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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-17
(45)【発行日】2024-07-25
(54)【発明の名称】磁場閉じ込め型核融合炉
(51)【国際特許分類】
   G21B 1/11 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
G21B1/11 A
【請求項の数】 63
(21)【出願番号】P 2024075911
(22)【出願日】2024-05-08
【審査請求日】2024-05-08
(31)【優先権主張番号】202311792221.2
(32)【優先日】2023-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520416233
【氏名又は名称】中国科学院合肥物質科学研究院
【氏名又は名称原語表記】HEFEI INSTITUTES OF PHYSICAL SCIENCE, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】No.350 Shushanhu Road Hefei,Anhui 230031(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】宋雲涛
(72)【発明者】
【氏名】鄭金星
(72)【発明者】
【氏名】彭学兵
(72)【発明者】
【氏名】秦経剛
(72)【発明者】
【氏名】陸坤
(72)【発明者】
【氏名】劉旭峰
(72)【発明者】
【氏名】覃世軍
(72)【発明者】
【氏名】雷明准
(72)【発明者】
【氏名】楊慶喜
(72)【発明者】
【氏名】劉辰
(72)【発明者】
【氏名】程勇
(72)【発明者】
【氏名】葛剣
(72)【発明者】
【氏名】張清泉
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-515036(JP,A)
【文献】特表2003-506696(JP,A)
【文献】濱田 一弥,小特集 磁場閉じ込め核融合炉に向けた超伝導マグネット材料工学 2.極低温構造材料,J.Plasma Fusion Res.,日本,プラズマ核融合学会,2006年08月26日,Vol.83,pp.33-38
【文献】土屋 勝彦,小特集超伝導トカマク装置JT-60SA にみる大型核融合装置の機器製作と装置組立の核心 2.長時間プラズマ生成の世界最大級超伝導コイル,J.Plasma Fusion Res.,日本,プラズマ核融合学会,2020年04月20日,Vol.96, No.7,pp.331-335
【文献】辺見 努 他,プロジェクトレビューITER 計画の機器開発・製作の進展 3.ITER トロイダル磁場コイルの製作,J.Plasma Fusion Res.,日本,プラズマ核融合学会,2015年12月07日,Vol.92, No.6,pp.402-407
【文献】Weijun Wang et al.,Study on the welding properties of modified N50 CICC jacket for future fusion applications,Journal of Materials Research and Technology,NL,ELSEVIER,2023年09月17日,Vol.27,pp.6094-6103
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21B 1/00-1/25
Science Direct
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁場閉じ込め型核融合炉であって、
ホストホールに設けられるデュワシステム、コールドシールドシステム、超伝導磁石システム、真空室システム、ダイバータシステム、被覆層システム、遠隔操作システム、及びメンテナンスシステムを含んで核融合炉ホストを形成し、前記超伝導磁石システムには、中心ソレノイド磁石、ポロイダル磁場磁石及びトロイダル磁場磁石が設けられ、前記中心ソレノイド磁石は、電流変化によりプラズマ電流を生産、確率及び維持するのに必要なボルト秒数を提供するために使用され、前記ポロイダル磁場磁石によって産生したポロイダル磁場は、プラズマ断面形状及び位置平衡を制御するためのものであり、前記トロイダル磁場磁石によって産生したトロイダル磁場は、プラズマのマクロ全体の安定性を保証するためのものであり、トロイダル磁場及びプラズマ電流によって産生したポロイダル磁場は、プラズマを閉じ込めるためのものであり、前記デュワシステム及び前記コールドシールドシステムは、前記超伝導磁石システムに真空及び低温環境を提供するためのものであり、前記真空室システムは、プラズマの安定動作に清潔な超高真空環境を提供し、核融合によって発生した中性子の超伝導磁石上での核熱堆積及び環境に対する汚染を減少させるためのものであり、前記ダイバータシステム及び前記被覆層システムは、いずれも前記真空室内に設けられ、前記ダイバータシステムは、器壁からの不純物を遮蔽し、中心プラズマに対する汚染を減少し、中心プラズマからの粒子流及び熱流、並びに核融合反応過程に発生したヘリウム灰を排出するためのものであり、核融合中性子によって運ばれるエネルギーは、前記被覆層システムにおいて堆積し、冷却剤によって原子炉外へ運ばれ、中性子とトリチウム増殖剤との核反応によりトリチウムを生成して核融合燃料を補給し、
前記トロイダル磁場磁石は、超伝導コイル、トロイダル磁場コイルボックス、トロイダル磁場端末ボックス、トロイダル磁場トロイダル方向支持部、及びトロイダル磁場重力支持部を含み、前記トロイダル磁場磁石は、16個の扇形の類似の超伝導磁石からなり、磁場を提供し、プラズマを閉じ込めるために使用され、
前記超伝導コイルは、複数のD型サブ巻線を嵌着してなり、前記D型サブ巻線は、低磁場巻線及び高磁場巻線を採用し、前記低磁場巻線は、Nb3Sn導体を巻回した2つの6パンケーキ巻線であり、前記高磁場巻線は、Nb3Sn導体を巻回した1つの12パンケーキ巻線であり、超伝導第1コネクタにより直列接続され、
前記トロイダル磁場コイルボックスは、D字型であり、内側U型ボックスアセンブリ、内側密封蓋板、外側U型ボックスアセンブリ及び外側密封蓋板を含み、前記内側U型ボックスアセンブリ及び前記内側密封蓋板における直線部分は、N50ステンレス鋼で作製され、前記内側U型ボックスアセンブリ、前記内側密封蓋板及び前記外側U型ボックスアセンブリ、前記外側密封蓋板における円弧部分は、316LNステンレス鋼で作製されることを特徴とする、磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項2】
前記デュワシステムは、頂蓋アセンブリ、リング体アセンブリ、台座アセンブリ、ベローズアセンブリ、支持アセンブリ及びブリードシステムアセンブリを含み、前記頂蓋アセンブリと、前記リング体アセンブリとは、真空密封構造の形式により接続固定され、前記リング体アセンブリと、前記台座アセンブリとは、溶接固定され、前記ベローズアセンブリと、前記リング体アセンブリとは、溶接固定され、前記台座アセンブリは、前記支持アセンブリに取り付けられ、前記台座アセンブリの外縁は、外側建築に接続固定されることを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項3】
前記頂蓋アセンブリは、楕円形シールヘッドアセンブリを採用し、その内側には、第1トロイダル方向補強リブ及び第1径方向補強リブが配置され、その頂部には、複数の取付通路及びメンテナンス通路が形成されることを特徴とする、請求項2に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項4】
前記リング体アセンブリは、円柱形直筒構造を採用し、その外側には、第2トロイダル方向補強リブ及び第2径方向補強リブが配置され、前記リング体アセンブリは、高さ及びトロイダル方向に沿って複数の第1接続通路が形成されることを特徴とする、請求項2に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項5】
前記台座アセンブリは、裾部構造を有する円柱形直筒を採用し、裾部の内側には、トロイダル方向に沿って前記超伝導磁石システム及び前記真空室システムに支持接続される構造が設けられ、円柱形直筒には、高さ及びトロイダル方向に沿って複数の第2接続通路が形成されることを特徴とする、請求項2に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項6】
前記ブリードシステムアセンブリは、リリーフ弁、爆破アセンブリ及びリリーフ管路を含み、前記デュワシステムにヘリウム漏洩事故が発生した場合、圧力の迅速なリリーフを実現するために使用されることを特徴とする、請求項2に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項7】
前記コールドシールドシステムは、トロイダル方向において複数のコールドシールドセクタに分けられ、隣接する前記コールドシールドセクタは、絶縁スペーサにより接続されることを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項8】
前記コールドシールドセクタは、複数の冷却パネルを含み、隣接する前記冷却パネルは、絶縁スペーサにより接続されることを特徴とする、請求項7に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項9】
前記冷却パネルには、蛇行した冷却管路が溶接されることを特徴とする、請求項8に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項10】
前記コールドシールドシステムの表面は、研磨及び銀めっきにより処理されることを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項11】
前記トロイダル磁場コイルボックス内には、冷却管が配置されることを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項12】
前記トロイダル磁場端末ボックスは、支持枠、超伝導第1コネクタ、及び液体ヘリウム輸送管路を含み、前記液体ヘリウム輸送管路は、低温システムに接続される低温管路、及び環状コイル内部の各巻線の間に接続されたヘリウム分岐管を含み、前記液体ヘリウム輸送管路には、いずれもインシュレータが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項13】
前記トロイダル磁場トロイダル方向支持部は、せん断支持板、せん断キー、ボルト、中間上翼アセンブリ及び下翼アセンブリを含み、トロイダル方向において16個の扇形の類似する超伝導磁石を接続し、前記トロイダル磁場磁石間のスリップ外乱を制限するためのものであることを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項14】
前記トロイダル磁場重力支持部は、トロイダル磁石の底部に設けられ、磁石の重力を受けるためものであり、トロイダル磁場磁石支持脚、絶縁パッド、熱遮断アセンブリ及び可撓性支持部を含み、前記熱遮断アセンブリの内部には、複数の冷却管が配置され、前記可撓性支持部は、複数の可撓性支持板を組み合わせてなるものであることを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項15】
前記中心ソレノイド磁石は、複数のソレノイド型コイルを積載して形成され、原子炉プラズマのために破壊に必要な磁束を提供するものであり、前記中心ソレノイド磁石と前記ポロイダル磁場磁石とは共同で作用してプラズマを加熱及び成形するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項16】
前記中心ソレノイド磁石は、全てCICC導体を巻回した環状超伝導コイルであり、前記中心ソレノイド磁石の一部は、高温超導体から構成され、別の部分は、Nb3Sn超導体から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項17】
前記中心ソレノイド磁石は、第1コイル巻線、第1コネクタ、冷却構造及び仮締結システムを含み、前記第1コイル巻線は、複数の高温超伝導モジュール及び複数のNb3Sn超伝導モジュールを含み、各モジュールは、いずれも無張力で巻回する方法を採用することを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項18】
導体と導体の間には、過渡絶縁があるように設計され、パンケーキとパンケーキの間には、パンケーキ間絶縁があるように設計され、外部には、対地絶縁があるように設計されることを特徴とする、請求項17に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項19】
各前記高温超伝導モジュールの端子は、内側から引き出され、各前記Nb3Sn超伝導モジュールの端子は、外側から引き出され、中心ソレノイド磁石全体の上下端においてそれぞれ給電線システムに接続されることを特徴とする、請求項17に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項20】
前記第1コイル巻線の第1コネクタは、給電線に接続されるボックス式第1コネクタ及び巻線内部の同軸第1コネクタを含み、液体ヘリウムは、前記第1コイル巻線の冷却構造を通過して中心ソレノイド磁石を冷却することを特徴とする、請求項17に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項21】
仮締結システムは、軸方向仮締結機構、上部中心合わせ機構、下部重力支持機構、及び冷却管系を含み、前記軸方向仮締結機構は、モジュール間の締結を確保するためのものであり、前記上部中心合わせ機構は、前記中心ソレノイド磁石が中間に位置することを保証するためのものであり、前記下部重力支持機構は、前記中心ソレノイド磁石を支持するためのものであり、前記冷却管系は、前記仮締結システムを冷却するためのものであることを特徴とする、請求項17に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項22】
前記ポロイダル磁場磁石は、前記トロイダル磁場磁石の周囲を取り囲む複数のトロイダルコイルを含み、融合炉プラズマにポロイダル磁場を提供してプラズマに対する配位制御を実現するために使用され、前記中心ソレノイド磁石と前記ポロイダル磁場磁石は共同で作用してプラズマを加熱及び成形するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項23】
前記ポロイダル磁場磁石は、完全にCICC導体を巻回して形成された環状超伝導コイルであり、前記ポロイダル磁場磁石の一部は、NbTi超導体から構成され、もう一部は、Nb3Sn超導体から構成されることを特徴とする、請求項22に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項24】
前記ポロイダル磁場磁石は、第2コイル巻線、ヘリウム管、第2コネクタ、tail構造及びポロイダル磁場端末ボックスを含み、前記第2コイル巻線は、複数の2パンケーキコイル、4パンケーキコイル、又は6パンケーキコイルを前記第2コネクタにより直列接続して形成され、各巻線ユニットは、1本の導線で無張力巻回方法により巻回して形成されたものであることを特徴とする、請求項22に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項25】
導体と導体の間には、過渡絶縁があるように設計され、パンケーキとパンケーキの間には、パンケーキ間絶縁があるように設計され、外部には、対地絶縁があるように設計されることを特徴とする、請求項24に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項26】
パンケーキ間の過渡位置には、液体ヘリウムを導体に導入して超伝導線を冷却するための前記ヘリウム管が設けられることを特徴とする、請求項24に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項27】
前記第2コイル巻線の2つの線端には、線端での強度を向上させて前記第2コイル巻線のトロイダル方向の応力に抵抗するために前記tail構造が設けられることを特徴とする、請求項24に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項28】
前記第2コイル巻線の線端、液体ヘリウムの出入総管、及び対応する測定線は、最終的に前記ポロイダル磁場端末ボックス内に集約され、さらに給電線との接続により装置の外部に引き出されることを特徴とする、請求項24に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項29】
伝送給電線システムをさらに含み、前記伝送給電線システムは、原子炉中の各超伝導磁石又は各群の超伝導磁石に対してそれぞれ給電回路を有するとともに必要な信号を含む独立した採取通路を設け、前記伝送給電線システムは、原子炉の外周から引き込まれ、最終的に前記超伝導磁石システムに接続されることを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項30】
前記伝送給電線システムは、磁石給電線端末ボックス、高温超伝導電流リード、圧力リリーフ弁ホルダ、過渡給電線及び内給電線を含むことを特徴とする、請求項29に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項31】
前記磁石給電線端末ボックスは、端末ボックス外部デュワ、端末ボックスコールドシールド、高温超伝導電流リード、端末ボックス超伝導コネクタ、端末ボックス超伝導ケーブル、低温輸送管路、及び低温バルブアセンブリを含むことを特徴とする、請求項30に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項32】
前記圧力リリーフ弁ホルダは、冷熱交換器、制御弁及び安全弁アセンブリ、流量計、差圧計及び圧力計アセンブリ、並びに第1弁ホルダを含むことを特徴とする、請求項30に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項33】
前記過渡給電線は、第1外筒体、第1コールドシールド、第1超伝導コネクタ、第1超伝導ケーブル、真空遮断部、第1支持部、及び地震ベローズを含むことを特徴とする、請求項30に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項34】
前記内給電線は、第2超伝導ケーブル、第2超伝導コネクタ、及び第2支持部を含むことを特徴とする、請求項30に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項35】
前記端末ボックス外部デュワは、ステンレス鋼材質の円筒状ハウジングであり、2段式構造に分けられ、ハウジング内部には、端末ボックスコールドシールドが取り付けられ、コールドシールドには、冷却導管及び多層断熱層が設けられ、ハウジングには、給電線内部の圧力、温度、電圧及び真空のセンサに接続するためのセンサ丸型コネクタインターフェースが設けられ、ハウジング上のフランジ孔には、縦置きの電流リードが取り付けられ、電流リードコネクタボックスによりS型又はU型にプリフォームした前記端末ボックス超伝導ケーブル上の前記端末ボックス超伝導コネクタに接続され、ハウジング上のフランジには、低温バルブアセンブリが設けられ、コールドシールドの80K冷凍回路、電流リードの50K冷凍入力及び300K冷凍出力、端末ボックス超伝導ケーブル及び電流リードの4.5K冷凍出力を制御することができることを特徴とする、請求項31に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項36】
前記高温超伝導電流リードは、室温段、熱交換器段、高温超伝導段及び低温超伝導段を含み、室温段は、それぞれ給電システム及び磁石端末ボックスに接続される水冷母線及び絶縁フランジを含み、熱交換器段は、無酸素銅フィン式構造を採用し、高温超伝導段の動作温度は5K-65Kであり、伝導により冷却し、低温超伝導段における低温超伝導ケーブルの一端は、高温超伝導段に溶接され、他端は、コネクタボックスに接続されることを特徴とする、請求項31に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項37】
前記冷熱交換器は、電流リード300K出口での冷凍ガスの温度を常温状態にして弁を保護するものであり、前記制御弁及び安全弁アセンブリは、事故状態下での過大な管路圧力をリリーフして給電線システム全体の安全動作を保証するものであり、前記流量計は、リアルタイム流量を採取して計算するものであり、前記差圧計及び圧力計アセンブリは、管路システムの動作状況を検出するものであり、前記第1弁ホルダは、枠構造であことを特徴とする、請求項32に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項38】
前記過渡給電線には、磁石コイル冷却及び動作時の超伝導ケーブルに対する機械応力を吸収するためのSベンド構造低温超伝導ケーブルが設けられることを特徴とする、請求項33に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項39】
前記真空室システムは、真空室本体、上窓、中窓、下窓、真空室重力支持部及び中性子遮蔽ブロックを含むことを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項40】
前記真空室システムは、前記超伝導磁石システムの内部に位置し、内部部材及び窓部材に支持を提供するために使用され、前記真空室システムは、真空キャビティ構造であり、プラズマ動作に真空環境を提供するとともに、トリチウム及び活性化塵に第1層閉じ込め障壁を提供するために使用されることを特徴とする、請求項39に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項41】
前記真空室本体は、D形断面の二重殻構造であり、二重殻体間に遮蔽機能を有するホウ酸塩水及び前記中性子遮蔽ブロックが満たされていることを特徴とする、請求項39に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項42】
前記上窓、前記中窓及び前記下窓は、診断、加熱、抽気、内部部材チューブフォレストにプラズマに接近する通路を提供するものであることを特徴とする、請求項39に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項43】
前記真空室重力支持部は、可撓性板式構造を採用し、真空室本体の熱膨張収縮による変位量を吸収するものであることを特徴とする、請求項39に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項44】
前記ダイバータシステムは、前記真空室システムの内部に位置し、前記ダイバータシステムは、複数のダイバータモジュール及びダイバータチューブフォレストを含むことを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項45】
単一の前記ダイバータモジュールは、ボックス体、外ターゲットプレート、ドーム、及び内ターゲットプレートを含み、前記ボックス体は、主な載置部材として前記内ターゲットプレート、前記ドーム及び前記外ターゲットプレートを一体に集積し、前記外ターゲットプレートは、第1プラズマ対向ユニット及び第1過渡支持部から構成され、前記ドームは、第2プラズマ対向ユニット及び第2過渡支持部から構成され、前記内ターゲットプレートは、第3プラズマ対向ユニット及び第3過渡支持部から構成されることを特徴とする、請求項44に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項46】
前記第1プラズマ対向ユニット、前記第2プラズマ対向ユニット及び前記第3プラズマ対向ユニットは、いずれも平板構造を採用し、前記第3プラズマ対向ユニット及び前記第1プラズマ対向ユニットの高熱負荷領域の内部流路は、縦横方向溝を有するハイパーベーポトロン構造を採用し、他の領域は、光管構造を採用し、前記第2プラズマ対向ユニットの内部流路は、光管構造を採用することを特徴とする、請求項45に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項47】
単一の前記ダイバータモジュールは、内、中、外の3つの支持部を採用し、中間は過渡ブロックにより接続され、前記過渡ブロックの上下面は、前記ダイバータモジュールの組み立て誤差を補償するために修正することができ、内、中、外の3つの支持部の下部構造は、前記真空室システムに固定接続されることを特徴とする、請求項44に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項48】
前記ダイバータチューブフォレストは、複数の前記ダイバータモジュールの出入冷却管路及びそのパイプクランプから構成されることを特徴とする、請求項44に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項49】
前記被覆層システムは、前記真空室システムの内部に位置し、前記被覆層システムは、高熱プラズマに直接面するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項50】
前記被覆層システムは、頂部被覆層、高磁場側被覆層、低磁場側被覆層、被覆層チューブフォレストを含み、単一の被覆層は、第1壁及び遮蔽ブロックから構成されることを特徴とする、請求項49に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項51】
前記遠隔操作システムは、内部部材操作システム、窓部材操作システム及び転送車システムを含むことを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項52】
前記内部部材操作システムは、操作アーム転送CASK、操作アーム本体、輸送アーム転送CASK、輸送アーム本体及びツール配置ボックスを含み、前記操作アーム本体と前記輸送アーム本体とは90°離れて真空室の中窓に配置され、前記操作アーム本体は、迅速コネクタにより前記ツール配置ボックス内のアクチュエーターとドッキングし、対応するアクチュエーターにより前記ツール配置ボックス内のツールをクランプして操作するか、又は真空室内部部材を搬送し、前記輸送アーム転送CASKは、前記操作アーム本体が真空室内部部材をメンテナンスするのに必要なアクチュエーター、ツール及び内部部材の収容空間を提供することができることを特徴とする、請求項51に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項53】
前記窓部材操作システムは、多自由度ロボットアーム、アクチュエーターツール、窓部材転送機構を含むことを特徴とする、請求項51に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項54】
前記転送車システムは、転送車本体、ドッキング機構及び輸送システムを含み、前記転送車本体の内部には、二重層移動ステージが設けられ、下層移動ステージは、密封通路を通過して真空室軌道にドッキングするように上層移動ステージを運送し、上層移動ステージは、窓部材遠隔操作システムを軌道に沿って真空室窓に入るようにし、真空室密封機構を除去し、窓部材メンテナンスアクチュエーターを交換して窓部材を取り外し、軌道に沿って部材を前記転送車本体の内部に引き込み、前記転送車本体における二重密閉ドアを閉じ、前記転送車本体を前記ドッキング機構から脱離させ、前記輸送システムは、前記転送車本体を熱室ドッキング領域に運送することを特徴とする、請求項51に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項55】
ホスト組立システムをさらに含み、前記ホスト組立システムは、組立ストラテジー、仮組立特殊ツール、取付特殊ツール、組立基準網及びアライメント測定システム、溶接及び非破壊検査システム、真空漏れ検出システム、絶縁及び高低圧テストシステムを含むことを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項56】
前記組立ストラテジーは、磁場閉じ込め型核融合炉ホスト部材の組立順序、組立実施計画を定義するためのものであることを特徴とする、請求項55に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項57】
前記仮組立特殊ツールは、仮組立ホールにおいて磁場閉じ込め型核融合炉ホスト部材を組立、接続及び試験するためのものであり、核融合部材の仮組立作業を満たして実現するために、必要な特殊ツール、ステージ、治具及び機器設備は、1/8真空室組立ステージ、中心ソレノイド磁石組立ステージ、デュワ台座組立溶接ステージ、部材検出仮支持及びツール、トロイダル磁場磁石反転ツール、真空室反転ツールを含むことを特徴とする、請求項55に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項58】
前記取付特殊ツールは、ホストホールにおいて磁場閉じ込め型核融合炉ホスト部材を吊持、位置決め、溶接及びテストするためのものであり、核融合部材の組立作業を満たして実現するために、必要な特殊ツール、ステージ、治具及び機器設備は、デュワ台座吊り具ポロイダル磁場磁石、ポロイダル磁場磁石吊り具、下部磁石仮支持及び持ち上げステージ、真空室吊り具及び仮支持部、トロイダル磁場磁石嵌着回転治工具、被覆層転送及び持ち上げ治工具、1/8セクタ吊持及び位置決め治工具、上中下窓仮支持部を含むことを特徴とする、請求項55に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項59】
前記組立基準網及びアライメント測定システムは、磁場閉じ込め型核融合炉ホスト部材の組立位置決めに組立基準及びアライメント測定を提供するために使用されることを特徴とする、請求項55に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項60】
前記溶接及び非破壊検査システムは、磁場閉じ込め型核融合炉ホスト部材の組立溶接ビードに溶接及び欠陥の検出を提供するために使用されることを特徴とする、請求項55に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項61】
前記真空漏れ検出システムは、磁場閉じ込め型核融合炉ホストの主要部材の組立真空キャビティに真空漏れ検出を提供するために使用されることを特徴とする、請求項55に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項62】
前記絶縁及び高低圧テストシステムは、磁場閉じ込め型核融合炉ホストの磁石及び給電線部材に組立絶縁及び高低圧テストを提供するために使用されることを特徴とする、請求項55に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【請求項63】
前記ホストホールは、L1層、L2層、L3層、B1層、B2層の5層に分けられ、前記核融合炉ホストは、上下に5層を貫通し、厚さ2mのコンクリートバイオシールド層を用いて防護することを特徴とする、請求項1に記載の磁場閉じ込め型核融合炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁場閉じ込め型核融合設備の技術分野に属し、特に磁場閉じ込め型核融合炉に関する。
【背景技術】
【0002】
工業革命の始まりから、エネルギーに対する需要は年々急激に増加し、依然として化石エネルギーを主としてエネルギー需要を満たすが、化石エネルギーは再生不可能な資源であり、最終的に枯渇した一日があり、化石エネルギーを使用する過程において環境汚染を引き起こす。水力、太陽エネルギー及び風力エネルギーなどの再生可能エネルギーは、化石燃料の代わりにクリーンエネルギーとして使用できることが実証されているが、現在の人間の需要を満たすまでに、まだ程遠い。制御可能な融合エネルギーは、無限の潜在力を有するエネルギーであり、安全、清潔、燃料豊富などの利点を有し、人間の将来のエネルギー問題を解決する主な選択の1つである。磁場閉じ込め型核融合装置では、融合反応に厳しい融合反応条件(例えば、超高温及び高圧)が必要であり、言い換えれば、反応条件が満たされないと、融合反応が停止するため、磁場閉じ込め型核融合装置は原子炉の溶落を引き起こす可能性が低く、放射性物質の外部漏洩事故を引き起こし、装置の周辺環境の安全への影響を効果的に低減する。
【0003】
核融合エネルギーの優位性は世界的に認められているが、現在、国際的な磁場閉じ込め型核収束装置システムは依然として建築コストを占め、メンテナンスコストが高く、定常動作時間が短いという問題に直面している。これらの問題は磁場閉じ込め型核融合装置の発展を制限する。現在、集中強化国では、いずれも小型磁場閉じ込め型集中装置技術の発展を狙って、建築、メンテナンス費用を低減し、定常動作時間を向上させる。従って、長時間の定常動作を発展させるコンパクトなポリステル装置は、磁場閉じ込め型ポリステルエネルギーを発展させる必要な手段である。
【0004】
出願番号CN99113505.9は、球形磁場閉じ込め型核融合原子炉本体設備を開示している。その特殊な球形磁場は、強磁場閉じ込め、強断熱圧縮加熱、エネルギー反射集中の利点を有し、オーミック加熱のみで重水素-三重水素融合反応を実現でき、磁場強度強化及び補助加熱後、重水素-三重水素融合反応を実現できる。また、製造価格が低く、動作の信頼性が高く、メンテナンスが便利であるという利点を有し、実用的で、商業運営に投入できる制御された核融合装置であり、発電、熱供給及び動力提供に用いられる。
【0005】
出願番号CN200780007065.7は、X線及び/又はイオンビームを発生させ、集束エネルギーの発生及びエネルギーの電気エネルギーへの変換を実現するための装置及び方法を開示し、反応室内に同軸的且つ少なくとも部分的に位置する陽極及び陰極と、螺旋状の歪みを有する陰極と、陰極を囲む螺旋状のコイル又はその組み合わせにより、プラズマクラスターに角運動量を印加する陽極が陽極半径を有し、陰極が陰極半径を有し、高磁場を印加する。反応室は、ガスと、アノード及びカソードに電気的に連通する電子放出源とを含む。電子が放電することにより、陽極の周囲に高密度の磁気閉じ込めプラズマが形成され、1または複数の粒子が放出される。
【0006】
出願番号CN201580030642.9は、中性子源またはエネルギー源として使用される高効率小型原子炉を開示している。原子炉は、ドーナツ状のプラズマチャンバと、プラズマチャンバ内のプラズマを閉じ込めるための磁場を発生させるプラズマ閉じ込めシステムとを有する。プラズマ閉じ込めシステムは、閉じ込められるプラズマの主要半径が1.5m以下となるように構成される。リング磁場は5T以下で動作し、プラズマ電流は5MA以下である。また、生成されたa粒子はプラズマ中に閉じ込められる。
【0007】
出願番号CN201610083015.8は、熱核融合発生方法及びシステムを開示している。そのうち、方法は、内層が熱核材料を含むキャビティを予め設置し、且つ前記キャビティに少なくとも1つのレーザー注入孔が開設されていることと、レーザーが前記レーザー注入孔を介して前記キャビティに前記キャビティの内層熱核材料を注入してアブレーションし、前記キャビティの中心に向かって膨張するクラウン領域のプラズマを発生させることと、前記クラウン領域のプラズマが前記キャビティの中心で収束し、プラズマの運動エネルギーをプラズマのイオン内部エネルギーに変換し、高温高密度の収束プラズマを形成することと、を含み、前記収束プラズマが核融合反応を起こし、エネルギーを放出する。本発明の実施形態において提供される技術的解決策は、点火ホットスポットの温度を上昇させ、安定した高融合産出を実現することができる。
【0008】
出願番号CN202010292584.Xは、高性能プラズマを保持する装置及び方法を開示し、該装置は、中心柱と、中心柱を取り囲むように設けられ、形成されたプラズマを収容するための真空容器と、磁場により真空容器内のプラズマを制限、成形及び制御することにより、プラズモンが複数の流体を有する立体を形成するプラズマ磁場閉じ込め型システムとを含み、複数の流体は、内から外へ多層を形成し、外層に位置する流体は、内層に位置する流体を囲み、隣接する流体の間は、少なくとも部分的に重なる。本発明は、複数の流体を有する配置を形成することにより、高エネルギー電子流体が熱電子流体と熱イオン流体を囲み、高エネルギー電子流体の維持により、環状電流が最外閉鎖磁気面の外部にも大きな環状電流を有するようにし、プラズマ乱流及びエネルギー拡散を効果的に回避し、粒子の最外閉鎖磁気面での再循環現象を低減し、閉鎖磁気面内の熱イオンと熱電子のエネルギー拘束能力と安定性を効果的に向上させる。
【0009】
上記開示技術は、主に、超伝導磁石技術がないこと、人員や環境への放射保護がないこと、ホストの磁場強度、プラズマパラメータ、動作時間が不十分であることなどの欠点があるため、上記問題を解決するために、新型の磁場閉じ込め型原子炉が必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、現在磁場閉じ込め型融合装置の磁場強度、プラズマパラメータ、動作時間を向上させる磁場閉じ込め型核融合炉を提供することである。
【0011】
本発明の目的は、下記の技術的手段により実現される。
磁場閉じ込め型核融合炉であって、ホストホールに設けられる核融合炉ホストを含み、前記核融合炉ホストは、デュワシステム、コールドシールドシステム、超伝導磁石システム、真空室システム、ダイバータシステム、被覆層システム、遠隔操作システム、及びメンテナンスシステムを含み、前記超伝導磁石システムには、中心ソレノイド磁石、ポロイダル磁場磁石及びトロイダル磁場磁石が設けられ、前記中心ソレノイド磁石は、電流変化によりプラズマ電流を生産、確率及び維持するのに必要なボルト秒数を提供するために使用され、前記ポロイダル磁場磁石によって産生したポロイダル磁場は、プラズマ断面形状及び位置平衡を制御するためのものであり、前記トロイダル磁場磁石によって産生したトロイダル磁場は、プラズマのマクロ全体の安定性を保証するためのものであり、トロイダル磁場及びプラズマ電流によって産生したポロイダル磁場は、プラズマを閉じ込めるためのものであり、前記デュワシステム及び前記コールドシールドシステムは、前記超伝導磁石システムに真空及び低温環境を提供するためのものであり、前記真空室システムは、プラズマの安定動作に清潔な超高真空環境を提供し、核融合によって発生した中性子の超伝導磁石上での核熱堆積及び環境に対する汚染を減少させるためのものであり、前記ダイバータシステム及び前記被覆層システムは、いずれも前記真空室内に設けられ、前記ダイバータシステムは、器壁からの不純物を遮蔽し、中心プラズマに対する汚染を減少し、中心プラズマからの粒子流及び熱流、並びに核融合反応過程に発生したヘリウム灰を排出するためのものであり、核融合中性子によって運ばれるエネルギーは、前記被覆層システムにおいて堆積し、冷却剤によって原子炉外へ運ばれ、中性子とトリチウム増殖剤との核反応によりトリチウムを生成して核融合燃料を補給することを特徴とする、磁場閉じ込め型核融合炉。
【0012】
本発明のいくつかの実施例において、前記デュワシステムは、頂蓋アセンブリ、リング体アセンブリ、台座アセンブリ、ベローズアセンブリ、支持アセンブリ及びブリードシステムアセンブリを含み、前記頂蓋アセンブリと、前記リング体アセンブリとは、真空密封構造の形式により接続固定され、前記リング体アセンブリと、前記台座アセンブリとは、溶接固定され、前記ベローズアセンブリと、前記リング体アセンブリとは、溶接固定され、前記台座アセンブリは、前記支持アセンブリに取り付けられ、前記台座アセンブリの外縁は、外側建築に接続固定される。
【0013】
本発明のいくつかの実施例において、前記頂蓋アセンブリは、楕円形シールヘッドアセンブリを採用し、その内側には、第1トロイダル方向補強リブ及び第1径方向補強リブが配置され、その頂部には、複数の取付通路及びメンテナンス通路が形成される。
【0014】
本発明のいくつかの実施例において、前記リング体アセンブリは、円柱形直筒構造を採用し、その外側には、第2トロイダル方向補強リブ及び第2径方向補強リブが配置され、前記リング体アセンブリは、高さ及びトロイダル方向に沿って複数の第1接続通路が形成される。
【0015】
本発明のいくつかの実施例において、前記台座アセンブリは、裾部構造を有する円柱形直筒を採用し、裾部の内側には、トロイダル方向に沿って前記超伝導磁石システム及び前記真空室システムに支持接続される構造が設けられ、円柱形直筒には、高さ及びトロイダル方向に沿って複数の第2接続通路が形成される。
【0016】
本発明のいくつかの実施例において、前記ブリードシステムアセンブリは、リリーフ弁、爆破アセンブリ及びリリーフ管路を含み、前記デュワシステムにヘリウム漏洩事故が発生した場合、圧力の迅速なリリーフを実現するために使用される。
【0017】
本発明のいくつかの実施例において、前記コールドシールドシステムは、トロイダル方向において複数のコールドシールドセクタに分けられ、隣接する前記コールドシールドセクタは、絶縁スペーサにより接続される。
【0018】
本発明のいくつかの実施例において、前記コールドシールドセクタは、複数の冷却パネルを含み、隣接する前記冷却パネルは、絶縁スペーサにより接続される。
【0019】
本発明のいくつかの実施例において、前記冷却パネルには、蛇行した冷却管路が溶接される。
【0020】
本発明のいくつかの実施例において、前記コールドシールドシステムの表面は、研磨及び銀めっきにより処理される。
【0021】
本発明のいくつかの実施例において、前記トロイダル磁場磁石は、超伝導コイル、トロイダル磁場コイルボックス、トロイダル磁場端末ボックス、トロイダル磁場トロイダル方向支持部、及びトロイダル磁場重力支持を含み、前記トロイダル磁場磁石は、16個の扇形の類似の超伝導磁石からなり、磁場を提供し、プラズマを閉じ込めるために使用される。
【0022】
本発明のいくつかの実施例において、前記超伝導コイルは、複数のD型サブ巻線を嵌着してなり、前記D型サブ巻線は、低磁場巻線及び高磁場巻線を採用し、前記低磁場巻線は、Nb3Sn導体を巻回した2つの6パンケーキ巻線であり、前記高磁場巻線は、Nb3Sn導体を巻回した1つの12パンケーキ巻線であり、超伝導第1コネクタにより直列接続される。
【0023】
本発明のいくつかの実施例において、前記トロイダル磁場コイルボックスは、D字型であり、内側U型ボックスアセンブリ、内側密封蓋板、外側U型ボックスアセンブリ及び外側密封蓋板を含み、前記内側U型ボックスアセンブリ及び前記内側密封蓋板における直線部分は、N50ステンレス鋼で作製され、前記内側U型ボックスアセンブリ、前記内側密封蓋板及び前記外側U型ボックスアセンブリ、前記外側密封蓋板における円弧部分は、316LNステンレス鋼で作製される。
【0024】
本発明のいくつかの実施例において、前記トロイダル磁場コイルボックス内には、冷却管が配置される。
【0025】
本発明のいくつかの実施例において、前記トロイダル磁場端末ボックスは、支持枠、超伝導第1コネクタ、及び液体ヘリウム輸送管路を含み、前記液体ヘリウム輸送管路は、低温システムに接続される低温管路、及び環状コイル内部の各巻線の間に接続されたヘリウム分岐管を含み、前記液体ヘリウム輸送管路には、いずれもインシュレータが設けられる。
【0026】
本発明のいくつかの実施例において、前記トロイダル磁場のトロイダル方向支持部は、せん断支持板、せん断キー、ボルト、中間上翼アセンブリ及び下翼アセンブリを含み、トロイダル方向において16個の扇形の類似する超伝導磁石を接続し、前記トロイダル磁場磁石間のスリップ外乱を制限するためのものである。
【0027】
本発明のいくつかの実施例において、前記トロイダル磁場重力支持部は、トロイダル磁石の底部に設けられ、磁石の重力を受けるためものであり、トロイダル磁場磁石支持脚、絶縁パッド、熱遮断アセンブリ及び可撓性支持部を含み、前記熱遮断アセンブリの内部には、複数の冷却管が配置され、前記可撓性支持部は、複数の可撓性支持板を組み合わせてなるものである。
【0028】
本発明のいくつかの実施例において、前記中心ソレノイド磁石は、複数のソレノイド型コイルを積載して形成され、原子炉プラズマのために破壊に必要な磁束を提供するものであり、前記中心ソレノイド磁石と前記ポロイダル磁場磁石とは共同で作用してプラズマを加熱及び成形するために使用される。
【0029】
本発明のいくつかの実施例において、前記中心ソレノイド磁石は、全てCICC導体を巻回した環状超伝導コイルであり、前記中心ソレノイド磁石の一部は、高温超導体から構成され、別の部分は、Nb3Sn超導体から構成される。
【0030】
本発明のいくつかの実施例において、前記中心ソレノイド磁石は、第1コイル巻線、第1コネクタ、冷却構造及び仮締結システムを含み、前記第1コイル巻線は、複数の高温超伝導モジュール及び複数のNb3Sn超伝導モジュールを含み、各モジュールは、いずれも無張力で巻回する方法を採用する。
【0031】
本発明のいくつかの実施例において、導体と導体の間には、過渡絶縁があるように設計され、パンケーキとパンケーキの間には、パンケーキ間絶縁があるように設計され、外部には、対地絶縁があるように設計される。
【0032】
本発明のいくつかの実施例において、各前記高温超伝導モジュールの端子は、内側から引き出され、各前記Nb3Sn超伝導モジュールの端子は、外側から引き出され、中心ソレノイド磁石全体の上下端においてそれぞれ給電線システムに接続される。
【0033】
本発明のいくつかの実施例において、前記第1コイル巻線の第1コネクタは、給電線に接続されるボックス式第1コネクタ及び巻線内部の同軸第1コネクタを含み、液体ヘリウムは、前記第1コイル巻線の冷却構造を通過して中心ソレノイド磁石を冷却する。
【0034】
本発明のいくつかの実施例において、仮締結システムは、軸方向仮締結機構、上部中心合わせ機構、下部重力支持機構、及び冷却管系を含み、前記軸方向仮締結機構は、モジュール間の締結を確保するためのものであり、前記上部中心合わせ機構は、前記中心ソレノイド磁石が中間に位置することを保証するためのものであり、前記下部重力支持機構は、前記中心ソレノイド磁石を支持するためのものであり、前記冷却管系は、前記仮締結システムを冷却するためのものである。
【0035】
本発明のいくつかの実施例において、前記ポロイダル磁場磁石は、前記トロイダル磁場磁石の周囲を取り囲む複数のトロイダルコイルを含み、融合炉プラズマにポロイダル磁場を提供してプラズマに対する配位制御を実現するために使用され、前記中心ソレノイド磁石と前記ポロイダル磁場磁石は共同で作用してプラズマを加熱及び成形するために使用される。
【0036】
本発明のいくつかの実施例において、前記ポロイダル磁場磁石は、完全にCICC導体を巻回して形成された環状超伝導コイルであり、前記ポロイダル磁場磁石の一部は、NbTi超導体から構成され、もう一部は、Nb3Sn超導体から構成される。
【0037】
本発明のいくつかの実施例において、前記ポロイダル磁場磁石は、第2コイル巻線、ヘリウム管、第2コネクタ、tail構造及びポロイダル磁場端末ボックスを含み、前記第2コイル巻線は、複数の2パンケーキコイル、4パンケーキコイル、又は6パンケーキコイルを前記第2コネクタにより直列接続して形成され、各巻線ユニットは、1本の導線で無張力巻回方法により巻回して形成されたものである。
【0038】
本発明のいくつかの実施例において、導体と導体の間には、過渡絶縁があるように設計され、パンケーキとパンケーキの間には、パンケーキ間絶縁があるように設計され、外部には、対地絶縁があるように設計される。
【0039】
本発明のいくつかの実施例において、パパンケーキ間の過渡位置には、液体ヘリウムを導体に導入して超伝導線を冷却するための前記ヘリウム管が設けられる。
【0040】
本発明のいくつかの実施例において、前記第2コイル巻線の2つの線端には、線端での強度を向上させて前記第2コイル巻線のトロイダル方向の応力に抵抗するために前記tail構造が設けられる。
【0041】
本発明のいくつかの実施例において、前記第2コイル巻線の線端、液体ヘリウムの出入総管、及び対応する測定線は、最終的に前記ポロイダル磁場端末ボックス内に集約され、さらに給電線との接続により装置の外部に引き出される。
【0042】
本発明のいくつかの実施例において、伝送給電線システムをさらに含み、前記伝送給電線システムは、原子炉中の各超伝導磁石又は各群の超伝導磁石に対してそれぞれ給電回路を有するとともに必要な信号を含む独立した採取通路を設け、前記伝送給電線システムは、原子炉の外周から引き込まれ、最終的に前記超伝導磁石システムに接続される。
【0043】
本発明のいくつかの実施例において、前記伝送給電線システムは、磁石給電線端末ボックス、高温超伝導電流リード、圧力リリーフ弁ホルダ、過渡給電線及び内給電線を含む。
【0044】
本発明のいくつかの実施例において、前記磁石給電線端末ボックスは、端末ボックス外部デュワ、端末ボックスコールドシールド、高温超伝導電流リード、端末ボックス超伝導コネクタ、端末ボックス超伝導ケーブル、低温輸送管路、及び低温バルブアセンブリを含む。
【0045】
本発明のいくつかの実施例において、前記圧力リリーフ弁ホルダは、冷熱交換器、制御弁及び安全弁アセンブリ、流量計、差圧計及び圧力計アセンブリ、並びに第1弁ホルダを含む。
【0046】
本発明のいくつかの実施例において、前記過渡給電線は、第1外筒体、第1コールドシールド、第1超伝導コネクタ、第1超伝導ケーブル、真空遮断部、第1支持部、及び地震ベローズを含む。
【0047】
本発明のいくつかの実施例において、前記内給電線は、第2超伝導ケーブル、第2超伝導コネクタ、及び第2支持部を含む。
【0048】
本発明のいくつかの実施例において、前記端末ボックス外部デュワは、ステンレス鋼材質の円筒状ハウジングであり、2段式構造に分けられ、ハウジング内部には、端末ボックスコールドシールドが取り付けられ、コールドシールドには、冷却導管及び多層断熱層が設けられ、ハウジングには、給電線内部の圧力、温度、電圧及び真空などのセンサに接続するためのセンサ丸型コネクタインターフェースが設けられ、ハウジング上のフランジ孔には、縦置きの電流リードが取り付けられ、電流リードコネクタボックスによりS型又はU型にプリフォームした前記端末ボックス超伝導ケーブル上の前記端末ボックス超伝導コネクタに接続され、ハウジング上のフランジには、低温バルブアセンブリが設けられ、コールドシールドの80K冷凍回路、電流リードの50K冷凍入力及び300K冷凍出力、端末ボックス超伝導ケーブル及び電流リードの4.5K冷凍出力を制御することができる。
【0049】
本発明のいくつかの実施例において、前記高温超伝導電流リードは、室温段、熱交換器段、高温超伝導段及び低温超伝導段を含み、室温段は、それぞれ給電システム及び磁石端末ボックスに接続される水冷母線及び絶縁フランジを含み、熱交換器段は、無酸素銅フィン式構造を採用し、高温超伝導段の動作温度は5K-65Kであり、伝導により冷却し、低温超伝導段における低温超伝導ケーブルの一端は、高温超伝導段に溶接され、他端は、コネクタボックスに接続される。
【0050】
本発明のいくつかの実施例において、前記冷熱交換器は、電流リード300K出口での冷凍ガスの温度を常温状態にして弁を保護するものであり、前記制御弁及び安全弁アセンブリは、事故状態下での過大な管路圧力をリリーフして給電線システム全体の安全動作を保証するものであり、前記流量計は、リアルタイム流量を採取して計算するものであり、前記差圧計及び圧力計アセンブリは、管路システムの動作状況を検出するものであり、前記第1弁ホルダは、枠構造であり、上記の部材を保持するものである。
【0051】
本発明のいくつかの実施例において、前記過渡給電線には、磁石コイル冷却及び動作時の超伝導ケーブルに対する機械応力を吸収するためのSベンド構造低温超伝導ケーブルが設けられる。
【0052】
本発明のいくつかの実施例において、前記真空室システムは、真空室本体、上窓、中窓、下窓、真空室重力支持部及び中性子遮蔽ブロックを含む。
【0053】
本発明のいくつかの実施例において、前記真空室システムは、前記超伝導磁石システムの内部に位置し、内部部材及び窓部材に支持を提供するために使用され、前記真空室システムは、真空キャビティ構造であり、プラズマ動作に真空環境を提供するとともに、トリチウム及び活性化塵に第1層閉じ込め障壁を提供するために使用される。
【0054】
本発明のいくつかの実施例において、前記真空室本体は、D形断面の二重殻構造であり、二重殻体間に遮蔽機能を有するホウ酸塩水及び前記中性子遮蔽ブロックが満たされている。
【0055】
本発明のいくつかの実施例において、前記上窓、前記中窓及び前記下窓は、診断、加熱、抽気、内部部材チューブフォレストなどにプラズマに接近する通路を提供するものである。
【0056】
本発明のいくつかの実施例において、前記真空室重力支持部は、可撓性板式構造を採用し、真空室本体の熱膨張収縮による変位量を吸収するものである。
【0057】
本発明のいくつかの実施例において、前記ダイバータシステムは、前記真空室システムの内部に位置し、前記ダイバータシステムは、複数のダイバータモジュール及びダイバータチューブフォレストを含む。
【0058】
本発明のいくつかの実施例において、単一の前記ダイバータモジュールは、ボックス体、外ターゲットプレート、ドーム、及び内ターゲットプレートを含み、前記ボックス体は、主な載置部材として前記内ターゲットプレート、前記ドーム及び前記外ターゲットプレートを一体に集積し、前記外ターゲットプレートは、第1プラズマ対向ユニット及び第1過渡支持部から構成され、前記ドームは、第2プラズマ対向ユニット及び第2過渡支持部から構成され、前記内ターゲットプレートは、第3プラズマ対向ユニット及び第3過渡支持部から構成される。
【0059】
本発明のいくつかの実施例において、前記第1プラズマ対向ユニット、前記第2プラズマ対向ユニット及び前記第3プラズマ対向ユニットは、いずれも平板構造を採用し、前記第3プラズマ対向ユニット及び前記第1プラズマ対向ユニットの高熱負荷領域の内部流路は、縦横方向溝を有するハイパーベーポトロン構造を採用し、他の領域は、光管(light pipe)構造を採用し、前記第2プラズマ対向ユニットの内部流路は、光管構造を採用する。
【0060】
本発明のいくつかの実施例において、単一の前記ダイバータモジュールは、内、中、外の3つの支持部を採用し、中間は過渡ブロックにより接続され、前記過渡ブロックの上下面は、前記ダイバータモジュールの組み立て誤差を補償するために修正することができ、内、中、外の3つの支持部の下部構造は、前記真空室システムに固定接続される。
【0061】
本発明のいくつかの実施例において、前記ダイバータチューブフォレストは、複数の前記ダイバータモジュールの出入冷却管路及びそのパイプクランプから構成される。
【0062】
本発明のいくつかの実施例において、前記被覆層システムは、前記真空室システムの内部に位置し、前記被覆層システムは、高熱プラズマに直接面するために使用される。
【0063】
本発明のいくつかの実施例において、前記被覆層システムは、頂部被覆層、高磁場側被覆層、低磁場側被覆層、被覆層チューブフォレストを含み、単一の被覆層は、第1壁及び遮蔽ブロックから構成される。
【0064】
本発明のいくつかの実施例において、前記遠隔操作システムは、内部部材操作システム、窓部材操作システム及び転送車システムを含む。
【0065】
本発明のいくつかの実施例において、前記内部部材操作システムは、操作アーム転送CASK、操作アーム本体、輸送アーム転送CASK、輸送アーム本体及びツール配置ボックスを含み、前記操作アーム本体と前記輸送アーム本体とは90°離れて真空室の中窓に配置され、前記操作アーム本体は、迅速コネクタにより前記ツール配置ボックス内のアクチュエーターとドッキングし、対応するアクチュエーターにより前記ツール配置ボックス内のツールをクランプして操作するか、又は真空室内部部材を搬送し、前記輸送アーム転送CASKは、前記操作アーム本体が真空室内部部材をメンテナンスするのに必要なアクチュエーター、ツール及び内部部材の収容空間を提供することができる。
【0066】
本発明のいくつかの実施例において、前記窓部材操作システムは、多自由度ロボットアーム、アクチュエーターツール、窓部材転送機構を含む。
【0067】
本発明のいくつかの実施例において、前記転送車システムは、転送車本体、ドッキング機構及び輸送システムを含み、前記転送車本体の内部には、二重層移動ステージが設けられ、下層移動ステージは、密封通路を通過して真空室軌道にドッキングするように上層移動ステージを運送し、上層移動ステージは、窓部材遠隔操作システムを軌道に沿って真空室窓に入るようにし、真空室密封機構を除去し、窓部材メンテナンスアクチュエーターを交換して窓部材を取り外し、軌道に沿って部材を前記転送車本体の内部に引き込み、前記転送車本体における二重密閉ドアを閉じ、前記転送車本体を前記ドッキング機構から脱離させ、前記輸送システムは、前記転送車本体を熱室ドッキング領域に運送する。
【0068】
本発明のいくつかの実施例において、ホスト組立システムをさらに含み、前記ホスト組立システムは、組立ストラテジー、仮組立特殊ツール、取付特殊ツール、組立基準網及びアライメント測定、溶接及び非破壊検査、真空漏れ検出、絶縁及び高低圧テストを含む。
【0069】
本発明のいくつかの実施例において、前記組立ストラテジーは、磁場閉じ込め型核融合炉ホスト部材の組立順序、組立実施計画を定義するためのものである。
【0070】
本発明のいくつかの実施例において、前記仮組立特殊ツールは、仮組立ホールにおいて磁場閉じ込め型核融合炉ホスト部材を組立、接続及び試験するためのものであり、核融合部材の仮組立作業を満たして実現するために、必要な特殊ツール、ステージ、治具及び機器設備は、1/8真空室組立ステージ、中心ソレノイド磁石組立ステージ、デュワ台座組立溶接ステージ、部材検出仮支持及びツール、トロイダル磁場磁石反転ツール、真空室反転ツールを含む。
【0071】
本発明のいくつかの実施例において、前記取付特殊ツールは、ホストホールにおいて磁場閉じ込め型核融合炉ホスト部材を吊持、位置決め、溶接及びテストするためのものであり、核融合部材の組立作業を満たして実現するために、必要な特殊ツール、ステージ、治具及び機器設備は、デュワ台座吊り具ポロイダル磁場磁石、ポロイダル磁場磁石吊り具、下部磁石仮支持及び持ち上げステージ、真空室吊り具及び仮支持部、トロイダル磁場磁石嵌着回転治工具、被覆層転送及び持ち上げ治工具、1/8セクタ吊持及び位置決め治工具、上中下窓仮支持部を含む。
【0072】
本発明のいくつかの実施例において、前記組立基準網及びアライメント測定システムは、磁場閉じ込め型核融合炉ホスト部材の組立位置決めに組立基準及びアライメント測定を提供するために使用される。
【0073】
本発明のいくつかの実施例において、前記溶接及び非破壊検査システムは、磁場閉じ込め型核融合炉ホスト部材の組立溶接ビードに溶接及び欠陥の検出を提供するために使用される。
【0074】
本発明のいくつかの実施例において、前記真空漏れ検出システムは、磁場閉じ込め型核融合炉ホストの主要部材の組立真空キャビティに真空漏れ検出を提供するために使用される。
【0075】
本発明のいくつかの実施例において、前記絶縁及び高低圧テストシステムは、磁場閉じ込め型核融合炉ホストの磁石及び給電線部材に組立絶縁及び高電圧テストを提供するために使用される。
【0076】
本発明のいくつかの実施例において、前記ホストホールは、L1層、L2層、L3層、B1層、B2層の5層に分けられ、前記核融合炉ホストは、上下に5層を貫通し、厚さ2mのコンクリートバイオシールド層を用いて防護する。
【0077】
本発明の磁場閉じ込め型核融合炉は、CICCに基づく融合炉ポロイダル磁場磁石システムの設計方法を提供する。多巻線の直列接続設計により、コイルのアンペアターン数を向上させるとともに、コイルの冷却回路を短縮でき、融合炉磁石システムの安全性、安定性及びコストパフォーマンスを効果的に向上できる。本発明で提供される給電線は、互いに干渉することなく、独立して加工、取付を完成することができ、その取付位置が、対応磁石に接続される最適な位置にあるため、取付の難しさが低減し、装置内部の接続空間が節約され、建物のレイアウトに応じて建物の異なる層に分布することができ、日常メンテナンスの実施に有利である。本発明の真空室システムは、耐放射線性、長寿命、高真空、多動的負荷の、大型で複雑な輪郭を有する二重層核圧力容器であり、内部で採用される小角度のポロイダル方向二重層冷却通路設計により、効率的な自動放熱と真空ベークを実現することができる。その中性子遮蔽ブロックは、高エネルギー核融合中性子の超伝導磁石に対する損傷を最小限に抑え、トロイダル磁場のうねりを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】核融合炉/反応装置ホストのホストホールにおけるレイアウトの模式図である。
図2】核融合炉/反応装置ホストの構造の拡大模式図である。
図3】デュワ構造の模式図である。
図4】コールドシールド構造の模式図である。
図5】磁石システム構造の模式図である。
図6】TF磁石構造の模式図である。
図7】CS磁石構造の模式図である。
図8】PF磁石構造の模式図である。
図9】磁石給電線構造の模式図である。
図10】真空室システム構造の模式図である。
図11】ダイバータ構造の模式図である。
図12】被覆層構造の模式図である。
図13】遠隔操作構造の模式図である。 符号の説明 1、核融合炉ホスト;2、ホストホール;2-1、L1層;2-2、L2層;2-3、L3層;2-4、B1層;2-5、B2層;11、デュワシステム;12、コールドシールドシステム;13、超伝導磁石システム;14、伝送給電線システム;15、真空室システム;16、ダイバータシステム;17、被覆層システム;18、遠隔操作システム;111、デュワ頂蓋;1111、頂蓋メンテナンス窓;1112、頂蓋本体;112、デュワリング体;1121、上リング体;1122、下リング体;113、デュワ台座;1131、支持アセンブリ;1132、台座本体;1211、上デュワコールドシールド;12111、上デュワコールドシールド支持部;12112、上デュワコールドシールドパネル;12113、上デュワコールドシールド迷宮;1212、中デュワコールドシールド;1213、下デュワコールドシールド;12131、下デュワコールドシールド迷宮;12132、下デュワコールドシールドパネル;12133、下デュワコールドシールド斜めタイロッド;12134、下デュワコールドシールド支持部;1214、真空室コールドシールド;12141、真空室コールドシールド「C」型パネル;12142、真空室コールドシールド「I」型パネル;1215、窓コールドシールド;12151、上窓コールドシールド;12152、中窓コールドシールド;12153、下窓コールドシールド;131、TF磁石;132、PF磁石;133、CS磁石;1311、超伝導コイル;13111、低磁場巻線;13112、高磁場巻線;1312、TFコイルボックス;13121、内側U型ボックスアセンブリ;13122、内側密封蓋板;13123、外側U型ボックスアセンブリ;13124、外側密封蓋板;1313、TF端末ボックス;13131、支持枠;13132、超伝導コネクタ;13133、液体ヘリウム輸送管路;1314、TFトロイダル方向支持部;13141、上翼アセンブリ;13142、下翼アセンブリ;13143、底部トロイダル方向支持部;1315、TF重力支持部;13151、TF磁石支持脚;13152、熱遮断アセンブリ;13153、可撓性支持;1321、PF1磁石;1322、PF2磁石;1323、PF3磁石;1324、PF4磁石;1325、PF5磁石;1326、PF6磁石;1327、PF7磁石;141、磁石給電線端末ボックス;1411、給電線端末ボックス外部デュワ;1412、給電線端末ボックスコールドシールド;142、高温超伝導電流リード;1421、電流リード室温端;1424、低温超伝導段;143、圧力リリーフ弁ホルダ;1431、冷熱交換器;1432、制御弁和安全弁アセンブリ;1433、流量計;1434、圧力計アセンブリ;1435、弁ホルダ;144、過渡給電線;1441、外過渡給電線筒体;1442、過渡給電線コールドシールド;1443、過渡給電線超伝導コネクタ;1444、過渡給電線超伝導ケーブル;1445、真空遮断;1446、超伝導ケーブル支持;1447、地震ベローズ;145、内給電線;1451、低温超伝導ケーブル;1452、内給電線超伝導コネクタ;1453、内給電線支持;151、真空室本体;152、上窓;153、中窓;154、下窓;155、重力支持;156、中性子遮蔽ブロック;161、ダイバータボックス体;162、外ターゲットプレート;1621、外ターゲットプレートのプラズマ対向ユニット;1622、外ターゲットプレート過渡支持部;163、ドーム;1631、ドームのプラズマ対向ユニット;1632ドーム過渡支持部;164、内ターゲットプレート;1641、内ターゲットプレートのプラズマ対向ユニット;1642、内ターゲットプレート過渡支持部;1711、高磁場側;1712、頂部被覆層;1713、低磁場側;1811、操作アーム取付基盤;1812、操作アーム;1813、輸送アーム取付基盤;1814、輸送アーム;1815、ツール配置ボックス。
【発明を実施するための形態】
【0079】
以下、図面及び実施例により本発明の具体的な実施形態をさらに説明する。以下の実施例は、本発明を説明するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0080】
本出願の説明において、本出願で使用される用語「上」、「下」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明の便宜及び説明の簡略化のためのものに過ぎず、指定された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本発明を限定するものと理解されるべきではない。また、用語「第1」、「第2」等は、説明の目的のみに用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示するものとして理解されるべきではない。
【0081】
本発明において、特に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体であってもよく、機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0082】
磁場閉じ込め型核融合炉は、核融合炉ホスト1と、ホストホール2とを含む。核融合炉ホスト1は、デュワシステム11と、コールドシールドシステム12と、超伝導磁石システム13と、伝送給電線システム14と、真空室システム15と、ダイバータシステム16と、被覆層システム17と、遠隔操作システム18とから構成される。核融合炉ホスト1は、本発明の核心部分であり、核融合反応を発生及び維持するために使用される。核融合炉ホスト1は、ホストホール2内に取り付けられる。ホストホール2は、核融合炉ホスト1のために構造的支持を提供し、核放射線、核漏れのシールド構造としてホストホール2の外部環境及び人員の安全を保証する。ホストホール2は、L1層2-1、L2層2-2、L3層2-3、B1層2-4、B2層2-5の5層に分けられる。前記核融合炉ホスト1は、この5層を上下に貫通し、厚さ2mのコンクリート生物学的遮蔽層を用いて保護する。
【0083】
具体的には、図1に示すように、核融合炉ホスト1は、ホストホール2内に取り付けられる。ホストホール2は、複数層を含み、各層が核融合炉ホスト1の異なる高さ位置に対応し、核融合炉ホスト1及び核融合炉ホスト1に取り付けられる各補助システムのために重力支持を提供するとともに、遠隔操作システム18のためにメンテナンス操作チャネルを提供する。
【0084】
図3に示すように、デュワシステム11は、まず、トロイダル方向に沿って建築支持面において特定数の支持アセンブリ1131を接続固定し、支持アセンブリ1131と同じ径方向の位置であって生物学的遮蔽壁においてトロイダル方向に沿って特定数の抑制構造を固定し、その後、デュワ台座113を支持アセンブリ1131に位置させ、ボルトにより固定接続させ、デュワ台座113の裾部の最外側と生物学的遮蔽壁上の抑制構造とをボルトにより固定接続させる。次いで、デュワリング体112をデュワ台座113に位置させ、デュワ台座113の裾部の外縁と溶接により接続して固定し、溶接ビードに対して真空漏れ検出を行い、漏れ率が設計要求を満たした後、リップパッキンの下半部をリング体の上面に溶接し、リップパッキンの上半部を頂蓋の下面に溶接し、リング体の上面においてトロイダル方向に沿って特定数の位置規制支持部材を配置する。その後、頂蓋を着座させ、リップパッキンの外側を上下に対応して密着させ、溶接要求を満たした後に溶接を実施する。溶接は、自生溶接及び対称溶接を採用し、溶接変形を回避する。溶接を実施する際に、溶接及びボルト固定が完成するまで溶接しながらボルトにより固定する。最後に、デュワリング体112の上、中、下の孔開け位置については、まず、内側ベローズ1121アセンブリと与真空室管とを1つずつ溶接し、内側の全ての通路ベローズの溶接が完成した後、各溶接ビードに対して漏れ検出し、設計要求を満たした後、デュワリング体112の外側の上、中、下の孔開け位置にベローズアセンブリを溶接し、全ての外側ベローズアセンブリの溶接が終了した後、真空漏れ率の要求を満たすまで各溶接ビードに対して漏れ検出を行う。最後に、ブリードシステムアセンブリをデュワリング体112に接続固定し、全てのアセンブリの集成装配を完成させる。
【0085】
本発明で提供される磁場閉じ込め型核融合炉/反応装置のコールドシールドでは、コールドシールドシステム12をトロイダル方向において16個のコールドシールドセクタ1-16に分ける。ここで、セクタ1、3、5、9、11、13は第1種セクタであり、セクタ2、4、6、8、10、12、14、16は第2種セクタであり、セクタ7、15は第3種セクタである。セクタをさらに分解して8つの独立した冷却パネル17-24を確定する。8つ独立した冷却パネルの冷却管回路を設計する。まず、冷却管回路の隣接する2つの冷却管の間の距離を確定する。これは、冷却管の間の領域の温度分布を直接決定し、冷却回路全体の圧力降下計算式により冷却回路を評価し、8つの独立した冷却パネルの冷却回路設計が温度及び圧力降下の要求を満たすまで複数回のイテレーション設計を行う。独立した冷却パネル17、18、19、20、21、22、23、24を組み合わせて上記の3種類のコールドシールドセクタを構成する。独立した冷却パネル17と冷却パネル17、冷却パネル18と冷却パネル18、冷却パネル19と冷却パネル19、冷却パネル21と冷却パネル21、冷却パネル23と冷却パネル23、冷却パネル24と冷却パネル24を、それぞれG10絶縁スペーサにより接続してパネル25-30を構成する。さらにパネル25-30をG10絶縁スペーサにより接続して第1種コールドシールドセクタを構成する。独立した冷却パネル17と冷却パネル17、冷却パネル18と冷却パネル18、冷却パネル20と冷却パネル20と、冷却パネル21と冷却パネル21、冷却パネル23と冷却パネル23、冷却パネル24と冷却パネル24を、それぞれG10絶縁スペーサにより接続してパネル25、26、31、28、29及び30を構成し、さらに、パネル25、26、31、28、29及び30をG10絶縁スペーサにより接続して第2種コールドシールドセクタを構成する。独立した冷却パネル17と冷却パネル17、冷却パネル18と冷却パネル18、冷却パネル20と冷却パネル20、冷却パネル22と冷却パネル22、冷却パネル23と冷却パネル23、冷却パネル24と冷却パネル24を、それぞれG10絶縁スペーサによりパネル25、26、31、32、29及び30を構成し、さらにパネル25、26、31、32、29及び30をG10絶縁スペーサにより接続して第3種コールドシールドセクタを構成する。最後に、3種類のセクタを特定の数及び位置に従ってG10絶縁スペーサにより接続して融合装置のコールドシールドの最終的な組み立てを完成する。コールドシールドセクタ1-16は、コールドシールドの全体構造により均等に分割してなる。各コールドシールドセクタは、それぞれ22.5°を占める。図4は、1つのコールドシールドセクタの構造模式図である。このコールドシールドセクタは、上デュワコールドシールド1211と、中デュワコールドシールド1212と、下デュワコールドシールド1213と、真空室コールドシールド1214と、窓コールドシールド1215とを含む。上デュワコールドシールド1211は、上デュワコールドシールド支持部12111と、上デュワコールドシールドパネル12112と、上デュワコールドシールド迷宮12113とを含む。下デュワコールドシールド1213は、下デュワコールドシールド迷宮12131と、下デュワコールドシールドパネル12132と、下デュワコールドシールド斜めタイロッド12133と、下デュワコールドシールド支持部12134とを含む。真空室コールドシールド1214は、真空室コールドシールド「C」型パネル12141と、真空室コールドシールド「I」型パネル12142とを含む。窓コールドシールド1215は、上窓コールドシールド12151と、中窓コールドシールド12152と、下窓コールドシールド12153とを含む。融合装置コールドシールドの表面は、研磨及び銀めっきにより処理される。
【0086】
図6に示されるTF磁石131システムは、プラズマに対する効果的な閉じ込めを実現するために、比較的高い磁場を提供する必要がある。TF磁石131は、トロイダル磁場磁石である。この目的を実現するために、本発明では、主にTF磁石131の実施過程を述べる。TF磁石131は、超伝導コイル1311、TFコイルボックス1312、TF端末ボックス1313、TFトロイダル方向支持部1314及びTF重力支持部1315から構成される。
【0087】
前記超伝導コイル1311は、様々な超伝導材料の電流容量を最大限に発揮してコイルの製造コストを低減させるために2仕様の導体を用いてコイルを巻き付ける。導体の最大負荷磁界に応じて、高磁場巻線13112と低磁場巻線13111に分けられる。前記低磁場巻線13111は、ITERグレードNb3Sn導体を巻回した2つの6パンケーキ巻線であり、前記高磁場巻線13112は、高性能Nb3Sn導体を巻回した1つの12パンケーキ巻線であり、両者は、超伝導コネクタにより直列接続される。その後に、真空浸漬によりエポキシ樹脂を用いてコイルを一体に硬化する。超伝導コネクタは、2ボックス接合の形式を使用する。単一のコネクタボックスは、コネクタボックス本体、コネクタボックス蓋板及び接続補強ブロックの3部分からなる。コネクタボックス体は、316Lステンレス鋼及びBi系銅合金を爆発溶接した後に湾曲させて加工することによって製造される。ボックス蓋は、316Lステンレス鋼を加工してなる。溶接過程において、超伝導ケーブルの表面温度を200℃以下に保持する必要がある。コネクタ接合部での超伝導ケーブルの準備手順は以下である。まず、導体の最外層の鎧を取り除き、次に、花苞層を除去し、さらに、超伝導ケーブルの表面のNi又はCr層を除去する。超伝導ケーブルを準備した後、それを接合したコネクタボックス内に入れて溶封する。前記TFコイルを冷却するために、ヘリウム輸送管により液体ヘリウムを導入する必要がある。前記TF巻線を冷却するために、巻線のヘリウム管コネクタ及び液体ヘリウム輸送管により液体ヘリウムを導体に導入する必要がある。ヘリウム管コネクタは、巻線の最内層及び最外層のクリーページ(creepage)領域における導体の鎧に形成されたヘリウム孔に配置される。そして導体花苞層を除去して液体ヘリウムの流動抵抗を減少させる。さらにヘリウム管をヘリウム孔の位置に溶接する。溶接時に温度が高くなり過ぎて導体内部の超伝導ケーブルを損傷又は焼損するのを防止するために、溶接過程の温度を制御する必要がある。超伝導ケーブルの表面温度は、200℃を超えてはならない。
【0088】
前記TFコイルボックス1312は、超伝導コイル1311の外部に位置し、主に超伝導コイルを保護及び固定するとともに、トカマク装置における他の部材(例えば、ポロイダル磁場PFコイル)を支持及び固定するためのものである。前記TFコイルボックス1312は、D字型であり、その構造は内側直線部及び外側円弧部を含み、主に内側U型ボックスアセンブリ13121、内側密封蓋板13122、外側U型ボックスアセンブリ13123及び外側密封蓋板13124から構成される。内側U型ボックスアセンブリ13121及び内側蓋板13122における直線部は、N50ステンレス鋼を用い、内側U型ボックスアセンブリ13121、内側密封蓋板13122及び外側U型ボックスアセンブリ13123、外側密封蓋板13124における円弧部は、316LNステンレス鋼を用いて設計される。内側U型ボックスアセンブリ13121及び外側U型ボックスアセンブリ13123は、超伝導コイル1311をブックスに入れた後、インターフェースに沿って溶接される。その後、内側密封蓋板13122及び外側密封蓋板13124をそれぞれ入れ、さらにインターフェースに沿って溶接する。超伝導コイル1311の熱漏れを低減させ、TFコイルボックス1312を冷却するために、TFコイルボックス1312内にシームレスステンレス鋼冷却管を配置する。冷却管に沿って液体ヘリウムを導入してTFコイルボックス1312を冷却する。
【0089】
前記TF端末ボックス1313は、支持枠13131、超伝導コネクタ13132及び液体ヘリウム輸送管路13133などの部材を含む。前記支持枠13131については、厚さ10mmのステンレス鋼板をテーラードブランクした後、接触面を加工し、そしてボルトにより枠を固定する。前記超伝導コネクタ13132については、コネクタボックスの中央に取付座が設けられ、コネクタ上の取付座は、支持板に接続される。支持板は、支持によりTFコイルボックス1312と固定される。前記液体ヘリウム輸送管路13133は、超伝導コイル1311の冷却需要に応じて、ツーイン・ツーアウトの方式により行われる。液体ヘリウム輸送管は、ヘリウム管を介して支持枠に支持して固定される。液体ヘリウム輸送管路13133は、主に低温システムに接続される低温管路と、環状コイル内部の各巻線の間に接続されるヘリウム分岐管とを含む。低温システムとトロイダル磁場TF超伝導磁石との電気的分離を実現し、低温システムの安全動作を確保するために、輸送管のいずれにもインシュレータが設けられる。前記超伝導コネクタ13133は、超伝導コイル1311のコネクタであり、全てTF端末ボックス1313内に配置される。超伝導コネクタ13133は、2ボックス接合の形式を使用する。単一のコネクタボックスは、コネクタボックス本体、コネクタボックス蓋板及び接続補強ブロックの3つ部分から構成され、ここで、給電線電源システムに接続されるコネクタ及び巻線自体が接続するコネクタを含む。
【0090】
前記TFトロイダル方向支持部1314システムは、上翼アセンブリ13141、下翼アセンブリ13142及び底部トロイダル方向支持部13143から構成される。前記トロイダル方向支持アセンブリは、せん断支持板、せん断キー及びカスタマイズした固定ボルトから構成される。前記上翼アセンブリ13141及び下翼アセンブリ13142は、翼プラテン、中心ピン及び中心ボルトから構成される。それらの共同の作用は、16個のTF磁石131を環状方向において接続するとともに、TF磁石131間のスリップ外乱を制限することである。
【0091】
前記TF重力支持部1315は、TF磁石131の底部に位置し、磁石の重力に耐えるとともにTF磁石131を接続するものであり、トロイダル方向TF磁石支持脚13151、熱遮断アセンブリ13152及び可撓性支持部13153を含む。前記トロイダルコイル支持脚13151と外側円弧部U型ボックス13123とは、一体に溶接され、可撓性支持13153とTFコイルボックス1312の接続を実現する。前記熱遮断アセンブリ13152は、冷却板、プラグ、冷却管コネクタ及び冷却管から構成され、トロイダル磁場TF磁石131と底部の他の部材との熱的隔離を実現するものである。前記可撓性支持13153は、複数の可撓性支持板、ロックブロック、スクリュー及び緩み止めナットから構成される。ロックブロック、スクリュー及び緩み止めナットにより可撓性支持板を一体に締結し、降温過程における磁石の熱歪みを吸収する。
【0092】
図7に示されるCS磁石133は、プラズマ動作のために比較的大きな磁束を提供することができる。ここで、CS磁石133は、中心ソレノイド磁石である。この目的を実現するために、本発明は、高温超伝導磁石及びNb3Sn超伝導磁石を積載、嵌着し(即ち、内側CSモジュールは高温超伝導磁石を積載してなり、外側モジュールはNb3Sn超伝導磁石を積載してなる)、各モジュールが独立して給電する。CICC導体は、ケーブルをステンレス鋼管の鎧に挿入して押出成形することにより実現される。液体ヘリウムは、ケーブル間及びケーブルとステンレス鋼の鎧との間の隙間を流動することにより、ケーブル中の超導体を液体ヘリウムの温度まで冷却する。從來のCICC導体製造プロセスによって実現可能な単一導体の長さは、通常1km以下であるのに対し、融合炉超伝導磁石の長さは、通常数千メートルに達するため、複数本の導体を用いて巻回する必要がある。スペースを節約するために、内部同軸コネクタを用いて接続することができる。
【0093】
CS磁石133の巻線は、外側Nb3Sn巻線及び内側高温超伝導巻線から構成される。外側Nb3Sn巻線は、外から内へ巻回し、巻回過程において外ターンから内ターンへの過渡が必要とされる。過渡領域は、円状補填ブロックを用いて補填する。最内側まで巻き付けて終了する直前に、導体を垂直方向に引き上げる必要があり、これによって、パンケーキ間の過渡が完了する。過渡領域は、同様に円状補填ブロックを用いて補填する必要がある。過渡が完成した後、内から外への巻回を開始させ、過程が外から内への巻回に類似する。内側高温超伝導巻線は内から外へ巻回し、巻回過程がNb3Sn巻線に類似する。
【0094】
前記CS磁石133の冷却を実現するために、冷却構造により液体ヘリウムを導体に導入する必要がある。冷却構造は、出入冷却マニホールド、ヘリウム輸送管及びインシュレータを含む。冷却マニホールドは、それぞれCS磁石の上下両端に位置する。ヘリウム管の設置では、まず、導体の鎧にヘリウム孔を形成し、次に、導体の花苞層を除去して液体ヘリウムの流動抵抗を減少させ、さらに、ヘリウム管をヘリウム孔の位置に溶接する。溶接時の温度が高くなり過ぎて導体内部の超伝導ケーブルを損傷又は焼損するのを防止するために、溶接過程中の温度を制御する必要がある。超伝導ケーブルの表面温度は、200℃を超えてはならない。
【0095】
CS磁石133のコネクタは、外部コネクタ及び内部コネクタに分けられる。外部コネクタは、ボックス型コネクタの形式を使用することができ、給電線システムに接続されるために使用される。単一のコネクタボックスは、コネクタボックス本体、コネクタボックス蓋及び接続補強ブロックの3部分から構成される。内部コネクタは、同軸コネクタ構造であり、導体の長さを増加させるために使用される。内部コネクタは、サブケーブル相補接続構造を採用する。
【0096】
各モジュールを積載、嵌着した後、組み立てる必要がある。組み立ては主に仮締結機構により実施される。仮締結機構は、主に軸方向仮締結機構、上部中心合わせ機構、下部重力支持機構、冷却管系から構成される。仮締結機構は、モジュール間の締結を確保する。中心合わせ機構は、CS磁石133が中央に位置することを確保する。支持機構は、CS磁石133を支持する。冷却管は、仮締結システムを冷却する。
【0097】
図8に示されるPF磁石132は、プラズマ配位を効果的に制御するために、比較的大きなアンペアターン数を提供する必要がある。ここで、PF磁石は、ポロイダル磁場磁石である。この目的を達成するために、本発明では、多巻線直列の方式により、即ち、単一のCICC導体を巻回して2パンケーキ、4パンケーキ又は6パンケーキ構造を形成し、各巻線をコネクタにより直列接続させる。CICC導体は、ケーブルをステンレス鋼管の鎧に挿入して押出成形により実現される。液体ヘリウムは、ケーブル間及びケーブルとステンレス鋼鎧との間の隙間を流動することにより、ケーブル中の超導体を液体ヘリウムの温度まで冷却することができる。從來のCICC導体製造プロセスによって実現可能な単一導体の長さは、通常1km以下であるのに対し、融合炉超伝導磁石の長さは、通常数千メートルであるため、複数本の導体を用いて巻回する必要がある。各導体を1つの巻線ユニットに巻回し、そしてコネクタにより接続して給電する。図8に示すように、PF磁石132は、上から下へ順に設けられるPF1磁石1321、PF2磁石1322、PF3磁石1323、PF4磁石1324、PF5磁石1325、PF6磁石1326及びPF7磁石1327を含む。
【0098】
単一の巻線は、外から内へ巻回し、巻回過程において外ターンから内ターンへの過渡が必要とされる。過渡領域は、円状補填ブロックを用いて補填する必要がある。最内側に巻き付けて終了する直前に、導体を垂直方向に引き上げる必要があり、これによってパンケーキ間の過渡が完了する。過渡領域も円状補填ブロックを用いて補填する必要がある。過渡終了後、内から外への巻回を開始させ、その過程は外から内への巻回に類似する。
【0099】
前記PF磁石132を冷却するために、巻回過程においてヘリウム輸送管を設ける必要がある。ヘリウム輸送管により液体ヘリウムを導体に導入する。ヘリウム管の設置では、まず導体の鎧にヘリウム孔を形成し、次に導体の花苞層を除去して液体ヘリウムの流動抵抗を減少させ、さらに、ヘリウム管をヘリウム孔の位置に溶接する。溶接するときに温度が高くなり過ぎて導体内部の超伝導ケーブルを損害又は焼損するのを防止するために、溶接過程における温度を制御する必要がある。超伝導ケーブルの表面温度は200℃を超えてはならない。
【0100】
複数の巻線ユニットの巻回が完成した後、コネクタにより接続することができる。コネクタは、2ボックス接合の形式を採用する。単一のコネクタボックスは、コネクタボックス本体、コネクタボックス蓋、及び接続補強ブロックの3部分からなる。コネクタボックス体は、316Lステンレス鋼及びBi系銅合金を爆発溶接した後に湾曲させて加工することにより製造される。ボックス蓋は、316Lステンレス鋼を加工したものである。溶接過程において、超伝導ケーブルの表面温度が200℃以下であることを保証しなければならない。コネクタ接合箇所での超伝導ケーブルの準備手順は、下記である。まず、導体の最外層の鎧を除去し、次に、花苞層を除去し、さらに、超伝導ケーブルの表面のNi又はCr層を除去する。超伝導ケーブルを準備した後、それを接合したコネクタボックス内に入れて溶封する。
【0101】
巻線を組み立てた後に完全なコイルが形成される。コイルの線端は、最上及び最小の2ターンにある。各線端は、トロイダル方向、径方向及び軸方向において固定する必要がある。Tailは、導体のトロイダル方向固定部材である。Tailは、巻線導体端末及びコネクタに近い位置にあり、その作用は、コイルの最外ターンの導体線端とその次のターンの導体とを機械的に接続し、最外ターンの導体の尾部の負荷を隣接するターンに伝達し、導体尾部の応力を減少させ、両者を電気的に絶縁分離し、コイル導体線端が比較的一定の位置にあることを保証し、導体構造の安定性を向上させる。
【0102】
コイルの線端、冷却管路、及び関連する診断信号線は、端末ボックス内に集約され、給電線システムとの接続により装置を引き出す。端末ボックスの主な構造は、枠アセンブリ、内部支持アセンブリ、イン/アウトヘリウム管、及び信号線などを含む。枠アセンブリは、給電線システム内の給電線部材の重力及び電磁力の影響に耐えるとともに、内部管路を保護する作用を奏する。
枠アセンブリは、主に給電線システム内の給電線部材の重力及び電磁力の影響に耐えるとともに、内部管路及びコネクタを保護する作用を奏する。内部支持アセンブリは、ワーククランプにより巻線外殻体の下側に固定され、底部がG11板に接続され、主ヘリウム管、超伝導コネクタボックス及び信号線などの内部アセンブリに固定支持を提供する。
【0103】
図9に示される前記電流伝送給電線システム14は、磁場閉じ込め型核融合炉/反応装置における各超伝導磁石又は各組の超伝導磁石に対してそれぞれ独立した、給電回路を有するとともに必要な信号採取通路を含む給電線を設けることができる。独立した給電線は、超伝導磁石の数及び位置に応じて磁場閉じ込め型核融合炉/反応装置を配置する建築の具体的なレイアウトに基づいて装置周囲の任意の適切な空間位置に分布することができる。電流伝送給電線システム14は、高温超伝導電流リード142と、磁石給電線端末ボックス141と、圧力リリーフ弁ホルダ143と、過渡給電線144と、内給電線145とを含んでなる。前記高温超伝導電流リード142は、大気及び真空界面を通過して磁石給電線端末ボックス141と集積される。電流リード室温端1421は、電源システムに接続される。低温超伝導段1424は、低温超伝導ケーブルに接続される。前記磁石給電線端末ボックス141は、給電線端末ボックス外部デュワ1411及び給電線端末ボックスコールドシールド1412を含む。給電線端末ボックス外部デュワ1411には、電流リードインターフェース、低温バルブインターフェース、真空インターフェース、センサインターフェース、低温真空遮断インターフェース、過渡給電線インターフェース及び圧力リリーフ弁ホルダインターフェースが設けられて界面システムに接続される。前記圧力リリーフ弁ホルダ143は、冷熱交換器1431と、制御弁及び安全弁アセンブリ1432と、流量計1433と、差圧計及び圧力計アセンブリ1434と、弁ホルダ1435とを含む。圧力リリーフシステムの主な作用は、冷却管路の流量、圧力などの動作状況を検出し、事故状態での過大の管路圧力を放出し、給電線システム全体の安全動作を保証することである。前記過渡給電線は、外過渡給電線筒体1441と、過渡給電線コールドシールド1442と、過渡給電線超伝導コネクタ1443と、過渡給電線超伝導ケーブル1444と、真空遮断部1445と、超伝導ケーブル支持部1446と、地震ベローズ1447とを含み、磁石給電線端末ボックス1-901及び内給電線1-905に接続するために使用され、Sベンド低温超伝導ケーブルは、有效吸收磁石コイルの冷却及び動作時の超伝導ケーブルに加える機械応力を効果的に吸収する。前記内給電線145は、超伝導磁石に接続される低温超伝導ケーブル1451と、内給電線超伝導コネクタ1452と、内給電線支持部1453とを含む。内給電線の一端は、過渡給電線に接続され、他端の低温超伝導ケーブルは、磁場閉じ込め型核融合炉/反応装置における各超伝導磁石又は各組の超伝導磁石の異なる位置に応じて分布し、超伝導磁石に接続される。
【0104】
図10に示すように、前記真空室システム15は、真空室本体151と、上窓152と、中窓153と、下窓154と、重力支持部155と、中性子遮蔽ブロック156とを含む。真空室本体151は、D形断面の二重殻構造である。二重殻体の間には、遮蔽機能を有するホウ酸塩水及び中性子遮蔽ブロックが満たされている。二重殻体の間には、構造強度を補強するためのポロイダル方向及びトロイダル方向リブ板があるように設計される。トロイダル方向リブ板に数及びサイズが異なる孔を開けることにより、真空室の流量分布を制御し、真空室システムが特有の小角度ポロイダル方向二重層冷却システムを形成し、効率的な自動放熱と真空ベークを実現する。真空室には、上窓152、中窓153、下窓154が設けられる。窓により診断システム、加熱システム、抽気、内部部材チューブフォレスト、遠隔操作システムなどにプラズマに接近する通路を提供する。真空室下窓154には、支持コラムが設けられ、真空室支持部155にボルトにより接続される。重力支持部は、可撓性板式構造を使用する。可撓性支持板は、弾性変形が発生して真空室本体の熱膨張収縮による変位を吸収することができる。また、真空室本体151の二重殻体の間に高ボロン鋼板及び強磁性材料からなる中性子遮蔽ブロック156を充填する。中性子遮蔽ブロック156は、真空室ポロイダル方向リブ板に固定されて超伝導磁石に放射線防護を提供するとともにトロイダル磁場のうねりを減少させる。
【0105】
図11に示すように、単一のダイバータモジュールは、ボックス体161、外ターゲットプレート162、ドーム163及び内ターゲットプレート164から構成される。ボックス体161は、主な載置部材として内ターゲットプレート164、ドーム163及び外ターゲットプレート162を一体に集積する。外ターゲットプレート162、ドーム163及び内ターゲットプレート164は、プラズマ対向部材と総称される。外ターゲットプレート162は、外ターゲットプレートのプラズマ対向ユニット1621及び外ターゲットプレート過渡支持部1622から構成される。ドーム163は、ドームのプラズマ対向ユニット1631及びドーム過渡支持部1632から構成される。内ターゲットプレート164は、内ターゲットプレートのプラズマ対向ユニット1641及び内ターゲットプレート過渡支持部1642から構成される。外ターゲットプレートのプラズマ対向ユニット1621と、外ターゲットプレート過渡支持部1622とは、ピンにより固定接続される。外ターゲットプレート過渡支持部1622と、ボックス体161とは、ボルトにより接続される。ドームのプラズマ対向ユニット1631と、ドーム過渡支持部1632とは、ピンにより固定接続される。ドーム過渡支持部1632と、ボックス体161とは、ボルトにより接続される。内ターゲットプレートのプラズマ対向ユニット1641と、内ターゲットプレート過渡支持部1642とは、ピンにより固定接続される。内ターゲットプレート過渡支持部1642と、ボックス体161とは、ボルトにより接続される。内ターゲットプレート過渡支持部1642及びドーム過渡支持部1632は、集積して設計され、即ち、内ターゲットプレート164及びドーム163は、1つの過渡支持部を共用することにより遠隔操作時の管切断及びボルト取り外しの回数を減少させる。内ターゲットプレートのプラズマ対向ユニット1641、ドームのプラズマ対向ユニット1631及び外ターゲットプレートのプラズマ対向ユニット1621は、いずれも平板構造を使用し、また、内ターゲットプレートのプラズマ対向ユニット1641及び外ターゲットプレートのプラズマ対向ユニット1621の高熱負荷領域の内部流路は、縦横方向溝を有するハイパーベーポトロン(hypervapotron)構造を使用し、他の領域は、光管構造を採用する。ドームのプラズマ対向ユニット1631の内部流路は、光管構造を使用する。単一のダイバータモジュールは、「直並直」の冷却方式を採用し、即ち、1イン1アウトの冷却管を使用し、冷却剤はボックス体161を経て外ターゲットプレート162を流れた後、それぞれ内ターゲットプレート164及びドーム163を通過して最後にボックス体から流出する。単一のダイバータモジュールは、内、中、外の3つの支持部を図の左から右へボックス体161の下面に配置し、中間は過渡ブロックで接続する。過渡ブロックの上下面は、ダイバータモジュールの組み立て誤差を補償するために修正することができる。内、中、外の3つの支持部の下部構造は、真空室に固定接続される。
【0106】
図12に示すように、前記被覆層システム17は、トロイダル方向において16個のセクタに分けられ、各セクタは22.5°であり、大モジュールからなる12個のセクタ及び小モジュールからなる4個のセクタを含む。大モジュールセクタは、ポロイダル方向において3つに分けられ、それぞれ高磁場側モジュール、頂部モジュール及び低磁場側モジュールである。低磁場側モジュールは、トロイダル方向において2つの小型セクタに分けられ、各セクタが11.25°である。小モジュールセクタは、ポロイダル方向において3つのセクタに分けられる。高磁場側は、4つの小モジュールからなり、頂部セクタは、3つの小モジュールに分けられ、低磁場側セクタは、3つの小モジュールに分けられる。各モジュールは、トロイダル方向において、2つの小型モジュールに分けられ、それぞれ11.25°である。
【0107】
前記被覆層システム17は、主に真空室内壁に取り付けられる遮蔽被覆層モジュールから構成される。遮蔽被覆層は、背面のボルト及び鍵により真空室内壁に接続され、遠隔操作システム18により被覆層システムに対して搬送、取付、及び取り外しなどのメンテナンスを行う。
【0108】
前記高磁場側1711、低磁場側1713及び頂部被覆層1712は、被覆層チューブフォレストに接続される。高磁場側、低磁場側チューブフォレストは、真空室の下窓から引き出され、頂部被覆層チューブフォレストは、真空室の上斜窓から引き出され、被覆層チューブフォレストは、チューブフォレスト支持部により真空室窓の内壁に固定される。チューブフォレスト支持部は、ある程度の変位補正能力を有し、チューブフォレスト動作時の熱変形を吸収できるように設計される。これによって、被覆層チューブフォレストの安定動作が保証される。被覆層チューブフォレストは、真空室窓インターフェースに真空密封板が設けられ、これによって、真空室内部の部材の高真空動作環境が保証される。被覆層チューブフォレストは、インターフェースに一定の溶接メンテナンススペースが残っており、これによって、遠隔操作システム18のメンテナンスに便利である。
【0109】
前記被覆層システム17は、プラズマに対向する主な部材であり、表面高熱負荷及び核熱に耐える。被覆層構造材料の温度を許可範囲内に制御するために、被覆層モジュールの内部には冷却流路が配置される。流路内の冷却水により被覆層モジュールを冷却し、被覆層チューブフォレストに接続される。冷却水の循環により内部に発生した熱を除去し、被覆層の安定動作を保証する。
【0110】
図13に示すように、真空室内部部材の遠隔操作メンテナンスシステムは、真空室内部部材に対するメンテナンスを実現することができる。ダイバータ第1壁及び被覆層モリブデンタイルを含む。前記操作アーム1812は、操作アーム取付基盤1811上の軌道に沿って移動して真空室を出入りする。前記輸送アーム1814は、輸送アーム取付基盤1813上の軌道に沿って移動して真空室を出入りする。操作アームと輸送アームは、90°離れて真空室の中窓に配置される。操作アーム取付基盤1811は、中窓ネック管に入ってロック機構によりネック管とロックし、操作アーム1812に安定した支持を提供する。輸送アーム取付基盤1813は、中窓ネック管に入ってロック機構によりネック管とロックし、輸送アーム1814に安定した支持を提供する。前記ツール配置ボックス1815は、輸送アーム1814の末端に取り付けられる。輸送アーム1814は、ツール配置ボックス1815を運んで輸送アーム基盤に沿って真空室に入り、末端を必要な位置まで調整する。操作アーム1812は、ツール配置ボックス1815に接近してアクチュエータのドッキングを完成させ、さらに末端ツールを摘むか又は真空室内部部材を搬送する。ツール配置ボックス1815は、必要に応じて運ばれるアクチュエーター、ツール又は部材を調整する。
【0111】
前記窓部材遠隔操作システムは、多自由度ロボットアーム、アクチュエーターツール及び窓部材転送機構を含む。前記多自由度ロボットアームは、実行ツールを輸送して作業を行い、及び真空室密封機構を転送車本体内部に転送するために使用される。前記部材転送機構は、上層移動ステージの移動機構に取り付けられる。前端には、ドッキングロック機構が設けられ、窓部材にドッキングし、窓部材を転送車本体の内部に引き込むことができる。
【0112】
前記転送車システムは、遠隔制御により放射能に汚染されている部材、遠隔操作メンテナンス設備を密封、収容及び転移することができる。前記転送車本体は、本体密封車体、二重密閉ドア構造、二重層移動ステージ及びサービスラインシステムを含む。前記本体密封車体は、長方形ハウジング構造であり、メンテナンスに真空密封環境を提供する。前記二重密閉ドア構造は、本体密封車体の前端に取り付けられ、ドッキング機構密封ドアにドッキングすることができ、開いて本体密封ドア車体上部に移動することにより、転送車本体、ドッキング機構及び真空室窓は、密封ドア空間を形成する。前記二重層移動ステージは、本体密封車体の下部に取り付けられる。下層移動ステージは、モータ、ギア、ラックによって駆動され、上層移動ステージを輸送して真空室窓にドッキングする。上層移動ステージには、ドッキング軌道及び移動機構が取り付けられる。移動機構は、ドッキング軌道に沿って真空室窓まで移動することができる。前記サービスラインシステムは、本体密封車体の内部両側及び頂部に配置され、転送車本体に水や電気制御などの入力を提供する。前記ドッキング機構は、密封ドッキング通路及びドッキングガイド機構から構成される。前記密封ドッキング通路の一端は、フランジ面であり、フッ素ゴムシールリングにより真空室窓フランジに接続され、他端は、密封ドア構造であり、転送車本体密封ドアにドッキングすることができ、両端は、可撓性ベローズにより接続される。前記ドッキングガイド機構は、真空室窓及び生物学的遮蔽層通路内に取り付けられ、2段の軌道から構成される。前記輸送システムは、完全自由度のステアリング機能を有し、遠隔無線により輸送転送車本体を原子炉建築の内部において輸送作業を行うように制御する。
【0113】
以上のことから、本発明の磁場閉じ込め型核融合炉は、CICCに基づく融合炉ポロイダル磁場磁石システムの設計方法を提供する。多巻線の直列接続設計により、コイルのアンペアターン数を向上させるとともに、コイルの冷却回路を短縮でき、融合炉磁石システムの安全性、安定性及びコストパフォーマンスを効果的に向上できる。本発明で提供される給電線は、互いに干渉することなく、独立して加工、取付を完成することができ、その取付位置が、対応磁石に接続される最適な位置にあるため、取付の難しさが低減し、装置内部の接続空間が節約され、建物のレイアウトに応じて建物の異なる層に分布することができ、日常メンテナンスの実施に有利である。本発明の真空室システムは、耐放射線性、長寿命、高真空、多動的負荷の、大型で複雑な輪郭を有する二重層核圧力容器であり、内部で採用される小角度のポロイダル方向二重層冷却通路設計により、効率的な自動放熱と真空ベークを実現することができる。その中性子遮蔽ブロックは、高エネルギー核融合中性子の超伝導磁石に対する損傷を最小限に抑え、トロイダル磁場のうねりを減少させることができる。
【0114】
以上は、本発明の好ましい実施形態である。なお、当業者であれば、本発明の技術的原理から逸脱しないかぎり、複数の改良又は置換を加えることができ、これらの改良及び置換も本発明の保護範囲に含まれると見なされるべきである。
【要約】
本発明は、磁場閉じ込め型核融合エネルギー設備の技術分野に関し、ホストホールに設けられるデュワシステム、コールドシールドシステム、超伝導磁石システム、真空室システム、ダイバータシステム、被覆層システム、遠隔操作システム及びメンテナンスシステムを含んで核融合炉ホストを形成する磁場閉じ込め型核融合炉を開示する。本発明は、以下の有益な効果を有する。多巻線の直列接続設計により、コイルのアンペアターン数を向上させるとともに、コイルの冷却回路を短縮でき、融合炉磁石システムの安全性、安定性及びコストパフォーマンスを効果的に向上できる。給電線は、互いに干渉することなく、独立して加工、取付を完成することができ、取付の難しさが低減し、装置内部の接続空間が節約され、建物のレイアウトに応じて建物の異なる層に分布することができ、日常メンテナンスの実施に有利である。真空室システムは、耐放射線性、長寿命、高真空、多動的負荷であり、効率的な自動放熱と真空ベークを実現することができる。その中性子遮蔽ブロックは、高エネルギー核融合中性子の超伝導磁石に対する損傷を最小限に抑え、トロイダル磁場のうねりを減少させることができる。
【選択図】図2
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