動物における任意の異常な細胞又は組織の成長又は増殖を指す互換可能な用語である。本明細書で使用される場合、「がん」及び「腫瘍」という用語は、固形及び血液学的/リンパがんを包含し、また、悪性、前悪性、及び異形成などの良性の増殖を包含する。がんの例としては、がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病が挙げられるが、これらに限定されない。かかるがんのより具体的な非限定的な例としては、扁平上皮がん、小細胞肺がん、下垂体がん、食道がん、星状細胞腫、軟組織肉腫、非小細胞肺がん、肺の腺がん、肺の扁平上皮がん、腹膜のがん、肝細胞がん、胃腸がん、膵臓がん、神経膠芽細胞腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝がん(liver cancer)、膀胱がん、肝細胞腫(hepatoma)、乳がん、結腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん又は子宮がん、唾液腺がん、腎臓がん、腎がん、肝がん(liver cancer)、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝がん(hepatic carcinoma)、脳がん、子宮内膜がん、精巣がん、胆管がん、胆嚢がん、胃がん、黒色腫、中皮腫、及び様々な種類の頭頸部がんが挙げられる。いくつかの実施形態では、血液学的/リンパがんは、「血液がん」と呼ばれる。非限定的な例示的な血液がんとしては、B細胞及びT細胞混合白血病、B細胞リンパ腫、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病、びまん性大B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma、DLBC)、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、複数骨髄腫、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患、末梢T細胞リンパ腫、T細胞白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(small lymphocytic lymphoma、SLL)、CLL/SLL、成熟T細胞及びNK細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、急性リンパ球性白血病(ALL)、T細胞急性リンパ球性白血病(TALL)、T細胞成人急性リンパ球性白血病、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫(TLLL)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(ATCL)、肝脾T細胞リンパ腫(HTCL)、別途明記されていない末梢T細胞リンパ腫(PTCL NOS)、バーキットリンパ腫(BL)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、結節外NK/T細胞リンパ腫(NKTCL)、原発性滲出性リンパ腫(PEL)、急性リンパ球性白血病/急性骨髄性白血病(ALL、AML)、組織球性リンパ腫(HL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、B細胞急性リンパ球性白血病、並びに未分化大細胞リンパ腫(ALCL)が挙げられる。
【0115】
本明細書で使用される場合、「治療」は、有益な又は所望の臨床結果を得るためのアプローチである。「治療」は、本明細書で使用される場合、ヒトを含む哺乳動物における疾患のための治療薬の任意の投与又は適用をカバーする。本開示の目的のために、有益な又は所望の臨床結果は、1つ以上の症状の緩和、疾患の程度の減少、疾患の広がり(例えば、転移、例えば、肺又はリンパ節への転移)の予防又は遅延、疾患の再発の予防又は遅延、疾患の進行の遅延又は緩慢、病状の改善、疾患又は疾患の進行の阻害、疾患又はその進行の阻害又は緩慢、その発症の停止、及び寛解(部分的又は全体的にかかわらず)のうちのいずれか1つ以上を含むが、これらに限定されない。また、「治療」に包含されるのは、増殖性疾患の病理学的結果の減少である。本明細書で提供される方法は、治療のこれらの態様のうちのいずれか1つ以上を企図する。上記と同様に、治療という用語は、障害のすべての態様を100パーセント除去する必要はない。
【0116】
「改善する」とは、抗CCR8抗体を投与しないことと比較して、1つ以上の症状が軽減又は改善することを意味する。「改善する」には、症状の持続時間の短縮又は減少も含む。
【0117】
がんの文脈において、「治療すること」という用語は、がん細胞の増殖を阻害すること、がん細胞の複製を阻害すること、全体的な腫瘍量を軽減さること、及び疾患に関連する1つ以上の症状を改善することのうちの、いずれか又はすべてを含む。
【0118】
本明細書で使用される場合、「調節性T細胞」(「Treg」又は「Treg細胞」又は「サプレッサーT細胞」としても知られる)という用語は、免疫抑制性であり、概してエフェクタT細胞の誘導及び増殖を抑制又は下方調節するT細胞の亜集団である。Tregは、CD4、FOXP3、及びCD25(IL-2受容体α鎖)を発現する。ヒトFoxp3+CD4+T細胞は、Foxp3及び細胞表面分子CD25及びCD45RAの発現レベルに基づいて3つの亜画分に分けられている。Foxp3hiCD45RA-CD25hi及びFoxp3loCD45RA+CD25lo表現型は、抑制Treg細胞に対応するが、Foxp3loCD45RA-CD25lo画分は、抑制活性なしに活性化Tエフェクタ(T effector、Teff)細胞をマークする。さらに、健康な対象におけるものと比較して、がん患者のTreg細胞は、通常、腫瘍微小環境に由来する対応するケモカインリガンドに応答して腫瘍への遊走を促進する、CCR4、CXCR4、及びCCR5などのケモカイン受容体の異なる発現プロファイルによって特徴付けられる。例えば、Liu,et al.,FEBS J.(2016)283(14):2731-48及びMiyara,et al.,Immunity(2009)30,899-911を参照されたい。
【0119】
「従来のT細胞」又は「Tconv」は、概して、CD4陽性(すなわち、CD4+)であるが、Tconvが概してFoxP3陰性(すなわち、FoxP3-)であるという点でTregと区別可能である、T細胞の集団である。
【0120】
「生体試料」という用語は、生きているもの又は以前に生きていたもの由来の物質の量を意味する。かかる物質には、血液、(例えば、全血)、血漿、血清、尿、羊水、滑液、内皮細胞、白血球、単球、他の細胞、器官、組織、骨髄、リンパ節、及び脾臓が含まれるが、これらに限定されない。
【0121】
「対照」という用語は、分析物を含有しない(「陰性対照」)か、又は分析物を含有する(「陽性対照」)ことが既知の組成物を指す。陽性対照は、既知の濃度の分析物を含み得る。「対照」、「陽性対照」、及び「較正器」は、既知の濃度の分析物を含む組成物を指すために本明細書では互換的に使用され得る。「陽性対照」は、アッセイ性能特性を確立するために使用することができ、試薬(例えば、分析物)の完全性の有用な指標である。
【0122】
「所定のカットオフ」及び「所定のレベル」は、概して、アッセイの結果を所定のカットオフ/レベルに対して比較することによって、診断/予後/治療の有効性の結果を評価するために使用されるアッセイカットオフ値を指し、所定のカットオフ/レベルは既に、様々な臨床パラメータ(例えば、疾患の重症度、進行/非進行/改善など)に結びつけられているか、又は関連付けられている。本開示は、例示的な所定のレベルを提供する場合があるが、カットオフ値は、イムノアッセイの性質(例えば、用いられる抗体など)に応じて変化し得ることが周知である。それはさらに、本開示に基づく他のイムノアッセイのイムノアッセイ特異的カットオフ値を得るために、本明細書での本開示を他のイムノアッセイに適合させることは、当業者の技能の範囲内である。所定のカットオフ/レベルの正確な値は、アッセイ間で変化する場合があるが、本明細書に記載の相関関係(存在する場合)は、概して、適用可能であり得る。
【0123】
「阻害」又は「阻害する」という用語は、任意の表現型特徴の低減又は停止、又はその特徴の発生率、程度、又は尤度の低減又は停止を指す。「減少する」又は「阻害する」は、参照と比較して、活性、機能、及び/又は量を低減、減少、又は停止することである。いくつかの実施形態では、「減少する」又は「阻害する」は、20%以上の全体的な低減を引き起こす能力を意味する。いくつかの実施形態では、「減少する」又は「阻害する」は、50%以上の全体的な低減を引き起こす能力を意味する。いくつかの実施形態では、「減少する」又は「阻害する」は、75%、85%、90%、95%以上の全体的な低減を引き起こす能力を意味する。いくつかの実施形態では、上記の量は、同じ期間にわたる対照用量(プラセボなど)に対して、一定期間にわたって阻害又は低減される。「参照」は、本明細書で使用される場合、比較目的で使用される任意の試料、標準、又はレベルを指す。参照は、健康な及び/又は非罹患試料から得られ得る。いくつかの例では、参照は、未治療の試料から得られ得る。いくつかの例では、参照は、対象の個体の非治療試料上の非罹患から得られる。いくつかの例では、参照は、対象又は患者ではない1つ以上の健康な個体から得られる。
【0124】
本明細書で使用される場合、「疾患の発症を遅延させること」は、疾患(がんなど)の発症を延期(defer)、妨害(hinder)、緩慢、妨害(retard)、安定化、抑制、及び/又は延期(postpone)することを意味する。この遅延は、治療される疾患及び/又は個体の病歴に応じて、様々な時間長であることができる。当業者には明らかなように、十分な又は顕著な遅延は、事実上、個体が疾患を発症しないという点で、予防を包含することができる。例えば、転移の発症などの後期がんは遅延され得る。
【0125】
「予防」は、本明細書で使用される場合、疾患にかかる可能性があるが、まだ疾患と診断されていない対象における疾患の発症又は再発に関して予防を提供することを含む。別途明記しない限り、「減少する」、「阻害する」、又は「予防する」という用語は、すべての時間にわたって完全な予防を示さないか、又は必要としない。
【0126】
本明細書で使用される場合、機能又は活性を「抑制する」とは、目的の状態又はパラメータを除いて他の同じ条件と比較した場合、又は、代替的に別の条件と比較して、機能又は活性を減少させることである。例えば、腫瘍増殖を抑制する抗体は、抗体の非存在下での腫瘍の増殖の速度と比較して腫瘍の増殖の速度を減少させる。
【0127】
物質/分子、アゴニスト又はアンタゴニストの「治療有効量」は、個人の病状、年齢、性別、及び体重、並びに個体における所望の応答を誘発する物質/分子、アゴニスト又はアンタゴニストの能力などの要因によって変化し得る。治療有効量はまた、治療的に有益な効果が、物質/分子、アゴニスト又はアンタゴニストの任意の毒性又は有害な効果を上回るものである。治療有効量は、1回以上の投与で送達され得る。「治療有効量」は、必要な投与量及び期間で所望の治療及び/又は予防の結果を達成するための有効量を指す。
【0128】
「予防有効量」は、必要な投与量及び期間で所望の予防結果を達成するための有効量を指す。典型的には、必ずしもそうではないが、予防用量は、疾患の前又は早期の段階で対象において使用されるため、予防有効量は、治療有効量より少なくなるであろう。
【0129】
「医薬製剤」及び「医薬組成物」という用語は、活性成分の生物学的活性が有効になることを可能にするような形態であり、製剤が投与される対象に対して許容できないほど毒性がある追加の構成要素を含有しない調製物を指す。かかる製剤は、無菌であり得る。
【0130】
「薬学的に許容される担体」は、対象への投与のための「医薬組成物」を一緒に含む治療薬とともに使用するための、当該技術分野で従来の、非毒性の固体、半固体、又は液体充填剤、希釈剤、カプセル化材料、製剤補助剤、又は担体を指す。薬学的に許容される担体は、用いられる投与量及び濃度でレシピエントに対して非毒性であり、製剤の他の成分と適合性である。薬学的に許容される担体は、用いられる製剤に適している。
【0131】
「無菌」製剤は、無菌であるか、又は生きている微生物及びそれらの胞子を本質的に含まない。
【0132】
「IDO阻害剤」という用語は、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(indoleamine 2,3-dioxygenase、IDO)の活性を阻害し、それによってIDO媒介免疫抑制を反転させることができる薬剤を指す。IDO阻害剤は、IDO1及び/又はIDO2(INDOL1)を阻害し得る。IDO阻害剤は、可逆的又は不可逆的IDO阻害剤であり得る。「可逆的IDO阻害剤」は、触媒部位又は非触媒部位のいずれかでIDO酵素活性を可逆的に阻害する化合物であり、「不可逆的IDO阻害剤」は、酵素と共有結合を形成することによってIDO酵素活性を不可逆的に阻害する化合物である。非限定的な例示的なIDO阻害剤としては、Indoximod(New Link Genetics)、INCB024360(Incyte Corp.)、1-メチル-D-トリプトファン(New Link Genetics)、及びGDC-0919(Genentech,Inc.)が挙げられる。
【0133】
「キメラ抗原受容体T細胞療法」又は「CAR-T療法」は、腫瘍細胞によって発現される抗原を認識する受容体を発現するように遺伝子組換えされたT細胞を含む治療薬を指す。抗原は、腫瘍によって特異的に発現される抗原又はがん性細胞及び健康な組織の両方によって発現される抗原であり得る。いくつかの実施形態では、CAR-T療法は養子CAR-T療法であり、患者のT細胞が取り出され、キメラ抗原受容体を発現するように修飾され、次いで患者に戻される。例えば、Dai et al.,2016,J Natl Cancer Inst,108(7):djv439,doi:10.1093/jnci/djv439;Gill et al.,2015,Blood Rev,pii:S0268-960X(15)00080-6,doi:10.1016/j.blre.2015.10.003、Gill et al.,2015,Immunol Rev,263(1):68~89.doi:10.1111/imr.12243を参照されたい。
【0134】
1つ以上のさらなる治療薬と「組み合わせて」投与することは、任意の順序での同時(simultaneous)(同時(concurrent))及び連続的又は逐次的な投与を含む。
【0135】
「同時に」という用語は、本明細書では、2つ以上の治療薬の投与を指すために使用され、投与の少なくとも一部分が時間的に重複するか、又は1つの治療薬の投与が他の治療薬の投与に対して短期間内にある。例えば、2つ以上の治療薬は、特定の約数分以下の時間間隔で投与される。
【0136】
「逐次的に」という用語は、1つ以上の他の薬剤の投与を中止した後に、1つ以上の薬剤の投与が続くか、又は1つ以上の他の薬剤の投与前に1つ以上の薬剤の投与が始まる、2つ以上の治療薬の投与を指すために本明細書で使用される。例えば、2つ以上の治療薬は、特定の約数分より長い時間間隔で投与される。
【0137】
本明細書で使用される場合、「併せて」は、別の治療モダリティに加えて1つの治療モダリティの投与を指す。したがって、「併せて」は、個体への他の治療モダリティの投与前、投与中、又は投与後の1つの治療モダリティの投与を指す。
【0138】
「添付文書」という用語は、かかる治療用産物の使用に関する指示、使用、投与量、投与、併用療法、禁忌、及び/又は警告についての情報を含有する、治療用産物の市販のパッケージに通常含まれる説明書を指すために使用される。
【0139】
「製造品」は、少なくとも1つの試薬、例えば、疾患若しくは障害(例えば、がん)の治療のための薬剤、又は本明細書に記載のバイオマーカーを特異的に検出するためのプローブを含む、任意の製造物(例えば、パッケージ又は容器)又はキットである。いくつかの実施形態では、製造物又はキットは、本明細書に記載の方法を実施するためのユニットとして促進、配布、又は販売される。
【0140】
「標識」及び「検出可能な標識」という用語は、特異的結合対のメンバー間の反応(例えば、結合)を検出可能にする、抗体又はその分析物に結合した部分を意味する。特異的結合対の標識されたメンバーは、「検出可能に標識された」と称される。したがって、「標識結合タンパク質」という用語は、結合タンパク質の同定を提供する標識が組み込まれたタンパク質を指す。いくつかの実施形態では、標識は、視覚的又は機器的手段、例えば、放射性標識アミノ酸の組み込み、又はマークされたアビジンによって検出され得るポリペプチドへの結合(例えば、光学的又は比色法によって検出され得る蛍光マーカー又は酵素活性を含有するストレプトアビジン)によって検出可能な信号を産生することができる検出可能なマーカーである。ポリペプチドの標識の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されるものではない。放射性同位体又は放射性核種(例えば、3H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Ho、又は153Sm)、色原体、蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニド蛍光体)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光マーカー、ビオチニル基、二次レポーター(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)によって認識される所定のポリペプチドエピトープ、及びガドリニウムキレートなどの磁性剤。イムノアッセイに一般的に用いられる標識の代表的な例としては、光を産生する部分、例えば、アクリジニウム化合物、及び蛍光を産生する部分、例えばフルオレセインが挙げられる。これに関して、当該部分自体は検出可能に標識されていなくてもよいが、さらに別の部分との反応時に検出可能になってもよい。
【0141】
「コンジュゲート」という用語は、治療薬又は細胞毒性剤などの第2の化学部分に化学的に連結されている抗体を指す。「薬剤」という用語は、化学化合物、化学化合物の混合物、生物学的高分子、又は生物学的材料から作製された抽出物を含む。いくつかの実施形態では、治療薬又は細胞毒性剤には、百日咳毒素、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、及びピューロマイシン、並びにそれらの類似体又はホモログが含まれるが、これらに限定されない。イムノアッセイの文脈で用いられる場合、コンジュゲート抗体は、検出抗体として使用される検出可能に標識された抗体であり得る。
II.抗CCR8抗体
【0142】
CCR8に対して指向された新規抗体が提供される。抗CCR8抗体には、ヒト化抗体、キメラ抗体、マウス抗体、ヒト抗体、及び本明細書で論じられる重鎖及び/又は軽鎖CDRを含む抗体が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、CCR8に結合する単離された抗体が提供される。いくつかの実施形態では、CCR8に結合するモノクローナル抗体が提供される。いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、アンタゴニスト抗CCR8抗体である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗CCR8抗体は、CCR8のCCL1への結合を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗CCR8抗体の投与は、対象におけるがんにおける浸潤Treg細胞を減少させる。いくつかの実施形態では、本明細書の抗CCR8抗体の投与は、CCR8を発現する血液がんを治療する。
【0143】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号12のアミノ酸配列を含むHCDR1(b)配列番号13のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号14のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号15のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号16のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号17のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1、2、3、4、5、又は6つのCDRを含む。
【0144】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号24のアミノ酸配列を含むHCDR1(b)配列番号25のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号26のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号27のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号28のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号29のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1、2、3、4、5、又は6つのCDRを含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号36のアミノ酸配列を含むHCDR1(b)配列番号37のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号38のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号39のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号40のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号41のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1、2、3、4、5、又は6つのCDRを含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号48のアミノ酸配列を含むHCDR1(b)配列番号49のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号50のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号51のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号52のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号53のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1、2、3、4、5、又は6つのCDRを含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号60のアミノ酸配列を含むHCDR1(b)配列番号61、72、又は78のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号62、73、又は79のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号63のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号64のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号65のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1、2、3、4、5、又は6つのCDRを含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号84又は100のアミノ酸配列を含むHCDR1(b)配列番号85のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号86のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号87のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号88のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号89のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1、2、3、4、5、又は6つのCDRを含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、重鎖可変領域及び重鎖定常領域の少なくとも一部分を含む少なくとも1つの重鎖、並びに軽鎖可変領域及び軽鎖定常領域の少なくとも一部分を含む少なくとも1つの軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、2つの重鎖であって、各重鎖が、重鎖可変領域及び重鎖定常領域の少なくとも一部分を含む、重鎖、並びに2つの軽鎖であって、各軽鎖が、軽鎖可変領域及び軽鎖定常領域の少なくとも一部を含む、軽鎖を含む。本明細書で使用される場合、単鎖Fv(scFv)、又は例えば、6つすべてのCDR(3つの重鎖CDR及び3つの軽鎖CDR)を含む単一のポリペプチド鎖を含む任意の他の抗体は、重鎖及び軽鎖を有するとみなされる。いくつかの実施形態では、重鎖は、3つの重鎖CDRを含む抗CCR8抗体の領域である。いくつかの実施形態では、軽鎖は、3つの軽鎖CDRを含む抗CCR8抗体の領域である。
【0150】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号12のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号13のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号14のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号15のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号16のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号17のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む6つのCDRを含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号24のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号25のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号26のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号27のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号28のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号29のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む6つのCDRを含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号36のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号37のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号38のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号39のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号40のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号41のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む6つのCDRを含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号48のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号49のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号50のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号51のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号52のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号53のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む6つのCDRを含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号60のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号61、72、又は78のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号62、73、又は79のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号63のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号64のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号65のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む6つのCDRを含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号84又は100のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号85のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号86のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号87のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号88のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号89のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む6つのCDRを含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、上記の6つのCDRを含み、CCR8に結合する。いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、上記の6つのCDRを含み、CCR8に結合し、CCR8のCCL1への結合を阻害する。いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、上記の6つのCDRを含み、CCR8に結合し、対象における免疫応答を増強し、及び/又は対象への抗体の投与後の対象におけるT細胞の活性化を増加させる。
【0157】
いくつかの実施形態では、CCR8への結合に対して本明細書に記載の抗CCR8抗体と競合する抗CCR8抗体が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体のいずれかとの結合について競合する抗体が、作製及び/又は使用され得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号12のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号13のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号14のアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH CDR配列を含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号24のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号25のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号26のアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH CDR配列を含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号36のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号37のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号38のアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH CDR配列を含む。
【0161】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号48のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号49のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号50のアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH CDR配列を含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号60のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号61、72、又は78のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号62、73、又は79のアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH CDR配列を含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号84又は100のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号85のアミノ酸配列を含むHCDR2、及び(c)配列番号86のアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH CDR配列を含む。
【0164】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号15のアミノ酸配列を含むLCDR1、(b)配列番号16のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(c)配列番号17のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL CDR配列を含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号27のアミノ酸配列を含むLCDR1、(b)配列番号28のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(c)配列番号29のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL CDR配列を含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号39のアミノ酸配列を含むLCDR1、(b)配列番号40のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(c)配列番号41のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL CDR配列を含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号51のアミノ酸配列を含むLCDR1、(b)配列番号52のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(c)配列番号53のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL CDR配列を含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号63のアミノ酸配列を含むLCDR1、(b)配列番号64のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(c)配列番号65のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL CDR配列を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号87のアミノ酸配列を含むLCDR1、(b)配列番号88のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(c)配列番号89のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL CDR配列を含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される6つのCDRのうちのいずれかは、構築物中の合計6つのCDRについて、本明細書で提供される他のCDRのうちのいずれかと部分的に組み合わせることができる。したがって、いくつかの実施形態では、第1の抗体からの2つのCDR(例えば、HCDR1及びHCDR2)を、第2の抗体からの4つのCDR(HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3)と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、CDRのうちの1つ以上における2つ以下の残基を置き換えて、そのバリアントを得ることができる。いくつかの実施形態では、CDRのうちの1、2、3、4、5、又は6つにおける2つ以下の残基を置き換えることができる。
【0171】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(I)(a)配列番号12のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号13のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号14のアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH CDR配列を含むVHドメイン、並びに(II)(d)配列番号15のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号16のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号17のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL CDR配列を含むVLドメインを含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(I)(a)配列番号24のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号25のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号26のアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH CDR配列を含むVHドメイン、並びに(II)(d)配列番号27のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号28のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号29のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL CDR配列を含むVLドメインを含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(I)(a)配列番号36のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号37のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号38のアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH CDR配列を含むVHドメイン、並びに(II)(d)配列番号39のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号40のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号41のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL CDR配列を含むVLドメインを含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(I)(a)配列番号48のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号49のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号50のアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH CDR配列を含むVHドメイン、並びに(II)(d)配列番号51のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号52のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号53のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL CDR配列を含むVLドメインを含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(I)(a)配列番号60のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号61、72、又は78のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号62、73、又は79のアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH CDR配列を含むVHドメイン、並びに(II)(d)配列番号63のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号64のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号65のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL CDR配列を含むVLドメインを含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(I)(a)配列番号84又は100のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号85のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号86のアミノ酸配列を含むHCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH CDR配列を含むVHドメイン、並びに(II)(d)配列番号87のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号88のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号89のアミノ酸配列を含むLCDR3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL CDR配列を含むVLドメインを含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、配列番号68又は74のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有するが、その配列を含む抗CCR8抗体は、CCR8に結合する能力を保持する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸)が、配列番号68又は74において置換、挿入、及び/又は欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、又は欠失は、CDRの外側の領域において(すなわち、FRにおいて)生じる。任意選択的に、抗CCR8抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号68又は74のVH配列を含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号60のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号61、72、又は78のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号62、73、又は79のアミノ酸配列を含むHCDR3を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、配列番号92又は96のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有するが、その配列を含む抗CCR8抗体は、CCR8に結合する能力を保持する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸)が、配列番号92又は96において置換、挿入、及び/又は欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、又は欠失は、CDRの外側の領域において(すなわち、FRにおいて)生じる。任意選択的に、抗CCR8抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号92又は96のVH配列を含む。
【0180】
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号84又は100のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号85のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号86のアミノ酸配列を含むHCDR3を含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は番号69又は75のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有するが、その配列を含む抗CCR8抗体は、CCR8に結合する能力を保持する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸)が、配列番号69又は75において置換、挿入、及び/又は欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、又は欠失は、CDRの外側の領域において(すなわち、FRにおいて)生じる。任意選択的に、抗CCR8抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号69又は75のVL配列を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号63のアミノ酸配列を含むLCDR1、(b)配列番号64のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(c)配列番号65のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は番号93又は97のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有するが、その配列を含む抗CCR8抗体は、CCR8に結合する能力を保持する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸)が、配列番号93又は97において置換、挿入、及び/又は欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、又は欠失は、CDRの外側の領域において(すなわち、FRにおいて)生じる。任意選択的に、抗CCR8抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号93又は97のVL配列を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号87のアミノ酸配列を含むLCDR1、(b)配列番号88のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(c)配列番号89のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、配列番号68又は74のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列、及び配列番号69又は75のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する、軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有するが、その配列を含む抗CCR8抗体は、CCR8に結合する能力を保持する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸)が、配列番号68又は74において置換、挿入、及び/又は欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸)が、配列番号69又は75において置換、挿入、及び/又は欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、又は欠失は、CDRの外側の領域において(すなわち、FRにおいて)生じる。いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号60のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号61、72、又は78のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号62、73、又は79のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号63のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号64のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号65のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、一方又は両方の配列の翻訳後修飾を含む配列番号68又は74のVH配列を含み、一方又は両方の配列の翻訳後修飾を含む配列番号69又は75のVL配列を含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、配列番号92又は96のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列、及び配列番号93又は97のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する、軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有するが、その配列を含む抗CCR8抗体は、CCR8に結合する能力を保持する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸)が、配列番号92又は96において置換、挿入、及び/又は欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸)が、配列番号93又は97において置換、挿入、及び/又は欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、又は欠失は、CDRの外側の領域において(すなわち、FRにおいて)生じる。いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号84又は100のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号85のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号86のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号87のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号88のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号89のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、一方又は両方の配列の翻訳後修飾を含む配列番号92又は96のVH配列を含み、一方又は両方の配列の翻訳後修飾を含む配列番号93又は97のVL配列を含む。
【0189】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、本明細書に提供される実施形態のうちのいずれかにおけるようなVH、及び本明細書で提供される実施形態のうちのいずれかのようなVLを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ配列番号68又は74及び配列番号69又は75のVH及びVL配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ配列番号92又は96及び配列番号93又は97のVH及びVL配列を含む。
【0190】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は番号70又は76のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖(HC)を含む。任意選択的に、抗CCR8抗体は、翻訳後修飾を含む番号70又は76のHC配列を含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は番号94又は98のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有するHCを含む。任意選択的に、抗CCR8抗体は、翻訳後修飾を含む番号94又は98のHC配列を含む。
【0192】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は番号71又は77のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する軽鎖(LC)を含む。任意選択的に、抗CCR8抗体は、翻訳後修飾を含む番号71又は77のLC配列を含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は番号95又は99のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有するLCを含む。任意選択的に、抗CCR8抗体は、翻訳後修飾を含む番号95又は99のLC配列を含む。
【0194】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、本明細書に提供される実施形態のうちのいずれかにおけるようなHC、及び本明細書で提供される実施形態のうちのいずれかのようなLCを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ配列番号70又は76及び配列番号71又は77のHC及びLC配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ配列番号94又は98及び配列番号95又は99のHC及びLC配列を含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、CCR8への結合に対して本明細書に記載の抗CCR8抗体と競合する抗CCR8抗体が提供される。いくつかの実施形態では、抗体は、CCR8上のエピトープに結合に対して本明細書で提供される抗CCR8抗体と競合する。
【0196】
いくつかの実施形態では、競合アッセイを使用して、CCR8に結合に対して、本明細書に記載の抗CCR8抗体(1-K16、1-K17、6-B09、7-B16、13-E16、及び/又は19-O07など)と競合するモノクローナル抗体を同定することができる。競合アッセイを使用して、同一又は立体的に重複するエピトープを認識することによって、又は1つの抗体が抗原に対する別の抗体の結合を競合的に阻害することによって、2つの抗体が同じエピトープに結合するかどうかを決定することができる。いくつかの実施形態では、かかる競合抗体は、本明細書に記載の抗体によって結合される同じエピトープに結合する。例示的な競合アッセイには、Harlow and Lane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual ch.14(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.)において提供されるものなどの日常的なアッセイが含まれるが、これらに限定されない。抗体が結合するエピトープをマッピングするための詳細な例示的な方法は、Morris(1996)「Epitope Mapping Protocols,」in Methods in Molecular Biology vol.66(Humana Press,Totowa,N.J.)において提供されている。いくつかの実施形態では、2つの抗体は、各々が他方の50%以上の結合を遮断する場合、同じエピトープに結合すると言われる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗CCR8抗体と競合する抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、又はヒト抗体である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のキメラ、ヒト化、又はヒト抗CCR8抗体と競合する抗体が提供される。
【0197】
さらに、本開示はまた、7-B16抗体のバリアントなどの、前述の開示された抗体のバリアントを提供する。例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、ヒトCCR8に結合する単離された抗体を提供し、抗体は、配列番号86又は1、2、若しくは3つの変異を含む配列番号86のバリアントを含むHCDR3を含み、抗体は、ヒトCCR8に結合し、ADCC活性を有する。いくつかの実施形態では、変異は、置換(例えば、保存的又は非保存的置換)、欠失、又は挿入である。いくつかの実施形態では、1、2、又は3つの変異は、配列番号86のアミノ酸1~4、6、7、又は12位のうちの少なくとも1つに位置する。いくつかの実施形態では、置換は、保存的置換である。いくつかの実施形態では、保存的置換は、配列番号86のアミノ酸1、4、又は12位にある。いくつかの実施形態では、置換は、非保存的置換である。いくつかの実施形態では、非保存的置換は、配列番号86のアミノ酸7位にある。いくつかの実施形態では、抗体は、HCDR3における少なくとも2つの置換を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの置換は、配列番号86のアミノ酸1~4、6、7、又は12位のうちの少なくとも1つに位置する。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの置換は、保存的置換である。いくつかの実施形態では、保存的置換のうちの少なくとも1つは、配列番号86のアミノ酸1、4、又は12位にある。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの置換は、非保存的置換である。いくつかの実施形態では、非保存的置換のうちの少なくとも1つは、配列番号86のアミノ酸7位にある。いくつかの実施形態では、変異は、1つより多くの置換変異が存在する場合に保存的置換及び非保存的置換を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、ヒトCCR8に結合する単離された抗体を提供し、抗体は、配列番号86と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるHCDR3を含み、抗体は、ヒトCCR8に結合し、ADCC活性を有する。いくつかの実施形態では、HCDR3は、配列番号86及び配列番号104~119のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号84又は配列番号123を含むHCDR1を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号85又は配列番号124を含むHCDR2を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号87又は配列番号120を含むLCDR1を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号88又は配列番号121を含むLCDR2を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号89又は配列番号122を含むLCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ADCC活性は、以下の実施例7に開示されるPromegaレポーターアッセイなどのADCCレポーターの作用の機構(MOA)ベースのバイオアッセイによって測定された、200、175、150、125、100、75、50、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1ng/ml未満のEC50値を含む。いくつかの実施形態では、ADCC活性は、7-B16抗体よりも強力である。いくつかの実施形態では、ADCC活性は、少なくとも7-B16抗体と同じくらい強力である。いくつかの実施形態では、抗体は、(例えば、結合平衡排除アッセイ(すなわち、KinExA)によって決定されるような)7-B16抗体以下である、ヒトCCR8に対するKDを有する。いくつかの実施形態では、抗体は、(例えば、結合平衡排除アッセイ(すなわち、KinExA)によって決定されるような)7-B16抗体以下である、ヒトCCR8に対するオン細胞KDを有する。いくつかの実施形態では、抗体は、細胞殺傷を増強する少なくとも1つの修飾を含む。いくつかの実施形態では、増強された細胞殺傷は、増強された抗体依存性細胞傷害性(ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害性(CDC)である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾は、アフコシル化である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾は、L234、L235、G236、S239、F243、H268、D270、R292、S298、Y300、V305、K326、A330、I332、E333、K334、及びP396から選択される1つ以上の位置での1つ以上の重鎖定常領域変異である。いくつかの実施形態では、1つ以上の重鎖定常領域変異は、S239D、S239M、F243L、H268D、D270E、R292P、S298A、Y300L、V305I、K326D、A330L、A330M、I332E、E333A、K334A、K334E、及びP396Lから選択される1つ以上の変異である。いくつかの実施形態では、1つ以上の重鎖定常領域変異は、F243L/R292P/Y300L/V305I/P396L、S239D/I332E、S239D/I332E/A330L、S298A/E333A/K334A、L234Y/L235Q/G236W/S239M/H268D/D270E/S298A、及びD270E/K326D/A330M/K334Eから選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾は、ガラクトシル化である。いくつかの実施形態では、抗体は、10nM未満、又は5nM未満、又は1nM未満、又は500pM未満、又は250pM未満、又は100pM未満、又は75pM未満、又は50pM未満、又は25pM未満の(例えば、結合平衡排除アッセイ(Kinetic Exclusion Assay)(すなわち、KinExA)によって決定されるような)親和性(KD)でヒトCCR8に結合する。いくつかの実施形態では、抗体は、例えば、結合平衡排除アッセイ(すなわち、KinExA)によって決定されるような、10nM未満、又は5nM未満、又は1nM未満、又は500pM未満、又は250pM未満、又は100pM未満、又は75未満、又は50pM未満、又は25pM未満のオン細胞親和性(KD)でヒトCCR8に結合する。いくつかの実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体又はヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、完全長抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1又はIgG3抗体である。かかるバリアントは、血液がん及び固形腫瘍の両方を含むがんを治療する方法において利用することができる。
【0198】
いくつかの実施形態では、抗体が本明細書で提供されるエピトープのうちのいずれか1つ以上に結合する抗体が提供される。いくつかの実施形態では、本抗体が結合するエピトープと結合し、重複する抗体が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体のうちの少なくとも1つと競合する抗体が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体のうちの少なくとも2つと競合する抗体が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体のうちの少なくとも3つと競合する抗体が提供される。いくつかの実施形態では、抗体は、本明細書の実施例に記載される抗体として重複するエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、エピトープ全体は、競合抗体によって結合及び/又は遮断される。いくつかの実施形態では、エピトープの一部分は、競合抗体によって結合及び/又は遮断される。いくつかの実施形態では、競合抗体のパラトープは、本明細書で提供される抗体のエピトープの少なくとも一部分に結合する。いくつかの実施形態では、競合抗体のパラトープは、標的に結合し、競合抗体の構造の異なるセクションは、本明細書で提供される抗体のエピトープの少なくとも一部分を遮断する。
例示的なキメラ抗体
【0199】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、キメラ抗体である。特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号及びMorrison et al.,(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984))に記載されている。一例では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、又はサルなどの非ヒト霊長類に由来する可変領域)及びヒト定常領域を含む。さらなる例では、キメラ抗体は、クラス又はサブクラスが親抗体のものから変更された「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体には、その抗原結合断片を含む。
【0200】
非限定的な例示的なキメラ抗体には、本明細書で開示されるように、例えば、抗体1-K16、1-K17、6-B09、7-B16、13-e16、及び19-O07から選択される抗体の重鎖及び/又は軽鎖可変領域を含むキメラ抗体が含まれる。追加の非限定的な例示的なキメラ抗体には、本明細書で開示される抗体1-K16、1-K17、6-B09、7-B16、13-E16、及び19-O07から選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3、並びに/又は軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含むキメラ抗体が含まれる。いくつかの実施形態では、キメラ抗CCR8抗体は、上記の可変領域を含み、CCR8に結合する。いくつかの実施形態では、キメラ抗CCR8抗体は、上記の可変領域を含み、CCR8に結合し、CCR8のCCL1への結合を阻害する。いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、上記の可変領域を含み、CCR8に結合し、対象における免疫応答を増強し、及び/又は対象への抗体の投与後の対象におけるT細胞の活性化を増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗CCR8抗体の投与は、免疫細胞の活性を刺激し、対象における免疫細胞の下方調節を減少させるか、又はT細胞応答を増加させる。
【0201】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のキメラ抗体は、1つ以上のヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、IgD、及びIgEから選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施形態では、ヒト軽鎖定常領域は、κ及びλから選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のキメラ抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のキメラ抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のキメラ抗体は、ヒトIgG4定常領域及びヒトκ軽鎖を含む。
【0202】
上記のように、エフェクタ機能が望ましいかどうかは、抗体を意図した特定の治療方法に依存し得る。したがって、いくつかの実施形態では、エフェクタ機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域又はヒトIgG3重鎖定常領域を含むキメラ抗CCR8抗体が選択される。いくつかの実施形態では、エフェクタ機能が望ましくない場合、ヒトIgG4又はIgG2重鎖定常領域を含むキメラ抗CCR8抗体が選択される。いくつかの実施形態では、増強されたエフェクタ機能が望ましい。
例示的なヒト化抗体
【0203】
いくつかの実施形態では、CCR8に結合するヒト化抗体が提供される。抗体治療薬に対する免疫応答(ヒト抗マウス抗体(human anti-mouse antibody、HAMA)応答など)をもたらし、治療の有効性の低下をもたらし得る非ヒト抗体と比較して、ヒト化抗体はヒト免疫応答を減少又は排除するため、ヒト化抗体は、治療分子として有用である。
【0204】
いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、親非ヒト抗体の特異性及び親和性を保持しながら、ヒトに対する免疫原性を低減するためにヒト化される。概して、ヒト化抗体は、CDR(又はその一部分)が非ヒト抗体に由来し、FR(又はその一部分)がヒト抗体配列に由来する1つ以上の可変ドメインを含む。ヒト化抗体は、任意選択的に、ヒト定常領域の少なくとも一部分も含むであろう。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体におけるいくつかのFR残基は、例えば、抗体特異性又は親和性を回復又は改善するために、非ヒト抗体(例えば、CDR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換されている。
【0205】
ヒト化抗体及びそれらを作製する方法は、例えば、Almagro and Fransson,(2008)Front.Biosci.13:1619-1633において概説されており、さらに、例えば、Riechmann et al.,(1988)Nature 332:323-329;Queen et al.,(1989)Proc.Natl Acad.Sci.USA 86:10029-10033;米国特許第5,821,337号、同第7,527,791号、同第6,982,321号及び同第7,087,409号;Kashmiri et al.,(2005)Methods 36:25-34;Padlan,(1991)Mol.Immunol.28:489-498(「リサーフェシング」の記載);Dall’Acqua et al.,(2005)Methods 36:43-60(「FRシャッフル」の記載);及びOsbourn et al.,(2005)Methods 36:61-68及びKlimka et al.,(2000)Br.J.Cancer,83:252-260(FRシャッフルへの「ガイド付き選択」アプローチの記載)において記載されている。
【0206】
ヒト化に使用することができるヒトフレームワーク領域には、「最適」法を使用して選択されるフレームワーク領域(例えば、Sims et al.(1993)J.Immunol.151:2296を参照されたい)、軽鎖又は重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carter et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285及びPresta et al.(1993)J.Immunol,151:2623を参照されたい)、ヒト成熟(体細胞変異した)フレームワーク領域又はヒト生殖細胞系列フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson,(2008)Front.Biosci.13:1619-1633を参照されたい)、及びスクリーニングFRライブラリから誘導されたフレームワーク領域(例えば、Baca et al.,(1997)J.Biol.Chem.272:10678-10684及びRosok et al.,(1996)J.Biol.Chem.271:22611-22618を参照されたい)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0207】
いくつかの実施形態では、ヒト化抗CCR8抗体は、配列番号68又は74のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列、及び配列番号69又は75のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する、軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有するが、その配列を含む抗CCR8抗体は、CCR8に結合する能力を保持する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸)が、配列番号68又は74において置換、挿入、及び/又は欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸)が、配列番号69又は75において置換、挿入、及び/又は欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、又は欠失は、CDRの外側の領域において(すなわち、FRにおいて)生じる。いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号60のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号61、72、又は78のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号62、73、又は79のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号63のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号64のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号65のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、ADCC活性を有する。いくつかの実施形態では、ADCC活性は、ADCCレポーターの作用の機構(MOA)ベースのバイオアッセイによって測定された、200、175、150、125、100、75、50、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1ng/ml未満のEC50値を含む。いくつかの実施形態では、ADCC活性は、7-B16抗体よりも強力である。いくつかの実施形態では、ADCC活性は、少なくとも7-B16抗体と同じくらい強力である。いくつかの実施形態では、抗体は、(例えば、結合平衡排除アッセイ(すなわち、KinExA)によって決定されるような)7-B16抗体以下である、ヒトCCR8に対するKDを有する。いくつかの実施形態では、抗体は、(例えば、結合平衡排除アッセイ(すなわち、KinExA)によって決定されるような)7-B16抗体以下である、ヒトCCR8に対するオン細胞KDを有する。
【0208】
いくつかの実施形態では、ヒト化抗CCR8抗体は、一方又は両方の配列の翻訳後修飾を含む配列番号68又は74のVH配列を含み、一方又は両方の配列の翻訳後修飾を含む配列番号69又は75のVL配列を含む。
【0209】
いくつかの実施形態では、ヒト化抗CCR8抗体は、配列番号92又は96のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列、及び配列番号93又は97のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する、軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含有するが、その配列を含む抗CCR8抗体は、CCR8に結合する能力を保持する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸)が、配列番号92又は96において置換、挿入、及び/又は欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸)が、配列番号93又は97において置換、挿入、及び/又は欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、又は欠失は、CDRの外側の領域において(すなわち、FRにおいて)生じる。いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、(a)配列番号84又は100のアミノ酸配列を含むHCDR1、(b)配列番号85のアミノ酸配列を含むHCDR2、(c)配列番号86のアミノ酸配列を含むHCDR3、(d)配列番号87のアミノ酸配列を含むLCDR1、(e)配列番号88のアミノ酸配列を含むLCDR2、及び(f)配列番号89のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む。
【0210】
いくつかの実施形態では、ヒト化抗CCR8抗体は、一方又は両方の配列の翻訳後修飾を含む配列番号92又は96のVH配列を含み、一方又は両方の配列の翻訳後修飾を含む配列番号93又は97のVL配列を含む。
【0211】
例示的なヒト化抗CCR8抗体には、本明細書に記載の抗体又はその断片とCCR8への結合に対して競合する抗体が含まれる。したがって、いくつかの実施形態では、CCR8への結合に対して、抗体1-K16、1-K17、6-B09、7-B16、13-E16、及び19-O07から選択される抗体又はそれらの断片と競合するヒト化抗CCR8抗体が提供される。いくつかの実施形態では、ヒト化抗CCR8抗体は、CCR8への結合に対して本明細書に記載の抗体と競合し、CCR8のCCL1への結合を阻害する。いくつかの実施形態では、ヒト化抗CCR8抗体は、CCR8への結合に対して、本明細書に記載の抗体と競合する
例示的なヒト抗体
【0212】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗CCR8抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で既知の様々な技術を使用して産生され得る。ヒト抗体は、概して、van Dijk and van de Winkel,(2001)Curr.Opin.Pharmacol.5:368-374及びLonberg,(2008)Curr.Opin.Immunol.20:450-459に記載されている。いくつかの実施形態では、ヒト抗体は、天然に存在する抗体ではない。いくつかの実施形態では、ヒト抗体は、モノクローナル抗体であり、したがって、いくつかの実施形態では、セット中のヒト抗体の各々は、抗原上の同じエピトープに結合することができる。
【0213】
ヒト抗体は、抗原投与に応答して、無傷のヒト抗体又はヒト可変領域を有する無傷の抗体を産生するように修飾されたトランスジェニック動物に免疫原を投与することによって調製することができる。かかる動物は、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置き換えるか、又は染色体外に存在するか、若しくは動物の染色体にランダムに組み込まれる、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部又は一部を含有する。かかるトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、概して不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の概説については、Lonberg,(2005)Nat.Biotech.23:1117-1125.を参照されたい。例えば、XENOMOUSE(商標)技術を記載している米国特許第6,075,181号及び同第6,150,584号、HUMAB(登録商標)技術を記載している米国特許第.5,770,429号、K-M MOUSE(登録商標)技術を記載している米国特許第7,041,870号及びVELOCIMOUSE(登録商標)技術を記載している米国特許出願公開第2007/0061900号)も参照されたい。かかる動物によって生成された無傷の抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることによってさらに修飾され得る。
【0214】
ヒト抗体は、ハイブリドーマベースの方法によっても作製することができる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株が記載されている。(例えば、Kozbor(1984)J.Immunol,133:3001、Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987)、及びBoerner et al,(1991)J.Immunol.,147:86を参照されたい)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体もまた、Li et al.,(2006)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562に記載されている。追加の方法としては、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生が記載されている)及びNi,(2006)Xiandai Mianyixue,26(4):265-268(ヒト-ヒトハイブリドーマが記載されている)に記載されているものもが挙げられる。ヒトハイブリドーマ技術(Trioma技術)はまた、Vollmers and Brandlein,(2005)Histology and Histopathology,20(3):927-937(2005)及びVollmers and Brandlein,(2005)Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology,27(3):185-191に記載されている。
【0215】
ヒト抗体はまた、ヒト由来ファージディスプレイライブラリから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することによって生成され得る。かかる可変ドメイン配列は、所望のヒト定常ドメインと組み合わされ得る。抗体ライブラリからヒト抗体を選択するための技術を以下に記載する。
【0216】
抗体は、所望の活性(複数可)を有する抗体に対してコンビナトリアルライブラリをスクリーニングすることによって単離され得る。例えば、所望の結合特性を有する抗体について、ファージディスプレイライブラリを生成し、かかるライブラリをスクリーニングするための様々な方法が当該技術分野において既知である。かかる方法は、例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2001)において概説されており、さらに、例えば、McCafferty et al,(1990)Nature 348:552-554、Clackson et al,(1991)Nature 352:624-628、Marks et al,(1992)J.Mol.Biol 222:581-597、Marks and Bradbury,in Methods in Molecular Biology 248:161-175(Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2003)、Sidhu et al,(2004)J.Mol.Biol.338(2):299-310、Lee et al.,(2004)J.Mol.Biol.340(5):1073-1093、Fellouse,(2004)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472及びLee et al,(2004)J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132並びにPCT公開国際公開第99/10494号において記載されている。
【0217】
特定のファージディスプレイ方法では、VH及びVL遺伝子のレパートリーは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって別々にクローン化され、ファージライブラリにおいてランダムに再結合され、次いで、Winter et al.,(1994)Ann.Rev.Immunol.,12:335-455に記載されるように抗原結合ファージに対してスクリーニングされ得る。ファージは、典型的には、単鎖Fv(scFv)断片又はFab断片のいずれかとして抗体断片を表示する。免疫化源からのライブラリは、ハイブリドーマを構築する必要なしに、免疫原に対する高親和性抗体を提供する。代替的に、Griffiths et al.,(1993)EMBO J 12:725-734によって記載されるように、ナイーブレパートリーを(例えば、ヒトから)クローニングして、いかなる免疫化も伴わずに、広範囲の非自己及び自己抗原にも単一の抗体源を提供することができる。最後に、Hoogenboom and Winter(1992),J.Mol.Biol,227:381-388によって記載されているように、未再編成のV遺伝子セグメントを幹細胞からクローニングし、ランダム配列を含むPCRプライマーを使用して、高可変CDR3領域をコードし、インビトロで再配置を達成することによって、ナイーブライブラリを合成的に作製することができる。ヒト抗体ファージライブラリを記載する特許公開は、例えば、米国特許第5,750,373号、並びに米国特許出願公開第2005/0079574号、同第2005/0119455号、同第2005/0266000号、同第2007/0117126号、同第2007/0160598号、同第2007/0237764号、同第2007/0292936号、及び同第2009/0002360号が挙げられる。
【0218】
いくつかの実施形態では、ヒト抗CCR8抗体は、CCR8に結合し、CCR8のCCL1への結合を阻害する。
【0219】
例示的なヒト抗CCR8抗体はまた、本明細書に記載のヒト抗体又はその断片を用いたCCR8への結合に対して競合する抗体を含む。したがって、いくつかの実施形態では、CCR8への結合に対して、抗体1-K16、1-K17、6-B09、7-B16、13-E16、及び19-O07から選択される抗体又はそれらの断片と競合するヒト抗CCR8抗体が提供される。いくつかの実施形態では、ヒト抗CCR8抗体は、CCR8への結合に対して本明細書に記載の抗体と競合し、CCR8のCCL1への結合を阻害する。
【0220】
いくつかの実施形態では、キメラヒト抗CCR8抗体が提供され、抗体は、CCR8に結合するヒト抗体由来の可変領域及び異なるヒト抗体由来の定常領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体が、CCR8に結合するヒト抗体由来のCDR及び異なるヒト抗体由来のフレームワークを含む、キメラヒト抗CCR8抗体が提供される。いくつかの実施形態では、抗体は、天然に存在するヒト抗体ではない。
【0221】
いくつかの実施形態では、ヒト抗CCR8抗体は、1つ以上のヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、IgD、及びIgEから選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施形態では、ヒト軽鎖定常領域は、κ及びλから選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のヒト抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のヒト抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のヒト抗体は、ヒトIgG4定常領域及びヒトκ軽鎖を含む。
【0222】
いくつかの実施形態では、エフェクタ機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域又はヒトIgG3重鎖定常領域を含むヒト抗CCR8抗体が選択される。いくつかの実施形態では、エフェクタ機能が望ましくない場合、ヒトIgG4又はIgG2重鎖定常領域を含むヒト抗CCR8抗体が選択される。
【0223】
本明細書に記載されるように、「ヒト抗体」という用語は、抗体の供給源ではなく、抗体構築物についての可能な配列の属を示す。
II.融合タンパク質
【0224】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、CCL1又はCCL1の活性断片を含む。CCL1の「活性断片」は、本明細書で使用される場合、CCR8に結合するCCL1の断片を指す。当業者は、CCR8に結合するCCL1の活性断片を同定することができる。いくつかの実施形態では、CCL1の活性断片は、CCR8に対する天然CCL1の親和性と、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の強さの親和性でCCR8に結合する。誤解を避けるために、1nMの親和性と少なくとも50%の強さの親和性は、2nM以下である。当業者は、CCR8に対するCCL1の活性断片の親和性を決定し、CCR8に対する天然CCL1の親和性と比較することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、配列番号2又は配列番号2のアミノ酸24~96を含む。
【0225】
いくつかの実施形態では、CCL1又はその活性断片を含む融合タンパク質は、本明細書で提供されるFc領域などのFc領域を含む。いくつかの実施形態では、Fc領域は、細胞殺傷を増強する少なくとも1つの修飾を含む。いくつかのかかる実施形態では、増強された細胞殺傷は、増強された抗体依存性細胞傷害性(ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害性(CDC)である。細胞殺傷を増強する非限定的な例示的な修飾は、本明細書で提供され、例えば、アフコシル化を含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、MC148又はMC148の活性断片を含む。MC148の「活性断片」は、本明細書で使用される場合、CCR8に結合するMC148の断片を指す。当業者は、CCR8に結合するMC148の活性断片を同定することができる。いくつかの実施形態では、MC148の活性断片は、CCR8に対する天然MC148の親和性と、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の強さの親和性でCCR8に結合する。誤解を避けるために、1nMの親和性と少なくとも50%の強さの親和性は、2nM以下である。当業者は、CCR8に対するMC148の活性断片の親和性を決定し、CCR8に対する天然MC148の親和性と比較することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、配列番号2又は配列番号2のアミノ酸24~96を含む。
【0227】
いくつかの実施形態では、MC148又はその活性断片を含む融合タンパク質は、本明細書で提供されるFc領域などのFc領域を含む。いくつかの実施形態では、Fc領域は、細胞殺傷を増強する少なくとも1つの修飾を含む。いくつかのかかる実施形態では、増強された細胞殺傷は、増強された抗体依存性細胞傷害性(ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害性(CDC)である。細胞殺傷を増強する非限定的な例示的な修飾は、本明細書で提供され、例えば、アフコシル化を含む。
III.例示的な抗体定常領域及びFc領域
【0228】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体は、1つ以上のヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、IgD、及びIgEから選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施形態では、エフェクタ機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域又はヒトIgG3重鎖定常領域を含む抗CCR8抗体が選択される。いくつかの実施形態では、エフェクタ機能が望ましくない場合、ヒトIgG4又はIgG2重鎖定常領域を含む抗CCR8抗体が選択される。いくつかの実施形態では、ヒト軽鎖定常領域は、κ及びλから選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体は、ヒトIgG1重鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体は、ヒトIgG1定常領域及びヒトκ軽鎖を含む。
【0229】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、1つ以上のヒトFc領域を含む。いくつかの実施形態では、Fc領域は、IgA、IgG、IgD、及びIgEから選択されるアイソタイプのものである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、ヒトFc領域を含む。いくつかの実施形態では、エフェクタ機能が望ましい場合、ヒトIgG1 Fc領域又はヒトIgG3 Fc領域を含む融合タンパク質が選択される。いくつかの実施形態では、エフェクタ機能が望ましくない場合、ヒトIgG4又はIgG2Fc領域を含む融合タンパク質が選択される。
【0230】
本明細書及び特許請求の範囲を通じて、明示的に記載又は当業者に既知でない限り、免疫グロブリン重鎖における残基の番号付けは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)にあるように、EUインデックスの番号付けであり、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。「KabatにあるようなEUインデックス」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けを指す。
【0231】
上記のように、エフェクタ機能が望ましいかどうかは、抗体を意図した特定の治療方法に依存し得る。したがって、いくつかの実施形態では、エフェクタ機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域又はヒトIgG3重鎖定常領域を含む抗CCR8抗体が選択される。いくつかの実施形態では、エフェクタ機能が望ましい場合、ヒトIgG1 Fc領域又はヒトIgG3 Fc領域を含む融合タンパク質が選択される。
【0232】
いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質は、野生型IgGFc領域のFc領域と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を有するバリアントFc領域を含む。いくつかの実施形態では、バリアントFc領域は、野生型Fc領域と比較して2つ以上のアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントFc領域は、野生型Fc領域と比較して3つ以上のアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントFc領域は、本明細書に記載の少なくとも1つ、2つ、又は3つ以上のFc領域アミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、本明細書のバリアントFc領域は、天然配列Fc領域及び/又は親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約80%の相同性を有するであろう。いくつかの実施形態では、本明細書のバリアントFc領域は、天然配列Fc領域及び/又は親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約90%の相同性を有するであろう。いくつかの実施形態では、本明細書のバリアントFc領域は、天然配列Fc領域及び/又は親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約95%の相同性を有するであろう。いくつかの実施形態では、重鎖定常領域又はFc領域は、C末端リジン(K)残基を欠いている。いくつかのかかる実施形態では、重鎖定常領域又はFc領域は、「desK」と称され得る。いくつかの実施形態では、C末端リジンを欠く重鎖定常領域又はFc領域は、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4などのIgGである。
【0233】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体又は融合タンパク質は、抗体がグリコシル化される程度を増加又は減少させるように改変される。抗体へのグリコシル化部位の付加又は欠失は、1つ以上のグリコシル化部位が作成又は除去されるようにアミノ酸配列を改変させることによって都合よく達成され得る。
【0234】
Fc領域に結合した炭水化物を改変することができる。哺乳動物細胞によって産生された天然抗体は、典型的には、Fc領域のCH2ドメインのAsn297へのN連結によって概して結合している分岐二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wright et al.TIBTECH 15:26-32(1997)を参照されたい。オリゴ糖は、様々な炭水化物、例えば、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、及びシアル酸、並びに二分岐オリゴ糖構造の「ステム」のGlcNAcに結合したフコースを含み得る。いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質におけるオリゴ糖の修飾は、特定の改善された特性を有する抗体バリアントを作成するために行われ得る。
【0235】
いくつかの実施形態では、Fc領域(すなわち、アフコシル化)に(直接的又は間接的に)結合したフコースを欠く炭水化物構造を有する抗体又は融合タンパク質バリアントが提供される。例えば、かかるバリアントにおけるフコースの量は、1%~80%、1%~65%、5%~65%、又は20%~40%であり得る。フコースの量は、例えば、国際公開第2008/077546号に記載されるように、MALDI-TOF質量分析によって測定される、Asn297に結合したすべての糖構造(例えば、複合体、ハイブリッド及び高マンノース構造)の合計と比較して、Asn297における糖鎖内のフコースの平均量を計算することによって決定される。Asn297は、Fc領域の約297位(Fc領域残基のEU番号付け)に位置するアスパラギン残基を指すが、しかしながら、Asn297はまた、抗体におけるわずかな配列バリエーションのために、297の上流又は下流の約±3アミノ酸、すなわち、294位~300位に位置し得る。かかるフコシル化バリアントは、改善されたADCC機能を有し得る。例えば、米国特許出願公開第2003/0157108号(Presta,L.)、米国特許出願公開第2004/0093621号(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)を参照されたい。「脱フコシル化」又は「フコース欠損」抗体バリアントに関連する刊行物の例には、米国特許出願公開第2003/0157108号、国際公開第2000/61739号、国際公開第2001/29246号、米国特許出願公開第2003/0115614号、米国特許出願公開第2002/0164328号、米国特許出願公開第2004/0093621号、米国特許出願公開第2004/0132140号、米国特許出願公開第2004/0110704号、米国特許出願公開第2004/0110282号、米国特許出願公開第2004/0109865号、国際公開第2003/085119号、国際公開第2003/084570号、国際公開第2005/035586号、国際公開第2005/035778号、国際公開第2005/053742号、国際公開第2002/031140号、Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239-1249(2004)、Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)が挙げられる。脱フコシル化抗体を産生することができる細胞株の例としては、タンパク質フコシル化を欠損するLec13CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533-545(1986);米国特許出願公開第2003/0157108(A1)号、Presta,L及び国際公開第2004/056312(A1)号、Adams et al.、特に実施例11)、及びアルファ-1、6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞などのノックアウト細胞株(例えば、Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004);Kanda,Y.et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680-688(2006);及び国際公開第2003/085107号を参照されたい)が挙げられる。
【0236】
例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcによって二等分される二分オリゴ糖を有した抗体及び融合タンパク質バリアントがさらに提供される。かかる抗体又は融合タンパク質バリアントは、減少したフコシル化及び/又は改善されたADCC機能を有し得る。かかるバリアントの例は、例えば、国際公開第2003/011878号(Jean-Mairet et al.)、米国特許第6,602,684号(Umana et al.)、及び米国特許出願公開第2005/0123546号(Umana et al.)において記載されている。Fc領域に結合したオリゴ糖中の少なくとも1つのガラクトース残基を有するバリアントも提供される。かかるバリアントは、改善されたCDC機能を有し得る。かかるバリアントは、例えば、国際公開第1997/30087号(Patel et al.)、国際公開第1998/58964号(Raju,S.)、及び国際公開第1999/22764号(Raju,S.)において記載されている。
【0237】
ADCC活性を増加させるFc変異を有する抗体又はFc領域バリアントが提供される。いくつかの実施形態では、抗体又はFc領域バリアントは、FcγRIIIa結合を増強した、及び/又はFcγRIIIb結合を減少した1つ以上の変異を含む。非限定的な例示的なかかる変異は、L234、L235、G236、S239、F243、H268、D270、R292、S298、Y300、V305、K326、A330、I332、E333、K334、及びP396から選択される1つ以上のアミノ酸位置で作製され得る。非限定的な例示的な変異には、L234Y、L235Q、G236W、S239D、S239M、F243L、H268D、D270E、R292P、S298A、Y300L、V305I、K326D、A330L、A330M、I332E、E333A、K334A、K334E、及びP396Lが挙げられる。いくつかの実施形態では、抗体又はFc領域バリアントは、変異F243L/R292P/Y300L/V305I/P396Lを含む。例えば、Stavenhagen et al.,2007,Cancer Res.67:8882-8890を参照されたい。いくつかの実施形態では、抗体又はFc領域バリアントは、変異S239D/I332E又はS239D/I332E/A330Lを含む。例えば、Lazar et al.,2006,PNAS USA,103:4005-4010を参照されたい。いくつかの実施形態では、抗体又はFc領域バリアントは、変異S298A/E333A/K334Aを含む。例えば、Shields et al.,2001,J.Biol.Chem.,276:6591-6604を参照されたい。いくつかの実施形態では、抗体若しくはFc領域バリアントは、変異L234Y/L235Q/G236W/S239M/H268D/D270E/S298A若しくは変異D270E/K326D/A330M/K334Eを含むか、又は1つの重鎖定常領域若しくはFcは、変異L234Y/L235Q/G236W/S239M/H268D/D270E/S298Aを含み、他の重鎖定常領域若しくはFcは、変異D270E/K326D/A330M/K334Eを含む。例えば、Mimoto et al.,2013,MAbs,5:229-236を参照されたい。
【0238】
アミノ末端リーダー伸長を有する抗体及びFc領域のバリアントも提供される。例えば、アミノ末端リーダー配列の1つ以上のアミノ酸残基は、抗体の任意の1つ以上の重鎖又は軽鎖のアミノ末端に存在する。例示的なアミノ末端リーダー伸長は、抗体バリアントの一方又は両方の軽鎖上に存在する3つのアミノ酸残基、VHSを含むか、又はそれらからなる。
【0239】
ヒトFcRn高親和性結合ポリペプチドのインビボ又は血清半減期は、例えば、バリアントFc領域を有するポリペプチドが投与される、トランスジェニックマウス、ヒト、又は非ヒト霊長類でアッセイすることができる。例えば、Petkova et al.International Immunology 18(12):1759-1769(2006)を参照されたい。
【0240】
いくつかの実施形態では、抗体又はFc領域バリアントは、親抗体よりも効果的にヒトエフェクタ細胞の存在下でADCCを媒介する。いくつかの実施形態では、アッセイにおいて使用されるポリペプチドバリアント及び親抗体又はFc領域の量が本質的に同じである場合、抗体又はFc領域バリアントは、インビトロでのADCCの媒介において実質的により効果的である。いくつかの実施形態では、アッセイにおいて使用されるポリペプチドバリアント及び親抗体又はFc領域の量が本質的に同じである場合、抗体又はFc領域バリアントは、インビボでのADCCの媒介において実質的により効果的である。概して、かかるバリアントは、本明細書で開示されるインビトロADCCアッセイを使用して同定されるが、例えば動物モデルなどにおいて、ADCC活性を決定するための他のアッセイ又は方法が企図される。
IV.例示的なコンジュゲート
【0241】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体又は融合タンパク質は、別の分子にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、追加の分子は、標識などの検出可能なマーカーであり得る。いくつかの実施形態では、追加の分子は、細胞毒性剤などの治療用分子であり得る。いくつかの実施形態では、標識及び/又は細胞毒性剤は、本明細書で提供される抗体又は融合タンパク質にコンジュゲートすることができる。本明細書で使用される場合、標識は、抗体若しくは融合タンパク質の検出を容易にする、かつ/又は抗体若しくは融合タンパク質が結合する分子の検出を容易にする部分である。非限定的な例示的な標識としては、放射性同位体、蛍光基、酵素基、化学発光基、ビオチン、エピトープタグ、金属結合タグなどが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、特定の用途に従って適した標識を選択することができる。
【0242】
本明細書で使用される場合、細胞毒性剤は、1つ以上の細胞の増殖能力を減少させる部分である。例えば、細胞がアポトーシスを起こすか、そうでなければ死ぬ、細胞が細胞周期を進行できない、及び/又は分裂しない、細胞が分化するなどの理由で、細胞が増殖できなくなると、細胞の増殖能力が減少する。非限定的な例示的な細胞毒性剤には、放射性同位体、毒素、及び化学療法剤が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、意図された用途に従って適した細胞傷害性を選択することができる。いくつかの実施形態では、細胞毒性剤は、抗代謝剤、アルキル化剤、抗生物質、成長因子、サイトカイン、抗血管新生剤、抗有糸分裂剤、アントラサイクリン、毒素、又はアポトーシス剤のうちの少なくとも1つである。
【0243】
いくつかの実施形態では、標識及び/又は細胞毒性剤は、インビトロでの化学的方法を使用して本明細書で提供される抗体又は融合タンパク質にコンジュゲートされる。コンジュゲーションの非限定的な例示的な化学的方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、Thermo Scientific Life Science Research Produces(以前のPierce;Rockford,Ill.)、Prozyme(Hayward,Calif.)、SACRI Antibody Services(Calgary,Canada)、AbD Serotec(Raleigh,N.C.)などから市販されているサービス、方法、及び/又は試薬が挙げられる。いくつかの実施形態では、標識及び/又は細胞毒性剤がポリペプチドである場合、標識及び/又は細胞毒性剤は、抗体又は融合タンパク質に融合した標識及び/又は細胞毒性剤を含むポリペプチドを産生するために、少なくとも1つの抗体鎖又は融合タンパク質を有する同じ発現ベクターから発現され得る。当業者は、意図された用途に従って、標識及び/又は細胞毒性剤を抗体又は融合タンパク質にコンジュゲートさせるための適した方法を選択することができる。
【0244】
いくつかの実施形態では、コンジュゲーションは、共有結合であり得る。いくつかの実施形態では、コンジュゲーションは、非共有結合であり得る。いくつかの実施形態では、コンジュゲーションは、例えば、二次抗体の結合を介した特異的結合相互作用を介し得る。
【0245】
本明細書で開示される薬物(又は薬物誘導体)及び融合タンパク質の抗体を含むコンジュゲートの例示的な実施形態は、一般式1を有し得る。
Mab-[リンカー]-薬物(式1)
リンカーは、切断可能又は非切断性リンカーであり、Mabは、本明細書で開示される抗体又は融合タンパク質であり、薬物は、任意の薬物又は細胞毒性剤である。
【0246】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、一般式2を含み得る。
MAb-[L2]-[L1]-[AA]m-[A’]-薬物(式2)
式中、MAbは、本明細書で開示される抗体又は融合タンパク質であり、L2は、抗体結合部分及びアセチレン(又はアジド)基のうちの1つ以上を含む架橋剤の構成要素であり、L1は、L2中のアセチレン(又はアジド)部分に相補的である一方の末端にアジド(又はアセチレン)、及び他方の末端にカルボン酸又はヒドロキシル基などの反応性基を有する定義されたPEGを含み、AAは、L-アミノ酸であり、mは、0、1、2、3、又は4の値を有する整数であり、A’は、エタノールアミン、4-ヒドロキシベンジルアルコール、4-アミノベンジルアルコール、又は置換若しくは非置換エチレンジアミンの群から選択される追加のスペーサーである。「AA」のLアミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンから選択される。A’基がヒドロキシルを含有する場合、それぞれカルボネート又はカルバメートの形態で薬物のヒドロキシル基又はアミノ基に連結される。
【0247】
式2のいくつかの実施形態では、A’は、L-アミノ酸に由来する置換エタノールアミンであり、アミノ酸のカルボン酸基が、ヒドロキシメチル部分によって置き換えられる。A’は、以下のL-アミノ酸:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンのうちのいずれか1つに由来し得る。
【0248】
式2のかかる実施形態のコンジュゲートの例では、mは0であり、A’はL-バリノールであり、薬物はSN-38によって例示される。得られた構造を式3に示す。
【化1】
【0249】
式2のこの実施形態のコンジュゲートの別の例では、mは1であり、誘導体化L-リジンによって表され、A’はL-バリノールであり、薬物はSN-38によって例示される。構造を、式4に示す。
【化2】
【0250】
この実施形態では、最初に、リジンアミノ基の直交保護基を使用して、リジンなどのアミノ酸のカルボン酸とアミノ基との間にアミド結合が形成される。リジンのN末端上の保護基を除去し、リジンの側鎖に保護基を無傷で維持し、他方の末端で、N末端にアジド(又はアセチレン)有する定義されたPEGのカルボキシル基を結合させる。次いで、バリノールのヒドロキシル基は、10-ヒドロキシ保護SN-38の20-クロロホルメート誘導体に結合し、この中間体は、標的化ベクター結合部分及びクリック環付加化学に関与する相補アセチレン(又はアジド)基を担持するL2構成要素に結合される。最後に、リジン側鎖及びSN-38の両方での保護基の除去により、式3に示されるこの実施例の産物が得られる。
【0251】
理論に拘束されることを望まないが、細胞内タンパク質分解後に生成された小さなMWSN-38生成物、すなわち、バリノール-SN-38カルボネートは、バリノールのアミノ基及びカルボネートのカルボニルを伴う分子内環化を介して無傷のSN-38の遊離の追加の経路を有する。
【0252】
別の実施形態では、一般式2のA’は、A-OHであり、それにより、A-OHは、4-アミノベンジルアルコール又はベンジル位でC1-C10アルキル基で置換された置換4-アミノベンジルアルコールなどの崩壊可能な部分であり、後者は、そのアミノ基を介して、L-アミノ酸又は最大4つのL-アミノ酸部分を含むポリペプチドに結合しており、N末端が、標的化部分結合基で終端する架橋剤に結合している。
【0253】
かかる実施形態の例を以下に示す。一般式(2)のA’のA-OH実施形態は、置換4-アミノベンジルアルコールに由来し、「AA」は、一般式(2)においてm=1の単一のL-アミノ酸からなり、薬物はSN-38で例示される。構造は以下に表される(式5、MAb-CLX-SN-38と称される)。AAの単一アミノ酸は、以下のL-アミノ酸:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンのうちのいずれか1つから選択される。4-アミノベンジルアルコール部分(A’のA-OH実施形態)上の置換基Rは、水素又はC1-C10アルキル基から選択されるアルキル基である。
【化3】
【0254】
単一のアミノ酸AAがL-リジンであり、R=Hであり、薬物がSN-38によって例示される(式6、MAb-CL2A-SN-38と称される)、式5のMAb-CLX-SN-38の実施形態。
【化4】
【0255】
SN-38などの10-ヒドロキシ含有カンプトテシンの状況内で他の実施形態が可能である。薬物としてのSN-38の例では、薬物のより多くの反応性10-ヒドロキシ基が誘導体化され、20-ヒドロキシル基が影響を受けないままである。一般式2内で、A’は置換エチレンジアミンである。この実施形態の例は、以下の式’7’によって表され、SN-38のフェノールヒドロキシル基は、置換エチレンジアミンとカルバメートとして誘導体化され、ジアミンの他のアミンは、4-アミノベンジルアルコールとカルバメートとして誘導体化され、後者のアミノ基は、Phe-Lysジペプチドに結合している。この構造(式7)では、R及びR’は独立して水素又はメチルである。R=R’=メチルである場合、MAb-CL17-SN-38又はMAb-CL2E-SN-38と称される。
【化5】
【0256】
いくつかの実施形態では、AAは、細胞内ペプチダーゼによって切断可能なジ、トリ、又はテトラペプチドなどのポリペプチド部分を含む。例としては、Ala-Leu、Leu-Ala-Leu、及びAla-Leu-Ala-Leu(配列番号129、Trouet et al.,1982)。
【0257】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートのL1構成要素は、1~30個の繰り返しモノマー単位を有する定義されたポリエチレングリコール(PEG)スペーサーを含有する。さらなる実施形態では、PEGは、1~12個の繰り返しモノマー単位を有する定義されたPEGである。PEGの導入は、商業的に入手可能なヘテロ異類化PEG誘導体を使用することを含み得る。ヘテロ二官能性PEGは、アジド基又はアセチレン基を含有し得る。「NHS」がスクシンイミジルである、8個の繰り返しモノマー単位を含有するヘテロ二官能性の定義されたPEGの例は、以下の式8に示される。
【化6】
【0258】
いくつかの実施形態では、L2は、2~40個、好ましくは2~20個、より好ましくは2~5個の範囲の複数のアセチレン(又はアジド)基、及び単一の標的化ベクター結合部分を有する。
【0259】
複数の薬物分子及び単一の標的化ベクター結合部分を含む抗体の代表的なSN-38コンジュゲートを以下に示す。この構造の「L2」構成要素は、2つのアセチレン基に付加され、2つのアジド付加SN-38分子の結合をもたらす。MAbへの結合は、スクシンイミドとして表される。
【化7】
【0260】
いくつかの実施形態では、二官能性薬物が抗体結合基としてチオール反応性部分を含有する場合、抗体上のチオールは、チオール化試薬を使用して抗体のリジン基上に生成される。MAbのリジン基の修飾によって抗体上にチオール基を導入するための方法は、当該技術分野で周知である(Wong in Chemistry of protein conjugation and cross-linking,CRC Press,Inc.,Boca Raton,Fla.(1991),pp20-22)。代替的に、ジチオトレイトール(dithiothreitol、DTT)などの還元剤を使用した抗体上の鎖間ジスルフィド結合の穏やかな減少(Willner et al.,Bioconjugate Chem.4:521-527(1993))は、抗体上に7~10個のチオールを生成することができ、これは、MAbの鎖間領域に、抗原結合領域から離れて複数の薬物部分を組み込むという利点を有する。
【0261】
いくつかの実施形態では、化学療法部分は、ドキソルビシン(doxorubicin、DOX)、エピルビシン、モルホリノドキソルビシン(モルホリノ-DOX)、シアノモルホリノ-ドキソルビシン(シアノモルホリノ-DOX)、2-ピロリン-ドキソルビシン(2-pyrrolino-doxorubicin、2-PDOX)、CPT、10-ヒドロキシカンプトテシン、SN-38、トポテカン、ルートテカン、9-アミノカンプトテシン、9-ニトロカンプトテシン、タキサン、ゲルダンマイシン、アンサマイシン、及びエポチロンからなる群から選択される。一実施形態では、化学療法部分は、SN-38である。好ましくは、いくつかの実施形態のコンジュゲートにおいて、標的化部分は、少なくとも1つの化学療法部分、好ましくは、1~約12個の化学療法部分、最も好ましくは、約6~約12個の化学療法部分に連結する。
【0262】
さらに、いくつかの実施形態では、リンカー構成要素「L2」は、当該標的化部分の1つ以上のリジン側鎖アミノ基に導入されたチオール反応性残基と反応するチオール基を含む。かかる場合、抗体は、当該技術分野で十分に説明されている手順によって、マレイミド、ビニルスルホン、ブロモアセトアミド、又はヨードアセトアミドなどのチオール反応性基で事前誘導体化され得る。
例示的なリーダー配列
【0263】
いくつかの分泌タンパク質が大量に発現及び分泌されるために、異種タンパク質由来のリーダー配列が望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、異種リーダー配列を使用することは、リーダー配列が分泌プロセス中にERにおいて除去されるときに、得られる成熟ポリペプチドが変更されないままであり得るという点で有利であり得る。異種リーダー配列の追加は、いくつかのタンパク質を発現及び分泌するのに有用であり得る。
【0264】
特定の例示的なリーダー配列配列は、例えば、Department of Biochemistry,National University of Singaporeによって維持されたオンラインリーダーシーケンスデータベースに記載されている。Choo et al.,BMC Bioinformatics,6:249(2005)、及びPCT公開国際公開第2006/081430号を参照されたい。
V.ポリペプチド発現及び産生
抗体又は融合タンパク質をコードする核酸分子
【0265】
抗CCR8抗体の1つ以上の鎖をコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、核酸分子は、抗CCR8抗体の重鎖又は軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、抗CCR8抗体の重鎖をコードするポリヌクレオチド及び軽鎖をコードするポリヌクレオチドの両方を含む。いくつかの実施形態では、第1の核酸分子は、重鎖をコードする第1のポリヌクレオチドを含み、第2の核酸分子は、軽鎖をコードする第2のポリヌクレオチドを含む。
【0266】
いくつかの実施形態では、重鎖及び軽鎖は、2つの別個のポリペプチドとして、1つの核酸分子から、又は2つの別個の核酸分子から発現される。いくつかの実施形態では、抗体がscFvである場合など、単一のポリヌクレオチドは、一緒に連結した重鎖及び軽鎖の両方を含む単一のポリペプチドをコードする。
【0267】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体の重鎖又は軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、本明細書で提供されるCDRのうちの少なくとも1つをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体の重鎖又は軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、本明細書で提供されるCDRのうちの少なくとも3つをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体の重鎖又は軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、本明細書で提供されるCDRのうちの少なくとも6つをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体の重鎖又は軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、リーダー配列をコードするヌクレオチド配列を含み、これは、翻訳されると、重鎖又は軽鎖のN末端に位置する。上述のように、リーダー配列は、天然の重鎖又は軽鎖リーダー配列であり得るか、又は別の異種リーダー配列であり得る。
【0268】
融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、リーダー配列をコードするヌクレオチド配列を含み、これは、翻訳されると、融合タンパク質のN末端に位置する。リーダー配列は、天然のリーダー配列であり得るか、又は別の異種リーダー配列であり得る。
【0269】
いくつかの実施形態では、核酸は、本明細書の配列表における抗体及び融合タンパク質のアミノ酸配列のうちのいずれかをコードするものである。いくつかの実施形態では、核酸は、本明細書の配列表における抗体及び融合タンパク質についてのアミノ酸配列のうちのいずれかをコードする核酸と少なくとも80%同一、例えば、少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、又は99%同一であるものである。いくつかの実施形態では、核酸は、本明細書で提供される核酸配列のうちのいずれか1つ以上とハイブリダイゼーションするものである。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションは、中程度の条件下である。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションは、65℃で少なくとも約6X SSC及び1%のSDSで、最初に0.1XSSC中約20%(v/v)のホルムアミドで、約42℃で10分間の洗浄、65℃で0.2XSSC及び0.1%のSDSでの続く洗浄などの高ストリンジェントな条件下である。
【0270】
核酸分子は、当該技術分野において従来の組換えDNA技術を使用して構築することができる。いくつかの実施形態では、核酸分子は、選択された宿主細胞における発現に適した発現ベクターである。
【0271】
抗CCR8重鎖及び/又は抗CCR8軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。抗CCR8重鎖及び/又は抗CCR8軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含むベクターも提供される。かかるベクターとしては、DNAベクター、ファージベクター、ウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ベクターは、重鎖をコードする第1のポリヌクレオチド配列及び軽鎖をコードする第2のポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、重鎖及び軽鎖は、2つの別個のポリペプチドとしてベクターから発現される。いくつかの実施形態では、重鎖及び軽鎖は、例えば、抗体がscFvである場合など、単一のポリペプチドの一部分として発現される。
【0272】
いくつかの実施形態では、第1のベクターは、重鎖をコードするポリヌクレオチドを含み、第2のベクターは、軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1のベクター及び第2のベクターは、同様の量(同様のモル量又は同様の質量など)で宿主細胞にトランスフェクションされる。いくつかの実施形態では、5:1~1:5のモル比又は質量比の第1のベクター及び第2のベクターが、宿主細胞にトランスフェクションされる。いくつかの実施形態では、重鎖をコードするベクター及び軽鎖をコードするベクターについて、1:1~1:5の質量比が使用される。いくつかの実施形態では、重鎖をコードするベクター及び軽鎖をコードするベクターについて、1:2の質量比が使用される。
【0273】
融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。かかるベクターには、DNAベクター、ファージベクター、ウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0274】
いくつかの実施形態では、CHO若しくはCHO由来細胞又はNSO細胞におけるポリペプチドの発現のために最適化されたベクターが選択される。例示的なかかるベクターは、例えば、Running Deer et al.,Biotechnol.Prog.20:880-889(2004)に記載されている。
宿主細胞
【0275】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体又は融合タンパク質は、細菌細胞などの原核細胞、又は真菌細胞(酵母など)、植物細胞、昆虫細胞、及び哺乳動物細胞などの真核細胞において発現され得る。かかる発現は、例えば、当該技術分野で既知の手順に従って実行され得る。ポリペプチドを発現するために使用され得る例示的な真核細胞としては、COS7細胞を含むCOS細胞、293-6E細胞を含む293細胞、CHO-S、DG44を含むCHO細胞Lec13 CHO細胞、及びFUT8 CHO細胞、PER.C6(登録商標)細胞(Crucell)、及びNSO細胞が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体又は融合タンパク質は、酵母において発現され得る。これは、例えば、米国特許出願公開第2006/0270045(A1)号を参照されたい。いくつかの実施形態では、特定の真核宿主細胞は、本明細書で提供される抗体又は融合タンパク質に対する所望の翻訳後修飾を行う能力に基づいて選択される。例えば、いくつかの実施形態では、CHO細胞は、293細胞において産生された同じポリペプチドよりも高いレベルのシアリル化を有するポリペプチドを産生する。
【0276】
1つ以上の核酸の所望の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染などを含むが、これらに限定されない任意の方法によって達成され得る。非限定的な例示的な方法は、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,3rd ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)において記載されている。核酸は、任意の適した方法に従って、所望の宿主細胞において一時的又は安定的にトランスフェクションされ得る。
【0277】
本明細書に記載のポリヌクレオチド又はベクターのうちのいずれかを含む宿主細胞も提供される。いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質を含む宿主細胞が提供される。異種DNAを過剰発現することができる任意の宿主細胞を、目的の抗体、ポリペプチド、又はタンパク質をコードする遺伝子を単離する目的で使用することができる。哺乳動物宿主細胞の非限定的な例には、COS、HeLa、及びCHO細胞が挙げられるが、これらに限定されない。PCT公開国際公開第87/04462号も参照されたい。適した非哺乳動物宿主細胞には、原核生物(E.coli又はB.subtillisなど)及び酵母(S.cerevisae、S.pombe、又はK.lactisなど)が含まれる。
ポリペプチドの精製
【0278】
本明細書で提供される抗体及び融合タンパク質は、任意の適した方法によって精製され得る。かかる方法には、親和性マトリックス又は疎水性相互作用クロマトグラフィーの使用が含まれるが、これらに限定されない。適した親和性配位子は、抗体定常領域に結合するROR1 ECD及びリガンドを含む。例えば、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G、又は抗体親和性カラムを使用して、定常領域又はFc領域を結合し、抗体又は融合タンパク質を精製することができる。疎水性相互作用クロマトグラフィー、例えば、ブチル又はフェニルカラムはまた、いくつかのポリペプチドを精製するのに好適であり得る。イオン交換クロマトグラフィー(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー及び/又は陽イオン交換クロマトグラフィー)はまた、いくつかのポリペプチドを精製するのに好適であり得る。混合モードクロマトグラフィー(例えば、逆相/陰イオン交換、逆相/陽イオン交換、親水性相互作用/陰イオン交換、親水性相互作用/陽イオン交換、など)もまた、いくつかのポリペプチドを精製するのに好適であり得る。ポリペプチドを精製する多くの方法は、当該技術分野で既知である。
ポリペプチドの無細胞産生
【0279】
いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質は、無細胞系で産生される。非限定的な例示的な無細胞系は、例えば、Sitaraman et al.,Methods Mol.Biol.498:229-44(2009);Spirin,Trends Biotechnol.22:538-45(2004);Endo et al.,Biotechnol.Adv.21:695-713(2003)において記載されている。
組成物
【0280】
いくつかの実施形態では、上記の方法によって調製された抗体又は融合タンパク質が提供される。いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質は、宿主細胞で調製される。いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質は、無細胞系で調製される。いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質は、精製される。いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質を含む細胞培養培地が提供される。いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質を含む宿主細胞培養液が提供される。
【0281】
いくつかの実施形態では、上記の方法によって調製された抗体又は融合タンパク質を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、宿主細胞で調製された抗体又は融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、無細胞系で調製された抗体又は融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、精製された抗体又は融合タンパク質を含む。
【0282】
いくつかの実施形態では、約10mg/mL、20mg/mL、30mg/mL、40mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、100mg/mL、125mg/mL、150mg/mL、175mg/mL、200mg/mL、225mg/mL、又は250mg/mLのうちのいずれか1つを超える濃度で抗体又は融合タンパク質を含む組成物が提供される。
VI.治療用組成物及び方法
抗体又は融合タンパク質を使用して疾患を治療する方法
【0283】
ヒト又は動物の治療方法における使用のために、抗体(例えば、7-B16、1-K17など)及び融合タンパク質並びに抗体及び融合タンパク質を含む組成物が提供される。本明細書では、開示された抗体及び融合タンパク質の薬学的及び治療的使用も提供される。本明細書で提供される抗体及び融合タンパク質を投与することを含む疾患を治療する方法及び薬学的/治療用途も提供される。本明細書で提供される抗体及び融合タンパク質で治療され得る非限定的な例示的な疾患には、がんが含まれるが、これらに限定されない。
【0284】
いくつかの実施形態では、がんを治療する方法(又は開示された抗体若しくは融合タンパク質の治療的/薬学的使用)は、がんを有する対象に、有効量の本明細書で提供される抗体(例えば、7-B16、1-K17など)又は融合タンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、がんは、固形がんである。いくつかの実施形態では、がんは、血液(すなわち、液体)がんである。いくつかの実施形態では、がんは、腫瘍浸潤Treg細胞を含む。いくつかの実施形態では、対象は、以前にチェックポイント阻害剤療法(CPI)を受けているか、又はCPI耐性若しくは難治性がんを有し、CPI耐性若しくは難治性がんを有する多くの対象は、腫瘍内Tregのレベルの上昇を示す。いくつかの実施形態では、CPI療法は、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗PDL1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブから選択されるか、抗CLTA4抗体は、イピリムマブ又はトレメリムマブであるか、又は抗TIGIT抗体は、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される。いくつかの実施形態では、がんは、CCR8を発現する細胞(例えば、CCR8発現Treg)を含む。CCR8の発現は、例えば、免疫組織化学、蛍光活性化細胞選別(FACS)、遺伝子発現分析(Q-PCR若しくはRT-PCRなど)、ウエスタンブロット、ELISA、又は遺伝的若しくはタンパク質レベルで発現を評価する他の既知の方法によって決定され得る。いくつかの実施形態では、CCR8を発現する細胞は、Treg細胞(例えば、腫瘍内Treg)であり、いくつかの実施形態では、かかる腫瘍内TregのCCR8発現のレベルは、末梢Tregに対して上昇している。いくつかの実施形態では、CCR8は、細胞当たり10,000コピー未満でTreg細胞の表面上に発現され、これは、例えば、蛍光活性化細胞選別(FACS)及びフローサイトメトリーによって決定され得る。いくつかの実施形態では、がんは、CCR8を発現する腫瘍細胞を含む。いくつかの実施形態では、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%の腫瘍浸潤Treg細胞が、細胞当たり10,000コピー未満のCCR8を細胞の表面に発現する。
【0285】
いくつかの実施形態では、がんは、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択される。いくつかの実施形態では、がんは、転移性であり得る。いくつかの実施形態では、がんが乳がんである場合、乳がんは、トリプルネガティブ乳がん(すなわち、triple negative breat cancer、TNBC)である。いくつかの実施形態では、がんが乳がんである場合、乳がんは、転移性TNBCである。
【0286】
いくつかの実施形態では、CCR8を発現する腫瘍浸潤Tregを有する固形がんを治療する方法は、がんを有する対象に、有効量の本明細書で提供される抗体(例えば、7-B16、1-K17など)又は融合タンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍浸潤Tregは、末梢TregのCCR8発現レベルに対して上昇したレベルでCCR8を発現する。CCR8の発現は、例えば、免疫組織化学、蛍光活性化細胞選別(FACS)、遺伝子発現分析(Q-PCR若しくはRT-PCRなど)、ウエスタンブロット、ELISA、又は遺伝的若しくはタンパク質レベルで発現を評価する他の既知の方法によって決定され得る。いくつかの実施形態では、固形がんは、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択され得る。
【0287】
いくつかの実施形態では、血液がんを治療する方法(又は治療的/薬学的使用)は、血液がんを有する対象に、有効量のヒトCCR8に結合する抗体(例えば、7-B16、1-K17など)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、CCL1のCCR8への結合を阻害する。いくつかの実施形態では、血液がんは、CCR8を発現する。いくつかの実施形態では、対象は、以前にチェックポイント阻害剤療法(CPI)を受けているか、又はCPI耐性若しくは難治性がんを有し、CPI耐性若しくは難治性がんを有する多くの対象は、CCR8発現Tregのレベルの上昇を示すであろう。いくつかの実施形態では、CPI療法は、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗PDL1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブから選択されるか、抗CLTA4抗体は、イピリムマブ又はトレメリムマブであるか、又は抗TIGIT抗体は、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される。いくつかの実施形態では、血液がんは、CCR8を発現する細胞(例えば、CCR8発現Treg)を含む。いくつかの実施形態では、CCR8を発現する細胞は、Treg細胞である。いくつかの実施形態では、血液がんは、転移性であり得る。
【0288】
いくつかの実施形態では、ヒトCCR8に結合する抗体での治療のための血液がんを有する対象を選択する方法又はその使用は、対象由来の試料におけるCCR8発現を検出することを含む。いくつかの実施形態では、有効量のヒトCCR8に結合する抗体を投与することをさらに含む、方法又は使用。
【0289】
いくつかの実施形態では、血液がんを治療する方法(又は治療的/薬学的使用)は、血液がんを有する対象に、有効量の融合タンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、(a)CCL1若しくはその活性断片又はMC148若しくはその活性断片、及び(b)Fc領域を含む融合タンパク質での治療のための血液がんを有する対象を選択する方法は、対象由来の試料におけるCCR8発現を検出することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、(a)CCL1若しくはその活性断片又はMC148若しくはその活性断片、及び(b)Fc領域を含む、有効量の融合タンパク質を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、血液がんは、CCR8を発現する。いくつかの実施形態では、対象は、以前にチェックポイント阻害剤療法(CPI)を受けているか、又はCPI耐性若しくは難治性がんを有し、CPI耐性若しくは難治性がんを有する多くの対象は、CCR8発現Tregのレベルの上昇を示すであろう。いくつかの実施形態では、CPI療法は、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗PDL1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブから選択されるか、抗CLTA4抗体は、イピリムマブ又はトレメリムマブであるか、又は抗TIGIT抗体は、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される。いくつかの実施形態では、血液がんは、CCR8を発現する細胞(例えば、CCR8発現Treg)を含む。いくつかの実施形態では、CCR8を発現する細胞は、Treg細胞である。いくつかの実施形態では、Tregは、細胞当たりその10,000コピーより少ないCCR8を発現し、これは、例えば、蛍光活性化細胞選別(FACS)及びフローサイトメトリーによって決定され得る。いくつかの実施形態では、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%の腫瘍浸潤Treg細胞が、細胞当たり10,000コピー未満のCCR8を細胞の表面に発現する。いくつかの実施形態では、腫瘍から得られた試料における5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%の腫瘍浸潤Treg細胞が、細胞当たり10,000コピー未満のCCR8を発現する。いくつかの実施形態では、血液がんは、転移性であり得る。
【0290】
いくつかの実施形態では、血液がんは、B細胞及びT細胞混合白血病、B細胞リンパ腫、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病、びまん性大B細胞リンパ腫(DLBC)、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、複数骨髄腫、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患、末梢T細胞リンパ腫、T細胞白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、CLL/SLL、成熟T細胞及びNK細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、急性リンパ球性白血病(ALL)、T細胞急性リンパ球性白血病(TALL)、T細胞成人急性リンパ球性白血病、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫(TLLL)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(ATCL)、肝脾T細胞リンパ腫(HTCL)、別途明記されていない末梢T細胞リンパ腫(PTCL NOS)、バーキットリンパ腫(BL)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、結節外NK/T細胞リンパ腫(NKTCL)、原発性滲出性リンパ腫(PEL)、急性リンパ球性白血病/急性骨髄性白血病(ALL、AML)、組織球性リンパ腫(HL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、B細胞急性リンパ球性白血病、又は未分化大細胞リンパ腫(ALCL)である。
【0291】
いくつかの実施形態では、血液がんは、T細胞成人急性リンパ球性白血病、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、急性リンパ球性白血病、皮膚T細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ球性白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫、又は未分化大細胞リンパ腫である。
【0292】
いくつかの実施形態では、固形がんを治療する方法(又は治療的/薬学的使用)は、固形がんを有する対象に、有効量のヒトCCR8に結合する抗体(例えば、7-B16、1-K17など)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、CCL1のCCR8への結合を阻害する。いくつかの実施形態では、固形がん(又は腫瘍浸潤Treg)は、CCR8を発現する。いくつかの実施形態では、固形がんは、腫瘍内Tregを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍内Tregは、末梢Tregに対してCCR8発現のレベルが上昇している。いくつかの実施形態では、CCR8は、細胞当たり10,000コピー未満で腫瘍内Treg細胞の表面上に発現され(例えば、Treg集団全体が低いTreg発現を有する場合)、これは、例えば、蛍光活性化細胞選別(FACS)及びフローサイトメトリーによって決定され得る。いくつかの実施形態では、腫瘍内Tregは、細胞当たり10,000コピー未満のCCR8を発現するTregを含む(低CCR8発現を有するTregの亜集団を指す)。いくつかの実施形態では、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%の腫瘍浸潤Treg細胞が、細胞当たり10,000コピー未満のCCR8を細胞の表面に発現する。いくつかの実施形態では、腫瘍から得られた試料における5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%の腫瘍浸潤Treg細胞が、細胞当たり10,000コピー未満のCCR8を発現する。いくつかの実施形態では、対象は、以前にチェックポイント阻害剤療法(CPI)を受けているか、又はCPI耐性若しくは難治性がんを有し、CPI耐性若しくは難治性がんを有する多くの対象は、腫瘍内Tregのレベルの上昇を示すであろう。いくつかの実施形態では、CPI療法は、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗PDL1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブから選択されるか、抗CLTA4抗体は、イピリムマブ又はトレメリムマブであるか、又は抗TIGIT抗体は、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される。いくつかの実施形態では、腫瘍内Tregは、デレピート(delepete)である。Tregの枯渇は、開示された抗体が有するADCC及び/又はCDC活性の結果としてのものであり得る。
【0293】
いくつかの実施形態では、ヒトCCR8に結合する抗体での治療のための固形がんを有する対象を選択する方法又はその使用は、対象由来の試料におけるCCR8発現を検出することを含む。いくつかの実施形態では、CCR8発現は、試料中の腫瘍浸潤Tregの集団において検出される。いくつかの実施形態では、腫瘍浸潤Tregは、細胞当たりその10,000コピーより少ないCCR8を発現し、これは、例えば、蛍光活性化細胞選別(FACS)及びフローサイトメトリーによって決定され得る。いくつかの実施形態では、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%の腫瘍浸潤Treg細胞が、細胞当たり10,000コピー未満のCCR8を細胞の表面に発現する。いくつかの実施形態では、有効量のヒトCCR8に結合する抗体を投与することをさらに含む、方法又は使用。
【0294】
いくつかの実施形態では、固形がんを治療する方法(又は治療的/薬学的使用)は、固形がんを有する対象に、有効量の融合タンパク質を投与することを含む。いくつかの実施形態では、(a)CCL1若しくはその活性断片又はMC148若しくはその活性断片、及び(b)Fc領域を含む融合タンパク質での治療のための固形がんを有する対象を選択する方法は、対象由来の試料におけるCCR8発現を検出することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、(a)CCL1若しくはその活性断片又はMC148若しくはその活性断片、及び(b)Fc領域を含む、有効量の融合タンパク質を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、固形がんは、CCR8を発現する。いくつかの実施形態では、対象は、以前にチェックポイント阻害剤療法(CPI)を受けているか、又はCPI耐性若しくは難治性がんを有し、CPI耐性若しくは難治性がんを有する多くの対象は、CCR8発現Tregのレベルの上昇を示すであろう。いくつかの実施形態では、CPI療法は、抗PDL1抗体、抗CTLA4抗体、又は抗TIGIT抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗PDL1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、セミプリマブ-rwlc、及びジムベレリマブから選択されるか、抗CLTA4抗体は、イピリムマブ又はトレメリムマブであるか、又は抗TIGIT抗体は、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308、BMS-986207、及びデュルバルマブから選択される。いくつかの実施形態では、固形がんは、CCR8を発現する細胞(例えば、CCR8発現Treg)を含む。いくつかの実施形態では、CCR8を発現する細胞は、Treg細胞である。いくつかの実施形態では、Tregは、(例えば、FACS及びフローサイトメトリーによって決定される)細胞当たりその10,000コピーより少ないCCR8を発現し、腫瘍浸潤Tregであり得る。いくつかの実施形態では、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%の腫瘍浸潤Treg細胞が、細胞当たり10,000コピー未満のCCR8を細胞の表面に発現する。いくつかの実施形態では、血液がんは、転移性であり得る。
【0295】
いくつかの実施形態では、固形がんは、乳がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、胃がん、胃腺がん、及び胸腺腫から選択され得る。いくつかの実施形態では、固形がんは、転移性であり得る。いくつかの実施形態では、固形がんが乳がんである場合、乳がんは、トリプルネガティブ乳がん(すなわち、TNBC)である。いくつかの実施形態では、固形がんが乳がんである場合、乳がんは転移性TNBCである。
【0296】
前述の方法又は使用のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、投与される抗体(例えば、7-B16、1-K17など)又は融合タンパク質は、開示された抗体及び融合タンパク質のADCC及び/又はCDC特性の結果として、対象におけるTregを枯渇させ得る。
【0297】
抗体又は融合タンパク質は、対象に必要に応じて投与することができる。投与頻度の決定は、治療される状態の考慮事項、治療される対象の年齢、治療される状態の重症度、治療される対象の健康状態の一般的な状態に基づいて、主治医などの当業者によって行われ得る。いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質の有効用量は、対象に、1回以上投与される。いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質の有効用量は、対象に、1ヶ月に1回、例えば、2ヶ月毎又は3ヶ月毎などの1ヶ月1回未満で投与される。いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質の有効用量は、例えば、3週間に1回、2週間に1回、又は週に1回など、1ヶ月に1回未満で投与される。抗体又は融合タンパク質の有効用量は、対象に少なくとも1回投与される。いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質の有効用量は、少なくとも1ヶ月、少なくとも6ヶ月、又は少なくとも1年の期間を含む複数回投与され得る。
【0298】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、がんの治療(がんの予防を含む)に有効な量で投与される。治療有効量は、典型的には、治療される対象の体重、自分の身体的若しくは健康の状態、治療される状態の広がり、又は治療される対象の年齢に依存する。概して、抗体及び融合タンパク質は、用量当たり約10μg/kg体重~約100mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗体及び融合タンパク質は、用量当たり約50μg/kg体重~約5mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗体及び融合タンパク質は、用量当たり約100μg/kg体重~約10mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗体及び融合タンパク質は、用量当たり約100μg/kg体重~約20mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗体及び融合タンパク質は、用量当たり約0.5mg/kg体重~約20mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。
医薬組成物
【0299】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び融合タンパク質を含む組成物は、多種多様な薬学的に許容される担体を有する製剤で提供される(例えば、Gennaro,Remington:The Science and Practice of Pharmacy with Facts and Comparisons:Drugfacts Plus,20th ed.(2003);Ansel et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th ed.,Lippencott Williams and Wilkins(2004);Kibbe et al.,Handbook of Pharmaceutical Excipients,3rd ed.,Pharmaceutical Press(2000)を参照されたい)。ビヒクル、アジュバント、及び希釈剤を含む様々な薬学的に許容される担体が利用可能である。さらに、pH調整剤及び緩衝剤、等張化剤、安定剤、湿潤剤などの様々な薬学的に許容される補助物質も利用可能である。非限定的な例示的な担体としては、生理食塩水、緩衝生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0300】
いくつかの実施形態では、抗体又は融合タンパク質を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載の宿主細胞又は無細胞系で調製された抗体又は融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される担体を含む。
【0301】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、がんの治療(がんの予防を含む)に有効な量で投与される。治療有効量は、典型的には、治療される対象の体重、自分の身体的若しくは健康の状態、治療される状態の広がり、又は治療される対象の年齢に依存する。
投与経路
【0302】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、静脈内、動脈内、非経口、腫瘍内、腹腔内、又は皮下を含むがこれらに限定されない様々な経路によってインビボで投与され得る。適切な配合及び投与経路は、意図された用途に従って選択され得る。
併用療法
【0303】
本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16、1-K17など)は、単独で又は他の治療様式とともに投与され得る。それらは、他の治療様式、例えば、手術、化学療法、放射線療法、又は別の治療用抗体などの生物学的製剤の投与の前、実質的に同時に、及び/又はその後に提供され得る。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16、1-K17など)は、別の抗がん剤と併せて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、切除又は非切除放射線療法などの放射線療法と併せて投与される。
【0304】
いくつかの実施形態では、抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16、1-K17など)は、第2の治療薬と同時に与えられる。例えば、2つ以上の治療薬は、約30、15、10、5、又は1分のうちのいずれか以下などの約60分以下の時間間隔で投与される。いくつかの実施形態では、抗体及び/又は融合タンパク質は、第2の治療薬と逐次的に投与される。例えば、2つ以上の治療薬の投与は、約20、30、40、50、若しくは60分、1日、2日、3日、1週間、2週間、又は1ヶ月、又はそれ以上などの約15分超の時間間隔で投与される。
【0305】
いくつかの実施形態では、抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16、1-K17など)は、治療のための第2の治療方法とともに投与される。したがって、本明細書で提供される抗体の投与は、別の治療系と組み合わせることができる。
【0306】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16、1-K17など)は、抗PD-1又は抗PD-L1療法とともに投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体(例えば、アテゾリズマブ)とともに投与される。
【0307】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16、1-K17など)は、抗ICOS療法とともに投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、誘導性T細胞共刺激分子(Inducible T-Cell Costimulator、ICOS)に結合する抗体とともに投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、ICOSに結合する単離された抗体とともに投与され、抗ICOS抗体は、CD4+T細胞(CD4+Tエフェクタ(Teff)細胞など)のアゴニストである。いくつかの実施形態では、ICOSに結合する抗体は、CD4+T細胞(CD4+Teff細胞など)のアゴニストであり、T調節(Treg)細胞を枯渇させる。
【0308】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16、1-K17など)は、アゴニスト抗OX40抗体(Medi6469,MedImmune;MOXR0916/RG7888,Rocheなど)とともに投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、抗CTLA4抗体(イピリムマブ、YERVOY(登録商標)、BMSなど)とともに投与される。
【0309】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、化学療法剤である。本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質と組み合わされ得る例示的な化学療法剤としては、カペクチアビン、シクロホスファミド、ダカルバジン、テモゾロミド、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、ダウノルビシン、シスプラチン、カルボプラチン、エピルビシン、エリブリン、5-FU、ゲムシタビン、イリノテカン、イキサベピロン、メトトレキサート、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ナブ-パクリタキセル、ABRAXANE(登録商標)(タンパク質結合パクリタキセル)、ペメトレキセド、ビノレルビン、及びビンクリスチンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤とともに投与される。非限定的な例示的なキナーゼ阻害剤には、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、ベムラフェニブ、及びコビメタニブが挙げられる。
【0310】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、IDO阻害剤である。非限定的な例示的なIDO阻害剤は、例えば、米国特許出願公開第2016/0060237号、及び米国特許出願公開第2015/0352206号に記載されている。非限定的な例示的なIDO阻害剤としては、インドキシモッド(Indoximod)(New Link Genetics)、INCB024360(Incyte Corp)、1-メチル-D-トリプトファン(New Link Genetics)、及びGDC-0919(Genentech)が挙げられる。
【0311】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、免疫修飾薬(immune-modifying drug、IMiD)と組み合わせて投与される。非限定的な例示的なIMiDには、サリドマイド、レナリドマイド、及びポマリドマイドが含まれる。
【0312】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、がんワクチンである。がんワクチンは、抗原転移及び樹状細胞の活性化の潜在的なアプローチとして調査されている。特に、共刺激経路についての免疫学的チェックポイント又はアゴニストと組み合わせたワクチン接種は、寛容を克服し、抗腫瘍応答の増加を生じる証拠を示している。腫瘍に対する免疫応答を促進するために異なるアプローチを用いるがんワクチンの範囲が試験されている(例えば、Emens LA,Expert Opin Emerg Drugs 13(2):295-308(2008)を参照されたい)。アプローチは、腫瘍に対するB細胞、T細胞、又は専門的な抗原提示細胞の応答を増強するように設計されている。例示的な種類のがんワクチンとしては、ペプチド/タンパク質として、又は遺伝子操作されたDNAベクター、ウイルス、細菌などとして送達され得る、異なる腫瘍抗原を標的とすることを用いるペプチドベースワクチン、及び患者由来樹状細胞、自己腫瘍細胞、又は腫瘍細胞溶解物、同種腫瘍細胞などから開発されたワクチンを含むがこれらに限定されない、より十分に定義されていない標的に対する細胞生物学的アプローチが挙げられるが、これらに限定されない。
【0313】
したがって、特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16、1-K17など)は、がんワクチンと組み合わせて使用され得る。例示的ながんワクチンとしては、樹状細胞ワクチン、腫瘍溶解性ウイルス、腫瘍細胞ワクチンなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、かかるワクチンは、抗腫瘍応答を増強する。本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質と組み合わせて使用することができるがんワクチンの例としては、MAGE3ワクチン(例えば、黒色腫及び膀胱がんの場合)、MUC1ワクチン(例えば、乳がんの場合)、EGFRv3(リンドペピムト(Rindopepimut)など、例えば、多形性膠芽腫を含む脳がんの場合)、又はALVAC-CEA(例えば、CEA+がんの場合)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0314】
非限定的な例示的ながんワクチンには、抗原提示細胞を含む自己末梢血単核細胞(PBMC)に由来するSipuleucel-Tも含まれる(例えば、Kantoff PW et al.,N Engl J Med 363:411-22(2010)を参照されたい)。Sipuleucel-T生成では、患者のPBMCは、前立腺酸性ホスファターゼ(前立腺抗原)及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(免疫細胞活性化因子)の組換え融合タンパク質であるPA2024でエクスビボで活性化される。候補がんワクチンへの別のアプローチは、黒色腫などの腫瘍組織において変異した特定のペプチドに対する免疫応答を生成することである(例えば、Carreno BM et al.,Science 348:6236(2015)を参照されたい)。かかる変異ペプチドは、いくつかの実施形態では、新抗原と称され得る。腫瘍ワクチンにおける新抗原の使用の非限定的な例として、主要組織適合性複合体タンパク質HLA-A*02:01に結合すると予測される腫瘍における新抗原は、黒色腫などのがんを有する個々の患者について特定される。患者からの樹状細胞は、エクスビボで成熟され、次いで新抗原とインキュベーションされる。次いで、活性化された樹状細胞を患者に投与する。いくつかの実施形態では、がんワクチンの投与後、新抗原に対する堅牢なT細胞免疫が検出可能である。
【0315】
いくつかのかかる実施形態では、がんワクチンは、新抗原を使用して開発される。いくつかの実施形態では、がんワクチンは、DNAワクチンである。いくつかの実施形態では、がんワクチンは、PROSTVAC(rilimogene galvacirepvec/rilimogene glafolivec)などのがん抗原を含む操作されたウイルスである。いくつかの実施形態では、がんワクチンは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte-macrophage colony-stimulating factor、GM-CSF)遺伝子トランスフェクションされた腫瘍細胞ワクチンであるGVAXなどの操作された腫瘍細胞を含む(例えば、Nemunaitis,2005,Expert Rev Vaccines,4:259-74を参照されたい)。
【0316】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体及び/又は融合タンパク質は、がんワクチンの前、同時、及び/又は後に投与される。いくつかの実施形態では、新抗原を使用して開発されたがんワクチンは、本明細書に記載の抗体及び/又は融合タンパク質と組み合わせて使用される。いくつかのかかる実施形態では、組み合わせは、黒色腫、肺、膀胱、又は結腸直腸がんなどの高い変異付加を伴うがんを治療するために使用される。
【0317】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、キメラ抗原受容体T細胞療法(chimeric antigen receptor T cell、CAR-T療法)と組み合わせて投与される。
【0318】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16、1-K17など)は、1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つ)の追加の治療薬とともに投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、例えば、阻害性免疫チェックポイント遮断薬若しくは阻害剤、刺激性免疫チェックポイント刺激因子、アゴニスト、若しくは活性化因子、化学療法剤、抗がん剤、放射線療法剤、抗新生物剤、抗増殖剤、抗血管新生剤、抗炎症剤、免疫療法剤、治療用抗原結合分子(例えば、DART(登録商標)、Duobody(登録商標)、BiTE(登録商標)、BiKE、TriKE、XmAb(登録商標)、TandAb(登録商標)、scFv、Fab、Fab誘導体などの任意の形式の単一特異性及び多重特異性抗体並びにその断片)、二重特異性抗体、非免疫グロブリン抗体模倣物(例えば、アドネクチン、アフィボディ分子、アフィリン、アフィマー、アフィチン、アルファボディ、アンチカリン、ペプチドアプタマー、アルマジロ反復タンパク質(armadillo repeat protein、ARM)、アトリマー、アビマー、設計されたアンキリン反復タンパク質(designed ankyrin repeat protein、DARPin(登録商標))、フィノマー、ノッチン、クニッツドメインペプチド、モノボディ、及びナノCLAMPを含む)、抗体薬物コンジュゲート(antibody-drug conjugate、ADC)、抗体-ペプチドコンジュゲート)、腫瘍溶解性ウイルス、遺伝子修飾剤若しくは編集剤、キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor、CAR)を含む細胞、例えば、T細胞免疫療法剤、NK細胞免疫療法剤、若しくはマクロファージ免疫療法剤を含む、操作されたT細胞受容体(TCR-T)、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0319】
例示的標的
【0320】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、例えば、以下などの標的(例えば、ポリペプチド又はポリヌクレオチド)の阻害剤、アゴニスト、アンタゴニスト、リガンド、調節剤、刺激因子、遮断剤、活性化因子又はサプレッサーが挙げられる。2’-5’-オリゴアデニル酸シンセターゼ(OAS1;NCBI遺伝子ID:4938);5’-3’エキソリボヌクレアーゼ1(XRN1;NCBI遺伝子ID:54464);5’-ヌクレオチダーゼエクト(NT5E、CD73;NCBI遺伝子ID:4907);ABL原がん遺伝子1、非受容体チロシンキナーゼ(ABL1、BCR-ABL、c-ABL、v-ABL;NCBI遺伝子ID:25);アブセントイン黒色腫2(AIM2;NCBI遺伝子ID:9447);アセチル-CoAアシルトランスフェラーゼ2(ACAA2;NCBI遺伝子ID:10499);酸ホスファターゼ3(ACP3;NCBI遺伝子ID:55);アデノシンデアミナーゼ(ADA、ADA1;NCBI遺伝子ID:100);アデノシン受容体(例えば、ADORA1(A1)、ADORA2A(A2a、A2AR)、ADORA2B(A2b、A2BR)、ADORA3(A3);NCBI遺伝子ID:134、135、136、137);AKTセリン/スレオニンキナーゼ1(AKT1、AKT、PKB;NCBI遺伝子ID:207);アラニルアミノペプチダーゼ、膜(ANPEP、CD13;NCBI遺伝子ID:290);ALK受容体チロシンキナーゼ(ALK、CD242;NCBI遺伝子ID:238);アルファフェトタンパク質(AFP;NCBI遺伝子ID:174);アミンオキシダーゼ銅含有(例えば、AOC1(DAO1)、AOC2、AOC3(VAP1);NCBI遺伝子ID:26、314、8639);アンドロゲン受容体(AR;NCBI遺伝子ID:367);アンジオポエチン(ANGPT1、ANGPT2;NCBI遺伝子ID:284、285);アンジオテンシンII受容体1型(AGTR1、NCBI遺伝子ID:185);アンジオテンシノゲン(AGT;NCBI遺伝子ID:183);アポリポタンパク質A1(APOA1;NCBI遺伝子ID:335);アポトーシス誘導因子ミトコンドリア関連1(AIFM1、AIF;NCBI遺伝子ID:9131);アラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(ALOX5;NCBI遺伝子ID:240);アスパラギナーゼ(ASPG;NCBI遺伝子ID:374569);アスタレイドホモログ1(ASTE1;NCBI遺伝子ID:28990);ATMセリン/スレオニンキナーゼ(ATM;NCBI遺伝子ID:472);ATP結合カセットサブファミリーBメンバー1(ABCB1、CD243、GP170;NCBI遺伝子ID:5243);ATP依存性Clp-プロテアーゼ(CLPP;NCBI遺伝子ID:8192);ATRセリン/スレオニンキナーゼ(ATR;NCBI遺伝子ID:545);AXL受容体チロシンキナーゼ(AXL;NCBI遺伝子ID:558);B及びTリンパ球関連(BTLA、CD272;NCBI遺伝子ID:151888);バキュロウイルスIAP反復含有タンパク質(BIRC2(cIAP1)、BIRC3(cIAP2)、XIAP(BIRC4、IAP3)、BIRC5(サバイビン);NCBI遺伝子ID:329、330、331、332);バシジン(Ok血液群)(BSG、CD147;NCBI遺伝子ID:682);B細胞リンパ腫2(BCL2;NCBI遺伝子ID:596);BCL2結合タンパク質3(BBC3、PUMA;NCBI遺伝子ID:27113);Bcl2様(例えば、Bcl2L1(Bcl-x)、Bcl2L2(BIM);Bcl-x;NCBI遺伝子ID:598、10018);ベータ3-アドレナリン受容体(ADRB3;NCBI遺伝子ID:155);骨ガンマ-カルボキシグルタミン酸タンパク質(BGLAP;NCBI遺伝子ID:632);骨形態形成タンパク質-10リガンド(BMP10;NCBI遺伝子ID:27302);ブラジキニン受容体(例えば、BDKRB1、BDKRB2;NCBI遺伝子ID:623、624);B-RAF(BRAF;NCBI遺伝子ID:273);ブレークポイントクラスター領域(BCR;NCBI遺伝子ID:613);ブロモドメイン及び外部ドメイン(BET)ブロモドメイン含有タンパク質(例えば、BRD2、BRD3、BRD4、BRDT;NCBI遺伝子ID:6046、8019、23476、676);ブルトンチロシンキナーゼ(BTK;NCBI遺伝子ID:695);カドヘリン(例えば、CDH3(p-カドヘリン)、CDH6(kカドヘリン);NCBI遺伝子ID:1001、1004);がん/精巣抗原(例えば、CTAG1A、CTAG1B、CTAG2;NCBI遺伝子ID:1485、30848、246100);カンナビノイド受容体(例えば、CNR1(CB1)、CNR2(CB2);NCBI遺伝子ID:1268、1269);炭水化物スルホトランスフェラーゼ15(CHST15;NCBI遺伝子ID:51363);炭酸脱水酵素(CA1、CA2、CA3、CA4、CA5A、CA5B、CA6、CA7、CA8、CA9、CA10、CA11、CA12、CA13、CA14;NCBI遺伝子ID:759、760、761、762、763、765、766、767、768、770、771、11238、23632、56934、377677);がん胎児性抗原関連細胞接着分子(例えば、CEACAM3(CD66d)、CEACAM5(CD66e)、CEACAM6(CD66c);NCBI遺伝子ID:1048、1084、4680);カゼインキナーゼ(例えば、CSNK1A1(CK1)、CSNK2A1(CK2);NCBI遺伝子ID:1452、1457);カスパーゼ(例えば、CASP3、CASP7、CASP8;NCBI遺伝子ID:836、840、841、864);カテニンβ1(CTNNB1;NCBI遺伝子ID:1499);カテプシンG(CTSG;NCBI遺伝子ID:1511);Cbl原がん遺伝子B(CBLB、Cbl-b;NCBI遺伝子ID:868);C-Cモチーフケモカインリガンド21(CCL21;NCBI遺伝子ID:6366);C-Cモチーフケモカイン受容体2(CCR2;NCBI遺伝子ID:729230);C-Cモチーフケモカイン受容体(例えば、CCR3(CD193)、CCR4(CD194)、CCR5(CD195)、CCR8(CDw198);NCBI遺伝子ID:1232、1233、1234、1237);CCAATエンハンサー結合タンパク質アルファ(CEBPA、CEBP;NCBI遺伝子ID:1050);細胞接着分子1(CADM1;NCBI遺伝子ID:23705);細胞分裂サイクル7(CDC7;NCBI遺伝子ID:8317);細胞通信ネットワーク因子2(CCN2;NCBI遺伝子ID:1490);セレブロン(CRBN;NCBI遺伝子ID:51185);チェックポイントキナーゼ(例えば、CHEK1(CHK1)、CHEK2(CHK2);NCBI遺伝子ID:1111、11200);コレシストキニンB受容体(CCKBR;NCBI遺伝子ID:887);絨毛性ソマトマンモトロピンホルモン1(CSH1;NCBI遺伝子ID:1442);クローディン(例えば、CLDN6、CLDN18、NCBI遺伝子ID:9074、51208);分化マーカーのクラスター(例えば、CD1A、CD1C、CD1D、CD1E、CD2、CD3アルファ(TRA)、CDベータ(TRB)、CDガンマ(TRG)、CDデルタ(TRD)、CD4、CD8A、CD8B、CD19、CD20(MS4A1)、CD22、CD24、CD25(IL2RA、TCGFR)、CD28、CD33(SIGLEC3)、CD37、CD38、CD39(ENTPD1)、CD40(TNFRSF5)、CD44(MIC4、PGP1)、CD47(IAP)、CD48(BLAST1)、CD52、CD55(DAF)、CD58(LFA3)、CD74、CD79a、CD79b、CD80(B7-1)、CD84、CD86(B7-2)、CD96(TACTILE)、CD99(MIC2)、CD115(CSF1R)、CD116(GMCSFR、CSF2RA)、CD122(IL2RB)、CD123(IL3RA)、CD128(IL8R1)、CD132(IL2RG)、CD135(FLT3)、CD137(TNFRSF9、4-1BB)、CD142(TF、TFA)、CD152(CTLA4)、CD160、CD182(IL8R2)、CD193(CCR3)、CD194(CCR4)、CD195(CCR5)、CD207、CD221(IGF1R)、CD222(IGF2R)、CD223(LAG3)、CD226(DNAM1)、CD244、CD247、CD248、CD276(B7-H3)、CD331(FGFR1)、CD332(FGFR2)、CD333(FGFR3)、CD334(FGFR4);NCBI遺伝子ID:909、911、912、913、914、919、920、923、925、926、930、931、933、940、941、942、945、951、952、953、958、960、961、962、965、972、973、974、1043、1232、1233、1234、1237、1436、1438、1493、1604、2152、2260、2261、2263、2322、3480、3482、3559、3560、3561、3563、3577、3579、3604、3902、4267、6955、6957、6964、6965、8832、10666、11126、50489、51744、80381、100133941);クラスタリン(CLU;NCBI遺伝子ID:1191);凝固因子(例えば、F7、FXA、;NCBI遺伝子IDs:2155、2159);コラーゲン型IVアルファ鎖(例えば、COL4A1、COL4A2、COL4A3、COL4A4、COL4A5;NCBI遺伝子ID:1282、1284、1285、1286、1287);コレクチンサブファミリーメンバー10(COLEC10;NCBI遺伝子ID:10584);コロニー刺激因子(例えば、CSF1(MCSF)、CSF2(GMCSF)、CSF3(GCSF);NCBI遺伝子ID:1435、1437、1440);補体因子(例えば、C3、C5;NCBI遺伝子ID:718、727);COP9シグナロソームサブユニット5(COPS5;NCBI遺伝子ID:10987);C型レクチンドメインファミリーメンバー(例えば、CLEC4C(CD303)、CLEC9A(CD370)、CLEC12A(CD371);CD371;NCBI遺伝子ID:160364、170482、283420);C-X-Cモチーフケモカインリガンド12(CXCL12;NCBI遺伝子ID:6387);C-X-Cモチーフケモカイン受容体(CXCR1(IL8R1、CD128)、CXCR2(IL8R2、CD182)、CXCR3(CD182、CD183、IP-10R)、CXCR4(CD184);NCBI遺伝子ID:2833、3577、3579、7852);サイクリンD1(CCND1、BCL1;NCBI遺伝子ID:595);サイクリン依存性キナーゼ(例えば、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK12;NCBI遺伝子ID:983、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1024、1025、8558、51755);サイクリンG1(CCNG1;NCBI遺伝子ID:900);シトクロムP450ファミリーメンバー(例えば、CYP2D6、CYP3A4、CYP11A1、CYP11B2、CYP17A1、CYP19A1、CYP51A1;NCBI遺伝子ID:1565、1576、1583、1585、1586、1588、1595);シトクロムp450酸化還元酵
素(POR;NCBI遺伝子ID:5447);サイトカイン誘導性SH2含有タンパク質(CISH;NCBI遺伝子ID:1154);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4、CD152;NCBI遺伝子ID:1493);DEAD-ボックスヘリカーゼ(例えば、DDX5、DDX6、DDX58;NCBI遺伝子ID:1655、1656、23586);デルタ様カノニカルノッチリガンド(例えば、DLL3、DLL4;NCBI遺伝子ID:10683、54567);糖尿病性IAP結合ミトコンドリアタンパク質(Diablo、SMAC;NCBI遺伝子ID:56616);ジアシルグリセロールキナーゼ(例えば、DGKA、DGKZ;NCBI遺伝子ID:1606、8525);dickkopfWNTシグナル伝達経路阻害剤(例えば、DKK1、DKK3;NCBI遺伝子ID:22943、27122);ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR;NCBI遺伝子ID:1719);ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPYD;NCBI遺伝子ID:1806);ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4;NCBI遺伝子ID:1803);ジスコイジンドメイン受容体チロシンキナーゼ(例えば、DDR1(CD167)、DDR2;CD167;NCBI遺伝子ID:780、4921);DNA依存性タンパク質キナーゼ(PRKDC;NCBI遺伝子ID:5591);DNAトポイソメラーゼ(例えば、TOP1、TOP2A、TOP2B、TOP3A、TOP3B;NCBI遺伝子ID:7150、7153、7155、7156、8940);ドーパクローム互変異性体(DCT;NCBI遺伝子ID:1638);ドーパミン受容体D2(DRD2;NCBI遺伝子ID:1318);DOT1様ヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ(DOT1L;NCBI遺伝子ID:84444);エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ3(ENPP3、CD203c;NCBI遺伝子ID:5169);EMAP様4(EML4;NCBI遺伝子ID:27436);エンドグリン(ENG;NCBI遺伝子ID:2022);小胞体アミノペプチダーゼ(例えば、ERAP1、ERAP2;NCBI遺伝子ID:51752、64167);zeste2ポリコーム抑制複合体2サブユニットのエンハンサー(EZH2;NCBI遺伝子ID:2146);エフリン受容体(例えば、EPHA1、EPHA2EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA7、EPHB4;NCBI遺伝子ID:1969、2041、2042、2043、2044、2045、2050);エフリン(例えば、EFNA1、EFNA4、EFNB2;NCBI遺伝子ID:1942、1945、1948);上皮成長因子受容体(例えば、ERBB1(HER1、EGFR)、ERBB1バリアントIII(EGFRvIII)、ERBB2(HER2、NEU、CD340)、ERBB3(HER3)、ERBB4(HER4)NCBI遺伝子ID:1956、2064、2065、2066);上皮細胞接着分子(EPCAM;NCBI遺伝子ID:4072);上皮分裂促進因子(EPGN;NCBI遺伝子ID:255324);真核生物翻訳伸長因子(例えば、EEF1A2、EEF2;NCBI遺伝子ID:1917、1938);真核生物翻訳開始因子(例えば、EIF4A1、EIF5A;NCBI遺伝子ID:1973、1984);エキソポリチン-1(XPO1;NCBI遺伝子ID:7514);ファルネソイドX受容体(NR1H4、FXR;NCBI遺伝子ID:9971);Faリガンド(FASLG、FASL、CD95L、CD178、TNFSF6;NCBI遺伝子ID:356);脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH;NCBI遺伝子ID:2166);脂肪酸シンターゼ(FASN;FAS;NCBI遺伝子ID:2194);Ig受容体のFc断片(例えば、FCER1A、FCGRT、FCGR3A(CD16);NCBI遺伝子ID:2205、2214、2217);Fc受容体様5(FCRL5、CD307;NCBI遺伝子ID:83416);線維芽細胞活性化タンパク質α(FAP;NCBI遺伝子ID:2191);線維芽細胞成長因子受容体(例えば、FGFR1(CD331)、FGFR2(CD332)、FGFR3(CD333)、FGFR4(CD334);NCBI遺伝子ID:2260、2261、2263、2264);線維芽細胞成長因子(例えば、FGF1(FGFアルファ)、FGF2(FGFベータ)、FGF4、FGF5;NCBI遺伝子ID:2246、2247、2249、2250);フィブロネクチン1(FN1、MSF;NCBI遺伝子ID:2335);fms関連受容体チロシンキナーゼ(例えば、FLT1(VEGFR1)、FLT3(STK1、CD135)、FLT4(VEGFR2);NCBI遺伝子ID:2321、2322、2324);fms関連受容体チロシンキナーゼ3リガンド(FLT3LG;NCBI遺伝子ID:2323);病巣接着キナーゼ2(PTK2、FAK1;NCBI遺伝子ID:5747);葉酸加水分解酵素1(FOLH1、PSMA;NCBI遺伝子ID:2346);葉酸受容体1(FOLR1;NCBI遺伝子ID:2348);フォークヘッドボックスタンパク質M1(FOXM1;NCBI遺伝子ID:2305);フルリン(フューリン、PACE;NCBI遺伝子ID:5045);FYNチロシンキナーゼ(FYN、SYN;NCBI遺伝子ID:2534);ガレクチン(例えば、LGALS3、LGALS8(PCTA1)、LGALS9;NCBI遺伝子ID:3958、3964、3965);グルココルチコイド受容体(NR3C1、GR;NCBI遺伝子ID:2908);グルクロニダーゼβ(GUSB;NCBI遺伝子ID:2990);グルタミン酸転移性受容体1(GRM1;NCBI遺伝子ID:2911);グルタミナーゼ(GLS;NCBI遺伝子ID:2744);グルタチオンS-トランスフェラーゼPi(GSTP1;NCBI遺伝子ID:2950);グリコーゲンシンターゼキナーゼ3ベータ(GSK3B;NCBI遺伝子ID:2932);グリピカン3(GPC3;NCBI遺伝子ID:2719);ゴナドトロピン放出ホルモン1(GNRH1;NCBI遺伝子ID:2796);ゴナドトロピン放出ホルモン受容体(GNRHR;NCBI遺伝子ID:2798);GPNMB糖タンパク質NMB(GPNMB、オステオアクチビン;NCBI遺伝子ID:10457);成長分化因子2(GDF2、BMP9;NCBI遺伝子ID:2658);成長因子受容体結合タンパク質2(GRB2、ASH;NCBI遺伝子ID:2885);グアニル酸シクラーゼ2C(GUCY2C、STAR、MECIL、MUCIL、NCBI遺伝子ID:2984);H19インプリントされた母由来発現転写物(H19;NCBI遺伝子ID:283120);HCKプロがん遺伝子、Srcファミリーチロシンキナーゼ(HCK;NCBI遺伝子ID:3055);熱ショックタンパク質(例えば、HSPA5(HSP70、BIP、GRP78)、HSPB1(HSP27)、HSP90B1(GP96);NCBI遺伝子ID:3309、3315、7184);ヘムオキシゲナーゼ(例えば、HMOX1(HO1)、HMOX2(HO1);NCBI遺伝子ID:3162、3163);ヘパラナーゼ(HPSE;NCBI遺伝子ID:10855);A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIM3、CD366;NCBI遺伝子ID:84868);肝成長因子(HGF;NCBI遺伝子ID:3082);HERV-H LTR関連2(HHLA2、B7-H7;NCBI遺伝子ID:11148);ヒスタミン受容体H2(HRH2;NCBI遺伝子ID:3274);ヒストンデアセチラーゼ(例えば、HDAC1、HDAC7、HDAC9;NCBI遺伝子ID:3065、9734、51564);HRasがん原遺伝子、GTPアーゼ(HRAS;NCBI遺伝子ID:3265);低酸素誘導因子(例えば、HIF1A、HIF2A(EPAS1);NCBI遺伝子ID:2034、3091);I-Kappa-Bキナーゼ(IKKベータ;NCBI遺伝子ID:3551、3553);IKAROSファミリー亜鉛フィンガー(IKZF1(LYF1)、IKZF3;NCBI遺伝子ID:10320、22806);免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー11(IGSF11;NCBI遺伝子ID:152404);インドールアミン2、3-ジオキシゲナーゼ(例えば、IDO1、IDO2、NCBI遺伝子ID:3620、169355);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS、CD278;NCBI遺伝子ID:29851);誘導性T細胞共刺激分子リガンド(ICOSLG、B7-H2;NCBI遺伝子ID:23308);インスリン様成長因子受容体(例えば、IGF1R、IGF2R;NCBI遺伝子ID:3480、3482);インスリン様成長因子(例えば、IGF1、IGF2;NCBI遺伝子ID:3479、3481);インスリン受容体(INSR、CD220;NCBI遺伝子ID:3643);インテグリンサブユニット(例えば、ITGA5(CD49e)、ITGAV(CD51)、ITGB1(CD29)、ITGB2(CD18、LFA1、MAC1)、ITGB7;NCBI遺伝子ID:3678、3685、3688、3695、3698);細胞間接着分子1(ICAM1、CD54;NCBI遺伝子ID:3383);インターロイキン1受容体関連キナーゼ4(IRAK4;NCBI遺伝子ID:51135);インターロイキン受容体(例えば、IL2RA(TCGFR、CD25)、IL2RB(CD122)、IL2RG(CD132)、IL3RA、IL6R、IL13RA2(CD213A2)、IL22RA1;NCBI遺伝子ID:3598、3559、3560、3561、3563、3570、58985);インターロイキン(例えば、IL1A、IL1B、IL2、IL3、IL6(HGF)、IL7、IL8(CXCL8)、IL10(TGIF)、IL12A、IL12B、IL15、IL17A(CTLA8)、IL23A、IL24、IL-29(IFNL1);NCBI遺伝子ID:3552、3553、3558、3562、3565、3569、3574、3586、3592、3593、3600、3605、11009、51561、282618);イソクエン酸脱水素酵素(NADP()1)(例えば、IDH1、IDH2;NCBI遺伝子ID:3417、3418);ヤヌスキナーゼ(例えば、JAK1、JAK2、JAK3;NCBI遺伝子ID:3716、3717、3718);カリクレイン関連ペプチダーゼ3(KLK3;NCBI遺伝子ID:354);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、Igドメイン及び長い細胞質尾部(例えば、KIR2DL1(CD158A)、KIR2DL2(CD158B1)、KIR2DL3(CD158B)、KIR2DL4(CD158D)、KIR2DL5A(CD158F)、KIR2DL5B、KIR3DL1(CD158E1)、KIR3DL2(CD158K)、KIR3DP1(CD158c)、KIR2DS2(CD158J);NCBI遺伝子ID:3802、3803、3804、3805、3811、3812、57292、553128、548594、100132285);キラー細胞レクチン様受容体(例えば、KLRC1(CD159A)、KLRC2(CD159c)、KLRC3、KLRRC4、KLRD1(CD94)、KLRG1、KLRK1(NKG2D、CD314);NCBI遺伝子ID:3821、3822、3823、3824、8302、10219、22914);キナーゼ挿入ドメイン受容体(KDR、CD309、VEGFR2;NCBI遺伝子ID:3791);キネシンファミリーメンバー11(KIF11;NCBI遺伝子ID:3832);KiSS-1転移抑制因子(KiSS1;NCBI遺伝子
ID:3814);KITがん原遺伝子、受容体チロシンキナーゼ(KIT、C-KIT、CD117;NCBI遺伝子ID:3815);KRASがん原遺伝子、GTPアーゼ(KRAS;NCBI遺伝子ID:3845);ラクトトランスフェリン(LTF;NCBI遺伝子ID:4057);LCKプロがん遺伝子、Srcファミリーチロシンキナーゼ(LCK;NCBI遺伝子ID:3932);LDL受容体関連タンパク質1(LRP1、CD91、IGFBP3R;NCBI遺伝子ID:4035);ロイシンリッチリピート含有15(LRRC15;NCBI遺伝子ID:131578);白血球免疫グロブリン様受容体(例えば、LILRB1(ILT2、CD85J)、LILRB2(ILT4、CD85D);NCBI遺伝子ID:10288、10859);ロイコトリエンA4ヒドロラーゼ(LTA4H;NCBI遺伝子ID:4048);T細胞の活性化のためのリンカー(LAT;NCBI遺伝子ID:27040);黄体形成ホルモン/絨毛ゴナドトロピン受容体(LHCGR;NCBI遺伝子ID:3973);LY6/PLAURドメイン含有3(LYPD3;NCBI遺伝子ID:27076);リンパ球活性化3(LAG3;CD223;NCBI遺伝子ID:3902);リンパ球抗原(例えば、LY9(CD229)、LY75(CD205);NCBI遺伝子ID:4063、17076);LYNがん原遺伝子、Srcファミリーチロシンキナーゼ(LYN;NCBI遺伝子ID:4067);lypmphocyte細胞質ゾルタンパク質2(LCP2;NCBI遺伝子ID:3937);リジンデメチラーゼ1A(KDM1A;NCBI遺伝子ID:23028);リゾホスファチジン酸受容体1(LPAR1、EDG2、LPA1、GPR26;NCBI遺伝子ID:1902);リシルオキシダーゼ(LOX;NCBI遺伝子ID:4015);リシルオキシダーゼ様2(LOXL2、NCBI遺伝子ID:4017);マクロファージ遊走阻害因子(MIF、GIF;NCBI遺伝子ID:4282);マクロファージ刺激1受容体(MST1R、CD136;NCBI遺伝子ID:4486);MAGEファミリーメンバー(例えば、MAGEA1、MAGEA2、MAGEA2B、MAGEA3、MAGEA4、MAGEA5、MAGEA6、MAGEA10、MAGEA11、MAGEC1、MAGEC2、MAGED1、MAGED2;NCBI遺伝子ID:4100、4101、4102、4103、4104、4105、4109、4110、9500、9947、10916、51438、266740);主要組織適合性複合体(例えば、HLA-A、HLA-E、HLA-F、HLA-G;NCBI遺伝子ID:3105、3133、3134、3135);主要ボールトタンパク質(MVP、VAULT1、NCBI遺伝子ID:9961);MALT1パラカスパーゼ(MALT1;NCBI遺伝子ID:10892);MAPK活性化タンパク質キナーゼ2(MAPKAPK2;NCBI遺伝子ID:9261);MAPK相互作用セリン/スレオニンキナーゼ(例えば、MKNK1、MKNK2;NCBI遺伝子ID:2872、8569);マトリックスメタロペプチダーゼ(例えば、MMP1、MMP2、MMP3、MMP7、MMP8、MMP9、MMP10、MMP11、MMP12、MMP13、MMP14、MMP15、MMP16、MMP17、MMP19、MMP20、MMP21、MMP24、MMP25、MMP26、MMP27、MMP28;NCBI遺伝子ID:4312、4313、4314、4316、4317、4318、4319、4320、4321、4322、4323、4324、4325、4326、4327、9313、10893、56547、64066、64386、79148、118856);MCL1アポトーシス調節物質、BCL2ファミリーメンバー(MCL1;NCBI遺伝子ID:4170);MDM2がん遺伝子(MDM2;NCBI遺伝子ID:4193);p53のMDM4調節物質(MDM4;BMFS6;NCBI遺伝子ID:4194);ラパマイシンキナーゼの機構的標的(MTOR、FRAP1;NCBI遺伝子ID:2475);メラン-A(MLANA;NCBI遺伝子ID:2315);メラノコルチン受容体(MC1R、MC2R;NCBI遺伝子ID:4157、4148);MERがん原遺伝子、チロシンキナーゼ(MERTK;NCBI遺伝子ID:10461);メソセリン(MSLN;NCBI遺伝子ID:10232);METがん原遺伝子、受容体チロシンキナーゼ(MET、c-Met、HGFR;NCBI遺伝子ID:4233);メチオニルアミノペプチダーゼ2(METAP2、MAP2;NCBI遺伝子ID:10988);MHCクラスIポリペプチド関連配列(例えば、MICA、MICB;NCBI遺伝子ID:4277、100507436);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(例えば、MAPK1(ERK2)、MAPK3(ERK1)、MAPK8(JNK1)、MAPK9(JNK2)、MAPK10(JNK3)、MAPK11(p38ベータ)、MAPK12;NCBI遺伝子ID:5594、5595、5599、5600、5601、5602、819251);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼキナーゼ(例えば、MAP3K5(ASK1)、MAP3K8(TPL2、AURA2)、NCBI遺伝子ID:4217、1326);マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ1(HPK1;NCBI遺伝子ID:11184);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼキナーゼ(例えば、MAP2K1(MEK1)、MAP2K2(MEK2)、MAP2K7(MEK7);NCBI遺伝子ID:5604、5605、5609);MPLがん原遺伝子、トロンボポエチン受容体(MPL;NCBI遺伝子ID:4352);ムチン(例えば、MUC1(そのスプライスバリアントを含む(例えば、MUC1/A、C、D、X、Y、Z及びREPを含む))、MUC5AC、MUC16(CA125);NCBI遺伝子ID:4582、4586、94025);MYCがん原遺伝子、bHLH転写因子(MYC;NCBI遺伝子ID:4609);ミオスタチン(MSTN、GDF8;NCBI遺伝子ID:2660);ミリストイル化アラニンリッチタンパク質キナーゼC基質(MARCKS;NCBI遺伝子ID:4082);ナトリウム利尿ペプチド受容体3(NPR3;NCBI遺伝子ID:4883);ナチュラルキラー細胞傷害性受容体3リガンド1(NCR3LG1、B7-H6;NCBI遺伝子ID:374383);ネクジン、MAGEファミリーメンバー(NDN;NCBI遺伝子ID:4692);ネクチン細胞接着分子(例えば、nectin2(CD112、PVRL2)、nectin4(PVRL4);NCBI遺伝子ID:5819、81607);神経細胞接着分子1(NCAM1、CD56;NCBI遺伝子ID:4684);ニューロピリン(例えば、NRP1(CD304、VEGF165R)、NRP2(VEGF165R2);NCBI遺伝子ID:8828、8829);神経栄養受容体チロシンキナーゼ(例えば、NTRK1(TRKA)、NTRK2(TRKB)、NTRK3(TRKC);NCBI遺伝子ID:4914、4915、4916);NFKB活性化タンパク質(NKAP;NCBI遺伝子ID:79576);NIMA関連キナーゼ9(NEK9;NCBI遺伝子ID:91754);NLRファミリーパイリンドメイン含有3(NLRP3、NALP3;NCBI遺伝子ID:114548);ノッチ受容体(例えば、notch1、notch2、notch3、notch4;NCBI遺伝子ID:4851、4853、4854、4855);NRASがん原遺伝子、GTPアーゼ(NRAS;NCBI遺伝子ID:4893);核因子カッパB(NFKB1、NFKB2;NCBI遺伝子ID:4790、4791);核因子、赤血球2様2(NFE2L2;NRF2;NCBI遺伝子ID:4780);核内受容体サブファミリー4グループAメンバー1(NR4A1;NCBI遺伝子ID:3164);ヌクレオリン(NCL;NCBI遺伝子ID:4691);ヌクレオホスミン1(NPM1;NCBI遺伝子ID:4869);ヌクレオチド結合オリゴマー化ドメイン含有2(NOD2;NCBI遺伝子ID:64127);ヌディックスヒドロラーゼ1(NUDT1;NCBI遺伝子ID:4521);O-6-メチルグアニン-DNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT;NCBI遺伝子ID:4255);オピオイド受容体デルタ1(OPRD1;NCBI遺伝子ID:4985);オルニチンデカルボキシラーゼ1(ODC1;NCBI遺伝子ID:4953);オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ(OGDH;NCBI遺伝子ID:4967);副甲状腺ホルモン(PTH;NCBI遺伝子ID:5741);PD-L1(CD274)、NCBI遺伝子ID:29126);ペリオスチン(POSTN;NCBI遺伝子ID:10631);ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(例えば、PPARA(PPARアルファ)、PPARD(PPARデルタ)、PPARG(PPARガンマ);NCBI遺伝子ID:5465、5467、5468);ホスファターゼ及びテンシンホモログ(PTEN;NCBI遺伝子ID:5728);ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ(PIK3CA(PI3Kアルファ)、PIK3B(PI3Kベータ)、PIK3D(PI3Kデルタ)、PIK3CG(PI3Kガンマ);NCBI遺伝子ID:5290、5291、5293、5294);ホスホリパーゼ(例えば、PLA2G1B、PLA2G2A、PLA2G2D、PLA2G3、PLA2G4A、PLA2G5、PLA2G7、PLA2G10、PLA2G12A、PLA2G12B、PLA2G15;NCBI遺伝子ID:5319、5320、5321、5322、7941、8399、50487、23659、26279、81579、84647);Pim原がん遺伝子、セリン/スレオニンキナーゼ(例えば、PIM1、PIM2、PIM3;NCBI遺伝子ID:5292、11040、415116);胎盤成長因子(PGF);NCBI遺伝子ID:5228);プラスミノゲン活性化因子、ウロキナーゼ(PLAU、u-PA、ATF;NCBI遺伝子ID:5328);血小板由来成長因子受容体(例えば、PDGFRA(CD140A、PDGFR2)、FDGFRB(CD140B、PDGFR1);NCBI遺伝子ID:5156、5159);プレキシンB1(PLXNB1;NCBI遺伝子ID:5364);ポリオウイルス受容体(poliovirus receptor、PVR)細胞接着分子(PVR、CD155;NCBI遺伝子ID:5817);ポロ様キナーゼ1(PLK1;NCBI遺伝子ID:5347);ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(例えば、PARP1、PARP2、PARP3;NCBI遺伝子ID:142、10038、10039);ポリコームタンパク質EED(EED;NCBI遺伝子ID:8726);ポルクピンO-アシルトランスフェラーゼ(PORCN;NCBI遺伝子ID:64840);PRAME核受容体転写調節物質(PRAME;NCBI遺伝子ID:23532);プレメラノソームタンパク質(PMEL;NCBI遺伝子ID:6490);プロゲステロン受容体(PGR;NCBI遺伝子ID:5241);プログラム細胞死1(PDCD1、PD-1、CD279;NCBI遺伝子ID:5133);プログラム細胞死1リガンド2(PDCD1LG2、CD273、PD-L2;NCBI遺伝子ID:80380);Prominin1(PROM1、CD133;NCBI遺伝子ID:8842);前骨髄球性白血病(PML;NCBI遺伝子ID:5371);プロピオシン(PSAP;NCBI遺伝子ID:5660);プロスタグ
ランジンE受容体4(PTGER4;NCBI遺伝子ID:5734);プロスタグランジンE合成酵素(PTGES;NCBI遺伝子ID:9536);プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素(PTGS1(COX1)、PTGS2(COX2);NCBI遺伝子ID:5742、5743);プロテアソーム20Sサブユニットベータ9(PSMB9;NCBI遺伝子ID:5698);タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ(例えば、PRMT1、PRMT5;NCBI遺伝子ID:3276、10419);タンパク質キナーゼN3(PKN3;NCBI遺伝子ID:29941);タンパク質ホスファターゼ2A(PPP2CA;NCBI遺伝子ID:5515);タンパク質チロシンキナーゼ7(不活性)(PTK7;NCBI遺伝子ID:5754);タンパク質チロシンホスファターゼ受容体(PTPRB(PTPB)、PTPRC(CD45R);NCBI遺伝子ID:5787、5788);プロチモシンα(PTMA;NCBI遺伝子ID:5757);プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP;NCBI遺伝子ID:4860);プリン作動性受容体P2X7(P2RX7;NCBI遺伝子ID:5027);PVR関連免疫グロブリンドメイン含有(PVRIG、CD112R;NCBI遺伝子ID:79037);Raf-1がん原遺伝子、セリン/スレオニンキナーゼ(Raf1、c-Raf;NCBI遺伝子ID:5894);RAR関連オルファン受容体ガンマ(RORC;NCBI遺伝子ID:6097);RasホモログファミリーメンバーC(RHOC);NCBI遺伝子ID:389);Rasホモログ、mTORC1結合(RHEB;NCBI遺伝子ID:6009);RB転写コリプレッサー1(RB1;NCBI遺伝子ID:5925);受容体相互作用セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ1(RIPK1;NCBI遺伝子ID:8737);レットがん原遺伝子(RET;NCBI遺伝子ID:5979);レチノイン酸初期転写物(例えば、RAET1e、RAET1g、RAET1L;NCBI遺伝子ID:135250、154064、353091);レチノイン酸受容体アルファ(例えば、RARA、RARG;NCBI遺伝子ID:5914、5916);レチノイドX受容体(例えば、RXRA、RXRB、RXRG;NCBI遺伝子ID:6256、6257、6258);Rho関連コイルドコイル含有タンパク質キナーゼ(例えば、ROCK1、ROCK2;NCBI遺伝子ID:6093、9475);リボソームタンパク質S6キナーゼB1(RPS6KB1、S6K-ベータ1;NCBI遺伝子ID:6198);リングフィンガータンパク質128(RNF128、GRAIL;NCBI遺伝子ID:79589);ROSがん原遺伝子1、受容体チロシンキナーゼ(ROS1;NCBI遺伝子ID:6098);ラウンドアバウトガイダンス受容体4(ROBO4;NCBI遺伝子ID:54538);RUNXファミリー転写因子3(RUNX3;NCBI遺伝子ID:864);S100カルシウム結合タンパク質A9(S100A9;NCBI遺伝子ID:6280);分泌型フリットル関連タンパク質2(SFRP2;NCBI遺伝子ID:6423);分泌型ホスホタンパク質1(SPP1;NCBI遺伝子ID:6696);セクレトグロビンファミリー1Aメンバー1(SCGB1A1;NCBI遺伝子ID:7356);セレクチン(例えば、SELE、SELL(CD62L)、SELP(CD62);NCBI遺伝子ID:6401、6402、6403);セマフォリン4D(SEMA4D;CD100;NCBI遺伝子ID:10507);シアル酸結合Ig様レクチン(SIGLEC9(CD329)、SIGLEC10;NCBI遺伝子ID:27180、89790);シグナル調節タンパク質アルファ(SIRPA、CD172A;NCBI遺伝子ID:140885);シグナルトランスデューサ及び転写活性化因子(例えば、STAT1、STAT3、STAT5A、STAT5B;NCBI遺伝子ID:6772、6774、6776、6777);サーチュイン-3(SIRT3;NCBI遺伝子ID:23410);シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAM)ファミリーメンバー(例えば、SLAMF1(CD150)、SLAMF6(CD352)、SLAMF7(CD319)、SLAMF8(CD353)、SLAMF9;NCBI遺伝子ID:56833、57823、89886、114836);SLIT及びNTRK様ファミリーメンバー6(SLITRK6;NCBI遺伝子ID:84189);滑らかな、フリッツルドクラス受容体(SMO;NCBI遺伝子ID:6608);可溶性エポキシド加水分解酵素2(EPHX2;NCBI遺伝子ID:2053);溶質キャリアファミリーメンバー(例えば、SLC3A2(CD98)、SLC5A5、SLC6A2、SLC10A3、SLC34A2、SLC39A6、SLC43A2(LAT4)、SLC44A4;NCBI遺伝子ID:6520、6528、6530、8273、10568、25800、80736、124935);ソマトスタチン受容体(例えば、SSTR1、SSTR2、SSTR3、SSTR4、SSTR5;NCBI遺伝子ID:6751、6752、6753、6754、6755);音波ヘッジホッグシグナル伝達分子(SHH;NCBI遺伝子ID:6469);Sp1転写因子(SP1;NCBI遺伝子ID:6667);スフィンゴシンキナーゼ(例えば、SPHK1、SPHK2;NCBI遺伝子ID:8877、56848);スフィンゴシン-1-リン酸受容体1アゴニスト(S1PR1、CD363;NCBI遺伝子ID:1901);脾臓関連チロシンキナーゼ(SYK;NCBI遺伝子ID:6850);スプライシング因子3B因子1(SF3B1;NCBI遺伝子ID:23451);SRCがん原遺伝子、非受容体チロシンキナーゼ(SRC;NCBI遺伝子ID:6714);スタビリン1(STAB1、CLEVER-1;NCBI遺伝子ID:23166);STEAPファミリーメンバー1(STEAP1;NCBI遺伝子ID:26872);ステロイドスルファターゼ(STS;NCBI遺伝子ID:412);インターフェロン応答cGAMPインタラクター1の刺激剤1(STING1;NCBI遺伝子ID:340061);スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1、ALS1;NCBI遺伝子ID:6647);サイトカインシグナル伝達の抑制因子(SOCS1(CISH1)、SOCS3(CISH3);NCBI遺伝子ID:8651、9021);シナプシン3(SYN3;NCBI遺伝子ID:8224);シンデカン1(SDC1、CD138、シンデカン;NCBI遺伝子ID:6382);シヌクレインアルファ(SNCA、PARK1;NCBI遺伝子ID:6622);T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン含有4(TIMD4、SMUCKLER;NCBI遺伝子ID:91937);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT;NCBI遺伝子ID:201633);タキキニン受容体(例えば、TACR1、TACR3;NCBI遺伝子ID:6869、6870);タンク結合キナーゼ1(TBK1、NCBI遺伝子ID:29110);タンキラーゼ(TNKS、NCBI遺伝子ID:8658);TATAボックス結合タンパク質関連因子、RNAポリメラーゼIサブユニットB(TAF1B;NCBI遺伝子ID:9014);Tボックス転写因子T(TBXT、NCBI遺伝子ID:6862);TCDD誘導性ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(TIPARP、PARP7;NCBI遺伝子ID:25976);リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(TEC);NCBI遺伝子ID:7006);TEK受容体チロシンキナーゼ(TEK、CD202B、TIE2;NCBI遺伝子ID:7010);ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(TERT;NCBI遺伝子ID:7015);テネイシンC(TNC;NCBI遺伝子ID:3371);3プライム修復エキソヌクレアーゼ(例えば、TREX1、TREX2;NCBI遺伝子ID:11277、11219);トロンボモジュリン(THBD、CD141;NCBI遺伝子ID:7056);チミジンキナーゼ(例えば、TK1、TK2;NCBI遺伝子ID:7083、7084);チミジンホスホリラーゼ(TYMP;NCBI遺伝子ID:1890);チミジル酸シンターゼ(TYMS;NCBI遺伝子ID:7298);甲状腺ホルモン受容体(THRA、THRB;NCBI遺伝子ID:7606、7608);甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR;NCBI遺伝子ID:7253);TNFスーパーファミリーメンバー(例えば、TNFSF4(OX40L、CD252),TNFSF5(CD40L)、TNFSF7(CD70)、TNFSF8(CD153、CD30L)、TNFSF9(4-1BB-L、CD137L)、TNFSF10(TRAIL、CD253、APO2L)、TNFSF11(CD254、RANKL2、TRANCE)、TNFSF13(APRIL、CD256、TRAIL2)、TNFSF13b(BAFF、BLYS、CD257)、TNFSF14(CD258、LIGHT)、TNFSF18(GITRL);NCBI遺伝子ID:944、959、970、7292、8600、8740、8741、8743、8744、8995);トール様受容体(例えば、TLR1(CD281)、TLR2(CD282)、TLR3(CD283)、TLR4(CD284)、TLR5、TLR6(CD286)、TLR7、TLR8(CD288)、TLR9(CD289)、TLR10(CD290);NCBI遺伝子ID:7096、7097、7098、7099、10333、51284、51311、54106、81793);トランスフェリン(TF;NCBI遺伝子ID:7018);トランスフェリン受容体(TFRC、CD71;NCBI遺伝子ID:7037);トランスフォーミング成長因子(例えば、TGFA、TGFB1;NCBI遺伝子ID:7039、7040);トランスフォーミング成長因子受容体(例えば、TGFBR1、TGFBR2、TGFBR3;NCBI遺伝子ID:7046、7048、7049);トランスフォーミングタンパク質E7(E7;NCBI遺伝子ID:1489079);トランスグルタミナーゼ5(TGM5;NCBI遺伝子ID:9333);一過性受容体潜在的カチオンチャネルサブファミリーVメンバー1(TRPV1、VR1;NCBI遺伝子ID:7442);膜貫通及び免疫グロブリンドメイン含有2(TMIGD2、CD28H、IGPR1;NCBI遺伝子ID:126259);骨髄細胞で発現するトリガー受容体(例えば、TREM1(CD354)、TREM2;NCBI遺伝子ID:54209、54210);トロフィニン(TRO、MAGED3;NCBI遺伝子ID:7216);トロホブラスト糖タンパク質(TPBG;NCBI遺伝子ID:7162);トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO2;NCBI遺伝子ID:6999);トリプトファンヒドロキシラーゼ(例えば、TPH1、TPH2;NCBI遺伝子ID:7166、121278);腫瘍関連カルシウムシグナルトランスデューサ2(TACSTD2、TROP2;NCBI遺伝子ID:4070);腫瘍壊死因子(TNF;NCBI遺伝子ID:7124);腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーメンバー(例えば、TNFRSF1A(CD120a)、TNFRSF1B(CD120b)、TNFRSF4(OX40)、TNFRSF5(CD40)、TNFRSF6(CD95、FAS受容体)、TNFRSF7(CD27)、TNFRSF8(CD30)、TNFRSF9(CD137、4-1BB)、TNFRSF10A(CD261)、TNFRSF10B(TRAIL、DR5、CD262)、TNFRSF10C、TNFRSF
10D、TNFRSF11A、TNFRSF11B(OPG)、TNFRSF12A、TNFRSF13B、TNFR13C(、CD268、BAFFR)、TNFRSF14(CD270、LIGHTR)、TNFRSF16、TNFRSF17(CD269、BCMA)、TNFRSF18(GITR、CD357)、TNFRSF19、TNFRSF21、TNFRSF25;NCBI遺伝子ID:355、608、939、943、958、3604、4804、4982、7132、7133、7293、8718、8764、8784、8792、8793、8794、8795、8797、23495、27242、51330、55504);腫瘍タンパク質p53(TP53;NCBI遺伝子ID:7157);腫瘍抑制因子2、ミトコンドリアカルシウム調節物質(TUSC2;NCBI遺伝子ID:11334);TYRO3タンパク質チロシンキナーゼ(TYRO3;BYK;NCBI遺伝子ID:7301);チロシナーゼ(TYR;NCBI遺伝子ID:7299);チロシンヒドロキシラーゼ(TH;NCBI遺伝子ID:7054);免疫グロブリン様及びEGF様ドメイン1(例えば、TIE1、TIE1;NCBI遺伝子ID:7075);チロシンプロテインホスファターゼ、非受容体11型(PTPN11、SHP2;NCBI遺伝子ID:5781);ユビキチン結合酵素E2I(UBE2I、UBC9;NCBI遺伝子ID:7329);ユビキチンC末端ヒドロラーゼL5(UCHL5;NCBI遺伝子ID:51377);ユビキチン特異的ペプチダーゼ7(USP7;NCBI遺伝子ID:7874);ユビキチン様修飾剤活性化酵素1(UBA1;NCBI遺伝子ID:7317);UL16結合タンパク質(例えば、ULBP1、ULBP2、ULBP3;NCBI遺伝子ID:79465、80328、80328);バロシン含有タンパク質(VCP、CDC48;NCBI遺伝子ID:7415);血管細胞接着分子1(VCAM1、CD106;NCBI遺伝子ID:7412);血管内皮成長因子(例えば、VEGFA、VEGFB;NCBI遺伝子ID:7422、7423);ビメンチン(VIM;NCBI遺伝子ID:7431);ビタミンD受容体(VDR;NCBI遺伝子ID:7421);Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(VTCN1、B7-H4;NCBI遺伝子ID:79679);Vセット免疫調節性受容体(VSIR、VISTA、B7-H5;NCBI遺伝子ID:64115);WEE1G2チェックポイントキナーゼ(WEE1;NCBI遺伝子ID:7465);WRNRecQ様ヘリカーゼ(WRN;RECQ3;NCBI遺伝子ID:7486);WT1転写因子(WT1;NCBI遺伝子ID:7490);WWドメイン含有転写調節物質1(WWTR1;TAZ;NCBI遺伝子ID:25937);X-Cモチーフケモカインリガンド1(XCL1、ATAC;NCBI遺伝子ID:6375);X-Cモチーフケモカイン受容体1(XCR1、GPR5、CCXCR1;NCBI遺伝子ID:2829);Yes1関連転写調節物質(YAP1;NCBI遺伝子ID:10413);ゼータ鎖関連タンパク質キナーゼ70(ZAP70;NCBI遺伝子ID:7535)。
【0321】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、例えば、以下の阻害剤又はアンタゴニストを含む:タンパク質チロシンホスファターゼ、非受容体型11(PTPN11又はSHP2;NCBI遺伝子ID:5781);骨髄細胞白血病配列1(MCL1)アポトーシス調節物質(NCBI遺伝子ID:4170);マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ1(MAP4K1)(造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)とも呼ばれる、NCBI遺伝子ID:11184));ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ(触媒サブユニットα(PIK3CA;NCBI遺伝子ID:5290を含む)、触媒サブユニットβ(PIK3CB;NCBI遺伝子ID:5291)、触媒サブユニットγ(PIK3CG;NCBI遺伝子ID:5294)、及び触媒サブユニットδ(PIK3CD;NCBI遺伝子ID:5293)、ジアシルグリセロールキナーゼα(DGKA、DAGK、DAGK1、又はDGK-α;NCBI遺伝子ID:1606);5’-ヌクレオチダーゼエクト(NT5E又はCD73;NCBI遺伝子ID:4907);エクトヌクレオシド三リン酸ジホスホ加水分解酵素1(ENTPD1又はCD39;NCBI遺伝子ID:593);トランスフォーミング成長因子β1(TGFB1又はTGFβ;NCBI遺伝子ID:7040);ヘムオキシゲナーゼ1(HMOX1、HO-1、又はHO1;NCBI遺伝子ID:3162);ヘムオキシゲナーゼ2(HMOX2、HO-2、又はHO2;NCBI遺伝子ID:3163);血管内皮成長因子A(VEGFA又はVEGF;NCBI遺伝子ID:7422);erb-b2受容体チロシンキナーゼ2(ERBB2、HER2、HER2/neu、又はCD340;NCBI遺伝子ID:2064)、上皮成長因子受容体(EGFR、ERBB、ERBB1、又はHER1;NCBI遺伝子ID:1956);ALK受容体チロシンキナーゼ(ALK、CD246;NCBI遺伝子ID:238);ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ1(PARP1;NCBI遺伝子ID:142);ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ2(PARP2;NCBI遺伝子ID:10038);TCDD誘導性ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(TIPARP、PARP7;NCBI遺伝子ID:25976);サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4;NCBI遺伝子ID:1019);サイクリン依存性キナーゼ6(CDK6;NCBI遺伝子ID:1021);TNF受容体スーパーファミリーメンバー14(TNFRSF14、HVEM、CD270;NCBI遺伝子ID:8764);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT;NCBI遺伝子ID:201633);X結合アポトーシス阻害剤(XIAP、BIRC4、IAP-3;NCBI遺伝子ID:331);バキュロウイルスIAPリピート含有2(BIRC2、cIAP1;NCBI遺伝子ID:329);バキュロウイルスIAPリピート含有3(BIRC3、cIAP2;NCBI遺伝子ID:330);バキュロウイルスIAP反復含有5(BIRC5、生存;NCBI遺伝子ID:332);C-Cモチーフケモカイン受容体2(CCR2、CD192;NCBI遺伝子ID:729230);C-Cモチーフケモカイン受容体5(CCR5、CD195;NCBI遺伝子ID:1234);C-Cモチーフケモカイン受容体8(CCR8、CDw198;NCBI遺伝子ID:1237);C-X-Cモチーフケモカイン受容体2(CXCR2、CD182;NCBI遺伝子ID:3579);C-X-Cモチーフケモカイン受容体3(CXCR3、CD182、CD183;NCBI遺伝子ID:2833);C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4、CD184;NCBI遺伝子ID:7852);サイトカイン誘導性SH2含有タンパク質(CISH;NCBI遺伝子ID:1154);アルギナーゼ(ARG1(NCBI遺伝子ID:383)、ARG2(NCBI遺伝子ID:384))、炭酸脱水酵素(CA1(NCBI遺伝子ID:759)、CA2(NCBI遺伝子ID:760)、CA3(NCBI遺伝子ID:761)、CA4(NCBI遺伝子ID:762)、CA5A(NCBI遺伝子ID:763)、CA5B(NCBI遺伝子ID:11238)、CA6(NCBI遺伝子ID:765)、CA7(NCBI遺伝子ID:766)、CA8(NCBI遺伝子ID:767)、CA9(NCBI遺伝子ID:768)、CA10(NCBI遺伝子ID:56934)、CA11(NCBI遺伝子ID:770)、CA12(NCBI遺伝子ID:771)、CA13(NCBI遺伝子ID:377677)、CA14(NCBI遺伝子ID:23632))、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素1(PTGS1、COX-1;NCBI遺伝子ID:5742)、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2(PTGS2、COX-2;NCBI遺伝子ID:5743)、分泌型ホスホリパーゼA2、プロスタグランジンE合成酵素(PTGES、PGES;遺伝子ID:9536)、アラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(ALOX5、5-LOX;NCBI遺伝子ID:240)及び/又は可溶性エポキシド加水分解酵素2(EPHX2、SEH;NCBI遺伝子ID:2053);分泌型ホスホリパーゼA2(例えば、PLA2G1B(NCBI遺伝子ID:5319);PLA2G7(NCBI遺伝子ID:7941)、PLA2G3(NCBI遺伝子ID:50487)、PLA2G2A(NCBI遺伝子ID:5320);PLA2G4A(NCBI遺伝子ID:5321);PLA2G12A(NCBI遺伝子ID:81579);PLA2G12B(NCBI遺伝子ID:84647);PLA2G10(NCBI遺伝子ID:8399);PLA2G5(NCBI遺伝子ID:5322);PLA2G2D(NCBI遺伝子ID:26279);PLA2G15(NCBI遺伝子ID:23659));インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1;NCBI遺伝子ID:3620);インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ2(IDO2;NCBI遺伝子ID:169355);低酸素誘導因子1サブユニットα(HIF1A;NCBI遺伝子ID:3091);アンジオポエチン1(ANGPT1;NCBI遺伝子ID:284);内皮TEKチロシンキナーゼ(TIE-2、TEK、CD202B;NCBI遺伝子ID:7010);ヤヌスキナーゼ1(JAK1;NCBI遺伝子ID:3716);カテニンβ1(CTNNB1;NCBI遺伝子ID:1499);ヒストンデアセチラーゼ9(HDAC9;NCBI遺伝子ID:9734)、5’-3’エキソリボヌクレアーゼ1(XRN1;NCBI遺伝子ID:54464)、又はWRN RecQ様ヘリカーゼ(WRN;NCBI遺伝子ID:7486)。
例示的作用機序
免疫チェックポイント調節剤
【0322】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、阻害性免疫チェックポイントタンパク質若しくは受容体の1つ以上の遮断剤若しくは阻害剤、及び/又は1つ以上の刺激性免疫チェックポイントタンパク質若しくは受容体の1つ以上の刺激因子、活性化因子、又はアゴニストとともに投与される。阻害性免疫チェックポイントの遮断又は阻害は、T細胞又はNK細胞活性化を積極的に調節し、腫瘍環境内のがん細胞の免疫逃避を防止することができる。刺激性免疫チェックポイントの活性化又は刺激は、がん治療における免疫チェックポイント阻害剤の効果を増強することができる。様々な実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、T細胞応答を調節する(例えば、Xu,et al.,J Exp Clin Cancer Res.(2018)37:110に概説されている)。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、NK細胞応答を調節する(例えば、Davis,et al.,Semin Immunol(2017)31:64-75、及びChiossone,et al.Nat Rev Immunol.(2018)18(11):671-688に概説されている)。
【0323】
免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の例としては、CD27(NCBI遺伝子ID:939)、CD70(NCBI遺伝子ID:970);CD40(NCBI遺伝子ID:958)、CD40LG(NCBI遺伝子ID:959);CD47(NCBI遺伝子ID:961)、SIRPA(NCBI遺伝子ID:140885);CD48(SLAMF2)、NCBI遺伝子ID:962)膜貫通及び免疫グロブリンドメイン含有2(TMIGD2、CD28H;NCBI遺伝子ID:126259)、CD84(LY9B、SLAMF5;NCBI遺伝子ID:8832)、CD96(NCBI遺伝子ID:10225)、CD160(NCBI遺伝子ID:11126)、MS4A1(CD20;NCBI遺伝子ID:931)、CD244(SLAMF4;NCBI遺伝子ID:51744);CD276(B7H3)、NCBI遺伝子ID:80381);Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(VTCN1、B7H4);Vセット免疫調節性受容体(VSIR、B7H5、VISTA;NCBI遺伝子ID:64115);免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー11(IGSF11、VSIG3;NCBI遺伝子ID:152404);ナチュラルキラー細胞傷害性受容体3リガンド1(NCR3LG1、B7H6;NCBI遺伝子ID:374383);HERV-H LTR関連2(HHLA2、B7H7;NCBI遺伝子ID:11148);誘導性T細胞共刺激分子(ICOS、CD278;NCBI遺伝子ID:29851);誘導性T細胞共刺激分子リガンド(ICOSLG、B7H2;NCBI遺伝子ID:23308);TNF受容体スーパーファミリーメンバー4(TNFRSF4、OX40;NCBI遺伝子ID:7293);TNFスーパーファミリーメンバー4(TNFSF4、OX40L;NCBI遺伝子ID:7292);TNFRSF8(CD30)、NCBI遺伝子ID:943)、TNFSF8(CD30L;NCBI遺伝子ID:944);TNFRSF10A(CD261、DR4、TRAILR1;NCBI遺伝子ID:8797)、TNFRSF9(CD137;NCBI遺伝子ID:3604)、TNFSF9(CD137L;NCBI遺伝子ID:8744);TNFRSF10B(CD262、DR5、TRAILR2;NCBI遺伝子ID:8795)、TNFRSF10(TRAIL;NCBI遺伝子ID:8743);TNFRSF14(HVEM、CD270;NCBI遺伝子ID:8764)、TNFSF14(HVEML;NCBI遺伝子ID:8740);CD272(B及びTリンパ球関連(BTLA);NCBI遺伝子ID:151888);TNFRSF17(BCMA、CD269;NCBI遺伝子ID:608)、TNFSF13B(BAFF;NCBI遺伝子ID:10673);TNFRSF18(GITR;NCBI遺伝子ID:8784)、TNFSF18(GITRL;NCBI遺伝子ID:8995);MHCクラスIポリペプチド関連配列A(MICA;NCBI遺伝子ID:100507436);MHCクラスIポリペプチド関連配列B(MICB;NCBI遺伝子ID:4277);CD274(CD274、PDL1、PD-L1;NCBI遺伝子ID:29126);プログラム細胞死1(PDCD1、PD1、PD-1;NCBI遺伝子ID:5133);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4、CD152;NCBI遺伝子ID:1493);CD80(B7-1)、NCBI遺伝子ID:941)、CD28(NCBI遺伝子ID:940);ネクチン細胞接着分子2(NECTIN2、CD112;NCBI遺伝子ID:5819);CD226(DNAM-1)、NCBI遺伝子ID:10666);ポリオウイルス受容体(PVR)細胞接着分子(PVR、CD155;NCBI遺伝子ID:5817);PVR関連免疫グロブリンドメイン含有(PVRIG、CD112R;NCBI遺伝子ID:79037);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT;NCBI遺伝子ID:201633);T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン含有4(TIMD4;TIM4;NCBI遺伝子ID:91937);A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIMD3、TIM3;NCBI遺伝子ID:84868);ガレクチン9(LGALS9;NCBI遺伝子ID:3965);リンパ球活性化3(LAG3、CD223;NCBI遺伝子ID:3902);シグナル伝達リンパ球活性化分子ファミリーメンバー1(SLAMF1、SLAM、CD150;NCBI遺伝子ID:6504);リンパ球抗原9(LY9、CD229、SLAMF3;NCBI遺伝子ID:4063);SLAMファミリーメンバー6(SLAMF6、CD352;NCBI遺伝子ID:114836);SLAMファミリーメンバー7(SLAMF7、CD319;NCBI遺伝子ID:57823);UL16結合タンパク質1(ULBP1;NCBI遺伝子ID:80329);UL16結合タンパク質2(ULBP2;NCBI遺伝子ID:80328);UL16結合タンパク質3(ULBP3;NCBI遺伝子ID:79465);レチノイン酸初期転写物1E(RAET1E;ULBP4;NCBI遺伝子ID:135250);レチノイン酸初期転写物1G(RAET1G;ULBP5;NCBI遺伝子ID:353091);レチノイン酸初期転写物1L(RAET1L;ULBP6;NCBI遺伝子ID:154064);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR、CD158E1;NCBI遺伝子ID:3811、例えば、リリルマブ(lirilumab)(IPH-2102、IPH-4102));キラー細胞レクチン様受容体C1(KLRC1、NKG2A、CD159A;NCBI遺伝子ID:3821);キラー細胞レクチン様受容体K1(KLRK1、NKG2D、CD314;NCBI遺伝子ID:22914);キラー細胞レクチン様受容体C2(KLRC2、CD159c、NKG2C;NCBI遺伝子ID:3822);キラー細胞レクチン様受容体C3(KLRC3、NKG2E;NCBI遺伝子ID:3823);キラー細胞レクチン様受容体C4(KLRC4、NKG2F;NCBI遺伝子ID:8302);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR2DL1;NCBI遺伝子ID:3802);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端2(KIR2DL2;NCBI遺伝子ID:3803);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端3(KIR2DL3;NCBI遺伝子ID:3804);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR3DL1);キラー細胞レクチン様受容体D1(KLRD1;NCBI遺伝子ID:3824);キラー細胞レクチン様受容体G1(KLRG1;CLEC15A、MAFA、2F1;NCBI遺伝子ID:10219);シアル酸結合Ig様レクチン7(SIGLEC7;NCBI遺伝子ID:27036);並びに、シアル酸結合Ig様レクチン9(SIGLEC9;NCBI遺伝子ID:27180)が挙げられる。
【0324】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、1つ以上のT細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上の遮断剤又は阻害剤とともに投与される。例示的なT細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体は、以下を含む。CD274(CD274、PDL1、PD-L1);プログラム細胞死1リガンド2(PDCD1LG2、PD-L2、CD273);プログラム細胞死1(PDCD1、PD1、PD-1);細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4、CD152);CD276(B7H3);Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(VTCN1、B7H4);Vセット免疫調節性受容体(VSIR、B7H5、VISTA);免疫グロブリンスーパーファミリーメンバー11(IGSF11、VSIG3);TNFRSF14(HVEM、CD270)、TNFSF14(HVEML);CD272(B及びTリンパ球関連(BTLA));PVR関連免疫グロブリンドメイン含有(PVRIG、CD112R);Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT);リンパ球活性化3(LAG3、CD223);A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2、TIMD3、TIM3);ガレクチン9(LGALS9);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR、CD158E1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR2DL1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端2(KIR2DL2);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端3(KIR2DL3);並びに、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR3DL1)。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、1つ以上のT細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上のアゴニスト又は活性化因子とともに投与される。例示的なT細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:CD27、CD70;CD40、CD40LG;誘導性T細胞共刺激分子(ICOS、CD278);誘導性T細胞共刺激分子リガンド(ICOSLG、B7H2);TNF受容体スーパーファミリーメンバー4(TNFRSF4、OX40);TNFスーパーファミリーメンバー4(TNFSF4、OX40L);TNFRSF9(CD137)、TNFSF9(CD137L);TNFRSF18(GITR)、TNFSF18(GITRL);CD80(B7-1)、CD28;ネクチン細胞接着分子2(NECTIN2、CD112);CD226(DNAM-1);CD244(2B4、SLAMF4)、ポリオウイルス受容体(PVR)細胞接着分子(PVR、CD155)。例えば、Xu,et al.,J Exp Clin Cancer Res.(2018)37:110を参照されたい。
【0325】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、1つ以上のNK細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上の遮断剤又は阻害剤とともに投与される。例示的なNK細胞阻害性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR、CD158E1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR2DL1);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端2(KIR2DL2);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、2つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端3(KIR2DL3);キラー細胞免疫グロブリン様受容体、3つのIgドメイン、及び長い細胞質側末端1(KIR3DL1);キラー細胞レクチン様受容体C1(KLRC1、NKG2A、CD159A);キラー細胞レクチン様受容体D1(KLRD1、CD94)、キラー細胞レクチン様受容体G1(KLRG1;CLEC15A、MAFA、2F1);シアル酸結合Ig様レクチン7(SIGLEC7);並びに、シアル酸結合Ig様レクチン9(SIGLEC9)が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、1つ以上のNK細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体の1つ以上のアゴニスト又は活性化因子とともに投与される。例示的なNK細胞刺激性免疫チェックポイントタンパク質又は受容体としては、CD16、CD226(DNAM-1);CD244(2B4、SLAMF4);キラー細胞レクチン様受容体K1(KLRK1、NKG2D、CD314);SLAMファミリーメンバー7(SLAMF7)が挙げられる。例えば、Davis et al.Semin Immunol.(2017)31:64-75;Fang,et al.,Semin Immunol.(2017)31:37-54、及びChiossone,et al.Nat Rev Immunol.(2018)18(11):671-688を参照されたい。
【0326】
いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1(CD274)、PD-1(PDCD1)、CTLA4又はTIGITのタンパク質性(例えば、抗体若しくはその断片、又は抗体ミメティック)阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1(CD274)、PD-1(PDCD1)、CTLA4又はTIGITの小有機分子阻害剤を含む。
【0327】
同時投与され得るCTLA4の阻害剤の例としては、イピリムマブ、トレメリムマブ、BMS-986218、AGEN1181、AGEN1884(ザリフレリマブ)、BMS-986249、MK-1308、REGN-4659、ADU-1604、CS-1002、BCD-145、APL-509、JS-007、BA-3071、ONC-392、AGEN-2041、JHL-1155、KN-044、CG-0161、ATOR-1144、PBI-5D3H5、BPI-002、並びに多重特異性阻害剤FPT-155(CTLA4/PD-L1/CD28)、PF-06936308(PD-1/CTLA4)、MGD-019(PD-1/CTLA4)、KN-046(PD-1/CTLA4)、MEDI-5752(CTLA4/PD-1)、XmAb-20717(PD-1/CTLA4)、及びAK-104(CTLA4/PD-1)が挙げられる。
【0328】
同時投与され得るPD-L1(CD274)又はPD-1(PDCD1)の阻害剤の例としては、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、セミプリマブ、ピディリズマブ(pidilizumab)、AMP-224、MEDI0680(AMP-514)、スパルタリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、BMS-936559、CK-301、PF-06801591、BGB-A317(ティスレリズマブ)、GLS-010(WBP-3055)、AK-103(HX-008)、AK-105、CS-1003、HLX-10、MGA-012、BI-754091、AGEN-2034、JS-001(トリパリマブ)、JNJ-63723283、ゲノリムズマブ(CBT-501)、LZM-009、BCD-100、LY-3300054、SHR-1201、SHR-1210(カムレリズマブ)、Sym-021、ABBV-181、PD1-PIK、BAT-1306、(MSB0010718C)、CX-072、CBT-502、TSR-042(ドスタルリマブ)、MSB-2311、JTX-4014、BGB-A333、SHR-1316、CS-1001(WBP-3155、KN-035、IBI-308(シンチリマブ)、HLX-20、KL-A167、STI-A1014、STI-A1015(IMC-001)、BCD-135、FAZ-053、TQB-2450、MDX1105-01、GS-4224、GS-4416、INCB086550、MAX10181、AGEN2034(バルスチリマブ)、ジムベレリマブ、並びに多重特異性阻害剤FPT-155(CTLA4/PD-L1/CD28)、PF-06936308(PD-1/CTLA4)、MGD-013(PD-1/LAG-3)、FS-118(LAG-3/PD-L1)MGD-019(PD-1/CTLA4)、KN-046(PD-1/CTLA4)、MEDI-5752(CTLA4/PD-1)、RO-7121661(PD-1/TIM-3)、XmAb-20717(PD-1/CTLA4)、AK-104(CTLA4/PD-1)、M7824(PD-L1/TGFβ-ECドメイン)、CA-170(PD-L1/VISTA)、CDX-527(CD27/PD-L1)、LY-3415244(TIM3/PDL1)、及びINBRX-105(4-1BB/PDL1)が挙げられる。
【0329】
同時投与することができるTIGITの阻害剤の例としては、チラゴルマブ(RG-6058)、ビボスタロブ、ドムバナリマブ、AB308、ドムバナリマブ(AB154)、AB308、BMS-986207、AGEN-1307、COM-902、又はエチギリマブが挙げられる。
TNF受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーのアゴニスト又は活性化因子
【0330】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、1つ以上のTNF受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバー、例えば、TNFRSF1A(NCBI遺伝子ID:7132)、TNFRSF1B(NCBI遺伝子ID:7133)、TNFRSF4(OX40、CD134;NCBI遺伝子ID:7293)、TNFRSF5(CD40;NCBI遺伝子ID:958)、TNFRSF6(FAS、NCBI遺伝子ID:355)、TNFRSF7(CD27、NCBI遺伝子ID:939)、TNFRSF8(CD30、NCBI遺伝子ID:943)、TNFRSF9(4-1BB、CD137、NCBI遺伝子ID:3604)、TNFRSF10A(CD261、DR4、TRAILR1、NCBI遺伝子ID:8797)、TNFRSF10B(CD262、DR5、TRAILR2、NCBI遺伝子ID:8795)、TNFRSF10C(CD263、TRAILR3、NCBI遺伝子ID:8794)、TNFRSF10D(CD264、TRAILR4、NCBI遺伝子ID:8793)、TNFRSF11A(CD265、RANK、NCBI遺伝子ID:8792)、TNFRSF11B(NCBI遺伝子ID:4982)、TNFRSF12A(CD266、NCBI遺伝子ID:51330)、TNFRSF13B(CD267、NCBI遺伝子ID:23495)、TNFRSF13C(CD268、NCBI遺伝子ID:115650)、TNFRSF16(NGFR、CD271、NCBI遺伝子ID:4804)、TNFRSF17(BCMA、CD269、NCBI遺伝子ID:608)、TNFRSF18(GITR、CD357、NCBI遺伝子ID:8784)、TNFRSF19(NCBI遺伝子ID:55504)、TNFRSF21(CD358、DR6、NCBI遺伝子ID:27242)、及びTNFRSF25(DR3、NCBI遺伝子ID:8718)のうちの、1つ以上のアゴニストとともに投与される。
【0331】
同時投与され得る例示的な抗TNFRSF4(OX40)抗体としては、MEDI6469、MEDI6383、MEDI0562(タボリキシズマブ(tavolixizumab))、MOXR0916、PF-04518600、RG-7888、GSK-3174998、INCAGN1949、BMS-986178、GBR-8383、ABBV-368、並びに国際公開第2016/179517号、国際公開第2017/096179号、国際公開第2017/096182号、国際公開第2017/096281号、及び国際公開第2018/089628号に記載の抗体が挙げられる。
【0332】
同時投与され得る例示的な抗TNFRSF5(CD40)抗体としては、RG7876、SEA-CD40、APX-005M、及びABBV-428が挙げられる。
【0333】
いくつかの実施形態では、抗TNFRSF7(CD27)抗体バルリルマブ(varlilumab)(CDX-1127)は、同時投与される。
【0334】
同時投与され得る例示的な抗TNFRSF9(4-1BB、CD137)抗体としては、ウレルマブ、ウトミルマブ(utomilumab)(PF-05082566)、AGEN2373、及びADG-106が挙げられる。
【0335】
いくつかの実施形態では、抗TNFRSF17(BCMA)抗体GSK-2857916は、同時投与される。
【0336】
同時投与され得る例示的な抗TNFRSF18(GITR)抗体としては、MEDI1873、FPA-154、INCAGN-1876、TRX-518、BMS-986156、MK-1248、GWN-323、並びに国際公開第2017/096179号、国際公開第2017/096276号、国際公開第2017/096189号、及び国際公開第2018/089628号に記載の抗体が挙げられる。いくつかの実施形態では、抗体又はその断片、共標的化TNFRSF4(OX40)及びTNFRSF18(GITR)は、同時投与される。このような抗体は、例えば、国際公開第2017/096179号及び同第2018/089628号に記載されている。
【0337】
同時投与され得るTNFRSFファミリーメンバーを標的とする二重特異性抗体としては、PRS-343(CD-137/HER2)、AFM26(BCMA/CD16A)、AFM-13(CD16/CD30)、REGN-1979(CD20/CD3)、AMG-420(BCMA/CD3)、INHIBRX-105(4-1BB/PDL1)、FAP-4-IBBL(4-1BB/FAP)、XmAb-13676(CD3/CD20)、RG-7828(CD20/CD3)、CC-93269(CD3/BCMA)、REGN-5458(CD3/BCMA)、及びIMM-0306(CD47/CD20)が挙げられる。
二重特異性T細胞誘導因子(Bi-Specific T-Cell Engager)
【0338】
様々な実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、二重特異性T細胞誘導因子(例えば、Fcを有しない)又は抗CD3二重特異性抗体(例えば、Fcを有する)とともに投与される。同時投与され得る例示的な抗CD3二重特異的抗体又はBiTEとしては、JNJ-64052781(CD19/CD3)、AMG-211(CEA/CD3)、RG7802(CEA/CD3)、ERY-974(CD3/GPC3)、PF-06671008(カドヘリン/CD3)、APVO436(CD123/CD3)、フロテツズマブ(CD123/CD3)、REGN-1979(CD20/CD3)、MCLA-117(CD3/CLEC12A)、JNJ-0819、JNJ-7564(CD3/ヘム)、AMG-757(DLL3-CD3)、AMG-330(CD33/CD3)、AMG-420(BCMA/CD3)、JNJ-63709178(CD123/CD3)、MGD-007(CD3/gpA33)、MGD-009(CD3/B7H3)、IMCgp100(CD3/gp100)、XmAb-14045(CD123/CD3)、XmAb-13676(CD3/CD20)、XmAb-18087(SSTR2/CD3)、カツマキソマブ(CD3/EpCAM)、REGN-4018(MUC16/CD3)、RG-7828(CD20/CD3)、CC-93269(CD3/BCMA)、REGN-5458(CD3/BCMA)、GRB-1302(CD3/Erbb2)、GRB-1342(CD38/CD3)、GEM-333(CD3/CD33)が挙げられるが、これらに限定されない。必要に応じて、抗CD3結合二重特異性分子は、Fcを有しても有しなくてもよい。同時投与され得る例示的な二重特異性T細胞誘導因子は、CD3及び本明細書に記載の腫瘍関連抗原(例えば、CD19(例えば、ブリナツモマブ);CD33(例えば、AMG330);CEA(例えば、MEDI-565);受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)(Gohil et al.Oncoimmunology.(2017)May 17;6(7):e1326437);PD-L1(Horn et al.Oncotarget.2017 Aug 3;8(35):57964-57980);並びに、EGFRvIII(Yang et al.Cancer Lett.2017 Sep 10;403:224-230)が含まれる)を標的とする。
二重及び三重特異性ナチュラルキラー(NK)細胞誘導因子
【0339】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、二重特異性NK細胞誘導因子(bi-specific NK-cell engager、BiKE)若しくは三重特異性NK細胞誘導因子(tri-specific NK-cell engager:TriKE)(例えば、Fcを有しない)、又はNK細胞活性化受容体、例えば、CD16A、C型レクチン受容体(CD94/NKG2C、NKG2D、NKG2E/H、及びNKG2F)、自然細胞傷害性受容体(NKp30、NKp44、及びNKp46)、キラー細胞C型レクチン様受容体(NKp65、NKp80)、Fc受容体FcγR(抗体依存性細胞傷害性を媒介)、SLAMファミリー受容体(例えば、2B4、SLAM6、及びSLAM7)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(killer cell immunoglobulin-like receptors、KIR)(KIR-2DS及びKIR-3DS)、DNAM-1、及びCD137(41BB)に対する二重特異性抗体(例えば、Fcを有する)とともに投与される。同時投与され得る例示的な抗CD16二重特異性抗体、BiKE、又はTriKEとしては、AFM26(BCMA/CD16A)及びAFM-13(CD16/CD30)が挙げられる。必要に応じて、抗CD16結合二重特異性分子は、Fcを有しても有しなくてもよい。同時投与され得る例示的な二重特異性NK細胞誘導因子は、CD16及び本明細書に記載の1つ以上の腫瘍関連抗原(例えば、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD123、EGFR、EpCAM、ガングリオシドGD2、HER2/neu、HLAクラスII、及びFOLR1が含まれる)を標的とする。BiKE及びTriKEについては、例えば、Felices et al.,Methods Mol Biol.(2016)1441:333-346;Fang,et al.,Semin Immunol.(2017)31:37-54を参照されたい。
MCL1アポトーシス調節物質、BCL2ファミリーメンバー(MCL1)阻害剤
【0340】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、MCL1アポトーシス調節因子、BCL2ファミリーメンバー(MCL1、TM;EAT;MCL1L;MCL1S;Mcl-1;BCL2L3;MCL1-ES;bcl2-L-3;mcl1/EAT;NCBI遺伝子ID:4170)の阻害剤とともに投与される。MCL1阻害剤の例としては、AMG-176、AMG-397、S-64315、AZD-5991、483-LM、A-1210477、UMI-77、JKY-5-037、GS-9716及び国際公開第2018/183418号、国際公開第2016/033486号、国際公開第2017/147410号に記載されたものが挙げられる。
SHP2阻害剤
【0341】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、タンパク質チロシンホスファターゼ非受容体11型(PTPN11;BPTP3、CFC、JMML、METCDS、NS1、PTP-1D、PTP2C、SH-PTP2、SH-PTP3、SHP2;NCBI遺伝子ID:5781)の阻害剤とともに投与される。SHP2阻害剤の例としては、TNO155(SHP-099)、RMC-4550、JAB-3068、RMC-4630、並びに国際公開第2018/172984号及び国際公開第2017/211303号に記載されているものが挙げられる。
造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)阻害剤
【0342】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ1(MAP4K1、HPK1;NCBI遺伝子ID:11184)の阻害剤とともに投与される。造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)の阻害剤の例としては、国際公開第2020/092621号、国際公開2018/183956号、国際公開第2018/183964号、国際公開第2018/167147号、国際公開第2018/183964号、国際公開第2016/205942号、国際公開第2018/049214号、国際公開第2018/049200号、国際公開第2018/049191号、国際公開第2018/102366号、国際公開第2018/049152号、及び国際公開第2016/090300号に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK)阻害剤
【0343】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、ASK阻害剤、例えば、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ5(MAP3K5;ASK1、MAPKKK5、MEKK5;NCBI遺伝子ID:4217)の阻害剤とともに投与される。ASK1阻害剤の例としては、国際公開第2011/008709号(Gilead Sciences)及び国際公開第2013/112741号(Gilead Sciences)に記載されているものが挙げられる。
ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤
【0344】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、ブルトンチロシンキナーゼの阻害剤(BTK、AGMX1、AT、ATK、BPK、IGHD3、IMD1、PSCTK1、XLA;NCBI遺伝子ID:695)の阻害剤とともに投与される。BTK阻害剤の例としては、(S)-6-アミノ-9-(1-(ブタ-2-イノイル)ピロリジン-3-イル)-7-(4-フェノキシフェニル)-7H-プリン-8(9H)-オン、アカラブルチニブ(ACP-196)、BGB-3111、CB988、HM71224、イブルチニブ、M-2951(エボブルチニブ)、M7583、チラブルチニブ(ONO-4059)、PRN-1008、スペブルチニブ(CC-292)、TAK-020、ベカブルチニブ、ARQ-531、SHR-1459、DTRMWXHS-12、TAS-5315が挙げられる。
表面抗原分類47(CD47)阻害剤
【0345】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、CD47(IAP、MER6、OA3;NCBI遺伝子ID:961)の阻害剤とともに投与される。CD47阻害剤の例としては、抗CD47 mAbs(Vx-1004)、抗ヒトCD47 mAbs(CNTO-7108)、CC-90002、CC-90002-ST-001、ヒト化抗CD47抗体又はCD47遮断薬(Hu5F9-G4)、NI-1701、NI-1801、RCT-1938、及びTTI-621が挙げられる。いくつかの実施形態では、CD47阻害剤は、マグロリマブである。
SIRPα標的化剤
【0346】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、SIRPα標的化剤(NCBI遺伝子ID:140885;UniProt P78324)とともに投与される。SIRPα標的化剤の例としては、SIRPα阻害剤(AL-008、RRx-001、及びCTX-5861など)、並びに抗SIRPα抗体(FSI-189(GS-0189)、ES-004、BI765063、ADU1805、及びCC-95251など)が挙げられる。使用される追加のSIRPα標的化剤は、例えば、国際公開第2001/40307号、国際公開第2002/092784号、国際公開第2007/133811号、国際公開第2009/046541号、国際公開第2010/083253号、国際公開第2011/076781号、国際公開第2013/056352号、国際公開第2015/138600号、国際公開第2016/179399号、国際公開第2016/205042号、国際公開第2017/178653号、国際公開第2018/026600号、国際公開第2018/057669号、国際公開第2018/107058号、国際公開第2018/190719号、国際公開第2018/210793号、国際公開第2019/023347号、国際公開第2019/042470号、国際公開第2019/175218号、国際公開第2019/183266号、国際公開第2020/013170号及び国際公開第2020/068752号に記載されている。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤
【0347】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1、CDC2;CDC28A;P34CDC2;NCBI遺伝子ID:983);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2、CDKN2;p33(CDK2);NCBI遺伝子ID:1017);サイクリン依存性キナーゼ3(CDK3;NCBI遺伝子ID:1018);サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4、CMM3;PSK-J3;NCBI遺伝子ID:1019);サイクリン依存性キナーゼ6(CDK6、MCPH12;PLSTIRE;NCBI遺伝子ID:1021);サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7、CAK;CAK1;HCAK;MO15;STK1;CDKN7;p39MO15;NCBI遺伝子ID:1022)、又はサイクリン依存性キナーゼ9(CDK9、TAK;C-2k;CTK1;CDC2L4;PITALRE;NCBI遺伝子ID:1025)の阻害剤とともに投与される。CDK1、2、3、4、6、7、及び/又は9の阻害剤としては、アベマシクリブ、アルボシジブ(HMR-1275、フラボピリドール)、AT-7519、ジナシクリブ、イブランス、FLX-925、LEE001、パルボシクリブ、リボシクリブ、リゴセルチブ、セリネクソル、UCN-01、SY1365、CT-7001、SY-1365、G1T38、ミルシクリブ、トリラシクリブ、及びTG-02が挙げられる。
ジスコイジンドメイン受容体(DDR)阻害剤
【0348】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、ジスコイジンドメイン受容体チロシンキナーゼ1(DDR1、CAK、CD167、DDR、EDDR1、HGK2、MCK10、NEP、NTRK4、PTK3、PTK3A、RTK6、TRKE;NCBI遺伝子ID:780);及び/又はジスコイジンドメイン受容体チロシンキナーゼ2(DDR2、MIG20a、NTRKR3、TKT、TYRO10、WRCN;NCBI遺伝子ID:4921)の阻害剤とともに投与される。DDR阻害剤の例としては、ダサチニブ、並びに国際公開第2014/047624号(Gilead Sciences)、米国特許出願公開第2009-0142345号(Takeda Pharmaceutical)、同第2011-0287011号(Oncomed Pharmaceuticals)、国際公開第2013/027802号(Chugai Pharmaceutical)、及び同第2013/034933号(Imperial Innovations)に開示されるものが挙げられる。
標的化E3リガーゼリガンドコンジュゲート
【0349】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、標的E3リガーゼリガンドコンジュゲートとともに投与される。そのようなコンジュゲートは、標的タンパク質結合部分及びE3リガーゼ結合部分(例えば、アポトーシスタンパク質阻害剤(inhibitor of apoptosis protein、IAP)(例えば、XIAP、c-IAP1、c-IAP2、NIL-IAP、Bruce、及び生存)E3ユビキチンリガーゼ結合部分、フォン・ヒッペル-リンダウE3ユビキチンリガーゼ(Von Hippel-Lindau E3 ubiquitin ligase、VHL)結合部分、セレブロンE3ユビキチンリガーゼ結合部分、マウス二重微小2ホモログ(mouse double minute 2 homolog、MDM2)E3ユビキチンリガーゼ結合部分)を有し、例えばユビキチン経路を介して、標的化タンパク質の分解を促進又は増加させるために使用することができる。いくつかの実施形態では、標的化E3リガーゼリガンドコンジュゲートは、本明細書に記載のタンパク質を標的化又は結合する標的化部分又は結合部分と、E3リガーゼリガンド又は結合部分と、を含む。いくつかの実施形態では、標的化E3リガーゼリガンドコンジュゲートは、Cblがん原遺伝子B(Cbl proto-oncogene B、CBLB;Cbl-b、Nbla00127、RNF56;NCBI遺伝子ID:868)及び低酸素誘導因子1サブユニットα(HIF1A;NCBI遺伝子ID:3091)から選択されるタンパク質を標的化又は結合する標的化部分又は結合部分を含む。いくつかの実施形態では、標的化E3リガーゼリガンドコンジュゲートは、キナーゼ阻害剤(例えば、BTK及びE3リガーゼリガンド又は結合部分の、例えば、小分子キナーゼ阻害剤)を含む。例えば、国際公開第2018/098280号を参照されたい。いくつかの実施形態では、標的化E3リガーゼリガンドコンジュゲートは、インターロイキン-1(IL-1)受容体関連キナーゼ4(IRAK-4);急速に加速される線維肉腫(c-RAF、A-RAF、及び/又はB-RAFなどのRAF)、c-Met/p38、又はBRDタンパク質;及び、E3リガーゼリガンド又は結合部分を、標的化又は結合する結合部分を含む。例えば、国際公開第2019/099926号、同第2018/226542号、同第2018/119448号、同第2018/223909号、同第2019/079701号を参照されたい。同時投与され得る追加の標的化E3リガーゼリガンドコンジュゲートは、例えば、国際公開第2018/237026号、国際公開第2019/084026号、国際公開第2019/084030号、国際公開第2019/067733号、国際公開第2019/043217号、国際公開第2019/043208号、及び国際公開第2018/144649号に記載されている。
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤
【0350】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、ヒストンデアセチラーゼ、例えば、ヒストンデアセチラーゼ9(HDAC9、HD7、HD7b、HD9、HDAC、HDAC7、HDAC7B、HDAC9B、HDAC9FL、HDRP、MITR;遺伝子ID:9734)の阻害剤ととともに投与される。HDAC阻害剤の例としては、アベキシノスタット、ACY-241、AR-42、BEBT-908、ベリノスタット、CKD-581、CS-055(HBI-8000)、CUDC-907(フィメピノスタット)、エンチノスタット、モセチノスタット、パノビノスタット、プラシノスタット、キシノスタット(JNJ-26481585)、レスミノスタット、リコリノスタット、ロミデプシン、SHP-141、バルプロ酸(VAL-001)、ボリノスタット、チノスタムスチン、レメチノスタット、及びエンチノスタットが挙げられる。
インドレアミン-ピロール-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO1)阻害剤;
【0351】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1;NCBI遺伝子ID:3620)の阻害剤とともに投与される。IDO1阻害剤の例としては、BLV-0801、エパカドスタット、F-001287、GBV-1012、GBV-1028、GDC-0919、インドキシモッド、NKTR-218、NLG-919系ワクチン、PF-06840003、ピラノナフトキノン誘導体(SN-35837)、レスミノスタット、SBLK-200802、BMS-986205、及びshIDO-ST、EOS-200271、KHK-2455、及びLY-3381916が挙げられる。
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤
【0352】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、ヤヌスキナーゼ1(JAK1、JAK1A、JAK1B、JTK3;NCBI遺伝子ID:3716);ヤヌスキナーゼ2(JAK2、JTK10、THCYT3;NCBI遺伝子ID:3717);及び/又は、ヤヌスキナーゼ3(JAK3、JAK-3、JAK3_HUMAN、JAKL、L-JAK、LJAK;NCBI遺伝子ID:3718)の阻害剤とともに投与される。JAK阻害剤の例としては、AT9283、AZD1480、バリシチニブ、BMS-911543、フェドラチニブ、フィルゴチニブ(GLPG0634)、ガンドチニブ(LY2784544)、INCB039110(イタシチニブ)、レスタウルチニブ、モメロチニブ(CYT0387)、NS-018、パクリチニブ(SB1518)、ペフィシチニブ(ASP015K)、ルキソリチニブ、トファシチニブ(旧タソシチニブ)、INCB052793、及びXL019が挙げられる。
リシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)阻害剤
【0353】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、LOXLタンパク質、例えば、LOXL1(NCBI遺伝子ID:4016)、LOXL2(NCBI遺伝子ID:4017)、LOXL3(NCBI遺伝子ID:84695)、LOXL4(NCBI遺伝子ID:84171)、及び/又はLOX(NCBI遺伝子ID:4015)の阻害剤とともに投与される。LOXL2阻害剤の例としては、国際公開第2009/017833号(Arresto Biosciences)、国際公開第2009/035791号(Arresto Biosciences)、及び国際公開第2011/097513号(Gilead Biologics)に記載の抗体が挙げられる。
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤
【0354】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、マトリックスメタロペプチダーゼ(matrix metallopeptidase、MMP)剤、例えば、MMP1(NCBI遺伝子ID:4312)、MMP2(NCBI遺伝子ID:4313)、MMP3(NCBI遺伝子ID:4314)、MMP7(NCBI遺伝子ID:4316)、MMP8(NCBI遺伝子ID:4317)、MMP9(NCBI遺伝子ID:4318);MMP10(NCBI遺伝子ID:4319);MMP11(NCBI遺伝子ID:4320);MMP12(NCBI遺伝子ID:4321)、MMP13(NCBI遺伝子ID:4322)、MMP14(NCBI遺伝子ID:4323)、MMP15(NCBI遺伝子ID:4324)、MMP16(NCBI遺伝子ID:4325)、MMP17(NCBI遺伝子ID:4326)、MMP19(NCBI遺伝子ID:4327)、MMP20(NCBI遺伝子ID:9313)、MMP21(NCBI遺伝子ID:118856)、MMP24(NCBI遺伝子ID:10893)、MMP25(NCBI遺伝子ID:64386)、MMP26(NCBI遺伝子ID:56547)、MMP27(NCBI遺伝子ID:64066)、及び/又はMMP28(NCBI遺伝子ID:79148)の阻害剤とともに投与される。MMP9阻害剤の例としては、マリマスタット(BB-2516)、シペマスタット(Ro 32-3555)、GS-5745(アンデカリキシマブ)、及び国際公開第2012/027721号(Gilead Biologics)に記載のものが挙げられる。
RAS及びRAS経路阻害剤
【0355】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、KRASプロトオンコジーン、GTPase(KRAS;別名、NS;NS3;CFC2;RALD;K-Ras;KRAS1;KRAS2;RASK2;KI-RAS;C-K-RAS;K-RAS2A;K-RAS2B;K-RAS4A;K-RAS4B;c-Ki-ras2;NCBI遺伝子ID:3845);NRASがん原遺伝子、GTPアーゼ(NRAS;別名、NS6;CMNS;NCMS;ALPS4;N-ras;NRAS1;NCBI遺伝子ID:4893)又はHRASがん原遺伝子、GTPase(HRAS;別名、CTLO;KRAS;HAMSV;HRAS1;KRAS2;RASH1;RASK2;Ki-Ras;p21ras;C-H-RAS;c-K-ras;H-RASIDX;c-Ki-ras;C-BAS/HAS;C-HA-RAS1;NCBI遺伝子ID:3265)の阻害剤とともに投与される。Ras阻害剤は、ポリヌクレオチド(例えば、転写阻害剤)レベル又はポリペプチド(例えば、GTPアーゼ酵素阻害剤)レベルのいずれかで、Rasを阻害することができる。いくつかの実施形態では、阻害剤は、Ras経路における1つ以上のタンパク質を標的とし、例えば、EGFR、Ras、Raf(A-Raf、B-Raf、C-Raf)、MEK(MEK1、MEK2)、ERK、PI3K、AKT、及びmTORのうちの1つ以上を阻害する。同時投与され得る例示的なK-Ras阻害剤としては、KRpep-2(Ac-RRCPLYISYDPVCRR-NH2)(配列番号126)及びKRpep-2d(Ac-RRRRCPLYISYDPVCRRRR-NH2)(配列番号127)を含む、ARS-1620(G12C)、SML-8-73-1(G12C)、化合物3144(G12D)、Kobe0065/2602(RasGTP)、RT11、MRTX-849(G12C)及びK-Ras(G12D)選択的阻害性ペプチドが挙げられる。例示的なKRAS mRNA阻害剤としては、抗KRAS U1アダプタ、AZD-4785、siG12D-LODER(商標)、及びsiG12Dエキソソームが挙げられる。同時投与され得る例示的なMEK阻害剤には、ビニメチニブ、コビメチニブ、PD-0325901、ピマセルチブ、RG-7304、セルメチニブ、トラメチニブ、並びに以下及び本明細書に記載されるものが含まれる。同時投与され得る、例示的なRaf二量体阻害剤として、BGB-283、HM-95573、LXH-254、LY-3009120、RG7304、及びTAK-580が挙げられる。同時投与され得る例示的なERK阻害剤としては、LTT-462、LY-3214996、MK-8353、ラボセルチニブ、及びウリキセルチニブが挙げられる。同時投与され得る例示的なRas GTPアーゼ阻害剤としては、リジゴセルチブが挙げられる。同時投与され得る例示的なPI3K阻害剤としては、イデラリシブ(Zydelig(登録商標))、アルペリシブ、ブパルリシブ、及びピチリシブが挙げられる。同時投与され得る例示的なPI3K/mTOR阻害剤としては、ダクトリシブ、オミパリシブ、及びボキサリシブが挙げられる。いくつかの実施形態では、CDKN2A変異を有するRas駆動がん(例えば、NSCLC)は、MEK阻害剤セルメチニブとCDK4/6阻害剤パルボシクリブとの同時投与によって阻害され得る。例えば、Zhou,et al.,Cancer Lett.2017 Nov 1;408:130-137を参照されたい。また、K-RAS及び変異体N-RASは、不可逆性ERBB1/2/4阻害剤ネラチニブによって減少させることができる。例えば、Booth,et al.,Cancer Biol Ther.2018 Feb 1;19(2):132-137を参照されたい。
マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤
【0356】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ7(MAP2K7、JNKK2、MAPKK7、MEK、MEK7、MKK7、PRKMK7、SAPKK-4、SAPKK4;NCBI遺伝子ID:5609)の阻害剤とともに投与される。MEK阻害剤の例としては、アントロキノノール、ビニメチニブ、コビメチニブ(GDC-0973、XL-518)、MT-144、セルメチニブ(AZD6244)、ソラフェニブ、トラメチニブ(GSK1120212)、ウプロセチブ+トラメチニブ、PD-0325901、ピマセルチブ、LTT462、AS703988、CC-90003、及びレファメチニブが挙げられる。
ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤
【0357】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニット、例えば、ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットアルファ(PIK3CA、CLAPO、CLOVE、CWS5、MCAP、MCM、MCMTC、PI3K、PI3K-α、p110-α;NCBI遺伝子ID:5290);ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットβ(PIK3CB、P110BETA、PI3K、PI3KBETA、PIK3C1;NCBI遺伝子ID:5291);ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットγ(PIK3CG、PI3CG、PI3K、PI3Kγ、PIK3、p110γ、p120-PI3K;遺伝子ID:5494);及び/又はホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットδ(PIK3CD、APDS、IMD14、P110DELTA、PI3K、p110D、NCBI遺伝子ID:5293)の阻害剤と組み合わされる。いくつかの実施形態では、PI3K阻害剤は、pan-PI3K阻害剤である。PI3K阻害剤の例としては、ACP-319、AEZA-129、AMG-319、AS252424、AZD8186、BAY10824391、BEZ235、ブパリシブ(BKM120)、BYL719(アルペリシブ)、CH5132799、コパンリシブ(BAY 80-6946)、デュベリシブ、GDC-0032、GDC-0077、GDC-0941、GDC-0980、GSK2636771、GSK2269557、イデラリシブ(Zydelig(登録商標))、INCB50465、IPI-145、IPI-443、IPI-549、KAR4141、LY294002、LY3023414、MLN1117、OXY111A、PA799、PX-866、RG7604、リゴセルチブ、RP5090、RP6530、SRX3177、タセリシブ、TG100115、TGR-1202(ウムブラリシブ)、TGX221、WX-037、X-339、X-414、XL147(SAR245408)、XL499、XL756、ウォルトマンニン、ZSTK474、並びに国際公開第2005/113556号(ICOS)、国際公開第2013/052699号(Gilead Calistoga)、国際公開第2013/116562号(Gilead Calistoga)、国際公開第2014/100765号(Gilead Calistoga)、国際公開第2014/100767号(Gilead Calistoga)、及び国際公開第2014/201409号(Gilead Sciences)に記載の化合物が挙げられる。
脾臓チロシンキナーゼ(SYK)阻害剤
【0358】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、脾臓関連チロシンキナーゼ(SYK、p72-Syk、遺伝子ID:6850)の阻害剤とともに投与される。SYK阻害剤の例としては、6-(1H-インダゾール-6-イル)-N-(4-モルホリノフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-アミン、BAY-61-3606、セルドゥラチニブ(PRT-062607)、エンストプレチニブ、フォスタマチニブ(R788)、HMPL-523、NVP-QAB 205 AA、R112、R343、タマチニブ(R406)、及び米国特許第8450321号(Gilead Connecticut)に記載されているもの、及び米国特許出願公開第2015/0175616号に記載のものが挙げられる。
Toll様受容体(TLR)アゴニスト
【0359】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、toll様受容体(TLR)のアゴニスト、例えば、TLR1(NCBI遺伝子ID:7096)、TLR2(NCBI遺伝子ID:7097)、TLR3(NCBI遺伝子ID:7098)、TLR4(NCBI遺伝子ID:7099)、TLR5(NCBI遺伝子ID:7100)、TLR6(NCBI遺伝子ID:10333)、TLR7(NCBI遺伝子ID:51284)、TLR8(NCBI遺伝子ID:51311)、TLR9(NCBI遺伝子ID:54106)、及び/又はTLR10(NCBI遺伝子ID:81793)のアゴニストとともに投与される。同時投与され得るTLR7アゴニストの例としては、DS-0509、GS-9620(ベサトリモド(vesatolimod))、ベサトリモド類似体、LHC-165、TMX-101(イミキモド)、GSK-2245035、レシキモド、DSR-6434、DSP-3025、IMO-4200、MCT-465、MEDI-9197、3M-051、SB-9922、3M-052、Limtop、TMX-30X、TMX-202、RG-7863、RG-7795、並びに米国特許出願公開第2010/0143301号(Gilead Sciences)、米国特許出願公開第2011/0098248号(Gilead Sciences)、及び米国特許出願公開第2009/0047249号(Gilead Sciences)、米国特許出願公開第2014/0045849号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0073642号(Janssen)、国際公開第2014/056953号(Janssen)、国際公開第2014/076221号(Janssen)、国際公開第2014/128189号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0350031号(Janssen)、国際公開第2014/023813号(Janssen)、米国特許出願公開第2008/0234251号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2008/0306050号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2010/0029585号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0092485号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0118235号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0082658号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0219615号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0066432号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第20140088085号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0275167号(Novira Therapeutics)、及び米国特許出願公開第2013/0251673号(Novira Therapeutics)に開示される化合物が挙げられる。同時投与され得るTLR7/TLR8アゴニストは、NKTR-262である。同時投与され得るTLR8アゴニストの例としては、E-6887、IMO-4200、IMO-8400、IMO-9200、MCT-465、MEDI-9197、モトリモド、レシキモド、GS-9688、VTX-1463、VTX-763、3M-051、3M-052、並びに米国特許出願公開第2014/0045849号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0073642号(Janssen)、国際公開第2014/056953号(Janssen)、国際公開第2014/076221号(Janssen)、国際公開第2014/128189号(Janssen)、米国特許出願公開第2014/0350031号(Janssen)、国際公開第2014/023813号(Janssen)、米国特許出願公開第2008/0234251号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2008/0306050号(Array Biopharma)、米国特許出願公開第2010/0029585号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0092485号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2011/0118235号(VentirxPharma)、米国特許出願公開第2012/0082658号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2012/0219615号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0066432号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0088085号(Ventirx Pharma)、米国特許出願公開第2014/0275167号(Novira Therapeutics)、及び米国特許出願公開第2013/0251673号(Novira Therapeutics)に開示される化合物が挙げられる。同時投与され得る例示的なTLR9アゴニストとしては、AST-008、CMP-001、IMO-2055、IMO-2125、リテニモド、MGN-1601、BB-001、BB-006、IMO-3100、IMO-8400、IR-103、IMO-9200、アガトリモド、DIMS-9054、DV-1079、DV-1179、AZD-1419、レフトリモド(leftolimod)(MGN-1703)、CYT-003、CYT-003-QbG10、及びPUL-042が挙げられる。TLR3アゴニストの例としては、リンタトリモド(rintatolimod)、ポリ-ICLC、RIBOXXON(登録商標)、Apoxxim、RIBOXXIM(登録商標)、IPH-33、MCT-465、MCT-475、及びND-1.1が挙げられる。
チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)
【0360】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)とともに投与される。TKIは、上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor、EGFR)並びに線維芽細胞成長因子(fibroblast growth factor、FGF)、血小板由来成長因子(platelet-derived growth factor、PDGF)、及び血管内皮成長因子(vascular endothelial growth factor、VEGF)の受容体を標的にし得る。TKIの例としては、アファチニブ、ARQ-087(デラザンチニブ)、asp5878、AZD3759、AZD4547、ブスチニブ、ブリガチニブ、カボザンチニブ、セジラニブ、クレノラニブ、ダコミチニブ、ダサチニブ、ドビチニブ、E-6201、エルダフィチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ギルテリチニブ(ASP-2215)、FP-1039、HM61713、イコチニブ、イマチニブ、KX2-391(Src)、ラパチニブ、レスタウルチニブ、レンバチニブ、ミドスタウリン、ニンテダニブ、ODM-203、オシメルチニブ(AZD-9291)、ポナチニブ、ポジオチニブ、キザルチニブ、ラドチニブ、ロシレチニブ、スルファチニブ(HMPL-012)、スニチニブ、ファミチニブ、L-リンゴ酸、(MAC-4)、ティボアニブ、TH-4000、及びMEDI-575(抗PDGFR抗体)が挙げられるが、これらに限定されない。
化学療法剤
【0361】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、化学療法剤又は抗新生物剤とともに投与される。
【0362】
本明細書で使用される場合、「化学療法剤」又は「化学療法薬」(又は化学療法剤で治療する場合の「化学療法」)という用語は、がんの治療において有用な任意の非タンパク質性(例えば、非ペプチド性)化学化合物を包含することを意味する。化学療法剤の例としては、チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾデパ、カルボクオン、メチュレデパ、及びウレデパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメミロロメラミンを含むエチレンイミン及びメチルアメラミン;アセトゲニン、例えばブラタシン及びブラタシノン;合成類似体トポテカンを含むカンプトテシン;ブリオスタチン、カリスタチン;アドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成類似体を含むCC-1065;クリプトフィシン、特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8;ドラスタチン;合成類似体KW-2189及びCBI-TMIを含むデュオカルマイシン;エリュテロビン;5-アザシチジン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンジスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、シクロホスファミド、グルホスファミド、エボホスファミド、ベンダムスチン、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロルエタミンオキサイド塩酸塩、メルファラン、ノベムビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、及びウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォレムスチン、ロムスチン、ニムスチン及びラニムスチンなどのニトロソウレア;エンジイン抗生物質(例えば、カルシフェマイシン、特にカリケアマイシンγII及びカリケアマイシンphiI1)、ジネマイシンAを含むジネマイシン、クロドロネートなどのビスホスホネート、エスペラマイシン、ネオカルジノスタチンクロモフォア及び関連するクロモタンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マーセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、及びゾルビシンなどの抗生物質;メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗剤;デモプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;クラドリビン、ペントスタチン、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、及びチオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、及びフロクスウリジンなどのピリミジン類似体、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、及びテストトラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎薬;フロリン酸などの葉酸補充剤;ラジウム-223などの放射線療法剤;トリコテセン、特にT-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン;パクリタキセル(TAXOL(登録商標))、アブラキサン、ドセタキセル(TAXOTERE(登録商標))、カバジタキセル、BIND-014、テセタキセルなどのタキソイド;シスプラチン及びカルボプラチン、NC-6004ナノプラチンなどのプラチナ類似体;アセグラトン;アルドホスファミド配糖体;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ヘストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジクオン;エルホルムチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロイコボリン;ロニダミン;メイタンシン及びアンサミトシンなどのメイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;フルオロピリミジン;フォリン酸;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;多糖-K(PSK);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トラベクテジン、トリアジクオン;2,2’,2’’-トリクロロトリエミルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ(thiopeta);クロラムブシル;ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標));6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;バンクリスチン;ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DFMO);レチノイン酸などのレチノイド;カペシタビン;NUC-1031;FOLFOX(フォリン酸、5-フルオロウラシル、オキサリプラチン);FOLFIRI(フォリン酸、5-フルオロウラシル、イリノテカン);FOLFOXIRI(フォリン酸、5-フルオロウラシル、オキサリプラチン、イリノテカン)、FOLFIRINOX(フォリン酸、5-フルオロウラシル、イリノテカン、オキサリプラチン)、及び上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、又は誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。そのような薬剤を抗体又は本明細書に記載の任意の標的薬剤にコンジュゲート化して、抗体薬物コンジュゲート(ADC)又は標的化薬物コンジュゲートを作製することができる。
抗ホルモン剤
【0363】
また、「化学療法剤」の定義には、抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体調節剤(selective estrogen receptor modulator、SERM)などの抗ホルモン剤、酵素アロマターゼの阻害剤、抗アンドロゲン、並びに腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように作用する上記のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体も含まれる。
【0364】
抗エストロゲン及びSERMの例としては、例えば、タモキシフェン(NOLVADEXTMを含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン及びトレミフェン((FARESTON(登録商標))が挙げられる。
【0365】
酵素アロマターゼの阻害剤は、副腎でのエストロゲン産生を調節する。例としては、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール(MEGACE(登録商標))、エキセメスタン、フォルメスタン、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))、アナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))が挙げられる。
【0366】
抗アンドロゲンの例としては、アパルタミド、アビラテロン、エンザルタミド、フルタミド、ガレテロン、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド、ゴセレリン、ODM-201、APC-100、ODM-204が挙げられる。
【0367】
プロゲステロン受容体アンタゴニストの例には、オナプリストンが含まれる。
抗血管新生剤
【0368】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、抗血管新生剤とともに投与される。同時投与され得る抗血管新生剤としては、レチノイド酸及びその誘導体、2-メトキシエストラジオール、ANGIOSTATIN(登録商標)、ENDOSTATIN(登録商標)、レゴラフェニブ、ネクパラニブ、スラミン、スクアラミン、メタロプロテイナーゼ-1の組織阻害剤、メタロプロテイナーゼ-2の組織阻害剤、プラスミノゲン活性化因子阻害剤-1、プラスミノゲン活性化因子阻害剤-2、軟骨由来阻害剤、パクリタキセル(nab-パクリタキセル)、血小板因子4、硫酸プロタミン(クルペイン)、硫酸化キチン誘導体(ズワイ蟹の殻から調製)、硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体(sp-pg)、スタウロスポリン、l-アゼチジン-2-カルボン酸(LACA)などのプロリン類似体を含むマトリックス代謝の調節剤、シスヒドロキシプロリン、d,I-3,4-デヒドロプロリン、チアプロリン、α,α’-ジピリジル、β-アミノプロピオニトリルフマル酸塩、4-プロピル-5-(4-ピリジニル)-2(3h)-オキサゾロン、メトトレキサート、ミトキサントロン、ヘパリン、インターフェロン、2マクログロブリン-血清、メタロプロテイナーゼ-3のニワトリ阻害剤(ChIMP-3)、キモスタチン、β-シクロデキストリンテトラデカ硫酸、エポネマイシン、フマギリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、d-ペニシラミン、β-1~抗コラゲナーゼ血清、アルファ-2-抗プラスミン、ビサントレン、ロベンザリットジナトリウム、n-2-カルボキシフェニル-4-クロロアントニル酸二ナトリウム又は「CCA」、サリドマイド、血管新生抑制ステロイド、カルボキシアミノイミダゾール、BB-94などのメタロプロテイナーゼ阻害剤、タスキニモドなどのS100A9阻害剤が挙げられる。他の抗血管新生剤には、抗体、好ましくは、β-FGF、α-FGF、FGF-5、VEGFアイソフォーム、VEGF-C、HGF/SF及びAng-1/Ang-2というこれらの血管新生成長因子に対するモノクローナル抗体が含まれる。
抗線維化剤
【0369】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、抗線維化剤とともに投与される。同時投与され得る抗線維化剤には、β-アミノプロピオニトリル(beta-aminoproprionitrile、BAPN)などの(例えば、7-B16)化合物だけでなく、リシルオキシダーゼの阻害剤及びコラーゲンの異常な沈着に関連する疾患及び状態の治療におけるそれらの使用に関する米国特許第4965288号、様々な病理学的線維性状態の治療のためにLOXを阻害する化合物に関する米国特許第4997854号に開示された化合物が含まれ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。さらなる例示的な阻害剤は、2-イソブチル-3-フルオロ-、クロロ-、又はブロモ-アリルアミンなどの化合物に関する米国特許第4943593号、米国特許第5021456号、米国特許第5059714号、米国特許第5120764号、米国特許第5182297号、2-(1-ナフチルオキシメミル)-3-フルオロアリルアミンに関する米国特許第5252608号、及び米国特許出願第2004/0248871号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0370】
例示的な抗線維化剤はまた、リジルオキシダーゼの活性部位のカルボニル基と反応する一級アミン、より具体的には、カルボニルと結合した後、共鳴によって安定化された生成物を生成するもの、例えば、エミレンマミン、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、及びそれらの誘導体;セミカルバジド及び尿素誘導体;BAPN又は2-ニトロエチルアミンなどのアミノニトリル、2-ブロモ-エチルアミン、2-クロロエチルアミン、2-トリフルオロエチルアミン、3-ブロモプロピルアミン及びp-ハロベンジルアミンなどの不飽和又は飽和ハロアミン、並びにセレノホモシステインラクトンという一級アミンを含む。
【0371】
他の抗線維化剤は、細胞に浸透する又は浸透しない銅キレート剤である。例示的な化合物には、リシルオキシダーゼによるリシル及びヒドロキシリシル残基の酸化的脱アミノ化に由来するアルデヒド誘導体をブロックする間接的阻害剤が含まれる。例としては、チオラミン、特にD-ペニシラミン、及びその類似体、例えば、2-アミノ-5-メルカプト-5-メチルヘキサン酸、D-2-アミノ-3-メチル-3-((2-アセトアミドエチル)ジチオ)ブタン酸、p-2-アミノ-3-メチル-3-((2-アミノエチル)ジチオ)ブタン酸、ナトリウム-4-(((p-1-ジメチル-2-アミノ-2-カルボキシエチル)ジチオ)ブタン硫酸塩、2-アセトアミドエチル-2-アセトアミドエタンチオールスルファネート、及びナトリウム-4-メルカプトブタンスルフィネート三水和物が挙げられる。
抗炎症剤
【0372】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、抗炎症剤とともに投与される。抗炎症剤の例としては、アルギナーゼ(ARG1(NCBI遺伝子ID:383)、ARG2(NCBI遺伝子ID:384))、炭酸脱水酵素(CA1(NCBI遺伝子ID:759)、CA2(NCBI遺伝子ID:760)、CA3(NCBI遺伝子ID:761)、CA4(NCBI遺伝子ID:762)、CA5A(NCBI遺伝子ID:763)、CA5B(NCBI遺伝子ID:11238)、CA6(NCBI遺伝子ID:765)、CA7(NCBI遺伝子ID:766)、CA8(NCBI遺伝子ID:767)、CA9(NCBI遺伝子ID:768)、CA10(NCBI遺伝子ID:56934)、CA11(NCBI遺伝子ID:770)、CA12(NCBI遺伝子ID:771)、CA13(NCBI遺伝子ID:377677)、CA14(NCBI遺伝子ID:23632))、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素1(PTGS1、COX-1;NCBI遺伝子ID:5742)、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2(PTGS2、COX-2;NCBI遺伝子ID:5743)、分泌型ホスホリパーゼA2、プロスタグランジンE合成酵素(PTGES、PGES;遺伝子ID:9536)、アラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(ALOX5、5-LOX;NCBI遺伝子ID:240)、可溶性エポキシド加水分解酵素2(EPHX2、SEH;NCBI遺伝子ID:2053)及び/又はマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ8(MAP3K8、TPL2;NCBI遺伝子ID:1326)のうちの1つ以上の阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、阻害剤は、二重阻害剤、例えば、COX-2/COX-1、COX-2/SEH、COX-2/CA、COX-2/5-LOXの二重阻害剤である。
【0373】
同時投与され得るプロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ1(PTGS1、COX-1;NCBI遺伝子ID:5742)の阻害剤の例としては、モフェゾラック、GLY-230、及びTRK-700が挙げられる。
【0374】
同時投与され得るプロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ2(PTGS2、COX-2;NCBI遺伝子ID:5743)の阻害剤の例としては、ジクロフェナク、メロキシカム、パレコキシブ、エトリコキシブ、AP-101、セレコキシブ、AXS-06、ジクロフェナクカリウム、DRGT-46、AAT-076、メイスオシュリ、ルミラコキシブ、メロキシカム、バルデコキシブ、ザルトプロフェン、ニメスリド、アニトラザフェン、アプリコキシブ、シミコキシブ、デラコキシブ、フルミゾール、フィロコキシブ、マコキシブ、NS-398、パミコグレル、パレコキシブ、ロベナコキシブ、ロフェコキシブ、ルテカルピン、チルマコキシブ、及びザルトプロフェンが挙げられる。同時投与され得る二重COX1/COX2阻害剤の例としては、HP-5000、ロルノキシカム、ケトロラクトロメタミン、ブロムフェナクナトリウム、ATB-346、HP-5000が挙げられる。同時投与され得る二重COX-2/炭酸脱水酵素(carbonic anhydrase、CA)阻害剤の例としては、ポルマコキシブ及びイムレコキシブが挙げられる。
【0375】
同時投与され得る分泌型ホスホリパーゼA2、プロスタグランジンE合成酵素(PTGES、PGES;遺伝子ID:9536)の阻害剤の例としては、LY3023703、GRC27864、並びに国際公開第2015/158204号、国際公開第2013/024898号、国際公開第2006/063466号、国際公開第2007/059610号、国際公開第2007/124589号、国際公開第2010/100249号、国際公開第2010/034796号、国際公開第2010/034797号、国際公開第2012/022793号、国際公開第2012/076673号、国際公開第2012/076672号、国際公開第2010/034798号、国際公開第2010/034799号、国際公開第2012/022792号、国際公開第2009/103778号、国際公開第2011/048004号、国際公開第2012/087771号、国際公開第2012/161965号、国際公開第2013/118071号、国際公開第2013/072825号、国際公開第2014/167444号、国際公開第2009/138376号、国際公開第2011/023812号、国際公開第2012/110860号、国際公開第2013/153535号、国際公開第2009/130242号、国際公開第2009/146696号、国際公開第2013/186692号、国際公開第2015/059618号、国際公開第2016/069376号、国際公開第2016/069374号、国際公開第2009/117985号、国際公開第2009/064250号、国際公開第2009/064251号、国際公開第2009/082347号、国際公開第2009/117987号、及び国際公開第2008/071173号に記載される化合物が挙げられる。メトホルミンは、COX2/PGE2/STAT3軸を抑制することがさらに見出されており、同時投与することができる。例えば、Tong,et al.,Cancer Lett.(2017)389:23-32、及びLiu,et al.Oncotarget.(2016)7(19):28235-46を参照されたい。
【0376】
同時投与され得る炭酸脱水酵素(例えば、CA1(NCBI遺伝子ID:759)、CA2(NCBI遺伝子ID:760)、CA3(NCBI遺伝子ID:761)、CA4(NCBI遺伝子ID:762)、CA5A(NCBI遺伝子ID:763)、CA5B(NCBI遺伝子ID:11238)、CA6(NCBI遺伝子ID:765)、CA7(NCBI遺伝子ID:766)、CA8(NCBI遺伝子ID:767)、CA9(NCBI遺伝子ID:768)、CA10(NCBI遺伝子ID:56934)、CA11(NCBI遺伝子ID:770)、CA12(NCBI遺伝子ID:771)、CA13(NCBI遺伝子ID:377677)、CA14(NCBI遺伝子ID:23632)のうち1つ以上)の阻害剤の例としては、アセタゾラミド、メタゾラミド、ドルゾラミド、ゾニサミド、ブリンゾラミド、及びジクロフェナミドが挙げられる。同時投与され得る二重COX-2/CA1/CA2阻害剤には、CG100649が含まれる。
【0377】
同時投与され得るアラキドン酸5-リポキシゲナーゼ(ALOX5、5-LOX;NCBI遺伝子ID:240)の阻害剤の例としては、メクロフェナム酸ナトリウム、ジロートンが挙げられる。
【0378】
同時投与され得る可溶性エポキシド加水分解酵素2(EPHX2、SEH;NCBI遺伝子ID:2053)としては、国際公開第2015/148954号に記載されている化合物が挙げられる。同時投与され得るCOX-2/SEHの二重阻害剤としては、国際公開第2012/082647号に記載されている化合物が挙げられる。同時投与され得るSEH及び脂肪酸アミド加水分解酵素の二重阻害剤(FAAH;NCBI遺伝子ID:2166)としては、国際公開第2017/160861号に記載されている化合物が挙げられる。
【0379】
同時投与され得るマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ8の阻害剤の例(MAP3K8、腫瘍進行遺伝子座2、TPL2);NCBI遺伝子ID:1326)としては、GS-4875、GS-5290、BHM-078、並びに例えば、国際公開第2006/124944号、国際公開第2006/124692号、国際公開第2014/064215号、国際公開第2018/005435号、Teli,et al.,J Enzyme Inhib Med Chem.(2012)27(4):558-70、Gangwallet al.Curr Top Med Chem.(2013)13(9):1015-35、Wuet al.Bioorg Med Chem Lett.(2009)19(13):3485-8、Kaila,et al.,Bioorg Med Chem.(2007)15(19):6425-42、及びHu,et al.Bioorg Med Chem Lett.(2011)21(16):4758-61に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
腫瘍酸素化剤
【0380】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、腫瘍酸素化若しくは再酸素化を促進又は増加させるか、又は腫瘍低酸素を予防若しくは低減する薬剤とともに投与される。同時投与され得る例示的な薬剤には、例えば、PT-2977、PT-2385などの低酸素誘導性因子1α(HIF-1α)阻害剤;ベバシズマブ、IMC-3C5、GNR-011、タニビルマブ、LYN-00101、ABT-165などのVEGF阻害剤;並びに/又は、例えば国際公開第2007/137767号、国際公開第2007/139791号、国際公開第2014/107171号、及び国際公開第2016/149562号に記載されているOMX-302及びHNOXタンパク質などの、酸素キャリアタンパク質(例えば、ヘム一酸化窒素及び/又は酸素結合タンパク質(HNOX))が含まれる。
免疫療法剤
【0381】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、免疫療法剤とともに投与される。同時投与され得る免疫療法剤の例としては、アバゴボマブ、AB308、ABP-980、アデカツムマブ、アフツムマブ、アレムツズマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブ、アルシツノマブ、アテゾリズマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブ、ブリナツマブ、ブレンツキシマブ、カンツズマブ、カツマキソマブ、CC49、セツキシマブ、シタツズマブ、シクスツムマブ、クリバツズマブ、コナツムマブ、ダセツズマブ、ダロツズマブ、ダラツズマブ、デツモマブ、ジヌツキシマブ、ドムバナリマブ、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、ドゥシギツマブ、エクロメキシマブ、エロツズマブ、エミベツズマブ、エンシツズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、ファルレツズマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フツキシマブ、ガニツマブ、ゲムツズマブ、ギレンツキシマブ、グレンバツムマブ、イブリツモマブ、イゴボマブ、イムガツズマブ、インダツキシマブ、イノツモマブ、インテツムマブ、イピリムマブ(YERVOY(登録商標)、MDX-010、BMS-734016、及びMDX-101)、イラツムマブ、ラベツズマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、ロルボツズマブ、ルカツムマブ、マパツムマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、ミンレツズマブ、ミツモマブ、モガムリツマブ、モキセツモマブ、ナプツモマブ、ナルナツマブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ、ノフェツモマブ、OBI-833、オビヌツズマブ、オカラツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブ、オレゴボマブ、パニツムマブ、パルサツズマブ、パスドトクス、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペルツズマブ、ピンツモマブ、プリツムマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、サマリズマブ、サツモマブ、シブロツズマブ、シルツキシマブ、ソリトマブ、シムツズマブ、タカツズマブ、タプリツモマブ、テナツモマブ、テプロツムマブ、ティガツズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブ、ウビリツキシマブ、ベルツズマブ、ボルセツズマブ、ボツムマブ、ザルツムマブ、及び3F8が挙げられる。リツキシマブは、辺縁帯リンパ腫、WM、CLL、及び小リンパ球性リンパ腫を含む、緩慢性B細胞がんを治療するために使用することができる。リツキシマブ及び化学療法剤の組み合わせは、特に有効である。
【0382】
例示された治療用抗体は、インジウム-111、イットリウム-90(90Yクリバツズマブ)、又はヨウ素131などの放射性同位体粒子でさらに標識されてもよく、又は組み合わされ得る。
【0383】
いくつかの実施形態では、免疫療法剤は、抗体薬物コンジュゲート(ADC)である。同時投与され得る例示的なADCとしては、薬物コンジュゲート化抗体、その断片、又は上記及び本明細書に列挙されるタンパク質若しくは抗原を標的とする抗体ミメティックが挙げられるが、これらに限定されない。同時投与され得るADCの例としては、ゲムツズマブ、ブレンツキシマブ、トラスツズマブ、イノツズマブ、グレンバツムマブ、アネツズマブ、ミルベツキシマブ、デパツキシズマブ、ロバルピツズマブ、バダツキシマブ、ラベツズマブ、サシツズマブ(例えば、サシツズマブゴビテカン)、リファスツズマブ、インドサツズマブ、ポラツズマブ、ピナツズマブ、コルツキシマブ、インダツキシマブ、ミラツズマブ、ロバルピツズマブ、ABBV-399、AGS-16C3F、ASG-22ME、AGS67E、AMG172、AMG575、BAY1129980、BAY1187982、BAY94-9343、GSK2857916、Humax-TF-ADC、IMGN289、IMGN529、IMGN853、LOP628、PCA062、MDX-1203(BMS936561)、MEDI-547、PF-06263507、PF-06647020、PF-06647263、PF-06664178、RG7450、RG7458、RG7598、SAR566658、SGN-CD19A、SGN-CD33A、SGN-CD70A、SGN-LIV1A、及びSYD985が挙げられる。同時投与され得るADCは、e.g.,Lambert,et al.,Adv Ther(2017)34:1015-1035及びde Goeij,Current Opinion in Immunology(2016)40:14-23に記載されている。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質は、サシツズマブゴビテカンとともに投与される。
【0384】
薬物コンジュゲート化抗体、その断片、又は抗体ミメティックにコンジュゲート化することができる、例示的な治療薬(例えば、抗がん剤又は抗新生物剤)としては、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)、モノメチルオーリスタチンF(MMAF)、カリチアマイシン、アンサミトシン、メイタンシン又はその類似体(例えば、メルタンシン/エムタンシン(DM1)、ラブタンシン/ソラブタンシン(DM4))、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン)、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)DNA架橋剤SC-DR002(D6.5)、デュオカルマイシン、微小管阻害剤(MTI)(例えば、タキサン、ビンカアルカロイド、エポチロン)、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)又はその二量体、及びデュオカルマイシン(A、B1、B2、C1、C2、D、SA、CC-1065)、並びに本明細書に記載の他の抗がん剤又は抗新生物剤が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、薬物コンジュゲート化抗体にコンジュゲートされた治療薬は、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカン又はその活性代謝産物SN38などのカンプトテシン類似体)である。いくつかの実施形態では、薬物コンジュゲート化抗体、その断片、又は抗体ミメティックにコンジュゲート化することができる、治療薬(例えば、抗がん剤又は抗新生物剤)は、免疫チェックポイント阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、コンジュゲート化された免疫チェックポイント阻害剤は、CD274(PDL1、PD-L1)、プログラム細胞死1(PDCD1、PD1、PD-1)、又はCTLA4のコンジュゲート化された小分子阻害剤である。いくつかの実施形態では、CD274又はPDCD1のコンジュゲート化された小分子阻害剤は、GS-4224、GS-4416、INCB086550、及びMAX10181からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、CTLA4のコンジュゲート化された小分子阻害剤は、BPI-002を含む。
がん遺伝子療法及び細胞療法
【0385】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、がん遺伝子療法及び細胞療法とともに投与される。がん遺伝子療法及び細胞療法は、変異又は改変された遺伝子を置換するための正常遺伝子のがん細胞への挿入;変異した遺伝子をサイレンシングする遺伝子修飾;がん細胞を直接死滅させるための遺伝的アプローチ;例えば、がん細胞に対する免疫応答を増強するために、患者自身の免疫系の大部分を置き換える、又はがん細胞を死滅させるために、若しくはがん細胞を発見及び死滅させるために、患者自身の免疫系(T細胞若しくはナチュラルキラー細胞)を活性化するように、設計された免疫細胞の注入;細胞活性を改変して、がんに対する内因性免疫応答性をさらに変更するための遺伝的アプローチを含む。
細胞療法
【0386】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、1つ以上の細胞療法とともに投与される。例示的な細胞療法としては、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、T細胞、サイトカイン誘導キラー(cytokine-induced killer、CIK)細胞、マクロファージ(macrophage、MAC)細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、及び/又は樹状細胞(dendritic cell、DC)の集団の1つ以上の同時投与が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、細胞療法は、T細胞療法、例えば、α/βTCR T細胞、γ/δTCR T細胞、制御性T(Treg)細胞、及び/又はTRuC(商標)T細胞の集団を同時投与することを伴う。いくつかの実施形態では、細胞療法は、NK細胞療法、例えばNK-92細胞の同時投与を伴う。必要に応じて、細胞療法は、対象に対する自家、同系、又は同種の細胞の同時投与を伴い得る。
【0387】
いくつかの実施形態では、細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を含む細胞を同時投与することを伴う。そのような療法では、免疫エフェクタ細胞の集団はCARを発現するように操作され、CARが腫瘍抗原結合ドメインを含む。T細胞療法では、T細胞受容体(T cell receptor、TCR)は、腫瘍細胞の表面に提示される腫瘍由来ペプチドを標的とするように操作される。
【0388】
CARの構造に関して、いくつかの実施形態では、CARは、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態では、細胞内ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、共刺激ドメイン、又は一次シグナル伝達ドメイン及び共刺激ドメインの両方を含む。いくつかの実施形態では、一次シグナル伝達ドメインは、CD3ζ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、共通FcRγ(FCERIG)、FcRβ(FcεRlb)、CD79a、CD79b、FcγRIIa、DAP10、及びDAP12からなる群から選択される1つ以上のタンパク質の機能シグナル伝達ドメインを含む。
【0389】
いくつかの実施形態では、共刺激ドメインは、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、CD83と特異的に結合するリガンド、CDS、ICAM-1、GITR、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRFI)、CD160、CD19、CD4、CD8α、CD8β、IL2Rβ、IL2Rγ、IL7Rα、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、ITGAE、CD103、ITGAL、CD1A(NCBI遺伝子ID:909)、CD1B(NCBI遺伝子ID:910)、CD1C(NCBI遺伝子ID:911)、CD1D(NCBI遺伝子ID:912)、CD1E(NCBI遺伝子ID:913)、ITGAM、ITGAX、ITGB1、CD29、ITGB2(CD18、LFA-1)、ITGB7、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、NKp44、NKp30、NKp46及びNKG2Dからなる群から選択される、1つ以上のタンパク質の機能ドメインを含む。
【0390】
いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは、T細胞受容体のα、β又はζ鎖、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、KIRDS2、OX40、CD2、CD27、ICOS(CD278)、4-1BB(CD137)、GITR、CD40、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、CD160、CD19、IL2Rβ、IL2Rγ、IL7R、ITGA1、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD1A、CD1B、CD1C、CD1D、CD1E、ITGAE、CD103、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB1、CD29、ITGB2(LFA-1、CD18)、ITGB7、TNFR2、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(TACTILE)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、PAG/Cbp、NKp44、NKp30、NKp46、NKG2D、及びNKG2Cからなる群から選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む。
【0391】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のTCR若しくはCAR抗原結合ドメイン又は免疫療法剤(例えば、単一特異性若しくは多重特異性抗体又はその抗原結合断片、又は抗体ミメティック)は、腫瘍関連抗原(tumor-associated antigen、TAA)に結合する。いくつかの実施形態では、腫瘍関連抗原は、CD19;CD123;CD22;CD30;CD171;CS-1(CD2サブセット1、CRACC、SLAMF7、CD319及び19A24とも称される);C型レクチン様分子-1(CLL-1又はCLECLI);CD33;上皮成長因子受容体多様体III(EGFRvlll);ガングリオシドG2(GD2);ガングリオシドGD3(αNeuSAc(2-8)αNeuSAc(2-3)βDGaip(1-4)bDGIcp(1-1)Cer);ガングリオシドGM3(αNeuSAc(2-3)βDGalp(1-4)βDGIcp(1-1)Cer);TNF受容体スーパーファミリーメンバー17(TNFRSF17、BCMA);Tn抗原((Tn Ag)又は(GaINAcu-Ser/Thr));前立腺特異的膜抗原(PSMA);受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(RORI);腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72);CD38;CD44v6;がん胎児性抗原(CEA);上皮細胞接着分子(EPCAM);B7H3(CD276);KIT(CD117);インターロイキン-13受容体サブユニットα-2(IL-13Ra2又はCD213A2);メソテリン;インターロイキン11受容体α(IL-11Ra);前立腺幹細胞抗原(PSCA);プロテアーゼセリン21(テスチシン又はPRSS21);血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2);ルイス(Y)抗原;CD24;血小板由来成長因子受容体β(PDGFR-β);ステージ特異的胎児性抗原-4(SSEA-4);CD20;デルタ様3(DLL3);葉酸受容体α;受容体チロシンプロテインキナーゼ、ERBB2(Her2/neu);ムチン1、細胞表面結合(MUC1);上皮成長因子受容体(EGFR);神経細胞接着分子(NCAM);プロスターゼ;前立腺酸性ホスファターゼ(PAP);伸長因子2変異(ELF2M);エフリンB2;線維芽細胞活性化タンパク質α(FAP);インスリン様成長因子1受容体(IGF-I受容体)、カルボニックアンヒドラーゼIX(CAIX);プロテアソーム(プロソーム、マクロペイン)サブユニット、β型、9(LMP2);糖タンパク質100(gp100);切断点クラスター領域(BCR)及びアベルソンマウス白血病ウイルスがん遺伝子ホモログ1(Abl)(bcr-abl)からなるがん遺伝子融合タンパク質;チロシナーゼ;エフリンA型受容体2(EphA2);フコシルGM1;シアリルルイス接着分子(sLe);トランスグルタミナーゼ5(TGS5);高分子量-黒色腫関連抗原(HMWMAA);o-アセチル-GD2ガングリオシド(OAcGD2);葉酸受容体β;腫瘍内皮マーカー1(TEM1/CD248);腫瘍内皮マーカー7関連(TEM7R);前立腺Iの6つの膜貫通上皮抗原(STEAP1);クローディン6(CLDN6);甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR);Gタンパク質共役型受容体クラスCグループ5、メンバーD(GPRCSD);X染色体オープンリーディングフレーム61(CXORF61);CD97;CD179a;未分化リンパ腫キナーゼ(ALK);ポリシアル酸;胎盤特異的1型(PLAC1);globoHグリコセラミド(GloboH)の六糖部分;乳腺分化抗原(NY-BR-1);ウロプラキン2(UPK2);A型肝炎ウイルス細胞受容体1(HAVCR1);アドレナリン受容体β3(ADRB3);パネキシン3(PANX3);Gタンパク質共役型受容体20(GPR20);リンパ球抗原6複合体、遺伝子座K9(LY6K);嗅覚受容体51E2(ORS IE2);TCRγ代替リーディングフレームタンパク質(TARP);ウイルムス腫瘍タンパク質(WT1);がん/精巣抗原1(NY-ESO-1);がん/精巣抗原2(LAGE-la);黒色腫関連抗原1(MAGE-A1);染色体12pに位置するETS転座多様体遺伝子6(ETV6-AML);精子タンパク質17(SPA17);X抗原ファミリー、メンバー1A(XAGE1);アンジオポエチン結合細胞表面受容体2(Tie2);黒色腫がん精巣抗原-1(MADCT-1);黒色腫がん精巣抗原-2(MAD-CT-2);fos関連抗原1;腫瘍タンパク質p53(p53);p53変異体;プロスタイン;スルビビン;テロメラーゼ;前立腺がん腫瘍抗原-1(PCTA-1又はガレクチン8)、T細胞1によって認識される黒色腫抗原(MelanA又はMARTI);ラット肉腫(Ras)変異体;ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT);肉腫転座切断点;黒色腫アポトーシス阻害剤(ML-IAP);ERG(膜貫通型プロテアーゼ、セリン2(TMPRSS2)ETS融合遺伝子);N-アセチルグルコサミニル転移酵素V(NA17);ペアードボックスタンパク質Pax-3(PAX3);アンドロゲン受容体;サイクリンB1;v-mycトリ骨髄腫ウイルスがん遺伝子神経芽細胞腫由来ホモログ(MYCN);RasホモログファミリーメンバーC(RhoC);チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2);シトクロムP450 1B1(CYP IBI);CCCTC結合因子(亜鉛フィンガータンパク質)様(BORIS又はインプリント部位の調節物質の兄弟)、T細胞によって認識される扁平上皮がん抗原3(SART3);ペアードボックスタンパク質Pax-5(PAX5);プロアクロシン結合タンパク質sp32(OY-TES I);リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK);Aキナーゼアンカータンパク質4(AKAP-4);滑膜肉腫、X切断点2(SSX2);終末糖化産物用受容体(RAGE-I);腎ユビキタス1(RUI);腎ユビキタス2(RU2);レグマイン;ヒト乳頭腫ウイルスE6(HPV E6);ヒト乳頭腫ウイルスE7(HPV E7);腸内カルボキシルエステラーゼ;熱ショックタンパク質70-2変異(mut hsp70-2);CD79a;CD79b;CD72;白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIRI);IgA受容体のFc断片(FCAR又はCD89);白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーAメンバー2(LILRA2);CD300分子様ファミリーメンバーf(CD300LF);C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(CLEC12A);骨髄間質細胞抗原2(BST2);ムチン様ホルモン受容体様2(EMR2)を含むEGF様モジュールリンパ球抗原75(LY75);グリピカン3(GPC3);Fc受容体様5(FCRL5);及び免疫グロブリンλ様ポリペプチド1(IGLL1)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、標的は、MHCに提示される腫瘍関連抗原のエピトープである。
【0392】
いくつかの実施形態では、腫瘍抗原は、CD150、5T4、ActRIIA、B7、TNF受容体スーパーファミリーメンバー17(TNFRSF17、BCMA)、CA-125、CCNA1、CD123、CD126、CD138、CD14、CD148、CD15、CD19、CD20、CD200、CD21、CD22、CD23、CD24、CD25、CD26、CD261、CD262、CD30、CD33、CD362、CD37、CD38、CD4、CD40、CD40L、CD44、CD46、CD5、CD52、CD53、CD54、CD56、CD66a-d、CD74、CD8、CD80、CD92、CE7、CS-1、CSPG4、ED-Bフィブロネクチン、EGFR、EGFRvIII、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、ErbB3、ErbB4、FBP、組み合わせたHER1-HER2、組み合わせたHER2-HER3、HERV-K、HIV-1エンベロープ糖タンパク質gp120、HIV-1エンベロープ糖タンパク質gp41、HLA-DR、HM1.24、HMW-MAA、Her2、Her2/neu、IGF-1R、IL-11Rα、IL-13R-α2、IL-2、IL-22R-α、IL-6、IL-6R、Ia、Ii、L1-CAM、L1細胞接着分子、ルイスY、Ll-CAM、MAGE A3、MAGE-A1、MART-1、MUC1、NKG2Cリガンド、NKG2Dリガンド、NYESO-1、OEPHa2、PIGF、PSCA、PSMA、ROR1、T101、TAC、TAG72、TIM-3、TRAIL-R1、TRAIL-R1(DR4)、TRAIL-R2(DR5)、VEGF、VEGFR2、WT-I、Gタンパク質結合受容体、α-フェトプロテイン(AFP)、血管新生因子、外因性同種結合分子(ExoCBM)、がん遺伝子産物、抗葉酸受容体、c-Met、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン(D1)、エフリンB2、上皮腫瘍抗原、エストロゲン受容体、胎児アセチルコリンe受容体、葉酸結合タンパク質、gp100、B型肝炎表面抗原、κ鎖、κ軽鎖、kdr、λ鎖、リビン、黒色腫関連抗原、メソセリン、マウス二重微小染色体2ホモログ(MDM2)、ムチン16(MUC16)、変異型p53、変異型ras、壊死抗原、がん胎児抗原、ROR2、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、tEGFR、テナシン、P2-ミクログロブリン、Fc受容体様5(FcRL5)から選択される。
【0393】
いくつかの実施形態では、抗原結合ドメインは、主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibility complex、MHC)分子に提示される、標的抗原又は腫瘍関連抗原(TAA)のエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、TAAは、がん精巣抗原である。いくつかの実施形態では、がん精巣抗原は、アクロシン結合タンパク質(ACRBP;CT23、OY-TES-1、SP32;NCBI遺伝子ID:84519)、αフェトプロテイン(AFP;AFPD,FETA,HPAFP;NCBI遺伝子ID:174);Aキナーゼアンカータンパク質4(AKAP4;AKAP82、AKAP-4、AKAP82、CT99、FSC1、HI、PRKA4、hAKAP82、p82;NCBI遺伝子ID:8852)、ATPアーゼファミリーAAAドメイン含有2(ATAD2;ANCCA,CT137,PRO2000;NCBI遺伝子ID:29028)、キネトコア足場1(KNL1;AF15Q14、CASC5、CT29、D40、MCPH4、PPP1R55、Spc7、hKNL-1、hSpc105;NCBI遺伝子ID:57082)、中心体タンパク質55(CEP55;C10orf3、CT111、MARCH、URCC6;NCBI遺伝子ID:55165)、がん/精巣抗原1A(CTAG1A;ESO1;CT6.1;LAGE-2;LAGE2A;NY-ESO-1;NCBI遺伝子ID:246100)、がん/精巣抗原1B(CTAG1B;CT6.1、CTAG、CTAG1、ESO1、LAGE-2、LAGE2B、NY-ESO-1;NCBI遺伝子ID:1485)、がん/精巣抗原2(CTAG2;CAMEL、CT2、CT6.2、CT6.2a、CT6.2b、ESO2、LAGE-1、LAGE2B;NCBI遺伝子ID:30848)、CCCTC結合因子様(CTCFL;BORIS、CT27、CTCF-T、HMGB1L1、dJ579F20.2;NCBI遺伝子ID:140690)、カテニンα2(CTNNA2;CAP-R、CAPR、CDCBM9、CT114、CTNR;NCBI遺伝子ID:1496)、がん/精巣抗原83(CT83;CXorf61、KK-LC-1、KKLC1;NCBI遺伝子ID:203413)、サイクリンA1(CCNA1;CT146;NCBI遺伝子ID:8900)DEAD-box型ヘリカーゼ43(DDX43;CT13,HAGE;NCBI遺伝子ID:55510)、発生多能性関連2(DPPA2;CT100、ECAT15-2、PESCRG1;NCBI遺伝子ID:151871)、胎児及び成体精巣発現1(FATE1;CT43,FATE;NCBI遺伝子ID:89885)、FMR1隣接(FMR1NB;CT37、NY-SAR-35、NYSAR35;NCBI遺伝子ID:158521)、HORMAドメイン含有1(HORMAD1;CT46,NOHMA;NCBI遺伝子ID:84072)、インスリン様成長因子2 mRNA結合タンパク質3(IGF2BP3;CT98、IMP-3、IMP3、KOC、KOC1、VICKZ3;NCBI遺伝子ID:10643)、ロイシンジッパータンパク質4(LUZP4;CT-28、CT-8、CT28、HOM-TES-85;NCBI遺伝子ID:51213)、リンパ球抗原6ファミリーメンバーK(LY6K;CT97、HSJ001348、URLC10、ly-6K;NCBI遺伝子ID:54742)、maelstrom精子形成トランスポゾンサイレンサ(MAEL;CT128、SPATA35;NCBI遺伝子ID:84944)、MAGEファミリーメンバーA1(MAGEA1;CT1.1、MAGE1;NCBI遺伝子ID:4100);MAGEファミリーメンバーA3(MAGEA3;CT1.3、HIP8、HYPD、MAGE3、MAGEA6;NCBI遺伝子ID:4102);MAGEファミリーメンバーA4(MAGEA4;CT1.4、MAGE-41、MAGE-X2、MAGE4、MAGE4A、MAGE4B;NCBI遺伝子ID:4103);MAGEファミリーメンバーA11(MAGEA11;CT1.11、MAGE-11、MAGE11、MAGEA-11;NCBI遺伝子ID:4110);MAGEファミリーメンバーC1(MAGEC1;CT7、CT7.1;NCBI遺伝子ID:9947);MAGEファミリーメンバーC2(MAGEC2;CT10、HCA587、MAGEE1;NCBI遺伝子ID:51438);MAGEファミリーメンバーD1(MAGED1;DLXIN-1,NRAGE;NCBI遺伝子ID:9500);MAGEファミリーメンバーD2(MAGED2;11B6、BARTS5、BCG-1、BCG1、HCA10、MAGE-D2;NCBI遺伝子ID:10916)、キネシンファミリーメンバー20B(KIF20B;CT90、KRMP1、MPHOSPH1、MPP-1、MPP1;NCBI遺伝子ID:9585)、NDC80キネトコア複合体NUF2構成要素(NUF2;CDCA1、CT106、NUF2R;NCBI遺伝子ID:83540)、核外RNA輸送因子2(NXF2;CT39、TAPL-2、TCP11X2;NCBI遺伝子ID:56001)、PASドメイン含有リプレッサ1(PASD1;CT63、CT64、OXTES1;NCBI遺伝子ID:139135)、PDZ結合キナーゼ(PBK;CT84、HEL164、Nori-3、SPK、TOPK;NCBI遺伝子ID:55872)、piwi様RNA媒介遺伝子サイレンシング2(PIWIL2;CT80、HILI、PIWIL1L、mili;NCBI遺伝子ID:55124)、メラノーマ優先発現抗原(PRAME;CT130、MAPE、OIP-4、OIP4;NCBI遺伝子ID:23532)、精子関連抗原9(SPAG9;CT89、HLC-6、HLC4、HLC6、JIP-4、JIP4、JLP、PHET、PIG6;NCBI遺伝子ID:9043)、核X結合ファミリーメンバーA1関連精子タンパク質(SPANXA1;CT11.1、CT11.3、NAP-X、SPAN-X、SPAN-Xa、SPAN-Xb、SPANX、SPANX-A;NCBI遺伝子ID:30014)、SPANXファミリーメンバーA2(SPANXA2;CT11.1、CT11.3、SPANX、SPANX-A、SPANX-C、SPANXA、SPANXC;NCBI遺伝子ID:728712)、SPANXファミリーメンバーC(SPANXC;CT11.3、CTp11、SPANX-C、SPANX-E、SPANXE;NCBI遺伝子ID:64663)、SPANXファミリーメンバーD(SPANXD;CT11.3、CT11.4、SPANX-C、SPANX-D、SPANX-E、SPANXC、SPANXE、dJ171K16.1;NCBI遺伝子ID:64648)、SSXファミリーメンバー1(SSX1;CT5.1,SSRC;NCBI遺伝子ID:6756)、SSXファミリーメンバー2(SSX2;CT5.2、CT5.2A、HD21、HOM-MEL-40、SSX;NCBI遺伝子ID:6757)、シナプトネマ構造タンパク質3(SYCP3;COR1、RPRGL4、SCP3、SPGF4;NCBI遺伝子ID:50511)、精巣発現14細胞間橋形成因子(TEX14;CT113、SPGF23;NCBI遺伝子ID:56155)、転写因子Dpファミリーメンバー3(TFDP3;CT30、DP4、HCA661;NCBI遺伝子ID:51270)、セリンプロテアーゼ50(PRSS50;CT20、TSP50;NCBI遺伝子ID:29122)、TTKプロテインキナーゼ(TTK;CT96、ESK、MPH1、MPS1、MPS1L1、PYT;NCBI遺伝子ID:7272)及びジンクフィンガータンパク質165(ZNF165;CT53、LD65、ZSCAN7;NCBI遺伝子ID:7718)からなる群から選択される。T細胞受容体(TCR)、及び主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に提示されるがん精巣抗原のエピトープに結合するTCR様抗体は、当技術分野で公知であり、本明細書に記載のヘテロ二量体で使用することができる。新生物に関連するがん精巣抗原が、例えば、Gibbs,et al.,Trends Cancer 2018 Oct;4(10):701-712、並びにcta.lncc.br/index.php.のCTデータベースウェブサイト中に要約されている。MHCに提示されるNY-ESO-1のエピトープに結合する例示的なTCR及びTCR様抗体は、例えば、Stewart-Jones,et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2009 Apr 7;106(14):5784-8、国際公開第2005/113595号、同第2006/031221号、同第2010/106431号、同第2016/177339号、同第2016/210365号、同第2017/044661号、同第2017/076308号、同第2017/109496号、同第2018/132739号、同第2019/084538号、同第2019/162043号、同第2020/086158号、及び同第2020/086647号に記載されている。MHCに提示されるPRAMEのエピトープに結合する例示的なTCR及びTCR様抗体は、例えば、国際公開第2011/062634号、同第2016/142783号、同第2016/191246号、同第2018/172533号、同第2018/234319号、及び同第2019/109821号に記載されている。MHCに提示されるMAGEバリアントのエピトープに結合する例示的なTCR及びTCR様抗体は、例えば、国際公開第2007/032255号、同第2012/054825号、同第2013/039889号、同第2013/041865号、同第2014/118236号、同第2016/055785号、同第2017/174822号、同第2017/174823号、同第2017/174824号、同第2017/175006号、同第2018/097951号、同第2018/170338号、同第2018/225732号、及び同第2019/204683号に記載されている。MHCに提示されるαフェトプロテイン(AFP)のエピトープに結合する例示的なTCR及びTCR様抗体は、例えば、国際公開第2015/011450号に記載されている。MHCに提示されるSSX2のエピトープに結合する例示的なTCR及びTCR様抗体は、例えば、国際公開第2020/063488号に記載されている。MHCに提示されるKK-LC-1(CT83)のエピトープに結合する例示的なTCR及びTCR様抗体は、例えば、国際公開第2017189254号に記載されている。
【0394】
細胞療法の例としては、Algenpantucel-L、Sipuleucel-T、(BPX-501)リボゲンレクルセル米国特許第9089520号、国際公開第2016/100236号、AU-105、ACTR-087、活性化された同種異系ナチュラルキラー細胞CNDO-109-AANK、MG-4101、AU-101、BPX-601、FATE-NK100、LFU-835造血幹細胞、イミレクルーセル-T、バルタルーセル-T、PNK-007、UCARTCS1、ET-1504、ET-1501、ET-1502、ET-190、CD19-ARTEMIS、ProHema、FT-1050処理骨髄幹細胞療法、CD4CARNK-92細胞、CryoStim、AlloStim、レンチウイルス形質導入huCART-メソ細胞、CART-22細胞、EGFRt/19-28z/4-1BBL CAR T細胞、自家4H11-28z/fIL-12/EFGRt T細胞、CCR5-SBC-728-HSPC、CAR4-1BBZ、CH-296、dnTGFbRII-NY-ESOc259T、Ad-RTS-IL-12、IMA-101、IMA-201、CARMA-0508、TT-18、CMD-501、CMD-503、CMD-504、CMD-502、CMD-601、CMD-602、CSG-005が挙げられる。
【0395】
いくつかの実施形態において、1つ以上の追加の同時投与される治療薬は、それらの作用機序によって、例えば、以下の群に分類され得る:
・ ペントスタチン又はクラドリビンなどのアデノシンデアミナーゼを標的とする薬剤;
・ GSK2141795などのAKT1を標的とする薬剤;
・ AZD1390などのATMを標的とする薬剤;
・ サーボチニブ、カプマチニブ、テトポニチブ、ABT-700、AG213、JNJ-38877618(OMO-1)、メレスチニブ(merestinib)、HQP-8361、BMS-817378、又はTAS-115などのMETを標的とする薬剤;
・ アントロキノノール、ビニメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、トラメチニブ、アップロセルチブ、ミルダメチニブ(PD-0325901)、ピマセルチブ、レファメチニブ、又は国際公開第2011/008709号、国際公開第2013/112741号、国際公開第2006/124944号、国際公開第2006/124692号、国際公開第2014/064215号、国際公開第2018/005435号、Zhou,et al.,Cancer Lett.2017 Nov 1,408:130-137、Teli,et al.,J Enzyme Inhib Med Chem.(2012)27(4):558-70、Gangwall,et al.,Curr Top Med Chem.(2013)13(9):1015-35、Wu,et al.,Bioorg Med Chem Lett.(2009)19(13):3485-8、Kaila,et al.,Bioorg Med Chem.(2007)15(19):6425-42,若しくはHu,et al.,Bioorg Med Chem Lett.(2011)21(16):4758-61に開示されている化合物などマイトジェン活性化プロテインキナーゼを標的とする薬剤;
・ 国際公開第2018/183956号、国際公開第2018/183964号、国際公開第2018/167147号、国際公開第2018/183964号、国際公開第2016/205942号、国際公開第2018/049214号、国際公開第2018/049200号、国際公開第2018/049191号、国際公開第2018/102366号、国際公開第2018/049152号、国際公開第2020/092528号、国際公開第2020/092621号、又は国際公開第2016/090300号に開示されている化合物などMAP4K1を標的とする薬剤;
・ アグラチマジンベサデノベック(aglatimagene besadenovec)(ProstAtak、PancAtak、GliAtak、GMCI、又はAdV-tk)などのチミジンキナーゼを標的とする薬剤;
・ エノボサーム(GTX-024)又はダロルタミドなどのアンドロゲン受容体を標的とする薬剤;
・ RRx-001、DSP-107、VT-1021、IMM-02、SGN-CD47M、SIRPa-Fc-CD40L(SL-172154)、又はマグロリマブ(magrolimab)などのCD47を標的とする薬剤;
・ ペギロデカキン(AM-0010)(ペグ化IL10)、CA-4948(IRAK4)などのインターロイキン経路を標的とする薬剤;
・ A6、AD-IL24、ネラチニブ、ツカチニブ(ONT 380)、モボセルチニブ(TAK-788)、テセバチニブ、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、トラスツズマブバイオシミマー(HLX-02)、マルゲツキシマブ、BATー8001、ペルツズマブ(Perjeta)、ペグフィルグラスチム、RG6264、ザニダタマブ(ZW25)、カバタク(cavatak)、AIC-100、タグラクソフスプ(SL-401)、HLA-A2402/HLA-A0201制限エピトープペプチドワクチン、ダサチニブ、イマチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブ、レンバチニブメシル酸塩、オフラネルジーンオバデノベック、リンゴ酸カボザンチニブ、AL-8326、ZLJ-33、KBP-7018、リンゴ酸スニチニブ、パゾパニブ誘導体、AGX-73、レバスチニブ、NMS-088、塩酸ルシタニブ、ミドスタウリン、セジラニブ、ドビチニブ、シトラバチニブ、チボザニブ、マシチニブ、レゴラフェニブ、オルベレンバチニブジメシレート(HQP-1351)、カボザンチニブ、ポナチニブ、及びファミチニブL-リンゴ酸、CX-2029(ABBV-2029)、SCB-313、CA-170、COM-701、CDX-301、GS-3583、アスネルセプト(APG-101)、APO-010、又は国際公開第2016/196388号、国際公開第2016/033570号、国際公開第2015/157386号、国際公開第1992/03459号、国際公開第1992/21766号、国際公開第2004/080462号、国際公開第2005/020921号、国際公開第2006/009755号、国際公開第2007/078034号、国際公開第2007/092403号、国際公開第2007/127317号、国際公開第2008/005877号、国際公開第2012/154480号、国際公開第2014/100620号、国際公開第2014/039714号、国際公開第2015/134536号、国際公開第2017/167182号、国際公開第2018/112136号、国際公開第2018/112140号、国際公開第2019/155067号、国際公開第2020/076105号、国際出願PCT/US2019/063091号、国際公開第1917/3692号、国際公開第2016/179517号、国際公開第2017/096179号、国際公開第2017/096182号、国際公開第2017/096281号、国際公開第2018/089628号、国際公開第2017/096179号、国際公開第2018/089628号、国際公開第2018/195321号、国際公開第2020/014643号、国際公開第2019/160882号、国際公開第2018/195321号、国際公開第2001/40307号、国際公開第2002/092784号、国際公開第2007/133811号、国際公開第2009/046541号、国際公開第2010/083253号、国際公開第2011/076781号、国際公開第2013/056352号、国際公開第2015/138600号、国際公開第2016/179399号、国際公開第2016/205042号、国際公開第2017/178653号、国際公開第2018/026600号、国際公開第2018/057669号、国際公開第2018/107058号、国際公開第2018/190719号、国際公開第2018/210793号、国際公開第2019/023347号、国際公開第2019/042470号、国際公開第2019/175218号、国際公開第2019/183266号、国際公開第2020/013170号、国際公開第2020/068752号、Cancer Discov.2019 Jan 9(1):8;若しくはGariepy J.,et al.106th Annu Meet Am Assoc Immunologists(AAI)(May 9-13,San Diego,2019,Abst 71.5)に開示されている化合物などの分化マーカーのクラスターを標的とする薬剤;
・ レトロゾール、アナストロゾール、アミノグルテチミド、酢酸メジストロール(MEGACE(登録商標))、エキセメスタン、フォルメスタン、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))、又はアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標)などのシトクロムP450ファミリーメンバーを標的とする薬剤;
・ MTG-201などのDKK3を標的とする薬剤;
・ プラチディシンなどのEEF1A2を標的とする薬剤;
・ ロヒニチブ(rohinitib)などEIF4A1を標的とする薬剤;
・ TRC105(インフロツキシマブ)などのエンドグリンを標的とする薬剤;
・ ネラチニブ、ツカチニブ(ONT-380)、テセバチニブ、モボセルチニブ(TAK-788)、DZD-9008、バリチニブ、アビベルチニブ(ACEA-0010)、EGF816(ナザルチニブ)、オルムチニブ(BI-1482694)、オシメルチニブ(AZD-9291)、AMG-596、リフィラフェニブ(BGB-283)、ベクチビックス、又はBooth,et al.,Cancer Biol Ther.2018 Feb 1;19(2):132-137に開示されている化合物などのEGFRを標的とする薬剤;
・ エルタネクサ(eltanexor)などのエキソポリチン-1を標的とする薬剤;
・ 国際公開第2017/160861号に開示されている化合物など脂肪酸アミド加水分解酵素を標的とする薬剤;
・ アンロチニブ(anlotinib)などの熱ショックタンパク質90ベータファミリーメンバー1を標的とする薬剤;
・ SAR441000などのインターロイキンを標的とする薬剤;
・ ルキソテミチド(LTX-315)などのラクトフェリンを標的とする薬剤;
・ 米国特許第4965288号、米国特許第4997854号、米国特許第4943593号、米国特許第5021456号、米国特許第5059714号、米国特許第5120764号、米国特許第5182297号、米国特許第5252608号、又は米国特許出願公開第2004/0248871号に開示されている化合物などのリシルオキシダーゼを標的とする薬剤;
・ KITE-718、MAGE-A10C796T、又はMAGE-A10TCRなどのMAGEファミリーメンバーを標的とする薬剤;
・ 国際公開第2012/027721号に開示されている化合物などの、マトリックスメタロペプチダーゼ9を標的とする薬剤;
・ タポトクラクス(tapotoclax)(AMG-176)、AMG-397、S-64315、AZD-5991、483-LM、A-1210477、UMI-77、又は国際公開第2018/183418号、国際公開第2016/033486号、又は国際公開第2017/147410号に開示されている化合物などMCL1を標的とする薬剤;
・ ALRN-6924、CMG-097、ミラデメタンモノトシレート一水和物(DS-3032b)、又はAMG-232などのMDM2を標的とする薬剤;
・ ALRN-6924などのMDM4を標的とする薬剤;
・ MART-1 F5 TCR操作PBMCなどの、メラン-Aを標的とする薬剤;
・ CSG-MESO又はTC-210などの、メソテリンを標的とする薬剤;
・ M8891又はAPL-1202などのMETAP2を標的とする薬剤;
・ BMS-986299などのNLRP3を標的とする薬剤;
・ デビミスタット(devimistat)(CPI-613)などのオキソグルタレートデヒドロゲナーゼを標的とする薬剤;
・ アフリベルセプトなどの胎盤成長因子を標的とする薬剤;
・ TRI-CYCLEN LO(ノルエチンドロン+エチニルエストラジオール)などのプロゲステロン受容体を標的とする薬剤;
・ GRC 27864又は国際公開第2015/158204号、国際公開第2013/024898号、国際公開第2006/063466号、国際公開第2007/059610号、国際公開第2007/124589号、国際公開第2010/100249号、国際公開第2010/034796号、国際公開第2010/034797号、国際公開第2012/022793号、国際公開第2012/076673号、国際公開第2012/076672号、国際公開第2010/034798号、国際公開第2010/034799号、国際公開第2012/022792号、国際公開第2009/103778号、国際公開第2011/048004号、国際公開第2012/087771号、国際公開第2012/161965号、国際公開第2013/118071号、国際公開第2013/072825号、国際公開第2014/167444号、国際公開第2009/138376号、国際公開第2011/023812号、国際公開第2012/110860号、国際公開第2013/153535号、国際公開第2009/130242号、国際公開第2009/146696号、国際公開第2013/186692号、国際公開第2015/059618号、国際公開第2016/069376号、国際公開第2016/069374号、国際公開第2009/117985号、国際公開第2009/064250号、国際公開第2009/064251号、国際公開第2009/082347号、国際公開第2009/117987号、国際公開第2008/071173号、若しくはTong,et al.,Cancer Lett.(2017)389:23-32;Liu,et al.,Oncotarget.(2016)7(19):28235-46に開示されている化合物などのプロスタグランジンEシンターゼを標的とする薬剤;
・ CC-95251、GS-0189(FSI-189)、ES-004、BI765063、ADU1805、AL-008、BAT-6030、APX-700、CTX-5861、又はRRx-001のようなシグナル調節タンパク質アルファを標的とする薬剤;
・ 国際公開第2015/148954号、国際公開第2012/082647号、又は国際公開第2017/160861号に開示されている化合物などのSLC10A3を標的とする薬剤;
・ 国際公開第2019/103203号に開示されている化合物などトランスフォーミング成長因子アルファを標的とする薬剤;
・ ケベトリン(kevetrin)(刺激剤)などの腫瘍タンパク質p53を標的とする薬剤;
・ アフリベルセプトなどの血管内皮成長因子Aを標的とする薬剤;
・ フルキノチニブ又はMP0250などの血管内皮成長因子受容体を標的とする薬剤;
・ CA-170、又はHMBD-002などのVISTAを標的とする薬剤;
・ アダボセルチブ(adavosertib)(AZD-1775)などのWEE1を標的とする薬剤;
・ イマチニブ、レバスチニブ、アシミニブ、ポナチニブ(ICLUSIG(登録商標))などのABL1を標的とする小分子阻害剤;
・ CPI-444、AZD-4635、プレラデナント、又はPBF-509などの、アデノシン受容体を標的とする小分子アンタゴニスト;
・ アパルタミド、エンザルタミド、フルタミド、ガレテロン、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、ゴセリン、ODM-201、APC-100、又はODM-204などのアンドロゲン受容体を標的とする小分子アンタゴニスト;
・ メクロフェナム酸ナトリウム又はジロートンなどのアラキドン酸5-リポキシゲナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ BAY-937、セララセルチブ(AZD6738)、AZD6783、VX-803、又はVX-970(ベルゾセルチブ)などのATRセリン/スレオニンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ ベンセンチニブ(BGB-324)、SLC-0211、又はギルテリチニブ(Axl/Flt3)などのAXL受容体チロシンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ (S)-6-アミノ-9-(1-(ブト-2-イノイル)ピロリジン-3-イル)-7-(4-フェノキシフェニル)-7H-プリン-8(9H)-one、アカラブルチニブ(ACP-196)、ザヌブルチニブ(BGB-3111)、CB988、ポセルチニブ(HM71224)、イブルチニブ(イムブルビカ(Imbruvica))、M-2951(エボブルチニブ)、チラブルチニブ(ONO-4059)、リルザブルチニブ(PRN-1008)、スペブルチニブ(CC-292)、ベカブルチニブ、ARQ-531(MK-1026)、SHR-1459、DTRMWXHS-12、又はTAS-5315などのブルトンチロシンキナーゼ(BTK)を標的とする小分子阻害剤;
・ ラロトレクチニブ、エントレクチニブ、又はセリトレクチニブ(LOXO-195)などの神経栄養受容体チロシンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ エントレクチニブ、レポトレクチニブ(TPX-0005)、又はロルラチニブなどのROSがん原遺伝子1受容体型チロシンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ グサシチニブ(ASN-002)、6-(1H-インダゾール-6-イル)-N-(4-モルホリノフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8-アミン、セルデュラチニブ、エントスプレチニブ、フォスタマチニブ二ナトリウム(R788、R406)、HMPL-523、NVP-QAB 205 AA、R112、又は米国特許第8450321号、若しくは米国特許出願公開第2015/0175616号に開示されている化合物などの脾臓関連チロシンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ VAL-201、チルバニブリン(KX2-391)、又はマレイン酸イルギナチニブ(NS-018)などのSRCがん原遺伝子非受容体型チロシンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ ナビトクラックス(ABT-263)、ベネトクラクッス(ABT-199、RG-7601)、AT-101(ゴシポール)などのB細胞リンパ腫2を標的とする小分子阻害剤;
・ RG-7304などのブレークポイントクラスター領域を標的とする小分子阻害剤;
・ ABBV-744、INCB-054329、INCB057643、AZD-5153、ABT-767、BMS-986158、CC-90010、NHWD-870、ODM-207、ZBC246、ZEN3694、CC-95775(FT-1101)、ミベブレシブ、BI-894999、PLX-2853、PLX-51107、CPI-0610、又はGS-5829などのブロモドメイン及び外部ドメイン(BET)ブロモドメイン含有タンパク質を標的とする小分子阻害剤;
・ STNM-01などの炭水化物スルホトランスフェラーゼ15を標的とする小分子阻害剤;
・ ポルマコキシブ、アセタゾラミド、又はメタゾラミドなどの炭酸脱水酵素を標的とする小分子阻害剤;
・ CWP-291又はPRI-724などのカテニンベータ1を標的とする小分子阻害剤;
・ CCX-872、BMS-813160(CCR2/CCR5)、又はMK-7690(ビクリビロク)などのC-Cモチーフケモカイン受容体を標的とする小分子アンタゴニスト;
・ シムロセルチブ水和物(TAK931)などの細胞分裂周期7を標的とする小分子阻害剤;
・ アバドマイド(CC-122)、CC-92480、CC-90009、又はイベルドマイドなどのセレブロンを標的とする小分子阻害剤;
・ SRA737などのチェックポイントキナーゼ1を標的とする小分子阻害剤;
・ PBF-1662、BLZ-945、ペミガチニブ(INCB-054828)、BAY-1163877(ロガラチニブ)、AZD4547、FGF-401(ロブリチニブ)、キザルチニブ二塩酸塩、SX-682、AZD-5069、PLX-9486、アバプリチニブ(BLU-285)、リプレチニブ(DCC-2618)、メシル酸イマチニブ、JSP-191、BLU-263、CD117-ADC、AZD3229、テラチニブ、ボロラニブ、GO-203-2C、AB-680、PSB-12379、PSB-12441、PSB-12425、CB-708、HM-30181A、モチキサフォルチド(BL-8040)、LY2510924、ブリキサフォル(TG-0054)、X4P-002、マボリキサフォル(X4P-001-IO)、Plerixafor、CTX-5861、又はREGN-5678(PSMA/CD28)などの分化マーカーのクラスターを標的とする小分子阻害剤;
・ Imprime PGG(Biothera Pharmaceuticals)などの補体成分を標的とする小分子阻害剤;
・ オラプテセドペゴル(olaptesed pegol)(NOX-A12)などのC-X-Cモチーフケモカインリガンド(CXCL12など)を標的とする小分子阻害剤;
・ パルボシクリブなどのサイクリン依存性キナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ ODM-209、LAE-201、セビテロネル(VT-464)、CFG920、アビラテロン、又は酢酸アビラテロンなどのシトクロムP450ファミリーを標的とする小分子阻害剤;
・ スピノキシン(supinoxin)(RX-5902)などのDEADボックスヘリカーゼ5を標的とする小分子阻害剤;
・ BI-891065などのディアブロIAP結合ミトコンドリアタンパク質を標的とする小分子阻害剤;
・ プララトレキセド又はペメトレキセド二ナトリウムなどのジヒドロ葉酸レダクターゼを標的とする小分子阻害剤;
・ MSC2490484A(nedisertib)、VX-984、AsiDNA(DT-01)、LXS-196、又はソトラスタウリンなどのDNA依存性プロテインキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ ラリメチニブ、RG-7304、GS-4875、又はGS-5290などのマイトジェン活性化プロテインキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ BIO-11006などのMARCKSを標的とする小分子阻害剤;
・ GSK-3145094などのRIPK1を標的とする小分子阻害剤;
・ AT13148又はKD025などのRho関連コイルドコイル含有プロテインキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ イリノテカン、フィルテカンペゴル、又はアムルビシンなどのDNAトポイソメラーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ ONC-201などのドーパミン受容体D2を標的とする小分子阻害剤;
・ ピノメトスタット(EPZ-5676)などのヒストンリジンメチルトランスフェラーゼのようなDOT1を標的とする小分子阻害剤;
・ タゼメトスタット、CPI-1205、又はPF-06821497などのEZH2を標的とする小分子阻害剤;
・ TVB-2640(Sagimet Biosciences)などの脂肪酸シンターゼを標的とする小分子阻害剤;
・ ベマリツズマブ(FPA144)などの線維芽細胞成長因子を標的とする小分子阻害剤;
・ VS-4718、デファクチニブ、又はGSK2256098などの焦点接着キナーゼ2を標的とする小分子阻害剤;
・ プララトレキサートなどの葉酸受容体1を標的とする小分子阻害剤;
・ チオストレプトンなどのFOXM1を標的とする小分子阻害剤;
・ ベラペクチン(GR-MD-02)などのガレクチン3を標的とする小分子阻害剤;
・ レラコリラント(relacorilant)(CORT-125134)などの糖質コルチコイド受容体を標的とする小分子拮抗薬;
・ CB-839(テラグレナスタット(telaglenastat))又はビス-2-(5-フェニルアセトアミド-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)エチルスルフィド(BPTES)が含まれるが、これらに限定されないグルタミナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ エラゴリックス、レルゴリクス、又はデガレリックスなどのGNRHRを標的とする小分子阻害剤;
・ ベルズチファン(PT-2977(Merck&Co.))などのEPAS1を標的とする小分子阻害剤;
・ エパカドスタット、リンロドスタット(F-001287)、PF-06840003、レスミノスタット、リンロドスタット(BMS-986205)、EOS-200271、又はKHK-2455などのIDOを標的とする小分子阻害剤;
・ 制限イボシデニブ(AG-120)、ボラシデニブ(AG-881)(IDH1及びIDH2)、IDH-305、又はエナシデニブ(AG-221)などのイソクエン酸デヒドロゲナーゼ(NADP(+))を標的とする小分子阻害剤
・ ZD-1480、バリシチニブ、フィルゴチニブ(GLPG0634)、イタシチニブ(INCB039110)、モメロチニブ(CYT0387)、ペフィシチニブ(ASP015K)、ルキソリチニブ、トファシチニブ、INCB052793、ZD-1480、バリシチニブ(LY2784544)、レスタウルチニブ(FLT3/JAK2/TRKA)、モメロチニブ(CYT0387)、マレイン酸イルギナチニブ(NS-018)、パクリチニブ(SB1518)(JAK2/IRAK-1/CSF1R/Flt3)、又はルキソリチニブなどのヤヌスキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ ソトラシブ(AMG-510)、COTI-219、ARS-3248、WDB-178、BI-3406、BI-1701963、SML-8-73-1(G12C)、化合物3144(G12D)、Kobe0065、Kobe/2602、(Ras GTP)、RT11、又はアダグラシブ(MRTX-849)などのKRASを標的とする小分子阻害剤;
・ CC-90011などのリジンデメチラーゼ1Aを標的とする小分子阻害剤;
・ トミボセルチブ(tomivosertib)(eFT-508)などのMAPK相互作用セリン/スレオニンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ ダクトリシブ(dactolisib)、オミパリシブ(omipalisib)、ボクスタリシブ(voxtalisib)、ゲダトリシブ、GSK2141795、イナボリシブ(inavolisib)(RG6114)、サパニセルチブ(sapanisertib)、ME-344、シロリムス(経口ナノアモルファス製剤、がん)、ラセメチロシン(racemetyrosine)(TYME-88(mTOR/チトクロームP4503A4))、シロリムス、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCI-779)、CC-115、オナタセルチブ)natasertib)(CC-223)、SF-1126、PQR-309(ビミラリシブ(bimiralisib))、ボクスタリシブ(voxtalisib)、又はGSK-2126458などのラパマイシンキナーゼ(mTOR)の機械的標的を標的とする小分子阻害剤;
・ AL-101(BMS-906024)などのノッチ受容体を標的とする小分子阻害剤;
・ ASN-003、イナボリシブ(inavolisib)(RG6114)、アルペリシブ、ピクチリシブ、又はイデラリシブ(Zydelig(登録商標))などのホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスフェート3-キナーゼ触媒サブユニットを標的とする小分子阻害剤;
・ ボラセルチブ又はオンバンセルチブ(onvansertib)などのポロ様キナーゼ1を標的とする小分子阻害剤;
・ オラパリブ(MK7339)、ルカパリブ、ベリパリブ、タラゾパリブ、ABT-767、パミパリブ(pamiparib)(BGB-290)、フルアゾールパリ(fluazolepali)(SHR-3162)、ニラパリブ(JNJ-64091742)、ステノパリブ(stenoparib)(2X-121(e-7499))、シミパリブ(simmiparib)、IMP-4297、SC-10914、IDX-1197、HWH-340、又はCK-102などのポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ MAK683などのポリコームタンパク質EEDを標的とする小分子阻害剤;
・ WNT-974などのヤマアラシO-アシルトランスフェラーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ オナプリストンなどのプロゲステロン受容体を標的とする小分子アンタゴニスト;
・ HP-5000、ロフェコキシブ、ケトロラクトロメタミン、ブロムフェナクナトリウム、オテナプロキシル(ATB-346)、モフェゾラック、GLY-230、TRK-700、ジクロフェナク、メロキシカム、パレコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、AXS-06、ジクロフェナクカリウム、再処方セレコキシブ(DRGT-46)、AAT-076、メイスオシュリ、ルミラコキシブ、メロキシカム、バルデコキシブ、ザルトプロフェン、ニメスリド、アニトラザフェン、アプリコキシブ、シミコキシブ、デラコキシブ、フルミゾレ、フィロコキシブ、ロフェコキシブ、ルテカルピン、チルマコキシブ、ザルトプロフェン、又はイムレコキシブなどのプロスタグランジン-エンドペルオキシドシンターゼを標的とする小分子阻害剤;
・ MS203、PF-06939999、GSK3368715、又はGSK3326595などのタンパク質アルギニンNメチルトランスフェラーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ TNO155(SHP-099)、RMC-4550、JAB-3068、RMC-4630(SAR442720)、又は国際公開第2018/172984号、若しくは国際公開第2017/211303号に開示されている化合物などのPTPN11を標的とする小分子阻害剤;
・ RG-7304などのRaf-1がん原遺伝子、セリン/スレオニンキナーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ タミバロテン(SY-1425)などのレチノイン酸受容体を標的とする小分子アンタゴニスト;
・ MSC2363318Aなどのリボソームタンパク質S6キナーゼB1を標的とする小分子阻害剤;
・ タスキニモドなどのS100カルシウム結合タンパク質A9を標的とする小分子阻害剤;
・ アップロレセランナトリウム(uproleselan sodium)(GMI-1271)などセレクチンEを標的とする小分子阻害剤;
・ H3B-8800などのSF3B1を標的とする小分子阻害剤;
・ YC8-02などのサーチュイン-3を標的とする小分子阻害剤;
・ ソニデギブ(Odomzo(登録商標)、以前はLDE-225)、ビスモデギブ(GDC-0449)、グラスデギブ(PF-04449913)、イトラコナゾール、又はパチデギブ(patidegib)、タラデギブ(taladegib)などのSMOを標的とする小分子阻害剤;
・ OPS-201などのソマトスタチン受容体を標的とする小分子アンタゴニスト;
・ オパガニブ(Yeliva(登録商標)、ABC294640)などのスフィンゴシンキナーゼ2を標的とする小分子阻害剤;
・ ナパブカシン(BBI-608)などのSTAT3を標的とする小分子阻害剤;
・ G007-LK又はステノパリブ(2X-121(e-7499))などのタンキラーゼを標的とする小分子阻害剤;
・ ガルニセルチブ、PF-06952229などのTFGBR1を標的とする小分子阻害剤;
・ イデトレキセド(idetrexed)(ONX-0801)などのチミジル酸シンターゼを標的とする小分子阻害剤;
・ CMG-097などの腫瘍タンパク質p53を標的とする小分子阻害剤;
・ CB-5083などのバロシン含有タンパク質を標的とする小分子阻害剤;
・ オムビペピムト(ombipepimut)-S(DSP-7888)などのWT1を標的とする小分子阻害剤;
・ AB928又はナモデノソン(namodenoson)(CF102)などのアデノシン受容体を標的とする小分子アゴニスト;
・ クリサンタスパーゼ(Erwinase(登録商標))、GRASPA(ERY-001、ERY-ASP)、カラスパルガーゼペゴル、又はペグアスパラガーゼなどのアスパラギナーゼを標的とする小分子アゴニスト;
・ MTL-501などのCCAATエンハンサー結合タンパク質アルファを標的とする小分子アゴニスト;
・ インターロイキン2受容体サブユニットガンマ、エルトロンボパグ、リンタトリモド(rintatolimod)、ポリICLC(NSC-301463)、リボクソン、アポキシム、RIBOXXIM(登録商標)、MCT-465、MCT-475、G100、PEPA-10、エフトザネルミンアルファ(ABBV-621)、E-6887、モトリモド、レシキモド、セルガントリモド(selgantolimod)(GS-9688)、VTX-1463、NKTR-262、AST-008、CMP-001、コビトリモド、チルソトリモド、リテニモド、MGN-1601、BB-006、IMO-8400、IMO-9200、アガトリモド、DIMS-9054、DV-1079、レフィトリモド(lefitolimod)(MGN-1703)、CYT-003、又はPUL-042などの分化マーカーのクラスターを標的とする小分子アゴニスト;
・ ミトタンなどのシトクロムP450ファミリーを標的とする小分子アゴニスト;
・ RGT-100などのDExD/H-boxヘリカーゼ58を標的とする小分子アゴニスト;
・ 酢酸リュープロレリン、酢酸リュープロレリン徐放性デポー(ATRIGEL)、パモ酸トリプトレリン、又は酢酸ゴセレリンなどのGNRHRを標的とする小分子アゴニスト;
・ プレキシジェベルセン(prexigebersen)(BP1001)などのGRB2を標的とする小分子アゴニスト;
・ オマベロキソロン(omaveloxolone)(RTA-408)などのNFE2L2を標的とする小分子アゴニスト;
・ ミファムルチド(リポソーム)などのNOD2を標的とする小分子アゴニスト;
・ CA-170、GS-4224、GS-4416、ラゼルチニブ(GNS-1480;PD-L1/EGFRなどのPD-L1を標的とする小分子アゴニスト;
・ ノルゲスチマート+エチニルエストラジオール(Tri-Cyclen)又はレボノルゲストレルなどのプロゲステロン受容体を標的とする小分子アゴニスト;
・ シンチロルゴン(cintirorgon)(LYC-55716)などのRAR関連オーファン受容体ガンマを標的とする小分子アゴニスト;
・ トレチノインなどのレチノイン酸受容体を標的とする小分子アゴニスト;
・ ADU-S100(MIW-815)、SB-11285、MK-1454、SR-8291、AdVCA0848、GSK-532、SYN-STING、MSA-1、SR-8291、サイクリックGAMP(cGAMP)、又はサイクリックジAMPなどのSTING1を標的とする小分子アゴニスト;
・ レボチロキシンナトリウムなどの甲状腺ホルモン受容体ベータを標的とする小分子アゴニスト;
・ BDB-001、DSP-0509、ベルサトリモド(GS-9620)、LHC-165、イミクイモド(TMX-101)、レシクイモド、MCT-465、RG-7854、NKTR-262、又は米国特許出願公開第2010/0143301号、米国特許出願公開第2011/0098248号、米国特許出願公開第2009/0047249号、米国特許出願公開第2014/0045849号、米国特許出願公開第2014/0073642号、国際公開第2014/056953号、国際公開第2014/076221号、国際公開第2014/128189号号、米国特許出願公開第2014/0350031号、国際公開第2014/023813号、米国特許出願公開第2008/0234251号、米国特許出願公開第2008/0306050号、米国特許出願公開第2010/0029585号、米国特許出願公開第2011/0092485号、米国特許出願公開第2011/0118235号、米国特許出願公開第2012/0082658号、米国特許出願公開第2012/0219615号、米国特許出願公開第2014/0066432号、米国特許出願公開第2014/0088085号、米国特許出願公開第2014/0275167号、若しくは米国特許出願公開第2013/0251673号で開示される化合物などのTLR7を標的とする小分子アゴニスト;
・ タソネルミンなどの腫瘍壊死因子を標的とする小分子アゴニスト;
・ KRpep-2(Ac-RRCPLYISYDPVCRR-NH2)又はKRpep-2d(Ac-RRRRCPLYISYDPVCRRRR-NH2)などのKRASを標的とする阻害ペプチド;
・ RX-0201などのAKT1を標的とするアンチセンス剤;
・ IONIS-AR-2.5Rxなどのアンドロゲン受容体を標的とするアンチセンス剤;
・ EZN-3042などの5を含むバキュロウイルスIAPリピートを標的とするアンチセンス剤;
・ プレキシジェベルセンなどのGRB2を標的とするアンチセンス剤;
・ アパトルセンなどの熱ショックタンパク質27を標的とするアンチセンス剤;
・ 抗KRAS U1アダプタ、siG12D-LODER(商標)、又はsiG12DエキソソームなどのKRASを標的とするアンチセンス剤;
・ ダンヴァチルセン(danvatirsen)(IONIS-STAT3-2.5Rx)などのSTAT3を標的とするアンチセンス剤;
・ SB-728-TなどのC-Cモチーフケモカイン受容体を標的とする遺伝子療法;
・ EGENE-001、タヴォキノゲンテルセプラスミド(tavokinogene telseplasmid)、ノガペンデキンアルファ(nogapendekin alfa)(ALT-803)、NKTR-255、NIZ-985(hetIL-15)、又はMDNA-55などのインターロイキンを標的とする遺伝子療法;
・ CC-90002、マグロリマブ(Hu5F9-G4)、AO-176(Vx-1004)、IBI-188、レムゾパリマブ(TJC-4)、SHR-1603、HLX-24、LQ-001、IMC-002、ZL-1201、IMM-01、B6H12、GenSci-059、TAY-018、PT-240、1F8-GMCSF、SY-102、KD-015、ALX-148、AK-117、TTI-621、TTI-622、又は国際公開第1997/27873号、国際公開第1999/40940号、国際公開第2002/092784号、国際公開第2005/044857号、国際公開第2009/046541号、国際公開第2010/070047号、国際公開第2011/143624号、国際公開第2012/170250号、国際公開第2013/109752号、国際公開第2013/119714号、国際公開第2014/087248号、国際公開第2015/191861号、国際公開第2016/022971号、国際公開第2016/023040号、国際公開第2016/024021号、国際公開第2016/081423号、国際公開第2016/109415号、国際公開第2016/141328号、国際公開第2016/188449号、国際公開第2017/027422号、国際公開第2017/049251号、国際公開第2017053423号、国際公開第2017/121771号、国際公開第2017194634号、国際公開第2017/196793号、国際公開第2017/215585号、国際公開第2018/075857号、国際公開第2018/075960号、国際公開第2018/089508号、国際公開第2018/095428号、国際公開第2018/137705号、国際公開第2018/233575号、国際公開第2019/027903号、国際公開第2019/034895号、国際公開第2019/042119号、国際公開第2019/042285号、国際公開第2019/042470号、国際公開第2019/086573号、国際公開第2019/108733号、国際公開第2019/138367号、国際公開第2019/144895号、国際公開第2019/157843号、国際公開第2019/179366号、国際公開第2019/184912号、国際公開第2019/185717号、国際公開第2019/201236号、国際公開第2019/238012号、国際公開第2019/241732号、国際公開第2020/019135号、国際公開第2020/036977号、国際公開第2020/043188号、国際公開第2020/009725号で開示される化合物などのCD47を標的とする抗体;
・ クローディキシマブなどのクローディン18を標的とする抗体;
・ タファシタマブ(MOR208;MorphoSys AG)、イネビリズマブ(MEDI-551)、オビヌツズマブ、IGN-002、リツキシマブバイオシミラー(PF-05280586)、バルリルマブ(CDX-1127)、AFM-13(CD16/CD30)、AMG330、オトレルツズマブ(TRU-016)、イサツキシマブ、フェルザルタマブ(MOR-202)、TAK-079、TAK573、ダラツムマブ(DARZALEX(登録商標))、TTX-030、セリクレルマブ(RG7876)、APX-005M、ABBV-428、ABBV-927、ミタザリマブ(JNJ-64457107)、レンジルマ、アレムツズマ、エマクツズマブ、AMG-820、FPA-008(カビラリツマブ)、PRS-343(CD-137/Her2)、AFM-13(CD16/CD30)、ベランタマブマフォドチン(GSK-2857916)、AFM26(BCMA/CD16A)、シムルカフスプアルファ(simlukafusp alfa)(RG7461)、ウレルマブ、ウトミルマブ(PF-05082566)、AGEN2373、ADG-106、BT-7480、PRS-343(CD-137/HER2)、FAP-4-IBBL(4-1BB/FAP)、ラムシルマブ、CDX-0158、CDX-0159及びFSI-174、レラトリマブ(ONO-4482)、LAG-525、MK-4280、フィアンリマブ(REGN-3767)、INCAGN2385、エンセリマブ(TSR-033)、アチポツズマブ、BrevaRex(Mab-AR-20.5)、MEDI-9447(オレクルマブ)、CPX-006、IPH-53、BMS-986179、NZV-930、CPI-006、PAT-SC1、リツキシマブ(IPH-2102)、ラクタマブ(IPH-4102)、モナリズマブ、BAY-1834942、NEO-201(CEACAM 5/6)、ヨウ素(131I)アパミスタマブ(131I-BC8(lomab-B))、MEDI0562(タボリキシズマブ)、GSK-3174998、INCAGN1949、BMS-986178、GBR-8383、ABBV-368、デノスマブ、BION-1301、MK-4166、INCAGN-1876、TRX-518、BMS-986156、MK-1248、GWN-323、CTB-006、INBRX-109、GEN-1029、ペピネマブ(VX-15)、ボプラテリマブ(JTX-2011)、GSK3359609、コボリマブ(TSR-022)、MBG-453、INCAGN-2390、又は国際公開第2017/096179号、国際公開第2017/096276号、国際公開第2017/096189号、若しくは国際公開第2018/089628号で公開される化合物など分化マーカーのクラスターを標的とする抗体;
・ AB-16B5などのクラステリンを標的とする抗体;
・ ラブリズマブ(ALXN-1210)などの補体成分を標的とする抗体;
・ イピリムマブ、トレメリムマブ、BMS-986218、AGEN1181、ザリフレリマブ(AGEN1884)、BMS-986249、MK-1308、REGN-4659、ADU-1604、イピリムマブバイオシミラー(CS-1002)、BCD-145、APL-509、JS-007、BA-3071、ONC-392、KN-044、CG-0161、BPI-002、又はHBM-4003などのCTLA4を標的とする抗体;
・ BMS-986253(HuMax-Inflam)などのC-X-Cモチーフケモカインリガンドを標的とする抗体;
・ デムシズマブなどのデルタ様標準ノッチリガンド4を標的とする抗体;
・ フィバツズマブ(KB-004)などのEPH受容体A3を標的とする抗体;
・ モドツキシマブ、セツキシマブサロタロカン(RM-1929)、セリバンツマブ、ネシツムマブ、デパツキシズマブマフォドチン(ABT-414)、トムゾツキシマブ、デパツキシズマブ(ABT-806)、又はセツキシマブなどの上皮成長因子受容体を標的とする抗体;
・ オポルツズマブモナトックス(VB4-845)などの上皮細胞接着分子を標的とする抗体;
・ GAL-F2、B-701(ボファタマブ)などの線維芽細胞成長因子を標的とする抗体;
・ MP-0250などの肝細胞増殖因子を標的とする抗体;
・ カナキヌマブ(ACZ885)、ゲボキズマブ(VPM087)、CJM-112、グセルクマブ、タラコツズマブ(talacotuzumab)(JNJ-56022473)、シルツキシマブ、又はトシリズマブなどのインターロイキンを標的とする抗体;
・ ABBV-085又はクサツズマブ(ARGX-110)などのLRRC15を標的とする抗体;
・ BMS-986148、SEL-403、又は抗MSLN-MMAEなどのメソセリンを標的とする抗体;
・ テリソツズマブベドチン(telisotuzumab vedotin)(ABBV-399)などのMETを標的とする抗体;
・ ランドグロズマブ(landogrozumab)などのミオスタチンを標的とする抗体;
・ タレクツマブ(tarextumab)などのノッチ受容体を標的とする抗体;
・ ペムブロリズマブ、ニボルマブ、セミプリマブ、ピディリズマブ、AMG-404、MEDI0680(AMP-514)、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、コシベリマブ(CK-301)、ササンリマブ(PF-06801591)、BGB-A317(ティスレリズマブ)、ジンベレリマブ(GLS-010(WBP-3055))、AK-103(HX-008)、AK-105、CS-1003、HLX-10、レチファンリマブ(MGA-012)、BI-754091、バルスチリマブ(AGEN-2034)、JS-001(トリパリマブ)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ジェノリムズマブ(CBT-501)、LZM-009、プロルゴリマブ(BCD-100)、ロダポリマブ(LY-3300054)、SHR-1201、SHR-1210(カムレリズマブ)、Sym-021、ブジガリマブ(ABBV-181)、BAT-1306、アベルマブ(MSB0010718C)、CX-072、CBT-502、TSR-042(ドスタルリマブ)、MSB-2311、JTX-4014、BGB-A333、SHR-1316、CS-1001(WBP-3155)、エンバフォリマブ(KN-035)、IBI-308(シンチリマブ)、HLX-20、KL-A167、STI-A1014、STI-A1015(IMC-001)、BCD-135、FAZ-053、TQB-2450、MDX1105-01、INCB086550、MAX10181、スパルタリズマブ(PDR-001)、又は国際公開第2018/195321号、国際公開第2020/014643号、国際公開第2019/160882号、若しくは国際公開第2018/195321号に開示されている化合物などのPD-1を標的とする抗体;
・ SAR439459、ABBV-151、NIS793、XOMA 089、又は国際公開第2019/103203号に開示されている化合物などのTGFB1を標的とする抗体;
・ ベバシズマブ、バヌシズマブ、又はファリシマブ(faricimab)などの血管内皮増殖因子Aを標的とするための抗体;
・ IBI-322(CD47/PD-L1)、IMM-0306(CD47/CD20)、TJ-L1C4(CD47/PD-L1)、HX-009(CD47/PD-1)、PMC-122(CD47/PD-L1)、PT-217、(CD47/DLL3)、IMM-26011(CD47/FLT3)、IMM-0207(CD47/VEGF)、IMM-2902(CD47/HER2)、BH29xx(CD47/PD-L1)、IMM-03(CD47/CD20)、IMM-2502(CD47/PD-L1)、HMBD-004B(CD47/BCMA)、HMBD-004A(CD47/CD33)、TG-1801(NI-1701)、又はNI-1801などのCD47を標的とする二重特異性抗体;
・ PF-06936308(PD-1/CTLA4)、MGD-013(PD-1/LAG-3)、RO-7247669(PD-1/LAG-3)、MGD-019(PD-1/CTLA4)、KN-046(PD-1/CTLA4)、MEDI-5752(CTLA4/PD-1)、RO-7121661(PD-1/TIM-3)、XmAb-20717(PD-1/CTLA4)、AK-104(CTLA4/PD-1)、RG7769(PD-1/TIM-3)、又はTAK-252(PD-1/OX40LなどのPD-1を標的とする二重特異性抗体);
・ FS-118(LAG-3/PD-L1)、FPT-155(CTLA4/PD-L1/CD28)、GEN-1046(PD-L1/4-1BB)、ビントラフスプアルファ(M7824(PD-L1/TGFβ-ECドメイン))、CDX-527(CD27/PD-L1)、又はINBRX-105(4-1BB/PDL1)などのPD-L1を標的とする二重特異性抗体;
・ AMG-160(PSMA/CD3)、AMG-212(PSMA/CD3)、AMG-330(CD33/CD3)、AMG-420(BCMA/CD3)、AMG-427(FLT3/CD3)、AMG-562(CD19/CD3)、AMG-596(EGFRvIII/CD3)、AMG-673(CD33/CD3)、AMG-701(BCMA/CD3)、AMG-757(DLL3/CD3)、AMG-211(CEA/CD3)、BLINCYTO(登録商標)(CD19/CD3)、RG7802(CEA/CD3)、ERY-974(CD3/GPC3)、huGD2-BsAb(CD3/GD2)、PF-06671008(Cadherins/CD3)、APVO436(CD123/CD3)、ERY974、フロテツズマブ(CD123/CD3)、GEM333(CD3/CD33)、GEMoab(CD3/PSCA)、REGN-1979(CD20/CD3)、MCLA-117(CD3/CLEC12A)、JNJ-0819、JNJ-7564(CD3/heme)、JNJ-63709178(CD123/CD3)、MGD-007(CD3/gpA33)、MGD-009(CD3/B7H3)、IMCgp100(CD3/gp100)、XmAb-14045(CD123/CD3)、XmAb-13676(CD3/CD20)、カツマキソマブ(CD3/EpCAM)、REGN-4018(MUC16/CD3)、RG6026、RG6076、RG6194、RG-7828(CD20/CD3)、CC-93269(CD3/BCMA)、REGN-5458(CD3/BCMA)、GRB-1302(CD3/Erbb2)、GRB-1342(CD38/CD3)、GEM-333(CD3/CD33)、PF-06863135(BCMA/CD3)、SAR440234(CD3/CDw123)、JNJ-9383(MGD-015)、ブリナツモマブ(CD19/CD3)、オドロネクスタマブ(REGN-1979(CD20xCD3))、プラモタマブ(XmAb-13676(CD3/CD20))、モスネツズマブ(RG-7828(CD20/CD3))、AMG-424(CD38/CD3)、チドゥタマブ(XmAb-18087(SSTR2/CD3))、又はデュボルツキシズマブ(duvortuxizumab)(JNJ-64052781)(CD19/CD3)などのT細胞誘導因子(CD3を標的とする);
・ HLA-A2402/HLA-A0201制限エピトープペプチドワクチンなどのfms関連受容体チロシンキナーゼを標的とするワクチン
・ PSV-AML(PhosphoSynVax)などの熱ショックタンパク質27を標的とするワクチン;
・ IO-120+IO-103(PD-L1/PD-L2ワクチン)又はIO-103などのPD-L1を標的とするワクチン;
・ MVA-p53などの腫瘍タンパク質p53を標的とするワクチン;
・ WT-1アナログペプチドワクチン(WT1-CTL)などのWT1を標的とするワクチン;
・ 腫瘍溶解物/MUC1/サバイビンPepTivatorをロードした樹状細胞ワクチンなどのバキュロウイルスIAPリピート含有5を標的とする細胞療法;
・ DC-Ad-GMCAIXなどの炭酸脱水酵素を標的とする細胞療法;
・ CCR5-SBC-728-HSPCなどのC-Cモチーフケモカイン受容体を標的とする細胞療法;
・ CD19-ARTEMIS、TBI-1501、CTL-119 huCART-19 T細胞、l iso-cel、リソカブタゲンマラルユーセル(lisocabtagene maraleucel)(JCAR-017)、アキシカブタジンシロロイセル(KTE-C19、Yescarta(登録商標))、アキシカブタジンシロロイセル(KTE-X19)、US7741465、US6319494、UCART-19、タベレクルセル(tabelecleucel)(EBV-CTL)、Tチサゲンレクロイセル(tisagenlecleucel)-T(CTL019)、CD19CAR-CD28-CD3zeta-EGFRt発現T細胞、CD19/4-1BBL装甲CART細胞療法、C-CAR-011、CIK-CAR.CD19、CD19CAR-28-ゼータT細胞、PCAR-019、MatchCART、DSCAR-01、IM19 CAR-T、TC-110、抗CD19 CAR T-細胞療法(B細胞急性リンパ芽球性白血病、Universiti Kebangsaan Malaysia)、抗CD19 CAR T細胞療法(急性リンパ芽球性白血病/非ホジキンリンパ腫、University Hospital Heidelberg)、抗CD19 CAR T細胞療法(サイレントIL-6発現、がん、Shanghai Unicar療法バイオ医薬療法技術)、MB-CART2019.1(CD19/CD20)、GC-197(CD19/CD7)、CLIC-1901、ET-019003、抗-CD19-STAR-T細胞、AVA-001、BCMA-CD19 cCAR(CD19/APRIL)、ICG-134、ICG-132(CD19/CD20)、CTA-101、WZTL-002、デュアル抗CD19/抗CD20CAR T細胞(慢性リンパ球性白血病/B細胞リンパ腫)、HY-001、ET-019002、YTB-323、GC-012(CD19/APRIL)、GC-022(CD19/CD22)、CD19CAR-CD28-CD3zeta-EGFRt発現Tn/mem、UCAR-011、ICTCAR-014、GC-007F、PTG-01、CC-97540、GC-007G、TC-310、GC-197、チサゲンレクロイセル-T、CART-19、チサゲンレクロイセル(CTL-019))、抗CD20 CAR T細胞療法(非ホジキンリンパ腫)、MB-CART2019.1(CD19/CD20)、WZTL-002デュアル抗CD19/抗CD20 CAR-T細胞、ICG-132(CD19/CD20)、ACTR707 ATTCK-20、PBCAR-20A、LB-1905、CIK-CAR.CD33、CD33CART、デュアル抗BCMA/抗CD38 CAR T細胞療法、CART-ddBCMA、MB-102、IM-23、JEZ-567、UCART-123、PD-1ノックアウトT細胞療法(食道がん/NSCLC)、ICTCAR-052、Tn MUC-1 CAR-T、ICTCAR-053、PD-1ノックアウトT細胞療法(食道がん/NSCLC)、AUTO-2、抗BCMA CAR T細胞療法、Descartes-011、抗BCMA/抗CD38 CAR T細胞療法、CART-ddBCMA、BCMA-CS1 cCAR、CYAD-01(NKG2D LIGAND MODULATOR)、KD-045、PD-L1 t-haNK、BCMA-CS1 cCAR、MEDI5083、抗CD276 CART、又は国際公開第2012/079000号若しくは国際公開第2017/049166号に開示されている治療法が含まれるが、これらに限定されない分化マーカーのクラスターを標的とするための細胞療法;
・ CIK-CAR.PSMA又はCART-PSMA-TGFβRDNなどの葉酸ヒドロラーゼ1を標的とする細胞療法;
・ CPG3-CAR(GLYCAR)などのGSTP1を標的とする細胞療法;
・ FH-MCVA2TCR又はNeoTCR-P1などのHLA-Aを標的とする細胞療法;
・ CST-101などのインターロイキンを標的とする細胞療法;
・ 抗KRAS G12D mTCR PBLなどのKRASを標的とする細胞療法;
・ 抗cMet RNA CAR TなどのMETを標的とする細胞療法;
・ JCAR-020などのMUC16を標的とする細胞療法;
・ PD-1ノックアウトT細胞療法(食道がん/NSCLC)などのPD-1を標的とする細胞療法;
・ BPX-701などのPRAMEを標的とする細胞療法;
・ KITE-439などの形質転換タンパク質E7を標的とする細胞療法;
・ WT1-CTL、ASP-7517、又はJTCR-016などのWT1を標的とする細胞療法;
例示的な併用療法
リンパ腫又は白血病併用療法
【0396】
一部の化学療法剤は、リンパ腫又は白血病の治療に適する。これらの薬剤としては、アルデスロイキン、アルボシジブ、アミフォスチン三水和物、アミノカンプトテシン、チンエアンチネオプラストンA10、アンチネオプラストンAS2-1、抗胸腺細胞グロブリン、三酸化ヒ素、Bcl-2ファミリータンパク質阻害剤ABT-263、βアレチン、BMS-345541、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、PS-341)、ブリオスタチン1、ブルスルファン、カムパス-1H、カルボプラチン、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))、カルムスチン、カスポファンギン酢酸塩、CC-5103、クロラムブシル、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クルクミン、CVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、シクロホスファミド、シクロポリン、シタラビン、デニロイキン・ディフティトックス、デキサメタゾン、ドセタキセル、ドラスタチン10、ドキソルビシン、ドキソルビシン塩酸塩、DT-PACE(デキサメタゾン、サリドマイド、シスプラチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、及びエトポシド)、エンザスタウリン、エポエチン、エトポシド、エベロリムス(RAD001)、FCM(フルダラビン、シクロホスファミド、及びミトキサントロン)、FCR(フルダラビン、シクロホスファミド、及びリツキシマブ)、フェンレチニド、フィルグラスチム、フラボピリドール、フルダラビン、FR(フルダラビン及びリツキシマブ)、ゲルダナマイシン(17-AAG)、hyperCVAD(超分画シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン、メトトレキサート、及びシタラビン)、ICE(イホスファミド、カルボプラチン、及びエトポシド)、イホスファミド、イリノテカン塩酸塩、インターフェロンα-2b、イキサベピロン、レナリドミド(REVLIMID(登録商標)、CC-5013)、リンホカイン活性化キラー細胞、MCP(ミトキサントロン、クロラムブシル、及びプレドニゾロン)、メルファラン、メスナ、メトトレキサート、ミトキサントロン塩酸塩、モテキサフィンガドリニウム、ミコフェノール酸モフェチル、ネララビン、オバトクラックス(GX15-070)、オブリメルセン、オクトレオチド酢酸塩、ω-3脂肪酸、Omr-IgG-am(WNIG、Omrix)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パルボシクリブ(PD0332991)、ペグフィルグラスチム、ペグ化リポソームドキソルビシン塩酸塩、ペリフォシン(perifosin)、プレドニゾロン、プレドニゾン、組換えflt3リガンド、組換えヒトトロンボポエチン、組換えインターフェロンα、組換えインターロイキン-11、組換えインターロイキン-12、リツキシマブ、R-CHOP(リツキシマブ及びCHOP)、R-CVP(リツキシマブ及びCVP)、R-FCM(リツキシマブ及びFCM)、R-ICE(リツキシマブ及びICE)、R-MCP(リツキシマブ及びMCP)、R-ロスコビチン(セリシクリブ、CYC202)、サルグラモスチム、シルデナフィルシトレート、シンバスタチン、シロリムス、スチリルスルホン、タクロリムス、タネスピマイシン、テムシロリムス(CCl-779)、サリドマイド、治療用同種異系リンパ球、チオテパ、チピファルニブ、ビンクリスチン、ビンクリスチン硫酸塩、ビノレルビン酒石酸塩、SAHA(スベラニリロヒドロキサム酸、又はスベロイル、アニリド、及びヒドロキサム酸)、ベムラフェニブ(Zelboraf(登録商標))、ベネトクラックス(ABT-199)が挙げられる。
【0397】
1つの修正アプローチは、モノクローナル抗体が、インジウム-111、イットリウム-90、及びヨウ素-131などの放射性同位体粒子と組み合わされる放射線免疫療法である。併用療法の例には、ヨウ素-131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))、イットリウム-90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))、及びCHOPを伴うBEXXAR(登録商標)が含まれるが、これらに限定されない。
【0398】
上記の療法は、幹細胞移植又は治療を補充又は組み合わせてもよい。治療処置としては、末梢血幹細胞移植、自家造血幹細胞移植、自家骨髄移植、抗体療法、生物学的療法、酵素阻害療法、全身照射、幹細胞の注入、幹細胞支持を伴う骨髄切除、インビトロで治療された末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素技術、低LETコバルト-60γ線療法、ブレオマイシン、従来の手術、放射線療法、及び非骨髄切除性同種異系造血幹細胞移植が挙げられる。
非ホジキンリンパ腫の併用療法
【0399】
非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin's lymphoma、NHL)、特にB細胞起源のリンパ腫の治療には、モノクローナル抗体の使用、標準的な化学療法アプローチ(例えば、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、CVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、FCM(フルダラビン、シクロホスファミド、及びミトキサントロン)、MCP(ミトキサントロン、クロラムブシル、プレドニゾン)、すべて任意選択的にリツキシマブ(R)などを含む)、放射線免疫療法、及びそれらの組み合わせ、特に抗体療法の化学療法との統合が含まれる。
【0400】
NHL/B細胞がんの治療用の非コンジュゲート型モノクローナル抗体の例には、リツキシマブ、アレムツズマブ、ヒト又はヒト化抗CD20抗体、ルミリキシマブ、抗TNF関連アポトーシス誘導リガンド(抗TRAIL)、ベバシズマブ、ガリキシマブ、エプラツズマブ、SGN-40、及び抗CD74が含まれる。
【0401】
NHL/B細胞がんの治療に使用される実験的な抗体薬剤の例には、オファツムマブ、ha20、PRO131921、アレムツズマブ、ガリキシマブ、SGN-40、CHIR-12.12、エプラツズマブ、ルミリキシマブ、アポリズマブ、ミラツズマブ、及びベバシズマブが含まれる。
【0402】
NHL/B細胞がんに対する化学療法の標準レジメンの例には、CHOP、FCM、CVP、MCP、R-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、R-FCM、R-CVP、及びR-MCPが含まれる。
【0403】
NHL/B細胞がんに対する放射線免疫療法の例には、イットリウム90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))及びヨウ素131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))が含まれる。
マントル細胞リンパ腫の併用療法
【0404】
マントル細胞リンパ腫(MCL)の治療には、CHOP、hyperCVAD、FCMなどの併用化学療法が含まれる。これらのレジメンにモノクローナル抗体リツキシマブを補充して、R-CHOP、hyperCVAD-R及びR-FCMの併用療法を形成することもできる。MCLを治療するために、上記の治療法のうちのいずれかを幹細胞移植又はICEと組み合わせることができる。
【0405】
MCLを治療する代替アプローチは免疫療法である。1つの免疫療法は、リツキシマブなどのモノクローナル抗体を使用する。もう1つは、個々の患者の腫瘍の遺伝的構造に基づくGTOP-99などのがんワクチンを使用する。
【0406】
MCLを治療するための修正アプローチは、モノクローナル抗体がヨウ素-131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))及びイットリウム-90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))などの放射性同位体粒子と組み合わされる放射線免疫療法である。別の例では、BEXXAR(登録商標)はCHOPによる連続治療で使用される。
【0407】
MCLを治療する他のアプローチには、自家幹細胞移植と高用量化学療法の併用、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)又はPS-341)などのプロテアソーム阻害剤の投与、又は特にリツキシマブと組み合わせたサリドマイドなどの抗血管新生剤の投与が含まれる。
【0408】
別の治療アプローチは、他の化学療法剤と組み合わせて、Bcl-2タンパク質の分解を引き起こし、オブリメルセンなどの化学療法に対するがん細胞の感受性を高める薬物を投与することである。
【0409】
さらなる治療アプローチは、mTOR阻害剤の投与を含み、これは、細胞増殖の阻害、さら細胞死につながり得る。非限定的な例は、シロリムス、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCI-779)、CC-115、CC-223、SF-1126、PQR-309(ビミラリシブ)、ボクスタリシブ、GSK-2126458、及びテムシロリムスとRITUXAN(登録商標)、VELCADE(登録商標)、又は他の化学療法剤との併用である。
【0410】
MCLに対する他の最近の療法が開示されている。そのような例には、フラボピリドール、パルボシクリブ(PD0332991)、R-ロスコビチン(セリシクリブ、CYC202)、スチリルスルホン、オバトクラックス(GX15-070)、TRAIL、抗TRAILデスレセプターDR4及びDR5抗体、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCl-779)、エベロリムス(RAD001)、BMS-345541、クルクミン、SAHA、サリドマイド、レナリドマイド(REVLIMID(登録商標)、CC-5013)、及びゲルダナマイシン(17 AAG)が含まれる。
ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症の併用療法
【0411】
ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症(Waldenstrom's Macroglobulinemia、WM)の治療に使用される治療薬には、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アルボシジブ、アミフォスチン三水和物、アミノカンプトテシン、アンチネオプラストンA10、アンチネオプラストンAS2-1、抗胸腺細胞グロブリン、三酸化ヒ素、自家ヒト腫瘍由来HSPPC-96、Bcl-2ファミリータンパク質阻害剤ABT-263、βアレチン、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、ブリオスタチン1、ブスルファン、カムパス-1H、カルボプラチン、カルムスチン、カスポファンギン酢酸塩、CC-5103、シスプラチン、クロファラビン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、デニロイキンジフチトクス、デキサメタゾン、ドセタキセル、ドラスタチン10、ドキソルビシン塩酸塩、DT-PACE、エンザスタウリン、エポエチンα、エプラツズマブ(hLL2-抗CD22ヒト化抗体)、エトポシド、エベロリムス、フェンレチニド、フィルグラスチム、フルダラビン、イブルチニブ、イホスファミド、インジウム-111モノクローナル抗体MN-14、ヨウ素-131トシツモマブ、イリノテカン塩酸塩、イキサベピロン、リンホカイン活性化キラー細胞、メルファラン、メスナ、メトトレキサート、ミトキサントロン塩酸塩、モノクローナル抗体CD19(チサゲンレクロイセル-T、CART-19、CTL-019など)、モノクローナル抗体CD20、モテキサフィンガドリニウム、ミコフェノール酸モフェチル、ネララビン、オブリメルセン、オクトレオチド酢酸塩、オメガ3脂肪酸、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペグフィルグラスチム、ペグ化リポソームドキソルビシン塩酸塩、ペントスタチン、ペリホシン(perifosine)、プレドニゾン、組換えflt3リガンド、組換えヒトトロンボポエチン、組換えインターフェロンアルファ、組換えインターロイキン-11、組換えインターロイキン-12、リツキシマブ、サルグラモスチム、クエン酸シルデナフィル(VIAGRA(登録商標))、シンバスタチン、シロリムス、タクロリムス、タネスピマイシン、サリドマイド、治療用同種リンパ球、チオテパ、チピファルニブ、トシツモマブ、ウロクプルマブ、ベルツズマブ、硫酸ビンクリスチン、酒石酸ビノレルビン、ボリノスタット、WT1 126-134ペプチドワクチン、WT-1アナログペプチドワクチン、イットリウム-90イブリツモマブチウキセタン、イットリウム-90ヒト化エプラツズマブ、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0412】
WMの治療に使用される治療処置の例には、末梢血幹細胞移植、自家造血幹細胞移植、自家骨髄移植、抗体療法、生物学的療法、酵素阻害療法、全身照射、幹細胞注入、幹細胞サポートによる骨髄切除、インビトロ治療による末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素法、低LETコバルト60γ線療法、ブレオマイシン、従来の手術、放射線療法及び骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植が含まれる。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫併用療法
【0413】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療に使用される治療薬には、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、抗CD20モノクローナル抗体、エトポシド、ブレオマイシン、WMのために列挙された多くの薬剤、並びにICE及びRICEなどのそれらの任意の組み合わせが含まれる。
慢性リンパ球白血病併用療法
【0414】
慢性リンパ球白血病(CLL)の治療に使用される治療薬の例には、クロラムブシル、シクロホスファミド、フルダラビン、ペントスタチン、クラドリビン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、プレドニゾロン、アレムツズマブ、WMのために列挙された多くの薬剤、CVP、R-CVP、ICE、R-ICE、FCR、FRという一般的な併用レジメンを含む併用化学療法及び化学免疫療法が含まれる。
乳がん併用療法
【0415】
乳がんの治療に使用される治療薬には、アルブミン結合パクリタキセル、アナストロゾール、アテゾリズマブ、カペシタビン、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エベロリムス、エキセメスタン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン、イキサベピロン、ラパチニブ、レトロゾール、メトトレキサート、ミトキサントロン、パクリタキセル、ペグ化リポソームドキソルビシン、ペルツズマブ、タモキシフェン、トレミフェン、トラスツズマブ、ビノレルビン、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。
トリプルネガティブ乳がん併用療法
【0416】
トリプルネガティブ乳がんの治療に使用される治療薬には、アテゾリズマブ、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、フルオロウラシル、パクリタキセル、及びそれらの組み合わせが含まれる。
大腸がん併用療法
【0417】
大腸がんの治療に使用される治療薬には、ベバシズマブ、カペシタビン、セツキシマブ、フルオロウラシル、イリノテカン、ロイコボリン、オキサリプラチン、パニツムマブ、ziv-アフリベルセプト、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。
食道及び食道胃接合部がん併用療法
【0418】
食道及び食道胃接合部がんの治療に使用される治療薬には、カペシタビン、カルボプラチン、シスプラチン、ドセタキセル、エピルビシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、イリノテカン、ロイコボリン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ラムシルマブ、トラスツズマブ、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。
胃がん併用療法
【0419】
胃がんの治療に使用される治療薬には、カペシタビン、カルボプラチン、シスプラチン、ドセタキセル、エピルビシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、イリノテカン、ロイコボリン、マイトマイシン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ラムシルマブ、トラスツズマブ、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。
頭頸部がん併用療法
【0420】
頭頸部がんの治療に使用される治療薬には、アファチニブ、ブレオマイシン、カペシタビン、カルボプラチン、セテュキマブ、シスプラチン、ドセタキセル、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、ニボルマブ、パクリタキセル、ペムブロリズマブ、ビノレルビン、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。
非小細胞肺がん併用療法
【0421】
非小細胞肺がん(NSCLC)の治療に使用される治療薬には、アファチニブ、アルブミン結合パクリタキセル、アレクチニブ、アテゾリズマブ、ベバシズマブ、ベバシズマブ、カボザンチニブ、カルボプラチン、シスプラチン、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ドセタキセル、エルロチニブ、エトポシド、ゲムシタビン、ニボルマブ、パクリタキセル、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド、ラムシルマブ、トラメチニブ、トラスツズマブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビノレルビン、及びこれらの任意の組み合わせが含まれる。
小細胞肺がん併用療法
【0422】
小細胞肺がん(SCLC)の治療に使用される治療薬には、アテゾリズマブ、ベンダムスタイム、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、ゲムシタビン、イピリムマブ、イリノテカン、ニボルマブ、パクリタキセル、テモゾロミド、トポテカン、ビンクリスチン、ビノレルビン、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。
卵巣がん併用療法
【0423】
卵巣がんの治療に使用される治療薬には、5-フルオロウラシル、アルブミン結合パクリタキセル、アルトレタミン、アナストロゾール、ベバシズマブ、カペシタビン、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、エキセメスタン、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、レトロゾール、酢酸ロイプロリド、リポソームドキソルビシン、酢酸メゲストロール、メルファラン、オラパリブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パゾパニブ、ペメトレキセド、タモキシフェン、トポテカン、ビノレルビン、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。
追加の例示された併用療法
【0424】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、Trop-2結合剤、CD47アンタゴニスト、SIRPαアンタゴニスト、FLT3Rアゴニスト、PD-1アンタゴニスト、PD-L1アンタゴニスト、MCL1阻害剤、CCR8結合剤、HPK1アンタゴニスト、DGKa阻害剤、CD73阻害剤、アデノシン受容体アンタゴニスト、TIGITアンタゴニスト、TREM1結合剤、TREM2結合剤、TGFβ(例えば、TGFβ1又はTGFβ3)結合剤、及びCAR-T細胞療法から選択される1つ以上の治療薬とともに投与される。
【0425】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、抗Trop-2抗体(例えば、サシツズマブゴビテカン、SKB-264、JS-108(DAC-002)、ダトポタマブデルキステカン、BAT-8003)、抗CD47抗体又はCD47遮断薬(例えば、マグロリマブ、DSP-107、AO-176、ALX-148、IBI-188、レムゾパルリマブ、TTI-621、TTI-622)、抗SIRPα抗体(例えば、GS-0189)、FLT3L-Fc融合タンパク質(例えば、GS-3583)、抗PD-1抗体(ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ジムベレリマブ)、小分子PD-L1阻害剤(例えば、GS-4224)、抗PD-L1抗体(例えば、アテゾリズマブ)、小分子MCL1阻害剤(例えば、GS-9716)、小分子HPK1阻害剤(例えば、GS-6451)、HPK1分解剤(PROTAC、例えば、ARV-766)、小分子DGKa阻害剤、小分子CD73阻害剤(例えば、AB680)、抗CD73抗体(例えば、オレクルマブ)、デュアルA2a/A2bアデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、エトルマデナント(AB928))、抗TIGIT抗体(例えば、チラゴルマブ、ビボストリマブ、ドムバナリマブ、AB308)、抗TREM1抗体(例えば、PY159)、抗TREM2抗体(例えば、PY314)、TGFβトラップ(例えば、ビントラフスプアルファ、AGEN-1423)、抗TGFβ1抗体(例えば、SRK-181)、及びCAR-T細胞療法(例えば、アキシカブタジンシロロイセル、ブレクスカブタジンオートロイセル、チサゲンレクロイセル)から選択される1つ以上の治療薬とともに投与される。
【0426】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、抗PD-1抗体及び小分子PD-L1阻害剤又は抗PD-L1抗体(例えば、アテゾリズマブ)、及び抗TIGIT抗体とともに投与される。
【0427】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、抗PD-1抗体及びデュアルA2a/A2bアデノシン受容体アンタゴニストとともに投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、抗PD-1抗体、小分子CD73阻害剤、及びデュアルA2a/A2bアデノシン受容体アンタゴニストとともに投与される。
【0428】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、サシツズマブゴビテカン-hziy、マグロリマブ、GS-0189、GS-3583、ジムベレリマブ、GS-4224、GS-9716、GS-6451、AB680、エトルマデナント(AB928)、ドムバナリマブ、AB308、PY159、PY314、SRK-181、アキシカブタジンシロロイセル、及びブレクスカブタジンオートロイセルから選択される1つ以上の治療薬とともに投与される。
【0429】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、サシツズマブゴビテカン-hziyとともに投与される。
【0430】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、マグロリマブとともに投与される。
【0431】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、ジムベレリマブとともに投与される。
【0432】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、ジムベレリマブ及びドムバナリマブとともに投与される。
【0433】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、ジムベレリマブ及びエトルマデナント(AB928)とともに投与される。
【0434】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、ジムベレリマブ、AB680、及びエトルマデナント(AB928)から選択される1つ以上の治療薬とともに投与される。
【0435】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、アキシカブタジンシロロイセル又はブレクスカブタジンオートロイセルとともに投与される。
【0436】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、FLT3Rアゴニストとともに投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、FLT3リガンドとともに投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、例えば、国際公開第2020/263830号に記載されるように、FLT3L-Fc融合タンパク質とともに投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、GS-3583又はCDX-301とともに投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16)は、GS-3583とともに投与される。
診断的使用
【0437】
本明細書では、CCR8発現に関連する疾患、障害又は状態の検出、診断及びモニタリングのために抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16、1-K17など)、ポリペプチド並びにポリヌクレオチドを使用する方法が提供される(通常の試料と比較して増加又は減少のいずれか、及び/又は通常エピトープ発現を欠く組織及び/又は細胞における発現の存在などの不適切な発現)。本明細書で提供されるのは、患者が本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質による治療に応答するかどうかを決定する方法である。
【0438】
いくつかの実施形態では、この方法は、抗CCR8抗体を使用してCCR8を発現する細胞を患者が有するかどうかを検出することを含む。いくつかの実施形態では、検出方法は、試料を抗体、ポリペプチド、又はポリヌクレオチドと接触させることと、結合のレベルが参照試料又は比較試料(対照など)のレベルとは異なるかどうかを決定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、本明細書に記載の抗体又はポリペプチドが対象に対して適切な治療であるかどうかを決定するのに有用であり得る。
【0439】
いくつかの実施形態では、細胞又は細胞/組織溶解物を抗CCR8抗体と接触させ、抗体と細胞との間の結合を決定する。試験細胞が同じ組織型の参照細胞と比較して結合活性を示す場合、対象が本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質による治療から利益を得るであろうことを示し得る。いくつかの実施形態では、試験細胞は、ヒト組織に由来する。いくつかの実施形態では、試験細胞は、ヒト血液由来である。
【0440】
特異的抗体-抗原結合を検出するための当該技術分野で既知の様々な方法を使用することができる。実施され得る例示的なイムノアッセイは、蛍光偏光イムノアッセイ(fluorescence polarization immunoassay、FPIA)、蛍光イムノアッセイ(fluorescence immunoassay、FIA)、酵素イムノアッセイ(enzyme immunoassay、EIA)、比濁阻害イムノアッセイ(nephelometric inhibition immunoassay、NIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(enzyme linked immunosorbent assay、ELISA)、及び放射線免疫測定(radioimmunoassay、RIA)を含む。インジケータ部分又は標識基は、対象抗体に結合することができ、アッセイ機器及び適合性イムノアッセイ手順の利用可能性によって多くの場合決定される方法の様々な使用の必要性を満たすように選択される。適切な標識には、放射性核種(例えば、125I、131I、35S、3H、又は32P)、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、又はβ-ガラクトシダーゼ)、蛍光部分又はタンパク質(例えば、フルオレセイン、ローダミン、フィコエリトリン、GFP、又はBFP)、又は発光部分(例えば、the Quantum Dot Corporation,Palo Alto,Calif.から供給されたQdot(商標)ナノ粒子)が含まれるが、これらに限定されない。上記の様々な免疫アッセイを実施する際に使用される一般的な技術は、当業者に既知である。
【0441】
診断の目的で、抗体を含むポリペプチドは、当該技術分野で知られている放射性同位体、蛍光標識、及び様々な酵素基質標識を含むがこれらに限定されない検出可能な部分で標識され得る。標識を抗体にコンジュゲートさせる方法は、当該技術分野で既知である。
【0442】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、標識される必要はなく、その存在は、第1の抗CCR8抗体に結合する第2の標識抗体を使用して検出され得る。
【0443】
いくつかの実施形態では、抗CCR8抗体は、競合結合アッセイ、直接及び間接サンドイッチアッセイ、並びに免疫沈降アッセイなどの任意の既知のアッセイ方法において用いることができる。Zola、モノクローナル抗体:A Manual of Techniques,pp.147-158(CRC Press,Inc.1987)。
【0444】
抗CCR8抗体及びポリペプチドはまた、インビボイメージングなどのインビボ診断アッセイに使用することができる。概して、抗体又はポリペプチドは、目的の細胞又は組織が免疫シンチグラフィーを使用して局在化され得るように、放射性核種(111In、99Tc、14C、131I、125I、3H、又は本明細書に概説されているモノを含む他の放射性核種標識など)で標識される。
【0445】
抗体はまた、当該技術分野で周知の技術を使用して、病理中の染色試薬として使用され得る。
【0446】
いくつかの実施形態では、第1の抗体が診断用に使用され、第2の抗体が治療薬として使用される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抗体は異なる。いくつかの実施形態では、第1の抗体は、非ヒト由来のものであり、治療薬はヒト由来である。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抗体は、別個のエピトープに結合することによって、同時に抗原に結合することができる。
VII.キット/製造品
【0447】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかで使用するためのキット、薬剤、組成物、及び単位剤形も本明細書で提供される。
【0448】
キットは、本明細書に提供される抗体及び/又は融合タンパク質(例えば、7-B16、1-K17など)又は単位剤形並びに/又は製造品を含む1つ以上の容器を含み得る。いくつかの実施形態では、単位投与量が、1つ以上の追加の薬剤を含むか、又は含まない、本明細書で提供される抗体及び/又は融合タンパク質を含む所定量の組成物を含む、単位投与量が提供される。いくつかの実施形態では、かかる単位投与量は、注射用の単回使用プレフィルドシリンジで供給される。いくつかの実施形態では、単位投与量に含有される組成物は、生理食塩水、スクロースなど、ホスフェートなどの緩衝液を含み得、及び/又は安定かつ有効なpH範囲内で製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、適切な液体、例えば、滅菌水の添加時に再構成され得る凍結乾燥粉末として提供され得る。いくつかの実施形態では、組成物は、スクロース及びアルギニンを含むがこれらに限定されない、タンパク質凝集を阻害する1つ以上の物質を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ヘパリン及び/又はプロテオグリカンを含む。
【0449】
いくつかの実施形態では、単位用量で使用される抗体及び/又は融合タンパク質の量は、記載される記載される様々な方法及び/又は組成物についての本明細書で提供される量のうちのいずれかであり得る。
【0450】
いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載の方法のうちのいずれかによるがんの治療における使用のための説明書をさらに含む。キットは、個々の適した又は治療の選択の説明をさらに含み得る。キットにおいて供給される説明書は、典型的には、ラベル又は添付文書(例えば、キットに含まれる紙のシート)に関する書面による説明書であるが、機械可読説明書(例えば、磁気又は光学記憶ディスク上で運搬される説明書)も許容される。いくつかの実施形態では、キットは、別の治療薬をさらに含む。
【0451】
キットは、適した包装にある。適した包装には、バイアル、ボトル、ジャー、可撓性包装(例えば、密封されたマイラー又はプラスチック袋)などが含まれるが、これらに限定されない。キットは、任意選択的に、緩衝液及び解釈情報などの追加の構成要素を提供し得る。したがって、本出願はまた、バイアル(密封バイアルなど)、ボトル、ジャー、可撓性包装などを含む製造品も提供する。
【実施例】
【0452】
以下に論じられる実施例は、本発明の純粋な例示であることを意図しており、いかなる方法でも本発明を限定するものとみなされるべきではない。実施例は、以下の実験がすべて又は実施された唯一の実験であることを表すことを意図するものではない。使用される数(例えば、量、温度など)に関する正確性を確保する努力が払われているが、いくらかの実験誤差及び偏差を考慮する必要がある。特に示されない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧又は大気圧近くである。
実施例1:ヒト腫瘍におけるCCR8 mRNA発現の評価
【0453】
様々なヒト腫瘍におけるCCR8 mRNAの発現を、シリーズアクセッション番号GSE13204下で、Gene Expression Omnibusデータベースで公的に入手可能なデータを使用して決定し、Bloodspotを介してアクセスした(Bagger et al.,Nucleic Acids Research 44(D1):D917-924(2016)、Haferlach,Torsten,et al.Journal of Clinical Oncology 28:2529-37(2010)、及びKohlmann,A.et al.British Journal of Haematology 142,802-807(2008)を参照されたい)。T細胞急性リンパ芽球性白血病(T-cell acute lymphoblastic leukemia、T-ALL)を有する患者の10%が、健康な骨髄において観察された最大値を超えるCCR8 mRNAレベルを有することが見出された(
図1)。
【0454】
CCR8 mRNA発現レベルはまた、OmicSoft OncoLand Hematologyから得られたRNA配列決定データ、Gene Expression Omnibusデータベース及びMultiple Myeloma Genomics Portal(MMGP)を含む複数の研究からの血液関連がんのデータセットの集合から決定した。データは、主要な患者試料、異種移植片、又は細胞株から生成された。これらの試料におけるCCR8の発現は、このデータベースにおける特定の血液悪性腫瘍が、T細胞小児急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、急性リンパ球性白血病などを含む発現レベルが、正常な対照と比較して上昇したことを示唆している(
図2)。
実施例2:CCR8発現は固形腫瘍におけるTregに特異的である
【0455】
腫瘍浸潤Treg及び従来のT細胞(Tconv)におけるCCR8の発現を、以下のようにフローサイトメトリーによって決定した。ヒト腫瘍生検を細胞ストレーナで機械的に解離させて、単一細胞懸濁液を得た。抗ヒトCCR8抗体(BD Biosciences、クローン#433H)又はアイソタイプ適合対照を、フローサイトメトリー分析に使用した。腫瘍浸潤Treg及びTconv細胞の細胞表面上のCCR8発現の密度を、bangs Laboratories,Inc(Quantum Simply Cellular anti IgG)からのビーズを使用し、製造元の指示に従って定量的フローサイトメトリーによって決定した。
【0456】
図3Aに示すように、CCR8は、乳がん、結腸がん、頭頸部がん、肺がん、及び卵巣がん由来の腫瘍において腫瘍浸潤Treg細胞上で優先的に発現された。
図3Bに示すように、細胞表面上のCCR8の密度は、Tconv細胞と比較して腫瘍浸潤Treg細胞の方が高かったが、細胞当たり2,000~8,000CCR8受容体の範囲で低かった。
実施例3:マウス抗huCCR8抗体の生成
【0457】
抗CCR8モノクローナル抗体は、BALB/C、CD1、B6/129、B6/SJL、NZB/NZW、JIL-E株を、以下の抗原:1)ヒトCCR8をコードするプラスミドDNA、又は2)ヒトCCR8を発現する3T12細胞株のうちの1つ以上で免疫化することによって生成された。
【0458】
プラスミドDNA免疫化は、流体力学的尾静脈注射によるものであった。細胞免疫は、マイトマイシンC処理ヒトCCR8を過剰発現する3T12細胞を腹腔内(腹腔内)注射することによって実施された。以下のように、動物のコホートをCCR8過剰発現細胞株で免疫化し、続いてDNA増強を行った。マウスに200μlの調製された抗原を腹腔内又は皮下又は足蹠に2~14日毎に注射した。抗CCR8力価を発達させた動物に、10×106個のCCR8を過剰発現する3T12細胞を静脈内注射した。リンパ節及び/又は脾臓を採取し、単離されたリンパ節細胞及び/又は脾細胞をハイブリドーマ調製に使用した。
【0459】
CCR8結合抗体を産生する動物を選択するために、免疫化動物からの血清をフローサイトメトリーによって試験して、ヒトCCR8過剰発現CHO-S細胞株へ結合するが、親CHO-S細胞株には結合しないことを決定した。簡潔には、ポリクローナル血清の結合は、ヒトCCR8発現CHO-S細胞を連続希釈(1:4)した血清試料でインキュベーションすることによって評価した。次いで、細胞を洗浄し、結合をフィコエリトリン(PE)標識種特異的抗FcIgG抗体で検出した。フローサイトメトリー分析は、BD Fortessaフローサイトメーター(Becton Dickinson,San Jose,CA)を使用して実施された。抗CCR8抗体の最高力価を発症したマウスを融合に使用した。融合は、以下に記載されるように実施された。ハイブリドーマ上清を、フローサイトメトリーによって抗CCR8活性について試験した。
【0460】
マウスから単離された脾細胞及び/又はリンパ球を、電気融合によってマウス骨髄腫細胞株と融合させた。簡潔には、免疫化マウスからの脾細胞の単一細胞懸濁液を、等数のIgG非分泌マウス骨髄腫細胞に融合した。細胞を384ウェルの平底マイクロタイタープレートに約2×104個/ウェルで播種し、続いて1×ヒポキサンチン-アミノプテリン-チミジン(hypoxanthine-aminopterin-thymidine、HAT)培地を含む選択培地で約2週間インキュベーションした。1~2週間後、HATをヒポキサンチン及びチミジン(HT)培地で置き換えた培地で細胞を培養した。細胞播種の約10~14日後、個々のウェルからの上清を、それらがマウスIgGを含有するかどうかについて最初にスクリーニングした。次いで、マウスIgG抗体に対して陽性と評価された上清を、続いて、抗CCR8 IgG抗体についてフローサイトメトリーによってスクリーニングした。次いで、抗CCR8抗体分泌ハイブリドーマを、限定希釈によるサブクローニングプロセスを供した。安定したサブクローンをインビトロで培養して、フローサイトメトリーによるヒトCCR8への結合を決定した。さらなる特性評価のために、確認された陽性クローンをスケールアップして、組織培養培地中に少量の抗体を生成した。ハイブリドーマ上清由来のモノクローナル抗体を、タンパク質Aカラムクロマトグラフィーによって精製した。
実施例4:ヒトCCR8及びヒトCCR4への結合のための抗CCR8抗体スクリーニング
【0461】
ヒトCCR8過剰発現及び親CHO-S細胞株を使用して、フローサイトメトリーによるヒトCCR8への特異的結合について抗体をスクリーニングした。ヒトCCR8に特異的に結合する抗体もまた、フローサイトメトリーによってCCR4への結合について試験した。
図4A~
図4Bに示されるように、抗体1-K16、1-K17、6-B09、7-B16、13-E16、及び19-O07は、ヒトCCR8を発現するCHO-S細胞に結合したが(4A)、ヒトCCR4を発現するCHO-S細胞(4B)、又はトランスフェクションされていないCHO-S細胞に結合しなかった。
【0462】
抗体1-K16、1-K17、6-B09、7-B16、13-E16、及び19-O07を配列決定し、さらなる特性評価のためにヒトIgG1骨格に再フォーマットした。
【0463】
CCR8へ結合し、CCR4に結合しないことは、キメラ及びヒト化抗体についても確認された。
実施例5:抗CCR8キメラ抗体によるCCL1遮断についてのスクリーニング
【0464】
CCL1の表面発現CCR8への結合は、下流シグナル伝達を誘導し、抗CCR8抗体でのCCR8の遮断は、このシグナル伝達経路を阻害し得る。したがって、キメラ形式の抗CCR8抗体は、細胞ベースのアッセイであるDiscoverX Bioassay(Eurofins)においてリガンド-受容体相互作用を阻害する能力についてスクリーニングし、CCR8シグナル伝達のアンタゴニストを同定した。
【0465】
簡潔には、PathHunter(登録商標)β-Arrestin eXpress GPCRアッセイキット(Eurofin)からの5000PathHunter eXpress β-Arrestin GPCR細胞を、96ウェルアッセイプレートの各ウェルに播種し、37℃、5%CO
2で培養した。48時間のインキュベーション後、各キメラ抗体を段階希釈し、アッセイプレートの指定された行に添加し、37℃で30分間インキュベーションした。次いで、13.7nMのヒトCCL1を添加し、37℃で90分間インキュベーションした。次いで、作業検出溶液をアッセイプレートのすべてのウェルに添加し、アッセイプレートを暗所で、室温で1時間インキュベーションした。アッセイプレートは、標準的な発光プレートリーダーで、光電子増倍管リーダーの場合は0.1~1秒/ウェル、イメージャーの場合は5~10秒で読み取った。GraphPad Prismソフトウェアを使用してデータをプロットして、IC50値を得て、
図5及び表2に要約した。
【表2】
【0466】
図5及び表2に示されるように、抗体は、様々なレベルの拮抗作用を示した。抗体1-K17及び7-B16は、DiscoverXアッセイにおいて最も強力なアンタゴニストであった。
実施例6.フローサイトメトリー及びELISAによる抗CCR8抗体のエピトープビニング
【0467】
ヒトCCR8に対する抗体のサブセットは、タンデム形式のフローサイトメトリー法を使用してエピトープをビニングした。簡潔には、1セットの抗体をビオチン化した。ヒトCCR8過剰発現細胞を、10μg/mLで非ビオチン化抗体とともに、1時間、4℃でインキュベーションし、次いで洗浄することなく、ビオチン化抗体を10μg/mLで添加した。さらに1時間インキュベーションした後、細胞を3回洗浄し、次いでストレプトアビジン-フィコエリトリン(PE-strep)二次抗体で30分間染色した。結合競合は、フローサイトメトリーによってPEを検出することによって決定した。応答値は、個々の抗体の最大結合の%として正規化された。ビニング結果を表3Aに示し、ヒトCCR8過剰発現リポ粒子を使用した連続式ELISA法によって確認した(表3B)。
【表3A】
【表3B】
【0468】
表3A及び3Bに示すように、7-B16、1-K16及び1-K17は同じエピトープビンにあり、19-O07及び6-B09は同じエピトープビンにある。7-B16及び1-K16は、一方向結合を示す。
実施例7.ADCC機能のための抗CCR8キメラ抗体のスクリーニング
【0469】
PromegaからのADCCレポーターバイオアッセイキットを使用して、抗CCR8のヒトIgG1キメラ及びヒト化バージョンのエフェクタ機能を決定した。簡潔には、ヒトCCR8発現CHO-S細胞を、106細胞/mL濃度で、予熱されたアッセイ緩衝液(37℃)に再懸濁した。25,000個の細胞を96ウェルの平坦クリア底プレート中で連続希釈した抗CCR8抗体と混合し、次いで37℃、5%CO2で1時間インキュベーションした。Promega BioAssayエフェクタ細胞を、標的細胞に対して様々な比率で個々のウェルに添加し、37℃、5%CO2で、6時間さらにインキュベーションした。インキュベーション後、アッセイプレートをベンチトップ上のホイルの下で15分間室温に平衡化した。事前混合されたBio-Gloルシフェラーゼアッセイ基質を各ウェルに添加し、室温で5分間インキュベーションした。アッセイプレートを、基質添加の30分以内にBio-Tekプレートリーダーで読み取った。GraphPad Prismソフトウェアを使用してデータをプロットして、個々の抗体のEC50値を生成した。
【0470】
結果を
図6及び表4に示し、試験した各抗体についてのADCC機能のEC50値を示す。ヒトIgG1キメラ1-K17及び7-B16は、強力なADCC活性を示した。
【表4】
実施例8.抗体1-K17及び7-B16の親和性特性評価
【0471】
キメラ抗体1-K17及び7-B16の親和性は、Sapidyne Instruments Inc.での結合平衡排除アッセイ(KinExA)によって決定された。平衡解離定数(Kd)を決定するために、ヒトCCR8発現CHO-S細胞を、1-K17若しくは7-B16のバックグラウンド又は陰性対照mAbで滴定した。試料を37℃で2.5時間穏やかに揺り動かして平衡を達成した。インキュベーション後、細胞を遠心分離し、細胞ペレットを乱すことなく、1-K17若しくは7-B16又は陰性対照mAbの遊離画分を除去した。ビオチン化ヤギ抗ヒトIgGでコーティングされたPMMAビーズを使用して、1-K17若しくは7-B16又は陰性対照mAb及びヒトCCR8発現CHO-S細胞の平衡化試料から遊離1-K17若しくは7-B16又は陰性対照mAbの一部分を捕捉した。捕捉された1-K17若しくは7-B16又は陰性対照mAbを蛍光標識された検出抗体で検出した。蛍光シグナルは、平衡化された試料中の遊離1-K17若しくは7-B16又は陰性対照mAbの量に正比例する電圧シグナルに変換された。
【0472】
会合速度(kon)を決定するために、同じ固定化ビオチン化ヤギ抗ヒトIgG-PMMAカラムを、反応速度実験のために捕捉試薬として使用した。試料中の遊離1-K17若しくは7-B16又は陰性対照mAbの量を、平衡状態で測定し、試料が平衡に向かって移動するときに遊離1-K17若しくは7-B16又は陰性対照mAbの減少を監視するデータ点を得た。
【0473】
データ分析は、Kd及びkonを生成するためにSapidyne Instruments IncでのKinExAProソフトウェアを使用して実施された。解離速度(koff)を以下の式に基づいて計算した。
koff=Kd×kon
【0474】
表5に示すように、両方の抗体は、18~220pMの高親和性範囲を示した。
【表5】
実施例9:抗体1-K17及び7-B16のヒト化及びホットスポット補正
【0475】
抗体1-K17及び7-B16は、リード抗体のCDRを選択されたヒトIgG生殖細胞系列フレームワークにグラフト化することによってヒト化した。ヒト生殖細胞系列IGHV、IGKV、IGHJ、及びIGKJは、両方のフレームワーク(FR)内の配列類似性に基づいて選択された。親抗体及び選択された生殖細胞系列を表6に要約する。正規ループ構造及び鎖界面を維持するために、ヒト生殖細胞系列フレームワークにおける特定の残基を、対応するマウス残基に逆変異させた(表6において太字)。
【0476】
インシリコ予測では、1-K17及び7-B16の両方のCDRにおいて、リスクの高い配列の責任があることを意味した。例えば、ヒト化1-K17のCDR-H2領域にNGモチーフがある。重鎖におけるN55位での3つの責任変異を、活性に影響を与えることなく、VH中の潜在的な脱アミド化部位を除去することができるかどうかを確認するために評価した。残基置換N55Qは、重鎖中の潜在的な脱アミド化部位(N55)を除去し、ヒト化配列に組み込まれるように選択された。1-K17のCDR-L1領域では、脱アミド化の影響を受けやすい場合があるNG及びNTモチーフがある。残基置換G34A及びN35Qは、軽鎖中の潜在的な脱アミド化部位(N33及びN35)を除去し、ヒト化配列に組み込まれるように選択された。ヒト化1-K17軽鎖と同じ変異設計を試験して、CDR-L2における酸化責任を除去するために、M56L変異に加えて、7-B16 CDR-L1における潜在的な脱アミド化責任を除去した。配列を表6に要約する。
【表6-1】
【表6-2】
【0477】
すべての最適化された抗体は、ヒトCCR8発現CHO-Sに結合することが確認された。ヒト化バージョンの抗体1-K17及び7-B16の親和性定数を表7に示す。
【表7】
実施例10:抗体アフコシル化の分析
【0478】
ADCCレポーター活性を、Promega ADCCレポーターバイオアッセイキットを使用して、製造元の推奨に従って、ヒトIgG1及びアフコシル化ヒトIgG1バージョンの抗ヒトCCR8クローン1K17について評価した。細胞表面上に300,000又は10,000個のヒトCCR8分子を過剰発現するチャイニーズハムスター卵巣(Chinese Hamster ovarian、CHO)細胞を、3:1のエフェクタ細胞対標的細胞比で標的細胞として使用した。
【0479】
IK17 hIgG1抗体は、低密度のCCR8を発現した細胞のADCCを誘発しなかった(
図7A)。対照的に、IK17hIgG1アフコシル化抗体での処理は、高レベル及び低レベルのCCR8の両方を発現する細胞においてより大きなFc媒介ADCCを産生した(
図7B)。したがって、抗ヒトCCR8 IgG1抗体のアフコシル化は、低レベルのCCR8を発現する細胞に対するADCC活性を改善する。本明細書で論じられるように、腫瘍浸潤Tregは、低レベルのCCR8を発現し、したがって、アフコシル化抗CCR8抗体は、CCR8発現腫瘍浸潤Tregに対して有効なADCC活性を提供し得、非アフコシル化抗体ではそうでないことが見出された。
実施例11:抗体のインビボ分析
【0480】
抗CCR8 mIgG2a及びmIgG1抗体を、mIgG2aアイソタイプ対照と比較して腫瘍モデルにおいて評価した。57Bl6マウスに2.5×10e5個のMC38細胞を接種した。各処置群には、0日目に既に確立された腫瘍(100mm3)を有する4匹の動物が含まれた。動物に、0日目に、上記の200μgの抗マウスCCR8又はアイソタイプ対照抗体(すなわち、抗マウスCCR8 mIgG2a又は抗マウスCCR8 mIgG1又はマウスIgG2aアイソタイプ対照)を腹腔内(i.p.)注射を1回し、フローサイトメトリー分析のために3日後に腫瘍を収集した。
【0481】
図8A~
図8Cに示されるように、腫瘍浸潤Tregの割合は、抗CCR8 mIgG2a群において減少するが、他の群では減少しなかった。
【0482】
抗体の治療効果も評価した。0日目に確立された腫瘍(100mm3)を有するマウスに、上記の200μgの抗マウスCCR8又はアイソタイプ対照抗体(すなわち、抗マウスCCR8 mIgG2a又は抗マウスCCR8 mIgG1又はマウスIgG2aアイソタイプ対照)を週2回、0、3、7、10、14、及び17日目に1回、腹腔内(i.p)注射した。各処置群は、10~15匹の動物を含み、腫瘍の増殖は、キャリパー機器で測定された。
【0483】
図9A~
図9Bは、抗マウスCCR8モノクローナル抗体のFcエフェクタ機能が治療効果を促進することを示す。Fcインコンピテント(マウスIgG1)ではなく、Fcコンピテント(マウスIgG2a)抗マウスCCR8抗体が、腫瘍増殖を減少させ、このMC38同系モデルにおけるマウスの生存を促進した。
実施例12:血液がんにおけるCCR8 mRNA発現
【0484】
全トランスクリプトーム配列決定(「RNAseq」)のデータベースは、白血病及びリンパ腫に向けられた複数の研究を横断してCCR8発現を探索するように構築された。データセットは、キーワード「白血病」及び「リンパ腫」について選択され、recount2からダウンロードされた(Collado-Torres et al.,Nature biotechnology 35.4(2017):319-321)。データベースは、22個のがん型を横断した98個の研究から2,679個の試料を含んでいた。データセットは、一次患者試料、細胞株、及び異種移植片からの試料を含んでいた。供給源には、骨髄、末梢血、及び他の組織源が含まれている。mRNA発現レベルは、100万当たりの転写物(Transcripts Per Million、TPM)に変換され、試料を横断して正規化された定量化は、研究及び試料を横断して全体的な発現差を調整し、log2転換された。多数の非発現遺伝子を有するデータセット又は不完全なメタデータを有するデータセットを省略した。CCR8を、がん型を横断して評価し、正常な健康な血液と比較して対数倍率変化で評価した。
【0485】
図10に示されるように、以下の症状は、偽発見率を補正した場合(調整されたp値<0.05)、片側t検定で正常な血液と比較して、CCR8の有意な上方調節を有した:皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫(TLLL)、及びT細胞急性リンパ球性白血病(TALL)。未分化大細胞リンパ腫(ALCL)は、名目上のp値によって有意であったが、FDR補正後に有意ではなかった。
実施例13:7-B16のバリアントのスクリーニング
【0486】
7-B16のバリアントの異なるカテゴリを生成し、スクリーニングして、結合親和性及び活性を確立した。第1のカテゴリは、7-B16のCDR H3において単一の置換変異を含んだ。第2のカテゴリは、7-B16のCDR H3において2つ又は3つの置換変異を含んだ。第3のカテゴリは、7-B16のCDR H1、H2、L1、L2、又はL3が、本明細書で開示される他の抗体のうちの1つに由来する対応するCDRと交換されるバリアントを含んだ。
【0487】
バリアントの第1のカテゴリ(CDR H3における単一置換変異)は、重鎖CDR3の各アミノ酸残基(すなわち、CDR H3)を、アラニン残基で反復的に置換したバリアントを含んでいた。これらの変異体をADCC活性(EC50及び倍率誘導の両方)、オクテット応答、及びCCR8結合について評価した。
【0488】
ADCC活性を、上記の実施例7で使用した同じ方法に従って評価した。簡潔には、PromegaからのADCCレポーターバイオアッセイキットを使用して、ヒトIgG1キメラ及びヒト化バージョンの抗CCR8のエフェクタ機能を決定した。ヒトCCR8発現CHO-S細胞を、106細胞/mL濃度で、予熱されたアッセイ緩衝液(37℃)に再懸濁した。25,000個の細胞を96ウェルの平坦クリア底プレート中で連続希釈した抗CCR8抗体と混合し、次いで37℃、5%CO2で1時間インキュベーションした。Promega BioAssayエフェクタ細胞を、標的細胞に対して様々な比率で個々のウェルに添加し、37℃、5%CO2で、6時間さらにインキュベーションした。インキュベーション後、アッセイプレートをベンチトップ上のホイルの下で15分間室温に平衡化した。事前混合されたBio-Gloルシフェラーゼアッセイ基質を各ウェルに添加し、室温で5分間インキュベーションした。アッセイプレートを、基質添加の30分以内にBio-Tekプレートリーダーで読み取った。
【0489】
CCR8結合を、実施例4で使用した同じ方法に従ってフローサイトメトリーを使用して決定した。簡潔には、ヒトCCR8過剰発現及び親CHO-S細胞株を使用して、フローサイトメトリーによるヒトCCR8への特異的結合について抗体をスクリーニングした。ヒトCCR8に特異的に結合する抗体もまた、フローサイトメトリーによってCCR4への結合について試験した。
【0490】
最後に、7-B16のパラトープを理解するために、CDR-H3アラニンスキャンバリアントを生成した。7-B16のCDR-H3アラニンスキャンバリアントのCCR8への結合は、マルトース結合タンパク質(CCR8-NT.MBP、その完全長配列が配列番号128として提供される)と融合したN末端ペプチド(aa1~35)を使用して、ForteBio Octetによって決定された。配列番号128のアミノ酸406~440(すなわち、CCR8-NT.MBP)は、CCR8タンパク質のアミノ酸1~35を表し、この配列内では、太字のイタリックで示されているチロシン残基のすべては硫酸化され得る:MDYTLDLSVTTVTDYYYPDIFSSPCDAELIQTNGK(配列番号128のアミノ酸406~440)。配列番号128のアミノ酸1~364は、マルトース結合タンパク質を表す。
【0491】
この評価のために、10μg/mlの7-B16のアラニンスキャンバリアントをAHCバイオセンサ上で捕捉した。300nMのCCR8-NT.MBPを分析物として使用して、CCR8へのバリアントの結合を決定した。CCR8-NT.MBPへのバリアントの結合をOctet応答(nMシフト)として記録した。
【0492】
これらのアッセイの結果を以下の表8及び
図11に要約する。
【表8】
【0493】
バリアント7B16.002、7B16.008、及び7B16.013は、以下でより詳細に論じられる、組み合わせバリアントのために選択された。
【0494】
第2及び第3のカテゴリ(それぞれ交換されたCDR H3又はCDRにおける2つ又は3つの置換変異)は、以下の表9に示される。
【表9】
【0495】
表9に示される7-B16のさらなるバリアントを、表8に開示されるCDR H3単一置換バリアントについて記載された同じ方法に従って、オクテット応答及びCCR8結合について評価した。結果を以下に示す。具体的には、表10は、フローサイトメトリーによって決定されるように、CHO CCR8へのオクテット応答及び結合を示す。
【表10】
【0496】
表10に示すように、アラニン組み合わせ変異体のうちのいずれについてもオクテット応答に有意な変化はなかった。しかしながら、CDR交換されたバリアントH1、H3、L1、及びL3においては結合の損失があり、CDR交換されたバリアントL1については、結合がわずかに減少した。
【0497】
表9に示される7B16のさらなるバリアントも、表8に開示されるCDR H3単一置換バリアントについて記載された同じ方法に従って、ADCC活性(EC50及び倍率誘導の両方)について評価されるであろう。これらのバリアントも同様のADCC活性を有することが予想される。
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【0498】
本開示は、その趣旨又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化され得る。したがって、前述の実施形態は、本開示を限定するものではなく、すべての点で例示的であると考慮される必要がある。したがって、本開示の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、したがって、特許請求の範囲の意味及び等価物の範囲内にあるすべての変更は、本明細書に包含されることが意図される。
【表11-1】
【表11-2】
【表11-3】
【表11-4】
【表11-5】
【表11-6】
【表11-7】
【表11-8】
【表11-9】
【表11-10】
【表11-11】
【配列表】