IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 黒崎播磨株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-溶射装置 図1
  • 特許-溶射装置 図2
  • 特許-溶射装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】溶射装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 4/12 20160101AFI20240718BHJP
   F27D 1/16 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
C23C4/12
F27D1/16 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024037403
(22)【出願日】2024-03-11
【審査請求日】2024-03-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000170716
【氏名又は名称】黒崎播磨株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古稲 明
(72)【発明者】
【氏名】吉田 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】橋本 慎也
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】山口 輝記
(72)【発明者】
【氏名】本田 和寛
【審査官】萩原 周治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-070939(JP,A)
【文献】特開昭62-149364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 4/00-6/00
C23C 24/00-30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火性粉体及び可燃性粉体を含む原料粉体と、支燃性のキャリアガスとを混合した混合物を噴射し燃焼させて耐火組成物を形成する溶射装置であって、
前記原料粉体を貯蔵し当該原料粉体を払い出すホッパーと、
前記ホッパーから払い出された原料粉体と前記キャリアガスとを混合し前記混合物として搬送する搬送手段と、
前記搬送された前記混合物を噴射する噴射手段と、を備え、
更に、前記ホッパー内を、投入口を含む上部領域と払出口を含む下部領域とに開閉可能に仕切るチョークバルブを備えることを特徴とする、溶射装置。
【請求項2】
前記チョークバルブの開閉部が難燃性繊維よりなるシート材によって構成されている、請求項1に記載の溶射装置。
【請求項3】
前記難燃性繊維がアラミド繊維である、請求項2に記載の溶射装置。
【請求項4】
前記ホッパーの前記下部領域は前記払出口へ向かうにしたがい縮径するテーパ部を含み、前記テーパ部のテーパ角度が40°以上70°以下である、請求項1又は2に記載の溶射装置。
【請求項5】
前記ホッパーの前記下部領域には、前記払出口の直上位置に、前記ホッパーの前記上部領域から前記チョークバルブを介して自然落下してくる原料粉体の流れを複数に分流する分流器又は前記原料粉体の流れの方向を変える変向器を備える、請求項1又は2に記載の溶射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐火組成物を形成するための溶射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、耐火組成物を形成するための溶射装置として、可燃性粉体(例えば、金属粉末)と耐火性粉体(耐火性骨材)とを含む原料粉体を、支燃性のキャリアガス(酸素ガス)によって搬送し噴射して着火溶融することで耐火組成物を形成する溶射装置が知られている。かかる溶射装置においては、上述の通り、可燃性粉体と耐火性粉体とを含む原料粉体を、支燃性のキャリアガスによって搬送し噴射して着火溶融するので、噴射されて着火、燃焼している原料粉体とキャリアガスとの混合物の火炎が、原料粉体とキャリアガスとが流動している方向とは逆方向に移動し、原料粉体を貯蔵しているホッパーに達する、いわゆる「逆火」が発生するという問題があった。逆火が発生すると、ホッパー内部の圧力が異常上昇し、原料粉体がホッパー内で吹き上げる現象(以下「原料粉体の吹き上げ現象」という。)が発生し火災や爆発が生じることがあり、溶射における大きな問題となっていた。
【0003】
そこで、本発明者らは特許文献1において、ホッパーに貫通孔を設けると共に当該貫通孔を閉塞する閉塞部材を設け、更にホッパー内を、投入口を含む上部領域と払出口を含む下部領域とに開閉可能に仕切る仕切機構を備えた溶射装置を開示した。この溶射装置によれば、ホッパーの内の圧力が上昇したとしても、その圧力は貫通孔から放出される。これにより、原料粉体の吹き上げ現象をなくすことができる。更に、溶射施工中にホッパーに追加的に原料粉体を投入するときは、仕切機構である開閉ダンパーを閉にして、ホッパー内を、投入口を含む上部領域と払出口を含む下部領域とに仕切る。このようにホッパー内を上部領域と下部領域とに仕切ることで、溶射施工中に逆火等が発生したとしても原料粉体の吹き上げ現象は下部領域で食い止められ上部領域には及ばない。したがって、溶射施工中であってもホッパーへの原料粉体の投入を安全に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-70939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
溶射装置は、例えばコークス炉の施工現場のように、狭小な施工現場で使用される場合が多い。また、溶射装置の保管場所、及び施工現場までの通路も狭小であることが多い。更に、施工現場は通常、複数存在し、保管場所と高低差がある場合もある。このような場合、溶射装置を使用する際には、高低差がありかつ狭小な保管場所から、狭小な通路を通って狭小な施工現場まで人力で運搬する必要がある。このような事情から溶射装置には、特に小型化が望まれている。
【0006】
この点、特許文献1の溶射装置では、仕切機構として上下回転式の開閉ダンパーを使用している。そのため、特許文献1の溶射装置においてホッパーの容積としては、原料粉体が貯蔵される容積以外に、上下に回転する開閉ダンパーの可動範囲分の容積が必要となり、その分、ホッパーの高さが高くなり、結果として、溶射装置が大型化する。また、ホッパーの高さが高くなると、ホッパー上部の投入口の高さ位置も高くなることから、その投入口からホッパー内へ原料粉体を投入する作業の作業性が低下する。このように、特許文献1には、溶射装置の小型化、特にホッパーの高さ低減の観点において、解決すべき課題が残されていた。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、溶射施工中であってもホッパーへの原料粉体の投入を安全に行うことができ、かつ、ホッパーの高さを低減することのできる溶射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、次の溶射装置が提供される。
耐火性粉体及び可燃性粉体を含む原料粉体と、支燃性のキャリアガスとを混合した混合物を噴射し燃焼させて耐火組成物を形成する溶射装置であって、
前記原料粉体を貯蔵し当該原料粉体を払い出すホッパーと、
前記ホッパーから払い出された原料粉体と前記キャリアガスとを混合し前記混合物として搬送する搬送手段と、
前記搬送された前記混合物を噴射する噴射手段と、を備え、
更に、前記ホッパー内を、投入口を含む上部領域と払出口を含む下部領域とに開閉可能に仕切るチョークバルブを備えることを特徴とする、溶射装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明の溶射装置によれば、溶射施工中であってもホッパーへの原料粉体の投入を安全に行うことができ、かつ、ホッパーの高さを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態である溶射装置の要部の断面図である。
図2図1の溶射装置の内部構造(ホッパーの下部領域)を示す要部の概略斜視図である。
図3】本発明の他の実施形態である溶射装置の内部構造(ホッパーの下部領域)を示す要部の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態である溶射装置の要部の断面図である。
【0012】
図1に示す溶射装置は、原料粉体10を貯蔵するホッパー20と、搬送手段としてのエジェクター30と、噴射手段40とを備える。原料粉体10は、可燃性粉体(例えば、金属粉末)と耐火性粉体(耐火性骨材)とを含んでなる。
【0013】
ホッパー20は、上部ホッパー21と下部ホッパー22とを組み合せてなる。上部ホッパー21はその上部に原料粉体10を投入する投入口21aを有し、下部ホッパー22はその下部に原料粉体10を払い出す払出口22aを有する。上部ホッパー21の投入口21aには当該投入口21aを開閉する蓋部材23が設けられ、下部ホッパー22の払出口22aには当該払出口22aを開閉する開閉弁24が設けられている。そして、上部ホッパー21と下部ホッパー22とをチョークバルブ25を介して組み合わせることでホッパー20が構成されている。
【0014】
チョークバルブ25は、ホッパー20内を、投入口21aを含む上部領域と払出口22aを含む下部領域とに開閉可能に仕切る機能を有する。すなわち、チョークバルブ25を閉にするとホッパー20内は上部領域と下部領域とに仕切られ、チョークバルブ25を開にすると上部領域と下部領域は連通する。なお、チョークバルブ25の機構自体は公知であり、その詳細な説明は省略するが、チョークバルブ25の開閉部であるスリーブ弁25aの外周をロープで結束又は解束することにより、レンズシャッターのように開口を水平方向に開閉する。そして本実施形態では、ホッパー20内を上部領域と下部領域とに開閉可能に仕切る仕切り機構として、上述の通り開口を水平方向に開閉するチョークバルブ25を適用したことで、ホッパー20の高さを低減している。
【0015】
本実施形態においてチョークバルブ25の開閉部であるスリーブ弁25aは、難燃性繊維よりなるシート材によって構成することが好ましい。すなわち、溶射装置では上述の通り原料粉体の吹き上げ現象が生じることがあることから、チョークバルブの開閉部は難燃性繊維よりなるシート材によって構成することが好ましい。難燃性繊維としては、アラミド繊維、モダクリル繊維、難燃レーヨン、難燃コットン、ガラス繊維、ウール、難燃ポリエステル繊維等が挙げられるが、耐久性、強度特性等の観点からアラミド繊維が最も好ましい。
【0016】
図1に表れているように、ホッパー20の下部領域は払出口22aへ向かうにしたがい縮径するテーパ部22bを含む。このテーパ部22bのテーパ角度αは40°以上70°以下であることが好ましい。すなわち、溶射装置で使用する原料粉体10は微粒の可燃性粉体を多く含むことから、通常の耐火性原料粉体に比べると流動性が低い。そのため、テーパ角度αを70°以下と小さくして、ホッパー20の下部領域における原料粉体10の流動性を確保することが好ましい。一方、テーパ角度αが小さいと、その分、ホッパー20の下部領域の高さが増大するため、テーパ角度αは40°以上とすることが好ましい。
【0017】
本実施形態においてホッパー20の下部領域には、払出口22aの直上位置に分流器26Aが設けられている。本実施形態において分流器26Aは、図1及び図2に示すように断面視が三角形状の鋼材によって形成されており、ホッパー20の上部領域からチョークバルブ25を介して自然落下してくる原料粉体の流れを複数(本実施形態では2つ)に分流する機能を有する。このような分流器26Aを払出口22aの直上位置に設けることで、ホッパー20の上部領域からチョークバルブ25を介して自然落下してくる原料粉体が払出口22aで詰まることを防止できる。すなわち、本実施形態のようにホッパー20内を上部領域と下部領域とに開閉可能に仕切る仕切り機構としてチョークバルブ25を適用した場合、チョークバルブ25を介して自然落下してくる原料粉体の流れは、下部領域の中央部、すなわち払出口22aの直上位置に集中しやすく、そのため原料粉体が縮径するテーパ部22bで圧縮され払出口22aで詰まりやすくなるが、払出口22aの直上位置に分流器26Aを設けることで原料粉体の流れが複数に分流されるため、原料粉体が払出口22aで詰まることを防止できる。
【0018】
本実施形態(図1及び図2)では払出口22aの直上位置に分流器26Aを設けたが、払出口22aの直上位置には、図3に示しているように変向器26Bを設けてもよい。図3において変向器26Bは、斜面を形成するように配置された鋼板からなり、ホッパー20の上部領域からチョークバルブ25を介して自然落下してくる原料粉体の流れの方向を変える機能を有する。このように払出口22aの直上位置に変向器26Bを設けることによっても、原料粉体が払出口22aで詰まることを防止できる。
【0019】
分流器26A及び変向器26Bの形態は図示の形態に限定されるものではない。要するに、分流器26Aはホッパー20の上部領域からチョークバルブ25を介して自然落下してくる原料粉体の流れを複数に分流する機能を有するものであればよく、変向器26Bはホッパー20の上部領域からチョークバルブ25を介して自然落下してくる原料粉体の流れを変える機能を有するものであればよい。例えば、払出口22aの直上位置に傘形状(円錐形状又は角錐形状)の部材を配置することもできる。なお、傘形状の部材は、分流器としての機能と変向器としての機能を兼ね備えている。このことから本発明おいて分流器と変向器とを明確に区別する必要はない。すなわち、本発明おいて払出口の直上位置に分流器又は変向器を備えるとは、払出口の直上位置に分流器としての機能及び変向器としての機能の少なくとも一方の機能を有する部材を設けることを意味し、これにより原料粉体が払出口で詰まることを防止する。
【0020】
再び図1を参照すると、本実施形態において下部ホッパー22及び上部ホッパー21の上部、すなわち下部領域及び上部領域の上部には、それぞれ貫通孔27が複数設けられている。また、これらの貫通孔27を開閉可能に閉塞する閉塞部材として、ばね蝶番式の閉塞板28が設けられている。
【0021】
次にエジェクター30以降の構成について説明すると、エジェクター30は、加圧されたキャリアガス(酸素ガス)の流れによりホッパー20の払出口22aから原料粉体10を吸入し、キャリアガスと原料粉体10とを混合し混合物とする。噴射手段40は、エジェクター30の出側と水平移送管50及びゴムホース60を介して接続されており、エジェクター30により生成された混合物を噴射する。
【0022】
ここで、エジェクター30の構成を詳細に説明すると、エジェクター30は、ホッパー20の払出口22aに連通する内部空間を有する容器部31と、加圧されたキャリアガスを先端から容器部31の内部空間に噴出する先細りの噴出ノズル32とを備える。すなわち、容器部31の内部空間において、キャリアガスは、先細りの噴出ノズル32先端のノズル孔から水平移送管50の一端(基端)に向けて高速で噴出し、それによって容器部31の内部空間を負圧(ここでは大気圧よりも低い圧力)にする。一方、容器部31の内部空間には垂直移送管70を介してホッパー20の払出口22aが連通している。このためエジェクター30は、加圧されたキャリアガスの流れにより払出口22aから原料粉体10を容器部31の内部空間に吸入し、噴出ノズル32先端のノズル孔から噴出するキャリアガスと原料粉体10とが容器部31の内部空間にて混合され混合物となる。
【0023】
以上の構成において、水平移送管50やゴムホース60に原料粉体が詰まったり、ゴムホース60が折れ曲がったり、逆火が発生(以下、これらを逆火等と総称する)して、ホッパー20内の圧力が上昇した場合、チョークバルブ25の開閉状態、原料粉体10の残量に応じて、その圧力は下部領域若しくは上部領域又はその両方に設けられている貫通孔27から放出される。すなわち、貫通孔27は、常時は図1に示したようにばね蝶番式の閉塞板28によって閉塞されているが、ホッパー20内の圧力が上昇したときは、その圧力によりばね蝶番式の閉塞板28が外側に向けて回転することで開放され、その圧力は貫通孔27から放出される。したがって、原料粉体の吹き上げ現象をなくすことができる。
【0024】
また、溶射施工中にホッパー20に追加的に原料粉体を投入するときは、チョークバルブ25を閉にして、ホッパー20内を、投入口21aを含む上部領域と払出口22aを含む下部領域とに仕切る。このようにホッパー20内を上部領域と下部領域とに仕切ることで、溶射施工中に逆火等が発生したとしても原料粉体の吹き上げ現象は下部領域で食い止められ上部領域には及ばない。したがって、溶射施工中であってもホッパー20への原料粉体の投入を安全に行うことができる。
【0025】
本実施形態において、ホッパー20への原料粉体の投入が完了したら、蓋部材23で投入口21aを閉じたうえで、チョークバルブ25を開にする。これにより、投入された原料粉体は上部領域から下部領域に自然落下し、更に払出口22aからエジェクター30に払い出されるので、溶射施工を問題なく継続することができる。このとき本実施形態では、払出口22aの直上位置に分流器26Aを設けていることから、ホッパー20の上部領域からチョークバルブ25を介して自然落下してくる原料粉体10が払出口22aで詰まるのを防止できる。
【0026】
以上の通り、本実施形態によれば、溶射施工中であってもホッパー20への原料粉体の投入を安全に行うことができる。そして本実施形態では、ホッパー20内を上部領域と下部領域とに開閉可能に仕切る仕切り機構として、上述の通り開口を水平方向に開閉するチョークバルブ25を適用したことで、ホッパー20の高さを低減することができる。
【0027】
なお、本実施形態においてホッパー20は上部ホッパー21と下部ホッパー22とに分割した分割型としたが、ホッパー20は通常の一体型としてもよい。ただし、本実施形態のように分割型とすれば、チョークバルブ25の設置や交換を容易に行うことができるので、分割型が好ましい。
【0028】
また、本実施形態では、搬送手段としてエジェクター30を備える構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、ホッパー20の下に原料粉体を切り出す手段(例えばテーブルフィーダ、スクリューフィーダ等)を備え、これにより原料粉体を切り出して、切り出された原料粉体をキャリアガスにより搬送する構成としてもよい。
【0029】
また、本実施形態では、噴出ノズル32によりキャリアガスを噴出する構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、噴出ノズル32の他にも、払出口22aの下流側又はホッパー20内にキャリアガスを噴出する機構を備える構成としてもよい。
【0030】
更に、本実施形態では、貫通孔27を閉塞する閉塞部材としてばね蝶番式の閉塞板28を設け、逆火等の発生による圧力の上昇によりばね蝶番式の閉塞板28を回転させて貫通孔27を開放するようにしたが、閉塞部材は、逆火等の発生により変形又は消失する部材とすることもできる。また、本実施形態では貫通孔27を複数設けたが、貫通孔は1つでもよい。ただし、逆火等の発生による圧力を効率的に放出するには貫通孔は複数設けることが好ましい。なお、本発明では貫通孔を省略することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の溶射装置は、コークス炉、熱風炉、転炉、溶解炉、AOD炉、取鍋、タンデッシュ、真空脱ガス炉、混銑車、電気炉、焼却炉、誘導炉、加熱炉、ガラス炉などの可燃性金属粉体含有溶射が使用される工業窯炉等に利用可能である。
【符号の説明】
【0032】
10 原料粉体
20 ホッパー
21 上部ホッパー
21a 投入口
22 下部ホッパー
22a 払出口
22b テーパ部
23 蓋部材
24 開閉弁
25 チョークバルブ
25a スリーブ弁(チョークバルブの開閉部)
26A 分流器
26B 変向器
27 貫通孔
28 ばね蝶番式の閉塞板(閉塞部材)
30 エジェクター(搬送手段)
31 容器部
32 噴出ノズル
40 噴射手段
50 水平移送管
60 ゴムホース
70 垂直移送管
【要約】
【課題】溶射施工中であってもホッパーへの原料粉体の投入を安全に行うことができ、かつ、ホッパーの高さを低減することのできる溶射装置を提供する。
【解決手段】耐火性粉体及び可燃性粉体を含む原料粉体10と、支燃性のキャリアガスとを混合した混合物を噴射し燃焼させて耐火組成物を形成する溶射装置において、ホッパー20内を、投入口21aを含む上部領域と払出口22aを含む下部領域とに開閉可能に仕切るチョークバルブ25を設けた。
【選択図】図1
図1
図2
図3