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  • 特許-締め具、並びに製造及び使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】締め具、並びに製造及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 43/00 20060101AFI20240719BHJP
   F16B 35/04 20060101ALI20240719BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
F16B43/00 Z
F16B35/04 Z
B64C1/00 A
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020039774
(22)【出願日】2020-03-09
(65)【公開番号】P2020186814
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】16/409,298
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ブレイク・エー・シンプソン
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0053786(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 43/00
F16B 35/04
B64C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部(104)、及び前記第1の端部(104)の反対側にある第2の端部(106)を有する、細長い本体(102)と、
第1の表面(110)、及び前記第1の表面(110)の反対側にある第2の表面(112)を有する、頭部(108)であって、前記細長い本体(102)の前記第1の端部(104)が前記頭部(108)の前記第2の表面(112)に結合され、前記頭部(108)の直径(114)は前記細長い本体(102)の直径(116)よりも大きい、頭部(108)と、
前記細長い本体(102)の少なくとも一部、及び前記頭部(108)の前記第2の表面(112)を覆うように配置された、スリーブ(130)と、
前記頭部(108)の前記第2の表面(112)に隣接する前記スリーブ(130)の外面(119)に配置される、複数のテクスチャ要素(118)であって、前記複数のテクスチャ要素(118)の1つ以上が、前記スリーブ(130)の前記外面(119)から、前記頭部(108)の前記第1の表面(110)まで延伸する、複数のテクスチャ要素(118)と
を備えており、
前記複数のテクスチャ要素(118)の1つ以上が、前記細長い本体(102)の前記第1の端部(104)から前記頭部(108)の前記第1の表面(110)まで、前記スリーブ(130)の前記外面(119)で延伸している、締め具(100)。
【請求項2】
第1の端部(104)、及び前記第1の端部(104)の反対側にある第2の端部(106)を有する、細長い本体(102)と、
第1の表面(110)、及び前記第1の表面(110)の反対側にある第2の表面(112)を有する、頭部(108)であって、前記細長い本体(102)の前記第1の端部(104)が前記頭部(108)の前記第2の表面(112)に結合され、前記頭部(108)の直径(114)は前記細長い本体(102)の直径(116)よりも大きい、頭部(108)と、
前記細長い本体(102)の少なくとも一部、及び前記頭部(108)の前記第2の表面(112)を覆うように配置された、スリーブ(130)と、
前記頭部(108)の前記第2の表面(112)に隣接する前記スリーブ(130)の外面(119)に配置される、複数のテクスチャ要素(118)であって、前記複数のテクスチャ要素(118)の1つ以上が、前記スリーブ(130)の前記外面(119)から、前記頭部(108)の前記第1の表面(110)まで延伸する、複数のテクスチャ要素(118)と
を備えており、
前記複数のテクスチャ要素(118)のそれぞれが互いに平行である、締め具(100)。
【請求項3】
前記複数のテクスチャ要素(118)が、直線パターン、斜線パターン、正弦波の線のパターン、又は格子パターンを含む、請求項1又は2に記載の締め具(100)。
【請求項4】
前記複数のテクスチャ要素(118)が、前記スリーブ(130)の前記外面(119)に凹設された複数の溝を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の締め具(100)。
【請求項5】
前記複数のテクスチャ要素(118)が、前記スリーブ(130)の前記外面(119)から外向きに延伸する複数の突起を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の締め具(100)。
【請求項6】
前記細長い本体(102)の少なくとも一部が、複数の山と複数の谷とによって画定された複数のねじ山(126)を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の締め具(100)。
【請求項7】
前記頭部(108)の前記第2の表面(112)が、前記頭部(108)の前記第1の表面(110)から前記細長い本体(102)の前記第1の端部(104)まで先細になっている、請求項1から6のいずれか一項に記載の締め具(100)。
【請求項8】
締め具(100)を製造する方法(200)であって、前記方法が、
第1の端部(104)、及び前記第1の端部(104)の反対側にある第2の端部(106)を有する、細長い本体(102)を形成するステップ(202)と、
第1の表面(110)、及び前記第1の表面(110)の反対側にある第2の表面(112)を有する、頭部(108)を形成するステップ(204)であって、前記細長い本体(102)の前記第1の端部(104)が前記頭部(108)の前記第2の表面(112)に結合され、前記頭部(108)の直径(114)は前記細長い本体(102)の直径(116)よりも大きい、ステップ(204)と、
前記細長い本体(102)の少なくとも一部、及び前記頭部(108)の前記第2の表面(112)を覆うように配置される、スリーブ(130)を形成するステップと、
前記頭部(108)の前記第2の表面(112)に隣接する前記スリーブ(130)の外面(119)に配置される、複数のテクスチャ要素(118)を形成するステップであって、前記複数のテクスチャ要素(118)の1つ以上が、前記スリーブ(130)の前記外面(119)から、前記頭部(108)の前記第1の表面(110)まで延伸する、ステップとを含み、
前記複数のテクスチャ要素(118)の1つ以上が、前記細長い本体(102)の前記第1の端部(104)から前記頭部(108)の前記第1の表面(110)まで、前記スリーブ(130)の前記外面(119)で延伸している、方法(200)。
【請求項9】
締め具(100)を製造する方法(200)であって、前記方法が、
第1の端部(104)、及び前記第1の端部(104)の反対側にある第2の端部(106)を有する、細長い本体(102)を形成するステップ(202)と、
第1の表面(110)、及び前記第1の表面(110)の反対側にある第2の表面(112)を有する、頭部(108)を形成するステップ(204)であって、前記細長い本体(102)の前記第1の端部(104)が前記頭部(108)の前記第2の表面(112)に結合され、前記頭部(108)の直径(114)は前記細長い本体(102)の直径(116)よりも大きい、ステップ(204)と、
前記細長い本体(102)の少なくとも一部、及び前記頭部(108)の前記第2の表面(112)を覆うように配置される、スリーブ(130)を形成するステップと、
前記頭部(108)の前記第2の表面(112)に隣接する前記スリーブ(130)の外面(119)に配置される、複数のテクスチャ要素(118)を形成するステップであって、前記複数のテクスチャ要素(118)の1つ以上が、前記スリーブ(130)の前記外面(119)から、前記頭部(108)の前記第1の表面(110)まで延伸する、ステップとを含み、
前記複数のテクスチャ要素(118)のそれぞれが互いに平行である、方法(200)。
【請求項10】
前記頭部(108)の前記第2の表面に隣接する前記スリーブの前記外面(119)に、前記複数のテクスチャ要素(118)を形成するステップが、前記複数のテクスチャ要素(118)を転造することを含む、請求項8又は9に記載の方法(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に締め具に関し、より詳細には、締め具の頭部に配置された複数のテクスチャ要素を有する締め具に関する。
【背景技術】
【0002】
締め具は、航空宇宙機を含む多くの製造用途に使用される。いくつかの締め具がワークピースに取り付けられるときは、締め具の少なくとも一部に最初にシール剤が塗布されてもよく、次に締め具がワークピースの穴の中に配置される。(例えば、片側締め具のバルブの形成中に)締め具がワークピースに固定されると、シール剤が締め具の頭部と穴の上部との間に流体固着を生成する可能性がある。これが生じると、閉じ込められたシール剤が膨張して穴の中に入って隆起を生成し、場合によってはワークピースを損傷させる可能性がある。また、締め具がワークピースに固定される際に、特に、締め具の頭部の下方で、締め具のシャンクに沿って塗布されたシール剤が存在すると、機械は締め具が回転するのを阻止しようとする。例えば、片側締め具の場合は締め具が回転しやすく、壊れやすい駆動部品が意図したトルクで折れない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様では、締め具が説明される。締め具は、(a)第1の端部、及び第1の端部の反対側にある第2の端部を有する、細長い本体と、(b)第1の表面、及び第1の表面の反対側にある第2の表面を有する頭部であって、細長い本体の第1の端部が頭部の第2の表面に結合され、頭部の直径は細長い本体の直径よりも大きい、頭部と、(c)細長い本体の少なくとも一部、及び頭部の第2の表面を覆うように配置された、スリーブと、(d)頭部の第2の表面に隣接するスリーブの外面に配置される、複数のテクスチャ要素であって、複数のテクスチャ要素の1つ以上が、スリーブの外面から頭部の第1の表面まで延伸する、複数のテクスチャ要素とを備える。
【0004】
別の態様では、締め具を製造する方法が説明される。本方法は、(a)第1の端部、及び第1の端部の反対側にある第2の端部を有する、細長い本体を形成するステップと、(b)第1の表面、及び第1の表面の反対側にある第2の表面を有する頭部を形成するステップであって、細長い本体の第1の端部が頭部の第2の表面に結合され、頭部の直径は細長い本体の直径よりも大きい、ステップと、(c)細長い本体の少なくとも一部、及び頭部の第2の表面を覆うように配置された、スリーブを形成するステップと、(d)頭部の第2の表面に隣接するスリーブの外面に配置される、複数のテクスチャ要素を形成するステップであって、複数のテクスチャ要素の1つ以上が、スリーブの外面から、頭部の第1の表面まで延伸する、ステップとを含む。
【0005】
さらに別の態様では、締め具をワークピースに配置する方法が説明される。本方法は、(a)締め具の少なくとも一部にシール剤を配置するステップと、(b)締め具の細長い本体の第2の端部をワークピースの穴の中にインサートするステップであって、締め具は、(i)第2の端部の反対側にある第1の端部と、(ii)第1の表面、及び第1の表面の反対側にある第2の表面を有する頭部であって、細長い本体の第1の端部は、頭部の第2の表面に結合される、頭部と、(iii)細長い本体の少なくとも一部、及び頭部の第2の表面を覆うように配置されるスリーブとを備える、ステップと、(c)頭部の第2の表面に隣接するスリーブの外面を、穴の表面に嵌合させるステップであって、締め具は、締め具が回転するのを阻止するように締め具と穴の表面との間に摩擦を生成し、且つさらにシール剤が締め具の頭部の下方から流出できるようにするために、スリーブの外面に配置された複数のテクスチャ要素を含む、ステップとを含む。
【0006】
これまで述べてきた特徴、機能、及び利点は、種々の例において別個独立に達成するか、或いはさらに別の例において組み合わせることができ、そのさらなる詳細は、以下の説明及び図面を参照して理解することができる。
【0007】
例示されている例に特有であると考えられる新規な特徴が、添付の特許請求の範囲に記載される。しかしながら、例示されている例、並びにそれらの好ましい使用の態様、さらなる目的及び説明は、本開示の例示されている例の以下の詳細な説明を参照し、添付の図面と併せて検討することによって、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】例示的な実施形態による、例示的な締め具のブロック図である。
図2A】例示的な実施形態による、例示的な締め具の側面図である。
図2B】例示的な実施形態による、別の例示的な締め具の側面図である。
図2C】例示的な実施形態による、さらに別の例示的な締め具の側面図である。
図2D】例示的な実施形態による、さらに別の例示的な締め具の側面図である。
図3】例示的な実施形態による、例示的な方法のフローチャートである。
図4図1から図2Dの締め具の1つ以上の部品を製造機械に作成させるための例示的な実施による、例示的なコンピューター読み取り可能な媒体である。
図5】例示的な実施形態による、別の例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
開示される実施形態が、添付の図面を参照しながら、以下でより完全に説明される。ここでは、開示される実施形態のすべてではなく、その一部が示される。実際に、いくつかの異なる実施形態が提供されるが、本明細書で説明される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、当業者に対して、本開示が十分且つ完全になるように、また、本開示の範囲を完全に伝えるように提供される。
【0010】
以下の説明では、開示されている概念が十分に理解されるように多くの具体的な詳細が説明され、開示されている概念は、これらの詳細の一部又は全部がなくとも実施され得る。他の事例では、本開示を不必要にわかりにくくすることを避けるために、既知の装置及び/又は工程の詳細は省略されている。特定の例とともにいくつかの概念が説明されるが、これらの例が、限定することを意図していないことは理解されよう。
【0011】
図1において、さまざまな要素及び/又は部品が実線で結ばれている場合は、機械的な、電気的な、流体的な、光学的な、電磁的な、若しくはその他の結合、及び/又はこれらの組み合わせを表す。本明細書で使用される「結合(coupled)」は、直接的、並びに間接的に関連付けられていることを意味する。例えば、部材Aは部材Bに直接関連付けられてもよく、或いは、例えば別の部材Cを介して間接的に関連付けられてもよい。さまざまな開示されている要素間のすべての関係を必ずしも表すものでないことは理解されよう。したがって、ブロック図に記載されているもの以外の結合も存在する場合がある。さまざまな要素及び/又は部品を指定するブロックが破線で結ばれている場合は、実線で示されているものと機能及び目的が類似した結合を表すが、破線で示されている結合は、選択的に提供されるか、或いは本開示の代替的な例に関連付けられるかのいずれかであってもよい。同様に、要素及び/又は部品が破線で示されている場合は、本開示の代替的な例を示す。実線及び/又は破線で示されている1つ以上の要素は、本開示の範囲から逸脱することなく特定の例から除外されてもよい。環境要素がある場合は、点線で示される。明確にするために、仮想の(想像上の)要素も示されている場合がある。図1に示されている形態の一部は、図1で説明される他の形態、他の図面、及び/又は添付の開示を含む必要なく、さまざまな方法で組み合わされてもよく、このような1つ又は複数の組み合わせが本明細書で明確に示されていなくとも、そのように組み合わされてもよいことが当業者には理解されよう。同様に、示されている例に限定されない別の形態が、本明細書で図示し説明される一部又は全部の形態と組み合わされてもよい。
【0012】
図3及び図5において、ブロックは、動作及び/又はその一部を表し、さまざまなブロックを結ぶ線は、動作又はその一部のいかなる特定の順序又は従属も意味しない。さまざまな開示されている動作間の従属性が、必ずしもすべて表されているわけではないことは理解されよう。図3及び図5、並びに本明細書に記載されている、(複数の)方法の動作を説明する添付の開示は、動作が実行される順序を必然的に決定するものと解釈されてはならない。むしろ、1つの例示的な順序が示されていても、動作の順序は適宜変更されてもよいと理解されるべきである。したがって、いくつかの動作は異なる順序で、又は同時に行われてもよい。また、説明した動作をすべて実行する必要はないことが当業者には理解されよう。
【0013】
別段の指示がない限り、本明細書で用いる「第1の」、「第2の」等の用語は、単に標識として用いられ、複数の項目に対して、これらの用語が持つ順序、配置、又は階層的な要件を与えることは意図されていない。さらに、例えば「第2の」項目に対する参照は、例えば「第1の」、若しくはそれより小さい数の項目、或いは例えば「第3の」、若しくはそれより大きい数の項目の存在を、必ずしも必要とするか、又は排除するものではない。
【0014】
本明細書における「一実施形態」又は「一例」に対する言及は、例に関連して説明される1つ以上の形状、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施に含まれることを意味する。本明細書のさまざまな箇所における「一実施形態」又は「一例」という表現は、同じ例を指している場合もそうでない場合もある。
【0015】
本明細書で使用される、特定の機能を実行する「ように構成された」システム、装置、機器、構造、品目、要素、部品、又はハードウェアは、さらなる変更の後に特定の機能を実行する可能性を有しているだけでなく、改変することなく特定の機能を実行することが実際に可能である。言い換えれば、特定の機能を実行する「ように構成された」システム、装置、構造、品目、要素、部品、又はハードウェアは、特定の機能を実行する目的で特に選択され、作成され、実施され、使用され、プログラムされ、且つ/又は設計される。本明細書で使用される「ように構成された」は、システム、装置、構造、品目、要素、部品、又はハードウェアが、さらに変更することなく特定の機能を実行できるようにする、システム、装置、構造、品目、要素、部品、又はハードウェアの既存の特性を示す。本開示の目的のために、特定の機能を実行する「ように構成される」ものとして説明されるシステム、装置、構造、品目、要素、部品、又はハードウェアは、これに加えて、又はこれに代えて、機能を実行する「ように適合される」、及び/又は機能を実行する「ように動作する」ものとして説明されてもよい。
【0016】
本明細書で使用される際に、測定値に関しては、「約」及び「ほぼ」はそれぞれ+/-5%を意味する。
【0017】
特許請求されるか否かを問わない、本開示による主題の例示的で、網羅的でない例が以下に提供される。
【0018】
例において、本明細書では締め具、並びに製造及び使用方法が説明される。上述したように、既存の締め具は、締め具の頭部と、締め具がワークピースに固定される際に締め具が配置される穴の上部との間に、流体固着が生じる可能性がある。閉じ込められたシール剤は、膨張して穴の中に入って隆起を生成し、場合によってはワークピースを損傷させる可能性がある。また、従来の締め具はワークピースに固定された際に締め具の伸長した部分が回転可能であり、片側締め具の壊れやすい駆動部品が、意図されたトルクで折れるのを妨げる場合がある。既存の解決策は結果として費用が増加し、且つ/又は締め具の性能が低下する。
【0019】
本開示は、締め具の頭部に隣接する表面に浅いテクスチャのパターンが印加された、複数のテクスチャ要素を含む、改善された締め具を提供する。複数のテクスチャ要素は薄く、締め具の頭部に隣接する表面に転造又は鍛造することができ、いったん取り付けられるとワークピースと接触するようになる。複数のテクスチャ要素は、締め具にトルクを付与している間に、ワークピースの穴の中に配置されたシール剤に流れるためのさまざまな経路を与え、また、締め具とワークピースの表面との間により多くの摩擦を生成する。
【0020】
上述した例示的な締め具のさまざまな他の形態、並びにこのような締め具を製造して使用する方法は、以降においても添付の図面を参照しながら説明する。
【0021】
図面を参照すると、図1は、例示的な実施形態による締め具100を示す。図1に示すように、締め具100は、第1の端部104、及び第1の端部104の反対側にある第2の端部106を有する、細長い本体102を備える。締め具100は、第1の表面110と、第1の表面110の反対側にある第2の表面112とを有する、頭部108をさらに含む。細長い本体102の第1の端部104は、頭部108の第2の表面112に結合される。一例では、細長い本体102と頭部108とは、単一のユニットとして一体的に形成される。別の例では、細長い本体102と頭部108とは個別に形成されて、製造中に互いに結合される。図2Aから図2Dに示すように、頭部108の直径114は、細長い本体102の直径116よりも大きい。締め具100は、細長い本体102の少なくとも一部と、頭部108の第2の表面112とを覆うように配置された、スリーブ130をさらに備える。締め具100は、頭部108の第2の表面112に隣接するスリーブ130の外面119に配置された、複数のテクスチャ要素118をさらに含む。複数のテクスチャ要素118の1つ以上が、スリーブ130の外面119から、頭部108の第1の表面110まで延伸する。
【0022】
別の例では、複数のテクスチャ要素118は、頭部108の第2の表面112に直接配置されてもよい。このような例では、複数のテクスチャ要素118の1つ以上が、頭部108の第2の表面112から、頭部108の第1の表面110まで延伸する。
【0023】
図2Aから図2Dに示すように、複数のテクスチャ要素118は、さまざまな形態をとることができる。特に、図2Aに示すように、複数のテクスチャ要素118は直線パターンを含む。別の例では、図2Bに示すように、複数のテクスチャ要素118は斜線パターンを含む。さらに別の例では、図2Cに示すように、複数のテクスチャ要素118は正弦波の線のパターンを含む。さらに別の例では、図2Dに示すように、複数のテクスチャ要素118は格子パターンを含む。同様に、複数のテクスチャ要素118の他のパターンが考えられる。
【0024】
上述され、且つ図2Aから図2Dに示すように、複数のテクスチャ要素118の1つ以上は、スリーブ130の外面119から、頭部108の第1の表面110まで延伸する。このような配置により、締め具100の頭部108の下方からシール剤が流出できる経路が設けられる。一例では、複数のテクスチャ要素118の1つ以上が、締め具100の細長い本体102の第1の端部104から頭部108の第1の表面110まで、スリーブの外面で延伸している。以下でさらに詳細に説明するように、このような構成は、締め具100の回転を阻止するように、締め具100と、ワークピース124の穴122の表面120との間の摩擦を増加させるのに役立ち得る。
【0025】
一例では、図2Aから図2Cに示すように、複数のテクスチャ要素118のそれぞれは互いに平行である。このような構成により、ワークピース124の穴122の中に取り付けられたときに、シール剤が締め具100の頭部108の下方から流れるための、より均一な経路が提供され得る。別の例では、図2Dに示すように、複数のテクスチャ要素118の1つ以上が、互いに交差していてもよい。このような構成により、取り付け中に締め具100が回転するのを阻止するように、締め具100と、穴122の表面120との間の摩擦が増加され得る。さらに別の例では、複数のテクスチャ要素118は非反復の、又はランダムなパターンを形成する。同様に他の例も考えられる。
【0026】
図2Aから図2Dに示すように、一実施形態では、細長い本体102の少なくとも一部が、複数の山と複数の谷とによって画定された複数のねじ山126を有する。一例では、複数のねじ山126は、使用時に細長い本体102をワークピース124の穴122の中に固定することによって、締め具100を取り付けるのに役立ち得る。また、図2Aから図2Dに示すように、締め具100の頭部108の第2の表面112は、頭部108の第1の表面110から、細長い本体102の第1の端部104まで先細になっていてもよい。スリーブ130は、締め具100の頭部108を囲んでいる領域に同様の先細部分を含んでもよい。このような構成により、ワークピース124に皿穴122を開けたときに、ワークピース124の穴122の中にある締め具100の頭部108に、ぴったりとした嵌合が提供され得る。
【0027】
一実施形態では、複数のテクスチャ要素118は、スリーブ130の外面119に凹設された複数の溝を含む。このような例では、複数の溝のそれぞれの深さは、約0.0005インチ~約0.02インチの範囲になる。複数の溝は、締め具100がワークピース124の穴122の中に配置されたときに、締め具100の頭部108の第2の表面112の下方からシール剤を逃がすための複数の経路を提供し、これによって締め具100と、穴122の表面120との間の流体固着を防止する。また、複数の溝は、取り付け中に締め具100が回転するのを阻止するように、締め具100と、穴122の表面120との間の摩擦を増加させるように構成されている。
【0028】
別の実施形態では、複数のテクスチャ要素118は、スリーブ130の外面119から外向きに延伸する複数の突起を含む。このような例では、複数の突起のそれぞれの高さは、約0.0005インチ~約0.02インチの範囲になる。複数の突起同士の間の空間は、締め具100がワークピース124の穴122の中に配置されたときに、締め具100の頭部108の下方からシール剤を逃がすための複数の経路を提供し、これによって締め具100と、穴122の表面120との間の流体固着を防止する。また、複数の突起は、取り付け中に締め具100が回転するのを阻止するように、締め具100と、穴122の表面120との間の摩擦を増加させるように構成されている。
【0029】
締め具100は、頭部108の第1の表面110に形成された、駆動装置128をさらに備えてもよい。一例では、図2Aから図2Dに示すように、駆動装置128は、締め具100に所望のレベルまでのトルクを付与した後に頭部108の第1の表面110から折れて取れる、壊れやすい部品を含む。別の例では、駆動装置128は、頭部108の第1の表面110に形成された多角形の凹所を含み、これは、対応する多角形のドライバを受けるように構成されている。さらに別の例では、駆動装置128は、頭部108の第1の表面110に凹設された、複数の半径方向に延伸するスロットを含み、これは、これに対応する、半径方向に延伸するドライバの突起を受けるように構成されている。上述した各例において、駆動装置128は、対応するドライバが締め具100を回転させることができるようになり、これによって締め具100をワークピース124の穴122に取り付ける、表面を提供する。
【0030】
上述したように、締め具100はさまざまな形態をとることができる。一実施形態では、図2Aから図2Dに示すように、締め具100は片側締め具を含む。このような例では、上述したように、締め具100は、細長い本体102の少なくとも一部と、頭部108の第2の表面112とを覆うように配置された、スリーブ130を備える。スリーブ130は、細長い本体102の複数のねじ山126と相互作用する、ねじ付きのロック形状132を含んでもよい。使用時に、駆動装置128が回転されると、スリーブ130の一部が変形してワークピース124の裏側に押し付けられ、これによって締め具100をワークピース124に固定する。締め具100に所望のレベルまでトルクが付与されると、駆動装置128は、頭部108の第1の表面110から折れて取れるように構成されている。
【0031】
別の実施形態では、締め具100は、皿頭締め具を含む。このような例では、複数のテクスチャ要素118は頭部108の第2の表面112に直接配置されてもよく、複数のテクスチャ要素118の1つ以上が、頭部108の第2の表面112から、頭部108の第1の表面110まで延伸する。さらに別の実施形態では、締め具100は、頭部が突出した締め具を含む。このような例では、締め具100の頭部108の第2の表面112は、締め具100の頭部108の第1の表面110と平行である。皿頭締め具の実施形態と同様に、頭部が突出した締め具の例では、複数のテクスチャ要素118は頭部108の第2の表面112に直接配置されてもよく、複数のテクスチャ要素118の1つ以上が、頭部108の第2の表面112から、頭部108の第1の表面110まで延伸する。同様に他の種類の締め具も考えられる。
【0032】
図3は、締め具を製造する方法200の例を示すブロック図である。図3に示す方法200は、例として、図1から図2Dに関連して上述した締め具100の製造に使用できる方法の実施形態を示す。方法200は、ブロック202~208の1つ以上によって示される、1つ以上の動作、機能、又はアクションを含む。ブロックは、順番通りに示されているが、これらのブロックは、また、並行して実行されてもよく、且つ/或いは本明細書で述べられているのとは異なる順番で実行されてもよい。また、種々のブロックは、所望の実施方法に基づいて、組み合わせてより少ないブロックにしたり、別のブロックに分割したり、及び/又は除去したりしてもよい。
【0033】
まずブロック202において、方法200は、第1の端部104と、第1の端部104の反対側にある第2の端部106とを有する、細長い本体102を形成するステップを含む。ブロック204において、方法200は、第1の表面110と、第1の表面110の反対側にある第2の表面112とを有する、頭部108を形成するステップを含む。細長い本体102の第1の端部104は、頭部108の第2の表面112に結合される。一例では、細長い本体102と頭部108とは、単一のユニットとして一体的に形成される。別の例では、細長い本体102と頭部108とは個別に形成されて、製造工程中に互いに結合される。頭部108の直径114は、細長い本体102の直径116よりも大きい。ブロック206において、方法200は、細長い本体102の少なくとも一部と、頭部108の第2の表面112とを覆うように配置される、スリーブ130を形成するステップを含む。ブロック208において、方法200は、頭部108の第2の表面112に隣接するスリーブ130の外面119に、複数のテクスチャ要素118を形成するステップを含む。上述したように、複数のテクスチャ要素118の1つ以上が、スリーブ130の外面119から、頭部108の第1の表面110まで延伸する。
【0034】
一例では、頭部108の第2の表面112に複数のテクスチャ要素118を形成するステップは、複数のテクスチャ要素118を転造することを含む。別の例では、頭部108の第2の表面112に複数のテクスチャ要素118を形成するステップは、複数のテクスチャ要素118を鍛造することを含む。さらに別の例では、頭部108の第2の表面112に複数のテクスチャ要素118を形成するステップは、複数のテクスチャ要素118をレーザー彫刻、又はレーザーテクスチャ加工することを含む。同様に他の実施形態も考えられる。
【0035】
別の例では、方法200は、締め具100の頭部108の第2の表面112に、複数のテクスチャ要素118を形成するステップを含んでもよい。このような例では、複数のテクスチャ要素118の1つ以上が、頭部108の第2の表面112から、頭部108の第1の表面110まで延伸する。
【0036】
いくつかの実施形態では、図3に関連して上述した方法200の1つ以上のステップは、他にも考えられるが、光造形装置、マルチジェットモデリング、インクジェット印刷、選択的レーザー焼結/溶解、及び溶融フィラメント製造などの付加製造機によって実行されてもよい。一例では、付加製造機は、単一の材料を使用して、図1から図2Bのいずれか1つで説明した締め具100を作成する。このような材料は、例として、ステンレス鋼、チタン、ニッケル超合金、アルミニウム、高分子複合材料(例えば、炭素繊維強化ナイロン)、及び高分子ナノ複合材料(例えば、カーボンナノチューブ含有ナイロン)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、又はポリプロピレン(PP)を含む。別の例では、付加製造工程は多材料付加製造工程であり、その結果、締め具100のさまざまな部品が、他の部品とは異なる材料特性を有する材料を使用して形成される。同様に他の例も考えられる。
【0037】
これに加えて、又はこれに代えて、上述した製造工程は、非一時的なコンピューター読み取り可能な媒体によって制御されてもよい。図4は、例示的な実施による、非一時的なコンピューター読み取り可能な媒体の例を示す。例示的な実施では、システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上の形態のメモリと、1つ以上の入力装置/インターフェースと、1つ以上の出力装置/インターフェースと、機械読み取り可能な命令とを含んでもよく、機械読み取り可能な命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、図1から図2Dに関連して上述したいずれかの例の、締め具100の1つ以上の部品を製造機械に作成させる。
【0038】
1つの実施では、信号保持媒体302を使用する、例示的なコンピュータープログラム製品300が提供される。信号保持媒体302は、1つ以上のプログラム命令304を含んでもよく、これは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、図1から図2Dに関連して上述した任意の実施形態における、締め具100の1つ以上の部品を製造機械に作成させ得る。いくつかの例では、信号保持媒体302は、これに限定されないが、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリなどの非一時的なコンピューター読み取り可能な媒体306であってもよい。いくつかの実施では、信号保持媒体302は、これに限定されないが、メモリ、読み取り/書き込み(R/W)CD、R/W DVDなどのコンピューター記録可能な媒体308であってもよい。いくつかの実施では、信号保持媒体302は、通信媒体310(ファイバー光ケーブル、導波管、有線通信リンクなど)であってもよい。したがって、例えば、信号保持媒体302は、無線形式の通信媒体310によって伝達されてもよい。
【0039】
1つ以上のプログラム命令304は、例えば、コンピューター実行可能命令、及び/又は論理実施命令であってもよい。いくつかの例では、コンピューター機器は、非一時的なコンピューター読み取り可能な媒体306、コンピューター記録可能な媒体308、及び/又は通信媒体310のうちの1つ以上によってコンピューター機器に伝達されたプログラム命令304に応答して、さまざまな動作、機能、又はアクションを提供するように構成されていてもよい。
【0040】
非一時的なコンピューター読み取り可能な媒体306は、複数のデータ記憶部品間で分配されてもよく、互いに離して配置することができる。記憶されている命令の一部又は全部を実行するコンピューター機器は、外部コンピューター、又はスマートフォン、タブレット機器、パーソナルコンピューター、装着可能な装置などのモバイルコンピューティングプラットフォームであってもよい。或いは、記憶されている命令の一部又は全部を実行するコンピューター機器は、サーバーなどの遠隔に配置されたコンピューターシステムであってもよい。
【0041】
図5は、締め具をワークピースに配置する方法400の例を示すブロック図である。図5に示す方法400は、例として、図1から図2Dに関連して上述した締め具100を使用して実施できる方法の実施形態を示す。方法400は、ブロック402~406の1つ以上によって示される、1つ以上の動作、機能、又はアクションを含む。ブロックは、順番通りに示されているが、これらのブロックは、また、並行して実行されてもよく、且つ/或いは本明細書で述べられているのとは異なる順番で実行されてもよい。また、種々のブロックは、所望の実施方法に基づいて、組み合わせてより少ないブロックにしたり、別のブロックに分割したり、及び/又は除去したりしてもよい。
【0042】
最初に、ブロック402において、方法400は、締め具100の少なくとも一部にシール剤を配置するステップを含む。シール剤はスリーブ130に、又は締め具100の他の外面に配置されてもよい。ブロック404において、方法400は、締め具100の細長い本体102の第2の端部106をワークピース124の穴122の中にインサートするステップを含む。締め具100は、図1から図2Dに関連して上述した、任意の形態の締め具100を含んでもよい。特に、締め具100は、第2の端部106の反対側にある第1の端部104と、第1の表面110、及び第1の表面110の反対側にある第2の表面112を有する、頭部108とを含む。細長い本体102の第1の端部104は、締め具100の頭部108の第2の表面112に結合される。締め具100は、細長い本体102の少なくとも一部と、頭部108の第2の表面112とを覆うように配置された、スリーブ130をさらに備えてもよい。
【0043】
ブロック406において、方法400は、頭部108の第2の表面112に隣接するスリーブ130の外面119を穴122の表面120に嵌合させるステップを含む。上述したように、締め具100は、頭部108の第2の表面112に隣接するスリーブ130の外面119に配置された、複数のテクスチャ要素118を含む。使用時に、複数のテクスチャ要素118は、締め具100が回転するのを阻止するように、締め具100と、穴122の表面120との間に摩擦を生成するように構成されている。また、複数のテクスチャ要素118は、シール剤用の複数の流路を設けて、シール剤が締め具100の頭部108の下方から流出できるようにすることによって、締め具100と、穴122の表面120との間の流体固着を防止する。
【0044】
一実施形態では、方法400は、締め具100の細長い本体102の第2の端部106をワークピース124の穴122の中にインサートした後に、締め具100を回転させるステップをさらに含む。1つの特定の例では、締め具100を回転させるステップは、頭部108の第1の表面110に形成された駆動装置128を回転させることを含む。上述したように、駆動装置128は、締め具100に所望のレベルまでのトルクを付与した後に頭部108の第1の表面110から折れて取れる、壊れやすい部品を含んでもよい。このような例では、締め具100を回転させることによって、スリーブ130が変形してワークピース124の裏側に押し付けられ、これによって締め具100をワークピースに固定する。別の例では、駆動装置128は、頭部108の第1の表面110に形成された多角形の凹所を含み、これは対応する多角形のドライバを受けるように構成されている。さらに別の例では、駆動装置128は、頭部108の第1の表面110に凹設された、複数の半径方向に延伸するスロットを含み、これは、これに対応する、半径方向に延伸するドライバの突起を受けるように構成されている。
【0045】
別の例では、上述したように、複数のテクスチャ要素118は、頭部108の第2の表面112に直接配置されてもよい。このような例では、複数のテクスチャ要素118の1つ以上が、頭部108の第2の表面112から、頭部108の第1の表面110まで延伸する。また、このような例では、方法400は、締め具100の頭部108の第2の表面112を、穴122の表面120に嵌合させるステップを含む。
【0046】
また、本開示は、以下の項による実施形態を含む。
【0047】
項1:第1の端部(104)、及び第1の端部(104)の反対側にある第2の端部(106)を有する、細長い本体(102)と、
第1の表面(110)、及び第1の表面(110)の反対側にある第2の表面(112)を有する、頭部(108)であって、細長い本体(102)の第1の端部(104)が頭部(108)の第2の表面(112)に結合され、頭部(108)の直径(114)は細長い本体(102)の直径(116)よりも大きい、頭部(108)と、
細長い本体(102)の少なくとも一部、及び頭部(108)の第2の表面(112)を覆うように配置された、スリーブ(130)と、
頭部(108)の第2の表面(112)に隣接するスリーブ(130)の外面(119)に配置される、複数のテクスチャ要素(118)であって、複数のテクスチャ要素(118)の1つ以上が、スリーブ(130)の外面(119)から、頭部(108)の第1の表面(110)まで延伸する、複数のテクスチャ要素(118)と
を備える、締め具(100)。
【0048】
項2:複数のテクスチャ要素(118)が直線パターンを含む、項1に記載の締め具(100)。
【0049】
項3:複数のテクスチャ要素(118)が斜線パターンを含む、項1に記載の締め具(100)。
【0050】
項4:複数のテクスチャ要素(118)が正弦波の線のパターンを含む、項1に記載の締め具(100)。
【0051】
項5:複数のテクスチャ要素(118)が格子パターンを含む、項1に記載の締め具(100)。
【0052】
項6:複数のテクスチャ要素(118)の1つ以上が、細長い本体(102)の第1の端部(104)から頭部(108)の第1の表面(110)まで、スリーブ(130)の外面(119)で延伸している、項1に記載の締め具(100)。
【0053】
項7:複数のテクスチャ要素(118)のそれぞれが互いに平行である、項1に記載の締め具(100)。
【0054】
項8:複数のテクスチャ要素(118)が、スリーブ(130)の外面(119)に凹設された複数の溝を含む、項1に記載の締め具(100)。
【0055】
項9:複数の溝のそれぞれの深さが、約0.0005インチ~約0.02インチの範囲である、項8に記載の締め具(100)。
【0056】
項10:複数のテクスチャ要素(118)が、スリーブ(130)の外面(119)から外向きに延伸する複数の突起を含む、項1に記載の締め具(100)。
【0057】
項11:複数の突起のそれぞれの高さが、約0.0005インチ~約0.02インチの範囲である、項10に記載の締め具(100)。
【0058】
項12:細長い本体(102)の少なくとも一部が、複数の山と複数の谷とによって画定された複数のねじ山(126)を有する、項1に記載の締め具(100)。
【0059】
項13:頭部(108)の第2の表面(112)が、頭部(108)の第1の表面(110)から細長い本体(102)の第1の端部(104)まで先細になっている、項1に記載の締め具(100)。
【0060】
項14:締め具(100)が片側締め具を含む、項1に記載の締め具(100)。
【0061】
項15:締め具(100)を製造する方法(200)であって、方法が、
第1の端部(104)、及び第1の端部(104)の反対側にある第2の端部(106)を有する、細長い本体(102)を形成するステップ(202)と、
第1の表面(110)、及び第1の表面(110)の反対側にある第2の表面(112)を有する、頭部(108)を形成するステップ(204)であって、細長い本体(102)の第1の端部(104)が頭部(108)の第2の表面(112)に結合され、頭部(108)の直径(114)は細長い本体(102)の直径(116)よりも大きい、ステップ(204)と、
細長い本体(102)の少なくとも一部、及び頭部(108)の第2の表面(112)を覆うように配置される、スリーブ(130)を形成するステップと、
頭部(108)の第2の表面(112)に隣接するスリーブ(130)の外面(119)に配置される複数のテクスチャ要素(118)を形成するステップであって、複数のテクスチャ要素(118)の1つ以上が、スリーブ(130)の外面(119)から、頭部(108)の第1の表面(110)まで延伸する、ステップとを含む、方法(200)。
【0062】
項16:頭部(108)の第2の表面に隣接するスリーブの外面(119)に、複数のテクスチャ要素(118)を形成するステップが、複数のテクスチャ要素(118)を転造することを含む、項15に記載の方法(200)。
【0063】
項17:頭部(108)の第2の表面に隣接するスリーブの外面(119)に、複数のテクスチャ要素(118)を形成するステップが、複数のテクスチャ要素(118)を鍛造することを含む、項15に記載の方法(200)。
【0064】
項18:頭部(108)の第2の表面に隣接するスリーブの外面(119)に、複数のテクスチャ要素(118)を形成するステップが、複数のテクスチャ要素(118)をレーザー彫刻、又はレーザーテクスチャ加工することを含む、項15に記載の方法(200)。
【0065】
項19:ワークピース(124)に締め具(100)を配置する方法(400)であって、方法が、
締め具(100)の少なくとも一部にシール剤を配置するステップ(402)と、
締め具(100)の細長い本体(102)の第2の端部(106)をワークピース(124)の穴(122)の中にインサートするステップ(404)であって、締め具(100)は、(i)第2の端部(106)の反対側にある第1の端部(104)と、(ii)第1の表面(110)、及び第1の表面(110)の反対側にある第2の表面(112)を有する、頭部(108)であって、細長い本体(102)の第1の端部(104)が頭部(108)の第2の表面(112)に結合される、頭部(108)と、(iii)細長い本体(102)の少なくとも一部、及び頭部(108)の第2の表面(112)を覆うように配置されるスリーブ(130)とを備える、ステップ(404)と、
頭部(108)の第2の表面(112)に隣接するスリーブ(130)の外面(119)を、穴(122)の表面(120)に嵌合させるステップ(406)であって、締め具(100)は、締め具(100)が回転するのを阻止するように締め具(100)と穴(122)の表面(120)との間に摩擦を生成し、且つさらにシール剤が締め具(100)の頭部(108)の下方から流出できるようにするために、スリーブ(130)の外面(119)に配置された複数のテクスチャ要素(118)を含む、ステップ(406)とを含む、方法(400)。
【0066】
項20:締め具(100)の細長い本体(102)の第2の端部(106)をワークピース(124)の穴(122)の中にインサートした後に、締め具(100)を回転させるステップ
をさらに含む、項19に記載の方法(400)。
【0067】
種々の有利な配置の説明は、例示及び説明の目的で提示されており、すべてを述べ尽くそうとするものでも、開示された形式の例に限定することを意図するものでもない。多数の変更及び変種が、当業者にとって明らかであろう。また、異なる有利な例によって、他の有利な例と比較して、異なる利点を提供することができる。選択された1つ以上の例は、例の原理及び実際の応用を最も上手く解説するとともに、想定される特定の用途に適した、種々の変更を伴う種々の例の開示を当業者にとって理解可能にするために、選択及び説明されている。
【符号の説明】
【0068】
100 締め具
102 細長い本体
104 第1の端部
106 第2の端部
108 頭部
110 第1の表面
112 第2の表面
114 頭部の直径
116 細長い本体の直径
118 複数のテクスチャ要素
119 スリーブの外面
120 穴の表面
122 穴、皿穴
124 ワークピース
126 複数のねじ山
128 駆動装置
130 スリーブ
132 ねじ付きのロック形状
200 締め具を製造する方法
300 コンピュータープログラム製品
302 信号保持媒体
304 プログラム命令
306 非一時的なコンピューター読み取り可能な媒体
308 コンピューター記録可能な媒体
310 通信媒体
400 締め具をワークピースに配置する方法
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5