IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTドコモの特許一覧

<>
  • 特許-メッセージ生成装置 図1
  • 特許-メッセージ生成装置 図2
  • 特許-メッセージ生成装置 図3
  • 特許-メッセージ生成装置 図4
  • 特許-メッセージ生成装置 図5
  • 特許-メッセージ生成装置 図6
  • 特許-メッセージ生成装置 図7
  • 特許-メッセージ生成装置 図8
  • 特許-メッセージ生成装置 図9
  • 特許-メッセージ生成装置 図10
  • 特許-メッセージ生成装置 図11
  • 特許-メッセージ生成装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】メッセージ生成装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20240719BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240719BHJP
   G06Q 10/087 20230101ALI20240719BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q30/06
G06Q10/087
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020130875
(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公開番号】P2022027083
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 もとこ
(72)【発明者】
【氏名】山田 曉
(72)【発明者】
【氏名】勝間田 優樹
(72)【発明者】
【氏名】酒井 亮勢
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-173722(JP,A)
【文献】特開2019-114099(JP,A)
【文献】特開2017-091325(JP,A)
【文献】特開2002-342597(JP,A)
【文献】特開2005-292909(JP,A)
【文献】特開2019-091366(JP,A)
【文献】特開2020-064691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージの送信対象となる対象商品の識別情報を取得する取得部と、
商品の在庫状況および入荷見込み状況の情報を記憶する在庫情報を参照して、前記対象商品の在庫状況および入荷見込み状況の情報に基づいたメッセージを生成する生成部と、
対象商品の在庫状況および入荷見込み状況を記憶する商品管理装置とアクセスする確認部と、を備え、
前記メッセージを、ユーザ端末に送信する送信部と、
を備え、
前記生成部は、
前記確認部がアクセスして確認した前記対象商品の在庫状況および入荷見込み状況に基づいて、前記対象商品の在庫が少なくなる可能性を判断して、前記ユーザ端末のユーザに対して購入を控えるよう促すメッセージを生成する、
メッセージ生成装置。
【請求項2】
前記取得部は、商品またはその近傍に備え付けられているビーコンから、前記商品を特定する商品ID、および前記商品の近傍にいるユーザ端末のユーザIDを取得し、
前記送信部は、前記ユーザIDに基づいて前記ユーザ端末にメッセージの送信を行う、
請求項1に記載のメッセージ生成装置。
【請求項3】
前記生成部は、対象商品の在庫が所定数以下および/または入荷予定数が所定数以下である場合に、在庫が少なくなると判断する、
請求項1または2に記載のメッセージ生成装置。
【請求項4】
前記生成部は、メッセージに応じた挿入情報を取得し、当該メッセージに挿入情報を合成してメッセージの生成を行う、
請求項1~3のいずれか一項に記載のメッセージ生成装置。
【請求項5】
前記挿入情報は、前記対象商品に対する代替商品または類似商品である、
請求項4に記載のメッセージ生成装置。
【請求項6】
前記挿入情報は、前記対象商品を購入しようとした他のユーザの対応状況に基づいた情報である、
請求項4に記載のメッセージ生成装置。
【請求項7】
前記生成部は、
ユーザごとの行動特性を記憶する行動特性情報を参照して、ユーザの行動特性に応じたメッセージを生成する、
請求項1~6のいずれか一項に記載のメッセージ生成装置。
【請求項8】
前記行動特性は、
ユーザの移動履歴と、ユーザがおかれている状態とに基づいて定められている、
請求項7に記載のメッセージ生成装置。
【請求項9】
前記行動特性は、
ユーザの購入履歴と、ユーザが購入しようとするときの購入状況若しくは他のユーザの購入状況とに基づいて定められている、
請求項7に記載のメッセージ生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品管理のためのメッセージ生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、売り切れ等の理由で商品陳列棚で欠品となっている商品を、顧客に提案、取寄せ、販売の予約、および通信販売を行うことを可能とする商品陳列棚システムが記載されている。この商品陳列棚システムは、顧客が商品を手に取ると、その商品情報を所定の表示装置に表示させることの記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-34358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、急激に需要が高くなった商品には、買占めが発生し、特定の人のみ所有している状況が発生しうる。特に、近年のコロナ禍では、マスクの買占めが起き、マスクを手に入れられない多数の人々がいた。
【0005】
上記特許文献1の発明においては、売り切れの商品を特定し、欠品中であることを顧客に通知したり、商品取り寄せの希望を受け付けたりしているが、買い占め等を防止することを考慮していなかった。一方で、在庫に応じて購入制限をかけることも考えられるが、顧客満足度が下がる可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するために、顧客満足度を維持しつつ、適切な商品管理を行うことができるメッセージ生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のメッセージ生成装置は、メッセージの送信対象となる対象商品の識別情報を取得する取得部と、商品の在庫状況を記憶する在庫情報を参照して、前記対象商品の在庫状況または入荷見込み状況に基づいたメッセージを生成する生成部と、前記メッセージを、前記ユーザ端末に送信する送信部と、を備える。
【0008】
この発明によれば、在庫状況等に基づいたメッセージをユーザ端末に送信することができ、ユーザの購買行動をメッセージにしたがって誘導させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、ユーザの購買行動をメッセージにしたがって誘導させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示のメッセージ配信システムのシステム構成を示す図である。
図2】メッセージテンプレートを対応付けたデータベースの具体例を示す図である。
図3】在庫情報の説明図である。
図4】顧客情報を示す説明図である。
図5】メッセージ配信システムにおけるメッセージ配信処理を示すシーケンス図である。
図6】ユーザの購入行動に応じた商品情報の更新処理を示すシーケンス図である。
図7】行動特性を生成するためのシステム構成を示す図である。
図8】外部情報を示す説明図である。
図9】商品購入情報を示す説明図である。
図10】本開示における行動特性決定装置700の機能構成を示すブロック図である。
図11】行動特性決定装置700の動作を示すフローチャートである。
図12】、本開示の一実施の形態に係るメッセージ生成装置100または行動特性決定装置700のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
[メッセージ配信処理]
図1は、本開示のメッセージ配信システムのシステム構成を示す図である。図に示されるとおり、メッセージ配信システムは、メッセージ生成装置100、商品管理装置200、顧客情報管理装置300、およびビーコン500を含んで構成されている。ビーコン500は、商品棚500aに配置される信号受信器であって、ユーザ(顧客)が所有するユーザ端末400が近づくと、当該ユーザ端末400から発信された顧客IDを受信し、予めビーコン500に設定されている商品IDおよび顧客IDを、メッセージ生成装置100に送信する。ユーザ端末400とビーコン500とは、例えば近距離無線通信(例えば、ブルートゥース)により情報の送受を行う。
【0013】
メッセージ生成装置100は、商品管理装置200に記憶されている在庫情報および顧客情報管理装置300に記憶されている顧客情報に基づいて、どのような行動特性を有するユーザ(顧客)が、どの商品に近づいたのかを判断し、商品の在庫状態およびそのユーザの行動特性に適したメッセージをユーザ端末400に送信する。メッセージには、ユーザの行動特性に応じた文章が記述されている。例えば、そのメッセージは、当該メッセージを受信したユーザに、その商品の購入を控えさせるよう誘導することができる。
【0014】
このようなメッセージ配信システムにおけるメッセージ生成装置100の機能構成について説明する。メッセージ生成装置100は、情報取得部101、在庫・入荷見込み数確認部102、メッセージ生成部103、メッセージ内情報取得部104、および情報送信部105を含んで構成されている。
【0015】
情報取得部101は、ビーコン500から顧客IDおよび商品IDを受信する部分である。
【0016】
在庫・入荷見込み数確認部102は、情報取得部101が取得した商品IDをキーにして、商品管理装置200にアクセスして、該当する商品の在庫状況(在庫数)および入荷見込み状況(入荷見込み数)を確認する部分である。
【0017】
メッセージ生成部103は、ユーザの行動特性に応じたメッセージを生成する部分である。より具体的には、メッセージ生成部103は、在庫・入荷見込み数確認部102が確認した在庫状況または入荷見込み状況に基づいて、在庫が少なくなる(所定数以下)または在庫がなくなると判断した場合には、情報取得部101が取得した顧客IDをキーにして、顧客情報管理装置300にアクセスして、当該顧客IDのユーザの行動特性を取得する。そして、その行動特性に応じたメッセージテンプレートを決定して、メッセージを生成する。在庫が少なくなるまたは在庫がなくなることの判断基準としては、在庫数が所定以下であることのほか、在庫数が所定数ある場合においても、入荷見込みがない、または所定以下である場合、とする。入荷見込みがないことの判断は、図示しないデータベースに基づいた入荷予定情報に基づく。
【0018】
なお、メッセージ生成部103は、行動特性ごとのメッセージテンプレートを対応付けたデータベースを有している。図2は、その具体例を示す図である。図に示されるとおり、本開示においては、行動特性として、現在バイアス、同調性バイアス、社会規範バイアスが定義付けされており、それぞれにおいて、テンプレートが対応付けられている。このテンプレートは、ユーザに対してその商品を購入することを控えさせるメッセージを含んでいる。
【0019】
メッセージ内情報取得部104は、商品管理装置200にアクセスして、テンプレートに挿入するための情報を取得する部分である。例えば、メッセージ内情報取得部104は、商品管理装置200に記憶されている在庫情報に基づいて、代替商品または類似商品の情報(挿入情報)を取得する。また、メッセージ内情報取得部104は、メッセージ送信者数とメッセージ受信者数のうちの購入者人数から、購入をしなかった人の割合を挿入情報として算出してもよい。なお、逆に購入した人の割合を挿入情報としてもよい。
【0020】
例えば、メッセージ内情報取得部104は、ユーザが現在バイアスに属すると判断された場合には、類似商品・代替商品を挿入情報として取得する。また、ユーザが同調性バイアスに属すると判断された場合には、購入しなかった人の割合を挿入情報として取得する。また、ユーザが社会規範バイアスに属すると判断された場合には、挿入情報を取得しなくてもよい。なお、在庫数等を挿入情報として取得して、メッセージに入れてもよい。
【0021】
メッセージ生成部103は、メッセージ内情報取得部104が取得した挿入情報を、メッセージテンプレートに挿入して、メッセージを生成する。
【0022】
情報送信部105は、メッセージ生成部103が生成したメッセージを、情報取得部101が取得したユーザIDのユーザ端末400にメッセージを送信する部分である。情報送信部105は、予めユーザIDと、送信宛先とを対応付けた宛先情報を記憶している。情報送信部105は、電子メールによる送信のほか、SNSなどのメッセージアプリなどを利用して、メッセージを送信することができる。
【0023】
また、情報送信部105は、レジ装置600にもメッセージを送信する。
【0024】
商品管理部106は、情報送信部105が、メッセージを送信すると、どのユーザ(顧客ID)およびどの商品(商品ID)についてのメッセージかを特定して、メッセージの送信の有無をメッセージ管理情報として記憶する。メッセージ管理情報は、商品IDと顧客IDとを対応付けて記憶する。
【0025】
そして、ユーザがレジ装置600にて購入処理をすると、レジ装置600は、商品管理部106に対して顧客IDおよび商品IDを送信する。商品管理部106は、これら顧客IDおよび商品IDと、事前に記憶した顧客IDおよび商品IDとを比較することで、在庫情報におけるMsg受信者の購入者人数を更新する。
【0026】
つぎに、商品管理装置200が記憶している在庫情報について説明する。図3は、在庫情報の説明図である。図に示されるとおり、在庫情報は、商品ID、商品名、在庫数、入荷見込み数、類似商品、代替商品、メッセージ(Msg)送信回数、メッセージ受信者の購入者人数を対応付けた情報である。
【0027】
在庫数および入荷見込み数は、定期的に店舗管理者により更新される。また、在庫数は、またはユーザが商品を購入する度に更新される。類似商品および代替商品は、店舗管理者により設定された情報であり、商品IDで示される商品に類似する商品または、代替的に使用可能な商品を示す。
【0028】
Msg送信回数は、情報送信部105が、当該商品についてのメッセージを送信した回数を示す。情報送信部105がメッセージを送信する度に、商品管理装置200にアクセスして、Msg送信回数をインクリメントする。Msg受信者の購入者人数とは、メッセージを受信した受信者のうち、その商品を購入した人数を示す。このMsg受信者の購入者人数は、レジ装置600において、メッセージを受信したユーザの顧客IDおよび購入した商品の商品IDに基づいて、判断され、その購入者人数が更新される。この購入者人数は、ユーザの行動特性の生成または更新に利用される。
【0029】
つぎに、顧客情報管理装置300が記憶している顧客情報について説明する。図4は、顧客情報を示す説明図である。図に示されるように、顧客IDごとに、ユーザの行動特性が対応付けられている。本開示においては行動特性として、現在バイアス、同調性バイアス、および社会規範バイアスが定められている。これら行動特性は、行動経済学において定義付けされた特性である。現在バイアス(または現在志向バイアスともいう)は、目の前にある事柄を過大に評価してしまう心理傾向のことをいう。同調性バイアスは、自分以外に大勢の人に合わせようとする心理状態または心理傾向をいう。社会規範バイアスは、社会的な規則を遵守するよう動機づけられる心理傾向をいう。本開示においては、上記3つのバイアスを扱うことにするが、当然にこれら以外の心理的行動に基づいた行動バイアスを定義してもよい。
【0030】
この顧客情報は、予めユーザごとにアンケートをとることで、いずれの行動特性をとるかを定義づけることができるが、普段のユーザの行動から適宜更新するようにしてもよい。例えば、ユーザ端末400を利用したログ情報(移動履歴、購入履歴などの情報)に基づいて、各ユーザの行動特性を定義することもできる。
【0031】
つぎに、本開示におけるメッセージ配信システムの動作について説明する。図5は、メッセージ配信システムにおけるメッセージ配信処理を示すシーケンス図である。図に示されるとおり、ユーザ(ユーザ端末400)が商品棚500a(ビーコン500)に近づくと(S101)、ビーコン500は、ユーザ端末400からユーザIDを取得し、メッセージ生成装置100に、ユーザIDおよび商品IDを送信する(S102)。
【0032】
メッセージ生成装置100において、在庫数・入荷見込み数確認部102は、商品管理装置200から、商品IDに対応する商品の在庫数および入荷見込み数を検索して取得する(S103)。
【0033】
メッセージ生成部103は、顧客情報管理装置300から、商品の在庫数および入荷見込み数に基づいて、在庫が少なくなる、またはなくなると判断した場合、顧客IDに対応する行動特性を検索して、取得する(S104)。そして、メッセージ生成部103は、行動特性に応じたテンプレートを決定する(S105)。メッセージ内情報取得部104は、商品管理装置200から、テンプレートに挿入するための挿入情報を取得し、または必要に応じてその情報に基づいて挿入情報を計算する(S106)。
【0034】
情報送信部105は、テンプレートに挿入情報を挿入したメッセージを生成して(S107)、ユーザ端末400およびレジ装置600に送信する(S108、S109)。
【0035】
情報送信部105は、メッセージを送信したことを、その商品の商品IDとともに商品管理装置200に送信する(S110)。そして、商品管理装置200は、在庫情報における商品IDに対するメッセージ送信回数を1加算して更新する(S111)。
【0036】
図5によると、メッセージ生成装置100は、ユーザの行動特性に応じてメッセージテンプレートを決定し、メッセージテンプレートに応じた挿入情報を挿入したメッセージを生成して送信する。よって、ユーザの行動特性に応じたメッセージをユーザに送信することができ、そのメッセージによって、ユーザの購入行動を誘導することができる。
【0037】
図6は、ユーザの購入行動に応じた商品情報の更新処理を示すシーケンス図である。ユーザがレジ装置600において商品の購入処理を行う(S201)。ここでは、ユーザはユーザ端末400を利用してレジ装置600に顧客IDを通知する。また、ユーザ端末400に表示される二次元バーコードを読み取ってもらうことにより顧客IDを通知してもよいし、または近距離無線通信により顧客IDを通知してもよい。そのほか、顧客IDを特定することができるメンバーズカードまたはポイントカードを利用して顧客IDを通知してもよい。
【0038】
レジ装置600は、顧客IDおよび購入した商品IDをメッセージ生成装置100に送信する(S202)。
【0039】
メッセージ生成装置100において、商品管理部106は、購入商品に対してメッセージを送信したユーザか否かを判断する(S203)。商品管理部106は、その商品ID、数量、メッセージの送信の有無を商品管理装置200に送信する(S204)。
【0040】
商品管理装置200は、受信した商品ID等に基づいて、在庫情報における、その商品の在庫数、メッセージ送信回数、メッセージ受信者の購入者人数を更新する(S205)。
【0041】
図6の処理によると、商品管理装置200の在庫情報がユーザの購入によって更新される。また、メッセージ送信回数およびその購入者人数の把握を可能にする。これら情報を用いて、ユーザの行動特性を決定することができる。
【0042】
[行動特性の決定処理]
つぎに、顧客情報管理装置300が記憶している顧客情報の行動特性の生成処理およびその更新処理について説明する。図7は、行動特性を生成するためのシステム構成を示す図である。本開示においては、行動特性決定装置700がユーザ端末400の各種端末ログ情報に基づいて各ユーザの行動特性を判断して、顧客情報として顧客情報管理装置300に登録する。図7に示される通り、このシステムは、メッセージ生成装置100、商品管理装置200、顧客情報管理装置300に加えて、行動特性決定装置700、外部情報サーバ800、購入履歴管理サーバ850、および端末管理サーバ900を含んでいる。
【0043】
端末管理サーバ900は、ユーザ端末400の端末ログ情報を記憶するサーバである。端末ログ情報は、移動履歴を含む。移動履歴は、例えば、GPS情報により得られたユーザ端末400の位置情報であるが、そのほか基地局情報またはWIFI等のアクセスポイントの位置情報に基づいてもよい。
【0044】
外部情報サーバ800は、ユーザがおかれている状態を示す外部情報を記憶するサーバである。例えば、外部情報サーバ800は、政府・都道府県・市町村等により外出自粛または県外移動自粛が要請されている場合には、その要請内容を示す外部情報を記憶する。図8は、その一例を示す図である。図に示される通り、外部情報サーバ800は、日時(期間)と、要求内容とを対応付けて記憶する。なお、上記は一例であり、これに限るものではない。台風、地震などの天変地異により、外出自粛の要請のほか、様々な要請が考えられる。また、単に天変地異その事実のみを要求内容に変えて記述してもよい。
【0045】
購入履歴管理サーバ850は、各ユーザが購入した商品、およびその商品がどういった状態で販売されていたかを示す商品購入情報を記憶する。これら商品購入情報は、各種店舗またはネット通販サイトなどから提供される情報である。各種店舗において、ユーザがユーザ端末400の決済機能を利用した場合に、そのユーザIDは、購入した商品と紐付けられる。そのほか、メンバーズカード、ポイントカードなどを利用して、そのユーザIDが、購入した商品に紐付けられる。そして、これらユーザIDを利用して購入した商品が購入履歴として記録される。ネット通販サイトにおいても同様に、そのサイトで利用されるユーザIDが、購入した商品と紐付けられる。なお、同じユーザが複数のユーザIDを利用する場合もあることから、一のユーザが利用している各ユーザIDを一つのユーザIDに集約することがよい。
【0046】
さらに、購入履歴管理サーバ850は、購入した商品がどのような状態で販売されていたかを示す購入状況を、あわせて各種店舗またはネット通販サイトから取得して、ユーザID、購入した商品と対応付けた商品購入情報を記憶する。購入状況とは、商品が割引販売されていたか、またその割引率などである。また、購入した他のユーザの人数としてもよいし、在庫状況としてもよい。また、購買を控えるよう促すメッセージの送信の有無としてもよい。
【0047】
購入履歴管理サーバ850では、各種店舗または外部のネット通販サイトなどから、購入日時、顧客ID、商品IDおよびそのときのセール品等を示す購入状況情報に基づいて、商品購入情報を生成し、記憶する。図9(a)は、商品購入情報の具体例を示す図である。図に示される通り、商品購入情報は、ユーザID、購入品、および購入状況を対応付けている。例えば、商品購入情報は、ユーザID:X0001、購入品:肉、購入状況:30%オフを対応付けている。これはユーザID:X0001が、肉を購入したが、それは30%オフのセール品を購入したことを示している。なお、図では、購入状況欄には、一つの状況が記述されているが、複数の状況を記述してもよい。例えば、「メッセージ配信」と「50%オフ」の2つの状況を記述してもよい。
【0048】
また、購入履歴管理サーバ850は、購入機会情報を、各店舗またはネット通販サイトから収集して記憶する。図9(b)に示されるように、購入機会情報は、ユーザID、日時、セール品等の対象物および購入状況を含む。
【0049】
この購入機会情報は、例えば、ネット通販サイトなどで該当する商品の購入ページを閲覧したことに基づく。ネット通販サイトは、ユーザが閲覧した商品の購入ページに基づいて、ユーザIDと商品IDと購入状況と記憶している。購入履歴管理サーバ850は、実際に購入した商品のための商品購入情報に加えて、上記の閲覧履歴もネット通販サイトから収集している。店舗においても同様の処理を行うことが可能であり、例えば、ユーザが購入処理(決済処理)をしたときに、購入状況に示されるようなセール品等の提供がその店舗でなされている場合には、購入履歴管理サーバ850は、購入機会があったと判断することができ、それら情報を実店舗のサーバから収集する。
【0050】
行動特性決定装置700は、端末ログ情報、外部情報、および商品購入情報に基づいて、各ユーザのユーザ特性を判断することができる。図10は、本開示における行動特性決定装置700の機能構成を示すブロック図である。図に示されるとおり、行動特性決定装置700は、情報取得部701、行動特性決定部702、および登録部703を含んで構成されている。
【0051】
情報取得部701は、外部情報サーバ800、端末管理サーバ900、および商品管理装置200にアクセスして、外部情報、端末ログ情報、および商品購入情報を取得する部分である。この情報取得部701は、行動履歴情報取得部および状況情報取得部として機能する。
【0052】
行動特性決定部702は、外部情報、端末ログ情報、および商品購入情報に基づいて、各ユーザの行動特性を決定する部分である。例えば、行動特性決定部702は、外部情報サーバ800の外部情報と、各ユーザの端末ログ情報とを比較して、外部情報において外出自粛が要請されている場合に、端末ログ情報においてユーザが移動していないと判断できる場合には、そのユーザの行動特性は社会規範バイアスに属すると決定する。上述したとおり、社会規範バイアスとは、社会的な規則を遵守するよう動機づけられる心理傾向をいう。
【0053】
移動の有無の判断に際して、移動距離に基づいて所定距離以内である場合には、ユーザは移動していないと判断したり、または自宅と職場との間の往復移動(または日常の移動経路)が多くを占めている場合(総移動距離に対する割合で判断)に、移動がないと判断する。自宅および職場は、予め設定されているものとする。その他、所定の目的地までの移動以外の移動を控えていると判断できる場合(他の目的地への移動の距離または移動頻度が所定値以下)には、移動していないと判断してもよい。
【0054】
移動していると判断する場合には、そのユーザの行動特性は社会規範バイアスに属しないと判断する。
【0055】
なお、移動の判断において、移動履歴から移動距離が減った割合に基づいてもよい。例えば、過去(例えば1年前など)の所定期間(例えば、1週間)における移動距離と比較して、直近の所定期間(例えば、現在から遡った1週間)における移動距離が90%減った場合には、社会規範バイアスレベルが90とする。20%減った場合には、社会規範バイアスレベルが20とする。このように、バイアスレベルという概念を使って、多段階でユーザの行動特性を定義してもよい。
【0056】
また、外部情報として県外移動自粛が記述されている場合には、県外に移動したかを判断することにより、社会規範バイアスに属するか否かを判断してもよい。また、直近期間と所定期間とにおける県外に移動した割合の増減に基づいて判断してもよい。
【0057】
また、行動特性決定部702は、端末ログ情報と商品購入情報とを比較し、ユーザが購入した商品の購入状況が所定の条件下(いわゆるセール品など)である場合の頻度が所定値以上である場合に、そのユーザの行動特性は現在バイアスに属すると判断する。上記と同様にバイアスレベルを用いて定義してもよく、そのユーザの所定条件下における購入機会に対して、実際に購入された商品の購入をした頻度の割合に基づいて、バイアスレベルを定義してもよい。例えば、所定期間(例えば1ヶ月)の所定条件下における商品の購入機会が100回とし、実際に購入した回数が50回とすると、その現在バイアスのバイアスレベルは50とする。
【0058】
また、行動特性決定部702は、端末ログ情報と商品購入情報とを比較し、その商品購入情報に含まれている他人の購入状況に基づいて、そのユーザの行動特性は、同調性バイアスに属するとは判断する。例えば、他人の購入状況として、「X人が購入しています」という商品の購入機会の頻度に対して、実際に購入した頻度の割合に基づいて、バイアスレベルを決定する。上記X人は、例えば、ある程度多人数である数字を設定しておくことがよく、例えば、「50人」などである。そのような購入機会が100回あった場合に、実際の購入した頻度が50回であったとすると、その同調性バイアスのバイアスレベルは50とする。
【0059】
そのほか、リスク選好バイアスも考えられ、購入状況として「Y人に一人無料」などがあった場合、その購入機会に対して、実際に購入した頻度に基づいて、リスク選好バイアスを決定することができる。例えば、そのような購入機会が100回あったとし、実際の購入した頻度が30回とすると、そのリスク選好バイアスのバイアスレベルは30とする。
【0060】
上記の通り、行動特性決定部702は、一のユーザに対して、複数の行動特性を判断することがある。その場合、行動特性決定部702は、バイアスレベルをみて、一の行動特性を決定する。
【0061】
上述した購入機会は、図9(b)に示される購入機会情報に基づく。上述したとおり、購入機会情報は、例えば、ネット通販サイトなどで該当する商品の購入ページを閲覧したことに基づく。
【0062】
これら商品購入情報における購入状況および他人の購入状況は、店舗における状況の情報としてもよいし、そのほかネット通販などの購入状況を加味したものとしてもよい。商品管理装置200は、このような情報を収集している。
【0063】
登録部703は、行動特性決定部702が決定した各ユーザの行動特性を顧客情報管理装置300に、ユーザIDと対応付けて記憶させる。
【0064】
図11は、上記本開示の行動特性決定装置700の動作を示すフローチャートである。行動特性決定装置700は、外部情報サーバ800、端末管理サーバ900、および商品管理装置200にアクセスして、外部情報、端末ログ情報、および商品購入情報を取得する(S301、S302)。
【0065】
行動特性決定部702は、外部情報、端末ログ情報、および商品購入情報に基づいて各ユーザの行動特性を決定する(S303)。
【0066】
登録部703は、各ユーザの行動特性を、顧客情報管理装置300にユーザIDと対応付けて記憶する(S304)。
【0067】
このように、ユーザ端末400の端末ログ情報に基づいて、ユーザの行動特性を判断することができる。
【0068】
つぎに、本開示におけるメッセージ生成装置100の作用効果について説明する。このメッセージ生成装置100において、情報取得部101は、ビーコン500から商品IDを取得する。この商品IDは、対象商品を識別するための情報である。そして、メッセージ生成部103は、当該対象商品の在庫状況を記憶する在庫情報を参照して、対象商品の在庫状況または入荷見込み状況に基づいたメッセージを生成する。情報送信部105は、生成したメッセージをユーザ端末400に送信する。
【0069】
この構成によれば、在庫状況または入荷見込み状況に基づいて定められたメッセージをユーザに送信することができ、ユーザに対して、その状況に応じた行動をとることを促すことができる。例えば、在庫状況または入荷見込み状況によって、当該商品が欠品となる可能性ができた場合に、他のユーザがその商品を手に入れることができなくなる場合がある。そのユーザにとっては必ずしも必要ではないものであっても他のユーザにとっては必要な商品もある。そういった場合に、ユーザに商品が欠品となる可能性がでてきた場合に、その旨を通知することで、その購入を控えさせることができる。
【0070】
本開示のメッセージ生成装置100においては、情報取得部101は、商品またはその近傍に備え付けられているビーコン500から、対象商品を特定する商品ID、および対象商品の近傍にいるユーザ端末400のユーザIDを取得する。そして、情報送信部105は、ユーザIDに基づいたユーザ端末400にメッセージの送信を行う。
【0071】
この構成により、ユーザ端末400が商品棚500aに近づくと、そこに備えられているビーコン500にユーザID等が取り込まれる。そして、ビーコン500は、ユーザIDとともに、商品IDを、メッセージ生成装置100に送信する。メッセージ生成装置100は、ユーザIDおよび商品IDを取得することで、その商品の在庫状況等に基づいたメッセージを生成することができる。
【0072】
メッセージ生成装置100において、メッセージ生成部103は、対象商品の在庫状況または入荷見込み状況に基づいて、対象商品の在庫が少なくなる可能性を判断して、ユーザに対して購入を控えるよう促すメッセージを生成する。メッセージ生成部103は、商品管理装置200にアクセスすることで在庫状況等を判断することができる。この場合、このメッセージ生成部103は、対象商品の在庫が所定数以下および/または入荷予定数が所定数以下である場合に、在庫が少なくなると判断する。
【0073】
この構成により、メッセージ生成装置100は在庫状況等を判断することができ、その在庫状況等に基づいたメッセージを生成することができる。
【0074】
また、メッセージ生成部103は、メッセージに応じた挿入情報を取得し、当該メッセージに挿入情報を合成してメッセージの生成を行う。例えば、挿入情報は、前記商品に対する代替商品または類似商品である。また、挿入情報は、対象商品を購入しようとしている購入状況に基づいた情報である。
【0075】
この構成により、代替商品または類似商品をユーザに通知する場合には、その商品の購入に誘導することができ、結果的に対象商品の購入を控えさせることができる。また、他のユーザが購入しようとしているときの他のユーザの購入状況を通知することで、同様に、ユーザにその対象商品の購入を控えさせることができる。他のユーザの対応状況とは、例えば、購入を控えるように促しているメッセージを受信した他のユーザのうち、購入しなかった他のユーザを示し、本開示においては、当該他のユーザ数を通知する。
【0076】
また、メッセージ生成部103は、ユーザごとの行動特性を記憶する顧客情報管理装置300を参照して、ユーザの行動特性に応じたメッセージを生成する。例えば、行動特性は、ユーザの移動履歴と、ユーザがおかれている状態とに基づいて定めることができる。この場合、そのユーザの行動特性は、社会規範バイアスに属すると定めることができる。
【0077】
同様に、行動特性は、ユーザの購入履歴と、ユーザが購入しようとするときの購入状況若しくは他のユーザの購入状況とに基づいて定めることができる。ここでの当該ユーザの購入状況とは、セール品の購入機会に応じて実際に購入した割合などである。このように定められたユーザの行動特性は、現在バイアスに属していると定めることができる。また、一方で、他のユーザの購入状況として、ある商品をxx人購入したというその事実が挙げられる。このように、他のユーザの購入状況に応じて商品を購入した頻度が多い場合には、同調性バイアスに属すると判断される。
【0078】
この構成により、そのユーザの行動特性を行動経済学に即して定義付けすることができ、従ってその行動特性に応じた的確なメッセージを生成することができる。
【0079】
上述したとおり、行動特性は、本開示の行動特性決定装置700により定められてもよい。本開示の行動特性決定装置700は、 ユーザの行動履歴情報(端末ログ情報または商品購入情報)を取得するとともに、ユーザのおかれている状況を示す状況情報(外部情報および商品購入情報の購入状況)を取得する情報取得部701と、行動履歴情報および状況情報に基づいてユーザの行動特性を決定する行動特性決定部702と、を備える。このユーザの行動特性は、行動経済学に基づいた心理的傾向を示す。
【0080】
この処理により、ユーザの行動特性を、アンケート等をとることなく、ユーザがおかれている状況およびその行動履歴に基づいて決定することができる。
【0081】
行動特性決定部702は、ユーザに対して行動特性の種別(例えば、社会規範バイアス、現在バイアスなどのバイアス)ごとのそれぞれのレベルを算出し、当該レベルに基づいて一の行動特性(バイアス)を決定する。例えば、行動特性の一の種別においては、端末ログ情報に基づくユーザ移動の変遷に基づいてレベルを算出する。通常時(例えば特定状況以外の所定期間)のユーザの移動距離と、特定状況時におけるユーザの移動距離とを比較して、その変遷(割合であるが差分でもよい)に基づいてレベルを算出することができる。
【0082】
この処理により、行動特性をレベル分けをして多段階に決定することができる。一般に、ユーザの行動特性は一つに定まるものではなく、複数の行動特性を見いだすことができる。したがって、それらにうちから一の行動特性を決定しようとする場合に、レベルといった指標に基づいて決定することができる。
【0083】
また、行動特性決定部702は、行動履歴情報に基づいて、特定状況(例えばある店舗、サイトなどでのセール販売時)におけるユーザの実際に行動したこと(購入したこと)を抽出し、一方で、状況情報に基づいて、特定状況においてユーザ行動を実施できる機会(購入機会)であったことを抽出する。そして、行動特性の他の種別(例えば、現在バイアス)においては、ユーザ行動を実施(商品の購入)できる機会および実際に行動(購入)をしたことに基づいて、その行動特性のレベルを算出する。
【0084】
特定状況は、ユーザが対象商品の購入行動をしようとする場合において、対象商品が特定の販売状況であることを示し、例えば定価または通常時の販売価格からの割引による販売状況を示す。
【0085】
また、特定状況は、ユーザが対象商品の購入行動をしようとする場合において、対象商品が購入された他のユーザ数を示してもよい。例えば、販売サイトにおいて、「100人のユーザが購入しています。」などを示した状況である。
【0086】
また、状況情報は、実世界におけるユーザの行動制限を示す情報である。例えば上記開示における外部情報であって、自粛要請などを示す。
【0087】
また、状況情報は、ユーザの行動対象の状況を示す情報である。行動対象とは、購入対象である商品を意図しており、その行動対象の販売状況を示す。すなわち、行動対象としての購入対象となる商品が、通常時と異なる販売状況であることを示す。
【0088】
このように、行動特性決定装置700は、ユーザの移動、商品の購入などの行動をした際において、その行動をしようとしている状況に基づいてユーザの心理的傾向(バイアス)を判断することができる。よって、アンケート等の作業をすることなく、各ユーザの行動特性、心理的傾向を判断することができ、これを利用した、メッセージ生成処理に適用することができる。
【0089】
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0090】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0091】
例えば、本開示の一実施の形態におけるメッセージ生成装置100または行動特性決定装置700などは、本開示のメッセージ生成方法または行動特性決定方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図12は、本開示の一実施の形態に係るメッセージ生成装置100または行動特性決定装置700のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のメッセージ生成装置100または行動特性決定装置700は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0092】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。メッセージ生成装置100または行動特性決定装置700のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0093】
メッセージ生成装置100または行動特性決定装置700における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0094】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の在庫・入荷見込み数確認部102、メッセージ生成部103などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0095】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、メッセージ生成部103等は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0096】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係るメッセージ生成方法、行動特性決定方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0097】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0098】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の情報取得部101および情報送信部105などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0099】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0100】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0101】
また、メッセージ生成装置100または行動特性決定装置700は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0102】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0103】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0104】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0105】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0106】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0107】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0108】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0109】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0110】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0111】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0112】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0113】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0114】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0115】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0116】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0117】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0118】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0119】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0120】
100…メッセージ生成装置、101…情報取得部、102…数確認部、103…メッセージ生成部、104…メッセージ内情報取得部、105…情報送信部、106…商品管理部、200…商品管理装置、300…顧客情報管理装置、400…ユーザ端末、500…ビーコン、500a…商品棚、600…レジ装置、700…行動特性決定装置、701…情報取得部、702…行動特性決定部、703…登録部、800…外部情報サーバ、850…購入履歴管理サーバ、900…端末管理サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12