(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240719BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240719BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G09F9/00 351
G09F9/00 350Z
H04N5/64 581A
H05K5/02 B
(21)【出願番号】P 2020203687
(22)【出願日】2020-12-08
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 健一
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】特許第5281212(JP,B1)
【文献】登録実用新案第3116087(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第01914466(EP,A2)
【文献】特開2006-091713(JP,A)
【文献】特開2007-178502(JP,A)
【文献】特開2008-141606(JP,A)
【文献】特開2009-122275(JP,A)
【文献】特開2015-138105(JP,A)
【文献】特開2014-155060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 1/00-13/08
G09F 9/00-9/46
H04N 5/64-5/655
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルを支持するスタンドと、
前記スタンドに固定される支持部であって、前記表示パネルの正面方向に突出する爪部を有する支持部と、
前記表示パネル
の背面に固定される固定金具であって、
前記爪部が係合される係合孔と、
前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記支持部の第1側面に接触する第1側面接触部と、前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記支持部の背面に接触する第1背面接触部とを有する第1ガイド部と、
前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記支持部の第2側面に接触する第2側面接触部と、前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記支持部の背面に接触する第2背面接触部とを有する第2ガイド部とを有する固定金具とを備え
、
前記第1ガイド部および前記第2ガイド部は、前記固定金具の表面から前記表示パネルの背面側に突出することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記固定金具は、前記表示装置の設置面の法線方向における異なる位置に形成される複数の前記係合孔を有し、
前記支持部は、複数の前記係合孔に個別に係合される複数の前記爪部を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記係合孔は、前記係合孔における前記爪部との当接箇所から広がるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1背面接触部における、前記表示パネルの下方側を向いた端部近辺の部分は、前記表示パネルの背面方向に突出しており、
前記第2背面接触部における、前記表示パネルの下方側を向いた端部近辺の部分は、前記表示パネルの背面方向に突出していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記支持部は、
前記支持部の上端部における、前記支持部の左右方向の中央位置から前記表示パネルの右端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記表示パネルの横方向に延伸する第1上端面と、
前記支持部の上端部における、前記支持部の左右方向の中央位置から前記表示パネルの右端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記表示パネルの横方向に延伸する第2上端面とを有し、
前記固定金具は、
前記固定金具の表面の面内左右方向の中央位置から前記表示パネルの右端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記表示パネルの横方向に延伸し、かつ前記第1上端面と接触する第1位置決め部と、
前記固定金具の表面の面内左右方向の中央位置から前記表示パネルの右端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記表示パネルの横方向に延伸し、かつ前記第2上端面と接触する第2位置決め部とを有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、ディスプレイ10と、ディスプレイ10の背面19に連結されてディスプレイ10を支持する支持具23との連結構造であって、支持具23には、上向きの固定爪51と、移動可能な可動爪と、可動爪を移動させる操作部とが設けられ、ディスプレイ10の背面19には、固定爪51を係合させる係合穴部26,27と、可動爪を係合させる係合溝部32,33とが設けられている連結構造が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、背面板部18の係合孔部26,27が背面板部18の背面に開口している。係合孔部26,27にスタンド23の固定爪51を係合させる際、係合孔部26,27が目立たないため、係合孔部26,27を視認してその位置を正しく特定することが難しい。したがって、固定爪51を係合孔部26,27に係合し辛いため、筐体12をスタンド23に容易に取り付けることが難しいという課題がある。
【0005】
本発明の一態様は、表示パネルをスタンドに容易に取り付けられる表示装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本発明に係る表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルを支持するスタンドと、前記スタンドに固定される支持部であって、前記表示パネルの正面方向に突出する爪部を有する支持部と、前記表示パネルに固定される固定金具であって、前記爪部が係合される係合孔と、前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記支持部の第1側面に接触する第1側面接触部と、前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記支持部の背面に接触する第1背面接触部とを有する第1ガイド部と、前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記支持部の第2側面に接触する第2側面接触部と、前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記支持部の背面に接触する第2背面接触部とを有する第2ガイド部とを有する固定金具とを備えている構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、表示パネルをスタンドに容易に取り付けられる表示装置を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る表示装置の正面側の外観を示す正面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る表示装置の背面側の外観を示す背面図である。
【
図3】表示パネルがスタンドに取り付けられる前の状態の表示装置の背面側の外観を示す図である。
【
図4】表示パネルがスタンドに取り付けられる前の状態の表示装置の背面側を拡大して示す図である。
【
図7】表示パネルがスタンドに仮固定された表示装置を示す図である。
【
図8】
図7におけるA-A’箇所の断面を示す断面図である。
【
図9】
図7におけるB-B’箇所の断面を示す断面図である。
【
図10】表示パネルがスタンドに固定された表示装置を示す図である。
【
図11】寝かせた状態の表示パネルをスタンドに取り付ける際の表示装置を示す図である。
【
図12】表示パネルがスタンドに取り付けられる前の状態の、実施形態2に係る表示装置の背面側を拡大して示す図である。
【
図14】表示パネルがスタンドに仮固定された表示装置を示す図である。
【
図15】
図14におけるA-A’箇所の断面を示す断面図である。
【
図16】本発明の実施形態2に係る表示装置の構成を示す図である。
【
図17】表示パネルがスタンドに仮固定された表示装置を示す図である。
【
図18】本発明の実施形態4に係る表示装置の構成を示す図である。
【
図20】表示パネルがスタンドに仮固定された表示装置を示す図である。
【
図21】
図20におけるA-A’箇所の断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
図1は、本発明の実施形態に係る表示装置1の正面側の外観を示す正面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る表示装置1の背面側の外観を示す背面図である。これらの図に示すように、表示装置1は、表示パネル2およびスタンド4を備えている。表示パネル2は、各種の映像を表示する機能を有するパネルであり、例えば液晶表示パネルまたは有機EL(OLED)パネルなどとして実現される。スタンド4は表示パネル2を支持する部品である。スタンド4は、土台部6と、土台部6に固定される支柱部8とを備えている。土台部6は、表示装置1の設置面(床、台座等)と平行な平面構造を有しており、表示装置1の使用時に設置面に配置される。支柱部8は、土台部6の面内左右方向における中央位置に配置されており、かつ土台部6の面方向と直交する方向に延伸している。表示パネル2は、支柱部8に取り付けられることによって、スタンド4に支持される。
図1および
図2には、表示パネル2がスタンド4に支持された状態の表示装置1を示している。スタンド4は、
図1に示す構成に限らず、例えば4本足を有する構造のものであってもよい。
【0010】
図3は、表示パネル2がスタンド4に取り付けられる前の状態の表示装置1の背面側の外観を示す図である。表示装置1は、表示パネル2のサイズが例えば55インチを超える、いわゆる大型の表示装置である。表示装置1の出荷時に、表示装置1は表示パネル2がスタンド4から取り外された状態で、梱包用の段ボール箱に梱包される。これは、梱包用の段ボールの厚さを極力薄くするための措置である。すなわち、表示パネル2から独立しているスタンド4を、土台部6が表示パネル2と重なる状態で表示パネル2と共に段ボール箱に梱包することによって、土台部6の幅以上の厚さを有する段ボール箱を使用せずに済むのである。
【0011】
図3に示すように、ユーザは、表示パネル2をスタンド4に取り付けることによって、表示装置1を組み立てる。その際、まず、支柱部8を鉛直方向に沿って立てるようにスタンド4を設置面に設置する。この状態で、表示パネル2をスタンド4の上方から下方に向けて移動させることによって、表示パネル2をスタンド4の所定位置に取り付ける。
【0012】
図4は、表示パネル2がスタンド4に取り付けられる前の状態の表示装置1の背面側を拡大して示す図である。
図4に示すように、スタンド4は、スタンド4に固定される支持部10をさらに備えている。また、表示パネル2は、表示パネル2に固定される固定金具20をさらに備えている。支持部10および固定金具20はいずれも金属製の丈夫な部材である。支持部10はスタンド4の上部近辺に配置されており、支持部10は表示パネル2の下部近辺における背面側に配置されている。表示パネル2をスタンド4に取り付ける際、固定金具20が支持部10に取り付けられる。
【0013】
図5は、支持部10の外観を示す図である。この図には、支持部10の裏面、すなわち支持部10における固定金具20との対向面から見た支持部10の外観を示す。
図4および
図5に示すように、支持部10は、爪部11および爪部12を有する。爪部11および爪部12は、いずれも、支持部10の裏面に形成されている。爪部11および爪部12は、支持部10の裏面から表示パネル2の正面方向に突出すると共に、表示パネル2の縦方向に延伸している。爪部11および爪部12は、支持部10の一部を構成しており、支持部10を製造する際に、支持部10の一部を折り曲げるようにして形成される。
【0014】
支持部10において、表示装置1の設置面の法線方向における爪部11および爪部12の形成位置は、互いに一致している。爪部11は、支持部10の裏面の面内左右方向の中央位置から表示パネル2の右端の方向に離れた位置に配置されている。爪部12は、支持部10の裏面の面内左右方向の中央位置から表示パネル2の左端の方向に離れた位置に配置されている。爪部11および爪部12における上部の一部は、表示パネル2の上方向にさらに突出している。
【0015】
図4および
図5に示すように、支持部10は、側面13(第1側面)および側面14(第2側面)を有する。側面13は、支持部10における爪部11側の側部に位置し、側面14は、支持部10における爪部12側の側部に位置する。
【0016】
図4および
図5に示すように、支持部10は、上端面15(第1上端面)および上端面16(第2上端面)をさらに有している。上端面15は、支持部10の上端部における、支持部10の左右方向の中央位置から表示パネル2の右端の方向に離れた位置に配置され、かつ表示パネル2の横方向に延伸している。上端面16は、支持部10の上端部における、支持部10の左右方向の中央位置から表示パネル2の左端の方向に離れた位置に配置され、かつ表示パネル2の横方向に延伸している。上端面15および上端面16は、支持部10の上端部の一部に相当しており、かつ、これらの延伸方向はいずれも表示パネル2の横方向に平行な一直線上に位置している。
【0017】
図6は、固定金具20の外観を示す図である。
図6の1010は、固定金具20における表面側の外観を示す。
図6の1020は、固定金具20における右側面側の外観を示す。
図6の1030は、固定金具20における左側面側の外観を示す。
図4および
図6に示すように、係合孔21は、固定金具20の表面の面内左右方向の中央位置から、表示パネル2の右端の方向に離れた位置に配置されている。係合孔22は、固定金具20の表面の面内左右方向の中央位置から、表示パネル2の左端の方向に離れた位置に配置されている。固定金具20の背面の一部が、表示パネル2の背面方向に壁面として盛り上がっており、係合孔21および係合孔22はその壁面の一部を貫くように形成されている。係合孔21および係合孔22は、細長い長方形の形状を有している。
【0018】
図4および
図6に示すように、固定金具20は、ガイド部23(第1ガイド部)およびガイド部24(第2ガイド部)をさらに有する。ガイド部23は、側面接触部31(第1側面接触部)および背面接触部33(第1背面接触部)を有し、ガイド部24は、側面接触部32(第2側面接触部)および背面接触部34(第2背面接触部)を有する。ガイド部23は、固定金具20の表面の面内左右方向の中央位置から、表示パネル2の右端の方向に係合孔21よりもさらに離れた位置に配置されている。ガイド部24は、固定金具20の表面の面内左右方向の中央位置から、表示パネル2の左端の方向に係合孔22よりもさらに離れた位置に配置されている。ガイド部23および24は、全体として、固定金具20の表面から表示パネル2の背面側に向かって突出している。側面接触部31および側面接触部32は、固定金具20の表面から表示パネル2の背面側に向かって突出すると共に、表示装置1の設置面の法線方向に沿って延伸している。言い換えれば、側面接触部31および側面接触部32は、法線方向と平行な方向に真っ直ぐな細長い平板形状を有しており、かつ表示パネル2の面方向と直交して配置されている。
【0019】
背面接触部33は、側面接触部31の突出方向の端部に接続されている。背面接触部33は、当該端部から、固定金具20の中央位置に向かって突出すると共に、表示装置1の設置面の法線方向に沿って延伸している。背面接触部34は、側面接触部32の突出方向の端部に接続されている。背面接触部34は、当該端部から、固定金具20の中央位置に向かって突出すると共に、表示装置1の設置面の法線方向に沿って延伸している。言い換えれば、背面接触部33および34は、法線方向と平行な方向に真っ直ぐな細長い平板形状を有しており、かつ表示パネル2の面方向と平行に配置されている。背面接触部33と固定金具20の表面との間には、一定の距離および空間がある。同様に、背面接触部34と固定金具20の表面との間にも、一定の距離および空間がある。
【0020】
側面接触部31は、表示パネル2をスタンド4に取り付ける際に支持部10の側面13に接触する。背面接触部33は、表示パネル2をスタンド4に取り付ける際に支持部10の側面14に接触する。側面接触部32は、表示パネル2をスタンド4に取り付ける際に支持部10の上端面Bに接触する。背面接触部34は、表示パネル2をスタンド4に取り付ける際に支持部10の背面に接触する。ガイド部23および24は、いずれも固定金具20の一部を構成しており、固定金具20を製造する際に、固定金具20の一部を折り曲げるようにして形成される。
【0021】
図4および
図6に示すように、固定金具20は、位置決め部25(第1位置決め部)および位置決め部26(第2位置決め部)をさらに有する。位置決め部25は、固定金具20の表面の面内左右方向の中央位置から表示パネル2の右端の方向に離れた位置に配置され、かつ表示パネル2の横方向に延伸している。位置決め部26は、固定金具20の表面における、固定金具20の面内左右方向の中央位置から表示パネル2の左端の方向に離れた位置に配置され、かつ表示パネル2の横方向に延伸している。位置決め部25および位置決め部26は、いずれも固定金具20の一部を構成しており、固定金具20を製造する際に、固定金具20の一部を折り曲げるようにして形成される。
【0022】
固定金具20の位置決め部25は、表示パネル2がスタンド4に装着される状態において、支持部10の上端面15と接触する。固定金具20の位置決め部26は、表示パネル2がスタンド4に取り付けられた状態において、支持部10の上端面16と接触する。
【0023】
図4および
図5に示すように、支持部10には4つのネジ穴17が形成されている。
図4および
図6に示すように、固定金具20には4つのネジ穴27が形成されている。これらのネジ穴17および27は、後述するように、支持部10および固定金具20を互いに固定するために用いられる。
【0024】
図7は、表示パネル2がスタンド4に仮固定された表示装置1を示す図である。この図に示すように、ユーザは、表示パネル2をスタンド4に取り付ける際、ガイド部23および24を利用して、固定金具20を支持部10に適切に取り付ける。ユーザはまず、ガイド部24の側面接触部31が支持部10の側面13に重なり、かつガイド部24の側面接触部32が支持部10の側面14に重なるように、表示パネル2をスタンド4に近づける。このようにして表示パネル2をスタンド4に向けて降ろせば、側面13が側面接触部31に接触し、側面14が側面接触部32に接触し、かつ支持部10の背面が背面接触部33および34が接触した状態で、表示パネル2をスタンド4の方に真っ直ぐ移動する。
【0025】
ユーザは、位置決め部25が支持部10の上端面15に接触し、かつ位置決め部26が支持部10の上端面16に接触するようになるまで、表示パネル2を移動させる。これにより、支持部10の爪部11が自然に固定金具20の係合孔21に係合され、支持部10の爪部12が固定金具20の係合孔22に自然に係合される。こうして、表示パネル2の仮固定が完了する。このとき表示パネル2の横方向は水平方向に一致している。すなわち、表示パネル2は左右に斜めに傾くことなく、平行を保った状態で仮固定される。また、4つのネジ穴17が、対応する4つのネジ穴27にそれぞれ重畳している。
【0026】
図8は、
図7におけるA-A’箇所の断面を示す断面図である。この図に示すように、表示パネル2がスタンド4に仮固定された状態では、支持部10の背面が背面接触部33と接触している。さらに、支持部10の上端面15が、固定金具20の位置決め部25に接触している。図示は省略するが、表示パネル2がスタンド4に仮固定された状態では、支持部10の背面は背面接触部34にも接触している。さらに、支持部10の上端面15が、固定金具20の位置決め部26に接触している。
【0027】
図9は、
図7におけるB-B’箇所の断面を示す断面図である。この図に示すように、表示パネル2がスタンド4に仮固定された状態では、爪部11が係合孔21に係合されている。図示は省略するが、同様に、表示パネル2がスタンド4に仮固定された状態では、爪部12が係合孔22に係合されている。
【0028】
図10は、表示パネル2がスタンド4に固定された表示装置1を示す図である。この図に示すように、ユーザは、表示パネル2をスタンド4に仮固定した後、ネジ41を用いて支持部10および固定金具20を互いに固定する。
図10では、4箇所のネジ穴17および27にそれぞれネジ41を挿入し、これらの箇所をネジ止めする。これにより固定金具20が支持部10に固定されるので、表示パネル2をスタンド4に固定することができる。ネジ41を用いて支持部10および固定金具20を互いに固定すると、表示パネル2をスタンド4の上部に安定して支持することができる。この後、固定金具20の箇所を保護するための保護ケースを取り付けることによって、
図2に示すように、表示装置1の組み立てが完了する。
【0029】
(主要な作用効果)
図4に示すように、ガイド部23および24がいずれも固定金具20の背面方向に突出しているので、ユーザは、ガイド部23および24を確実に視認しながら表示パネル2の取り付け作業を実施することができる。したがってユーザは、表示パネル2を降ろす際に支持部10がガイド部23および24によって正しくガイドされる所定の位置に、表示装置1を容易に近づけることができる。
【0030】
ユーザが表示パネル2を支持部10の方に降ろす際、表示パネル2を左右方向に移動させたり傾けたりする力が表示パネル2に働く可能性がある。仮にこのような力が働いたとしても、左右方向におけるガイド部23の移動が支持部10の側面13によって規制され、かつ左右方向におけるガイド部24の移動が支持部10の側面14によって規制される。これにより、表示パネル2が左右方向に移動したり傾いたりすることが避けられる。さらに、ユーザが表示パネル2を支持部10の方に降ろす際、表示パネル2を前後方向に移動させたり傾けたりする力が表示パネル2に働いたとしても、前後方向におけるガイド部23および24の移動が支持部10の背面によって阻害される。これにより、表示パネル2が前後方向に移動したり傾いたりすることも避けられる。
【0031】
以上のように、ユーザは、表示パネル2を、前後左右のいずれの方向にもずらすことなく正しい位置に維持したまま、スタンド4に向けて降ろすことができる。これにより、爪部11と係合孔21との相対的な位置関係、および爪部12と係合孔22との相対的な位置関係が、いずれも係合に適切な状態に維持されたまま、固定金具20が支持部10に近付くことなる。結果、表示パネル2を下方に降ろすだけで、爪部11および爪部12と係合孔21および係合孔22とが正しく係合する。したがってユーザは、表示パネル2を容易に支持部10に取り付けることができる。
【0032】
図4に示すように、表示パネル2をスタンド4に取り付ける際、横方向に十分な長さを有する2つの位置決め部25および26が、支持部10の2つの上端面15および16にそれぞれ接触する。これにより、表示パネル2の横方向を水平方向に確実に一致させた状態で、表示パネル2をスタンド4に取り付けることができる。
【0033】
なお、表示パネル2が非常に大型であると、1人のユーザでは表示パネル2を持ち上げ辛いかもしれない。そのような場合、例えば2人のユーザがそれぞれ表示パネル2の右側および左側を抱えて表示パネル2を持ち上げればよい。この状況では、例えば一方のユーザがガイド部23を視認し、他方のユーザがガイド部24を視認しながら、互いに協力して表示パネル2をスタンド4に取り付ければよい。
【0034】
(変形例)
図11は、寝かせた状態の表示パネル2をスタンド4に取り付ける際の表示装置1を示す図である。この図に示すように、ユーザは、表示パネル2を寝かせた状態でスタンド4に取り付けることもできる。表示装置1を立たせ辛い状況では、
図11に示すように表示パネル2およびスタンド4をいずれも設置面に寝かせた状態で、例えばスタンド4の方を支持部10に近づけるようにして表示装置1を組み立ててもよい。この場合も、ユーザは、ガイド部23および24を適宜視認しながら、支持部10を正しい取り付け位置に誘導することができる。したがって、表示パネル2をスタンド4に正しく取り付けることができる。
【0035】
〔実施形態2〕
図12は、表示パネル2がスタンド4に取り付けられる前の状態の、実施形態2に係る表示装置1Aの背面側を拡大して示す図である。実施形態2に係る表示装置1Aは、実施形態1に係る表示装置1と基本的に同一の各部材を備えている。しかし、表示装置1Aは、実施形態1とは異なり、固定金具20Aおよび支持部10Aを備えている。
【0036】
固定金具20Aは、階層的に配置される複数の係合孔、具体的には4つの係合孔21、22、61、および62を、有する。固定金具20Aにおける係合孔21および22の位置は、実施形態1に係る固定金具20と同一である。固定金具20Aにおいて、表示装置1Aの設置面の法線方向における係合孔61および62の位置は、法線方向における係合孔21および22の位置と異なる。係合孔61および62は、係合孔21および22よりも、表示パネル2の下端に近い位置に配置されている。設置面の法線方向における係合孔61および62の位置は、互いに同一であり、設置面の法線方向と直交する方向(すなわち表示パネル2の表示面の左右方向)における係合孔61および62の位置は、互いに異なっている。係合孔61と係合孔62との距離は、係合孔21と係合孔22との距離よりも大きい。
【0037】
図13は、支持部10Aの外観を示す図である。この図には、支持部10Aの裏面、すなわち支持部10Aにおける固定金具20Aとの対向面から見た支持部10Aの外観を示す。
図12および
図13に示すように、支持部10Aは、4つの係合孔21、22、61、および62に個別に係合される4つの爪部11、12、51、および52を有する。支持部10において、表示装置1Aの設置面の法線方向における爪部51および爪部52の位置は、法線方向における爪部11および爪部12の位置と異なっている。爪部51および52は、爪部11および12よりも、表示パネル2の下端に近い位置に配置されている。設置面の法線方向における爪部51および52の位置は、互いに同一である。設置面の法線方向と直交する方向(すなわち表示パネル2の表示面の左右方向)における爪部51および52の位置は、互いに異なっている。爪部51と爪部52との距離は、爪部11と爪部12との22との距離よりも大きい。
【0038】
図14は、表示パネル2Aがスタンド4に仮固定された表示装置1Aを示す図である。
図15は、
図14におけるA-A’箇所の断面を示す断面図である。
図14に示す表示パネル2の取り付け方は、基本的に実施形態1と同一である。しかし本実施形態では、表示パネル2の取り付け時に、4つの爪部11、12、51、および52が、対応する係合孔21、22、61、および62に個別に係合される。すなわち、爪部11は係合孔21に係合され、爪部12は係合孔22に係合される。さらに、
図14および
図15に示すように、爪部51は係合孔61に係合され、爪部52は係合孔62に係合される。
【0039】
本実施形態では、表示パネル2をスタンド4に取り付ける際、爪部11および51が、表示装置1の設置面の法線方向における異なる位置で係合孔21および61に係合される。同様に、爪部12および52が、表示装置1の設置面の法線方向における異なる位置で係合孔22および62に係合される。これにより、固定金具20を支持部10に取り付けた際に、支持部10から法線方向に沿って固定金具20に伝わる応力を、爪部11および51のそれぞれに分散させることができる。さらに、当該応力を、爪部12および52のそれぞれにも分散させることができる。結果、表示パネル2の取り付け時に、固定金具20A内の一箇所に強い応力が加わることを防止できるので、固定金具20Aに亀裂が入ることを抑制することができる。
【0040】
〔実施形態3〕
図16は、本発明の実施形態2に係る表示装置1Bの構成を示す図である。表示装置1Bは、実施形態1に係る表示装置1Aと基本的に同一の各部材を備えている。しかし、表示装置1Bは、実施形態2とは異なり、固定金具20Bを備えている。
【0041】
固定金具20Bは、階層的に配置される4つの係合孔21、22、61、および62を有する。固定金具20Bにおける係合孔21、22、61、および62の位置は、実施形態2に係る固定金具20Aと同一である。しかし固定金具20Bでは、実施形態1と異なり、係合孔21、22、61、および62は、係合孔21、22、61、62における爪部11、12、51、および52との当接箇所から広がるように形成されている。すなわち、係合孔21は、係合孔21における爪部11との当接箇所から広がるように形成されている。同様に、係合孔22は、係合孔21における爪部12との当接箇所から広がるように形成されている。係合孔61および62についても同様である。
【0042】
図16の例では、係合孔21、22、61、62は、爪部11、12、51、および52から見て逆三角形の形状となっている。すなわち、係合孔21、22、61、62は、表示パネル2により近い位置ほど左右方向により広がっており、表示パネル2から最も離れた位置が最も狭くなっている。
【0043】
図17は、表示パネル2Bがスタンド4に仮固定された表示装置1Bを示す図である。
図18に示す表示パネル2Bの取り付け方は、実施形態2と同一である。本実施形態では、固定金具20の係合孔21、22、61、62が、爪部11、12、51、および52との当接箇所から広がるように形成されているので、その面積が広くなっている。これにより、爪部11、12、51、および52を、対応する係合孔21、22、61、62により容易に挿入することができる。結果、爪部11、12、51、および52を、係合孔21、22、61、62により確実に係合させることができる。
【0044】
〔実施形態4〕
図18は、本発明の実施形態4に係る表示装置1Cの構成を示す図である。表示装置1Cは、実施形態1に係る表示装置1Bと基本的に同一の各部材を備えている。しかし、表示装置1Cは、実施形態3とは異なり、固定金具20Cを備えている。
【0045】
図19は、固定金具20Cの外観を示す図である。
図19の1110は、固定金具20における表面側の外観を示す。
図19の1120は、固定金具20における左側面側の外観を示す。
図19の1130は、固定金具20における右側面側の外観を示す。
図18および
図19に示すように、固定金具20は、ガイド部23Cおよび24Cを有する。ガイド部23Cおよび24Cは、ガイド部23および24と一部の形状が異なる。
【0046】
ガイド部23Cは、側面接触部31Cおよび背面接触部33Cを有し、ガイド部24Cは、側面接触部32Cおよび背面接触部34Cを有する。背面接触部33Cにおける表示パネル2の下方側を向いた端部近辺の部分は、表示パネル2の背面方向に突出している。言い換えれば、背面接触部33Cは、固定金具20Cの表面と平行な部分と、固定金具20Cの表面に対して傾斜する部分とを有する。同様に、背面接触部34Cにおける表示パネル2の下方側を向いた端部近辺の部分は、表示パネル2の背面方向に突出している。言い換えれば、背面接触部34Cは、固定金具20Cの表面と平行な部分と、固定金具20Cの表面に対して傾斜する部分とを有する。
【0047】
図20は、表示パネル2がスタンド4に仮固定された表示装置1Cを示す図である。
図21は、
図20におけるA-A’箇所の断面を示す断面図である。
図21に示す表示パネル2の取り付け方は、基本的に実施形態3と同一である。しかし、本実施形態では、表示パネル2をスタンド4に取り付ける際、背面接触部33Cおよび34Cにおける表示パネル2の下方側の端部と、固定金具20Cの表面との間がより広がっているため、支持部10の両側部をガイド部23Cの内部空間により容易に挿入することができる。これにより、表示パネル2をより確実に支持部10に取り付けることができる。
【0048】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【0049】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルを支持するスタンドと、前記スタンドに固定される支持部であって、前記表示パネルの正面方向に突出する爪部を有する支持部と、前記表示パネルに固定される固定金具であって、前記爪部が係合される係合孔と、前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記支持部の第1側面に接触する第1側面接触部と、前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記支持部の背面に接触する第1背面接触部とを有する第1ガイド部と、前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記支持部の第2側面に接触する第2側面接触部と、前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記支持部の背面に接触する第2背面接触部とを有する第2ガイド部とを有する固定金具とを備えている構成である。
【0050】
本発明の態様2に係る表示装置は、上記の態様1において、前記固定金具は、前記表示装置の設置面の法線方向における異なる位置に形成される複数の前記係合孔を有し、前記支持部は、複数の前記係合孔に個別に係合される複数の前記爪部を有する構成としてもよい。
【0051】
本発明の態様3に係る表示装置は、上記の態様1または2において、前記係合孔は、前記係合孔における前記爪部との当接箇所から広がるように形成されている構成としてもよい。
【0052】
本発明の態様4に係る表示装置は、上記の態様1~3のいずれかにおいて、前記第1背面接触部における、前記表示パネルの下方側を向いた端部近辺の部分は、前記表示パネルの背面方向に突出しており、前記第2背面接触部における、前記表示パネルの下方側を向いた端部近辺の部分は、前記表示パネルの背面方向に突出している構成としてもよい。
【0053】
本発明の態様5に係る表示装置は、上記の態様1~4のいずれかにおいて、前記支持部は、前記支持部の上端部における、前記支持部の左右方向の中央位置から前記表示パネルの右端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記表示パネルの横方向に延伸する第1上端面と、前記支持部の上端部における、前記支持部の左右方向の中央位置から前記表示パネルの右端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記表示パネルの横方向に延伸する第2上端面とを有し、前記固定金具は、前記固定金具の表面の面内左右方向の中央位置から前記表示パネルの右端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記表示パネルの横方向に延伸し、かつ前記第1上端面と接触する第1位置決め部と、前記固定金具の表面の面内左右方向の中央位置から前記表示パネルの右端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記表示パネルの横方向に延伸し、かつ前記第2上端面と接触する第2位置決め部とを有する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1、1A、1B、1C 表示装置
2、2A、2B 表示パネル
4 スタンド
6 土台部
8 支柱部
10、10A 支持部
11、12、51、52 爪部
13、14 側面
15、16 上端部
17、27 ネジ穴
20、20A、20B、20C 固定金具
21、22、61、62 係合孔
23、23C、24、24C ガイド部
31、31C、32、32C 側面接触部
33、33C、34、34C 背面接触部
41 ネジ