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特許7523013印刷システム、印刷装置、及び印刷プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】印刷システム、印刷装置、及び印刷プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240719BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G06F3/12 360
B41J29/38 201
G06F3/12 303
G06F3/12 367
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020036034
(22)【出願日】2020-03-03
(65)【公開番号】P2021140334
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 章洋
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-171706(JP,A)
【文献】特開2011-090567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
複数の印刷ジョブを順次受信する第1インターフェースと、
前記複数の印刷ジョブに対しそれぞれ関連付けられる複数の付帯コマンドを順次受信する、前記第1インターフェースとは異なる第2インターフェースと、
第1制御部と、
を有する印刷装置と、
前記第1インターフェースと通信する第3インターフェースと、
前記第2インターフェースと通信する、前記第3インターフェースとは異なる第4インターフェースと、
第2制御部と、
を有する外部装置と、
を備え、
前記第2制御部は、
第1印刷ジョブの実行予約の指定時刻になったら、前記第1インターフェース及び前記第3インターフェースを介し前記第1印刷ジョブを送信する、印刷ジョブ送信処理を実行し、
前記第1制御部は、
前記印刷ジョブ送信処理で送信された前記第1印刷ジョブを、前記第1インターフェース及び前記第3インターフェースを介し受信する、印刷ジョブ受信処理と、
前記印刷部を制御し、前記印刷ジョブ受信処理で受信された前記第1印刷ジョブに基づく印刷を行う、印刷処理と、
を実行し、
前記第1制御部及び前記第2制御部のうち一方の制御部は、
前記第1印刷ジョブとは異なる第2印刷ジョブの実行予約に関する予約関連情報を前記第2インターフェース及び第4インターフェースを介し送信する、関連情報送信処理を実行し、
前記第1制御部及び前記第2制御部のうち他方の制御部は、
前記関連情報送信処理で送信された前記予約関連情報を前記第2インターフェース及び第4インターフェースを介し受信する、関連情報受信処理を実行し、
前記第1制御部は、
前記関連情報送信処理において前記第2印刷ジョブの印刷可能通知又は前記第2印刷ジョブの印刷可能時刻を前記第2インターフェース及び第4インターフェースを介し前記外部装置へ送信し、
前記第2制御部は、
前記関連情報受信処理において前記第2印刷ジョブの印刷可能通知又は前記第2印刷ジョブの印刷可能時刻を前記第4インターフェースを介して受信したことを条件に、前記第2印刷ジョブを前記第3インターフェースを介し前記印刷装置へ送信する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記第1制御部は、さらに、
前記第1印刷ジョブの実行予約がなされている状態で前記第2制御部が前記第2印刷ジョブの実行予約の指定時刻を送信することによって前記第1制御部が前記関連情報受信処理で受信した、前記指定時刻に基づいて、当該指定時刻に前記第2印刷ジョブを実行可能か否かを判断する第1時刻判断処理を実行し、
前記第1時刻判断処理の結果、前記関連情報送信処理で前記印刷可能通知又は前記印刷可能時刻を前記第2制御部へ送信する
ことを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
前記第2制御部は、さらに、
前記第2印刷ジョブの前記指定時刻を含む前記付帯コマンドを前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して送信する付帯コマンド送信処理を実行し
前記第1制御部は、さらに、
前記付帯コマンド送信処理で送信された前記付帯コマンドを前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して受信する付帯コマンド受信処理
前記第1印刷ジョブの実行予約がなされている状態で前記付帯コマンド受信処理で受信された前記付帯コマンドに含まれる、前記第2印刷ジョブの前記実行予約の前記指定時刻に基づいて、当該指定時刻に前記第2印刷ジョブを実行可能か否かを判断する第2時刻判断処理と、
を実行し、
前記第2時刻判断処理の結果、前記関連情報送信処理で前記印刷可能通知又は前記印刷可能時刻を前記第2制御部へ送信する
ことを特徴とする請求項2記載の印刷システム。
【請求項4】
前記第1制御部は、さらに、
前記第1時刻判断処理で前記第2印刷ジョブの前記実行予約の前記指定時刻に当該第2印刷ジョブを実行可能と判断された場合に前記印刷可能通知を出力し、前記第1時刻判断処理で当該指定時刻に前記第2印刷ジョブが実行不可と判断された場合に前記指定時刻以外で前記第2印刷ジョブを実行可能な時刻を表す前記印刷可能時刻を出力する、判断結果出力処理を実行する
ことを特徴とする請求項2記載の印刷システム。
【請求項5】
前記関連情報送信処理は、さらに
前記判断結果出力処理で前記印刷可能通知が出力された場合に前記第1制御部により実行され、当該印刷可能通知を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して送信する、印刷通知送信処理と、
前記判断結果出力処理で前記印刷可能時刻が出力された場合に前記第1制御部により実行され、当該印刷可能時刻を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して送信する、印刷時刻送信処理と、
を含む
ことを特徴とする請求項4記載の印刷システム。
【請求項6】
前記第1制御部は、さらに、
前記実行予約がなされている前記第2印刷ジョブのキャンセル操作を受け付けるキャンセル受付処理
前記キャンセル受付処理での前記キャンセル操作の受け付けに応じて、対応する前記第2印刷ジョブの実行予約を無効化する第1無効化処理と、
を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の印刷システム。
【請求項7】
記第2制御部は、さらに、
前記実行予約がなされている前記第2印刷ジョブのキャンセル操作を受け付けるキャンセル受付処理を実行し、
前記関連情報送信処理は、
前記第2制御部により実行され、前記キャンセル受付処理での前記キャンセル操作の受け付けに応じて対応する第1キャンセル指示を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して送信する、第1キャンセル指示送信処理を含み、
前記関連情報受信処理は、
前記第1制御部により実行され、前記第1キャンセル指示送信処理で送信された前記第1キャンセル指示を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して受信する、第1キャンセル指示受信処理を含み、
前記第1制御部は、さらに、
前記第1キャンセル指示受信処理で受信した前記第1キャンセル指示に応じて、対応する前記第2印刷ジョブの実行予約を無効化する第1無効化処理を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の印刷システム。
【請求項8】
前記印刷装置は、
前記実行予約がなされている印刷ジョブの識別情報を含む予約データベースを記憶した
記憶部をさらに有し、
前記第1キャンセル指示送信処理では、
前記第2制御部が、キャンセル対象とする前記第2印刷ジョブの前記識別情報を含む前記第1キャンセル指示を送信し、
前記第1キャンセル指示受信処理では、
前記第1制御部が、前記キャンセル対象とする前記第2印刷ジョブの前記識別情報を含む前記第1キャンセル指示を受信し、
前記第1無効化処理では、
前記第1制御部が、前記第1キャンセル指示受信処理で受信した前記第1キャンセル指示に含まれる前記識別情報を、前記予約データベースから削除する
ことを特徴とする請求項7記載の印刷システム。
【請求項9】
前記キャンセル受付処理では、
前記第1制御部が、前記実行予約がなされている前記第2印刷ジョブのキャンセル操作を受け付け、
前記関連情報送信処理は、
前記第1制御部により実行され、前記キャンセル受付処理での前記キャンセル操作の受け付けに応じて対応するキャンセル通知を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して送信する、キャンセル通知送信処理を含み、
前記関連情報受信処理は、
前記第2制御部により実行され、前記キャンセル通知送信処理で送信された前記キャンセル通知を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して受信する、キャンセル通知受信処理を含む
ことを特徴とする請求項6記載の印刷システム。
【請求項10】
前記判断結果出力処理では、
前記第1制御部が、前記指定時刻以外で前記第2印刷ジョブをそれぞれ実行可能な時刻を表す複数の印刷可能時刻を出力する
ことを特徴とする請求項4記載の印刷システム。
【請求項11】
前記関連情報送信処理は、さらに、
前記判断結果出力処理で前記複数の印刷可能時刻が出力された場合に前記第1制御部により実行され、当該複数の印刷可能時刻を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して送信する、印刷時刻送信処理を含み、
前記関連情報受信処理は、さらに、
前記第2制御部により実行され、前記印刷時刻送信処理で送信された前記複数の印刷可能時刻を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して受信する、印刷時刻受信処理を含む
ことを特徴とする請求項10記載の印刷システム。
【請求項12】
前記第2制御部は、さらに、
前記印刷時刻受信処理で受信された前記複数の印刷可能時刻の中から選択された特定の印刷可能時刻を入力する時刻選択入力処理を実行する
ことを特徴とする請求項11記載の印刷システム。
【請求項13】
記関連情報送信処理は、さらに、
前記第2制御部により実行され、前記時刻選択入力処理で入力された前記特定の印刷可能時刻を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して送信する、特定時刻送信処理を含み、
前記関連情報受信処理は、さらに、
前記第1制御部により実行され、前記特定時刻送信処理で送信された前記特定の印刷可能時刻を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して受信する、特定時刻受信処理を含む
ことを特徴とする請求項12記載の印刷システム。
【請求項14】
前記第2制御部は、さらに、
前記印刷時刻受信処理で受信された前記複数の印刷可能時刻のいずれかを用いた印刷の実行可否を受け付ける実行可否受付処理を実行する
ことを特徴とする請求項11記載の印刷システム。
【請求項15】
記関連情報送信処理は、さらに、
前記第2制御部により実行され、前記実行可否受付処理で受け付けた前記印刷の実行可否を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して送信する、実行可否送信処理を含み、
前記関連情報受信処理は、さらに、
前記第1制御部により実行され、前記実行可否送信処理で送信された前記印刷の実行可否を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して受信する、実行可否受信処理を含む
ことを特徴とする請求項14記載の印刷システム。
【請求項16】
前記第1制御部は、さらに、
前記実行可否受信処理で前記印刷の非実行を受信した場合に、対応する前記第2印刷ジョブの実行予約を非成立とする非成立化処理を実行する
ことを特徴とする請求項15記載の印刷システム。
【請求項17】
前記付帯コマンドは、
前記第2印刷ジョブの印刷属性情報をさらに含み、
前記付帯コマンド送信処理では、
前記第2制御部が、前記印刷属性情報を含む前記付帯コマンドを前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して送信し、
前記付帯コマンド受信処理では、
前記第1制御部が、前記付帯コマンド送信処理で送信された、前記印刷属性情報を含む前記付帯コマンドを前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介して受信し、
前記第1制御部は、さらに、
前記付帯コマンド受信処理で受信された前記付帯コマンドに含まれる前記印刷属性情報に基づき、前記第2印刷ジョブの実行に必要な印刷時間を算出する印刷時間算出処理を実行する
ことを特徴とする請求項3記載の印刷システム。
【請求項18】
被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
複数の印刷ジョブを外部装置から順次受信する第1インターフェースと、
前記複数の印刷ジョブに対しそれぞれ関連付けられる複数の付帯コマンドを前記外部装置から順次受信する、前記第1インターフェースとは異なる第2インターフェースと、
制御部と、
を備えた印刷装置であって、
前記制御部は、
前記第1インターフェースと通信する第3インターフェース、及び、前記第2インターフェースと通信する、前記第3インターフェースとは異なる第4インターフェース、を備えた前記外部装置から送信された第1印刷ジョブを、前記第3インターフェース及び前記第1インターフェースを介し受信する、印刷ジョブ受信処理と、
前記印刷部を制御し、前記印刷ジョブ受信処理で受信された前記第1印刷ジョブに基づく印刷を行う、印刷処理と、
前記第1印刷ジョブとは異なる第2印刷ジョブの実行予約に関する予約関連情報を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介し前記外部装置へ送信するか、若しくは、前記外部装置から送信された前記第2印刷ジョブの実行予約に関する予約関連情報を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介し受信する、関連情報送受信処理と、
実行し、
前記関連情報送受信処理において前記第2印刷ジョブの印刷可能通知又は前記第2印刷ジョブの印刷可能時刻を前記第4インターフェースを介し受信したことを条件に前記外部装置から前記第3インターフェースを介し送信された、前記第2印刷ジョブを前記第1インターフェースを介し受信することを特徴とする印刷装置。
【請求項19】
被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、複数の印刷ジョブを外部装置から順次受信する第1インターフェースと、前記複数の印刷ジョブに対しそれぞれ関連付けられる複数の付帯コマンドを前記外部装置から順次受信する、前記第1インターフェースとは異なる第2インターフェースと、プロセッサと、を備えた印刷装置に備えられた前記プロセッサに対し、
前記第1インターフェースと通信する第3インターフェース、及び、前記第2インターフェースと通信する、前記第3インターフェースとは異なる第4インターフェース、を備えた前記外部装置から送信された第1印刷ジョブを、前記第3インターフェース及び前記第1インターフェースを介し受信する、印刷ジョブ受信ステップと、
前記印刷部を制御し、前記印刷ジョブ受信ステップで受信された前記第1印刷ジョブに基づく印刷を行う、印刷ステップと、
前記第1印刷ジョブとは異なる第2印刷ジョブの実行予約に関する予約関連情報を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介し前記外部装置へ送信するか、若しくは、前記外部装置から送信された前記第2印刷ジョブの実行予約に関する予約関連情報を前記第2インターフェース及び前記第4インターフェースを介し受信する、関連情報送受信ステップと、
を実行させるための、印刷プログラムであって、
前記プロセッサに対し、
前記関連情報送受信ステップにおいて前記第2印刷ジョブの印刷可能通知又は前記第2印刷ジョブの印刷可能時刻を前記第4インターフェースを介して受信したことを条件に前記外部装置から前記第3インターフェースを介し送信された、前記第2印刷ジョブを前記第1インターフェースを介し受信させることを特徴とする印刷プログラム。
【請求項20】
複数の印刷ジョブを順次受信する第1インターフェース、及び、前記複数の印刷ジョブに対しそれぞれ関連付けられる複数の付帯コマンドを順次受信する、前記第1インターフェースとは異なる第2インターフェース、を備えた印刷装置へ前記複数の印刷ジョブを順次送信する第3インターフェースと、前記複数の印刷ジョブに対しそれぞれ関連付けられる複数の付帯コマンドを前記印刷装置へ順次送信する、前記第3インターフェースとは異なる第4インターフェースと、プロセッサと、を備えた端末に備えられた前記プロセッサに対し、
第1印刷ジョブの実行予約の指定時刻になったら、第3インターフェース及び第1インターフェースを介し前記第1印刷ジョブを送信する、印刷ジョブ送信ステップと、
前記第1印刷ジョブとは異なる第2印刷ジョブの実行予約に関する予約関連情報を前記第4インターフェースを介し前記印刷装置へ送信するか、若しくは、前記印刷装置から送信された前記予約関連情報を第4インターフェース及び第2インターフェースを介し受信する、関連情報送受信ステップと、
を実行させるための、印刷処理プログラムであって、
前記プロセッサに対し、
前記関連情報送受信ステップにおいて前記第2印刷ジョブの印刷可能通知又は前記第2印刷ジョブの印刷可能時刻を前記第4インターフェースを介して受信したことを条件に、前記第2印刷ジョブを前記第3インターフェースを介し前記印刷装置へ送信させることを特徴とする印刷処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブの実行時刻を予め指定した予約印刷を行う印刷システム、印刷装置、及び印刷プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載のように、ホスト装置からの操作で印刷装置の予約印刷を行う技術が知られている。キーボードやマウス等の入力デバイスを介し時間指定印刷の予約を要求する印刷予約要求が行われ、印刷完了時刻が入力されると、ホスト装置のプリンタドライバによって印刷予約コマンドが生成され、ネットワークを介して印刷装置に送信される。印刷処理開始時刻となった印刷予約があると、ホスト装置からの印刷データが印刷装置によって受信され、印刷が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-90567公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の印刷システムでは、ホスト装置から印刷装置への印刷ジョブの送信中に、別の印刷ジョブの予約に関連した処理を並行して行うことに関しては、特に考慮されていない。
【0005】
本発明の目的は、予約された時刻に印刷ジョブが送信中でも、別の印刷ジョブの予約に関する処理を並行して実行できる印刷システム、印刷装置、及び印刷プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、複数の印刷ジョブを順次受信する第1インターフェースと 前記複数の印刷ジョブに対しそれぞれ関連付けられる複数の付帯コマンドを順次受信する、前記第1インターフェースとは異なる第2インターフェースと、第1制御部と、を有する印刷装置と、前記第1インターフェースと通信する第3インターフェースと、前記第2インターフェースと通信する、前記第3インターフェースとは異なる第4インターフェースと、第2制御部と、を有する外部装置と、を備え、前記第2制御部は、第1印刷ジョブの実行予約の指定時刻になったら、前記第1インターフェース及び前記第3インターフェースを介し前記第1印刷ジョブを送信する、印刷ジョブ送信処理を実行し、前記第1制御部は、前記印刷ジョブ送信処理で送信された前記第1印刷ジョブを、前記第1インターフェース及び前記第3インターフェースを介し受信する、印刷ジョブ受信処理と、前記印刷部を制御し、前記印刷ジョブ受信処理で受信された前記第1印刷ジョブに基づく印刷を行う、印刷処理と、を実行し、前記第1制御部及び前記第2制御部のうち一方の制御部は、前記第1印刷ジョブとは異なる第2印刷ジョブの実行予約に関する予約関連情報を前記第2インターフェース及び第4インターフェースを介し送信する、関連情報送信処理を実行し、前記第1制御部及び前記第2制御部のうち他方の制御部は、前記関連情報送信処理で送信された前記予約関連情報を前記第2インターフェース及び第4インターフェースを介し受信する、関連情報受信処理を実行することを特徴とする。
【0007】
本願発明の印刷システムには、印刷装置と外部装置とが備えられる。印刷装置は印刷ジョブを受信する第1インターフェースを有しており、これに対応して、外部装置はその第1インターフェースと通信する第3インターフェースを有する。印刷装置はまた、付帯コマンドを受信する第2インターフェースを有しており、これに対応して、外部装置はその第2インターフェースと通信する第4インターフェースを有する。すなわち、印刷装置と外部装置との間には、第1インターフェース及び第3インターフェースを介した通信経路と、第2インターフェース及び第4インターフェースを介した通信経路とが、別々に存在している。
【0008】
予約印刷は、上記2つの通信経路のうち1つの通信経路を介し行われる。すなわち、第1印刷ジョブを実行するように予約された指定時刻になったら、外部装置の第2制御部が印刷ジョブ送信処理を実行することで、第1インターフェース及び第3インターフェースを介し第1印刷ジョブが送信される。その送信された第1印刷ジョブは、印刷装置の第1制御部が印刷ジョブ受信処理を実行することで、第1インターフェース及び第3インターフェースを介して受信される。
【0009】
第1制御部及び第2制御部は、上記2つの通信経路のうち別の通信経路を介し、予約関連情報の送受を行うことができる。すなわち、第1制御部及び第2制御部のうち一方の制御部が関連情報送信処理を実行することで、第1印刷ジョブとは別の第2印刷ジョブの実行予約に関する予約関連情報が第2インターフェース及び第4インターフェースを介し送信される。この送信された予約関連情報は、第1制御部及び第2制御部のうち他方の制御部が関連情報受信処理を実行することで、第2インターフェース及び第4インターフェースを介し受信される。
【0010】
以上により、本願発明の印刷システムにおいては、上記のように第1インターフェース及び第3インターフェースを介して第1印刷ジョブが送受信されている間であっても、第2インターフェース及び第4インターフェースを介して第2印刷ジョブに関する予約関連情報の送受信を行うことができる。その結果、ユーザにとっての利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、予約された時刻に印刷ジョブが送信中でも、別の印刷ジョブの予約に関する処理を並行して実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による印刷システムである。
図2】PC及び複合機の構成を示すブロック図である。
図3】ネットワークを介する通信形態を表す説明図である。
図4】SNMPプロトコルを用いた通信を説明する機能ブロック図である。
図5】印刷ジョブ予約時にPCのCPUにより実行される制御手順を表すフローチャートである。
図6】先行コマンドの構成の一例を表す説明図である。
図7】印刷ジョブ予約時に複合機のCPUにより実行される制御手順を表すフローチャートである。
図8】印刷ジョブ実行時にPCのCPUにより実行される制御手順を表すフローチャートである。
図9】印刷ジョブ実行時に複合機のCPUにより実行される制御手順を表すフローチャートである。
図10】予約済の印刷ジョブの取消時にPCのCPU及び複合機のCPUにより実行される制御手順を表すシーケンスの一例である。
図11】予約済の印刷ジョブの取消時にPCのCPU及び複合機のCPUにより実行される制御手順を表すシーケンスの他の例である。
図12】PCと複合機との間の情報送受の概略をまとめて表す説明図である。
図13】予約データベースをPC内に設ける変形例における、PC及び複合機の構成を示すブロック図である。
図14】印刷ジョブ予約時にPCのCPUにより実行される制御手順を表すフローチャートである。
図15】印刷ジョブ予約時に複合機のCPUにより実行される制御手順を表すフローチャートである。
図16】予約済の印刷ジョブの取消時にPCのCPU及び複合機のCPUにより実行される制御手順を表すシーケンスの一例である。
図17】予約済の印刷ジョブの取消時にPCのCPU及び複合機のCPUにより実行される制御手順を表すシーケンスの他の例である。
図18】PCと複合機との間の情報送受の概略をまとめて表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る印刷システム1を図1に示す。
<印刷システムの概要>
印刷システム1は、情報管理サーバ70と、端末10と、複合機50と、を備えている。なお、複合機50は印刷装置の一例であり、端末10は外部装置の一例である。なお端末10は、例えばパソコン、スマートフォン、等の外部情報端末であり、以下適宜、単に「PC10」と称する。
【0014】
PC10は、印刷ジョブを生成し、情報管理サーバ70を介して複合機50に印刷ジョブを送信する。すなわち、PC10から送信された印刷ジョブは情報管理サーバ70を経由して、複合機50に受信される。複合機50は、シートに画像を形成するプリント機能、原稿を読み取りスキャンデータを生成するスキャナ機能等を有する。複合機50は、PC10から送信される上記印刷ジョブに応じてシートに画像を形成する印刷処理を実行する。なお、以下適宜、シートに画像を形成することを「印刷」と称する。
【0015】
情報管理サーバ70は、PC10から受信した印刷ジョブを複合機50に送信する。情報管理サーバ70は、受信した印刷ジョブを監視し、複合機50にて印刷される印刷枚数を管理する。情報管理サーバ70と、PC10と、複合機50とがネットワーク40を介して接続されており、印刷ジョブはネットワーク40を介して送受される。
【0016】
なお、ネットワーク40は、具体的には、LANである。なお、印刷システム1は、上述の例に限らず、情報管理サーバ70が存在せず、PC10及び複合機50がネットワーク40を介して直接印刷ジョブを送受信する構成であってもよい。この場合、情報管理サーバ70の代わりに、情報管理サーバ70と同等の機能を備える情報管理プログラムがPC10又は複合機50のいずれかで動作することにより、印刷ジョブが監視される構成であってもよい。また、PC10がネットワーク40に複数台接続される構成であってもよい。
【0017】
次に、PC10及び複合機50の詳細構成について、図2を用いて説明する。
【0018】
<PC10の全体構成>
PC10は、CPU12と、メモリ14と、ディスプレイI/F15と、LCD16と、入力I/F18と、ネットワークI/F20A,20Bと、USB I/F21と、を備えている。これらの構成要素は、バス22を介して互いに通信可能である。
【0019】
<CPU12>
CPU12は、メモリ14内のアプリケーションプログラム26、プリンタドライバ28、及びオペレーティングシステム32に従って処理を実行する。なお、オペレーティングシステムを以下適宜、「OS」と略称する。各図の図示においても同様である。アプリケーションプログラム26は、例えば文書作成プログラム等であり、作成されたデータは複合機50にて印刷可能に構成されている。またアプリケーションプログラム26は、例えば後述の図5及び図8のフローチャート、図10及び図11のシーケンスに示す各処理を実行するための、印刷処理プログラムが含まれる。
【0020】
プリンタドライバ28は、複合機50のデバイスドライバであり、複合機50に応じた印刷ジョブを作成する。OS32は、アプリケーションプログラム26及びプリンタドライバ28に利用される基本的な機能を提供するプログラムである。
なお、以下適宜、アプリケーションプログラム26等を実行するCPU12のことを、単にプログラム名で記載する。その場合、例えば、「アプリケーションプログラム26が」という記載は、「アプリケーションプログラム26を実行するCPU12が」ということを意味する。後述する、プリンタプログラム59においても同様である。
【0021】
<メモリ14>
メモリ14は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDD、CPU12が備えるバッファ、等が組み合わされて構成されている。なお、CPU12がプロセッサの一例であり、CPU12及びメモリ14が、第2制御部の一例である。
メモリ14には、設定情報29が記憶されている。設定情報29は、例えばプリンタドライバ28がPC10にインストールされた際に作成される。設定情報29には印刷ポート情報等が含まれる。印刷ポート情報には、複合機50を特定する識別情報、複合機50との接続形態の情報、及び通信に使用されるプロトコルの情報、等が含まれる。
【0022】
メモリ14は、データ記憶領域34を備える。データ記憶領域34は、アプリケーションプログラム26等の実行に必要なデータ等を記憶する領域である。また、メモリ14には、PC10をSNMP(Simple Network Management Protocol)マネージャとして機能させるためのSNMPマネージャプログラム27が記憶されており、PC10はSNMPマネージャとして機能する。
【0023】
なお、メモリ14は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。
インターネット上のサーバ等からダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体である。しかし、この信号媒体は、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。後述する複合機50のメモリ58についても同様である。
【0024】
<LCD16及び入力I/F18>
LCD16は、PC10の各種情報を表示する。LCD16は、ディスプレイI/F15を介してバス22に接続され、ディスプレイI/F15を介して表示データを取得する。
入力I/F18は、キーボード、マウス等を含み、ユーザ操作を入力するためのインターフェースである。なお、入力I/F18は、LCD16の表示画面に重畳されたタッチセンサでも良い。
【0025】
<ネットワークI/F20及びUSB I/F21>
ネットワークI/F20A,20Bは、それぞれ、例えば不図示のLANレセプタクル及び無線LANの送受信部等を有する。ネットワークI/F20Aが第3インターフェースの一例であり、ネットワークI/F20Bが第4インターフェースの一例である。ネットワークI/F20A,20Bは、有線LAN及び無線LAN等のネットワーク40を介したTCP/IPプロトコルを用いた通信を行う、内部的なインターフェース、例えばポートである。上記内部的なインターフェースに代えて、同等の機能を果たす端子等の物理的なインターフェースによって構成してもよい。なお、以下適宜、これら2つのネットワークI/F20A,20Bを区別しない場合は、単に「ネットワークI/F20」と総称する。
USB I/F21は、USBレセプタクルを有し、例えばUSB2.0等のUSB規格に従った通信を行う物理的なインターフェース、例えばUSB端子である。
【0026】
<複合機50の全体構成>
複合機50は、ネットワークI/F51Aと、ネットワークI/F51Bと、CPU52と、を備える。ネットワークI/F51Aが第1インターフェースの一例であり、ネットワークI/F51Bが第2インターフェースの一例である。また複合機50は、ディスプレイI/F53と、LCD54と、入力I/F55と、USB I/F57と、メモリ58と、印刷部63と、スキャナ部64と、を備えている。これらの構成要素は、バス56を介して互いに通信可能である。
【0027】
<CPU52>
CPU52は、メモリ58内のプリンタプログラム59に従って処理を実行する。プリンタプログラム59は、複合機50を統括的に制御するプログラムである。またプリンタプログラム59は、例えば後述の図7及び図9のフローチャート、図10及び図11に示す各処理を実行するための、印刷プログラムが含まれる。プリンタプログラム59は、印刷部制御モジュール60を含む複数のモジュールにより構成されている。印刷部制御モジュール60は、主に印刷ジョブに従って、印刷部63を制御する機能を有する。なお、CPU52はプロセッサの一例である。
【0028】
<メモリ58>
メモリ58は、RAM、ROM、NVRAM等が組み合わされて構成されている。なお、メモリ58は記憶部の一例であり、メモリ58とCPU52とが、第1制御部の一例であるとともに、印刷装置の制御部の一例でもある。
メモリ58には、複合機50をSNMPエージェントとして機能させるためのSNMPエージェントプログラム65が記憶されており、複合機50はSNMPエージェントとして機能する。またメモリ58には、Webサーバとして機能させるためのプログラムである不図示のEWS(Embedded Web Server)プログラムが記憶されており、複合機50はWebサーバとしても機能する。
【0029】
またメモリ58は、データ記憶領域62を備える。データ記憶領域62は、プリンタプログラム59の実行に必要なデータ等を記憶する領域である。
【0030】
さらにメモリ58には、MIB(Management information base)61が記憶されている。MIB61は、メモリ58内の各種記憶領域へのデータアクセスに関するインターフェースとしての機能を有する。例えば、MIB61に対して、あるデータの取得要求が来た場合には、MIB61は、該当するデータが保存された記憶領域から当該データを取得して、取得要求の送信元へと出力する。また例えば、MIB61に対して、あるデータの設定要求が来た場合には、MIB61は、該当する記憶領域に対し受け取った当該データを書き込む。
【0031】
さらにメモリ58には、印刷ジョブの実行予約の記録や調整を行うための、予約データベースRDが設けられている。この予約データベースRDの詳細については後述する。
【0032】
<ネットワークI/F51及びUSB I/F57>
ネットワークI/F51A,51Bは、それぞれ、例えば不図示のLANレセプタクル及び無線LANの送受信部等を有する。ネットワークI/F51A,51Bは、有線LAN及び無線LAN等のネットワーク40を介したTCP/IPプロトコルを用いた通信を行う、内部的なインターフェース、例えばポートである。上記内部的なインターフェースに代えて、同等の機能を果たす端子等の物理的なインターフェースによって構成してもよい。なお、以下適宜、これら2つのネットワークI/F51A,51Bを区別しない場合は、単に「ネットワークI/F51」と総称する。ネットワークI/F51は、ネットワーク40を通じ、PC10のネットワークI/F20と通信可能となっている。
USB I/F57は、USBレセプタクルを有し、例えばUSB2.0等のUSB規格に従った通信を行う物理的なインターフェース、例えばUSB端子である。
【0033】
<印刷部63及びスキャナ部64>
印刷部63は、不図示のヘッド、複数のノズル、及びノズルを覆うキャップ等を有している。ヘッドにはノズルが取り付けられており、不図示のインクカートリッジから供給されるインクがノズルからシートに向けて吐出され、シートに画像が形成され印刷が行われる。なお、シートが被印刷媒体の一例である。複合機50が待機状態である時にはノズルがキャップに覆われた状態である。これにより、インクの不要な乾燥が抑制される。印刷待機状態では、キャップが移動され、ヘッドのノズルが露出される。
スキャナ部64は、例えばイメージセンサ等を有し、原稿に印刷された画像を読み取ってスキャンデータを生成する。
【0034】
<LCD54及び入力I/F55>
LCD54は、ディスプレイI/F53を介してバス56に接続されている。LCD54は、ディスプレイI/F53を介して表示データを取得し、複合機50の各種情報を表示する。
入力I/F55は、ユーザ操作を入力するためのインターフェースであり、適宜の操作ボタン等を有する。
【0035】
<PC10と複合機50との通信>
次に、図3を用いて、PC10と複合機50とでネットワーク40を介して行われる通信について説明する。
【0036】
<論理的インターフェース>
PC10は、論理的なインターフェースとして、Port9100 I/F71Aと、LPR I/F72Aと、IPP I/F73Aと、SNMP I/F74Aと、を備えている。複合機50は、論理的なインターフェースとして、Port9100 I/F71Bと、LPR I/F72Bと、IPP I/F73Bと、SNMP I/F74Bと、を備えている。
【0037】
<印刷ジョブ用のインターフェース>
Port9100 I/F71Aは、Port9100プロトコルによってPort9100 I/F71Bと通信を行う。LPR I/F72Aは、LPRプロトコルによってLPR I/F72Bと通信を行う。IPP I/F73Aは、IPPプロトコルによってIPP I/F73Bと通信を行う。これらPort9100 I/F71A,71Bと、LPR I/F72A,72Bと、IPP I/F73A,73Bとは、印刷ジョブの送受信が行われるインターフェースである。PC10の上記ネットワークI/F20Aは、複合機50の上記ネットワークI/F51Aと接続されており、上記の各通信は、ネットワークI/F20A,51Aを介して行われる。
Port9100 I/F71A、LPR I/F72A、及びIPP I/F73Aと、プリンタドライバ28とのデータの送受は、プリンタドライバ28の依頼に基づき、OS32によって行われる。
【0038】
<先行コマンド及び先行コマンド用のインターフェース>
PC10は、印刷ジョブを複合機50に送信するのに先立って、先行コマンドを複合機50に送信する。なお、この先行コマンドが付帯コマンドの一例である。先行コマンドは、複合機50に印刷処理の準備動作の実行を指示するものである。準備動作とは、具体的には、印刷部63のノズルを覆うキャップを移動させ、ノズルを露出させるアンキャップ動作等である。先行コマンドが送信されることにより、印刷ジョブの送信から最初の一枚目のシートが印刷されるまでの時間を短縮することができる。
【0039】
SNMP I/F74A,74Bは、上記印刷ジョブに付帯する上記先行コマンドのやり取りと、MIB61に対する情報の要求及び応答のやり取りと、等を行うインターフェースである。SNMP I/F74Aは、SMNPプロトコルによってSNMP I/F74Bと通信を行う。PC10の上記ネットワークI/F20Bは、複合機50の上記ネットワークI/F51Bと接続されており、上記の通信は、上記ネットワークI/F20A,51Aと異なる上記ネットワークI/F20B,51Bを介し行われる。
SNMP I/F74Aとプリンタドライバ28とのデータの送受は、プリンタドライバ28によって行われる。
【0040】
なお、プリンタドライバ28に代えて、ユーザにより適宜にインストールされたアプリケーションプログラムが用いられる場合がある。この場合には、Port9100 I/F71A、LPR I/F72A、及びIPP I/F73Aと、プリンタドライバ28とのデータの送受は、上記アプリケーションプログラムの依頼に基づき、OS32によって行うこともできる。その場合、SNMP I/F74Aとのデータの送受については、当該アプリケーションプログラムが直接行ってもよい。
【0041】
また上記同様にプリンタドライバ28に代えアプリケーションプログラムを用いる場合に、OS32に代わり当該アプリケーションプログラムが直接Port9100 I/F71A、LPR I/F72A、IPP I/F73Aとのデータの送受を行ってもよい。その場合さらに、SNMP I/F74Aとのデータの送受についても、当該アプリケーションプログラムが直接行ってもよい。
【0042】
<SNMP I/F74Bにおける情報受信処理>
図4に示すように、複合機50は、上記印刷部制御モジュール60の実行等により機能的に実現される印刷制御部81を有し、印刷部63の動作は印刷制御部81によって制御される。
複合機50では、ネットワークI/F51B及びSNMP I/F74Bを介して受信する情報に応じ、上記CPU52により、上記印刷制御部81に対する指示の出力、MIB61を介した情報の書き込み、MIB61を介した情報の読み出し、等が行われる。
【0043】
ネットワークI/F51Bを介しSNMP I/F74Bで受け付けられMIB61を介しメモリ58内の適宜の記憶領域へと書き込まれる情報としては、上記先行コマンド、EWS用の情報、及びTelnetの情報、等がある。なお、これらの情報は、受け付けた順番に、順次CPU52により処理される。よって、例えば複数のPC10の接続時に、接続された複数のPC10それぞれから複数の先行コマンドが順次受信された場合は、先行する先行コマンドの処理が終了するまで、後続の先行コマンドの処理は待機される。なお、これらの処理は、プリンタプログラム59をCPU52が実行すること等により実現される。
【0044】
<先行コマンドを用いた印刷ジョブの予約>
本実施形態においては、上記先行コマンドを用いて、印刷ジョブの実行を予め予約しておくことができる。その印刷ジョブの実行予約、及び、予約された印刷ジョブの実行を、図5図7図8、及び図9のフローチャートを用いて説明する。
【0045】
<印刷ジョブの予約>
まず、印刷ジョブの予約を行うために、PC10のCPU12によって実行される制御手順を図5に示す。図5の制御手順は、例えば上記アプリケーションプログラム26に含まれる本実施形態による上記印刷処理プログラムにより実行される。また、印刷ジョブの予約を行うために、複合機50のCPU52によって実行される制御手順を図7に示す。図7の制御手順は、例えばプリンタプログラム59に含まれる本実施形態による上記印刷プログラムにより実行される。これらの実行によって本実施形態による以下の処理方法が実現される。
【0046】
まず、図5のS5で、ネットワークI/F20Bを介し、ユーザの入力I/F18を介した適宜の操作により、所望の印刷ジョブの実行時刻の指定を含む先行コマンドがPC10から複合機50へ送信される。なお、上記所望の印刷ジョブが第2印刷ジョブの一例である。またこのS5で実行される処理が付帯コマンド送信処理の一例である。
【0047】
このときに送信される、本実施形態における先行コマンドの構成の一例を図6に示す。図6に示すように、本実施形態の先行コマンドは、ヘッダ部分、フッタ部分、及び、印刷ジョブとの対応付けを行うためのJOB ID以外に、各種の情報が含まれている。すなわち、この例では、当該印刷ジョブの実行時における解像度情報、色情報、用紙タイプ情報、用紙サイズ情報、部数情報、両面情報、印字品質情報、及び、当該印刷ジョブの実行時刻が含まれている。この実行時刻は、当該印刷ジョブの開始時刻でもよいし、終了時刻であってもよい。以下、この実行時刻が印刷ジョブの開始時刻である場合を例にとって説明する。なお、JOB IDは識別情報の一例であり、この印刷ジョブの実行時刻が、印刷ジョブの実行予約の指定時刻の一例である。また、解像度情報、色情報、用紙タイプ情報、用紙サイズ情報、部数情報、両面情報、及び、印字品質情報が、印刷属性情報の一例である。
【0048】
図5に戻り、S5の後は、S10において、ユーザの入力I/F18を介した適宜の操作により、上記先行コマンドに含まれるJOB IDに対応した印刷ジョブが作成される。
【0049】
図5のS10で送信された先行コマンドは、図7のS105において、ネットワークI/F51Bを介し、複合機50において受信される。このS105で実行される処理が付帯コマンド受信処理の一例である。その後、S110で、受信した先行コマンドに含まれるJOB IDの印刷ジョブに基づく印刷が、先行コマンドに含まれる上記実行時刻に実行可能であるか否か、が判定される。S110で実行される処理が、時刻判断処理の一例である。このときの判定には、メモリ58内に記憶されている予約データベースRDが参照される。すなわち、予約データベースRDには、後述の図13に略示するように、予約済の各印刷ジョブのJOB IDと当該印刷ジョブの開始時刻及び終了時刻とが対応付けられて、登録されている。このS110での判定では、受信した先行コマンドにおいて指定されている上記実行時刻が、予約データベースRDにおいて開始時刻及び終了時刻により規定される予約済の印刷ジョブの実行時間帯に対し重ならないか否かが判定される。
【0050】
先行コマンドに係る印刷ジョブの上記実行時刻が予約済の印刷ジョブの実行時間帯に重ならず当該印刷ジョブを実行可能であればS110はYes判定され、S115に移行する。S115では、当該印刷ジョブが実行可能であることを表すジョブ実行可能通知がCPU52から出力される。このジョブ実行可能通知が印刷可能通知の一例である。その後、S120でそのジョブ実行可能通知がネットワークI/F51Bを介しPC10へ送信される。なお、実行可能通知が予約関連情報の一例であり、またS120は関連情報送受信ステップの一例であり、S120で実行される処理が印刷通知送信処理の一例であり、関連情報送信処理の一例でもある。その後、後述のS155に移行する。
【0051】
一方、先行コマンドに係る印刷ジョブの上記実行時刻が予約済の印刷ジョブの実行時間帯に重なり当該実行時刻では当該印刷ジョブを実行不可能であればS110はNo判定され、S125に移行する。なお、上記先行コマンドに係る印刷ジョブを、以下適宜、「未予約ジョブ」と称する。S125では、予約データベースRDを参照しつつ、上記未予約ジョブを実行可能な、他の実行可能時間が模索される。具体的には、例えば、予約データベースRD中に登録済の各印刷ジョブの実行時間帯と重ならない時間帯であって、当該未予約ジョブの実行に要する所要時間よりも長い時間帯が検索される。なお、このような時間帯のことを以下適宜、「空き時間帯」と称する。この空き時間帯の中から、上記未予約ジョブの実行可能時間が複数決定される。このときの所要時間の算出には、上記先行コマンドに含まれる前述の印刷属性情報が用いられる。この所要時間を算出する処理が、印刷時間算出処理の一例である。
【0052】
なお、上記空き時間帯中において上記実行可能時間を決定する際には、例えば、以下の内容を考慮して決定を行うようにしてもよい。
すなわち、電力料金抑制又は電力消費ピーク低減等の観点から、電力消費が逼迫しているような時間帯を避ける。例えば、ユーザ自らが最も電力を消費する時間帯を上記入力I/F18を介し入力するか、若しくは、世間一般において電力消費が最も高くなる時間帯が予め設定されており、その時間帯を避けて実行可能時間が決定される。逆に電力消費が最も低くなる時間帯、例えば20時以降の夜間帯等を優先的に採用して実行可能時間を決定してもよい。
あるいは、複合機50のスリープ状態を避けるようにして上記実行可能時間を決定してもよい。すなわち、通常、複合機50は、非動作時間が所定長さに達したことによって各動作機構が休眠化する、いわゆるスリープ機能が備えられていることが多い。そして、複合機50は、通常、いったん休眠化した後にその休眠化を解除すると、その解除時に比較的大きな電力を消費する性質がある。例えば予約データベースRD中の空き時間帯において前後すぐに別の印刷ジョブの実行時間帯がそれぞれ存在し、それら2つの実行時間帯の間で上記未予約ジョブを実行することによって休眠化を回避できる場合は、そこに優先的に実行可能時間帯を設定する。これにより、それら2つのうち先行する印刷ジョブの後に休眠化した後に後続の印刷ジョブの前に休眠化が解除されることで大きな電力を消費するのを防止できる。
逆に空き時間帯において別々の印刷ジョブの実行時間帯の間が大きく空いている場合は、それら2つの実行時間帯の間には実行可能時間を設定しないようにしてもよい。もしそのタイミングに未予約ジョブを実行すると、2つのうち先行する印刷ジョブの後に休眠化した後、未予約ジョブ実行の際に休眠化が解除されその実行後にまた休眠化し、2つのうち後続の印刷ジョブ実行の際にまた休眠化解除されて、多大な電力を消費するからである。
【0053】
S125の後、S130で、上記の結果決定された複数の実行可能時間がCPU52から出力される。このS130で実行される処理及び上記S115で実行される処理が、判断結果出力処理の一例である。その後、S135で、それら出力された複数の実行可能時間が、未予約ジョブを実行する複数の候補時刻としてネットワークI/F51Bを介しPC10へ送信される。なお、上記実行可能時間すなわち候補時刻が予約関連情報の一例であり、S135は関連情報送受信ステップの一例であり、S135で実行される処理が印刷時刻送信処理の一例であり、関連情報送信処理の一例でもあり、関連情報送受信処理の一例でもある。
【0054】
PC10では、図5のS10の後、S15において、上記S115で送信されたジョブ実行可能通知若しくは上記S135で送信された複数の候補時刻がネットワークI/F20Bを介し受信される。またS15は関連情報送受信ステップの一例であり、S15で実行される処理が印刷時刻受信処理の一例であり、関連情報受信処理の一例でもある。その後、S20で、S15で受信されたものが実行可能通知であったか否かが判定される。
【0055】
受信されたものが上記実行可能通知であった場合はS20はYes判定され、後述のS45へ移行する。一方、受信されたものが上記候補時刻であった場合はS20はNo判定されてS25へ移行する。S25では、受信された複数の候補時刻が例えばLCD16に一覧表示され、その一覧の中から、ユーザの入力I/F18を介した操作によりいずれか1つの候補時刻が選択されたか否かが判定される。このとき選択された候補時刻がCPU12により入力される処理が、時刻選択入力処理の一例である。またいずれかの候補時刻が選択されれば当該印刷ジョブは実行可とされたことになり、いずれの候補時刻も選択されなければ当該印刷ジョブは実行不可とされたことになるため、S25で実行される処理は実行可否受付処理の一例に相当している。どの候補時刻も選択されなかった場合はNo判定され、S30で、未予約ジョブの実行を断念した旨の断念通知がネットワークI/F20Bを介し複合機50へ送信された後、S35でS10で作成済の印刷ジョブが削除される。S30は関連情報送受信ステップの一例であり、断念通知は予約関連情報の一例である。一方、S25でいずれか1つの候補時刻が選択された場合はYes判定され、S40で、その選択された候補時刻がネットワークI/F20Bを介し複合機50へ送信される。選択された候補時刻が特定の印刷可能時刻の一例であり、予約関連情報の一例でもある。またS40は関連情報送受信ステップの一例であり、S40で実行される処理が特定時刻送信処理の一例であるとともに、関連情報送信処理の一例でもある。また、S40で実行される処理と上記S30で実行される処理とが、実行可否送信処理の一例であり、関連情報送信処理の一例でもある。
【0056】
複合機50では、図7のS135の後、S140で、上記PC10から送信された前述の断念通知又は選択された候補時刻が受信される。選択された候補時刻を受信した場合にS140は関連情報送受信ステップの一例であり、S140で実行される処理が特定時刻受信処理の一例であるとともに、関連情報受信処理の一例でもあり、関連情報送受信処理の一例でもある。また、S140は関連情報送受信ステップの一例であり、S140で実行される処理は、実行可否受信処理の一例であり、関連情報受信処理の一例でもあり、関連情報送受信処理の一例でもある。その後、S145で、S135で送信した候補時刻のうちの1つがS140で受信されたか否かが判定される。上記断念通知が受信されていた場合はNo判定され、S150で、S105で受信済の先行コマンドが削除される。なお、これに代えて、S150で、例えばネットワークI/F51B及びネットワークI/F20Bを介してPCへ適宜の通知を送信し、S10で作成済の印刷ジョブを削除するようにしてもよい。いずれにしても印刷ジョブの予約が成立しないようにすれば足りる。これらS150で実行される処理が、非成立化処理の一例である。
【0057】
一方、S140で上記1つの候補時刻が受信されていればS145はYes判定され、S155に移行する。S155では、S105で受信した先行コマンドに含まれていた未予約ジョブのJOB IDと、未予約ジョブを実行する時刻を予約データベースRDに登録する。このとき、S145がYes判定されてS155に移行した場合は、S140で受信された1つの候補時刻に基づき、未予約ジョブの実行が指定される指定時刻の予約データベースRDへの登録が行われる。S120からS155に移行した場合は、S105で受信した先行コマンドに含まれていた指定時刻に基づき、未予約ジョブの実行が指定される指定時刻の予約データベースRDへの登録が行われる。これにより、上記未予約ジョブの予約データベースRDへの登録、すなわち印刷ジョブの予約が、完了する。その後、このフローを終了する。
【0058】
一方、PC10では、上記S20又はS40の後のS45で、未予約ジョブの実行が
指定された指定時刻が比較的すぐに迫っているか否かが判定される。すなわち、S20がYes判定されてS45へ移行した場合は、S5で送信した先行コマンドにおいて指定した印刷ジョブの実行時刻が上記指定時刻となる。S40で1つの候補時刻が選択されてS45へ移行した場合は、S40で選択した候補時刻が上記指定時刻となる。指定時刻が迫っているか否かの判定は、例えば、現在時刻に対する指定時刻までの残余時間が、所定の閾値以下であるか否かにより行われる。閾値は、例えば1分~数分程度とすることができる。
【0059】
指定時刻がすぐには迫っていない場合はS45がNo判定され、S50へ移行する。S50では、S10で作成した印刷ジョブがメモリ14のデータ記憶領域34に記憶されるか、若しくは、ネットワークI/F20Aを介し情報管理サーバ70へ送信されて情報管理サーバ70内で記憶される。その後、このフローを終了する。指定時刻がすぐに迫っていた場合はS45がYes判定され、後述の図8のS65へ移行する。なお、前述のS10における印刷ジョブの作成を、このS45がYes判定されたタイミングで実行するようにしてもよい。
【0060】
<印刷ジョブの実行>
次に、上記のようにして予約された印刷ジョブを実行するために、PC10のCPU12によって実行される制御手順を図8に示す。図8の制御手順は、上記同様、アプリケーションプログラム26に含まれる印刷処理プログラムにより実行される。また、予約された印刷ジョブを実行するために、複合機50のCPU52によって実行される制御手順を図9に示す。図9の制御手順は、上記同様、プリンタプログラム59に含まれる印刷プログラムにより実行される。これらの実行によって本実施形態による以下の処理方法が実現される。
【0061】
まず、図8のS55で、図5のS45ではすぐには迫っていなかった上記指定時刻が到来したか否かが、判定される。指定時刻になったらYes判定され、S60で、データ記憶領域34に記憶されていた若しくは情報管理サーバ70内に記憶されていた印刷ジョブが読み出される。
【0062】
その後、上記S60又は前述の図5のS45から移行したS65で、S60で読み出された印刷ジョブがネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介し複合機50へと送信される。S65が印刷ジョブ送信ステップの一例であり、S65で実行される処理が、印刷ジョブ送信処理の一例である。その後、このフローを終了する。
【0063】
一方、複合機50では、図9に示すS160で、上記図8のS65で送信された印刷ジョブがネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介し受信される。S160は印刷ジョブ受信ステップの一例であり、S160で実行される処理が、印刷ジョブ受信処理の一例である。その後、S165で、印刷制御部81を介し印刷部63が制御され、S160で受信された印刷ジョブに基づく印刷が実行され、このフローを終了する。なお、S165は印刷ステップの一例であり、S165で実行される処理が印刷処理の一例である。
【0064】
<予約の取り消し>
本実施形態においては、上記のようにして予約された印刷ジョブを、当該印刷ジョブの実行前であれば、取り消すことができる。そのような印刷ジョブの予約の取り消しを実行するために、PC10のCPU12及び複合機50のCPU52によって実行される制御手順を、図10及び図11のシーケンスに示す。これら図10及び図11の制御手順は、アプリケーションプログラム26に含まれる本実施形態による上記印刷処理プログラム、及び、プリンタプログラム59に含まれる本実施形態による上記印刷プログラムにより実行される。これらの実行によって本実施形態による以下の処理方法が実現される。
【0065】
まず、図10を用いて、PC10側から予約を取り消すキャンセル操作がなされた場合について説明する。図10において、まずS210で、PC10では、ユーザの入力I/F18を介した適宜の操作により、既に予約済の印刷ジョブのJOB IDを指定してキャンセル操作がなされたか否かが判定される。このときのキャンセル操作を受け付ける処理がキャンセル受付処理の一例である。キャンセル操作がなされたらYes判定され、S220で、そのキャンセル操作に対応し、上記指定されたJOB IDを含むキャンセル指示がネットワークI/F20Bを介し複合機50へ送信される。このキャンセル指示は第1キャンセル指示の一例であり、予約関連情報の一例でもある。またS220は関連情報送受信ステップの一例であり、S220で実行される処理は、第1キャンセル指示送信処理の一例であり、関連情報送信処理の一例でもあり、関連情報送受信処理の一例でもある。
【0066】
複合機50では、S230で、上記S220でPC10から送信されたキャンセル指示がネットワークI/F51Bを介して受信される。S230は関連情報送受信ステップの一例であり、S230で実行される処理は、第1キャンセル指示受信処理の一例であり、関連情報受信処理の一例でもあり、関連情報送受信処理の一例でもある。その後、S240で、キャンセル指示に含まれていたJOB IDが予約データベースRDにおいて検索され、当該JOB ID、言い換えれば当該JOB IDを備えたレコード全体が予約データベースRDから削除され、シーケンスを終了する。なお、S240で実行される処理が第1無効化処理の一例である。
【0067】
次に、図11を用いて、複合機50側から予約を取り消すキャンセル操作がなされた場合について説明する。図11において、まずS250で、複合機50では、ユーザの入力I/F55を介した適宜の操作により、既に予約済の印刷ジョブのJOB IDを指定してキャンセル操作がなされたか否かが判定される。このときのキャンセル操作を受け付ける処理がキャンセル受付処理の一例である。キャンセル操作がなされたらYes判定され、S260で、そのキャンセル操作に対応し、上記指定されたJOB IDを含むキャンセル通知がネットワークI/F51Bを介しPC10へ送信される。このキャンセル通知は予約関連情報の一例である。またS260は関連情報送受信ステップの一例であり、S260で実行される処理は、キャンセル通知送信処理の一例であり、関連情報送信処理の一例でもあり、関連情報送受信処理の一例でもある。PC10では、S270で、上記S260で複合機50から送信されたキャンセル通知がネットワークI/F20Bを介して受信される。このS270は関連情報送受信ステップの一例であり、S270で実行される処理は、キャンセル通知受信処理の一例であり、関連情報受信処理の一例でもあり、関連情報送受信処理の一例でもある。これにより、例えばLCD16において、当該キャンセル通知に対応した所定のアラーム表示等が行われる。
【0068】
一方、S260の後、複合機50では、S280で、キャンセル操作で指定されたJOB IDが予約データベースRDにおいて検索され、当該JOB ID、言い換えれば当該JOB IDを備えたレコード全体が予約データベースRDから削除される。なお、S280で実行される処理が第1無効化処理の一例である。そして、シーケンスを終了する。
【0069】
なお、S240及びS280でJOB IDを予約データベースRDから削除するのに限られず、他の手法で当該印刷ジョブの実行予約を無効化するようにしてもよい。例えば、予約データベースRDにおける当該JOB IDのレコードを削除せず、当該レコードに対し、印刷ジョブを不実行とするフラグ、若しくは、レコードを無視するフラグを付加する等を行うようにしてもよい。あるいは、当該JOB IDを備えた印刷ジョブを複合機50において受信しないようにする、若しくは、受信しても無視して実行しないようにする、等であってもよい。いずれにしても、当該印刷ジョブの実行予約を事実上無効化するようにすれば足りる。
【0070】
なお、以上の説明における、PC10と複合機50との間の情報送受の概略をまとめて図12に示す。
【0071】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の印刷システム1においては、複合機50とPC10とが備えられる。複合機50は印刷ジョブを受信するネットワークI/F51Aを有しており、これに対応して、PC10はそのネットワークI/F51Aと通信するネットワークI/F20Aを有する。複合機50はまた、先行コマンドを受信するネットワークI/F51Bを有しており、これに対応して、PC10はそのネットワークI/F51Bと通信するネットワークI/F20Bを有する。すなわち、複合機50とPC10との間には、ネットワークI/F51A及びネットワークI/F20Aを介した通信経路と、ネットワークI/F51B及びネットワークI/F20Bを介した通信経路とが、別々に存在している。
【0072】
予約による印刷ジョブの実行は、上記2つの通信経路のうち1つの通信経路を介し行われる。すなわち、印刷ジョブを実行するように予約された指定時刻になったら、PC10から、ネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介し印刷ジョブが送信される。その送信された印刷ジョブは、複合機50により、ネットワークI/F51A及びネットワークI/F20Aを介して受信される。
【0073】
そして、上記2つの通信経路のうち別の通信経路を介し、予約関連情報の送受が行われる。すなわち、複合機50及びPC10のうち一方から、上記印刷ジョブとは別の印刷ジョブの実行予約に関する予約関連情報が、ネットワークI/F51B及びネットワークI/F20Bを介し送信される。この送信された予約関連情報は、複合機50及びPC10のうち他方により、ネットワークI/F20B及びネットワークI/F51Bを介し受信される。
【0074】
以上により、本実施形態の印刷システム1においては、上記のようにネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介して印刷ジョブが送受信されている間であっても、ネットワークI/F51B及びネットワークI/F20Bを介して別の印刷ジョブに関する予約関連情報の送受信を行うことができる。その結果、ユーザにとっての利便性を向上することができる。
【0075】
また、本実施形態では特に、実行予約の指定時刻に基づいて、当該指定時刻において対応する印刷ジョブが実行可能か否かが判断される。これにより、印刷ジョブの実行予約に指定された時刻に既に他の印刷ジョブが予約されているか否かを判断し、他の印刷ジョブが予約されていれば二重予約を防止することができる。
【0076】
また、本実施形態では特に、ネットワークI/F20B及びネットワークI/F51Bを介してPC10から複合機50へ送られる先行コマンドに、印刷ジョブの実行予約の指定時刻を含ませる。これにより、ネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介して印刷ジョブが送受信されている間であっても、別の印刷ジョブの指定時刻の送受信を確実に行うことができる。
【0077】
また、本実施形態では特に、指定時刻に印刷ジョブが実行可能な場合はジョブ実行可能通知が出力され、実行不可の場合は候補時刻が出力される。これにより、ユーザは、ジョブ実行可能通知が出力された場合には、実行予約で指定した時刻でそのまま印刷ジョブを実行でき、候補時刻が出力された場合には、指定した時刻に他の印刷ジョブが予約され、別の時刻でしか実行できないことを認識することができる。
【0078】
また、本実施形態では特に、ジョブ実行可能通知の送信も、候補時刻の送信も、ネットワークI/F51B及びネットワークI/F20Bを介して行われる。これにより、ネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介して印刷ジョブが送受信されている間であっても、別の印刷ジョブに係わるジョブ実行可能通知又は候補時刻の送信を確実に行うことができる。
【0079】
また、本実施形態では特に、複合機50又はPC10で予約済の印刷ジョブのキャンセルが受け付けられ、さらにこれに対応して複合機50において当該印刷ジョブの実行の無効化が行われる。これにより、ユーザが既に予約されている印刷ジョブの実行を取り消したい場合に、当該実行予約を無効化し、当該印刷ジョブが実行されないようにすることができる。
【0080】
また、本実施形態では特に、ユーザがPC10においてキャンセル操作を行うと、対応するキャンセル指示がPC10からネットワークI/F20B及びネットワークI/F51Bを介し複合機50へ送信され、複合機50において対応する予約済の印刷ジョブの無効化が行われる。これにより、ネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介して別の印刷ジョブが送受信されている間であっても、予約済の印刷ジョブに係わるキャンセル指示を確実に送受信することができる。この結果、確実に印刷済の印刷ジョブが実行されないようにすることができる。
【0081】
また、本実施形態では特に、既に予約済の印刷ジョブのJOB IDが、複合機50に記憶された予約データベースRDに記録されている。そして、キャンセル指示がPC10からネットワークI/F20B及びネットワークI/F51Bを介し複合機50により受信されると、当該キャンセル指示に含まれるJOB IDと同一のJOB IDが上記予約データベースRDから削除される。これにより、確実に当該印刷ジョブが実行されないようにすることができる。
【0082】
また、本実施形態では特に、ユーザが複合機50においてキャンセル操作を行うと、対応する予約済の印刷ジョブの無効化が複合機50において行われる。一方、対応するキャンセル通知が複合機50からネットワークI/F51B及びネットワークI/F20Bを介しPC10へ送信されることで、PC10に対し、複合機50側においてキャンセル操作が行われたことが通知される。これにより、ネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Bを介して印刷ジョブが送受信されている間であっても、別の印刷ジョブに係わる上記キャンセル通知を確実に送受信することができる。
【0083】
また、本実施形態では特に、指定時刻以外で印刷ジョブをそれぞれ実行可能な時刻を表す複数の候補時刻が出力される。これにより、ユーザは、予約の指定時刻に他の印刷ジョブが予約されているものの、出力された複数の候補時刻ならば印刷ジョブを実行できることを認識できる。
【0084】
また、本実施形態では特に、複合機50から複数の候補時刻が出力されると、それら複数の候補時刻が複合機50からネットワークI/F51B及びネットワークI/F20Bを介しPC10へ送信される。これにより、ネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介して印刷ジョブが送受信されている間であっても、それとは別の予約しようとする印刷ジョブを実行するときの複数の候補時刻を確実に送受信することができる。
【0085】
また、本実施形態では特に、複数の候補時刻からユーザにより選択された特定の候補時刻が入力される。これにより、ユーザが、複数の候補時刻の中から、自らの所望の時刻を、予約する印刷ジョブの実行時刻として指示入力することができる。
【0086】
また、本実施形態では特に、PC10において複数の候補時刻の中から特定の候補時刻が入力されると、その特定の候補時刻がPC10からネットワークI/F20B及びネットワークI/F51Bを介し複合機50へ送信される。これにより、ネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介して印刷ジョブが送受信されている間であっても、ユーザが別の印刷ジョブの実行を希望する時刻を確実に送受信できる。すなわち、1つの印刷ジョブが送受信中であっても、ユーザは、別の印刷ジョブを実行する時間の調整を行うことができる。
【0087】
また、本実施形態では特に、複数の候補時刻に対応したユーザの意思を表す印刷ジョブの実行可否が受け付けられる。これにより、ユーザは、提示された複数の候補時刻に基づき、自らの判断で、それらのうちいずれかの候補時刻にて印刷ジョブを実行するか、あるいは、印刷ジョブの実行を断念するか、を指示入力することができる。
【0088】
また、本実施形態では特に、PC10において印刷ジョブの実行可否が受け付けられると、その実行可否がPC10からネットワークI/F20B及びネットワークI/F51Bを介し複合機50へ送信される。これにより、ネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介して印刷ジョブが送受信されている間であっても、ユーザによる別の印刷ジョブの実行可否を確実に送受信できる。すなわち、ある印刷ジョブが送受信中であっても、ユーザは、別の印刷ジョブを実行するかしないかの選択を行うことができる。
【0089】
また、本実施形態では特に、ユーザからの印刷ジョブの非実行が受け付けられた場合、さらにこれに対応して複合機50により非成立化処理が行われる。これにより、ユーザが予約しようとしていた印刷ジョブの実行を諦める場合に、当該印刷ジョブの実行予約を成立させず、当該印刷ジョブが実行されないようにすることができる。
【0090】
また、本実施形態では特に、ネットワークI/F20B及びネットワークI/F51Bを介してPC10から複合機50へ送られる先行コマンドに、印刷ジョブの印刷属性情報が含まれる。そして、複合機50は、受信した先行コマンドの印刷属性情報に基づき、当該印刷ジョブの実行に必要な所要時間を算出する。これにより、印刷属性情報に示される印刷ジョブの印刷属性に基づき対応する印刷ジョブの所要時間を算出し、既に予約済の他の印刷ジョブの印刷時間との重複の有無を判定することができる。
【0091】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜、説明を省略又は簡略化する。
【0092】
(1)予約データベースをPC内に設ける場合
上記実施形態では、図2に示したように、複合機50のメモリ58に予約データベースRDが設けられていたが、これに限られない。すなわち、上記図2に対応する図13に示すように、PC10のメモリ14に予約データベースRD′を設けるようにしてもよい。
【0093】
本変形例における、印刷ジョブの実行予約、及び、予約された印刷ジョブの実行を、図14及び図15、並びに前述の図8及び図9のフローチャートを用いて説明する。
【0094】
<印刷ジョブの予約>
まず、印刷ジョブの予約を行うために、本変形例のPC10のCPU12によって実行される制御手順を、前述の図5に対応する図14に示す。図14の制御手順は、例えば上記アプリケーションプログラム26に含まれる本変形例による上記印刷処理プログラムにより実行される。また、印刷ジョブの予約を行うために、本変形例の複合機50のCPU52によって実行される制御手順を、前述の図7に対応する図15に示す。図15の制御手順は、例えばプリンタプログラム59に含まれる本変形例による上記印刷プログラムにより実行される。これらの実行によって本変形例による以下の処理方法が実現される。
【0095】
まず、図14のS3で、ユーザの入力I/F18を介した適宜の操作により、予約しようとする所望の印刷ジョブの実行時刻の指定が受け付けられる。その後、図5のS5と同様、S5′において、ネットワークI/F20Bを介し、上記印刷ジョブに対応する先行コマンドがPC10から複合機50へ送信される。なお、上記所望の印刷ジョブが第2印刷ジョブの一例である。このときに送信される、本変形例における先行コマンドの構成は、例えば前述の図6に示したものから、当該印刷ジョブの実行時刻を除いたものである。送信された先行コマンドは、図7と同様の図15のS105において、ネットワークI/F51Bを介し、複合機50において受信される。
【0096】
S5′の後は、図5と同様のS10において、ユーザの入力I/F18を介した適宜の操作により、上記先行コマンドに含まれるJOB IDに対応した印刷ジョブが作成される。その後、図7のS110に対応するS110′で、S10で作成された印刷ジョブに基づく印刷が、S3で受け付けた上記実行時刻に実行可能であるか否か、が判定される。S110′で実行される処理が、時刻判断処理の一例である。本変形例では、このときの判定には、メモリ14内に記憶されている予約データベースRD′が参照される。予約データベースRD′の内容は、前述の予約データベースRDと同様、予約済の各印刷ジョブのJOB IDと当該印刷ジョブの開始時刻及び終了時刻とが対応付けられ登録されたものである。このS110′での判定では、S3で指定されている上記実行時刻が、予約データベースRDにおいて開始時刻及び終了時刻により規定される予約済の印刷ジョブの実行時間帯に対し重ならないか否かが判定される。
【0097】
予約しようとする印刷ジョブの上記実行時刻が予約済の印刷ジョブの実行時間帯に重ならず当該印刷ジョブを実行可能であればS110′はYes判定され、図7のS115に対応するS115′に移行する。S115′では、当該印刷ジョブが実行可能であることを表すジョブ実行可能通知がCPU12から出力される。このジョブ実行可能通知が印刷可能通知の一例である。その後、後述のS20に移行する。
【0098】
一方、予約しようとする印刷ジョブの上記実行時刻が予約済の印刷ジョブの実行時間帯に重なり当該実行時刻では当該印刷ジョブを実行不可能であればS110′はNo判定され、図7のS125に対応するS125′に移行する。なお、本変形例では、予約しようとしている印刷ジョブを、以下適宜、「未予約ジョブ」と称する。S125′では、予約データベースRDを参照しつつ、上記未予約ジョブを実行可能な、他の実行可能時間が模索される。なお、本変形例においてもこのような時間帯のことを以下適宜、「空き時間帯」と称する。この空き時間帯の中から、上記未予約ジョブの実行可能時間が複数決定される。本変形例では、このときの所要時間の算出には、例えば上記S3での実行時刻の入力の際に入力された未予約ジョブの印刷属性情報が用いられる。
【0099】
S125′の後、図7のS130に対応するS130′で、上記の結果決定された複数の実行可能時間がCPU12から出力される。このS130′で実行される処理及び上記S115′で実行される処理が、判断結果出力処理の一例である。その後、後述のS20に移行する。
【0100】
その後、図5と同様のS20で、S115′でCPU12から出力されたものが実行可能通知であったか否かが判定される。出力されたものが上記実行可能通知であった場合はS20はYes判定され、後述のS155′へ移行する。一方、受信されたものが上記候補時刻であった場合はS20はNo判定されて図5と同様のS25へ移行する。S25では、出力された複数の候補時刻が例えばLCD16に一覧表示され、その一覧の中から、ユーザの入力I/F18を介した操作によりいずれか1つの候補時刻が選択されたか否かが判定される。このとき選択された候補時刻がCPU12により入力される処理が、時刻選択入力処理の一例である。またいずれかの候補時刻が選択されれば当該印刷ジョブは実行可とされたことになり、いずれの候補時刻も選択されなければ当該印刷ジョブは実行不可とされたことになるため、本変形例においてもS25で実行される処理は実行可否受付処理の一例に相当している。どの候補時刻も選択されなかった場合はNo判定され、図5と同様、S30で、未予約ジョブの実行を断念した旨の断念通知がネットワークI/F20Bを介し複合機50へ送信された後、S35でS10で作成済の印刷ジョブが削除される。S30は関連情報送受信ステップの一例であり、断念通知は予約関連情報の一例である。一方、S25でいずれか1つの候補時刻が選択された場合はYes判定され、S40で、後述のS155′へ移行する。
【0101】
複合機50では、図15のS105の後、S145′で、PC10から、ネットワークI/F51Bを介し前述の断念通知が受信されたか否かが判定される。上記断念通知が受信されていた場合はYes判定され、図7と同様のS150で、S105で受信済の先行コマンドが削除される。これにより、印刷ジョブの予約が成立しないように図られる。このS150で実行される処理が、本変形例においても非成立化処理の一例である。S145′で上記断念通知が受信されていなければS145′はNo判定され、このフローを終了する。
【0102】
一方、その後、PC10では、S20又はS25でYes判定されて移行した、図7のS155に対応するS155′で、S10で作成された未予約ジョブに付されたJOB IDと、未予約ジョブを実行する時刻を予約データベースRD′に登録する。このとき、S25がYes判定されてS155′に移行した場合は、S25で選択された1つの候補時刻に基づき、未予約ジョブの実行が指定される指定時刻の予約データベースRD′への登録が行われる。S20からS155′に移行した場合は、S3で受け付けられた指定時刻に基づき、未予約ジョブの実行が指定される指定時刻の予約データベースRD′への登録が行われる。これにより、上記未予約ジョブの予約データベースRD′への登録、すなわち印刷ジョブの予約が、完了する。
【0103】
その後、PC10では、図5と同様のS45で、未予約ジョブの実行が指定された指定時刻が比較的すぐに迫っているか否かが判定される。すなわち、S20がYes判定されてS155′へ移行した場合は、S3で受け付けた印刷ジョブの実行時刻が上記指定時刻となる。S25で1つの候補時刻が選択されてS45へ移行した場合は、S40で選択した候補時刻が上記指定時刻となる。指定時刻が迫っているか否かの判定は、例えば指定時刻までの残余時間が、所定の閾値以下であるか否かにより行われる。
【0104】
指定時刻がすぐには迫っていない場合はS45がNo判定され、図5と同様のS50へ移行する。S50では、S10で作成した印刷ジョブがメモリ14のデータ記憶領域34に記憶されるか、若しくは、ネットワークI/F20Aを介し情報管理サーバ70へ送信されて情報管理サーバ70内で記憶される。その後、このフローを終了する。指定時刻がすぐに迫っていた場合はS45がYes判定され、前述の図8のS65へ移行する。
【0105】
<印刷ジョブの実行>
前述の実施形態と同様、上記のようにして予約された印刷ジョブを実行するために、PC10のCPU12及び複合機50のCPU52によって実行される制御手順は、それぞれ上記図8及び図9に示されたものと同様となるため、説明を省略する。
【0106】
<予約の取り消し>
本変形例においても、上記実施形態と同様、上記のようにして予約された印刷ジョブを実行前に取り消すことができる。そのような印刷ジョブの予約の取り消しを実行するために、本変形例のPC10のCPU12及び複合機50のCPU52によって実行される制御手順を、上記図10及び図11にそれぞれ対応する図16及び図17のシーケンスにそれぞれ示す。これら図16及び図17の制御手順は、アプリケーションプログラム26に含まれる本変形例による上記印刷処理プログラム、及び、プリンタプログラム59に含まれる本変形例による上記印刷プログラムにより実行される。これらの実行によって本変形例による以下の処理方法が実現される。
【0107】
まず、図16を用いて、PC10側から予約を取り消すキャンセル操作がなされた場合について説明する。図16において、まず図10と同様のS210で、PC10では、ユーザの入力I/F18を介した適宜の操作により、既に予約済の印刷ジョブのJOB IDを指定してキャンセル操作がなされたか否かが判定される。このときのキャンセル操作を受け付ける処理がキャンセル受付処理の一例である。キャンセル操作がなされたらYes判定され、図10のS220に対応するS220′で、そのキャンセル操作に対応し、上記指定されたJOB IDを含むキャンセル通知がネットワークI/F20Bを介し複合機50へ送信される。このキャンセル通知は予約関連情報の一例である。またS220′は関連情報送受信ステップの一例であり、S220で実行される処理は関連情報送信処理の一例でもある。その後、図10のS240に対応するS240′で、キャンセル操作に含まれていたJOB IDが予約データベースRD′において検索され、当該JOB ID、言い換えれば当該JOB IDを備えたレコード全体が予約データベースRD′から削除される。なお、S240′で実行される処理が第2無効化処理の一例である。
【0108】
複合機50では、図10のS230に対応するS230′で、上記S220′でPC10から送信されたキャンセル通知がネットワークI/F51Bを介して受信される。これにより、例えばLCD54において、当該キャンセル通知に対応した所定のアラーム表示等が行われる。S230′は関連情報送受信ステップの一例であり、S230′で実行される処理は、関連情報受信処理の一例でもあり、関連情報送受信処理の一例でもある。その後、S245で、S230′で受信したキャンセル通知に含まれるJOB IDを備えた、既にPC10からネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介し受信済の先行コマンドが削除される。その後、このシーケンスを終了する。
【0109】
次に、図17を用いて、複合機50側から予約を取り消すキャンセル操作がなされた場合について説明する。図17において、まず図11と同様のS250で、複合機50では、ユーザの入力I/F55を介した適宜の操作により、既に予約済の印刷ジョブのJOB IDを指定してキャンセル操作がなされたか否かが判定される。このときのキャンセル操作を受け付ける処理がキャンセル受付処理の一例である。キャンセル操作がなされたらYes判定され、図11のS260に対応するS260′で、そのキャンセル操作に対応し、上記指定されたJOB IDを含むキャンセル指示がネットワークI/F51Bを介しPC10へ送信される。このキャンセル指示は第2キャンセル指示の一例であり、予約関連情報の一例でもある。またS260′は関連情報送受信ステップの一例であり、S260′で実行される処理は、第2キャンセル指示送信処理の一例であり、関連情報送信処理の一例でもあり、関連情報送受信処理の一例でもある。PC10では、図11のS270に対応するS270′で、上記S260′で複合機50から送信されたキャンセル指示がネットワークI/F20Bを介して受信される。このS270′は関連情報送受信ステップの一例であり、S270′で実行される処理は、第2キャンセル指示受信処理の一例であり、関連情報受信処理の一例でもあり、関連情報送受信処理の一例でもある。
【0110】
その後、図11のS280に対応するS280′で、キャンセル指示で指定されたJOB IDが予約データベースRD′において検索され、当該JOB ID、言い換えれば当該JOB IDを備えたレコード全体が予約データベースRD′から削除される。なお、S280′で実行される処理が第2無効化処理の一例である。そして、シーケンスを終了する。
【0111】
なお、上記実施形態と同様、S240′及びS280′でJOB IDを予約データベースRD′から削除するのに限られず、他の手法で当該印刷ジョブの実行予約を無効化するようにしてもよい。例えば、予約データベースRD′における当該JOB IDのレコードを削除せず、当該レコードに対し、印刷ジョブを不実行とするフラグ、若しくは、レコードを無視するフラグを付加する等を行うようにしてもよい。あるいは、当該JOB IDを備えた印刷ジョブを複合機50において受信しないようにする、若しくは、受信しても無視して実行しないようにする、等であってもよい。いずれにしても、当該印刷ジョブの実行予約を事実上無効化するようにすれば足りる。
【0112】
なお、以上の説明における、PC10と複合機50との間の情報送受の概略をまとめて図18に示す。
【0113】
<変形例の効果>
本変形例においても、前述の実施形態と同様の効果を得る。
すなわち、本変形例の印刷システム1においても、ネットワークI/F51A及びネットワークI/F20Aを介した通信経路と、ネットワークI/F51B及びネットワークI/F20Bを介した通信経路とが、別々に存在している。印刷ジョブを実行するように予約された指定時刻になったら、PC10からネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介し印刷ジョブが送信され、複合機50により受信される。そして、複合機50及びPC10のうち一方から、別の印刷ジョブの実行予約に関する予約関連情報が、ネットワークI/F51B及びネットワークI/F20Bを介し送信され、複合機50及びPC10のうち他方により受信される。以上の結果、本変形例の印刷システム1においても、上記のようにネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介して印刷ジョブが送受信されている間であっても、ネットワークI/F51B及びネットワークI/F20Bを介して別の印刷ジョブに関する予約関連情報の送受信を行うことができる。その結果、ユーザにとっての利便性を向上することができる。
【0114】
また、本変形例においても、実行予約の指定時刻において対応する印刷ジョブが実行可能か否かが判断されるので、その指定時刻に既に他の印刷ジョブが予約されているか否かを判断し、他の印刷ジョブが予約されていれば二重予約を防止することができる。
【0115】
また、本変形例においても、指定時刻に印刷ジョブが実行可能な場合はジョブ実行可能通知が出力され、実行不可の場合は候補時刻が出力される。これにより、ユーザは、ジョブ実行可能通知が出力された場合は指定時刻で印刷ジョブを実行でき、候補時刻が出力された場合には別の時刻でしか実行できないことを認識できる。
【0116】
また、本変形例では特に、複合機50又はPC10で予約済の印刷ジョブのキャンセルが受け付けられ、さらにこれに対応してPC10において当該印刷ジョブの実行の無効化が行われる。これにより、ユーザが既に予約されている印刷ジョブの実行を取り消したい場合に、当該実行予約を無効化し、当該印刷ジョブが実行されないようにすることができる。
【0117】
また、本変形例では特に、ユーザが複合機50においてキャンセル操作を行うと、対応するキャンセル指示が複合機50からネットワークI/F51B及びネットワークI/F20Bを介しPC10へ送信され、PC10において対応する予約済の印刷ジョブの無効化が行われる。これにより、ネットワークI/F20A及びネットワークI/F51Aを介して別の印刷ジョブが送受信されている間であっても、予約済の印刷ジョブに係わるキャンセル指示を確実に送受信することができる。この結果、確実に印刷済の印刷ジョブが実行されないようにすることができる。
【0118】
また、本変形例においても、指定時刻以外で印刷ジョブをそれぞれ実行可能な時刻を表す複数の候補時刻が出力されるので、ユーザは、予約の指定時刻に他の印刷ジョブが予約されていて、出力された複数の候補時刻なら印刷ジョブを実行できることを認識できる。
【0119】
また、本変形例においても、ユーザが、複数の候補時刻の中から、自らの所望の時刻を、予約する印刷ジョブの実行時刻として指示入力することができる。
【0120】
また、本変形例においても、複数の候補時刻に対応した印刷ジョブの実行可否が受け付けられることにより、ユーザは、自らの判断で、いずれかの候補時刻にて印刷ジョブを実行するか、あるいは、印刷ジョブの実行を断念するか、を指示入力できる。
【0121】
また、本変形例においても、ユーザからの印刷ジョブの非実行が受け付けられた場合、さらにこれに対応してPC10により非成立化処理が行われる。これにより、ユーザが予約しようとしていた印刷ジョブの実行を諦める場合に、当該印刷ジョブの実行予約を成立させず、当該印刷ジョブが実行されないようにすることができる。
【0122】
(2)その他
また、上記においては、1台の複合機50を備えた印刷システム1を例示したが、これに限られず、複数台の複合機50が含まれる構成でも良く、その場合、少なくとも1台の複合機50において上記手法を適用することで、前述と同様の効果を得る。
【0123】
また、前述した各インターフェースにおいて使用されるプロトコルは一例であり、プロトコルはそれらに限定されない。
【0124】
また、上記では印刷装置の一例として複合機50を例示したが、これに限定されない。例えば、印刷機能だけを有するプリンタでも良い。また、印刷形式はインクジェット方式に限定されず、電子写真方式でも良い。電子写真方式の印刷装置の場合には、例えば、トナーを予め帯電させるための動作、定着器の温度を上昇させるための例えばヒータを加熱する動作等が準備動作となる。また、熱転写方式、感熱方式であっても良い。この場合、内蔵される例えばヒータ等の発熱体の温度を上昇させる動作等が準備動作となる。
【0125】
なお、図5図7図8図9図10図11図14図15図16図17に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0126】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0127】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0128】
10 端末(外部装置の一例)
12 CPU(プロセッサの一例、第2制御部の一例)
14 メモリ(第2制御部の一例)
20A ネットワークI/F(第3インターフェースの一例)
20B ネットワークI/F(第4インターフェースの一例)
50 複合機(印刷装置の一例)
51A ネットワークI/F(第1インターフェースの一例)
51B ネットワークI/F(第2インターフェースの一例)
52 CPU(プロセッサの一例、第1制御部の一例、制御部の一例)
58 メモリ(記憶部の一例、第1制御部の一例、制御部の一例)
63 印刷部
図1
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