IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTドコモの特許一覧

<>
  • 特許-通信制御装置 図1
  • 特許-通信制御装置 図2
  • 特許-通信制御装置 図3
  • 特許-通信制御装置 図4
  • 特許-通信制御装置 図5
  • 特許-通信制御装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】通信制御装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/00 20240101AFI20240719BHJP
   H04W 88/14 20090101ALI20240719BHJP
【FI】
H04M3/00 B
H04W88/14
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020119299
(22)【出願日】2020-07-10
(65)【公開番号】P2022016040
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】門間 裕
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆之
(72)【発明者】
【氏名】太田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】黒川 悟
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/185649(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/174018(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/185962(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/00
H04W 88/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他網事業者ごとに、所定機能が対応可能であるかを示す可否情報を記憶する記憶部と、
自網に在圏する自網通信端末が他網事業者に対する通信を行う際に、前記可否情報を参照して、前記他網事業者が、前記所定機能が対応可能であるか否かを判断する判断部と、
前記対応可能であると判断すると、前記自網通信端末に対して、対応可能であることに基づいた通知情報を送信し、前記対応可能ではないと判断すると、前記通知情報を送信しない通信制御部と、
を備え、
前記可否情報は、前記自網通信端末が自網における通信方式を変える場合において起動する機能に対応可能であることを示す情報であって、コーデック変更が可能であるか否かを示す情報であり、
前記通知情報は、SRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)が対応可能であることを示す、
通信制御装置。
【請求項2】
前記通信制御部は、対応可能であることに基づいた通知情報として、前記自網通信端末が自網における通信方式を変える場合において通信を継続することを示す情報を通知する、
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記通信制御部は、前記通知情報を、セッション開始のための信号にのせることで通知する、請求項1または2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記判断部は、前記自網通信端末が前記他網事業者に対して発信処理を行う際に、前記他網事業者からの応答に基づいて、当該他網事業者が前記所定機能が対応可能であるか否かを判断する、請求項1~のいずれか一項に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記判断部は、前記自網通信端末が前記他網事業者から着信を受ける際に、当該着信に基づいて、当該他網事業者が前記所定機能が対応可能であるか否かを判断する、請求項1~のいずれか一項に記載の通信制御装置。
【請求項6】
前記判断部により判断された前記所定機能の対応可否を、音声通信を継続するための機能の可否として、前記自網通信端末ごとに記憶するセッション管理テーブルを備え、
前記通信制御部は、前記自網通信端末から音声通信を継続するための機能の起動要求を受けると、前記セッション管理テーブルに応じた処理を行う、
請求項1~のいずれか一項に記載の通信制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信網における端末の通信制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記非特許文献1には、SRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)動作が規定されている。このSRVCCは、自網において、通信端末がLTE(Long Term Evolution)網と3G通信(3rdGeneration)網をまたぐ際に、VoIP方式の音声通話と回線交換方式の音声通話とを継続する技術である。これにより、通信の無中断を実現する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】3GPP TS24.237
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、LTE通信網と3G通信網とにおいて、使用する音声コーデックが異なった場合、通信が中断することがあり得る。例えば、音声コーデックが異なるLTE通信網と3G通信網とを通信端末が跨ぐ際、通信端末はコーデック変更処理を行うが、通信相手が他網に在圏しており、その他網の交換機がコーデック変更を許容しない場合、そのコーデック変更処理に対してエラーによる呼切断がされる場合がある。
【0005】
そこで、上述の課題を解決するために、本発明は、所定の機能を受け付けない通信相手との通信中における呼切断を回避することができる通信制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の通信制御装置は、他網事業者ごとに、所定機能が対応可能であるかを示す可否情報を記憶する記憶部と、自網に在圏する自網通信端末が他網事業者に対する通信を行う際に、前記可否情報を参照して、前記他網事業者が、前記所定機能が対応可能であるか否かを判断する判断部と、前記対応可能であると判断すると、前記自網通信端末に対して、対応可能であることに基づいた通知情報を送信し、前記対応可能ではないと判断すると、前記通知情報を送信しない通信制御部と、を備える。
【0007】
この発明によれば、通信相手の通信網において所定の機能に対応できない場合には、その旨を、自網通信端末に通知することができる。したがって、自網通信端末は、所定の機能に対応できないことによる通信中における呼切断を回避できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、端末からの所定の機能要求を行うことがなく、通信中における呼切断を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の通信システムのシステム構成の概略図である。
図2】本開示の交換機100の機能構成を示すブロック図である。
図3】通信システムの処理シーケンスを示す図である。
図4】本開示の通信システムのシステム構成の概略図であって、着信時の処理を示す。
図5】着信処理時における通信システムの処理シーケンスを示す図である。
図6】本開示の一実施の形態に係る交換機100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本開示の通信システムのシステム構成の概略図である。図1に示される通り、この通信システムは、交換機100およびUE200を含んで構成されている。
【0012】
交換機100は、UE200に対する通信接続制御を行う通信制御装置である。このUE200は、ユーザ端末であって、例えば携帯電話機である。UE200は、LTE通信網Aと3G通信網Bとを跨いで切り替える(または移動)することができる。
【0013】
交換機100は、UE200から他網宛の発信処理を受け付けると、当該他網の交換機300に対して発信処理を行う(S11、S12)。他網の交換機300は、発信処理に対する暫定応答を交換機100に返信する(S13)。交換機100は、暫定応答を受け付け、それを、UE200に対して送信する(S14)。
【0014】
交換機100は、暫定応答をUE200に送信する際、その暫定応答に交換機300がコーデック変更を受け付けるか否かを判断し、それに応じて、SRVCCを許容するか否かを示す情報を暫定応答に付加して送信する。UE200は、SVRCCを許容していないことを示す情報を受信し、その旨を記憶する。そして、これら通信手順を含めて既定の通信のための制御手順が終了すると、UE200は、他網に在圏する通信端末と通信する(S15、S16)。
【0015】
その後、UE200がLTE通信網Aから3G通信網Bへ切り替えようとしてSRVCCを起動し、その際、コーデック変更要求をしようとしても、UE200は、SRVCCの起動は不可である旨を記憶しているため、そのSRVCCは起動せず、結果コーデック変更要求を行うことがない。
【0016】
例えば、UE200が停止している状態において3G通信網からの電波が強く、LTE通信網から3G通信網に切り替えて(ハンドオーバ)しまう場合があるが、本開示においては、UE200はSRVCCの機能が許容されていないため、それを判断して、その切替を防止する。よって、通信接続後における通話中における呼切断を防止することができる。
【0017】
なお、UE200が、LTE通信網がカバーしていない3G通信網に移動してしまう場合には、SRVCCを許容していないため通信が切断するが、通話中における呼切断とはならない点で有効である。
【0018】
つぎに、本開示の交換機100の機能構成について説明する。図2は、本開示の交換機100の機能構成を示すブロック図である。図に示される通り、交換機100は、通信制御部101、判断部102、記憶部103およびセッション管理テーブル104を含んで構成されている。
【0019】
通信制御部101は、UE200に対する通信制御を行う部分である。本開示においては、通信制御部101は、交換機300からの暫定応答を受信し、判断部102に応じて判断結果に基づいてSRVCCの許容を示す情報を付加した暫定応答をUE200に送信する。
【0020】
判断部102は、交換機300から送信された暫定応答の他網事業者の種別を認識し、記憶部103を参照して、それに応じてSRVCCを許容するか否かを判断する部分である。通信制御部101は、判断部102による判断結果に基づいてSRVCCの許容を示す情報を付加し、または付加しない制御を行う。
【0021】
記憶部103は、他網事業者の交換機種別ごとに、SRVCCが許容するか、否かを示す情報を記憶する部分である。一般的に、通信事業者ごとに使用される交換機のメーカ等は決まっており、それに応じてコーデック変更の許容・非許容が定まっている。本開示においては、記憶部103は、通信事業者ごとにコーデック変更の許容・非許容を対応付けて記憶している。
【0022】
セッション管理テーブル104は、セッションを張っているUE200(通信端末)ごとに、SRVCCを許容しているか否かを示す情報を記憶する。この情報は、判断部102により判断された結果に基づく。
【0023】
つぎに、この交換機100を含んだ通信システムの全体処理について説明する。図3は、その処理シーケンスを示す図である。このシーケンス図に示される通り、通信システムは、P-CSCF(Proxy-Call Session Control Function)、S-CSCF(Serving-Call Session Control Function)、AS(ApplicationServer)などの各種交換機を備えている。P-CSCSFは、ユーザ端末の通信制御を行う呼セッションサーバであり、S-CSCFは、サーバ間の呼セッション制御機能を有するサーバである。ASは、UE200に対して各種サービス(課金処理等)を提供するためのサーバである。そして、P-CSCFが、図1に示す交換機100に相当する。
【0024】
UE100がINVITE信号(セッション開始要求)を発信することにより、発信処理を行う。INVITE信号は、P-CSCF、S-CSCF、ASを経由して、他網の交換機300に送信される(S101)。交換機300は、暫定応答として183_Session Progress信号を送信する(S102)。183_SessionProgress信号は、AS、S-CSCFを経由して、P-CSCFに送信される。
【0025】
P-CSCFにおいて、判断部102は、183_Session Progress信号に含まれている通信事業者種別を認識する。そして、判断部102は、記憶部103を参照して、その通信事業者種別は、コーデック変更を許容するか否かを判断する(S103)。ここでは、判断部102はコーデック変更を許容していないと判断する。通信制御部101は、183_Session Progress信号に、SRVCCを許容することの情報(feature-tag:a、b、mid)をのせない。また、判断部102は、セッション管理テーブル104に、通信相手がSRVCCを許容していないことを記憶する(S104)。そして、通信制御部101は、183_Session Progress信号(SRVCCを許容していないことを暗に示す)をUE200に送信する(S105)。
【0026】
そして、交換機100およびUE200は、3GPP規定の通信手順を実行して、音声通話を行う(S106、S107)。
【0027】
UE200は、SRVCCを許容していないことを示す183_SessionProgress信号を受信し、その旨を記憶している。したがって、UE200は、LTE通信網Aから3G通信網に切替ようとしてもSRVCCを実行することがなく、SRVCCに伴うコーデック変更通知の契機がなくなる。よって、通信中における呼切断となる状態を避けることができる。
【0028】
相手方交換機がコーデック変更通知を許容する場合については、UE200はSRVCCを正常起動することになるため、通信の継続性が確保される。一方で、通信相手となる交換機300がコーデック変更を許容しない場合については、UE200において、SRVCC要求を受け付けないよう、積極的に3G通信網に切り替えさせない。例えば、UE200が停止している状態において3G通信網からの電波が強く、LTE通信網から3G通信網にハンドオーバしてしまう場合があるが、本開示においては、UE200はSRVCCの機能が許容されていないため、それを判断して、その切替を防止する。よって、通話中における呼切断を防止することができる。
【0029】
ところで、UE200は、SRVCCが非許容であるにもかかわらず、SRVCCの起動要求をする場合がある。端末が何らかの不具合または想定外の異常動作をした場合、UE200はSRVCCの起動要求をすることがあり、UE200は、SINに対してプロトコル変換のための要求を行うことになる。この場合、P-CSCFは、SIN(Signaling Inter- working Node for3G access)からINVITE信号を受信するが(S110)、P-CSCFでは、セッション管理テーブル104を参照して、UE200からのSRVCCが非許容と判断される場合には(S111)、403_Forbiddenを返信しエラー処理とする(S112)。SINは、加入者階梯交換機であって、UE200が自網におけるLTE通信網から3G通信網にハンドオーバする際に、そのプロトコル変換を行う交換機である。
【0030】
つぎに、UE200が着信するときの交換機100の処理について説明する。図4は、本開示の通信システムのシステム構成の概略図であって、着信時の処理を示す。図に示されるとおり、交換機100は、他網の交換機300から着信を受けると(S21)、交換機100は、着信処理の際、交換機300がどこの通信事業者であるかを判断することにより、コーデック変更が可能であるか否かを判断する。
【0031】
交換機100は、コーデック変更が可能である場合には、SRVCCは許容する旨の情報を着信信号に付加して、宛先とあるUE200に送信する(S22)。UE200は、SRVCCを許容することを記憶するとともに、通信処理を開始する(S23、S24)。
【0032】
つぎに、その詳細処理について説明する。図5は、着信処理時における通信システムの処理シーケンスを示す図である。他網交換機300は、発信処理のため、P-CSCF、S-CSCF、ASを介してINVITE信号をUE200に送信する(S201)。P-CSCF(交換機100に相当)において、判断部102は、他網交換機300がコーデック変更を許容しているか否かを、記憶部103を参照して判断する(S202)。そして、通信制御部101は、判断部102がコーデック変更を許容していると判断すると、SRVCCを許容する旨の情報をINVITE信号に乗せて、INVITE信号を送信する。このシーケンス図においては、通信制御部101は、判断部102がコーデック変更を許容していないと判断して、SRVCCを許容する旨の情報をINVITE信号にのせることない(S203)。一方で、判断部102は、セッション管理テーブル104に、SRVCCが許容しない旨を記憶する(S204)。そして、通信制御部101は、SRVCCが許容しない旨を載せたINVITE信号を送信する(S205)。
【0033】
そして、通信制御部101は、3GPPに規定の通信手順を実行して(S206)、UE200に音声通話を行わせる(S207)。
【0034】
一方で、UE200は、SRVCCが非許容であるにもかかわらず、SRVCCの起動要求をする場合がある。この場合、P-CSCFは、SIN(Signaling Inter- working Node for3G access)からINVITE信号を受信するが(S208)、P-CSCFでは、セッション管理テーブル104を参照して、UE200からのSRVCCが非許容と判断される場合には(S209)、403_Forbiddenを返信しエラー処理とする(S210)。
【0035】
つぎに、本開示における交換機100の作用効果について説明する。本開示の交換機100において、記憶部103は、他網事業者ごとに、通信中におけるコーデック変更が可能であるか否かを示す変更可否情報を記憶する。判断部102は、自網に在圏する自網通信端末であるUE200が他網事業者(交換機300)に対する通信を行う際に、変更可否情報を参照して、交換機300がコーデック変更可能であるか否かを判断する。通信制御部101は、判断部102がコーデック変更可能であると判断すると、UE200に対して、SRVCC(単一無線音声通信継続)が対応可能であることを示す通知情報を送信する。また、通信制御部101は、コーデック変更が可能ではないと判断すると、当該通知情報を送信しない。
【0036】
この構成により、通信相手の通信網においてコーデック変更に対応できない場合には、その旨を、自網通信端末であるUE200に通知することができる。したがって、UE200は、コーデック変更要求を行うことがなく、通信中による呼切断を回避できる。なお、上記開示においては、SRVCC時におけるコーデック変更時の処理を説明したが、これに限るものではなく、他網における通信相手側が所定の機能に対応できない場合、すなわち自網では対応可能であるが他網では対応不可である機能について、通信開始時に認識することで、通信中における呼切断を回避できる。また、上記開示において、SRVCCに限るものではなく、通信継続をさせるための機能に置き換えてもよい。
また、LTE通信網から3G通信網に切り替える差異を例に説明したが、これに限定されるものではない。一般的に通信方式の異なる通信網に切り替えるための技術にて寄与要することができる。
【0037】
また、交換機100において、判断部102は、UE200が他網事業者である交換機300に対して発信処理を行う際に、交換機300からの応答に基づいて、当該交換機300を含む他網事業者がコーデック変更可能であるか否かを判断する。
【0038】
これにより、発信時において、他網事業者がコーデック変更可能であるかを判断することができ、通話中による呼切断を回避できる。
【0039】
また、判断部102は、UE200が交換機300から着信を受ける際に、当該着信に基づいて、当該交換機300がコーデック変更可能であるか否かを判断する。
【0040】
これにより、着信時において、他網事業者がコーデック変更可能であるかを判断することができ、通話中による呼切断を回避できる。
【0041】
また、交換機100は、判断部102により判断されたコーデックの変更可否を、単一無線音声通信を継続するための機能(SRVCC)の可否として、UE200ごとに記憶するセッション管理テーブル104を備える。通信制御部101は、UE200から単一無線音声通信を継続するための機能(SRVCC)の起動要求を受けると、セッション管理テーブル104に応じた処理を行う。すなわち、通信制御部101は、発信時または着信時において、交換機300がコーデックの変更不可と判断されている場合には、UE200から発信処理があったとしても、これを拒否することができる。上記開示においては、コーデック変更の可否に基づいて単一無線音声通信継続機能の可否を通知しているがこれに限らず、所定機能の対応可否に基づいて、音声通信継続の機能の可否を通知してもよい。
【0042】
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0043】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0044】
例えば、本開示の一実施の形態における交換機100などは、本開示の通信制御方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図6は、本開示の一実施の形態に係る交換機100のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の交換機100は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0045】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。交換機100のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0046】
交換機100における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0047】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の通信制御部101、判断部102などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0048】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、交換機100の通信制御部101は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0049】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る通信制御方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0050】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0051】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0052】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0053】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0054】
また、交換機100は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0055】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0056】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0057】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0058】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0059】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0060】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0061】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0062】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0063】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0064】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0065】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0066】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0067】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0068】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0069】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0070】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0071】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0072】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0073】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0074】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0075】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0076】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0077】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0078】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0079】
101…通信制御部、102…判断部、103…記憶部、104…セッション管理テーブル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6