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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】レーザダイオード照明回路
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/068 20060101AFI20240718BHJP
   H01S 5/042 20060101ALI20240718BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20240718BHJP
   H05B 45/12 20200101ALI20240718BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20240718BHJP
   H05B 45/48 20200101ALI20240718BHJP
【FI】
H01S5/068
H01S5/042 630
H05B47/11
H05B45/12
H05B45/325
H05B45/48
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023560787
(86)(22)【出願日】2022-03-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 EP2022057271
(87)【国際公開番号】W WO2022207377
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-11-17
(31)【優先権主張番号】21166068.3
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴェント マティアス
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-174549(JP,A)
【文献】特許第4274244(JP,B2)
【文献】特許第6615318(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0068701(US,A1)
【文献】国際公開第2014/208048(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/068
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流駆動回路と、
前記電流駆動回路から電流を供給される、少なくとも2つのレーザダイオードの直列接続と、
それぞれのレーザダイオードからシャント電流をそらすための、各レーザダイオードと並列のそれぞれの電流シャント回路と、
前記電流シャント回路を制御するための制御装置とを有する照明回路であって、前記制御装置が、
前記電流駆動回路の起動期間中であって、前記起動期間中、前記電流駆動回路の出力が、ゼロから駆動電流まで上昇する起動期間中、前記シャント電流のレベルを制御し、それによって、前記起動期間中、選択されるレーザダイオードの両端の電圧の変化率を低減させるよう適合され、
前記照明回路が、各レーザダイオードのレーザ発振への移行状態を検出するためのモニタを更に有し、前記制御装置が、モニタされる前記レーザ発振への移行状態に基づいて前記シャント回路を制御するよう適合される照明回路。
【請求項2】
前記電流駆動回路の出力端子間にフィルタを更に有する請求項1に記載の照明回路。
【請求項3】
各レーザダイオードの順方向電圧を検知するための電圧センサを更に有する請求項1又は2に記載の照明回路。
【請求項4】
前記制御装置が、各レーザダイオードが、前記起動期間中に同じ順方向電圧を有するように、前記シャント電流のレベルを制御するよう適合される請求項3に記載の照明回路。
【請求項5】
前記モニタが、各レーザダイオードの順方向電圧をモニタするための電圧モニタと、レーザダイオード電流をモニタするための電流モニタとを有する請求項1に記載の照明回路。
【請求項6】
前記モニタが、各レーザダイオードの光出力をモニタするための光検出器を有する請求項1に記載の照明回路。
【請求項7】
前記制御装置が、全てのレーザダイオードが、時間的に互いにより近くでレーザ発振を開始するように、選択されるレーザダイオードのレーザ発振の開始を遅延させるよう適合される請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明回路。
【請求項8】
前記制御装置が、前記起動期間の後に、前記シャント電流のレベルを、ゼロシャント電流まで下降させることによって、制御するよう適合される請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明回路。
【請求項9】
前記制御装置が、前記起動期間の後に、前記レーザダイオードを通る等しくない電流を設定するために前記シャント電流のレベルを制御するよう適合される請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明回路。
【請求項10】
前記制御装置が、前記起動期間の後に、検出される光出力が閾値を上回ることに応答してシャント電流を増加させることによって、前記シャント電流のレベルを制御するよう適合される請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明回路。
【請求項11】
前記少なくとも2つのレーザダイオードの直列接続と直列の直列スイッチと、
過電圧又は過電流を検出し、それに応答して前記直列スイッチを制御するための検出回路とを更に有する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明回路。
【請求項12】
前記制御装置が、
各電流シャント回路に接続する中央コントローラ、又は
各々がそれぞれの電流シャント回路と関連付けられる分散コントローラユニットのセットを有する請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明回路。
【請求項13】
各レーザダイオード及び関連する電流シャントが、単一のハウジング内のモジュールを有する請求項1乃至12のいずれか一項に記載の照明回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明アプリケーションにおいて使用される半導体レーザに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザ光源は、照明アプリケーションでますます関心が高まっている。
【0003】
レーザダイオードは、非常に高い輝度及び高品質の光での信頼性の高い動作で知られている。白色のレーザベースの光源も、最近、利用可能になっている。前記白色のレーザベースの光源は、一般に、青色レーザ光に黄色成分を加える蛍光体変換器と組み合わされた青色レーザダイオードを採用し、約70のCRI(演色評価数)を備える白色光をもたらす。
【0004】
レーザダイオードは、繊細な構成要素であり、高い入力電力のために構築される場合でも、慎重なドライバ設計を必要とする。良好な状態を維持される(well-sustained)レーザダイオードは、100000時間の全期待寿命(total expected lifetime)を有し得るが、電気的駆動及び取り付け条件が完全に調整されていない場合には、数マイクロ秒で故障する可能性があることが知られている。
【0005】
本質的に、レーザダイオードは、損傷を受けやすい。動作周波数は、1GHzを超える場合があり、これに加えて、レーザダイオードは、一般に、2乃至3ボルトで動作される低電圧デバイスである。これらの2つの要因の組み合わせによって、レーザダイオードは、非常にサージ損傷の影響を受けやすくなる。
【0006】
例えば、レーザ発振(lasing)が増加する場合、光子の増加が、ミラーリングファセット(mirroring facet)の領域内の結晶の加熱をもたらす。このことは、局所的な温度を上昇させ、このこと自体が、レーザ発振の増加をもたらす。この正のフィードバックループは、非常に急速に局所的な過熱をもたらし、結晶に亀裂を生じさせる。これらの亀裂は、光子の吸収を増加させ、ものすごい局所的な過熱を招く。これが生じた後には、ファセットは、もはや、レーザ発振をサポートするのに十分には反射しなくなる。これは、壊滅的光学損傷(Catastrophic Optical Damage)(COD)として知られている。しかしながら、レーザダイオードのLED動作は残存し、故に、レーザは、このような事象後に、依然として、発光し得る。
【0007】
レーザダイオードは、高い周波数において非常に敏感に応答するので、相対的に少ないエネルギ含有量を持つ過渡現象による損傷を受けやすい。これは、レーザダイオードが、前記レーザダイオードの公称電力の近くで動作され、あらゆる過熱現象(overheating effect)に対するヘッドルームが非常に限られている場合に特に当てはまる。
【0008】
CODを防止するためには、レーザダイオードは、サージから保護される必要がある。一般的な電源のオンへの切り替えは、レーザダイオードに有害であるサージ及び短期間のスパイクをもたらす可能性があり、デバイスを破壊する可能性がある。
【0009】
電源におけるグリッチ(glitch)又はESD(静電放電(Electro-Static Discharge))などによる過電圧は、半導体層に損傷を与える。過熱はまた、閾値電圧及びインピーダンスが変化するので、直接的に損傷を与える又は熱暴走を招く可能性がある。
【0010】
高光束アプリケーションの場合、複数のレーザダイオードがレーザダイオードバンク(laser diode bank)として1つのハウジング内にまとめられる。個々のレーザダイオードは、プリント回路基板(PCB)によって(レーザダイオードストリングとして)直列に接続されてもよく、単一の共有ドライバの共通コネクタから電力を給電されることができる。他のレーザバンク実施例においては、レーザダイオードの複数のストリングが、電気的に並列に接続されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、とりわけ、このようなまとめられたレーザダイオードパック(bundled laser diode packs)の制御に関する。まとめられたレーザダイオードパックのレーザダイオードは、例えば、一緒に電源を入れられる。このことは、幾つかの意味合いを持ち、例えば、レーザダイオードは、個別に制御されることも保護されることもできない。レーザダイオード間の分圧は、電流の変化率と個々のレーザパラメータとに大きく依存し、この分圧は、制御されることができない。単一のコネクタ又はドライバしかない場合、個々のレーザダイオードのレベルにおいて過電圧の問題に対処することも可能ではない。
【0012】
特に高いスイッチング速度を使用する場合、浮遊インダクタンス及び浮遊容量が、個々のレーザダイオード間のストリング全体の電圧の分割に深刻な影響を及ぼす可能性がある。更に、レーザダイオードのインピーダンスは、前記レーザダイオードがレーザ発振を開始する時に変化し、このことは、電流の上昇中に個々のレーザダイオードデバイスにわたって見られるような電圧にかなりの影響を及ぼす。
【0013】
現在、任意の特定のストリングにおいて非常に類似した電圧閾値を持つレーザダイオードを有すために、ビニング手順(binning procedure)が必要とされる。そうしないと、或るデバイスにわたる電圧の急上昇が、他のデバイスにおいて電圧を低下させる可能性があり、このことは、電源投入中にリンギングを生じさせる可能性がある。従って、単一の電流源から駆動される複数のレーザは、レーザ発振電流の閾値の違いに悩まされる。
【0014】
US 2014/0226688は、各々がレーザダイオードを有する、直列接続される負荷のためのドライバを開示している。負荷へのDCポンプ電流を低減するために、負荷のうちの少なくとも1つと並列にシャントデバイスが接続される。従って、シャントデバイスは、直列接続内の異なる負荷が異なるDC駆動電流で駆動されることができることを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、請求項によって規定されている。
【0016】
本発明の或る態様による例によれば、
電流駆動回路と、
前記電流駆動回路から電流を供給される、少なくとも2つのレーザダイオードの直列接続と、
それぞれのレーザダイオードからシャント電流をそらすための、各レーザダイオードと並列のそれぞれの電流シャント回路と、
前記電流シャント回路を制御するための制御装置とを有する照明回路であって、前記制御装置が、
前記電流駆動回路の起動期間中であって、前記起動期間中、前記電流駆動回路の出力が、ゼロから駆動電流まで上昇する(ramp)起動期間中、前記シャント電流のレベルを制御し、それによって、前記起動期間中、選択されるレーザダイオードの両端の電圧の変化率を低減させるよう適合される照明回路が提供される。
【0017】
この照明回路は、電流をシャントして、1つ以上の選択されるレーザダイオードから離すローカル回路を利用する。これらのレーザダイオードは、とりわけ、(レーザダイオードのわずかに異なるデバイス特性のため)他のレーザダイオードよりも早くレーザ発振を開始するレーザダイオードである。レーザ発振が始まる前に高い電流が必要とされるデバイスの場合、電流シャント(current shunting)は必要とされないかもしれず、従って、作動されない。
【0018】
この回路は、とりわけ、上述のような、高周波成分が、結晶の損傷をもたらす可能性があり、これらの高周波成分は、隣接するレーザがレーザ発振をし始めるときに生成され得るという問題に対処する。例えば、低いレーザ発振閾値を持つ或るレーザ(例えば、LD1)が既にレーザ発振しており、直列接続内の別のレーザ(例えば、LD2)がレーザ発振を開始したばかりであるとき、LD2にわたる電圧降下は急に変化する。このことは、前記直列接続における分圧に影響を及ぼし、結果として、LD1における追加の電流の挿入をもたらす。このことは、上述のような故障メカニズムを誘発するリスクをもたらす。過渡電流を制御する能力は、そのリスクを低減させる。
【0019】
様々なタイプのレーザダイオードが使用され得る。将来のレーザ照明アプリケーションにおいてとりわけ興味深いと期待されているレーザダイオードの1つの形態は、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)である。
【0020】
この手法は、レーザダイオードアレイのための駆動する手間(effort)を減らす。前記手法は、能動的な電流シフト(active current shifting)と比べると手間の少ないソリューションを提供し、オンに切り替えられるときに全てのレーザダイオードが確実に同時にレーザ発振を開始するようにするために使用され得る。前記手法はまた、単純なやり方でピクセル化レーザダイオードアドレス指定を提供するために使用され得る。これは、レーザにより生成されるピクセルの周囲の電流を全てシャントして前記ピクセルをオフに保つことによって、可能である。これらのシャント要素は、大きい且つ/又は複雑である必要はない。
【0021】
前記制御装置は、局所制御であって、それによって、電流シャント回路の制御が、それぞれのレーザダイオードにおける電流及び/又は電圧に基づいて決定される局所制御をしてもよく、又は集中制御であって、それによって、中央制御システムが、前記レーザダイオードの全てのレーザ発振の開始のタイミングを把握し、回路全体の応答に応じて前記レーザダイオードを全て制御する集中制御があってもよい。
【0022】
集中制御がある場合には、前記レーザが、全て、確実に、同期してレーザ発振を開始するようにするよう、低いレーザ閾値電流を持つレーザを遅延させることによって、前記レーザは、順番に駆動されることができる。このことは、(前記レーザが、全て、同期して起動するので)レーザ発振の開始中の電圧変化が、既に公称レーザ発振状態にある他のデバイスにおける電流スパイクを引き起こさないので、役立つ。最適なシステムにおいては、全てのレーザの電圧降下が同期され、前記分圧は影響を及ぼされない。その結果、各レーザダイオードは、所望の時間に、レーザ閾値レベルに達する電流に基づいて、レーザ発振を開始するようにされることができる。
【0023】
局所制御しか使用されず、故に、局所的な電圧及び電流しか観察されない場合には、電流立ち上がりエッジ(current rise edge)を制御し続けることによって、既にレーザ発振しているレーザダイオードは、レーザ発振をし始めたばかりである隣接するレーザダイオードからの如何なるスプリアス電流スパイクからも保護されることができる。
【0024】
いずれの場合も、損失及び駆動電流がデバイス間でバランスをとられ、確実に、それらが最適な効率で使用され、電流リンギングが発生しないようにする。次いで、レーザ発振の開始中にスムーズな電流の引き継ぎ(takeover)がある。この回路は、デバイスがレーザ発振を開始するときに生じる電圧ジャンプ(voltage jump)を低減させるためにも使用され得る。
【0025】
レーザダイオードデバイスの電流ビニングの必要性をなくしながら、より低いコストのレーザ照明回路が可能である。更に、電源投入時の挙動を犠牲にすることなく、複数のレーザダイオードストリングが、容易に直列に接続されることができる。
【0026】
本発明は、とりわけ、関連するレーザダイオードがレーザ発振モードで動作し始める瞬間に前記シャントスイッチを使用することを目的としている。レーザ発振への移行時間中に、電圧の急激な負の変化率が発生する。これは、前記レーザダイオードを流れる電流によって引き起こされる。前記電流シャント回路は、前記電圧の変化率が低減されるように前記レーザダイオードを通る電流を低減させるために使用される。
【0027】
前記照明回路は、前記電流駆動回路の出力端子間にフィルタを更に有してもよい。
【0028】
例えばコンデンサによる、フィルタリングは、前記レーザダイオードストリングにおける、リンギング及び高周波成分のない動作状態を保つ。前記フィルタは、ストリング電圧が急激に変化することを防止することができる。
【0029】
前記照明回路は、各レーザダイオードの順方向電圧を検知するための電圧センサを更に有してもよい。
【0030】
このことは、個々のレーザダイオードの両端の電圧に基づく電流シャントの制御を可能にする。
【0031】
前記制御装置は、例えば、各レーザダイオードが、前記起動期間中に同じ順方向電圧を有するように、前記シャント電流のレベルを制御するよう適合されてもよい。従って、前記分圧は一様になる。
【0032】
前記照明回路は、各レーザダイオードのレーザ発振の開始を検出するためのモニタを更に有してもよく、前記コントローラは、モニタされる前記レーザ発振の開始に基づいて前記シャント回路を制御するよう適合される。
【0033】
従って、低い電流においてレーザ発振を開始するレーザダイオードは、前記レーザ発振が同時に行われるように、遅延させられることができ、前記レーザ発振の開始中、前記分圧は一様のままである。
【0034】
前記モニタは、各レーザダイオードの順方向電圧をモニタするための電圧モニタと、レーザダイオード電流をモニタするための電流モニタとを有してもよい。このことは、組み合わせることで、前記レーザダイオードの電気パラメータに基づいてレーザ発振を検出する或るやり方を提供する。
【0035】
前記モニタは、その代わりに、各レーザダイオードの光出力をモニタするための光検出器を有してもよい。このことは、外部光モニタに基づいてレーザ発振を検出する代替のやり方を提供する。
【0036】
前記制御装置は、全てのレーザダイオードが、時間的に互いにより近くでレーザ発振を開始するように、選択されるレーザダイオードのレーザ発振の開始を遅延させるよう適合されてもよい。前記レーザダイオードは、理想的には、全て、同時にレーザ発振を開始し得る。
【0037】
前記制御装置は、前記起動期間の後に、前記シャント電流のレベルを、ゼロシャント電流まで下降させることによって、制御するよう適合されてもよい。このことは、電流源構成要素における損失を最小限に抑える。
【0038】
前記制御装置はまた、前記起動期間の後に、前記レーザダイオードを通る等しくない電流を設定するために前記シャント電流のレベルを制御するよう適合されてもよい。これらの等しくない電流は、例えば、異なるレーザダイオードが異なる出力色を有する場合に、カラーポイント制御を提供するために使用され得る。
【0039】
前記制御装置は、前記起動期間の後に、検出される光出力が閾値を上回ることに応答してシャント電流を増加させることによって、前記シャント電流のレベルを制御するよう適合されてもよい。このことは、レーザ出力を安定させ、上述のようなCODから保護するために使用され得る。
【0040】
前記照明回路は、
前記少なくとも2つのレーザダイオードの直列接続と直列の直列スイッチと、
過電圧又は過電流を検出し、それに応答して前記直列スイッチを制御するための検出回路とを更に有してもよい。
【0041】
このことは、過電圧又は過電流状態が発生した場合に、ストリング全体を動作停止させることを可能にする。このことは、個々のレーザダイオード電流のシャント制御と組み合わせることで、レーザダイオードストリングに供給するために単純な(LEDグレードの)電流ドライバを使用することを可能にする。
【0042】
前記制御装置は、各電流シャント回路に接続する中央コントローラを有してもよい。
【0043】
他の例においては、前記制御装置は、各々がそれぞれの電流シャント回路と関連付けられる分散コントローラユニットのセットを有してもよい。その場合、各電流シャント回路が、シャントを制御するために前記レーザダイオードの動作の観察回路を使用し得る個別のコントローラを有する。
【0044】
各レーザダイオード及び関連する電流シャントは、単一のハウジング内のモジュールを有してもよい。
【0045】
本発明は、上記で規定されている照明回路における使用のためのレーザダイオードモジュールであって、
レーザダイオードと、
前記レーザダイオードモジュールへの電流の流れの起動期間中にそれぞれのレーザダイオードからシャント電流をそらし、それによって、前記起動期間中、前記レーザダイオードの両端の電圧の変化率を低減させるための、前記レーザダイオードと並列の電流シャント回路とを有するレーザダイオードモジュールも提供する。
【0046】
下記の実施形態を参照して、本発明のこれら及び他の態様を説明し、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本発明のより良い理解のために、及び本発明がどのようにして実施され得るかをより明確に示すために、ここで、ほんの一例として、添付図面を参照する。
図1】集中制御装置を備える照明回路を示す。
図2】レーザ発振の開始時のレーザダイオードの特性を示す。
図3】分散制御装置を備える照明回路の一部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図を参照して本発明について説明する。
【0049】
詳細な説明及び特定の例は、装置、システム及び方法の例示的な実施形態を示しているが、説明の目的のためのものでしかなく、本発明の範囲を限定しようとするものではないことは理解されたい。本発明の装置、システム及び方法のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び添付の図面からよりよく理解されるようになるだろう。図は、単に概略的なものに過ぎず、縮尺通りには描かれていないことは、理解されたい。図の全体を通して、同じ参照符号は、同じ又は同様のパーツを示すために使用されていることも、理解されたい。
【0050】
本発明は、電流駆動回路と、電流駆動回路から電流を供給される、少なくとも2つのレーザダイオードの直列接続とを有する照明回路を提供する。それぞれのレーザダイオードからシャント電流をそらすための電流シャント回路が、各レーザダイオードと並列にある。電流駆動回路の起動期間中、選択されるレーザダイオードの両端の電圧の変化率を制御するために、シャント電流のレベルが制御される。
【0051】
図1は、例えばツイストペアケーブル16を通じて照明ユニット14に接続する電流駆動回路12を有する照明回路10を示している。電流駆動回路12は、調整された照明ストリング電流ILStを供給する。電流レベルは、例えば、電流ドライバへの外部制御入力に基づいて制御される。ドライバは、例えば、スイッチモード電源を有する。
【0052】
ストリング電流は、(様々な可能なアナログ電流レベルを持つ)DC電流であってもよく、一定の電流レベルを持つPWM電流であってもよい。PWM周波数は、電流立ち上がりエッジの傾きを考慮に入れる必要がある。
【0053】
照明ユニット14は、少なくとも2つのレーザダイオード、例えばレーザダイオード20乃至20の直列接続を有し、前記レーザダイオードは、電流駆動回路12からストリング電流ILStを供給される。
【0054】
各レーザダイオードは、それぞれのレーザダイオードから(ストリング電流ILStの一部又は全てである)シャント電流をそらすために、レーザダイオードと並列にそれぞれの電流シャント回路22乃至22を有する。
【0055】
図1は、電流シャント回路22乃至22を制御するための中央制御装置30を備える例を示している。
【0056】
示されている例においては、各電流シャント回路22乃至22のシャント電流の少なくともタイミングを制御するのに、好ましくは電流レベルも制御するのに使用するための制御装置30へのフィードバック情報を生成するための随意のモニタユニット24が存在する。
【0057】
シャント電流のレベルは、とりわけ、電流駆動回路12の起動期間中であって、前記起動期間中、電流駆動回路12の出力が、ゼロから駆動電流まで上昇する起動期間中、制御される。このレベルは、オン若しくはオフとして制御されてもよく、又は多値信号の選択される1つとして制御されてもよく、又はアナログ電流レベルとして制御されてもよい。この目的は、起動期間中、選択されるレーザダイオードの両端の電圧の変化率を低減させ、それによって、レーザダイオードの損傷のリスクを低減させることである。
【0058】
シャント制御は、とりわけ、レーザダイオードがレーザ発振モードで動作し始めるときに行われる。以下でより詳細に説明するように、レーザダイオードがレーザ発振をし始めるときには前記レーザダイオードの順方向電圧の上昇が存在し、このことは、直列の他のレーザダイオードに、順方向電圧の減少を経験させる。
【0059】
このことは、2つの結果をもたらす。第1に、(他のレーザダイオードの)レーザ発振が、開始されないかもしれず、又は一時的に中断されるかもしれず、このことは、2つ以上のレーザダイオード間に致命的な発振(disastrous oscillations)を生じさせ得る。第2に、このことは、より高いレーザ発振閾値電流を持つ、直列の他のレーザダイオードのレーザ発振の遅延を招く。その場合、最初のレーザダイオードは、他のレーザダイオードがレーザ発振を開始する時までにフルパワーに達する可能性がある。このことは、(例えば、電圧ステップ及び/又は発振に反応する浮遊インダクタンスがあることから、又はドライバにおける制御が、スプリアス出力電圧変化を打ち消そうとし、過剰反応することから、)電流におけるノイズによる小さなオーバーシュートのリスクを増大させる。その場合、光子のヘッドルームを超過し、ファセットの破壊を引き起こす可能性がある。
【0060】
従って、オフからレーザ発振への移行時間中に、(時間に対する)急峻な電圧勾配が発生する。電流シャント回路は、電圧の変化率が低減されるようにレーザダイオードを通る電流を低減させるために使用される。
【0061】
電流シャント回路は、例えば、レーザダイオードのアレイを担持するPCBの背面に取り付けられ得る。
【0062】
電流シャント回路は、制御可能な電流源として示されている。レーザダイオード20乃至20の各々を通る電流は、関連する電流シャント回路を有効にすることによって、低減される。
【0063】
この例におけるモニタ24は光検出器である。モニタ24は、制御装置30に、個々のレーザダイオードのレーザ発振の開始を知らせるために使用される。
【0064】
示されているように、電流駆動回路12は、2つの導体16を用いて回路にストリング電流ILStを供給する。電流駆動回路12が、かなりの長さのケーブルを介して接続される場合には、レーザダイオードストリングにおける、リンギング及び高周波成分のない動作状態を保つために、コンデンサ40などのフィルタによるローカルフィルタリングが使用される。コンデンサ40は、ストリング全体の電圧ULStが急激に変化しないようにする。フィルタは、電流駆動回路12の出力端子間にあり、好ましくは、レーザダイオードの位置にある。
【0065】
フィルタを使用は、最初のレーザダイオードがレーザ発振し始めるときに生じるインピーダンスの変化が、直列接続されるレーザダイオードのストリングにわたる分圧に影響を及ぼすという副作用を有する。このことは、他のレーザダイオードにおけるレーザ発振の開始に影響を及ぼす。
【0066】
電流シャント回路は、レーザダイオードごとのシャントを制御することによって分圧のバランスをとり(例えば、ULD1=ULD2=ULDxを維持し)、スプリアス過電圧が発生しないことを確実にするために使用され得る。8個のレーザダイオードを備える図1の例においては、8個のレーザダイオードの各々が、1/8ULStの順方向電圧を有する。
【0067】
図1の例のように中央制御装置がある場合、全てのレーザダイオード電圧が中央でモニタされることができることから、制御装置は、動的に、全てのレーザダイオード間の分圧のバランスをとることができる。その場合、各レーザダイオードは、制御装置が直列チェーンに沿った各ノードにおける電圧をモニタすることができるように(図1においては示されていない)電圧センサを含み得る。
【0068】
レーザダイオードの両端の電圧を平衡させることの効果は、レーザダイオードを全て同時にレーザ発振させることである。これは、全てのレーザダイオードがレーザ発振をし始めるまで、早くレーザ発振するダイオード(低い閾値電流を持つダイオード)を低いレーザ発振状態に保つことによって、達成される。それによって、レーザ発振の開始によるスプリアス電流が発生する可能性がある場合、全てのレーザダイオードにおけるレーザ発振出力が低くなる。このやり方においては、致命的な過熱故障は発生しない。
【0069】
電流源構成要素における損失を最小限に抑えるために、シャント電流は、各レーザダイオードがその個々のレーザ発振閾値においてレーザ発振を開始することを可能にするために、スムーズにゼロに戻され得る。破壊メカニズムは、マイクロ秒単位で作用し、故に、シャント電流は、例えば10乃至1000μsの範囲内の、短期間の後に緩和され得る。電流シャント機能の結果の1つは、立ち上がり電流エッジが平坦になることである。このことは、レーザバンクのための最大PWMレートを設定するときに考慮に入れられる必要がある。
【0070】
レーザダイオードがそれらの定常状態で動作されているとき(即ち、起動期間の後)には、個々のレーザダイオード間の電流分割に影響を与えるために、外部制御信号が使用され得る。このことは、起動期間の後に、レーザダイオードを通る等しくない電流を設定するためにシャント電流のレベルを制御することによって、達成され得る。このことは、例えば、異なるカラーポイントを持つレーザダイオードから来る複数のスペクトルでシステムにおける特定のカラーポイントを設定するために使用され得る。
【0071】
図1の例は、過電圧又は過電流状態の場合にストリング全体の動作停止を可能にする随意の直列スイッチ50を示している。この目的のために、各レーザダイオードの順方向電圧をモニタするための電圧モニタと、レーザダイオード電流をモニタするための電流モニタとがあってもよい。
【0072】
このことは、個々のレーザダイオードのためのシャント電流の制御と組み合わせることで、レーザダイオードストリングに供給するために単純な(LEDグレードの)電流ドライバを使用することを可能にし得る。
【0073】
図1は、集中制御装置を示している。制御装置は、その代わりに、分散されてもよい。その場合、各電流シャント回路が、シャントを制御するためにレーザダイオードの動作の観察回路を使用する個別のコントローラを有する。
【0074】
シャントを制御するための或るやり方は、上述のような、モニタ24を使用する、光束観察によるものである。その場合、電流源は、直接、発せられる光束に基づいて制御され得る。光束がない場合には、電流のシャントは必要ない。レーザ発振光束がある場合に、電流のシャントが有効にされる。
【0075】
シャントプロセスに起因する損失をなくすために、シャントは、レーザ発振が固定シャント電流で始まるときに、始まり、次いで、自動的にゼロまで減少し得る。このことは、レーザストリング電源内の任意のフィルタ(寄生のもの又は設計されたもの)に、放電するのに十分な時間を与える。このことは、レーザダイオードストリングは、レーザ発振開始前のストリングよりも低い供給電圧を有するので、とりわけ重要である。
【0076】
光束が公称値を超えて上昇するときに電流をシャントしてレーザダイオードから離すことは、レーザ出力を安定させ、共振結晶における熱暴走から保護するためにも使用され得る。
【0077】
レーザダイオードの順方向電圧のモニタリングは、Feng, Liefengらによって、"Sudden Change of Electrical Characteristics at Lasing Threshold of a Semiconductor Laser"; Quantum Electronics, IEEE Journal of. 43. 458 - 461. 2007において報告されているように、インピーダンスの低下を補償するためにも使用され得る。電流のシャントは、光路へのアクセス又は光路の変更を全く必要としない。
【0078】
図2は、この参考文献から再掲されている。図2は、2つの異なるレーザダイオードの抵抗及び接合電圧を電流の関数として示している。レーザ発振閾値は、いずれの場合にも、約30mAである。
【0079】
測定結果は、レーザ発振の開始時にレーザダイオードのインピーダンスが低下することを示している。インピーダンスの低下に応じて順方向電圧の低下が予想され得るが、上述のように、代わりに、順方向電圧の段階的増加(step increase)がある。とりわけ、接合電圧は、レーザ発振の開始時に、飽和値まで急にジャンプする。電気的には、この時に、入力電力が増加し、レーザ発振時の光出力電力の増加に対応する。
【0080】
電圧ジャンプは、レーザ発振により、光子の数が増加しており、このことが、光子を生成する電子の再結合率を低下させるときのレーザ結晶内の反応として説明されることができる。従って、この電圧挙動はレーザ発振の開始に直接関係する。この現象は、Fengらの文献においては、レーザ発振層内の高い光子密度に起因するフォトダイオード効果によって引き起こされていると説明されている。
【0081】
従って、電流がレーザ発振閾値を超え、ストリング接続における分圧がアンバランスになり得る瞬間を検出するには、図1において示されている外部の光学的モニタリングの代わりに電気的モニタリングで十分である。
【0082】
更に、電圧ジャンプの振幅は、電圧が外部又はドライバ側から見て安定したままであることを可能にするために、シャントされてレーザダイオードから離されるよう電流を導く(steer)ために、使用されることができる。
【0083】
従って、レーザ発振の開始を検出するためのモニタは、各レーザダイオードの順方向電圧をモニタするための電圧モニタと、レーザダイオード電流をモニタするための電流モニタとを有してもよい。
【0084】
上記で説明したように、制御装置は、分散されてもよい。
【0085】
図3は、単一のレーザダイオード20、及び前記単一のレーザダイオード20に関連する電流シャント回路22、並びに局所制御回路70を示している。順方向電圧は、レーザダイオード20のアノードとカソードとの間の電圧差を取得する測定増幅器72を使用して取得される。電流センサ74は、ストリング電流の検知を、局所制御回路に提供する。
【0086】
電圧が、ストリング電流ILStにおける関連するジャンプをなしに、ジャンプする場合、コントローラ70は、ジャンプを補償するのに必要なだけ電流ISntを流すよう電流スイッチング回路22を動作させる。このやり方においては、保護方法には、レーザ発振が始まるときにレーザダイオードから電流を奪うことによってレーザ発振の開始を遅らせることを含む。それによって、直列接続におけるダイナミクス(dynamics)が低減される。その場合、各レーザダイオードは、そのそれぞれの個々のレーザ発振閾値電流においてレーザ発振を開始するが、レーザ発振の増加は緩やかにされる。
【0087】
しかしながら、このシャントは、電流ILDがレーザ発振閾値電流未満に低下することはないように、慎重に実施される。その結果、最小限の電圧ジャンプは残る可能性がある。しかしながら、ストリングにおけるデバイス電圧のジャンプの影響は軽減される。個々のレーザ発振閾値電流は、電圧がジャンプし始めるときの電流であるので、コントローラによって測定されることができる。
【0088】
シャント回路、並びにコントローラ及び測定回路は、レーザダイオード20にわたる電圧ULDからの掃気(scavenging)によって電力を供給され得る。従って、それは、レーザがオフであるときは電力を消費しない。
【0089】
レーザがパルス化される回路においては、レーザダイオードストリング電流のパルス幅変調制御のオフ期間中に電流シャント回路に供給し続けるために、小さな局所電力貯蔵装置を有する方が良いかもしれない。
【0090】
PWM電流制御の場合、シャント電流は、各PWM立ち上がりエッジにおいて制御される。LED照明の一般的なPWMデューティサイクルは、400Hzを上回る。可聴ノイズを防止するために、20kHz前後の、又は20kHzを上回る高周波動作も使用される。
【0091】
このような高い周波数においては、全周期がわずか50μsであるので、(分散コントローラによって実施されるような)数マイクロ秒又は数十マイクロ秒の立ち上がりエッジの減速の影響が、既に、目に見える歪みをもたらす可能性がある。それ故、このアプリケーションにおけるPWM周波数は、一般に、400Hz乃至1000Hzの範囲内である。電流上昇時間(current ramp-up time)の遅延は、最大で100μsであってもよく、約250Hz乃至400Hzの歪みが最小限のPWMを可能する。
【0092】
全てのレーザダイオードが同期して起動するまでレーザ発振を遅延させるだけである中央コントローラを使用する場合、高いPWM周波数が依然として実行可能であり得る。一般的な遅延は、PWMドライバの電流立ち上がりタイミングに応じて1乃至10μsである。
【0093】
電流シャント回路は、大きい又は複雑である必要がないので、電流シャント回路は、単一のハウジング内でレーザダイオードと一体化され得る。外部制御が必要とされず、滑らかな電圧遷移のみが望まれる場合には、単純な測定アナログ回路が使用され得る。これは、単一のダイ上に統合されることができ、故に、レーザダイオードハウジングへの統合は実現可能である。このような一体化される保護回路は、追加のハウジングピン又はワイヤを全く必要としない。
【0094】
別の例においては、電流のシャントは、複数のスペクトルの寄与を持つマルチレーザダイオードシステムにおいて色又は色温度を安定させるために使用され得る。
【0095】
この回路は、1つのストリング内の個々のレーザダイオード光源(laser diode source)の、個々のピクセルとしての選択的駆動のためにも適用され得る。これは、ピクセルの周囲の電流を全てシャントしてピクセルをオフに保つことによって、可能である。他のピクセルにおけるリンギング又は危険にさらす過電圧を除くために、電流源のソフトな調節によって、スムーズな電流の引き継ぎが保証されることができる。
【0096】
別の例においては、電流シャント回路の制御が、レーザダイオード装置の冷却補助装置(cooling aid)の温度などの外部パラメータによって導かれ得る。各レーザダイオードのレーザ発振閾値が、一般的な温度範囲にわたって較正され得る。フィードフォワード計算が、冷却補助装置温度と半導体温度との間の温度差を補償することができる。
【0097】
改良版においては、(例えば、レーザダイオードのバンクによって生成される総光束をモニタするための)モニタユニットが、レーザ発振閾値が、較正から期待される通りであるか否かをチェックするために、使用され得る。レーザ発振閾値は、較正に対するかなりの差異が検出される場合は常に、その寿命中に再較正され得る。必要とされる場合、例えば、パワーアップ/パワーダウンサイクル中、自動較正がサポートされ得る。これらの自動較正機能では、正確な測定を可能にするために、電流の傾きは緩やかになり得る。
【0098】
本発明は、例えば、例えばミュージアム及び小売りにおけるスポットライトアプリケーション、投影及び都市美化のような多色レーザアプリケーション、並びに構造化光レーザ投影にとってとりわけ興味深い。
【0099】
当業者は、請求項記載の発明の実施において、図面、明細及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示されている実施形態に対する変形を、理解し、達成することができる。特許請求の範囲において、「有する」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。
【0100】
単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。
【0101】
特許請求の範囲又は明細書において「~するよう適合される」という用語が使用されている場合には、「~するよう適合される」という用語は、「~するよう構成される」という用語と同等であるよう意図されていることに留意されたい。
【0102】
特許請求の範囲における如何なる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3