(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】発電システム、及び当該発電システムを備える船体推進機構
(51)【国際特許分類】
H02K 7/20 20060101AFI20240719BHJP
H02K 7/18 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H02K7/20
H02K7/18 A
(21)【出願番号】P 2024514486
(86)(22)【出願日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 JP2023005002
【審査請求日】2024-03-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513259171
【氏名又は名称】加森 紀良
(74)【代理人】
【識別番号】100167818
【氏名又は名称】蓑和田 登
(72)【発明者】
【氏名】加森紀良
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-524867(JP,A)
【文献】特開2007-077895(JP,A)
【文献】特表2013-517421(JP,A)
【文献】特開2018-178740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/00- 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸たるシャフトと、
前記シャフトの回転動力を利用して発電する発電機と、
前記シャフトに回転動力を与えるために前記回転軸を中心として同心円状に配置される複数の駆動部と、
前記シャフト及び前記駆動部を連結する連結軸と、
電力を蓄電するバッテリーと、を備え、
前記駆動部は、前記連結軸の外側端に設けられたモータ及び当該モータで駆動する車輪部を有し、
前記モータは前記バッテリーからの電力を受けて前記車輪部を駆動する、ことを特徴とする発電システム。
【請求項2】
3つの前記駆動部が120度の角度を有して等間隔で配置される、ことを特徴とする請求項1記載の発電システム。
【請求項3】
前記連結軸は、前記回転軸側が高くなるような段差部を有する構造であり、
前記発電システムは、さらに、隣接する前記駆動部間、又は隣接する前記連結軸の外側端部間を連結する第二連結軸を備える、ことを特徴とする請求項1記載の発電システム。
【請求項4】
前記発電システムは、さらに、回転パネルを備える、ことを特徴とする請求項1記載の発電システム。
【請求項5】
前記回転パネルの上面にはソーラパネルが設けられ、
前記バッテリーは、前記ソーラパネル
、又は
前記ソーラパネル及び前記発電機から給電を受ける、ことを特徴とする請求項4記載の発電システム。
【請求項6】
前記回転パネルは、円盤パネル、又は前記発電機をその中心の下方に配置して且つ円環状の外縁部と円盤状の中心部とを段差部で接続する構造である、ことを特徴とする請求項4記載の発電システム。
【請求項7】
前記回転パネルは、その上面に風力を受けて当該回転パネルに回転動力を与えるためのウインドブレード部を有する、ことを特徴とする請求項4記載の発電システム。
【請求項8】
さらに、前記発電機の発電量を計測する電力計測部と、
前記バッテリーと前記駆動部との間に配置されており、前記電力計測部で計測された電力量に基づいて、前記バッテリーから前記モータに流れる電流を制御するインバータ部と、を備えることを特徴とする請求項1記載の発電システム。
【請求項9】
前記請求項1記載の発電システムを備える、ことを特徴とする船体推進機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定した発電を繰り返すことができる発電システムに関し、特に、当該発電システムを利用して、化石燃料を使用せずに十分な推進力を得ることができる船体推進機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば電気を発電する発電機としてはタービン発電機(Turbine Generator)が使用されている。このタービン発電機は、タービンで駆動される発電機であって、原子力蒸気・化石燃料を用いる火力蒸気・地熱蒸気・水力・風力をタービンブレードに伝達し、その結果、コイル周囲でローター磁石を回転させて発電する構造となっている(例えば、非特許文献1など参照)。
【0003】
また、船体の推進機構としては、固定ピッチ方式、又は可変ピッチ方式のスクリューが回転軸に設けられており、この回転軸を、化石燃料を用いてモータや内燃機関などによって駆動することで、船体に対する推進力を得る構成が大半である。
【0004】
また、化石燃料を使用しない発電システムとして、ピッチ角を変更可能なブレードと、ブレードに風を受けて回転するローターと、ローターの回転エネルギーを用いて発電する発電機を備える風力発電システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】“タービン発電機他” [令和5年2月12日検索]、インターネット<URL:https://www.tmeic.co.jp/product/rotating_machinery/turbine/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来型のタービン発電機は、発電機ローターの駆動力を生み出すためのエネルギー源としては、石油などの化石燃料が使用されているという根本的な問題がある。特に、近年においては地球温暖化などの化石燃料の使用に起因した環境問題が深刻化しており、自然エネルギーを用いた新たな発電システムの構築は喫緊の問題である。
【0008】
従って、化石燃料を使用せずに十分な発電エネルギーを得ることができる発電システム、及びこの発電エネルギーを利用して推進力を得ることができる船体推進機構を実現することには、今後膨大な需要があることは疑う余地がない。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、化石燃料を使用せずに、安定した発電を繰り返すことができる発電システムを提供することを目的とする。また、当該発電システムを備える船体推進機構を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明に係る発電システムは、回転軸たるシャフトと、前記シャフトの回転動力を利用して発電する発電機と、前記シャフトに回転動力を与えるために前記回転軸を中心として同心円状に配置される複数の駆動部と、前記シャフト及び前記駆動部を連結する連結軸と、電力を蓄電するバッテリーと、を備え、前記駆動部は、前記連結軸の外側端に設けられたモータ及び当該モータで駆動する車輪部を有し、前記モータは前記バッテリーからの電力を受けて前記車輪部を駆動することを特徴とする。
【0011】
この発電システムにおいて、3つの前記駆動部が120度の角度を有して等間隔で配置されることが好ましい。
【0012】
この発電システムにおいて、前記連結軸は、前記回転軸側が高くなるような段差部を有する構造であり、前記発電システムは、さらに、隣接する前記駆動部間、又は隣接する前記連結軸の外側端部間を連結する第二連結軸を備えることが好ましい。
【0013】
この発電システムにおいて、前記発電システムは、さらに、回転パネルを備えることが好ましい。
【0014】
この発電システムにおいて、前記回転パネルの上面にはソーラパネルが設けられ、前記バッテリーは、前記ソーラパネル、又は前記ソーラパネル及び前記発電機から給電を受けることが好ましい。
【0015】
この発電システムにおいて、円盤パネル、又は前記発電機をその中心の下方に配置して且つ円環状の外縁部と円盤状の中心部とを段差部で接続する構造であることが好ましい。
【0016】
この発電システムにおいて、前記回転パネルは、その上面に風力を受けて当該回転パネルに回転動力を与えるためのウインドブレード部を有することが好ましい。
【0017】
この発電システムにおいて、さらに、前記発電機の発電量を計測する電力計測部と、前記バッテリーと前記駆動部との間に配置されており、前記電力計測部で計測された電力量に基づいて、前記バッテリーから前記モータに流れる電流を制御するインバータ部と、を備えることが好ましい。
【0018】
上記目的を達成するために本発明に係る船体推進機構は、上記発電システムを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る発電システムは、回転軸たるシャフトと、シャフトの回転動力を利用して発電する発電機と、シャフトに回転動力を与えるために同心円状に配置される複数の駆動部と、シャフト及び駆動部を連結する連結軸と、電力を蓄電するバッテリーと、を備える。駆動部は、連結軸の外側端に設けられたモータ及びモータで駆動する車輪部を有し、モータはバッテリーからの電力を受けて車輪部を駆動する。この構成により、本発明に係る発電システムでは、化石燃料を使用せず、安定した発電を繰り返すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】(a)本発明の実施の形態1に係る発電システムの上面からの全体構成を示す図、(b)同上発電システムの側面からの全体構成を示す図である。
【
図2】同上発電システムの断面構造を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態2に係る発電システムの上面からの全体構成を示す図である。
【
図4】同上発電システムを備える船体推進機構の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る発電システムについて図面を参照して説明する。本発明に係る発電システムは、発電した電力を外部に出力するための装置であり、発電の始動動力源は、ソーラパネル又は風力発電の電力を基に稼働する。
【0022】
最初に、本実施の形態1に係る発電システムの構造について
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、発電システムSは、回転軸たるシャフト3と、シャフト3の回転動力を利用して発電する発電機4と、シャフト3に回転動力を与えるために回転軸を中心として同心円状(
図1の点線L)に配置される複数の駆動部2と、シャフト3及び駆動部2を連結する連結軸B1と、電力を蓄電するバッテリー5と、を備える。駆動部2は、連結軸B1の外端側に設けられた複数のモータ20及びモータ20で駆動する車輪部21を有する。
【0023】
そして、隣接する駆動部2間、又は連結軸B1の外側端部間を連結する第二連結軸B2を備えても良い。なお、本実施の形態1では、
図1(a)に示すように、第二連結軸B2が正三角形状を有して、3つの駆動部2が、120度の角度を有して等間隔で配置されており、この構造によって、発電システムSをスムーズ且つ安定的に運転できる。
【0024】
連結軸B1は、
図2に示すように、回転軸側が高くなるような段差部Dを有する棒形状を有し、発電システムSは、例えば半径15,000cm、段差部Dの高さ2,500cm程度の大きなサイズを想定している。
【0025】
駆動部2のモータ20は、配線51を介して外付けのソーラパネル(図示せず)又はバッテリー5から電力を受けて駆動し、ここでは、始動電力は20kWh, 電流15Ap程度を想定している。また、シャフト3の回転数は発電機内部に加速器を用いるような場合には1,500rpm, 50Hz又は1,800rpm.60Hz程度を想定できる。
【0026】
回転力、駆動力の低い低トルクの発電機4なら、連結軸B1の外側端に設けられた比較的に小さく軽量なモータ20を用いても、シャフト3の回転の開始できる。また、本実施の形態1に係る発電システムSは、周回軌道の車輪部21にモータ20(電源は外部からのソーラ又は風力発電で)を付け、レバレッジ効果で中心の発電機4を回す構造となる。
【0027】
発電機4は、シャフト3からの回転動力を用いて発電できる一般的な発電機構を内部に有していればよい。その機構は、例えばシャフト3の回転に伴ってコイル周囲でローター磁石を回転させて交流電流を発電する構造、磁石の間におかれた発電コイルをシャフト3の回転を利用して回転することで直流電流を発電する構造である。なお、発電機4で発電された電流は、配線41を介して外部に出力されて、例えば船体用の電気エンジンに利用される。ここで出力される電力は例えば100kWhであり、9台の発電システムSを用いる場合には 単純に加算された900kWhの発電が可能となる。
【0028】
バッテリー5は、リチウムイオンバッテリーなど、主に駆動部2のモータ20を駆動させるための蓄電電源であって、ソーラパネル又は発電機4の発電コイルで発電された直流電流や、交流電流を整流した後の直流電流を、配線42を介して蓄電する。バッテリー5及びモータ20は配線51を介して接続され、モータ20に電流を与えて車輪部21が回転を始めることでシャフト3の回転を始動する。
【0029】
なお、本実施の形態に係る発電システムSは、さらに、電力計測部(図示せず)及びインバータ部6を備えても良い。電力計測部は、発電機4の発電量(電力使用量)を計測する。インバータ部6は、バッテリー5及びモータ20の間の配線51に配置されており、電力計測部で計測された電力量に基づいて、バッテリー5からモータ20に流れる電流を制御することで車輪部21の回転を制御し、その結果、発電機4の発電量を制御できる。
【0030】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る発電システムについて図面を参照して説明する。なお、上記実施の形態1と同じ構成には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0031】
最初に、本実施の形態2に係る発電システムの構造について
図3を参照しながら説明する。本図に示すように、発電システムSは、回転パネル1と、回転パネル1に回転動力を与えるための駆動部2、回転パネル1の回転動力を伝える回転軸たるシャフト3と、シャフト3の回転動力を利用して発電する発電機4と、電力を蓄電するバッテリー5と、を備える。なお、
図3において回転パネル1より下の構成部は点線で示している。
【0032】
回転パネル1は、上面視で円形状のプレートであって、シャフト3を中心軸として回転する。回転パネル1は、軽量化金属製や樹脂製であり、例えば半径15,000cm、高さ2,500cm程度の大きなサイズを想定しており、回転時におけるエネルギー損失や接触損失をできるだけ軽減できる構造が好ましい。回転パネル1の上面には、ソーラパネル1aが敷設されており、このソーラパネル1aで発電した電気をバッテリー5に給電・蓄電する。なお、ソーラパネル1aは必ずしも回転パネル1と一体に設ける必要性はなく、他の場所に設置されたソーラパネル1aからバッテリー5又は駆動部2に対して電力を供給してもよい。
【0033】
また、回転パネル1は、円盤パネルに限定されるものでは無く、発電機4をその中心の下方に配置して、且つ円環状の外縁部と円盤状の中心部とを段差部Dで接続する構造として、発電機4の収容空間を確保する構造としても良い。
【0034】
回転パネル1の外周側には、回転パネル1に回転動力を与えるための駆動部2が設けられる。駆動部2は、上面視で円環状の回転パネル1の外縁側に設けられた複数のモータ20及びそのモータ20で駆動する車輪部21を備える。
【0035】
回転力、駆動力の低い低トルクの発電機4なら、回転パネル1の外縁端下部に設けられた比較的に小さく軽量なモータ20を用いても、回転パネル1の回転の開始できる。また、周回軌道の車輪部21にモータ20(電源は外部からのソーラ又は風力発電で)を付けて、レバレッジ効果で中心の発電機4を回す構造となる。
【0036】
次に、本実施の形態2に係る発電システムSを備える船体推進機構に関して
図4を参照しながら説明する。本図に示す船体推進機構Mは、例えば、コンテナ船、客船として用いられる船体であり、基本的に化石燃料で推進力を生じさせるエンジンを搭載しておらず、複数の発電システムSで得られた電力に基づいてエンジンを駆動して、効率的に太陽光や風力を利用して船体の推進力を得ている。
【0037】
この船体推進機構Мは、
図4に示すように、複数の発電システムS、及び不沈構造となる船体部10と、エンジン部11とを備えている。発電システムSの回転パネル1は、風力を利用するために、その上面にウインドブレード部12を有する。
【0038】
発電システムSは、例えば船体部10の天面に複数並設される。例えば、1台の発電システムSにおいて100kWhの発電能力がある場合、単純に4台の発電システムSを用いると400kWhの電力を、エンジン部11に供給可能となる。
【0039】
発電システムSのウインドブレード部12は、回転パネル1の天面側に設けられ、風力を受けるための複数の帆を有し、風力を利用して回転パネル1の回転動力を得る。
【0040】
エンジン部11は、発電システムSの発電機4から電力を受けて駆動し、通常は船体部10の船底に設けられる。設けられる位置としては、船体部10の進行方向における後方側が通常であるが、前方側に設けることもできる。特に、船体部10の規模の大きい大型船の場合、前方にエンジン部11を設けるほうが、船の操作性を向上させる点で有効である。なお、本実施の形態に係る船体部10は、GPS(Global Positioning System)、赤外線などを用いた障害物検出センサ、海底ソナーなどの各種センサを利用することでパイロット無し・自動操舵システムで航海することも考え得る。
【0041】
次に、本実施の形態に係る船体推進機構Mの全体構成に関して
図5を参照しながら説明する。船体推進機構Mは、発電機4と、バッテリー5と、駆動部2と、インバータ部6と、操作部7とを備える。発電機4は、シャフト3の回転動力を利用して発電を行う。バッテリー5は、リチウムイオン電池など発電機4で発電された電力を蓄電する。駆動部2は、バッテリー5に蓄電された電力を用いて車輪部を周回駆動させる。
【0042】
操作部7は、シャフト3の回転始動をウインドブレード部12/駆動部2の何れか切り替える機能を有する。ウインドブレード部12/駆動部2は、発電機4の始動時において風力/蓄電部11に蓄電された電力を用いてシャフト3へ回転動力を与えるものである。例えば、船体推進機構Mにおいては、発電機4は150Kw発電機、バッテリー5はDC蓄電器で容量3,000Kwを用いる。
【0043】
次に、操作部7の機能構成に関して説明する。操作部7は、例えば、入力部7a、表示部7b、演算部7c、送受信部7d、及びメモリ部7eを備える。入力部7aは、ユーザからの指令(例えば駆動部2の始動など)を受け付ける。表示部7bは、ユーザが操作部7aを介して操作入力を行うための液晶などの表示画面である。演算部7cは、CPUなどの演算回路であり、所定のプログラムに基づいて発電機4の動力源の駆動部2/ウインドブレード部12の切り替えを判定する。送受信部7dは、インバータ部6や駆動部12との間での制御信号の通信を行う。メモリ部7eは、ROMなどの不揮発性メモリであり、発電機の回転駆動の動力源の判定制御のためのプログラムなどを記憶する。
【0044】
以上の説明のように、上述した本実施の形態1,2に係る発電システムSの構成により、化石燃料などのエネルギー源を必要とせずに、安定した発電を繰り返すことができる。また、駆動部2を連結軸B1の外側端、又は円盤状の回転パネル1の外縁端下部に設けることで、低トルクの発電機4なら、比較的に小さく軽量なモータ20を用いても、シャフト3の回転の開始できる。また、周回軌道の車輪部21にモータ20(電源は外部からのソーラパネル又は風力発電で)を付けて、レバレッジ効果で中心の発電機4を回すことができる。
【0045】
そして、発電システムSは、自らの発電機4が発電する電力をバッテリー5に蓄電して、この電力を基に稼働し、その電力で駆動部2を駆動することで回転させて安定した発電を繰り返して、安定的に発電できるクリーンな次世代型発電機となり得る。
【0046】
また、電力計測部により積算電力量の把握と電圧・電流を感知し、インバータ部6により回転スピードをコントロールして、船体エンジン11などの電力を電力消費に合わせて使用することができる。さらに、発電機4は、外力からのエネルギー(原子力・化石燃料・地熱・水力を利用したエネルギー)が不要のため、維持費軽減と省エネルギーが可能であり、二酸化炭素の排出量も大幅な軽減が可能なクリーンな電源となり得る。
【0047】
さらに、様々なサイズの発電システムSを提供することで、多様な目的(船舶用、戸建・マンション・商業ビルなどの施設用など)に合わせてバリエーションを揃えて発電機4を提供できる。
【0048】
なお、本発明は、上記実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、駆動部2の配置は同心円状に限定されるものに限定されるものではなく、また連結軸B1や回転パネル1もその他の形状であっても良い。
【符号の説明】
【0049】
S 発電システム
М 船体推進機構
B1 連結軸
B2 第二連結軸
D 段差部
1 回転パネル
1a ソーラパネル
2 駆動部
3 シャフト
4 発電機
5 バッテリー
6 インバータ部
7 操作部
10 船体部
11 エンジン部
12 ウインドブレード部
20 モータ
21 車輪部
【要約】
本発明に係る発電システムSは、回転軸たるシャフト3と、シャフト3の回転動力を利用して発電する発電機4と、シャフト3に回転動力を与えるために同心円状に配置される複数の駆動部2と、シャフト3及び駆動部2を連結する連結軸Bと、電力を蓄電するバッテリー5と、を備える。駆動部2は、連結軸Bの外側端に設けられたモータ20及びモータ20で駆動する車輪部21を有し、モータ20はバッテリー5からの電力を受けて車輪部21を駆動する。この構成により、発電システムSは、化石燃料を使用せず、安定した発電を繰り返すことができる。
【選択図】
図1