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特許7523164コロナウイルス3CLプロテアーゼを標的とするPROTAC、およびその調製方法と応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】コロナウイルス3CLプロテアーゼを標的とするPROTAC、およびその調製方法と応用
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20240719BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20240719BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61K31/53
A61P31/14
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023036522
(22)【出願日】2023-03-09
(65)【公開番号】P2023152797
(43)【公開日】2023-10-17
【審査請求日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】202210335448.3
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522281350
【氏名又は名称】シャンシー・パンロン・ファーマシューティカル・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHAANXI PANLONG PHARMACEUTICAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO. 2801, BALIU 2ND ROAD, MODERN TEXTILE INDUSTRIAL PARK, BAQIAO DISTRICT, XI’AN, 710025 SHAANXI, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】チェンユアン・リャン
(72)【発明者】
【氏名】リャン・シン
(72)【発明者】
【氏名】レイ・ティエン
(72)【発明者】
【氏名】ジュアン・シア
(72)【発明者】
【氏名】ナン・チン
(72)【発明者】
【氏名】ジンイー・リー
(72)【発明者】
【氏名】タオタオ・チアン
(72)【発明者】
【氏名】ハン・リー
(72)【発明者】
【氏名】シューチュアン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】シャオリン・シエ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥジュー・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】チンボー・ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンフェン・シー
(72)【発明者】
【氏名】ミン・リー
(72)【発明者】
【氏名】シャオジュン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】カンシオン・ウー
(72)【発明者】
【氏名】キャサリン・ジェー・リー
(72)【発明者】
【氏名】マギー・レウィス
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ・マー
(72)【発明者】
【氏名】シュイファ・ジョウ
【審査官】中村 政彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/231778(WO,A1)
【文献】UNOH, Y. et al.,“Discovery of S-217622, a Noncovalent Oral SARS-CoV-2 3CL Protease Inhibitor Clinical Candidate for Treating COVID-19”,Journal of Medicinal Chemistry,2022年03月30日,Vol. 65, No. 9,pp. 6499-6512,DOI: 10.1021/acs.jmedchem.2c00117
【文献】DESANTIS, J. et al.,“Indomethacin-based PROTACs as pan-coronavirus antiviral agents”,European Journal of Medicinal Chemistry,2021年,Vol. 226,pp. 113814,DOI: 10.1016/j.ejmech.2021.113814
【文献】内藤 幹彦 他,“分子間相互作用を基盤とするユビキチン・プロテアソーム創薬”,日本薬理学雑誌,2021年,第156巻,第1号,pp. 9-12,DOI: 10.1254/fpj.20070
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/00
A61K 31/00
A61P 31/00
CAplus/REGISTRY(STN)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iまたは式IIの化合物、その薬学的に許容される塩、またはその互変異性体。
【化1】
(式中、前記リンカーは、
【化2】
であり、nは、1~6である。)
【請求項2】
前記化合物が、
【化3】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記薬学的に許容される塩が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択されるうちの1つを含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物を含む、抗コロナウイルス医薬製剤。
【請求項5】
前記コロナウイルスが、新型コロナウイルスSARS-CoV-2である、請求項4に記載の抗コロナウイルス医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年3月31日に出願された中国特許出願第202210335448.3号の優先権を主張し、この出願は、本明細書に完全に記載されているかのように、あらゆる目的のために参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、医薬化学の分野に関し、具体的には、コロナウイルス3CLプロテアーゼを標的とするPROTAC、およびその調製方法と応用に関する。
【背景技術】
【0003】
COVID-19(新型コロナウイルスSARS-CoV-2)は、感染力が強く、病原性も高く、その変異株であるデルタ株とオミクロン株は、より強い感染力を有する。絶え間なく生じる変異株は、世界の疫病状況をより複雑にしている。新型コロナウイルスは、人間の健康、社会の安定、および経済の発展に深刻な脅威をもたらしている。
【0004】
3CLpro(3C様プロテアーゼ、主要プロテアーゼMproとしても知られている)は、コロナウイルスの重要な非構造タンパク質として、マイクロRNAウイルスの3Cプロテアーゼと同様の切断部位特異性を有し、子孫ウイルスの複製と転写に極めて重要な役割を果たす。3CLproは、306個のアミノ酸から構成される約33kDaのシステインプロテアーゼ(Sタンパク質よりはるかに小さい)であり、非構造タンパク質NSP4-NSP16の11個の切断部位を特異的に認識して切断し、それによってコロナウイルスの他の非構造タンパク質を遊離することができる。3CLproを阻害することで、RNAの複製と転写のプロセスが効果的にブロックされ、ウイルスの増殖がブロックされる。したがって、3CLproは、コロナウイルスを標的とする薬剤開発のための最も魅力的な標的の1つと考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タンパク質分解標的キメラ分子(PROTAC)は、近年の医薬品開発において最も革新的な技術の一つである。タンパク質分解標的キメラ(PROTAC)は、タンパク質を化学的に分解する技術である。標的タンパク質とE3ユビキチンリガーゼとを同時に結合させ、標的タンパク質をE3ユビキチンリガーゼに近づけ、標的タンパク質をユビキチン化し、ユビキチン-プロテアソーム系(UPS)の分解により標的タンパク質を分解することができる。なお、標的タンパク質の機能に関係なく、PROTAC技術で分解できることは、言及する価値がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
1つの実施形態において、本願は、式Iまたは式IIの化合物、その薬学的に許容される塩、またはその互変異性体を開示する。
【化1】
【0007】
前記リンカーは、
【化2】
であり、nは1~6である。
【0008】
別の実施形態では、前記化合物は、
【化3】
からなる群から選択される。
【0009】
別の実施形態では、前記薬学的に許容される塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択されるうちの1つを含む。
【0010】
別の実施形態において、本願は、本願の化合物を含む抗コロナウイルス医薬製剤、を開示する。
【0011】
別の実施形態において、前記抗コロナウイルス医薬製剤では、前記コロナウイルスは、新型コロナウイルスSARS-CoV-2である。
【0012】
従来技術と比較して、本発明は、以下の有益な効果を有する。
【0013】
3CLpro阻害活性実験結果は、本発明で合成された化合物が3CLproに対して強力な阻害作用を有し、化合物3、化合物4、化合物8、化合物9、化合物10、化合物14および化合物17のIC50値が100nM未満であることを示している。3CLpro分解活性実験結果は、本発明で合成された化合物はすべて3CLproに対して分解活性を有し、3CLproに対する化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物8、化合物9、化合物10、化合物13、化合物14、化合物15、化合物16および化合物17のDC50値はすべて100nM未満であることを示す。本発明により提供される化合物は、単一構造タイプ、限られた薬力学的経路(阻害効果のみ)などの既存のコロナウイルス3CLプロテアーゼ阻害剤の欠点を、克服する。
【0014】
本発明は、コロナウイルス3CLプロテアーゼを標的とするPROTACの調製方法を提供する。この方法は、購入可能な様々な低コストの合成ビルディングブロックを原料として使用し、一般的な化学反応により高い収率で目的生成物を得ることができる。すべての反応は、高温、高圧、高毒性試薬の使用を避け、反応装置に対する要求が低く環境汚染が少ない比較的温和な条件で、実行され得、同時に、原子効率(atom economy)が高く、工業生産に適している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
当業者が本発明の解決策をよりよく理解できるようにするために、本発明の実施形態における技術的解決策を、本発明の実施形態における添付図面を参照して、以下に明確にかつ完全に説明する。明らかに、記載された実施形態は、本発明の一部の実施形態に過ぎず、実施形態の全てではない。本発明の実施形態に基づき、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に入る。
【0016】
このように使用されるデータは、本明細書に記載される本発明の実施形態が本明細書に図示または記載される以外の順序で実施され得るように、適切な状況下で交換され得ることを理解されたい。さらに、用語「含む(comprising)」および「有する(having)」、ならびにそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、例えば、一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、生成物またはデバイスは、必ずしも明示的に列挙したものに限られない。むしろ、それらのステップまたはユニットには、明示的に列挙されていない、またはこれらのプロセス、方法、生成物またはデバイス固有の、他のステップもしくはユニットが含まれ得る。
【0017】
本願は、式Iまたは式IIの化合物、その薬学的に許容される塩、またはその互変異性体を開示する。
【化4】
【0018】
前記リンカーは、
【化5】
であり、nは1~6である。
【0019】
前記薬学的に許容される塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択されるうちの1つを含む。
【0020】
本願の化合物は、以下の操作ステップを含む方法により、合成され得る。
【0021】
(1)3-tert-ブチル-6-(エチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2,4(1H,3H)-ジオンを原料として、2,4,5-トリフルオロベンジルブロミドをアルキル化して化合物(a1)を得る;6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール単位がトリアジン核の6位に導入されて化合物(a2)を得、化合物(a2)のトリアジン核の3位のtert-ブチル基を酸性溶媒中で除去して化合物(a3)を得、化合物(a3)のトリアジン核の3位に3-プロピニル基を導入し、最終的に化合物(a4)を得る。反応スキームは以下の通りである。
【0022】
【化6】
【0023】
化合物(a1)の合成プロセスで使用する溶媒は、アセトニトリルである。3-tert-ブチル-6-(エチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2,4(1H,3H)-ジオンと2,4,5-トリフルオロベンジルブロミドとのモル比は1:1.1である。反応は、炭酸カリウムを用い、加熱還流条件下で行う。化合物(a2)の合成プロセスにおいて、化合物(a1)と6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-アミンとのモル比は1:1.3、反応温度は0℃、使用される溶媒はテトラヒドロフラン、使用される触媒はリチウムビストリメチルシリルアミド(LiHMDS)である。化合物(a3)の合成プロセスにおいて、使用される酸溶媒は、トリフルオロ酢酸(TFA)である。化合物(a4)の合成において、化合物(a3)と3-ブロモプロピンとのモル比は1:1.2、使用される溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、反応温度は60℃である。
【0024】
(2)レナリドミドを原料として、鎖長の異なるブロモアルカン酸との酸-アミン縮合反応により、対応する化合物(b1)~(b6)を得る。化合物(b1)~(b6)を、ヨウ化カリウムの触媒下でアジ化ナトリウムと反応させ、対応する化合物(c1)~(c6)を得る。
【0025】
あるいは、ポマリドミドを原料として、鎖長の異なるブロモアルカン酸との酸-アミン縮合反応を行い、対応する化合物(b7)~(b12)を得る。化合物(b7)~(b12)をヨウ化カリウムの触媒下でアジ化ナトリウムと反応させ、対応する化合物(c7)~(c12)を得る。反応スキームは以下の通りである。
【0026】
【化7】
【0027】
あるいは、レナリドミドを原料とし、アジド-ポリエチレングリコール-酢酸化合物との酸-アミン縮合反応を行い、対応する化合物(d1)~(d3)を得る。
【0028】
あるいは、ポマリドミドを原料とし、アジド-ポリエチレングリコール-酢酸化合物との酸-アミン縮合反応を行い、対応する化合物(d4)~(d6)を得る。
【0029】
【化8】
【0030】
(3)化合物(a4)は、化合物(c1)~(c6)または化合物(d1)~(d3)と反応し、式Iの化合物が合成される。
【0031】
あるいは、化合物(a4)は、化合物(c7)~(c12)または化合物(d4)~(d6)と反応し、式IIの化合物が合成される。
【0032】
【化9】
【0033】
反応における化合物(a4)と、化合物(c1)~(c12)または化合物(d1)~(d6)とのモル比は1:1.2、反応に用いる溶媒はテトラヒドロフランと水との混合溶媒であり、体積比はテトラヒドロフラン:水=10:1である。触媒は硫酸銅五水和物およびアスコルビン酸ナトリウムである。反応条件は、アルゴン保護下で45℃である。
【実施例
【0034】
上記化合物の合成例を以下に示す。
【0035】
実施例1
化合物1:(E)-3-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-(2-(2,6-ジオキシピペリジン-3-イル)-1-オキソイソキノリン-4-イル)プロパンアミドの調製
【0036】
(1)化合物(a4)の調製
【化10】
【0037】
ステップ1:化合物(a1)の合成
3-tert-ブチル-6-(エチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2,4(1H,3H)-ジオン(91.72mg、0.4mmol)、2,4,5-トリアジンフルオロベンジルブロミド(99.0mg、0.44mmol)および炭酸カリウム(66.3mg、0.48mmol)を反応器に入れ、アセトニトリル10mLに溶解し、加熱還流し、3時間撹拌し、TLCでモニターした。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、溶媒を除去した。得られた固体残渣を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、酢酸エチルにて抽出した。有機相を回収し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:n-ヘキサン:酢酸エチル(V:V)=8:2)で分離精製し、乾燥して133.3mgの化合物(a1)(収率89.25%)を得た。
【0038】
ステップ2:化合物(a2)の合成
化合物(a1)(186.7mg、0.5mmol)と6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-アミン(118.1mg、0.65mmol)を反応器に入れ、5mLのテトラヒドロフランに溶解させた。テトラヒドロフラン中の1mmolのリチウムビストリメチルシリルアミド(LiHMDS)(0.2mL、1mmol)の溶液を0℃で反応器にゆっくりと加え、反応物を3時間撹拌し、TLCでモニターした。反応終了後、混合物を室温まで冷却し、塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。反応液を減圧下で濃縮し、テトラヒドロフランを除去した。得られた残渣を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、酢酸エチルにて抽出した。有機相を回収し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール(V:V)=10:1)で分離し、乾燥して60.7mgの化合物(a2)(収率24.63%)を得た。
【0039】
ステップ3:化合物(a3)の合成
得られた化合物(a2)(246.4mg、0.5mmol)を反応器に入れ、トリフルオロ酢酸(TFA)3mLを加え、室温で一晩撹拌し、トルエンと共沸濃縮して溶媒を除去し、乾燥して201.0mgの化合物(a3)(収率92.03%)を得た。
【0040】
ステップ4:化合物(a4)の合成
化合物(a3)(436.8mg、1mmol)、3-ブロモプロピン(0.1mL、1.2mmol)および炭酸カリウム(165.9mg、1.2mmol)を反応器に入れ、N,N-ジメチルメタン10mLに溶解して60℃で5時間加熱撹拌し、TLCでモニターをした。反応終了後、反応液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出した。有機相を回収し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:n-ヘキサン:酢酸エチル(V:V)=6:4)で分離精製し、乾燥して312.0mgの化合物(a4)(収率65.71%)を得た。
【0041】
(2)化合物(c1)の調製
【化11】
【0042】
ステップ1:化合物(b1)の合成
3-ブロモプロピオン酸(305.9mg、2mmol)を塩化チオニル5mLに溶解し、2時間加熱還流させた。反応終了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、溶媒を除去した。 次に、テトラヒドロフラン10mL中のレナリドミド(1mmol、259.3mg)を添加し、TLCでモニターしながら、反応物を5時間還流下に加熱した。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却し、2mLのメタノールを加え、1時間撹拌した。溶媒を減圧下濃縮して除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール(V:V)=20:1)で精製し、362.1mgの化合物(b1)(収率91.85%)を得た。
【0043】
ステップ2:化合物(c1)の合成
化合物b1(197.1mg、0.5mmol)、アジ化ナトリウム(97.5mg、1.5mmol)、ヨウ化カリウム(8.3mg、0.05mmol)を反応器に入れ、10mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解して70℃で5時間加熱撹拌し、TLCでモニターをした。反応終了後、反応混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出した。有機相を回収して乾燥して、151.6mgの化合物(c1)(収率85.16%)を得た。
【0044】
(4)化合物1の調製
【化12】
【0045】
化合物(a4)(142.4mg、0.3mmol)、化合物(c1)(128.3mg、0.36mmol)および硫酸銅五水和物(30.0mg、0.12mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(23.8mg、0.12mmol)を反応器に入れ、テトラヒドロフラン10mLと水1mLとの混合物に溶解してアルゴン下にて45℃で一晩加熱撹拌し、TLCでモニターをした。反応終了後、反応混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール(V:V)=15:1)で分離精製し、乾燥して95.7mgの化合物1(収率38.41%)を得た。
【0046】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.10 (s, 1H), 9.79 (s, 1H), 9.33 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 7.85 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.62-7.50 (m, 2H), 7.44-7.37 (m, 2H), 7.30 (s, 1H), 7.28-7.21 (m, 1H), 5.22 (s, 2H), 5.12 (dd , J = 13.3, 4.8 Hz, 1H), 5.03 (s, 2H), 4.57 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.45-4.23 (m, 2H), 4.12 (3H, s), 3.04-2.86 (m, 1H), 2.70 (d, J = 17.3 Hz, 1H), 2.33-2.12 (m, 2H), 1.95-1.78 (m, 2H)。
【0047】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.34, 171.42, 171.25, 168.38, 155.61, 155.17, 150.54, 150.41, 148.55, 146.65, 146.31, 145.74, 143.88, 134.34, 133.12, 132.13, 129.10, 129.02, 127.24, 125.89, 125.82 , 120.70, 120.41, 119.44, 118.11, 116.74, 116.36, 106.12, 52.08, 46.94, 40.28, 40.13, 38.05, 36.15, 35.60, 31.65, 28.68。
【0048】
実施例2
化合物2:(E)-4-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソキノリン-4-イル)ブタンアミドの調製
【0049】
【化13】
【0050】
化合物2を、異なる出発物質を使用して化合物1と同じ方法で、調製した(収率35.23%)。
【0051】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.12 (s, 1H), 9.77 (s, 1H), 9.32 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.88 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.65-7.53 (m, 2H), 7.48-7.40 (m, 2H), 7.35 (s, 1H), 7.32-7.21 (m, 1H), 5.28 (s, 2H), 5.21 (dd , J = 13.3, 4.8 Hz, 1H), 5.05 (s, 2H), 4.69 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.43-4.29 (m, 2H), 4.16 (3H, s), 3.02-2.81 (m, 1H), 2.60 (d, J = 17.3 Hz, 1H), 2.50-2.38 (m, 3H), 2.09-2.01 (m, 1H), 1.92-1.80 (m, 2H)。
【0052】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.35, 171.46, 171.26, 168.39, 155.65, 155.15, 150.56, 150.42, 148.57, 146.69, 146.34, 145.77, 143.89, 134.36, 133.15, 132.16, 129.12, 129.00, 127.23, 125.91, 125.80, 120.71, 120.43, 119.46, 118.10, 116.79, 116.32, 106.11, 52.06, 46.84, 40.21, 40.10, 38.06, 36.12, 35.59, 31.61, 27.58, 24.65。
【0053】
実施例3
化合物3:(E)-5-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル))-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-(2-(2,6-ジオキシピペリジン-3-イル)-1-オキソイソキノリン-4-イル)ペンタンアミドの調製
【0054】
【化14】
【0055】
化合物3を、異なる出発物質を使用して化合物1と同じ方法で、調製した(収率30.76%)。
【0056】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.11 (s, 1H), 9.79 (s, 1H), 9.28 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.84 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.63-7.52 (m, 2H), 7.47-7.41 (m, 2H), 7.36 (s, 1H), 7.32-7.22 (m, 1H), 5.24 (s, 2H), 5.20 (dd , J = 13.3, 4.8 Hz, 1H), 5.07 (s, 2H), 4.72 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.44-4.30 (m, 2H), 4.18 (3H, s), 3.06-2.88 (m, 1H), 2.61 (d, J = 17.3 Hz, 1H), 2.51-2.40 (m, 3H), 2.09-2.01 (m, 1H), 1.82-1.70 (m, 2H), 1.57-1.41 (m, 2H)。
【0057】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.45, 171.56, 171.34, 168.43, 155.62, 155.11, 150.53, 150.41, 148.54, 146.67, 146.33, 145.88, 143.81, 134.34, 133.17, 132.19, 129.10, 129.08, 127.22, 125.90, 125.75, 120.72, 120.44, 119.49, 118.12, 116.80, 116.34, 106.12, 52.00, 46.87, 40.22, 40.11, 38.08, 36.04, 35.62, 32.37, 31.65, 27.5
【0058】
実施例4
化合物4:(E)-6-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-(2-(2,6-ジオキシピペリジン-3-イル)-1-オキソイソキノリン-4-イル)ヘキサンアミドの調製
【0059】
【化15】
【0060】
化合物4を、異なる出発物質を使用して化合物1と同じ方法で、調製した(収率36.55%)。
【0061】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.05 (s, 1H), 9.81 (s, 1H), 9.31 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 7.83 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.65-7.54 (m, 2H), 7.50-7.41 (m, 2H), 7.38 (s, 1H), 7.32-7.25 (m, 1H), 5.26 (s, 2H), 5.18 (dd , J = 13.3, 4.8 Hz, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.67 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.47-4.31 (m, 2H), 4.15 (3H, s), 3.02-2.88 (m, 1H), 2.64 (d, J = 17.3 Hz, 1H), 2.44-2.30 (m, 3H), 2.10-2.02 (m, 1H), 1.92-1.81 (m, 2H), 1.72-1.60 (m, 2H), 1.57-1.41 (m, 2H)。
【0062】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.35, 171.68, 171.56, 168.33, 155.58, 155.22, 150.50, 150.43, 148.52, 146.60, 146.38, 145.98, 143.84, 134.26, 133.17, 132.35, 129.12, 129.10, 127.21, 125.93, 125.79, 120.76, 120.54, 119.53, 118.12, 116.70, 116.46, 106.16, 52.00, 46.96, 40.29, 40.06, 38.04, 36.08, 35.61, 32.47, 31.57.1, 23.66
【0063】
実施例5
化合物5:(E)-7-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-(2-(2,6-ジオキシピペリジン-3-イル)-1-オキソイソキノリン-4-イル)ヘプタミドの調製
【0064】
【化16】
【0065】
化合物5を、異なる出発物質を使用して化合物1と同じ方法で、調製した(収率21.18%)。
【0066】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.08 (s, 1H), 9.79 (s, 1H), 9.34 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.85 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.67-7.54 (m, 2H), 7.49-7.41 (m, 2H), 7.37 (s, 1H), 7.32-7.25 (m, 1H), 5.24 (s, 2H), 5.17 (dd , J = 13.3, 4.8 Hz, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.63 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.49-4.31 (m, 2H), 4.16 (3H, s), 3.02-2.88 (m, 1H), 2.65 (d, J = 17.3 Hz, 1H), 2.42-2.29 (m, 2H), 2.20-2.03 (m, 4H), 1.90-1.79 (m, 2H), 1.70-1.61 (m, 2H), 1.54-1.39 (m, 2H)。
【0067】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.39, 171.62, 171.49, 168.36, 155.49, 155.23, 150.51, 150.43, 148.54, 146.62, 146.39, 145.90, 143.81, 134.22, 133.19, 132.29, 129.09, 129.03, 127.26, 125.90, 125.75, 120.72, 120.54, 119.52, 118.11, 116.76, 116.41, 106.14, 52.08, 46.95, 40.30, 40.05, 38.03, 35.59, 31.70, 27.62, 23.35, 23.35。
【0068】
実施例6
化合物6:(E)-8-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソキノリン-4-イル)オクタミドの調製
【0069】
【化17】
【0070】
化合物6を、異なる出発物質を使用して化合物1と同じ方法で、調製した(収率17.83%)。
【0071】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.12 (s, 1H), 9.76 (s, 1H), 9.33 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.88 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.67-7.54 (m, 2H), 7.48-7.42 (m, 2H), 7.36 (s, 1H), 7.31-7.25 (m, 1H), 5.25 (s, 2H), 5.16 (dd , J = 13.3, 4.8 Hz, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.69 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.45-4.30 (m, 2H), 4.17 (3H, s), 3.08-2.80 (m, 1H), 2.69 (d, J = 17.3 Hz, 1H), 2.44-2.29 (m, 2H), 2.24-2.05 (m, 4H), 1.95-1.76 (m, 4H), 1.69-1.58 (m, 2H), 1.49-1.38 (m, 2H)。
【0072】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.38, 171.58, 171.46, 168.35, 155.43, 155.24, 150.50, 150.41, 148.53, 146.61, 146.36, 145.91, 143.83, 134.23, 133.18, 132.29, 129.12, 129.02, 127.24, 125.95, 125.78, 120.71, 120.56, 119.52, 118.14, 116.72, 116.44, 106.18, 52.12, 46.98, 40.33, 40.10, 38.08, 35.61, 32.77, 30.15, 27.65, 24.76, 23.42。
【0073】
実施例7
化合物7:(E)-3-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)プロピオンアミドの調製
【0074】
【化18】
【0075】
化合物7を、異なる出発物質を使用して化合物1と同じ方法で、調製した(収率37.54%)。
【0076】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.10 (s, 1H), 9.84 (s, 1H), 9.72 (s, 1H), 8.42 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.79 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.69 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.64-7.53 (m, 2H), 7.42 (s, 1H), 7.32-7.22 (m, 1H), 5.23 (s, 2H), 5.14 (dd, J = 12.8, 5.3 Hz, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.68 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 4.21 (s, 3H) ), 2.56-2.44 (m, 2H), 2.33-2.21 (m, 2H), 1.95-1.83 (m, 2H)。
【0077】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.32, 172.23, 170.40, 168.21, 167.23, 155.78, 155.33, 150.89, 150.55, 148.63, 146.66, 146.34, 145.86, 143.82, 136.91, 136.62, 132.32, 131.89, 129.43, 127.32, 126.87 , 125.89, 120.82, 120.43, 118.82, 117.78, 116.71, 116.38, 106.21, 48.34, 40.45, 39.89, 37.05, 35.29, 34.22, 32.29, 28.78。
【0078】
実施例8
化合物8:(E)-4-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)ブタンアミドの調製
【0079】
【化19】
【0080】
化合物8を、異なる出発物質を使用して化合物1と同じ方法で、調製した(収率33.77%)。
【0081】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.09 (s, 1H), 9.82 (s, 1H), 9.74 (s, 1H), 8.39 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.86 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.68 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.63-7.53 (m, 2H), 7.33 (s, 1H), 7.29-7.22 (m, 1H), 5.20 (s, 2H), 5.16 (dd, J = 12.8, 5.3 Hz, 1H), 5.09 (s, 2H), 4.58 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 4.16 (s, 3H) ), 2.95-2.88 (m, 1H), 2.66-2.54 (m, 2H), 2.43-2.31 (m, 1H), 2.25-2.14 (m, 2H), 1.98-1.84 (m, 2H)。
【0082】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.29, 172.19, 170.29, 168.12, 167.21, 155.45, 155.23, 150.55, 150.44, 148.55, 146.62, 146.31, 145.90, 143.85, 136.89, 136.57, 132.34, 131.95, 129.12, 127.31, 126.92, 125.91, 120.75, 120.52, 118.80, 117.69, 116.69, 116.42, 106.17, 49.33, 40.31, 40.12, 38.03, 35.73, 35.20, 32.09, 30.45.24。
【0083】
実施例9
化合物9:(E)-5-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)ペンタンアミドの調製
【0084】
【化20】
【0085】
化合物9を、異なる出発物質を使用して化合物1と同じ方法で、調製した(収率27.64%)。
【0086】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.13 (s, 1H), 9.84 (s, 1H), 9.73 (s, 1H), 8.46 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.86 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.67 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.64-7.53 (m, 2H), 7.36 (s, 1H), 7.30-7.22 (m, 1H), 5.24 (s, 2H), 5.18 (dd, J = 12.8, 5.3 Hz, 1H), 5.06 (s, 2H), 4.61 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 4.14 (s, 3H) ), 2.98-2.87 (m, 1H), 2.68-2.52 (m, 4H), 2.13-2.01 (m, 1H), 1.95-1.84(m, 2H), 1.81-1.64 (m, 2H)。
【0087】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.24, 172.17, 170.26, 168.07, 167.14, 155.57, 155.20, 150.51, 150.42, 148.51, 146.64, 146.37, 145.97, 143.81, 136.91, 136.56, 132.35, 131.97, 129.10, 127.36, 126.94, 125.93, 120.76, 120.54, 118.86, 117.65, 116.70, 116.46, 106.16, 49.38, 40.29, 40.06, 38.04, 35.78, 35.17, 32.02, 21.45。
【0088】
実施例10
化合物10:(E)-6-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)ヘキサンアミドの調製
【0089】
【化21】
【0090】
化合物10を、異なる出発物質を使用して化合物1と同じ方法で、調製した(収率22.19%)。
【0091】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.14 (s, 1H), 9.90 (s, 1H), 9.83 (s, 1H), 8.49 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.45 (s, 1H), 7.87 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.68 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.62-7.50 (m, 2H), 7.39 (s, 1H), 7.32-7.21 (m, 1H), 5.25 (s, 2H), 5.19 (dd, J = 12.8, 5.3 Hz, 1H), 5.16 (s, 2H), 4.71 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 4.24 (s, 3H ), 3.02-2.87 (m, 2H), 2.69-2.50 (m, 4H), 2.23-2.11 (m, 2H), 1.91-1.83(m, 2H), 1.72-1.65 (m, 2H)。
【0092】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.19, 172.09, 170.32, 168.12, 167.10, 155.63, 155.22, 150.49, 150.43, 148.55, 146.67, 146.39, 146.02, 143.79, 136.88, 136.52, 132.38, 132.01, 129.14, 127.38, 126.96, 125.95, 120.78, 120.55, 118.88, 117.66, 116.74, 116.42, 106.14, 50.02, 40.39, 40.16, 38.24, 35.92, 35.27, 32.32, 31.589, 25.2。
【0093】
実施例11
化合物11:(E)-7-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)ヘプタミドの調製
【0094】
【化22】
【0095】
化合物11を、異なる出発物質を使用して化合物1と同じ方法で、調製した(収率19.53%)。
【0096】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.13 (s, 1H), 9.88 (s, 1H), 9.82 (s, 1H), 8.44 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.83 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.69 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.61-7.52 (m, 2H), 7.36 (s, 1H), 7.31-7.20 (m, 1H), 5.27 (s, 2H), 5.21 (dd, J = 12.8, 5.3 Hz, 1H), 5.18 (s, 2H), 4.74 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 4.22 (s, 3H) ), 3.04-2.85 (m, 2H), 2.72-2.55 (m, 4H), 2.24-1.88 (m, 6H), 1.82-1.68 (m, 2H)。
【0097】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.20, 172.12, 170.34, 168.16, 167.12, 155.67, 155.34, 150.83, 150.52, 148.67, 146.80, 146.42, 146.12, 143.80, 136.81, 136.12, 132.42, 132.10, 129.21, 127.42, 126.93, 125.91, 120.92, 120.51, 118.82, 117.76, 116.77, 116.38, 106.16, 50.09, 40.42, 40.18, 35.88, 32.43, 31.54, 27.34, 23.92, 22.45。
【0098】
実施例12
化合物12:(E)-8-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)オクタミドの調製
【0099】
【化23】
【0100】
化合物12を、異なる出発物質を使用して化合物1と同じ方法で、調製した(収率15.87%)。
【0101】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.09 (s, 1H), 9.91 (s, 1H), 9.79 (s, 1H), 8.46 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.87 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.71 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.64-7.50 (m, 2H), 7.39 (s, 1H), 7.32-7.23 (m, 1H), 5.31 (s, 2H), 5.24 (dd, J = 12.8, 5.3 Hz, 1H), 5.21 (s, 2H), 4.78 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 4.25 (s, 3H ), 3.01-2.82 (m, 2H), 2.68-2.35 (m, 4H), 2.14-1.82 (m, 6H), 1.74-1.54 (m, 4H)。
【0102】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.22, 172.15, 170.42, 168.23, 167.17, 155.71, 155.39, 150.97, 150.58, 148.71, 146.89, 146.56, 146.09, 143.85, 136.79, 136.09, 132.45, 132.14, 129.19, 127.45, 126.88, 125.89, 120.89, 120.49, 118.79, 117.81, 116.79, 116.41, 106.21, 50.11, 40.52, 40.21, 38.41, 35.32, 32.63, 31.44, 27.34, 25.56, 22.92, 21.65。
【0103】
実施例13
化合物13:(E)-2-(2-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシイル)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソキノリン-4-イル)アセトアミドの調製
【0104】
(1)化合物(a4)の調製
調製方法は、実施例1と同様である。
【0105】
(2)化合物(d1)の調製
【化24】
【0106】
2-(2-アジドエトキシ)酢酸(290.2mg、2mmol)を塩化チオニル5mLに溶解し、2時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去し、テトラヒドロフラン10mLを溶媒としてレナリドミド(1mmol、259.3mg)を添加した。反応物を還流下で5時間加熱し、TLCでモニターした。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール2mLを加え、混合物を1時間撹拌しつづけた。減圧下で濃縮して溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール(V:V)=10:1)により296.8mgの化合物(d1)(収率76.83%)を得た。
【0107】
(3)化合物13の調製
【化25】
【0108】
化合物(a4)(142.4mg、0.3mmol)、化合物(d1)(139.1mg、0.36mmol)、硫酸銅五水和物(30.0mg、0.12mmol)およびアスコルビン酸ナトリウム(23.8mg、0.12mmol)を反応器に入れ、テトラヒドロフラン10mLと水1mLとの混合物に溶解した。混合物をアルゴン下45℃で一晩加熱撹拌し、TLCでモニターした。反応終了後、反応混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール(V:V)=20:1)で分離精製し、乾燥して66.2mgの化合物13(収率25.63%)を得た。
【0109】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.12 (s, 1H), 9.83 (s, 1H), 9.30 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.95 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.65-7.53 (m, 2H), 7.46-7.35 (m, 2H), 7.31 (s, 1H), 7.26-7.13 (m, 1H), 5.24 (s, 2H), 5.17 (dd , J = 13.3, 4.8 Hz, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.58 (s, 2H), 4.31 (s, 2H), 4.12 (3H, s), 3.95-3.82 (m, 2H), 3.75 ( t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.80-2.65 (m, 2H), 2.43-2.24 (m, 2H)。
【0110】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.52, 171.32, 171.12, 168.42, 155.69, 155.31, 150.56, 150.48, 148.60, 146.61, 146.34, 145.70, 143.89, 134.38, 133.11, 132.21, 129.14, 129.06, 127.28, 125.92, 125.73, 120.69, 120.38, 119.46, 118.09, 116.81, 116.36, 106.09, 69.10, 68.24, 52.08, 51.73, 46.92, 40.31, 40.10, 38.07, 31.55, 29.18。
【0111】
実施例14
化合物14:(E)-2-(2-(2-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)アセトアミド
【0112】
【化26】
【0113】
化合物14を、異なる出発物質を使用して化合物13と同じ方法で、調製した(収率21.45%)。
【0114】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.23 (s, 1H), 9.86 (s, 1H), 9.33 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.89 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.60-7.51 (m, 2H), 7.41 - 7.32 (m, 2H), 7.28 (s, 1H), 7.22-7.14 (m, 1H), 5.22 (s, 2H), 5.16 (dd , J = 13.3, 4.8 Hz, 1H), 5.01 (s, 2H), 4.49 (s, 2H), 4.28 (s, 2H), 4.09 (3H, s), 3.85-3.74 (m, 2H), 3.64 ( t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.35 (s, 4H), 2.76-2.59 (m, 2H), 2.23-2.04 (m, 2H)。
【0115】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.68, 171.42, 171.23, 168.38, 155.71, 155.34, 150.61, 150.52, 148.63, 146.66, 146.31, 145.72, 143.91, 134.42, 133.12, 132.24, 129.16, 129.01, 127.32, 125.91, 125.77, 120.71, 120.42, 119.51, 118.11, 116.84, 116.32, 106.14, 69.16, 68.45, 68.34, 68.16, 52.12, 51.75, 46.96, 40.34, 313.06, 298.1。
【0116】
実施例15
化合物15:(E)-2-(2-(2-(2-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ))-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)エチルアミドの調製
【0117】
【化27】
【0118】
化合物15を、異なる出発物質を使用して化合物13と同じ方法で、調製した(収率16.36%)。
【0119】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.18 (s, 1H), 9.82 (s, 1H), 9.41 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 7.92 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.65-7.54 (m, 2H), 7.44-7.33 (m, 2H), 7.29 (s, 1H), 7.24-7.16 (m, 1H), 5.19 (s, 2H), 5.12 (dd , J = 13.3, 4.8 Hz, 1H), 5.03 (s, 2H), 4.51 (s, 2H), 4.32 (s, 2H), 4.08 (3H, s), 3.82-3.71 (m, 2H), 3.63 ( t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.39 (s, 8H), 2.67-2.53 (m, 2H), 2.24-2.07 (m, 2H)。
【0120】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.71, 171.46, 171.25, 168.42, 155.78, 155.41, 150.69, 150.58, 148.67, 146.72, 146.35, 145.71, 144.02, 134.46, 133.21, 132.25, 129.22, 129.08, 127.34, 126.02, 125.81, 120.77, 120.45, 119.53, 118.17, 116.84, 116.36, 106.16, 70.41, 70.12, 69.21, 68.46, 68.21, 52.82, 47.03, 40.19, 31.62, 29.27, 29.27。
【0121】
実施例16
化合物16:(E)-2-(2-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシイル)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アセトアミド
【0122】
【化28】
【0123】
化合物16を、異なる出発物質を使用して化合物13と同じ方法で、調製した(収率26.44%)。
【0124】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.11 (s, 1H), 9.82 (s, 1H), 9.75 (s, 1H), 8.44 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.81 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.65 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.60-7.51 (m, 2H), 7.43 (s, 1H), 7.31-7.19 (m, 1H), 5.26 (s, 2H), 5.12 (dd, J = 12.8, 5.3 Hz, 1H), 5.16 (s, 2H), 4.48 (s, 2H), 4.19 (s, 3H), 3.73-3.58 (m, 2H), 3.51 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.32-2.19 (m, 2H), 2.10-1.93 (m, 2H)。
【0125】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.42, 172.31, 170.48, 168.19, 167.26, 155.82, 155.34, 150.91, 150.58, 148.66, 146.71, 146.38, 145.92, 143.79, 136.89, 136.67, 132.34, 131.91, 129.48, 127.29, 126.91, 125.95, 120.81, 120.47, 118.90, 117.83, 116.71, 116.42, 106.25, 68.91, 67.23, 52.14, 48.37, 40.41, 39.92, 37.06, 32.32, 28。
【0126】
実施例17
化合物17:(E)-2-(2-(2-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ)-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソキノリン-4-イル)アセトアミド
【0127】
【化29】
【0128】
化合物17を、異なる出発物質を使用して化合物13と同じ方法で、調製した(収率20.81%)。
【0129】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.16 (s, 1H), 9.79 (s, 1H), 9.70 (s, 1H), 8.41 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.82 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.63 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.59-7.47 (m, 2H), 7.42 (s, 1H), 7.32-7.21 (m, 1H), 5.28 (s, 2H), 5.14 (dd, J = 12.8, 5.3 Hz, 1H), 5.19 (s, 2H), 4.52(s, 2H), 4.21 (s, 3H), 3.76-3.61 (m, 2H), 3.48 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.39 (s, 4H), 2.28-2.17 (m, 2H), 2.11-1.95 (m, 2H)。
【0130】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.38, 172.28, 170.51, 168.21, 167.22, 155.84, 155.36, 150.89, 150.62, 148.65, 146.73, 146.42, 145.91, 143.80, 136.94, 136.72, 132.36, 131.88, 129.54, 127.34, 126.85, 125.88, 120.79, 120.52, 118.93, 117.80, 116.74, 116.42, 106.21, 69.74, 69.12, 68.85, 17.22, 52.16, 48.39, 40.38, 39.91, 27.4。
【0131】
実施例18
化合物18:(E)-2-(2-(2-(2-(4-((4-((6-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)イミノ))-2,6-ジオキシ-3-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-1,3,5-トリアジン-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)-N-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソキノリン-4-イル)アセトアミドの調製
【0132】
【化30】
【0133】
化合物18を、異なる出発物質を使用して化合物13と同じ方法で、調製した(収率17.26%)。
【0134】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.15 (s, 1H), 9.82 (s, 1H), 9.75 (s, 1H), 8.47 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.84 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.65 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.60-7.49 (m, 2H), 7.42 (s, 1H), 7.34-7.20 (m, 1H), 5.33 (s, 2H), 5.16 (dd, J = 12.8, 5.3 Hz, 1H), 5.21 (s, 2H), 4.49 (s, 2H), 4.18 (s, 3H), 3.73-3.59 (m, 2H), 3.53 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.42 (s, 8H), 2.23-2.14 (m, 2H), 2.06-1.87 (m, 2H)。
【0135】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 173.42, 172.33, 170.49, 168.28, 167.23, 155.92, 155.34, 150.90, 150.63, 148.67, 146.76, 146.44, 145.96, 143.83, 136.92, 136.71, 132.38, 131.90, 129.51, 127.36, 126.87, 125.91, 120.83, 120.54, 118.91, 117.87, 116.72, 116.48, 106.25, 71.01, 70.87, 69.68, 68.90, 67.43, 52.25, 40.52, 39.98, 32.27, 28.96。
【0136】
2.生理活性アッセイ
【0137】
(1)3CLpro阻害活性試験
SARS-CoV-2 3CLproに対する化合物の阻害活性は、蛍光共鳴エネルギー移動を用いて測定した。
【0138】
様々な濃度で調製した化合物溶液10μL(最終濃度1000、500、250、125、62.5、31.25、15.63、7.81、3.90、1.95nM、DMSO中)とSARS-CoV-2 3CLpro40μL(Shanghai Biyuntian Biotechnology Co.,Ltd.、最終濃度:0.5μM、Tris-HCl緩衝液(20mM Tris-HCl、100 mM NaCl、1mM EDTA、pH7.4)で希釈))を混合し、黒色の96ウェルプレートに加え、37℃で10分間インキュベートした。蛍光基質Dabcyl-KTSAVLQSGFRKME-Edans(Shanghai Biyuntian Biotechnology Co.,Ltd.、最終濃度:20μM)を50μL加えて反応を開始し、10分間インキュベートし、蛍光検出用の多機能マイクロプレートリーダー(Thermo Fisher Scientific Co.,Ltd.、Varioskan Flash)により測定を行った(励起波長:340nm、発光波長:490nm)。蛍光値を記録し、試料の阻害率を算出した。酵素活性対照として、化合物を含まないDMSOを使用し、ブランク対照として、SARS-CoV-2 3CLproを含まないTris-HClバッファーを使用し、処理方法は同じであった。試料(化合物1~化合物18)のIC50値を、GraphPad Prismソフトウェアを用いた非線形回帰分析により算出した。
【0139】
阻害率(%)=(RFU酵素活性対照-RFU試料)/(RFU_酵素活性対照-RFU_ブランク対照)×100%
【0140】
実験結果を表1に示す(表1中、IC50の欄、A:IC50<100nM、B:IC50=100~1000nM)、実施例の化合物はいずれも3CLproに対して阻害活性を有しており、なかでも化合物3、化合物4、化合物8、化合物9、化合物10、化合物14および化合物17は、IC50値が100nM未満と、3CLproに対して強い阻害作用を有する。
【0141】
(2)ウエスタンブロットによる3CLpro分解活性の判定
対数増殖期のHEK293E細胞(Chinese Academy of SciencesのCell Bank)を6ウェルプレートに6.0×10細胞数/ウェルの密度で播種し、5%COの37℃インキュベーターで8~24時間インキュベートした。密度が70%コンフルエントに達した時点で、プレートを、2mLの予め温めた血清フリー培地に交換した(Shanghai Opmax Biotechnology Co,Ltd.)。SARS-CoV-2 3CLpro発現プラスミド(2μg/ウェル、1×HBSで調製、Beijin Yiqiao Shenzhou Technology Co.Ltd.)を、3:4の質量対体積比にて、10μM PEI(ポリエチレンイミン、Shanghai McLean Biochemical Technology Co.,Ltd.)でトランスフェクトした。PEI-プラスミド混合物を上記無血清培地に滴下して穏やかに振盪混合し、5%COを含む37℃のインキュベーターで10時間インキュベートした。トランスフェクション試薬を含む培地を除去し、勾配濃度(最終試料濃度1000、500、250、125、62.5、31.25、15.63、7.81、3.90、1.95nM)の被験試料を含む培地を添加した。37℃、5%COで24時間培養後、上清を捨て、細胞を回収し、RIPA細胞溶解バッファー(Shanghai McLean Biochemical Technology Co.,Ltd.)を加え、氷上で30分間細胞を溶解し、3CLproの発現をウエスタンブロットにより検出した。Image Jで3CLproの相対発現量を解析し、タンパク質分解率を算出した。なお、被験試料を含まない培地を対照群とし、それ以外の処理方法は同じとした。各試料のタンパク質分解活性(DC50)は、GraphPad Prismソフトウェアを用いた非線形回帰分析により算出した。
【0142】
分解率(%)=(3CLpro相対発現対照群-3CLpro相対試料群)/3CLpro相対対照群×100%
【0143】
実験結果を表1に示す(表1中、DC50は欄内、A:DC50<100nM、B:DC50=100~1000nM)、実施例の化合物はいずれも3CLproに対して分解活性を有し、そのうち化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物8、化合物9、化合物10、化合物13、化合物14、化合物15、化合物16および化合物17は3CLproに対する分解活性が強く、DC50値はいずれも100nM未満であった。
【0144】
【表1】
【0145】
表1のデータから、化合物1~18は、3CLproの阻害および分解の程度が異なることが示される。3CLproに対する化合物3、化合物4、化合物8、化合物9、化合物10、化合物14および化合物17のIC50およびDC50値は、すべて100nM未満である。また、本発明の化合物は、3CLproに対する阻害活性と良好な分解活性の両方を有しており、抗コロナウイルス候補薬として開発・研究され得ることが示される。
【0146】
上記の内容は、本発明の技術的思想を説明するためのものであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の技術的思想に基づいて提案された技術的解決策に基づいて行われるいかなる変更も、本発明の特許請求の範囲に含まれる。