(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】抵抗低減型アクティブオンアクティブのダイ積層向けの電力分配
(51)【国際特許分類】
H01L 21/82 20060101AFI20240719BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20240719BHJP
H01L 25/065 20230101ALI20240719BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20240719BHJP
H01L 27/00 20060101ALI20240719BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240719BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240719BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20240719BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20240719BHJP
H01L 27/092 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H01L21/82 L
H01L25/08 C
H01L27/00 301C
H01L21/88 J
H01L21/88 T
H01L27/092 F
H01L27/092 G
H01L27/092 K
H01L21/82 Z
(21)【出願番号】P 2020544000
(86)(22)【出願日】2019-02-21
(86)【国際出願番号】 US2019018977
(87)【国際公開番号】W WO2019165087
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-14
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン, プラフル
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0141274(US,A1)
【文献】特開2011-228419(JP,A)
【文献】特開2014-057065(JP,A)
【文献】特開2007-067216(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1925147(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/82
H01L 25/07
H01L 27/00
H01L 27/092
H01L 21/3205
H01L 21/8238
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン貫通ビア(TSV)および組合せ煙突を有する第1のダイ本体であって、前記TSVおよび組合せ煙突が、前記第1のダイ本体の上面と下面の間に導電性経路を形成する、第1のダイ本体と、
前記第1のダイ本体の内部に配設された第1の標準的なセルと、
第1のダイ本体の内部で前記第1の標準的なセル上に配設されて第1のBEOL積層の一部分を形成する第1の複数の金属層であって、前記第1の標準的なセルの最も近くの第1の金属層、および前記第1の標準的なセルから最も遠くの最後の金属層を含む第1の複数の金属層とを備える半導体ダイであって、前記第1の複数の金属層が、
前記第1の金属層より上で前記第1の複数の金属層の前記最後の金属層より下に配設された第1の電力分配ネットワーク層であって、
当該前記第1の電力分配ネットワーク層に関連したインタレベル誘電体層内のトレンチ内に形成された水平方向のパターンを含み、前記第1の標準的なセルに対して供給電圧または接地のうち少なくとも1つを与えるように構成された第1の電力分配ネットワーク層を備え、前記第1の電力分配ネットワーク層、前記第1の金属層および前記最後の金属層が、前記組合せ煙突の一部分を備え、前記第1の電力分配ネットワーク層が前記第1の金属層および前記最後の金属層よりも厚い、半導体ダイ。
【請求項2】
前記組合せ煙突およびTSVが垂直に整列した、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項3】
前記第1の電力分配ネットワーク層が前記第1の金属層および前記最後の金属層より少なくとも2倍厚い、請求項2に記載の半導体ダイ。
【請求項4】
前記第1の電力分配ネットワーク層が、前記第1の電力分配ネットワーク層の上と下とに配設された前記第1の複数の金属層と比較して、より低い固有抵抗を有する、請求項2に記載の半導体ダイ。
【請求項5】
前記第1の電力分配ネットワーク層の上に配設された前記第1の複数の金属層が、2Ωを超えて10Ω未満の積層抵抗を有するように構成されており、前記第1の電力分配ネットワーク層の下に配設された前記第1の複数の金属層が、1Ω以下の積層抵抗を有するように構成されている、請求項2に記載の半導体ダイ。
【請求項6】
第1のダイと、
内部に標準的なセルが形成されている第2のダイとを備えるアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスであって、
前記第2のダイの上に前記第1のダイが積層されてダイ積層をもたらし、
前記第1および第2のダイのそれぞれが、複数のインタレベル誘電体層に形成された複数の金属層を有して、前記第1および第2のダイの各々の頂面と底面の間の垂直に整列した導電経路を形成する第1の積層構造および第2の積層構造をもたらし、
前記標準的なセルに対して供給電圧または接地を与えるように構成された前記第2の積層構造の電力分配ネットワーク層が、前記複数の金属層のうち前記標準的なセルに最も近い第1の金属層と、前記複数の金属層のうち前記標準的なセルから最も遠い最後の金属層との間に配置され
、前記電力分配ネットワーク層が前記電力分配ネットワーク層に関連したインタレベル誘電体層内のトレンチ内に形成された水平方向のパターンを含み、前記電力分配ネットワーク層が前記第1の金属層および前記最後の金属層よりも厚い、アクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイス。
【請求項7】
前記第1のダイの第1の基板を通って延在する第1の基板貫通ビアと、
前記第2のダイの第2の基板を通って延在する第2の基板貫通ビアとをさらに備え、前記第1の基板貫通ビアが、前記第1のダイと前記第2のダイの間に配設された接合材料によって、また、前記第1および第2のダイの各々の前記導電経路を結合することにより、前記第2の基板貫通ビアに結合されている、請求項6に記載のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイス。
【請求項8】
頂面および底面を伴う第3の基板を有する第3のダイであって、導電性のための第3の積層構造をもたらすために、複数のインタレベル誘電体層に形成された複数の金属層を有する第3のダイと、
前記第3のダイの上の第2のダイであって、前記第2の基板の前記底面が前記第3の基板の前記頂面に面して前記ダイ積層をもたらす、第2のダイとをさらに備える請求項7に記載のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイス。
【請求項9】
導電性のために、前記第2の基板貫通ビアの上端と相互接続された前記第2の積層構造と、
導電性のために、前記第2の基板貫通ビアの下端と相互接続された、前記第2の基板の前記底面近くの前記第3の積層構造の金属層とをさらに備える請求項8に記載のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイス。
【請求項10】
前記電力分配ネットワーク層が、前記標準的なセルの上に配設された前記複数の金属層のものよりも低い固有抵抗を有する、請求項6に記載のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイス。
【請求項11】
前記電力分配ネットワーク層が前記標準的なセルの上に配設された前記複数の金属層の金属層より少なくとも2倍厚い厚さを有する、請求項6に記載のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイス。
【請求項12】
前記第1の積層構造の上層が、2Ωを超えて10Ω未満の積層抵抗を有するように構成されて前記電力分配ネットワーク層の上に配設されており、前記第1の積層構造の下層が、1Ω以下の積層抵抗を有するように構成されて前記標準的なセルと前記電力分配ネットワーク層の間に配設されている、請求項6に記載のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイス。
【請求項13】
前記第1の積層構造が、前記複数の金属層の前記下層において、前記下層に、前記上層の経路よりも固有抵抗が低い経路をもたらすために、前記複数の金属層の前記上層のものよりも高いビア密度を有するように構成されている、請求項12に記載のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイス。
【請求項14】
アクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスを形成するための方法であって、
頂面と底面の間に基板貫通ビアが延在している第1の基板と、第1の標準的なセルとを有する第1のダイを取得することと、
頂面および底面を伴う第2の基板と、第2の標準的なセルとを有する第2のダイを取得することと、
前記第1の基板の前記底面が前記第2の基板の前記頂面と面した状態で、前記第2のダイの上で前記第1のダイを相互接続して、ダイ積層をもたらすこととを含む方法において、
前記第1のダイおよび前記第2のダイがそれぞれ、導電性のために、それぞれ、前記第1および第2の標準的なセルの上に、複数のインタレベル誘電体層の中に形成された複数の金属層を有して、前記第1のダイの頂面に対して露出された第1の積層構造および前記第2のダイの頂面に対して露出された第2の積層構造をもたらし、
導電性のために、前記第1の積層構造が前記基板貫通ビアの上端と相互接続されており、
前記相互接続することが、導電性のために、前記第1の基板の前記底面近くの前記第2の積層構造の金属層を、前記基板貫通ビアの下端に接続することを含み、
前記複数の金属層の下層と上層の間に前記第2の積層構造の電力分配ネットワーク層が配置され、
前記電力分配ネットワーク層が、前記第2の標準的なセルに対して最も近い前記下層の第1の金属層および前記第2の標準的なセルから最も遠い前記上層の最後の金属層よりも厚く、
第1のターゲット回路および第2のターゲット回路が、それぞれ前記第1の基板および前記第2の基板に少なくとも部分的に配置され、
前記第2のターゲット回路が前記電力分配ネットワーク層
の水平方向のパターンと相互接続されて、供給電圧または接地のうち少なくとも1つを受け取
り、前記水平方向のパターンは前記電力分配ネットワーク層に関連した前記インタレベル誘電体層のうちの1つ内のトレンチ内に形成されている、方法。
【請求項15】
さらに、
前記基板貫通ビアが第1の基板貫通ビアであり、
前記第2のダイが、前記第2の基板の前記頂面と前記底面の間に延在する第2の基板貫通ビアを有し、
第3のダイが、頂面および底面を伴う第3の基板を有し、
前記第3のダイが、導電性のための第3の積層構造をもたらすために、複数のインタレベル誘電体層に形成された複数の金属層を有し、
前記第2の基板の前記底面が前記第3の基板の前記頂面と面した状態で前記第3のダイの上に前記第2のダイを相互接続して前記ダイ積層をもたらす、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は集積回路デバイス(「IC」)に関するものである。より具体的には、以下の説明は、マイクロ電子デバイスにおける電流抵抗(「IR」)損失を低減するための抵抗低減型アクティブオンアクティブのダイ積層向けの電力分配に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、時間の経過につれてより「密に」なっており、すなわち所与のサイズのICにおいてより多くの論理フィーチャが実装されている。しかしながら、回路密度をさらに増加するために、集積回路ダイが互いに積層されて「3D」IC用などのダイ積層を形成する。しかしながら、そのようなダイ積層では電圧降下による制約がある。たとえば、制約の1つには、ダイ積層の電力レールすなわち電力および/または接地の導電経路に沿った電圧降下があり得る。
【発明の概要】
【0003】
装置は、一般的にはアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスに関するものである。そのような装置では、第1のダイは第1の基板を有し、第1の基板の頂面と底面の間に基板貫通ビアが延在している。第2のダイは、頂面および底面を伴う第2の基板を有する。第1のダイは、第1の基板の底面が第2の基板の頂面に面した状態で第2のダイの上にあり、ダイ積層をもたらす。第1のダイおよび第2のダイはそれぞれ、導電性のために、それぞれ、複数のインタレベル誘電体層の中に形成された複数の金属層を有し、第1の積層構造および第2の積層構造をもたらす。導電性のために、第1の積層構造が基板貫通ビアの上端と相互接続されている。導電性のために、第1の基板の底面近くの第2の積層構造の金属層が、基板貫通ビアの下端と相互接続されている。第2の積層構造の複数の金属層の下層と上層の間に電力分配ネットワーク層が配置されている。第1の基板および第2の基板には、それぞれ第1のトランジスタおよび第2のトランジスタが少なくとも部分的に配置されている。第2のトランジスタは、電力分配ネットワーク層と相互接続されて、供給電圧または接地のうち少なくとも1つを受け取る。
【0004】
方法は、一般的にはアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスの形成に関するものである。そのような方法では第1のダイが取得される。第1のダイは、第1の基板の頂面と底面の間に延在する基板貫通ビアを伴う第1の基板を有する。頂面および底面を伴う第2の基板を有する第2のダイが取得される。第1のダイは、第1の基板の底面が第2の基板の頂面と面した状態で第2のダイの上で相互接続されて、ダイ積層をもたらす。第1のダイおよび第2のダイはそれぞれ、導電性のために、それぞれ、複数のインタレベル誘電体層の中に形成された複数の金属層を有し、第1の積層構造および第2の積層構造をもたらす。導電性のために、第1の積層構造が基板貫通ビアの上端と相互接続されている。導電性のために、第1の基板の底面近くの第2の積層構造の金属層が、第1のダイと第2のダイの相互接続の一部分として基板貫通ビアの下端に接続されている。第2の積層構造の複数の金属層の下層と上層の間に第2の積層構造の電力分配ネットワーク層が配置されている。第1の基板および第2の基板には、それぞれ第1のトランジスタおよび第2のトランジスタが少なくとも部分的に配置されている。第2のトランジスタは、電力分配ネットワーク層と相互接続されて、供給電圧または接地のうち少なくとも1つを受け取る。
【0005】
別の例では、第1の複数の金属層および第1の標準的なセルを含む半導体ダイが開示される。第1の標準的なセルおよび第1の複数の金属層は、第1のダイ本体の内部に配設されている。第1の複数の金属層は、第1のBEOL積層の一部分を形成する。第1の金属層を含む第1の複数の金属層が第1の標準的なセルの最も近くに配設されており、最後の金属層が第1の標準的なセルから最も遠くに配設されている。第1の電力分配ネットワーク層を含む第1の複数の金属層が、第1の標準的なセルより上で第1の複数の金属層の最後の金属層より下に配設されている。第1の電力分配ネットワーク層は、第1の標準的なセルに対して供給電圧または接地のうち少なくとも1つを与えるように構成されている。
【0006】
さらに別の例では、アクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスが提供される。アクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスは、第1のダイと、内部に標準的なセルが形成されている第2のダイと、電力分配ネットワーク層とを含む。第2のダイの上に第1のダイが積層されてダイ積層をもたらす。第1のダイおよび第2のダイのそれぞれが、複数のインタレベル誘電体層の中に形成された複数の金属層を有し、第1の積層構造および第2の積層構造をもたらす。第2の積層構造の電力分配ネットワーク層は、複数の金属層のうち標準的なセルに最も近い第1の金属層と、複数の金属層のうち標準的なセルから最も遠い最後の金属層の間に配置されている。電力分配ネットワーク層は、標準的なセルに対して供給電圧または接地を与えるように構成されている。
【0007】
以下の発明を実施するための形態および特許請求の範囲を検討すれば、他の特徴が認識されよう。
【0008】
添付図面は例示的装置および/または方法を示す。しかしながら、添付図面は説明および理解のみを目的とするものであり、特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ウェーハレベル処理(「WLP」)に関する例示的製造過程のウェーハ積層の上から下への側面を表す透視図である。
【
図2-1】ダイ積層を有するマイクロ電子デバイスの例示的部分の側面を表すブロック図である。
【
図2-2】別のダイ積層を有する別のマイクロ電子デバイスの例示的部分の側面を表すブロック図である。
【
図3-1】下部の金属化レベルにおける半導体ダイの例示的部分の断面を表すブロック図である。
【
図3-2】上部の金属化レベルにおける半導体ダイの例示的部分の断面を表すブロック図である。
【
図3-3】中間の電力分配ネットワークレベルにおける半導体ダイの例示的部分の断面を表すブロック図である。
【
図4-1】
図2-1のようなダイ積層を有する別のマイクロ電子デバイスの例示的部分の側面を表すブロック図である。
【
図4-2】もう1つのダイ積層を有するさらに別のマイクロ電子デバイスの例示的部分の側面を表すブロック図である。
【
図5】例示的マイクロ電子デバイスを形成する流れを表す流れ図である。
【
図6】例示的縦欄式フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)アーキテクチャを表す簡略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、本明細書で説明された特定の例をより十分に説明するために、多くの特定の詳細が明らかにされる。しかしながら、以下に示される特定の詳細のすべてはなくとも、これらの例の1つまたは複数の他の例および/または変形形態が実施され得ることが当業者には明らかなはずである。他の実例では、本明細書例の説明が曖昧にならないように、周知の特徴は詳細には説明されない。例証の容易さのために、同一の項目を参照するために、異なる図において同一の番号ラベルが使用されているが、代替の例では項目が異なることがある。
【0011】
本明細書では例示的装置および/または方法が説明される。「例示的」という語は、本明細書では、「一例、実例、または例証として役立つ」ことを意味するように使用されることを理解されたい。本明細書で「例示的」として説明されるあらゆる例または特徴は、必ずしも他の例または特徴よりも望ましいものまたは有利なものと解釈されるべきではない。
【0012】
いくつかの図において例示的に表される例を説明する前に、さらなる理解のための全般的な紹介が提供される。半導体処理ノードがますます小さくなる状況で、従来の「2D」スケーリングの難易度がより高くなるにつれて、基板貫通ビア(「TSV」)を使用して半導体基板ダイまたは半導体ダイなどの個別のダイどうしを積層することが、回路密度を高めるためのより魅力的な手法になる。そのように、アクティブオンアクティブのダイ積層が、ダイ積層として、またはダイ積層の一部分として使用され得る。
【0013】
ダイ積層の構造のために、2Dダイの構成によって束縛され続ける意味はない。言い換えれば、ダイ積層を従来の2Dダイの積層で構成する必要はない。
【0014】
各半導体処理ノードの進行とともに電圧降下または電流抵抗(「IR」)降下が増し、いくつかの事例では2倍になる。サブ20ナノメートル半導体プロセスノードにおいて、電力レールおよび接地レールにおけるIR降下の急増が観測されている。これは、たとえばアクティブオンアクティブのダイ積層を設けることなどの積層用に従来の2Dダイを使用すると、著しいIR降下が生じ得ることを意味する。IR降下が累積すると、たとえばトランジスタなどの素子にわたる利用可能な電圧が低下する。IR降下のそのような累積に対処するために供給電圧または供給電力を増加すると、電力消費が増加する可能性がある。
【0015】
しかしながら、マイクロ電子デバイスの電力消費を低減するために、供給電圧の下方スケーリングが使用されている。追加のIR降下と組み合わされた供給電圧低下により、性能目標の達成がかなり困難になっている。
【0016】
そのようなダイ積層において電力および接地電流を伝えるために使用されるTSVならびに対応する煙突状の積層構造(すなわち「煙突」または「組合せ煙突」)には累積的なIR降下があり、従来の非積層2DダイにおけるIR降下よりも大きくなり得る。従来の非積層2Dダイ構成では、電力および接地の分配は最上部の導電層が起源であり、金属化レベルを下って基板まで伝播する。従来の2Dダイのダイ積層では、電力および接地の分配は基板の背面が起源であり、TSVおよび煙突金属化レベルを通って最上部の金属化レベルまで上昇し、次いで、そのような金属化レベルを戻って基板まで下降してよい。
【0017】
従来の、煙突構造のための、設置してルーティングする(「PnR」)セルまたはブロックは、金属層の間により多くの導電性ビアを有することによってIR降下を低下させる。さらに、より多くの煙突を有することにより、IR降下またはIR損失の影響を緩和することができる。しかしながら、これらの構成では、より大きな領域が使用されてダイ当たりのコストが増加する。
【0018】
そのような従来のダイ積層における電力および接地の分配とは対照的に、電力および接地の分配のための低抵抗経路が以下でさらに詳細に説明される。以下で説明されるように、IR降下を低下させるために、煙突金属化レベルをバイパスするための、煙突の暫定バス経路が設けられる。そのような煙突の暫定バス経路には、電力および接地の分配ネットワーク(「PDN」)の金属化層が備わっていてよい。電力または接地の経路の電流を導くための煙突からの「早期の流出ランプ」バスは、IR降下を低下させる。そのような「早期の流出ランプ」には、従来の中間の金属化レベルよりも厚く形成された中間の金属化レベルが備わっている。電力および接地の分配のためにより厚い中間の金属化レベル(すなわち電力および接地のバッシング用の厚いパターン)を設けることにより、ダイ積層において従来の電力および接地のルーティングと比較してIR降下が低減され得る。面積を増加、それゆえにダイ当たりのコストを増加する必要はなく、IR降下を少なくとも20パーセント低減することができる。
【0019】
上記の一般的な理解を念頭に置いて、ダイ積層用の様々な構成が以下で全般的に説明される。
【0020】
図1は、ウェーハレベル処理(「WLP」)に関する例示的製造過程を表す、ウェーハ積層100の上から下への側面透視図である。頂部ウェーハ101と底部ウェーハ102は互いに結合され得る。たとえば、導電性ならびに機械的結合のために、ダイ対ダイレベル、ウェーハ対ウェーハレベル、またはダイ対ウェーハレベルでのダイ対別のダイの接合または相互接続のためのCu/Snマイクロバンプの過渡液相(「TLP」)接合技術が使用され得る。しかしながら、ダイ対別のダイの他のタイプの相互接続が使用されてもよい。
【0021】
3Dダイ積層のダイの上面と下面の一方または両方に相互接続層があってよい。導電性のために、ダイ積層の対応するダイを相互接続するダイ対ダイ相互接続を用いてそのように結合した後には、ウェーハ101の下面101bとウェーハ102の上面102aが互いに面してよい。そのように、頂部ウェーハ101の半導体ダイ(「アクティブダイ」)104が底部ウェーハ102の対応するアクティブダイ105に結合されて、積層されたダイまたはダイ積層の積層されたウェーハ103を形成する。
【0022】
半導体ダイ104および105の各々が、シリコン(Si)、砒化ガリウム(GaAs)、シリコンカーボン(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、Sii-xGex等の半導体材料の基板を含み得る。その上、1つまたは複数の基板貫通ビア構造および2つ以上のアクティブダイを含む基板を伴うダイ積層を有する任意のマイクロ電子素子が使用され得る。アクティブダイはトランジスタを含み、パッシブダイはトランジスタを有していないので、アクティブダイはパッシブダイと区別され得る。以下でアクティブオンアクティブのダイ積層を説明する。
【0023】
数ある構造の中で、ウェーハ、ダイおよび基板に関して本明細書で使用されるように、「上面」および「下面」などの用語は、全体的に「水平方向」または他の横方向に延在し、厚さにおいて全体的に互いに平行なフィーチャを指示するために使用される。「水平方向の」、「上の」および「下の」などの用語または他の方向を示す用語は、図の基準座標系および/または処理中の配向に関して使用され、さらなる組立体においてまたは様々なシステムで使用されるなど可能性のある代替配向に対する制限を意味するわけではない。
【0024】
そのように、ウェーハ101または102の処理において、上面101aまたは102aは、一般に、それぞれ製造過程のウェーハの「前面」と称されるものに関連づけられてよく、下面101bまたは102bは、一般に、それぞれ製造過程のウェーハの「背面」と称されるものに関連づけられてよい。そのように、製造過程のウェーハの前面は、ライン製造のフロントエンド(「FEOL」)構造と称されるものを形成するために使用されてよく、製造過程のウェーハの背面はライン製造のバックエンド(「BEOL」)構造を形成するために使用されてよい。一般に、FEOL構造は、数あるFEOL構造の中で、シャロウトレンチアイソレーション(「STI」)、トランジスタのゲート、トランジスタのソース/ドレイン領域、トランジスタのゲート誘電体、接触エッチング停止層(「CESL」)、プレ金属化誘電体すなわちプレ金属誘電体(「PMD」)、および接触プラグを含み得る。PMDは1つまたは複数の層から成り得る。一般に、BEOL構造は、1つまたは複数のレベル間誘電体(「ILD」)および1つまたは複数の金属化(「M」)のレベルを含み得る。以下の例では例示的に複数のILDが表されるが、他の構成では、例示的に表されたものよりも少ないILDまたは多くのILDがあり得る。その上、各ILDは1つまたは複数の誘電体層から成ってよい。以下の例では、複数の金属化レベルまたは金属層が例示的に表されるが、他の構成では、例示的に表されたものよりも少ない金属化のレベルまたは多くの金属化のレベルがあり得る。さらに、知られているように、金属化レベルからの金属は、導電性ビアの形態で1つまたは複数のILDを通って延在し得る。その上、それぞれの金属化のレベルは1つまたは複数の金属層から成ってよい。
【0025】
最後すなわち最上部の金属化層または金属化レベルにはパッシベーションレベルが形成されてよい。そのようなパッシベーションレベルは1つまたは複数の誘電体層を含み得、反射防止コーティング(「ARC」)をさらに含み得る。パッシベーション層は、ポリマ層など1つまたは複数の誘電体層から形成され得る。たとえば、パッシベーション層は、ベンゾシクロブテン(「BCB」)層またはシリコン窒化物層とBCB層の組合せでよい。いくつかのダイ積層用途では、パッシベーション層はダイ間層と称されることがある。
【0026】
銅、銅合金、または他の金属などの金属層が、パッシベーション層上および最上部のビア導体の下端接触面上に形成されてよい。この金属層はRDL金属層でよい。ボールまたはバンプがそれぞれ接合パッド上に形成されてよく、そのようなパッドは、そのような金属層の一部分上に、またはその一部分として形成され得る。ボールは、はんだまたは他の共晶接合材料などの接合材から形成されてよい。ボールは、マイクロバンプ、C4バンプ、ボールグリッドアレイ(「BGA」)ボール、またはいくつかの他のダイ相互接続構造でよい。いくつかの用途では、最上部の金属層はランディングパッド層またはランディングパッドと称されることがある。
【0027】
その上、そのようなパッシベーションレベルに再分配層(「RDL」)が形成されてよい。従来、RDLは、たとえばポリイミド層などの誘電体層と、そのような誘電体層上にあり、最後の金属化レベルの金属層のボンドパッドに接続された別の金属層と、そのようなRDL金属層を、別のボンドパッドをもたらすように一部分は露出させたまま覆う、たとえば別のポリイミド層などの別の誘電体層とを含み得る。端子開口が、そのようなRDL金属層の他のそのようなボンドパッドを露出し得る。その後、そのようなボンドパッドに対して、慣例通りにハンダバンプまたはワイヤボンドが結合されてよい。
【0028】
FEOL構造またはBEOL構造の形成の一部分として、基板に形成されて基板の中へ延在する開口の中に複数のビア構造が延在してよい。ビア構造は、一般に、基板に形成された開口または穴を充填するかまたはめっきすることによって形成された任意の形状の任意の固体の形態であり得る。そのような固体形状の例は、一般に、円柱形、円錐形、円錐台状、四角筒状、立方体等を含む。
【0029】
従来、基板貫通ビア構造すなわちTSVは、基板の上面から下面まで、または基板の下面に向かって延在してよく、すなわち最初に基板の前面からエッチングし、次いで、そのような基板のそのようなエッチング穴の中に材料をめっきするかまたは堆積することによって前面TSVが形成される。そのように、そのようなTSVの底部を露出するための背面暴露の後に、基板の厚さがTSVの下端面を暴露するように効果的に薄くなり得るので、基板の上面と下面の間にTSVが延在し得る。しかしながら、TSVは背面ビア構造を有し得る。背面TSVの製作は一般に「ビアラスト手法」と称され、したがって、前面TSVの製作は一般に「ビアファースト手法」と称される。その上、「ビアミドル手法」が使用されてもよい。「ビアミドル手法」は同様にビア形成のための前面手法であるが、ビアがFEOL動作の後、一般に、BEOL動作の前に作製されるため、「ミドル」と称される。以下の説明は、一般に、形成するためのビアファースト手法、ビアラスト手法、またはビアミドル手法のいずれかまたはすべての前面TSVまたは背面TSVに対して同様に当てはまる。
【0030】
TSVは、それぞれが、基板の上面と同じ高さの上端接触面と、背面暴露の後などのそのような基板の下面と同じ高さの下端接触面とを含み得る。以下でさらに詳細に説明されるように、末端面は、TSVを他の内部部品または外部部品と相互接続するために使用され得る。
【0031】
たとえば、ビア導体の上端接触面は、それぞれの導体パッドによって第1の金属化レベル(「M1」)と相互接続され得る。導体パッドは、M1が延在するPMDに形成されたそれぞれの開口に形成されてよい。しかしながら、他の構成では、1つまたは複数のビア導体が、1つまたは複数のILDを通って1つまたは複数の他の高レベルの金属化まで延在してよい。
【0032】
最近になって、TSVは、3次元(「3D」)ICすなわち「3D IC」と称されるものをもたらすために使用されている。一般に、接合パッドレベルまたはオンチップ電気配線レベルでは、基板を通る導電性経路としてTSVを用いて1つのダイが別のダイに取り付けられ得るが、ウェーハ対ウェーハの接合が使用されてもよい。半導体ダイ104および105などの半導体ダイは、ウェーハ101および102からそれぞれ単一ダイにダイシングされ得る。そのような単一ダイが互いに接合されてよく、または回路プラットフォームに接合されてよい。回路プラットフォームの例には、インタポーザ、パッケージ基板、およびプリント回路基板がある。
【0033】
2つ以上のダイの相互接続、1つまたは複数のダイとインタポーザの相互接続、またはそれらの任意の組合せのために3Dウェーハレベルパッケージング(「3D-WLP」)が使用され得、相互接続にはTSVが使用され得る。任意選択で、ダイは、ダイ対ダイ(「D2D」)またはチップ対チップ(「C2C」)の相互接続が可能であり、相互接続にはTSVが使用され得る。その上、任意選択で、ダイは、ダイ対ウェーハ(「D2D」)またはチップ対ウェーハ(「C2W」)の相互接続が可能であり、相互接続にはTSVが使用され得る。それゆえに、3Dの積層されたIC(「3D-SIC」または「3D-IC」)をもたらすために、種々のダイ積層手法またはチップ積層手法のうち任意のものが使用され得る。
【0034】
明瞭さのために、限定でない例として、ダイ積層に少なくとも2つのアクティブダイを有するD2Dダイ積層を用いるダイレベルのパッケージングが使用されると想定する。ダイ対ダイ積層用のWLPは、現在3Dダイ積層の商業生産向けの慣例ではないので、ダイシングされるダイ対ダイ積層が以下でさらに詳細に説明される。しかしながら、本明細書の説明に従って、WLPを含むがこれに限らない他の構成が使用されてもよい。その上、半導体ダイの形成に関する前述の詳細の多くは、限定ではなく明瞭さのために、以下では繰り返されない。
【0035】
図2-1は、ダイ積層210Aを有するマイクロ電子デバイス200Aの例示的部分の側面を表すブロック図である。ダイ積層210Aは、互いに結合された上部の半導体ダイ211と下部の半導体ダイ212とを含む。上部の半導体ダイ211、212のそれぞれが一体型本体を有し、
図2-1内の同一の参照数字を利用して参照され得る。上部の半導体ダイ211の背面201が下部の半導体ダイ212の前面202に結合されており、すなわち下面201と上面202は互いに面する。
【0036】
上部の半導体ダイ211は、TSV 222を有する基板213を含む。明瞭さのためにTSV 222は1つしか例示的に表されていないが、基板213は2つ以上のTSVを含み得る。TSV 222は、基板213の上面208と基板213の背面201の間に延在する。この例では、限定ではなく明瞭さのために、背面201は上部の半導体ダイ211の基板213のものである。しかしながら、別の例では、半導体ダイの背面は、裏側RDLの表面あるいは基板213のそのような背面201に形成された他の1つまたは複数の層でよい。その上に、この例では、TSV 222は、TSV 222の一部分に対する形態を提供するために使用されるPMD層を使用するなどして、上面208より上に延在する。これは、TSV 222が、上部の半導体ダイ211に形成されたM1~M13として例として例示的に示された複数の金属化層のうち金属層M1と相互接続されていることを示すための単なる便宜上のことである。しかしながら、以下でさらに詳細に説明されるように、金属層M1は、TSV 222に対する相互接続であり得る導電性ビアを形成するために使用されてよい。
【0037】
限定ではなく明瞭さのために全体的に表されているように、上部の半導体ダイ211は回路を形成する回路素子を含み得、そのような回路素子は1つまたは複数のトランジスタ224ならびに他の回路素子を含み得る。一例では、ゲートおよびゲート誘電体(限定ではなく明瞭さのために、詳細には表されていない)は、基板213の上面208より上に配置されてよい。
【0038】
上部の半導体ダイ211は「煙突」または「組合せ煙突」217を含む。「煙突」または「組合せ煙突」は、明瞭さのために1つしか例示的に表されていないが、本明細書で説明される上部の半導体ダイ211または別の半導体ダイは2つ以上の「煙突」を含み得る。煙突217は複数の金属化レベルおよびILDレベルを用いて形成されている。この例では、半導体ダイ211の下部の金属化レベルおよびILDレベル218の非煙突部分は、一般に、たとえば1つまたは複数のトランジスタ224を含み得る回路素子などの素子間の相互接続のために使用される。この例では、半導体ダイ211の上部の金属化レベルおよびILDレベル219の非煙突部分は、一般に半導体ダイ211と回路プラットフォーム215の間の相互接続ならびにクロックおよび他の信号などの「全体的な」ダイ上のルーティングのために使用される。
【0039】
この例については、M1~M13の13の金属化レベルと、対応するILD1~ILD13の13のILDレベルとがある。この例では、電力分配ネットワーク(「PDN」)金属層(この例ではM5として示されている)は、隣接した金属層よりも厚いかまたは丈が高くてよく、M1~M13の金属化レベルのうち他のすべての金属化レベルよりも厚いかまたは丈が高くてよい。1つまたは複数の例において、PDN層は、最初の金属化層(M1)または最後の金属化層(M13)の厚さよりも少なくとも2倍厚い。そのようなPDN層は、上部の金属化レベルと下部の金属化レベルの間にあり、一般に、最後の「標準的なセル」の金属ルーティング層の上の最初の金属化レベルと称されることもある、回路の反復セルの直接的な相互接続ルーティングのための最後のルーティング金属化レベルより上の第1、第2、第3、または第4の金属化レベルでよい。そのため、金属化層および「標準的なセル」は、すべてダイ本体211の内部にある。言い方を変えると、PDN層は、標準的なセルの直ぐ上に連続して存在する複数の金属層のうち、第1の金属層、第2の金属層、第3の金属層、または第4の金属層の上に存在し得る。「標準的なセル」は、ブール論理機能(たとえばAND、OR、XOR、XNOR、インバータ、バッファ等)または記憶機能(フリップフロップまたはラッチ)をもたらす、トランジスタおよび相互接続構造のグループである。最も簡単なセルは、基本的なNAND、NOR、およびXORのブール関数の直接型表現形式であるが、はるかに大きく複雑なセル(2ビットの全加算器、または多重化されたD入力フリップフロップなど)が一般に使用されている。PDN層も、最後の2つの(たとえば最も高い)金属層ではない。PDN層も、複数の金属層のうち最後の金属層よりも標準的なセルに近い金属層上に存在する。一例では、PDN層は、上部の金属化レベルの最後の金属層(M13)の下の、たとえば最後の金属層の下の少なくとも5つ、7つ、さらには8つ以上の金属層といった、少なくとも2つ以上の金属層である。この例では、PDN層M5は、直ぐ上の金属層よりも、それぞれの水平方向のパターンの厚さに関して丈が少なくとも2倍高い。この例では、PDN層M5の水平方向のパターン245の高さH1は、金属化層M1またはM13の組合せ煙突部分の水平パターン247の高さH2の少なくともの2倍である。より一般的には、PDN層M5は、一例では固有抵抗を低減するように構成されており、そのような例では、水平方向のパターン245などの水平方向のパターンの少なくとも30ミクロンの長さについて30Ω未満の固有抵抗が観測された。水平方向のパターンは、一般に、ILDに画定されたトレンチの中に形成された導電性ラインを意味し、慣例的にそのようなトレンチを辿るそのような導電性ラインは、ILD平面に対して水平方向の広がりを有し得る。前述の向上がなければ、BEOL積層における最上部の金属層から「2D」ICにおける基板のトランジスタ領域までの全抵抗は、複雑なFPGAでは120Ωになり得る。この数値は、従来の設置してルーティングされたASICにとっては大幅に小さいであろうが、1つまたは複数の電力レール上の電圧降下に関して、なお重荷である。
【0040】
13レベルのBEOL煙突が例示的に表されているが、他の例では、本明細書の説明に従って、より少数またはより多数の金属化レベルおよび対応するILDレベルが使用され得る。材料の1つまたは複数の層を含み得る、半導体ダイ211の上面203に関連した最上部の金属層すなわち金属化レベルM13は、導電性のために、回路プラットフォーム215の表面204に沿って導電性接触子(限定ではなく明瞭さのために図示されていない)と相互接続されてよく、したがって、この例におけるそのような金属化レベルM13は、部分的に電力および接地の分配層であり得る。
【0041】
煙突217の領域では、下部の金属化レベルおよびILDレベル218ならびに上部の金属化レベルおよびILDレベル219の部分は、金属化レベル対金属化レベルの導電性のためにそのような煙突領域における導電性ビア密度を増加することによって、固有抵抗が低い経路をもたらすために使用される。下部の金属化レベルおよびILDレベル218と上部の金属化レベルおよびILDレベル219の間に、PDN金属層M5および対応するILDレベルILD5がある。PDN金属層の代替(すなわちM5以外の)位置は、上記で論じられたように決定されてよい。同様に、煙突217の領域におけるILDレベルILD5を伴うPDN金属層M5の部分は、1つまたは複数の回路素子にルーティングする、より局所的な電力および接地をもたらすために使用され、そのような回路素子は、トランジスタ223および224のうち1つまたは複数のトランジスタをそれぞれ含み得る。PDN金属層M5からのそのような局所的な電力および接地のルーティングは、金属化レベル対金属化レベルの導電性のために、そのようなPDN金属層M5に関連した煙突領域における導電性ビアの密度を増加することによって、上の金属層と比較して低減された固有抵抗の経路を有するために使用されてよい。そのようなルーティングは、ICの、最上部の金属層から1つまたは複数のトランジスタへの電力および接地のルーティングよりも局所的である。さらに、たとえばPDN金属層M5などのPDN金属層をもたらすように使用される中間の金属化レベルは、そのような金属化層に対してルーティングされたダイ中の電力および接地のバッシングを、これに限らず含んでよく、排他的に含んでもよい。
【0042】
従来、前面は背面よりも電気的相互接続の機会が多いため、前面203すなわち上面203は、ダイ積層210Aをそのような回路プラットフォーム215に結合するために、プリント回路基板の下面204、インタポーザ基板、RDL積層、パッケージ基板、または他の回路プラットフォーム215に結合され得る。回路プラットフォーム215は、矢印230で全体的に指示されるように、電力および接地のバッシングをダイから離してルーティングするために使用され得る。
【0043】
下部の半導体ダイ212は、TSV 221を有する基板214を含む。明瞭さのためにTSV 221は1つしか例示的に表されていないが、基板214は2つ以上のTSVを含み得る。TSV 221は、基板214の上面209と下面205の間に延在する。この例では、限定ではなく明瞭さのために、基板214の下面205は下部の半導体ダイ212の背面205である。しかしながら、別の例では、半導体ダイの背面は、裏側RDLの表面あるいは基板214のそのような背面205に形成された他の1つまたは複数の層でよい。
【0044】
限定ではなく明瞭さのために全体的に表されているように、下部の半導体ダイ212は回路素子を含み得、たとえば、1つまたは複数のトランジスタ223ならびに他の回路素子を含み得る。一例では、ゲートおよびゲート誘電体は基板214の上面209の上に配置されてよい。
【0045】
明瞭さのために、トランジスタ223またはトランジスタ224のMOSFETトランジスタ260の一部分の拡大図が、限定ではなく例として表されている。トランジスタ223のトランジスタ260およびトランジスタ224のトランジスタ260は、それぞれ基板214および213に少なくとも部分的に形成されてよい。別の例では別のタイプのトランジスタが形成され得る。各トランジスタ260は、基板214に形成されたソース領域261およびドレイン領域262を含み得る。基板214上にゲート誘電体263が形成されてよく、ゲート誘電体263上にゲート電極264が形成されてよい。ソース領域261、ゲート電極264、および/またはドレイン領域262に対する導電性のための導電性ビア266を形成するために、たとえばM1などの導電層が使用され得る。誘電体層265には導電性ビア266が形成され得る。導電性のために導電性ビア266のうち1つまたは複数と相互接続され得る、たとえば導電性ライン267などの水平方向の導電性ラインを形成するために、導電性ビア266を形成するために使用されるものと別の金属層または同一の金属層が使用されてよい。別の金属層に導電性ビア269を与えるために、導電性ライン267の上に別の誘電体層268が形成され得る。たとえば導電性ライン267などの1つまたは複数の導電性ラインに対する導電性のために、導電性ビア269のうち1つまたは複数が相互接続されてよい。その上に、以下でさらに詳細に説明されるように、導電性ビア266のうち1つまたは複数が、電力分配ネットワーク(「PDN」)の金属層M5に対して直接的または間接的に相互接続されてよい。そのように、トランジスタ260を動作させるための電源電圧または接地電圧のいずれかを供給するために、ソース領域261、ドレイン領域262、および/またはゲート電極264に対して導電性ビア266のうち1つが使用され得る。同様に、トランジスタ260を動作させるための電源電圧または接地電圧のいずれかを供給するために、ソース領域261、ドレイン領域262、および/またはゲート電極264のうち別のものに対して導電性ビア266のうち別のものが使用され得る。明瞭さのために、トランジスタ223および224のトランジスタ260うち1つしか表されていないが、トランジスタ223および224のトランジスタ260のうち2つ以上に、電力および/または接地が同様に供給され得る。
【0046】
下部の半導体ダイ212は「煙突」または「組合せ煙突」227を含む。明瞭さのために1つの「煙突」だけが例示的に表されているが、下部の半導体ダイ212は2つ以上の「煙突」を含み得る。煙突227は複数の金属化レベルおよびILDレベルを用いて形成されている。半導体ダイ212の、たとえばM11などの最上部の金属化レベルが、導電性のために、TSV 222の下端または下端面251と相互接続されてよい。半導体ダイ211の、たとえばM1などの最下部の金属化層が、導電性のために、TSV 222の上端または上端面252と相互接続されてよい。下部の半導体ダイ212の最下部の金属化層として金属化層M1があるということは、たとえばPMD層を含み得るTSV 221用の金属層が、BEOL積層の一部分として含まれないことを意味する。
【0047】
この例では、半導体ダイ212の下部の金属化レベルおよびILDレベル228の非煙突部分は、一般に、たとえばトランジスタ223などの素子間の相互接続またはルーティングのために使用される。この例では、半導体ダイ212の上部の金属化レベルおよびILDレベル229の非煙突部分は、一般に半導体ダイ212と半導体ダイ211の間の相互接続またはルーティング、ならびにクロックおよび他の信号などの「全体的な」ダイ上のルーティングのために使用される。この例については、M1~M11の11の金属化レベルと、対応するILD1~ILD11の11のILDレベルとがある。電力分配ネットワーク(「PDN」)の金属層M5は、PDN層M5を参照しながら説明されたのと同様に、M1~M11の金属化レベルのうち他のすべての金属化レベルよりも厚いかまたは丈が高くてよい。PDN金属層の代替の(すなわちM5以外の)位置および厚さは、上記で論じられたように決定されてよい。この例では、PDN層M5の水平方向のパターン245の高さH1は、金属化層M7の組合せ煙突部分の水平パターン246の高さH3の少なくとも2倍である。繰り返しになるが、PDN金属層M5は、低減された固有抵抗を有するように構成されている。一例では、少なくとも30ミクロンの長さについて30Ω未満の固有抵抗を有するPDN金属層M5が観測された。
【0048】
11レベルのBEOL組合せ煙突構造が例示的に表されているが、他の例では、本明細書の説明に従って、より少数/より多数の金属化レベルおよび対応するILDレベルが使用され得る。その上に、この例では、BEOL構造のレベルの数が異なる半導体ダイ211と212が使用されているが、別の例では半導体ダイ211と212は同数のBEOL構造のレベルを有し得る。
【0049】
半導体ダイ212の、この例の金属化レベルM11など最上部の金属層は、導体材料の1つまたは複数の層および1つまたは複数の障壁層を含み得る。繰り返しになるが、そのような最上部の金属層は、導電性のために導電性接触子と相互接続されてよく、導電性接触子は、上部の半導体ダイ211の表面201に沿ってTSV 222の下面または下端面251と相互接続するためのものである。
【0050】
煙突227の領域では、下部の金属化レベルおよびILDレベル228ならびに上部の金属化レベルおよびILDレベル229は、金属化レベル対金属化レベルの導電性のためにそのような煙突領域における導電性ビア密度を増加することによって、固有抵抗が低い経路をもたらすために使用される。下部の金属化レベルおよびILDレベル228と上部の金属化レベルおよびILDレベル229の間に、PDN金属層M5および対応するILDレベルILD5がある。同様に、煙突227の領域では、ILDレベルILD5を伴うPDN金属層M5は、金属化レベル対金属化レベルの導電性のためにそのような煙突領域における導電性ビア密度を増加することによって、垂直方向の固有抵抗が低い経路をもたらすために使用される。繰り返しになるが、この例における金属化レベルM11など最上部の金属層は、材料の1つまたは複数の層を含み得、導電性のためにTSV 222の下端と相互接続されてよい。
【0051】
任意選択で、またはそれに加えて、基板214の背面205すなわち下面は別の半導体ダイに結合されてよい。そのように、それぞれダイ積層の半導体ダイのTSVおよび煙突は、適用できる場合には、そのようなダイ積層の内部で上方向または下方向のいずれかに電流を伝える低抵抗性経路をもたらすために、互いに対して垂直に整列してよい。そのような低抵抗性導電経路は、矢印230で全体的に指示されるように、ダイ積層210Aに電源電圧を供給するため、またはダイ積層210Aから接地への経路をもたらすために使用され得る。金属化レベルM5から、それぞれ下部の金属化レベル218および228をそれぞれ使用するダイ内の電力または接地のルーティングが、それぞれ矢印231および232で全体的に指示されるようにもたらされ得る。そのようなダイ内の電力および接地のルーティングは、トランジスタ224および223を動作させるために使用され得る。
【0052】
この例では、ダイ積層210Aにおける次の半導体ダイに対する下部の垂直方向の抵抗性経路をもたらすために、煙突217、TSV 222、煙突227、およびTSV 221のすべてが互いに垂直に整列する。しかしながら、ダイ積層210Aにおけるダイの低抵抗性ルーティングによって使用されるのが半導体ダイ211および212のみである場合には、ダイ積層における最後の(
図2-1の配向については最下の)半導体ダイ233が煙突227の一部分を有し得、
図2-2の半導体ダイ積層210Bの半導体ダイ233のBEOL下層238において例示的に表されるように、対応するTSVのすべてが省略される。ダイ本体211に類似して、金属化層および「標準的なセル」も、すべてがダイ本体212の内部にある。
【0053】
図2-2は、ダイ積層210Bを有するマイクロ電子デバイス200Bの例示的部分の側面を表すブロック図である。ダイ積層210Bは、以前に説明されたように半導体ダイ211および212を含み、第3の下部の半導体ダイ233も含む。マイクロ電子デバイス200Bの多くが
図2-1のマイクロ電子デバイス200Aと同一であるので、明瞭さのために、マイクロ電子デバイス200Bの説明のために半導体ダイ211および212の以前の説明を繰り返すことはない。それゆえに、明瞭さのために、一般に相違のみが説明される。
【0054】
ダイ積層210Bの最下部の半導体ダイ233は部分的煙突237を含む。部分的煙突237は、上部の金属化レベルおよびILDレベル239、ならびにPDN金属化レベルM5および対応するILDレベルILD5を含む。しかしながら、下部の金属化レベルおよびILDレベル238はPDN金属化レベルM5および対応するILDレベルILD5より下に存在するが、そのような下部のレベル238は、半導体ダイ233に部分的煙突をもたらすのには使用されない。しかしながら、そのような下部のレベル238は、全体的に指示されるように、半導体ダイ233の基板234のトランジスタ235向けなどの従来の電力および接地のルーティングをもたらすために使用され得る。ルーティング用の追加の領域をもたらす一方で、下部のレベル238における従来のルーティングの電力および接地のための電流搬送能力は煙突よりも低く、煙突よりも高い抵抗をもたらす。
【0055】
図2-1と
図2-2を同時に参照しながら、マイクロ電子デバイス200Aおよび200Bをさらに説明する。以前に説明されたような、BEOL金属化の上部のレベルおよび下部のレベルなど複数の金属層の上層と下層の間に配置された上記の例における金属層M5などのPDNレベルまたはPDN層は、以前に説明されたように、煙突構造の対応する部分によってTSVに結合され得る。煙突構造のこれらの部分は、1つまたは複数のTSVに対する導電性のために相互接続されてよい。
【0056】
たとえば、電流は、矢印240によって全体的に指示されるように、半導体ダイ212のTSV 221を通って、部分的煙突239、下部の金属化レベル238経由で基板234まで流れることができる。半導体ダイ233において、下部の金属化レベルおよびILDレベル238を介して基板234と相互接続されたそのような半導体ダイ233のPDN層M5は、上部の金属化レベルおよびILDレベル239の一部分によってそのようなTSV 221に結合され得る。上部の金属化レベルおよびILDレベル239は、煙突ならびに半導体ダイ233の他の導電性ルーティングを形成するために使用され得る。
図2-2のマイクロ電子デバイス200Bに電流または電力を供給する例を続けて、電力はTSV 221経由で部分的煙突237に受け取られ得る。半導体ダイ212のTSV 221と相互接続された煙突227は、そのような供給される電力を受け取るための導電性のために、回路プラットフォーム215に結合されてよい。この例では、煙突217と、煙突227と相互接続されたTSV 222とが、半導体ダイ211経由で半導体ダイ212および半導体ダイ233に電力を供給するために使用され得る。そのように、半導体ダイ211のPDN層M5および半導体ダイ212のPDN層M5は、それぞれ矢印231および232によって全体的に指示されるように、それぞれ下部の金属化レベル218および228経由で、それぞれ基板213および214に電力を供給するように使用され得る。
【0057】
しかしながら、接地相互接続の電流は、矢印240によって全体的に指示されるように、半導体ダイ233において、たとえば基板234から下部の金属化レベル238経由で部分的煙突237へと流れ得る。半導体ダイ233において、下部の金属化レベルおよびILDレベル238を介して基板234と相互接続されたそのような半導体ダイ233のPDN層M5は、上部の金属化レベルおよびILDレベル239が、部分的煙突237ならびに半導体ダイ233の他の導電性ルーティングを形成するために使用され得るので、これら上部の金属化レベルおよびILDレベル239の一部分によってTSV 221に結合され得る。
図2-2のマイクロ電子デバイス200Bに接地を与える例を続けて、出てくる電流は、部分的煙突237経由で半導体ダイ212のTSV 221に受け取られ得る。
【0058】
半導体ダイ212のTSV 221と相互接続された煙突227は、導電性のために、半導体ダイ211のTSV 222に結合されてよい。TSV 222および回路プラットフォーム215に対する導電性のために相互接続された煙突217は、そのような回路プラットフォームからの電流を通すために使用され得る。この例では、相互接続された一続きの煙突217、TSV 222、煙突227、TSV 221、部分的煙突237が、回路プラットフォーム215の接地接続のために、半導体ダイ233からの電流を、下部の金属化レベル238経由で半導体ダイ212および211を通すように使用され得る。そのように、半導体ダイ211のPDN層M5および半導体ダイ212のPDN層M5は、回路プラットフォーム215の接地接続に対する出力に関して以前に説明されたように、それぞれ矢印231および232によって全体的に指示されるように、それぞれ基板213および214からの電流を、下部の金属化レベル218および228経由で、対応する煙突構造へ通すように使用され得る。
【0059】
ダイ積層を介して電流を上方または下方へ通すために、抵抗(「R」)は従来のルーティングで使用されるものよりも低くするべきである。明瞭さのために、限定しない例として、PDN層M5を伴う13の金属化レベルを有する半導体ダイを想定すると、金属化レベルM13からM5への組合せ煙突(「積層抵抗」)による抵抗は、たとえば3.5Ωなど、2Ωを超えて10Ω未満でよく、金属化レベルM5からM1への組合せ煙突による抵抗は1Ω以下でよいことが観測された。言い換えれば、下部の金属化層の積層部分は、最下部の金属層から半導体ダイのPDN層まで総体として1Ω以下の積層抵抗を有するように構成され得ることが観測された。
【0060】
金属化レベルM5とM1の間の組合せ煙突のためのルーティング輻輳の量は、金属化レベルM13とM5の間のもの未満であり得る。こうすると、組合せ煙突は、基板からM1へ、PDN層すなわちこの例におけるM5までの、金属化レベルの相互接続のために形成された、より多くの導電性ビアを有することができる。組合せ煙突における下部の金属化レベルにおいて導電性ビアの密度が高ければ、そのような組合せ煙突における上部の金属化レベルのものよりも低い積層抵抗が可能になる。
【0061】
そのように、PDN層より上の金属化レベルではルーティング輻輳の量が増すので、PDN層すなわちこの例におけるM5から最上部の金属化レベルまでの金属化レベルの相互接続のために形成される組合せ煙突の導電性ビアをより少なくすることができる。たとえば、上部の金属化層の水平方向の相互接続は、TSV領域が組合せ煙突領域と交差する領域を横切ってよい。さらに、上部の金属化レベルの水平方向の相互接続は貫通接続のための領域をもたらすための狭いものでよい。電力および接地を分配するための組合せ煙突の一部分ではない上部の金属化レベルをバイパスすることにより、そのような上部の金属化レベルに関連した高い抵抗が回避され得る。
【0062】
明瞭さのために、限定しない例として、組合せ煙突に関連した上部の金属化層の一部分は、総体としてより低い積層抵抗を有するように構成されてよい。一例では、組合せ煙突における上部の金属化層は、最上部の金属層からPDN層への範囲において2Ωを超えて10Ω未満の固有抵抗を有することが観測された。加えて、明瞭さのために、限定しない例として、PDN層は低減された固有抵抗を有するように構成され得る。一例では、PDN層は、少なくとも30ミクロンの水平方向パターンの長さについて30Ω未満の固有抵抗を有することが観測された。13の金属化レベルの半導体ダイのPDN層向けに中間の金属化レベルを使用すると、従来の13の金属化レベルの半導体ダイと比較して、IR降下が少なくとも20パーセント低減され得る。そのような構成には面積ペナルティがない一方で、PDN層を与えるために、より厚い中間金属化層が使用され、半導体ダイが全体的に少し高くなる。そのように、明瞭さのために、限定しない例として、本明細書で説明されたようなBEOL積層における中間PDN層の高さH1は、そのような積層における他の水平方向のパターンに対して少なくとも約2倍丈が高いかまたは高いものでよい。その上に、本明細書で説明されたようなBEOL積層における中間PDN層の高さH1は、従来の組合せ煙突における同一の金属化レベルよりも、少なくとも約2倍丈が高いかまたは高いものでよい。
【0063】
図3-1は、下部の金属化レベルにおける半導体ダイ300の例示的部分の断面を上から下へ表すブロック図である。
図3-2は、上部の金属化レベルにおける半導体ダイ300の例示的部分の断面を上から下へ表すブロック図である。
図2-1~
図3-2を同時に参照しながら、半導体ダイ300をさらに説明する。
【0064】
半導体ダイ300は半導体ダイ211または212でよい。
図3-1に表された断面図は金属化レベルM1およびILDレベルILD1の例示の部分に関するものであるが、BEOL積層のPDNレベルの下に他のレベルが使用され得る。
図3-2に表された断面図は金属化レベルM7およびILDレベルILD7の例示の部分に関するものであるが、BEOL積層のPDNレベルの上に他のレベルが使用され得る。
【0065】
金属化レベルM1およびILDレベルILD1は、煙突領域302の内部に複数の導電性ビア303を形成するために使用され得る。以前に説明されたように、煙突領域302は煙突217または227用でよい。煙突領域302は、対応するTSV領域301と完全にオーバラップしてよい。TSV領域301は、導電性ビア303を有する半導体ダイ、または導電性ビア303を有するそのような半導体ダイの煙突と相互接続された直ぐ隣の半導体ダイのいずれかまたは両方でよい。
【0066】
金属化レベルM7およびILDレベルILD7は、煙突領域302の内部の複数の導電性ビア304を形成するために使用され得る。導電性ビア304は、導電性ビア303よりも大きな断面積を有し得るが、煙突領域302の内部では数がかなり少なくてよい。煙突領域302を通過する水平方向の貫通接続305などの貫通接続が存在することにより、そのような領域における導電性ビア304のために利用可能な領域の量が制限される。以前に説明されたように、中間のPDNレベルより上の金属化レベルにおけるルーティング輻輳は、そのような中間のPDNレベルより下の金属化レベルにおける輻輳よりも大きいものであり得る。
【0067】
中間のPDNレベルより上の導電性ビアの断面積がそのような中間のPDNレベルより下の導電性ビアの断面積よりも大きいものであっても、煙突領域302の内部のそのような中間のPDNレベルより下の導電性ビア303の数は、そのような煙突領域302の内部のそのような中間のPDNレベルより上の導電性ビア305の数よりも、実質的に少なくとも2倍、場合によっては少なくとも4倍多くてよい。それゆえに、下部の金属化レベル用の組合せ煙突の抵抗は、上部の金属化レベル用の組合せ煙突の抵抗の1/3以下であり得る。
【0068】
図3-3は、中間のPDNレベルにおける半導体ダイ300の例示的部分の断面を表すブロック図である。
図2-1~
図3-3を同時に参照しながら、半導体ダイ300をさらに説明する。
【0069】
繰り返しになるが、半導体ダイ300は半導体ダイ211または212でよい。
図3-3に表された断面図は、金属化レベルM5およびILDレベルILD5の例示の部分に関するものであるが、BEOL積層のPDNレベルとして別の中間金属層が使用されてもよい。非限定的な例として、明瞭さのために、BEOL積層は、PDNレベルをもたらすために使用される単一の中間レベルを含むと想定されているが、他の例では、BEOL積層において2つ以上の中間のPDNレベルが使用され得る。
【0070】
図3-1を参照しながら以前に説明されたように、金属化レベルM5およびILDレベルILD5は、煙突領域302の内部に複数の導電性ビア303を形成するために使用され得る。導電性ビア303はILD5に形成されてよい。金属化層M5のそのような導電性ビア303の上に含むILD5にトレンチが形成されてよい。金属化層すなわち金属層M5のために、トレンチを形成されたそのようなILD5には、1つまたは複数の層のめっきまたは他の堆積がなされ、これらの層は、従来は金属または金属の混合物である、金属層M5用の導電材料の1つまたは複数の層を含み得る。そのようなトレンチの中の、導電性ビア303と相互接続されたそのような金属層M5は、たとえばPDN層310の導電性電力パターン311および導電性接地パターン312などの導電パターンをもたらすために使用され得る。そのような、ダイ中の、電力および接地をルーティングされた、PDN層310のパターン311および312が備わっているバッシングは、固有抵抗を低減するために、たとえば直ぐ隣の上部の金属の水平方向パターンの少なくとも2倍など、従来の電力および接地のルーティングよりも厚くてよい。そのように、たとえば金属層M5などのPDN層は、より低い固有抵抗を有するように構成され得る。一例では、PDN金属層M5は、組合せ煙突の積層または領域から少なくとも30ミクロン延びた水平方向パターンの長さ355について30Ω未満の固有抵抗を有することが観測された。
【0071】
図4-1は、ダイ積層410Aを有するマイクロ電子デバイス400Aの例示的部分の側面を表すブロック図である。以前に説明されたように、ダイ積層410Aは、ダイ積層210Aにおけるもののような半導体ダイ211および212を少なくとも含み、そのような説明は、限定ではなく明瞭さのために繰り返されない。しかしながら、この例では、回路プラットフォーム215は半導体ダイ211の前面または上面と直接相互接続されるわけではない。むしろ、マイクロ電子デバイス400Aにおける回路プラットフォーム215は、ダイ積層410Aの最下部の半導体ダイ212の基板214の背面または下面205と相互接続される。そのように、TSV 221の下端面は、回路プラットフォーム215の1つまたは複数の接触子(限定ではなく明瞭さのために示されていない)に対する導電性のために相互接続され得る。TSV 221の上端面は、下部の金属化レベル228の半導体ダイ212の金属化レベルM1と相互接続され得る。
【0072】
下部の金属化レベル228および218が、対応する煙突227および217に関する上部の金属化レベル229および219よりも小さい組合せ煙突抵抗を有するため、矢印230、231および232で全体的に指示されたような電流に対する抵抗は、電力および/または接地をルーティングされたバッシングに対して、たとえばダイ積層410Aにおけるものなど逆のダイ積層の配向を有する、より小さいものであり得る。たとえば、PDN層M5に対する、TSV 221および下部の金属化層228を通る抵抗は、PDN層M5に対する、TSV 222および上部の金属化層229を通る抵抗よりも小さいものであり得る。たとえば逆のダイ積層410Aにおける半導体ダイ211など最上部の半導体ダイは、下部の金属化層228および218のセット、および金属化層M5よりも、上部の金属化層219および229のセットの間の差のいくらかの付加抵抗、ならびにTSV 221および222の付加抵抗にさらされ得るが、そのような付加抵抗は、
図2-1のダイ積層210Aにおける半導体ダイ212の金属化層M5に対する導電経路の抵抗と比較して小さいものであり得る。
【0073】
図4-2は、ダイ積層410Bを有するマイクロ電子デバイス400Bの例示的部分の側面を表すブロック図である。マイクロ電子デバイス400Bは、ダイ積層410Bの半導体ダイ211上の最上部の半導体ダイ411が従来の半導体ダイ411であることを除けば、マイクロ電子デバイス400Aと同一である。そのように、基板414の上面408より上の従来の煙突417と、対応する、基板414の上面408と下面401の間に延在するTSV 422とを伴う、従来のBEOL積層418が使用され得る。TSV 422の上端452は、導電性のために、煙突417の最下部の金属層と相互接続されてよい。その上、電力および接地は、矢印230および431で全体的に指示されるように、BEOL積層418の金属層M13など最上部の金属化層から、半導体ダイ411の基板414まで分配される。TSV 422の下端451は、導電性のために、煙突217の金属層M13など最上部の金属層と相互接続されてよい。
【0074】
半導体ダイ211、212、および/または414は、システムオンチップ(「SoC」)ダイの同一のファミリーなど、集積回路の同一のファミリーからのものでよい。SoCダイの一例は、フィールドプログラマブルゲートアレイすなわちFPGAのダイでよい。半導体ダイ211、212、および/または414のうち1つまたは複数は、システムオンチップ(「SoC」)ダイの異なるファミリーなど、集積回路ダイの異なるファミリーからのものでよい。半導体ダイ211、212、および/または414のうち1つまたは複数は、互いに異なるタイプの集積回路ダイでよい。たとえば、半導体ダイ211、212、または414のうち1つはメモリダイでよく、半導体ダイ211、212、または414のうち別のものはSoCダイでよく、半導体ダイ211、212、または414のうち別のものは焦点面アレイまたは他のセンサダイでよい。
【0075】
図5は、例示的マイクロ電子デバイスを形成する流れ500を表す流れ図である。流れ500は、
図1~
図4-2を参照しながら以前に説明されたようなマイクロ電子デバイスを形成するためのものであり得る。それゆえに、流れ500は、
図1~
図5を同時の参照しながらさらに説明される。
【0076】
501において、第1の基板の第1の上面と第1の下面の間に延在する基板貫通ビアとを有する第1の集積回路ダイが取得され得る。そのような第1の集積回路ダイは、WLPに関して
図1を参照しながら説明されたものなど、ウェーハにあってよく、またはたとえばTSV 221を伴う半導体ダイ212など、単体化された半導体ダイでもよい。
【0077】
502において、第2の上面および第2の下面を伴う第2の基板を有する第2の集積回路ダイが取得され得る。そのような第2の集積回路ダイは、WLPに関して
図1を参照しながら説明されたものなど、ウェーハにあってよく、またはたとえばTSV 222を伴う半導体ダイ211など、単体化された半導体ダイでもよい。
【0078】
503において、そのような第1の集積回路ダイと第2の集積回路ダイが、互いに面するそのような第1の上面およびそのような第2の下面を用いて相互接続され得る。この相互接続はダイ対ダイの導電性のためのものでよい。加えて、この相互接続は機械的相互接続を含み得、機械的相互接続は、ダイ対ダイの導電性のための相互接続、ならびに誘電性接着剤、ポリイミド、または接合半導体ダイ211および212など、ダイ対ダイの接合のための他の接合誘電体層がともに含まれ得る。
【0079】
動作501においてそのような第1の集積回路ダイを取得することは、動作504および505を含み得る。動作504において、そのような第1の上面の上に、そのような第1の集積回路ダイの、たとえばM1~M11などの複数の金属層およびILD1~ILD11などの複数のインタレベル誘電体層が形成されてよく、または形成されていてもよく、そのような複数の金属層のうち、たとえばM1などの最下層が、導電性のために、そのような第1の基板貫通ビアと相互接続され、そのような複数の金属層のうち、たとえばM11などの最上層が、導電性のために、そのような第2の基板貫通ビアと相互接続される。
【0080】
動作505において、そのような複数の金属層のうちたとえばM5などの電力分配ネットワーク層が、そのような複数の金属層の下層と上層の間に配置されてよく、または配置されていてもよく、また、煙突227の下部または煙突227の下部を含むものなどの積層構造、すなわち以前に説明されたような下部の金属化レベルおよびILDレベルを用いて形成された部分的煙突によって、そのような第1の基板貫通ビアの上端に結合されてよい。そのような積層構造がそのような下層の一部分を含み得、下層は、そのような第1の基板貫通ビアのそのような上端と相互接続されたそのような最下層の一部分を含む。
【0081】
繰り返しになるが、そのような積層構造のそのような下層の一部分は、総体として、低減された積層抵抗を有するように構成され得る。一例では、そのような最下層からそのような電力分配ネットワーク層まで、1Ω以下の積層抵抗が観測された。そのような電力分配ネットワーク層は、低減された固有抵抗を有するように構成され得る。一例では、少なくとも30ミクロンの水平方向パターンの長さについて30Ω未満の固有抵抗を有する電力分配ネットワーク層が観測された。そのような電力分配ネットワーク層は、それぞれの水平方向のパターンに関して、そのような複数の金属層のうちそのような上層の直ぐ隣の金属層よりも丈が少なくとも2倍高いものでよい。
【0082】
本明細書で説明された例のうち1つまたは複数がFPGAで実装され得るので、そのようなICの詳細な説明が提供される。しかしながら、他のタイプのICも、本明細書で説明された技術から利益を得られることを理解されたい。
【0083】
プログラマブル論理回路(「PLD」)は、規定された論理関数を遂行するようにプログラムされ得る周知のタイプの集積回路である。フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)はPLDの1つのタイプであり、一般的にはプログラマブルタイルの配列を含む。これらのプログラマブルタイルは、たとえば入出力ブロック(「IOB」)、構成可能な論理ブロック(「CLB」)、専用ランダムアクセスメモリブロック(「BRAM」)、マルチプライヤ、デジタル信号処理ブロック(「DSP」)、プロセッサ、クロックマネージャ、遅延ロックループ(「DLL」)などを含むことができる。本明細書で使用されるように、「含む」および「含んでいる」は、「含むがこれに限らない」ことを意味する。
【0084】
各プログラマブルタイルが、一般的にはプログラマブル相互接続とプログラマブル論理の両方を含む。プログラマブル相互接続は、一般的にはプログラマブル相互接続ポイント(「PIP」)によって相互接続される様々な長さの多数の相互接続ラインを含む。プログラマブル論理は、たとえば関数発生器、レジスタ、演算論理などを含み得るプログラマブル要素を使用してユーザ設計の論理を実装する。
【0085】
プログラマブル相互接続およびプログラマブル論理は、一般的には、プログラマブル要素を構成するやり方を定義する内部構成メモリセルにコンフィギュレーションデータの流れをロードすることによってプログラムされる。コンフィギュレーションデータは、外部デバイスによって記憶装置(たとえば外部PROM)から読み込まれてよく、またはFPGAに書き込まれてよい。次いで、個々のメモリセルの集団状態がFPGAの機能を決定する。
【0086】
別のタイプのPLDには結合プログラマブル論理回路すなわちCPLDがある。CPLDが含む2つ以上の「機能ブロック」は、相互接続スイッチマトリクスによって互いに接続され、入出力(「I/O」)リソースに接続される。CPLDの各機能ブロックは、プログラマブル論理アレイ(「PLA」)およびプログラマブルアレイ論理(「PAL」)デバイスにおいて使用されるものに類似の2レベルのAND/OR構造を含む。CPLDでは、コンフィギュレーションデータは、一般的には不揮発性メモリにオンチップで記憶されている。いくつかのCPLDでは、コンフィギュレーションデータは不揮発性メモリにオンチップで記憶されており、次いで初期構成(プログラミング)シーケンスの一部分として揮発性メモリにダウンロードされる。
【0087】
これらのプログラマブル論理回路(「PLD」)のすべてについて、デバイスの機能性は、そのためにデバイスに与えられるデータビットによって制御される。データビットは、揮発性メモリ(たとえばFPGAおよびいくつかのCPLDにおけるもののようなスタティックメモリセル)、不揮発性メモリ(たとえばいくつかのCPLDにおけるもののようなFLASHメモリ)、または任意の他のタイプのメモリセルに記憶され得る。
【0088】
他のPLDは、デバイス上の様々な要素をプログラマブルに相互接続する金属層などの処理層を適用することによってプログラムされる。これらのPLDはマスクプログラマブルデバイスとして知られている。PLDは、たとえばヒューズ技術またはアンチヒューズ技術を使用する他のやり方でも実装され得る。「PLD」および「プログラマブル論理回路」という用語は、それだけではないが、これらの例示的デバイスを含み、部分的にのみプログラム可能なデバイスも包含する。たとえば、PLDのタイプの1つには、ハードコード化されたトランジスタ論理とハードコード化されたトランジスタ論理をプログラマブルに相互接続するプログラマブルスイッチ構造との組合せが含まれる。
【0089】
前述のように、高性能のFPGAは、配列の中にいくつかの異なるタイプのプログラマブルロジックブロックを含むことができる。たとえば、
図6が図示するFPGAアーキテクチャ600が含む多数の異なるプログラマブルタイルには、マルチギガビットトランシーバ(「MGT」)601、構成可能な論理ブロック(「CLB」)602、ランダムアクセスメモリブロック(「BRAM」)603、入出力ブロック(「IOB」)604、構成および計時論理(「CONFIG/CLOCKS」)605、デジタル信号処理ブロック(「DSP」)606、特化された入出力ブロック(「I/O」)607(たとえば構成ポートおよびクロックポート)、およびデジタルクロックマネージャ、アナログデジタル変換器、システム監視論理などの他のプログラマブルロジック608などが含まれる。いくつかのFPGAは専用プロセッサブロック(「PROC」)610も含む。
【0090】
いくつかのFPGAでは、各プログラマブルタイルが含むプログラマブル相互接続要素(「INT」)611は、それぞれの隣接したタイルに対応する相互接続要素との間に規格化された接続を有する。したがって、ともに採用されたプログラマブル相互接続要素どうしが、図示されたFPGA向けのプログラマブル相互接続構造を実装する。
図6の最上部に含まれた例によって示されるように、プログラマブル相互接続要素611は、同一タイルの内部のプログラマブル論理素子との間の接続も含む。
【0091】
たとえば、CLB 602が含み得る構成可能な論理素子(「CLE」)612は、ユーザ論理に加えて、単一のプログラマブル相互接続要素(「INT」)611を実施するようにプログラムされ得る。BRAM 603は、1つまたは複数のプログラマブル相互接続要素に加えてBRAM論理素子(「BRL」)613を含むことができる。一般的には、タイルに含まれる相互接続要素の数はタイルの高さに依拠する。描かれた実施形態では、BRAMタイルは5つのCLBと同一の高さを有するが、他の数(たとえば4つ)も使用され得る。DSPタイル606は適切な数のプログラマブル相互接続要素に加えてDSP論理素子(「DSPL」)614を含むことができる。IOB 604は、たとえば、プログラマブル相互接続要素611の1つのインスタンスに加えて入出力論理素子(「IOL」)615の2つのインスタンスを含むことができる。当業者には明らかなように、たとえばI/O論理素子615に接続された実際のI/Oパッドは、一般的には入出力論理素子615の領域に限定されない。
【0092】
描かれた実施形態では、ダイ(
図6に示されている)の中心の近くの水平方向の領域は、構成、クロック、および他の制御論理のために使用される。この水平方向の領域または列から延在する縦の列609は、FPGAの幅にわたるクロックおよび構成信号を分配するために使用される。
【0093】
図6に図示されたアーキテクチャを利用するいくつかのFPGAは、FPGAの大部分を構成する規則的な柱状構造を途絶させるさらなる論理ブロックを含む。さらなる論理ブロックは、プログラマブルブロックおよび/または専用論理であり得る。たとえば、プロセッサブロック610は、CLBおよびBRAMのいくつかの列に及ぶ。
【0094】
図6は例示的FPGAアーキテクチャのみを図示するように意図されていることに留意されたい。たとえば、行における論理ブロックの数、行の相対的な幅、行の数および順番、行に含まれる論理ブロックのタイプ、論理ブロックの相対的サイズ、および
図6の最上部に含まれる相互接続/論理実装は、単に例示的なものである。たとえば、実際のFPGAでは、ユーザ論理の効率的な実装を容易にするために、一般的にはCLBが出現するいかなるところにもCLBの2つ以上の隣接した行が含まれるが、隣接したCLBの行の数はFPGAの外形寸法に応じて変化する。
【0095】
アクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスに関連する装置が提供され得る。そのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスは、第1の基板を有する第1のダイであって、第1の基板の頂面と底面の間に基板貫通ビアが延在している、第1のダイと、頂面および底面を伴う第2の基板を有する第2のダイとを含み得、第1の基板の底面を伴う第2のダイの上の第1のダイが、第2の基板の頂面に面してダイ積層をもたらし、第1のダイおよび第2のダイが、導電性のために、それぞれ、複数のインタレベル誘電体層の中に形成された複数の金属層を有して、第1の積層構造および第2の積層構造をもたらし、導電性のために、第1の積層構造が基板貫通ビアの上端と相互接続されており、導電性のために、第1の基板の底面近くの第2の積層構造の金属層が、基板貫通ビアの下端と相互接続されており、第2の積層構造の複数の金属層の下層と上層の間に第2の積層構造の電力分配ネットワーク層が配置されており、第1の基板および第2の基板には、それぞれ第1のトランジスタおよび第2のトランジスタが少なくとも部分的に配置されており、電力分配ネットワーク層と相互接続された第2のトランジスタが、供給電圧または接地のうち少なくとも1つを受け取る。
【0096】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスでは、基板貫通ビアは第1の基板貫通ビアでよく、第2のダイは、第2の基板の頂面と底面の間に延在する第2の基板貫通ビアを有する。
【0097】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスは、頂面および底面を伴う第3の基板を有する第3のダイであって、導電性のための第3の積層構造をもたらすために、複数のインタレベル誘電体層に形成された複数の金属層を有する第3のダイと、第3のダイの上の第2のダイであって、第2の基板の底面が第3の基板の頂面に面してダイ積層をもたらす、第2のダイとをさらに含み得る。
【0098】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスは、導電性のために、第2の基板貫通ビアの上端と相互接続された第2の積層構造と、導電性のために、第2の基板貫通ビアの下端と相互接続された、第2の基板の底面近くの第3の積層構造の金属層とをさらに含み得る。
【0099】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスでは、電力分配層は第1の電力分配ネットワーク層でよく、第1の積層構造は、第1の積層構造の複数の金属層の下層と上層の間に配置された第2の電力分配ネットワーク層を有し、第3の積層構造は、第3の積層構造の複数の金属層の下層と上層の間に配置された第3の電力分配ネットワーク層を有する。
【0100】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスでは、第1のダイの第1のトランジスタは、供給電圧または接地のうち少なくとも1つを受け取るように、第2の電力分配ネットワーク層と相互接続されてよく、第3の基板において少なくとも部分的に形成された第3のダイの第3のトランジスタは、供給電圧または接地のうち少なくとも1つを受け取るように、第3の電力分配ネットワーク層と相互接続されてよい。
【0101】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスでは、第1の積層構造、第2の積層構造および第3の積層構造の各々が、第1の積層構造、第2の積層構造および第3の積層構造の各々に対して、下層に、上層の経路よりも固有抵抗が低い経路をもたらすために、複数の金属層のそれぞれの下層において、複数の金属層のそれぞれの上層のものよりも高いビア密度を有するように構成されてよい。
【0102】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスでは、第1の積層構造、第2の積層構造および第3の積層構造の各々は、上層が2Ωを超えて10Ω未満の積層抵抗を有し、第1の積層構造、第2の積層構造および第3の積層構造の各々の下層が1Ω以下の積層抵抗を有するように構成されてよい。
【0103】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスでは、第1の電力分配ネットワーク層、第2の電力分配ネットワーク層および第3の電力分配ネットワーク層が、それぞれ第2のトランジスタ、第1のトランジスタおよび第3のトランジスタに対して局所的な電力および接地のルーティングを与えてよい。
【0104】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスでは、第1の電力分配ネットワーク層、第2の電力分配ネットワーク層および第3の電力分配ネットワーク層が、それぞれ第2のダイ、第1のダイおよび第3のダイに対してダイ中の電力および接地のバッシングを与えるように構成されてよい。
【0105】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスは、ダイ積層用の外部入力電源および接地のバッシングのために、導電性のために第1のダイと相互接続された回路プラットフォームをさらに備え得る。
【0106】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスでは、第3の積層構造は、第3の積層構造の金属層から第3の電力分配ネットワーク層まで延在する部分的積層構造でよい。
【0107】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスでは、電力分配層は第1の電力分配ネットワーク層でよく、第3の積層構造は、複数の金属層の下層と上層の間に配置された第2の電力分配ネットワーク層を有して、第3のダイは、導電性のために、第3の基板の頂面と底面の間に延在して第3の積層構造と相互接続された第3の基板貫通ビアを有する。
【0108】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスは、供給電圧または接地のうち少なくとも1つを受け取るように、第2の電力分配ネットワーク層と相互接続された第3の基板において少なくとも部分的に形成された、第3のダイの第3のトランジスタをさらに含み得る。
【0109】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスは、ダイ積層用の外部入力電源および接地のバッシングのために、導電性のために第3のダイと相互接続された回路プラットフォームをさらに含み得る。
【0110】
いくつかのそのようなアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスでは、第1の積層構造は、第1の積層構造の最上部の金属層から第1のトランジスタまで、供給電圧または接地のうち少なくとも1つを分配するように構成されてよい。
【0111】
別の例では、アクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスの形成に関連する方法が提供され得る。アクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスを形成するためのそのような方法は、第1の基板を有する第1のダイであって、第1の基板の頂面と底面の間に基板貫通ビアが延在している、第1のダイを取得することと、頂面および底面を伴う第2の基板を有する第2のダイを取得することと、第1の基板の底面が第2の基板の頂面と面した状態で第2のダイの上で第1のダイを相互接続して、ダイ積層をもたらすこととを含み得、第1のダイおよび第2のダイはそれぞれ、導電性のために、それぞれ、複数のインタレベル誘電体層の中に形成された複数の金属層を有して、第1の積層構造および第2の積層構造をもたらし、導電性のために、第1の積層構造が基板貫通ビアの上端と相互接続されてよく、相互接続することが、導電性のために、第1の基板の底面近くの第2の積層構造の金属層を、基板貫通ビアの下端と接続することを含み、複数の金属層の下層と上層の間に第2の積層構造の電力分配ネットワーク層が配置され得、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタが、それぞれ第1の基板および第2の基板に少なくとも部分的に配置され得て、第2のトランジスタが電力分配ネットワーク層と相互接続されて、供給電圧または接地のうち少なくとも1つを受け取り得る。
【0112】
いくつかのそのような方法では、さらに、基板貫通ビアが第1の基板貫通ビアでよく、第2のダイが、第2の基板の頂面と底面の間に延在する第2の基板貫通ビアを有し、第3のダイが、頂面および底面を伴う第3の基板を有し、第3のダイが、導電性のための第3の積層構造をもたらすために、複数のインタレベル誘電体層に形成された複数の金属層を有し、第2の基板の底面が第3の基板の頂面と面した状態で、第3のダイの上で第2のダイを相互接続されてダイ積層をもたらす。
【0113】
いくつかのそのような方法では、導電性のために、第2の積層構造が第2の基板貫通ビアの上端と相互接続されてよく、第2のダイを第3のダイの上に相互接続することは、導電性のために、第2の基板貫通ビアの下端と相互接続された第2の基板の底面近くの第3の積層構造の金属層を接続することを含む。
【0114】
いくつかのそのような方法では、電力分配層は第1の電力分配ネットワーク層でよく、第1の積層構造は、複数の金属層の下層と上層の間に配置された第2の電力分配ネットワーク層を有し、第3の積層構造は、複数の金属層の下層と上層の間に配置された第3の電力分配ネットワーク層を有し、第1のダイの第1のトランジスタが、供給電圧または接地のうち少なくとも1つを受け取るように、第2の電力分配ネットワーク層と相互接続されよく、第3のダイの第3のトランジスタが、供給電圧または接地のうち少なくとも1つを受け取るように、第3の電力分配ネットワーク層と相互接続されてよい。
【0115】
半導体ダイ、アクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイス、およびアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスを製作するための方法としての例も開示される。一例では、半導体ダイは、第1のダイ本体の内部に配設された第1の標準的なセルと、第1のダイ本体の内部で第1の標準的なセル上に配設された第1の複数の金属層とを含む。第1の複数の金属層は、第1のBEOL積層の一部分を形成する。第1の複数の金属層は、第1の標準的なセルの最も近くの第1の金属層と、第1の標準的なセルから最も遠くの最後の金属層とを含む。第1の複数の金属層は、第1の標準的なセルより上で第1の複数の金属層の最後の金属層より下に配設されている第1の電力分配ネットワーク層を含む。第1の電力分配ネットワーク層は、第1の標準的なセルに対して供給電圧または接地のうち少なくとも1つを与えるように構成されている。
【0116】
別の例では、前述の半導体ダイは、第1のダイ本体の頂面と底面の間に延在する第1の複数のビアをさらに含み得る。これらのビアは、第1の電力分配ネットワーク層に対して電気的に結合されている。
【0117】
別の例では、前述の半導体ダイの第1の電力分配ネットワーク層は、任意選択で、第1の金属層および最後の金属層よりも少なくとも2倍厚くてよい。第1の電力分配ネットワーク層は、任意選択で、第1の電力分配ネットワーク層の上と下とに配設された第1の複数の金属層と比較して、より低い固有抵抗を有し得る。
【0118】
別の例では、前述の半導体ダイの第1の電力分配ネットワーク層の上に配設された第1の複数の金属層は、任意選択で、2Ωを超えて10Ω未満の積層抵抗を有するように構成されてよく、電力分配ネットワーク層の下に配設された複数の第1の金属層は、1Ω以下の積層抵抗を有するように構成されている。
【0119】
別の例では、第1のダイと、内部に標準的なセルが形成されている第2のダイとを含む、アクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスであって、第2のダイの上に第1のダイが積層されてダイ積層をもたらし、第1のダイおよび第2のダイのそれぞれが、複数のインタレベル誘電体層の中に形成された複数の金属層を有して、第1の積層構造および第2の積層構造をもたらし、標準的なセルに対して供給電圧または接地を与えるように構成された、第2の積層構造の電力分配ネットワーク層が、複数の金属層のうち標準的なセルに最も近い第1の金属層と、複数の金属層のうち標準的なセルから最も遠い最後の金属層との間に配置されている、アクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスが提供される。
【0120】
別の例では、前述のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスは、第1のダイの頂面から底面まで延在する第1の基板貫通ビアと、第2の基板の頂面と底面の間に延在する第2の基板貫通ビアとをさらに含む。第1の基板貫通ビアは、第1のダイと第2のダイの間に配設された接合材料によって第2の基板貫通ビアに結合されている。
【0121】
別の例では、前述のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスは、頂面および底面を伴う第3の基板を有する第3のダイであって、導電性のための第3の積層構造をもたらすために、複数のインタレベル誘電体層に形成された複数の金属層を有する第3のダイと、第3のダイの上の第2のダイであって、第2の基板の底面が第3の基板の頂面に面してダイ積層をもたらす、第2のダイとをさらに含む。
【0122】
別の例では、前述のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスは、導電性のために、第2の基板貫通ビアの上端と相互接続された第2の積層構造と、導電性のために、第2の基板貫通ビアの下端と相互接続された、第2の基板の底面近くの第3の積層構造の金属層とをさらに含む。
【0123】
別の例では、前述のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスの電力分配ネットワーク層は、標準的なセルの上に配設された複数の金属層のものよりも低い固有抵抗を有する。
【0124】
別の例では、前述のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスの電力分配ネットワーク層は、標準的なセルの上に配設された複数の金属層の金属層よりも少なくとも2倍厚い厚さを有する。
【0125】
別の例では、前述のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスの第1の積層構造の上層は、2Ωを超えて10Ω未満の積層抵抗を有するように構成されており、上層は電力分配ネットワーク層の上に配設されており、第1の積層構造の下層は1Ω以下の積層抵抗を有するように構成されており、下層は標準的なセルと電力分配ネットワーク層の間に配設されている。
【0126】
別の例では、前述のアクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスの第1の積層構造は、複数の金属層の下層に、複数の金属層の上層のものよりも高いビア密度を有し、上層の経路よりも固有抵抗が低い経路をもたらすように構成されている。
【0127】
別の例では、アクティブオンアクティブのマイクロ電子デバイスを形成するための方法が提供され、この方法は、基板貫通ビアが第1の基板の頂面と底面の間に延在している、第1の基板を有する第1のダイを取得することと、頂面および底面を伴う第2の基板を有する第2のダイを取得することと、第1の基板の底面が第2の基板の頂面と面した状態で第2のダイの上で第1のダイを相互接続して、ダイ積層をもたらすこととを含み、第1のダイおよび第2のダイはそれぞれ、導電性のために、それぞれ、複数のインタレベル誘電体層の中に形成された複数の金属層を有して、第1の積層構造および第2の積層構造をもたらし、導電性のために、第1の積層構造が基板貫通ビアの上端と相互接続されており、相互接続することが、導電性のために、第1の基板の底面近くの第2の積層構造の金属層を、基板貫通ビアの下端と接続することを含み、複数の金属層の下層と上層の間に第2の積層構造の電力分配ネットワーク層が配置され、第1のターゲット回路および第2のターゲット回路が、それぞれ第1の基板および第2の基板に少なくとも部分的に配置され、第2のターゲット回路が電力分配ネットワーク層と相互接続されて、供給電圧または接地のうち少なくとも1つを受け取る。
【0128】
別の例では、前述の方法は、さらに、基板貫通ビアが第1の基板貫通ビアであり、第2のダイが、第2の基板の頂面と底面の間に延在する第2の基板貫通ビアを有し、第3のダイが、頂面および底面を伴う第3の基板を有し、第3のダイが、導電性のための第3の積層構造をもたらすために、複数のインタレベル誘電体層に形成された複数の金属層を有すること、および第2の基板の底面が第3の基板の頂面と面した状態で、第3のダイの上で第2のダイを相互接続してダイ積層をもたらすことを含む。
【0129】
前述のことは例示的装置および/または方法を説明しているが、本明細書で説明された1つまたは複数の態様による、他の例およびさらなる例が、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって決定される本明細書の範囲から逸脱することなく考案され得る。ステップを列記する請求項は、ステップの順番を意味するわけではない。商標はそれぞれの所有者の所有物である。