(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ノックアウト装置
(51)【国際特許分類】
B21D 45/00 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
B21D45/00 Z
(21)【出願番号】P 2020070248
(22)【出願日】2020-04-09
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(73)【特許権者】
【識別番号】520125999
【氏名又は名称】ニシダ精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 正行
(72)【発明者】
【氏名】堀内 伸哉
(72)【発明者】
【氏名】西田 浩高
(72)【発明者】
【氏名】板倉 英夫
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-018137(JP,U)
【文献】実開昭57-102427(JP,U)
【文献】特開昭57-206535(JP,A)
【文献】特開2006-256828(JP,A)
【文献】特開昭57-129908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接近または離反する金型を有するプレス機械に設けられ、前記金型から加工品を取り外すノックアウト装置であって、
前記金型に設けられ、前記金型の移動方向に延びた第1シリンダと、
前記第1シリンダの内部に摺動自在に設けられた中空の第1ピストンと、
一端が前記第1ピストンの軸方向一側に固定され、他端が前記第1シリンダの外部に突出された中空の第1ロッドと、
前記第1シリンダの内部における前記第1ピストンの軸方向他側に設けられ、第1エア給排機構に接続された第1エア室と、
前記第1ロッドの前記他端に設けられ、前記加工品を前記金型から押し出す押し出しピンと、
前記第1ピストンの軸方向他側に固定され、前記金型の移動方向に延びた第2シリンダと、
前記第2シリンダの内部に摺動自在に設けられた中実の第2ピストンと、
一端が前記第2ピストンの軸方向一側に固定され、前記第1ピストンおよび前記第1ロッドの内部に摺動自在に設けられた中実の第2ロッドと、
前記第2シリンダの内部における前記第2ピストンの軸方向他側に設けられ、第2エア給排機構に接続された第2エア室と、
前記第2ロッドの他端に設けられ、前記金型から取り外された前記加工品を支持する支持ピンと、
を備え
、
前記第1シリンダおよび前記第2シリンダの軸方向他側に、第1底壁部および第2底壁部がそれぞれ設けられ、
前記第1底壁部に、前記第1シリンダの外部と前記第1エア室とを連通する第1連通路および第2連通路が設けられ、
前記第2底壁部に、前記第1エア室と前記第2エア室とを連通する第3連通路が設けられ、
前記第1エア室の内部における前記第2連通路と前記第3連通路との間に、可撓性を有する第3エア配管が設けられていることを特徴とする、
ノックアウト装置。
【請求項2】
請求項1に記載のノックアウト装置において
、
前記第1シリンダの外部における前記第1連通路と前記第1エア給排機構との間に、第1エア配管が設けられ、
前記第1シリンダの外部における前記第2連通路と前記第2エア給排機構との間に、第2エア配管が設けら
れていることを特徴とする、
ノックアウト装置。
【請求項3】
前記加工品に対する前記押し出しピンの押し出し力が、前記加工品に対する前記支持ピンの支持力よりも大きいことを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載のノックアウト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接近または離反する金型を有するプレス機械に設けられ、金型から加工品を取り外すノックアウト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、シート状の鋼板(ワーク)から有底筒状のケース(製品)を製造するには、複数のプレス加工を次々に実施して、ワークを徐々に製品形状に近付くように塑性変形させる。これにより、ワークにしわやひずみ、さらには割れ等を発生させること無く、薄肉のケースを製造することが可能となる。このような複数のプレス加工を効率良く実施して、製造時間を短縮することが可能なプレス機械が、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載されたプレス機械は、所謂トランスファープレス機械であって、複数の下部成形工具(下金型)を有する支持基盤と、当該支持基盤に対して上下動自在に設けられ、かつ複数の上部成形工具(上金型)を有するスライドと、を備えている。また、上下動するスライドには、円盤状に打ち抜かれた前成形体(ワーク)を押圧保持する保持手段が設けられている。この保持手段は、コイルスプリングと、当該コイルスプリングのばね力により支持基盤に向けて押圧される押圧部材付きのロッド部材と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された技術では、上下動するスライドに設けられたコイルスプリングのばね力により、支持基盤に載せられた前成形体を押圧保持するため、特に、スライドの上下方向への移動量が大きいと、コイルスプリングのばね力が大きく変化してしまう。
【0006】
これにより、保持手段による保持力も大きく変化して、支持基盤の振動が大きい場合等において、ワークの位置がずれてしまうことがあった。ワークの位置がずれてしまった場合には、当該ワークを次の工程に精度良く移送することができなくなるという問題を生じ得る。
【0007】
また、スライドの上下方向への移動速度を速くして製造時間を短縮、つまり単位時間当たりの製造個数を増やそうとすると、上述のようにコイルスプリングのばね力が大きく変化するため、当該コイルスプリングにより押圧されるロッド部材が、スライドの上下動に追従できなくなる。したがって、ロッド部材がスライドに対してがたついてしまい、所謂ロッド部材の「暴れ」が発生する。
【0008】
本発明の目的は、ワークを次の工程に移送するまでの間に、ワークを規定の位置に精度良く位置決めすることができ、ひいては製造時間を短縮させることが可能なノックアウト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様では、接近または離反する金型を有するプレス機械に設けられ、前記金型から加工品を取り外すノックアウト装置であって、前記金型に設けられ、前記金型の移動方向に延びた第1シリンダと、前記第1シリンダの内部に摺動自在に設けられた中空の第1ピストンと、一端が前記第1ピストンの軸方向一側に固定され、他端が前記第1シリンダの外部に突出された中空の第1ロッドと、前記第1シリンダの内部における前記第1ピストンの軸方向他側に設けられ、第1エア給排機構に接続された第1エア室と、前記第1ロッドの前記他端に設けられ、前記加工品を前記金型から押し出す押し出しピンと、前記第1ピストンの軸方向他側に固定され、前記金型の移動方向に延びた第2シリンダと、前記第2シリンダの内部に摺動自在に設けられた中実の第2ピストンと、一端が前記第2ピストンの軸方向一側に固定され、前記第1ピストンおよび前記第1ロッドの内部に摺動自在に設けられた中実の第2ロッドと、前記第2シリンダの内部における前記第2ピストンの軸方向他側に設けられ、第2エア給排機構に接続された第2エア室と、前記第2ロッドの他端に設けられ、前記金型から取り外された前記加工品を支持する支持ピンと、を備え、前記第1シリンダおよび前記第2シリンダの軸方向他側に、第1底壁部および第2底壁部がそれぞれ設けられ、前記第1底壁部に、前記第1シリンダの外部と前記第1エア室とを連通する第1連通路および第2連通路が設けられ、前記第2底壁部に、前記第1エア室と前記第2エア室とを連通する第3連通路が設けられ、前記第1エア室の内部における前記第2連通路と前記第3連通路との間に、可撓性を有する第3エア配管が設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明の他の態様では、前記第1シリンダの外部における前記第1連通路と前記第1エア給排機構との間に、第1エア配管が設けられ、前記第1シリンダの外部における前記第2連通路と前記第2エア給排機構との間に、第2エア配管が設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明の他の態様では、前記加工品に対する前記押し出しピンの押し出し力が、前記加工品に対する前記支持ピンの支持力よりも大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1シリンダの第1エア室にエアを供給することで、押し出しピンを作動させて加工品を金型から取り外すことができ、かつ第1シリンダの内部に配置された第2シリンダの第2エア室にエアを供給することで、支持ピンを作動させて金型から取り外された加工品を支持することができる。
【0013】
したがって、支持ピンの移動量の大小に関わらず、第2エア室へのエアの供給量を調整することで、支持ピンの加工品に対する押圧力を適正に保持することができる。よって、ワークを次の工程に移送するまでの間に、ワークを規定の位置に精度良く位置決めすることができ、ひいては製造時間を短縮させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】トランスファープレス機械を示す概要図である。
【
図2】
図1のトランスファープレス機械に設けられた第1~第12プレス加工部PD1~PD12のうちの1つ(第6プレス加工部PD6)を示す断面図である。
【
図3】[ワーク準備工程]を説明する断面図である。
【
図5】第6プレス加工部PD6が下死点に到達した状態を示す断面図である。
【
図6】[離型工程(ノックアウト動作)]を説明する断面図である。
【
図7】[ワーク保持工程]を説明する断面図である。
【
図8】[ワーク移送工程]を説明する断面図である。
【
図9】(a)は第3プレス加工部PD3の上下金型ユニットを示す断面図,(b)は第9プレス加工部PD9の上下金型ユニットを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
図1はトランスファープレス機械を示す概要図を、
図2は
図1のトランスファープレス機械に設けられた第1~第12プレス加工部PD1~PD12のうちの1つ(第6プレス加工部PD6)を示す断面図を、
図3は[ワーク準備工程]を説明する断面図を、
図4は[絞り加工工程]を説明する断面図を、
図5は第6プレス加工部PD6が下死点に到達した状態を示す断面図を、
図6は[離型工程(ノックアウト動作)]を説明する断面図を、
図7は[ワーク保持工程]を説明する断面図を、
図8は[ワーク移送工程]を説明する断面図を、
図9(a)は第3プレス加工部PD3の上下金型ユニットを示す断面図,(b)は第9プレス加工部PD9の上下金型ユニットを示す断面図をそれぞれ示している。
【0017】
図1に示されるトランスファープレス機械10は、複数のプレス加工を効率良く実施して、有底筒状のモータケース(ヨーク)を製造するプレス機械である。トランスファープレス機械10は重量物であり、工場等の頑丈な床面FLに強固に固定されている。これにより、トランスファープレス機械10は、がたつくこと無く安定した動作が可能となっている。トランスファープレス機械10は、床面FLに固定されたベース部11と、当該ベース部11を覆う筐体12と、を備えている。また、筐体12の内部には、トランスファープレス機械10の長手方向(図中左右方向)に並ぶようにして、合計12個の第1プレス加工部PD1ないし第12プレス加工部PD12(詳細図示せず)が設けられている。
【0018】
筐体12の内部には、図中二点鎖線で示されるように、筐体12の内部で昇降駆動されるスライド(昇降部材)13が設けられている。具体的には、スライド13は、トランスファープレス機械10に搭載された大型の電動モータ(図示せず)により、図中矢印M1のように所定の移動速度で昇降するようになっている。ここで、トランスファープレス機械10の近傍には、タッチパネル式の操作部14が設置されている。操作部14には、トランスファープレス機械10を統括的に制御するコントローラが設けられ、操作部14を操作することで、スライド13の移動速度をきめ細かく、かつ無段階で調整可能となっている。
【0019】
スライド13には、その長手方向(図中左右方向)に並ぶようにして、第1~第12プレス加工部PD1~PD12をそれぞれ形成する上金型(図示せず)が設けられている。これに対し、ベース部11には、その長手方向(図中左右方向)に並ぶようにして、第1~第12プレス加工部PD1~PD12をそれぞれ形成する下金型(図示せず)が設けられている。すなわち、トランスファープレス機械10を作動させて、スライド13を昇降駆動することで、それぞれの上金型は、それぞれの対応した下金型に対して、筐体12の内部で接近または離反するようになっている。
【0020】
また、筐体12の内部で、かつベース部11とスライド13との間には、図中二点鎖線で示されるように、筐体12の内部で駆動される移送機構15が設けられている。具体的には、移送機構15は、トランスファープレス機械10に搭載された大型の電動モータ(図示せず)により、図中矢印SWのように所定の移動速度で移動するようになっている。なお、スライド13の動作と移送機構15の動作とが互いに同期するように、両者間にはシンクロ(同期)機構(図示せず)が設けられている。
【0021】
移送機構15は、筐体12の内部において、第1~第12プレス加工部PD1~PD12でプレス加工された加工品(ワークないし製品)を、筐体12の入口側から出口側に向けて、次々と移送するものである。具体的には、移送機構15は、1つのプレス加工部に対して一対のフィンガー(把持爪)15a(
図7および
図8参照)を備えている。つまり、本実施の形態では、プレス加工部が合計12個存在するため、移送機構15は、合計12対のフィンガー15aを備えている。
【0022】
そして、移送機構15は、筐体12の内部において、所定のタイミングで複数のワークおよび1つの製品を同時に把持して、これらのワークおよび製品を次の(下流側の)工程に移送するようになっている。なお、
図1に示されるように、プレス加工前のワーク(加工品)W0は、第1コンベヤ装置C1により、トランスファープレス機械10(筐体12)の内部に移送され、第12プレス加工部PD12でプレス加工されて完成した製品W12は、第2コンベヤ装置C2により、トランスファープレス機械10(筐体12)の外部に移送される。なお、ワークおよび製品の流れ方向は、
図1の左側から右側となっている。
【0023】
また、トランスファープレス機械10の下方には、床下収容部SCが設けられており、当該床下収容部SCには、空圧機器20が収容されている。空圧機器20は、圧縮エアを発生するエアコンプレッサや、当該エアコンプレッサで発生した圧縮エアを溜めておくエアタンクや、エアタンクの内部圧力を検出する圧力センサや、ソレノイド式の給排バルブや、調圧バルブ等(図示せず)から構成されている。そして、空圧機器20は、第1~第12プレス加工部PD1~PD12の上金型にそれぞれ設けられたノックアウト装置や、第1~第12プレス加工部PD1~PD12の下金型を作動させる機能を備えている。
【0024】
ここで、空圧機器20は、床面FLよりも地中側(下方側)に設けられた床下収容部SCの内部に設置されている。そのため、空圧機器20の作動音(特に、作動音が大きいエアコンプレッサの音等)が、工場の外部に漏れ出てしまうことが効果的に抑えられている。
【0025】
トランスファープレス機械10の入口側(
図1中左側)には、鋼板をロール状に丸めてなるコイル材CLから、円板材料(ブランク)を打ち抜く打ち抜き機械30が設置されている。打ち抜き機械30は、トランスファープレス機械10の近傍でかつ上流側に設けられ、トランスファープレス機械10と同様に床面FLに強固に固定されている。また、打ち抜き機械30とトランスファープレス機械10との間には、円板材料であるワークW0を筐体12の内部へと移送する第1コンベヤ装置C1が設けられている。
【0026】
打ち抜き機械30は、所定の送り速度でコイル材CLが供給されてくる台座31と、図中矢印M2に示されるように台座31の真上に昇降自在に設けられ、略円柱形状に形成された打ち抜きポンチ32と、を備えている。この打ち抜き機械30においても、操作部14の操作により、トランスファープレス機械10と同期して作動するようになっている。これにより、打ち抜きポンチ32によって打ち抜かれたワークW0(ブランク)が、第1コンベヤ装置C1を介して、所定のタイミングで次々と筐体12の内部に供給(移送)されていく。
【0027】
次に、トランスファープレス機械10の筐体12の内部に設けられる第1~第12プレス加工部PD1~PD12の詳細構造について、図面を用いて説明する。なお、第1~第12プレス加工部PD1~PD12は、それぞれ上下金型の形状が異なっており、その他の構造については、いずれも略同じ構造となっている。したがって、第1~第12プレス加工部PD1~PD12のうちの1つの、筐体12の略中央部分に配置された第6プレス加工部PD6を代表して、その詳細構造について説明する。
【0028】
図2に示されるように、第6プレス加工部PD6では、その上流側の第5プレス加工部PD5によりプレス加工されたワークW5を、さらにプレス加工してワークW6とし、その下流側の第7プレス加工部PD7へと引き継ぐようになっている。このように、本実施の形態に係るトランスファープレス機械10は、ブランクであるワークW0(
図1参照)を、徐々に製品形状に近付くように塑性変形させるべく、合計12回のプレス加工を施して製品W12(
図1参照)を製造するようになっている。
【0029】
第6プレス加工部PD6は、スライド13に固定された第6上金型ユニット40と、ベース部11に固定された第6下金型ユニット50と、を備えている。また、第6上金型ユニット40には、スライド13を介してノックアウト装置60が固定されている。具体的には、第6上金型ユニット40は、スライド13のベース部11側(図中下側)に設けられ、ノックアウト装置60は、スライド13のベース部11側とは反対側(図中上側)に設けられている。なお、
図2ないし
図9では、第6プレス加工部PD6の構造を分かり易くすべく、ベース部11およびスライド13の形状を簡略化している。
【0030】
第6上金型ユニット40は、スライド13側(図中上側)から順番に、スライド13に固定された金型ベース41と、当該金型ベース41に固定された筒状のピン支持部材42と、当該ピン支持部材42に固定された第6上金型(金型)43と、を備えている。
【0031】
金型ベース41は、径方向に肉厚の略筒状に形成されており、その径方向内側には、第6上金型ユニット40の軸方向に貫通する貫通孔41aが形成されている。そして、金型ベース41の貫通孔41aは、ノックアウト装置60の第1ロッド63の一部を形成する筒部材63bを摺動自在に支持している。
【0032】
また、ピン支持部材42は、金型ベース41に対して同軸上に配置され、その径方向内側には、金型ベース41の貫通孔41aよりも大径の貫通孔42aが形成されている。そして、ピン支持部材42の貫通孔42aは、ノックアウト装置60の筒部材63bの他端に固定された押し出しピンPPの一端の本体部PP1を摺動自在に支持している。
【0033】
さらに、第6上金型43は、金型ベース41およびピン支持部材42の双方に対して同軸上に配置され、その径方向内側には、ピン支持部材42の貫通孔42aよりも小径の貫通孔43aが形成されている。そして、第6上金型43の貫通孔43aは、押し出しピンPPの他端の先端部PP2を摺動自在に支持している。これに加えて、第6上金型43のベース部11側には、加工凹部(加工領域)43bが開口して設けられ、当該加工凹部43bは、ワークW6の径方向外側を成形するようになっている。
【0034】
ここで、
図2に示されるように、スライド13にも貫通孔13aが形成されており、スライド13の貫通孔13aにおいても、他の貫通孔41a,42a,43aおよび加工凹部43bに対して、同軸上に配置されている。そして、スライド13の貫通孔13aは、第1ロッド63のロッド本体63aを摺動自在に支持している。ここで、筒部材63bの直径寸法は、ロッド本体63aの直径寸法よりも小さくなっている。したがって、筒部材63bは、スライド13の貫通孔13aに対して非接触となっている。よって、ノックアウト装置60の第1ピストン62の摺動抵抗が無用に大きくなることが抑えられ、ノックアウト装置60の制御性を向上させている。
【0035】
ここで、スライド13には、第6上金型ユニット40の他にも、形状が異なる別の上金型ユニット(
図9参照)が装着可能となっている。これにより、段階を経てプレス加工が可能となる。なお、第6上金型ユニット40は、金型ベース41,ピン支持部材42,第6上金型43,筒部材63b,押し出しピンPP,後述する棒部材66bおよび支持ピンSPによって構成されている。そして、別の上金型ユニット(
図9参照)に交換する際には、これに合わせて、形状が異なる別の下金型ユニット(
図9参照)に交換するようにする。
【0036】
ノックアウト装置60は、大径でかつ長尺の第1シリンダ61を備えている。この第1シリンダ61は、略円筒形状に形成され、かつ第6上金型43の移動方向(図中上下方向)に延びている。具体的には、第1シリンダ61は、スライド13の第6上金型ユニット40側とは反対側(図中上側)に固定されている。つまり、第1シリンダ61は、スライド13を介して第6上金型ユニット40(第6上金型43)に設けられている。
【0037】
第1シリンダ61の内部には、中空の第1ピストン62が摺動自在に設けられている。第1ピストン62は、第1シリンダ61の内部を第1上室UR1と第1下室BR1とに仕切っている。第1ピストン62の径方向外側には、フッ素樹脂等の摺動性が良好な素材により環状に形成されたシールリング62aが装着されている。これにより、第1ピストン62は、第1シリンダ61の内部をスムーズに摺動可能となっている。
【0038】
また、第1ピストン62には、その軸方向両側を連通する連通穴62bが形成されており、連通穴62bは、第1シリンダ61の第1下室BR1と、第2シリンダ64の第2下室BR2と、を連通させている。つまり、第1下室BR1の内部圧力と第2下室BR2の内部圧力とは、互いに同じ圧力(同圧)となる。
【0039】
第1ピストン62の軸方向一側(図中下側)には、中空の第1ロッド63の一端が固定されている。第1ロッド63は、第1ピストン62に固定されたロッド本体63aと、ロッド本体63aの第1ピストン62側とは反対側に基端部が固定された筒部材63bと、から構成されている。そして、第1ロッド63の他端は、第1シリンダ61の外部に突出されている。
【0040】
また、第1ロッド63の他端、つまり筒部材63bの先端部には、略2段の筒状に形成された中空の押し出しピンPPが固定されている。押し出しピンPPの基端側(図中上側)には、大径の本体部PP1が設けられ、押し出しピンPPの先端側(図中下側)には、本体部PP1よりも小径の先端部PP2が設けられている。そして、先端部PP2の一部は、第6上金型43の加工凹部43bの内側に露出されており、加工凹部43bの内側に張り付いたワーク(加工品)W6を、加工凹部43bから押し出す機能を有している。
【0041】
第1シリンダ61は、筒状本体61aと、筒状本体61aの軸方向一側を閉塞しつつ、第1ロッド63の摺動を案内するロッド案内部61bと、筒状本体61aの軸方向他側を閉塞する第1底壁部61cと、から形成されている。そして、筒状本体61aと、第1ピストン62と、第1底壁部61cと、によって第1上室UR1が形成され、筒状本体61aと、第1ピストン62と、ロッド案内部61bと、によって第1下室BR1が形成されている。
【0042】
また、筒状本体61aの軸方向一側寄りの部分で、かつロッド案内部61bの近傍には、第1下室BR1と外部とを連通する連通孔61dが設けられている。連通孔61dには、空圧機器20等の外部機器が何も接続されておらず、すなわち、第1下室BR1は大気開放となっている。よって、第1下室BR1の内部圧力は、常に大気圧となる。これに伴い、第2シリンダ64における第2下室BR2の内部圧力においても、常に大気圧となる。
【0043】
さらに、第1底壁部61cには、第1シリンダ61の外部と第1上室UR1とを連通する第1連通路61eが設けられている。そして、第1シリンダ61の外部において、第1連通路61eと、空圧機器20を構成する第1エア給排機構21との間には、第1エア配管TB1が設けられている。つまり、第1上室UR1は、第1エア給排機構21に接続されている。ここで、第1上室UR1は、第1シリンダ61の内部における第1ピストン62の軸方向他側に設けられ、本発明における第1エア室を構成している。
【0044】
これにより、第1エア給排機構21を駆動することで、第1上室UR1に対してエアが給排可能となっている。ここで第1エア配管TB1には、その内部容積が殆ど変化しない、例えば金属の繊維(メッシュ)で覆われた可撓性を有するフレキシブルエア配管が採用される。これにより、第1ピストン62の作動応答性を向上させている。
【0045】
また、第1底壁部61cにおける第1連通路61eの近傍には、第1シリンダ61の外部と第1上室UR1とを連通する第2連通路61fが設けられている。そして、第1シリンダ61の外部において、第2連通路61fと、空圧機器20を構成する第2エア給排機構22との間には、第2エア配管TB2が設けられている。さらに、第1上室UR1の内部における第2連通路61fと、第2シリンダ64の第3連通路64cとの間には、第3エア配管TB3が設けられている。
【0046】
これにより、第2エア給排機構22を駆動することで、第2エア配管TB2および第3エア配管TB3を介して、第2シリンダ64の第2上室UR2に対してエアが給排可能となっている。つまり、第2上室UR2は、第2エア給排機構22に接続されている。ここで第2および第3エア配管TB2,TB3においても、その内部容積が殆ど変化しない、例えば金属の繊維(メッシュ)で覆われた可撓性を有するフレキシブルエア配管が採用される。これにより、第2シリンダ64の内部の第2ピストン65の作動応答性も向上している。
【0047】
このように、ノックアウト装置60を形成する第1ピストン62および第2ピストン65の作動応答性がいずれも良好なため、ノックアウト装置60を速やかに作動させることが可能となっており、ひいてはトランスファープレス機械10全体の作動速度(作業効率)を、向上させることができる。
【0048】
ここで、第3エア配管TB3は、第1上室UR1の内部に長さに余裕を持って(蛇行するように弛みを持って)配置されている。これにより、第2シリンダ64は、第1シリンダ61の内部において、第1ピストン62の摺動に伴ってスムーズに移動可能となっている。
【0049】
ノックアウト装置60は、第1シリンダ61に比して小径でかつ短尺の第2シリンダ64を備えている。第2シリンダ64は、略円筒形状に形成され、かつ第6上金型43の移動方向(図中上下方向)に延びている。具体的には、第2シリンダ64は、第1シリンダ61における第1上室UR1の内部に配置され、第1ピストン62の軸方向他側(図中上側)に固定されている。
【0050】
第2シリンダ64の内部には、中実の第2ピストン65が摺動自在に設けられている。第2ピストン65は、第2シリンダ64の内部を第2上室UR2と第2下室BR2とに仕切っている。第2ピストン65の直径寸法は、第1ピストン62の直径寸法よりも小さくなっており、具体的には第1ピストン62の直径寸法の約1/3に設定されている。第2ピストン65の径方向外側には、フッ素樹脂等の摺動性が良好な素材により環状に形成されたシールリング65aが装着されている。これにより、第2ピストン65は、第2シリンダ64の内部をスムーズに摺動可能となっている。
【0051】
第2ピストン65の軸方向一側(図中下側)には、中実の第2ロッド66の一端が固定されている。第2ロッド66は、第2ピストン65に固定されたロッド本体66aと、ロッド本体66aの第2ピストン65側とは反対側に固定された棒部材66bと、から構成されている。そして、これらのロッド本体66aおよび棒部材66bは、それぞれ中空の第1ピストン62および中空の第1ロッド63の内部に摺動自在に設けられている。
【0052】
ここで、棒部材66bの軸方向一側には、棒部材66bの本体部分よりも大径となった先端摺動部66cが設けられている。先端摺動部66cの軸方向長さは、棒部材66bの本体部分の軸方向長さに比して大分短くなっている。そして、先端摺動部66cは、筒部材63bの内部に摺動自在に設けられている。これにより、棒部材66bの筒部材63bに対する摺動抵抗が無用に大きくなることが抑えられている。よって、第2ピストン65の作動応答性が向上して、第2ピストン65は第2シリンダ64の内部をスムーズに移動可能となっている。
【0053】
また、棒部材66bにおける先端摺動部66cの部分、つまり第2ロッド66の他端には、棒部材66bと同様に棒状に形成された支持ピンSPの基端部(図中上部)が固定されている。そして、支持ピンSPの先端側は、中空の押し出しピンPPの内部に摺動自在に設けられている。ここで、支持ピンSPの先端部SP1は、押し出しピンPPから突出可能となっており、第6上金型43の加工凹部43bから取り外されたワークW6を支持する機能を有している。
【0054】
また、支持ピンSPの基端側(図中上側)には、先端摺動部66cと同じ直径寸法に設定され、かつ軸方向長さが短くなった基端摺動部SP2が設けられている。これにより、支持ピンSPの筒部材63bに対する摺動抵抗が無用に大きくなることも抑えられている。したがって、これによっても第2ピストン65の作動応答性の向上が図られている。
【0055】
第2シリンダ64は、筒状本体64aと、筒状本体64aの軸方向他側を閉塞する第2底壁部64bとから形成され、第2シリンダ64の軸方向一側は開口されている。この第2シリンダ64の開口部分に、当該開口部分を閉塞するようにして第1ピストン62が固定されている。そして、筒状本体64aと、第2ピストン65と、第2底壁部64bと、によって第2上室UR2が形成され、筒状本体64aと、第2ピストン65と、第1ピストン62と、によって第2下室BR2が形成されている。さらに、第2底壁部64bには、第2シリンダ64の第2上室UR2と第1シリンダ61の第1上室UR1とを連通する第3連通路64cが設けられている。
【0056】
ここで、第2上室UR2は、第2シリンダ64の内部における第2ピストン65の軸方向他側に設けられ、本発明における第2エア室を構成している。また、ノックアウト装置60は、他のプレス加工部、つまり第1~第5プレス加工部PD1~PD5および第7~第12プレス加工部PD7~PD12に対して共通の構成部品となっている。具体的には、ノックアウト装置60は、第1シリンダ61,第1ピストン62,ロッド本体63a,第2シリンダ64,第2ピストン65,ロッド本体66aおよび第3エア配管TB3によって構成されている。
【0057】
第6プレス加工部PD6のノックアウト装置60に接続される空圧機器20は、第1エア給排機構21および第2エア給排機構22を備えている。第1および第2エア給排機構21,22は、いずれも操作部14(
図1参照)により作動するようになっている。そして、第1エア給排機構21は、第1シリンダ61の第1上室UR1に対してエアを給排し、第2エア給排機構22は、第2シリンダ64の第2上室UR2に対してエアを給排するようになっている。
【0058】
ここで、
図2に示されるように、第1エア給排機構21は、第1~第12プレス加工部PD1~PD12のそれぞれに対応して1つずつ(合計12個)設けられている。これに対し、第2エア給排機構22は、第1~第12プレス加工部PD1~PD12のそれぞれに共通のもの(合計1個)となっている。
【0059】
第1エア給排機構21は、第1上室UR1の内部圧力を、正圧または負圧に制御して、これにより第1ピストン62を、第1シリンダ61の内部で図中上下方向に摺動させるようになっている。このとき、第2シリンダ64も、第1ピストン62と一緒に第1シリンダ61の内部を図中上下方向に移動して、第3エア配管TB3が撓むようになっている。
【0060】
なお、第1~第12プレス加工部PD1~PD12は、それぞれ1つのスライド13の昇降動作により連動するため、加工品(ワークW1ないし製品W12)を取り外すノックアウト動作のタイミングもそれぞれ同時となる。したがって、第1~第12プレス加工部PD1~PD12に対応したそれぞれの第1エア給排機構21についても、スライド13の昇降動作にシンクロ(同期)して動作するようになっている。
【0061】
第2エア給排機構22は、第2上室UR2の内部圧力を、正圧または負圧に制御して、これにより第2ピストン65を、第2シリンダ64の内部で図中上下方向に摺動させるようになっている。
【0062】
ここで、第1~第12プレス加工部PD1~PD12は、それぞれ1つのスライド13の昇降動作により連動するため、加工品(ワークW1ないし製品W12)を支持する支持動作のタイミングもそれぞれ同時となる。したがって、第1~第12プレス加工部PD1~PD12に対応した1つの第2エア給排機構22においても、スライド13の昇降動作にシンクロ(同期)して動作するようになっている。
【0063】
ここで、第1エア給排機構21は、大径の第1ピストン62を動かして、かつ比較的大きな押圧力(押し出し力)が必要なノックアウト動作に用いられるため、第2エア給排機構22よりも高出力型のエアコンプレッサ(図示せず)を有している。そして、第1~第12プレス加工部PD1~PD12では、それぞれ加工品の形状が異なるため、ノックアウト動作時の押圧力もそれぞれ異なる。そのため、第1エア給排機構21を、第1~第12プレス加工部PD1~PD12のそれぞれに対応して1つずつ設けるようにしている。なお、第1~第12プレス加工部PD1~PD12におけるノックアウト動作時の押圧力(押し出し力)は、いずれも約10kNに設定されている。
【0064】
これに対し、第2エア給排機構22は、小径の第2ピストン65を動かして、かつ比較的小さな押圧力(支持力)で済むワーク支持動作に用いられるため、第1エア給排機構21よりも低出力型のエアコンプレッサ(図示せず)を有している。なお、第1~第12プレス加工部PD1~PD12におけるワーク支持時の押圧力(支持力)は、いずれも約0.5kNに設定されている。また、
図5ないし
図7に示されるように、加工品(ワークW1ないし製品W12)を支持する支持ピンSPの移動量(t1-t2:約240mm)は、押し出しピンPPの移動量(T1-T2:約120mm)に比して多くなっており(t1-t2>T1-T2)、かつ加工品を変形させずに支持する程度の押圧力を出力可能なように、第2エア給排機構22は、比較的容量の大きなエアタンクと当該エアタンクの内圧を所定圧に管理するための圧力センサを備えている。
【0065】
このように、互いに機能が異なる第1エア給排機構21および第2エア給排機構22をそれぞれ設けることで、加工品に対する押し出しピンPPの押し出し力を、加工品に対する支持ピンSPの支持力よりも大きくなるようにしている。言い換えれば、第1エア給排機構21では、第1~第12プレス加工部PD1~PD12に対応して、個別に設定された大きな押し出し力が必要であるのに対し、第2エア給排機構22では、第1エア給排機構21よりも繊細なエア圧の管理が必要である。そのため、少しでも操作部14での負荷を軽減するためにも、第2エア給排機構22では、エアタンクおよび圧力センサを設け、第1~第12プレス加工部PD1~PD12における支持力(全て同じ押圧力で良い)を、一括で管理できるようにしている。
【0066】
図2に示されるように、第6下金型ユニット50は、略円柱形状に形成された第6下金型(金型)51を備えている。第6下金型51は、ワークW6の径方向内側を成形するようになっている。また、第6下金型51は、空圧機器20に設けられた下金型用のエア給排機構(図示せず)により、スライド13の移動方向(図中上下方向)に移動自在となっている。
【0067】
具体的には、第6下金型51は、
図5および
図6に示されるように、ベース部11に対して昇降自在となっている。これにより、ワークW6を第6下金型51から離型可能となっている。なお、第6下金型51から離型されたワークW6は、ベース部11の上の規定の位置(下降された第6下金型51の真上)に残るようになっている(
図6および
図7参照)。
【0068】
第6下金型51の基端部(図中下部)は、ベース部11の下方で昇降される昇降台52に固定されている。そして、昇降台52が、下金型用のエア給排機構からのエアの給排により昇降するようになっている。なお、下金型用のエア給排機構においても、操作部14(
図1参照)の操作により駆動され、昇降台52(第6下金型51)の下降タイミング、つまり離型タイミングは、ノックアウト装置60の作動タイミングと略一緒である。
【0069】
このように、第6下金型ユニット50は、第6下金型51と、当該第6下金型51が固定された昇降台52とから形成され、第6下金型51は、第6上金型43とセット(対)になっている。すなわち、第6下金型51と第6上金型43とが互いに接近または離反(協働)して、ワークW6を成形するようになっている。
【0070】
次に、以上のように形成された第6プレス加工部PD6の動作について、図面を用いて詳細に説明する。
【0071】
[ワーク準備工程]
まず、
図3に示されるように、[ワーク準備工程]では、トランスファープレス機械10は「基準状態」となっている。具体的には、スライド13が、ベース部11から最も離れた位置に配置された状態、つまり上死点に到達した状態にあり、ベース部11と第6上金型43との離間距離L1は、ワークW5の設置高さ寸法Hwよりも十分に大きく(L1>Hw)、ワークW5を第6下金型51に容易にセット(設置)可能となっている。
【0072】
また、[ワーク準備工程]では、ノックアウト装置60の押し出しピンPPおよび支持ピンSPは、いずれも最も後退した位置に配置されている。具体的には、第1ピストン62とロッド案内部61bとの離間距離が、互いに最も離れた離間距離T1となっており、第2ピストン65と第1ピストン62との離間距離が、互いに最も離れた離間距離t1となっている。ここで、第2ピストン65の移動量が、第1ピストン62の移動量よりも多いことから、t1>T1となっている。
【0073】
なお、第6プレス加工部PD6においては、ワークW6を成形する第6上金型43の加工凹部43bの深さ寸法HG6は、ワークW6の高さ寸法と等しくなっている。また、加工凹部43bの内径寸法WD6は、ワークW6の外径寸法と等しくなっている。
【0074】
さらに、第6下金型ユニット50の第6下金型51は、最も上方に配置された状態にあり、具体的には、ワーク(加工品)W5が載せられるベース部11の上面を基準位置HBとしたときに、当該基準位置HBと昇降台52との離間距離は、互いに最も接近した離間距離S1となっている。このとき、第6下金型51は、図示しないロック機構によりロック状態とされ、第6下金型51に大きな押圧力(加工力)が作用しても、第6下金型51は下降することが無い。ここで、第6下金型51の外径寸法D6は、ワークW6の内径寸法と等しくなっている。
【0075】
そして、
図3に示されるように、スライド13がベース部11から最も離れた状態において、図中破線矢印で示されるように、移送機構15(
図1参照)が駆動されて、第6プレス加工部PD6よりも上流側にある第5プレス加工部PD5でプレス加工されたワークW5が、第6プレス加工部PD6の第6下金型51に移送されてくる。これにより、ワークW5が第6下金型51にセットされて[ワーク準備工程]が終了する。
【0076】
なお、[ワーク準備工程]では、第1および第2エア給排機構21,22(
図2参照)は、いずれも第1および第2上室UR1,UR2の内部のエアの吸排を停止(禁止)するように駆動される。これにより、押し出しピンPPおよび支持ピンSPが、いずれも最も後退した位置(
図3の状態)で保持され、押し出しピンPPおよび支持ピンSPが自重で下降することが無い。
【0077】
[絞り加工工程]
次いで、
図4に示されるように、[絞り加工工程]では、トランスファープレス機械10の駆動により、矢印M3に示されるように、スライド13が所定の移動速度で下降される。これにより、第6上金型43が第6下金型51に接近して、ベース部11と第6上金型43との離間距離L1(
図3参照)が、離間距離L2のように徐々に短くなっていく。
【0078】
これにより、第6下金型51の先端側が、第6上金型43の加工凹部43bの内部に入り込んでいき、第6下金型51にセットされたワークW5が、第6下金型51と第6上金型43との間で絞られて(プレス加工されて)、徐々にワークW6の形状に近付いていく。
【0079】
ここで、ワークW5の絞り加工中においては、第6下金型51は、[ワーク準備工程]のときと同様に、最も上方に配置され、かつロック機構によりロック状態となっている。つまり、基準位置HBと昇降台52との離間距離はS1となっている。
【0080】
また、[絞り加工工程]では、ノックアウト装置60においても、[ワーク準備工程]のときと同様に、押し出しピンPPおよび支持ピンSPは、いずれも最も後退した位置に配置されている。すなわち、第1ピストン62とロッド案内部61bとの離間距離はT1となっており、第2ピストン65と第1ピストン62との離間距離はt1となっている。
【0081】
[下死点到達]
その後、
図5の矢印M3に示されるように、スライド13の継続した下降動作に伴い、第6上金型43がベース部11に当接される(突き当てられる)。すなわち、第6上金型43の内部に第6下金型51の先端側が完全に入り込んで、第6上金型43とベース部11との離間距離が「0」になる。このように、トランスファープレス機械10の駆動により、スライド13が下死点に到達して、ワークW5が第6下金型51と第6上金型43との間に完全に入り込んでワークW6となる。これにより、第6プレス加工部PD6での絞り加工(プレス加工)が完了する。
【0082】
このとき、第6下金型51は、未だ、最も上方に配置され、かつロック状態を維持している。また、ノックアウト装置60においても、未だ、押し出しピンPPおよび支持ピンSPは、いずれも最も後退した位置に配置されている。
【0083】
[離型工程(ノックアウト動作)]
次に、
図6に示されるように、第6プレス加工部PD6で加工されたワークW6を、第6上金型43および第6下金型51の双方から取り外す作業(ノックアウト動作)が行われる。具体的には、まず、図中白抜きの太矢印に示されるように、第1エア給排機構21(
図2参照)が駆動されて、第1連通路61eから第1シリンダ61の第1上室UR1に所定圧(大)の「正圧」のエアが供給される。また、これと略同時に、第2エア給排機構22(
図2参照)が駆動されて、第2連通路61fから第2シリンダ64の第2上室UR2に所定圧(小)の「正圧」のエアが供給される。これにより、
図6の網掛け(濃淡)に示されるように、第1および第2上室UR1,UR2の内部圧力が高められる。
【0084】
なお、第1および第2上室UR1,UR2の内部圧力は、それぞれ所定の内部圧力で一定に保持するように、第1および第2エア給排機構21,22により制御される。そして、第1および第2エア給排機構21,22による内部圧力の制御(圧力一定保持制御)は、次の[ワーク保持工程]においても継続して行われる。
【0085】
その後、図中矢印M4に示されるように、第6下金型51のロック状態が解除され、かつ空圧機器20に設けられた下金型用のエア給排機構(図示せず)が駆動されて、第6下金型51が下降する。これにより、ワークW6から第6下金型51が離型されて、第6下金型51の先端部分がベース部11に隠れるようになる。具体的には、基準位置HBと昇降台52との離間距離が、互いに最も離れた離間距離S2となる(S2>S1)。
【0086】
一方、図中矢印M5に示されるように、今度はスライド13が所定の移動速度で上昇される。すると、第1シリンダ61の第1上室UR1の内部圧力が高められているため、スライド13の上昇とともに、第1シリンダ61が伸張動作、つまり第1ピストン62がロッド案内部61bに近付いていく。このとき、第1シリンダ61の第1下室BR1の内部のエアは、連通孔61dを介して大気に放出される。これにより、ワークW6の底面における略全体の部分が、押し出しピンPPにより押圧力F1(大)で押圧されて、ワークW6が第6上金型43から離型される。
【0087】
なお、スライド13が上昇して第1ピストン62とロッド案内部61bとの離間距離が互いに最も接近した離間距離T2となり(T2<T1)、かつベース部11と第6上金型43との離間距離がL3となったところ(L1>L3>L2)で、ワークW6が第6上金型43から完全に外れて、ワークW6の第6上金型43からの離型(ノックアウト動作)が完了する。
【0088】
このとき、ノックアウト装置60の支持ピンSPは、未だ、押し出しピンPPから突出されていないため、最も後退した位置に配置された状態のままである。つまり、第2ピストン65と第1ピストン62との離間距離が、互いに最も離れた離間距離t1のままとなっている。
【0089】
[ワーク保持工程]
その後、
図7の矢印M5に示されるように、スライド13の継続した上昇動作に伴い、第6上金型43がベース部11から離れていく。その後、トランスファープレス機械10が「基準状態」に戻り、スライド13が、ベース部11から最も離れた位置に配置された状態、つまり上死点に到達した状態となる。すなわち、ベース部11と第6上金型43との離間距離がL1となる。
【0090】
このとき、第1シリンダ61における第1上室UR1の内部圧力は「正圧」に保持されている。よって、押し出しピンPPの本体部PP1は、第6上金型43に当接されて、互いの離間距離が「0」となる。よって、押し出しピンPPがそれ以上加工凹部43bの内部に突出されることが停止されて、ワークW6から押し出しピンPPが離れる。
【0091】
また、第2シリンダ64における第2上室UR2の内部圧力においても、「正圧」に保持されているため、今度は支持ピンSPが押し出しピンPPから突出するようになる。すなわち、[ワーク保持工程]では、支持ピンSPの先端部SP1が、ワークW6の底面の一部を押圧力F2(F2<F1)で押圧した状態を保持するようになっている。ここで、押圧力F2、つまりワークW6を支持する支持力の大きさは、ワークW6を変形させることが無く、かつワークW6をベース部11の上面(載置面)の規定位置に対してがたつくこと無くずれないように保持可能な大きさに設定されている。
【0092】
そして、トランスファープレス機械10が「基準状態」に戻った状態において、第2ピストン65と第1ピストン62との離間距離が互いに最も接近した離間距離t2となって、支持ピンSPの移動量(突出量)が略最大値となる。このとき、第1上室UR1の内部に弛みを持って設けられた第3エア配管TB3は、第1上室UR1の内部においてスムーズに略真っ直ぐになる(
図7参照)。また、第2シリンダ64の第2下室BR2の内部のエアは、連通穴62b,第1下室BR1および連通孔61dを介して大気に放出される。よって、第2ピストン65は、第2シリンダ64の内部をスムーズに移動することができる。
【0093】
また、第2エア給排機構22の駆動に伴い、第2シリンダ64の第2上室UR2の内部圧力は、所定圧(小)の「正圧」に保持されている。したがって、支持ピンSPのワークW6に対する支持力(押圧力F2)は略一定に保持される。よって、
図7に示されるトランスファープレス機械10の「基準状態」においても、ワークW6をベース部11の上面における規定位置に、がたつくこと無くずれないように保持される。
【0094】
その後、移送機構15(
図1参照)が駆動され、これに伴い、支持ピンSPにより支持されたワークW6が、
図7の破線矢印に示されるように、一対のフィンガー15aにより把持される。このとき、ワークW6は、支持ピンSPにより正規の位置に正確に保持されているので、一対のフィンガー15aは、ワークW6を把持し損ねたりワークW6を傷付けたりすること無く、精度良く確実にワークW6を把持することができる。よって、トランスファープレス機械10の運転を停止して、ワークW6の把持状態を確認したりする無駄な作業を無くすことができる。これにより、[ワーク保持工程]が完了する。
【0095】
[ワーク移送工程]
次いで、
図8に示されるように、第6上金型ユニット40が「基準状態」(
図3参照)に戻される(復帰される)。具体的には、図中黒塗りの太矢印に示されるように、第1エア給排機構21(
図2参照)の駆動により、第1シリンダ61の第1上室UR1から第1連通路61eを介してエアが吸引されて外部に排出される。すなわち、第1上室UR1は「負圧」となる。また、これと略同時に、第2エア給排機構22(
図2参照)の駆動により、第2シリンダ64の第2上室UR2から第2連通路61fを介してエアが吸引されて外部に排出される。すなわち、第2上室UR2は「負圧」となる。
【0096】
これにより、図中矢印M6に示されるように、押し出しピンPPおよび支持ピンSPの双方が上昇して、いずれも
図3に示される状態に復帰する。つまり、第1ピストン62とロッド案内部61bとの離間距離が、互いに最も離れた離間距離T1となり、第2ピストン65と第1ピストン62との離間距離が、互いに最も離れた離間距離t1となる。このとき、第1シリンダ61の第1下室BR1および第2シリンダ64の第2下室BR2の内部には、それぞれ連通孔61dおよび連通穴62bを介してエア(大気)が流入する。
【0097】
その後、移送機構15(
図1参照)の駆動により、一対のフィンガー15aに把持されたワークW6が、第6プレス加工部PD6の下流側にある第7プレス加工部PD7に移送される。このとき、支持ピンSPが後退したことと、ベース部11と第6上金型43との離間距離L1が十分であることから、移送機構15や一対のフィンガー15aに把持されたワークW6が、支持ピンSPや第6上金型43に接触することは無い。
【0098】
次いで、空圧機器20に設けられた下金型用のエア給排機構(図示せず)が駆動されて、図中矢印M7に示されるように、第6下金型51が上昇して、第6下金型51の先端部分がベース部11から顔を出す。その後、ロック機構(図示せず)がロック状態となって、基準位置HBと昇降台52との離間距離S2が、互いに最も接近した離間距離S1となる(
図3参照)。すなわち、第6下金型ユニット50においても、
図3に示される「基準状態」に復帰する。これにより、[ワーク移送工程]が完了する。
【0099】
ここで、本実施の形態のトランスファープレス機械10では、上述した複数の工程(動作)、すなわち[ワーク準備工程],[絞り加工工程],[下死点到達],[離型工程(ノックアウト動作)],[ワーク保持工程]および[ワーク移送工程]を、この順番で極短時間の間に連続して行う。具体的には、本実施の形態のトランスファープレス機械10では、所謂「復筒式(2重式)のエアシリンダ構造」を有するノックアウト装置60を採用するため、「30個ないし60個/1分間」の製造能力を、安定して発揮できることが分かった。
【0100】
これに対し、従前のように、支持ピンSPをコイルスプリングで押圧するようにした比較例(図示せず)では、コイルスプリングの伸縮動作が、スライド13の昇降動作の高速化に追従できなくなり、精々「30個/1分間」の製造能力を発揮するのが限界であった。このように、本実施の形態のトランスファープレス機械10では、製造時間を短縮したいというニーズに加えて、精度良く製造して不良品を無くしたいというニーズに、十分に応えることが可能となる。
【0101】
なお、スライド13には、上述した第6上金型ユニット40に換えて、例えば、
図9(a)および
図9(b)に示されるような第3上金型ユニット70および第9上金型ユニット90が装着可能となっている。そして、これに対応させて、ベース部11には、第3下金型ユニット80および第9下金型ユニット100が装着可能となっている。
【0102】
なお、以下の第3上金型ユニット70および第3下金型ユニット80,第9上金型ユニット90および第9下金型ユニット100の説明では、第6上金型ユニット40および第6下金型ユニット50と異なる部分についてのみ説明し、第6上金型ユニット40および第6下金型ユニット50と同様の機能を有する部分については同じ記号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0103】
図9(a)に示されるように、第3上金型ユニット70は、第3上金型(金型)71を備えている。第3上金型71は、第6上金型ユニット40の上流側において、ワークW6よりも絞られていない大径で浅いワークW3(図示せず)を形成する。そのため、第3上金型71における加工凹部(加工領域)71bの内径寸法WD3は、加工凹部43bの内径寸法WD6(
図3参照)よりも大きく設定されている(WD3>WD6)。
【0104】
また、加工凹部71bの深さ寸法HG3は、加工凹部43bの深さ寸法HG6(
図3参照)よりも小さく設定されている(HG3<HG6)。さらに、加工凹部71bの内径寸法WD3が大きくなったことに伴い、押し出しピンPN3の先端部PF3の直径寸法が、第6上金型ユニット40に比して大きく設定されている。
【0105】
また、加工凹部71bの内径寸法WD3が大きくなったことに伴い、第3下金型ユニット80の第3下金型81の外径寸法D3が、第6下金型51の外径寸法D6よりも大きく設定されている(D3>D6)。
【0106】
図9(b)に示されるように、第9上金型ユニット90は、第9上金型(金型)91を備えている。第9上金型91は、第6上金型ユニット40の下流側において、ワークW6よりもさらに絞られて小径で深いワークW9(図示せず)を形成する。そのため、第9上金型91における加工凹部(加工領域)91bの内径寸法WD9は、加工凹部43bの内径寸法WD6(
図3参照)よりも小さく設定されている(WD9<WD6)。
【0107】
また、加工凹部91bの深さ寸法HG9は、加工凹部43bの深さ寸法HG6(
図3参照)よりも大きく設定されている(HG9>HG6)。さらに、加工凹部91bの内径寸法WD9が小さくなったことに伴い、押し出しピンPN9の先端部PF9の直径寸法が、第6上金型ユニット40に比して小さく設定されている。
【0108】
また、加工凹部91bの内径寸法WD9が小さくなったことに伴い、第9下金型ユニット100の第9下金型101の外径寸法D9が、第6下金型51の外径寸法D6よりも小さく設定されている(D9<D6)。
【0109】
以上詳述したように、本実施の形態に係るノックアウト装置60によれば、第1シリンダ61の第1上室UR1にエアを供給することで、押し出しピンPPを作動させてワークW6を第6上金型43から取り外すことができ、かつ第1シリンダ61の内部に配置された第2シリンダ64の第2上室UR2にエアを供給することで、支持ピンSPを作動させて第6上金型43から取り外されたワークW6を支持することができる。
【0110】
したがって、支持ピンSPの移動量(t1-t2)の大小に関わらず、第2上室UR2へのエアの供給量を調整することで、支持ピンSPのワークW6に対する押圧力F2(支持力)を適正に保持することができる。よって、ワークW6を次の工程に移送するまでの間に、ワークW6を規定の位置に精度良く位置決めすることができ、ひいては製造時間を短縮させることが可能となる。
【0111】
また、本実施の形態に係るノックアウト装置60によれば、第1シリンダ61の第1上室UR1の内部に、可撓性を有する第3エア配管TB3が、長さに余裕を持って(蛇行するように弛みを持って)配置されているので、第2シリンダ64を、第1シリンダ61の内部において、第1ピストン62の摺動に伴ってスムーズに移動させることができる。よって、第2エア給排機構22(空圧機器20)の制御性を向上させることができる。
【0112】
さらに、本実施の形態に係るノックアウト装置60によれば、ワークW6に対する押し出しピンPPの押圧力(押し出し力)F1が、ワークW6に対する支持ピンSPの押圧力(支持力)F2よりも大きく設定されている(F1>F2)。
【0113】
これにより、プレス加工(絞り加工)を終えたワークW6を、第6上金型43の加工凹部43bから確実に取り外す(ノックアウト)ことができるとともに、ワークW6を変形させること無くベース部11の上面(載置面)の規定位置に対してがたつくこと無くずれないように保持することができる。
【0114】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態では、複数のプレス加工部PD1~PD12を有するトランスファープレス機械10を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、一対の上下金型を有し、1回で加工品を製造する単純なプレス機械にも適用することができる。
【0115】
また、上記実施の形態では、第1~第12プレス加工部PD1~PD12(合計12個)を備えたトランスファープレス機械10であるものを示したが、本発明はこれに限らず、加工品の材質や大きさ、さらには加工深さ等(絞り具合等)に応じて、プレス加工部の数を任意に設定することができる。すなわち、合計11個以下でも良いし、合計13個以上でも構わない。
【0116】
さらに、上記実施の形態では、製品W12が、有底筒状のモータケース(ヨーク)であるものを示したが、本発明はこれに限らず、押し出しピンで押し出すことができ、かつ支持ピンで支持し得る形状であれば、用途は問わず対応することが可能である。
【0117】
その他、上記実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上記実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0118】
10 トランスファープレス機械(プレス機械)
11 ベース部
12 筐体
13 スライド
13a 貫通孔
14 操作部
15 移送機構
15a フィンガー
20 空圧機器
21 第1エア給排機構
22 第2エア給排機構
30 打ち抜き機械
31 台座
32 打ち抜きポンチ
40 第6上金型ユニット
41 金型ベース
41a 貫通孔
42 ピン支持部材
42a 貫通孔
43 第6上金型(金型)
43a 貫通孔
43b 加工凹部
50 第6下金型ユニット
51 第6下金型(金型)
52 昇降台
60 ノックアウト装置
61 第1シリンダ
61a 筒状本体
61b ロッド案内部
61c 第1底壁部
61d 連通孔
61e 第1連通路
61f 第2連通路
62 第1ピストン
62a シールリング
62b 連通穴
63 第1ロッド
63a ロッド本体
63b 筒部材
64 第2シリンダ
64a 筒状本体
64b 第2底壁部
64c 第3連通路
65 第2ピストン
65a シールリング
66 第2ロッド
66a ロッド本体
66b 棒部材
66c 先端摺動部
70 第3上金型ユニット
71 第3上金型
71b 加工凹部
80 第3下金型ユニット
81 第3下金型
90 第9上金型ユニット
91 第9上金型
91b 加工凹部
100 第9下金型ユニット
101 第9下金型
BR1 第1下室
BR2 第2下室
C1 第1コンベヤ装置
C2 第2コンベヤ装置
CL コイル材
F1 押圧力(押し出し力)
F2 押圧力(支持力)
FL 床面
HB 基準位置
PD1~PD12 第1~第12プレス加工部
PD6 第6プレス加工部
PF3 先端部
PF9 先端部
PN3 押し出しピン
PN9 押し出しピン
PP 押し出しピン
PP1 本体部
PP2 先端部
SC 床下収容部
SP 支持ピン
SP1 先端部
SP2 基端摺動部
TB1 第1エア配管
TB2 第2エア配管
TB3 第3エア配管
UR1 第1上室(第1エア室)
UR2 第2上室(第2エア室)
W0,W5,W6 ワーク(加工品)
W12 製品(加工品)