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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】衣服
(51)【国際特許分類】
   A41D 1/02 20060101AFI20240719BHJP
   A41D 3/08 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A41D1/02 Z
A41D3/08 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020190559
(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公開番号】P2022079380
(43)【公開日】2022-05-26
【審査請求日】2023-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】515347120
【氏名又は名称】株式会社MBDI
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桝谷 武志
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-088524(JP,A)
【文献】実開昭53-023613(JP,U)
【文献】特開2020-176368(JP,A)
【文献】実開昭50-126417(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 1/00- 1/04
A41D 3/00- 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向を長手方向とする長方形状に折り畳まれる衣服であって、
前部と後部と中部とを備え、前記前部と前記中部とが連接され、前記中部と前記後部とが連接されて、一枚のシート状の部材からなるものであり、
前記前部は、左右方向を長手方向に構成され、第一前部と第二前部とを備え、
前記後部は、左右方向を長手方向に構成され、
前記中部は、左右方向を長手方向に構成され、第一中部と第二中部とを備え、前記衣服が折り畳まれた状態で前記前部と前記後部との間に配置され、
前記第一前部の短手方向上縁部と前記第一中部の一方の縁部とが連接され、前記後部の短手方向上縁部と前記第一中部の他方の縁部とが連接され、前記第二前部の短手方向下縁部と前記第二中部の一方の縁部とが連接され、前記後部の短手方向下縁部と前記第二中部の他方の縁部とが連接され、
前記第一前部の短手方向下縁部と前記第二前部の短手方向上縁部とが左右中央部を除いて連接されて前記左右中央部に開口部が形成され、
前記第一前部の短手方向下縁部と前記第二前部の短手方向上縁部とが連接された部分の前部、後部、及び中部は、筒状に構成されて、前記衣服が着衣されたときの袖部を構成し、
前記第一前部の短手方向下縁部と第二前部の短手方向上縁部とが連接されない部分の前部、後部、及び中部は、前記衣服が着衣されたときに、着衣者の両肘近傍に亘って背中を覆うように配置され、
前記第一中部は、山折り状または谷折り状に予め折り目が付けられて、前記衣服が折り畳まれた状態では、前後に偶数毎が重なって蛇腹折りに畳まれるように構成され、
前記第一前部の短手方向上縁部と前記第一中部の一方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され、
前記後部の上縁と前記第一中部の他方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され
前記第一前部における開口部を構成する部分の短手方向下縁部の一部と、前記第一中部の一部と、が連接される、
衣服。
【請求項2】
前記第二中部は、山折り状または谷折り状に予め折り目が付けられて、前記衣服が折り畳まれた状態では、前後に偶数毎が重なって蛇腹折りに畳まれるように構成され、
前記第二前部の短手方向下縁部と前記第二中部の一方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され、
前記後部の下縁と前記第二中部の他方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成される、
請求項1に記載の衣服。
【請求項3】
前記衣服が折り畳まれた状態では、前記中部が前記前部と前記後部とのうち少なくともいずれか一方からはみ出さないように構成される、
請求項1または請求項2に記載の衣服。
【請求項4】
長方形に折り畳まれ、また、展開状態で着衣される衣服であって、
前部と後部と中部とを備え、前記前部と前記中部とが連接され、前記中部と前記後部とが連接されて、一枚のシート状の部材からなるものであり、
前記前部は、左右方向を長手方向に構成され、第一前部と第二前部とを備え、
前記後部は、左右方向を長手方向に構成され、
前記中部は、左右方向を長手方向に構成され、衣服が折り畳まれた状態で前記前部と前記後部との間に配置され、
前記第一前部の短手方向上縁部と前記中部の一方の縁部とが連接され、前記後部の短手方向上縁部と前記中部の他方の縁部とが連接され、前記第二前部の短手方向下縁部と前記後部の短手方向下縁部とが連接され、
前記第一前部の短手方向下縁部と前記第二前部の短手方向上縁部とが左右中央部を除いて連接されて前記左右中央部に開口部が形成され、
前記第一前部の短手方向下縁部と第二前部の短手方向上縁部とが連接された部分の前部、後部、及び中部は、筒状に構成されて、前記衣服が着衣されたときの袖部を構成し、
前記第一前部の短手方向下縁部と第二前部の短手方向上縁部とが連接されない部分の前部、後部、及び中部は、前記衣服が着衣されたときに、着衣者の両肘近傍に亘って背中を覆うように配置され、
前記中部は、山折り状または谷折り状に予め折り目が付けられて、前記衣服が折り畳まれた状態では、前後に偶数毎が重なって蛇腹折りに畳まれるように構成され、
前記第一前部の短手方向上縁部と前記中部の一方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され、
前記後部の上縁と前記中部の他方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され、
前記第二前部の短手方向下縁部と前記後部の短手方向下縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され、
前記第一前部における開口部を構成する部分の短手方向下縁部の一部と、前記中部の一部と、が連接される、
衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長方形状に折り畳まれる衣服の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、折り畳まれた状態で携帯される衣服に関する技術は種々知られている(特許文献1参照)。
前記衣服は、例えば、折り畳まれた状態を保持して携帯され、また、防寒のために展開されて使用状態として着衣される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3172068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような折り畳まれる衣服は、通常の衣服と同様に、脱衣してコンパクトに折り畳まれた状態とする作業が億劫なものであった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、コンパクトな長方形に折り畳まれた状態に容易にすることができる衣服を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、左右方向を長手方向とする長方形状に折り畳まれる衣服であって、前部と後部と中部とを備え、前記前部と前記中部とが連接され、前記中部と前記後部とが連接されて、一枚のシート状の部材からなるものであり、前記前部は、左右方向を長手方向に構成され、第一前部と第二前部とを備え、前記後部は、左右方向を長手方向に構成され、前記中部は、左右方向を長手方向に構成され、第一中部と第二中部とを備え、前記衣服が折り畳まれた状態で前記前部と前記後部との間に配置され、前記第一前部の短手方向上縁部と前記第一中部の一方の縁部とが連接され、前記後部の短手方向上縁部と前記第一中部の他方の縁部とが連接され、前記第二前部の短手方向下縁部と前記第二中部の一方の縁部とが連接され、前記後部の短手方向下縁部と前記第二中部の他方の縁部とが連接され、前記第一前部の短手方向下縁部と前記第二前部の短手方向上縁部とが左右中央部を除いて連接されて前記左右中央部に開口部が形成され、前記第一前部の短手方向下縁部と前記第二前部の短手方向上縁部とが連接された部分の前部、後部、及び中部は、筒状に構成されて、前記衣服が着衣されたときの袖部を構成し、前記第一前部の短手方向下縁部と第二前部の短手方向上縁部とが連接されない部分の前部、後部、及び中部は、前記衣服が着衣されたときに、着衣者の両肘近傍に亘って背中を覆うように配置され、前記第一中部は、山折り状または谷折り状に予め折り目が付けられて、前記衣服が折り畳まれた状態では、前後に偶数毎が重なって蛇腹折りに畳まれるように構成され、前記第一前部の短手方向上縁部と前記第一中部の一方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され、前記後部の上縁と前記第一中部の他方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され、前記第一前部における開口部を構成する部分の短手方向下縁部の一部と、前記第一中部の一部と、が連接されるものである。
【0008】
請求項2においては、前記第二中部は、山折り状または谷折り状に予め折り目が付けられて、前記衣服が折り畳まれた状態では、前後に偶数毎が重なって蛇腹折りに畳まれるように構成され、前記第二前部の短手方向下縁部と前記第二中部の一方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され、前記後部の下縁と前記第二中部の他方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成されるものである。
【0009】
請求項3においては、前記中部が前記前部と前記後部とのうち少なくともいずれか一方からはみ出さないように構成されるものである。
【0011】
請求項4においては、長方形に折り畳まれ、また、展開状態で着衣される衣服であって、前部と後部と中部とを備え、前記前部と前記中部とが連接され、前記中部と前記後部とが連接されて、一枚のシート状の部材からなるものであり、前記前部は、左右方向を長手方向に構成され、第一前部と第二前部とを備え、前記後部は、左右方向を長手方向に構成され、前記中部は、左右方向を長手方向に構成され、衣服が折り畳まれた状態で前記前部と前記後部との間に配置され、前記第一前部の短手方向上縁部と前記中部の一方の縁部とが連接され、前記後部の短手方向上縁部と前記中部の他方の縁部とが連接され、前記第二前部の短手方向下縁部と前記後部の短手方向下縁部とが連接され、前記第一前部の短手方向下縁部と前記第二前部の短手方向上縁部とが左右中央部を除いて連接されて前記左右中央部に開口部が形成され、前記第一前部の短手方向下縁部と第二前部の短手方向上縁部とが連接された部分の前部、後部、及び中部は、筒状に構成されて、前記衣服が着衣されたときの袖部を構成し、前記第一前部の短手方向下縁部と第二前部の短手方向上縁部とが連接されない部分の前部、後部、及び中部は、前記衣服が着衣されたときに、着衣者の両肘近傍に亘って背中を覆うように配置され、前記中部は、山折り状または谷折り状に予め折り目が付けられて、前記衣服が折り畳まれた状態では、前後に偶数毎が重なって蛇腹折りに畳まれるように構成され、前記第一前部の短手方向上縁部と前記中部の一方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され、前記後部の上縁と前記中部の他方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され、前記第二前部の短手方向下縁部と前記後部の短手方向下縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され、前記第一前部における開口部を構成する部分の短手方向下縁部の一部と、前記中部の一部と、が連接されるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、コンパクトに折り畳まれた状態に容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る衣服の折り畳んだ状態を示した正面図。
図2】同じく衣服の折り畳んだ状態を示した背面図。
図3】同じく衣服を構成するシート状部材が展開された状態を示す正面図。
図4】同じく衣服の折り畳んだ状態を示す側面模式図。
図5】同じく衣服の折り畳んだ状態を示す拡大斜視図。
図6】同じく衣服の着衣した状態を示す正面図。
図7】同じく衣服の着衣した状態を示す拡大斜視図。
図8】同じく衣服の折り畳んだ状態を示す側面模式図。
図9】同じく衣服の折り畳んだ状態を示した背面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態に係る左右方向を長手方向とする長方形状に折り畳まれる衣服1について、図1から図9を用いて説明する。
【0015】
図1から図5に示すように、衣服1は、左右方向を長手方向とする平面視略長方形状に折り畳まれ、また、展開された使用状態においては着衣可能に構成される。衣服1は、左右対称に構成される。
衣服1は、長方形状に折り畳まれた状態において、例えば、大人用の場合には、左右方向の長さが約1400mmから1700mm程度に構成され、上下方向の長さが80mm程度に構成される。衣服1の左右上下の長さ等の寸法は、仕様や用途等に応じて適宜決定されるものとする。
衣服1は、長方形状に細長い帯状に折り畳まれることから、折り畳まれた状態をコンパクト構成することができる。また、衣服1は、折り畳まれた状態においてさらに長手方向側端部同士を合わせるように三つ折りまたは四つ折り等に容易に折り畳むことができ、容易によりコンパクトな状態とすることができる。そして、衣服1は、折り畳まれた状態としてコンパクトな状態とすることができることから、例えば、携帯したときの億劫さを解消することができる。
衣服1は、着衣者に着衣された状態では、寒いときに羽織るようなボレロのように構成される。衣服1は、寒いときに羽織る用途に限定されず、日焼け防止の用途や雨具や汚れ防止の用途として用いることもできる。
【0016】
衣服1は、複数個の帯状体を備え、複数個の帯状体が連接されて組み合わされて構成される。帯状体は、前部2と後部3と中部4とで構成される。衣服1は、前部2と中部4とが予め連接され、中部4と後部3とが予め連接されて、前部2と後部3と中部4とが一体に構成される一枚のシート状部材10(所定の布材)からなる(図3参照)。衣服1は、一枚のシート状部材10に所定の箇所で折り目を付け、また所定の箇所を糸等によって縫い合わせること等によって連接して作り上げられる。衣服1は、シート状部材10が布材に代えて仕様や用途等に応じた素材(例えば、樹脂素材等)で構成することもできる。また、前述のように所定の箇所を連接する手段については、糸であることに限定されず、シート状部材10の素材や仕様や用途等に応じて、接着剤や溶着等の手段を用いることもできる。
【0017】
前部2は、衣服1が折り畳まれた状態で、後部3及び中部4の前方に配置される。
前部2は、左右方向を長手方向とするシート状(帯状)に構成される。
前部2は、第一前部21と、第二前部22と、を備える。
第一前部21は第二前部22の上方に配置される。衣服1が折り畳まれた状態では、第一前部21の下縁(短手方向下縁部)と第二前部22の上縁(短手方向上縁部)とを近接させた状態とされ、第一前部21と第二前部22とは上下に並べて配置される。
第一前部21の長手方向(左右方向)の長さは、折り畳まれた状態の衣服1の長手方向の長さと同一に構成される。第一前部21の短手方向(上下方向)の長さは、折り畳まれた状態の衣服1の短手方向の長さの半分の長さに構成される。
第二前部22の長手方向(左右方向)の長さは、折り畳まれた状態の衣服1の長手方向の長さと同一に構成される。第二前部22の短手方向(上下方向)の長さは、折り畳まれた状態の衣服1の短手方向の長さの半分の長さに構成される。
【0018】
後部3は、衣服1が折り畳まれた状態で後部3及び中部4の後方に配置される。
後部3は、左右方向を長手方向とするシート状(帯状)に構成される。
後部3の長手方向(左右方向)の長さは、折り畳まれた状態の衣服1の長手方向の長さと同一に構成される。後部3の短手方向(上下方向)の長さは、折り畳まれた状態の衣服1の短手方向の長さと同一に構成される。
【0019】
中部4は、衣服1が折り畳まれた状態では、前部2と後部3との間(前部2の後方且つ後部3の前方)に配置される。
中部4は、左右方向を長手方向とするシート状(帯状)に構成される。
中部4は、第一中部41と、第二中部42と、を備える。
【0020】
衣服1が折り畳まれた状態では、第一中部41と第二中部42のうち少なくともいずれか一方が蛇腹折りに畳まれるように構成される。以下において、第一中部41と第二中部42のいずれについても蛇腹折りに畳まれるように構成されるものについて説明する。
第一中部41は第二中部42の上方に配置される。衣服1が折り畳まれた状態では、折り畳まれた状態の第一中部41の下端部と第二中部42の上端部とを近接させた状態とされ、第一中部41と第二中部42とは上下に並べて配置される。
第一中部41及び第二中部42の長手方向(左右方向)の長さは、折り畳まれた状態の衣服1の長手方向の長さと同一に構成される。折り畳まれた状態の第一中部41及び第二中部42の短手方向(上下方向)の長さは、折り畳まれた状態の衣服1の短手方向の長さの半分の長さに構成される。
第一前部21の上縁(短手方向上縁部)と第一中部41の一方の縁部(前方の縁部)とが連接され、後部3の上縁(短手方向上縁部)と第一中部41の他方の縁部(後方の縁部)とが連接される。第二前部22の下縁(短手方向下縁部)と第二中部42の一方の縁部(前方の縁部)とが連接され、後部3の下縁(短手方向下縁部)と第二中部42の他方の縁部(後方の縁部)とが連接される。
【0021】
第一前部21の上縁(短手方向上縁部)と第一中部41の一方の縁部(前方の縁部)とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成される。第一前部21の上縁と第一中部41の一方の縁部とが連接される境界部分は、第一山折り部51として構成される。
後部3の上縁(短手方向上縁部)と第一中部41の他方の縁部(後方の縁部)とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成される。後部3の上縁と第一中部41の他方の縁部とが連接される境界部分は、第二山折り部52として構成される。
【0022】
第一中部41は、衣服1が折り畳まれた状態では、前後に複数毎(偶数毎)が重なって折り畳まれるように構成される。第一中部41は、展開した状態の第一中部41の短手方向略1/4、2/4、3/4、及び4/4の四か所において山折り状または谷折り状に予め折り目が付けられて一山二谷を構成し、前後に四枚重って折り畳まれるように構成される。
第一中部41の前方の谷折り状となるように構成される部分は、第一谷折り部61として構成される。第一中部41の後方の谷折り状となるように構成される部分は、第二谷折り部62として構成される。第一中部41の山折り状となるように構成される部分は、第三山折り部53として構成される。
【0023】
第二前部22の下縁(短手方向上縁部)と第二中部42の一方の縁部(前方の縁部)とが連接される境界部分は山折り状となるように構成される。第二前部22の下縁と第二中部42の一方の縁部とが連接される境界部分は、第四山折り部54として構成される。
後部3の下縁(短手方向下縁部)と第二中部42の他方の縁部(後方の縁部)とが連接される境界部分は山折り状となるように構成される。後部3の下縁と第二中部42の他方の縁部とが連接される境界部分は、第五山折り部55として構成される。
【0024】
第二中部42は、衣服1が折り畳まれた状態では、前後に複数毎(偶数毎)が重なって折り畳まれるように構成される。第二中部42は、展開した状態の第二中部42の短手方向略1/4、2/4、3/4、及び4/4の四か所において折り畳まれて一山二谷を構成し、前後に四枚重って折り畳まれるように構成される。
第二中部42の前方の谷折り状となるように構成される部分は、第三谷折り部63として構成される。第二中部42の後方の谷折り状となるように構成される部分は、第四谷折り部64として構成される。第二中部42の山折り状となるように構成される部分は、第六山折り部56として構成される。
【0025】
第一前部21の下縁(短手方向下縁部)と第二前部22の上縁(短手方向上縁部)とは、左右中央部を除いてその左部及び右部が糸材8によって縫い合わされて連接される。第一前部21の下縁(短手方向下縁部)と第二前部22の上縁(短手方向上縁部)とは、それぞれの左端部から左右中途部(左右中央部よりも左端部寄り部分)または右端部から左右中途部(左右中央部よりも右端部寄り部分)まで連接される。このように、第一前部21の下縁(短手方向下縁部)と第二前部22の上縁(短手方向上縁部)とが連接されることによって、左右中央部に開口部5が形成される。開口部5の左右方向の長さは、例えば、大人用の場合には、約1100mm程度に構成される。開口部5の左右方向の長さは、仕様や用途等に応じて適宜決定されるものとする。
なお、前部2は、第一前部21と第二前部22とが連接されたような一枚のシート状に構成され、上下中央且つ左右中央部に、長手方向に沿った切込み(開口部5)が設けられて構成することもできる。このとき、前記長手方向に沿って設けられた切込みは、衣服1の開口部5として構成される。
【0026】
図6から図7に示すように、前記第一前部21の下縁と第二前部22の上縁とが縫い合わされた部分の前部2(第一前部21及び第二前部22)、後部3、及び中部4(第一中部41及び第二中部42)は、筒状に構成されて、衣服1が展開された状態において着衣されたときの袖部を構成する。前記第一前部21の下縁と第二前部22の上縁とが縫い合わされない部分の前部2(第一前部21及び第二前部22)、後部3、及び中部4(第一中部41及び第二中部42)は、衣服1が展開された状態において着衣されたときに、着衣者の両肘近傍に亘って背中を覆うように配置される。前記第一前部21の下縁と第二前部22の上縁とが縫い合わされていない部分である開口部5は、衣服1が展開された状態において着衣されるときに、着衣者によって広げられて着衣者の腕等が挿入されるように構成される。衣服1が展開された状態において着衣された状態では、開口部5が大きく上下に開かれて、前記縫い合わされていない部分(開口部5を構成する部分)の第一前部21の下縁は着衣者の首近傍に位置し、前記縫い合わされていない部分(開口部5を構成する部分)の第二前部22の上縁は着衣者の肩甲骨の下方(腰の上方)近傍に位置する。
なお、衣服1は、左右非対称に構成されて、袖部の左右方向の長さが左方または右方のいずれか一方が他方に比べて長く構成することもできる。
【0027】
以上のように、長方形に折り畳まれる衣服1であって、第一中部41は、山折り状または谷折り状に予め折り目が付けられて、衣服1が折り畳まれた状態では、前後に偶数毎が重なって蛇腹折りに畳まれるように構成され、第一前部21の短手方向上縁部と第一中部41の一方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され、後部3の上縁と第一中部41の他方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成されることから、衣服1を脱衣したときに、前記折り目に従うようにしてコンパクトな長方形に折り畳まれた状態に容易にすることができる。
【0028】
また以上のように、上記のような構成に加えて、第二中部42は、山折り状または谷折り状に予め折り目が付けられて、衣服1が折り畳まれた状態では、前後に偶数毎が重なって蛇腹折りに畳まれるように構成され、第二前部22の短手方向下縁部と第二中部42の一方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成され、後部3の下縁と第二中部42の他方の縁部とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成されることから、衣服1を脱衣したときに、前記より目に従うようにしてよりコンパクトな長方形に折り畳まれた状態に容易にすることができる。
【0029】
図1から図5に示すように、衣服1が折り畳まれた状態では、第一山折り部51と第二山折り部52と第三山折り部53とが重なる。衣服1が折り畳まれた状態では、第四山折り部54と第五山折り部55と第六山折り部56とが重なる。衣服1が折り畳まれた状態では、中部4(第三山折り部53または第六山折り部56)が上方または下方に前部2と後部3との間からはみ出さないように構成される。
このように、衣服1が折り畳まれた状態では、中部4が前部2と後部3との間からはみ出さないように構成されることから、衣服1を脱衣したときに、よりコンパクトな長方形に折り畳まれた状態とすることができる。
また、衣服1が折り畳まれた状態では、第一山折り部51と第二山折り部52と第三山折り部53とが重なり、また、第四山折り部54と第五山折り部55と第六山折り部56とが重なることから、衣服1が折り畳まれた状態がより整えられたようなものとすることができ、衣服1が折り畳まれた状態の印象を向上させることができる。
【0030】
折り畳まれた状態の第一前部21または第二前部22の短手方向(上下方向)の長さは、折り畳まれた状態の衣服1の短手方向(上下方向)の長さの半分の長さよりも、長くまたは短く構成することもできる。
また、折り畳まれた状態の第一中部41または第二中部42の短手方向(上下方向)の長さは、折り畳まれた状態の衣服1の短手方向(上下方向)の長さの半分の長さよりも、長くまたは短く構成することもできる。
【0031】
衣服1が折り畳まれた状態では、第一山折り部51と第二山折り部52と第三山折り部53とがそれぞれ重ならない構成、また、第四山折り部54と第五山折り部55と第六山折り部56とがそれぞれ重ならない構成とすることもできる。
例えば、前部2の短手方向(上下方向)の幅が最も短く、次に中部4の短手方向(上下方向)の幅が短く、後部3の短手方向(上下方向)の幅が最も長く、構成することもできる。また、前部2の短手方向(上下方向)の幅が最も長く、次に中部4の短手方向(上下方向)の幅が長く、後部3の短手方向(上下方向)の幅が最も短く、構成することもできる。このように構成されるとき、衣服1が折り畳まれた状態では、前部2、中部4、後部3のぞれぞれの短手方向の端部が階段状に構成され、中部4(第三山折り部53または第六山折り部56)が上方または下方に前部2と後部3とのうち少なくともいずれか一方からはみ出さないように構成される。このため、衣服1が折り畳まれた状態のデザイン性を向上させることができる。
また例えば、前部2または後部3のうちいずれか一方の短手方向(上下方向)の幅が最も長く、次に前部2または後部3のうちいずれか他方の短手方向(上下方向)の幅が長く、中部4の短手方向(上下方向)の幅が最も短く、構成することもできる。このように構成されるとき、衣服1が折り畳まれた状態では、前部2、後部3のぞれぞれの短手方向の端部が階段状に構成され、中部4(第三山折り部53または第六山折り部56)が上方または下方に前部2と後部3とからはみ出さないように構成される。このため、衣服1が折り畳まれた状態のデザイン性を向上させることができる。
また例えば、前部2または後部3のうちいずれか一方の短手方向(上下方向)の幅が最も短く、次に前部2または後部3のうちいずれか他方の短手方向(上下方向)の幅が短く、中部4の短手方向(上下方向)の幅が最も長く、構成することもできる。
【0032】
衣服1が折り畳まれた状態では、第一山折り部51と第二山折り部52とが重なり、第三山折り部53は第一山折り部51及び第二山折り部52と重なならない構成、第四山折り部54と第五山折り部55とが重なり、第六山折り部56は第四山折り部54と第五山折り部55とが重ならない構成とすることもできる。
例えば、前部2及び後部3の短手方向(上下方向)の幅が、中部4の短手方向(上下方向)の幅よりも長く構成することもできる。このように構成されるとき、衣服1が折り畳まれた状態では、中部4(第三山折り部53または第六山折り部56)が上方または下方に前部2と後部3とからはみ出さないように構成される。このため、衣服1が折り畳まれた状態がより整えられたようなものとすることができ、衣服1が折り畳まれた状態の印象を向上させることができる。
【0033】
また、衣服1が折り畳まれた状態では、第一山折り部51と第二山折り部52とのうちいずれか一方が第三山折り部53と重なり、また、第四山折り部54と第五山折り部55とのうちいずれか一方が第六山折り部56と重なる構成とすることもできる。
例えば、前部2と中部4の短手方向(上下方向)の幅が一致し、後部3の短手方向(上下方向)の幅が、前部2と中部4の短手方向(上下方向)の幅よりも長くまたは短く構成することもできる。また、後部3と中部4の短手方向(上下方向)の幅が一致し、前部2の短手方向(上下方向)の幅が、後部3と中部4の短手方向(上下方向)の幅よりも長くまたは短く構成することもできる。
【0034】
衣服1では、所定の箇所で折り畳んだ状態の一枚のシート状部材10(所定の布材)にプリーツ加工を施すことによって、第一山折り部51、第二山折り部52、第三山折り部53、第四山折り部54、第五山折り部55、第六山折り部56、第一谷折り部61、第二谷折り部62、第三谷折り部63、及び第四谷折り部64が形成されて、前部2、中部4、及び後部3が形成される(図3参照)。
このように構成されることによって、容易に山折り状または谷折り状に予め折り目を設けることができる。
なお、衣服1は、前部2、中部4、及び後部3がそれぞれ個別の部材で構成され、また、中部4の蛇腹折りに構成されるそれぞれの部分がそれぞれ個別の部材で構成されて、第一山折り部51、第二山折り部52、第三山折り部53、第四山折り部54、第五山折り部55、第六山折り部56、第一谷折り部61、第二谷折り部62、第三谷折り部63、また第四谷折り部64において、それぞれを縫い合わせることによって、一体的に構成することもできる。
【0035】
第一前部21における開口部5を構成する部分の短手方向下縁部は、衣服1が展開された状態において着衣されたときに、襟元部として構成される。
第一前部21における開口部5を構成する部分の短手方向下縁部の一部と、第一中部41の(第一谷部)一部とが、単数または複数個所(本実施形態においては左右二か所)において糸材9によって縫い合わされて連接される(図5参照)。
このように構成することによって、衣服1が着衣されたときに、第一前部21における開口部5を構成する部分の短手方向下縁部が捲れること等によって、衣服1の着心地が損なわれることを抑制することができる。
【0036】
図6または図7に示すように、前部2、後部3、及び中部4における衣服1が展開された状態において着衣されたときの左右の袖部を構成する部分の内面の開口部近傍には、それぞれ留め具6が設けられる。
留め具6は、ゴム素材からなる環状の部材であり、衣服1が展開された状態において着衣されたときに、着衣者の手首や腕等が挿通可能に構成される。
このように構成することによって、衣服1が着衣されたときに、袖が捲り上げられることを抑制することができ、衣服1の着心地が損なわれることを抑制することができる。
【0037】
前部2、後部3、及び中部4における衣服1が展開された状態において着衣されたときの袖部を構成する部分は、袖部の開口部近傍において、前部2と中部4とが縫い合わされ、また、後部3と中部4が縫い合わされて連接されて、袖を絞った状態に構成とすることもできる。
このように構成することによって、衣服1が着衣されたときに袖を絞った状態とされることから、衣服1の着心地が損なわれることを抑制することができる。
【0038】
衣服1では、第一中部41または第二中部42が、前後に四枚重って折り畳まれることに限定されず、仕様や用途等に応じて、例えば、前後に二枚、六枚、または八枚重って折り畳まれるように構成されて、前後に複数毎(偶数毎)が重なって折り畳まれるように構成することもできる。
【0039】
第一中部41または第二中部42のいずれか一方のみを備える構成とすることもできる。
例えば、図8に示すように、中部4は、第一中部41を備え、第二中部42を備えない構成とすることもできる。
このとき、後部3の上縁(短手方向上縁部)と第一中部41の他方の縁部(後方の縁部)とが連接される。第二前部22の下縁(短手方向下縁部)と後部3の下縁(短手方向下縁部)とが連接される。第二前部22の下縁(短手方向下縁部)と後部3の下縁(短手方向下縁部)とが連接される境界部分は山折り状となるように予め折り目が付けられて構成される。
またこのとき、折り畳まれた状態の第一中部41の短手方向(上下方向)の長さは、折り畳まれた状態の衣服1の短手方向の長さの半分よりも長く、折り畳まれた状態の第一中部41の下端部が、折り畳まれた前部2と下部とが連接される部分の近傍に至る構成とすることもできる。
なお、このように構成されるとき、前部4が第一前部21と第二前部22とに分割されずに構成されて、開口部5が前部4と後部3との境界部分に形成される構成とすることもできる。
【0040】
図9に示すように、後部3の左右中央且つ上下中央に左右方向の切込み7を設けて構成することもできる。前記左右方向の切込み7は、着衣者が着衣した際に頭部が挿通される開口として構成される。このように構成された衣服1は、着衣者に着衣された状態では、ポンチョのように構成される。
【符号の説明】
【0041】
1 衣服
2 前部
3 後部
4 中部
5 開口部
6 留め具
7 切込み
8 糸材
9 糸材
10 シート状部材
21 第一前部
22 第二前部
41 第一中部
42 第二中部
51 第一山折り部
52 第二山折り部
53 第三山折り部
54 第四山折り部
55 第五山折り部
56 第六山折り部
61 第一谷折り部
62 第二谷折り部
63 第三谷折り部
64 第四谷折り部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9