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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】制御システム、制御方法及び機器
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020109885
(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公開番号】P2022007137
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】本間 義久
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-046685(JP,A)
【文献】特開2004-206494(JP,A)
【文献】特開2016-143100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作端末の操作に基づいて動作が制御される複数の機器であって、同一のローカルネットワークに接続された複数の機器と、
ユーザによる前記操作端末の操作に基づいて、前記複数の機器に含まれる2以上の機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を、前記複数の機器のいずれかである対象機器に送信するクラウドサーバと、を備え、
前記対象機器は、前記第1制御信号を受信し、受信した前記第1制御信号が示す制御内容を前記2以上の機器に指令するための第2制御信号を前記複数の機器に同報送信する、
制御システム。
【請求項2】
同一のローカルネットワークに接続された複数の機器と、
ユーザによる操作端末の操作に基づいて、前記複数の機器に含まれる2以上の機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を、前記複数の機器のいずれかである対象機器に送信するクラウドサーバと、を備え、
前記対象機器は、前記第1制御信号を受信し、受信した前記第1制御信号が示す制御内容を前記2以上の機器に指令するための第2制御信号を前記複数の機器に同報送信し、
前記2以上の機器には、前記対象機器が含まれ、
前記対象機器は、前記第2制御信号を前記複数の機器に同報送信し、且つ、前記第2制御信号が示す前記対象機器に対する制御内容に基づいて動作を行う、
御システム。
【請求項3】
同一のローカルネットワークに接続された複数の機器と、
ユーザによる操作端末の操作に基づいて、前記複数の機器に含まれる2以上の機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を、前記複数の機器のいずれかである対象機器に送信するクラウドサーバと、を備え、
前記対象機器は、前記第1制御信号を受信し、受信した前記第1制御信号が示す制御内容を前記2以上の機器に指令するための第2制御信号を前記複数の機器に同報送信し、
前記クラウドサーバは、前記複数の機器それぞれの送信機能に関する情報に基づいて、前記複数の機器から前記対象機器を選択する、
御システム。
【請求項4】
前記複数の機器に前記2以上の機器以外の機器が含まれる場合、
前記2以上の機器には、前記対象機器が含まれない、
請求項1または3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記対象機器は、前記第2制御信号を前記複数の機器にマルチキャスト方式で同報送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記複数の機器には、複数種の家電機器が含まれる、
請求項1から5のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項7】
クラウドサーバが、ユーザによる操作端末の操作に基づいて動作が制御される複数の機器であって、同一のローカルネットワークに接続された複数の機器に含まれる2以上の機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を、ユーザによる前記操作端末の操作に基づいて前記複数の機器のいずれかである対象機器に送信する第1送信ステップと、
前記対象機器が、前記第1制御信号を受信し、受信した前記第1制御信号が示す制御内容を前記2以上の機器に指令するための第2制御信号を前記複数の機器に同報送信する第2送信ステップと、を含む、
制御方法。
【請求項8】
ユーザによる操作端末の操作に基づいて動作が制御される複数の機器であって、同一のローカルネットワークに接続された複数の機器に含まれる1の機器であって、
前記1の機器は、前記複数の機器に含まれる2以上の機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を受信し、受信した前記第1制御信号が示す制御内容を前記2以上の機器に指令するための第2制御信号を前記複数の機器に同報送信する、
機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、制御方法及び機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅などの建物に設置された機器の制御に関する様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、複数の家電機器をグループ化し、グループに属する複数の家電機器を同時に遠隔操作することができる遠隔操作装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-36276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
家電機器等の機器を遠隔操作する場合、例えば、ユーザによる操作端末の操作に基づいた制御信号がクラウドサーバから、インターネットを介して機器に送信される。複数の機器を一括で制御する場合には、複数の機器への制御信号がインターネットを介して送信されるため、複数の機器それぞれが制御信号を受信するタイミングにバラつきが生じやすい。その結果、複数の機器それぞれが制御されるタイミングもバラつきが生じやすい。
【0005】
本発明は、複数の機器それぞれが制御されるタイミングのバラつきを抑制できる制御システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る制御システムは、同一のローカルネットワークに接続された複数の機器と、ユーザによる操作端末の操作に基づいて、前記複数の機器に含まれる2以上の機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を、前記複数の機器のいずれかである対象機器に送信するクラウドサーバと、を備え、前記対象機器は、前記第1制御信号を受信し、受信した前記第1制御信号が示す制御内容を前記2以上の機器に指令するための第2制御信号を前記複数の機器に同報送信する。
【0007】
本発明の一態様に係る制御方法は、クラウドサーバが、ユーザによる操作端末の操作に基づいて、同一のローカルネットワークに接続された複数の機器に含まれる2以上の機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を、前記複数の機器のいずれかである対象機器に送信する第1送信ステップと、前記対象機器が、前記第1制御信号を受信し、受信した前記第1制御信号が示す制御内容を前記2以上の機器に指令するための第2制御信号を前記複数の機器に同報送信する第2送信ステップと、を含む。
【0008】
本発明の一態様に係る機器は、同一のローカルネットワークに接続された複数の機器に含まれる1の機器であって、前記1の機器は、前記複数の機器に含まれる2以上の機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を受信し、受信した前記第1制御信号が示す制御内容を前記2以上の機器に指令するための第2制御信号を前記複数の機器に同報送信する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係る制御システム等は、複数の機器それぞれが制御されるタイミングのバラつきを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る制御システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係る制御システムのグループ登録動作のシーケンス図である。
図4図4は、実施の形態に係るクラウドサーバに登録された機器リストの一例である。
図5図5は、実施の形態に係るクラウドサーバに登録されたグループリストの一例である。
図6図6は、実施の形態に係る制御システムのグループ制御の動作例1のシーケンス図である。
図7図7は、実施の形態に係る制御システムのグループ制御の動作例2のシーケンス図である。
図8図8は、実施の形態の変形例に係る制御システムの概略構成を示す図である。
図9図9は、実施の形態の変形例に係る制御システムのグループ登録動作のシーケンス図である。
図10図10は、実施の形態の変形例に係るクラウドサーバに登録された機器リストの一例である。
図11図11は、実施の形態の変形例に係るクラウドサーバに登録されたグループリストの一例である。
図12図12は、実施の形態の変形例に係る制御システムのグループ制御の動作例のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[制御システムの構成]
まず、実施の形態に係る制御システムの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る制御システムの概略構成を示す図である。
【0014】
本実施の形態に係る制御システム100は、ユーザによる操作端末50の操作に基づいて、複数の機器30を制御することができるシステムである。図1に示されるように、制御システム100は、クラウドサーバ10と複数の機器30と操作端末50とを備える。
【0015】
クラウドサーバ10は、インターネットなどの広域通信ネットワーク70を介して複数の機器30を操作する機器制御装置である。また、クラウドサーバ10は、複数の機器30の状態の変化及び定期的な通知等の情報を取得し、取得した情報を蓄積してもよい。クラウドサーバ10は、例えば、蓄積した情報に統計処理等を行い、操作端末50に送信する。
【0016】
複数の機器30は、制御システム100においてオンオフ及び設定値変更等の動作の制御の対象となる機器である。複数の機器30は、操作端末50によるユーザの操作に基づいた制御内容の動作を行う。複数の機器30は、それぞれ、例えば、住宅等の建物80に設置される。複数の機器30は、それぞれ、同一のローカルネットワークに接続されている。具体的には、複数の機器30は、それぞれ、ルータ60に接続されている。複数の機器30同士の通信、及び、複数の機器30それぞれとクラウドサーバ10との通信は、ルータ60を介して行われる。複数の機器30それぞれとクラウドサーバ10との通信は、より詳細には、ルータ60及び広域通信ネットワーク70を介して行われる。複数の機器30は、図示されている例では、第1機器30a、第2機器30b、第3機器30c及び第4機器30dの4つの機器を含む。複数の機器30に含まれる機器の数は、特に制限されず、2又は3であってもよく、5以上であってもよい。
【0017】
複数の機器30には、例えば、複数種の家電機器が含まれる。これにより、異なる種類の家電機器が一括で制御される。図示されている例では、第1機器30a及び第2機器30bはそれぞれ空調機器であり、第3機器30cは照明機器であり、第4機器30dは空気清浄機である。つまり、複数の機器30は、複数種の家電機器で構成されている。複数の機器30に含まれる機器は、上記例に限らない。複数の機器30には、例えば、映像機器、録画機、音響機器、給湯器、自律型掃除機、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、ヒータ及び調理機器等の各種家電機器、並びに、電動シャッター及び電子錠等の設備機器が含まれていてもよい。また、複数の機器30は、クラウドサーバ10によって動作を制御される機器であり、機器ID等の機器に関する情報である機器情報がクラウドサーバ10に登録される。複数の機器30には、例えば、ゲートウェイ機器及び集中コントローラ等の、家電機器等の機器を制御するための専用の機器は含まれない。
【0018】
操作端末50は、ユーザが複数の機器30に対する制御内容を設定するための端末装置である。制御内容は、例えば、オンオフ及び設定値の変更等の動作を複数の機器30に実行させる制御に関する内容である。操作端末50は、ユーザが複数の機器30の動作状態確認及び操作等を行うためのコントロール画面を提供し、複数の機器30に対する制御内容の入力等をユーザから受け付ける。操作端末50は、具体的には、スマートフォンまたはタブレット端末などである。操作端末50は、例えば、建物80に居住しているユーザの所有物であるが、建物80から離れて暮らしているユーザの所有物であってもよい。また、操作端末50は、複数の機器30を操作するための専用の端末装置であってもよい。なお、制御システム100は、操作端末50を備えていなくてもよく、外部の操作端末をユーザが操作することによって、複数の機器30が操作されてもよい。
【0019】
ルータ60は、複数の機器30のそれぞれと通信可能である。ルータ60は、建物80に設けられる。ルータ60は、広域通信ネットワーク70を介してクラウドサーバ10と通信可能である。そして、ルータ60は、複数の機器30と通信し、且つ、広域通信ネットワーク70を介してクラウドサーバ10と通信することにより、複数の機器30とクラウドサーバ10との間の通信を中継する。ルータ60は、例えば、複数の機器30と無線通信を行い、クラウドサーバ10と有線通信を行うが、ルータ60の通信は、これに限定されない。また、ルータ60の機能は、複数の機器30又は操作端末50が有していてもよい。
【0020】
次に、制御システム100の各構成要素の詳細について説明する。図2は、本実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。なお、図2には、複数の機器30のうち、第1機器30a及び第3機器30cが示されており、第2機器30b及び第4機器30dの図示は省略されている。
【0021】
まず、クラウドサーバ10について説明する。図2に示されるように、クラウドサーバ10は、通信部11と、情報処理部12と、記憶部13とを備える。
【0022】
通信部11は、クラウドサーバ10が広域通信ネットワーク70を介して複数の機器30及び操作端末50などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部11は、例えば、有線通信を行う有線通信回路であるが、無線通信を行う無線通信回路であってもよい。通信部11が行う通信に用いられる通信規格については、特に限定されない。
【0023】
情報処理部12は、複数の機器30の管理及び制御等に関する情報処理を行う。情報処理部12は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部12は、機器管理部14と信号処理部15と機器選択部16とを有する。
【0024】
機器管理部14は、ユーザによる操作端末50の操作による要求に基づいて、複数の機器30の管理を行う。
【0025】
信号処理部15は、ユーザによる操作端末50の操作に基づいて、複数の機器30を制御するための第1制御信号を生成する。また、信号処理部15は、生成した第1制御信号を通信部11に送信させる。
【0026】
機器選択部16は、第1制御信号を送信する対象となる対象機器を複数の機器30から選択する。
【0027】
記憶部13は、複数の機器30に関する情報、及び、情報処理部12が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部13は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)などによって実現される。記憶部13は、半導体メモリによって実現されてもよい。
【0028】
次に、複数の機器30に含まれる第1機器30a及び第3機器30cについて説明する。第1機器30aは、通信部31と制御部32と記憶部33とを備える。複数の機器30で共通の構成要素については、第1機器30aの説明における第1機器30aの部分を各機器に読み替えることで説明される。
【0029】
通信部31は、第1機器30aが、クラウドサーバ10及び複数の機器30のうち第1機器30a以外の機器などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部31は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。通信部31が行う通信の通信規格は、例えば、ECHONET Lite(登録商標)であるが、特に限定されない。通信部31は、通信相手の機器等に応じて異なる通信規格で通信を行ってもよい。
【0030】
制御部32は、第1機器30aにおける情報処理及び第1機器30aが行う動作の制御等を行う。制御部32は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。制御部32は、動作制御部34と信号処理部35とを有する。
【0031】
動作制御部34は、第1機器30aが受信した制御信号が示す制御内容に基づいて、第1機器30aの動作を制御する。
【0032】
信号処理部35は、第1機器30aが受信した第1制御信号が示す制御内容を、複数の機器30に指令するための第2制御信号を生成する。また、信号処理部35は、生成した第2制御信号を通信部31に送信させる。
【0033】
記憶部33は、制御部32が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。また、記憶部33には、第1機器30aの機器ID等の機器情報が記憶されていてもよい。記憶部33は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0034】
なお、第2機器30b及び第4機器30dは、第1機器30aと同様の機能を有しており、詳細な説明は省略する。つまり、第2機器30b及び第4機器30dは、それぞれ、通信部31と制御部32と記憶部33とを備える。
【0035】
第3機器30cは、通信部31と、制御部37と、記憶部38とを備える。
【0036】
制御部37は、第3機器30cにおける情報処理及び第3機器30cが行う動作の制御等を行う。制御部37は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。制御部37は、動作制御部34を有する。制御部37は、制御部32が有する信号処理部35を有していない。
【0037】
記憶部38は、制御部37が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。また、記憶部38には、第3機器30cの機器ID等の機器情報が記憶されていてもよい。記憶部38は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0038】
次に、操作端末50について説明する。操作端末50は、通信部51と、制御部52と、記憶部53と、操作受付部54と、表示部55とを備える。
【0039】
通信部51は、操作端末50が、クラウドサーバ10などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部51は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。
【0040】
制御部52は、操作端末50における情報処理及び操作端末50が行う動作の制御等を行う。制御部52は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0041】
記憶部53は、複数の機器30に関する情報、及び、制御部52が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部53は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。記憶部53は、HDDによって実現されてもよい。
【0042】
操作受付部54は、ユーザからユーザの操作を受け付けるユーザインターフェース装置である。操作受付部54は、例えば、タッチパネルによって実現されるが、押しボタンなどのハードウェアキーによって実現されてもよい。
【0043】
表示部55は、制御部52の制御に基づいて画像を表示する。表示部55は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0044】
[グループ登録動作]
次に、制御システム100のグループ登録動作について説明する。図3は、制御システム100のグループ登録動作のシーケンス図である。グループとは、複数の機器30のうち2以上の機器を一括で制御して動作させるグループである。
【0045】
まず、操作端末50の操作受付部54は、ユーザによる機器情報の入力を受け付ける(S1)。具体的には、まず、ユーザの操作によってクラウドサーバ10に登録されているアカウントにログインされている状態で、操作受付部54は、機器情報として、複数の機器30それぞれの機器IDの情報の入力を受け付ける。機器IDは、例えば、複数の機器30それぞれにグローバルユニークに割り当てられたIDである。入力される機器情報には、機器ID以外に、複数の機器30それぞれの、機器名、アドレス(例えばIPアドレス)及び送信機能に関する情報(具体的には、機器が同報送信に対応しているか否か)等が含まれていてもよい。制御部52は、通信部51を用いて、操作受付部54が受け付けた機器ID等の機器情報をクラウドサーバ10に送信する(S2)。
【0046】
クラウドサーバ10の通信部11は、機器情報を受信する。機器管理部14は、受信した機器情報を記憶部13に記憶させることで、ユーザアカウントと紐づけて機器情報を登録する(S3)。機器管理部14は、例えば、受信した機器情報を、ユーザアカウントと紐づけられた機器リストとして記憶部13に記憶させる。図4は、クラウドサーバ10に登録された機器リストの一例である。図4に示される機器リストには、上の行から順に、第1機器30a、第2機器30b、第3機器30c及び第4機器30dの機器情報が示されている。図4の例では、機器リストには、複数の機器30それぞれの機器ID、機器名、アドレス及び同報送信可否についての情報が登録されている。機器リストには、上記以外の機器情報が登録されていてもよい。同報送信可否についての情報は、具体的には、登録されている機器が、後述する第2制御信号等の制御信号を同報送信できるかどうか、つまり、登録されている機器が同報送信に対応しているかどうかに関する情報である。
【0047】
なお、機器管理部14は、操作端末50以外からも機器情報を取得してもよい。機器管理部14は、例えば、機器IDと紐づいた同報送信可否についての情報等の機器情報が記憶されている別の外部サーバから、機器IDに対応した機器情報を取得し、機器リストに登録してもよい。また、記憶部13に、機器IDと紐づいた機器情報があらかじめ記憶されていてもよい。また、機器管理部14は、複数の機器30と通信することで、複数の機器30から機器情報を取得してもよい。
【0048】
再び、図3を参照し、ステップS3の次に、操作受付部54は、ユーザからグループ作成開始の操作を受け付ける(S4)。制御部52は、操作受付部54がグループ作成開始の操作を受け付けると、通信部51を用いて、機器リストを送信してもらうための機器リスト要求の信号をクラウドサーバ10に送信する(S5)。クラウドサーバ10の通信部11は、機器リスト要求を受信する。機器管理部14は、通信部11が機器リスト要求を受信すると、記憶部13に記憶されている機器リストを、通信部11を用いて操作端末50に送信する(S6)。機器管理部14は、機器リストに登録されている機器情報のうち、機器ID等の一部の機器情報のみの機器リストを送信してもよい。操作端末50の通信部11は、機器リストを受信する。制御部52は、例えば、受信した機器リストを記憶部53に記憶させると共に、表示部55に受信した機器リストの内容を表示させる。
【0049】
次に、操作受付部54は、ユーザからグループ登録操作を受け付ける(S7)。ユーザは、例えば、表示部55に表示されている機器リストの中から、2以上の機器を一括で操作する制御であるグループ制御したい機器を選択する。制御部52は、ユーザからの操作に基づいて選択された機器のグループを登録するためのグループ登録要求を、通信部51を用いて、クラウドサーバ10に送信する(S8)。グループ登録要求は、例えば、登録するグループのグループ名、及び、当該グループに登録する機器の機器IDを示す情報を含む。クラウドサーバ10の通信部11は、グループ登録要求を受信する。機器管理部14は、通信部11がグループ登録要求を受信すると、グループ名と機器IDとを紐づけて、グループを登録する(S9)。機器管理部14は、例えば、受信したグループ登録要求が示すグループ名と機器IDとを紐づけたグループリストを記憶部13に記憶させる。図5は、クラウドサーバ10に登録されたグループリストの一例である。図5に示される例では、グループ1として、第1機器30a、第2機器30b、第3機器30c及び第4機器30dの機器IDが登録されており、グループ2として、第1機器30a、第2機器30b及び第4機器30dの機器IDが登録されている。このようにして、複数の機器30のグループ制御を行うためのグループ登録が行われる。なお、グループ登録は、ユーザからの操作に基づいて行われるだけでなく、機器管理部14は、機器情報に基づいて、同種の家電機器等の共通の機器情報を有するグループを作成して、グループを登録してもよい。また、グループリストには、機器ID以外の機器情報が機器IDと紐づけて登録されていてもよい。
【0050】
[グループ制御の動作例1]
次に、複数の機器30のうちの2以上の機器を一括で制御するグループ制御の動作例1について説明する。図6は、制御システム100のグループ制御の動作例1のシーケンス図である。また、以下の動作例1では、複数の機器30に含まれる2以上の機器の一例として、図5に示されるグループリストにおけるグループ2に属する機器である第1機器30a、第3機器30c及び第4機器30dをグループ制御する例を示す。
【0051】
まず、操作端末50の操作受付部54は、グループ2に属する機器を一括で制御するグループ制御の操作をユーザから受け付ける(S11)。本動作例では、操作受付部54は、ユーザからグループ2に属する機器を一括でオンする操作を受け付ける。制御部52は、通信部51を用いて、グループ2に属する機器に対する制御内容を示す操作信号をクラウドサーバ10に送信する(S12)。本動作例においては、制御部52は、グループ2の機器をオンする制御内容を示す操作信号をクラウドサーバ10に送信する。操作信号は、例えば、制御の対象となるグループ(ここではグループ2)を示す情報、及び、当該グループに属する機器それぞれに対する制御内容を示す情報とを含む。
【0052】
クラウドサーバ10の通信部11は、操作信号を受信する。信号処理部15は、受信した操作信号に基づいて、グループ2に属する機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を生成する(S13)。具体的には、信号処理部15は、例えば、図5に示されるグループリストを参照し、操作信号に含まれるグループ2を示す情報に基づいてグループ2に属する機器を決定する。そして、信号処理部15は、グループ2に属する機器それぞれに、操作信号が示す制御内容を実行させるための第1制御信号を生成する。第1制御信号は、例えば、制御の対象となるグループ(ここではグループ2)に属する機器の機器ID、及び、当該機器に対する制御内容を示す情報を含む。また、第1制御信号は、複数の機器30のいずれかに、グループ2に属する機器を動作させるための制御信号(第2制御信号)を送信させるための制御信号である。本動作例では、信号処理部15は、図5に示されるグループ2の機器である第1機器30a、第3機器30c及び第4機器30dそれぞれをオンするための第1制御信号を生成する。
【0053】
次に、クラウドサーバ10の機器選択部16は、第1制御信号を送信する対象となる機器である対象機器を選択する(S14)。機器選択部16は、例えば、複数の機器30それぞれの送信機能に関する情報、具体的には、複数の機器30それぞれが制御信号の同報送信に対応しているか否かに基づいて、複数の機器30から対象機器を選択する。機器選択部16は、例えば、図4に示される記憶部13に記憶されている機器リストを参照し、対象機器として、制御信号を同報送信可能な機器を選択する。また、例えば、機器選択部16は、制御信号を同報送信可能な機器が複数存在する場合、機器リストにおける登録順、又は、アドレスの番号等に基づいて対象機器を選択してもよい。
【0054】
また、例えば、機器選択部16は、複数の機器30のうち、グループ2に属する機器を優先して選択する。本動作例では、機器選択部16は、対象機器として、複数の機器30の中から第1機器30aを選択する。なお、機器選択部16は、制御信号を同報送信可能な機器であれば、複数の機器30のいずれの機器を選択してもよい。
【0055】
なお、ステップS13とステップS14とは順序が入れ替わってもよい。
【0056】
次に、信号処理部15は、通信部11を用いて、ステップS14において機器選択部16が選択した対象機器である第1機器30aに第1制御信号を送信する(S15)。
【0057】
第1機器30aの通信部31は、第1制御信号を受信する。第1機器30aの信号処理部35は、受信した第1制御信号が示す制御内容を、グループ2に属する機器に指令するための第2制御信号を生成する(S16)。第1機器30aの信号処理部35は、例えば、第1制御信号から制御の対象となるグループに属する機器の機器IDを示す情報、及び、当該機器に対する制御内容を示す情報を抽出する。そして、第1機器30aの信号処理部35は、第1制御信号が示す制御内容をグループ2に属する機器に実行させるための第2制御信号を生成する。第2制御信号は、例えば、制御の対象となるグループ(ここではグループ2)に属する機器の機器ID、及び、当該機器に対する制御内容を示す情報を含む。本動作例においては、第1機器30aの信号処理部35は、第1機器30a、第3機器30c及び第4機器30dそれぞれをオンする制御内容を示す第2制御信号を生成する。なお、第1機器30aの信号処理部35は、第1制御信号の一部の情報を、複数の機器30に同報送信するための情報に変換することで第2制御信号を生成してもよい。
【0058】
第1機器30aの信号処理部35は、第1機器30aの通信部31を用いて、生成した第2制御信号を複数の機器30に同報送信する(S17)。例えば、第1機器30aの信号処理部35は、第2制御信号を、ルータ60のマルチキャストアドレスに対して送信することで、第2制御信号を複数の機器30にマルチキャスト方式で同報送信する。つまり、第1機器30aは、複数の機器30が接続されたローカルネットワークを用いて、第2制御信号を同報送信する。第2制御信号がマルチキャスト方式で同報送信されることにより、通信負荷及び複数の機器30での処理の負荷が低減される。なお、第1機器30aは、ブロードキャスト方式で第2制御信号を同報送信してもよい。
【0059】
複数の機器30である第1機器30a、第2機器30b、第3機器30c及び第4機器30dのそれぞれの通信部31は、第2制御信号を受信する。第1機器30aの動作制御部34は、受信した第2制御信号が示す第1機器30aに対する制御内容に基づいて第1機器30aを動作させる(S18)。また、第2機器30bの動作制御部34は、受信した第2制御信号が示す第2機器30bに対する制御内容に基づいて第2機器30bを動作させる(S19)。また、第4機器30dの動作制御部34は、受信した第2制御信号が示す第4機器30dに対する制御内容に基づいて第4機器30dを動作させる(S20)。例えば、第1機器30a、第2機器30b、第3機器30c及び第4機器30dそれぞれの動作制御部34は、受信した第2制御信号に自身の機器IDを示す情報が含まれているかを解析する。第1機器30a、第2機器30b、第3機器30c及び第4機器30dそれぞれの動作制御部34は、自身の機器IDを示す情報が第2制御信号に含まれている場合に、第2制御信号が示す自身の機器に対する制御内容に基づいて、動作の制御を実行する。本動作例では、グループ2に属する第1機器30a、第3機器30c及び第4機器30dがそれぞれ略同時にオンされる。また、第2機器30bは、動作しない。このように、本動作例では、複数の機器30それぞれが制御されるタイミングのバラつきを抑制され、グループ2に属する機器のそれぞれが略同時に動作する。
【0060】
[効果等]
以上説明したように、制御システム100は、同一のローカルネットワークに接続された複数の機器30と、クラウドサーバ10とを備える。クラウドサーバ10は、ユーザによる操作端末50の操作に基づいて、グループ2に属する機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を、複数の機器30のいずれかである対象機器として第1機器30aに送信する。第1機器30aは、第1制御信号を受信し、受信した第1制御信号が示す制御内容をグループ2に属する機器に指令するための第2制御信号を複数の機器30に同報送信する。
【0061】
これにより、グループ2に属する機器を一括で制御するための第2制御信号が、同一のローカルネットワークに接続された複数の機器30のいずれかの対象機器(上記動作例1では第1機器30a)から複数の機器30に同報送信される。そのため、クラウドサーバ10と複数の機器30との通信に用いられるインターネット等の通信状況に左右されることなく、複数の機器30に第2制御信号が同報送信される。よって、制御システム100は、複数の機器30それぞれが制御されるタイミングのバラつきを抑制できる。また、第1機器30aが第2制御信号を同報送信するため、第1機器30aは第2制御信号を送信するために複数の機器30それぞれのアドレス等を個別に指定する必要が無く、第1機器30aによる処理が簡素化される。
【0062】
また、対象機器である第1機器30aは、第2制御信号を複数の機器30に同報送信し、且つ、第2制御信号が示す第1機器30aに対する制御内容に基づいて動作する。つまり、グループ2に属する機器の動作を制御する場合に、ユーザによる端末操作に基づく動作を行う機器と、グループ2に属する機器にグループで一括制御のための制御信号を送信する対象機器とが同一である。
【0063】
これにより、建物80内に、グループで一括制御のための制御信号を送信する専用の制御機器を設ける必要が無く、簡易な構成で複数の機器30それぞれが制御されるタイミングのバラつきを抑制できる。
【0064】
また、クラウドサーバ10は、複数の機器30それぞれの送信機能に関する情報に基づいて、複数の機器30から対象機器を選択する。
【0065】
これにより、複数の機器30の中で、第2制御信号の同報送信に対応していない機器が存在する場合であっても、クラウドサーバ10は、第2制御信号の同報送信に対応した機器を対象機器として選択できる。
【0066】
また、上記のような制御システム100などのコンピュータによって実行される制御方法は、第1送信ステップと第2送信ステップとを含む。第1送信ステップでは、クラウドサーバ10が、ユーザによる操作端末50の操作に基づいて、グループ2に属する機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を、第1機器30aに送信する。第2送信ステップでは、第1機器30aが、第1制御信号を受信し、受信した第1制御信号が示す制御内容をグループ2に属する機器に指令するための第2制御信号を複数の機器30に同報送信する。
【0067】
この制御方法によっても、上記制御システム100と同様の効果を発現できるため、複数の機器30それぞれが制御されるタイミングのバラつきを抑制できる。
【0068】
また、第1機器30aは、同一のローカルネットワークに接続された複数の機器30に含まれる1の機器である。第1機器30aは、グループ2に属する機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を受信し、受信した第1制御信号が示す制御内容をグループ2に属する機器に指令するための第2制御信号を複数の機器30に同報送信する。
【0069】
このような第1機器30aも、上記制御システム100と同様の効果を発現できるため、複数の機器30それぞれが制御されるタイミングのバラつきを抑制できる。
【0070】
[グループ制御の動作例2]
次に、制御システム100のグループ制御の動作例2について説明する。図7は、制御システム100のグループ制御の動作例2のシーケンス図である。また、以下の動作例2では、上記の動作例1と同様に、図5に示されるグループリストにおけるグループ2に属する機器をグループ制御する例を示す。また、グループ制御の動作例2は、上記の動作例1と比較して、対象機器が第1機器30aではなく第2機器30bである点で相違する。以下では、動作例1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0071】
まず、操作端末50の操作受付部54は、グループ2に属する機器を一括で制御するグループ制御の操作をユーザから受け付ける(S31)。本動作例では、上記の動作例1と同様に操作受付部54は、ユーザからグループ2に属する機器を一括でオンする操作を受け付ける。制御部52は、通信部51を用いて、グループ2に属する機器に対する制御内容を示す操作信号をクラウドサーバ10に送信する(S32)。クラウドサーバ10が操作信号を受信すると、グループ2に属する機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を生成する(S33)。
【0072】
次に、クラウドサーバ10の機器選択部16は、第1制御信号を送信する対象となる機器である対象機器を選択する(S34)。本動作例では、複数の機器30にグループ2に属する機器以外の機器が含まれる場合、機器選択部16は、複数の機器30のうちグループ2に属する機器を優先して選択する。具体的には、機器選択部16は、対象機器として、複数の機器30の中から第2機器30bを選択する。つまり、グループ2に属する機器には、対象機器である第2機器30bが含まれない。
【0073】
次に、信号処理部15は、通信部11を用いて、機器選択部16が選択した対象機器である第2機器30bに第1制御信号を送信する(S35)。
【0074】
第2機器30bの通信部31は、第1制御信号を受信する。第2機器30bの信号処理部35は、受信した第1制御信号が示す制御内容を、グループ2に属する機器に指令するための第2制御信号を生成する(S36)。第2機器30bの信号処理部35は、第2機器30bの通信部31を用いて、生成した第2制御信号を複数の機器30に同報送信する(S37)。
【0075】
第1機器30a、第2機器30b、第3機器30c及び第4機器30dそれぞれの通信部31は、第2制御信号を受信する。第1機器30aの動作制御部34は、受信した第2制御信号が示す第1機器30aに対する制御内容に基づいて第1機器30aを動作させる(S38)。また、第2機器30bの動作制御部34は、受信した第2制御信号が示す第2機器30bに対する制御内容に基づいて第2機器30bを動作させる(S39)。また、第4機器30dの動作制御部34は、受信した第2制御信号が示す第4機器30dに対する制御内容に基づいて第4機器30dを動作させる(S40)。本動作例では、グループ2に属する第1機器30a、第3機器30c及び第4機器30dがそれぞれ略同時にオンされる。また、第2機器30bは、動作しない。
【0076】
以上のように、本動作例においては、グループ2に属する機器には、対象機器である第2機器30bが含まれない。そのため、ユーザによる端末操作に基づく動作を行う第1機器30a、第3機器30c及び第4機器30dが、第2制御信号を送信しなくてもよいため、1つの機器に処理の負荷が集中することが抑制される。
【0077】
(実施の形態の変形例)
次に、実施の形態の変形例に係る制御システムについて説明する。以下では実施の形態との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0078】
[制御システムの構成]
まず、実施の形態の変形例に係る制御システムの構成について説明する。図8は、本変形例に係る制御システムの概略構成を示す図である。
【0079】
本変形例に係る制御システム100aは、クラウドサーバ10と、クラウドサーバ90と、複数の機器130と、操作端末50とを備える。制御システム100aは、制御システム100と比較して、制御システム100の複数の機器30の代わりに複数の機器130を備え、制御システム100のクラウドサーバ10に加えてクラウドサーバ90を備える点で相違する。
【0080】
複数の機器130は、複数の機器30に含まれる第4機器30dの代わりに、第5機器30eを含む点が、複数の機器30と異なる。つまり、複数の機器130は、第1機器30a、第2機器30b、第3機器30c及び第5機器30eの4つの機器を含む。本変形例においては、第1機器30a、第2機器30b及び第3機器30cは、クラウドサーバ10に登録及び管理される機器であり、第5機器30eは、クラウドサーバ90に登録及び管理される機器である。
【0081】
第5機器30eは、図示されている例では、空気清浄機であるが、他の家電機器等の機器であってもよい。第5機器30eは、例えば、第1機器30aと同様の機能を有する。つまり、第5機器30eは、第1機器30aと同様の通信部31と制御部32と記憶部33とを備える。なお、第5機器30eは、制御部32の代わりに第3機器30cと同様の制御部37を備えていてもよい。
【0082】
クラウドサーバ90は、広域通信ネットワーク70を介して複数の機器130のうち第5機器30eを操作する機器制御装置である。クラウドサーバ90は、例えば、クラウドサーバ10と同様の機能を有する。なお、クラウドサーバ90は、第5機器30eの機器情報を登録し、第5機器30eを操作するための信号を送信できればよく、クラウドサーバ10と異なる構成要素があってもよい。本変形例においては、例えば、クラウドサーバ10は、空調機器及び照明機器を管理及び遠隔制御するためのクラウドサーバであり、クラウドサーバ90は、空気清浄機を管理及び遠隔制御するためのクラウドサーバである。
【0083】
[グループ登録動作]
次に、制御システム100aのグループ登録動作について説明する。図9は、制御システム100aのグループ登録動作のシーケンス図である。
【0084】
まず、操作端末50の操作受付部54は、ユーザによる機器情報の入力を受け付ける(S51)。具体的には、まず、ユーザの操作によってクラウドサーバ10に登録されているアカウントにログインされている状態で、操作受付部54は、複数の機器130それぞれの機器ID等の機器情報の入力を受け付ける。
【0085】
制御部52は、通信部51を用いて、操作受付部54が受け付けた機器情報のうち、第1機器30a、第2機器30b及び第3機器30cの機器情報をクラウドサーバ10に送信する(S52)。クラウドサーバ10の通信部11は、機器情報を受信する。機器管理部14は、受信した機器情報を記憶部13に記憶させることで、ユーザアカウントと紐づけて機器情報を登録する(S53)。機器管理部14は、例えば、受信した機器情報を、機器リストとして記憶部13に記憶させる。図10は、クラウドサーバ10に登録された機器リストの一例である。図10に示される機器リストには、上の行から順に、第1機器30a、第2機器30b及び第3機器30cの機器情報が示されている。また、図10に示される機器リストには、第5機器30eの機器情報は登録されていない。
【0086】
再び図9を参照し、制御部52は、通信部51を用いて、操作受付部54が受け付けた機器情報のうち、第5機器30eの機器情報をクラウドサーバ90に送信する(S54)。クラウドサーバ90は、受信した機器情報を、機器リストに登録する(S55)。
【0087】
次に、操作受付部54は、ユーザからグループ作成開始の操作を受け付ける(S56)。制御部52は、操作受付部54がグループ作成開始の操作を受け付けると、通信部51を用いて、機器リストを送信してもらうための機器リスト要求の信号をクラウドサーバ10に送信する(S57)。クラウドサーバ10は、機器リスト要求を受信すると、機器リストを操作端末50に送信する(S58)。また、制御部52は、通信部51を用いて、機器リストを送信してもらうための機器リスト要求の信号をクラウドサーバ90に送信する(S59)。クラウドサーバ90は、機器リスト要求を受信すると、機器リストを操作端末50に送信する(S60)。制御部52は、例えば、クラウドサーバ10及びクラウドサーバ90から受信した機器リストを記憶部53に記憶させると共に、表示部55に受信した機器リストの内容を表示させる。
【0088】
次に、操作受付部54は、ユーザからグループ登録操作を受け付ける(S61)。制御部52は、ユーザからの操作に基づいて選択された機器のグループを登録するためのグループ登録要求を、通信部51を用いて、クラウドサーバ10に送信する(S62)。クラウドサーバ10の通信部11は、グループ登録要求を受信する。機器管理部14は、通信部11がグループ登録要求を受信すると、グループ名と機器IDとを紐づけて、グループを登録する(S63)。機器管理部14は、例えば、受信したグループ登録要求が示すグループ名と機器IDとを紐づけたグループリストを記憶部13に記憶させる。図11は、クラウドサーバ10に登録されたグループリストの一例である。図11に示される例では、グループ1として、第1機器30a、第2機器30b、第3機器30c及び第5機器30eの機器IDが登録されており、グループ2として、第1機器30a、第2機器30b及び第5機器30eの機器IDが登録されている。このようにして、複数の機器130のグループ制御を行うためのグループ登録が行われる。
【0089】
本変形例に係る制御システム100aにおいては、操作端末50がクラウドサーバ10からだけでなく、クラウドサーバ90からも機器リストを取得するため、クラウドサーバ90に登録されている機器も、グループ登録が可能である。つまり、クラウドサーバ10は、クラウドサーバ10の機器リストに登録されていない機器の機器IDも取得する。そのため、クラウドサーバ10の記憶部13に記憶されるグループリストには、クラウドサーバ10の機器リストに登録されていない機器(具体的には第5機器30e)も登録される。
【0090】
[グループ制御の動作例]
次に、複数の機器130のうちの2以上の機器を一括で制御するグループ制御の動作例について説明する。図12は、制御システム100aのグループ制御の動作例のシーケンス図である。また、以下の動作例では、複数の機器130に含まれる2以上の機器の一例として、図11に示されるグループリストにおけるグループ2に属する機器である第1機器30a、第3機器30c及び第5機器30eをグループ制御する例を示す。
【0091】
まず、操作端末50の操作受付部54は、グループ2に属する機器を一括で制御するグループ制御の操作をユーザから受け付ける(S71)。本動作例では、操作受付部54は、ユーザからグループ2に属する機器を一括でオンする操作を受け付ける。制御部52は、通信部51を用いて、グループ2に属する機器に対する制御内容を示す操作信号をクラウドサーバ10に送信する(S72)。本動作例においては、制御部52は、グループ2の機器をオンする制御内容を示す操作信号をクラウドサーバ10に送信する。
【0092】
クラウドサーバ10の通信部11は、操作信号を受信する。信号処理部15は、受信した操作信号に基づいて、グループ2に属する機器それぞれに対する制御内容を示す第1制御信号を生成する(S73)。本動作例では、信号処理部15は、図11に示されるグループ2の機器である第1機器30a、第3機器30c及び第5機器30eそれぞれをオンする制御内容を示す第1制御信号を生成する。そのため、本動作例における第1制御信号は、第1機器30a、第3機器30c及び第5機器30eそれぞれの機器IDを示す情報を含む。
【0093】
次に、クラウドサーバ10の機器選択部16は、第1制御信号を送信する対象となる機器である対象機器を選択する(S74)。機器選択部16は、例えば、複数の機器130のうち、記憶部13の機器リストに登録されている機器を選択する。本動作例では、機器選択部16は、対象機器として、複数の機器130の中から第1機器30aを選択する。次に、信号処理部15は、通信部11を用いて、機器選択部16が選択した対象機器である第1機器30aに第1制御信号を送信する(S75)。
【0094】
第1機器30aの通信部31は、第1制御信号を受信する。第1機器30aの信号処理部35は、受信した第1制御信号が示す制御内容を、グループ2に属する機器に指令するための第2制御信号を生成する(S76)。本動作例においては、第1機器30aの信号処理部35は、第1機器30a、第3機器30c及び第5機器30eそれぞれをオンする制御内容を示す第2制御信号を生成する。
【0095】
第1機器30aの信号処理部35は、第1機器30aの通信部31を用いて、生成した第2制御信号を複数の機器130に同報送信する(S77)。
【0096】
複数の機器130である第1機器30a、第2機器30b、第3機器30c及び第5機器30eのそれぞれの通信部31は、第2制御信号を受信する第1機器30aの動作制御部34は、受信した第2制御信号が示す第1機器30aに対する制御内容に基づいて第1機器30aを動作させる(S78)。また、第2機器30bの動作制御部34は、受信した第2制御信号が示す第2機器30bに対する制御内容に基づいて第2機器30bを動作させる(S79)。また、第5機器30eの動作制御部34は、受信した第2制御信号が示す第5機器30eに対する制御内容に基づいて第5機器30eを動作させる(S80)。本動作例では、グループ2に属する第1機器30a、第3機器30c及び第5機器30eがそれぞれ略同時にオンされる。また、第2機器30bは、動作しない。
【0097】
このように、制御システム100aにおいては、クラウドサーバ10とは異なるクラウドサーバ90によって管理されている第5機器30eが、複数の機器130に含まれる場合であっても、クラウドサーバ10のグループリストに第5機器30eが登録される。また、クラウドサーバ10は、第5機器30eを含むグループ2を制御するための第1制御信号を対象機器に送信し、対象機器は、グループ2に属する機器を一括で制御するための第2制御信号を複数の機器130に同報送信する。この場合、第1制御信号及び第2制御信号に、第5機器30eの機器IDを示す情報を含む。これにより、複数の機器130が、クラウドサーバ10と異なるクラウドサーバ90の管理の対象である第5機器30eを含む場合であっても、実施の形態に係る制御システム100と同様の効果が得られる。そのため、制御システム100aは、複数の機器130それぞれが制御されるタイミングのバラつきを抑制できる。
【0098】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態及び実施の形態の変形例について説明したが、本発明は、上記実施の形態及び実施の形態の変形例に限定されるものではない。
【0099】
例えば、上記実施の形態において、クラウドサーバ10の機器選択部16が対象機器を選択したが、これに限らない。クラウドサーバ10は、例えば、ユーザによる操作端末50の操作によって選択された対象機器に対して第1制御信号を送信してもよい。
【0100】
また、例えば、上記実施の形態に係る制御システム100の動作例1において、第1機器30aは、第2制御信号を複数の機器30に同報送信し、且つ、受信した第2制御信号が示す第1機器30aに対する制御内容に基づいて動作したが、これに限らない。第1機器30aは、受信した第2制御信号を解析せず、受信した第1制御信号が示す第1機器30aに対する制御内容に基づいて動作してもよい。また、第1機器30aは、複数の機器30のうち第1機器30a以外の機器に第2制御信号を同報送信し、且つ、受信した第1制御信号が示す第1機器30aに対する制御内容に基づいて動作してもよい。この場合、第1機器30aは、例えば、複数の機器30のうち第1機器30a以外の機器の機器ID及び当該機器に対する制御内容を示す情報を含む第2制御信号を生成する。これらは、制御システム100aについても同様である。
【0101】
また、例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。また、上記実施の形態で説明された情報の伝達経路は、シーケンス図に示される伝達経路に限定されない。
【0102】
また、上記実施の形態において、特定の処理部又は制御部が実行する処理を別の処理部又は制御部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、HDDまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0104】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0105】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0106】
例えば、本発明は、上記実施の形態に係る制御システムなどのコンピュータが実行する制御方法として実現されてもよいし、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0107】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
10 クラウドサーバ
30、130 機器
30a 第1機器
30b 第2機器
30c 第3機器
30d 第4機器
30e 第5機器
50 操作端末
100、100a 制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12