(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】花立て
(51)【国際特許分類】
E04H 13/00 20060101AFI20240719BHJP
A01G 5/06 20060101ALI20240719BHJP
A47G 7/02 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
E04H13/00 H
A01G5/06
A47G7/02 G
(21)【出願番号】P 2023130841
(22)【出願日】2023-08-10
【審査請求日】2023-08-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】723011301
【氏名又は名称】山崎 隆一
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼隆一
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3214289(JP,U)
【文献】登録実用新案第3189452(JP,U)
【文献】登録実用新案第3081134(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 13/00
A01G 5/06
A47G 7/00-7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口する容器と、
前記開口
の外を覆い太陽の熱を中に入りにくくするための断熱シートと、
前記開口
の内を覆う断熱部材からなる蓋と、を備え、
前記断熱シートは花と一緒に締めつける開閉口部を備える事を特徴とする花立て
【請求項2】
前記容器は前記開口の大き
さに比べ太い胴を備え、
前記断熱シートは前記胴の上部を覆う請求項1に記載の花立て
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
野外で使用する花立てに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のお墓の花立ては開口の上から筒の中に水を入れただけの物で上から太陽の光熱で水の温度が上がって水が蒸発して花もちが悪かった事で花がすぐ枯れる。
【0003】
特許文献1には冷却装置を切花茎保護ネットで梱包し、該切り花保護ネットに切り花差込網を固着し、冷却装置に接続する、植物のつるはしの外観を模倣した電気コードと電気コンセントの間に核冷却装置の温度を調節する事により花瓶内水温を自由に調節しうる水温調節装置を設けた着脱自在で簡易型の花瓶用冷却装置が開示されている。
【0004】
特許文献2には、ビンの上部の下を細くし、ビンの横に取ってを設け、夏の暑さに日影とする四角い箱にビンを取り囲うことを特徴とする花立器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-45038公号報
【文献】特開2014-17342公号報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、温度上昇を抑える電気の仕組の構造が難しく複雑で電気で冷やすから野外で使用するのに電気の差し込口とコード線がいる電気の課題がある。
【0007】
特許文献2では胴をカバーしているが、開口部が大きいから夏の暑い時は上部からの太陽の光熱で水がすぐお湯になり花がすぐ枯れる課題がある。
【0008】
本発明の目的は、単純な構造で花を長もちさせる事が出きる花立を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る花立ては開口する容器と前記開口を覆い太陽の熱を中に入りにくくするための断熱シートと、前記開口を覆う断熱部材からなる蓋を備え、前記断熱シートは花と一緒に締めつける開閉口部を備える事を特徴とする花立て。
【0010】
花立ては開口の大きさに比べ太い胴を備え、前記断熱シートは前記胴の上部を覆う。
【0011】
花立ては開口を覆う断熱部材からなる蓋を備えている。
【発明の効果】
【0012】
開口の上から断熱シートでくくるから簡単な構造により水が蒸発しにくく、太陽の光も容器の中にも通さない。そのため容器の中の水の温度が上がらず花もちが良くなる。
花の茎を断熱シートで閉じてくくるから強い風が吹いても花が動かない。
【0013】
胴の上から断熱シートが覆っているから太陽の熱が上から入りにくい構造になっている。
【0014】
断熱材の蓋で容器の上の開口を覆っているので上からの光熱を容器の中に通しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】異なる形状の容器を備えた花立ての断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示すように花立ては容器1と断熱シート2と蓋6を備える。
【0017】
(容器)
容器1は上方に円形の開口10が形成されている。
容器1は開口10の大きさに比べ太い胴5を備える。
容器1は二重にかさなった層になっており、層の間に空気のすき間があって断熱効果のある構造になっている。
容器1の下に花立棒8がある。
容器1の形は
図4に示すように色々変えて作る事が出きる。
【0018】
(断熱シート)
断熱シート2はビニールシートの上に断熱塗料を吹き付けた物である。
断熱シート2は容器1の外全体に二重に巻き付けている。
断熱シート2は容器1の開口10の上に4cmほど突出しており、この突出した所を開閉口部3という。
【0019】
(蓋)
蓋6はコルク材などの断熱材で作っている。
蓋6は円盤状で上の面は開口10より大きく、下の面は開口10より小さいため開口10の上方から蓋6がきっちりと収まる。
蓋6の中心に花の茎と水7を入れるための孔4が形成されている。
【0020】
(締め付け具)
締め付け具9は、巻き付ける紐状の部材91と紐状の部材91の巻き付けた状態を保持する保持部材92を備える。
【0021】
(使い方)
容器1の上の断熱シート2の開閉口部3を開けて容器1の開口10に蓋6をはめる。
蓋6の孔4から水と花の茎を入れて開閉口部3を閉じて、花の茎と開閉口部3とを締め付け具9でくくる。
花立棒8をお墓の花立孔に挿入し花立てを立てる。
【0022】
本発明の花立ての効果を確認するために7月から8月の夏の暑い日(最高気温35℃ぐらい)に1から5の構成の容器を用いた実験を行った結果を
図5に示す
1 容器1だけの物
2 容器1に断熱シート2を一重に巻いて開閉口部3を閉じない物
3 容器1に断熱シート2を一重に巻いて開閉口部3を閉じた物
4 容器1に断熱シート2を二重に巻いて開閉口部3を閉じた物
5 容器1に断熱シート2を二重に巻いて断熱部材の蓋6を付けて開閉口部3を閉じた物
【0023】
構成1の花立てでは3日前後で花が枯れた。
構成2の花立てでは6日前後で花が枯れた。
構成3の花立てでは10日前後で花が枯れた。
構成4の花立てでは15日前後まで花が保たれた。
構成5の花立てでは20日前後まで花が保たれた。
【0024】
この実験結果より以下の事がわかる。容器1に断熱シート2を巻いていない物と容器1に断熱シート2を一重に巻いた物とでは断熱シート2を巻いたものが花もちが良い。
容器1に断熱シート2を一重に巻いた物と容器1に断熱シート2を一重に巻いた上に開閉口部3を閉じた物では開閉口部3を閉じた物のほうが花もちが良い。
容器1に断熱シート2を一重に巻いて開閉口部3を閉じた物と容器1に断熱シート2を二重に巻いて開閉口部3を閉じた物とでは容器1に断熱シート2を二重に巻いて開閉口部3を閉じた物のほうが花もちが良い。
容器1に断熱シート2を二重に巻いて開閉口部3を閉じた物と容器1の上に断熱部材の蓋6を付けて容器1に断熱シート2を二重に巻いて開閉口部3を閉じた物とでは容器1の上に断熱部材の蓋6を付けて容器1に断熱シート2を二重に巻いて開閉口部3を閉じた物が花もちが良い。
【0025】
(別実施形態)
実験結果からわかるように、蓋6を取り付けなくとも開閉口部3を閉じる事により太陽の光熱が開口10から入りこむ事を防ぐことが出きるため、蓋6のある物より少し花もちが悪くなるが従来の花立てに比べて花もちが良くなる。
【符号の説明】
【0026】
1 容器
2 断熱シート
3 開閉口部
4 孔
5 胴
6 蓋
7 水
8 立て棒
9 締め付具
10 開口
【要約】
【課題】
単純な構造で花を長持ちさせる事が出きる花立てを提供する。
【解決手段】
本発明に係る花立ては開口10を覆う断熱シート2を備え、前記断熱シート2は花と一緒に締めつける開閉口部3を備える。
花立ては開口の大きさに比べ太い胴5を備え前記断熱シート2は前記胴5の上部を覆っても良い。
花立ては開口10を覆う断熱部材からなる蓋6を備えても良い。
【選択図】
図1