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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】非空気圧タイヤおよび状態評価方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
B60C19/00 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023079444
(22)【出願日】2023-05-12
(62)【分割の表示】P 2019142900の分割
【原出願日】2019-08-02
(65)【公開番号】P2023091044
(43)【公開日】2023-06-29
【審査請求日】2023-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】太田 貴啓
【審査官】松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-024394(JP,A)
【文献】特開2018-069984(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0034222(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 7/00
B60C 19/00
B60C 23/06-23/08
B60B 9/00
G01M 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車軸に連結される内側リング、前記内側リングのタイヤ径方向の外側に設けられる外側リング、前記内側リングおよび前記外側リングを連結する連結部材、並びに記連結部材配設された検出器を有する非空気圧タイヤの状態評価方法において、
前記検出器によって検出された情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップにより取得された情報に基づいて、非空気圧タイヤの正常状態または性能劣化状態を評価する評価ステップと、
前記評価ステップが性能劣化状態であると評価した場合に、性能劣化状態であることを報知する報知ステップと、
を備えることを特徴とする状態評価方法。
【請求項2】
前記評価ステップは、正常状態の歪みの波形から変化したか否かを判定する請求項1に記載の状態評価方法。
【請求項3】
前記評価ステップは、前記情報取得ステップにより取得された情報が示す波形の変化に基づいて、非空気圧タイヤの状態を評価する請求項1または2に記載の状態評価方法。
【請求項4】
前記評価ステップは、前記波形における波の数または振幅に基づいて、非空気圧タイヤの状態を評価する請求項3に記載の状態評価方法。
【請求項5】
前記評価ステップは、前記波形のうち、前記検出器が配設された位置に対応する前記外側リングの位置が地面に接触する時点を含む所定範囲の波形に基づいて、非空気圧タイヤの状態を評価する請求項3または4に記載の状態評価方法。
【請求項6】
前記評価ステップは、前記波形において定常的に現れる波形の変化に基づいて、非空気圧タイヤの状態を評価する請求項3から5のいずれか1項に記載の状態評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非空気圧タイヤおよび状態評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空気を入れることなく構成される非空気圧タイヤは、空気圧の低下やパンクなどに対するメンテナンスが不要となる利点がある。
【0003】
特許文献1には、傷、破損または劣化などのトラブルを使用者などが気付きやすくする非空気圧タイヤが記載されている。この非空気圧タイヤは、車軸に取り付けられる内筒、該内筒をタイヤ径方向の外側から囲う外筒、および内筒と外筒とを互いに連結する弾性変形可能な連結部材を備える。この非空気圧タイヤは、傷、破損または劣化が発生したことを検知する検知手段、並びに、傷、破損または劣化が発生したことを報知する報知手段、の少なくとも一方を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-083458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の非空気圧タイヤは、検知手段として例えば外筒の全周に亘って金属線が埋設されており、外筒を形成する樹脂成形の際に手間がかかり、製造コストが高くなってしまう。
【0006】
また、特許文献1には非空気圧タイヤの具体的な変形は開示されておらず、非空気圧タイヤの状態評価に関して改善の余地があることに本発明者は気づいた。即ち、本発明者は、機械的な座屈変形などが連結部材において生じる場合を考慮して検知手段を設けることにより、非空気圧タイヤの状態評価の改善を図り得ることに気づいた。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、変形による性能劣化を評価することができる非空気圧タイヤおよび状態評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は非空気圧タイヤである。非空気圧タイヤは、車軸に連結される内側リングと、前記内側リングのタイヤ径方向の外側に設けられる外側リングと、前記内側リングおよび前記外側リングを連結する連結部材と、前記連結部材のタイヤ幅方向を向く面に配設されており、前記連結部材の状態を検出する検出器と、を備える。
【0009】
本発明の別の態様は状態評価方法である。状態評価方法は、車軸に連結される内側リング、および前記内側リングのタイヤ径方向の外側に設けられる外側リングを連結部材で連結した非空気圧タイヤの状態評価方法において、前記連結部材に配設された検出器によって検出された前記連結部材の情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップにより取得された前記連結部材の情報が示す波形の変化に基づいて、非空気圧タイヤの状態を評価する評価ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、非空気圧タイヤの変形による性能劣化を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る非空気圧タイヤの状態評価システムの機能構成を示すブロック図である。
図2】非空気圧タイヤの側面図である。
図3図2に示すA-A線による非空気圧タイヤの断面図である。
図4図3に示す方向Bから見た連結部材の矢視図である。
図5】連結部材における座屈変形について説明するための模式図である。
図6図6(a)および図6(b)は、歪み検出器によって検出された歪み波形の例を示すグラフである。
図7】状態評価装置による状態評価処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図1から図7を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0013】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る非空気圧タイヤの状態評価システム100の機能構成を示すブロック図である。状態評価システム100は、非空気圧タイヤ10に配設された歪み検出器20および状態評価装置30を備え、非空気圧タイヤ10で検出される歪みに基づいて、非空気圧タイヤ10における変形を考慮した状態評価を行う。歪み検出器20は、後述する連結部材14に配設されており、連結部材14で生じる歪みを検出する。連結部材14に座屈変形等の大きな変形が発生すると、非空気圧タイヤ10の状態は、所望の性能を発揮することができなくなる程度に劣化する。状態評価装置30は、歪み検出器20で検出される歪み波形を取得し、波形の変化に基づいて非空気圧タイヤ10の状態を評価する。
【0014】
状態評価装置30は、処理部31、記憶部32および報知部33を備える。状態評価装置30は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置である。状態評価装置30における各部は、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、図1ではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろな形態で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0015】
処理部31は、歪み情報取得部31aおよび状態評価部31bを有する。歪み情報取得部31aは、非空気圧タイヤ10に配設された歪み検出器20で検出される歪みを時系列的に取得する。
【0016】
状態評価部31bは、歪み検出器20によって検出された歪みの情報から、歪みの時間変化の波形を演算し、正常状態の波形からの変化に基づいて非空気圧タイヤ10の状態を評価する。状態評価部31bは、例えば座屈変形等の大きな変形が発生したことを歪みの波形の変化で判定する。歪みの波形の変化は、波形の振幅や、波の数などで判定される。
【0017】
状態評価部31bは、非空気圧タイヤ10の状態として、正常状態、座屈変形等の性能劣化を生じる変形が発生した性能劣化状態、更に、正常状態と性能劣化状態の間の中間状態などにあることを示す信号を出力する。
【0018】
状態評価部31bは、車両の走行に合わせて回転する非空気圧タイヤ10において、歪み検出器20が配設された連結部材14の位置に対応する外側リング13の位置が地面に接触する時点(以下、接地時点という。)を含む所定範囲の波形を評価する。また状態評価部31bは、例えば車両が走行する路面における局所的な凹凸などで発生する歪みの波形の一時的な変化を除外し、定常的に現れる波形の変化に基づいて非空気圧タイヤ10の状態を評価するようにする。
【0019】
記憶部32は、フラッシュメモリやハードディスク等によって構成される記憶装置であり、非空気圧タイヤ10の正常状態における歪みの波形を記憶する。非空気圧タイヤ10の正常状態における歪みの波形は、例えば実験的または理論的に求められる非空気圧タイヤ10で発生する歪みの波形、または非空気圧タイヤ10を車両に装着した初期状態における車両走行により取得される歪みの波形等とすればよい。
【0020】
報知部33は、状態評価部31bにおける評価に基づく信号出力を受けて、例えば表示装置やスピーカ等により、非空気圧タイヤ10が性能劣化状態となっていることを外部に向けて報知する。
【0021】
図2は非空気圧タイヤ10の側面図であり、図3図2に示すA-A線による非空気圧タイヤ10の断面図である。非空気圧タイヤ10は、内側リング12、外側リング13、連結部材14および歪み検出器20を有する。内側リング12は、円筒状であり、内周にホイール11が取り付けられる。ホイール11は、側面視において円形状であり、中心部に車軸が取り付けられる。内側リング12は、ホイール11を介して車軸に連結される。
【0022】
外側リング13は、円筒状であり、内側リング12のタイヤ径方向の外側に設けられる。外側リング13は、円筒状のベース部13aと、ベース部13aの外周に貼り合される円筒状のゴム部材13bとを有し、ゴム部材13bの外周で地面に接触する。
【0023】
連結部材14は、細長い板状であり、板面がタイヤ周方向を向いており、内側リング12および外側リング13を連結する。図3に示すように連結部材14は、内側リング12における幅方向(車軸方向)の一端部から外側リング13における幅方向の他端部へ延びる部材14aと、内側リング12におけるタイヤ幅方向(車軸方向)の他端部から外側リング13における幅方向の一端部へ延びる部材14bとを有する。連結部材14は、部材14aと部材14bがタイヤ周方向に交互に設けられる構成となっている。内側リング12、外側リング13のベース部13aおよび連結部材14は、いずれも樹脂製であり、一体成形によって形成することができる。
【0024】
歪み検出器20は、いわゆる歪みゲージであり、連結部材14のタイヤ幅方向を向く面に配設されている。図4は、図3に示す方向Bから見た連結部材14の矢視図である。歪み検出器20として、連結部材14が内側リング12から外側リング13へ延びる方向の歪みを検出する歪み検出器20a、タイヤ周方向の歪みを検出する歪み検出器20bが設けられている。歪み検出器20aおよび20bは、連結部材14のタイヤ径方向における中心から外方向および内方向にそれぞれ連結部材14の高さhの25%の範囲内で設けるとよい。
【0025】
図5は連結部材14における座屈変形について説明するための模式図である。連結部材14に座屈変形が生じると、タイヤ周方向に大きな変形が生じる。本実施形態では、連結部材14が部材14aと部材14bとで構成される例を示しているが、一般的に板状の連結部材が用いられる非空気圧タイヤ10において、連結部材の板面がタイヤ周方向を向く構成となっている場合に、図5に示すような座屈変形が生じる可能性がある。
【0026】
非空気圧タイヤ10の連結部材14において、一旦、座屈変形が生じると、その後も座屈が発生し易くなる傾向となる。非空気圧タイヤ10は、このような座屈が発生した場合に性能劣化状態にあると判断し得る。
【0027】
図6(a)および図6(b)は、歪み検出器によって検出された歪み波形の例を示すグラフである。図6(a)および図6(b)は、時速20kmの車両走行時を模擬して3.25Hzで連結部材14をタイヤ径方向に加振したときの歪み波形を示している。
【0028】
図6(a)は、連結部材14が延びる方向の歪みを検出する歪み検出器20aの検出結果であり、実線は座屈が発生していない場合の歪み波形、破線は座屈が発生した場合の歪み波形を示している。破線で示されるように、座屈が発生した場合に、座屈による波形が重畳して単振動ではなくなり、歪み波形に現れる波の数が増えるように変化し、振幅が小さくなるように変化している。
【0029】
図6(b)は、タイヤ周方向の歪みを検出する歪み検出器20bの検出結果であり、実線は座屈が発生していない場合の歪み波形、破線は座屈が発生した場合の歪み波形を示している。破線で示されるように、座屈が発生した場合に、歪み波形の振幅が大きくなるように変化している。
【0030】
上述の状態評価装置30における状態評価部31bは、連結部材14に配設された歪み検出器20で検出された歪み波形が、波の数および振幅について変化したか否かを判定して、非空気圧タイヤ10の状態を評価する。
【0031】
次に、状態評価システム100における非空気圧タイヤ10の状態評価の動作について説明する。図7は、状態評価装置30による状態評価処理の手順を示すフローチャートである。状態評価装置30の歪み情報取得部31aは、歪み検出器20において検出された歪みの情報を取得する(S1)。状態評価部31bは、歪み情報取得部31aによって取得された歪みの情報から、歪みの時間変化の波形を演算する(S2)。
【0032】
状態評価部31bは、演算により求めた歪みの波形が、正常状態の歪みの波形から変化したか否かを判定し(S3)、変化していないと判定した場合(S3:NO)、処理を終了する。状態評価部31bは、ステップS3により歪の波形が変化したと判定した場合(S3:YES)、座屈等による性能劣化を示す信号を出力する(S4)。報知部33は、状態評価部31bの出力を受けて、非空気圧タイヤ10が性能劣化状態であることを外部に対して報知し(S5)、処理を終了する。
【0033】
状態評価システム100は、非空気圧タイヤ10の連結部材14に配設された歪み検出器20で検出された歪みの時間変化の波形を求め、正常状態の歪みの波形から変化したか否かを判定することで、座屈等の大きな変形によって性能劣化を来す状態となっているかを評価することができる。非空気圧タイヤ10の性能劣化に関して、連結部材の状態を検出するための検出器として歪み検出器20を用いる例を説明したが、非空気圧タイヤ10の性能劣化評価では、連結部材の状態(例えば座屈等の発生状態)を評価し得る他のタイプの検出器を用いてもよい。
【0034】
非空気圧タイヤ10の連結部材14におけるタイヤ幅方向を向く面に歪み検出器20aおよび20bを配置し、歪みの波形で生じる波の数や振幅に変化があったかどうかを判定することによって、座屈等の変形による性能劣化を判定することができる。状態評価部31bは、例えば歪みの振幅の変化について多段階で閾値を定め、閾値判定することによって、非空気圧タイヤ10の性能劣化を多段階で評価することもできる。
【0035】
状態評価部31bは、歪み検出器20が配設された連結部材14の位置に対応する外側リング13の位置が地面に接触する接地時点を含む所定範囲の波形を評価するようにしてもよい。連結部材14には接地時点を含む所定範囲内において大きな荷重がかかって座屈等の変形が発生する可能性がある。歪み検出器20で検出される歪みの波形を、接地時点を含む所定範囲内で評価することによって、座屈等の変形による性能劣化を判定することができる。
【0036】
また状態評価部31bにおける評価では、一時的に歪みの波形で生じる波の数や振幅の変化を除外するとよい。例えば車両が路面上の局所的な凹凸や段差などを通過する際に、歪みの波形が正常な状態から変化する場合があり、これらを一時的な状況として除外することで、性能劣化の誤認を回避することができる。状態評価部31bは、定常的に現れる波形の変化に基づいて非空気圧タイヤ10の状態を評価する場合、例えば非空気圧タイヤ10の回転ごとに波形の変化が所定期間発生していれば、定常的であるとするとよい。また、非空気圧タイヤ10の連結部材14に働く張力によって、連結部材14の状態変化から性能劣化を判定し、非空気圧タイヤ10の性能劣化を評価することができる。
【0037】
次に実施形態に係る非空気圧タイヤ10および状態推定方法の特徴について説明する。
実施形態に係る非空気圧タイヤ10は、車軸に連結される内側リング12と、内側リング12のタイヤ径方向の外側に設けられる外側リング13と、内側リング12および外側リング13を連結する連結部材14と、連結部材14のタイヤ幅方向を向く面に配設されており、連結部材14の状態を検出する検出器としての歪み検出器20とを備える。これにより、非空気圧タイヤ10は、歪み検出器20で検出される連結部材14における歪みに基づいて座屈等の変形による性能劣化を評価することができる。尚、歪み検出器20は連結部材14に生じる歪みを検出する。
【0038】
また連結部材14は、内側リング12から外側リング13へ延びるように設けられており、歪み検出器20は、連結部材14が延びる方向の状態として当該方向の歪みを検出する。これにより、非空気圧タイヤ10は、連結部材14が延びる方向の歪みの波形における波の数や振幅に基づいて性能劣化を評価することができる。
【0039】
実施形態に係る状態推定方法は、車軸に連結される内側リング12、および内側リング12のタイヤ径方向の外側に設けられる外側リング13を連結部材14で連結した非空気圧タイヤ10の状態評価方法において、連結部材14に配設された検出器としての歪み検出器20によって検出された連結部材14の情報、即ち歪みの情報を取得する情報取得ステップと、情報取得ステップにより取得された連結部材14の情報が示す波形(歪みの波形)の変化に基づいて、非空気圧タイヤ10の状態を評価する評価ステップとを備える。この状態評価方法によれば、例えば歪み検出器20で検出される連結部材14における歪みの波形の変化に基づいて、座屈等の変形による非空気圧タイヤ10の性能劣化が生じている状態について評価することができる。
【0040】
また評価ステップは、前記波形(歪みの波形)における波の数または振幅に基づいて、非空気圧タイヤ10の状態を評価する。この状態評価方法によれば、例えば歪みの波形における波の数または振幅に基づいて座屈等の変形が発生したことを評価することができる。
【0041】
また評価ステップは、前記波形のうち、検出器としての歪み検出器20が配設された位置に対応する外側リング13の位置が地面に接触する時点(接地時点)を含む所定範囲の波形に基づいて、非空気圧タイヤ10の状態を評価する。この状態評価方法によれば、大きな荷重がかかって座屈等の変形が発生する可能性がある接地時点を含む所定範囲の波形に基づいて、非空気圧タイヤ10の状態を評価することができる。
【0042】
また評価ステップは、前記波形において定常的に現れる波形の変化に基づいて、非空気圧タイヤ10の状態を評価する。この状態評価方法によれば、例えば車両が路面上の局所的な凹凸や段差などを通過する際に、一時的に歪みの波形が変化するような場合を除外し、非空気圧タイヤ10の性能劣化の誤認を回避することができる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【符号の説明】
【0044】
10 非空気圧タイヤ、 12 内側リング、 13 外側リング、
14 連結部材、 20 歪み検出器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7