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特許7523006自動運転車両用照明装置、および自動運転車両用照明システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】自動運転車両用照明装置、および自動運転車両用照明システム
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/125 20180101AFI20240719BHJP
   F21S 41/19 20180101ALI20240719BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20240719BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240719BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240719BHJP
   B60Q 1/02 20060101ALI20240719BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20240719BHJP
   F21S 41/143 20180101ALI20240719BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240719BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240719BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240719BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240719BHJP
【FI】
F21S41/125
F21S41/19
F21S43/19
F21V19/00 212
F21V23/00 160
B60Q1/02 C
F21V23/06
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21S41/143
F21S43/14
F21Y115:15
F21Y115:30
F21Y115:10 100
F21Y115:10 500
F21Y115:10 300
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020157347
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022051077
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】小杉 大資
(72)【発明者】
【氏名】土屋 竜二
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-022797(JP,A)
【文献】特開2020-104798(JP,A)
【文献】特開2020-004960(JP,A)
【文献】特開2014-080143(JP,A)
【文献】特開2020-091994(JP,A)
【文献】特開2019-059281(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00
F21S 43/00
F21V 19/00
F21V 23/00
B60Q 1/02
F21V 23/06
F21Y 115/15
F21Y 115/30
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両の運転状態を表示する自動運転車両用照明装置であって、
ソケットと;
前記ソケットの一方の端部側に設けられた発光モジュールと;
前記発光モジュールと電気的に接続された第1の給電端子と;
前記発光モジュールと電気的に接続された第2の給電端子と;
を具備し、
前記発光モジュールは、
青緑色の光を照射し、直列接続された複数の第1の発光素子と、前記複数の第1の発光素子と直列接続された定電流制御回路と、を有する第1の発光回路と
前記青緑色の光を照射し、前記第1の発光素子の数よりも少ない数の第2の発光素子を有する第2の発光回路と;
を有し、
前記第1の発光回路のアノード側は、前記第1の給電端子に電気的に接続され、
前記第2の発光回路のアノード側は、前記第2の給電端子に電気的に接続され、
車外が第1の明るさの場合には、前記第2の給電端子に電圧が印加され
前記車外が前記第1の明るさよりも明るい第2の明るさの場合には、前記第1の給電端子に電圧が印加される、または、前記第1の給電端子および前記第2の給電端子に電圧が印加され、
前記定電流制御回路は、前記第1の給電端子に印加された電圧に応じて、前記複数の第1の発光素子に流れる電流の値を制御する自動運転車両用照明装置。
【請求項2】
前記第2の発光回路は、前記第2の発光素子と直列接続された膜状の抵抗をさらに有する請求項1載の自動運転車両用照明装置。
【請求項3】
前記ソケットの中心軸を通り、略水平な線分の下方にある前記第1の発光素子の数が、前記線分の上方にある前記第1の発光素子の数よりも多い請求項1または2に記載の自動運転車両用照明装置。
【請求項4】
請求項1~のいずれか1つに記載の自動運転車両用照明装置と;
前記自動運転車両用照明装置が取り付けられる車両用灯具と;
を具備した自動運転車両用照明システム。
【請求項5】
前記自動運転車両用照明システムは、
前記自動運転車両用照明装置に電圧を印加する電源と;
前記自動運転車両用照明装置と、前記電源と、の間に電気的に接続された切り替え回路と;
車外の明るさに関する情報に基づいて、前記切り替え回路を制御するコントローラと;
をさらに具備した請求項記載の自動運転車両用照明システム。
【請求項6】
外が第1の明るさの場合には、前記コントローラは、前記切り替え回路を制御して、前記第2の発光回路に電圧を印加し、
前記車外が前記第1の明るさよりも明るい第2の明るさの場合には、前記コントローラは、前記切り替え回路を制御して、前記第1の発光回路に電圧を印加する、または、前記第1の発光回路および前記第2の発光回路に電圧を印加する請求項記載の自動運転車両用照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自動運転車両用照明装置、および自動運転車両用照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギー化や長寿命化などの観点から、フィラメントを備えた車両用照明装置に代えて発光ダイオードを備えた車両用照明装置の普及が進んでいる。
例えば、車両用照明装置は、ヘッドライトやフォグランプなどのように車外に光を照射して車外にある物を視認したり、ルームランプやトランクランプなどのように車内に光を照射して車内にある物を視認したりするために用いられている。また、車両用照明装置は、ポジションランプやテールランプなどのように車外にいる者に車両の存在を知らせたり、ウィンカー、バックランプ、ストップランプなどのように車外にいる者に車両の運転に関する運転者の意思を知らせたりするために用いられている。
【0003】
また、近年においては、自動運転車両の開発が進んでいる。自動運転車両にも、前述したヘッドライトなどの従来から用いられている車両用照明装置が設けられる。ここで、車外にいる者は、運転者が運転席にいることで車両の運転状態を推認することができる。ところが、自動運転車両の場合には、運転者が運転席にいない状態や無人の状態でも車両の運転が行われる場合が生じる。この場合、従来から用いられている車両用照明装置を用いて、自動運転車両の運転状態を表示すると、車外にいる者が誤解するおそれがある。
そこで、自動運転車両の運転状態を的確に表示することができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-117219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、自動運転車両の運転状態を的確に表示することができる自動運転車両用照明装置、および自動運転車両用照明システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る自動運転車両用照明装置は、自動運転車両の運転状態を表示する。前記自動運転車両用照明装置は、ソケットと;前記ソケットの一方の端部側に設けられた発光モジュールと;前記発光モジュールと電気的に接続された第1の給電端子と;前記発光モジュールと電気的に接続された第2の給電端子と;を具備している。前記発光モジュールは、青緑色の光を照射し、直列接続された複数の第1の発光素子と、前記複数の第1の発光素子と直列接続された定電流制御回路と、を有する第1の発光回路と;前記青緑色の光を照射し、前記第1の発光素子の数よりも少ない数の第2の発光素子を有する第2の発光回路と;を有している。前記第1の発光回路のアノード側は、前記第1の給電端子に電気的に接続されている。前記第2の発光回路のアノード側は、前記第2の給電端子に電気的に接続されている。車外が第1の明るさの場合には、前記第2の給電端子に電圧が印加される。前記車外が前記第1の明るさよりも明るい第2の明るさの場合には、前記第1の給電端子に電圧が印加される、または、前記第1の給電端子および前記第2の給電端子に電圧が印加される。前記定電流制御回路は、前記第1の給電端子に印加された電圧に応じて、前記複数の第1の発光素子に流れる電流の値を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、自動運転車両の運転状態を的確に表示することができる自動運転車両用照明装置、および自動運転車両用照明システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。
図2図1における車両用照明装置のA-A線断面図である。
図3】車両用照明装置から照射される光の色を例示するためのXY色度図である。
図4】車両用照明装置の回路図である。
図5】第1の発光回路および第2の発光回路における電圧-電流特性を例示するためのグラフである。
図6】(a)、(b)は、第1の発光回路において、点灯させる発光素子の配置を例示するための模式図である。
図7】自動運転車両用照明システムを例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
(自動運転車両用照明装置)
本実施の形態に係る自動運転車両用照明装置1(以下、単に、車両用照明装置1と称する)は、自動運転車両の運転状態を表示する。車両用照明装置1は、例えば、自動運転を行う自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1は、例えば、フロントコンビネーションライト、リアコンビネーションライトなどの灯具に取り付けたり、ボンネット、ルーフ、ピラー、バンパー、フェンダーなどの車体に設けられた灯具に取り付けたり、バックミラーなどに設けられた灯具に取り付けたりすることができる。なお、車両用照明装置1の取り付け位置は、例示をしたものに限定されるわけではなく、車外にいる者が視認可能な位置であればよい。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、図1における車両用照明装置1のA-A線断面図である。
図1および図2に示すように、車両用照明装置1には、例えば、ソケット10、発光モジュール20、給電部30、および伝熱部40が設けられている。
【0012】
ソケット10は、例えば、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15を有する。
装着部11は、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面に設けることができる。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、フランジ13側とは反対側の端部に開口する凹部11aを有することができる。
【0013】
バヨネット12は、装着部11の外側面に設けることができる。例えば、バヨネット12は、車両用照明装置1の外側に向けて突出している。バヨネット12は、フランジ13と対峙させることができる。バヨネット12は、複数設けることができる。バヨネット12は、車両用照明装置1を、例えば、後述する車両用灯具100の筐体101に装着する際に用いることができる。バヨネット12は、ツイストロックに用いることができる。
【0014】
フランジ13は、板状を呈したものとすることができる。例えば、フランジ13は、円板状を呈したものとすることができる。フランジ13の外側面は、バヨネット12の外側面よりも車両用照明装置1の外方に位置することができる。
【0015】
放熱フィン14は、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けることができる。放熱フィン14は、少なくとも1つ設けることができる。例えば、図1に例示をしたソケット10には複数の放熱フィン14が設けられている。複数の放熱フィン14は、所定の方向に並べて設けることができる。放熱フィン14は、板状を呈したものとすることができる。
【0016】
コネクタホルダ15は、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けることができる。コネクタホルダ15は、放熱フィン14と並べて設けることができる。コネクタホルダ15は、フランジ13の周縁近傍に設けることができる。コネクタホルダ15は、筒状を呈し、内部にシール部材105aを有するコネクタ105を挿入することができる。
【0017】
ソケット10は、発光モジュール20、および給電部30を保持する機能と、発光モジュール20において発生した熱を外部に伝える機能を有する。そのため、ソケット10は、熱伝導率の高い材料から形成するのが好ましい。例えば、ソケット10は、アルミニウム合金などの金属から形成することができる。
【0018】
また、近年においては、ソケット10は、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量であることが望まれている。そのため、ソケット10は、高熱伝導性樹脂から形成することが好ましい。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と、無機材料を用いたフィラーと、を含む。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、炭素や酸化アルミニウムなどを用いたフィラーを混合させたものとすることができる。
【0019】
高熱伝導性樹脂を含み、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15が一体に成形されたソケット10とすれば、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができる。また、ソケット10の重量を軽くすることができる。この場合、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15は、射出成形法などを用いて、一体成形することができる。また、インサート成形法などを用いて、ソケット10と給電部30を一体成形することもできる。
【0020】
給電部30は、例えば、給電端子31a(第1の給電端子の一例に相当する)、給電端子31b、給電端子31c(第2の給電端子の一例に相当する)、および保持部32を有する。
後述するように、本実施の形態に係る車両用照明装置1(発光モジュール20)には、第1の発光回路20aと、第2の発光回路20bとが設けられ、第1の発光回路20aと第2の発光回路20bのグランドが共通となっている(図4を参照)。そのため、図1に示すように、給電端子31a~31cが設けられている。以下においては、一例として、給電端子31a~31cが設けられる場合を例示するが、給電端子の数は、発光回路の数やグランドの使用態様などに応じて適宜変更することができる。
【0021】
給電端子31a~31cは、棒状体とすることができる。給電端子31a~31cの一方の端部は、凹部11aの底面11a1から突出している。給電端子31a~31cは、所定の方向に並べて設けることができる。給電端子31a~31cの一方の端部は、基板21に設けられた配線パターン21aと半田付けされる。給電端子31a~31cの他方の端部は、コネクタホルダ15の孔の内部に露出している。コネクタホルダ15の孔の内部に露出する給電端子31a~31cには、コネクタ105が嵌め合わされる。給電端子31a~31cは、例えば、銅合金などの金属から形成することができる。なお、給電端子31a~31cの形状、配置、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0022】
前述したように、ソケット10は熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。ところが、熱伝導率の高い材料は導電性を有している場合がある。例えば、アルミニウム合金などの金属や、炭素からなるフィラーを含む高熱伝導性樹脂などは、導電性を有している。そのため、保持部32は、給電端子31a~31cと、導電性を有するソケット10との間を絶縁するために設けられている。また、保持部32は、給電端子31a~31cを保持する機能をも有する。なお、ソケット10が絶縁性を有する高熱伝導性樹脂(例えば、酸化アルミニウムからなるフィラーを含む高熱伝導性樹脂など)から形成される場合には、保持部32を省くことができる。この場合、ソケット10が給電端子31a~31cを保持する。保持部32は、絶縁性を有する樹脂から形成することができる。保持部32は、例えば、ソケット10に設けられた孔10aに圧入したり、孔10aの内壁に接着したりすることができる。
【0023】
伝熱部40は、例えば、基板21と、凹部11aの底面11a1との間に設けられている。伝熱部40は、例えば、凹部11aの底面11a1に接着することができる。伝熱部40と凹部11aの底面11a1とを接着する接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。例えば、接着剤は、無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることができる。無機材料は、熱伝導率の高い材料(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス)とすることが好ましい。接着剤の熱伝導率は、例えば、0.5W/(m・K)以上、10W/(m・K)以下とすることができる。
【0024】
また、伝熱部40は、インサート成形法により、凹部11aの底面11a1に埋め込むこともできる。また、伝熱部40は、熱伝導グリス(放熱グリス)からなる層を介して、凹部11aの底面11a1に取り付けることもできる。熱伝導グリスの種類には特に限定はないが、例えば、変性シリコーンに、熱伝導率の高い材料(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス)を用いたフィラーが混合されたものとすることができる。熱伝導グリスの熱伝導率は、例えば、1W/(m・K)以上、5W/(m・K)以下とすることができる。
【0025】
伝熱部40は、発光モジュール20において発生した熱が、ソケット10に伝わりやすくするために設けられる。そのため、伝熱部40は、熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。伝熱部40は、板状を呈し、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などの金属から形成することができる。
なお、発光モジュール20において発生する熱が少ない場合には、伝熱部40を省くこともできる。
【0026】
発光モジュール20は、例えば、基板21、発光素子22、抵抗23、電流制御部23a、制御素子24、枠部25、および封止部26を有する。
基板21は、例えば、伝熱部40の上に接着することができる。この場合、接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。接着剤は、例えば、前述した、伝熱部40と凹部11aの底面11a1とを接着する接着剤と同じとすることができる。
【0027】
基板21は、例えば、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。基板21は、単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
【0028】
また、基板21の表面には、配線パターン21aが設けられている。配線パターン21aは、例えば、銀を主成分とする材料や、銅を主成分とする材料などから形成することができる。
【0029】
発光素子22は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に、複数設けられている。複数の発光素子22は、基板21の表面に設けられた配線パターン21aと電気的に接続されている。
複数の発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
【0030】
複数の発光素子22は、チップ状の発光素子とすることもできるし、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることもできるし、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。図1および図2に例示をした発光素子22は、チップ状の発光素子である。この場合、発光モジュール20の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を考慮すると、チップ状の発光素子とすることが好ましい。以下においては、一例として、発光素子22がチップ状の発光素子である場合を説明する。
【0031】
チップ状の発光素子22は、COB(Chip On Board)により実装することができる。チップ状の発光素子22は、例えば、上部電極型の発光素子、上下電極型の発光素子、フリップチップ型の発光素子などとすることができる。図1および図2に例示をしたチップ状の発光素子22は、上下電極型の発光素子である。上部電極型の発光素子の電極、または上下電極型の発光素子の上部電極は、配線21bにより配線パターン21aと電気的に接続することができる。この場合、配線21bは、例えば、ワイヤーボンディング法により接続することができる。フリップチップ型の発光素子22は、配線パターン21aの上に直接実装することができる。
【0032】
抵抗23は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に設けられている。抵抗23は、基板21の表面に設けられた配線パターン21aと電気的に接続されている。抵抗23は、発光素子22と直列接続することができる。抵抗23は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、図1に例示をした抵抗23は、膜状の抵抗器である。
【0033】
膜状の抵抗器の材料は、例えば、酸化ルテニウム(RuO)とすることができる。膜状の抵抗器は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成することができる。抵抗23が膜状の抵抗器であれば、抵抗23と基板21との接触面積を大きくすることができるので、放熱性を向上させることができる。また、複数の抵抗23を一度に形成することができる。そのため、生産性を向上させることができる。また、複数の抵抗23における抵抗値のばらつきを抑制することができる。
【0034】
ここで、発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子とグランド端子との間の印加電圧を一定にすると、発光素子22から照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22から照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、抵抗23により、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗23の抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。
【0035】
抵抗23が表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子22の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗23を選択する。抵抗23が膜状の抵抗器の場合には、抵抗23の一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。例えば、抵抗23にレーザ光を照射すれば抵抗23の一部を容易に除去することができる。抵抗23の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0036】
また、抵抗23に代えて、定電流回路を設けることもできる。定電流回路は、例えば、ミラー回路、定電流ダイオードを用いた定電流回路、トランジスタを用いたカレントリミッタ回路、定電流ICなどとすることができる。定電流回路が設けられていれば、入力電圧が変動したとしても発光素子22に流れる電流を略一定とすることができる。
【0037】
電流制御部23aは、抵抗23に代えて設けることができる。発光回路が複数設けられる場合には、必要に応じて、電流制御部23aと抵抗23を選択することができる。なお、1つの発光回路に、電流制御部23aと抵抗23を設けてもよい。例えば、後述する第1の発光回路20aには、電流制御部23aを設け、第2の発光回路20bには、抵抗23を設けることができる。
【0038】
例えば、電流制御部23aは、印加される電圧に応じて、発光素子22に流れる電流の値、ひいては発光素子22から照射される光の光束を制御するものとすることができる。この場合、電流制御部23aは、定電流制御回路などとすることができる。この様にすれば、光束の制御が容易となる。なお、光束の制御に関する詳細は後述する(図4図5を参照)。
【0039】
制御素子24は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に設けられている。制御素子24は、基板21の表面に設けられた配線パターン21aと電気的に接続されている。制御素子24は、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けられている。制御素子24は、例えば、ダイオードとすることができる。制御素子24は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。図1に例示をした制御素子24は、表面実装型のダイオードである。
【0040】
また、発光素子22に関する導通の検出や、誤点灯防止などのために、プルダウン抵抗を設けることもできる。また、発光素子22の温度上昇を抑制するために正特性サーミスタを設けることもできる。また、必要に応じて、コンデンサ、負特性サーミスタ、サージアブソーバ、バリスタ、FETなどのトランジスタ、集積回路、演算素子などを適宜設けることもできる。
また、配線パターン21aや膜状の抵抗器などを覆う被覆部を設けることもできる。被覆部は、例えば、ガラス材料を含むものとすることができる。
【0041】
枠部25は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に設けられている。枠部25は、枠状を呈し、基板21の上に接着されている。枠部25に囲まれた領域には複数の発光素子22が配置されている。枠部25は、樹脂から形成することができる。樹脂は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PET、ナイロン(Nylon)、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。
【0042】
枠部25は、封止部26の形成範囲を規定する機能と、リフレクタの機能とを有することができる。そのため、枠部25は、反射率を向上させるために、酸化チタンの粒子などを含んでいたり、白色の樹脂を含んでいたりすることができる。
【0043】
封止部26は、枠部25に囲まれた領域を覆うように設けられている。封止部26は、発光素子22や配線21bなどを覆っている。封止部26は、透光性を有する材料から形成することができる。封止部26は、例えば、枠部25に囲まれた領域に樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどを用いて行うことができる。充填する樹脂は、例えば、シリコーン樹脂などとすることができる。
また、枠部25を設けずに封止部26のみを設けることもできる。封止部26のみを設ける場合には、ドーム状の封止部26が基板21の上に設けられる。
【0044】
ここで、車両には、既に種々の照明装置が設けられている。そのため、自動運転車両の運転状態を表示する車両用照明装置1は、既に車両に設けられている照明装置から照射される光の色と異なる色の光を照射することが好ましい。例えば、車両用照明装置1から照射される光の色は、赤、アンバー、白以外とすることが好ましい。また、車両用照明装置1から照射される光の色は、車外にいる者が視認しやすい色とすることが好ましい。
【0045】
図3は、車両用照明装置1から照射される光の色を例示するためのXY色度図である。 車両用照明装置1から照射される光の色は、図3において、色度座標T1と色度座標T2を結ぶ線、色度座標T2と色度座標T3を結ぶ線、色度座標T3と色度座標T4を結ぶ線、および色度座標T4と色度座標T1を結ぶ線で囲まれた領域の色とすることが好ましい。この様な領域に含まれる色とすれば、車外にいる者が誤解せず、且つ、容易に認識することができるので、自動運転車両の運転状態を的確に表示することができる。
【0046】
この場合、色度座標T1は、(0、0.55)、好ましくは(0.012、0.495)とすることができる。
色度座標T2は、(0.25、0.45)、好ましくは(0.2、0.4)とすることができる。
色度座標T3は、(0.25、0.27)、好ましくは(0.2、0.32)とすることができる。
色度座標T4は、(0、0.27)、好ましくは(0.04、0.32)とすることができる。
【0047】
この様な領域に含まれる色としては、例えば、青緑色(ターコイズブルーなどとも称される)を例示することができる。この場合、発光素子22を青色発光ダイオードとし、蛍光体を封止部26に混合させることで、青緑色の光が照射されるようにすることができる。また、蛍光体を含む蛍光体シートを、発光素子22の光の出射面に貼り付けてもよい。蛍光体としては、例えば、青色発光蛍光体と緑色発光蛍光体とを混合させたものを用いることができる。また、青緑色発光蛍光体を用いることもできる。緑色発光蛍光体は、例えば、アルカリ土類金属、リン酸、ハロゲン、及びユーロピウムを構成元素に含むハロリン酸塩蛍光体とすることができる。また、蛍光体を用いずに、青緑色の光を照射する発光素子22を用いることもできる。以上は、チップ状の発光素子の場合であるが、表面実装型の発光素子の場合も同様とすることができる。
すなわち、車両用照明装置1は、ソケット10の一方の端部側に設けられた発光モジュール20を有している。発光モジュール20は、青緑色の光を照射する。
【0048】
また、車両用照明装置1は、明るい環境において点灯させる場合もあるし、暗い環境において点灯させる場合もある。例えば、車両用照明装置1は、晴れの日の昼間に点灯させる場合もあるし、夜間やトンネルの中などで点灯させる場合もある。
【0049】
この場合、車両用照明装置1から照射される光の光束が略一定であるとすると、車外にいる者が認識し難くなったり、車外にいる者が違和感を覚えたりするおそれがある。例えば、暗い環境において、車外にいる者が違和感を覚えない程度の光束に設定すると、明るい環境において、車外にいる者が点灯状態を認識し難くなる。明るい環境において、車外にいる者が点灯状態を認識し易い程度の光束に設定すると、暗い環境において、車外にいる者が違和感を覚える場合がある。
【0050】
そこで、本実施の形態に係る車両用照明装置1は、照射される光の光束が切り替えられるようになっている。
図4は、車両用照明装置1の回路図である。
図4に示すように、車両用照明装置1には、例えば、第1の発光回路20aと第2の発光回路20bを設けることができる。
第1の発光回路20aは、例えば、制御素子24、直列接続された複数の発光素子22(第1の発光素子の一例に相当する)、および電流制御部23aを有する。制御素子24、複数の発光素子22、および電流制御部23aは、直列接続されている。なお、図4に例示をした第1の発光回路20aには、直列接続された3つの発光素子22が設けられている。第1の発光回路20aのアノード側は、給電端子31aに電気的に接続されている。第1の発光回路20aのグランド側は、給電端子31bに電気的に接続されている。
【0051】
第2の発光回路20bは、例えば、制御素子24、少なくとも1つの発光素子22(第2の発光素子の一例に相当する)、および抵抗23を有する。第2の発光回路20bは、第1の発光回路20aよりも少ない数の発光素子22を有する。図4に例示をした第2の発光回路20bには、1つの発光素子22が設けられている。制御素子24、発光素子22、および抵抗23は、直列接続されている。第2の発光回路20bのアノード側は、給電端子31cに電気的に接続されている。第2の発光回路20bのグランド側は、給電端子31bに電気的に接続されている。すなわち、給電端子31bは、第1の発光回路20aと第2の発光回路20bの共通のグランド端子となっている。
【0052】
例えば、車外が暗い環境(第1の明るさの一例に相当する)において車両用照明装置1を点灯させる場合には、給電端子31cには電圧を印加し、給電端子31aには電圧を印加しない。この様にすれば、第1の発光回路20aに設けられた複数の発光素子22には電流が流れず、第2の発光回路20bに設けられた発光素子22には電流が流れるため、車両用照明装置1から照射される光の光束を減少させることができる。車両用照明装置1から照射される光の光束を減少させれば、暗い環境であっても、車両用照明装置1が点灯した際に車外にいる者が違和感を覚えるのを抑制することができる。
【0053】
例えば、車外が明るい環境(第2の明るさの一例に相当する)において車両用照明装置1を点灯させる場合には、給電端子31aには電圧を印加し、給電端子31cには電圧を印加しない。この様にすれば、第1の発光回路20aに設けられた複数の発光素子22に電流が流れるため、車両用照明装置1から照射される光の光束を増加させることができる。また、給電端子31aおよび給電端子31cに電圧を印加するようにしてもよい。給電端子31aと給電端子31cに電圧を印加すれば、車両用照明装置1に設けられた全ての発光素子22に電流が流れるため、車両用照明装置1から照射される光の光束を増加させることができる。車両用照明装置1から照射される光の光束を増加させれば、明るい環境であっても、車外にいる者が車両用照明装置1の点灯を視認し易くなる。
【0054】
また、暗い環境においては、光束が少なくても、車外にいる者が車両用照明装置1の点灯を視認し易い。また、暗い環境においては、明るさが大きく変わる場合が非常に少ない。一方、明るい環境においては、光束が足りないと、車外にいる者が車両用照明装置1の点灯を視認するのが困難となる場合がある。また、明るい環境においては、明るさが大きく変わる場合が多い。例えば、雨の日と晴れの日、朝方や夕方と昼、などにおいては明るさが大きく変わる場合がある。そこで、第1の発光回路20aには、電流制御部23aを設けることができる。電流制御部23aは、複数の発光素子22と直列接続されている。電流制御部23aは、給電端子31aに印加された電圧に応じて、複数の発光素子22に流れる電流の値を制御する。
【0055】
図5は、第1の発光回路20aおよび第2の発光回路20bにおける電圧-電流特性を例示するためのグラフである。
なお、図5中のB1は、第1の発光回路20aの場合である。図5中のB2は、第2の発光回路20bの場合である。
【0056】
第2の発光回路20bには、抵抗23が設けられているので、図5中のB2に示すように、印加電圧が増加すると、発光素子22に流れる電流がほぼ比例して増加する。また、電流の増加も緩やかとなる。
【0057】
これに対して、第1の発光回路20aには、電流制御部23aが設けられているので、図5中のB1に示すように、車両稼働時に発光モジュール20に印加されている電圧の12V~15Vの領域においては、明るさの変化を小さくすることができ、チラツキ等による視認性の悪化を防ぐことが可能となる。
【0058】
以上は、車両用照明装置1を点灯させる場合であるが、車両用照明装置1を点滅させたり、点滅の周期を変化させたり、明るさを変化させたり、点滅と明るさの変化を組み合わせたりすることもできる。この場合、明るさの変化は、第1の発光回路20aと第2の発光回路20bの切り替えなどによって行うことができる。また、明るさの変化は、電流制御部23aにより行うこともできる。
【0059】
図6(a)、(b)は、第1の発光回路20aにおいて、点灯させる発光素子22の配置を例示するための模式図である。なお、図6(a)、(b)は、第1の発光回路20aに3つの発光素子22が設けられた場合である。
車両用照明装置1が、フロントコンビネーションライトや、リアコンビネーションライトなどの灯具に取り付けられる場合には、ソケット10の中心軸10bが水平方向に向けられる。この場合、図6(a)、(b)に示すように、3つの発光素子22は、中心軸10bを通り、略水平な線分10cを挟んで、上下に設けられる。発光素子22が点灯すると、発光素子22において発生した熱は、放熱フィン14の、点灯した発光素子22よりも上方に位置する領域には伝わり易くなるが、下方に位置する領域には伝わり難くなる。点灯した発光素子22の数が多くなれば、発生する熱の量が多くなるので、放熱フィン14のなるべく広い領域に熱が伝わり易くなるようにすることが好ましい。
【0060】
例えば、図6(a)に示すように、線分10cの下方にある発光素子22の数が、線分10cの上方にある発光素子22の数よりも少なければ、放熱フィン14の、線分10cの下方に位置する領域に伝わる熱の量が少なくなる。
【0061】
これに対して、図6(b)に示すように、線分10cの下方にある発光素子22の数が、線分10cの上方にある発光素子22の数よりも多ければ、放熱フィン14の、線分10cの下方に位置する領域に伝わる熱の量が多くなる。放熱フィン14の、線分10cの下方に位置する領域に伝った熱は、放熱フィン14の上方に向けて伝搬するので、放熱フィン14のより広い領域から熱を放出することができる。
【0062】
(自動運転車両用照明システム)
次に、自動運転車両用照明システム200について例示する。
図7は、自動運転車両用照明システム200を例示するための模式図である。
図7に示すように、自動運転車両用照明システム200には、例えば、車両用照明装置1、車両用灯具100、電源110、切り替え回路120、入力部140、およびコントローラ150を設けることができる。
【0063】
車両用灯具100には、例えば、筐体101、カバー102、光学要素部103、シール部材104、およびコネクタ105が設けられている。
【0064】
筐体101には車両用照明装置1が取り付けられる。筐体101は、装着部11を保持する。筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。筐体101の底面には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分が挿入される取付孔101aが設けられている。取付孔101aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部が設けられている。なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
【0065】
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分を取付孔101aに挿入し、車両用照明装置1を回転させる。すると、取付孔101aの周縁に設けられた嵌合部にバヨネット12が保持される。この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
【0066】
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐように設けられている。カバー102は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。カバー102は、レンズなどの機能を有するものとすることもできる。
【0067】
光学要素部103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行う。例えば、図7に例示をした光学要素部103はリフレクタである。この場合、光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。
【0068】
シール部材104は、フランジ13と筐体101の間に設けられている。シール部材104は、環状を呈するものとすることができる。シール部材104は、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。
【0069】
コネクタ105は、コネクタホルダ15の内部に露出している給電端子31a~31cの端部に嵌め合わされる。コネクタ105は、切り替え回路120と電気的に接続されている。また、コネクタ105には、シール部材105aが設けられている。コネクタ105がコネクタホルダ15の内部に挿入された際に、シール部材105aによりコネクタホルダ15の内部が、水密となるように密閉される。
【0070】
電源110は、車両用照明装置1に電圧を印加する。電源110は、バッテリなどの直流電源とすることができる。また、電源110は、車両用照明装置1に印加する電圧を変化させることもできる。
【0071】
切り替え回路120は、コネクタ105(車両用照明装置1)と電源110との間に電気的に接続されている。切り替え回路120は、コントローラ150からの信号に基づいて、第1の発光回路20aおよび第2の発光回路20bの少なくともいずれかに電圧を印加する。
【0072】
入力部140は、車外の明るさに関連する情報をコントローラ150に送信する。入力部140は、例えば、車外の明るさを検出する光センサ、ドライブレコーダに設けられたカメラなどとすることができる。また、入力部140は、インターネットなどを介して、例えば、夜と昼を判別するための時間、晴れと雨や曇りとを判別するための天候、トンネルの位置などの地理情報などの車外の明るさに関連する情報を収集し、コントローラ150に送信することもできる。
【0073】
コントローラ150は、例えば、コンピュータとすることができる。コントローラ150は、車両に設けられた要素を制御して、自動運転を行う。また、コントローラ150は、自動運転を行う際に、車両の運転状態を表示する。例えば、コントローラ150は、自動運転を行う際に、車両用照明装置1を点灯させる。例えば、コントローラ150は、車両用照明装置1を点灯させる際に、車外の明るさに関する情報に基づいて、切り替え回路120を制御する。例えば、車外が暗い環境の場合には、コントローラ150は、切り替え回路120を制御して、第2の発光回路20bに電圧を印加する。車外が明るい環境の場合には、コントローラ150は、切り替え回路120を制御して、第1の発光回路20aに電圧を印加する、または、第1の発光回路20aおよび第2の発光回路20bに電圧を印加する。また、コントローラ150は、例えば、車両の運転態様に応じて、車両用照明装置1を点滅させたり、点滅の周期を変化させたり、明るさを変化させたり、点滅と明るさの変化を組み合わせたりすることもできる。
【0074】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 車両用照明装置、10 ソケット、11 装着部、14 放熱フィン、20 発光モジュール、20a 第1の発光回路、20b 第2の発光回路、21 基板、22 発光素子、23 抵抗、23a 電流制御部、31a~31c 給電端子、100 車両用灯具、110 電源、120 切り替え回路、140 入力部、150 コントローラ、200 自動運転車両用照明システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7