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  • 特許-高強度メインティースプライス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】高強度メインティースプライス
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/10 20060101AFI20240718BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20240718BHJP
   E04B 9/06 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
E04B9/10 100
F16B5/10 A
E04B9/06 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022550796
(86)(22)【出願日】2021-03-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2021020821
(87)【国際公開番号】W WO2021183358
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2024-02-15
(31)【優先権主張番号】16/816,319
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512127109
【氏名又は名称】ユーエスジー・インテリアズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ホイ
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06729100(US,B2)
【文献】特開昭59-091247(JP,A)
【文献】米国特許第04685262(US,A)
【文献】登録実用新案第3086978(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/06-9/10
F16B 5/00-5/12
F16B 7/00-7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランナを越えて長軸方向に延在するように構成された端部タブと、端部タブ受容ポケットと、を備える、隣接する吊り天井のランナ同士を長軸方向に接続するコネクタであって、前記端部タブが、リード端部を有し、前記受容ポケットが、前記端部タブの後方にあり、前記端部タブが、前記リード端部の後方に平面状本体部分を備えた本体を有し、前記平面状本体部分の材料が、平面を画定し、前記ポケットが、隣接するランナが有する同一コネクタの前記リード端部を受容するように適合されており、前記ポケットが、前記本体部分の前記平面の横のゾーンにある壁を有し、前記端部タブが、前記端部タブの側面に突出する係止突起と前記係止突起の後方に設けられる係止縁を有し、前記ポケットが、くぼみと、前記同一コネクタの前記リード端部を含む前記端部タブを受容するための前記くぼみに隣接する開口部とを有し、前記くぼみが、垂直方向に干渉なしに前記同一コネクタの前記端部タブを受容する寸法の垂直高さを有し、それによって、前記端部タブが前記くぼみに受容された場合、前記受容された端部タブが、前記くぼみに完全に当接し、前記開口部が、前記同一コネクタの前記係止突起の前記係止縁と噛み合うための後方に面する縁を含み、前記くぼみが前記後方に面する縁の前方に位置する、吊り天井のランナ用のコネクタ。
【請求項2】
前記開口部が、前記端部タブの最大垂直寸法より大きい垂直寸法を有する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記端部タブが、前記同一コネクタと完全に係止係合する前に、組み立て動作において前記同一コネクタの前記係止突起を受容するための逃がしエリアを含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
端部タブと、横方向にオフセットされた壁を有し、かつ、くぼみを有する端部タブ受容ポケットと、を備える、隣接する吊り天井のランナ同士を長軸方向に接続するコネクタであって、前記端部タブが、前記ランナを越えて長軸方向に突出するように配置され、縁を備えたリード端部を有し、前記受容ポケットが、前記端部タブの後方にあり、前記端部タブが、前記リード端部の後方に平坦な部分を備えた本体を有し、前記平坦な本体の部分の材料が、平面を画定し、前記ポケットのくぼみが、垂直方向に干渉なしに隣接するランナが有する同一コネクタの前記リード端部を受容するように適合されており、前記壁の周囲が、前記端部タブの延在する方向において前記壁の長さの部分に沿って前記コネクタの周囲の部品が取り付けられておらず、それにより、前記壁が、弾性ばねとして動作し、前記端部タブが、後方に面した係止縁を備えた横方向の突出ロックを含み、前記ポケットが、前記端部タブに対して一定の垂直クリアランスを備えた前記同一コネクタの前記突出ロックを受容するための開口部を有し、かつ、前記同一コネクタの前記突出ロックの前記係止縁と噛み合うための後方に面する縁を含み、前記くぼみが前記後方に面する縁の前方に位置し、前記壁が、前記同一コネクタの前記突出ロックが、過度の抵抗なしに、前記後方に面する縁に隣接する前記端部タブのエリアを越えてスライドすることを可能にするのに十分な距離を、ばねとして撓むように配置され、かつ、前記同一コネクタの前記端部タブが前記くぼみと完全に接触した状態および前記後方に面する縁と係合した前記同一コネクタの前記突出ロックが備える係止が前記後方に面する縁と係止した状態を維持する、吊り天井のランナ用のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り天井グリッド構成要素の改良に関し、特に、そのようなシステムのメインランナまたはティー用の端部コネクタに関する。
【背景先行技術】
【0002】
一貫して現場での組み立てが簡単で、信頼性の高い確実な相互接続をもたらす、以前に知られた設計を用いたメインティーグリッドスプライスコネクタを製造することは困難である。メインランナまたはティー用の様々な既知の端部コネクタは、多くの理由で取り付けがやや難しい場合がある。このようなコネクタには自己整列性がないことがあり、自己整列性が備わっていても、この点でのそれらのパフォーマンスは、せいぜいわずかであり得る。コネクタ部品の構成に突起した表面または突出部があり、嵌合端部コネクタの結合の進行と干渉する場合、端部コネクタ間の滑らかな係合および結合が妨げられる可能性がある。
【0003】
典型的には、メインランナは、12フィートの長さであり、取り付け中に、前のランナに接合される端部に対して、中央の遠い側でランナをつかむ技術者によって取り付けられる。これにより、適切なバランスが取れ、技術者が最初にランナを吊り下げ位置に結びつけるのに適した位置にいることを可能にする。したがって、技術者は接合部から少なくとも6フィート離れており、その結果、技術者が前のランナの端部受容ポケットをはっきりと見ることは困難である。さらに、この場所から、技術者は、片手で接合される端部をカップ状にして、それらを一緒に整列させることはできない。その結果、当技術分野では、自己整合性能力を提供する端部接続またはスプライスシステムが必要とされている。
【0004】
材料の在庫、工具の摩耗、またはその他の製造条件の変動により、端部コネクタが寸法公差から外れているか、ほぼ外れている場合、より微妙ではあるが、時にはより厄介な問題が発生する。この状況では、ランナの端部を接続するために必要な力は、ランナごとに異なる可能性があり、その結果、グリッドを取り付ける技術者は、適切な接続が行われているかどうかわからないことに困惑している。加えて、これらの寸法的に限界のある部品は、過剰な組み立て力を必要とする可能性があり、これも技術者の気を散らしたりイライラさせたりする。
【0005】
米国特許第6,729,100号は、技術を進歩させ、一貫して信頼性のある製品であることが証明されたメインティースプライスを開示している。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、1つのスプライスの端部タブまたはタングを嵌合スプライスの受容くぼみに垂直にきつく合わせるという従来の慣行から逸脱して、引張力容量の顕著な増加を達成する。本発明によれば、その基部に沿った受容くぼみは、端部タブの指定された最大高さよりも大きい垂直平均寸法公差で意図的に作られる。スプライス間の垂直整列はわずかに低下することがあるが、スプライス接合部は強度において実質的増加を達成することができ、同等の材料の厚さの従来技術の構成よりも48%も超えて達する。開示されたスプライス接合部は、好ましくは、スプライスがグリッドランナ本体に一体的に形成される場合、グリッド本体材料の厚さの減少を可能にすることができる。その結果、製造コストの大幅な削減となり得る。
【0007】
例解された実施形態では、端部タブは、垂直方向および水平方向の両方で対向するコネクタの受容ポケットにそれ自体を整列させるための要素を有する。垂直方向の整列機能は、端部タブのずれが対向するティーランナのフランジによって物理的に制限されている状態から有利に有効である。この構造は、端部タブが最初に、対向する以前に取り付けられたランナのフランジ上に置かれ、次に取り付け者によって単純に端部方向の力を受ける場所で接続が行なわれることを可能にする。端部タブのリーディングプロファイルは、対向するティーのフランジによって確立された垂直位置において、端部タブを嵌合コネクタとの整列に向けてカムするのに効果的である。端部タブの垂直自己整列特性は、対向するコネクタ端部タブの溝と位置合わせするロックランス要素によって増強される。ロックランスの垂直整列作用は、コネクタの水平方向の整列要素によって補助される。コネクタの水平整列要素は、端部タブの主要部分の平面から端部タブの前方部分を曲げることによって形成されるリード角と、端部タブ受容ポケットへの外向きのフレア状の入口とを備える。これらのリード角およびフレア状の入口要素は、縁エリアと比較して、コネクタの滑らかな機能を向上させる比較的大きく滑らかなカム面を提供する。端部タブのリード角および対向するコネクタの外向きのフレアは、水平方向の整列のために容易に相互に係合される。加えて、これらのリード角および外向きのフレア構成要素は、これらの構成要素間の縁と面との直接接触を回避し、その結果、コネクタ間の潜在的な干渉が最大になる組み立て動作の後期段階で、ロックランスが対向するコネクタの逃がし溝から出るときに、滑らかなスライド作用が発生する。
【0008】
開示されたコネクタは、接続が完了するときに可聴のカチッという音を生成するように構成されており、したがって、取り付け技術者に同じことを知らせる。カチッという音の再現性および大きさは、コネクタのいくつかの構造要素の結果である。ロックランスは、対向するコネクタの係止縁と干渉することなく、対向するコネクタの嵌合縁を越えてスナップさせるように構成された係止縁を有する。対向するコネクタの受容ポケットの弾性特性は、端部タブのロックランスが対向するコネクタの係止縁を越えてスナップするときに端部タブに運動エネルギーを伝える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】2つのメインランナまたはティーの端部部分の斜視図であり、それらの端部方向の組み立てまたは接続の前を示す。
図2図1と同様の視図であるが、端部コネクタまたはスプライスが相互に完全に係合している。
図3】本発明を採用したグリッドランナの立面側面図である。
図4】拡大されたスケールの、グリッドランナの端部スプライスの側面図である。
図5図4に示される面5-5で取られた端部スプライスの断面図である。
図6図4に示される面6-6で取られたスプライスの端部タブ受容くぼみの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで図面、特に図3を参照すると、当技術分野で知られている吊り天井グリッドシステムに普通使用される一般的なタイプのメインランナまたはティー10が示されている。典型的には、そのようなメインランナまたはティー10は、クロスランナまたはティー(図示せず)と組み合わされて、吊り下げグリッドワークを作成する。図示の例では、メインティー10は、典型的には鋼の2つの成形金属ストリップ12、13で作られているが、アルミニウムなどの他の材料を使用することもできる。ストリップ12のうちの1つは、上部中空バルブ14、二重壁ウェブ16、および反対側に延在するフランジ17を形成し、すべて互いに一体となっている。ストリップ12は、用途に応じて、例えば、0.008インチから0.024インチの厚さを有することができる。他方のストリップ13は、フランジ17の下にあり、フランジ17の遠位端部の周りに巻き付けられて、ストリップ12をそのティー形状にロックし、フランジ17間の継ぎ目を隠し、ティー10の下面18に滑らかな外観を提供し、ストリップ13の下面18は、典型的には、外観の目的のために塗装されている。下部ストリップ13は、好適な材料、典型的には鋼、であるであるが、アルミニウムなどの他の材料であってもよい。ウェブ16を貫通する穴(図示せず)は、ティー10をワイヤまたは当技術分野で知られている他の手段によって吊り下げることを可能にする。ランナ10は、当技術分野で知られている従来のティー形状以外に、様々な他の形状を有することができることが理解されるであろう。
【0011】
ランナまたはティー10は、図示の場合、ウェブ16と一体化された端部コネクタまたはスプライス20を有する。本発明の特定の特徴は、単一のウェブ壁または層に形成されるか、またはリベットもしくは当技術分野で知られている他の手段でランナの主要部品に接合される別個の要素として全体的または部分的に形成される、コネクタに適用することができることが理解されるであろう。従来通り、ランナまたはティー10は、各端部にコネクタ20を有する。
【0012】
コネクタ20は、端部タブ21と端部タブ受容ポケット22とを含み、これらは、以下に説明するように、「ハンドシェイク」の様態で同一コネクタと協働して、2つの整列したティーまたはランナ10の対向する端部を一緒に接続する。端部タブ21およびポケット22は、好適な打ち抜き型によって型抜きされ、形成される。端部タブ21は、ティー10の長さ方向に垂直な仮想垂直面から突出し、下面18が終了する場所に位置し、この場所はティー本来の名目上の端部である。端部タブ21の主要部分または「ランド」部分は平面であり、ウェブの壁を形成するストックの厚さ(つまり、1つのウェブ壁の厚さ)に少なくとも等しい距離だけティー10の中心の平面(ウェブ16の壁が当接する場所)からオフセットしている。理解されるように、これは、端部タブ21の面が、接合または接続されるティー10の各々の実質的に中央面で、別の端部タブの面に当接することを可能にする。
【0013】
端部タブ21の側面外形は、上端および下端にそれぞれ2つの平行な水平縁23、24を有する概して長方形である。端部部分またはリード角26の平面は、例えば、端部タブ本体の平面から、端部タブがオフセットしているティー10の側面まで、約35°の鋭角にある。
【0014】
ロックランス27は、端部タブの中央高さで端部タブ21の前方エリアに打ち抜かれる。ロックランス27は、リード角端部部分26が曲げられて端部タブがオフセットしている側と同じ側に、端部タブ本体の平面から突出している。ロックランス27は球状であり、好ましくは弾丸の縦方向半分の概略形状を有する。ランス27の係止縁28は、元々、逃げおよび整列溝31の端部縁29に共通の線から打ち抜き型によってカットされている。
【0015】
逃がし溝31は、ロックランス27と垂直方向に整列され、ロックランスから受容ポケット22に隣接する幾分丸みを帯びた端部33まで長軸方向後方に延在する。逃がし溝31は、ロックランス27の高さと同程度かそれ以上の深さと、ロックランスよりも適度に広い幅とを有している。
【0016】
タブ受容ポケット22は、壁37および開口部38を備える。図示の場合、壁37および開口部38は長方形であり、平行な水平線またはカット39および垂直線またはカット42に沿ってウェブ16のストックをランシングまたはカットすることによって製造される。カットまたは縁42の任意のばりは、0.005インチを超えるべきではない。ポケット壁37は、ウェブ16に近い側43に沿ってウェブ16と一体であるが、遠位縁44ならびに上縁46および下縁47を含む残りの部分は、ウェブから切り離されている。特に図5を参照すると、壁37は、ほとんどの部分について、ウェブ16の横方向外側に間隔を空けて配置された非平面構成に打ち抜かれる。この文脈において、ウェブ16の平面は、ウェブ自体によって占められる空間として定義される。ウェブ16に近い壁37の領域は、ウェブ16の平面から離れて曲げられたステップ部分48と、ウェブの平面に対してわずかに後ろに曲げられた中間部分49とによって中空を形成する。ポケット壁37の遠位端部には、ウェブ16の平面に対してある角度で外向きのフレア部分51が形成されている。壁37は、図5で見ると、外向きのフレア部分51と中間部分49との間の曲げ線52のゾーンで凹んでおり、その結果、このゾーン52は、壁37の隣接部と比較して、ウェブ16の平面に近接しているという点で排他的である。
【0017】
先に述べた端部タブ21の平面の横方向または水平方向のオフセットは、タブの後方部分にくぼみ56を提供する。好ましくは、くぼみ56の深さまたは水平オフセットは、2プライウェブ16の層またはプライの単一の厚さ、すなわちウェブ厚さの半分に等しい。本発明によれば、くぼみ56は、同一の嵌合スプライス20の端部タブ21の突出する前方部分を完全に受容するように、垂直方向において正確に寸法決めされている。限定ではなく例として、くぼみの基部での垂直製造寸法D(図6)は、0.636±0.005インチとすることができ、一方で、端部タブ21の長軸方向に突出する部分の最大垂直高さは、0.625±0.005インチとすることができる。したがって、端部タブ21およびくぼみ56のこれらの製造垂直高さの間に寸法上の干渉は実際上存在しない。端部タブ21の遠位端部が開口部38に受容されるため、これらの要素間に長軸方向の干渉はない。開口部38は、例えば、製造時に0.636±0.005インチの垂直寸法を有するので、嵌合端部タブ21との間に一定の垂直クリアランスが存在する。この寸法構成は、一方の端部タブ21の突出部が、嵌合スプライス20のくぼみ56の表面に完全に横方向に当接または接触することができることを保証する。次に、それぞれのくぼみ56における嵌合タブ21の平坦部分の完全な着座は、各タブ21のランス突起27が、ランス突起係止縁28の基部でそれぞれの開口部38の反対側の縁またはカット42に係合することを保証し、そこで、端部タブ本体と合流し、安定して最強になる。ウェブ16を超えるロックランス27の横方向の突出は、ウェブ16の全厚に少なくとも等しいことが好ましい。
【0018】
コネクタ20は、図2に示すように同一コネクタと嵌合するように適合されている。この様態で、連続するメインティーまたはランナ10が、端部から端部に一緒に接合されて、吊り天井が構築される部屋または他の空間にまたがる。コネクタ20の重要な特徴は、嵌合コネクタに自己整合する能力である。1つのティー10のコネクタ20は、別のティーのフランジ17の上側に載ることができる。この状態は、1つのティーが以前に取り付けられており、別のティーが以前に取り付けられたティーに接合されている場合に最も典型的に見られる。リード縁32の下部傾斜湾曲部60は、対向コネクタのポケット開口部38の下部縁よりもわずかに高くなる部分を有する。同様に、関連する端部タブのリード縁の上部傾斜湾曲部61は、コネクタ20の上部開口縁39よりも下になる部分を有する。コネクタ20が対向コネクタに向かって水平方向または横方向に付勢されると、リード角端部部分26が対向するコネクタのポケット開口部38に滑り込む。取り付けられているティー10に加えられる長軸方向の力は、対向するコネクタのポケット開口縁41に対して作用する傾斜縁60に、対向するコネクタに対して上方にコネクタ20をカムさせ、それによって対向するコネクタにコネクタを自己整列させる。ポケット構造と係合するときにコネクタを上下にシフトさせることができる丸みを帯びた縁部60、61の他の形状が考えられる。このカム作用は、2つの他のカム機能によって増強される。リード角端部部分26とポケット壁37の外向きのフレア部分51との間のカム状の相互係合は、これらの要素の各セットにおいて、ティーが互いに向かって軸方向または長軸方向に押されるとき、コネクタ20を互いに向かって横方向または水平方向にバイアスする。ロックランス27が対向する逃がし溝31と相互に係合するとき、これらの要素は、リード角端部部分26およびポケット壁フレア部51のセットによって生じる横方向または水平方向のバイアスに応答して、コネクタ20を垂直方向にカムし、再び自己整列作用を行なう。これらの組み合わされたカム作用の結果、コネクタ20は確実に自己整列し、相互接続が比較的容易になる。
【0019】
逃がし溝31は、端部タブ21が対向するポケット穴または開口部38に実質的に受容されることによってコネクタが効果的に整列されるまで、ロックランス27の突出によるコネクタ間の著しい干渉を回避する。ロックランス27がそれらの対向するコネクタ20のそれぞれの逃がし溝31の端部33に到達するとき、取り付けられるティーの継続的な前進は、ポケット壁37が一時的に横方向外向きに弾力的に撓むことを必要として、ロックランスが溝の端部から、ポケット壁37が作られたときに形成された切り込みまたは縁42を通過するまで、端部タブ本体の表面上を短い距離にわたってスライドすることを可能にする。壁37の凹角特性は、曲げ線52の表面積が対向する端部タブ21にもっぱら接触することが可能にし、一貫したばね作用を保証する。この時点で、撓んだ弾性ポケット壁37によって生じるばね状力の影響下で、ロックランス27は、対向するコネクタの縁42の後ろで長軸方向にスナップし、それによって接続またはスプライスを完了する。
【0020】
コネクタの開示された構造的特徴の有益な結果は、ロックランス縁28がポケット開口部38の縁42を通過するときに可聴のカチッという音が生成され、端部タブ21が互いに対してスナップすることを可能にすることである。カチッという音は、接続が完了したことを取り付け技術者に知らせる。このカチッという音の大きさは、考察したように、90度以下であるロックランス縁28の幾可学的形状に部分的に起因し、それによって、この縁が90度を超える平面内にある場合、対向する係止縁42を滑り落ちて、カチッという音をミュートする状態を回避する。
【0021】
ポケット壁のリード角端部部分26およびフレア部分51は、ロックランスが逃がし溝31と開口部38の係止縁42との間のランドエリアの上をスライドする際に、接続シーケンスにおいて最大の干渉が生じるときに、表面から表面の接触のみが発生することを保証する。端部タブ21の前縁32またはポケット壁37の遠位縁44の間の接触は、コネクタ間の摩擦抵抗を大幅に増大させる可能性がある。部分的には、曲げ線52における壁の凹角特性は、そのような縁接触を回避する。ポケット壁の周囲、具体的には縁44、46、47(それがウェブ本体と接合される場所を除いて)が、コネクタの他の部品と接続されていない状態で、ポケット壁は弾性ばねとして作用する。その結果、ロックランスが溝31から出て、開口縁42に隣接するランドを越えて通過するために、ランスを横方向に撓ませる力は制限される。同様に、接続を達成する力は中程度であり、材料の厚さの変動、工具の摩耗、または他の製造条件のためにコネクタ20が公差をほとんど外れている場合、大きく変動する傾向はない。このような幅広い変動は、従来技術のコネクタ設計で発生することが知られており、専門の取り付け技術者にとって非常に好ましくないことがわかっている。
【0022】
本開示が例示であること、および本開示に含まれる教示の公正な範囲から逸脱することなく、詳細を追加、修正、または削除することによって様々な変更を行ってもよいことが明白であろう。したがって、本発明は、本開示の特定の詳細に限定されないが、以下の特許請求の範囲がそのように必然的に限定される範囲を除く。

図1
図2
図3
図4
図5
図6