(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ピロー包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/207 20120101AFI20240719BHJP
B65B 51/10 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B65B9/207
B65B51/10 A
(21)【出願番号】P 2020039385
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】森永 太
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-074497(JP,A)
【文献】実開昭55-150702(JP,U)
【文献】特開2001-010605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/207
B65B 51/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して供給される帯状の包装フィルムを筒状に製袋する製袋器と、
その製袋器にて筒状に製袋されて前記包装フィルムの両側縁部の重ね合わされたフィルム部位をシールしてセンターシール部を形成するセンターシール手段と、
そのセンターシール手段の下流側に配置され、前記フィルム部位がシールされた前記包装フィルムを搬送方向に対して交差する方向にシールするトップシール手段と、
そのトップシール手段でシールされるトップシール部の付近のフィルム部位を内方に押し込みガゼットを形成するガゼット形成手段を備えたピロー包装機であって、
前記トップシール手段は、搬送方向に沿って配置される第一トップシール装置と第二トップシール装置を備え、
前記第一トップシール装置と前記第二トップシール装置のうちの一方のトップシール装置は、一対のトップシーラのシール面が、上下方向に延びるように配置され、その一対のトップシーラにて前記包装フィルムを、その搬送方向の左右両側から挟みこんでシールしてトップシール部を形成するようにし、他方のトップシール装置は、一対のトップシーラのシール面が、左右方向に延びるように配置され、その一対のトップシーラにて前記包装フィルムを、その上下両側から挟みこんでシールしてトップシール部を形成するようにし、
前記ガゼット形成手段は、前記第一トップシール装置と前記第二トップシール装置のそれぞれに設けるようし、
製品の、搬送方向に対して直交する断面の縦横比に応じて、前記第一トップシール装置と、前記第二トップシール装置を択一的に動作させるように
し、
前記一方のトップシール装置とその一方のトップシール装置に設けた前記ガゼット形成手段を動作させた場合には、前記センターシール部が形成される前記包装フィルムのフィルム面と、そのフィルム面に対向するフィルム面が前記ガゼット形成手段により内方に押し込まれて前記センターシール部がガゼット内に入り込んだ態様の包装体が製造され、
前記他方のトップシール装置とその他方のトップシール装置に設けた前記ガゼット形成手段を動作させた場合には、前記センターシール部が形成されていない前記包装フィルムのフィルム面が前記ガゼット形成手段により内方に押し込まれて前記トップシール部がガゼット内に入り込まない態様の包装体が製造されるように構成することを特徴とするピロー包装機。
【請求項2】
前記製品は、複数の扁平状物品を集積して構成されることを特徴とする請求項1に記載のピロー包装機。
【請求項3】
前記扁平状物品は、搬送方向と平行な起立状態で左右に集積した状態で搬送するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のピロー包装機。
【請求項4】
前記第一トップシール装置と前記第二トップシール装置の間に、搬送路を設けるともに、その搬送路の上方に抑え部材を配置し、
前記第二トップシール装置が動作する場合に、前記抑え部材は前記包装フィルムを介して前記製品を抑えられるようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のピロー包装機。
【請求項5】
前記センターシール部が形成される前記包装フィルムのフィルム面を、筒状の前記包装フィルムの内方に押し込んでガゼットを形成する場合、
前記ガゼット形成手段は、前記センターシール部の付け根部分を押し込んで前記ガゼットを形成するようにしたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のピロー包装機。
【請求項6】
筒状の包装フィルムの両側縁部の重ね合わされたフィルム部位をシールして形成されるセンターシール部を設けたフィルム面及びその対向するフィルム面
を内方に押し込むガゼット折込みを行い
、前記センターシール部の形成領域にガゼットを形成するとともにトップシールする手段と、
前記センターシール部を設けていないフィルム面からガゼット折込みを行い
前記センターシール部の形成領域にガゼットを形成することなくトップシールする手段を備えたピロー包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロー包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばティーバッグ、ドリップバッグ等を包装する場合、
図1に示すように、個々のティーバッグ等を個別包装して形成される扁平状の個包装品1を複数個集積し、その集積した集積体の周囲を包装フィルム2で囲繞するとともにピロー包装などしてその複数の個包装品1を密封収納した包装体3を製造する場合がある。これにより、複数の個包装品1が綺麗に積層された状態で収納される。
【0003】
この包装形態を製造するための包装機は、一般的なピロー包装機を用いることができる。よく知られているように、ピロー包装機は上方或いは下方が開放した略U(逆U)字状やC字状の製袋器を用い、帯状フィルムをその製袋器を通過させることにより筒状に製袋する。これにより、帯状フィルムの両側縁が重合され、その重合端は、搬送方向に対して、筒状フィルムの下部或いは上部中央付近に形成される。そして、その重合端をセンターシール装置にてシールすることで、センターシール部4が形成される。
【0004】
さらに、ピロー包装機の搬出側には、トップシール装置を備える。そして、そのトップシール装置は、上下に配置された一対のトップシーラを備える。一対のトップシーラは、それぞれ搬送方向に対して直交する方向に延びるように配置され、そのトップシーラのシール面にて筒状フィルムを上下から挟み込んで熱シールすることで、搬送方向に対して直交する方向に延びるトップシール部5を形成する。トップシーラ内にカッター装置を内蔵させた場合、シールするとともに筒状フィルムを搬送方向に対して直交する方向にカットし、筒状フィルムの先頭から分離され、包装体3が製造される。
【0005】
さらに、トップシール装置にガゼット形成装置を取り付け、トップシール部5を形成する際に、筒状フィルムの側面を内方に押し込んでガゼット6を形成するものもある。係る包装形態にすると、トップシール部5の付近のフィルム側面を綺麗に折り畳むことができ、トップシール部5の長さ(センターシール部4と直交する方向・包装体の横幅)を短くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した包装体3は、筒状フィルムの搬送方向に対して直交する縦断面形状は、略矩形状となっているものがある。そして、その略矩形状が、例えば
図1に示すように横長の場合には、ガゼット6を形成すべく筒状フィルムの側面を内部に折り込みつつ、上下からトップシールすることができるが、縦長な略矩形状となると側面のフィルム部位を内部に折り込むと当該フィルム部位が余ってしまい、綺麗にガゼット形成をすることができない。
【0008】
そのため、筒状フィルム内に複数の個包装品1を集積して収納する場合、集積体の搬送方向に対して直交する縦断面形状が横長になるようにする必要がある。従って、例えば、
図1に示すように個包装品1を上下に積み重ねる態様では、一定数以上積み重ねると縦断面形状が縦長になってしまいガゼットを形成できない集積体となり、係る態様では包装することができない。そのため、縦断面が横長になるように、例えば、集積体の向きを水平面内で90度回転した姿勢にする必要がある。
【0009】
このように、集積する個包装品の数量に応じて、個包装品の向きを搬送方向と平行にしたり、直交方向にしたりするなど、向きを変える必要があり、単一の包装機で対応することはできない。よって、個包装品・集積体の向きを変えない範囲内での集積する個数の変更は、同一の包装機で対応することが可能であるが、それを超える個数のバリエーションの包装体を製造するためには、個包装品・集積体の向きを変えたものに対応する包装機を2種類用意する必要がある。
【0010】
また同様の課題は、集積体からなる製品に限ることはなく、サイズの異なる単体からなる製品についても生じる。
【0011】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できれば良い。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するために、本発明のピロー包装機は、(1)連続して供給される帯状の包装フィルムを筒状に製袋する製袋器と、その製袋器にて筒状に製袋されて前記包装フィルムの両側縁部の重ね合わされたフィルム部位をシールしてセンターシール部を形成するセンターシール手段と、そのセンターシール手段の下流側に配置され、前記フィルム部位がシールされた前記包装フィルムを搬送方向に対して交差する方向にシールするトップシール手段と、そのトップシール手段でシールされるトップシール部の付近のフィルム部位を内方に押し込みガゼットを形成するガゼット形成手段を備えたピロー包装機であって、前記トップシール手段は、搬送方向に沿って配置される第一トップシール装置と第二トップシール装置を備え、前記第一トップシール装置と前記第二トップシール装置のうちの一方のトップシール装置は、一対のトップシーラのシール面が、上下方向に延びるように配置され、その一対のトップシーラにて前記包装フィルムを、その搬送方向の左右両側から挟みこんでシールしてトップシール部を形成するようにし、他方のトップシール装置は、一対のトップシーラのシール面が、左右方向に延びるように配置され、その一対のトップシーラにて前記包装フィルムを、その上下両側から挟みこんでシールしてトップシール部を形成するようにし、前記ガゼット形成手段は、前記第一トップシール装置と前記第二トップシール装置のそれぞれに設けるようし、製品の、搬送方向に対して直交する断面の縦横比に応じて、前記第一トップシール装置と、前記第二トップシール装置を択一的に動作させるようにし、前記一方のトップシール装置とその一方のトップシール装置に設けた前記ガゼット形成手段を動作させた場合には、前記センターシール部が形成される前記包装フィルムのフィルム面と、そのフィルム面に対向するフィルム面が前記ガゼット形成手段により内方に押し込まれて前記センターシール部がガゼット内に入り込んだ態様の包装体が製造され、前記他方のトップシール装置とその他方のトップシール装置に設けた前記ガゼット形成手段を動作させた場合には、前記センターシール部が形成されていない前記包装フィルムのフィルム面が前記ガゼット形成手段により内方に押し込まれて前記トップシール部がガゼット内に入り込まない態様の包装体が製造されるように構成した。
【0013】
本発明では、例えば、搬送方向に対して直交する断面の縦横比に応じて第一トップシール装置と第二トップシール装置を切り替えて動作させることで、例えば縦断面が縦長の製品、横長の製品の何れのタイプの製品に対してもガゼット付の包装体を製造することができる。また、縦横比が1:1の真四角の製品に対しては、第一トップシール装置と第二トップシール装置のいずれを選択しても製造できる。
【0014】
(2)前記製品は、複数の扁平状物品を集積して構成されるものとするとよい。(3)前記扁平状物品は、搬送方向と平行な起立状態で左右に集積した状態で搬送するようにするとよい。収納する扁平状物品の個数が異なることで縦断面が縦長/横長が変わるものに対しても、一つのピロー包装機で包装処理ができる。
【0015】
(4)前記第一トップシール装置と前記第二トップシール装置の間に、搬送路を設けるともに、その搬送路の上方に抑え部材を配置し、前記第二トップシール装置が動作する場合に、前記抑え部材は前記包装フィルムを介して前記製品を抑えられるようにするとよい。このようにすると、何れのトップシール装置においてもがゼットを綺麗に形成することができる。
【0016】
(5)前記センターシール部が形成される前記包装フィルムのフィルム面を、筒状の前記包装フィルムの内方に押し込んでガゼットを形成する場合、前記ガゼット形成手段は、前記センターシール部の付け根部分を押し込んで前記ガゼットを形成するように構成すると良い。このようにすると、センターシール部を綺麗にガゼット内に納め、ガゼットを綺麗に製造することができる。
【0017】
(6)筒状の包装フィルムの両側縁部の重ね合わされたフィルム部位をシールして形成されるセンターシール部を設けたフィルム面及びその対向するフィルム面を内方に押し込むガゼット折込みを行い、前記センターシール部の形成領域にガゼットを形成するとともにトップシールする手段と、前記センターシール部を設けていないフィルム面からガゼット折込みを行い前記センターシール部の形成領域にガゼットを形成することなくトップシールする手段を備えるとよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、搬送方向に対して直交する縦断面が縦長の製品と横長の何れのタイプの製品に対応してもガゼット付の包装体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】複数の個包装品を収納した包装体の一例を示す図である。
【
図2】本発明に係るピロー包装機の好適な一実施形態を示す正面図である。
【
図3】そのピロー包装機の別の使用態様を示す正面図である。
【
図5】製品搬送供給装置14の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0021】
図2~
図4は、本発明に係るピロー包装機の好適な一実施形態を示している。ピロー包装機10は、包装機本体11と、その包装機本体11に対して帯状の包装フィルムを連続して供給するフィルム供給装置12と、包装機本体11の上流側に配置され、その包装機本体11に対して製品13を所定間隔毎に供給する製品搬送供給装置14とを備えている。
【0022】
本実施形態の製品13は、
図5等に示すように複数の扁平状物品22を起立させた状態で集積した集積体である。個々の扁平状物品22は、例えば紅茶な日本茶などのティーバッグや、ドリップバッグ等を個別に包装したものである。そして、本形態では、起立させた扁平状物品22を、搬送方向と平行に左右に並べて集積した形態で製品13を搬送する。
【0023】
フィルム供給装置12は、製品13を包み込むための帯状の包装フィルム15を連続して包装機本体11に供給するためのものである。そして本形態のピロー包装機10は、逆ピロー包装機であるため、フィルム供給装置12は、包装機本体11の下方側に配置し、包装機本体11に対して包装フィルム15を下側から供給する。
【0024】
このフィルム供給装置12は、帯状の包装フィルム15をロール状に巻き取った原反ロール16に対し、図示省略する駆動モータ(サーボモータ等の速度制御可能なモータ)の出力を連係し、原反ロール16の回転速度を適宜制御しながら一定速度で包装機本体11に供給する。また、原反ロール16から包装機本体11に至る所定位置に各種のローラ9(図では、代表して1個のみ記載している)を配置し、原反ロール16から送り出された包装フィルム15は、そのローラ9に掛け渡されることで、所定の経路を通って包装機本体11に導かれる。このローラ9は、帯状の包装フィルム15に対して駆動を掛ける駆動ローラや、テンションを掛けるテンションローラや、帯状の包装フィルム15の搬送方向を変更したり搬送をガイドしたりするフリーローラなどがある。本発明では、必ずしも原反ロール16に駆動モータを連係する必要はなく、包装フィルムの搬送経路上にフィードローラを設け、引き出すようにしても良い。
【0025】
製品搬送供給装置14は、起立状態で左右に並んだ複数の扁平状物品22からなる集積体の製品13を前後に所定間隔ごとに搬送し、係る製品13を、包装機本体11に順次供給するものである。そして本形態では、製品搬送供給装置14は、例えば、
図5に示すように、製品13を受ける搬送面17と、この搬送面17の両側に起立配置されたガイド側壁18と、そのガイド側壁18の上方に所定の空間Kを置いて搬送方向と平行に配置されたガイド棒19と、上記空間Kを介してガイド側壁18の外側から搬送面17の上方まで挿入配置された搬送面17と平行な水平平面内を旋回する押送バー20と、図示省略する押送バー20を所定の軌跡で移動させる駆動機構等を備えている。
【0026】
駆動機構により移動する押送バー20の所定の軌跡は、例えば以下のようにすると良い。押送バー20は、その先端が搬送面17の上方に位置した状態のまま搬送面17に沿って平行移動し、搬出側先端(製袋器25の近く)まで移動すると、水平平面内で軸方向に移動し、その先端が搬送面17から外に、つまりガイド側壁18の外側に後退移動する。その後、所定の経路を通って製品13の搬送方向と逆方向に進み、搬送面17の上流側に戻るとともに、空間K内を介して押送バー20の先端が搬送面17の上方に来るように移動する。なお、上流側への移動は、搬送面17の上方を移動する押送バーと同一平面内でもよいし、上下方向に異なる高さ位置を移動してもよい。上流側に戻る押送バーが、搬送方向に移動する押送バーと干渉しなければよい。
【0027】
係る構成にすると、図示するように、搬送面17の上に、複数の扁平状物品22を起立状態で搬送方向と平行に置くと、横倒れはガイド側壁18とガイド棒19により抑制され、また、個々の扁平状物品22が起立し、搬送面17上に接触しているので、荷崩れを生じることがない。
【0028】
従って、押送バー20が、搬送面17上を移動すると、起立した個々の扁平状物品22の後端に接触するとともに、前方へ押送する。これにより、製品13も搬送面17上を前進移動することになり、この移動時に個々の扁平状物品22が押送バー20の移動速度よりも早く前進移動することはなく、
図5に示した集積状態のまま荷崩れすることなく搬送され、次段の包装機本体11に所定間隔で順次供給される。
【0029】
さらに本実施形態では、左右一対のガイド側壁18間の間隔並びにガイド棒19の間隔を変更可能な構成とする。この変更可能にする構成は、少なくとも一方側のガイド側壁18及びガイド棒19を、相手に向けて接近離反移動可能にするとよく、特に、両方とも移動可能にし、センターを中心に接近離反移動させるように構成すると良い。
【0030】
包装機本体11は、供給される包装フィルム15を筒状に製袋する製袋器25と、その製袋器25の下流側に配置され、筒状に製袋された包装フィルム15を搬送するベルトコンベア26と、ベルトコンベア26の上方に配置されたセンターシール装置27と、ベルトコンベア26の下流側に配置された第一トップシール装置31並びに第二トップシール装置32と、その第一トップシール装置31と第二トップシール装置32の間に配置される渡りベルトコンベア33と、第二トップシール装置32の下流側に配置された搬出コンベア28と、ベルトコンベア26の上方であって第一トップシール装置31の直前に配置された第一抑えベルト29と、渡りベルトコンベア33の上方に配置された第二抑えベルト34と、搬出コンベア28の上方であって第二トップシール装置32の直後に配置されたと第三抑えベルト35等を備えている。
【0031】
製袋器25は、フィルム供給装置12から連続して供給される帯状の包装フィルム15を通過させることで、包装フィルム15の両側端縁部15a同士を接触(重合)させるとともに、筒状に製袋するものである。本実施形態の製袋器25は、上側が開放されており、包装フィルム15の両側端縁部15aが上側に位置するように設定されている。また、製袋器25の横幅を変更可能にしている。この横幅の変更は、例えば、左右の側壁を移動可能に構成しても良いし、異なる横幅の製袋器を用意し、製品の横幅に合った製袋器を交換設置してもよい。
【0032】
また、製品搬送供給装置14から包装機本体11に対して順次供給される製品13は、製袋器25内に挿入される。これにより、製袋器25に供給された製品13は、筒状に製袋された包装フィルム15内に所定間隔ごとに配置されることになる。また、このように筒状の包装フィルム15内に製品13が内包されることから、ベルトコンベア26は、その製品13を内包した包装フィルム15を搬送することになる。また、図示省略するが、ベルトコンベア26の搬送面の上方には、その左右両側にサイドガイド部材を配置し、製品13の横ずれ、個々の扁平状物品22の倒れ等を抑制する。そして、左右のサイドガイド部材の間隔を変更可能に構成し、製品13の横幅に応じて当該間隔を調整するように構成する。
【0033】
センターシール装置27は、重合された包装フィルム15の両側端縁部15aを両側から挟み込みながら加熱することで熱シールする。図示の例では、センターシール装置27は、包装フィルム15の両側端縁部15aに対して加熱する左右一対のバーシーラ40と、バーシーラ40の上流側に配置される左右一対の第一ピンチローラ41と、バーシーラ40の下流側に配置される左右一対の第二ピンチローラ42を備える。一対のバーシーラ40は、開閉して対向する加熱面が接近離反するように構成する。
【0034】
この第一ピンチローラ41,第二ピンチローラ42は、製袋器25を経て接触した包装フィルム15の両側端縁部15a同士を所定の圧力で挟み込むとともに、同期して回転することで、その両側端縁部15aひいては包装フィルム15に対して搬送力を与えるようになっている。
【0035】
また、第二ピンチローラ42は、バーシーラ40で加熱した包装フィルム15の両側端縁部15aを、加圧するとともに冷却して融着してシールする加圧ローラとしても機能する。このシールされたフィルム部位が、包装体36におけるセンターシール部37となる。
【0036】
さらに、進行方向前方の第二ピンチローラ42の回転速度(フィルムに接触する外周面の速度)は、第一ピンチローラ41の回転速度(フィルムに接触する外周面の速度)と同じか若干早くなるようにするとよい。このようにすると、バーシーラ40内を両側端縁部15aが重合した状態でピンと張った状態のまま通過させることができる。また、これら一対の第一ピンチローラ41,第二ピンチローラ42は、接近離反(開閉)可能に構成し、離れた(開いた)状態で、ローラ間の隙間に包装フィルム15の両側端縁部15aを通過させ、その状態でローラ同士を接近(閉じ)して両側端縁部15aを挟み込み保持する。また、センターシール装置27は、その全体が昇降移動可能にし、製品13の高さに応じて上下方向の位置を調整可能に構成するとよい。
【0037】
第一トップシール装置31は、製品13を内包する筒状の包装フィルム15に対し、搬送方向に対して直交する方向で搬送面と直交する方向、つまり、筒状の包装フィルム15を垂直平面で横断する方向にシールするとともにカットするものである。そのシール・カットするフィルム部位は、前後の製品13の間の所定位置である。この第一トップシール装置31は、包装フィルム15を挟んでその左右に左側トップシーラ31aと右側トップシーラ31bを備える。左側トップシーラ31aと右側トップシーラ31bは、それぞれ上下に起立するように配置し、上下の両端は筒状に製袋された包装フィルム15の上下面を超えるように位置させる。
【0038】
また、左側トップシーラ31aと右側トップシーラ31bは、ヒータが内蔵され、互いの先端のシール面が所定の温度に加熱される。さらに、例えば左側トップシーラ31aのシール面の前後方向の中央部には、カッター刃が内蔵される。また、右側トップシーラ31bのシール面の前後方向の中央部にはカッター溝を有する。なお、カッター刃とカッター溝の配置は逆にしても良い。
【0039】
本形態では、左側トップシーラ31aと右側トップシーラ31bは、シール面が対向した状態のまま所定の軌跡で移動して接近離反し、接近時に左右のシール面が包装フィルム15の両側面を左右から挟み込んで加熱し、カッター刃がカッター溝に進入してカットする。よって、第一トップシール装置31は、センターシールされた包装フィルム15の所定位置(製品の存在しない部分)を縦方向にシール・カットし、縦方向(上下方向)に延びるトップシール部38を形成する。これにより、包装フィルム15の先端部分(先頭の製品13を内包する部分)は、後続の包装フィルム15から分離され、包装体36が製造される。
【0040】
第二トップシール装置32は、製品13を内包する筒状の包装フィルム15に対し、搬送方向に対して直交する方向で搬送面と平行な方向、つまり、筒状の包装フィルム15を水平平面で横断する方向にシールするとともにカットするものである。そのシール・カットするフィルム部位は、前後の製品13の間の所定位置である。この第二トップシール装置32は、包装フィルム15を挟んでその上下に上側トップシーラ32aと下側トップシーラ32bを備える。上側トップシーラ32aと下側トップシーラ32bは、ヒータが内蔵され、互いの先端のシール面が所定の温度に加熱される。さらに、例えば上側トップシーラ32aのシール面の前後方向の中央部には、カッター刃が内蔵される。また、下側トップシーラ32bのシール面の前後方向の中央部にはカッター溝を有する。
【0041】
本形態では、上側トップシーラ32aと下側トップシーラ32bは、シール面が対向した状態のまま所定の軌跡で移動して接近離反し、接近時に上下のシール面が包装フィルム15を上下から挟み込んで加熱し、カッター刃がカッター溝に進入してカットする。よって、第二トップシール装置32は、センターシールされた包装フィルム15の所定位置(製品の存在しない部分)を横方向にシール・カットし、横方向(水平方向)に延びるトップシール部38′を形成する。これにより、包装フィルム15の先端部分(先頭の製品13を内包する部分)は、後続の包装フィルム15から分離され、包装体36′が製造される。
【0042】
さらに上述した第一トップシール装置31並びに第二トップシール装置32は、ともにガゼット形成装置を備える。
図6は、第二トップシール装置32に取り付けるガゼット形成装置50の一例を示している。このガゼット形成装置50は、例えば
図6に示すように、筒状の包装フィルム15の側面両側に位置する一対のガゼット爪51と、そのガゼット爪51を移動させる駆動機構(図示省略)を備えている。
【0043】
ガゼット爪51は、上側トップシーラ32a,下側トップシーラ32bに連結され、高さ方向は所望の位置を維持しながら搬送方向に沿って両トップシーラと一体に前後進移動する。そして、筒状の包装フィルム15のうち、製品13が収納されている部分が通過している間は、図示の位置から外側に移動し、その先端51aが包装フィルム15の側面よりもさらに外側の待機位置に位置している。
【0044】
そして、図示するように、両トップシーラ32a,32bの搬送方向の前後にそれぞれ製品13が存在し、両トップシーラ32a,32b間には筒状の包装フィルム15のみが存在するような相対位置関係のときに、各ガゼット爪51が内側(包装フィルム側)に向かって接近移動する。そして、その先端51aが包装フィルム15の側面に接触し、それを内方に押し込むことにより、筒状の包装フィルム15の側面に図示のようなガゼット(折り目)39が形成される。そして、ガゼット形成後は適宜のタイミングで、各ガゼット爪51は、包装フィルム15から離れるように互いに離反移動する。
【0045】
ガゼット爪51の接近離反移動は、例えばシリンダなどの駆動源からの付勢力を利用するとよい。また、少なくともガゼット39を形成する際、第二トップシール装置32の上流側では渡りベルトコンベア33と第二抑えベルト34の間で製品13を内包する包装フィルム15を上下から抑え、第二トップシール装置32の下流側では搬出コンベア28と第三抑えベルト35の間で製品13を内包する包装フィルム15を上下から抑えた状態となるように構成すると良い。このようにすると、ガゼット爪51が包装フィルム15に接触して押し込む際に、第二トップシール装置32を挟んで包装フィルム15の前後両側端が抑えられているため、華麗にガゼット39が形成される。そして、上側トップシーラ32aと下側トップシーラ32bで挟まれたフィルム部位には、トップシール部38′が形成される。
【0046】
一方、具体的な図示は省略するが、第一トップシール装置31側に設けるガゼット形成装置も同様の構成を採ると良い。この場合に第一トップシール装置31は、一対の左側トップシーラ31a,右側トップシーラ31bが起立配置するのにあわせ、ガゼット爪は筒状の包装フィルム15を上下に挟むように対向配置し、シリンダ等の駆動力を受けて上下方向に接近離反移動するように構成する。そして、両ガゼット爪の先端は、それぞれ筒状の包装フィルム15の上面と下面の所定位置に接触し、包装フィルムの上下面を内方に押し込み、ガゼットを形成する。
【0047】
さらに本実施形態では、センターシール装置27により形成するセンターシール部37は、筒状の包装フィルム15の上面の幅方向中央部位にて重合され形成される。そして、センターシール部37は、その付け根部分から折り曲げられて左側或いは右側に倒された状態で搬送される。よって、センターシール部37の付け根部分が、幅方向の中心に位置するように構成する。この状態で、上側のガゼット爪の先端は、包装フィルム15の幅方向中心、すなわち、センターシール部37の付け根部分に接触し、内方に押し込むようにするとよい。これにより、センターシール部37は、筒状の包装フィルム15内に押し込まれ、左側トップシーラ31a,右側トップシーラ31bにより挟まれ、加圧されるとともに加熱される。このとき、センターシール部37の表面は包装フィルム15の表面であって、非熱シール面であるので包装フィルム15の他のフィルム部位に新たに熱シールされることはなく、センターシール部37以外の包装フィルム15の内面同士が接触し、加圧・加熱されてトップシール部38が形成される。そして、トップシール部38付近のセンターシール部37は、ガゼット39内に入り込んだ態様となる。
【0048】
さらに、本実施形態では、第一トップシール装置31と第二トップシール装置32は排他的に動作する。すなわち、例えば第一トップシール装置31が稼働して筒状の包装フィルム15に対してその側面に上下方向に延びるトップシール部を形成する場合、下流側に配置される第二トップシール装置32は上側トップシーラ32aと下側トップシーラ32bが上下に離反待避した状態で停止する。一方、第二トップシール装置32が稼働して筒状の包装フィルム15に対してその側面に水平方向に延びるトップシール部を形成する場合、上流側に配置される第一トップシール装置31は左側トップシーラ31aと右側トップシーラ31bが左右外側に離反待避した状態で停止する。
【0049】
よって、第一トップシール装置31が駆動して製造される包装体36は、渡りベルトコンベア33,搬出コンベア28上を搬送される。一方、第二トップシール装置32が駆動して製造される包装体36′は、搬出コンベア28上を搬送される。
【0050】
本形態の製品13は、搬送方向に平行な起立状態で左右に並べるため、製品13を構成する扁平状物品22の個数が増えるにつれて、製品13の横幅が長くなる。よって、所定枚数以下の場合、搬送方向に対して直交する縦断面形状は縦長となり、所定枚数を超えると横長となる。
【0051】
上述したように、製品搬送供給装置14並びに包装機本体11における搬送面上に設けた左右のサイドガイド部材間の距離を変更可能に構成するとともに、製袋器も横幅の相違する製品に対応可能にしたため、本実施形態のように、横幅が異なる製品13に対して包装処理する場合、対象となる製品13の横幅に合わせてサイドガイド部材間の距離や、製袋器の幅を調整することで、何れのサイズ・横幅の製品13も、製品搬送供給装置14並びに包装機本体11上を移動し、包装フィルム15で筒状に包み込むことができる。そして、センターシール装置27にて包装フィルム15の上面の幅方向中央部位でセンターシール部37を形成する。
【0052】
さらに、横長な製品の場合には、第二トップシール装置32を稼働させる(
図2,
図4(a)参照)ことで、
図7(a)に示すようにトップシール部38′が左右(包装体の幅方向)に延びるガゼット39付きの態様の包装体36′を製造することができる。一方、縦長な製品の場合、第一トップシール装置31を稼働させる(
図3,
図4(b)参照)ことで、
図7(b)に示すようにトップシール部38が上下に延びるガゼット39付きの態様の包装体36を製造することができる。
【0053】
このように本実施形態では、一つのピロー包装機10にて、集積する扁平状物品22の個数の多少に関係なく、搬送方向を同じにしてガゼット付の包装体を製造することができる。
【0054】
また、通常、ガゼットを形成した面が包装体の側面となる。従って、センターシール部37をガゼット折込みした包装体、すなわち、本実施形態では第一トップシール装置31を動作させて製造した包装体36は、その一方の側面にセンターシール部37が位置するため、包装体36の表面及び裏面の何れにもセンターシール部が存在しない態様となる。その結果、表裏両面において、それぞれ全面に一つの繋がった印刷スペースがとれ、表示レイアウトの自由度が増すので良い。
【0055】
上述した実施形態では、筒状の包装フィルムの両側端縁を上側に位置させセンターシール部を搬送する包装フィルムの上面側に形成する逆ピロー包装機に適用した例を示したが、下側に形成するピロー包装機に用いても良い。また、例えば特許文献1唐丹か維持される包装機のように、センターシール部が側面に位置するものに適用しても良い。
【0056】
また、上述した実施形態では、複数の扁平状物品22を起立状態で左右に並べて集積したが、上下に重ねて集積するようにしてもよく、集積する際の配置レイアウトは任意である。
【0057】
さらに上述した実施形態では、扁平状物品22は袋体状のものとしたが、例えば矩形の箱状のものでもよい。さらには、製品は必ずしも複数の物品を集積したものに限るものではなく、単体のものでも良い。
【0058】
また、上述した実施形態では、第一トップシール装置31が上下方向に延びるトップシール部を備え、第二トップシール装置32が左右方向に延びるトップシール装置を備えるようにしたが、逆に配置しても良い。
【0059】
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0060】
10 :ピロー包装機
11 :包装機本体
12 :フィルム供給装置
13 :製品
14 :製品搬送供給装置
15 :包装フィルム
15a :両側端縁部
22 :扁平状物品
25 :製袋器
27 :センターシール装置
28 :搬出コンベア
29 :第一抑えベルト
31 :第一トップシール装置
31a :左側トップシーラ
31b :右側トップシーラ
32 :第二トップシール装置
32a :上側トップシーラ
32b :下側トップシーラ
33 :渡りベルトコンベア
34 :第二抑えベルト
35 :第三抑えベルト
36 :包装体
36′ :包装体
37 :センターシール部
38 :トップシール部
38′ :トップシール部
39 :ガゼット
50 :ガゼット形成装置
51 :ガゼット爪
51a :先端